説明

特定のアミノシリコーンを含有するケラチン繊維処理のための還元組成物

【課題】 毛髪をパーマネントリシェイプするための処理、あるいは脱色処理において、脱色又はパーマネントリシェイプ後の強度及び均一性を損なうことなしに、毛髪の美容特性を乏しくする、例えば、もつれほぐしが困難になる、不快な感触、又は粗く、艶のない髪、あるいは静電気を帯びた毛髪となる、繊維の劣化を招く等の欠点を克服する。
【解決手段】 ヒトのケラチン繊維を脱色又はパーマネントリシェイプするための還元組成物に、以下の式(I)又は(II):
【化1】




のアミノシリコーンを含有せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、化粧品的に許容可能な媒体中に、(i)少なくとも1種の還元剤、及び(ii)少なくとも1種の特定のアミノシリコーンを含有する、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪を処置する化粧品組成物に関する。
本発明はまた、ヒトのケラチン繊維を脱色及びパーマネントリシェイプするための前記組成物の使用、及び前記組成物を使用する脱色又はパーマネントリシェイプの方法及び手段に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を、一又は複数の酸化剤を含有する脱色用組成物で脱色することが知られている。従来から使用されている酸化剤としては、過酸化水素、又は加水分解により過酸化水素を生成可能な化合物、例えば過酸化尿素又は過酸塩類、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩及び過硫酸塩を挙げることができ、過酸化水素及び過硫酸塩が特に好ましい。
しかしながら、またアスコルビン酸又はチオール類、例えばシステインのような還元剤を用いて、毛髪、特に外因性染料で人工的に染色した毛髪等のヒトのケラチン繊維を脱色する方法も知られている。
【0003】
また、毛髪が、好ましくは特にカーラーのような機械的器具を使ってあらかじめ伸ばされた状態にしてあり、一又は複数の還元剤を含有する組成物を毛髪に塗布し、従って髪が還元され、次いで通常は洗浄した後に空気中の酸素によって、より一般的には好ましくは過酸化水素水及びアルカリ金属の臭素酸塩類から選択される酸化剤を用いて、望みの形で再び酸化することによって、毛髪をパーマネントリシェイプする方法が知られている。
毛髪のパーマネントリシェイプにおいて好ましく使用される還元剤は、チオール類、例えばチオグリコール酸、その塩及びそのエステル、チオ乳酸及びその塩、システイン又はシステアミン、及び亜硫酸塩類である。
還元剤を用いて毛髪を脱色するための組成物は主に還元剤(類)を含む無水の製品(粉末又はクリーム)からなる、pH調製剤を含有していてもよい水性組成物と使用時に混合する使用準備の整った組成物の形態である。また、脱色組成物は、至適pHで還元剤を含有する水性の使用準備の整った組成物の形態である。
毛髪をパーマネントリシェイプするための還元組成物は、一般に使用準備の整った水性組成物の形態、又は液体又は微粉末の無水組成物の形態であり、至適pHで水性組成物を使用時に混合する。
更に、毛髪をパーマネントリシェイプに関わる処理、特に脱色に関わる処理は、しばしば腐食性であり、毛髪の美容特性を乏しくし、例えば、もつれほぐしが困難になり、不快な感触、又は粗く、艶のない髪、あるいは静電気を帯びた髪となり、繊維の劣化を招くことが知られている。
【特許文献1】特開平09−151120号公報
【特許文献2】特開2001−031537号公報
【特許文献3】国際公開第01/41722号パンフレット
【特許文献4】特願2000−247182号
【発明の開示】
【0004】
この問題に対して実施した多大な研究の後、出願人は、ヒトのケラチン繊維を脱色又はパーマネントリシェイプするための還元組成物に、以下に定義されるような特定のアミノシリコーンを用いることによって、これまでに使用されている系のものよりも優れたコンディショニング及び残留性の効果により、前記脱色又はパーマネントリシェイプ後の強度及び均一性を損なうことなしに、これらの欠点をすべて克服することができることを見出した。
従って、繊維の状態が改善され、該繊維は、数回の洗髪の後であっても柔らかな感触、もつれほぐしの容易性及び輝きを保持する。
「繊維の状態の改善」という表現は、繊維の孔隙率又はアルカリ溶解性の減少、及び美容特性、特に滑らかさ、柔らかさ、及びもつれほぐし及びスタイリングの容易さの改善を意味する。
この影響は残留するもので、つまり長持ちするのである。
孔隙率は、エタノール/pH10緩衝液の混合物(体積比10/90)中に0.25%で入った2-ニトロ-パラ-フェニレンジアミンの、37℃、pH10、2分間の結合により測定される。
アルカリ溶解度は、30分間、65℃での10分の1規定の水酸化ナトリウム溶液の作用下における100mgのケラチン繊維サンプルの質量減少に相当する。
これらの発見が、本発明の基礎となる。
【0005】
従って、本発明の主題の一つは、化粧品的に許容可能な媒体中に:
(i)少なくとも1種の還元剤、及び
(ii)少なくとも1種の下記の式(I)又は(II)のアミノシリコーンを含有する、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪を処置する化粧品組成物にある。
従って、本発明の主題は、脱色又はパーマネントリシェイプに適した媒体中に少なくとも1種の還元剤を含む、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪を脱色又はパーマネントリシェイプするための使用準備の整った組成物におけるこれら式(I)又は(II)のアミノシリコーンの使用にある。
本発明の目的において、「使用準備の整った(ready-to-use)組成物」とは、ケラチン繊維にそのままの状態で適用することを意図した組成物を意味し、つまり、使用前にそのままの状態で保存されていてもよく、又は2以上の組成物の即時混合して生じたものであってもよい。
使用準備の整った組成物が、数種の組成物の即時混合によるものである場合には、本発明に係るアミノシリコーンは混合される組成物の一又は複数又は全ての中に存在しうる。
従って、本発明に係るアミノシリコーンは、粉末、好ましくは微細粉末の形態、又はクリームの形態の無水組成物及び/又は一又は複数の水性組成物中に存在しうる。
【0006】
好ましくは、本発明によれば、本発明に係るアミノシリコーン(類)は、少なくとも1種の還元剤を含有する粉末又はクリームの形態の無水又は水性である組成物と使用時に混合される、少なくとも1種の水性組成物中に存在する。
本発明の他の好ましい形態は、還元剤(類)及び本発明に係るアミノシリコーン(類)を含有する単一の組成物である。
本発明の対象となる他の主題は、少なくとも1種の還元剤を含有する無水組成物におけるこれらのアミノシリコーンの使用であり、該組成物は繊維に塗布される前に希釈することを意図する。
本発明はまた、上述のような使用準備の整った脱色又はパーマネントリシェイプ組成物を用いた、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪の脱色方法及びパーマネントリシェイプ方法に関し、前記組成物の塗布は、パーマネントリシェイプの場合には、酸化組成物の、場合によっては洗い流した後の塗布を伴う。
本発明はまた、このような使用準備の整った組成物を収容する脱色具又はパーケージにした「キット」に関する。
従って、2区画具は、少なくとも1種の無水粉末又は無水クリーム又は水性組成物を収容する第一の区画と、水性組成物を収容する第2の区画を有し、2区画のうち少なくとも1つに少なくとも1種の還元剤を含み、2区画のうち少なくとも1つに本発明に係る少なくとも1種の式(I)又は(II)のアミノシリコーンを含む。
しかし本発明の他の特性、態様、主題事項及び利点はまた、次の説明及び実施例を読むことで、より明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
アミノシリコーン類
本発明に係る式(I)又は(II)のアミノシリコーンは次のものである:
【化1】

{上式中、
m及びnは、(n+m)の合計が、1〜1000、特に50〜250、より特定的には100〜200の範囲で変化し得る数であり、
nは0〜999、特に49〜249、より特定的には125〜175の範囲の数を示し、
mは1〜1000、特に1〜10、より特定的には1〜5の範囲の数を示し;
、R及びRは、同一か異なっており、ヒドロキシル又はC−Cアルコキシ基を表し、RからR基の少なくとも1つがアルコキシ基を示す}
アルコキシ基は好ましくはメトキシ基である。
ヒドロキシル/アルコキシのモル比は好ましくは0.2:1〜0.4:1、より好ましくは0.25:1〜0.35:1、より特定的には0.3に等しい。
式(I)のアミノシリコーンは好ましくは2000〜1000000、より特定的には3500〜200000の範囲の重量平均分子量を有する。
【0008】
【化2】

{上式中、
p及びqは、(p+q)の合計が、特に1〜1000、特に50〜350、より特定的には150〜250の範囲で変化し得る数であり、pは0〜999、特に49〜349、より特定的には159〜239の範囲の数を示し、qは1〜1000、特に1〜10、より特定的には1〜5の範囲の数を示し;
及びRは、異なっており、ヒドロキシル又はC−Cアルコキシ基を表し、R及びR基の少なくとも1つがアルコキシ基を示す}
アルコキシ基は好ましくはメトキシ基である。
ヒドロキシル/アルコキシのモル比は好ましくは1:0.8〜1:1.1、より好ましくは1:0.9〜1:1、より特定的には1:0.95に等しい。
式(II)のアミノシリコーンは好ましくは2000〜200000、より特定的には5000〜100000、更により特定的には10000〜50000の範囲の重量平均分子量を有する。
【0009】
これらのアミノシリコーンの重量平均分子量は、ポリスチレン換算の室温でのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。使用するカラムはStyragelμカラムである。溶離液はTHFであり、流速は1ml/分である。0.5重量%のTHF中のシリコーン溶液200μlを注入する。検出は屈折計法及びUV測定法により実施される。
これらのシリコーン構造(I)及び(II)に対応する市販製品は、構造が構造(I)及び(II)とは異なる一又は複数の他のアミノシリコーンをその組成物中に含みうる。
構造(I)のアミノシリコーンを含む製品はワッカー(Wacker)社によってベルシル(Belsil)ADM652(登録商標)の名で販売されている。
構造(II)のアミノシリコーンを含む製品はワッカー社によってフルイド(Fluid)WR1300(登録商標)及びベルシル(Belsil)ADM6057(登録商標)の名で販売されている。
【0010】
これらのアミノシリコーンを使用した場合、特定の有利な一実施態様は、水中油型エマルションの形態で使用するものである。水中油型エマルションは、一又は複数の界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は任意の種類のものであってよいが、好ましくはカチオン性及び/又は非イオン性である。
エマルション中のシリコーンの粒子は、一般には3nm〜500ナノメートルの範囲の平均粒径を有する。
好ましくは、特に式(II)のアミノシリコーンに対しては、5nm〜60ナノメートル、より特定的には10nm〜50ナノメートルの範囲の粒径のマイクロエマルションが使用される。
本発明において、ワッカー社によってフィニッシュ(Finish)CT96E(登録商標)又はSLM28020(登録商標)の名で販売される式(II)のアミノシリコーンのマイクロエマルションを使用することができる。
【0011】
式(I)又は(II)のアミノシリコーンは、本発明の該シリコーンを2%AM(活性物質)含む組成物で処理した髪の水との接触角が90〜180°、好ましくは90〜130°でその範囲の限界値を含む範囲になるようなものが好適に選択される。
好ましくは、式(I)又は(II)のアミノシリコーンを含有する組成物は、該組成物で処理した髪の接触角が90〜180°、好ましくは90〜130°でその範囲の限界値を含む範囲になるようなものである。
接触角の測定は蒸留水中に髪を浸漬させることによる。測定は、蒸留水中への浸漬の間とその引き上げの間に髪に作用する水の力を評価することからなる。このようにして測定される力は水と髪の表面との間の接触角θに直接関係している。髪は、角度θが0〜90°の場合に親水性であり、この角度が90〜180°で、範囲の限界値を含む場合に疎水性であると言われる。
【0012】
同一条件下でブリーチした後に洗い流したナチュラルな髪の束を用いて試験を実施する。
1gの各束を直径75mmの晶析装置に配した後、5mlの試験処方物で均一に覆う。その髪の束を室温で15分間この条件に配した後、30秒間洗い流す。絞った後、髪の束を、完全に乾くまで外気中に置く。
各評価に対して、同じ処理を受けた10の髪を分析する。精密微量天秤に取り付けた各試料の端部を、蒸留水を満たした容器中に浸漬する。CAHNインストルメント社のこのDCA天秤(ダイナミック接触角アナライザー)により、水が髪に作用する力(F)を測定することが可能になる。
並行して、髪の周(P)を顕微鏡観察によって測定する。
【0013】
分析した髪の断面と10の髪に対する平均湿潤力から、水との髪の接触角を次の式に従って得ることができる:
F=P*Γlv*cosθ
(ここで、Fはニュートンで表される湿潤力、Pはメートルで表した髪の周、ΓlvはJ/mでの液体/水蒸気界面張力、θは接触角である)
水中12%(すなわち2%のアミノシリコーン)のワッカー社の製品SLM28020(登録商標)は上に示した試験で93°の接触角を与える。
好ましくは、式(I)又は(II)のアミノシリコーンは、本発明の還元組成物中に、組成物の全重量に対して0.01〜20重量%の範囲の量で使用される。より好ましくは、この量は0.1〜15重量%、また更に好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
【0014】
還元剤
本発明に従って使用され得る還元剤は、好ましくはチオール類、例えばシステイン、チオグリコール酸、チオ乳酸、その塩及びそのエステル、システアミン及びその塩、又は亜硫酸塩である。
脱色のための組成物の場合には、また、アスコルビン酸、その塩及びそのエステル、エリソルビン酸、その塩及びそのエステル、及びスルフィナート、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウムを使用することも可能である。
これらの還元剤は、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して約0.1重量%〜30重量%、好ましくは約0.5重量%〜20重量%の間の濃度で使用される。
【0015】
含有物質
本発明に係る組成物はまた、レオロジーを調整するための薬剤、例えばセルロース系増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、グアーガムとその誘導体(ヒドロキシプロピルグアー等)、微生物由来のガム(キサンタンガム、スクレログルカンガム等)、合成増粘剤、例えばアクリル酸又はアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモポリマーをさらに含有していてもよい。
本発明の好ましい組成物は、少なくとも1種のイオン性又は非イオン性の会合ポリマー、例えばグッドリッチ社(Goodrich)からペミュレン(Pemulen)(登録商標)TR1又はTR2、アライド・コロイヅ社からサルケアSC90(登録商標)、ローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas)からアキュリン(Aculyn)(登録商標)22、28、33、44又は46の名称で、そしてアクゾー社(Akzo)からはエルファコス(Elfacos)(登録商標)T210及びT212の名称で市販されているポリマーを組成物の全重量に対して約0.01重量%〜10重量%の間の濃度でさらに含有することができる。
本発明の他の好ましい組成物は、更にヒトのケラチン繊維染色の分野で既知の少なくとも1種のカチオン性又は両性のポリマーを組成物の全重量に対して0.01%〜10重量%、好ましくは0.05%〜5%、より好ましくは0.1%〜3%の割合で含む。
【0016】
カチオン性ポリマー
本発明の目的において「カチオン性ポリマー」という表現は、カチオン基及び/又はカチオン基にイオン化され得る基を含有する任意のポリマーを示す。
本発明で使用可能なカチオン性ポリマーは、それ自体が毛髪の美容特性を改善するものとして既に公知の任意のもの、すなわち特に、欧州特許出願公開第337354号、及び仏国特許第2270846号、同2383660号、同2598611号、同2470596号及び同2519863号に記載されているものから選択することができる。
好ましいカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖の一部を形成していてもよく、又はそこに直接結合される側方置換基により担持されていてもよい、第1級、第2級、第3級及び/又は第4級アミン基を有する単位を含むものから選択される。
一般的に使用されるカチオン性ポリマーは、約500〜5x10、好ましくは約10〜3x10の数平均分子量を有する。
カチオン性ポリマーとしては、特に、ポリアミン、ポリアミノアミド及びポリ第4級アンモニウム型のポリマーを挙げることができる。
【0017】
これらは公知の生成物である。それらは特に、仏国特許第2505348号及び同2542997号に記載されている。前記ポリマーとしては以下のものを挙げることができる:
(1)次の式(I)、(II)、(III)又は(IV):
【化3】

{上式中:
は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はCH基を示し;
Aは、同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で、1〜6の炭素原子、好ましくは2又は3の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を示し;
、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、1〜18の炭素原子を有するアルキル基又はベンジル基、好ましくは1〜6の炭素原子を有するアルキル基を示し;
及びRは、同一でも異なっていてもよく、水素又は1〜6の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し;
Xは無機又は有機酸から誘導されたアニオン、例えばメトスルファートアニオン又はハロゲン化物、例えば塩化物又は臭化物を示す}
の単位の少なくとも1つを有する、アクリル酸又はメタクリル酸エステル又はアミドから誘導されたホモポリマー又はコポリマー。
【0018】
ファミリー(1)のポリマーは、さらに、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素が低級(C-C)アルキルで置換されたアクリルアミドとメタクリルアミド、アクリル酸又はメタクリル酸又はそのエステル、ビニルラクタム、例えばビニルピロリドン又はビニルカプロラクタム、及びビニルエステルのファミリーから選択されうるコモノマーから誘導される一又は複数の単位を含んでいてもよい。
【0019】
しかして、ファミリー(1)のこれらのポリマーとしては:
− 硫酸ジメチル又はジメチルハライドで第4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとアクリルアミドのコポリマー、例えばハーキュレス社(Hercules)からヘルコフロック(Hercofloc)の名称で販売されている製品、
− 例えば、欧州特許出願公開第080976号に記載され、チバ・ガイギー社(Ciba Geigy)からビナクアット(Bina Quat)P100の名称で販売されている、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドのコポリマー、
− ハーキュレス社からレテン(Reten)の名称で販売されている、アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルファートのコポリマー、
− 第4級化された又は第4級化されていないビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリラート又はメタクリラートのコポリマー、例えばISP社から「ガフクアット(Gafquat)」の名称で販売されている製品、例えば、「ガフクアット734」又は「ガフクアット755」、又は「コポリマー845、958及び937」として公知の製品。これらのポリマーは、仏国特許第2077143号及び同2393573号に詳細が記載されている、
− ジメチルアミノエチルメタクリラート/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンのターポリマー、例えばISP社からガフィックス(Gaffix)VC713の名称で販売されている製品、
− 特にISP社からスタイリーズ(Styleze)CC10の名称で販売されているビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンのコポリマー、及び
− 第4級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマー、例えばISP社から「ガフクアットHS100」の名称で販売されている製品、
を挙げることができる。
【0020】
(2)仏国特許第1492597号に記載されている、第4級アンモニウム基を有するセルロースエーテル誘導体、特にユニオン・カーバイド・コーポレーションから「JR」(JR400、JR125及びJR30M)又は「LR」(LR400又はLR30M)の名称で販売されているポリマー。また、これらのポリマーは、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応するヒドロキシエチルセルロースの第4級アンモニウムとして、CTFA辞典に定義されている。
【0021】
(3)カチオン性セルロース誘導体、例えば、水溶性の第4級アンモニウムモノマーがグラフトしたセルロース誘導体又はセルロースのコポリマーで、特に米国特許第4131576号に記載されているもの、例えば、特に、メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチルジアリルアンモニウムの塩がグラフトした、ヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-又はヒドロキシプロピルセルロースのようなヒドロキシアルキルセルロース。
この定義に相当する市販品としては、特に、ナショナル・スターチ社(National Starch)から「セルクアット(Celquat)L200」及び「セルクアットH100」の名称で販売されている製品がある。
【0022】
(4)特に、米国特許第3589578号及び同4031307号に記載されているカチオン性多糖類、例えばカチオン性トリアルキルアンモニウム基を有するグアーガム。例えば、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)で変性したグアーガムが使用される。
このような製品は、特に、メイホール社(Meyhall)から、ジャガー(Jaguar)C13S、ジャガーC15、ジャガーC17又はジャガーC162の商品名で販売されている。
【0023】
(5)酸素、硫黄又は窒素原子、もしくは芳香環又は複素環が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状鎖を有する二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基とピペラジニル単位からなるポリマー、並びにこれらのポリマーの酸化及び/又は第4級化生成物。このようなポリマーは、特に、仏国特許第2162025号及び同2280361号に記載されている。
【0024】
(6)特に、酸性化合物とポリアミンとの重縮合により調製された水溶性のポリアミノアミド類;これらのポリアミノアミド類は、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和の二無水物、ビス不飽和誘導体、ビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-アルキルハライド、もしくはビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビス-アルキルハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド又はビス不飽和誘導体と反応性である二官能化合物との反応の結果生じたオリゴマーで架橋されていてもよく;架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基当たり0.025〜0.35モルの範囲の割合で使用され;これらのポリアミノアミド類はアルキル化されるか、それらが一又は複数の第3級アミン官能基を含む場合には第4級化されてもよい。このようなポリマーは、特に仏国特許第2252840号及び同2368508号に記載されている。
【0025】
(7)ポリカルボン酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させ、続いて二官能剤でアルキル化して得られるポリアミノアミド誘導体。例えば、アルキル基が1〜4の炭素原子を含み、好ましくはメチル、エチル又はプロピルを示す、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンのポリマーを挙げることができる。このようなポリマーは、特に仏国特許第1583363号に記載されている。
これらの誘導体として、特にサンド社(Sandoz)から「カルタレチン(Cartaretine)F、F4又はF8」の名称で販売されている、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンのポリマーを挙げることができる。
【0026】
(8)3〜8の炭素原子を有する、飽和した脂肪族のジカルボン酸、及びジグリコール酸から選択されるジカルボン酸と、少なくとも1つの第2級アミン基と、2つの第1級アミン基を有するポリアルキレンポリアミンとを反応させて得られるポリマー。ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸のモル比は、0.8:1〜1.4:1であり;そこで得られたポリアミノアミドは、ポリアミノアミドの第2級アミン基に対して、0.5:1〜1.8:1のモル比のエピクロロヒドリンと反応させる。このようなポリマーは、特に、米国特許第3227615号及び同2961347号に記載されている。
この種のポリマーは、特に、アジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンのコポリマーの場合は、ハーキュレス社から「デルセット(Delsette)101」又は「PD170」の名称で、もしくはハーキュレス・インクから「ヘルコセット(Hercosett)57」の名称で販売されている。
【0027】
(9)ジアルキルジアリルアンモニウム又はアルキルジアリルアミンのシクロポリマー、例えば、次の式(V)又は(VI):
【化4】

{上式中、k及びtは0又は1であり、k+tの合計は1であり;Rは、水素原子又はメチル基を示し;R及びRは互いに独立して、1〜8の炭素原子を有するアルキル基、アルキル基が好ましくは1〜5の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、低級C-Cアミドアルキル基を示すか、又はRとRは、それらが結合している窒素原子と共同して、複素環基、例えばピペリジル又はモルホリニルを示し得るもので;RとRは、互いに独立して、好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルキル基を示し;Yは、アニオン、例えば臭化物、塩化物、アセタート、ボラート、シタラート、タータラート、ビスルファート、二亜硫酸塩、スルファート又はホスファートである}
に相当する単位を鎖の主な構成要素として含有するホモポリマー又はコポリマー。これらのポリマーは、特に、仏国特許第2080759号及び追加特許証第2190406号に記載されている。
上述したポリマーとしては、特にカルゴン社(Calgon)から「メルクアット100」の名称で販売されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(及びその低重量平均分子量のホモログ)、及び「メルクアット550」の名称で販売されているジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドのコポリマーを挙げることができる。
【0028】
(10)次の式:
【化5】

{上式中(VII)中:
10、R11、R12及びR13は同一でも異なっていてもよく、1〜20の炭素原子を有する脂肪族、脂環式又はアリール脂肪族基、もしくは低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を示すか、又はR10、R11、R12及びR13は、共同して又は別々に、それらが結合する窒素原子とともに、窒素以外の第2のヘテロ原子を含有していてもよい複素環を形成するか、又はR10、R11、R12及びR13は、R14がアルキレンで、Dが第4級アンモニウム基である、-CO-NH-R14-D又は-CO-O-R14-D基、又はニトリル、エステル、アシル又はアミド基で置換される、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基を示し;
及びBは、スルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミド又はエステル基、又は一又は複数の酸素又は硫黄原子又は一又は複数の芳香環が主鎖に挿入、又は連結して含有されていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和であってよい、2〜20の炭素原子を有するポリメチレン基を表し、
は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを示し;
、R10及びR12は、それらが結合する2つの窒素原子とともにピペラジン環を形成可能で;Aが直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基を示す場合は、Bはまた-(CH)-CO-D-OC-(CH)-基を示すことができ、ここでnは1〜100、好ましくは1〜50の間であり、Dは:
a)式:-O-Z-O-のグリコール残基
{上式中、Zは、直鎖状又は分枝状の炭化水素基、又は次の式:
-(CH-CH-O)-CH-CH-
-[CH-CH(CH)-O]-CH-CH(CH)-
(上式中、x及びyは、定まった一つの重合度を表す1〜4の整数を示すか、あるいは、平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す)
の一つに相当する基を示す};
b)ビス-第2級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体;
c)式:-NH-Y-NH-のビス-第1級ジアミン残基
{上式中、Yは、次の式:
-CH-CH-S-S-CH-CH-;
で示される二価の基、又は直鎖状又は分枝状の炭化水素基を示す};
d)式:-NH-CO-NH-のウレイレン基;
を示す}
に相当する繰り返し単位を含有する第4級ジアンモニウムポリマー。
【0029】
好ましくは、Xは、アニオン、例えば塩化物又は臭化物である。
これらのポリマーは、一般的に1000〜100000の数平均分子量を有する。
この種のポリマーは、特に、仏国特許第2320330号、同2270846号、同2316271号、同2336434号及び同2413907号、及び米国特許第2273780号、同2375853号、同2388614号、同2454547号、同3206462号、同2261002号、同2271378号、同3874870号、同4001432号、同3929990号、同3966904号、同4005193号、同4025617号、同4025627号、同4025653号、同4026945号及び同4027020号に記載されている。
【0030】
特に使用可能なポリマーは、次の式(VIII):
【化6】

{上式中、
10、R11、R12及びR13は同一でも異なっていてもよく、約1〜4の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基を示し、n及びpは約2〜20の範囲の整数であり、Xは無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンである}
に相当する繰り返し単位からなるものである。
【0031】
(11)次の式(IX):
【化7】

{上式中、pは約1〜6の範囲の整数であり、Dは存在しないか、又はrが4又は7に等しい数を示す-(CH)-CO-基を表し、Xはアニオンである}
の単位からなるポリ第4級アンモニウムポリマー。
【0032】
このようなポリマーは、米国特許第4157388号、同4702906号及び同4719282号に記載されている方法に従って調製することができる。それらは特に欧州特許出願公開第122324号に記載されている。
これらの製品としては、ミラノール社(Miranol)から販売されている「ミラポール(Mirapol)A15」、「ミラポールAD1」、「ミラポールAZ1」及び「ミラポール175」が挙げられる。
【0033】
(12)ビニルピロリドンとビニルイミダゾールの第4級ポリマー、例えば、BASF社からルビクアット(Luviquat)FC905、FC550及びFC370の名称で販売されている製品。
【0034】
(13)ポリアミン類、例えばCTFA辞書で「ポリエチレングリコール(15)獣脂ポリアミン」の参照名が付されているヘンケル社(Henkel)から販売されているポリクアート(Polyquart)H。
【0035】
(14)架橋したメタクリロイルオキシ(C-C)アルキルトリ(C-C)アルキルアンモニウム塩のポリマー、例えば、塩化メチルで第4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルが単独重合、又は塩化メチルで第4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとアクリルアミドとが共重合し、単独重合又は共重合に続いて、オレフィン性不飽和を有する化合物、特にメチレンビスアクリルアミドで架橋することにより得られるポリマー。特に、鉱物性油に50重量%の、アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋したコポリマー(重量比 20:80)を含有せしめてなる分散液の形態で該ポリマーを使用することもできる。この分散液は、アライド・コロイヅ社(Allied Colloids)から「サルケア(Salcare)(登録商標)SC92」の名称で販売されている。また、鉱物性油又は液状エステルに、約50重量%のメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋したホモポリマーを含有せしめてなるものを使用することもできる。これらの分散液は、アライド・コロイヅ社から「サルケア(登録商標)SC95」及び「サルケア(登録商標)SC96」の名称で販売されている。
【0036】
本発明で使用可能な他のカチオン性ポリマーは、ポリアルキレンイミン類、特にポリエチレンイミン類、ビニルピリジン又はビニルピリジニウム単位を有するポリマー、ポリアミン類とエピクロロヒドリンの縮合物、第4級ポリウレイレン類及びキチン誘導体である。
【0037】
本発明で使用可能な全カチオン性ポリマーのなかでも、ファミリー(1)、(9)、(10)、(11)及び(14)のポリマーが好ましく、次の式(W)及び(U):
【化10】

特にゲル透過クロマトグラフィーにより決定される重量平均分子量が9500〜9900であるもの;
【化9】

なかでもゲル透過クロマトグラフィーにより決定される重量平均分子量が約1200であるもの、
の繰り返し単位からなるポリマーがより好ましく使用される。
本発明に係る組成物中の本発明のカチオン性ポリ(ビニルラクタム)以外のカチオン性ポリマーの濃度は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜3重量%の範囲であり得る。
【0038】
両性ポリマー類
本発明において使用可能な両性ポリマーは、ポリマー鎖にランダムに分布する単位K及びMを含むポリマーの中から選択され、そのKは少なくとも1つの塩基性窒素原子を含むモノマーから誘導された単位を表し、Mは一又は複数のカルボキシル基又はスルホン基を含む酸性モノマーから誘導された単位を表すか、あるいはK及びMが、カルボキシベタイン又はスルホベタインの双性イオン性モノマーから誘導される基を示してもよく;
またK及びMが、第1級、第2級、第3級又は第4級アミン基を含み、その少なくとも1つのアミン基が、炭化水素を有する基を介して結合されるカルボキシル基又はスルホン酸基を担うカチオン性ポリマー鎖を示すことができ、あるいはさらに、K及びMが、α,β-ジカルボン酸エチレン単位を含むポリマー鎖の一部をなし、そのカルボキシル基の1つが一又は複数の第1級又は第2級アミン基を含むポリアミンと反応させられたものである。
【0039】
上述した定義に相当する特に好ましい両性ポリマーは次のポリマーから選択される:
(1)特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、α-クロロアクリル酸等の、カルボキシル基を担持するビニル化合物から誘導されるモノマー、及び特にジアルキルアミノアルキルメタクリラート及びアクリラート、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド及びアクリルアミド等の、少なくとも1つの塩基性原子を含む置換されたビニル化合物から誘導される塩基性モノマーの共重合により得られるポリマー。このような化合物は米国特許第3836537号に記載されている。
またヘンケル社からポリクアート(Polyquart)KE3033の名称で販売されているアクリル酸ナトリウム/アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマーを挙げることができる。
また、ビニル化合物は、ジアルキルジアリルアンモニウム塩、例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリドであってもよい。アクリル酸とこのモノマーとのコポリマーは、カルゴン社(Calgon)からメルクアット(Merquat)280、メルクアット295及びメルクアットPlus3330の名称で販売されている。
【0040】
(2)次の:
a)窒素原子をアルキル基で置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミドから選択される少なくとも1つのモノマー、
b)一又は複数の反応性カルボキシル基を含む少なくとも1つの酸性コモノマー、及び
c)第1級、第2級、第3級及び第4級アミン置換基を有するアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、及びジメチルアミノエチルメタアクリラートを硫酸ジメチル又は硫酸ジエチルで第4級化した生成物などの、少なくとも1つの塩基性コモノマー、
から誘導された単位を含むポリマー。
本発明において、さらにとりわけ好ましいN置換アクリルアミド又はメタクリルアミドとしては、アルキル基が2〜12の炭素原子を有する群、特にN-エチルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-tert-オクチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-デシルアクリルアミド、N-ドデシルアクリルアミド及びそれらに対応するメタクリルアミドである。
酸性コモノマーは、特にアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸、及びマレイン酸又はフマル酸の1〜4の炭素原子を有するアルキルモノエステル類、又は無水物から選択される。
好ましい塩基性コモノマーは、アミノエチル、ブチルアミノエチル、N,N'-ジメチルアミノエチル及びN-tert-ブチルアミノエチルメタクリラートである。
コポリマーのCTFA(第4版、1991)名がオクチルアクリルアミド/アクリラート/ブチルアミノエチルメタクリラートコポリマー、例えばナショナル・スターチからアンフォマー(Amphomer)又はロボクリル(Lovocryl)47の名称で販売されている製品が特に使用される。
【0041】
(3) 次の一般式:
【化10】

{上式中、R19は、飽和したジカルボン酸、エチレン性二重結合を有するモノ-又はジカルボン脂肪族酸、これらの酸と1〜6の炭素原子を有する低級アルカノールとのエステルから誘導される二価の基、もしくは、ビス(プライマリ)、又はビス(セカンダリ)アミンに、上記酸の任意の一つを添加することにより誘導される基を表し、Zは、ビス(プライマリ)、モノ-又はビス(セカンダリ)ポリアルキレン-ポリアミンの基を示し、好ましくは、
a)60〜100モル%の割合で、次の式:
【化11】

{上式中、x=2及びp=2又は3であるか、又はx=3及びp=2である}
で表される基(この基はジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン又はジプロピレントリアミンから誘導される);
b)0〜40モル%の割合で、上述した基(XI)において、x=2及びp=1であり、エチレンジアミンから誘導される基、又は次の式:
【化12】

で表されるピペラジンから誘導される基;
c)0〜20モル%の割合で、ヘキサメチレンジアミンから誘導される-NH-(CH)-NH-基を表す}
のポリアミノアミドから部分的又は全体的に誘導される、架橋し、またアルキル化したポリアミノアミドで、これらのポリアミノアミドは、ポリアミノアミドのアミン基当たり0.025〜0.35モルの架橋剤が使用されて、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、及びビス不飽和誘導体から選択される二官能性架橋剤を添加することにより架橋され、アクリル酸、クロロ酢酸、又はアルカン-スルトン、又はそれらの塩類の作用により、アルキル化される。
飽和カルボン酸は、好ましくはアジピン酸、2,2,4-トリメチルアジピン酸、及び2,4,4-トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、そして例えばアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸のようにエチレン性二重結合を有する酸など、6〜10の炭素原子を有する酸から選択される。
アルキル化に使用されるアルカンスルトンは、好ましくはプロパンスルトン又はブタンスルトンであり、アルキル化剤の塩は好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩である。
【0042】
(4)次の式:
【化13】

{上式中、R20は、重合性不飽和基、例えば、アクリラート、メタクリラート、アクリルアミド又はメタクリルアミド基を示し、y及びzは1〜3の整数を表し、R21及びR22は、水素原子、メチル、エチル又はプロピルを表し、R23及びR24は、水素原子、又はR23及びR24の炭素原子の合計が10を越えないアルキル基を表す}
の双性イオン性単位を有するポリマー。
このような単位を含むポリマーは、ジメチルもしくはジエチルアミノエチルアクリラート又はメタクリラート、又はアクリル酸アルキルもしくはメタアクリル酸アルキル、アクリルアミド又はメタクリルアミド又は酢酸ビニルのような非双性イオン性モノマーから誘導される単位を含むことも可能である。
例として、サンド社(Sandoz)のダイアフォーマー(Diaformer)Z301という名称で販売されている製品のような、ブチルメタクリラート/ジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルメタクリラートのコポリマーを挙げることができる。
【0043】
(5)式(XIII)、(XIV)及び(XV):
【化14】

{上式中、単位(XIII)は0〜30%の割合、単位(XIV)は5〜50%の割合、及び単位(XV)は30〜90%の割合で存在し、単位(XV)においてR25は次の式:
【化17】

{上式中、
q=0である場合は、R26、R27及びR28は同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、一又は複数の窒素原子が挿入されていてもよく、及び/又は一又は複数のアミン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルキルチオ又はスルホン基で置換されていてもよい、ジアルキルアミン残基又はモノアルキルアミン残基、メチル、ヒドロキシル、アセトキシ又はアミノ残基、アルキル基がアミノ残基を担持しているアルキルチオ残基を表し、この場合、R26、R27及びR28基の少なくとも1つは水素原子であり;
又はq=1である場合は、R26、R27及びR28は、それぞれ、水素原子、並びにこれらの化合物と酸又は塩基とにより形成される塩を表す}
の基を示す}
に相当するモノマー単位を有するキトサンから誘導されるポリマー。
【0044】
(6)キトサンのN-カルボキシアルキル化によって誘導されるポリマー、例えばジャン・デッカー社(Jan Dekker)から「エバルサン(Evalsan)」の名称で販売されているN-カルボキシメチルキトサン又はN-カルボキシブチルキトサン。
【0045】
(7)例えば仏国特許第1400366号に記載されているような一般式(XI):
【化16】

{上式中、R29は、水素原子、CHO、CHCHO又はフェニル基を表し、R30は、水素、又はメチル又はエチルのような低級アルキル基を示し、R31は、水素、又はメチル又はエチルのような低級アルキル基を示し、R32は、メチル又はエチルのような低級アルキル基、又は次の式:-R33-N(R31)に相当する基を示し、ここでR33は、-CH-CH-、-CH-CH-CH-又は-CH-CH(CH)-基を表し、R31は上述の意味を有し、
並びにこれらの基の高級同族体を表し、6までの炭素原子を有し、
rは分子量が500〜6000000、好ましくは1000〜1000000である}
に相当するポリマー。
【0046】
(8)次のものから選択される-D-X-D-X-タイプの両性ポリマー:
a)クロロ酢酸又はクロロ酢酸ナトリウムを、次の式:
-D-X-D-X-D- (XVII)
{上式中、Dは、
【化17】

なる基を表し、
Xは、記号E又はE'を表し、E又はE'は同一でも異なっていてもよく、主鎖に7までの炭素原子を含む直鎖状又は分枝状鎖を有するアルキレン基である二価の基を表し、それは、未置換であるか又はヒドロキシル基で置換され、さらに酸素、窒素及び硫黄原子、1ないし3の芳香環及び/又は複素環を含むことが可能であり;酸素、窒素及び硫黄原子は、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、スルホニウム、アルキルアミン又はアルケニルアミン基、ヒドロキシル、ベンジルアミン、アミンオキシド、第4級アンモニウム、アミド、イミド、アルコール、エステル及び/又はウレタン基の形で存在する}
の少なくとも1つの単位を含む化合物に作用させて得られるポリマー。
b)次の式:
-D-X-D-X- (XVIII)
{上式中、Dは、
【化18】

なる基を表し、
Xは、記号E又はE'を表し、少なくとも1回はE';Eは上述と同じ意味を持ち、E'は、主鎖に7までの炭素原子を含む直鎖状又は分枝状鎖を有するアルキレン基である二価の基であり、そしてそれは、未置換であるか又は一又は複数のヒドロキシル基で置換され、そして一又は複数の窒素原子を含み、窒素原子は、場合によっては酸素原子により中断され、一又は複数のカルボキシル官能基又は一又は複数のヒドロキシル官能基の含有が不可欠であり、クロロ酢酸又はクロロ酢酸ナトリウムとの反応でベタイン化されるアルキル鎖で置換される}
のポリマー。
【0047】
(9)N,N-ジアルキルアミノアルキルアミン、例えばN,N-ジメチルアミノプロピルアミンで半アミド化するか、又はN,N-ジアルカノールアミンで半エステル化することにより部分的に変性された、(C-C)アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸のコポリマー。また、これらのコポリマーは、例えばビニルカプロラクタムのような他のビニルコモノマーを含有してもよい。
本発明における特に好ましい両性ポリマーは、ファミリー(1)のものである。
本発明によれば、両性ポリマー(類)は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜5重量%、更に好ましくは0.1重量%〜3重量%に相当しうる。
【0048】
本発明の組成物は、好ましくは一又は複数の界面活性剤を含む。
界面活性剤(類)は、アニオン性、両性、非イオン性、双性及びカチオン性界面活性剤から単独で又は混合物として差別なく選択されうる。
【0049】
本発明の実施に適する界面活性剤としては、特に以下のものが挙げられる:
(i)アニオン性界面活性剤(類):
本発明において、単独で又は混合物として使用可能なアニオン性界面活性剤の例として、特に(非限定的列挙)、次の化合物:アルキルスルファート類、アルキルエーテルスルファート類、アルキルアミドエーテルスルファート類、アルキルアリールポリエーテルスルファート類、モノグリセリドスルファート類;アルキルスルホナート類、アルキルホスファート類、アルキルアミドスルホナート類、アルキルアリールスルホナート類、α-オレフィンスルホナート類、パラフィンスルホナート類;(C−C24)アルキルスルホスクシナート類、(C−C24)アルキルエーテルスルホスクシナート類、(C−C24)アルキルアミドスルホスクシナート類;(C−C24)アルキルスルホアセタート類;(C−C24)アシルサルコシナート類;及び(C−C24)アシルグルタマート類の塩類(特にアルカリ金属塩、中でもナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩、又はマグネシウム塩)を挙げることができる。また、(C−C24)アルキルポリグリコシドのカルボン酸エステル、例えばアルキルグルコシドシトラート、アルキルポリグリコシドタートラート及びアルキルポリグリコシドスルホスクシナート、アルキルスルホスクシナマート;アシルイセチオナート及びN-アシルタウラートを使用することもでき、これら全ての種々の化合物のアルキル又はアシル基は、好ましくは12〜20の炭素原子を有し、アリール基は、好ましくはフェニル又はベンジル基を示す。また、使用可能なアニオン性界面活性剤として、脂肪酸塩、例えば、オレイン酸、リシノレイン酸、パルミチン酸及びステアリン酸、ヤシ油酸又は水素化ヤシ油酸の塩;アシル基が8〜20の炭素原子を有するアシルラクチラートを挙げることができる。アルキル-D-ガラクトシド-ウロン酸及びそれらの塩、ポリオキシアルキレン化(C-C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C-C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C−C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びそれらの塩類、特に2〜50のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド基、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0050】
(ii)非イオン性界面活性剤(類):
また、非イオン性界面活性剤は、それ自体よく知られている化合物(これに関して、特にブラッキー・アンド・サン社(Blackie & Son)(グラスゴー及びロンドン)から出版されている、エム・アール・ポーター(M.R. Porter)の「界面活性剤ハンドブック(Handbook of Surfactants)」1991年、116-178頁を参照)であり、本発明において、それらの性質はあまり重要ではない。従って、それらは、特に(非限定的列挙)、例えば8〜18の炭素原子を含有する脂肪鎖を有する、ポリエトキシル化又はポリプロポキシル化された、アルキルフェノール類、α-ジオール類又はアルコール類であり、特にエチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数が2〜50の範囲とできるものから選択することができる。また、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪アルコールとエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの縮合物;好ましくは2〜30モルのエチレンオキシドを有するポリエトキシル化脂肪アミド類、平均1〜5、特に1.5〜4のグリセロール基を有するポリグリセロール化脂肪アミド類;2〜30モルのエチレンオキシドを有するオキシエチレン化されたソルビタンの脂肪酸エステル類;スクロースの脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル類、アルキルポリグリコシド類、N-アルキルグルカミン誘導体、又はアミンオキシド類、例えば(C10-C14)アルキルアミンのオキシド類又はN-アシルアミノプロピルモルホリンオキシド類を挙げることもできる。
【0051】
(iii)両性又は双性イオン性界面活性剤(類):
本発明において、両性又は双性イオン性界面活性剤は、その性質はあまり重要な特徴ではなく、特に(非限定的列挙)、脂肪族基が8〜18の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の鎖であり、少なくとも一種の水溶性のアニオン性基(例えば、カルボキシラート、スルホナート、スルファート、ホスファート又はホスホナート)を含有する、脂肪族の第2級又は第3級アミンの誘導体であってよく;さらに、(C-C20)アルキルベタイン類、スルホベタイン類、(C-C20)アルキルアミド(C-C)アルキルベタイン類又は(C-C20)アルキルアミド(C-C)アルキルスルホベタイン類でありうる。
【0052】
アミン誘導体の中で、ミラノール(Miranol)の名称で販売されている製品を挙げることができ、米国特許第2528378号及び同2781354号に開示され、アンホカルボキシグリシナート類(Amphocarboxyglycinates)及びアンホカルボキシプロピオナート類(Amphocarboxypropionates)の名称で、CTFA辞典、第3版、1982に分類され、それぞれ、次の構造:
-CONHCHCH-N(R)(R)(CHCOO)
{上式中:Rは、加水分解されたヤシ油中に存在する酸R-COOHから誘導されるアルキル基、ヘプチル、ノニル又はウンデシル基を示し、Rは、β-ヒドロキシエチル基を示し、Rはカルボキシメチル基を示す};及び
'-CONHCHCH-N(B)(C)
{上式中、Bは、-CHCHOX'を示し、Cは、z=1又は2である-(CH)-Y'を示し、
X'は、-CHCH-COOH基又は水素原子を示し、
Y'は、-COOH又は-CH-CHOH-SOH基を示し、
'は、加水分解された亜麻仁油又はヤシ油中に存在する酸R-COOHのアルキル基、アルキル基、特にC、C、C11又はC13アルキル基、C17アルキル基及びそのイソ形、不飽和のC17基を示す};
を有する。
これらの化合物は、ココアンホニ酢酸ニナトリウム、ラウロアンホニ酢酸ニナトリウム、カプリルアンホニ酢酸ニナトリウム、カプリロアンホニ酢酸ニナトリウム、ココアンホニプロピオン酸ニナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸及びココアンホジプロピオン酸の名称でCTFA辞典、第5版、1993年に分類されている。
例えば、ロディアシミー(Rhodia Chimie)社からミラノール(登録商標)C2M濃縮物の商品名で販売されている、ココアンホジアセテートを挙げることができる。
【0053】
(iv)カチオン性界面活性剤類:
カチオン性界面活性剤の中で、特に(非限定的列挙):ポリオキシアルキレン化されていてもよい、第1級、第2級又は第3級脂肪アミンの塩;第4級アンモニウム塩、例えばテトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム又はアルキルピリジニウムクロリド又はブロミド;イミダゾリン誘導体;又はカチオン性のアミンオキシド類を挙げることができる。
本発明による使用準備の整った組成物中に存在する界面活性剤の量は、組成物の総重量に対して0.01〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%の範囲とすることができる。
【0054】
使用準備の整った組成物のpHは、一般的に約1.5と12の間である。
より好ましくは、脱色用である本発明の使用準備の整った組成物のpHは、約1.5と10の間、より好ましくは1.5と7の間である。
より好ましくは、パーマネントリシェイプ用の本発明の組成物のpHは、6と12の間、さらに好ましくは7と11の間である。
このpHは、ケラチン繊維の脱色又はパーマネントリシェイプにおいて当業者によく知られた酸性化又は塩基性化剤によって所望される値に調整されてもよい。
【0055】
塩基性化剤としては、例えば、アンモニア水、アルカリ金属炭酸塩類又は炭酸アンモニウム、アルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンとその誘導体等、オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化ヒドロキシアルキルアミン及びエチレンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び次の式(XIX):
【化19】

[ここで、Rは、場合によってはヒドロキシル基又はC-Cアルキル基で置換されていてもよいプロピレン残基であり;R34、R35、R36及びR37は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、C-Cアルキル又はC-Cヒドロキシアルキル基を表す] の化合物を挙げることができる。
【0056】
酸性化剤は、従来、例えば、無機又は有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸、カルボン酸類、例えば酒石酸、クエン酸又は乳酸、又はスルホン酸類である。
塩基性化又は酸性化剤は、脱色又はパーマネントリシェイプ組成物の全重量に対して約0.01重量%〜30重量%でありうる。
また本発明の組成物は、金属イオン封鎖剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)等を含有することができる。
【0057】
還元剤及び本発明に係るアミノシリコーン類を含有する組成物が無水形態(粉末又はクリーム)である場合、それらは上記の主剤及び添加剤を実質的に無水の固体又は液体の形態で含有する。
還元剤を含有する媒体が水性媒体である場合、それは場合によっては化粧品分野で許容される有機溶剤を含有し、より具体的には、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコールなどのアルコール類、又はポリオール類又はポリオールエーテル類、例えばエチレングリコールのモノメチル、モノエチル又はモノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエステル、例えばプロピレングリコールのモノメチルエーテルなど、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びジエチレングリコールアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルを含む。その場合、媒体は、組成物の全重量に対して約0.5〜20重量%、好ましくは約2〜10重量%の間の濃度で含むことができる。
【0058】
本発明による脱色用又はパーマネントリシェイプ用組成物は、従来からヒトのケラチン繊維の脱色又はパーマネントリシェイプにおいて他で知られている他の添加剤を有効量含めることができる。
言うまでもなく、当業者は上記の任意の付加的化合物(類)を、意図する添加によって本発明に係るケラチン繊維を脱色又はパーマネントリシェイプするための組成物が本来有している有利な特性が不利な影響を受けないように、又は実質的に不利な影響を受けないように注意して選択するであろう。
【0059】
本発明に係る脱色方法は、好ましくは使用準備の整った還元組成物を湿った又は乾燥したケラチン繊維に塗布し、好ましくは約1〜60分間、より好ましくは約10〜45分間の作用時間の間放置して作用させ、繊維をすすぎ、次いで場合によってはシャンプーで洗浄し、次いでもう一度すすぎ、そして乾燥させることからなる。
【0060】
好ましくは、本発明に係るパーマネントリシェイプ方法は、使用準備の整った還元組成物を湿った又は乾燥したケラチン繊維に塗布し、好ましくは約1〜60分間、より好ましくは約10〜45分間の作用時間の間放置して作用させ、場合によっては繊維をすすぎ、次いで酸化組成物を塗布して、1〜20分間、より好ましくは約1から10分間の作用時間の間放置して作用させ、次いで場合によってはシャンプーで繊維を洗浄し、次いでもう一度すすぎ、乾燥させることからなる。
ケラチン繊維を伸ばした状態にしておくための機械的な手段が、還元組成物を塗布する前、間又は後に使用されてもよく、酸化組成物を洗い流す前又は後に取り外されうる。
【実施例】
【0061】
本発明を例証する具体的な実施例を以下に示すが、限定するものではない。
実施例1:
以下の使用準備の整った水性脱色用組成物(活性物質をグラムで表記した量)を調製した:
クエン酸 7.4
クエン酸3ナトリウム二水和物 1
ヒドロキシエチルセルロース 1.5
2-オキソグルタル酸 0.8
アスコルビン酸ナトリウム 5.7
L-システイン 2
本発明に係る式(I)の
ポリジメチルシロキサン:ワッカー社の
ベルシルADM652(登録商標) 2
硫酸マグネシウム 1
水 100にする量
上記脱色組成物は、毛髪を脱色し、毛髪に柔らかさ、滑らかな感触、輝きのある外観及び良好なもつれほぐし性を付与した。
【0062】
実施例2:
以下の還元組成物(活性物質のグラムとして表記)を調製した:
チオグリコール酸 9.2
アルギニン 15
20%のNH3を含有する水性アンモニア 1.86
炭酸アンモニウム 4.5
水性の30%溶液としての
ココイルアミドプロピルベタイン/
モノラウリン酸グリセリル(25/5) 1.3
ペプタイザー 0.8
本発明に係る式(II)の
ポリジメチルシロキサン:ワッカー社の
SLM28020(登録商標) 2
イソステアリルアルコール
(ゴールドシュミット社から
販売されるTego Alkanol 66) 12
金属イオン封鎖剤 0.4
香料 0.4
脱塩水 100にする量
この還元組成物を、事前に直径9mmのカーラーでロールアップしておいた湿った毛髪の束に塗布した。
10分間組成物を放置して作用させた後、水で十分に洗い流した。
次いで、酸化組成物(pH3の8容量の過酸化水素水溶液)を塗布した。
10分間組成物を放置して作用させた後、その束を再び水で十分に洗い流した。
次に毛髪をローラーから取り外し、乾かした。
毛髪は、良好なカールを示し、さらに、柔らかさ、滑らかさ、輝き及びもつれほぐし容易性を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品的に許容可能な媒体中に:
(i)少なくとも1種の還元剤、及び
(ii)以下の式(I)又は(II):
【化1】

{上式(I)中、
m及びnは、(n+m)の合計が、1〜1000の範囲の数であり、
nは0〜999の範囲の数を示し、mは1〜1000の範囲の数を示し;
、R及びRは、同一であるか又は異なっており、ヒドロキシル又はメトキシ基を表し、RからR基の少なくとも1つがメトキシ基を示す};
【化2】

{上式(II)中、
p及びqは、(p+q)の合計が、1〜1000の範囲の数であり、
pは0〜999の範囲の数を示し、qは1〜1000の範囲の数を示し;
及びRは、一方がヒドロキシル基を、他方がメトキシ基を表す}
の少なくとも1種のアミノシリコーン
を含有することを特徴とする、ヒトのケラチン繊維を処置する化粧品組成物。
【請求項2】
式(I)のアミノシリコーンについて、ヒドロキシル/アルコキシのモル比が0.2:1〜0.4:1の間であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(II)のアミノシリコーンについて、ヒドロキシル/アルコキシのモル比が1:0.8〜1:1.1であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のアミノシリコーンが2000〜1000000の範囲の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
式(II)のアミノシリコーンが2000〜200000の範囲の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1又は3に記載の組成物。
【請求項6】
式(I)又は(II)のアミノシリコーンが、脱色組成物中に、組成物の全重量に対して0.01重量%〜20重量%の範囲の量で存在することを特徴とする、請求項1ないし5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項7】
還元剤が、チオール類、例えばシステイン、チオグリコール酸又はチオ乳酸、その塩及びそのエステル、システアミン及びその塩、亜硫酸塩類、アスコルビン酸、その塩及びそのエステル、又はエリソルビン酸、その塩及びそのエステルから選択されることを特徴とする、請求項1ないし6の何れか1項に記載の組成物。
【請求項8】
還元剤の濃度が、組成物の全重量に対して約0.1重量%〜30重量%の範囲であることができることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の還元剤を含有する無水組成物と少なくとも1種の水性組成物とが使用時に即時混合され、少なくとも1種の無水又は水性組成物が、請求項1ないし5の何れか1項に記載される少なくとも1種の式(I)又は(II)のアミノシリコーンを含有することを特徴とする、請求項1ないし8の何れか1項に記載の組成物を調製する方法。
【請求項10】
無水であり、脱色又はパーマネントリシェイプを意図することを特徴とする、請求項1ないし8の何れか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ヒトのケラチン繊維を脱色又はパーマネントリシェイプするための方法であって、脱色に適した媒体中に少なくとも1種の還元剤と請求項1ないし5の何れか1項に記載の少なくとも1種の式(I)又は(II)のアミノシリコーンとを含有する使用準備の整った組成物を、湿った又は乾燥した繊維に塗布し、1〜60分間の作用時間の間放置して作用させ、場合によっては繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、次いでもう一度すすいで乾燥させることからなり、あるいはパーマネントリシェイプの場合には、前記組成物の塗布は、場合によっては洗い流した後に、酸化組成物の塗布を伴い、1〜20分間の作用時間の間放置して作用させ、場合によってはシャンプーで洗浄し、次いでもう一度すすぎ、乾燥させることからなる方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品的に許容可能な媒体中に:
(i)少なくとも1種の還元剤、及び
(ii)以下の式(I)又は(II):
【化1】

{上式(I)中、
m及びnは、(n+m)の合計が、1〜1000の範囲の数であり、
nは0〜999の範囲の数を示し、mは1〜1000の範囲の数を示し;
、R及びRは、同一であるか又は異なっており、ヒドロキシル又はメトキシ基を表し、RからR基の少なくとも1つがメトキシ基を示す};
【化2】

{上式(II)中、
p及びqは、(p+q)の合計が、1〜1000の範囲の数であり、
pは0〜999の範囲の数を示し、qは1〜1000の範囲の数を示し;
及びRは、一方がヒドロキシル基を、他方がメトキシ基を表す}
の少なくとも1種のアミノシリコーン
を含有することを特徴とする、ヒトのケラチン繊維を処置する化粧品組成物。

【公開番号】特開2006−249108(P2006−249108A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178147(P2006−178147)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【分割の表示】特願2002−326167(P2002−326167)の分割
【原出願日】平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】