現像ユニット
【課題】 トナー供給部材が現像装置に進入した状態で電力が遮断される場合であっても、電源再投入時にトナー供給部材及び現像装置が破損しにくくすることにある。
【解決手段】 現像ユニットは、現像器16と、トナー供給パイプ25と、駆動機構27と、位置保持機構80と、緊急時駆動機構90とを備える。駆動機構27は、トナー供給パイプ25が、トナー供給口が現像器16内に位置するトナー供給位置と、トナー供給パイプ25が現像器16外に位置する待避位置とを取り得るように、トナー供給パイプ25を移動させるための機構であり、待避機構90は、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置している状態において電力が遮断された際に、位置保持機構80によるトナー供給パイプ25の移動規制を解除し、トナー供給パイプ25を待避位置に位置させる。
【解決手段】 現像ユニットは、現像器16と、トナー供給パイプ25と、駆動機構27と、位置保持機構80と、緊急時駆動機構90とを備える。駆動機構27は、トナー供給パイプ25が、トナー供給口が現像器16内に位置するトナー供給位置と、トナー供給パイプ25が現像器16外に位置する待避位置とを取り得るように、トナー供給パイプ25を移動させるための機構であり、待避機構90は、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置している状態において電力が遮断された際に、位置保持機構80によるトナー供給パイプ25の移動規制を解除し、トナー供給パイプ25を待避位置に位置させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ユニット、特に、外部からトナーを供給する方式のフルカラー画像形成装置に用いられる現像ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置では、像担持体である感光体ドラムの周辺に帯電器、露光器、現像装置、転写装置、クリーニング装置等が設けられている。また、感光体ドラムの転写材搬送方向下流側には定着装置が設けられている。このような画像形成装置では、まず、帯電器により感光体ドラムの表面が一様に帯電される。その後、画像情報に基づき、露光器によって感光体ドラムが露光され、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置によって現像される。
【0003】
ここで、フルカラー画像形成装置の場合は、シアン現像剤、マゼンダ現像剤、イエロー現像剤、ブラック現像剤をそれぞれ収容する4つ現像ユニットが設けられ、それぞれシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4つの色のトナー画像が現像される。その後、現像されたトナー画像は、転写装置により転写材上に転写され、さらに定着装置により定着されて排出部に排出される。感光体ドラムに残留した残留現像剤は、クリーニング手段によりクリーニングされる。
【0004】
このような画像形成過程において、現像に伴い現像ユニット内に収容されているトナーが消費されるので、トナーを供給することが必要である。画像形成に伴い消費されたトナーを供給する方法として、特開平10−198149号公報のように現像ユニットの外部にトナーコンテナを設け、外部からトナーの供給を行う方式がある。この公報に記載の現像装置では、トナーを供給したい色ごとにトナー供給部材を現像装置に進入させてトナー供給を行っている。
【特許文献1】特開平10−198149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開平10−198149号公報に記載されているようにトナー供給部材を現像装置に進入させてトナー供給する方式の装置では、トナー供給動作中に電力遮断状態となると、現像装置にトナー供給部材が進入した状態で現像装置の動作が停止することとなる。その後、電源が再投入されると、現像装置にトナー供給部材が進入した状態であることが認識できずに、トナー供給部材を進入させた状態で初期設定のために現像装置が回転する危険性がある。このような場合には、トナー供給部材あるいは現像装置が破損してしまう可能性がある。
【0006】
本発明の課題は、トナー供給部材が現像装置に進入した状態で電力が遮断された場合であっても、電源再投入時にトナー供給部材及び現像装置が破損するのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る現像ユニットは、容器本体と、トナー供給部材と、駆動機構と、位置保持機構と、待避機構とを備える。複数の容器本体は、それぞれ内部に各色に対応した現像ローラを有する。トナー供給部材は、それぞれがトナー供給口を有し複数の容器本体のそれぞれにトナーを供給する。駆動機構は、トナー供給部材が、トナー供給口が容器本体内に位置するトナー供給位置と、トナー供給部材が容器本体外に位置する待避位置とを取り得るように、トナー供給部材を移動させるための機構である。位置保持機構は、トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態において、トナー供給部材の移動を規制する。待避機構は、トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態において電力が遮断された際に、位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制を解除し、トナー供給部材を待避位置に位置させる。
【0008】
この現像ユニットでは、トナー供給の際には、駆動機構によってトナー供給部材がトナー供給位置に移動し、このトナー供給部材から容器本体にトナーが供給される。トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態では、位置保持機構によってトナー供給部材の移動が規制される。そして、トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態で電力が遮断された場合には、待避機構によって位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制が解除され、トナー供給部材は待避位置に移動する。
【0009】
ここでは、トナー供給の際に電力遮断状態になるとトナー供給部材は待避位置に待避させられるので、電源再投入時に、初期設定のために現像装置が回転することに伴ってトナー供給部材及び現像装置が破損する危険性を減少させることができる。
【0010】
請求項2に係る現像ユニットは、請求項1に記載の現像ユニットであって、位置保持機構は、トナー供給部材に固定された第1係止部と、第1係止部と互いに係止する第2係止部材とを備えている。
【0011】
この現像ユニットでは、トナー供給部材がトナー供給位置に位置すると、トナー供給部材に固定された第1係止部と第2係止部材とが互いに係止する。これに伴って、第1係止部は移動が規制されるためトナー供給部材の位置がトナー供給位置に保持される。
【0012】
請求項3に係る現像ユニットは、請求項1または2に記載された現像ユニットであって、待避機構は、第1係止部と第2係止部材との係止を解除するように第2係止部材を移動させる第2係止部材駆動装置と、トナー供給部材を待避位置に位置させるように付勢する付勢部材とを備えている。
【0013】
この現像ユニットでは、トナー供給の際に電力遮断状態になると、第2係止部材駆動装置が、第1係止部と第2係止部材との係止を解除するように第2係止部材を移動させる。この結果、トナー供給部材の移動が可能になる。トナー供給部材は、付勢部材によって待避位置に移動するように付勢される。
【0014】
請求項4に係る現像ユニットは、請求項2または3に記載された現像ユニットであって、位置保持機構は、第1係止部が第2係止部材と互いに係止するように第2係止部材を移動させる第2係止部材移動用部材をさらに備えている。
【0015】
この現像ユニットでは、第2係止部材移動用部材によって第1係止部が第2係止部材と互いに係止するように第2係止部材が移動し、第1係止部と第2係止部材が互いに係止する。
【0016】
請求項5に係る現像ユニットは、請求項3に記載された現像ユニットであって、第2係止部材駆動装置は付勢部材である。
【0017】
請求項6に係る現像ユニットは、請求項1から5のいずれかに記載された現像ユニットであって、トナー供給位置に位置しているときにトナー供給口を開状態とし、待避位置にトナー供給部材が位置しているときにトナー供給口を閉状態とするシャッタ機構をさらに備えている。
【0018】
この現像ユニットでは、トナー供給部材がトナー供給位置に位置するときはトナー供給口が開状態となって、トナー供給装置から容器本体にトナーが供給され、トナー供給部材が待避位置に位置するときには、トナー供給口は閉状態となるためトナーは外部に漏れにくくなる。
【0019】
請求項7に係る現像ユニットは、請求項1から6のいずれかに記載された現像ユニットであって、容器本体は、トナー供給部材が待避位置とトナー供給位置とを移動する際に通過するスリットを有する弾性部材を備えている。
【0020】
この現像ユニットでは、トナー供給の際には、トナー供給部材が容器本体の弾性部材のスリットを通過して容器本体内部へと進入してトナーを供給する。また、トナー供給が終了すると駆動機構によって、トナー供給部材は待避位置へと待避する。このとき、スリットを有する弾性部材は弾性力によって密着するためトナーが外部に漏れない。
【0021】
ここで、現像装置のトナー供給部材が進入する部分には、スリットを有する弾性部材が配置されている。このような現像装置では、トナー供給時に電力遮断状態となると、トナー供給部材が現像装置に進入したままの状態が長時間続く可能性がある。トナー供給部材が現像装置に進入したままの状態が長時間続くと、弾性部材はトナー供給部材がスリットに進入したまま硬化するため、トナー供給部材が待避位置に移動してもスリットが密着状態になりにくくなることが考えられる。このように、弾性部材のスリットが密着状態とならなければ、現像装置の回転に伴って内部のトナーが外部に漏れてしまう。しかし、本請求項に係る発明では、トナー供給時に電力遮断状態となる場合であっても、待避機構によって位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制が解除され、トナー供給部材は待避位置に移動するため、トナー供給部材が現像装置に進入したままの状態が長時間続くことを防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、トナー供給時に動力遮断状態となり、その後現像装置が回転した場合であってもトナー供給部材及び現像装置が破損する危険性を減少させることができる。また、容器本体側のシャッタ機構をスリットが形成された弾性部材で構成した場合でも、弾性部材のスリットにトナー供給部材が進入したまま弾性部材が硬化するのを防止でき、トナー漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に本発明の一実施形態によるフルカラー画像形成装置としてのカラープリンタ1を示す。なお、この図1は各構成要素の配置を示すための模式図であり、各部の詳細は省略して示している。
【0024】
[全体構成]
このカラープリンタ1は、図示しないコンピュータ等に接続されており、コンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいてカラー画像を用紙に印刷可能な装置である。また、このカラープリンタ1は、図1において右側がオペレータが操作する側であり、以下では、図1における装置の右側を手前側、左側を奥側とする。
【0025】
カラープリンタ1は、感光体ドラム2と、回転現像装置3と、レーザユニット4と、トナー収容部5と、トナー供給装置6と、中間転写ベルト7と、2次転写ローラ8と、定着装置9とを有している。
【0026】
[感光体ドラム]
感光体ドラム2は、表面に静電潜像が形成されるものであり、装置のほぼ中央に回転自在に設けられ、その回転軸は装置の手前側から見て横方向に延びるように、すなわち図1の紙面に対して垂直に延びるように設けられている。感光体ドラム2の上部には、感光体ドラム2の表面を一様に帯電するための帯電ローラ10が設けられている。また感光体ドラム2の側方には、感光体ドラム2の表面に残留したトナーや付着物を清掃するためのドラムクリーニング装置11が設けられている。
【0027】
[回転現像装置]
回転現像装置3は、感光体ドラム2に形成された静電潜像を各色のトナーによって現像するものであり、感光体ドラム2に隣接して、中心が感光体ドラム2の中心とほぼ同じ高さ位置になるように設けられている。この回転現像装置3は、回転枠15と、4色のトナーに対応して設けられ回転枠15に支持された4つの現像器16とを有している。回転枠15は、感光体ドラム2の回転軸と平行な軸の回りに回転自在な円筒形状であり、図示しないモータやギアを含む駆動機構によって回転させられるようになっている。また、回転枠15は、回転軸の中心から放射状に延びる仕切枠によって円周方向に4等分された4つの区画を有しており、各区画にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応した現像器16が配置されている。
【0028】
各現像器16は、それぞれほぼ同様の構成であり、感光体ドラム2に対向配置可能な現像ローラや、トナー攪拌用の攪拌ローラ等が設けられている。4つの現像器16のうちの1つを図2に示す。ここで、本発明では、トナー収容部(後述)が現像器16とは別に離れて設けられている。また、トナー収容部からトナーを現像器16の内部に供給するために、現像器16のケースの外周側に、トナー供給部18が設けられている。このトナー供給部18は、ケース17の一部に開口を形成するとともに、この開口にスリット18aが形成された弾性部材を固定してなるものである。
【0029】
[レーザユニット]
レーザユニット4は、外部のコンピュータ等から送られてきた画像情報に基づいて、感光体ドラム2を走査露光するものであり、感光体ドラム2の上方で、かつ回転現像装置3の回転軸より装置奥側に配置されている。正確には、レーザユニット4の前端(レーザ光が発射される側の端部)が、回転現像装置3の回転軸のほぼ真上に位置し、後端側に行くにつれて下方に傾斜し、後端は回転現像装置3の上端部よりは下方に位置している。なお、レーザユニット4の内部の構成は、従来の構成と同様であり、レーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有している。また、レーザユニット4のレーザ光路の前方には、反射ミラー20が設けられている。したがって、図1の一点鎖線で示すように、レーザユニット4から発射されたレーザ光は、この反射ミラー20によって屈曲し、回転現像装置3の装置手前側上方を通過し、感光体ドラム2の表面に照射されるようになっている。
【0030】
[トナー収容部]
トナー収容部5は、回転現像装置3の各現像器16に対して供給するトナーを収容する部分であり、感光体ドラム2の上方で、かつレーザユニット4と対向する側(装置手前側)に配置されている。このトナー収容部5は、横方向(図1の紙面垂直方向)に並べて配置されたイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのそれぞれの各色のトナーを収容する4つの収容部を有している。また、このトナー収容部5は、装置の手前側に取り出しが可能となっている。
【0031】
[トナー供給装置]
トナー供給装置6は、トナー収容部5に収容された各色のトナーを、対応する現像器16に供給するためのものであり、感光体ドラム2の上方において、レーザユニット4とトナー収容部5との間のスペースに配置されている。このトナー供給装置6は、図4から図9に示すように、上下方向に移動可能な4つのトナー供給パイプ25と、トナー収容部5の各色のトナーを収容している部分と対応するトナー供給パイプ25とを連結する4つの搬送パイプ26と、各トナー供給パイプ25を上下動させるための駆動機構27と、トナー供給位置にトナー供給パイプ25が位置したときにトナー供給パイプの移動を規制する位置保持機構80と、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置している際に電力が遮断された場合にトナー供給パイプ25を待避位置に位置させるための待避機構90とを有している。
【0032】
<トナー供給パイプ25・搬送パイプ26>
トナー供給パイプ25は、上下方向に長く、上端が装置手前側に、下端が装置奥側に傾斜している。また、このトナー供給パイプ25は、先端が先細形状となっており、下方に移動した際には、先端が現像器16のトナー供給部18に形成されたスリット18aを通って内部に進入可能である。また、トナー供給パイプ25の内部には、トナーを搬送するためのスパイラル部材30が回転可能に設けられている。
【0033】
図3はトナー供給パイプ25と搬送パイプ26との断面図であり、搬送パイプ26は、図3に示すように、トナー供給パイプ25の上下動に追従して移動可能なように、可撓性を有するパイプである。そして、内部には、コイルスプリング31が配置されており、図示しない駆動機構によって回転させられて、これによりトナーが搬送パイプ26内を通ってトナー供給パイプ25側に搬送される。
【0034】
<駆動機構27>
図4(a)に駆動機構27の外観を示す。この駆動機構27は、図示しないモータと、クラッチ33aと、トナー供給パイプ25の外周部に軸方向に沿って設けられたラック32と、このラック32に噛み合うピニオンギア33とを有している。この駆動機構27によって、トナー供給パイプ25は、上方の待避位置(図1の実線で示す位置)と、下方で先端部が現像器16の内部に進入した供給位置(図1の二点鎖線で示す位置)とを取り得る。なお、カラープリンタ1のフレーム76には、図8に示すようにトナー供給パイプ25が通過可能な孔85がそれぞれの色のトナー供給パイプ25に対応した位置に配置されており、トナー供給パイプ25はこの孔85を通過してトナー供給位置に移動する。
【0035】
ここで、前述のように、レーザユニット4のレーザ光は、回転現像装置3の装置手前側上方を通過する。すなわち、レーザ光路とトナー供給パイプ25の移動経路とは交差しており、トナー供給パイプ25が待避位置に位置しているときにはレーザ光路はトナー供給パイプ25によって遮られることはないが、トナー供給パイプ25が供給位置に位置しているときには、このトナー供給パイプ25によってレーザ光路が遮られている。
【0036】
<位置保持機構>
図7はトナー供給パイプ25を取り出して示したものであり、図8はトナー供給装置の一部を分解した平面図、図9は後述するソレノイド74に通電された保持状態を示す図であって、図10は後述するソレノイド74に通電が停止された待避状態を示す図である。これらの図に示すように、位置保持機構80は、トナー供給パイプ25に固定された係止突起71(第1係止部)と、カラープリンタ1のフレーム76に支持された係止プレート73(第2係止部材)と、係止プレート73を移動させるためのレバー77及びソレノイド74とを有している。
【0037】
係止突起71は、図7に示すように、トナー供給パイプ25の搬送パイプ26側近傍に固定されたL字状の部材であり、トナー供給パイプ25とともに上下移動する。係止プレート73は、図8〜図10に斜線を付けて示すように帯状のプレート部材であり、4つのトナー供給パイプ25が並べられた方向に延び、フレーム76に対して長手方向に移動自在に支持されている。そしてこの係止プレート73には、各トナー供給パイプ25の係止突起71が通過可能な4つの角孔72が形成されている。詳細は後述するが、係止突起71が係止プレート73の角孔72を通過した後、係止プレート73をその長手方向に移動させることにより、係止突起71が係止プレート73に係止するように構成されている。
【0038】
また、図8に示すように、ソレノイド74は係止プレート73の一端側においてフレーム76に固定されている。そして、係止プレート73の他端側には、係止プレート73の他端とフレーム76との間にコイルバネ75が配置されている。このコイルバネ75によって、係止プレート73は常にソレノイド74側(図8において右側)に付勢されている。
【0039】
ここで、ソレノイド74の作動を模式的に示す図11から明らかなように、レバー77はソレノイド74のプランジャ74a先端に装着されている。より具体的には、レバー77は、略C字状に形成されており、上部77aの一端側を支点としてフレーム76に回動自在に支持され、上部他端(先端)側にはソレノイド74のプランジャ74a先端が回動及び摺動自在に係合している。また、図12にレバー77を切断して上方から見た図を示しており、この図12から明らかなように、レバー77の下部77bは先細形状になるように係止プレート73側の側部に傾斜面77cを有しており、この傾斜面77cが係止プレート73の他端側に当接している。なお、係止プレート73のレバー77と当接する部分には、上方に折り曲げられた部分73aと、この折り曲げられた部分73aからさらに係止プレート73が延びる方向に折り曲げられた部分73bとを有している。これにより、後述するように、レバー77と係止プレート73とが互いにスムーズに摺動するのを実現している。
【0040】
また、レバー77の中間部77dには、レバー77を係止プレート73から離れる方向に付勢するためのコイルバネ81が設けられている。したがって、ソレノイド74に通電されていない場合は、レバー77はコイルバネ81によって常に図11(a)の姿勢を維持している。
【0041】
<待避機構>
待避機構90は、係止プレート73の他端側に配置された前述のコイルバネ75(図8参照)と、図6に示す捩りバネ70とを有している。なお、図6はトナー供給パイプ25を図3とは別の断面から見た図である。
【0042】
コイルバネ75は、前述のように、係止プレート73の他端とフレーム76との間に配置されて、係止プレート73を常に一端側(ソレノイド74側)に付勢している。また、捩りバネ70は、フレーム76に図示しない取付部材を介して装着されるとともに、一端がトナー供給パイプ25に係止され、他端はフレーム76に係止されている。この捩りバネ70により、トナー供給パイプ25は常に上方側(待避位置側)に付勢されている。
【0043】
<シャッタ機構>
なお、トナー供給パイプ25は、このトナー供給パイプ25が供給位置に位置するときにのみ開くシャッタ機構を有している。図5はトナー供給パイプ25の先端の開閉機構を示す図である。具体的には、図5に示すように、トナー供給パイプ25は内筒部251と外筒部252とを有する2重構造になっており、これらの各筒部251,252の先端部には、円周方向の一部に開口251a,252aが形成されている。ここで、外筒部252の開口252aは内筒部251の開口251aよりも開口角度が小さくなっている。また、外筒部252は、図7に示すように外周面に突起252bが形成されており、この突起252bが外筒部252のさらに外周に配置され螺旋状ガイド部28aが形成された回転カム28に係合している。なお、回転カム28を示す図4(b)では、理解の便宜のために、回転カム28は分解して示している。そして、トナー供給パイプ25が上方の待避位置にあるときには、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとは一致せず(シャッタ閉状態)、トナーが外部に漏れ出ない。一方、トナー供給パイプ25が下方に移動する際に、外筒部252が突起252bと回転カム28の螺旋状ガイド部28aとの係合によって回転し、トナー供給パイプ25の先端部が現像器16の内部に進入して供給位置に位置した際には、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとが一致し(シャッタ開状態)、内部のトナーが開口251a,252aから現像器16の内部に供給されるようになっている。
【0044】
[中間転写ベルト]
中間転写ベルト7は、感光体ドラム2に形成された各色のトナー画像が順次転写されるものであり、感光体ドラム2及びトナー収容部5の下方に配置されている。この中間転写ベルト7は、対向して配置された駆動ローラ35と従動ローラ36との間に掛け渡されている。また、転写ベルト7の感光体ドラム2と対向する部分は、1対の1次転写ローラ37a,37bによって感光体ドラム2に当接するように構成されている。
【0045】
これらの各構成部材の配置について、より詳細に説明する。駆動ローラ35は、感光体ドラム2と回転現像装置3との接触部のほぼ真下に位置し、その中心は回転現像装置3の最下端よりもさらに下方に位置している。そして、図示しないモータ及びギアを含む駆動部によって駆動されるようになっている。従動ローラ36は、トナー収容部5の装置手前側の底部に近接して配置されており、その高さ位置はほぼ感光体ドラム2と同じ位置である。この従動ローラ36はバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されており、これにより中間ベルト7に所定の張力が与えられている。また、1次転写ローラ37a,37bは互いに近接して感光体ドラム2の下方に設けられ、これにより、転写ベルト7の所定範囲が感光体ドラム2に当接されている。
【0046】
なお、駆動ローラ35の装置奥側で、回転現像装置3の下方には、転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が設けられている。このベルトクリーニング装置40は、駆動ローラ35と対向する位置に設けられ転写ベルト7の表面に摺接するファーブラシ41と、ファーブラシ41の上方にファーブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されたブレード43と、ブレード43の下方に並べて配置された回収スパイラル44とを有している。
【0047】
このクリーニング装置40においては、中間転写ベルト7の付着物はファーブラシ41によって掻き取られ、ファーブラシ41に掻き取られた付着物はクリーニングローラ42に回収される。そして、クリーニングローラ42側に回収された付着物は、ブレード43によってクリーニングローラ42の表面から掻き落とされ、回収スパイラル44によって図示しない回収部に回収される。
【0048】
[2次転写ローラ]
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に転写された画像を、搬送されてきた用紙に転写するためのものであり、駆動ローラ35の下方に駆動ローラ35と対向するように配置されている。そして、この2次転写ローラ8には、図示しない電圧印加手段によって、用紙に対して、画像転写のためのバイアス電圧が印加されている。
【0049】
[定着装置]
定着装置9は、用紙上に転写されたトナーを溶融定着するためのものであり、回転現像装置3の下方で、かつ装置奥側に配置されている。この定着装置9は、ヒータを内蔵する加熱ローラ9aと加熱ローラ9aに圧接する加圧ローラ9bとを有しており、両ローラ間に用紙を挟持して搬送する。
【0050】
[排出部]
このプリンタ1では、装置の上部表面、すなわち、レーザユニット4、トナー供給装置6及びトナー収容部5の上方に、画像が形成された用紙を載置するための排出部50が形成されている。この排出部50は、レーザユニット4側(装置奥側)が最も低く、トナー収容部5側(装置手前側)に行くにしたがって徐々に高くなる曲面部と、この曲面部に連続しトナー収容部5の上方に位置する平面部とを有している。
【0051】
[給紙部]
装置の底部には、用紙を収納するとともに収納された用紙を送り出すための給紙部51が設けられている。この給紙部51は、用紙が載置される載置板を有する給紙カセット52と、載置板上の用紙を取り出すための前送りコロ53と、用紙を1枚ずつ搬送路に送り出すためのローラ対からなる重送防止機構54とを有している。そして、給紙カセット52は装置の手前側に引き出すことが可能である。
【0052】
[搬送部]
給紙部51と排出部50との間には、用紙を搬送する搬送部が設けられている。搬送部は、給紙部51から2次転写ローラ8に至る第1搬送路55と、2次転写ローラ8から定着装置9に至る第2搬送路56と、定着装置9から排出部50に至る第3搬送路57とを有している。また、定着装置9の出口には、分岐爪58が設けられており、この分岐爪58と第1搬送路55の途中との間には用紙を第1搬送路55に戻すための戻し搬送路59が設けられている。
【0053】
第1搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙を上方に搬送しつつ搬送方向を逆にするための湾曲路55aと、この湾曲路55aから2次転写ローラ8に至る直線路55bとを有している。これらの搬送路は、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で形成されており、所定位置には用紙を検出するためのセンサが設けられている。また、直線路55bには用紙の搬送タイミングを制御するためのレジストローラ対60が配置されている。
【0054】
第2搬送路56は、ほぼ直線的に形成されており、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で構成されている。また、搬送路の所定位置には用紙を検出するためのセンサが設けられている。
【0055】
第3搬送路57は、分岐爪58の搬送方向下流側に形成された縦搬送路を有している。すなわち、用紙は、分岐爪58を通過した後は、ほぼ垂直上方に向かって搬送され、排出部50に排出される。この第3搬送路57も、前記同様に、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で構成されている。
【0056】
戻し搬送路59は、分岐爪58の設けられた部分において第3搬送路57から下方に分岐し、定着装置9、第2搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対60の下方を通り、さらに上方に向かう搬送路であり、第1搬送路55のレジストローラ対60の搬送方向上流側に合流している。すなわち、この戻し搬送路59は、第1搬送路55の直線路55b及び第2搬送路56と給紙カセット52との上下方向の間に設けられ、定着装置9を通過した用紙を、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対60のさらに上流側に戻すための搬送路である。この戻し搬送路59も、前記同様に、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で構成され、所定位置には用紙検出用のセンサが設けられている。
【0057】
[給紙トレイ]
トナー収容部5の下方でかつ給紙カセット52の上方には、装置の手前側の側壁を構成するように給紙トレイ65が配置されている。この給紙トレイ65は、下端が第1搬送路55の湾曲路55aの近傍で回動自在(開閉自在)に支持されており、この回動支点65aを中心に、上端を装置手前側に倒すことが可能である。このようにして給紙トレイ65を開いた状態では、給紙トレイ65上に用紙を載置し、この用紙を第1搬送路55の湾曲路55aに給紙することが可能である。
【0058】
[画像形成動作]
次に画像形成動作について簡単に説明する。まず、カラープリンタに電源が投入されると、各種パラメータが初期化され、定着部の温度設定を行うなどの初期設定が実行される。そして、このプリンタに接続されたコンピュータ等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。なお、この画像形成動作中においては、トナー供給パイプ25は上方の待避位置に移動させられている。したがって、レーザ光路はトナー供給パイプ25によって遮られていない。
【0059】
まず、帯電ローラ10によって感光体ドラム2が帯電される。その後、この感光体ドラム2に対して、レーザユニット4により画像データに対応した走査露光が行われ、感光体ドラム2には静電潜像が形成される。次に、回転現像装置3が回転されて、対応する色の現像器16が感光体ドラム2に対向させられる。この状態で、感光体ドラム2の静電潜像が対応する色のトナーによって現像される。現像された画像は、中間転写ベルト7に転写される。以上の動作を各色毎に順次繰り返すことによって、中間転写ベルト7上にはフルカラー画像が形成される。なお、感光体ドラム2に残留した残留トナー等は、ドラムクリーニング装置11により清掃されて、図示しない廃トナーコンテナに廃棄される。
【0060】
一方で、給紙部51において、給紙カセット52から1枚の用紙が前送りコロ53及び重送防止機構54により取り出され、第1搬送路55を介してレジストローラ対60に搬送される。その後、用紙は、レジストローラ対60から中間転写ベルト7上の画像形成にタイミングを合わせて搬送され、2次転写ローラ8に案内される。2次転写ローラ8は中間転写ベルト7に当接し、2次転写ローラ8に印加された転写バイアスにより、中間転写ベルト7上に形成されたフルカラーの画像が用紙に転写される。この用紙は第2搬送路56を介して定着装置9に案内され、この定着装置9による加熱・加圧によって画像が用紙に定着される。そして、片面印刷の場合は、分岐爪58を介して第3搬送路57に案内され、排出部50に排出される。
【0061】
また、両面印刷の場合は、定着装置9を通過した用紙は、分岐爪58によって戻し搬送路59側に案内され、再び第1搬送路55に戻される。第1搬送路55に戻された用紙はレジストローラ対60で一旦停止させられる。そして、裏面側の画像が前述の動作と同様の動作で中間転写ベルト7に形成された後、レジストローラ対60で待機していた用紙はタイミングを合わせて2次転写ローラ8側に送られる。その後は前記同様の動作が実行され、分岐爪58を介して第3搬送路57側に案内されて排出部50に排出される。
【0062】
[トナー供給動作]
現像器16に対してトナーを供給する場合は、回転現像装置3を回転させて、トナーを供給すべき現像器16を図1に示すような供給位置に位置させる。回転現像装置3はこの状態で回転がロックされている。次にトナー供給したい色のトナー供給パイプ25を下方に移動させて供給位置に位置させる。すなわち、モータを駆動すると、クラッチ33aとギア列とを介してピニオンギア33が回転し、これによってラック32に動力が伝達されてトナー供給パイプ25を下方に移動させる。また、搬送パイプ26内のコイルスプリング31が回転することによって、トナー収容部5からのトナーがトナー供給パイプ25側に供給されている。このトナーを供給したい色のトナー供給パイプ25の下方への移動に伴って、トナー供給パイプ25を構成する外筒部252が内筒部251に対して回転し、トナー供給パイプ25の先端が現像器16の内部に進入した時点では、外筒部252の開口252aと内筒部251の開口251aとが一致する。すなわち、シャッタ機構が開く。
【0063】
ここで、以上のようなトナー供給パイプ25の下降に際しては、ソレノイド74には通電されていない。したがって、ソレノイド74のプランジャ74aには吸引力は作用しておらず、レバー77はコイルバネ81によって支点を中心に時計回りに回動し、プランジャ74aが最大限突出した状態で停止している(図11(a)に示す状態)。この状態では、係止プレート73は、コイルバネ75によってソレノイド74側に付勢され、図12(a)に示すような状態でレバー77に当接している。この場合は、トナー供給パイプ25とともに下降する係止突起71は、係止プレート73の角孔72を通過する。この状態を図13(a)に模式的に示している。
【0064】
そして、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置すると、ソレノイド74に通電され、これによりプランジャ74aが縮退する。すると、それまで図11(a)に示すような姿勢のレバー77が、支点を中心に反時計回りに回動し、図11(b)に示すような姿勢となる。また、このレバー77の回動に伴って、レバー77と係止プレート73との位置関係は、図12(a)に示す状態から図12(b)に示す状態になる。すなわち、レバー77の回動により、レバー77の傾斜面77cが係止プレート73の折り曲げ部73b,73aと当接しながら係止プレート73をソレノイド74から離れる側に押すことになる。このため、係止プレート73はコイルバネ75の付勢力に抗してコイルバネ75側に移動する。この状態を、図13(b)に模式的に示している。ここでは、係止プレート73が係止突起71とが係止し、トナー供給パイプ25は、上方への移動が禁止される。したがって、この状態では、駆動機構27のモータ及びクラッチ33aをオフしても、トナー供給パイプ25はトナー供給位置に維持される。なお、係止プレート73のレバー77との当接部分には、折り曲げ部73a,73bが形成されているので、両者はスムーズに摺動することになる。
【0065】
なお、トナー供給パイプ25が供給位置に位置しているときには、レーザユニット4から感光体ドラム2に至るレーザ光路を、トナー供給パイプ25が遮ることになる。しかし、トナー供給パイプ25によるトナーの供給動作と画像形成動作とが同時に実行されることはないので、問題はない。
【0066】
トナーの供給が終了すると、ソレノイド74への通電が停止される。すると、プランジャ74aはフリー状態になり、レバー77はコイルバネ81の付勢力によって時計回りに回動して図11(a)に示す状態になる。これにより、レバー77は係止プレート73から離れる側に移動するので、係止プレート73は、先の場合とは逆に、コイルバネ75によってソレノイド74側に移動させられ、図12(a)に示すような状態になる。この場合は、図13(a)に示すように、トナー供給パイプ25の係止突起71と係止プレート73の角孔72とが一致し、トナー供給パイプ25の上方への移動が許容される状態となる。
【0067】
この状態で、モータが逆回転して、クラッチ33aが動力伝達状態となってピニオンギア33が逆回転する。これによってラック32が固定されたトナー供給パイプ25が上方に移動する。このとき、外筒部252が前記とは逆に回転し、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとの位置がずれ、開口は閉ざされる。すなわちシャッタは閉となる。また、現像器16側に設けられたトナー供給部18においても、トナー供給パイプ25がスリット18aから抜け出ると、スリット18aは弾性力によって閉じられる。したがって、トナー供給パイプ25からも、また現像器16からもトナーが機内に飛散するのを防止できる。
【0068】
[電力遮断時]
トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置するときに電力遮断状態となった際には、ソレノイド74への通電もオフになるために、プランジャ74aはフリー状態になる。この場合は、前述のトナー供給が終了した場合と同様に、レバー77はコイルバネ81により図11(a)に示す状態となり、係止プレート73はソレノイド74側に移動して図12(a)に示す状態となる。また、電力遮断状態では、駆動機構27によるトナー供給パイプ25の待避位置への上方移動は不可能であるが、フレーム76に固定された捩りバネ70によってトナー供給パイプ25が待避位置に移動する。このとき、外筒部252が前記とは逆に回転し、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとの位置がずれ、開口は閉ざされる。すなわちシャッタは閉状態となる。
【0069】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置するときに電力遮断状態になっても、その状態のまま回転現像装置3が回転してトナー供給パイプ25及び現像器16が破損することを防止できる。また、トナー供給パイプ25が現像器16に進入した状態が長時間続くことによりトナー供給部18に配置された弾性部材のスリット18aが硬化し、スリット18aが硬化した状態で回転現像装置3が回転することによるトナー漏れを防止することができる。
【0070】
[他の実施形態]
上記実施形態では、第2係止部材として複数の角孔72を備えた帯状の係止プレート73を用いたが、本発明はこれに限らず、円柱状の部材に係止突起71と互いに係止可能な突起を設け、この円柱状の部材が回転することで係止突起71と突起とが係止してトナー供給パイプ25の垂直方向上側への移動を規制しても良い。また、上記実施形態では、電力遮断状態にトナー供給パイプ25を待避位置に移動させるために捩りバネ70を用いたが本発明はこれに限らず、コイルスプリング等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態によるカラープリンタの概略構成図。
【図2】現像器の外観斜視図
【図3】トナー供給装置の詳細断面構成図。
【図4】トナー供給パイプの駆動器機構の外観図。
【図5】トナー供給パイプ先端の構成図。
【図6】トナー供給パイプとトナー搬送パイプの外観図。
【図7】トナー供給パイプの外観図。
【図8】位置保持機構のカラープリンタのフレーム側構成図。
【図9】電力伝達状態におけるカラープリンタのフレームに固定されたソレノイドの詳細図。
【図10】電力遮断状態におけるカラープリンタのフレームに固定されたソレノイドの詳細図。
【図11】ソレノイド74とレバー77とコイルバネ81の関係を示す模式図。
【図12】レバー77と係止プレート73とが互いに接触する際の動作を示す図。
【図13】係止突起71と係止プレート73とが互いに係止する際の動作を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1 カラープリンタ
2 感光体ドラム
3 回転現像装置
4 レーザユニット
5 トナー収容部
6 トナー供給装置
7 中間転写ベルト
8 2次転写ローラ
9 定着装置
16 現像器
25 トナー供給パイプ
26 トナー搬送パイプ
30 トナー搬送用スクリュー
31 スプリングコイル
71 係止突起
72 角孔
73 係止プレート
80 位置保持機構
90 待避機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ユニット、特に、外部からトナーを供給する方式のフルカラー画像形成装置に用いられる現像ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置では、像担持体である感光体ドラムの周辺に帯電器、露光器、現像装置、転写装置、クリーニング装置等が設けられている。また、感光体ドラムの転写材搬送方向下流側には定着装置が設けられている。このような画像形成装置では、まず、帯電器により感光体ドラムの表面が一様に帯電される。その後、画像情報に基づき、露光器によって感光体ドラムが露光され、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置によって現像される。
【0003】
ここで、フルカラー画像形成装置の場合は、シアン現像剤、マゼンダ現像剤、イエロー現像剤、ブラック現像剤をそれぞれ収容する4つ現像ユニットが設けられ、それぞれシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4つの色のトナー画像が現像される。その後、現像されたトナー画像は、転写装置により転写材上に転写され、さらに定着装置により定着されて排出部に排出される。感光体ドラムに残留した残留現像剤は、クリーニング手段によりクリーニングされる。
【0004】
このような画像形成過程において、現像に伴い現像ユニット内に収容されているトナーが消費されるので、トナーを供給することが必要である。画像形成に伴い消費されたトナーを供給する方法として、特開平10−198149号公報のように現像ユニットの外部にトナーコンテナを設け、外部からトナーの供給を行う方式がある。この公報に記載の現像装置では、トナーを供給したい色ごとにトナー供給部材を現像装置に進入させてトナー供給を行っている。
【特許文献1】特開平10−198149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開平10−198149号公報に記載されているようにトナー供給部材を現像装置に進入させてトナー供給する方式の装置では、トナー供給動作中に電力遮断状態となると、現像装置にトナー供給部材が進入した状態で現像装置の動作が停止することとなる。その後、電源が再投入されると、現像装置にトナー供給部材が進入した状態であることが認識できずに、トナー供給部材を進入させた状態で初期設定のために現像装置が回転する危険性がある。このような場合には、トナー供給部材あるいは現像装置が破損してしまう可能性がある。
【0006】
本発明の課題は、トナー供給部材が現像装置に進入した状態で電力が遮断された場合であっても、電源再投入時にトナー供給部材及び現像装置が破損するのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る現像ユニットは、容器本体と、トナー供給部材と、駆動機構と、位置保持機構と、待避機構とを備える。複数の容器本体は、それぞれ内部に各色に対応した現像ローラを有する。トナー供給部材は、それぞれがトナー供給口を有し複数の容器本体のそれぞれにトナーを供給する。駆動機構は、トナー供給部材が、トナー供給口が容器本体内に位置するトナー供給位置と、トナー供給部材が容器本体外に位置する待避位置とを取り得るように、トナー供給部材を移動させるための機構である。位置保持機構は、トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態において、トナー供給部材の移動を規制する。待避機構は、トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態において電力が遮断された際に、位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制を解除し、トナー供給部材を待避位置に位置させる。
【0008】
この現像ユニットでは、トナー供給の際には、駆動機構によってトナー供給部材がトナー供給位置に移動し、このトナー供給部材から容器本体にトナーが供給される。トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態では、位置保持機構によってトナー供給部材の移動が規制される。そして、トナー供給部材がトナー供給位置に位置している状態で電力が遮断された場合には、待避機構によって位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制が解除され、トナー供給部材は待避位置に移動する。
【0009】
ここでは、トナー供給の際に電力遮断状態になるとトナー供給部材は待避位置に待避させられるので、電源再投入時に、初期設定のために現像装置が回転することに伴ってトナー供給部材及び現像装置が破損する危険性を減少させることができる。
【0010】
請求項2に係る現像ユニットは、請求項1に記載の現像ユニットであって、位置保持機構は、トナー供給部材に固定された第1係止部と、第1係止部と互いに係止する第2係止部材とを備えている。
【0011】
この現像ユニットでは、トナー供給部材がトナー供給位置に位置すると、トナー供給部材に固定された第1係止部と第2係止部材とが互いに係止する。これに伴って、第1係止部は移動が規制されるためトナー供給部材の位置がトナー供給位置に保持される。
【0012】
請求項3に係る現像ユニットは、請求項1または2に記載された現像ユニットであって、待避機構は、第1係止部と第2係止部材との係止を解除するように第2係止部材を移動させる第2係止部材駆動装置と、トナー供給部材を待避位置に位置させるように付勢する付勢部材とを備えている。
【0013】
この現像ユニットでは、トナー供給の際に電力遮断状態になると、第2係止部材駆動装置が、第1係止部と第2係止部材との係止を解除するように第2係止部材を移動させる。この結果、トナー供給部材の移動が可能になる。トナー供給部材は、付勢部材によって待避位置に移動するように付勢される。
【0014】
請求項4に係る現像ユニットは、請求項2または3に記載された現像ユニットであって、位置保持機構は、第1係止部が第2係止部材と互いに係止するように第2係止部材を移動させる第2係止部材移動用部材をさらに備えている。
【0015】
この現像ユニットでは、第2係止部材移動用部材によって第1係止部が第2係止部材と互いに係止するように第2係止部材が移動し、第1係止部と第2係止部材が互いに係止する。
【0016】
請求項5に係る現像ユニットは、請求項3に記載された現像ユニットであって、第2係止部材駆動装置は付勢部材である。
【0017】
請求項6に係る現像ユニットは、請求項1から5のいずれかに記載された現像ユニットであって、トナー供給位置に位置しているときにトナー供給口を開状態とし、待避位置にトナー供給部材が位置しているときにトナー供給口を閉状態とするシャッタ機構をさらに備えている。
【0018】
この現像ユニットでは、トナー供給部材がトナー供給位置に位置するときはトナー供給口が開状態となって、トナー供給装置から容器本体にトナーが供給され、トナー供給部材が待避位置に位置するときには、トナー供給口は閉状態となるためトナーは外部に漏れにくくなる。
【0019】
請求項7に係る現像ユニットは、請求項1から6のいずれかに記載された現像ユニットであって、容器本体は、トナー供給部材が待避位置とトナー供給位置とを移動する際に通過するスリットを有する弾性部材を備えている。
【0020】
この現像ユニットでは、トナー供給の際には、トナー供給部材が容器本体の弾性部材のスリットを通過して容器本体内部へと進入してトナーを供給する。また、トナー供給が終了すると駆動機構によって、トナー供給部材は待避位置へと待避する。このとき、スリットを有する弾性部材は弾性力によって密着するためトナーが外部に漏れない。
【0021】
ここで、現像装置のトナー供給部材が進入する部分には、スリットを有する弾性部材が配置されている。このような現像装置では、トナー供給時に電力遮断状態となると、トナー供給部材が現像装置に進入したままの状態が長時間続く可能性がある。トナー供給部材が現像装置に進入したままの状態が長時間続くと、弾性部材はトナー供給部材がスリットに進入したまま硬化するため、トナー供給部材が待避位置に移動してもスリットが密着状態になりにくくなることが考えられる。このように、弾性部材のスリットが密着状態とならなければ、現像装置の回転に伴って内部のトナーが外部に漏れてしまう。しかし、本請求項に係る発明では、トナー供給時に電力遮断状態となる場合であっても、待避機構によって位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制が解除され、トナー供給部材は待避位置に移動するため、トナー供給部材が現像装置に進入したままの状態が長時間続くことを防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、トナー供給時に動力遮断状態となり、その後現像装置が回転した場合であってもトナー供給部材及び現像装置が破損する危険性を減少させることができる。また、容器本体側のシャッタ機構をスリットが形成された弾性部材で構成した場合でも、弾性部材のスリットにトナー供給部材が進入したまま弾性部材が硬化するのを防止でき、トナー漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に本発明の一実施形態によるフルカラー画像形成装置としてのカラープリンタ1を示す。なお、この図1は各構成要素の配置を示すための模式図であり、各部の詳細は省略して示している。
【0024】
[全体構成]
このカラープリンタ1は、図示しないコンピュータ等に接続されており、コンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいてカラー画像を用紙に印刷可能な装置である。また、このカラープリンタ1は、図1において右側がオペレータが操作する側であり、以下では、図1における装置の右側を手前側、左側を奥側とする。
【0025】
カラープリンタ1は、感光体ドラム2と、回転現像装置3と、レーザユニット4と、トナー収容部5と、トナー供給装置6と、中間転写ベルト7と、2次転写ローラ8と、定着装置9とを有している。
【0026】
[感光体ドラム]
感光体ドラム2は、表面に静電潜像が形成されるものであり、装置のほぼ中央に回転自在に設けられ、その回転軸は装置の手前側から見て横方向に延びるように、すなわち図1の紙面に対して垂直に延びるように設けられている。感光体ドラム2の上部には、感光体ドラム2の表面を一様に帯電するための帯電ローラ10が設けられている。また感光体ドラム2の側方には、感光体ドラム2の表面に残留したトナーや付着物を清掃するためのドラムクリーニング装置11が設けられている。
【0027】
[回転現像装置]
回転現像装置3は、感光体ドラム2に形成された静電潜像を各色のトナーによって現像するものであり、感光体ドラム2に隣接して、中心が感光体ドラム2の中心とほぼ同じ高さ位置になるように設けられている。この回転現像装置3は、回転枠15と、4色のトナーに対応して設けられ回転枠15に支持された4つの現像器16とを有している。回転枠15は、感光体ドラム2の回転軸と平行な軸の回りに回転自在な円筒形状であり、図示しないモータやギアを含む駆動機構によって回転させられるようになっている。また、回転枠15は、回転軸の中心から放射状に延びる仕切枠によって円周方向に4等分された4つの区画を有しており、各区画にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応した現像器16が配置されている。
【0028】
各現像器16は、それぞれほぼ同様の構成であり、感光体ドラム2に対向配置可能な現像ローラや、トナー攪拌用の攪拌ローラ等が設けられている。4つの現像器16のうちの1つを図2に示す。ここで、本発明では、トナー収容部(後述)が現像器16とは別に離れて設けられている。また、トナー収容部からトナーを現像器16の内部に供給するために、現像器16のケースの外周側に、トナー供給部18が設けられている。このトナー供給部18は、ケース17の一部に開口を形成するとともに、この開口にスリット18aが形成された弾性部材を固定してなるものである。
【0029】
[レーザユニット]
レーザユニット4は、外部のコンピュータ等から送られてきた画像情報に基づいて、感光体ドラム2を走査露光するものであり、感光体ドラム2の上方で、かつ回転現像装置3の回転軸より装置奥側に配置されている。正確には、レーザユニット4の前端(レーザ光が発射される側の端部)が、回転現像装置3の回転軸のほぼ真上に位置し、後端側に行くにつれて下方に傾斜し、後端は回転現像装置3の上端部よりは下方に位置している。なお、レーザユニット4の内部の構成は、従来の構成と同様であり、レーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有している。また、レーザユニット4のレーザ光路の前方には、反射ミラー20が設けられている。したがって、図1の一点鎖線で示すように、レーザユニット4から発射されたレーザ光は、この反射ミラー20によって屈曲し、回転現像装置3の装置手前側上方を通過し、感光体ドラム2の表面に照射されるようになっている。
【0030】
[トナー収容部]
トナー収容部5は、回転現像装置3の各現像器16に対して供給するトナーを収容する部分であり、感光体ドラム2の上方で、かつレーザユニット4と対向する側(装置手前側)に配置されている。このトナー収容部5は、横方向(図1の紙面垂直方向)に並べて配置されたイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのそれぞれの各色のトナーを収容する4つの収容部を有している。また、このトナー収容部5は、装置の手前側に取り出しが可能となっている。
【0031】
[トナー供給装置]
トナー供給装置6は、トナー収容部5に収容された各色のトナーを、対応する現像器16に供給するためのものであり、感光体ドラム2の上方において、レーザユニット4とトナー収容部5との間のスペースに配置されている。このトナー供給装置6は、図4から図9に示すように、上下方向に移動可能な4つのトナー供給パイプ25と、トナー収容部5の各色のトナーを収容している部分と対応するトナー供給パイプ25とを連結する4つの搬送パイプ26と、各トナー供給パイプ25を上下動させるための駆動機構27と、トナー供給位置にトナー供給パイプ25が位置したときにトナー供給パイプの移動を規制する位置保持機構80と、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置している際に電力が遮断された場合にトナー供給パイプ25を待避位置に位置させるための待避機構90とを有している。
【0032】
<トナー供給パイプ25・搬送パイプ26>
トナー供給パイプ25は、上下方向に長く、上端が装置手前側に、下端が装置奥側に傾斜している。また、このトナー供給パイプ25は、先端が先細形状となっており、下方に移動した際には、先端が現像器16のトナー供給部18に形成されたスリット18aを通って内部に進入可能である。また、トナー供給パイプ25の内部には、トナーを搬送するためのスパイラル部材30が回転可能に設けられている。
【0033】
図3はトナー供給パイプ25と搬送パイプ26との断面図であり、搬送パイプ26は、図3に示すように、トナー供給パイプ25の上下動に追従して移動可能なように、可撓性を有するパイプである。そして、内部には、コイルスプリング31が配置されており、図示しない駆動機構によって回転させられて、これによりトナーが搬送パイプ26内を通ってトナー供給パイプ25側に搬送される。
【0034】
<駆動機構27>
図4(a)に駆動機構27の外観を示す。この駆動機構27は、図示しないモータと、クラッチ33aと、トナー供給パイプ25の外周部に軸方向に沿って設けられたラック32と、このラック32に噛み合うピニオンギア33とを有している。この駆動機構27によって、トナー供給パイプ25は、上方の待避位置(図1の実線で示す位置)と、下方で先端部が現像器16の内部に進入した供給位置(図1の二点鎖線で示す位置)とを取り得る。なお、カラープリンタ1のフレーム76には、図8に示すようにトナー供給パイプ25が通過可能な孔85がそれぞれの色のトナー供給パイプ25に対応した位置に配置されており、トナー供給パイプ25はこの孔85を通過してトナー供給位置に移動する。
【0035】
ここで、前述のように、レーザユニット4のレーザ光は、回転現像装置3の装置手前側上方を通過する。すなわち、レーザ光路とトナー供給パイプ25の移動経路とは交差しており、トナー供給パイプ25が待避位置に位置しているときにはレーザ光路はトナー供給パイプ25によって遮られることはないが、トナー供給パイプ25が供給位置に位置しているときには、このトナー供給パイプ25によってレーザ光路が遮られている。
【0036】
<位置保持機構>
図7はトナー供給パイプ25を取り出して示したものであり、図8はトナー供給装置の一部を分解した平面図、図9は後述するソレノイド74に通電された保持状態を示す図であって、図10は後述するソレノイド74に通電が停止された待避状態を示す図である。これらの図に示すように、位置保持機構80は、トナー供給パイプ25に固定された係止突起71(第1係止部)と、カラープリンタ1のフレーム76に支持された係止プレート73(第2係止部材)と、係止プレート73を移動させるためのレバー77及びソレノイド74とを有している。
【0037】
係止突起71は、図7に示すように、トナー供給パイプ25の搬送パイプ26側近傍に固定されたL字状の部材であり、トナー供給パイプ25とともに上下移動する。係止プレート73は、図8〜図10に斜線を付けて示すように帯状のプレート部材であり、4つのトナー供給パイプ25が並べられた方向に延び、フレーム76に対して長手方向に移動自在に支持されている。そしてこの係止プレート73には、各トナー供給パイプ25の係止突起71が通過可能な4つの角孔72が形成されている。詳細は後述するが、係止突起71が係止プレート73の角孔72を通過した後、係止プレート73をその長手方向に移動させることにより、係止突起71が係止プレート73に係止するように構成されている。
【0038】
また、図8に示すように、ソレノイド74は係止プレート73の一端側においてフレーム76に固定されている。そして、係止プレート73の他端側には、係止プレート73の他端とフレーム76との間にコイルバネ75が配置されている。このコイルバネ75によって、係止プレート73は常にソレノイド74側(図8において右側)に付勢されている。
【0039】
ここで、ソレノイド74の作動を模式的に示す図11から明らかなように、レバー77はソレノイド74のプランジャ74a先端に装着されている。より具体的には、レバー77は、略C字状に形成されており、上部77aの一端側を支点としてフレーム76に回動自在に支持され、上部他端(先端)側にはソレノイド74のプランジャ74a先端が回動及び摺動自在に係合している。また、図12にレバー77を切断して上方から見た図を示しており、この図12から明らかなように、レバー77の下部77bは先細形状になるように係止プレート73側の側部に傾斜面77cを有しており、この傾斜面77cが係止プレート73の他端側に当接している。なお、係止プレート73のレバー77と当接する部分には、上方に折り曲げられた部分73aと、この折り曲げられた部分73aからさらに係止プレート73が延びる方向に折り曲げられた部分73bとを有している。これにより、後述するように、レバー77と係止プレート73とが互いにスムーズに摺動するのを実現している。
【0040】
また、レバー77の中間部77dには、レバー77を係止プレート73から離れる方向に付勢するためのコイルバネ81が設けられている。したがって、ソレノイド74に通電されていない場合は、レバー77はコイルバネ81によって常に図11(a)の姿勢を維持している。
【0041】
<待避機構>
待避機構90は、係止プレート73の他端側に配置された前述のコイルバネ75(図8参照)と、図6に示す捩りバネ70とを有している。なお、図6はトナー供給パイプ25を図3とは別の断面から見た図である。
【0042】
コイルバネ75は、前述のように、係止プレート73の他端とフレーム76との間に配置されて、係止プレート73を常に一端側(ソレノイド74側)に付勢している。また、捩りバネ70は、フレーム76に図示しない取付部材を介して装着されるとともに、一端がトナー供給パイプ25に係止され、他端はフレーム76に係止されている。この捩りバネ70により、トナー供給パイプ25は常に上方側(待避位置側)に付勢されている。
【0043】
<シャッタ機構>
なお、トナー供給パイプ25は、このトナー供給パイプ25が供給位置に位置するときにのみ開くシャッタ機構を有している。図5はトナー供給パイプ25の先端の開閉機構を示す図である。具体的には、図5に示すように、トナー供給パイプ25は内筒部251と外筒部252とを有する2重構造になっており、これらの各筒部251,252の先端部には、円周方向の一部に開口251a,252aが形成されている。ここで、外筒部252の開口252aは内筒部251の開口251aよりも開口角度が小さくなっている。また、外筒部252は、図7に示すように外周面に突起252bが形成されており、この突起252bが外筒部252のさらに外周に配置され螺旋状ガイド部28aが形成された回転カム28に係合している。なお、回転カム28を示す図4(b)では、理解の便宜のために、回転カム28は分解して示している。そして、トナー供給パイプ25が上方の待避位置にあるときには、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとは一致せず(シャッタ閉状態)、トナーが外部に漏れ出ない。一方、トナー供給パイプ25が下方に移動する際に、外筒部252が突起252bと回転カム28の螺旋状ガイド部28aとの係合によって回転し、トナー供給パイプ25の先端部が現像器16の内部に進入して供給位置に位置した際には、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとが一致し(シャッタ開状態)、内部のトナーが開口251a,252aから現像器16の内部に供給されるようになっている。
【0044】
[中間転写ベルト]
中間転写ベルト7は、感光体ドラム2に形成された各色のトナー画像が順次転写されるものであり、感光体ドラム2及びトナー収容部5の下方に配置されている。この中間転写ベルト7は、対向して配置された駆動ローラ35と従動ローラ36との間に掛け渡されている。また、転写ベルト7の感光体ドラム2と対向する部分は、1対の1次転写ローラ37a,37bによって感光体ドラム2に当接するように構成されている。
【0045】
これらの各構成部材の配置について、より詳細に説明する。駆動ローラ35は、感光体ドラム2と回転現像装置3との接触部のほぼ真下に位置し、その中心は回転現像装置3の最下端よりもさらに下方に位置している。そして、図示しないモータ及びギアを含む駆動部によって駆動されるようになっている。従動ローラ36は、トナー収容部5の装置手前側の底部に近接して配置されており、その高さ位置はほぼ感光体ドラム2と同じ位置である。この従動ローラ36はバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されており、これにより中間ベルト7に所定の張力が与えられている。また、1次転写ローラ37a,37bは互いに近接して感光体ドラム2の下方に設けられ、これにより、転写ベルト7の所定範囲が感光体ドラム2に当接されている。
【0046】
なお、駆動ローラ35の装置奥側で、回転現像装置3の下方には、転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が設けられている。このベルトクリーニング装置40は、駆動ローラ35と対向する位置に設けられ転写ベルト7の表面に摺接するファーブラシ41と、ファーブラシ41の上方にファーブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されたブレード43と、ブレード43の下方に並べて配置された回収スパイラル44とを有している。
【0047】
このクリーニング装置40においては、中間転写ベルト7の付着物はファーブラシ41によって掻き取られ、ファーブラシ41に掻き取られた付着物はクリーニングローラ42に回収される。そして、クリーニングローラ42側に回収された付着物は、ブレード43によってクリーニングローラ42の表面から掻き落とされ、回収スパイラル44によって図示しない回収部に回収される。
【0048】
[2次転写ローラ]
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に転写された画像を、搬送されてきた用紙に転写するためのものであり、駆動ローラ35の下方に駆動ローラ35と対向するように配置されている。そして、この2次転写ローラ8には、図示しない電圧印加手段によって、用紙に対して、画像転写のためのバイアス電圧が印加されている。
【0049】
[定着装置]
定着装置9は、用紙上に転写されたトナーを溶融定着するためのものであり、回転現像装置3の下方で、かつ装置奥側に配置されている。この定着装置9は、ヒータを内蔵する加熱ローラ9aと加熱ローラ9aに圧接する加圧ローラ9bとを有しており、両ローラ間に用紙を挟持して搬送する。
【0050】
[排出部]
このプリンタ1では、装置の上部表面、すなわち、レーザユニット4、トナー供給装置6及びトナー収容部5の上方に、画像が形成された用紙を載置するための排出部50が形成されている。この排出部50は、レーザユニット4側(装置奥側)が最も低く、トナー収容部5側(装置手前側)に行くにしたがって徐々に高くなる曲面部と、この曲面部に連続しトナー収容部5の上方に位置する平面部とを有している。
【0051】
[給紙部]
装置の底部には、用紙を収納するとともに収納された用紙を送り出すための給紙部51が設けられている。この給紙部51は、用紙が載置される載置板を有する給紙カセット52と、載置板上の用紙を取り出すための前送りコロ53と、用紙を1枚ずつ搬送路に送り出すためのローラ対からなる重送防止機構54とを有している。そして、給紙カセット52は装置の手前側に引き出すことが可能である。
【0052】
[搬送部]
給紙部51と排出部50との間には、用紙を搬送する搬送部が設けられている。搬送部は、給紙部51から2次転写ローラ8に至る第1搬送路55と、2次転写ローラ8から定着装置9に至る第2搬送路56と、定着装置9から排出部50に至る第3搬送路57とを有している。また、定着装置9の出口には、分岐爪58が設けられており、この分岐爪58と第1搬送路55の途中との間には用紙を第1搬送路55に戻すための戻し搬送路59が設けられている。
【0053】
第1搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙を上方に搬送しつつ搬送方向を逆にするための湾曲路55aと、この湾曲路55aから2次転写ローラ8に至る直線路55bとを有している。これらの搬送路は、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で形成されており、所定位置には用紙を検出するためのセンサが設けられている。また、直線路55bには用紙の搬送タイミングを制御するためのレジストローラ対60が配置されている。
【0054】
第2搬送路56は、ほぼ直線的に形成されており、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で構成されている。また、搬送路の所定位置には用紙を検出するためのセンサが設けられている。
【0055】
第3搬送路57は、分岐爪58の搬送方向下流側に形成された縦搬送路を有している。すなわち、用紙は、分岐爪58を通過した後は、ほぼ垂直上方に向かって搬送され、排出部50に排出される。この第3搬送路57も、前記同様に、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で構成されている。
【0056】
戻し搬送路59は、分岐爪58の設けられた部分において第3搬送路57から下方に分岐し、定着装置9、第2搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対60の下方を通り、さらに上方に向かう搬送路であり、第1搬送路55のレジストローラ対60の搬送方向上流側に合流している。すなわち、この戻し搬送路59は、第1搬送路55の直線路55b及び第2搬送路56と給紙カセット52との上下方向の間に設けられ、定着装置9を通過した用紙を、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対60のさらに上流側に戻すための搬送路である。この戻し搬送路59も、前記同様に、用紙を案内しながら搬送するガイド板及びローラ対で構成され、所定位置には用紙検出用のセンサが設けられている。
【0057】
[給紙トレイ]
トナー収容部5の下方でかつ給紙カセット52の上方には、装置の手前側の側壁を構成するように給紙トレイ65が配置されている。この給紙トレイ65は、下端が第1搬送路55の湾曲路55aの近傍で回動自在(開閉自在)に支持されており、この回動支点65aを中心に、上端を装置手前側に倒すことが可能である。このようにして給紙トレイ65を開いた状態では、給紙トレイ65上に用紙を載置し、この用紙を第1搬送路55の湾曲路55aに給紙することが可能である。
【0058】
[画像形成動作]
次に画像形成動作について簡単に説明する。まず、カラープリンタに電源が投入されると、各種パラメータが初期化され、定着部の温度設定を行うなどの初期設定が実行される。そして、このプリンタに接続されたコンピュータ等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。なお、この画像形成動作中においては、トナー供給パイプ25は上方の待避位置に移動させられている。したがって、レーザ光路はトナー供給パイプ25によって遮られていない。
【0059】
まず、帯電ローラ10によって感光体ドラム2が帯電される。その後、この感光体ドラム2に対して、レーザユニット4により画像データに対応した走査露光が行われ、感光体ドラム2には静電潜像が形成される。次に、回転現像装置3が回転されて、対応する色の現像器16が感光体ドラム2に対向させられる。この状態で、感光体ドラム2の静電潜像が対応する色のトナーによって現像される。現像された画像は、中間転写ベルト7に転写される。以上の動作を各色毎に順次繰り返すことによって、中間転写ベルト7上にはフルカラー画像が形成される。なお、感光体ドラム2に残留した残留トナー等は、ドラムクリーニング装置11により清掃されて、図示しない廃トナーコンテナに廃棄される。
【0060】
一方で、給紙部51において、給紙カセット52から1枚の用紙が前送りコロ53及び重送防止機構54により取り出され、第1搬送路55を介してレジストローラ対60に搬送される。その後、用紙は、レジストローラ対60から中間転写ベルト7上の画像形成にタイミングを合わせて搬送され、2次転写ローラ8に案内される。2次転写ローラ8は中間転写ベルト7に当接し、2次転写ローラ8に印加された転写バイアスにより、中間転写ベルト7上に形成されたフルカラーの画像が用紙に転写される。この用紙は第2搬送路56を介して定着装置9に案内され、この定着装置9による加熱・加圧によって画像が用紙に定着される。そして、片面印刷の場合は、分岐爪58を介して第3搬送路57に案内され、排出部50に排出される。
【0061】
また、両面印刷の場合は、定着装置9を通過した用紙は、分岐爪58によって戻し搬送路59側に案内され、再び第1搬送路55に戻される。第1搬送路55に戻された用紙はレジストローラ対60で一旦停止させられる。そして、裏面側の画像が前述の動作と同様の動作で中間転写ベルト7に形成された後、レジストローラ対60で待機していた用紙はタイミングを合わせて2次転写ローラ8側に送られる。その後は前記同様の動作が実行され、分岐爪58を介して第3搬送路57側に案内されて排出部50に排出される。
【0062】
[トナー供給動作]
現像器16に対してトナーを供給する場合は、回転現像装置3を回転させて、トナーを供給すべき現像器16を図1に示すような供給位置に位置させる。回転現像装置3はこの状態で回転がロックされている。次にトナー供給したい色のトナー供給パイプ25を下方に移動させて供給位置に位置させる。すなわち、モータを駆動すると、クラッチ33aとギア列とを介してピニオンギア33が回転し、これによってラック32に動力が伝達されてトナー供給パイプ25を下方に移動させる。また、搬送パイプ26内のコイルスプリング31が回転することによって、トナー収容部5からのトナーがトナー供給パイプ25側に供給されている。このトナーを供給したい色のトナー供給パイプ25の下方への移動に伴って、トナー供給パイプ25を構成する外筒部252が内筒部251に対して回転し、トナー供給パイプ25の先端が現像器16の内部に進入した時点では、外筒部252の開口252aと内筒部251の開口251aとが一致する。すなわち、シャッタ機構が開く。
【0063】
ここで、以上のようなトナー供給パイプ25の下降に際しては、ソレノイド74には通電されていない。したがって、ソレノイド74のプランジャ74aには吸引力は作用しておらず、レバー77はコイルバネ81によって支点を中心に時計回りに回動し、プランジャ74aが最大限突出した状態で停止している(図11(a)に示す状態)。この状態では、係止プレート73は、コイルバネ75によってソレノイド74側に付勢され、図12(a)に示すような状態でレバー77に当接している。この場合は、トナー供給パイプ25とともに下降する係止突起71は、係止プレート73の角孔72を通過する。この状態を図13(a)に模式的に示している。
【0064】
そして、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置すると、ソレノイド74に通電され、これによりプランジャ74aが縮退する。すると、それまで図11(a)に示すような姿勢のレバー77が、支点を中心に反時計回りに回動し、図11(b)に示すような姿勢となる。また、このレバー77の回動に伴って、レバー77と係止プレート73との位置関係は、図12(a)に示す状態から図12(b)に示す状態になる。すなわち、レバー77の回動により、レバー77の傾斜面77cが係止プレート73の折り曲げ部73b,73aと当接しながら係止プレート73をソレノイド74から離れる側に押すことになる。このため、係止プレート73はコイルバネ75の付勢力に抗してコイルバネ75側に移動する。この状態を、図13(b)に模式的に示している。ここでは、係止プレート73が係止突起71とが係止し、トナー供給パイプ25は、上方への移動が禁止される。したがって、この状態では、駆動機構27のモータ及びクラッチ33aをオフしても、トナー供給パイプ25はトナー供給位置に維持される。なお、係止プレート73のレバー77との当接部分には、折り曲げ部73a,73bが形成されているので、両者はスムーズに摺動することになる。
【0065】
なお、トナー供給パイプ25が供給位置に位置しているときには、レーザユニット4から感光体ドラム2に至るレーザ光路を、トナー供給パイプ25が遮ることになる。しかし、トナー供給パイプ25によるトナーの供給動作と画像形成動作とが同時に実行されることはないので、問題はない。
【0066】
トナーの供給が終了すると、ソレノイド74への通電が停止される。すると、プランジャ74aはフリー状態になり、レバー77はコイルバネ81の付勢力によって時計回りに回動して図11(a)に示す状態になる。これにより、レバー77は係止プレート73から離れる側に移動するので、係止プレート73は、先の場合とは逆に、コイルバネ75によってソレノイド74側に移動させられ、図12(a)に示すような状態になる。この場合は、図13(a)に示すように、トナー供給パイプ25の係止突起71と係止プレート73の角孔72とが一致し、トナー供給パイプ25の上方への移動が許容される状態となる。
【0067】
この状態で、モータが逆回転して、クラッチ33aが動力伝達状態となってピニオンギア33が逆回転する。これによってラック32が固定されたトナー供給パイプ25が上方に移動する。このとき、外筒部252が前記とは逆に回転し、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとの位置がずれ、開口は閉ざされる。すなわちシャッタは閉となる。また、現像器16側に設けられたトナー供給部18においても、トナー供給パイプ25がスリット18aから抜け出ると、スリット18aは弾性力によって閉じられる。したがって、トナー供給パイプ25からも、また現像器16からもトナーが機内に飛散するのを防止できる。
【0068】
[電力遮断時]
トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置するときに電力遮断状態となった際には、ソレノイド74への通電もオフになるために、プランジャ74aはフリー状態になる。この場合は、前述のトナー供給が終了した場合と同様に、レバー77はコイルバネ81により図11(a)に示す状態となり、係止プレート73はソレノイド74側に移動して図12(a)に示す状態となる。また、電力遮断状態では、駆動機構27によるトナー供給パイプ25の待避位置への上方移動は不可能であるが、フレーム76に固定された捩りバネ70によってトナー供給パイプ25が待避位置に移動する。このとき、外筒部252が前記とは逆に回転し、内筒部251の開口251aと外筒部252の開口252aとの位置がずれ、開口は閉ざされる。すなわちシャッタは閉状態となる。
【0069】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、トナー供給パイプ25がトナー供給位置に位置するときに電力遮断状態になっても、その状態のまま回転現像装置3が回転してトナー供給パイプ25及び現像器16が破損することを防止できる。また、トナー供給パイプ25が現像器16に進入した状態が長時間続くことによりトナー供給部18に配置された弾性部材のスリット18aが硬化し、スリット18aが硬化した状態で回転現像装置3が回転することによるトナー漏れを防止することができる。
【0070】
[他の実施形態]
上記実施形態では、第2係止部材として複数の角孔72を備えた帯状の係止プレート73を用いたが、本発明はこれに限らず、円柱状の部材に係止突起71と互いに係止可能な突起を設け、この円柱状の部材が回転することで係止突起71と突起とが係止してトナー供給パイプ25の垂直方向上側への移動を規制しても良い。また、上記実施形態では、電力遮断状態にトナー供給パイプ25を待避位置に移動させるために捩りバネ70を用いたが本発明はこれに限らず、コイルスプリング等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態によるカラープリンタの概略構成図。
【図2】現像器の外観斜視図
【図3】トナー供給装置の詳細断面構成図。
【図4】トナー供給パイプの駆動器機構の外観図。
【図5】トナー供給パイプ先端の構成図。
【図6】トナー供給パイプとトナー搬送パイプの外観図。
【図7】トナー供給パイプの外観図。
【図8】位置保持機構のカラープリンタのフレーム側構成図。
【図9】電力伝達状態におけるカラープリンタのフレームに固定されたソレノイドの詳細図。
【図10】電力遮断状態におけるカラープリンタのフレームに固定されたソレノイドの詳細図。
【図11】ソレノイド74とレバー77とコイルバネ81の関係を示す模式図。
【図12】レバー77と係止プレート73とが互いに接触する際の動作を示す図。
【図13】係止突起71と係止プレート73とが互いに係止する際の動作を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1 カラープリンタ
2 感光体ドラム
3 回転現像装置
4 レーザユニット
5 トナー収容部
6 トナー供給装置
7 中間転写ベルト
8 2次転写ローラ
9 定着装置
16 現像器
25 トナー供給パイプ
26 トナー搬送パイプ
30 トナー搬送用スクリュー
31 スプリングコイル
71 係止突起
72 角孔
73 係止プレート
80 位置保持機構
90 待避機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ内部に各色に対応した現像ローラを有する複数の容器本体と、
それぞれがトナー供給口を有し前記複数の容器本体のそれぞれにトナーを供給する複数のトナー供給部材と、
前記トナー供給部材が、前記トナー供給口が前記容器本体内に位置するトナー供給位置と、前記トナー供給部材が前記容器本体外に位置する待避位置とを取り得るように、前記トナー供給部材を移動させるための駆動機構と、
前記トナー供給部材が前記トナー供給位置に位置している状態において、前記トナー供給部材の移動を規制する位置保持機構と、
前記トナー供給部材が前記トナー供給位置に位置している状態において電力が遮断された際に、前記位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制を解除し、前記トナー供給部材を前記待避位置に位置させる待避機構と、
を備えた現像ユニット。
【請求項2】
前記位置保持機構は、前記トナー供給部材に固定された第1係止部と、前記第1係止部と互いに係止する第2係止部材とを備えた、
請求項1に記載の現像ユニット。
【請求項3】
前記待避機構は、前記第1係止部と前記第2係止部材との係止を解除するように前記第2係止部材を移動させる第2係止部材駆動装置と、前記トナー供給部材を前記待避位置に付勢する付勢部材とを備えた、
請求項1または2に記載の現像ユニット。
【請求項4】
前記位置保持機構は、前記第1係止部が前記第2係止部材と互いに係止するように前記第2係止部材を移動させる第2係止部材移動用部材をさらに備えた、
請求項2または3に記載の現像ユニット。
【請求項5】
前記第2係止部材駆動装置は付勢部材である、
請求項3に記載の現像ユニット。
【請求項6】
前記トナー供給部材が前記トナー供給位置に位置しているときに前記トナー供給口を開状態とし、前記トナー供給部材が前記待避位置に位置しているときに前記トナー供給口を閉状態とするシャッタ機構をさらに備えた、
請求項1から5のいずれかに記載の現像ユニット。
【請求項7】
前記容器本体は、前記トナー供給部材が前記待避位置と前記トナー供給位置とを移動する際に通過するスリットを有する弾性部材を備えている、
請求項1から6のいずれかに記載の現像ユニット。
【請求項1】
それぞれ内部に各色に対応した現像ローラを有する複数の容器本体と、
それぞれがトナー供給口を有し前記複数の容器本体のそれぞれにトナーを供給する複数のトナー供給部材と、
前記トナー供給部材が、前記トナー供給口が前記容器本体内に位置するトナー供給位置と、前記トナー供給部材が前記容器本体外に位置する待避位置とを取り得るように、前記トナー供給部材を移動させるための駆動機構と、
前記トナー供給部材が前記トナー供給位置に位置している状態において、前記トナー供給部材の移動を規制する位置保持機構と、
前記トナー供給部材が前記トナー供給位置に位置している状態において電力が遮断された際に、前記位置保持機構によるトナー供給部材の移動規制を解除し、前記トナー供給部材を前記待避位置に位置させる待避機構と、
を備えた現像ユニット。
【請求項2】
前記位置保持機構は、前記トナー供給部材に固定された第1係止部と、前記第1係止部と互いに係止する第2係止部材とを備えた、
請求項1に記載の現像ユニット。
【請求項3】
前記待避機構は、前記第1係止部と前記第2係止部材との係止を解除するように前記第2係止部材を移動させる第2係止部材駆動装置と、前記トナー供給部材を前記待避位置に付勢する付勢部材とを備えた、
請求項1または2に記載の現像ユニット。
【請求項4】
前記位置保持機構は、前記第1係止部が前記第2係止部材と互いに係止するように前記第2係止部材を移動させる第2係止部材移動用部材をさらに備えた、
請求項2または3に記載の現像ユニット。
【請求項5】
前記第2係止部材駆動装置は付勢部材である、
請求項3に記載の現像ユニット。
【請求項6】
前記トナー供給部材が前記トナー供給位置に位置しているときに前記トナー供給口を開状態とし、前記トナー供給部材が前記待避位置に位置しているときに前記トナー供給口を閉状態とするシャッタ機構をさらに備えた、
請求項1から5のいずれかに記載の現像ユニット。
【請求項7】
前記容器本体は、前記トナー供給部材が前記待避位置と前記トナー供給位置とを移動する際に通過するスリットを有する弾性部材を備えている、
請求項1から6のいずれかに記載の現像ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−65391(P2007−65391A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252488(P2005−252488)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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