説明

現像剤供給装置

【課題】 現像剤の供給状態を適切にすることによって、良好な画像形成が行われるようにする。
【解決手段】 現像剤供給装置(6)は、本体ケーシング(60)と現像剤収容カートリッジ(61)との間での現像剤(T)の出し入れを調整するための現像剤投入状態制御手段(68)を備えている。現像剤投入状態制御手段(68)は、現像剤補充用開口部(60f)と現像剤送出用開口部(61b)とが連通する位置にて本体ケーシング(60)と現像剤収容カートリッジ(61)とに跨るように設けられていて、第一投入状態制御基板(68b)と、第二投入状態制御基板(68c)と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電した粉末状の現像剤を、電界により現像剤搬送経路に沿って搬送しつつ、供給対象に対して供給するように構成された、現像剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、特開昭60−115962号公報、特開平5−61336号公報、特開平6−3937号公報、特開平11−84862号公報、特開2001−209246号公報、特開2002−287495号公報、特開2003−295615号公報、等に開示されているものが知られている。かかる装置は、現像剤搬送方向に沿って配列された複数の搬送電極を備えていて、これら複数の搬送電極に対する駆動電圧の印加により発生する電界によって前記現像剤を搬送するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の装置において、前記現像剤が装置内部で劣化したり、供給経路中にて前記現像剤の滞留が生じたりすることで、前記現像剤の供給状態が不良となると、形成画像の乱れ等の不具合が生じる。よって、この種の装置における前記現像剤の供給状態を適切にすることによって、良好な画像形成が行われるようになる。本発明は、かかる課題に対処するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
<構成>
本発明の現像剤供給装置は、帯電した粉末状の現像剤を、電界により現像剤搬送経路に沿って搬送しつつ、供給対象に対して供給するように構成されている。この現像剤供給装置は、本体ケーシングと、現像剤収容カートリッジと、現像剤投入状態制御手段と、搬送基板と、を備えている。また、この現像剤供給装置は、現像剤担持部材をさらに備え得る。
【0005】
前記本体ケーシングは、箱状の部材であって、本体側リアパネルと、本体側フロントパネルと、本体側底板と、本体側天板と、を備えている。
【0006】
前記本体側リアパネルは、主走査方向と平行な平板状の部材であって、その下端部に現像剤補充用開口部が形成されている。前記本体側フロントパネルは、前記本体側リアパネルと対向するように設けられている。前記本体側底板は、前記本体側フロントパネルの下端部と前記本体側リアパネルの前記下端部との間に設けられている。前記本体側天板は、前記本体側フロントパネルの上端部と前記本体側リアパネルの上端部との間に設けられている。この本体側天板には、前記供給対象に向けて上方に開口する現像剤供給用開口部が形成されている。
【0007】
前記現像剤収容カートリッジは、前記本体側リアパネル側にて前記本体ケーシングに隣接するように設けられている。この現像剤収容カートリッジの下端部には、前記現像剤補充用開口部と連通する現像剤送出用開口部が形成されている。
【0008】
前記現像剤投入状態制御手段は、前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとの間での前記現像剤の出し入れを調整するために、前記現像剤補充用開口部と前記現像剤送出用開口部とが連通する位置にて前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとに跨るように設けられている。
【0009】
前記現像剤担持部材は、円柱面状の周面を有し前記主走査方向に沿った軸を中心として回転駆動されるローラ状の部材であって、前記現像剤供給用開口部に面するように前記本体ケーシングの内側に収容されつつ、前記供給対象と対向するように設けられている。
【0010】
前記搬送基板には、前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の搬送電極が、前記長手方向と交差する前記現像剤搬送経路に沿って配列されている。そして、この搬送基板は、複数の前記搬送電極への電圧印加に伴って発生する電界により、前記現像剤を前記現像剤搬送経路に沿って搬送するように構成されている。
【0011】
前記搬送基板は、底部搬送基板と、上方搬送基板と、下方搬送基板と、を備えている。
【0012】
前記底部搬送基板は、前記本体側底板の内壁面にて支持されている。前記底部搬送基板は、前記現像剤収容カートリッジの底板と前記本体側底板とに跨るように設けられ得る。この底部搬送基板は、前記現像剤との摩擦により当該現像剤を帯電させるように構成されている。また、この底部搬送基板は、上述のようにして帯電した前記現像剤を、前記上方搬送基板の下端部に向けて搬送するように、当該下端部と接続されている。
【0013】
前記上方搬送基板は、前記本体側フロントパネルの内壁面にて支持されている。この上方搬送基板は、前記底部搬送基板から搬送されてきた前記現像剤を、(例えば当該上方搬送基板が前記現像剤担持部材と対向する位置に向けて)前記現像剤搬送経路に沿って上方(例えば垂直上方)に搬送するように設けられている。
【0014】
前記下方搬送基板は、前記本体側リアパネルの内壁面にて支持されている。この下方搬送基板は、前記現像剤を、(例えば当該下方搬送基板が前記現像剤担持部材と対向する位置から)前記現像剤投入状態制御手段に向けて下方(例えば垂直下方)に搬送するように設けられている。
【0015】
前記現像剤投入状態制御手段は、第一投入状態制御基板と、第二投入状態制御基板と、支持体と、を備えている。前記第一投入状態制御基板及び前記第二投入状態制御基板は、前記支持体に支持されている。
【0016】
前記第一投入状態制御基板は、前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第一投入状態制御電極が前記長手方向と交差する方向に沿って配列され、前記下方搬送基板の下端部に面するように設けられている。
【0017】
前記第二投入状態制御基板は、前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第二投入状態制御電極が前記長手方向と交差する方向に沿って配列され、前記底部搬送基板に面するように設けられている。
【0018】
前記支持体は、上下動することで、前記下方搬送基板の下端部及び前記底部搬送基板との間隔を変更可能に構成され得る。
【0019】
前記現像剤投入状態制御手段は、前記主走査方向に沿った軸を中心として回動することで、前記下方搬送基板の下端部及び前記底部搬送基板との間隔を変更可能に構成され得る。
【0020】
前記現像剤投入状態制御手段は、前記搬送基板による前記現像剤の搬送動作を行わないときに前記現像剤補充用開口部と前記現像剤送出用開口部との連通を遮断可能に構成され得る。
【0021】
<作用>
かかる構成においては、前記本体ケーシング内に貯留されている前記現像剤における、前記底部搬送基板と接触しているものが、当該底部搬送基板との摩擦により帯電する。この帯電した前記現像剤は、前記底部搬送基板にて発生する電界により、前記上方搬送基板の前記下端部に向けて搬送される。そして、当該下端部にて、前記底部搬送基板から前記上方搬送基板に前記現像剤が受け渡される。
【0022】
前記上方搬送基板は、前記底部搬送基板から搬送されてきた前記現像剤を、上方に(例えば当該上方搬送基板が前記現像剤担持部材と対向する位置に向けて)搬送する。このとき、帯電状態が不良な前記現像剤は、下方の前記底部搬送基板に向けて落下する。
【0023】
これにより、帯電状態が不良な前記現像剤が前記供給対象に供給されることが、効果的に抑制される。すなわち、前記上方搬送基板にて、前記現像剤における、帯電状態が良好なものと不良なものとが、良好に選別される。
【0024】
その後、前記現像剤は、前記下方搬送基板により、前記現像剤投入状態制御手段に向けて、下方に搬送される。具体的には、例えば、前記現像剤担持部材を経た前記現像剤は、前記下方搬送基板が前記現像剤担持部材と対向する位置から、下方の前記現像剤投入状態制御手段に向けて搬送される。
【0025】
前記現像剤投入状態制御手段は、前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとに跨る位置にて、前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとの間での前記現像剤の出し入れを調整する。すなわち、前記現像剤投入状態制御手段は、前記本体ケーシング及び前記現像剤収容カートリッジにおける前記現像剤の循環状態を調整する。
【0026】
具体的には、例えば、前記下方搬送基板により上方から搬送されてきた前記現像剤が、前記現像剤投入状態制御手段により、前記現像剤収容カートリッジに回収される。あるいは、前記現像剤収容カートリッジに貯留された前記現像剤が、前記現像剤投入状態制御手段により、前記本体ケーシング側に投入される。
【0027】
ここで、前記現像剤投入状態制御手段による、前記本体ケーシング及び前記現像剤収容カートリッジにおける前記現像剤の循環状態の調整は、前記第一投入状態制御基板及び前記第二投入状態制御基板における電界搬送によって行われる。したがって、前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとの間での前記現像剤の出し入れ状態が、任意の状態に設定され得る。
【0028】
例えば、(1)前記現像剤収容カートリッジへの回収及び前記本体ケーシング側への投入の双方、(2)前記現像剤収容カートリッジへの回収のみ、の切り換えが、確実に行われ得る。あるいは、(1)前記現像剤収容カートリッジへの回収及び前記本体ケーシング側への投入の双方、(2)前記現像剤収容カートリッジへの回収のみ、(3)前記本体ケーシング側への投入のみ、の切り換えが、確実に行われ得る。
【0029】
また、前記第一投入状態制御基板及び前記第二投入状態制御基板を支持する前記支持体を可動式とすることで、上述の(1)ないし(3)の3態様の切り換えや、(4)前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとの連通の遮断(典型的には非画像形成動作時)が、確実に行われ得る。
【発明の効果】
【0030】
上述の構成を備えた、本発明の現像剤供給装置においては、前記現像剤の循環状態が、より適切に制御され得る。これにより、前記現像剤の装置内部での劣化や、前記現像剤搬送経路中での前記現像剤の滞留の発生が、可及的に抑制され得る。したがって、本発明によれば、前記現像剤の供給状態がより適切となり、以て良好な画像形成が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態が適用された画像形成装置としてのレーザープリンタの概略構成を示す側面図である。
【図2】図1に示されているトナー供給装置を拡大した側断面図である。
【図3】図2に示されている搬送基板を拡大した側断面図である。
【図4】図3に示されている各電源回路の出力波形の一例を示すグラフである。
【図5】図2に示されている第一投入状態制御基板及び第二投入状態制御基板の内部構造を拡大して示す側断面図である。
【図6】図2に示されているトナー供給装置の動作の様子を示す側断面図である。
【図7】図2に示されているトナー供給装置の動作の様子を示す側断面図である。
【図8】図2に示されているトナー供給装置の一変形例の概略構成を示す側断面図である。
【図9】図2に示されているトナー投入状態制御手段の一変形例の概略構成を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
【0034】
<レーザープリンタの構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像形成装置としてのレーザープリンタ1の概略構成を示す側面図である。
【0035】
図1を参照すると、レーザープリンタ1は、用紙搬送機構2と、感光体ドラム3と、帯電器4と、スキャナーユニット5と、トナー供給装置6と、を備えている。
【0036】
レーザープリンタ1内に備えられた、図示しない給紙トレイには、シート状の用紙Pが積み重ねられた状態で収容されている。用紙搬送機構2は、用紙Pを所定の用紙搬送経路PPに沿って搬送し得るように構成されている。
【0037】
本発明の供給対象としての感光体ドラム3の周面には、静電潜像担持面LSが形成されている。静電潜像担持面LSは、主走査方向(図中z軸方向)と平行な円筒面として形成されている。この静電潜像担持面LSは、電位分布による静電潜像が形成されるとともに、当該静電潜像に対応した位置にて本発明の現像剤としてのトナーT(図2参照)を担持するように構成されている。
【0038】
感光体ドラム3は、前記主走査方向と平行な中心軸Cを中心として、図中矢印で示されている方向(図1における時計回り)に回転駆動され得るように構成されている。すなわち、静電潜像担持面LSが、前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るように、感光体ドラム3が構成されている。
【0039】
帯電器4は、静電潜像担持面LSと対向するように配置されている。この帯電器4は、コロトロン型あるいはスコロトロン型の帯電器であって、静電潜像担持面LSを一様に正帯電させ得るように構成されている。
【0040】
スキャナーユニット5は、画像データに基づいて変調されたレーザービームLBを生成するように構成されている。すなわち、スキャナーユニット5は、画素の有無によって発光のON/OFFが制御された、所定の波長帯域のレーザービームLBを生成するように構成されている。
【0041】
また、スキャナーユニット5は、生成されたレーザービームLBを、静電潜像担持面LSにおけるスキャン位置SPにて結像させる(露光する)ように構成されている。ここで、スキャン位置SPは、帯電器4よりも、感光体ドラム3の回転方向(図1における矢印で示されている方向:図中時計回り)における下流側の位置に設けられている。
【0042】
さらに、スキャナーユニット5は、静電潜像担持面LS上にてレーザービームLBが結像される位置を、前記主走査方向に沿って等速度にて移動させる(走査する)ことで、静電潜像担持面LS上に静電潜像を形成し得るように構成されている。
【0043】
本発明の現像剤供給装置としてのトナー供給装置6は、感光体ドラム3と対向するように、感光体ドラム3の下方に配置されている。トナー供給装置6は、現像位置DPにて、トナーを帯電した状態で静電潜像担持面LSに供給し得るように構成されている。ここで、現像位置DPとは、トナー供給装置6が静電潜像担持面LSと対向する位置である。このトナー供給装置6の詳細な構成については後述する。
【0044】
次に、レーザープリンタ1の各部の具体的な構成について、より詳細に説明する。
【0045】
用紙搬送機構2は、一対のレジストローラ21と、転写ローラ22と、を備えている。
【0046】
レジストローラ21は、用紙Pを所定のタイミングにて感光体ドラム3と転写ローラ22との間に向けて送り出し得るように構成されている。
【0047】
転写ローラ22は、感光体ドラム3の外周面である静電潜像担持面LSと、転写位置TPにて、用紙Pを挟んで対向するように配置されている。また、転写ローラ22は、図中矢印で示されている方向(反時計回り)に回転駆動され得るように構成されている。
【0048】
転写ローラ22は、図示しないバイアス電源回路に接続されている。すなわち、転写ローラ22と感光体ドラム3との間で、静電潜像担持面LS上に付着したトナー(現像剤)を用紙Pに転写させるための所定の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。
【0049】
<<トナー供給装置>>
図2は、図1に示されているトナー供給装置6を拡大した一部分解側断面図である。図2を参照すると、トナー供給装置6は、帯電したトナーTを、電界によりトナー搬送経路TTPに沿って搬送しつつ、感光体ドラム3に対して供給するように構成されている。
【0050】
トナー供給装置6のケーシングである本体ケーシング60は、側断面視にてほぼ長円状に形成された箱状部材であって、その長手方向が上下方向(図中y軸方向)と平行となるように配置されている。本体ケーシング60の内部には、粉末状の乾式現像剤としてのトナーTが収容されている。なお、本実施形態においては、トナーTは、正帯電性、非磁性1成分の、黒色トナーである。
【0051】
本体ケーシング60は、本体側フロントパネル60bと、本体側リアパネル60aと、本体側底板60cと、本体側天板60dと、一対の側壁60eと、から構成されている。この本体ケーシング60は、合成樹脂によって一体に形成されている。
【0052】
本体側リアパネル60aは、主走査方向及び高さ方向と平行な平板状の部材であって、水平面に対して直交するように立設されている。本体側リアパネル60aの下端部には、貫通孔であるトナー補充用開口部60fが形成されている。このトナー補充用開口部60fは、本体側リアパネル60aの主走査方向におけるほぼ全幅分形成されている。
【0053】
本体側フロントパネル60bは、本体側リアパネル60aと平行な平板状の部材であって、本体側リアパネル60aと対向するように立設されている。本体側フロントパネル60b及び本体側リアパネル60aは、それぞれの上端縁が主走査方向に平行で同じ高さになるように、互いに対向して設けられている。本体側リアパネル60aは、本体側フロントパネル60bと同じ厚さで形成されている。
【0054】
本体側底板60cは、水平面と平行な平板状の部分と、かかる平板状の部分におけるフロント側の端(図中左端)から斜め上方に延びるように設けられた側断面視にて円弧状の部分と、を備えた、板状部材であって、本体側リアパネル60a及び本体側フロントパネル60bと同じ厚さで形成されている。すなわち、本体側底板60cにおける、側断面視にて円弧状の上述の部分は、薄肉円筒を中心軸線方向に沿って1/4に切断したような形状になっている。
【0055】
本体側底板60cは、本体側フロントパネル60bの下端部と本体側リアパネル60aの下端部との間に設けられている。すなわち、本体側底板60cにおける、側断面視にて円弧状の部分の上端は、本体側フロントパネル60bと接続されている。また、本体側底板60cの、平板状の部分におけるリア側の端(図中右端)は、トナー補充用開口部60fに対応する位置に設けられている。
【0056】
本体側天板60dは、主走査方向と平行な中心軸線を有する薄肉半円筒状の部材であって、本体側リアパネル60a及び本体側フロントパネル60bのそれぞれの上端縁と接続されている。この本体側天板60dは、本体側リアパネル60a、本体側フロントパネル60b、及び本体側底板60cと同じ厚さで形成されている。
【0057】
本体側フロントパネル60b、本体側リアパネル60a、本体側底板60c、及び本体側天板60dによって形成された、側断面視にて略長円状の合成樹脂フレームの側方を塞ぐように、一対の側壁60eが設けられている。そして、本体ケーシング60、本体側フロントパネル60b、本体側リアパネル60a、本体側底板60c、本体側天板60d、及び一対の側壁60eによって囲まれた空間における底部に、本体側トナー貯留部60gが形成されている。
【0058】
また、本体側天板60dの頂部であって、感光体ドラム3と対向する位置に、トナー供給用開口部60hが形成されている。すなわち、トナー供給用開口部60hは、感光体ドラム3に向けて上方に開口するように設けられている。このトナー供給用開口部60hは、本体ケーシング60の内側の空間の、奥行き方向(主走査方向及び上下方向と直交する方向:図中x軸方向)における全幅分にわたって形成されている。
【0059】
本体側リアパネル60a側にて本体ケーシング60に隣接するように、トナー収容カートリッジ61が設けられている(図中2点鎖線参照)。トナー収容カートリッジ61は、箱状部材であって、その内部にはトナーTが収容(貯留)されている。
【0060】
トナー収容カートリッジ61における、本体ケーシング60と対向する側には、平板状のトナーカートリッジ側フロントパネル61aが設けられている。また、トナー収容カートリッジ61の底板であるトナーカートリッジ側底板61bは、平板状に形成されている。
【0061】
トナーカートリッジ側フロントパネル61aの下端部には、トナー送出用開口部61cが形成されている。このトナー送出用開口部61cは、トナーカートリッジ側フロントパネル61aが本体ケーシング60における本体側リアパネル60aと接合された際に、トナー補充用開口部60fと連通するように形成されている。
【0062】
本体ケーシング60の内側には、本発明の現像剤担持部材としての現像ローラ62が収容されている。現像ローラ62は、円柱面状の周面であるトナー担持面62aを有していて主走査方向と平行な軸を中心として回転駆動されるローラ状の部材であって、本体ケーシング60によって、回動可能に支持されている。
【0063】
現像ローラ62は、トナー供給用開口部60hにて感光体ドラム3と対向するように設けられている。すなわち、現像ローラ62におけるトナー担持面62aが現像位置DPにて感光体ドラム3における静電潜像担持面LSと近接し所定間隔(500μm程度)のギャップを介して対向するように、本体ケーシング60及び現像ローラ62が配置されている。
【0064】
本体ケーシング60の内部には、トナー搬送経路TTPに沿って、搬送基板63が設けられている。搬送基板63は、本体ケーシング60の内壁面に固定されている。本実施形態においては、搬送基板63は、底部搬送基板63aと、上方搬送基板63bと、下方搬送基板63cと、を備えている。なお、搬送基板63(底部搬送基板63a、上方搬送基板63b、及び下方搬送基板63c)の内部構成の詳細については後述する。
【0065】
底部搬送基板63aは、本体側トナー貯留部60gの底面を構成するように、本体ケーシング60の内側の空間における底部に配置されている。すなわち、底部搬送基板63aは、本体側底板60cの内壁面にて支持されている。また、底部搬送基板63aは、上方搬送基板63bの下端部と滑らかに接続されている。この底部搬送基板63aは、本体側トナー貯留部60g内のトナーTを、上方搬送基板63bの下端部に向けて搬送するように、当該下端部と接続されている。
【0066】
上方搬送基板63bは、本体側フロントパネル60b及び本体側天板60dの内壁面にて支持されている。この上方搬送基板63bは、底部搬送基板63aから受け渡されたトナーTを、上方の現像ローラ62及び現像位置DPに向けてトナー搬送方向TTDに搬送するように構成されている。
【0067】
本実施形態においては、上方搬送基板63bの上端部は、現像ローラ62の中心よりも上方まで、具体的には、トナー供給用開口部60hに達する位置まで設けられている。この上端部は、現像ローラ62における円柱面状のトナー担持面62aと一定間隔(300μm程度)のギャップを隔てて対向するように、凹状の曲面状に屈曲されている。また、上方搬送基板63bのその他の部分は、平板状に形成されていて、トナーTを垂直上方に搬送するように立設されている。
【0068】
下方搬送基板63cは、本体側リアパネル60aの内壁面にて支持されている。すなわち、下方搬送基板63cは、上方搬送基板63bと対向するように設けられている。また、下方搬送基板63cは、本体ケーシング60のトナー供給用開口部60hよりもトナー搬送方向TTDにおける下流側に配置されている。本実施形態においては、下方搬送基板63cのトナー搬送方向TTDにおける終端部は、トナー補充用開口部60fに対応する位置まで設けられている。
【0069】
下方搬送基板63cは、現像位置DPにて消費されなかったトナーTを、現像ローラ62と対向する上端部にて当該現像ローラ62から回収するとともに、この回収されたトナーTを下方に搬送するように構成されている。具体的には、下方搬送基板63cの上端部は、現像ローラ62と一定間隔(現像位置DPにおける感光体ドラム3と現像ローラ62とのギャップの間隔よりも狭い間隔:300μm程度)のギャップを隔てて対向するように、凹状の曲面状に屈曲されている。また、下方搬送基板63cのその他の部分(上述の上端部よりも下側の部分)は、トナーTを垂直下方に搬送するように平板状に形成されている。
【0070】
搬送基板63における底部搬送基板63a及び上方搬送基板63bは、搬送電源回路64と電気的に接続されている。下方搬送基板63cは、回収電源回路65と電気的に接続されている。現像ローラ62は、現像バイアス電源回路66と電気的に接続されている。
【0071】
搬送電源回路64、回収電源回路65、及び現像バイアス電源回路66は、トナーTをトナー搬送経路TTPに沿ってトナー搬送方向TTDに循環させる(本体側トナー貯留部60g内のトナーTを現像ローラ62に一旦担持させつつ現像位置DPまで供給するとともに、現像位置DPにて消費されなかったトナーTを現像ローラ62から回収して下方の本体側トナー貯留部60gに還流させる)ために必要な電圧を出力するようになっている。
【0072】
すなわち、現像バイアス電源回路66は、回収電源回路65よりも大きな振幅で、回収電源回路65の出力電圧の周波数の整数倍の周波数の出力電圧(回収バイアス)を、現像ローラ62に印加するようになっている。また、回収電源回路65は、静電潜像担持面LSにおけるトナーTを供給すべき露光部位の電位よりも低い平均電位となるような出力電圧を、下方搬送基板63cに印加するようになっている。そして、現像ローラ62と感光体ドラム3との間の電界よりも、現像ローラ62と下方搬送基板63cとの間の電界の方が強くなるように、回収電源回路65及び現像バイアス電源回路66の出力電圧が設定されている。
【0073】
本体ケーシング60の内側の空間内における、現像ローラ62よりも下方であって、上方搬送基板63bに近接する位置には、遮蔽板67が配置されている。遮蔽板67は、搬送基板63の動作によって本体ケーシング60の内側の空間内にてトナーTが舞い上がった場合に、このトナーTが現像ローラ62に付着しないように設けられている。
【0074】
<<<トナー投入状態制御手段>>>
トナー供給装置は、また、トナー投入状態制御手段68を備えている。トナー投入状態制御手段68は、本体ケーシング60とトナー収容カートリッジ61との間でのトナーTの出し入れを調整するために、トナー補充用開口部60fとトナー送出用開口部61cとが連通する位置にて、本体ケーシング60とトナー収容カートリッジ61とに跨るように設けられている。
【0075】
トナー投入状態制御手段68は、支持体68aと、第一投入状態制御基板68bと、第二投入状態制御基板68cと、を備えている。第一投入状態制御基板68b及び第二投入状態制御基板68cは、支持体68aによって支持されている。
【0076】
本実施形態においては、支持体68aは、主走査方向と平行な中心軸線を有する円柱状に形成されている。また、支持体68aは、上下動することで、下方搬送基板63cの下端部と第一投入状態制御基板68bとの間隔、及び底部搬送基板63aと第二投入状態制御基板68cとの間隔を、変更可能に構成されている。
【0077】
第一投入状態制御基板68bは、下方搬送基板63cの下端部に面するように設けられている。第二投入状態制御基板は、底部搬送基板63aに面するように設けられている。具体的には、第一投入状態制御基板68bは、支持体68aの上半分を覆うように設けられている。第二投入状態制御基板68cは、支持体68aの下半分を覆うように設けられている。第一投入状態制御基板68b及び第二投入状態制御基板68cの内部構造の詳細については後述する。
【0078】
<<<搬送基板>>>
図3は、図2に示されている搬送基板63を拡大した側断面図である。
【0079】
図3を参照すると、搬送基板63は、薄板状の部材であって、フレキシブルプリント配線基板と同様の構成を有している。具体的には、搬送基板63は、搬送電極631と、搬送電極支持フィルム632と、搬送電極コーティング層633と、搬送電極オーバーコーティング層634と、から構成されている。
【0080】
搬送電極631(なお、底部搬送基板63aにおける搬送電極631を底部搬送電極631a、上方搬送基板63bにおける搬送電極631を垂直搬送電極631b、下方搬送基板63cにおける搬送電極631を回収電極631cと称する。)は、前記主走査方向と平行な(すなわち前記副走査方向と直交する)長手方向を有する線状の配線パターンであって、厚さが数十μm程度の銅箔によって形成されている。複数の搬送電極631は、トナー搬送経路TTPに沿って配列されていて、互いに平行に配置されている。
【0081】
トナー搬送経路TTPに沿って多数配列された各搬送電極631は、3本置きに同一の電源回路に接続されている。すなわち、電源回路VAに接続された搬送電極631,電源回路VBに接続された搬送電極631,電源回路VCに接続された搬送電極631,電源回路VDに接続された搬送電極631,電源回路VAに接続された搬送電極631,電源回路VBに接続された搬送電極631,電源回路VCに接続された搬送電極631・・・が、トナー搬送経路TTPに沿って順に配列されている(なお、これらの電源回路VAないしVDは、図2における搬送電源回路64や回収電源回路65の構成要素である。)。
【0082】
ここで、図4は、図3に示されている各電源回路VAないしVDの出力波形の一例を示すグラフである。本実施形態においては、図4に示されているように、各電源回路VAないしVDは、ほぼ同一波形の交流電圧である駆動電圧を出力し得るように構成されている。また、各電源回路VAないしVDが発生する電圧の波形における位相が、90°ずつ異なるように、各電源回路VAないしVDが構成されている。すなわち、電源回路VAから電源回路VDに向かう順に、電圧の位相が90°ずつ遅れるようになっている。
【0083】
このように、搬送基板63は、各搬送電極631に対して上述のような駆動電圧が印加されて、トナー搬送経路TTPに沿った進行波状の電界が発生することで、正帯電したトナーTをトナー搬送方向TTDに搬送し得るように構成されている。
【0084】
複数の搬送電極631は、搬送電極支持フィルム632の表面上に形成されている。搬送電極支持フィルム632は、可撓性のフィルムであって、ポリイミド樹脂等の絶縁性の合成樹脂から構成されている。
【0085】
搬送電極コーティング層633は、絶縁性の合成樹脂から構成されている。この搬送電極コーティング層633は、搬送電極支持フィルム632における搬送電極631が設けられている表面、及び搬送電極631を覆うように設けられている。
【0086】
搬送電極コーティング層633の上には、搬送電極オーバーコーティング層634(なお、底部搬送基板63aにおける搬送電極オーバーコーティング層634を底部オーバーコーティング層634a、上方搬送基板63bにおける搬送電極オーバーコーティング層634を供給オーバーコーティング層634b、下方搬送基板63cにおける搬送電極オーバーコーティング層634を回収オーバーコーティング層634cと称する。)が設けられている。すなわち、上述の搬送電極コーティング層633は、搬送電極オーバーコーティング層634と搬送電極631との間に形成されている。搬送電極オーバーコーティング層634の表面は、トナーTがスムーズに搬送され得るように、凹凸の極めて少ない平滑な面として形成されている。
【0087】
本実施形態においては、供給オーバーコーティング層634b及び回収オーバーコーティング層634cは、同一の材料(ポリエステル)によって形成されている。そして、この材料としては、トナーの帯電量を適正値にする摩擦帯電材料であって、摩擦帯電列における位置が、底部オーバーコーティング層634aを構成する材料(ポイリミド)よりも、プラス側すなわちトナーTの帯電極性と同極性側となるものが用いられている。
【0088】
<<<投入状態制御基板>>>
図5は、図2に示されている第一投入状態制御基板68b及び第二投入状態制御基板68cの内部構造を拡大して示す側断面図である。図5に示されているように、第一投入状態制御基板68b及び第二投入状態制御基板68cもまた、フレキシブルプリント配線基板と同様の構成を有している。
【0089】
すなわち、第一投入状態制御基板68bは、第一投入状態制御電極681bと、第一投入状態制御電極支持フィルム682bと、第一投入状態制御電極コーティング層683bと、第一投入状態制御電極オーバーコーティング層684bと、から構成されている。同様に、第二投入状態制御基板68cは、第二投入状態制御電極681cと、第二投入状態制御電極支持フィルム682cと、第二投入状態制御電極コーティング層683cと、第二投入状態制御電極オーバーコーティング層684cと、から構成されている。
【0090】
第一投入状態制御基板68bにおける第一投入状態制御電極支持フィルム682b上には、主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第一投入状態制御電極681bが、当該長手方向と交差する方向に沿って配列されている。同様に、第二投入状態制御基板68cにおける第二投入状態制御電極支持フィルム682c上には、主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第二投入状態制御電極681cが、当該長手方向と交差する方向に沿って配列されている。
【0091】
<レーザープリンタの動作説明>
図6及び図7は、図2に示されているトナー供給装置6の動作の様子を示す側断面図である。以下、上述のように構成されたレーザープリンタ1による動作の概要を、実施形態の構成による作用・効果とともに、図面を適宜参照しつつ説明する。
【0092】
<<給紙動作>>
まず図1を参照すると、図示しない前記給紙トレイ上に積載された用紙Pの先端が、レジストローラ21まで送られる。このレジストローラ21にて、用紙Pの斜行が補正されるとともに、搬送タイミングが調整される。その後、用紙Pは、転写位置TPまで給送される。
【0093】
<<潜像形成面上へのトナー像の担持>>
上述のように用紙Pが転写位置TPに向けて搬送されている間に、感光体ドラム3の周面である静電潜像担持面LS上に、以下のようにしてトナーTによる像が担持される。
【0094】
<<<静電潜像の形成>>>
感光体ドラム3の静電潜像担持面LSは、まず、帯電器4によって、正極性に一様に帯電される。
【0095】
帯電器4によって帯電された静電潜像担持面LSは、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向(時計回り)の回転により、スキャナーユニット5と対向する(正対する)位置であるスキャン位置SPまで、前記副走査方向に沿って移動する。
【0096】
このスキャン位置SPにて、画像情報に基づいて変調されたレーザービームLBが、前記主走査方向に沿って走査されつつ、静電潜像担持面LSに照射される。このレーザービームLBの変調状態に応じて、静電潜像担持面LS上の正電荷が消失する部分が生じる。これにより、静電潜像担持面LS上に、正電荷のパターン(画像状分布)による静電潜像が形成される。
【0097】
静電潜像担持面LSに形成された静電潜像は、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向(時計回り)の回転により、トナー供給装置6と対向する現像位置DPに向かって移動する。
【0098】
<<<帯電トナーの搬送・供給>>>
図3及び図6を参照すると、本体ケーシング60内に貯留されているトナーTは、底部搬送基板63aにおける底部オーバーコーティング層634aとの接触や摩擦等により帯電する。底部搬送基板63aにおける底部オーバーコーティング層634aと接触あるいは近接している、帯電したトナーTは、底部搬送電極631aに対する印加電圧によって発生する電界により、トナー搬送方向TTDに搬送され、上方搬送基板63bに受け渡される。
【0099】
ここで、本実施形態においては、底部搬送基板63aのトナー搬送方向TTDにおける下流側の端部、すなわち、上方搬送基板63bとの接続部が、曲面状に形成されている。これにより、上方搬送基板63bの下端部における、底部搬送基板63aからのトナーTの受け渡しが、スムーズに行われ得る。
【0100】
上方搬送基板63bは、その下端部にて底部搬送基板63aから受け渡されたトナーTを、垂直上方に搬送する。このとき、上方搬送基板63bにおける供給オーバーコーティング層634bは、底部搬送基板63aにおける底部オーバーコーティング層634aとは異なり、搬送中の正帯電のトナーTをさらに正帯電にする機能が低い。よって、垂直搬送基板上を搬送中の前記現像剤の帯電状態の変化が、可及的に抑制され得る。
【0101】
ここで、底部搬送基板63aから受け渡されたトナーTには、帯電状態が不良なもの(逆極性すなわち負極性に帯電したものや無帯電のものなど)が混入している。もっとも、本実施形態の構成においては、上方搬送基板63bによって垂直上方に搬送されている際や、上方搬送基板63bと現像ローラ62との間に形成された電界によって正帯電のトナーTが現像ローラ62に担持される際に、帯電状態が不良なトナーTは、重力や上述の電界の作用で、上方搬送基板63bから下方に落下する。
【0102】
これにより、帯電状態が良好なトナーTのみが選択的に、現像ローラ62及び現像位置DPに向けて搬送される。すなわち、上方搬送基板63bにて、トナーTにおける、帯電状態が良好なものと不良なものとが、良好に選別される。
【0103】
上方搬送基板63bから下方に落下したトナーTは、底部搬送基板63aのトナー搬送方向TTDにおける下流側の端部に達する。これにより、本体側トナー貯留部60g内のトナーTであって、底部搬送基板63aのトナー搬送方向TTDにおける下流側の端部の近傍のものが、良好に流動化されるとともに、底部オーバーコーティング層634aとの摩擦により良好に帯電する。
【0104】
このように、本実施形態のトナー供給装置6においては、撹拌部材やブレード等による機械的な作用で本体側トナー貯留部60g内のトナーTを強制的(積極的)に帯電させなくても、トナーTが良好に搬送される。したがって、トナーTの経時劣化が、可及的に抑制され得る。
【0105】
また、上方搬送基板63bから落下した、帯電状態が不良なトナーTは、上方搬送基板63bの途中ではなく、本体側トナー貯留部60gにまで達する。したがって、上方搬送基板63bによるトナーTの搬送が乱されること(例えば、帯電状態が良好な搬送中のトナーTの上方搬送基板63b上からの脱落、帯電状態が不良なトナーTの上方搬送基板63b上における堆積や滞留、等。)が、可及的に抑制される。
【0106】
上述のようにして、正帯電のトナーTが、現像位置DPに供給される。この現像位置DPの近傍にて、静電潜像担持面LSに形成された静電潜像が、トナーTによって現像される。すなわち、静電潜像担持面LS上であって、静電潜像における正電荷が消失した部分に、トナーTが付着する。これにより、トナーTによる画像(以下、「トナー像」と称する。)が、静電潜像担持面LS上に担持される。
【0107】
現像位置DPを通過した(現像位置DPにて消費されなかった)トナー担持面62a上のトナーTは、上述の回収バイアスの作用で、下方搬送基板63c側に移行する。すなわち、かかるトナーは、下方搬送基板63cによってトナー担持面62aから回収される。
【0108】
ここで、本実施形態においては、現像ローラ62に対して、交流の回収バイアスが印加されている。かかる回収バイアスの交流成分の作用で、現像ローラ62におけるトナー担持面62aの近傍のトナーTが振動する。この振動により、トナー担持面62aから浮き上がっているトナーTが、トナー担持面62aに担持されている(付着している)トナーTと衝突する。かかる衝突により、トナー担持面62aに担持されているトナーTは、トナー担持面62aから浮き上がりやすくなる。
【0109】
また、本実施形態においては、回収バイアスの平均電位は、静電潜像担持面LSにおけるトナーTを供給すべき露光部位の電位よりも低い電位に設定されている。さらに、本実施形態においては、現像ローラ62と感光体ドラム3との間の電界よりも、現像ローラ62と下方搬送基板63cとの間の電界の方が強くなる。
【0110】
このような回収バイアスにより、トナー担持面62aにおける、現像位置DPを通過した部分から、消費されなかったトナーTが、良好に剥離され、下方搬送基板63c側に移行する。したがって、形成画像におけるゴーストの発生が、可及的に抑制される。
【0111】
また、本実施形態においては、回収バイアスの振幅は、回収電極631cへの印加電圧の振幅よりも大きく設定されている。このため、隣り合う回収電極631c間の電圧を大きくしなくても、上述のようなトナー担持面62aからのトナーTの回収作用が、良好に行われ得る。したがって、下方搬送基板63cにおける、隣り合う回収電極631c間の絶縁が、良好に確保され得る。
【0112】
さらに、この回収バイアスは、現像位置DPにおける所謂ジャンピング現像のためのバイアスを兼ねたものである。したがって、回収バイアスが、簡略な装置構成によって良好に印加され得る。
【0113】
トナー担持面62aから下方搬送基板63c側に移行したトナーTは、回収電極631cに対する印加電圧によって発生する電界により、下方の本体側トナー貯留部60gに向けて搬送される。
【0114】
ここで、本実施形態においては、回収バイアスの周波数は、垂直搬送電極631bや回収電極631cへの印加電圧の周波数の整数倍に設定されている。これにより、回収バイアスと、下方搬送基板63cにおけるトナーTの搬送のための電界とが、良好に同期する。
【0115】
<<<トナー投入状態制御>>>
下方搬送基板63cの下端部までトナーTが垂直下方に搬送されると、かかるトナーTは、トナー投入状態制御手段68に達する。ここで、トナー投入状態制御手段68は、トナー補充用開口部60fとトナー送出用開口部61cとが連通する位置(図2参照)にて、本体ケーシング60とトナー収容カートリッジ61との間でのトナーTの出し入れを調整する。
【0116】
具体的には、例えば、第一投入状態制御電極681b及び第二投入状態制御電極681c(図5参照)に対して、各搬送電極631(図3参照)に対して印加される上述のような駆動電圧(図4参照)と同様の多相交流電圧が印加される。
【0117】
すると、図6に示されているように、下方搬送基板63cの下端部まで搬送されてきたトナーTが、第一投入状態制御基板68bにて発生する電界により、本体ケーシング60側からトナー収容カートリッジ61側に回収される(図中右向きの円弧状の矢印参照)。一方、トナー収容カートリッジ61内のトナーTが、第二投入状態制御基板68c及び底部搬送基板63aにて発生する電界により、トナー収容カートリッジ61側から本体ケーシング60側に投入される(図中左向きの円弧状の矢印参照)。
【0118】
このとき、図6に示されているように、支持体68aは、高さ方向における中間的な位置に設定される。これにより、下方搬送基板63cの下端部と第一投入状態制御基板68bとの間に、トナーTが良好に通過可能な所定のギャップが形成される。また、底部搬送基板63aと第二投入状態制御基板68cとの間にも、トナーTが良好に通過可能な所定のギャップが形成される。
【0119】
これに対し、第一投入状態制御電極681bへの電圧印加を維持しつつ第二投入状態制御電極681cへの電圧印加を停止することで、図7に示されているように、トナー収容カートリッジ61側から本体ケーシング60側へのトナーTの投入を停止しつつ、下方搬送基板63cの下端部まで搬送されてきたトナーTのトナー収容カートリッジ61側への回収のみが行われる。
【0120】
このとき、図7に示されているように、支持体68aは、下方に変位する。これにより、下方搬送基板63cの下端部と第一投入状態制御基板68bとの間に、トナーTが良好に通過可能な所定のギャップが形成される。一方、第二投入状態制御基板68cは、底部搬送基板63aと当接する。すなわち、第二投入状態制御基板68cと底部搬送基板63aとの間の、トナーTが良好に通過可能な所定のギャップが実質的に閉塞される。
【0121】
すなわち、本実施形態の構成によれば、下方搬送基板63cの下端部まで搬送されてきたトナーTのトナー収容カートリッジ61側への回収のみを選択的に行うことが可能になる。これに対し、トナー投入状態制御手段68が単なる回転ローラ部材である場合は、トナー収容カートリッジ61側から本体ケーシング60側へのトナーTの投入と、下方搬送基板63cの下端部まで搬送されてきたトナーTのトナー収容カートリッジ61側への回収とが、常に同時に行われ、一方のみが行われることはない。
【0122】
以上に詳述したように、本実施形態の構成によれば、トナー供給装置6内部でのトナーTの循環状態が、より適切に制御され得る。これにより、トナーTの装置内部での劣化や、トナー搬送経路TTP中でのトナーTの滞留の発生が、可及的に抑制され得る。したがって、本実施形態の構成によれば、感光体ドラム3に対するトナーTの供給状態がより適切となり、以てレーザープリンタ1による良好な画像形成が行われる。
【0123】
<<潜像形成面から用紙へのトナー像の転写>>
図1を参照すると、上述のようにして感光体ドラム3の静電潜像担持面LS上に担持されたトナー像は、当該静電潜像担持面LSが図中矢印で示されている方向(時計回り)に回転することにより、転写位置TPに向けて搬送される。そして、この転写位置TPにて、トナー像が、静電潜像担持面LSから用紙P上に転写される。
【0124】
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
【0125】
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部材の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
【0126】
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0127】
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態及び下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
【0128】
(a)本発明の適用対象は、単色のレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、カラーのレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。このとき、感光体の形状は、上述の実施形態のようなドラム状でなくてもよい。例えば、平板状や無端ベルト状等であってもよい。また、露光光源としては、レーザースキャナ以外のもの(LED、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、蛍光体、等)が好適に用いられ得る。
【0129】
あるいは、本発明は、上述の電子写真方式以外の方式(例えば、感光体を用いないトナージェット方式、イオンフロー方式、マルチスタイラス電極方式、等)の画像形成装置に対しても、好適に適用され得る。
【0130】
(b)本体ケーシング60とトナー収容カートリッジ61とは、着脱自在であってもよいし、分離不能に互いに固定されていてもよい。後者の場合、本体ケーシング60とトナー収容カートリッジ61とは一体に形成されていてもよい。
【0131】
(c)上方搬送基板63bの主要部(上述の上端部以外の平板状の部分)は、実質的に上下方向に沿って立設していればよく、多少傾いていてもよい。同様に、下方搬送基板63cも、多少傾いていてもよい。
【0132】
(d)底部搬送基板63aの中央部は、平坦であってもよい。すなわち、底部搬送基板63aにおける曲面状の部分は、上方搬送基板63bの下端部との接続部のみであってもよい。
【0133】
(e)下方搬送基板63cのトナー搬送方向TTDにおける終端部(すなわち下端部)は、トナー補充用開口部60fよりも上方に設けられていてもよい。すなわち、下方搬送基板63cのトナー搬送方向TTDにおける終端部から、重力及び慣性の作用によって、トナーTをトナー投入状態制御手段68まで搬送するように、トナー供給装置6が構成されていてもよい。
【0134】
(f)遮蔽板67は、省略され得る。
【0135】
(g)搬送基板63の構成も、上述の実施形態のものに限定されない。例えば、搬送電極オーバーコーティング層634は省略され得る(この場合、上述の実施形態における搬送電極オーバーコーティング層634の材料選択と同様に、搬送電極コーティング層633の材料選択が行われる。)。あるいは、搬送電極631が搬送電極支持フィルム632内に埋め込まれることで、搬送電極コーティング層633及び搬送電極オーバーコーティング層634の双方が省略され得る。第一投入状態制御基板68b及び第二投入状態制御基板68cについても同様である。
【0136】
(h)図4を参照すると、各電源回路VA〜VDが発生する電圧の波形は、矩形波状以外にも、正弦波状や三角波状等の任意のものが用いられ得る。
【0137】
また、上述の実施形態においては、4つの電源回路VA〜VDが設けられるとともに、各電源回路VA〜VDが発生する電圧の位相が90°ずつ異なっていた。もっとも、本発明はこれに限定されず、例えば、3つの電源回路が備えられるとともに、各電源回路が発生する電圧の位相が120°ずつ異なるようになっていてもよい。
【0138】
(i)現像ローラ62への印加電圧は、直流成分(接地を含む)のみであってもよい。
【0139】
(j)感光体ドラム3と現像ローラ62とは、接触していてもよい。
【0140】
(k)上方搬送基板63bや下方搬送基板63cは、全体的に平板状に構成されていてもよい。すなわち、上方搬送基板63bや下方搬送基板63cの、曲面状の部分は、省略され得る。この場合、本体側リアパネル60a、本体側フロントパネル60b、上方搬送基板63b、及び下方搬送基板63cの上端は、現像ローラ62のほぼ上半分を外部に露出するように、現像ローラ62の回転中心軸よりもやや上方に設けられる。
【0141】
(l)図8は、図2に示されているトナー供給装置6の一変形例の概略構成を示す側断面図である。図5、図6、及び図8を参照すると、トナー投入状態制御手段68は、第二投入状態制御電極681cへの印加電圧の位相状態を変更することで、第二投入状態制御基板68cによるトナーTの搬送方向を逆転可能に構成されていてもよい。図8に示されているトナーTの搬送態様(図中トナー投入状態制御手段68内に記載されている円弧状の右向き矢印参照)においては、本体ケーシング60側からトナー収容カートリッジ61側へのトナーTの回収が、より強力に行われる。
【0142】
また、同様に、トナー投入状態制御手段68は、第一投入状態制御電極681bへの印加電圧の位相状態を変更することで、第一投入状態制御基板68bによるトナーTの搬送方向を逆転可能に構成されていてもよい。
【0143】
(m)図8に示されているように、底部搬送基板63aは、トナーカートリッジ側底板61bと本体側底板60cとに跨るように設けられていてもよい。この場合、底部搬送基板63aは、トナーカートリッジ側底板61b側の部分と本体側底板60c側の部分とに分割され得る。
【0144】
(n)基板構造以外の、トナー投入状態制御手段68の構成も、上述の実施形態のものに限定されない。すなわち、例えば、支持体68aは、三角柱、四角柱等の、側断面視にて多角形状の柱状部材であってもよい。あるいは、支持体68aは、側断面視における形状が不定形の形状となるような柱状部材であってもよい。
【0145】
図9は、図2に示されているトナー投入状態制御手段68の一変形例の概略構成を示す側断面図である。図9に示されているように、支持体68aは、側断面視における形状がカムのような不定形の形状となるような柱状部材である。
【0146】
すなわち、本変形例においては、トナー投入状態制御手段68は、主走査方向に沿った軸(図中×あるいは+印参照)を中心として回動することで、上述の実施形態と同様に下方搬送基板63cの下端部及び底部搬送基板63aとの間隔を変更するように構成されている(図中(ii)及び(iii)参照)。
【0147】
また、本変形例においては、トナー投入状態制御手段68は、非画像形成動作中(すなわちトナー搬送動作が行われないとき)に図中(i)に示されている態様に回転されることで、トナー補充用開口部60f及びトナー送出用開口部61cの開口端と当接し、以て本体ケーシング60とトナー収容カートリッジ61との連通(トナー補充用開口部60fとトナー送出用開口部61cとの連通)を遮断するように構成されている。
【0148】
かかる構成によれば、トナー供給装置6内部でのトナーTの循環状態がより適切に制御され得るとともに、本体ケーシング60とトナー収容カートリッジ61とが着脱自在である場合のトナー収容カートリッジ61の交換時におけるトナーTの装置外への飛散が良好に防止され得る。
【0149】
(o)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。
【0150】
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。さらに、本明細書にて引用した各公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
【符号の説明】
【0151】
1 … レーザープリンタ
2 … 用紙搬送機構
21 … レジストローラ
22 … 転写ローラ
3 … 感光体ドラム(供給対象)
4 … 帯電器
5 … スキャナーユニット
6 … トナー供給装置(現像剤供給装置)
60 … 本体ケーシング
60a … 本体側リアパネル
60b … 本体側フロントパネル
60c … 本体側底板
60d … 本体側天板
60e … 側壁
60f … トナー補充用開口部(現像剤補充用開口部)
60g … 本体側トナー貯留部
60h … トナー供給用開口部(現像剤供給用開口部)
61 … トナー収容カートリッジ(現像剤収容カートリッジ)
61a … トナーカートリッジ側フロントパネル
61b … トナーカートリッジ側底板
61c … トナー送出用開口部(現像剤送出用開口部)
62 … 現像ローラ(現像剤担持部材)
62a … トナー担持面
62b … 現像ローラシャフト
63 … 搬送基板
63a … 底部搬送基板
63b … 上方搬送基板
63c … 下方搬送基板
63d … ダイアフラム
631 … 搬送電極
631a … 底部搬送電極
631b … 垂直搬送電極
631c … 回収電極
632 … 搬送電極支持フィルム
633 … 搬送電極コーティング層
634 … 搬送電極オーバーコーティング層(絶縁層)
634a … 底部オーバーコーティング層
634b … 供給オーバーコーティング層
634c … 回収オーバーコーティング層
64 … 搬送電源回路
65 … 回収電源回路
66 … 現像バイアス電源回路
67 … 遮蔽板
68 … トナー投入状態制御手段(現像剤投入状態制御手段)
68a … 支持体
68b … 第一投入状態制御基板
68c … 第二投入状態制御基板
681b … 第一投入状態制御電極
681c … 第二投入状態制御電極
682b … 第一投入状態制御電極支持フィルム
682c … 第二投入状態制御電極支持フィルム
683b … 第一投入状態制御電極コーティング層
683c … 第二投入状態制御電極コーティング層
684b … 第一投入状態制御電極オーバーコーティング層
684c … 第二投入状態制御電極オーバーコーティング層
C … 中心軸
DP … 現像位置
LB … レーザービーム
LS … 静電潜像担持面
P … 用紙
PP … 用紙搬送経路
SP … スキャン位置
T … トナー
TP … 転写位置
TTD … トナー搬送方向
TTP … トナー搬送経路(現像剤搬送経路)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0152】
【特許文献1】特開昭60−115962号公報
【特許文献2】特開平5−61336号公報
【特許文献3】特開平6−3937号公報
【特許文献4】特開平11−84862号公報
【特許文献5】特開2001−209246号公報
【特許文献6】特開2002−287495号公報
【特許文献7】特開2003−295615号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電した粉末状の現像剤を、電界により現像剤搬送経路に沿って搬送しつつ、供給対象に対して供給するように構成された、現像剤供給装置において、
主走査方向と平行な平板状の部材であって下端部に現像剤補充用開口部が形成された本体側リアパネルと、前記本体側リアパネルと対向するように設けられた本体側フロントパネルと、前記本体側フロントパネルの下端部と前記本体側リアパネルの前記下端部との間に設けられた本体側底板と、前記本体側フロントパネルの上端部と前記本体側リアパネルの上端部との間に設けられるとともに前記供給対象に向けて上方に開口する現像剤供給用開口部が形成された本体側天板と、を備えた、箱状の本体ケーシングと、
前記本体側リアパネル側にて前記本体ケーシングに隣接するように設けられていて、前記現像剤補充用開口部と連通する現像剤送出用開口部が下端部に形成された、現像剤収容カートリッジと、
円柱面状の周面を有し前記主走査方向に沿った軸を中心として回転駆動されるローラ状の部材であって、前記現像剤供給用開口部に面するように前記本体ケーシングの内側に収容されつつ前記供給対象と対向するように設けられた、現像剤担持部材と、
前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとの間での前記現像剤の出し入れを調整するために、前記現像剤補充用開口部と前記現像剤送出用開口部とが連通する位置にて前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとに跨るように設けられた、現像剤投入状態制御手段と、
前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の搬送電極が前記長手方向と交差する前記現像剤搬送経路に沿って配列され、これらの搬送電極への電圧印加に伴って発生する電界により前記現像剤を前記現像剤搬送経路に沿って搬送するように構成され、
前記本体側フロントパネルの内壁面にて支持されていて、前記現像剤を前記現像剤担持部材と対向する位置に向けて前記現像剤搬送経路に沿って上方に搬送するように設けられた上方搬送基板と、前記本体側底板の内壁面にて支持されていて、前記現像剤との摩擦により当該現像剤を帯電させるように構成され且つ帯電した当該現像剤を前記上方搬送基板の下端部に向けて搬送するように当該下端部と接続された底部搬送基板と、前記本体側リアパネルの内壁面にて支持されていて、前記現像剤を前記現像剤担持部材と対向する位置から前記現像剤投入状態制御手段に向けて下方に搬送するように設けられた下方搬送基板と、を含む、
搬送基板と、
を備え、
前記現像剤投入状態制御手段は、
前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第一投入状態制御電極が前記長手方向と交差する方向に沿って配列され、前記下方搬送基板の下端部に面するように設けられた、第一投入状態制御基板と、
前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第二投入状態制御電極が前記長手方向と交差する方向に沿って配列され、前記底部搬送基板に面するように設けられた、第二投入状態制御基板と、
前記第一投入状態制御基板及び前記第二投入状態制御基板を支持するように設けられた、支持体と、
を備えたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の、現像剤供給装置であって、
前記支持体は、上下動することで、前記下方搬送基板の下端部及び前記底部搬送基板との間隔を変更可能に構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の、現像剤供給装置であって、
前記現像剤投入状態制御手段は、前記主走査方向に沿った軸を中心として回動することで、前記下方搬送基板の下端部及び前記底部搬送基板との間隔を変更可能に構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載の、現像剤供給装置であって、
前記現像剤投入状態制御手段は、前記搬送基板による前記現像剤の搬送動作を行わないときに前記現像剤補充用開口部と前記現像剤送出用開口部との連通を遮断可能に構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の、現像剤供給装置において、
前記底部搬送基板は、前記現像剤収容カートリッジの底板と前記本体側底板とに跨るように設けられたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の、現像剤供給装置において、
前記上方搬送基板は、前記現像剤を垂直上方に搬送するように設けられたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載の、現像剤供給装置において、
前記下方搬送基板は、前記現像剤を垂直下方に搬送するように設けられたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項8】
帯電した粉末状の現像剤を、電界により現像剤搬送経路に沿って搬送しつつ、供給対象に対して供給するように構成された、現像剤供給装置において、
主走査方向と平行な平板状の部材であって下端部に現像剤補充用開口部が形成された本体側リアパネルと、前記本体側リアパネルと対向するように設けられた本体側フロントパネルと、前記本体側フロントパネルの下端部と前記本体側リアパネルの前記下端部との間に設けられた本体側底板と、前記本体側フロントパネルの上端部と前記本体側リアパネルの上端部との間に設けられるとともに前記供給対象に向けて上方に開口する現像剤供給用開口部が形成された本体側天板と、を備えた、箱状の本体ケーシングと、
前記本体側リアパネル側にて前記本体ケーシングに隣接するように設けられていて、前記現像剤補充用開口部と連通する現像剤送出用開口部が下端部に形成された、現像剤収容カートリッジと、
前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとの間での前記現像剤の出し入れを調整するために、前記現像剤補充用開口部と前記現像剤送出用開口部とが連通する位置にて前記本体ケーシングと前記現像剤収容カートリッジとに跨るように設けられた、現像剤投入状態制御手段と、
前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の搬送電極が前記長手方向と交差する前記現像剤搬送経路に沿って配列され、これらの搬送電極への電圧印加に伴って発生する電界により前記現像剤を前記現像剤搬送経路に沿って搬送するように構成され、
前記本体側フロントパネルの内壁面にて支持されていて、前記現像剤を前記現像剤搬送経路に沿って上方に搬送するように設けられた上方搬送基板と、前記本体側底板の内壁面にて支持されていて、前記現像剤との摩擦により当該現像剤を帯電させるように構成され且つ帯電した当該現像剤を前記上方搬送基板の下端部に向けて搬送するように当該下端部と接続された底部搬送基板と、前記本体側リアパネルの内壁面にて支持されていて、前記現像剤を前記現像剤投入状態制御手段に向けて下方に搬送するように設けられた下方搬送基板と、を含む、
搬送基板と、
を備え、
前記現像剤投入状態制御手段は、
前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第一投入状態制御電極が前記長手方向と交差する方向に沿って配列され、前記下方搬送基板の下端部に面するように設けられた、第一投入状態制御基板と、
前記主走査方向に沿った長手方向を有する複数の第二投入状態制御電極が前記長手方向と交差する方向に沿って配列され、前記底部搬送基板に面するように設けられた、第二投入状態制御基板と、
前記第一投入状態制御基板及び前記第二投入状態制御基板を支持するように設けられた、支持体と、
を備えたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項9】
請求項8に記載の、現像剤供給装置であって、
前記支持体は、上下動することで、前記下方搬送基板の下端部及び前記底部搬送基板との間隔を変更可能に構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の、現像剤供給装置であって、
前記現像剤投入状態制御手段は、前記主走査方向に沿った軸を中心として回動することで、前記下方搬送基板の下端部及び前記底部搬送基板との間隔を変更可能に構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項11】
請求項10に記載の、現像剤供給装置であって、
前記現像剤投入状態制御手段は、前記搬送基板による前記現像剤の搬送動作を行わないときに前記現像剤補充用開口部と前記現像剤送出用開口部との連通を遮断可能に構成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項12】
請求項8ないし請求項11のうちのいずれか1項に記載の、現像剤供給装置において、
前記底部搬送基板は、前記現像剤収容カートリッジの底板と前記本体側底板とに跨るように設けられたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項13】
請求項8ないし請求項12のうちのいずれか1項に記載の、現像剤供給装置において、
前記上方搬送基板は、前記現像剤を垂直上方に搬送するように設けられたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項14】
請求項8ないし請求項13のうちのいずれか1項に記載の、現像剤供給装置において、
前記下方搬送基板は、前記現像剤を垂直下方に搬送するように設けられたことを特徴とする、現像剤供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−224449(P2010−224449A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74275(P2009−74275)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】