説明

現像剤担持体及び現像装置

【課題】低コストで現像剤担持体表面に凹部を均一に形成するとともに、現像剤担持体表面上に担持したトナーを均一に帯電させ、長期間に渡る多数な複写においても安定した画質を得ることのできる現像剤担持体および該現像剤担持体を用いた現像装置を提供すること。
【解決手段】基体表面に少なくとも結着樹脂、導電性粒子及びボウル形状の樹脂粒子を含有する樹脂層を有し、該樹脂層は該ボウル形状の樹脂粒子を該結着樹脂100質量部に対して3質量部以上40質量部以下の割合で含有し、該ボウル形状の樹脂粒子の開口部が有する形状によって該樹脂層表面に凹部が形成され、かつ該凹部の表面には該結着樹脂と該導電性粒子が少なくとも存在していること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤担持体および現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には基体の表面が樹脂層で被覆されており、かつ、該樹脂層の表面に半球状の凹面が設けられている現像剤担持体が開示されている。そして、このような現像剤担持体によれば、表面形状の経時的な変化が小さいため、樹脂層の性能が変化しにくく、高品質な画像を長期にわたって得ることができる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−305156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは上記特許文献1の現像剤担持体について検討し、以下の課題を見出した。すなわち、特許文献1に係る現像剤担持体は、球状粒子を分散させた樹脂被覆層を基体上に形成した後、該樹脂被覆層中の球状粒子を研磨又は溶解により取り除いて製造されている。しかしながら、このような方法で形成された樹脂被覆層の表面形状は、特許文献1の図4に示されるように凹面の縁部分に凸部が形成される。このような凸部は長期の使用によって削られ、現像剤担持体の表面形状を変化させ、ひいては現像剤担持体の帯電性能を変化させてしまうことがあった。
そこで本発明の目的は、長期の使用によっても表面形状がより変化しにくく、その結果として、現像剤への帯電性能が長期に亘って安定している現像剤担持体の提供にある。また、本発明の目的は、安定した現像性能を有する現像装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る現像剤担持体は、基体表面に少なくとも結着樹脂、導電性粒子及びボウル形状の樹脂粒子を含有する樹脂層を有し、該樹脂層は該ボウル形状の樹脂粒子を含有し、該ボウル形状の樹脂粒子の開口部が有する形状によって該樹脂層表面に凹部が形成され、かつ該凹部の表面には該結着樹脂と該導電性粒子が少なくとも存在することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、長期に亘って、トナーを安定的に帯電させられ、高品位な電子写真画像の形成に資する現像剤担持体及び現像装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る現像剤担持体の拡大断面図である。
【図2】ボウル形状の樹脂粒子の説明図である。
【図3】磁性一成分現像剤を用いる現像装置の例を示す断面図である。
【図4】二成分現像剤を使用する現像装置の例を示す図である。
【図5】スリーブゴーストの評価方法の説明図である。
【図6】現像剤担持体の製造に用いるブラスト装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい実施の形態を挙げて本発明について詳述する。図1は本発明に係る現像剤担持体の表面近傍の拡大断面図である。現像剤担持体は、基体6とその周面を被覆している樹脂層7とを有している。樹脂層7は結着樹脂15と結着樹脂15に分散された導電性粒子14とボウル形状の樹脂粒子16とを含有している。ここで、ボウル形状の樹脂粒子とは図2に示したように内部にボイドを有する中空粒子の一部を平面で裁断することによって得られるような、開口を有することで当該ボイドが外部と連通してなる形状を有する樹脂粒子である。詳細な構造については後述する。樹脂層7中において、このようなボウル形状の樹脂粒子はその開口が現像剤担持体の周面に向いて存在し、かつ、その表面が導電性粒子が分散させられた結着樹脂により被覆されている。その結果、樹脂層7の表面にはボウル形状の樹脂粒子16の開口部が有する形状に由来する凹部17が形成されている。
【0009】
<基体>
基体6は円筒状部材、円柱状部材ベルト状部材の如き部材からなる。基体6としてはアルミニウム、ステンレス鋼、真鍮の如きの非磁性の金属又は合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨、研削等を施したものが好適に用いられる。また、感光ドラムに直接接触させる現像方法に用いる現像剤担持体とする場合には基体6には金属製の芯金の周面にウレタン、EPDM、シリコーンゴム等のゴム層を設けた円筒部材も用い得る。
【0010】
<樹脂層>
樹脂層7には、その表面側に開口が向くようにボウル形状の樹脂粒子16が分散させられ、かつ、該ボウル形状の樹脂粒子16は、その内面に沿って導電性粒子14を含む結着樹脂により被覆されている。そのため、樹脂層7の表面にはボウル形状の樹脂粒子の開口が有する形状による凹部17が形成されており、凹部17の表面には結着樹脂15と導電性粒子14とが存在している。本発明者らは樹脂層中に分散含有させる樹脂粒子の形状を検討したところ、ボウル形状の樹脂粒子を含有させて樹脂層を形成すると、現像剤担持体の樹脂層中でボウル型の開口部が樹脂層表面に向いて、ボウル形状の樹脂粒子の開口部内面の形状を反映して樹脂層表面に容易に均一な凹部を形成することを見出した。また、さらにこの凹部の表面には、凹部が形成されていない樹脂層表面部分と同様の樹脂層が存在することを見出した。また、樹脂層表面をより均一な凹部を有する形状とするために、分級などによって開口部の平均径を揃えたボウル形状の樹脂粒子を導電性の樹脂層に含有させてもよい。これにより現像剤担持体の表面粗さのばらつきがさらに抑えられ、安定した画質を得ることができる。
【0011】
ボウル形状の樹脂粒子16は樹脂層を構成する結着樹脂100質量部に対して3質量部以上40質量部以下の割合で含有していることが好ましい。現像剤を均一且つ安定して摩擦帯電させて搬送するための表面粗さを達成するための凹部を樹脂層7の表面により確実、かつ均一に形成することができるからである。
【0012】
<ボウル形状の樹脂粒子>
ボウル形状の樹脂粒子16は、開口部の平均径と該開口部からの平均最大深さの比、つまり、開口部の平均径/平均最大深さが1.0以上2.0以下であり、一次平均粒径は5.0μm以上20.0μm以下であり、開口部周囲の外径と内径の差が0.50μm以上2.0μm以下であることが好ましい。ここで一次平均粒径とはボウル形状の樹脂粒子の開口部の平均径である。開口部の平均径と平均最大深さの比が1.0以上とすることで、開口部の平均径が平均最大深さよりも大きくなるため、開口部が表面に向き易くなる。それと共に凹部で搬送されるトナーがボウル形状の粒子の底面に接触し、トナー搬送性が十分となる。また、開口部の平均径と平均最大深さの比が2.0以下であると、相対的に浅い凹部が形成されにくいため、十分な表面粗さを得ることができ、十分なトナー搬送性を確保できる。
また、一次平均粒径が5.0μm以上とすることで、凹部表面に凹部が埋没するまで樹脂層が入り込みにくくなり、表面への凹部の形成が妨げられにくい。また、一次平均粒径を20.0μm以下とすることで、ボウル形状の樹脂粒子の開口部が現像剤担持体の表面側に向き易くなり、均一な凹部形成が容易となる。さらに、開口部周囲の縁の外径と内径の差が0.50μm以上、2.0μm以下であるとボウル形状の樹脂粒子の耐久性が低下しにくく、樹脂層を形成する際のボウル形状の樹脂粒子の破損による樹脂層表面に均一に凹部を形成し易くなる。
【0013】
本発明においては上記のようなボウル形状の樹脂粒子を使用することで、現像剤担持体の表面を以下のような形状とすることが好ましい。すなわち、現像剤担持体の樹脂層表面に形成される凹部の開口部の総面積は樹脂層の表面の面積の20%以上70%以下であることが好ましい。面積比率をこの範囲とすることで、凹部が適度に形成されるため現像剤の搬送性が十分となる。また、表面粗さが大きくなり過ぎないため、トナーの摩擦帯電が不均一化しにくい。面積比率の調整は、ボウル形状の樹脂粒子14の含有量を増減させることで可能である。また本発明に係る現像剤担持体は、ボウル形状の樹脂粒子の壁の内側が、導電性粒子14が分散された結着樹脂15によって被覆され、ライニングされることになる。このように形成される凹部の開口部の平均径は3.0μm以上19μm以下、該凹部の開口部からの平均最大深さは1.5μm以上19.5μm以下の表面形状が好ましい。このような数値範囲とすることで、トナー粒径に対し凹部が小さ過ぎたり、大き過ぎたりしないために、トナーの搬送性が良好となり、画像不良を引き起こしにくくなる。また、開口部からの最大深さも上記の数値範囲内とすることでトナーが確実に搬送され、画像不良を引き起こしにくい。
このようなボウル(お椀)形状の樹脂粒子自体は、特開平10−218950号公報に「お椀型重合体粒子」として記載されているように公知のものである。また、松本油脂製薬株式会社から「マツモトマイクロスフィア−M-310」(商品名)、及び「マツモトマイクロスフィアーM-311」(商品名)として市販されている。
【0014】
<結着樹脂>
結着樹脂15としては公知の樹脂が使用可能である。具体例としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及びアクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、有機溶剤に対して比較的溶解性が高く、導電性粒子、ボウル形状の樹脂粒子の分散性に優れており、薄層化も容易である。また、これらの樹脂は基体との密着性や耐摩耗性にも優れており、特に現像剤(トナー)が負帯電性の場合、現像剤(トナー)に対して適度な帯電を付与できる。
【0015】
本発明において、上記した材料によって現像剤担持体表面に形成される樹脂層は、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から現像剤への帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。現像剤への帯電性能を十分なものとするために、樹脂層の体積抵抗値としては10Ω・cm以下、特には10Ω・cm以下10−2Ω・cm以上が好ましい。
【0016】
樹脂層7は体積抵抗値を調整するために導電性粒子を含有している。導電性粒子14の具体例を以下に挙げる。金属(アルミニウム、銅、ニッケル、銀等)、金属酸化物(酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ)及び炭素物(カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等)の粉体。中でもカーボンブラック、特に導電性のアモルファスカーボンは電気伝導性が高く、高分子量材料に充填して導電性を付与し、その添加量を制御するだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用い得る。導電性粒子の添加量は上述したような体積抵抗を得るために結着樹脂100質量部に対して8〜100質量部の範囲とすることが好ましい。
【0017】
また、導電性粒子は、樹脂層中での一次平均粒径が15nm以上100nm以下であることが好ましい。一次平均粒径が15nm以上100nm以下であると導電性粒子が樹脂層中で均一に分散されやすく、均一な導電性が得られると共に樹脂層の表面の均一な凹部形状が形成されやすくなる。
【0018】
また、樹脂層には、ボウル形状の樹脂粒子と併用して固体潤滑剤を添加することにより、表面潤滑性が増し、樹脂層の耐久性が向上するので好ましい。このような固体潤滑剤として、例えば、結晶性グラファイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石及びステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩からなる物質が挙げられる。中でも結晶性グラファイトは、導電性樹脂層の導電性を損なわない上に表面潤滑性が増し、樹脂層の耐久性が向上するので好ましい。この固体潤滑剤の体積平均粒径としては0.2μm〜5.0μm、特には0.5μm〜3.0μmが好ましい。また、固体潤滑剤をボウル形状の樹脂粒子と併用する場合、固体潤滑剤は該樹脂粒子よりも体積平均粒径が小さいことが好ましい。
【0019】
本発明においては、現像剤担持体の帯電性を調整するために、樹脂層中に導電性粒子、ボウル形状の樹脂粒子と共に荷電制御剤を含有させてもよい。ここで使用できる荷電制御剤として、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩;及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン類;イミダゾール化合物が挙げられる。これらの荷電制御剤の中でも、特に球形化度の高い負帯電性トナーを用いる場合は、荷電制御剤として鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を樹脂層中に含有させることが、トナーへの帯電付与性を向上させる点で好ましい。このとき、前記樹脂層は、樹脂構造中にアミノ基、=NH基、又はNH−結合の少なくともいずれかを有することがさらに好ましい。現像剤担持体上に上記の第4級アンモニウム塩化合物と特定の結着樹脂を組み合わせた樹脂層を設けることで、球形化度の高い負帯電性トナーの過剰帯電を防ぐことが可能となり、負帯電性トナーを適正に摩擦帯電することができる。これにより、現像剤担持体上でのトナーのチャージアップを防ぎ、樹脂層表面にトナー融着が発生しにくく、トナーの高い帯電安定性を保持でき、その結果、環境安定性及び長期安定性を有する高精細画像を提供することが可能となる。本発明において好適に使用される、上記した機能を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、鉄粉に対して正帯電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化1】

式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルアルキル基を表し、X-は酸の陰イオンを表す。一般式(1)においてX-で表されている酸の陰イオンとしては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオン等が好ましい。
【0020】
現像剤担持体の樹脂層の表面粗さは、日本工業規格(JIS)B0601-2001に係る算術平均粗さ(Ra)で0.40μm以上2.50μm以下、の範囲が好ましい。これにより、現像剤が十分に搬送され、現像剤不足による画像濃度の低下や、過剰な帯電による飛び散りやブロッチなどの発生を抑制できる。また、トナーの摩擦帯電が均一化し、スジむらや、反転カブリ、帯電不足による画像濃度薄などの発生を抑制できる。同様に樹脂層の膜厚に関しても、現像方式によって好適な膜厚は異なるものの、一般的には5.0μm以上50.0μm以下の範囲にあることが好ましい。
【0021】
本発明に係る樹脂層7は、結着樹脂15、導電性粒子14、ボウル形状の樹脂粒子16等を溶剤中に分散混合して塗料化し基体6上に塗工することで得られる。塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等の公知の方法が適用できるが、ボウル形状の樹脂粒子に由来する凹部を表面に均一に形成するためにはスプレー法が特に好ましい。スプレー法によって形成される液滴には液滴自身の表面積を小さくしようとする表面張力(球形を維持する力)が働く。この表面張力によって液滴表面に存在するボウル形状の樹脂粒子は凸部が液滴表面から突出する状態よりも凹部内部に他の塗料成分を含みながら凹部を表面に向けた状態が球形に近くなり、より安定な状態となる。このような状態の液滴が基体に塗工されると樹脂層の表面に存在するボウル形状の樹脂粒子は凹部を樹脂層の表面に向いた状態で存在することになり、凹部を均一に形成することができる。
【0022】
<現像装置>
図5は本発明の現像剤担持体を備えた現像装置の断面図である。静電潜像を担持するための静電潜像担持体(感光ドラム)1は矢印B方向に回転されている。感光ドラム1に対峙した現像剤担持体8は、金属製円筒管(基体)6とその表面に形成される樹脂層7から構成されている。ホッパー3中には、磁性一成分トナー4を攪拌する攪拌翼10が設けられている。ホッパー3から現像剤担持体8に供給された磁性一成分トナー4は、現像剤担持体8上に担持されており、現像剤担持体8が矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体8と感光ドラム1とが対峙した現像領域Dへと搬送される。現像剤担持体8内には、磁性一成分トナー4を現像剤担持体8上に磁気的に引き付け、保持するための磁石5が配置されている。磁性一成分トナー4は、現像剤担持体8、現像剤層厚規制部材(弾性ブレード)11及び撹拌翼10との摩擦によって摩擦帯電し、感光ドラム1上の静電潜像を現像可能になる。この現像装置では、現像剤層を介して現像剤層圧規制部材11を現像剤担持体8に圧接させている。これにより現像剤担持体上に磁性一成分現像剤の薄層が形成される。
【0023】
現像剤担持体8上に、現像剤層厚規制部材11によって形成される磁性一成分トナー4の薄層は、現像領域Dにおける現像剤担持体8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。すなわち、このようなトナー薄層により静電潜像を現像するいわゆる、非接触型現像装置に特に有効である。上記現像剤担持体8には、これに担持された磁性一成分トナー4を飛翔させるために、電源9により現像バイアス電圧が印加されている。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(トナーが付着して可視化される領域)の電位と、背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体8に印加することが好ましい。一方、現像画像の濃度を高めるために、或いは階調性を向上させるために、現像剤担持体8に交番バイアス電圧を印加して、現像部に向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した画像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を、現像剤担持体8に印加する。また、高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆる、正規現像においては、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆる、反転現像においては、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。なお、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、磁性一成分トナー4は、現像剤担持体8との摩擦によって静電潜像を現像するための極性に帯電される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラムの回転により転写部(不図示)に移動し、そこで感光ドラム1の回転と同期して供給される転写材(不図示)上に静電的に転写される。トナー像が転写された転写材は更に定着部にて定着されて画像が形成される。現像剤担持体8上への磁性一成分トナー4の層厚をコントロールするのは、現像剤層厚規制部材11である必要はなく、図3(a)に示すように磁性ブレード2を用いても良い。
【0024】
現像剤4が非磁性一成分トナーであるときは図4に示す通り、現像剤担持体8の基体6は円柱状でもよい。なお、現像剤担持体8には、該現像剤担持体8に新たな非磁性一成分トナーを供給すると共に現像に使用されずにホッパー3に戻ってくる非磁性一成分トナーを掻き落とす弾性ローラー13が当接している。この弾性ローラー13は、現像剤担持体8、現像剤層厚規制部材11と共に、非磁性一成分トナー4を摩擦帯電させる働きもしている。
【0025】
現像剤担持体8上に担持された非磁性一成分トナーは弾性ブレード11により層厚(担持量)が規制されると共に感光ドラム1に形成されている静電潜像の現像に必要な帯電量になり、更に、現像剤担持体8の回転により感光ドラム1と対峙した現像領域Dに送られる。 現像領域Dで現像剤担持体8上から非磁性一成分トナーは静電的に静電潜像に飛翔或いは接触移行して、静電潜像を現像する。なお、この現像に際し、非磁性一成分トナーの静電潜像への移行を効率よくするために、感光ドラム1と現像剤担持体8との間に静電圧を電源9より負荷する。この際に、現像トナー像のコントラストを上げるために上記で記載したような交番電圧を印加することもできる。現像剤担持体8は更に回転して、現像に使用されなった非磁性一成分トナーを担持したままホッパー3に戻り、そこで現像剤担持体8の表面から非磁性一成分トナーが弾性ローラー13にて掻き取られ、また、弾性ローラー13により新たに非磁性一成分トナーが現像担持体8に担持される。一方、感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1の回転に伴い、転写領域へ移動し、そこで同期して供給されてきた転写部材へ静電的に移される。トナー像が移された転写部材は定着領域へ運ばれ、そこでトナー像は転写部材上に固定化される。
【0026】
<現像剤規制部材>
現像剤規制部材としては、現像剤担持体との当接部に十点平均粗さ(Rzjis)が2.0μm以上15.0μm以下かつ凹凸平均間隔(RSm)が0.030mm以上0.170mm以下の粗面を有する弾性ブレードを用いることが好ましい。これにより、現像剤担持体表面のトナー融着及びトナー劣化をより効果的に抑制できる。かかる現像剤層厚規制部材は、現像剤担持体からその上に担持された現像剤の余剰分を除去して現像容器に戻すと共に現像剤を帯電できるものであればよい。例えば、現像剤層厚規制部材の具体例としては、弾性材料からなり、現像容器内で現像剤担持体に当接して設けられたタイプのものがある。このタイプの現像剤層厚規制部材の材質としてはゴム弾性を有するものが好適である。現像剤層厚規制部材の表面にポリアミド樹脂などの樹脂層を設けてもよい。また、金属弾性を有する弾性板も好例である。弾性ブレードの粗面化表面は、物理的方法及び/又は化学的方法により形成することができる。
【0027】
また、本発明に係る現像剤担持体はトナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。本発明の現像剤担持体が組み込まれる二成分現像装置について図4を用いて説明する。図4において、現像容器225の現像室245内に、矢印a方向に回転される静電潜像保持体224に対向して現像剤担持体としての非磁性現像スリーブ(現像剤担持体)221が備えられている。現像剤担持体221内に、磁界発生手段としての磁性ローラー222が不動に配置されており、磁性ローラー222は、略頂部の位置から矢印bの回転方向に順にS1、N1、S2、N2、N3に着磁されている。現像室245内には、トナー240と磁性キャリア243とを混合した二成分現像剤241が収容されている。この現像剤241は、現像室245の一端で上端開放の隔壁248の図示しない一方の開口を通って現像容器225の攪拌室242内に送られる。そのとき、トナー室247から攪拌室242内に供給されたトナー240が補給され、攪拌室242内の第1現像剤攪拌・搬送手段250によって混合されながら、攪拌室242の他端に搬送される。攪拌室242の他端に搬送された現像剤241は、隔壁248の図示しない他方の開口を通って現像室245内に戻される。そこで、現像室245内の第2現像剤攪拌・搬送手段251と、現像室245内上部で搬送手段251による搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する第3現像剤攪拌・搬送手段252により、攪拌・搬送されながら現像剤担持体221に搬送される。現像剤担持体221に供給された現像剤241は、上記の磁石ローラー222の磁力の作用により磁気的に拘束され、現像剤担持体221に担持され、現像剤担持体221の略頂部上に設けた現像剤規制部材ブレード223によって現像スリーブ221上で現像剤241の薄層に形成されながら、現像剤担持体221の矢印B方向への回転に伴い潜像保持体224と対向した現像部Cへと搬送される。そこで、潜像保持体224上の静電潜像の現像に供される。現像において消費されなかった残余の現像剤241は、現像剤担持体221の回転により現像容器225内に回収される。現像容器225内では同極のN2、N3間での反発磁界により現像剤担持体221上に磁気的に拘束されている、現像において消費されなかった残余の現像剤241を剥ぎ取るようになっている。上記の磁極N2により現像剤241が磁力線に沿って穂立ちしたときのトナー飛散を防止するために、現像容器225の下部には弾性シール部材231がその一端を現像剤241に接触するようにして固定、設置されている。図3(a)〜(c)は本発明の現像剤担持体が使用可能な現像装置を模式的に例示したものであり、前記した層厚規制部材以外にも、現像容器の形状、攪拌翼の有無、磁極の配置、補給容器の有無等に様々な形態がある。
【0028】
<現像剤>
本発明に係る現像剤(トナー)は、結着樹脂に着色剤、荷電制御剤、離型剤、無機微粒子等を配合したもので、タイプとして、磁性材料を必須成分とする磁性一成分現像剤と磁性材料を含まない非磁性一成分現像剤がある。タイプは現像装置に適応して適宜選択される。また、本発明で使用する現像剤(トナー)は、いずれのタイプであっても、重量平均粒径(D4)が4μm以上11μm以下の範囲にあることが好ましい。このような現像剤(トナー)を使用すれば、好適な帯電量が得られ、良好な画質及び画像濃度を達成することができる。結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能であり、例えばビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられるが、この中でもビニル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。現像剤(トナー)には帯電特性を向上させる目的で、荷電制御剤をトナー粒子に包含させる(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることができる。これは、荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となるためである。 正の荷電制御剤としてはニグロシン、トリアミノトリフェニルメタン系染料及び脂肪酸金属塩による変性物等が挙げられる。負の荷電制御剤としてはアセチルアセトン金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリチル酸系の金属錯体又は塩が挙げられる。
【0029】
現像剤が磁性現像剤である場合には、磁性材料として酸化鉄系金属酸化物、磁性金属、磁性金属とAl、Co、Cu等との合金を配合する。これら磁性材料に着色剤としての役目をさせることもできる。 現像剤に配合する着色剤としては公知の顔料や染料を使用することができる。現像剤には離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスや脂肪酸エステルを主成分とするワックス類を好適に用い得る。更に、現像剤には環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上及びクリーニング性向上のために無機微粉体を外添し、現像剤表面近傍に存在させることが好ましい。当該無機微粉体の例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナが挙げられ、中でもシリカ微粉体が好ましい。更にまた、上記無機微粉体以外の外添剤として、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤や酸化セリウム等の研磨剤を添加してもよい。現像剤(トナー)を製造するには、まず、結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、離型剤、必要に応じて磁性材料や荷電制御剤、その他の添加剤を混合機により充分に混合する。次いで、得られた混合物を熱混練機を用いて溶融して樹脂類を互いに相溶せしめ、離型剤、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめる。この溶融物を、冷却固化した後、粉砕及び分級を行ってトナー粒子を得る。さらに、必要に応じて所望の添加剤を加えて、混合機により混合して現像剤(トナー)とすることもできる。このような現像剤は、種々の方法で、球形化処理、表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。そのような方法としては、攪拌羽根又はブレードなど、及びライナー又はケーシングなどを有する装置で、例えば、現像剤をブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したり現像剤を球形化したりする方法、温水中にトナー粒子を懸濁させ球形化する方法、熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法がある。また、球状の現像剤を直接作る方法としては、水中に現像剤結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナー粒子とする方法がある。一般には、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、磁性材料、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とする。その後、この単量体組成物を分散安定剤含有の連続層、例えば水相中に適当な攪拌機を用いて適度な粒滴に分散し、さらに重合反応を行わせ、所望の粒子径を有する現像剤を得る。
【0030】
二成分現像剤である場合、キャリアは個数平均粒径(Dv)が15.0μm以上70.0μm以下、特には20.0μm以上50.0μm以下であることが好ましい。Dvをこの範囲内にsることにより、磁性キャリアの形状を略球形且つ均一な大きさに制御する事ができるため、良好な帯電性能を維持できる。キャリアは、真比重が3.0 g/cm3以上5.0g/cm3以下、特には3.2 g/cm3以上4.0g/cm3以下である。真比重がこの範囲にあると、キャリアとトナーとの撹拌混合においてトナーへの負荷が少ない。そのためキャリアへのトナースペントが抑制され、キャリアからのトナーの分離れを長期間良好に維持することができる。また感光ドラムへのキャリア付着が抑制されるため好ましい。キャリア、磁性キャリアは、少なくともその表面に樹脂成分を有するものが好ましく用いられる。このような磁性キャリアとしては、鉄、銅、ニッケル、コバルトの如き磁性金属、マグネタイト、フェライトの如き磁性酸化物の芯材及びその上に形成された樹脂層からなる磁性キャリア、又は上述したような磁性微粒子を樹脂中に分散した磁性微粒子分散型キャリアが使用可能である。
【実施例】
【0031】
以下に本発明に関わる物性の測定方法について述べる。
【0032】
(1)ボウル形状の樹脂粒子の平均径;
超深度形状測定顕微鏡(株式会社KEYENCE製、VK-8510;製品名)を用いて2000倍の倍率で観察し粒径の確認を行った。このうち開口部が上を向いた粒子について開口部分の長径と短径を測り、長径と短径の和を2で割った値を粒径とした。異なる100個の粒子について求めた粒径の平均値を開口部の平均径(図2のA)とした。さらに三次元化処理を行い、開口部からの最大深さ(図2のB)を測定した。全サンプルの50%値をもって該当の大きさとした。外径と内径の差の測定については、一つの粒子につき、3ヶ所をランダムに選び、その部分の外径と内径の差(図2のC)を測り、平均した値をその粒子の外径と内径の差とした。
【0033】
(2)現像剤担持体の表面形状の評価;
超深度形状測定顕微鏡(株式会社KEYENCE製、VK-8510;製品名)を用いて2000倍の倍率で観察し、現像剤担持体表面の画像を得る。画像中で確認される1つの凹部の開口部の長径と短径を測り、長径と短径の和を2で割って平均値を算出する。この平均値を開口部の直径としこの値を用いて凹部の開口部の面積を算出する。すべての凹部について同様の測定および計算を行い、現像剤担持体表面の、凹部の開口部の直径および面積比率を決定する。また、得られた観察データについて三次元化処理を行い、凹部の開口部からの最大深さを測定する。画像中すべての凹部について同様の測定を行い、その平均値を開口部からの平均最大深さとする。一つの現像剤担持体に対して軸方向2ヶ所、周方向3ヶ所の計6ヶ所について面積比率、開口部の直径、開口部からの最大深さを算出し、その平均値をもってそれぞれ面積比率、開口部の平均径、開口部からの平均最大深さとした。
【0034】
以下に三次元化処理の方法を説明する。ボウル形状の樹脂粒子の開口部からの最大深さ、現像剤担持体表面の凹部の形状の測定はともに超深度形状測定顕微鏡VK-8510(株式会社KEYENCE製;製品名)を用いていった。本装置は、光源から出たレーザーを対象物に当て、対象物から反射したレーザーを共焦点位置にある受光素子での反射受光量が最大となる対物レンズ位置情報により対象物の形状を測定するものである。測定条件は以下のように設定した。
対物レンズ倍率:100倍
光学ズーム倍率:1倍
デジタルズーム倍率:1倍
RUN MODE:カラー超深度
高さ方向のレンズ移動ピッチ:0.1μm
レーザーゲイン:716
レーザーオフセット:-335
シャッタ(カメラ設定):215
【0035】
測定結果を、画像解析ソフト「VK-H1W(Version1.07))(商品名、キーエンス社製)によって解析した。まず、測定結果の全体的な傾きを補正するために傾き補正処理を施した。処理は高さデータのみを行い、補正方法は面補正の自動モードで行った。次に、測定によるノイズ成分を除去する為にフィルタ処理による平滑化を行った。処理条件を以下に示す。
処理対象:高さデータ、
処理サイズ:3×3の領域で平滑化処理、
実行回数:1回、
ファイルタイプ:単純平均。
【0036】
次に、測定で得られた高さデータをCSVテキストデータに変換した後、各々の凹部内の樹脂層表面からの高さを、凹部の開口部からの最大深さとした。
【0037】
(3)現像剤層厚規制部材の十点平均粗さ(Rzjis)と凹凸平均間隔(RSm);
現像剤担持体を装置に組み込む前(新品)に現像剤層厚規制部材の十点平均粗さ(Rzjis)と凹凸平均間隔(RSm)を、JIS B0601-2001に従い、株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE-3500」(製品名)にて、粗面化処理された部分を軸方向5ヶ所について測定し、その平均値を十点平均粗さ(Rzjis)と凹凸平均間隔(RSm)とした。なお、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mおよび送り速度0.5mm/secとした。
【0038】
(4)現像剤担持体の表面粗さ(Ra);
現像剤担持体を装置に組み込む前(新品)および耐久評価後に現像剤担持体の表面粗さ(算術平均粗さ)Raを、JIS B0601-2001に従い、株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE-3500」(製品名)にて、軸方向3ヶ所の各ヶ所について周方向3ヶ所の計9ヶ所について測定し、その平均値を表面粗さRaとした。なお、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mおよび送り速度0.5mm/secとした。なお、耐久評価後の現像剤担持体は、現像装置から取り外した後、表面にエアーブローを施し、表面に付着していた現像剤を完全に除去してから測定を行った。
【0039】
(5)トナーの粒径測定;
測定装置として、コールターカウンターTA−II型、コールターマルチサイザーII又はコールターマルチサイザーIII(いずれも製品名、ベックマン・コールター社製)を用いた。また、電解液として、塩化ナトリウム(試薬1級)を溶かして調製した約1質量%NaCl水溶液又はISOTON-II(製品名、ベックマン・コールター社製)を使用した。電解液100ml以上150ml以下中に、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩液)0.1ml以上5ml以下を加え、次いで、試料を2mg以上20mg以下加えた。これに、超音波分散器で約1分間以上3分間以下分散処理を行い、被験試料を調製した。上記測定装置の30μmアパーチャーを用い、上記被験試料中の球状粒子又はトナー粒子の体積、個数を測定した。この測定結果から体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)及び個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)(共に各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0040】
(6)磁性キャリアの体積平均粒径(Dv)の測定;
磁性キャリア粒子の粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器の如き、粒子群の光強度分布パターンを検出する方式を用いた粒度分布測定器を用い、乾式で測定する。サブミクロンから数100ミクロンの範囲を測定できる装置であればいずれも使用可能であり、例えばSALD−3100(島津製作所製;製品名)等を用いて測定して体積平均粒径(Dv)を算出する。
【0041】
(7)磁性キャリアの平均円形度C及び標準偏差σの測定;
キャリアの平均円形度Cは、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター社製)を用いて個数分布基準の平均円形度Cを算出することによって求める。測定においては、電解液として1%NaCl水溶液とグリセリンの50体積%:50体積%の混合溶液を用いる。電解液の調製には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、ISOTON−II(商品名、コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。電解水溶液約30ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1乃至1.0mlを加え、さらに測定試料を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1分間分散処理し、該測定装置において200μmアパーチャー、20倍レンズを用いて測定し、得られた測定値から円相当径及び円形度Cを算出する。測定に際しての条件は以下の通りである。
測定フレーム内平均輝度:220〜230
測定フレーム設定:300
SH(スレシュホールド):50
2値化レベル:180
【0042】
測定の概略は以下のとおりである。ガラス測定容器に電解液を入れ、その中に測定試料を濃度が5乃至10%になるように入れ、最大撹拌スピードで撹拌する。サンプルの吸引圧を10kPaにする。キャリアは比重が大きく沈降しやすいので測定時間を15乃至30分になるようにする。また、5乃至10分ごとに測定を中断して、サンプル液の補充及び電解溶液−グリセリン混合溶液の補充を行う。補充後に測定を再開する。測定個数は2000個とする。測定終了後、本体ソフトにより、粒子画像画面でピンぼけ画像、凝集粒子(複数同時測定)などの除去を行う。本装置の測定原理は、コールターマルチサイザーIIにおける粒子がアパーチャーを通過する際に生じる電流パルスをトリガーにしてストロボを点火し、CCDでその投影像を記録し、画像解析処理を行うものであり、得られるグラフ上でのプロットと粒子画像写真が1:1に対応しているので、上述の通り、ピンぼけあるいは凝集粒子などの除去が可能となる。
キャリアの円形度、円相当径は、下記式(1)及び(2)で算出される。
円形度=(4×Area)/(MaxLength2×π) ・・・式(1)
円相当径=2×(Area/π)1/2 ・・・式(2)
ここで、「Area」は二値化されたキャリア粒子像の投影面積であり、「MaxLength」は該キャリア粒子投影像の最大径である。円相当径は、「Area」を真円の面積としたときの真円の直径で表される。円相当径は、4乃至100μmを256分割され、個数分布基準で対数表示して用いる。本体ソフトで求められる平均円形度C及び標準偏差σから(平均円形度C-2σ)を計算し、グラフ上から(平均円形度C-2σ)以下の粒子の個数を求め、全体の粒子個数で除して存在率を求める。これら一連の測定・計算は、マルチイメージアナライザー付属のソフトによって行なわれる。
【0043】
(8)樹脂層の体積抵抗;
試料として、厚さ100μmのPETシート上に7μm以上20μm以下の厚さの樹脂層を形成したものを用いた。測定装置として、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(ともに製品名、三菱油化株式会社(現 三菱化学株式会社)製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定した。また、体積抵抗の測定は、測定環境を20℃以上25℃以下、50%RH以上60%RH以下として行った。
【0044】
(9)1μm以下の導電性粒子の一次平均粒径の測定;
走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロージーズ製;製品名)を用いて、導電性粒子を撮影倍率6万倍又は30万倍で撮影し、得られた写真上で一次粒子の長軸と短軸を測り、平均した値をその粒子の粒径とする。これを、100サンプルについて測定し、50%値をもって一次粒子径とした。なお、粒子を所定の倍率で撮影するのが難しい場合は低倍率で撮影した後に所定倍率となるように写真を拡大プリントした。
【0045】
(10)1μmを超える導電性粒子の一次平均粒径の測定;
ベックマン・コールター株式会社製の「レーザー回折散乱法粒度分布測定装置LS−230型」(製品名)を用いて測定した。すなわち、IPA50mlに、測定試料1mg〜25mgを加え、超音波分散機で1分間〜3分間分散処理して、試料液を得た。一方、少量モジュールを用い、測定溶媒をイソプロピルアルコール(IPA)とし、まず、IPAにて装置の測定系内を約5分間洗浄した後バックグラウンドファンクションを実行した。その後、測定系内に試料液を徐々に加えて装置の画面上のPIDS(Polarization Intensity Differential Scattering)信号が45%〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整してから測定を行なった。測定結果から作成された体積分布から体積平均粒径を求め、一次平均粒径とした。
【0046】
(11)トナー粒子の平均円形度;
シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA-2100(製品名)を用いて23℃/60%RHの環境下で測定を行った。円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内のトナー粒子について、投影像の面積及び周囲長を測定し、そこで測定されたトナー粒子の投影像の面積から、円相当径を求めた。また、円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内のトナー粒子について円形度を下式により求めた。更に円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子について、円形度の総和及び全粒子数を求めた。得られた円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義した。
円形度a=L0/L
(式中、L0はトナー粒子の投影像の面積と同じ面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時のトナー粒子の投影像周囲長を示す。)
【0047】
円形度はトナー粒子の凹凸度合いの指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。具体的な測定方法としては、予め不純物を除去した水200ml以上300ml以下中に分散剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml以上0.5ml以下加え、更に測定試料を0.1g以上0.5g以下加える。試料を分散した懸濁液を超音波発信機で2分間分散し、トナー粒子濃度が0.2万個/μl以上1.0万個/μl以下の被験試料液を調製し、これを用いてトナー粒子の円形度分布を測定する。超音波発信器としては、以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いる。装置:UH-150(製品名、株式会社エス・エム・テー製)、OUTPUT レベル:5、コンスタントモード。
【0048】
円形度の測定の概略は以下のとおりである。
被験試料液に、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って拡がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラがフローセルに対して相互に反対側に装着されている。被験試料液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、それぞれの粒子はフローセルに平行な一定範囲を有する二次元の投影像として撮影される。各粒子の投影像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。また、円相当径0.60μm以上400μm以下である各粒子の投影像の面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円相当径を求める。さらに、得られた結果に基づき円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度(平均円形度と表すことがある)を算出する。
【0049】
以下に、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、以下の配合における部、%は特に断らない限り、それぞれ質量部、質量%である。
【0050】
本発明で用いるボウル形状の樹脂粒子は「マツモトマイクロスフェアーM-310」および「マツモトマイクロスフェアーM-311」(何れも商品名、松本油脂製薬株式会社製)である。この粒子を分級することによって表1に示すようなボウル形状の樹脂粒子(B−1〜B−10)を得た。
【0051】
【表1】

【0052】
<導電性粒子C−1〜C−6>
本発明で用いる導電性粒子C-1からC-5までは市販製品である。C-6については以下のように調製した。コールタールピッチから溶剤分別によりβ-レジンを抽出した。このβ-レジンに水素添加、重質化処理を行った後、トルエンにより溶剤可溶分を除去してメソフェーズピッチ粉末を得た。これを微粉砕し、空気中で約300℃で酸化処理し、更に、窒素雰囲気下で2800℃で処理し、その後に分級して体積平均粒径2100nmm、黒鉛化度p(002)が0.39である黒鉛化粒子C−6を得た。C−1〜6の導電性粒子の粒径を表2に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
<トナーZ−1の調製>
<<結着樹脂Aの調製>>
下記原料を、下記mol比で5リットル4つ口フラスコに入れ、還流冷却器、水分離装置、Nガス導入管、温度計及び撹拌装置を取り付け、更にフラスコ内にNガスを導入しつつ180℃で縮重合反応させた。反応終了後、濾過、水洗、脱水及び乾燥して結着樹脂Aを得た。
・プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA 66mol比
・エチレンオキサイド付加ビスフェノールA 35mol比
・テレフタル酸 30mol比
・トリメリット酸 30mol比
・アジピン酸 38mol比
【0055】
次に下記の混合物をヘンシェルミキサーで前混合し、次いで115℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練した後冷却し固化した。
・結着樹脂A 100部
・磁性体(平均粒径:0.25μm) 95部
・モノアゾ鉄錯体「T−77」(商品名、保土谷化学工業株式会社製) 2.5部
・ポリプロピレン(融点:145℃) 3.0部
この固化した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。これを機械式粉砕機(商品名:ターボミル;ターボ工業株式会社製)を用いて微粉砕した。得られた微粉砕物を多分割分級装置(商品名:エルボジェット分級機;日鉄鉱業株式会社製)を用いて微粉及び粗粉を同時に分級除去して原料トナーを得た。得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.4μm、平均円形度は0.957であった。この原料トナー粒子100部をヘキサメチルジシラザン処理し、ジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2部とヘンシェルミキサーで混合して負帯電性トナーZ−1を得た。
【0056】
<トナーZ−2の調製>
<<結着樹脂Bの調製>>
下記混合物を還流(温度:146℃乃至156℃)しているクメン200部中に4時間かけて滴下し、クメン還流下で溶液重合を完了させ、減圧下で200℃まで昇温させながらクメンを除去して、スチレン−アクリル共重合体を得た。
・スチレン 69部
・ブチルアクリレート 15部
・モノブチルマレート 7部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 0.5部
【0057】
得られたスチレン−アクリル共重合体の30部を下記の混合物中に溶解した。
・スチレン 50部
・ブチルアクリレート 20部
・モノブチルマレート 2部
・ジビニルベンゼン 0.4部
・ベンゾイルパーオキサイド 0.8部
・tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.6部
【0058】
得られた混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.15部を溶解した水170部を加えて撹拌し、懸濁分散液とした。さらに、水100部を加え、内部の雰囲気を窒素で置換した反応器に入れ、80℃で8時間重合した。重合終了後、濾別、水洗、脱水乾燥して結着樹脂Bを得た。結着樹脂BのTgは61.7℃、重量平均分子量は13000であった。
【0059】
次に下記の混合物をヘンシェルミキサーで前混合し、次いで115℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練した後、冷却し固化した。
・結着樹脂B 100部
・磁性体(平均粒径:0.22μm) 95部
・モノアゾ鉄錯体「T-77」(製品名) 1.5部
・パラフィン(融点:76℃) 5部
固化した混練物をトナーZ−1と同様の方法により処理して原料トナーを得た。この原料トナーのコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.6μm、平均円形度0.942であった。このトナー粒子100質量部をヘキサメチルジシラザン処理したものと、ジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2質量部とをヘンシェルミキサーで混合して負帯電性トナーZ−2を得た。
【0060】
<トナーZ−3の調整>
<トナーZ-3用重合法トナー母体粒子の製造>
60℃に加温したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で、10000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。一方、下記原料をホモジナイザー(日本精機株式会社製)に投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサーで、8000rpmにて攪拌して分散した後、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 135部
・n−ブチルアクリレート 55部
・C.I.ピグメントブルー15:3 17部
・サリチル酸アルミニウム化合物 3部
・ポリエステル樹脂 15部
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク60℃) 40部
・ジビニルベンゼン 0.5部
注)サリチル酸アルミニウム化合物は、オリエント化学株式会社製の「ボントロンE−88」(製品名)である。また、ポリエステル樹脂は、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物で、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000である。
【0061】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8000rpmで攪拌し、造粒した。その後、プロペラ式攪拌装置を備えた反応容器に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、さらに4時間後、昇温速度40℃/Hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、前記重合体粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してシアントナーの母体粒子(重量平均粒径6.1μm、平均円形度0.969)を得た。
【0062】
このトナー母体粒子100部に対し、ヘキサメチレンジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0部(平均一次粒径7nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.15部(一次平均粒径45nm)及びルチル型酸化チタン微粉体0.5部(平均一次粒径200nm)をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して、平均円形度0.969の非磁性一成分現像剤としてのトナーZ-3を得た。
【0063】
<トナーZ−4の調整>
<<結着樹脂Cの調製>>
ビニル系共重合体の材料としてのスチレン10部、2−エチルヘキシルアクリレートを5部、フマル酸を2部及びα−メチルスチレンの2量体を5部並びにジクミルパーオキサイドを5部滴下ロートに入れた。またポリエステルユニットの材料として下記材料をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 27部
ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 13部
テレフタル酸 10部
無水トリメリット酸 5部
フマル酸 24部
2−エチルヘキサン酸錫 0.4部
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管をこの四つ口フラスコに取り付け、この四つ口フラスコをマントルヒーター内に設置した。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、125℃の温度で攪拌しつつ、先の滴下ロートより、ビニル系共重合体の単量体及び重合開始剤を約5.5時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、約5時間反応せしめて、重量平均分子量79000、数平均分子量4000の結着樹脂Cを得た。
【0064】
次いで、下記の材料をヘンシェルミキサーで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機「PCM-30型」(製品名、池貝鉄工株式会社製)にて混練した。
結着樹脂C 100部
精製ノルマルパラフィン(DSCによる最大吸熱ピーク温度=80℃、重量平均分子量800) 5部
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
C.I.ピグメントブルー15:3 5部
得られた混練物を冷却して固化し、ハンマー ミルにて1mm以下に粗粉砕した。得られたトナー粗砕物を高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。得られたトナー微粉物をコアンダ効果を利用した多分割分級機により分級し、重量平均粒径7.2μm、平均円形度0.930のシアン粒子を得た。更にこのシアン粒子をハイブリタイザー(株式会社奈良機械製作所製)により、回転数6800rpm、処理時間3分、処理回数2回で表面改質し、重量平均粒径6.0μm、平均円形度0.944のシアントナーZ−4を得た。
【0065】
<磁性キャリアY−1の調製>
<<キャリアコアの製造>>
個数平均粒径250nm、比抵抗5.1×105Ω・cmのマグネタイト粉、個数平均粒径260nm、比抵抗4.9×107Ω・cmのヘマタイト粉にそれぞれ4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で110℃で高速混合撹拌して表面処理した。
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 6質量部
上記処理したマグネタイト1 76質量部
上記処理したヘマタイト1 8質量部
【0066】
上記材料をフラスコに入れ40℃で良く混合して反応媒体を得た。このときの反応媒体中の溶存酸素量は7.3g/m3であった。次いでこの反応媒体中に1.5×10-2m3/hの流量で20分間窒素ガスを導入し、内部の雰囲気を窒素で置換した。また、このときの反応媒体中の溶存酸素量は1.0g/m3であった。次に28質量%アンモニア水5質量部と水10質量部を加え、その後は窒素導入量を0.3×10-2m3/hに抑え、室温から平均昇温速度3.0℃/分で85℃まで加熱し、この温度で撹拌しながら3時間重合反応させて硬化させた。このときの撹拌翼周速は1.8m/secとした。その後、30℃まで冷却し、水を添加して上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性キャリアコア1を得た。上記で得られたキャリアコア1の表面に、せん断応力を連続して印加しながら、下記式で表されるγ-アミノプロピルトリメトキシシランの3質量%メタノール溶液を塗布し、メタノールを揮発させた。
【化2】

キャリアコア1の表面はキャリアコアに対して0.12質量%のγ-アミノプロピルトリメトキシシランで処理され、下記の基が存在していることが確認できた。
【化3】

【0067】
上記のシランカップリング剤で処理されたキャリアコア1を50℃で攪拌しながら、該キャリアコアに、シリコーン樹脂固形分が20%になるようにトルエンで希釈したシリコーン樹脂SE2410(東レダウコーニング(株)製)を減圧下で添加して、キャリアコアに対して1.0質量%の樹脂コート(コート1と称する)を施与した。以後、窒素ガスの雰囲気下で2時間攪拌してトルエンを揮発させた後、窒素雰囲気下で140℃で2時間加熱処理を行って凝集塊をほぐした後、目開き76μmの篩で粗粒を除去して、体積平均粒径34.09μm、平均円形度Cが0.923、標準偏差σが0.028、(平均円形度C-2σ)が0.867以下の粒子存在率が2.9個数%の磁性キャリアY-1を得た。尚、得られた磁性キャリアは殆どが球形または楕円形を呈しており、不定形の粒子はごくわずかであった。
【0068】
<実施例1>
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J-325(大日本インキ化学工業株式会社製;製品名)167部(固形分100部)に、導電性粒子C-1を65部、メタノールを70部加え、横型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。得られた分散液302部に、ボウル形状の樹脂粒子 B-1を20部、メタノール30部を加え、縦型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で30分間分散し、篩を用いてガラスビーズを分離した。得られた分散液に、固形分濃度が34%になる様にメタノールを添加して塗工液を得た。
外径14mm、肉厚2mm、表面のRaが 0.3μmのアルミニウム製の円筒管の上端及び下端をマスキングした。この円筒管を、軸が鉛直方向に沿うように保持し、回転させつつ、上記塗工液をスプレーガンを一定速度で下降させながら塗布し、次いで、熱風乾燥炉中150℃で30分間加熱して樹脂層を形成し、現像剤担持体S-1を得た。現像剤担持体S-1にマグネットローラを装着し、両端にフランジを取り付けて、これをHewlett-Packard社製Laser Jet 4300(製品名)のトナーカートリッジに現像剤担持体として装着し、現像装置として用いた。この現像装置の概略は図5に示すとおりである。この現像装置を搭載したLaser Jet 4300においてトナーZ-2を使用して、2万枚の耐久テストを1枚/7秒の間欠モードで行った。このトナーカートリッジに装着されている現像剤層厚規制部材を取り外し、新たに粗面化表面を有する弾性ブレードを取り付けた。初期評価は10枚目の時に耐久テストを中断して、そして耐久評価は耐久テスト終了後に行った。得られた現像剤担持体から約5mm×5mm四方の切片を切り出す。この切片の樹脂層表面の凹部を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロージーズ製)を用いて撮影した。6万倍の倍率で撮影し、凹部の表面の樹脂層中に導電性粒子が存在していることを確認した。画像評価は、常温常湿環境(23℃、50%RH;N/N)、低温低湿環境(15℃、10%RH;L/L)および高温高湿環境(32℃、85%RH;H/H)において実施した。
【0069】
評価項目と測定方法およびその評価基準は以下の通りである。
【0070】
(ア)画像濃度;
画像比率5.5%であるテストチャートに含まれるベタ黒の円画像の反射濃度を、反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)により10ヶ所で測定し、測定値の平均値をとって画像濃度とした。
【0071】
(イ)カブリ;
画像におけるベタ白部の反射率および未使用の転写紙の反射率を反射率計TC-6DS(東京電色株式会社製)でランダムに10ヶ所で測定し、(ベタ白部の反射率の最悪値−未使用転写紙の反射率の平均値)の値を求め、これをカブリ濃度とする。この値から下記基準にて評価した。
A:1.0%以下(目視ではカブリは認められない)。
B:1.0%超2.0%以下(注視しなければカブリは認められない)。
C:2.0%超3.0%以下(カブリはあるものの実用上問題ないレベル)。
D:3.0%超(カブリが目立つ)。
【0072】
(ウ)スリーブゴースト;
初期(20枚目)と耐久評価終了時に、先端から4.5cmの幅で交互に存在するベタ白部51とベタ黒部52と、それに隣接するハーフトーン部53とからなる、図5に示すようなA4標準チャートを印刷した。得られたハーフトーン画像上に現れた濃淡差を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
A:濃淡差が全く見られない。
B:軽微な濃淡差が見られる。
C:濃淡差がやや見られるが実用可能なレベル。
D:目立つ濃淡差が4.5cm以内
E:目立つ濃淡差が4.5cm超
【0073】
(エ)現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra);
前記(4)に記載の方法にて初期及び耐久後の現像剤担持体のRaを測定した。
【0074】
(5)樹脂被覆層の耐汚染性;
耐久評価後の現像剤担持体の表面を超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製; 製品名:VK-8510)を用いて200倍で観察し、トナー汚染の程度を下記の基準にて評価した。
A:軽微な汚染しか観察されない。
B:やや汚染が観察される。
C:部分的に汚染が観察される。
D:著しい汚染が観察される。
【0075】
現像剤担持体S-1の構成と現像剤担持体表面の凹部形状を表3、4に示す。また、各環境下における上記各評価の結果を表5、6、7に示す。
【0076】
<実施例2〜3及び比較例1〜2>
実施例1において、ボウル形状の樹脂粒子B−1の添加量を下記表3に示したように変えた以外は実施例1と同様にして現像剤担持体を作製し、評価した。
【0077】
<比較例3>
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J-325(大日本インキ化学工業株式会社製;製品名)167部(固形分100部)に、導電性粒子C-1を65部にメタノール100部を加え、これを横型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した後、固形分濃度が34%になる様にメタノールを添加して塗工液を得た。
【0078】
外径14mm、肉厚2mm、表面のRaが 0.3μmのアルミニウム製の円筒管を図6に示すサンドブラスト装置に取り付け、砥粒106として#100の球状ガラスビーズを用いてブラスト処理を行った。ブラスト処理装置として「ニューマ・ブラスタ」(商品名、不二製作所製)を用い、エアーの圧力を2kg/cm2で行った。処理時間は40秒とし、円筒管の回転数を60rpmとした。処理後の円筒管表面の算術平均粗さ(Ra)は1.00であった。ブラスト処理した円筒管の上下端部をマスキングし、更に軸が鉛直方向に沿うように保持した。この円筒管を回転させつつ、上記塗工液を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布し、続いて熱風乾燥炉中150℃で30分間加熱して樹脂層を形成した。こうして現像剤担持体S-18を作製した。
【0079】
<比較例4>
比較例3の塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして現像剤担持体S-19を作製し、評価した。
【0080】
<比較例5>
ボウル形状の樹脂粒子B-1を球状樹脂粒子「オプトビーズ6500M」(商品名、日産化学工業社製)20部にした他は実施例1と同様にして現像剤担持体S-20を作製し、評価した。
【0081】
<実施例4〜12>
実施例1におけるボウル形状の樹脂粒子B−1を下記表3に示すように変えた以外は実施例1と同様にして各々の現像剤担持体を作成し、評価した。
【0082】
<実施例13〜15>
実施例1における導電性粒子C−1を下記表3に示すように変えた以外は実施例1と同様にして各々の現像剤担持体を作成し、評価した。
導電性粒子C-4を用いた他は実施例2と同様にして、塗工液の分散を行ったが、粘度が高く、作製した現像剤担持体は表面にシワができたため、評価は行わなかった。この現像剤担持体の分散平均粒径は11μmであった。
得られた各現像剤担持体(S−1〜S―15)から約5mm×5mm四方の切片を切り出した。この切片の樹脂層表面の凹部を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロージーズ製;製品名)を用いて撮影した。6万倍の倍率で撮影し、全ての現像剤担持体について、凹部の表面の樹脂層中に導電性粒子が存在していることを確認した。実施例1〜15の現像剤担持体の構成と現像剤担持体表面の凹部形状を表3〜4に示す。また評価結果を表5〜7に示す。
【0083】
<実施例16〜19>
実施例1における弾性ブレードを表面粗さ(Rzjis)及びRsmを表3に示した値を有する弾性ブレードに変えた以外は実施例1と同様にして現像剤担持体を作製、評価した。
【0084】
【表3】

【0085】
【表4】

【0086】
表4記載の表面粗さ(Ra)はN/N環境下で評価を行ったときに用いた現像剤担持体についての値である。
【0087】
【表5】

【0088】
【表6】

【0089】
【表7】

【0090】
<実施例20>
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J-325(大日本インキ化学工業株式会社製;製品名)167部(固形分として100部)に、導電性粒子C-1を65部、下記式(A)で表される荷電制御剤を10部、メタノールを70部加え、横型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。得られた分散液312部に、ボウル形状の樹脂粒子 B-2を25部、メタノール30部を加え、これを縦型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で30分間分散し、篩を用いてガラスビーズを分離した後、固形分濃度が34%になる様にメタノールを添加して塗工液を得た。
【化4】

この塗工液を、外径16mm、肉厚2mm、表面のRaが0.3μmのアルミニウム製円筒管に実施例1と同様にして塗布、硬化させて樹脂層を形成し、現像剤担持体S-21を作製した。この現像剤担持体S-21を、市販のレーザービームプリンタ「レーザーショットLBP5000」(キヤノン株式会社製;製品名)のシアン用カートリッジの現像装置に組み込んだ。この現像装置の概略は図4に示すとおりである。また、当該カートリッジにトナーとしてトナーZ-3を充填した。当該シアン用カートリッジを前記レーザービームプリンタに装填し、1枚/10秒の間欠モードで3000枚の耐久テストを行った。初期評価は10枚目の時に耐久テストを中断して、そして耐久評価は耐久テスト終了後に、実施例1と同様に行った。現像剤担持体S-21の構成と現像剤担持体表面の凹部形状を表8、9に、評価結果を表10に示す。
【0091】
<実施例21〜22>
実施例20におけるボウル形状の樹脂粒子B−2の添加量を表8に示したように変えた以外は実施例20と同様にして現像剤担持体を作製し、実施例1と同様に評価した。また、各現像剤担持体(S−21〜S−23)から約5mm×5mm四方の切片を切り出した。この切片の樹脂層表面の凹部を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロージーズ製)を用いて撮影した。6万倍の倍率で撮影し、全ての現像剤担持体について、凹部の表面の樹脂層中に導電性粒子が存在していることを確認した。
【0092】
<比較例6>
実施例20においてボウル形状の樹脂粒子B−2を球状樹脂粒子(商品名:オプトビーズ6500M、日産化学工業社製)に変え、添加量を30部に変えた。それ以外は実施例20と同様にして現像剤担持体を作製し、実施例1と同様に評価した。実施例20〜22、比較例6の現像剤担持体の凹部形状の詳細を表8〜9、評価結果を表10に示す。
【0093】
【表8】

【0094】
【表9】

【0095】
【表10】

【0096】
<実施例23>
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J-325(大日本インキ化学工業株式会社製;製品名)167部(固形分として100部)に、導電性粒子C-1を65部、式(A)で表される第4級アンモニウム塩化合物を10部、メタノールを70部加え、横型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。得られた分散液312部に、ボウル形状の樹脂粒子B-2を30部、にメタノール30部を加え、これを縦型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で30分間分散し、篩を用いてガラスビーズを分離した。その後、固形分濃度が34%になる様にメタノールを添加して、塗工液を得た。
【0097】
この塗工液を、外径24.5mm、肉厚2mm、表面のRaが0.2μmのアルミニウム製円筒管に実施例1と同様にして塗布、硬化させて表面層を形成し、現像剤担持体S-25を作製した。
【0098】
現像剤担持体S-25にマグネットローラを挿入し、両端にフランジを取り付けて、これを静電潜像担持体がアモルファスシリコンドラム感光体であるデジタル複写機iR6570(キヤノン株式会社製;製品名)の現像装置に組み込んだ。この現像装置の概略は図3(a)に示すとおりである。磁気的拘束力を強めるため、マグネットローラは該現像器に用いられているマグネットローラに比べて磁力を全て1割増加させた全極磁力アップマグネットロールとした。さらに、トナーコート形成手段(磁気ブレード)を強磁性体の鉄で形成したものを先端が、マグネットの磁極と対向するように配設した。なお、このトナーコート形成手段はトナー収容部に支持される部分の厚みが1.8mmに、また、現像剤担持体に対向する部分の先端の厚みが0.6mmになるように傾斜がつけられている。トナーZ-1を使用し連続モードで100万枚耐久テストを行った。初期評価は10枚目の時に耐久テストを中断して、そして耐久評価は耐久テスト終了後に、実施例1と同様に行った。現像剤担持体S-25の構成と現像剤担持体表面の凹部形状を表11、12に、評価結果を表13に示す。
【0099】
<実施例24〜25>
実施例23におけるボウル形状の樹脂粒子B−2の量を表11に示したように変えた以外は実施例23と同様にして現像剤担持体作製し、実施例1と同様に評価した。得られた各現像剤担持体から約5mm×5mm四方の切片を切り出した。この切片の樹脂層表面の凹部を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロージーズ製;製品名)を用いて撮影した。6万倍の倍率で撮影し、全ての現像剤担持体について、凹部の表面の樹脂層中に導電性粒子が存在していることを確認した。
【0100】
<比較例7>
実施例23におけるボウル形状の樹脂粒子B−2を比較例6で用いた球状樹脂粒子に変え、添加量を30部に変えた。それ以外は実施例23と同様にして現像剤担持体を作製し、実施例1と同様に評価した。実施例23〜25及び比較例7の現像剤担持体の凹部形状の詳細を表11〜12、評価結果を表13に示す。
【0101】
【表11】

【0102】
【表12】

【0103】
【表13】

【0104】
<実施例26>
メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液(商品名:J−325;大日本インキ化学工業株式会社製)167部(固形分として100部)に、導電性粒子カーボンブラックC−1を24部および黒鉛化粒子C−6を6部、メタノールを70部加え、横型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。得られた分散液267部に、ボウル形状の樹脂粒子 B-3を30部、メタノール30部を加え、これを縦型サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で30分間分散し、篩を用いてガラスビーズを分離した。その後、固形分濃度が34%になる様にメタノールを添加して塗工液を得た。この塗工液を外径16mm、肉厚2mm、表面のRaが2.0μmのアルミニウム製の円筒管に実施例1と同様にして塗布、硬化させて表面層を形成し、現像剤担持体S-29を作製した。現像剤担持体S-29にマグネットローラを組み付け、複写機「iRC3200N」(キヤノン株式会社製;製品名)の現像装置に組み込んだ。この現像装置の概略は図4に示す通りである。この現像装置を搭載した複写機「iRC3200N」において、トナーZ-4、キャリアY-1を使用して、3万枚の耐久テストを1枚/10秒の間欠モードで行った。初期評価は10枚目の時に耐久テストを中断して、そして耐久評価は耐久テスト終了後に、実施例1と同様に行った。現像剤担持体S-29の構成と現像剤担持体の凹部形状を表14、15に、評価結果を表16に示す。
【0105】
<実施例27〜28>
実施例26におけるボウル形状の樹脂粒子B−3の添加量を表14に示したように変えた以外は実施例26と同様にして現像剤担持体を作製し、実施例1と同様に評価した。得られた各現像剤担持体から約5mm×5mm四方の切片を切り出し、この切片の樹脂層表面の凹部を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロージーズ製)を用いて撮影した。6万倍の倍率で撮影し、全ての現像剤担持体について、凹部の表面の樹脂層中に導電性粒子が存在していることを確認した。
【0106】
<比較例8>
実施例26におけるボウル形状の樹脂粒子B−3を比較例6に用いた球状樹脂粒子に変えた以外は実施例26と同様にして現像剤担持体を作製し、実施例1と同様に評価した。実施例26〜28及び比較例8の現像剤担持体の表面形状の詳細を表14〜15、評価結果を表16に示す。
【0107】
【表14】

【0108】
【表15】

【0109】
【表16】

【符号の説明】
【0110】
5 多極性磁石 (マグネットローラ)
6 基体 (金属製円筒管)
7 導電性樹脂層
8 現像剤担持体 (現像剤担持体)
14 導電性粒子
15 結着樹脂
16 ボウル形状樹脂粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体表面に少なくとも結着樹脂、導電性粒子及びボウル形状の樹脂粒子を含有する樹脂層を有し、該樹脂層は該ボウル形状の樹脂粒子を含有し、該ボウル形状の樹脂粒子の開口部が有する形状によって該樹脂層表面に凹部が形成され、かつ該凹部の表面には該結着樹脂と該導電性粒子が少なくとも存在することを特徴とする現像剤担持体。
【請求項2】
現像剤と、該現像剤を収容する現像容器、該現像容器に収容されている現像剤を担持し現像領域に搬送する現像剤担持体、該現像剤担持体に当接して設けられ該現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材を有し、該現像剤担持体が請求項1に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−158756(P2011−158756A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21106(P2010−21106)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】