現像装置、これを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置
【課題】一方向循環方式を用いる構成を対象として、現像剤の一部が滞留することが原因する現像剤供給量の供給量が不均一となるのを防止しして不均一となる場合に発生する異常画像の発生を防止することができる構成を備えた現像装置を提供する。
【解決手段】現像槽50内で上下に設けられている現像剤回収側空間SRおよび現像剤供給側空間SFを隔絶する仕切り部50Aには、上記両方の空間を連通するスリット54が設けられ、該スリット54は、仕切り部先端に対して現像剤回収側空間SRに配置されている第1の現像剤搬送部材51の周面において現像スリーブ5Aに対向する側の周面で延長された重力方向の線hと仕切り部50Aとが交差する位置もしくは交差する位置近傍において、下部に位置する現像剤供給側空間SFに配置されている第2の現像剤搬送部材52に近い側にずれた位置に設けられていることを特徴としている。
【解決手段】現像槽50内で上下に設けられている現像剤回収側空間SRおよび現像剤供給側空間SFを隔絶する仕切り部50Aには、上記両方の空間を連通するスリット54が設けられ、該スリット54は、仕切り部先端に対して現像剤回収側空間SRに配置されている第1の現像剤搬送部材51の周面において現像スリーブ5Aに対向する側の周面で延長された重力方向の線hと仕切り部50Aとが交差する位置もしくは交差する位置近傍において、下部に位置する現像剤供給側空間SFに配置されている第2の現像剤搬送部材52に近い側にずれた位置に設けられていることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、これを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関し、さらに詳しくは、二成分系現像剤の回収機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置においては、潜像担持体である感光体上に形成された静電潜像を現像装置により可視像処理し、可視像をシートなどに転写することにより記録出力を得ることができる。
【0003】
現像に用いられる現像剤には磁性あるいは非磁性トナーのみの一成分系現像剤の他にトナーとキャリアとを混合した二成分系現像剤がある。
二成分系現像剤は、トナーとこれを担持するキャリアとで構成され、攪拌混合時に生起される摩擦帯電作用によりトナーを帯電させて感光体上の静電潜像に対して静電吸着できる状態とされる。
【0004】
二成分系現像剤を用いる現像装置の構成には、感光体に対向する現像スリーブに対してスクリューオーガよりなる現像剤供給部材および現像剤回収部材を平行して配置し、現像スリーブに対する現像剤の供給および現像スリーブからのトナーの回収を行うと共に、各部材による現像剤の攪拌混合を行う構成が多用されている。
現像剤の供給部材および回収部材は相互における現像剤の搬送を一方向循環が行える構成とされており、現像剤の搬送過程において攪拌混合が行えるようになっている。
【0005】
現像剤の一方向循環を行うための構成としては、各部材が配置されている空間を現像槽内で仕切り部により隔絶し、その仕切り部における長手方向両側には、仕切り部の一部を欠如させた連通部を設けて空間同士を連通させて現像剤を各空間同士で一方向に移動させる構成が知られている。そして、各部材を平行して配置する構成の一つとして、水平方向に並設した場合に同方向での設置スペースが大きくなるのを防止する目的で、上下方向に並設する構成が知られている(例えば、特許文献1,2)
【0006】
特許文献1,2には、感光体上に形成されたトナー像の転写形態に応じた各部材の配置構成が開示されており、具体的には次の構成が示されている。
特許文献1には、トナー像の転写位置を感光体の下部とした場合が示されており、感光体に対峙する現像スリーブには現像剤の層厚を規定するドクターブレードが現像スリーブの上周面側に配置され、現像剤供給部材および現像剤回収部材が現像槽内の仕切り部を挟んで上下にそれぞれ配置された構成が開示されている。
特許文献2には、トナー像の転写位置を感光体の上部とした場合が示されており、前述したドクターブレードが現像スリーブの下周面側に配置され、前述した仕切り部を挟んで下部空間に現像剤供給部材が、そして上部空間に現像剤回収部材が配置された構成が開示されている。
【0007】
特許文献2に開示されている構成では、現像後のトナーが現像スリーブの上周面側から現像剤回収部材に向け移動し、現像剤回収部材の長手方向に移動した後、現像剤供給部材に受け渡されて再度現像スリーブに向けて供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した現像装置の構成においては、キャリアとして磁性キャリアを用いた場合を対象とすると、現像スリーブから回収されるトナーが現像スリーブに内蔵されている反発磁極によって回収側空間に向けて弾き飛ばされ、現像剤回収部材によって長手方向に搬送される過程で攪拌混合されることにより帯電特性を適正化される。
【0009】
現像剤回収側空間に存在する現像剤は、搬送方向下流側において仕切り部に設けられている連通部から溢れ出て現像剤供給側空間に落下し、現像剤供給部材による搬送過程において攪拌混合されながら移動することになる。
現像剤回収側空間を搬送される現像剤は、搬送方向上流側から下流側にかけて現像剤回収部材に用いられるスクリュー間に堆積する量が増加する傾向となる。
このため、搬送方向下流側において前述した連通部で溢れ出る前に、前述した仕切り部の先端と現像スリーブ表面との間に存在する間隙から、堆積した現像剤の一部が現像剤供給部側空間に落下する場合がある。
【0010】
上述した間隙を現像済み現像剤が流れると、現像済みであることからトナー濃度が低下している状態のままの現像剤が現像スリーブに担持され、現像領域まで連れ動くことになる。このため、現像スリーブでは、トナー濃度が不均一となり、濃度ムラを生じた異常画像が得られてしまう虞がある。
【0011】
そこで、連通部以外での現像剤の落下を抑制するように、仕切り部先端と現像スリーブ表面との間隙寸法を規定することも考えられるが、現像剤の経時変化により連通部以外での現像剤の落下を完全に防ぐことができない場合がある。
つまり、現像剤は経時使用により流動性が変化する。このため流動性が低下すると仕切り部表面に滞りやすくなる。仕切り部表面で滞っている現像剤は、搬送されてくる現像剤の押し動かされた場合、堆積量によっては間隙寸法を規定された仕切り部先端と現像スリーブ表面との間の間隙から落下する虞がある。
【0012】
本発明の目的は、上記従来の一方向循環方式を用いる構成を対象として、現像剤の一部が滞留することが原因する現像剤供給量の供給量が不均一となるのを防止しして不均一となる場合に発生する異常画像の発生を防止することができる構成を備えた現像装置、これを用いるプロセスカートリッジおよびこれを含む画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するための、本発明は、潜像担持体に対向してトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤を供給可能な現像剤担持体と、
該現像剤担持体の周方向における前記潜像担持体との対峙位置下方に配置された現像剤の層厚規定部材と、
前記現像剤担持体の近傍で上下に配置されて現像剤を攪拌混合しながら搬送可能な複数の現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送部材のうちで、現像後の現像剤が回収されて攪拌搬送される空間と、回収された現像剤の濃度を適正化するように補給されたトナーとを攪拌混合させたうえで現像剤担持体に向け現像剤を搬送可能な空間とが仕切り部により隔絶され、前記現像剤搬送部材の長手方向両端で空間同士が連通している構成からなる現像槽とを備え、前記上下に配置されている複数の現像剤搬送部材が配置されている空間を隔絶する仕切り部には、前記現像剤を落下させるスリットが設けられ、該スリットは、前記各空間の連通部以外で仕切り部先端以外の位置に設けられていることを特徴とする現像装置にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、上下に設けられている現像剤搬送部材を隔絶する仕切り部に各空間を連通するスリットが設けられているので、スリット表面に滞留する現像剤は、該現像剤搬送部材により搬送される現像剤に押し動かされると、仕切り部先端と現像剤担持体との間の間隙とは別の位置であるスリットから排出される。これにより、仕切り部先端から下部空間に落下する現像剤の量を抑えることで下部空間に位置する現像剤供給部材で搬送される現像剤の搬送量が不均一となるのを防止することができる。特に、スリットは、各現像剤搬送手段の搬送方向に平行して設けられていることにより、搬送方向全域亘って滞留現像剤をなくすことができるので、搬送方向下流側において堆積量が増加した現像剤が仕切り部先端と現像剤担持体との間の間隙から纏めて落下するのを未然に防止することができる。しかも、スリットの開口面積の設定により不用意に画像品質に悪影響を及ぼすことのない量の現像剤が現像剤供給部材側に落下するので、現像剤供給部材での現像剤の搬送量が不均一となるのを抑えることができ、これにより、現像剤の供給量が均一化されて画像濃度ムラのない画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態にかかる画像形成装置の全体構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に用いられるプロセスカートリッジの構成を説明するための断面図である。
【図3】図2に示したプロセスカートリッジに用いられる現像装置の要部構成を説明するための図である。
【図4】現像装置に用いられる現像剤搬送部材の構成を説明するための図である。
【図5】図4に示した現像剤搬送部材による現像剤の一方向循環状態を説明するための模式図である。
【図6】現像装置における現像剤担持体および現像剤搬送部材間での現像剤の移動状態を説明するための図である。
【図7】本実施例での特徴部を説明するための図3相当の図である。
【図8】本実施例による作用を説明するための表図である。
【図9】本実施例の要部構成に関する変形例を説明するための図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る現像装置の構成を説明するための6相当の図である。
【図11】図10に示した構成を対象とした特徴部を説明するための図である。
【図12】図11に示したスリットの構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図示実施例に基づき本発明を説明する。
図1は、本実施例による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置は、装置本体100の筐体内に複数の色の画像形成部が転写部材として用いられる中間転写ベルト8の展張面に沿って複数並置されたタンデム方式のフルカラープリンタである。
【0017】
次に以上のような現像装置を用いる画像形成装置の概略について図11により説明すると次の通りである。
図11において、画像形成装置本体100には、中間転写ユニット101における未定着像担持体としての中間転写ベルト8の下面に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。
これらの作像部6Y、6M、6C、6Bkは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外は同一構造である。
各作像部6Y、6M、6C、6Bkは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkと、感光体ドラム1の周囲に配設された図示しない帯電手段、現像装置5Y、5M、5C、5Bk、図示しないクリーニング手段等で構成されている。
【0018】
感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上で、作像プロセスとして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程が順次行われ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に所望のトナー像が形成される。
帯電工程では、感光体ドラム1が、図示しない駆動部によって図中、時計回り方向に回転駆動され、帯電手段の位置で表面が一様に帯電される。
露光工程では、感光体ドラム1の表面が、不図示の露光部から発せられたレーザ光の照射位置に達すると、この位置での露光走査されることにより静電潜像を上記表面に形成される。
現像工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、現像装置5Y、5M、5C、5Bkとの対向位置に達し、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される。
転写工程は、中間転写ベルト8に対して順次画像を重ねて転写する1次転写工程と、重畳された画像を記録媒体としての転写紙Pに一括転写する2次転写工程とが用いられ、1次転写工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、中間転写ベルト80及び1次転写バイアスローラ90との対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される。
【0019】
2次転写工程では、後述するように、2次転写手段としての2次転写ローラ19により中間転写ベルト8上の重畳画像が転写紙Pに対して一括転写される。
1次転写後に実行されるクリーニング工程では、感光体1Y、1M、1C、1Bkの表面が、クリーニング手段との対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に残存した未転写トナーが回収される。クリーニング後、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面は図示しない除電ローラにより電位を初期化される。このような工程を経て、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
【0020】
上述した作像プロセスは、図1に示すように、4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkで、それぞれ行われる。すなわち、作像部の下方に配設された不図示の露光部(光書き込み装置)から、画像情報に基づいたレーザ光が、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの感光体ドラム1上に向けて照射される。その後、現像工程を経て各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0021】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkは、それぞれ、中間転写ベルト80を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkにはトナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0022】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写手段としての2次転写ローラ19との対向位置に達する。中間転写ベルト8上に担持されているカラートナー像は、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体としての転写紙P上に転写される。このような手順を経て一連の転写プロセスが終了する。
【0023】
装置本体100の下部に配設された給紙部26には転写紙Pが複数枚重ねて収納されており、給紙コロ27により1枚ずつ分離されて給紙される。
給紙された転写紙Pはレジストローラ対28で一旦停止され、斜めずれを修正された後レジストローラ対28により所定のタイミングで2次転写ニップに向けて搬送される。そして、2次転写ニップにおいて転写紙P上に、中間転写ベルト80に担持されている画像が一括転写され、中間転写ベルト8上の画像が色毎の重畳画像である場合には所望のカラー画像が転写される。
【0024】
2次転写ニップの位置でカラー画像を転写された転写紙Pは、定着部110へ搬送され、ここで、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像を定着される。
定着を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対29により、装置本体上面に形成された排紙部30へ出力画像として排出され、スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。図1において、符号32は読み取り部を示している。
【0025】
各色の画像形成を行う作像部6Y、6M、6C、6Bkには、図2に示す構成を備えたプロセスカートリッジ102が用いられている。
プロセスカートリッジ102は、装置本体100に対して着脱可能なユニットで構成されており、内部には、画像形成処理に用いられる感光体(便宜上、符号1で示す)が配置されている。
感光体1の周囲には、図示矢印方向に沿って画像形成処理工程を実行するための帯電装置7、書き込み装置(便宜上、書き込み光を符号Lで示す)、図3以降の図において詳細を説明する現像装置5、クリーニング装置10が配置されている。
帯電装置7は、感光体に近接して回転可能な帯電ローラが用いられ、またクリーニング装置10には、転写後の感光体1から残留トナーを掻き取るクリーニングブレード10Aおよび感光体1の摩擦係数低減のための潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置10Bが設けられている。なお、図2において符号7Aは、帯電ローラのクリーニングを行うクリーニングローラを示している。
【0026】
図2において、現像装置5は、現像剤を収容可能な空間を有する現像槽50の内部に配置された現像スリーブ5A、上下に配置されて現像槽50に設けられた仕切り部50Aにより隔絶された空間内に配置されている第1,第2の現像剤搬送部材51,52と、現像スリーブ5Aの下周面に対向して配置された層厚規定用のドクターブレード53とを備えている。
【0027】
現像スリーブ5Aは、図3に示すように、周方向に沿って複数の磁極P1〜P5を設けたマグネットローラ5A1の外周囲において回転可能に設けられたスリーブを備えている。マグネットローラ5A1に設けられた各磁極は、符号N,Sで示す磁極の配置系列に応じた磁力線を生成するようになっており、磁力線に沿って形成された磁気ブラシ中のキャリアがスリーブの回転に伴いスリーブ周面上を転動するようになっている。
【0028】
一方、現像槽50は、図3に示すように、仕切り部50Aによって上下に隔絶された空間を備えている。仕切り部50Aを境にして上部の空間SRは、現像剤回収側空間として設けられ、下部の空間SFは現像剤供給側空間として設けられている。なお、図3において符号NRは、トナー濃度センサを示している。
【0029】
各空間には第1,第2の現像剤搬送部材51,52が配置されている。
第1,第2の現像剤搬送部材51,52は、軸線方向を平行させたスクリューオーガが用いられ、回転と共に軸方向に現像剤を攪拌しながら搬送できる部材であり、仕切り部50Aを境にした上部の現像剤回収側空間SRに位置する現像剤搬送部材51が現像剤回収部材として用いられ、下部の現像剤供給側空間SFに位置する現像剤搬送部材52が現像剤供給部材として用いられるようになっている。
【0030】
現像槽50に設けられている仕切り部50Aは、図4に示すように、現像剤搬送部材51,52による現像剤搬送方向両側が欠如されて各空間同士を連通する連通部50B、50Cが設けられている。
このような構成において、現像剤は、図4において矢印F,F’,R,R’で示すように、各現像剤搬送部材51,52の軸線方向に移動すると共に、連通部50B,50Cを経由して隣り合う空間内に移動することで一方向循環するようになっている。
【0031】
なお、図4(A)は、現像スリーブ5Aを除いて各現像剤搬送部材51,52を表示した図であり、図4(B)は、現像スリーブ5Aが配置されている状態で現像スリーブ5A上での現像剤の移動状態を矢印で示した図である。
【0032】
本実施例において使用される現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とするトナ(粒径=5.8μm)と磁性微粒子からなるキャリア(35μm)とを7wt%に均一混合した二成分系現像剤が現像槽50内に収容されて用いられている。
【0033】
現像槽50内では、現像剤回収側空間SRおよび現像剤供給側空間SFにおいて現像剤が現像剤搬送部材51,52により攪拌されながら軸方向に搬送されルことによりトナーの摩擦帯電が行われながら上述したような一方向循環が実行されるようになっている。
【0034】
図4において連通部50B,50Cに対面する第1,第2の現像剤搬送部材51,52には、各空間内での現像剤の流動を可能にするために、空間内での移動を行うスクリューオーガのスクリュー羽根の向きとは逆方向の関係を有するスクリュー羽根が設けられている。
【0035】
第1,第2の現像剤搬送部材51,52により攪拌搬送される現像剤は、その移動方向において堆積状態が変化する。
図5は、各現像剤搬送部材51,52における搬送方向上流側から下流側に至る現像剤の堆積状態を示す図であり、同図において、現像剤回収側空間SRに位置する第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材では、現像スリーブ5Aから回収されるトナーが存在することが原因して搬送方向上流側から下流側に掛けて現像剤の堆積量は増加する。
【0036】
一方、現像剤供給側空間SFに位置する第2の現像剤搬送部材52が相当する現像剤供給部材では、現像スリーブ5Aに受け渡されることが原因して搬送方向上流側から下流側に掛けて現像剤の堆積量が減少する。
【0037】
本実施例では、現像剤搬送部材、特に、第2の現像剤搬送部材が相当する現像剤供給部材において現像スリーブ5Aに対する現像剤の供給量が搬送方向下流側にて不足するのを防止するために、搬送能力に関して次の条件が設定されている。
【0038】
第2の現像剤搬送部材(現像剤供給部材)52の径およびスクリュー羽根の配列ピッチおよび回転数から求められる現像剤搬送能力をWmとし、現像スリーブ5A上での現像剤搬送量をWsとした場合、Wm>Wsの関係が成立するように、第1の現像剤搬送部材52での機械的構造の諸元値を設定する。
【0039】
仕切り部50Aにより隔絶された空間SR,SF内に配置されている第1,第2の現像剤搬送部材51,52により一方向循環される現像剤は、図6に示すように、現像剤供給部材として用いられる第2の現像剤搬送部材52の軸方向に搬送される過程で現像スリーブ5A内のマグネットローラ5A1の磁極P4,P5により形成される磁力線によって、矢印で示すように現像スリーブ5A側へと汲み上げられて現像スリーブ5A周面に担持される。
【0040】
現像スリーブ5Aに担持された現像剤は、現像スリーブ5Aの回転に伴いドクターブレード53により所定の層厚に規定されたうえで感光体1に向け移動し、感光体1と対向する磁極P1により形成される磁力線に沿って感光体1と接触し感光体1に形成されている静電潜像を可視像処理する。
【0041】
可視像処理を終えた現像剤は、マグネットローラ5A1の搬送時曲P2,P3によって現像スリーブ5Aの回転と共に移動し、磁極P3と磁極P4とで形成される反発磁極によって現像スリーブ5A周面から除去されて矢印で示すように現像剤回収側空間SRに向け飛翔する。
【0042】
現像剤回収側空間SR内に飛翔した現像剤は、第1の現像剤搬送部材51によって攪拌搬送され、仕切り部50Aの連通部(図4中、符号50Bで示す領域)に到達すると現像剤供給側空間SFに向け移動する。また、現像剤供給側空間SFの現像剤は、第2の現像剤か搬送部材52により攪拌混合されながら仕切り部50Aの連通部(図4中、符号50Cで示す領域)に達すると現像剤回収側空間SRに向け移動する。
【0043】
なお、図6においてマグネットローラ5A1の磁極間に示された放物線状の線は磁極P1〜P5のそれぞれの磁力がピークとなる位置を示している。
【0044】
また、図6において、第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材は、現像スリーブ5Aから飛翔する現像剤をスクリュー羽根内に取り込みやすくする理由で、現像スリーブ5Aの回転中心位置に対して次の関係で位置決めされている。
【0045】
図6において、現像スリーブ5Aの上周面から延長される水平線aと下周面から延長される水平線bとの間で現像スリーブ5Aの回転中心から延長される水平線dよりも下方に第1の現像剤搬送部材51の回転中心が位置決めされている(水平線cで示す位置)。
【0046】
以上のような構成の現像装置を対象として本実施形態の特徴について説明すると次の通りである。
本実施形態の特徴は、現像剤が回収される空間と回収部から導入された現像剤を所定濃度を保つように攪拌混合する空間とを上下方向で隔絶するために用いられる仕切り部に、これら空間を連通するスリットが前記空間の長手方向両端に位置する連通部以外の位置に設けられている点にある。
【0047】
以下、上記特徴の具体的な例を図において説明すると次の通りである。
図6は、仕切り部50Aに設けられているスリット54が仕切り部50Aの先端以外の位置に設けられた構成を示している。
図6において、現像槽50内で現像剤回収側空間SRと現像剤供給側空間SFとを隔絶するために設けられている仕切り部50Aは、その先端位置が、現像スリーブ5Aの回転中心から延長された水平線dおよび垂直線eにより区切られる象限において第2象限の領域に位置決めされている。
【0048】
仕切り部50Aの先端は、現像槽50の内壁に基端が一体化されており、先端の指向角度は、現像スリーブ5Aから飛翔する現像剤の移動角度(現像スリーブ5A側での反発磁極P3,P4による反発磁界から遠心力によって現像剤が、図6において回収現像剤移動方向と表記した矢印に沿って飛翔する角度)に平行させてある。
【0049】
さらに仕切り部50Aの先端は、現像スリーブ5Aから飛翔する現像剤が下部に位置する現像剤供給側空間SFに流れ出るのを抑制できる対向間隔に規制されて現像スリーブ5Aに対向させてある。
【0050】
一方、仕切り部50Aには、図7に示すように、先端から基端寄りの位置に上下の各空間に連通するスリット54が設けられている。
スリット54は、図7(B)に示すように、現像剤搬送部材51,52の現像剤搬送方向に平行して設けられ、図7(A)に示すように、第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材の軸方向一方側から見た場合に、その周面において現像スリーブ5A側に対向する周面出設定した重力方向の線hと仕切り部50Aとが交差する位置もしくは、交差位置近傍に設けられている。
【0051】
また、スリット54の位置は、仕切り部50の表面を移動する現像剤の移動方向において下部に位置する現像剤供給側空間SFに設けられている第2の現像剤搬送部材52が相当する現像剤供給部材の回転中心から第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材に近い側にずれた位置に設けられている。
【0052】
本実施例は、以上のような構成であるから、経時使用により流動性の低下した現像剤が仕切り部50Aの表面に滞った場合でも、第1の現像剤搬送部材51によって攪拌搬送される現像剤に押し動かされることによりスリット54から現像剤供給側空間に流れる。これにより、第1の現像剤搬送部材51の軸方向全域に亘って仕切り部50Aの表面に滞留する現像剤は現像剤供給側空間SFに向けて移動することになるので、仕切り部先端、特に、堆積量の増加した位置から現像剤が現像剤供給側空間SFに流れ込むのを防止することができる。
【0053】
この結果、現像剤供給側空間SFでは、第2の現像剤搬送部材52の軸方向において連通部50Bとは別に軸方向全域に亘って仕切り部50Aに滞留している現像剤が流れ込むことになるので、現像剤供給側空間における現像剤の搬送量が不均一となるのを防止して感光体に対する現像剤の供給量が不均一となった場合に生じる画像濃度ムラを防止することができる。
【0054】
次に、上記実施例の変形例について説明する。
本実施例は、スリットの開口面積を規定したことを特徴としている。
つまり、図8は、現像剤搬送部材の軸方向一方側から見た場合の任意断面での仕切り部50A表面を流れる現像剤量に対してスリット54を通過させる現像剤量の割合を変化させて実験した結果を示す表図であり、同図に示すように、一途51を通過する現像剤の割合が20%を超えると異常画像が発生することが判明した。
【0055】
そこで、本実施例では、上述した結果に基づき、スリット54の開口面積として、スリット54を通過する現像剤の割合がスリット54の表面を流れる現像量の20%以下となる値に設定されている。
これにより、スリット54を介した滞留現像剤の除去に合わせて異常画像の発生をさらに確実に防止することができる。
【0056】
次に、上記実施例の要部を対象とした別実施例ついて説明する。
本実施例は、仕切り部51の表面を流れる現像剤が下部に位置する現像剤供給側空間SFに流下しやすい断面形状を設定したことを特徴としている。
【0057】
つまり、図9は、図7に示した位置決めを前提として設けられたスリット54を示しており、同図においてスリット54は、仕切り部50Aの厚さ方向での断面形状として、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向する開口幅L1に対して下部に位置する現像剤供給側空間SFに対向する開口幅L2を大きくし、断面形状が下向き漏斗状に形成されている(図9(A)参照)。
【0058】
また、図9(B)は、上述した開口幅の関係を得るために、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向するスリット54の開口面にシート部材55を貼付している構成を示している。
【0059】
以上のような構成においては、スリット54の断面形状が漏斗状とされることにより、スリット54内に現像剤が詰まるのを防止することができる。
【0060】
次に、本発明の別実施形態に係る現像装置の構成について説明する。
図10に示されている現像装置は、図7に示した現像装置の構成に対して、空間およびこの空間に配置される現像剤の搬送部材に関する構成が異なっている。
図10において、現像装置に用いられる現像槽50’には、上下に配置されている第1の現像剤搬送部材51および第2の現像剤搬送部材52に加えて、第1の現像剤搬送部材51と上下の配置関係を持たせて第3の現像剤搬送部材60が設けられている。
【0061】
第1の現像剤搬送部材51が配置されている現像剤回収側空間SRとこれの下方に位置する第3の現像剤搬送部材60が配置されている攪拌混合部側空間SBとは、仕切り部50Aにより隔絶され、図4に示した場合と同様に、仕切り部50Aに設けられている連通部(図示しないが、図4において符号50B,50Cで示す構成)を介して連通している。
仕切り部50Aは、その先端が、現像スリーブ1から現像剤が剥離する位置よりも若干回転方向下流側に指向しており、現像スリーブ1から現像剤を捕集して現像剤回収側空間SRに導入するようになっている。
【0062】
一方、現像剤の供給を行う第2の現像剤搬送部材が配置されている現像剤供給側空間SFは、第3の現像剤搬送部材60が配置されている空間と仕切り部50Dを介して隔絶されており、上述した仕切り部50Aと同様な構成からなる連通部が設けられて空間同士が連通している。
【0063】
上述した第3の現像剤搬送部材60は、図4に示した構成における第1の現像剤搬送部材51の機能を代用する部材であり、具体的には、現像剤回収側空間SRで第1の現像剤搬送部材51により攪拌搬送されて落下してくる回収現像剤の濃度を一定に維持するための部材である。このため、攪拌混合部側空間SBには、図示しないが、トナーの補給部が接続されており、補給されたトナー後現像剤とが第3の現像剤搬送部材60により攪拌混合される。
【0064】
攪拌混合部側空間SBに落下した現像剤は、トナー濃度センサNRによって濃度検知され、その検知結果に応じてトナー濃度が低下していると判断した場合に上述したトナーの補給および攪拌混合を実行される。
【0065】
上述した現像装置の構成を対象として特徴について説明する。
図11(A)において、現像剤回収部側空間SRと攪拌混合部側空間SBとを隔絶する仕切り部50Aと、攪拌混合部側空間SBと現像剤供給側空間SFとを隔絶する仕切り部50Dとが交差する位置には、現像剤の落下が可能なスリット(便宜押、符号54’で示す)が仕切り部50A側に設けられている。
【0066】
スリット54’は、図11に示すように、現像剤搬送部材の軸方向端面側から見た状態で、第1の現像剤搬送部材51の外周面から垂下させた重力方向に平行な線hと仕切り部50Aのうちで現像剤回収側空間SR内の周方向端部から現像スリーブ1に対向する先端までの領域とが交差する箇所を含む位置において、図11(B)に示すように、現像スリーブ1の長手方向に相当する軸方向全域に亘って設けられている。
【0067】
本実施例は、以上のような構成であるから、経時使用により流動性の低下した現像剤が仕切り部50Aの表面に滞った場合でも、スリット54’を介して攪拌混合部側空間SB内に導入することができる。これにより、現像スリーブ1から剥離された現像剤が仕切り部50Aの先端側に溜まることで生じる搬送ムラを防止することができる。
また、スリット54’を介して攪拌混合部側空間SB内に現像剤が導入されると、攪拌混合部側空間SBで第3の現像剤搬送部材60により攪拌混合された後、現像剤供給側空間SFRに搬送されることになるので、現像剤濃度ムラを解消された状態で供給されることになる。
【0068】
スリット54’は、図11を用いて説明したように、仕切り部50Aと仕切り部50Dとが交差する位置で、上述した第1の現像剤搬送部材51外周面から垂下させた線h仕切り部50Aのうちで現像剤回収側空間SR内の周方向端部から現像スリーブ1に対向する先端までの領域とが交差する箇所を含む位置に設けられているが、スリット内側の対向面の構成が図12に示す構成とされている。
【0069】
図12において、スリット54’は、仕切り部50Aの厚さ方向での断面形状として、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向する開口幅L1に対して下部に位置する攪拌混合部側空間SBに対向する開口幅L2を大きくし、断面形状が下向き漏斗状に形成されている(図12(A)参照)。
【0070】
また、図12(B)は、上述した開口幅の関係を得るために、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向するスリット54’の開口面にシート部材55を貼付している構成を示している。
【0071】
スリット54’は、現像剤の導入側よりも出口側での開口面積が大きくされているので、内部で詰まることがなく、円滑な流れを得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
5 現像装置
5A 現像スリーブ
50 現像槽
50A、50A’ 仕切り部
51 第1の現像剤搬送部材(現像剤回収部材)
52 第2の現像剤搬送部材(現像剤供給部材)
53 ドクターブレード
54、54’ スリット
SR 現像剤回収側空間
SF 現像剤供給側空間
a,b 現像スリーブの上周面側および下周面側から延長された水平線
h 第1の現像剤搬送部材の周面における現像スリーブに対向する側の周面出延長された重力方向の線
100 画像形成装置本体
102 プロセスカートリッジ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開平05−33691号公報
【特許文献2】特開平11−174810号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、これを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関し、さらに詳しくは、二成分系現像剤の回収機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置においては、潜像担持体である感光体上に形成された静電潜像を現像装置により可視像処理し、可視像をシートなどに転写することにより記録出力を得ることができる。
【0003】
現像に用いられる現像剤には磁性あるいは非磁性トナーのみの一成分系現像剤の他にトナーとキャリアとを混合した二成分系現像剤がある。
二成分系現像剤は、トナーとこれを担持するキャリアとで構成され、攪拌混合時に生起される摩擦帯電作用によりトナーを帯電させて感光体上の静電潜像に対して静電吸着できる状態とされる。
【0004】
二成分系現像剤を用いる現像装置の構成には、感光体に対向する現像スリーブに対してスクリューオーガよりなる現像剤供給部材および現像剤回収部材を平行して配置し、現像スリーブに対する現像剤の供給および現像スリーブからのトナーの回収を行うと共に、各部材による現像剤の攪拌混合を行う構成が多用されている。
現像剤の供給部材および回収部材は相互における現像剤の搬送を一方向循環が行える構成とされており、現像剤の搬送過程において攪拌混合が行えるようになっている。
【0005】
現像剤の一方向循環を行うための構成としては、各部材が配置されている空間を現像槽内で仕切り部により隔絶し、その仕切り部における長手方向両側には、仕切り部の一部を欠如させた連通部を設けて空間同士を連通させて現像剤を各空間同士で一方向に移動させる構成が知られている。そして、各部材を平行して配置する構成の一つとして、水平方向に並設した場合に同方向での設置スペースが大きくなるのを防止する目的で、上下方向に並設する構成が知られている(例えば、特許文献1,2)
【0006】
特許文献1,2には、感光体上に形成されたトナー像の転写形態に応じた各部材の配置構成が開示されており、具体的には次の構成が示されている。
特許文献1には、トナー像の転写位置を感光体の下部とした場合が示されており、感光体に対峙する現像スリーブには現像剤の層厚を規定するドクターブレードが現像スリーブの上周面側に配置され、現像剤供給部材および現像剤回収部材が現像槽内の仕切り部を挟んで上下にそれぞれ配置された構成が開示されている。
特許文献2には、トナー像の転写位置を感光体の上部とした場合が示されており、前述したドクターブレードが現像スリーブの下周面側に配置され、前述した仕切り部を挟んで下部空間に現像剤供給部材が、そして上部空間に現像剤回収部材が配置された構成が開示されている。
【0007】
特許文献2に開示されている構成では、現像後のトナーが現像スリーブの上周面側から現像剤回収部材に向け移動し、現像剤回収部材の長手方向に移動した後、現像剤供給部材に受け渡されて再度現像スリーブに向けて供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した現像装置の構成においては、キャリアとして磁性キャリアを用いた場合を対象とすると、現像スリーブから回収されるトナーが現像スリーブに内蔵されている反発磁極によって回収側空間に向けて弾き飛ばされ、現像剤回収部材によって長手方向に搬送される過程で攪拌混合されることにより帯電特性を適正化される。
【0009】
現像剤回収側空間に存在する現像剤は、搬送方向下流側において仕切り部に設けられている連通部から溢れ出て現像剤供給側空間に落下し、現像剤供給部材による搬送過程において攪拌混合されながら移動することになる。
現像剤回収側空間を搬送される現像剤は、搬送方向上流側から下流側にかけて現像剤回収部材に用いられるスクリュー間に堆積する量が増加する傾向となる。
このため、搬送方向下流側において前述した連通部で溢れ出る前に、前述した仕切り部の先端と現像スリーブ表面との間に存在する間隙から、堆積した現像剤の一部が現像剤供給部側空間に落下する場合がある。
【0010】
上述した間隙を現像済み現像剤が流れると、現像済みであることからトナー濃度が低下している状態のままの現像剤が現像スリーブに担持され、現像領域まで連れ動くことになる。このため、現像スリーブでは、トナー濃度が不均一となり、濃度ムラを生じた異常画像が得られてしまう虞がある。
【0011】
そこで、連通部以外での現像剤の落下を抑制するように、仕切り部先端と現像スリーブ表面との間隙寸法を規定することも考えられるが、現像剤の経時変化により連通部以外での現像剤の落下を完全に防ぐことができない場合がある。
つまり、現像剤は経時使用により流動性が変化する。このため流動性が低下すると仕切り部表面に滞りやすくなる。仕切り部表面で滞っている現像剤は、搬送されてくる現像剤の押し動かされた場合、堆積量によっては間隙寸法を規定された仕切り部先端と現像スリーブ表面との間の間隙から落下する虞がある。
【0012】
本発明の目的は、上記従来の一方向循環方式を用いる構成を対象として、現像剤の一部が滞留することが原因する現像剤供給量の供給量が不均一となるのを防止しして不均一となる場合に発生する異常画像の発生を防止することができる構成を備えた現像装置、これを用いるプロセスカートリッジおよびこれを含む画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するための、本発明は、潜像担持体に対向してトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤を供給可能な現像剤担持体と、
該現像剤担持体の周方向における前記潜像担持体との対峙位置下方に配置された現像剤の層厚規定部材と、
前記現像剤担持体の近傍で上下に配置されて現像剤を攪拌混合しながら搬送可能な複数の現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送部材のうちで、現像後の現像剤が回収されて攪拌搬送される空間と、回収された現像剤の濃度を適正化するように補給されたトナーとを攪拌混合させたうえで現像剤担持体に向け現像剤を搬送可能な空間とが仕切り部により隔絶され、前記現像剤搬送部材の長手方向両端で空間同士が連通している構成からなる現像槽とを備え、前記上下に配置されている複数の現像剤搬送部材が配置されている空間を隔絶する仕切り部には、前記現像剤を落下させるスリットが設けられ、該スリットは、前記各空間の連通部以外で仕切り部先端以外の位置に設けられていることを特徴とする現像装置にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、上下に設けられている現像剤搬送部材を隔絶する仕切り部に各空間を連通するスリットが設けられているので、スリット表面に滞留する現像剤は、該現像剤搬送部材により搬送される現像剤に押し動かされると、仕切り部先端と現像剤担持体との間の間隙とは別の位置であるスリットから排出される。これにより、仕切り部先端から下部空間に落下する現像剤の量を抑えることで下部空間に位置する現像剤供給部材で搬送される現像剤の搬送量が不均一となるのを防止することができる。特に、スリットは、各現像剤搬送手段の搬送方向に平行して設けられていることにより、搬送方向全域亘って滞留現像剤をなくすことができるので、搬送方向下流側において堆積量が増加した現像剤が仕切り部先端と現像剤担持体との間の間隙から纏めて落下するのを未然に防止することができる。しかも、スリットの開口面積の設定により不用意に画像品質に悪影響を及ぼすことのない量の現像剤が現像剤供給部材側に落下するので、現像剤供給部材での現像剤の搬送量が不均一となるのを抑えることができ、これにより、現像剤の供給量が均一化されて画像濃度ムラのない画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態にかかる画像形成装置の全体構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に用いられるプロセスカートリッジの構成を説明するための断面図である。
【図3】図2に示したプロセスカートリッジに用いられる現像装置の要部構成を説明するための図である。
【図4】現像装置に用いられる現像剤搬送部材の構成を説明するための図である。
【図5】図4に示した現像剤搬送部材による現像剤の一方向循環状態を説明するための模式図である。
【図6】現像装置における現像剤担持体および現像剤搬送部材間での現像剤の移動状態を説明するための図である。
【図7】本実施例での特徴部を説明するための図3相当の図である。
【図8】本実施例による作用を説明するための表図である。
【図9】本実施例の要部構成に関する変形例を説明するための図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る現像装置の構成を説明するための6相当の図である。
【図11】図10に示した構成を対象とした特徴部を説明するための図である。
【図12】図11に示したスリットの構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図示実施例に基づき本発明を説明する。
図1は、本実施例による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置は、装置本体100の筐体内に複数の色の画像形成部が転写部材として用いられる中間転写ベルト8の展張面に沿って複数並置されたタンデム方式のフルカラープリンタである。
【0017】
次に以上のような現像装置を用いる画像形成装置の概略について図11により説明すると次の通りである。
図11において、画像形成装置本体100には、中間転写ユニット101における未定着像担持体としての中間転写ベルト8の下面に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。
これらの作像部6Y、6M、6C、6Bkは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外は同一構造である。
各作像部6Y、6M、6C、6Bkは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkと、感光体ドラム1の周囲に配設された図示しない帯電手段、現像装置5Y、5M、5C、5Bk、図示しないクリーニング手段等で構成されている。
【0018】
感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上で、作像プロセスとして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程が順次行われ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に所望のトナー像が形成される。
帯電工程では、感光体ドラム1が、図示しない駆動部によって図中、時計回り方向に回転駆動され、帯電手段の位置で表面が一様に帯電される。
露光工程では、感光体ドラム1の表面が、不図示の露光部から発せられたレーザ光の照射位置に達すると、この位置での露光走査されることにより静電潜像を上記表面に形成される。
現像工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、現像装置5Y、5M、5C、5Bkとの対向位置に達し、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される。
転写工程は、中間転写ベルト8に対して順次画像を重ねて転写する1次転写工程と、重畳された画像を記録媒体としての転写紙Pに一括転写する2次転写工程とが用いられ、1次転写工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、中間転写ベルト80及び1次転写バイアスローラ90との対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される。
【0019】
2次転写工程では、後述するように、2次転写手段としての2次転写ローラ19により中間転写ベルト8上の重畳画像が転写紙Pに対して一括転写される。
1次転写後に実行されるクリーニング工程では、感光体1Y、1M、1C、1Bkの表面が、クリーニング手段との対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に残存した未転写トナーが回収される。クリーニング後、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面は図示しない除電ローラにより電位を初期化される。このような工程を経て、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
【0020】
上述した作像プロセスは、図1に示すように、4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkで、それぞれ行われる。すなわち、作像部の下方に配設された不図示の露光部(光書き込み装置)から、画像情報に基づいたレーザ光が、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの感光体ドラム1上に向けて照射される。その後、現像工程を経て各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0021】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkは、それぞれ、中間転写ベルト80を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkにはトナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0022】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写手段としての2次転写ローラ19との対向位置に達する。中間転写ベルト8上に担持されているカラートナー像は、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体としての転写紙P上に転写される。このような手順を経て一連の転写プロセスが終了する。
【0023】
装置本体100の下部に配設された給紙部26には転写紙Pが複数枚重ねて収納されており、給紙コロ27により1枚ずつ分離されて給紙される。
給紙された転写紙Pはレジストローラ対28で一旦停止され、斜めずれを修正された後レジストローラ対28により所定のタイミングで2次転写ニップに向けて搬送される。そして、2次転写ニップにおいて転写紙P上に、中間転写ベルト80に担持されている画像が一括転写され、中間転写ベルト8上の画像が色毎の重畳画像である場合には所望のカラー画像が転写される。
【0024】
2次転写ニップの位置でカラー画像を転写された転写紙Pは、定着部110へ搬送され、ここで、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像を定着される。
定着を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対29により、装置本体上面に形成された排紙部30へ出力画像として排出され、スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。図1において、符号32は読み取り部を示している。
【0025】
各色の画像形成を行う作像部6Y、6M、6C、6Bkには、図2に示す構成を備えたプロセスカートリッジ102が用いられている。
プロセスカートリッジ102は、装置本体100に対して着脱可能なユニットで構成されており、内部には、画像形成処理に用いられる感光体(便宜上、符号1で示す)が配置されている。
感光体1の周囲には、図示矢印方向に沿って画像形成処理工程を実行するための帯電装置7、書き込み装置(便宜上、書き込み光を符号Lで示す)、図3以降の図において詳細を説明する現像装置5、クリーニング装置10が配置されている。
帯電装置7は、感光体に近接して回転可能な帯電ローラが用いられ、またクリーニング装置10には、転写後の感光体1から残留トナーを掻き取るクリーニングブレード10Aおよび感光体1の摩擦係数低減のための潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置10Bが設けられている。なお、図2において符号7Aは、帯電ローラのクリーニングを行うクリーニングローラを示している。
【0026】
図2において、現像装置5は、現像剤を収容可能な空間を有する現像槽50の内部に配置された現像スリーブ5A、上下に配置されて現像槽50に設けられた仕切り部50Aにより隔絶された空間内に配置されている第1,第2の現像剤搬送部材51,52と、現像スリーブ5Aの下周面に対向して配置された層厚規定用のドクターブレード53とを備えている。
【0027】
現像スリーブ5Aは、図3に示すように、周方向に沿って複数の磁極P1〜P5を設けたマグネットローラ5A1の外周囲において回転可能に設けられたスリーブを備えている。マグネットローラ5A1に設けられた各磁極は、符号N,Sで示す磁極の配置系列に応じた磁力線を生成するようになっており、磁力線に沿って形成された磁気ブラシ中のキャリアがスリーブの回転に伴いスリーブ周面上を転動するようになっている。
【0028】
一方、現像槽50は、図3に示すように、仕切り部50Aによって上下に隔絶された空間を備えている。仕切り部50Aを境にして上部の空間SRは、現像剤回収側空間として設けられ、下部の空間SFは現像剤供給側空間として設けられている。なお、図3において符号NRは、トナー濃度センサを示している。
【0029】
各空間には第1,第2の現像剤搬送部材51,52が配置されている。
第1,第2の現像剤搬送部材51,52は、軸線方向を平行させたスクリューオーガが用いられ、回転と共に軸方向に現像剤を攪拌しながら搬送できる部材であり、仕切り部50Aを境にした上部の現像剤回収側空間SRに位置する現像剤搬送部材51が現像剤回収部材として用いられ、下部の現像剤供給側空間SFに位置する現像剤搬送部材52が現像剤供給部材として用いられるようになっている。
【0030】
現像槽50に設けられている仕切り部50Aは、図4に示すように、現像剤搬送部材51,52による現像剤搬送方向両側が欠如されて各空間同士を連通する連通部50B、50Cが設けられている。
このような構成において、現像剤は、図4において矢印F,F’,R,R’で示すように、各現像剤搬送部材51,52の軸線方向に移動すると共に、連通部50B,50Cを経由して隣り合う空間内に移動することで一方向循環するようになっている。
【0031】
なお、図4(A)は、現像スリーブ5Aを除いて各現像剤搬送部材51,52を表示した図であり、図4(B)は、現像スリーブ5Aが配置されている状態で現像スリーブ5A上での現像剤の移動状態を矢印で示した図である。
【0032】
本実施例において使用される現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とするトナ(粒径=5.8μm)と磁性微粒子からなるキャリア(35μm)とを7wt%に均一混合した二成分系現像剤が現像槽50内に収容されて用いられている。
【0033】
現像槽50内では、現像剤回収側空間SRおよび現像剤供給側空間SFにおいて現像剤が現像剤搬送部材51,52により攪拌されながら軸方向に搬送されルことによりトナーの摩擦帯電が行われながら上述したような一方向循環が実行されるようになっている。
【0034】
図4において連通部50B,50Cに対面する第1,第2の現像剤搬送部材51,52には、各空間内での現像剤の流動を可能にするために、空間内での移動を行うスクリューオーガのスクリュー羽根の向きとは逆方向の関係を有するスクリュー羽根が設けられている。
【0035】
第1,第2の現像剤搬送部材51,52により攪拌搬送される現像剤は、その移動方向において堆積状態が変化する。
図5は、各現像剤搬送部材51,52における搬送方向上流側から下流側に至る現像剤の堆積状態を示す図であり、同図において、現像剤回収側空間SRに位置する第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材では、現像スリーブ5Aから回収されるトナーが存在することが原因して搬送方向上流側から下流側に掛けて現像剤の堆積量は増加する。
【0036】
一方、現像剤供給側空間SFに位置する第2の現像剤搬送部材52が相当する現像剤供給部材では、現像スリーブ5Aに受け渡されることが原因して搬送方向上流側から下流側に掛けて現像剤の堆積量が減少する。
【0037】
本実施例では、現像剤搬送部材、特に、第2の現像剤搬送部材が相当する現像剤供給部材において現像スリーブ5Aに対する現像剤の供給量が搬送方向下流側にて不足するのを防止するために、搬送能力に関して次の条件が設定されている。
【0038】
第2の現像剤搬送部材(現像剤供給部材)52の径およびスクリュー羽根の配列ピッチおよび回転数から求められる現像剤搬送能力をWmとし、現像スリーブ5A上での現像剤搬送量をWsとした場合、Wm>Wsの関係が成立するように、第1の現像剤搬送部材52での機械的構造の諸元値を設定する。
【0039】
仕切り部50Aにより隔絶された空間SR,SF内に配置されている第1,第2の現像剤搬送部材51,52により一方向循環される現像剤は、図6に示すように、現像剤供給部材として用いられる第2の現像剤搬送部材52の軸方向に搬送される過程で現像スリーブ5A内のマグネットローラ5A1の磁極P4,P5により形成される磁力線によって、矢印で示すように現像スリーブ5A側へと汲み上げられて現像スリーブ5A周面に担持される。
【0040】
現像スリーブ5Aに担持された現像剤は、現像スリーブ5Aの回転に伴いドクターブレード53により所定の層厚に規定されたうえで感光体1に向け移動し、感光体1と対向する磁極P1により形成される磁力線に沿って感光体1と接触し感光体1に形成されている静電潜像を可視像処理する。
【0041】
可視像処理を終えた現像剤は、マグネットローラ5A1の搬送時曲P2,P3によって現像スリーブ5Aの回転と共に移動し、磁極P3と磁極P4とで形成される反発磁極によって現像スリーブ5A周面から除去されて矢印で示すように現像剤回収側空間SRに向け飛翔する。
【0042】
現像剤回収側空間SR内に飛翔した現像剤は、第1の現像剤搬送部材51によって攪拌搬送され、仕切り部50Aの連通部(図4中、符号50Bで示す領域)に到達すると現像剤供給側空間SFに向け移動する。また、現像剤供給側空間SFの現像剤は、第2の現像剤か搬送部材52により攪拌混合されながら仕切り部50Aの連通部(図4中、符号50Cで示す領域)に達すると現像剤回収側空間SRに向け移動する。
【0043】
なお、図6においてマグネットローラ5A1の磁極間に示された放物線状の線は磁極P1〜P5のそれぞれの磁力がピークとなる位置を示している。
【0044】
また、図6において、第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材は、現像スリーブ5Aから飛翔する現像剤をスクリュー羽根内に取り込みやすくする理由で、現像スリーブ5Aの回転中心位置に対して次の関係で位置決めされている。
【0045】
図6において、現像スリーブ5Aの上周面から延長される水平線aと下周面から延長される水平線bとの間で現像スリーブ5Aの回転中心から延長される水平線dよりも下方に第1の現像剤搬送部材51の回転中心が位置決めされている(水平線cで示す位置)。
【0046】
以上のような構成の現像装置を対象として本実施形態の特徴について説明すると次の通りである。
本実施形態の特徴は、現像剤が回収される空間と回収部から導入された現像剤を所定濃度を保つように攪拌混合する空間とを上下方向で隔絶するために用いられる仕切り部に、これら空間を連通するスリットが前記空間の長手方向両端に位置する連通部以外の位置に設けられている点にある。
【0047】
以下、上記特徴の具体的な例を図において説明すると次の通りである。
図6は、仕切り部50Aに設けられているスリット54が仕切り部50Aの先端以外の位置に設けられた構成を示している。
図6において、現像槽50内で現像剤回収側空間SRと現像剤供給側空間SFとを隔絶するために設けられている仕切り部50Aは、その先端位置が、現像スリーブ5Aの回転中心から延長された水平線dおよび垂直線eにより区切られる象限において第2象限の領域に位置決めされている。
【0048】
仕切り部50Aの先端は、現像槽50の内壁に基端が一体化されており、先端の指向角度は、現像スリーブ5Aから飛翔する現像剤の移動角度(現像スリーブ5A側での反発磁極P3,P4による反発磁界から遠心力によって現像剤が、図6において回収現像剤移動方向と表記した矢印に沿って飛翔する角度)に平行させてある。
【0049】
さらに仕切り部50Aの先端は、現像スリーブ5Aから飛翔する現像剤が下部に位置する現像剤供給側空間SFに流れ出るのを抑制できる対向間隔に規制されて現像スリーブ5Aに対向させてある。
【0050】
一方、仕切り部50Aには、図7に示すように、先端から基端寄りの位置に上下の各空間に連通するスリット54が設けられている。
スリット54は、図7(B)に示すように、現像剤搬送部材51,52の現像剤搬送方向に平行して設けられ、図7(A)に示すように、第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材の軸方向一方側から見た場合に、その周面において現像スリーブ5A側に対向する周面出設定した重力方向の線hと仕切り部50Aとが交差する位置もしくは、交差位置近傍に設けられている。
【0051】
また、スリット54の位置は、仕切り部50の表面を移動する現像剤の移動方向において下部に位置する現像剤供給側空間SFに設けられている第2の現像剤搬送部材52が相当する現像剤供給部材の回転中心から第1の現像剤搬送部材51が相当する現像剤回収部材に近い側にずれた位置に設けられている。
【0052】
本実施例は、以上のような構成であるから、経時使用により流動性の低下した現像剤が仕切り部50Aの表面に滞った場合でも、第1の現像剤搬送部材51によって攪拌搬送される現像剤に押し動かされることによりスリット54から現像剤供給側空間に流れる。これにより、第1の現像剤搬送部材51の軸方向全域に亘って仕切り部50Aの表面に滞留する現像剤は現像剤供給側空間SFに向けて移動することになるので、仕切り部先端、特に、堆積量の増加した位置から現像剤が現像剤供給側空間SFに流れ込むのを防止することができる。
【0053】
この結果、現像剤供給側空間SFでは、第2の現像剤搬送部材52の軸方向において連通部50Bとは別に軸方向全域に亘って仕切り部50Aに滞留している現像剤が流れ込むことになるので、現像剤供給側空間における現像剤の搬送量が不均一となるのを防止して感光体に対する現像剤の供給量が不均一となった場合に生じる画像濃度ムラを防止することができる。
【0054】
次に、上記実施例の変形例について説明する。
本実施例は、スリットの開口面積を規定したことを特徴としている。
つまり、図8は、現像剤搬送部材の軸方向一方側から見た場合の任意断面での仕切り部50A表面を流れる現像剤量に対してスリット54を通過させる現像剤量の割合を変化させて実験した結果を示す表図であり、同図に示すように、一途51を通過する現像剤の割合が20%を超えると異常画像が発生することが判明した。
【0055】
そこで、本実施例では、上述した結果に基づき、スリット54の開口面積として、スリット54を通過する現像剤の割合がスリット54の表面を流れる現像量の20%以下となる値に設定されている。
これにより、スリット54を介した滞留現像剤の除去に合わせて異常画像の発生をさらに確実に防止することができる。
【0056】
次に、上記実施例の要部を対象とした別実施例ついて説明する。
本実施例は、仕切り部51の表面を流れる現像剤が下部に位置する現像剤供給側空間SFに流下しやすい断面形状を設定したことを特徴としている。
【0057】
つまり、図9は、図7に示した位置決めを前提として設けられたスリット54を示しており、同図においてスリット54は、仕切り部50Aの厚さ方向での断面形状として、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向する開口幅L1に対して下部に位置する現像剤供給側空間SFに対向する開口幅L2を大きくし、断面形状が下向き漏斗状に形成されている(図9(A)参照)。
【0058】
また、図9(B)は、上述した開口幅の関係を得るために、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向するスリット54の開口面にシート部材55を貼付している構成を示している。
【0059】
以上のような構成においては、スリット54の断面形状が漏斗状とされることにより、スリット54内に現像剤が詰まるのを防止することができる。
【0060】
次に、本発明の別実施形態に係る現像装置の構成について説明する。
図10に示されている現像装置は、図7に示した現像装置の構成に対して、空間およびこの空間に配置される現像剤の搬送部材に関する構成が異なっている。
図10において、現像装置に用いられる現像槽50’には、上下に配置されている第1の現像剤搬送部材51および第2の現像剤搬送部材52に加えて、第1の現像剤搬送部材51と上下の配置関係を持たせて第3の現像剤搬送部材60が設けられている。
【0061】
第1の現像剤搬送部材51が配置されている現像剤回収側空間SRとこれの下方に位置する第3の現像剤搬送部材60が配置されている攪拌混合部側空間SBとは、仕切り部50Aにより隔絶され、図4に示した場合と同様に、仕切り部50Aに設けられている連通部(図示しないが、図4において符号50B,50Cで示す構成)を介して連通している。
仕切り部50Aは、その先端が、現像スリーブ1から現像剤が剥離する位置よりも若干回転方向下流側に指向しており、現像スリーブ1から現像剤を捕集して現像剤回収側空間SRに導入するようになっている。
【0062】
一方、現像剤の供給を行う第2の現像剤搬送部材が配置されている現像剤供給側空間SFは、第3の現像剤搬送部材60が配置されている空間と仕切り部50Dを介して隔絶されており、上述した仕切り部50Aと同様な構成からなる連通部が設けられて空間同士が連通している。
【0063】
上述した第3の現像剤搬送部材60は、図4に示した構成における第1の現像剤搬送部材51の機能を代用する部材であり、具体的には、現像剤回収側空間SRで第1の現像剤搬送部材51により攪拌搬送されて落下してくる回収現像剤の濃度を一定に維持するための部材である。このため、攪拌混合部側空間SBには、図示しないが、トナーの補給部が接続されており、補給されたトナー後現像剤とが第3の現像剤搬送部材60により攪拌混合される。
【0064】
攪拌混合部側空間SBに落下した現像剤は、トナー濃度センサNRによって濃度検知され、その検知結果に応じてトナー濃度が低下していると判断した場合に上述したトナーの補給および攪拌混合を実行される。
【0065】
上述した現像装置の構成を対象として特徴について説明する。
図11(A)において、現像剤回収部側空間SRと攪拌混合部側空間SBとを隔絶する仕切り部50Aと、攪拌混合部側空間SBと現像剤供給側空間SFとを隔絶する仕切り部50Dとが交差する位置には、現像剤の落下が可能なスリット(便宜押、符号54’で示す)が仕切り部50A側に設けられている。
【0066】
スリット54’は、図11に示すように、現像剤搬送部材の軸方向端面側から見た状態で、第1の現像剤搬送部材51の外周面から垂下させた重力方向に平行な線hと仕切り部50Aのうちで現像剤回収側空間SR内の周方向端部から現像スリーブ1に対向する先端までの領域とが交差する箇所を含む位置において、図11(B)に示すように、現像スリーブ1の長手方向に相当する軸方向全域に亘って設けられている。
【0067】
本実施例は、以上のような構成であるから、経時使用により流動性の低下した現像剤が仕切り部50Aの表面に滞った場合でも、スリット54’を介して攪拌混合部側空間SB内に導入することができる。これにより、現像スリーブ1から剥離された現像剤が仕切り部50Aの先端側に溜まることで生じる搬送ムラを防止することができる。
また、スリット54’を介して攪拌混合部側空間SB内に現像剤が導入されると、攪拌混合部側空間SBで第3の現像剤搬送部材60により攪拌混合された後、現像剤供給側空間SFRに搬送されることになるので、現像剤濃度ムラを解消された状態で供給されることになる。
【0068】
スリット54’は、図11を用いて説明したように、仕切り部50Aと仕切り部50Dとが交差する位置で、上述した第1の現像剤搬送部材51外周面から垂下させた線h仕切り部50Aのうちで現像剤回収側空間SR内の周方向端部から現像スリーブ1に対向する先端までの領域とが交差する箇所を含む位置に設けられているが、スリット内側の対向面の構成が図12に示す構成とされている。
【0069】
図12において、スリット54’は、仕切り部50Aの厚さ方向での断面形状として、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向する開口幅L1に対して下部に位置する攪拌混合部側空間SBに対向する開口幅L2を大きくし、断面形状が下向き漏斗状に形成されている(図12(A)参照)。
【0070】
また、図12(B)は、上述した開口幅の関係を得るために、上部に位置する現像剤回収側空間SRに対向するスリット54’の開口面にシート部材55を貼付している構成を示している。
【0071】
スリット54’は、現像剤の導入側よりも出口側での開口面積が大きくされているので、内部で詰まることがなく、円滑な流れを得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
5 現像装置
5A 現像スリーブ
50 現像槽
50A、50A’ 仕切り部
51 第1の現像剤搬送部材(現像剤回収部材)
52 第2の現像剤搬送部材(現像剤供給部材)
53 ドクターブレード
54、54’ スリット
SR 現像剤回収側空間
SF 現像剤供給側空間
a,b 現像スリーブの上周面側および下周面側から延長された水平線
h 第1の現像剤搬送部材の周面における現像スリーブに対向する側の周面出延長された重力方向の線
100 画像形成装置本体
102 プロセスカートリッジ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開平05−33691号公報
【特許文献2】特開平11−174810号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体に対向してトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤を供給可能な現像剤担持体と、
該現像剤担持体の周方向における前記潜像担持体との対峙位置下方に配置された現像剤の層厚規定部材と、
前記現像剤担持体の近傍で上下に配置されて現像剤を攪拌混合しながら搬送可能な複数の現像剤搬送部材と、
前記現像剤搬送部材のうちで、現像後の現像剤が回収されて攪拌搬送される空間と、回収された現像剤の濃度を適正化するように補給されたトナーとを攪拌混合させたうえで現像剤担持体に向け現像剤を搬送可能な空間とが仕切り部により隔絶され、前記現像剤搬送部材の長手方向両端で空間同士が連通している構成からなる現像槽とを備え、
前記上下に配置されている複数の現像剤搬送部材が配置されている空間を隔絶する仕切り部には、前記現像剤を落下させるスリットが設けられ、該スリットは、前記各空間の連通部以外で仕切り部先端以外の位置に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記複数の現像剤搬送部材として、前記現像剤担持体の近傍で上下に配置されて現像剤を攪拌混合しながら搬送可能な第1,第2の現像剤搬送部材とを備え、
これら第1,第2の現像剤搬送部材が配置されている空間を隔絶する前記仕切り部は、
その先端と前記現像剤担持体表面との間の対向間隔が所定間隔に規定されると共に、該先端から基端寄りの位置に前記各空間を連通する前記スリットが設けられていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記複数の現像剤搬送部材として、前記第1の現像剤搬送部材の下方に配置された第3の現像剤搬送部材と該第3の現像剤搬送部材と隣接して配置された第2の現像剤搬送部材とを備え、
前記第1の現像剤搬送部材が配置されている空間とこれの下方に位置して第3の現像剤搬送部材が配置されている空間と該第3の現像剤搬送部材が配置されている空間とを隔絶する仕切り部と前記第2の現像剤搬送部材が配置されている空間とを隔絶する仕切り部との交差部には、前記第1の現像剤搬送部材が配置されている空間から前記第3の現像剤搬送部材が配置されている空間に向けて現像剤を導入可能なスリットが設けられていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項4】
前記スリットは、前記第1、2、3の現像剤搬送部材の少なくとも一つの現像剤搬送方向に平行して設けられ、該現像剤搬送部材のうちで上部空間に位置する現像剤搬送部材の長手方向一方側から見た場合に、該現像剤搬送部材における前記現像剤担持体と対向する側の周面で設定した重力方向の線と前記仕切り部とが交差する位置もしくは、交差位置近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項5】
前記スリットは、前記仕切り部表面を前記現像剤搬送部材に向け移動する現像剤の移動方向において、前記現像剤搬送部材のうちで下部空間に位置する現像剤搬送部材の断面中心から前記上部空間に位置する現像剤搬送部材に近い側にずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項6】
前記スリットの開口面積は、前記現像剤担持体から前記上部空間に位置する現像剤搬送部材に向けて前記仕切り部上を移動する現像剤量の20%以下の現像剤が前記上部側空間から下部側空間に流れ込むことができる面積に設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちの一つに記載の現像装置。
【請求項7】
前記スリットは、前記上部側空間に対向する開口面積に対して前記下部側空間に対向する開口面積を大きくされていることを特徴とする請求項1乃至6のうちの一つに記載の現像装置。
【請求項8】
少なくとも画像形成処理に用いられる潜像担持体およびこれに担持されている静電潜像の可視像処理に用いられる現像装置を纏めて収容可能なプロセスカートリッジであって、該現像装置は請求項1乃至7のうちの一つに記載の現像装置が用いられることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項8記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセスカートリッジが複数色の画像形成部に設けられていることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項1】
潜像担持体に対向してトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤を供給可能な現像剤担持体と、
該現像剤担持体の周方向における前記潜像担持体との対峙位置下方に配置された現像剤の層厚規定部材と、
前記現像剤担持体の近傍で上下に配置されて現像剤を攪拌混合しながら搬送可能な複数の現像剤搬送部材と、
前記現像剤搬送部材のうちで、現像後の現像剤が回収されて攪拌搬送される空間と、回収された現像剤の濃度を適正化するように補給されたトナーとを攪拌混合させたうえで現像剤担持体に向け現像剤を搬送可能な空間とが仕切り部により隔絶され、前記現像剤搬送部材の長手方向両端で空間同士が連通している構成からなる現像槽とを備え、
前記上下に配置されている複数の現像剤搬送部材が配置されている空間を隔絶する仕切り部には、前記現像剤を落下させるスリットが設けられ、該スリットは、前記各空間の連通部以外で仕切り部先端以外の位置に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記複数の現像剤搬送部材として、前記現像剤担持体の近傍で上下に配置されて現像剤を攪拌混合しながら搬送可能な第1,第2の現像剤搬送部材とを備え、
これら第1,第2の現像剤搬送部材が配置されている空間を隔絶する前記仕切り部は、
その先端と前記現像剤担持体表面との間の対向間隔が所定間隔に規定されると共に、該先端から基端寄りの位置に前記各空間を連通する前記スリットが設けられていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記複数の現像剤搬送部材として、前記第1の現像剤搬送部材の下方に配置された第3の現像剤搬送部材と該第3の現像剤搬送部材と隣接して配置された第2の現像剤搬送部材とを備え、
前記第1の現像剤搬送部材が配置されている空間とこれの下方に位置して第3の現像剤搬送部材が配置されている空間と該第3の現像剤搬送部材が配置されている空間とを隔絶する仕切り部と前記第2の現像剤搬送部材が配置されている空間とを隔絶する仕切り部との交差部には、前記第1の現像剤搬送部材が配置されている空間から前記第3の現像剤搬送部材が配置されている空間に向けて現像剤を導入可能なスリットが設けられていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項4】
前記スリットは、前記第1、2、3の現像剤搬送部材の少なくとも一つの現像剤搬送方向に平行して設けられ、該現像剤搬送部材のうちで上部空間に位置する現像剤搬送部材の長手方向一方側から見た場合に、該現像剤搬送部材における前記現像剤担持体と対向する側の周面で設定した重力方向の線と前記仕切り部とが交差する位置もしくは、交差位置近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項5】
前記スリットは、前記仕切り部表面を前記現像剤搬送部材に向け移動する現像剤の移動方向において、前記現像剤搬送部材のうちで下部空間に位置する現像剤搬送部材の断面中心から前記上部空間に位置する現像剤搬送部材に近い側にずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像装置。
【請求項6】
前記スリットの開口面積は、前記現像剤担持体から前記上部空間に位置する現像剤搬送部材に向けて前記仕切り部上を移動する現像剤量の20%以下の現像剤が前記上部側空間から下部側空間に流れ込むことができる面積に設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちの一つに記載の現像装置。
【請求項7】
前記スリットは、前記上部側空間に対向する開口面積に対して前記下部側空間に対向する開口面積を大きくされていることを特徴とする請求項1乃至6のうちの一つに記載の現像装置。
【請求項8】
少なくとも画像形成処理に用いられる潜像担持体およびこれに担持されている静電潜像の可視像処理に用いられる現像装置を纏めて収容可能なプロセスカートリッジであって、該現像装置は請求項1乃至7のうちの一つに記載の現像装置が用いられることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項8記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセスカートリッジが複数色の画像形成部に設けられていることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−61631(P2013−61631A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−144120(P2012−144120)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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