説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】トナー洩れを確実に防止できる現像装置、プロセスカートリッジ、現像器カートリッジ、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 外周面上の現像剤を保持、搬送する現像ローラ15に対して、一端を現像現像剤搬送方向下流側で支持し、他端を現像ローラ15外周面に接触させることにより、現像ローラ15の外周面に保持された現像剤を規制する現像剤規制ブレード17を有する現像装置11において、現像ローラ15両端外周部に接する第1のシール部材641と現像剤規制ブレード17両端に接する第2のシール部材642とを有し、シール部材64はそれぞれが異なる材質であるが、一体である現像装置11とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の感光体上に潜像を形成して現像装置でトナーを付着させ顕像化し、それを転写して用紙に記録する画像形成装置の現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤として帯電微粒子であるトナーを用い、このトナーを静電潜像に静電気的に付着させることにより現像を行う現像装置においては、トナーが現像装置から洩れてしまうという問題がある。トナーが現像装置から洩れると、この現像装置を備えた画像形成装置本体の内部が汚れてしまい、その結果印字不良が発生したり、更には現像装置の交換時に作業者の手や着衣が汚れてしまうことがあった。
特に、トナーを担持しながら搬送する機能を有する現像ローラ上に、層厚規制ブレードによってトナーの薄層を形成し、これを静電潜像に対向させて現像を行う非磁性1成分現像の場合には、回転する現像ローラの周辺からのトナー洩れが生じ易い。
そこで、従来は、現像装置の内部にトナー洩れ防止部材を設けることにより、以上のようなトナー洩れを防止していた。例えば、現像ローラ周辺には、現像ローラの両端部方向からのトナー洩れを防止するために、サイドシールと呼ばれるトナー洩れ防止部材を現像ローラの両端部の周面に摺擦させると共に、現像ローラの下方に形成される現像ローラとトナー収容容器の開口部との隙間からのトナー洩れを防止するために、樹脂フィルムのトナー洩れ防止部材を現像ローラの下方にて現像ローラに摺擦させていた。更に、現像ローラの上方に形成される現像ローラとトナー収容容器の開口部との隙間からのトナー洩れを防止するためには、前記層厚規制ブレードを現像ローラに押圧させることによって、前記層厚規制ブレードにトナー洩れ防止部材としての機能を持たせるなどしている。
【0003】
しかしながら、規制ブレード両端部は、サイドシールに接触させることでシール性を持たせるのが一般的だが、接触圧が強いとシール性が向上する反面、現像ローラへの押し当て力が増大してしまい、中央部と圧力偏差が出来てしまう。
これに対して、特許文献1では、端部に切りかきを入れることで、サイドシールとの接触面積を減らしシール性を確保している。しかしながら、規制ブレードは板ばねをL字のように角度を付けて曲げるのが一般的であり、L字曲げされた突起になった部分(断面)がサイドシールに突き刺すため、サイドシールに柔軟性が無いと、反発力が発生し、圧力偏差が出てしまう。または、悪くすると、柔軟性のないサイドシールと規制ブレードのL字曲げ部と隙間が出来て、トナー漏れが発生してしまう可能性もある。また、特許文献2では、現像ローラの端部の粗さを小さくし、トナーの付着量を減らすことでトナー漏れを防止している。また、規制ブレードにサイドシールを伸ばして貼ることでシール性も向上させている。しかしながら、規制ブレード端部とサイドシールがオーバーラップできない形状のため、隙間が生じた場合、トナーが回り込んで現像ローラ上に付着する可能性がある。規制ブレードを通過しない薄層化されていないトナーは帯電が不足しているため、当接しているドラムに付着してしまう。画像領域外であるとは言え、ドラムユニット側のクリーニングユニットにダメージを与えてしまう可能性がある。
【0004】
また、現像ローラの下方からのトナー漏れ防止のために設けられている入り口シール(樹脂フィルム等)とサイドシールに隙間を作らないようにオーバーラップさせるのが一般的だが、サイドシールが硬い材質であると、入り口シールが浮いてしまい、そこからトナーが漏れてしまう。浮くことで、現像ローラとの接触面がよれることもあり、現像ローラへの当り方が変化し、そこからも漏れてしまう。文献1では、浮き防止用の部材を付けることで、対応している。現像剤として、流動性に優れ、高画質な印字が可能な重合トナーが近年は多く使用されるため、従来以上のシール性が求められている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−242077
【特許文献2】特開2001−022179
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、前記問題を解決し、トナー洩れを確実に防止できる現像装置、プロセスカートリッジ、現像器カートリッジ、及び画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の現像装置では、外周面上の現像剤を保持、搬送する回転体に対して、一端を現像現像剤搬送方向下流側で支持し、他端を回転体外周面に接触させることにより、回転体の外周面に保持された現像剤を規制する現像剤規制板を有する現像装置において、回転体両端外周部に接する第1のシール部材と現像剤規制部材両端に接する第2のシール部材とを有し、シール部材はそれぞれが異なる材質であるが、一体であることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、第1のシール部材は、第2のシール部材より習動性の良い材質であることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、第2のシール部材は第1のシール部材より柔らかい材質であることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、第1のシール部材の材質は、テフロン(登録商標)製のフェルト材質であることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、第2のシール部材の材質には、切り込みが入っていることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、一体の第1及び第2のシール部材は、(組付け前の状態で)円弧部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のプロセスカートリッジでは、上記記載の現像装置と感光体、帯電手段及びクリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置では、上記記載のプロセスカートリッジ又は上記記載の現像装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、上記記載のプロセスカートリッジ又は上記記載の現像装置を複数個備えたことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、前記現像装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の現像装置では、折り曲げたブレードの端部に余分な負荷がかからないように、第2のシール部材の材質を第1のシール部材641の材質よりも柔らかくすることで、負荷がかからず、且つシールできる。従来は、入り口シールはサイドシールとオーバーラップさせて使い、かつ接触させることでシールする。反面、接触圧のため入り口シール端部は、押し上げられることになる。接触するシールが硬いと浮き上がってしまい、そこからトナー漏れが発生してしまう。また、浮き上がることにより、現像ローラに接触している他端がよれてしまうと、現像ローラとの隙間が発生し、そこからもトナーが漏れてしまう。そこで、本発明の現像装置では、第2のシール部材を従来の習動性を重視した材質よりも柔らかくすることで、浮きが低減できる。現像ローラに接触させる第1のシール部材641は、習動性の高い材質が望ましく、テフロン(登録商標)フェルト等にすることで、トルクの低減も可能である。近年の高画質化の流れを受けて、トナーは小径化しており、トナー漏れにも不利になってきている。本発明により、トナー漏れのない現像装置を提供できる。
また、本発明のプロセスカートリッジでは、高画質/高信頼のプロセスカートリッジを提供することができる。
また、本発明の画像形成装置では、高画質/高信頼の画像形成装置を提供することができ、地肌汚れの少ない高品位な画像を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
図1は、画像形成装置の構成を示す概略図である。図1を参照してプロセスカートリッジが実装された画像形成装置1の構造について説明する。この画像形成装置1の上部には原稿の画像を読み取る画像読取装置2が装着され、内部にはプロセスカートリッジ3が設けられている。このプロセスカートリッジ3の下方には転写用紙Sを案内する用紙搬送路4が形成されている。前記画像読取装置2は、原稿画像を読み取る読取部5と、この読取部5に供給する原稿を載置する原稿トレイ6とを有し、この原稿トレイ6は、支点軸7を中心に水平位置Aから二点鎖線で示す起立位置Bまでに回動し得るように支持されている。なお、原稿トレイ6は図示しないストッパにより水平位置Aと二点鎖線で示す起立位置Bとで安定するように構成されている。
【0012】
前記プロセスカートリッジ3は、ケース状に形成された感光体ケース8に、感光体9を回転自在に設けるとともに、帯電ブラシローラ10と現像装置11とを感光体9の周囲に配置して取り付けることにより形成されている。感光体9の下部外周に対向する転写部12は画像形成装置1側に設けられている。現像装置11は、感光体ケース8に着脱自在に取り付けられた現像ケース13と、この現像ケース13の内部(トナー収納部13e)に収納された現像剤を撹拌する回転自在の撹拌器14と、感光体9に接触する現像ローラ15と、この現像ローラ15に現像剤を供給する供給ローラ16と、現像ローラ15に接触されたブレード17とを有する。さらに、プロセスカートリッジ3の上部には、画像信号に基づいて変調されたレーザ光を感光体9の帯電部分に走査することにより静電潜像を形成する潜像形成部18が設けられている。また、前記画像形成装置1の一側には、前記画像読取装置2により読み取られた原稿を支持するとともに、転写用紙Sを斜めに載置状態で支えるトレイ19が設けられ、このトレイ19の下方には、回転駆動される給紙ローラ20と、一方向に付勢されてトレイ19上の転写用紙Sを給紙ローラ20に圧接する押圧板21と、それぞれ給紙ローラ20に弾性的に接触することにより転写用紙Sの重送を阻止する分離パッド22及び分離ローラ23とが設けられている。
【0013】
給紙ローラ20、分離パッド22、分離ローラ23は前記用紙搬送路4の入口側に配置されている。この用紙搬送路4には、給紙ローラ20よりも下流側に位置するボトムパス24が連通されている。さらに、用紙搬送路4の下流側には、転写用紙S上に転写された画像を定着する定着部25が配置されている。さらに、前記画像形成装置1には、定着部25の上方と前記原稿トレイ6との間に配置された用紙スタッカ26が形成されている。この用紙スタッカ26は、原稿トレイ6を起立位置Bに回動させたときに、その原稿トレイ6の下方延長面上に位置して転写用紙Sを支える受け板27を有している。さらに、トレイ19とは反対側の画像形成装置1の側面付近には、定着部25から排紙された転写用紙Sを水平方向に排紙する排紙口28と、定着部25から排紙された転写用紙Sを反転させて用紙スタッカ26に導く反転排紙路29とが形成されている。この反転排紙路29の上部と下部とには、それぞれ対をなす排紙ローラ30が配置され、また、反転排紙路29と排紙口28との分岐点には、転写用紙Sの排出方向を切り替える切替爪31が回動自在に設けられている。
【0014】
次に、画像読取動作と印刷動作について説明する。原稿の画像を読み取る場合には、図1に実線で示すように、原稿トレイ6を水平位置Aに維持して原稿を読取部5に供給する。供給された原稿は読取部5により画像が読み取られ、トレイ19の上部に立てかけ状態で支持される。このようにして読み取った画像は、外部に送信(ファクシミリの送信モードとしての使用形態)し、或いは、トレイ19から転写用紙Sを給紙してこの転写用紙Sに読取画像を印刷(複写機としての使用形態)することができる。或いは、外部から送信された画像を転写用紙Sに印刷(ファクシミリの受信モードとしての使用形態)することができる。印刷の場合は、図1において、感光体9は時計方向に回転駆動される過程でその表面が帯電ブラシローラ10により帯電され、原稿の読取画像又は外部から受信した画像に基づいて潜像形成部18によって感光体9の帯電部分に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置11により現像される。この現像画像は、給紙ローラ20によりトレイ19から給紙された転写用紙Sに転写される。画像が転写された転写用紙Sは定着部25を通過するときに定着され、切替爪31の向きによって排紙口28又は用紙スタッカ26に排紙される。
【0015】
次に、プロセスカートリッジ3の構造、特に現像装置11の構造について詳述する。図2は、プロセスカートリッジの構成を示す概略図である。図2に示すように、感光体ケース8には、プロセスカートリッジ3を画像形成装置1に対して着脱する際に把持する把手32が形成されていると共に、プロセスカートリッジ3を画像形成装置1から外したときに感光体9の下面を覆い、プロセスカートリッジ3を画像形成装置1にセットしたときに感光体9の下面を開放するシャッタ33が設けられている。現像ケース13は、感光体ケース8の両側の外壁8a,8bの間に着脱可能に支持されている。現像装置11は、現像ローラ15と、一成分トナーを摩擦により帯電させるために外周部がゴム等の摩擦係数の低い弾性材により形成されたローラ部34と、このローラ部34の中心を貫通する金属製の軸部35とを有する。感光体ケース8の外壁8a,8bの間に着脱可能に取り付けられる現像ケース13は、外壁8a,8bの内側に所定の間隔を開けて対向する支持壁13a,13bを備えている。一方の支持壁13aには孔を開けることにより軸部35の一端を回転自在に形成する軸受37が形成され、他方の支持壁13bにはブッシュを装着することで軸受が形成されている。軸受から突出する軸部35の一端には、モータ(図示せず)に駆動される合成樹脂製の歯車が嵌合されている。
【0016】
図3は、現像装置の端部における構造の一部を示す分解斜視図である。図4は、規制ブレードとシール部材との関係を示す現像装置11の一部を示す概略図である。図3、図4に示すように、トナー出口61の両側には、現像ローラ15のローラ部34の両端外周面に接触するサイドシール64が貼付されている。出口シール63の長手方向の両端部はサイドシール64の上に重ねられている。また、片側しか図示しないが、出口シール63の長手方向における両端縁と現像ケース13の支持壁13a,13bとが交わる隅部をシールする隅部シール65と、弾性を有する金属板により形成されたクリップ66とが設けられている。クリップ66は、平坦面62の下面に当接される当接片67と隅部シール65を上から弾性的に押える押圧片68とを有する。平坦面62と出口シール63の両端部と隅部シール65とは、クリップ66の当接片67と押圧片68とで弾性的に挟持されるように構成されている。
さらに本実施の形態では、支持壁13a,13bは平坦面62の先端まで延びていない形状のため、出口シール63の上に置かれる隅部シール65と、クリップ66の押圧片68とは、図3に示すように、支持壁13a,13bの内面13cとこの内面13cと直交する端面13dとに接触するL字形の形状に形成され、隅部シール65はL字形の二辺が上方に捲り上げられて内面13cと端面13dとに接触されるように構成されている。ブレード17は現像ローラ15のローラ部34に押圧されてブレードホルダ42より下方に延出する部分が弾性的に現像ケース13の奥側に屈撓し、くの字形に屈曲された屈曲片52がローラ部34に接触するように設計されているので、図4に一点鎖線で示すように、現像ローラ15のローラ部34とブレード17との接触部Cの位置は、ブレード17の下縁より少し上に示す位置である。
【0017】
そして、図4に示すように、ブレード17には、長手方向の両端部がサイドシール64に対向する幅広部69と、その下方に位置する幅狭部70と、両者の境となる段部71とが形成されている。図4に示すように、段部71は、ローラ部34に対するブレード17の接触部Cよりも上側(現像ローラ15の回転方向の下流側)に位置し、段部71より下側に位置する幅狭部70は、幅広部69がサイドシール64に当接した後も現像ローラ15の圧力によりトナー出口61の奥に向けて屈撓可能な長さに定められている。すなわち、幅狭部70の長さL2はサイドシール64の内側の間隔L1よりもΔLだけ長い寸法に定められている。具体的には、幅狭部70はΔL/2なる幅(0.1〜0.5mm)だけサイドシール64の上に重なるが、この程度の重なり幅ならば、ブレード17の幅狭部70は現像ローラ15の圧力によりサイドシール64の内側のエッジを弾性的に変形させて屈撓し得るものである。
【0018】
このような構成において、ブレード17とサイドシール64とをローラ部34の全長に亘り接触させることができ、且つ、段部71より下の幅狭部70の屈撓作用によりローラ部34の両端を確実にサイドシール64に接触させることができる。
さらに、出口シール63の長手方向における両端縁と現像ケース13の支持壁13a,13bとが交わる隅部を隅部シール65によりシールすることができる。また、出口シール63の両端部と隅部シール65とをクリップ66により同時に平坦面62に押え付けることができる。このときに、隅部シール65はクリップ66により圧縮されて目が詰まるため、トナーの漏れをより有効に防止することができる。
さらに、ブレード17には長手方向の両端部がサイドシール64に対向する幅広部69が形成されているので、トナー出口61の両脇へのトナーの回り込みを少なくすることができる。この場合、幅狭部70は現像ローラ15に押されてもサイドシール64に当接して屈撓作用が損なわれることがない。これにより、現像ローラ15のローラ部34の外周面をサイドシール64に確実に接触させることができる。しかも、幅狭部70の長さL2がサイドシール64の間隔L1よりも僅かに長いので、ブレード17の両脇へのトナーの回り込みを抑制することができる。このようなことにより、現像ローラ15の周囲からのトナー漏れを有効に防止することができる。
【0019】
このような画像形成装置1、現像装置11において、本発明は、外周面上の現像剤を保持、搬送する回転体に対して、一端を現像現像剤搬送方向下流側で支持し、他端を回転体外周面に接触させることにより、回転体の外周面に保持された現像剤を規制する現像剤規制板を有する現像装置11において、回転体両端外周部に接する第1のシール部材641と現像剤規制部材両端に接する第2のシール部材642とを有し、シール部材はそれぞれが異なる材質であるが、一体である。
図5は、シール部材を現像装置に張り付けた構成を示す概略図である。
図5に示すように、規制ブレードはブレードホルダによってケースに固定され、現像ローラに接触する。端部シールは現像ローラに接触する厚さでケースの内面に貼られている。
規制ブレードは図のように内側にくの字、L字のように角度を持って曲げられており、都合規制ブレード17の曲げ部端部は端部シールに食い込むことになる。
また、入り口シールは長方形の樹脂フィルム、またはウレタンシートを使用するのが一般的で一端を現像ケースに貼り付け、一端を現像ローラの下方に接触させる。
本発明では、規制ブレード17の折り曲げ部の両端と端部シールが接触する第2のシール部材642を現像ローラが接触する第1のシール部材641と異なる材質にする。
【0020】
図5は、シール部材の構成を示す概略図である。図6に、シール部材の断面図を示す。第2のシール部材642の一部を削ったような状態にし、第1のシール部材641をその削り部に貼り付ける。または、別材質の物を縫い付けても良い。シールの幅について図6に示す。軸方向の長さは規制ブレード17折り曲げ端部を基準とし、部品仕上がり寸法公差、貼り付け公差を十分に吸収できる幅が望ましい。幅狭部70がシール部材642に接触することが条件であるために、a1、a2のどちらも0以上であることが条件であるが、確実にシール部材642に接触させるためにa1、a2ともに0.5以上であることが望ましい。入り口シール67は、第2のシール部材642の間に納まるように貼り付ける。 さらに、第1のシール部材641は第2のシール部材642より習動性の良い材質であることを特徴としている。第1のシール部材641は現像ローラと接触しトルク低減の目的で、テフロン(登録商標)フェルトを貼り付けても良い。第1のシール部材641をテフロン(登録商標)製フェルトにすることで、習動性が向上し、トルクの増大を防ぎ、あわせてシール性も確保することができ、トナー漏れを防止することができる。また、第2のシール部材642は第1のシール部材641より柔らかく柔軟性があることを特徴としている。
また、一体のシール部材64は、(組付け前の状態で)円弧部が形成されていることを特徴としている。現像ローラの円弧に沿うように端部シールを接触させるため、現像ケースの貼り付け面の形状も円弧になっていることが望ましく、シール貼り付け面と同じく円弧になっている。これで、円弧形状部にシールを貼り付ける場合、シールが平面形状よりも、円弧形状の方がストレスがなく、貼り付け後のしわが発生しにくくして、密閉性を高め、トナー漏れを防止する。
また、第2のシール部材642の材質には、切り込みが入っていることを特徴としている。
図7に切り込みの箇所について説明する。図7は、シール部材の構成を示す概略図である。L字曲げした規制ブレード17が当接する第2のシール部材642に切り込みを入れ、L字部分の断面部分をその切り込み部分に挿入することでスポンジとの当接力を低減し、トナー漏れを防止することができる。ブレード折り曲げ部に該当する部分に切り込みを入れる。深さは、ブレード曲げ部が納まる長さが必要である。
【0021】
次に、本発明の画像形成装置1に好適に使用されるトナーについて説明する。600dpi以上の微小ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は、1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌汚れの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
【0022】
次に、トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図6は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図面面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ……式(1)
SF−1の値が100の場合、トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ……式(2)
SF−2の値が100の場合、トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなりしたがって流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】プロセスカートリッジの構成を示す概略図である。
【図3】現像装置の端部における構造の一部を示す分解斜視図である。
【図4】規制ブレードとシール部材との関係を示す現像装置の一部を示す概略図である。
【図5】シール部材を現像装置に張り付けた構成を示す概略図である。
【図6】シール部材の断面を示す概略図である。
【図7】シール部材の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0024】
1 画像形成装置
3 プロセスカートリッジ
8 感光体ケース
9 感光体
11 現像装置
12 転写部
13 現像ケース
13a 支持壁、ケース壁
13b 支持壁
14,16 回転体
14a,16a 回転軸
15 現像ローラ、回転体
17 ブレード
18 潜像形成部
25 定着部
34 ローラ部
35 軸部
41 外壁
42 ブレードホルダ
43 補強板
44 ブレード取付面
45 逃げ面
56 緩衝材
61 トナー出口
62 平坦面
63 出口シール
64 シール部材
641 第1のシール部材
642 第2のシール部材
65 隅部シール
66 クリップ
67 入り口シール
69 幅広部
70 幅狭部
71 段部
C 接触部
S 転写用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面上の現像剤を保持、搬送する回転体に対して、
一端を現像現像剤搬送方向下流側で支持し、
他端を回転体外周面に接触させることにより、回転体の外周面に保持された現像剤を規制する現像剤規制板を有する現像装置において、
前記現像装置は、現像ケースからのトナーの漏れを防止するシール部材を備え、
該シール部材は、回転体両端外周部に接する第1のシール部材と現像剤規制部材両端に接する第2のシール部材とはそれぞれが異なる材質であるが一体である
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、
第1のシール部材は、第2のシール部材より習動性の良い材質である
ことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1、2に記載の現像装置において、
第2のシール部材は第1のシール部材より柔らかい材質である
ことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1、2、3に記載の現像装置において、
第1のシール部材の材質は、テフロン(登録商標)製のフェルト材質である
ことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1、2、3、4に記載の現像装置において、
第2のシール部材の材質には、切り込みが入っている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4、5に記載の現像装置において、
前記シール部材は、円弧部が形成されている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1から6に記載の現像装置と感光体、帯電手段及びクリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスカートリッジ又は請求項1から6のいずれかに記載の現像装置を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7のプロセスカートリッジ又は請求項1から6のいずれかに記載の現像装置を複数個備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8又は9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像装置で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項8又は9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像手段で用いられるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−181047(P2008−181047A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16092(P2007−16092)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】