説明

現像装置および画像形成装置

【課題】形成される画像に不具合が発生するのを防止する技術を提供する。
【解決手段】回転することにより、トナーTとキャリアCとからなる二成分現像剤を搬送する第1マグネットロール310と、第1マグネットロール310に隣接する位置に設けられ、第1マグネットロール310の回転方向(矢印G方向)に対して逆方向(矢印H方向)に回転することにより、二成分現像剤を搬送する第2マグネットロール320と、第1マグネットロール310および第2マグネットロール320に隣接する位置に設けられ、回転することにより、二成分現像剤のうちのトナーTのみを受け取り、現像する第1ドナーロール410とを備え、第1マグネットロール310および第2マグネットロール320により搬送されたトナーTは、第1マグネットロール310および第2マグネットロール320の両方から第1ドナーロール410に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の現像装置は、感光体ベルトに形成された静電潜像に応じて、トナー画像を感光体ベルトに形成する。このような現像装置は、画像形成装置などに備えられている。従来の画像形成装置は、光学的に静電潜像が形成された感光体ベルトにトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙に転写し、その転写された転写像を用紙に定着させている。
【0003】
従来の現像装置としては、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて、マグネットロールから感光体ベルトにトナーを移動させる装置がある。また、従来の現像装置としては、マグネットロールからドナーロールへ二成分現像剤のうちのトナーだけを移動させ、ドナーロールから感光体ベルトにトナーを移動させる装置がある(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0004】
ところで、マグネットロールからドナーロールに二成分現像剤のうちのトナーだけを移動させて、ドナーロールを感光体ベルトに接触させずに現像する現像方式においては、ドナーロールの表面に形成されるトナー層を安定的かつ形成するトナー画像によらず確保する必要がある。ところが、感光体ベルトの移動速度が上がるまたは所定時間内で形成するトナー画像が増えるかつ形成する画像の画像密度が高くなると、ドナーロールの表面に消費されたトナー層を再形成するまで時間を要し、十分な現像性が確保できず、エッジの再現性などを確保するのが難しい。そこで、従来の提案としては、2個のドナーロールを備える現像装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平04−214581
【特許文献2】特開2005−037523
【特許文献3】特開昭59−019965
【特許文献4】特開平11−024391
【特許文献5】特開平06−202484
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、形成される画像に不具合が発生するのを防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、回転することにより、現像剤とキャリアとからなる二成分現像剤を搬送する第1搬送手段と、前記第1搬送手段に隣接する位置に設けられ、前記第1移動手段の回転方向に対して逆方向に回転することにより、前記二成分現像剤を搬送する第2搬送手段と、前記第1搬送手段および前記第2搬送手段に隣接する位置に設けられ、回転することにより、前記二成分現像剤のうちの前記現像剤のみを受け取り、現像する第1現像手段とを備え、前記第1搬送手段および前記第2搬送手段により搬送された前記現像剤は、前記第1搬送手段および前記第2搬送手段の両方から前記第1現像手段に移動することを特徴とする現像装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1搬送手段または前記第2搬送手段のうちいずれか一方に隣接する位置に設けられ、回転することにより、前記二成分現像剤のうちの前記現像剤のみを受け取り、現像する第2現像手段を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、順行方向または逆行方向のいずれの方向にも回転可能であり、前記第1現像手段を回転させる回転手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の現像装置と、少なくとも2つの画質モードを有しており、前記画質モードのうちいずれか1つの画質モードを選択して、前記回転手段の回転方向を制御する制御手段とを備え、前記制御手段が一方の画質モードを選択した場合には前記回転手段を順行方向に回転させ、前記制御手段が他方の画質モードを選択した場合には前記回転手段を逆行方向に回転させることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、形成される画像に不具合が発生するのを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合と比べて、より多くの現像剤を現像するために使用することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合と比べて、形成する画像に応じてより最適な印字品質を得ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、形成する画像に応じて画質特性を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(画像形成装置の構成)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。まず、画像形成装置の構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置を示す概略構成図である。図2は、制御ユニットの概要を示すブロック図である。
【0015】
画像形成装置1には、図1に示すように、制御ユニット(制御手段)22が設けられている。制御ユニット22は、図2に示すように、CPU(central processing unit)22aと、ROM(read only memory)22bと、RAM(random access memory)22cとを備えている。制御ユニット22は、後述する第2現像装置10の動作を含む画像形成装置1全体の動作を制御する。
【0016】
CPU22aは、後述する第2現像装置10の動作を含む画像形成装置1全体の動作を制御しており、後述する動作を実行する機能を有する。ROM22bは、後述する動作を実行するための動作プログラムおよびその動作に必要なデータを記憶する。
【0017】
RAM22cは、後述する動作手順の実行時において、プログラムデータや各種のデータを一時的に記憶するワーキングエリア、および後述する動作において得られる各種のデータを記憶する記憶手段として機能する。RAM22cには、不揮発性メモリも含まれており、必要なデータは、電源をOFFにしても保持される。
【0018】
画像形成装置1には、図1に示すように、ローラ14,16,18に像保持体である感光体ベルト20が回転自在に掛けられている。感光体ベルト20は、矢印A方向に移動することにより循環回転する。感光体ベルト20の周囲には、ローラ16側から、クリーナ30、第1帯電装置32、第1露光装置34、第1現像装置36、第2帯電装置40、第2露光装置42、第2現像装置(現像装置)10および転写装置24が順に配置されている。
【0019】
クリーナ30は、感光体ベルト20の表面に残ったトナー(現像剤)を除去し、感光体ベルト20の表面の電気を除去する。第1帯電装置32は、クリーナ28によってトナーおよび電気を除去された感光体ベルト20の表面を帯電する。
【0020】
第1露光装置34は、入力される画像データに応じてレーザー光等の光ビームを走査しながら感光体ベルト20に照射する。これにより、感光体ベルト20には、画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0021】
第1現像装置36は、所定の極性に帯電させたトナーが充填されている。第1現像装置36は、静電潜像に応じて感光体ベルト20にトナーを付着させ、トナー画像を形成する。つまり、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0022】
第2帯電装置40は、第1現像装置36と対向する位置を通過した感光体ベルト20を、再度帯電させる。第2露光装置42は、第2帯電装置40によって帯電された感光体ベルト20を露光して、新たな静電潜像を形成する。
【0023】
第2現像装置10は、感光体ベルト20に新たに形成された静電潜像に応じてトナー画像を形成する。第2現像装置10の感光体ベルト20を挟んで対向する位置には、第2現像装置10と感光体ベルト20との距離を所定の距離に支持するための支持ロール44が設けられている。なお、第2現像装置10の詳細については後述する。
【0024】
転写装置24は、ローラ14,16の間に対向する位置に設けられている。用紙Pは、感光体ベルト20が回転するのに合わせて、ローラ14側から、ローラ14,16の間で感光体ベルト20に対向するように矢印B方向に沿って送り込まれる。これにより、用紙Pが転写装置24を通過して、感光体ベルト20に形成されているトナー画像が転写される。
【0025】
また、転写装置24を通過した用紙Pは、用紙Pの搬送方向(矢印B方向)において転写装置24より下流側に設けられている定着装置26へ送り込まれる。
【0026】
定着装置26は、一対の定着ローラ28を備えている。定着装置26は、定着ローラ28によって用紙Pを挟むことにより、用紙Pを加熱しながら加圧して、用紙Pに転写されたトナーを用紙Pに定着させる。これにより、用紙Pに画像が形成される。また、用紙Pは、定着ローラ28によって送り出される。
【0027】
(画像形成装置の動作)
次に、画像形成装置1の動作について図1を参照して説明する。
【0028】
画像形成装置1は、制御ユニット22により画像形成が指示されると、感光体ベルト20を所定の速度で回転させる。このとき、クリーナ30は、対向する感光体ベルト20の表面に残っているトナーおよび電気を除去する。第1帯電装置32は、クリーナ30によってトナーおよび電気が除去された感光体ベルト20を帯電する。
【0029】
その後、生成された画像データに基づいて、第1露光装置34により帯電された感光体ベルト20へ向けて光ビームが照射される。このとき、光ビームを画像データに基づいて走査することにより、感光体ベルト20に画像データに応じた静電潜像が形成される。そして、感光体ベルト20に形成された静電潜像が第1現像装置36に対向する位置に移動すると、第1現像装置36により感光体ベルト20にトナーが供給される。これにより、感光体ベルト20にトナー画像が形成される。つまり、感光体ベルト20に形成された静電潜像が現像される。
【0030】
第1現像装置36から供給されたトナーによるトナー画像が形成された感光体ベルト20は、第2帯電装置40に対向することにより再度帯電され、第2露光装置42に対向することにより画像データに基づいて静電潜像が形成される。
【0031】
再度、静電潜像が形成された感光体ベルト20は、第2現像装置10に対向することにより、第2現像装置10からトナーが供給される。これにより、感光体ベルト20には、トナーによるトナー画像が形成される。つまり、感光体ベルト20に形成された静電潜像が現像される。そして、感光体ベルト20に形成されたトナー画像は、感光体ベルト20が移動するのに合わせて転写装置24に送り込まれる用紙Pに転写される。
【0032】
トナー画像が転写された用紙Pは、転写装置24から定着装置26へ送り込まれることにより、定着ローラ28によって加熱されながら加圧される。これにより、トナーが用紙Pに定着する。この後、用紙Pが定着装置26から送り出される。
【0033】
(第2現像装置の構成)
次に、第2現像装置10の構成について図3を参照して説明する。図3は、第2現像装置を示す概略構成図である。
【0034】
第2現像装置10は、図3に示すように、トナー供給装置100と、攪拌装置200と、搬送部300と、現像部400とを備えている。第2現像装置10は、トナーTとキャリアCとからなる二成分現像剤を用いて、感光体ベルト20と現像部400とを接触させずに、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0035】
トナー供給装置100は、トナーカートリッジ110と、ディスペンサー120とを備えている。トナー供給装置100は、攪拌装置200にトナーTを供給する。トナーカートリッジ110は、トナーカートリッジ110内にトナーTが充填されており、ディスペンサー120にトナーTを供給する。ディスペンサー120は、第1搬送ロール121と、第2搬送ロール122とを備えている。ディスペンサー120は、第1搬送ロール121が矢印D方向に回転し、第2搬送ロール122が矢印E方向に回転することにより、トナーカートリッジ110から供給されたトナーTを攪拌装置200に供給する。
【0036】
攪拌装置200は、ブレンダー210と、パドル220とを備えている。攪拌装置200は、トナーTと鉄粉からなるキャリアCとを攪拌して二成分現像剤とし、この二成分現像剤を搬送部300に搬送する。ブレンダー210は、矢印F方向に回転することで、トナー供給装置100から搬送されてきたトナーTとキャリアCとを攪拌し、トナーTを帯電させて、キャリアCに付着させる。パドル220は、円筒状に形成されており、回転自在に設けられている。パドル220は、矢印F方向に回転することにより、トナーTをキャリアCに付着させた二成分現像剤を搬送部300に搬送する。
【0037】
搬送部300は、第1マグネットロール(第1搬送手段)310と、第2マグネットロール(第2搬送手段)320と、第1トリマバー330とを備えている。搬送部300は、攪拌装置200から搬送されてきた二成分現像剤を現像部400に搬送する。
【0038】
第1マグネットロール310は、第1スリーブ311と、第1磁石312とを備えている。第1マグネットロール310は、二成分現像剤を搬送する。第1スリーブ311は、非磁性材料を円筒状に形成したものであり、回転自在に設けられている。第1スリーブ311は、矢印G方向に回転する。
【0039】
第1磁石312は、第1スリーブ311の内部に固定されている。第1磁石312は、第1マグネットロール310の下部から矢印G方向にS極とN極とが交互に配置され、最後にS極が配置されてから第1マグネットロール310の下部のS極まで所定の間隔を設けて配置されている。この所定の間隔を設けた部分は磁力がないので、この所定の間隔を設けた部分まで搬送されたキャリアCは第1スリーブ311から離間する。第1磁石312は、第2マグネットロール320と近接する部分にN極を配置している。第1磁石312は、キャリアCを吸引することにより、第1スリーブ311の表面に二成分現像剤を付着させて、磁気ブラシを形成する。
【0040】
第1マグネットロール310は、攪拌装置200により第1マグネットロール310の下部まで搬送された二成分現像剤を、第1磁石312の磁力により第1スリーブ311の表面に付着させて、第1スリーブ311の表面に磁気ブラシを形成する。そして、第1スリーブ311が矢印G方向に回転することにより矢印G方向に二成分現像剤を搬送し、二成分現像剤のうちのトナーTのみを現像部400に受け渡す。その後、キャリアCをさらに矢印G方向に搬送することにより、キャリアCを第1スリーブ311から離間させて、攪拌装置200に戻す。
【0041】
第2マグネットロール320は、第2スリーブ321と、第2磁石322とを備えている。第2マグネットロール320は、二成分現像剤を搬送する。第2スリーブ321は、非磁性材料を円筒状に形成したものであり、回転自在に設けられている。第2スリーブ321は、第1マグネットロール310の回転方向(矢印G方向)に対して逆方向(矢印H方向)に回転する。
【0042】
第2磁石322は、第2スリーブ321の内部に固定されている。第2磁石322は、第1マグネットロール310と近接する部分から矢印H方向にN極とS極とが交互に配置され、最後にN極が配置されてから第1マグネットロール310と近接する部分のN極まで所定の間隔を設けて配置されている。この所定の間隔を設けた部分は磁力がないので、この所定の間隔を設けた部分まで搬送されたキャリアCは第2スリーブ321から離間する。
【0043】
第2磁石322は、第1マグネットロール310と近接する部分にN極を配置している。そのため、第1マグネットロール310により搬送された二成分現像剤は、第2磁石322の磁力により、第1マグネットロール310から第2マグネットロール320へと分割される。つまり、第1マグネットロール310により搬送された二成分現像剤は、第1磁石312および第2磁石322の磁力のバランスにより、第1マグネットロール310から第2マグネットロール320へと分割される。第2磁石322は、キャリアCを吸引することにより、第2スリーブ321の表面に二成分現像剤を付着させて、磁気ブラシを形成する。
【0044】
なお、本実施形態では、第1マグネットロール310と第2マグネットロール320とが近接する部分に共にN極が固定されているが、この場合に限らず、近接する部分に共にS極が固定されている実施形態でもよい。
【0045】
第2マグネットロール320は、第1マグネットロール310により第2マグネットロール320と近接する部分まで搬送された二成分現像剤を、第2磁石322の磁力により分割して、第2スリーブ321の表面に付着させ、磁気ブラシを形成する。そして、第2スリーブ321が矢印H方向に回転することにより矢印H方向に二成分現像剤を搬送し、二成分現像剤のうちのトナーTのみを現像部400に受け渡す。その後、キャリアCをさらに矢印H方向に搬送することにより、キャリアCを第2スリーブ321から離間させて、攪拌装置200に戻す。
【0046】
第1層厚規制部材である第1トリマバー330は、第1マグネットロール310と第2マグネットロール320との間に設けられている。第1トリマバー330は、第1マグネットロール310に形成された磁気ブラシの高さを規制する。第1トリマバー330は、磁気ブラシの高さを規制することにより、磁気ブラシの高さを所定の高さにし、二成分現像剤が第1マグネットロール310と第2マグネットロール320との間に詰まるなど、二成分現像剤を搬送するときの不具合が発生するのを防止する。
【0047】
現像部400は、第1ドナーロール(第1現像手段)410と、第2ドナーロール(第2現像手段)420と、第3ドナーロール(第2現像手段)430と、第2トリマバー440と、第3トリマバー450と、回転装置(回転手段)460とを備えている。
【0048】
第1ドナーロール410は、第1マグネットロール310および第2マグネットロール320に隣接する位置に設けられている。第1ドナーロール410は、感光体ベルト20と所定の距離を有するように設けられている。つまり、第1ドナーロール410は、感光体ベルト20と接触しない位置に設けられている。第1ドナーロール410には、第1ドナーロール410と第1マグネットロール310との間および第1ドナーロール420と第2マグネットロール320との間にバイアス電圧が印加されている。第1ドナーロール410は、回転装置460により順行方向(矢印I方向)または逆行方向(矢印I方向の逆方向)に回転する。
【0049】
回転装置460は、制御ユニット22の順行回転制御により、第1ドナーロール410を感光体ベルト20の搬送方向(矢印A方向)に対して順行方向(矢印I方向)に回転させる。また、回転装置460は、制御ユニット22の逆行回転制御により、第1ドナーロール410を感光体ベルト20の搬送方向(矢印A方向)に対して逆行方向(矢印I方向の逆方向)に回転させる。つまり、制御ユニット22は、回転装置460の回転方向を制御することにより、第1ドナーロール410の回転方向を制御する。
【0050】
ここで、制御ユニット22による回転装置460の制御方法の一例は、制御ユニット22が細線画像重視モードおよびベタ画像重視モードの2つの画質モードを有しており、制御ユニット22が2つの画質モードのうちいずれか一方の画質モードを選択して、回転装置460の回転方向を制御する。
【0051】
具体的には、図示省略した画像読取装置に読み込ませた原稿の画像データに基づいて、制御ユニット22が細線画像重視モードまたはベタ画像重視モードの2つの画質モードのうちいずれか一方を選択する。または、図示省略した入力手段により図示省略した作業者が入力した情報に基づいて、制御ユニット22が細線画像重視モードまたはベタ画像重視モードの2つの画質モードのうちいずれか一方を選択する。
【0052】
そして、制御ユニット22が細線画像重視モードを選択した場合には、制御ユニット22の順行回転制御により回転装置460を介して第1ドナーロール410を順行方向(矢印I方向)に回転させる。一方、制御ユニット22がベタ画像重視モードを選択した場合には、制御ユニット22の逆行回転制御により回転装置460を介して第1ドナーロール410を逆行方向(矢印I方向の逆方向)に回転させる。このように、制御ユニット22は、形成するトナー画像に応じて、回転装置460を順行方向(矢印I方向)または逆行方向(矢印I方向の逆方向)に回転させる。
【0053】
回転装置460は、制御ユニット22の順行回転制御または逆行回転制御により、第1ドナーロール410を順行方向(矢印I方向)または逆行方向(矢印I方向の逆方向)に回転させる。このように、第1ドナーロール410が順行方向(矢印I方向)または逆行方向(矢印I方向の逆方向)のうちのどちら方向に回転したとしても、第1マグネットロール310と第2マグネットロール320とが互いに逆方向に回転するため、マグネットロールを1個だけ備えている場合に比べて、第1ドナーロール410に形成されるトナー層の形成に影響を与えず、安定的にトナー層を形成することができる。
【0054】
第1ドナーロール410は、第1マグネットロール310および第2マグネットロール320により搬送された二成分現像剤のうちのトナーTのみを、第1マグネットロール310および第2マグネットロール320の両方から受け取る。第1ドナーロール410は、トナーTを受け取ることによって、第1ドナーロール410の表面にトナー層を形成する。第1ドナーロール410は、順行方向(矢印I方向)または逆行方向(矢印I方向の逆方向)に回転することにより、その受け取ったトナーTを搬送する。第1ドナーロール410は、第1ドナーロール410上のトナーTを感光体ベルト20に飛翔させて、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0055】
第2ドナーロール420は、第1マグネットロール310に隣接する位置に設けられている。第2ドナーロール420は、感光体ベルト20と接触しない位置に設けられている。第2ドナーロール420には、第2ドナーロール420と第1マグネットロール310との間にバイアス電圧が印加されている。第2ドナーロール420は、第1マグネットロール310により搬送された二成分現像剤のうちのトナーTのみを、第1マグネットロール310から受け取る。第2ドナーロール420は、トナーTを受け取ることによって、第2ドナーロール420の表面にトナー層を形成する。第2ドナーロール420は、矢印J方向に回転することにより、その受け取ったトナーTを搬送する。第2ドナーロール420は、第2ドナーロール420上のトナーTを感光体ベルト20に飛翔させて、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0056】
第3ドナーロール430は、第2マグネットロール320に隣接する位置に設けられている。第1ドナーロール410は、感光体ベルト20と接触しない位置に設けられている。第3ドナーロール430には、第3ドナーロール430と第2マグネットロール320との間にバイアス電圧が印加されている。第3ドナーロール430は、第2マグネットロール320により搬送された二成分現像剤のうちのトナーTのみを、第2マグネットロール320から受け取る。第3ドナーロール430は、トナーTを受け取ることによって、第3ドナーロール430の表面にトナー層を形成する。第3ドナーロール430は、矢印K方向に回転することにより、その受け取ったトナーTを搬送する。第3ドナーロール430は、第3ドナーロール430上のトナーTを感光体ベルト20に飛翔させて、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0057】
第2ドナーロール420は矢印J方向に回転し、第3ドナーロール430は矢印K方向に回転する。つまり、第2ドナーロール420は感光体ベルト20の搬送方向(矢印A方向)に対して逆行方向に回転し、第3ドナーロール430は感光体ベルト20の搬送方向(矢印A方向)に対して順行方向に回転する。このように、第2ドナーロール420と第3ドナーロール430とが互いに逆方向に回転しているため、形成する画像の画質特性が偏るのを防止することができる。
【0058】
第2層厚規制部材である第2トリマバー440は、第1ドナーロール410と第2ドナーロール420との間に設けられている。第2トリマバー440は、第1ドナーロール410および第2ドナーロール420に形成されたトナー層の高さを規制する。第2トリマバー440は、トナー層の高さを規制することにより、トナー層を所定の高さにする。
【0059】
第3層厚規制部材である第3トリマバー450は、第1ドナーロール410と第3ドナーロール430との間に設けられている。第3トリマバー450は、第1ドナーロール410および第3ドナーロール430に形成されたトナー層の高さを規制する。第3トリマバー450は、トナー層の高さを規制することにより、トナー層を所定の高さにする。
【0060】
(第2現像装置の動作)
次に、第1ドナーロール410が順行方向に回転する場合の第2現像装置10の動作について図3を参照して説明する。
【0061】
トナー供給装置100のトナーカートリッジ110内に充填されているトナーTは、ディスペンサー120により攪拌装置200に供給される。その供給されたトナーTは、攪拌装置200のブレンダー210によりキャリアCと攪拌されて、キャリアCに付着する。その付着したトナーTとキャリアCとからなる二成分現像剤は、攪拌装置200のパドル220により第1マグネットロール310の下部まで搬送される。
【0062】
攪拌装置200により搬送された二成分現像剤は、第1マグネットロール310の第1磁石312の磁力により第1スリーブ311の表面に吸引される。このとき、第1スリーブ311の表面には磁気ブラシが形成される。そして、第1スリーブ311の表面に形成された磁気ブラシは、第1スリーブ311が矢印G方向に回転することにより第2マグネットロール320と近接する部分まで移動する。このとき、第1トリマバー330により磁気ブラシの高さが制限され、磁気ブラシの高さが所定の高さになる。
【0063】
第2マグネットロール320と近接する部分まで移動してきた二成分現像剤は、第2マグネットロール320の第2磁石322の磁力により、第2マグネットロール320へと分割される。そして、第1マグネットロール310に残った二成分現像剤は、第1マグネットロール310により矢印G方向に搬送される。一方、第2マグネットロール320に移動した二成分現像剤は、第2マグネットロール320により矢印H方向に搬送される。
【0064】
第1マグネットロール310および第2マグネットロール320により搬送された二成分現像剤のうちのトナーTのみは、第1マグネットロール310および第2マグネットロール320の両方から第1ドナーロール410に移動する。このとき、第1ドナーロール410にトナー層が形成される。そして、第1ドナーロール410が順行方向(矢印I方向)に回転するとトナーTが搬送される。このとき、第2トリマバー440によりトナー層の高さが制限され、トナー層の高さが所定の高さになる。そして、第1ドナーロール410がさらに順行方向(矢印I方向)に回転すると、第1ドナーロール410上のトナーTを感光体ベルト20に飛翔させて、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0065】
第1ドナーロール410に移動しなかったトナーTが第1マグネットロール310により矢印G方向にさらに搬送されると、二成分現像剤のうちのトナーTのみが第1マグネットロール310から第2ドナーロール420に移動する。このとき、第2ドナーロール420にトナー層が形成される。そして、第1マグネットロール310に残されたキャリアCが第1マグネットロール310により矢印G方向にさらに搬送されると、キャリアCが第1マグネットロール310の第1スリーブ311から離間して、攪拌装置200に戻される。
【0066】
第2ドナーロール420に移動したトナーTは、第2ドナーロール420が矢印J方向に回転することにより矢印J方向に搬送される。このとき、第2トリマバー440によりトナー層の高さが制限され、トナー層の高さが所定の高さになる。そして、第2ドナーロール420がさらに矢印J方向に回転すると、第2ドナーロール410上のトナーTを感光体ベルト20に飛翔させて、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0067】
一方、第1ドナーロール410に移動しなかったトナーTが第2マグネットロール320により矢印H方向にさらに搬送されると、二成分現像剤のうちのトナーTのみが第2マグネットロール320から第3ドナーロール430に移動する。このとき、第3ドナーロール430にトナー層が形成される。そして、第2マグネットロール320に残されたキャリアCが第2マグネットロール320により矢印H方向にさらに搬送されると、キャリアCが第2マグネットロール320の第2スリーブ321から離間して、攪拌装置200に戻される。
【0068】
第3ドナーロール430に移動したトナーTは、第3ドナーロール430が矢印K方向に回転することにより矢印K方向に搬送される。このとき、第3トリマバー450によりトナー層の高さが制限され、トナー層の高さが所定の高さになる。そして、第3ドナーロール430がさらに矢印K方向に回転すると、第1ドナーロール410上のトナーTを感光体ベルト20に飛翔させて、感光体ベルト20に形成された静電潜像を現像する。
【0069】
このように、搬送装置100では、二成分現像剤のうちのトナーTのみを、それぞれ回転方向が異なる第1マグネットロール310および第2マグネットロール320の両方から第1ドナーロール410に移動させている。そのため、二成分現像剤のうちのトナーTのみを、1個のマグネットロールからドナーロールに移動させている場合に比べて、第1ドナーロール410に形成するトナー層が早く形成される。
【0070】
また、第1ドナーロール410、第2ドナーロール420および第3ドナーロール430が順行方向または逆行方向に回転することにより、感光体ベルト20に形成された静電潜像が現像される。そのため、形成する画像の画質特性が偏るのを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、二成分現像剤を用いる現像装置やプリンタ、FAX、カラー複写機、これらの機能を備えた装置などの画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態にかかる画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】制御ユニットの概要を示すブロック図である。
【図3】第2現像装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0073】
1…画像形成装置、10…第2現像装置、22…制御ユニット、310…第1マグネットロール、320…第2マグネットロール、410…第1ドナーロール、420…第2ドナーロール、430…第3ドナーロール、460…回転装置、C…キャリア、T…トナー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することにより、現像剤とキャリアとからなる二成分現像剤を搬送する第1搬送手段と、
前記第1搬送手段に隣接する位置に設けられ、前記第1移動手段の回転方向に対して逆方向に回転することにより、前記二成分現像剤を搬送する第2搬送手段と、
前記第1搬送手段および前記第2搬送手段に隣接する位置に設けられ、回転することにより、前記二成分現像剤のうちの前記現像剤のみを受け取り、現像する第1現像手段とを備え、
前記第1搬送手段および前記第2搬送手段により搬送された前記現像剤は、前記第1搬送手段および前記第2搬送手段の両方から前記第1現像手段に移動することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記第1搬送手段または前記第2搬送手段のうちいずれか一方に隣接する位置に設けられ、回転することにより、前記二成分現像剤のうちの前記現像剤のみを受け取り、現像する第2現像手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
順行方向または逆行方向のいずれの方向にも回転可能であり、前記第1現像手段を回転させる回転手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の現像装置と、
少なくとも2つの画質モードを有しており、前記画質モードのうちいずれか1つの画質モードを選択して、前記回転手段の回転方向を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段が一方の画質モードを選択した場合には前記回転手段を順行方向に回転させ、前記制御手段が他方の画質モードを選択した場合には前記回転手段を逆行方向に回転させることを特徴とする画像形成装置。
























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−128660(P2009−128660A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304035(P2007−304035)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】