説明

現像装置および画像形成装置

【課題】トナーの劣化が少なく、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像ローラ62は、現像スリーブ62aと5極マグネットロール62bとを有している。現像ローラ62に対向して剥しローラ64が設けられている。剥しローラ64は、スリーブ64aと3極マグネットロール64bとを有している。現像ローラ62の剥し位置には、5極マグネットロール62bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、剥しローラ64の3極マグネットロール64bは、印字動作中は、現像ローラ62の剥し位置において、剥し磁極N12と逆極性の磁極が配置されるか、もしくは、極間が配置されるようにセットされる。そして、剥し動作中は、現像ローラ62の剥し位置において、剥し磁極N12と同極性の磁極が配置されるようにセットされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどに用いられる現像装置およびその現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、電子写真感光体や静電記録誘電体などからなる像担持体上に形成した静電潜像を、現像装置により現像してトナー像として可視化することを行っている。
【0003】
このような現像装置の一つとして、小型で低コストの乾式一成分磁性現像装置が実用化されている。この現像装置は、現像スリーブの内部にマグネットローラ等を配置し、該現像スリーブ上に一成分磁性現像剤を担持する。そして、画質の向上を目的に、トナーの材料や現像スリーブの表面を変更してトナーの帯電量を高くすると、低湿度環境下での印字や長期間にわたる低濃度印字を行った際に、トナーに与える電荷が高くなり過ぎて、現像スリーブ表面に電荷の高いトナーが強固に付着し、現像スリーブ表面を覆ってしまう。従って、上層のトナーは、現像スリーブとの摩擦帯電の機会を失い、電荷が低くなる。その結果、濃度低下や画像かぶりが発生したり、トナー薄層に乱れが発生したりする。この対策として、特許文献1に記載の現像装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−34267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の請求項1に記載の現像装置は、剥ぎ取り手段である磁気ブラシを形成する磁性粒子(この磁性粒子は磁性トナーではない)が必要であり、その磁性粒子は現像スリーブによって徐々に持って行かれ、減少していく。磁性粒子が減少すると、磁気ブラシによる剥ぎ取り効果が薄れてしまう。さらに、磁気ブラシが常に現像スリーブに摺擦しているため、トナーが劣化しやすいという問題もあった。
【0006】
また、磁気ブラシを形成する磁性粒子が十分に存在する場合でも、磁気ブラシの剥ぎ取り能力はもともと弱く、高い電荷によって強固に現像スリーブに付着したトナーは、磁気ブラシを通過してしまう。従って、この現像装置は、トナー薄層形成に接触型のブレードを使用している。接触型のブレードでは、現像スリーブ表面に電荷の高いトナーが強固に付着し、現像スリーブ表面を覆ってしまったり、それによってトナー薄層に乱れが生じたりしても、物理的な力で、ある程度の崩し効果を期待できる。しかし、接触型のブレードの場合は、トナーに強いストレスを与えるため、トナーが劣化しやすく、長寿命設計には向いていない。
【0007】
一方、特許文献1の請求項2に記載の現像装置は、剥ぎ取り手段の磁性粒子がないため、磁性粒子の減少による剥ぎ取り量の低下という不具合はないが、剥ぎ取り能力はもともと低い。また、常時、磁性トナーが剥ぎ取り部でストレスを受けるので、トナーが劣化しやすいという問題もあった。
【0008】
それゆえに、本発明の主たる目的は、トナーの劣化が少なく、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる現像装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、現像剤を収容する現像ハウジングと、現像ハウジングの開口部に配置され、周方向に剥し磁極を含む複数の磁極を有する回転自在の現像剤担持体と、現像ハウジングの開口部に配置され、現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、現像剤担持体に対向して現像剤担持体上の現像剤の除去を行う、剥し動作用磁極を含む複数の磁極を有する回動自在の剥し部材と、を備え、剥し部材の剥し動作用磁極の位置が、印字動作中と剥し動作中とでは異なり、剥し動作中は、現像剤担持体の剥し磁極に剥し部材の剥し動作用磁極が対向すること、を特徴とする、現像装置である。
【0010】
請求項1の発明では、剥し部材の剥し動作用磁極の位置が、印字動作中と剥し動作中とでは異なり、用紙間や印字動作終了後などの剥し動作中のみ、現像剤担持体の剥し磁極に剥し部材の剥し動作用磁極が対向して、現像剤担持体上の殆んどのトナーの入れ替えが行われる。従って、現像剤担持体上のトナーに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像剤担持体上に電荷の高いトナーが強固に付着して現像剤担持体の表面を覆ってしまうことがない。さらに、剥し動作中のみ、剥し部材によって現像剤担持体上のトナーを摺接するため、常にトナーがストレスを受けるという従来の不具合を解消でき、トナーが劣化しにくくなる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、印字動作中は、現像剤担持体の剥し磁極と逆極性の剥し部材の磁極が、現像剤担持体の剥し磁極と対向し、もしくは、剥し部材の磁極間が、現像剤担持体の剥し磁極と対向し、剥し動作中は、現像剤担持体の剥し磁極と同極性の剥し部材の剥し動作用磁極が、現像剤担持体の剥し磁極と対向していること、を特徴とする、現像装置である。
【0012】
請求項2の発明では、印字動作と剥し動作の円滑な切り替えが、簡素な構成で達成することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明に従属する発明であって、現像剤規制部材が非接触のブレードであることを特徴とする、現像装置である。
【0014】
請求項3の発明では、現像剤担持体上のトナーに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像剤担持体上に電荷の高いトナーが強固に付着して現像剤担持体の表面を覆ってしまうことがないため、非接触のブレードで現像剤担持体上のトナーの崩し効果を期待できる。非接触のブレードの場合は、トナーに強いストレスを与えないため、トナーが劣化しにくく、長寿命設計に適している。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに係る発明に従属する発明であって、現像装置の着脱の際には、剥し部材の剥し動作用磁極が現像ハウジングの底部に対向していることを特徴とする、現像装置である。
【0016】
請求項4の発明では、現像装置の着脱の際には、剥し部材の剥し動作用磁極が現像ハウジングの底部に対向しているため、剥し部材が現像ハウジング内の仕切り壁として機能する。従って、現像装置もしくは現像装置を含むユニットを画像形成装置に装着するときに衝撃を与えても、現像装置内部のトナーが現像装置の開口部から溢れ出るおそれがなくなる。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置である。
【0018】
請求項5の発明では、トナーの劣化が少なく、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる画像形成装置が得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、剥し部材の剥し動作用磁極の位置が、印字動作中と剥し動作中とでは異なり、用紙間や印字動作終了後などの剥し動作中のみ、現像剤担持体の剥し磁極に剥し部材の剥し動作用磁極が対向して、現像剤担持体上の殆んどのトナーの入れ替えが行われる。従って、現像剤担持体上のトナーに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像剤担持体上に電荷の高いトナーが強固に付着して現像剤担持体の表面を覆ってしまうことがない。この結果、トナーの劣化が少なく、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる。
【0020】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る現像装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【図3】図2に示した現像装置の剥し動作を説明するための概略断面図である。
【図4】本発明に係る現像装置の第2実施形態を示す概略断面図である。
【図5】図4に示した現像装置の剥し動作を説明するための概略断面図である。
【図6】本発明に係る現像装置の第3実施形態を示す概略断面図である。
【図7】図6に示した現像装置の剥し動作を説明するための概略断面図である。
【図8】本発明に係る現像装置の第4実施形態を示す概略断面図である。
【図9】図8に示した現像装置の剥し動作を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(画像形成装置の概略構成)
図1は現像装置を備えた画像形成装置1を示す概略構成図である。
【0023】
感光体ドラム24は駆動手段によって図示矢印の時計回り方向に所定速度で駆動される。感光体ドラム24の外周近傍には、帯電器32、現像装置22、転写ローラ23、摺擦部材30が設けられている。感光体ドラム24は帯電器32にて表面が帯電される。感光体ドラム24の回転方向における帯電器32の下流側には、レーザースキャニングユニット26が配置されている。レーザースキャニングユニット26から放射されたレーザ光Lは、反射ミラー28を介して感光体ドラム24上に照射され、静電潜像が形成される。
【0024】
レーザースキャニングユニット26の下流側には、現像装置22が配置されている。現像装置22は、ブラックのトナーを感光体ドラム24に付与するためのものである。現像装置22に対して、トナーカートリッジ20が配設されている。
【0025】
現像装置22の下流側には、転写ローラ23が配置されている。さらに、転写ローラ23の下流側には、感光体ドラム24に残ったトナーを除去するための摺擦部材30が配置されている。
【0026】
一方、ピックアップローラ42はブラックトナー像と同期して給紙カセット2から被記録材としての用紙Pを引き出し、分離ローラ18と給紙ローラ44とを介して給紙する。用紙Pには感光体ドラム24上に形成されたトナー像が転写され、定着装置46に搬入される。トナー画像を転写された用紙Pは、定着装置46で定着され、印刷物として機外に排出されて排紙トレイ50上に積載される。
【0027】
(現像装置の第1実施形態)
図2は現像装置22の第1実施形態を示す概略断面図である。現像装置22は、概略、現像ハウジング60、現像ローラ62、剥しローラ64、パドル66および磁性ブレード68を備えている。現像ハウジング60には一成分現像剤として磁性トナーTが収容されている。パドル66は回転駆動して、現像ハウジング60内の磁性トナーTを撹拌する。
【0028】
現像ハウジング60の開口部には、感光体ドラム24に対向して現像ローラ62が設けられている。現像担持体としての現像ローラ62は、現像スリーブ62aと、この現像スリーブ62aの内部の5極マグネットロール62bとを有し、感光体ドラム24上の静電
像を現像してトナー像として可視化するように構成されている。現像スリーブ62aは、アルミニウムなどの非磁性材料からなり、反時計回り方向に回転駆動する。5極マグネットロール62bは現像スリーブ62a内に固定支持され、現像スリーブ62aが回転駆動したときも、磁極S11,S12,N11,N12,N13は固定的な磁界を発生する。
【0029】
さらに、現像ハウジング60の開口部には、現像ローラ62の上方の位置に、現像規制部材としての磁性ブレード68が設けられている。磁性ブレード68は、その先端部が現像スリーブ62aとの間に所定の隙間を確保しており、非接触タイプの磁性ブレードとされている。磁性ブレード68よりも現像スリーブ62a回転方向上流側の位置(以下、この位置を現像ローラ62の剥し位置と称する)には、現像ローラ62に対向して剥しローラ64が設けられている。剥しローラ64の外周面と現像ローラ62の外周面との間には、所定寸法の隙間が確保されている。
【0030】
剥しローラ64は、スリーブ64aと、このスリーブ64aの内部の3極マグネットロール64bとを有している。スリーブ64aは、アルミニウムなどの非磁性材料からなり、反時計回り方向に回転駆動する。3極マグネットロール64bは、スリーブ64a内に回動自在に支持され、磁極S21,S22,N21の位置を変更することができる。3極マグネットロール64bは、磁極N21が磁極S21,S22とは略反対側の位置に配設され、かつ、磁極S21とS22は所定の間隔で配設されている。
【0031】
次に、以上の構成からなる現像装置22による現像動作(印字動作)について詳説する。図2に示すように、現像ローラ62の剥し位置には、5極マグネットロール62bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、印字動作中、剥しローラ64の3極マグネットロール64bは、現像ローラ62の剥し位置において、剥し磁極N12と逆極性の磁極が配置されるか、もしくは、極間が配置されるようにセットされる。本第1実施形態では、磁極S21と磁極S22との極間がセットされている。
【0032】
現像ローラ62の現像スリーブ62aが反時計回り方向に回転すると、5極マグネットロール62bの磁極N13の磁界作用により、磁性トナーTが現像スリーブ62aに汲み上げられる。汲み上げられた現像スリーブ62a上の磁性トナーTは、5極マグネットロール62bの磁極S12の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ62a上の磁性トナーTは、5極マグネットロール62bの主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ62aと感光体ドラム24との間に現像バイアスが印加されることにより、現像スリーブ62a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像されてトナー像として可視化される。
【0033】
現像に寄与しないで現像スリーブ62a上に残留した残留磁性トナーTは、5極マグネットロール62bの磁極S11を通り、剥し磁極N12に運ばれる。現像スリーブ62a上の一部の残留磁性トナーTは、剥しローラ64の3極マグネットロール64bの磁極S22に移動するが、多くの残留磁性トナーTは剥し磁極N12に移動する。このとき、剥しローラ64から送られてきた新たな磁性トナーTと残留磁性トナーTとがぶつかり合い、一部の残留磁性トナーTが新たな磁性トナーTと入れ替わる。なお、印字動作中、剥しローラ64のスリーブ64aは、停止状態または回転状態のいずれであってもよい。回転状態の場合、回転方向は順方向または逆方向のいずれであってもよい。
【0034】
次に、現像ローラ62から残留磁性トナーTを剥がす動作について詳説する。図3に示すように、現像ローラ62の剥し位置には、5極マグネットロール62bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、剥し動作中、剥しローラ64の3極マグネットロール64bは、現像ローラ62の剥し位置において、剥し磁極N12と同極性の磁極が配置されるようにセットされる。本第1実施形態では、3極マグネットロール64bを回動させて磁極S21,S22,N21の位置を変更し、磁極N21がセットされている。現像ローラ62から残留磁性トナーTを剥がすタイミングは、用紙間や印字動作終了後がよい。剥しローラ64のスリーブ64aは、現像ローラ62の現像スリーブ62aの回転方向と同じく、反時計回り方向に回転するか、もしくは、停止する。
【0035】
現像ローラ62の現像スリーブ62aが反時計回り方向に回転すると、5極マグネットロール62bの磁極N13の磁界作用により、磁性トナーTが現像スリーブ62aに汲み上げられる。汲み上げられた現像スリーブ62a上の磁性トナーTは、5極マグネットロール62bの磁極S12の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ62a上の磁性トナーTは、5極マグネットロール62bの主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ62a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像される。
【0036】
現像に寄与しないで現像スリーブ62a上に残留した残留磁性トナーTは、5極マグネットロール62bの磁極S11を通り、剥し磁極N12の手前に運ばれる。ここで、剥し磁極N12と剥しローラ64の3極マグネットロール64bの磁極N21との反発磁界により、現像スリーブ62a上の残留磁性トナーTは剥されて堰き止められ、剥しローラ64のスリーブ64aに供給される。スリーブ64a上に供給された残留磁性トナーTは、回転駆動するスリーブ64aによって、3極マグネットロール64bの磁極S21に運ばれる。さらに、スリーブ64aが回転して磁極S21と磁極S22との極間に運ばれると、スリーブ64a上の残留磁性トナーTの一部は、磁極S21と磁極S22との反発磁界により、スリーブ64aから剥がされる。
【0037】
さらに、スリーブ64aが回転して、3極マグネットロール64bの磁極S22に運ばれると、磁極S22の磁界作用により、現像ハウジング60内の新たな磁性トナーTがスリーブ64aに汲み上げられる。汲み上げられたスリーブ64a上の新たな磁性トナーTは、スリーブ64aの回転によって3極マグネットロール64bの磁極N21の手前に運ばれる。ここで、磁極N21と剥し磁極N12との反発磁界により、スリーブ64a上の新たな磁性トナーTは剥されて堰き止められ、現像ローラ62の現像スリーブ62aに供給され、現像スリーブ62a上に供給された新たな磁性トナーTは、回転駆動する現像スリーブ62aによって、5極マグネットロール62bの磁極N13に運ばれる。従って、現像スリーブ62aの剥し磁極N12と磁極N13との間で、殆どの残溜磁性トナーTは新たな磁性トナーTに入れ替わる。
【0038】
このように、用紙間や印字動作終了後などの一定の期間に限定して剥し動作を行い、現像スリーブ62a上の殆どの残留磁性トナーTの入れ替えを行うので、磁性トナーTに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像スリーブ62aの表面に電荷の高い磁性トナーTが強固に付着して現像スリーブ62aの表面を覆ってしまうことがない。さらに、剥し動作中のみ、剥しローラ64によって現像スリーブ62a上のトナーを摺接するため、常にトナーがストレスを受けるという従来の不具合を解消でき、トナーが劣化しにくくなる。その結果、トナーの劣化が少なく、長寿命化が図れ、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる画像形成装置1が得られる。また、印字動作と剥し動作の円滑な切り替えが、簡素な構成で達成することができる。さらに、磁性トナーTの帯電を上げることができ、高画質化が達成できる。
【0039】
また、現像スリーブ72a上の磁性トナーTに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像スリーブ72a上に電荷の高い磁性トナーTが強固に付着して現像スリーブ72aの表面を覆ってしまうことがないため、非接触の磁性ブレード68で現像スリーブ72a上の磁性トナーTの崩し効果を期待できる。非接触の磁性ブレード68の場合は、磁性トナーTに強いストレスを与えないため、磁性トナーTがより一層劣化しにくく、長寿命設計に適している。
【0040】
(現像装置の第2実施形態)
図4は現像装置22の第2実施形態を示す概略断面図である。なお、前記第1実施形態と同様の部分および部品には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。現像装置22は、概略、現像ハウジング60、現像ローラ72、剥しローラ74、パドル66および磁性ブレード68を備えている。現像ハウジング60には一成分現像剤として磁性トナーTが収容されている。
【0041】
現像ハウジング60の開口部には、感光体ドラム24に対向して現像ローラ72が設けられている。現像ローラ72は、現像スリーブ72aと、この現像スリーブ72aの内部の4極マグネットロール72bとを有している。現像スリーブ72aは、反時計回り方向に回転駆動する。4極マグネットロール72bは現像スリーブ72a内に固定支持され、現像スリーブ72aが回転駆動したときも、磁極S11,S12,N11,N12は固定的な磁界を発生する。
【0042】
さらに、現像ローラ72に対向して剥しローラ74が設けられている。剥しローラ74の外周面と現像ローラ72の外周面との間には、所定寸法の隙間が確保されている。剥しローラ74は2極マグネットからなり、現像ハウジング60内に回動自在に支持され、磁極S21,N21の位置を変更することができる。剥しローラ74は、磁極N21が磁極S21とは反対側の位置に配設されている。
【0043】
次に、以上の構成からなる現像装置22による現像動作(印字動作)について詳説する。図4に示すように、現像ローラ72の剥し位置には、4極マグネットロール72bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、印字動作中、剥しローラ74の2極マグネットは、現像ローラ72の剥し位置において、剥し磁極N12と逆極性の磁極が配置されるか、もしくは、極間が配置されるようにセットされる。本第2実施形態では、磁極S21と磁極N21との極間がセットされている。
【0044】
現像ローラ72の現像スリーブ72aが反時計回り方向に回転すると、現像ハウジング60が傾斜して配設されていることにより、磁性トナーTが自重で現像スリーブ72aに供給される。供給された現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S12の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ72a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像されてトナー像として可視化される。
【0045】
現像に寄与しないで現像スリーブ72a上に残留した残留磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S11を通り、剥し磁極N12に運ばれる。この後、新たな磁性トナーTと残留磁性トナーTとがぶつかり合い、一部の残留磁性トナーTが新たな磁性トナーTと入れ替わる。なお、印字動作中、剥しローラ74は停止状態である。
【0046】
次に、現像ローラ72から残留磁性トナーTを剥がす動作について詳説する。図5に示すように、現像ローラ72の剥し位置には、4極マグネットロール72bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、剥し動作中、剥しローラ74は、現像ローラ72の剥し位置において、剥し磁極N12と同極性の磁極が配置されるように、回動して磁極S21,N21の位置を変更し、磁極N21がセットされている。現像ローラ72から残留磁性トナーTを剥がすタイミングは、用紙間や印字動作終了後がよい。剥し動作中、剥しローラ74は停止状態である。
【0047】
現像ローラ72の現像スリーブ72aが反時計回り方向に回転すると、現像ハウジング60が傾斜して配設されていることにより、磁性トナーTが自重で現像スリーブ72aに供給される。供給された現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S12の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ72a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像される。
【0048】
現像に寄与しないで現像スリーブ72a上に残留した残留磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S11を通り、剥し磁極N12の手前に運ばれる。ここで、剥し磁極N12と剥しローラ74の磁極N21との反発磁界により、現像スリーブ72a上の残留磁性トナーTは剥されて堰き止められた後、残留磁性トナーTは剥しローラ74と現像ハウジング60の底部との間を通って、剥しローラ74の磁極S21に運ばれる。こうして、現像スリーブ72a上の残留磁性トナーTが、剥しローラ74によって剥がされる。
【0049】
さらに、現像ローラ72の現像スリーブ72aが回転すると、現像ハウジング60内の新たな磁性トナーTが現像スリーブ62aに供給される。従って、現像スリーブ72aの剥し磁極N12の前後で、殆どの残溜磁性トナーTは新たな磁性トナーTに入れ替わる。
【0050】
このように、用紙間や印字動作終了後などの一定の期間に限定して剥し動作を行い、現像スリーブ72a上の殆どの残留磁性トナーTの入れ替えを行うので、磁性トナーTに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像スリーブ72aの表面に電荷の高い磁性トナーTが強固に付着して現像スリーブ72aの表面を覆ってしまうことがない。その結果、トナーの劣化が少なく、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる画像形成装置1が得られる。
【0051】
(現像装置の第3実施形態)
図6は現像装置22の第3実施形態を示す概略断面図である。なお、前記第2実施形態と同様の部分および部品には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。現像装置22は、概略、現像ハウジング60、現像ローラ72、剥しマグネット76、パドル66および磁性ブレード68を備えている。
【0052】
現像ハウジング60の開口部には、感光体ドラム24に対向して現像ローラ72が設けられている。現像ローラ72は、現像スリーブ72aと、この現像スリーブ72aの内部の4極マグネットロール72bとを有している。さらに、現像ローラ72に対向して棒状の剥しマグネット76が設けられている。剥しマグネット76の端面と現像ローラ72の外周面との間には、所定寸法の隙間が確保されている。剥しマグネット76は、現像ハウジング60内に軸76aによって回動自在に支持され、磁極S21,N21の位置を変更することができる。剥しマグネット76の両端部のそれぞれに、磁極N21と磁極S21が配設されている。
【0053】
次に、以上の構成からなる現像装置22による現像動作(印字動作)について詳説する。図6に示すように、現像ローラ72の剥し位置には、4極マグネットロール72bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、印字動作中、剥しマグネット76は、現像ローラ72の剥し位置において、剥し磁極N12と逆極性の磁極が配置されるか、もしくは、極間が配置されるようにセットされる。本第3実施形態では、磁極S21と磁極N21との極間がセットされている。
【0054】
現像ローラ72の現像スリーブ72aが反時計回り方向に回転すると、現像ハウジング60が傾斜して配設されていることにより、磁性トナーTが自重で現像スリーブ72aに供給される。供給された現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S12の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ72a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像されてトナー像として可視化される。
【0055】
現像に寄与しないで現像スリーブ72a上に残留した残留磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S11を通り、剥し磁極N12に運ばれる。この後、新たな磁性トナーTと残留磁性トナーTとがぶつかり合い、一部の残留磁性トナーTが新たな磁性トナーTと入れ替わる。なお、印字動作中、剥しマグネット76は停止状態である。
【0056】
次に、現像ローラ72から残留磁性トナーTを剥がす動作について詳説する。図7に示すように、現像ローラ72の剥し位置には、4極マグネットロール72bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、剥し動作中、剥しマグネット76は、現像ローラ72の剥し位置において、剥し磁極N12と同極性の磁極が配置されるように、回動して磁極S21,N21の位置を変更し、磁極N21がセットされている。現像ローラ72から残留磁性トナーTを剥がすタイミングは、用紙間や印字動作終了後がよい。剥し動作中、剥しマグネット76は停止状態である。
【0057】
現像ローラ72の現像スリーブ72aが反時計回り方向に回転すると、現像ハウジング60が傾斜して配設されていることにより、磁性トナーTが自重で現像スリーブ72aに供給される。供給された現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S12の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ72a上の磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ72a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像される。
【0058】
現像に寄与しないで現像スリーブ72a上に残留した残留磁性トナーTは、4極マグネットロール72bの磁極S11を通り、剥し磁極N12の手前に運ばれる。ここで、剥し磁極N12と剥しマグネット76の磁極N21との反発磁界により、現像スリーブ72a上の残留磁性トナーTは剥されて堰き止められた後、残留磁性トナーTは剥しマグネット76と現像ハウジング60の底部との間を通って、剥しマグネット76の磁極S21に運ばれる。こうして、現像スリーブ72a上の残留磁性トナーTが、剥しマグネット76によって剥がされる。
【0059】
さらに、現像ローラ72の現像スリーブ72aが回転すると、現像ハウジング60内の新たな磁性トナーTが現像スリーブ72aに供給される。従って、現像スリーブ72aの剥し磁極N12の前後で、殆どの残溜磁性トナーTは新たな磁性トナーTに入れ替わる。
【0060】
このように、用紙間や印字動作終了後などの一定の期間に限定して剥し動作を行い、現像スリーブ72a上の殆どの残留磁性トナーTの入れ替えを行うので、磁性トナーTに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像スリーブ72aの表面に電荷の高い磁性トナーTが強固に付着して現像スリーブ72aの表面を覆ってしまうことがない。その結果、トナーの劣化が少なく、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる画像形成装置1が得られる。
【0061】
(現像装置の第4実施形態)
図8は現像装置22の第4実施形態を示す概略断面図である。なお、前記第1実施形態と同様の部分および部品には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。現像装置22は、概略、現像ハウジング60、現像ローラ78、剥しマグネット80、パドル66および磁性ブレード68を備えている。現像ハウジング60には一成分現像剤として磁性トナーTが収容されている。
【0062】
現像ハウジング60の開口部には、感光体ドラム24に対向して現像ローラ78が設けられている。現像ローラ78は、現像スリーブ78aと、この現像スリーブ78aの内部の6極マグネットロール78bとを有している。現像スリーブ78aは、反時計回り方向に回転駆動する。6極マグネットロール78bは現像スリーブ78a内に固定支持され、現像スリーブ78aが回転駆動したときも、磁極S11〜S13,N11〜N13は固定的な磁界を発生する。
【0063】
さらに、現像ローラ78に対向して棒状の剥しマグネット80が設けられている。剥しマグネット80の先端面と現像ローラ78の外周面との間には、所定寸法の隙間が確保されている。剥しマグネット80は、現像ハウジング60内に軸80aによって回動自在に支持され、磁極N21の位置を変更することができる。剥しマグネット80の先端部には磁極N21が、根元部には磁極S21が配設されている。
【0064】
次に、以上の構成からなる現像装置22による現像動作(印字動作)について詳説する。図8に示すように、現像ローラ78の剥し位置には、6極マグネットロール78bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、印字動作中、剥しマグネット80は、現像ローラ78の剥し位置において、剥し磁極N12と逆極性の磁極が配置されるか、もしくは、極間が配置されるようにセットされる。本第4実施形態では、剥しマグネット80の磁極N21が現像ローラ78の剥し位置から外され、現像ハウジング60の底部に対向した位置にセットされている。
【0065】
現像ローラ78の現像スリーブ78aが反時計回り方向に回転すると、6極マグネットロール78bの磁極S13の磁界作用により、磁性トナーTが現像スリーブ78aに汲み上げられる。汲み上げられた現像スリーブ78a上の磁性トナーTは、6極マグネットロール78bの磁極N13の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ78a上の磁性トナーTは、6極マグネットロール78bの磁極S11を通って主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ78aと感光体ドラム24との間に現像バイアスが印加されることにより、現像スリーブ78a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像されてトナー像として可視化される。
【0066】
現像に寄与しないで現像スリーブ78a上に残留した残留磁性トナーTは、6極マグネットロール78bの磁極S12を通り、剥し磁極N12に運ばれる。この後、新たな磁性トナーTと残留磁性トナーTとがぶつかり合い、一部の残留磁性トナーTが新たな磁性トナーTと入れ替わる。なお、印字動作中、剥しマグネット80は停止状態である。
【0067】
次に、現像ローラ78から残留磁性トナーTを剥がす動作について詳説する。図9に示すように、現像ローラ78の剥し位置には、6極マグネットロール78bの磁極(剥し磁極)N12が配置されている。一方、剥し動作中、剥しマグネット80は、現像ローラ78の剥し位置において、剥し磁極N12と同極性の磁極が配置されるように、回動して磁極N21がセットされている。現像ローラ78から残留磁性トナーTを剥がすタイミングは、用紙間や印字動作終了後がよい。剥し動作中、剥しマグネット80は停止状態である。
【0068】
現像ローラ78の現像スリーブ78aが反時計回り方向に回転すると、6極マグネットロール78bの磁極S13の磁界作用により、磁性トナーTが現像スリーブ78aに汲み上げられる。汲み上げられた現像スリーブ78a上の磁性トナーTは、6極マグネットロール78bの磁極N13の上方に配設された非接触の磁性ブレード68の先端部で穂切られ、所定の層厚に規制される。その後、現像スリーブ78a上の磁性トナーTは、6極マグネットロール78bの磁極S11を通って主磁極N11が配設されている現像部に運ばれる。現像部において、現像スリーブ78a上の磁性トナーTが感光体ドラム24の静電潜像に対応して移動し、現像される。
【0069】
現像に寄与しないで現像スリーブ78a上に残留した残留磁性トナーTは、6極マグネットロール78bの磁極S12を通り、剥し磁極N12の手前に運ばれる。ここで、剥し磁極N12と剥しマグネット80の磁極N21との反発磁界により、現像スリーブ78a上の残留磁性トナーTは剥されて堰き止められた後、残留磁性トナーTは剥しマグネット80と現像ハウジング60の底部との間を通って、パドル66に運ばれる。こうして、現像スリーブ78a上の残留磁性トナーTが、剥しマグネット80によって剥がされる。
【0070】
さらに、現像ローラ78の現像スリーブ78aが回転すると、現像ハウジング60内の新たな磁性トナーTが現像スリーブ78aに供給される。従って、現像スリーブ78aの剥し磁極N12の前後で、殆どの残溜磁性トナーTは新たな磁性トナーTに入れ替わる。
【0071】
このように、用紙間や印字動作終了後などの一定の期間に限定して剥し動作を行い、現像スリーブ78a上の殆どの残留磁性トナーTの入れ替えを行うので、磁性トナーTに与える電荷が高くなり過ぎることはなく、現像スリーブ78aの表面に電荷の高い磁性トナーTが強固に付着して現像スリーブ78aの表面を覆ってしまうことがない。その結果、トナーの劣化が少なく、かつ、トナーの過電荷による濃度低下や画像かぶりやトナー薄層の乱れを防止することができる画像形成装置1が得られる。
【0072】
ところで、現像装置22もしくは現像装置22を含むユニットを画像形成装置1に着脱するときの衝撃により、現像装置22の内部の磁性トナーTが現像ハウジング60の開口部から溢れ出る場合がある。そこで、これを防止する目的で、前記第1実施形態では現像ハウジング60の底部において、現像ローラ62とパドル66との間に背の高い山部60aが設けられている(図2参照)。しかし、現像ハウジング60の底部に背の高い山部60aを設けると、現像ハウジング60の底部と剥しローラ64との間隔が狭くなり、現像スリーブ62a上から剥された磁性トナーTが現像ハウジング60の開口部から溢れ出したり、現像スリーブ62a上に付着した磁性トナーTが十分に剥がれないで剥しローラ64を通過してしまったりするという不具合が生じるおそれがある。
【0073】
そこで、第4実施形態では、現像装置22もしくは現像装置22を含むユニットを画像形成装置1に着脱するとき(現像駆動停止時)には、図8に示すように、剥しマグネット80の先端部の剥し動作用磁極N21が現像ハウジング60の底部に対向した位置に静止した状態にセットし、現像ハウジング60の底部と剥しマグネット80の磁極N21との間で磁性トナーTの磁気ブラシを形成するように構成されている。これにより、現像ローラ78とパドル66の間に剥しマグネット80による仕切り壁が形成されるので、現像装置22などを着脱する時の衝撃により、現像装置22の開口部から磁性トナーが溢れ出す心配がなくなる。従って、現像ローラ62とパドル66との間に背の高い山部を設ける必要がなくなり、剥しマグネット80と現像ハウジング60の底部との間を広くすることができる。この結果、現像スリーブ78a上から剥された磁性トナーTが現像ハウジング60の開口部から溢れ出したり、現像スリーブ78a上に付着した磁性トナーTが十分に剥がれないで剥しマグネット80を通過してしまったりするという不具合が生じない。
【0074】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
22 現像装置
60 現像ハウジング
62,72,78 現像ローラ
62a,72a,78a 現像スリーブ
64,74 剥しローラ
68 磁性ブレード
76,80 剥しマグネット
N12 剥し磁極
N21 剥し動作用磁極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像ハウジングと、
前記現像ハウジングの開口部に配置され、周方向に剥し磁極を含む複数の磁極を有する回転自在の現像剤担持体と、
前記現像ハウジングの開口部に配置され、前記現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、
前記現像剤担持体に対向して前記現像剤担持体上の現像剤の除去を行う、剥し動作用磁極を含む複数の磁極を有する回動自在の剥し部材と、を備え、
前記剥し部材の剥し動作用磁極の位置が、印字動作中と剥し動作中とでは異なり、剥し動作中は、前記現像剤担持体の剥し磁極に前記剥し部材の剥し動作用磁極が対向すること、
を特徴とする、現像装置。
【請求項2】
印字動作中は、前記現像剤担持体の剥し磁極と逆極性の前記剥し部材の磁極が、前記現像剤担持体の剥し磁極と対向し、もしくは、前記剥し部材の磁極間が、前記現像剤担持体の剥し磁極と対向し、
剥し動作中は、前記現像剤担持体の剥し磁極と同極性の前記剥し部材の剥し動作用磁極が、前記現像剤担持体の剥し磁極と対向していること、
を特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤規制部材が非接触のブレードであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
現像装置の着脱の際には、前記剥し部材の剥し動作用磁極が前記現像ハウジングの底部に対向していることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−8157(P2011−8157A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153525(P2009−153525)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】