説明

現金取扱装置

【課題】両替といった現金取扱に際しての手数料の徴収の柔軟な運用を可能とする。
【解決手段】現金両替装置100は、両替機能を実行する両替装置本体112に手数料徴収装置200を装着して構成される。この手数料徴収装置200は、その内部に、手数料表示設定入力部300を備え、この手数料表示設定入力部300において、両替手数料体系を定める両替内容区分や、手数料自体を表示させ、係員による設定操作を経て、両替内容区分や両替手数料を外部からの設定行為に優先して変更可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金取引を所望する顧客から取引手数料を徴収して現金取引を行う現金取扱装置に関し、例えば銀行、信用金庫等の金融機関における両替取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
こうした両替取扱装置等の現金取扱装置は、その取扱対象が現金であり、利用対象が顧客であることから、種々の要請がある。例えば、金融機関の営業時間外或いは休日の稼働、装置取扱の利便性向上といった顧客向けの要請の他、装置を取り扱う金融機関側にとっても、顧客獲得或いは維持のためのサービスの拡充や差別化或いは多様化が求められ、種々の対応が図られている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−281590号公報
【特許文献2】特開2002−163698号公報
【0004】
サービスの拡充や差別化を図るにあっても、採算性を確保が不可欠であることから、手数料を顧客から徴収するに際し、金融機関に対する顧客の貢献度、例えば金融機関における自行・他行での口座の有無、提携金融機関の口座の有無等を考慮に入れた手数料体系を採用することが行われている。上記の特許文献2では、こうした手数料体系の一例として、両替手数料を顧客が両替の際に用いるカード種別や両替貨幣枚数等に応じて段階的に定めている。
【0005】
ところで、近年では、金融機関を取り巻く環境が急変し、金融機関の提携、支店の統廃合が活発となり、顧客獲得或いは維持が急務となっている。例えば、金融機関の自行の顧客や自店舗の顧客のみならず、他行の顧客、或いは他の金融機関の顧客等に対しても、両替行為の実行を促したり、装置の稼働時間を延長して利用顧客数の増加を図ることなどが模索されている。更には、採算性確保の観点からは、金融機関に対する顧客の貢献の度合いに応じた両替手数料体系を適用することの他、両替手数料体系を柔軟に運用すること、例えば、両替取扱装置の設置店舗ごとの両替手数料体系の柔軟な運用が求められつつある。
【0006】
こうした情勢にありながら、特許文献1の技術では、両替専用のカードを用いた場合の利便性を高めるものの、両替手数料の柔軟な設定についての改善の余地が残されている。特許文献2にあっても、両替手数料体系は両替取扱装置とデータ送受信可能に接続された手数料管理サーバで一括管理されており、両替手数料設定の柔軟な運用にも限界があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、両替といった現金取扱に際しての手数料の徴収についての上記問題点を解決するためになされ、手数料の柔軟な運用を可能とすることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の現金取扱装置では、現金取引を所望する顧客から取引手数料を徴収して現金取引を行うに当たり、顧客識別部にて、顧客を識別する。その一方、取引手数料については、これを、前記顧客を複数階層に区分したそれぞれの顧客区分と、前記現金取引の内容を複数階層に区分したそれぞれの取引内容区分とに対応付け、取引内容区分を複数階層に区分する複数の取引内容区分基準と共に手数料記憶部に記憶する。この記憶した取扱手数料の決定は手数料決定部が行い、手数料決定部は、前記顧客識別部の識別結果に基づいて前記顧客が属する前記顧客区分を定め、該定めた前記顧客区分と、前記顧客が所望する前記現金取引の内容が属する前記取引内容区分とに基づいて、前記手数料記憶部を参照して前記取引手数料を決定する。
【0009】
こうして決定された取扱手数料を顧客から徴収するのであるが、本発明では、表示部により、前記取引内容区分を複数階層に区分する複数の取引内容区分基準と、前記顧客区分と前記取引内容区分とに対応する前記取引手数料の少なくとも一方を手数料情報として表示し、設定部にて、この表示された前記手数料情報を設定する設定操作を受け付ける。そして、この設定部により前記手数料情報の設定があると、更新部は、前記指定された前記手数料情報に優先して、前記手数料記憶部の記憶内容を前記設定された前記手数料情報に更新する。この結果、本発明によれば、現金取引装置の側での複数の取引内容区分基準と取引手数料の少なくとも一方の手数料情報表示と、現金取引装置の側でのこの手数料情報表示を視認した上での手数料情報(取引内容区分基準および/または取引手数料)の設定操作とを経て、多様に手数料情報(取引内容区分基準および/または取引手数料)を現金取引装置個々で設定できることから、両替といった現金取扱に際しての手数料徴収の柔軟な運用が可能となる。
【0010】
更新部による手数料記憶部の記憶内容更新に際しては、記憶済みの記憶内容を上書き更新するほか、更新対象とする記憶内容を記憶済みの記憶内容と同じ内容で別に用意し、その更新対象の記憶内容を書き換えるようにもできる。
【0011】
上記した本発明の現金取扱装置は、次のような態様とすることもできる。例えば、前記手数料決定部が決定した前記取引手数料を、前記顧客からの取引手数料徴収に先だって手数料表示部に表示することもできる。こうすれば、現金取引を所望する顧客に対して現状取引に要する取引手数料を予め顧客に知らしめることができるで、ユーザーフレンドリーとなる。
【0012】
こうした取引手数料表示は、現金取引装置の側での複数の取引内容区分基準と取引手数料の少なくとも一方の表示と、現金取引装置の側でのこの表示を視認した上での取引内容区分基準および/または取引手数料の設定操作とは独立して行うようにもできる。
【0013】
また、前記手数料決定部による取引手数料決定際しては、前記顧客が所望する前記現金取引が属する前記取引内容区分を、前記顧客からの指示に基づいて決定するようにすることもできる。こうすれば、顧客の所望する現金取引に即した取引手数料となり、顧客の違和感を緩和できる。
【0014】
また、前記手数料記憶部での取引手数料記憶に際して、取引を行う時間帯に応じて異なる前記取引手数料を記憶するようにすることもできる、こうすれば、例えば、営業時間外での取引や休日での取引等における取引手数料の決定および徴収を、営業時間帯より割高なものとして、顧客へのサービス向上と採算性の両立を図ることができる。
【0015】
更に、現金取引として両替を行う現金取扱装置としての適用に際しては、
貨幣の投入を受ける貨幣投入部と、
該投入された貨幣を前記顧客が指定した金種の貨幣に両替し、前記取引手数料としての両替手数料を徴収すると前記両替した貨幣を払い出す両替部とを備え、
前記手数料記憶部は、前記取引手数料としての前記両替手数料と、前記現金取引区分としての両替内容区分を複数階層に区分する両替内容区分基準とを記憶し、
前記表示部は、前記両替内容区分を複数階層に区分する複数の両替内容区分基準と、前記顧客区分と前記両替内容区分とに対応する前記両替手数料の少なくとも一方を前記手数料情報として表示し、
前記設定部により前記手数料情報が設定されると、前記更新部は、前記手数料記憶部が記憶済みの前記手数料情報を更新し、
前記手数料決定部は、前記顧客区分と、前記顧客が指定した前記両替内容が属する前記取引内容区分とに基づいて、前記手数料記憶部を参照して前記両替手数料を決定するように構成することもできる。
【0016】
こうすれば、現金取引の一形態である両替行為において、その手数料の柔軟な運用やユーザーへのサービス向上に資することができる。例えば、商業地域と飲食街では、両替を必要とする額や両替金種、時間帯、使用頻度等が種々異なるが、本装置の設置地域の特性に応じた手数料設定とその徴収ができるようになる。
【0017】
上記した構成において、
前記貨幣投入部と前記両替部を有する装置本体と、
前記表示部と前記設定部とを有し、前記装置本体に装着設置される装着体とを備え、
該装着体は、
前記両替手数料を徴収するために貨幣の投入を受ける手数料貨幣投入部を前記貨幣投入部とは別に備えるようにすることもできる。
【0018】
こうすれば、両替部を有する装置本体を備えた既存の現金取引装置(この場合は、現金両替装置)に装着体を装着するという改造で、上記した利点を有する現金取引装置にでき、既存装置の有効利用を図ることができる。
【0019】
若しくは、前記貨幣投入部と前記両替部と前記表示部と前記設定部とを有する装置本体と、
該装置本体に装着設置され、前記両替手数料を徴収するために貨幣の投入を受ける手数料貨幣投入部を前記貨幣投入部とは別に有する装着体と備えるようにすることもできる。
【0020】
こうすれば、両替に必要な構成を装置本体に備え付けて、装着体自体について、これを両替手数料としての硬貨投入の受け付けに特化できるので、手数料(硬貨)回収が容易となる。
【0021】
また、現金両替装置としての現金取扱装置において、
所定の前記顧客区分に属する顧客が、所定の両替内容区分に属する両替内容で両替する所定の両替行為の単位期間当たりの実行回数の上限を設定する両替行為上限設定部を備え、
前記手数料決定部は、
前記単位期間内における前記所定の顧客による前記所定の両替行為の実行回数が前記設定した上限の実行回数を超えた以降についての前記両替行為の際に、前記所定の顧客区分と前記所定の両替内容区分とに対応する前記両替手数料に代わる両替手数料を決定するようにすることもできる。
【0022】
こうすれば、両替行為が上限の実行回数となるまでとその上限を超えた場合とで両替手数料を異なるように簡単にできるとともに、この上限の実行回数についても独自に設定可能となる。よって、両替に際してのサービスのより一層の多様化を図ることができる。
【0023】
この場合、前記手数料決定部が前記所定の顧客区分と前記所定の両替内容区分とに対応する前記両替手数料に代わって決定する前記両替手数料を、前記所定の両替内容区分より一階層上の両替内容区分に対応する両替手数料とすることもできる。
【0024】
更に、前記設定された上限の実行回数に達するまでの両替行為の実行回数を、前記顧客からの両替手数料徴収に先だって実行回数表示部に表示するようにもでき、こうすれば、後何回の両替行為で所定の上限回数に達するかを、両替行為に先だって顧客に示すことができるので、この点でもサービスの多様化、ユーザーフレンドリーを進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。図1は実施例における現金両替装置100の外観概略を示す斜視図、図2はこの現金両替装置100に装着した手数料徴収装置200の前面扉を開いた様子を示す斜視図、図3は手数料徴収装置200の上面の様子を示す説明図である。
【0026】
図示するように、現金両替装置100は、両替装置本体112に手数料徴収装置200を装着して構成される。本実施例では、この手数料徴収装置200は、銀行、信用金庫等に設置済みの両替装置の有効利用を図るため、両替装置本体112に後付装着する構成を取っている。なお、手数料徴収装置200を装着済みの現金両替装置100として構成できることは勿論である。
【0027】
両替装置本体112は、装置前面上部に、カード挿入口114を備え、その下方には、硬貨取出口116と、紙幣取扱口118と、包装硬貨取出口120と、表示機器122とを備える。カード挿入口114は、顧客が有するカードを両替に際して装置内に受け取り、両替後にはカードを放出して顧客に返却する。硬貨取出口116は、通常は前面のシャッターを閉じており、両替後にシャッターを開けて硬貨を顧客に受け渡す。紙幣取扱口118は、通常は前面のシャッターを閉じており、両替に際しては、シャッターを一旦開けて顧客から紙幣を受け取り、シャッターを閉じる。なお、読み取り不能な紙幣、取扱不可の紙幣については、返却する。包装硬貨取出口120は、通常は上面のシャッターを閉じており、両替後にシャッターを開けて包袋済み硬貨を顧客に受け渡す。表示機器122は、後述する種々の案内内容を表示するほか、タッチセンサ式の入力装置としても構成されており、顧客からの両替内容の入力を受ける。硬貨取出口116や包装硬貨取出口120は、後述のプログラムにより実行される両替機能と相俟って、本願に云う両替部を構成する。また、表示機器122は、後述のプログラムにより実行される両替機能と相俟って両替手数料や両替行為回数の上限等を表示するよう構成されていることから、本願に云う手数料表示部や実行回数表示部を構成する。
【0028】
手数料徴収装置200は、両替装置本体112が両替として扱う貨幣とは別個の貨幣取扱を意図しており、両替手数料だけを独自に徴収するよう構成されている。そして、この手数料徴収装置200は、両替装置本体112に後付けした際の違和感が軽減されるよう、薄型の長方体形状とされ、その上面を顧客操作部210とする。また、手数料徴収装置200は、前面カバー202の内部の徴収ボックス203に、顧客の接近(即ち、両替行為の有無)を検知する顧客検知センサ204と、硬貨返却口206と、操作部キーロック208と、硬貨回収部209と、手数料表示設定入力部300とを備え、顧客検知センサ204と硬貨返却口206を前面カバー202から外部に臨ませている。硬貨返却口206は、釣り銭等の硬貨を返却する。操作部キーロック208は、手数料表示設定入力部300による両替手数料の表示、並びにその設定を許可する際に操作されるものであり、通常はロックされている。そして、手数料設定の権限を有する係員(多くは、銀行等店舗の責任者)のロック解除操作を経て、手数料表示設定入力部300の表示と設定を許可する。この手数料表示設定入力部300については、後述する。
【0029】
顧客操作部210は、図3に示すように、左から順に、手数料表示部212と、受付金種表示部214と、硬貨投入口216と、返却ボタン218と、硬貨返却報知部220とを備える。手数料表示部212は、後述のプログラムにより実行される両替機能と相俟って両替手数料を表示するよう構成され、本願に云う手数料表示部を構成する。この場合、手数料表示部212は、顧客が両替手数料として硬貨を投入するたびに、その投入硬貨の額を両替手数料から差し引いた残金も表示する。この残金算出は、図示しないプログラムにより実行される残金演算機能によって行われ、手数料表示部212は、その結果としての残金を表示する。受付金種表示部214は、種々の金種の貨幣を表すパネルを備え、パネル下面のランプを点灯することで、両替手数料の徴収に際して受け付け可能な金種の硬貨を顧客に案内表示する。これにより、顧客は、両替手数料の支払いに際して、釣り銭がないようにして支払が可能となる。なお、両替手数料を超える額の支払いがなされたときは、釣り銭を硬貨返却口206から返却することは勿論である。硬貨投入口216は、顧客から硬貨の投入を受けることから、本願に云う貨幣投入部に相当する。返却ボタン218は、釣り銭の返却に際して顧客に操作され、その操作があると、釣り銭が硬貨返却口206から返却される。硬貨返却報知部220は、釣り銭等の返却硬貨があった場合に点灯して、顧客に釣り銭がある旨を表示し、返却報知を行う。
【0030】
上記した現金両替装置100での両替は、次のようにして行われる。顧客は、両替に先立ち、カードを両替装置本体112のカード挿入口114に挿入する。これにより、後述の両替機能が実行される。カードを有しない顧客であれば、顧客検知センサ204での顧客検知から所定時間経過後に、カードを有しない顧客に対する両替だとして、両替機能が実行される。顧客は、表示機器122の案内表示を見つつ、この表示機器122にて両替金額や、両替後の硬貨種別等を入力する。現金両替装置100は、この操作を受けて、紙幣取扱口118のシャッターを開閉して紙幣を受け付け、紙幣判別、金種判別等を行った後、硬貨を硬貨取出口116や包装硬貨取出口120から顧客に受け渡す。この受け渡しの際には、シャッターの開閉が行われる。
【0031】
次に、現金両替装置100の電気的な構成について説明する。図4は現金両替装置100の電気的な構成を示すブロック図である。図示するように、現金両替装置100は、両替装置本体112が有する制御部150と手数料徴収装置200が有する徴収制御部230を中心にして構成される。現金両替装置100は、ネットワークNWを介して管理コンピュータHCと接続され、この管理コンピュータHCとの間でデータ送受信可能とされている。
【0032】
制御部150は、マイクロコンピュータとして構成され、論理演算回路であるCPU、一時的データの記憶を行うRAM160、後述するプログラムに付いてのデータ等を記憶するROM162、手数料記憶部164等を備え、これらと後述のプログラムとで、顧客識別部152、手数料決定部154、手数料更新部156、両替処理部158を構成する。両替装置本体112は、この他、貨幣入出金部166、カード処理部168、硬貨処理部170、紙幣処理部172、帳票処理部174、顧客操作部176、表示制御部177、係員操作部178、音声案内処理部180、通信処理部182を備え、これらは制御部150と接続されて制御される。
【0033】
顧客識別部152は、カード挿入口114に挿入されたカードの読み取り結果に応じて顧客を識別する。カード読み取りは、カード処理部168にて行われ、顧客識別部152による顧客識別に際しては、ネットワークNWを介して管理コンピュータHCの顧客データベースとの照合が行われる。この場合、制御部150の側に店舗取引顧客についての店舗顧客データベースを備え、制御部150の側でのデータベース照合での顧客識別、店舗顧客データベースにない顧客についての管理コンピュータHC側のデータベース照合を行うようにすることもできる。こうすれば、店舗取引顧客についてはネットワークを介した照合が不要となるので、顧客識別が簡便となる。カード処理部168は、カード読み取りの他、挿入されたカードの装置内への引き込み、挿入孔へのカード戻し、取引状況(両替状況)のカードへの書き込み更新等も行う。
【0034】
手数料記憶部164は、ハードディスク等の記憶装置として構成され、顧客を複数階層に区分したそれぞれの顧客区分と、両替内容を複数階層に区分したそれぞれの両替内容区分とに対応付けて、後述するように両替手数料を記憶する。
【0035】
手数料決定部154は、顧客識別部152で識別した顧客が属する顧客区分を定めると共に、その定めた顧客区分と、顧客操作部176の操作(具体的には両替金額、両替後の硬貨種別等)で定まる両替内容が属する両替内容区分とに基づいて、手数料記憶部164の両替手数料を決定する。顧客操作部176は、表示機器122におけるタッチセンサ式の入力装置の操作を制御部150に送信すると共に、表示機器122における両替内容表示や操作手順の案内表示を制御する。
【0036】
手数料更新部156は、後述するように両替内容区分基準や両替手数料の設定があった場合に、例えば、現金両替装置100とネットワークNWで接続された管理コンピュータHCから指定された両替内容区分基準や両替手数料に優先して、手数料記憶部164の記憶内容を、設定された両替内容区分基準や両替手数料に更新する。
【0037】
両替処理部158は、投入された紙幣の金種判別や、真偽判別の他、両替後の硬貨・紙幣の金種・枚数算出等の両替に関する処理の他、現金両替装置100が行う多様な処理を統括的に制御する。
【0038】
貨幣入出金部166は、両替に際して硬貨取出口116や紙幣取扱口118のシャッター開閉を行い硬貨や紙幣を入出金処理する。硬貨処理部170は、硬貨取出口116や包装硬貨取出口120のシャッター開閉を行い、両替後の硬貨をバラで或いは包装硬貨として出金する。紙幣処理部172は、両替に際して紙幣取扱口118のシャッター開閉を行い、紙幣を入金処理すると共に、両替後の紙幣を出金する。帳票処理部174は、両替取引した取引情報を記載した明細票を作成・発行し、その明細書をシャッター開閉を経て紙幣取扱口118或いはカード挿入口114から顧客に受け渡す。この場合、帳票処理部174が発行した明細表における取引情報は、控え伝票として現金両替装置100の内部に保管されると共に、所定の記憶機器に記憶される。係員操作部178は、両替装置本体112の内部に設置されており、障害復旧時や保守点検時等において係員により操作される。音声案内処理部180は、表示機器122に併設された図示しないスピーカから、両替手順を音声にて案内する。通信処理部182は、手数料徴収装置200との間で種々のデータ送受信に用いられる。
【0039】
手数料徴収装置200の側の徴収制御部230にあっても、マイクロコンピュータとして構成され、論理演算回路であるCPU、一時的データの記憶を行うRAM240、手数料徴収や手数料設定等のプログラムについてのデータ等を記憶するROM242等を備え、これらと後述のプログラムとで、手数料表示処理部232、手数料設定処理部234を構成する。手数料徴収装置200は、この他、硬貨処理部244、金額表示処理部246、通信処理部248を備え、これらは徴収制御部230と接続されて制御される。また、この徴収制御部230には、図2に示した操作部キーロック208や顧客検知センサ204、手数料表示設定入力部300が接続されている。
【0040】
手数料表示処理部232は、手数料表示設定入力部300を介した係員による両替手数料設定に際して、両替内容区分を複数階層に区分する複数の両替内容区分基準と、顧客区分と両替内容区分とに対応する両替手数料とを後述するように手数料表示設定入力部300に表示する。手数料設定処理部234は、後述するように手数料表示設定入力部300を介した係員による両替手数料の設定操作があると、その設定操作を受け付け、当該操作に即した両替手数料等の表示や設定後の両替手数料に応じたデータを作成する。このデータは、通信処理部248を介して両替装置本体112の制御部150に送られ、手数料更新部156による手数料記憶部164の記憶更新に用いられる。
【0041】
硬貨処理部244は、手数料徴収装置200の顧客操作部210における硬貨投入口216に投入された硬貨を受け付けて回収処理し、偽造硬貨や受け付けに不適な硬貨(例えば、外国硬貨等)の返却、取引中止時の硬貨返却を行う。金額表示処理部246は、決定された両替手数料や硬貨投入に伴う手数料残金(徴収未了額)を顧客操作部210の手数料表示部212に表示すると共に、受付金種表示部214における金種表示も行う。また、この金額表示処理部246は、硬貨返却時において硬貨返却報知部220を点灯制御し、硬貨返却の旨を顧客に硬貨返却報知部220を介して報知する。通信処理部248は、両替装置本体112の側の制御部150とのデータ送受信に関与し、両替装置本体112の通信処理部182と接続されている。
【0042】
ここで、本実施例の現金両替装置100が行う両替処理や手数料設定の説明に先立ち、両替を所望する顧客の区分の様子と両替手数料の詳細について説明する。
【0043】
本実施例では、現金両替装置100を用いた両替に際し、顧客の貢献の度合いを考慮することとした。具体的には、顧客を、大きな区分として、両替カードやキャッシュカード等のカードを有していない非カード顧客と、何らかのカードを用いて両替を行うカード顧客に区分する。その上で、カード顧客については更に細分化し、ある金融機関についての自行自店舗(現金両替装置100の設置店舗)発行の一般両替カードで両替を所望する一般両替カード顧客、自行自店舗発行の第1優遇両替カードで両替を所望する第1優遇両替カード顧客、自行自店舗発行の第2優遇両替カードで両替を所望する第2優遇両替カード顧客、自行他店舗発行の他店舗両替カードで両替を所望する他店舗両替カード顧客、事業提携金融機関発行の他行両替カードで両替を所望する他行両替カード顧客、自行発行のキャッシュカードで両替を所望する自行Cカード顧客、事業提携金融機関発行のキャッシュカードで両替を所望する他行Cカード顧客に区分する。
【0044】
こうした顧客区分に従った顧客の区分付けは、自行自店舗の両替カード(一般両替カード、第1優遇両替カード、第2優遇両替カード)を顧客に発行する際において、顧客の貢献度合いに応じて当該店舗にて決定される。例えば、一般両替カードについては、自店舗に取引口座(普通口座・当座口座)を有し、両替内容である頻度や両替額、両替硬貨枚数等が比較的少ない顧客に対して発行する。第1優遇両替カードは、自店舗に取引口座を有した上で定期預金等の貯蓄性の高い口座も備え、頻度や両替額、両替硬貨枚数等が比較的多い顧客に対して発行する。第2優遇両替カードは、自店舗に取引口座を有した上で定期預金等の貯蓄性の高い口座も備え、頻度や両替額、両替硬貨枚数等が多い顧客に対して発行する。このように、現金両替装置100を設置した店舗での顧客区分は当該店舗で高い自由度で設定可能である。この設定の様子については、後述する。
【0045】
上記の顧客区分を顧客の貢献に対応した優遇度合いで説明すると、第2優遇両替カード顧客は、当該顧客が該当店舗に対する貢献が最も高いことから、最も優遇度合いが高く、その次の順位は第1優遇両替カード顧客である。次に、一般両替カード顧客と他店舗両替カード顧客と他行両替カード顧客とが同列に続き、その下位に、自行Cカード顧客と他行Cカード顧客とが同列で、最下位が非カード顧客とされている。こうした優遇度合いに応じた顧客区分についても、現金両替装置100の設置店舗で設定可能である。例えば、同列順位をなくし、第2優遇両替カード顧客、第1優遇両替カード顧客、一般両替カード顧客、他店舗両替カード顧客、他行両替カード顧客、自行Cカード顧客、他行Cカード顧客、非カード顧客の順に、優遇度合いを定めるようにすることもできる。
【0046】
こうした優遇度合いに応じて両替手数料は定められ、手数料管理の上からは、管理コンピュータHCの側から、ネットワークNWを介して各店舗の現金両替装置100に、顧客区分ごとの両替手数料がロードされる。一旦ロードされた両替手数料に固定したままでは顧客対するサービスの硬直化を招き、店舗ごとの独自なサービスの多様化・差別化が阻害される。よって、本実施例では、この顧客区分ごとの両替手数料体系を後述するように現金両替装置100の側で個別に設定できるようにした。図5は顧客区分ごとの両替手数料体系の設定結果の一例を示す説明図である。
【0047】
この図5に示すように、両替手数料体系は、それぞれの顧客ごとに両替内容を4ランクに区分して構成され、更に営業時間内適用のものと、営業時間外適用のものが用意されている。これを上記した優遇度合いの順に説明すると、第2優遇両替カード顧客は、最も優遇度合いが高いことから、営業時間内の両替については、現金両替装置100を用いた両替に際し両替手数料は無料であり、営業時間外に限って、どの両替内容ランクでも一律で定額の両替手数料とされている。第1優遇両替カード顧客は、営業時間内における両替内容ランク1については、両替手数料を無料とし両替内容ランク2〜4については一律で定額の両替手数料とされている。営業時間外は、各両替内容ランクごとに所定額だけ増額となる。一般両替カード顧客と他店舗両替カード顧客と他行両替カード顧客は、両替内容ランクごとに増額となり、営業時間外にあっても各ランクごとに割り増しとされている。自行Cカード顧客と他行Cカード顧客は、上記の一般両替カード顧客より割り増しとされ、非カード顧客は更に割り増しとされている。
【0048】
そして、特定の両替内容、具体的には最も両替頻度が高く両替処理としても負担の少ない営業時間内のランク1の両替内容では、当該両替内容ランクでの料金の適用を受け得る1日当たりの上限回数も設定されている。つまり、第2優遇両替カード顧客は、上限がないことから、このランク1に属する両替行為であれば、営業時間内に何度行っても手数料は無料である。非カード顧客については、両替の都度に図5に記す両替手数料が必要となる。それ以外の顧客(一般両替カード顧客、第1優遇両替カード顧客、他店舗両替カード顧客、他行両替カード顧客、自行Cカード顧客)は、ランク1に属する両替行為であれば、営業時間内において3回までは手数料は無料であり、4回目以降からは両替手数料が必要となる。本実施例では、この4回目以降のランク1の両替行為については、次のランクであるランク2の両替内容の両替手数料を適用するようにされている。
【0049】
図5に示すそれぞれの顧客区分とそれぞれの両替内容とに対応した両替手数料と、両替内容のランク分けをする両替枚数(両替内容区分基準)とは、後述するように現金両替装置100の側で個別に設定可能である。また、両替内容を更に細分化するようにすることもできる。この点についても後述する。営業時間内と時間外の料金体系の使い分けは、両替行為が行われる時刻を持ってなされる。
【0050】
次に、上記した両替手数料体系を用いて本実施例の現金両替装置100が制御部150と徴収制御部230とを協働させて行う両替処理について説明する。図6は両替処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。この両替処理は、手数料徴収装置200に設けた顧客検知センサ204(図1参照)からのセンサ信号(顧客検知信号)を契機に実行される。また、処理の途中で顧客により手数料徴収装置200の返却ボタン218が操作されたり、後述の取消操作がされると、これを契機に処理が中止され、それまでの処理内容はリセットされる。
【0051】
顧客検知センサ204の顧客検知を受けて本両替処理ルーチンが開始されると、検知された顧客の操作を待機する(ステップS100)。この待機の間に、現金両替装置100は、顧客による操作を促すべく、例えば、「カードを挿入して下さい」、「開始ボタンを操作下さい」の旨を手数料表示部212の表示画面に表示する。また、音声案内処理部180にて案内音声を流す。顧客は、この画面案内や案内報知により、既述したカードを用いて両替する場合にはそのカードをカード挿入口114に挿入し、カードを持たない場合には、開始ボタンを操作する。
【0052】
顧客操作があると、その時の時刻を図示しないタイマーから読み取って、その時刻を記憶し(ステップS110)、顧客操作がカード挿入かボタン操作かを判別する(ステップS120)。ここでボタン操作であると判別すれば、その顧客は非カード顧客だと識別できるので当該識別結果を記憶して(ステップS125)、後述のステップS150に進む。カード挿入があった場合には、カード挿入口114でのカード受け付け・読込を行い、その読込結果から顧客を識別する(ステップS130)。この識別により、カードを用いた顧客を既述した顧客区分に対応付けることができ、その識別結果を記憶してから、当該カードの使用履歴を読み込みつつ、今回の新たな使用履歴を更新して記憶する(ステップS140)。カードの使用履歴の読込・更新は、後述するように手数料無料での両替回数に上限を設けている都合上、両替を行う一日における使用履歴(使用回数)を把握するためであり、ROM162或いは手数料記憶部164に、前回までの使用履歴と今回の使用を加えた使用履歴が記憶される。
【0053】
上記のステップS130では、顧客が現金両替装置100での両替に使用できないカードの挿入に備え、こうした使用不可カードの挿入があった場合には、その旨の表示を表示機器122に行って、当該カードを返却するようにされている。この使用不可カードは、発行済みの両替カードに使用回数制限がある場合に当該制限を超えたカードや、事業提携を行っていない他の金融機関の両替カード・キャッシュカードなどが含まれる。
【0054】
このステップS140或いは非カード顧客の記憶(ステップS125)に続いては、今回の両替の時刻、上記識別した顧客(顧客区分)に応じた手数料を、図5に示した料金体系から決定する(ステップS150)。例えば、両替時刻が平日の午後1時であれば、図5の営業時間内の料金体系が選択され、両替顧客が非カード顧客であれば、この非カード顧客に該当する各ランクの両替手数料(ランク1〜4)を決定する。カードを利用する上記の一般両替カード顧客等についても同様であり、カード利用顧客については、ステップS130の識別結果が用いられる。
【0055】
次いで、ステップS130でのカード読み取り結果から、使用されたカードは所定の両替内容(本実施例では営業時間内のランク1の両替内容)での両替回数に上限を設けられたものか否かを判定する(ステップS160)。上限が有るカードの利用顧客であれば、ステップS140での履歴読込結果(使用回数)と設定済みの上限回数とを比較し(ステップS170)、使用回数が上限回数を超えていれば、差分をゼロにセットする(ステップS190)。使用回数が上限回数に達していなければ、その差分を算出する(ステップS180)。こうして求めた差分は、ランク1の両替内容での手数料無料の両替回数残を意味する。なお、図5に示したようにこうした上限のない第2優遇両替カード顧客と非カード顧客については、差分を求める必要がないので、続くステップS200に移行する。また、両替時刻が営業時間外であれば、図5に示すように、上限回数の設定がないので、ステップS160〜190をスキップするようにすることもできる。
【0056】
こうして上記した差分や顧客区分・両替時刻に応じた手数料が決まると、顧客に対して両替に先立ち、その顧客が適用を受ける手数料を表示機器122に表示する(ステップS200)。図7は一般両替カード顧客と他店舗両替カード顧客と他行両替カード顧客について営業時間内に適用される手数料表示の様子を示す説明図である。この図7に示すように、これら顧客は、自身が有する両替カードをカード挿入口114に挿入すると、これから行おうとする両替についての手数料を、両替内容のランクごとに、両替に先だって視認することができる。図7の表示画面は、両替内容ランクごとの手数料の一覧表示の他、これら顧客には無料両替の適用があることから、その旨とその上限を「無料両替は、1日に3回のみ可能です。」として表示し、無料両替の実行残回数についても「無料両替は本日あと2回可能です」として表示する。この場合、無料両替の実行回数は、図5にて設定された上限回数が表示され、無料両替の実行残回数は、上記した差分の数値が表示される。
【0057】
上記した表示は、顧客が相違すれば、或いは両替時刻が営業時間内外では、ステップS150で決定される手数料も異なるので、図7に示したものから変更される。例えば、営業時間内には無料両替の適用がある上記の顧客であっても、営業時間外であればその適用がないので(図5参照)、図7の表示画面では、無料両替に関する表示がなされず、営業時間外での手数料が両替内容ランクごとに表示される。顧客が代わった場合でも、その顧客が属する顧客区分に対応した手数料が両替ランクごとに表示されることになる。
【0058】
こうした両替手数料や無料両替の回数表示に際して、既に無料両替の上限回数を超えた場合には、次のようにする。この場合には、図6のステップS190で差分がゼロとされるので、差分=0であれば、図7における無料両替の実行可能な回数をゼロと表示すると共に、両替内容ランク1に該当する両替手数料として、両替内容ランク2の両替手数料を表示する。この場合には、両替内容ランク2の両替手数料が、両替内容ランク1の両替手数料の代用として記憶され、後述の顧客の両替枚数指示を経た両替手数料決定に際して用いられる。
【0059】
こうした手数料表示を行うと、現金両替装置100は、顧客による両替金額、両替金種等の操作を経て、それに応じた両替処理を実行し(ステップS300)、本ルーチンを終了する。
【0060】
図8はステップS300の両替処理の詳細を示すフローチャートである。図示するように、両替処理では、まず、硬貨取出口116や紙幣取扱口118のシャッターを開けて顧客からの貨幣入金に備える(ステップS310)。入金があると上記シャッターを閉じると共に、顧客からの両替内容指定を待機する(ステップS320)。この場合の両替内容は、両替金額、両替後の金種指定が含まれる。この場合、入金を受けた貨幣については、既述した真偽判定や金種判定が行われ、読み取り不可紙幣等については返金処理される。
【0061】
顧客からの両替内容指定があると、その両替内容を、ステップS150で決定した手数料に対応させ、顧客指定の両替内容に合致した手数料を決定して、その手数料を表示する(ステップS330)。手数料決定に際しては、既述した差分に基づいて、今回の両替が手数料無料のものであるかについても決定される。この決定手数料は、両替装置本体112の側の表示機器122において表示される他、手数料徴収装置200の側の手数料表示部212にも表示される。表示機器122での手数料表示に際しては、図7で一覧状に表示した手数料をフラッシュ表示等するようにすることもできる。
【0062】
次いで、顧客指定の両替内容に即した両替金の出金準備を行う(ステップS340)。この出金準備に際しては、バラの硬貨については硬貨取出口116に準備し、包袋硬貨については包装硬貨取出口120に準備する。両替後の紙幣にあっては、紙幣取扱口118に準備する。こうした準備は、シャッターが閉じられた状態で行われる。
【0063】
そして、両替手数料の徴収が必要であるか否かを判定し(ステップS350)、徴収不要(即ち、無料両替)の場合は、ステップS370に移行して入金現金を装置内に収納する。一方、両替手数料の徴収が必要な場合は、顧客による手数料投入を待機してこれを徴収する(ステップS360)。この手数料徴収は、手数料徴収装置200における硬貨投入口216への硬貨投入で行われ、過不足なく手数料が徴収されると、或いはお釣りの返却を伴って手数料徴収がなされると、ステップS370にて現金収納を行う。硬貨投入に際しては、既述したように手数料表示部212での徴収残金表示や、受付金種表示部214での投入金種表示が行われる。また、このステップS370での現金出納と並行して、図示しない帳票発行ルーチンが実行され、これにより帳票処理部174は取り引き内容を記載した帳票を既述したように発行し、帳票を紙幣取扱口118或いはカード挿入口114から顧客に受け渡す。紙幣取扱口118は、取引終了時に返却されるカード挿入口114の下方にあるため、カードの取り忘れ防止が可能となる。帳票をカードと共にカード挿入口114から受け渡すようにすれば、カードの取り忘れ防止効果はより高まる。
【0064】
次に、両替金の受け渡しを行うべく、今回の両替がカード挿入を経て行われたか否かを判定し(ステップS380)、カード利用であれば当該カードを返却して(ステップS390)、硬貨取出口116や包装硬貨取出口120等のシャッターを開き、両替金抜き取りを待機する(ステップS400)。カード利用でなければ、速やかに両替金抜き取り待機に移行する。上記した取出口に設置したセンサにて、顧客による両替金の抜き取りが完了すれば、開いていたシャッターを閉じて本ルーチンを終了する。
【0065】
次に、本実施例の現金両替装置100が行う手数料設定について説明する。図9は手数料設定の手順を示すフローチャート、図10〜図12はこの手数料設定における手順の詳細を示すフローチャートである。図9に示す手数料設定手順は、設定権限のある係員(本実施例では、操作部キーロック208の操作キーを保持する店舗責任者等)による手数料徴収装置200の操作部キーロック208(図2参照)の解除操作を経て実行される。手数料徴収装置200の徴収制御部230は、操作部キーロック208の解除操作があると、両替装置本体112の制御部150にアクセスして、手数料記憶部164から両替手数料体系データ(図5参照)を読み込む(ステップS500)。この読み込んだデータは、後述する項目設定時における表示データとして用いられる。
【0066】
データ読み込みに続いては、設定対象項目を選択する操作が係員により行われたか否かを判定し(ステップS510)、選択操作があるまで待機する。本実施例では、後述するように両替上限設定、両替内容ランク区分値設定、両替内容ランクごとの手数料の各項目の設定が顧客それぞれについて可能であることから、これら項目のうち、設定対象項目の選択を待機することになる。例えば、手数料表示設定入力部300に、これら項目をそれぞれボタン表示して、表示項目の係員によるボタン操作を待機する構成や、ハード的なボタンを手数料表示設定入力部300に設け、その操作を待機する構成などを取るようにすればよい。
【0067】
上記したいずれかの項目が選択されると、その選択された項目の設定処理を行う(ステップS520)。この設定処理の説明に際しては、ステップS510にて例えば両替上限設定が選択されたとして、説明する。図10はこの両替上限設定における手順の詳細を示すフローチャート、図13は手数料設定に際して手数料表示設定入力部300に表示される画面の一例を示す説明図である。
【0068】
本実施例では、両替手数料に関する各項目設定を、営業時間内の料金体系について既述した一般両替カード顧客、第1優遇両替カード顧客、第2優遇両替カード顧客、他店舗両替カード顧客、他行両替カード顧客、自行Cカード顧客、他行Cカード顧客、非カード顧客ごとにそれぞれ設定し、営業時間外の料金体系についても上記の顧客区分順ごとにそれぞれ設定可能とされている。よって、係員による設定対象項目選択(両替上限設定)の操作を経た図10のステップS521では、徴収制御部230は、図13に示すように、既述した顧客区分のうち、一般両替カード顧客が営業時間内に両替を行う場合の手数料設定の最初の画面を手数料表示設定入力部300に表示する。図13の当初表示画面は、一般両替カード顧客についての両替上限に関する項目、具体的には、一日当たりの無料両替の上限回数、一日当たりの両替上限枚数、一日当たりの両替上限回数が表示されることになる。これら項目の数値表示には、ステップS500で読み込んだ両替手数料体系データが用いられる。例えば、図7に示した無料両替回数の数値が、設定後の数値とされる。なお、一日当たりに上限枚数や上限回数を、図7に表示するようにすれば、これらについても設定後のものとなる。
【0069】
徴収制御部230は、上記した一覧表示に続いて係員の両替上限項目についての設定操作を受け付け待機する(ステップS522)。係員は、手数料表示設定入力部300に表示された矢印キーを用いて、設定を所望する項目の数値を反転表示し、その状態でテンキーを操作して数値を変更する。図13では、無料両替の上限回数が変更可能な様子が示されており、テンキー操作により、この上限回数が変更設定される。係員は、表示された各項目の数値を任意に設定できると共に、変更することなく次の項目設定に進むことができる。
【0070】
係員が表示されている各項目のうち、変更を所望する項目の数値をテンキー操作にて変更設定後に設定キー操作をすると、徴収制御部230は、この設定済みの両替上限に関する項目を更新して、手数料記憶部164に記憶させる(ステップS523)。これにより、この設定操作以降にあっては、設定後の両替上限に関するデータが両替手数料体系に反映される。
【0071】
上記した両替上限の設定処理は、既述した種々の顧客のうちの一般両替カード顧客についてのものであることから、徴収制御部230は、一般両替カード顧客についての設定項目の表示・係員による設定操作を経たデータ更新を行うと、次の顧客(例えば、第1優遇両替カード顧客等)についても設定を行う。この次の顧客についての設定は、図13の表示画面における右上表示部を押圧するごとに顧客が切りかわるので、例えば、図13の図示の状態から一回押圧されると、一般両替カード顧客の次の顧客である第1優遇両替カード顧客等についての表示・設定画面となる。このようにして顧客を変えつつ変更設定が完了すると、例えば図13における終了ボタンが操作されると、両替上限に関する設定、即ちステップS510で選択された項目の設定が完了するので、次のステップに進む。
【0072】
ステップS510で両替内容ランク区分値設定が選択された場合は次のようになる。図11はこの両替内容ランク区分値設定における手順の詳細を示すフローチャートである。この場合は、まず、読み込み済みの両替手数料体系データに基づいて、一般両替カード顧客に関しての両替内容ランクを一覧表示する(ステップS524)。図14は手数料表示設定入力部300に表示される両替内容ランク設定画面の一例を示す説明図である。
【0073】
本実施例では、図5に示すように、それぞれの顧客についての両替内容をその両替枚数に応じてランク1〜4に区分けしている。よって、両替内容を区分する区分値(区分基準値)は3個用意されている。図14は、このそれぞれの両替内容区分値を表示した様子を示している。
【0074】
徴収制御部230は、上記した一覧表示に続いて係員の両替内容のランク区分値についての設定操作を受け付け待機する(ステップS525)。係員は、手数料表示設定入力部300に表示された矢印キーを用いて、設定を所望する項目の数値を反転表示し、その状態でテンキーを操作して数値を変更する。図14では、両替内容のランク2とランク3の境界を定める上限枚数が変更可能な様子が示されており、テンキー操作により、この上限枚数が変更設定される。係員は、表示された各項目の数値を任意に設定できると共に、変更することなく次の項目設定に進むことができる。
【0075】
この図14に示すように、本実施例では、ランクの境界を定めるランク区分値を10個まで用意している。よって、図14では数値ゼロと表示してあるところに上限枚数を設定入力することで、図5示した両替料金体系をより細分化するようにすることもできる。
【0076】
係員が表示されている各項目のうち、変更を所望する項目の数値をテンキー操作にて変更設定後に設定キー操作をすると、徴収制御部230は、この設定済みの両替内容ランク区分値に関する項目を更新して、手数料記憶部164に記憶させる(ステップS526)。これにより、この設定操作以降にあっては、設定後の両替内容ランクに関するデータが両替手数料体系に反映される。例えば、図7に示した両替枚数の表示数値が、設定後の数値とされる。
【0077】
上記した両替内容ランク区分値の設定処理は、既述した種々の顧客のうちの一般両替カード顧客についてのものであることから、先に説明したように、一般両替カード顧客以外の顧客についても必要に応じて設定を行う。そして、顧客を変えつつ変更設定が完了すると、次のステップに進む。
【0078】
ステップS510で両替内容ランクごとの手数料設定が選択された場合は次のようになる。図12はこの両替内容ランクごとの手数料設定における手順の詳細を示すフローチャートである。この場合は、まず、読み込み済みの両替手数料体系データに基づいて、一般両替カード顧客に関しての両替手数料一覧表示する(ステップS527)。図15は手数料表示設定入力部300に表示される両替内容ランクごとの両替手数料設定画面の一例を示す説明図である。
【0079】
徴収制御部230は、上記した一覧表示に続いて係員の手数料設定についての設定操作を受け付け待機する(ステップS528)。係員は、手数料表示設定入力部300に表示された矢印キーを用いて、設定を所望する両替内容に対応する手数料数値を反転表示し、その状態でテンキーを操作して数値を変更する。図15では、両替枚数が301〜500枚までの両替内容ランク3についての両替手数料が変更可能な様子が示されており、テンキー操作により、この領下手数料が変更設定される。係員は、表示された各項目の数値を任意に設定できると共に、変更することなく次の項目設定に進むことができる。
【0080】
この図15に示すように、本実施例では、先に説明したように余分のランク区分値にて両替内容ランクに予備を持たせている。よって、図15において数値ゼロとされている予備の両替内容ランクに手数料を設定入力することで、図5示した両替料金体系をより細分化するようにすることもできる。
【0081】
係員が表示されている各両替内容ランクのうち、変更を所望する手数料数値をテンキー操作にて変更設定後に設定キー操作をすると、徴収制御部230は、この設定済みの両替手数料に関する項目を更新して、手数料記憶部164に記憶させる(ステップS529)。これにより、この設定操作以降にあっては、設定後の両替手数料が両替手数料体系に反映される。例えば、図7に示した両替内容ランクごとの両替手数料の表示数値が、設定後の数値とされる。
【0082】
上記した両替内容ランクごとの手数料の設定処理は、既述した種々の顧客のうちの一般両替カード顧客についてのものであることから、先に説明したように、一般両替カード顧客以外の顧客についても必要に応じて設定を行う。そして、顧客を変えつつ変更設定が完了すると、次のステップに進む。
【0083】
徴収制御部230は、こうして設定項目の表示・係員による設定操作を経たデータ更新を行うと、図9に示すように、両替手数料項目の継続選択の有無を係員によるボタン操作等に基づき判定する(ステップS530)。つまり、最初のステップS510で例えば両替上限設定が選択されて図10に示す処理が行われれば、徴収制御部230は、改めて手数料表示設定入力部300に両替上限設定、両替内容ランク区分値設定、両替内容ランクごとの手数料の各項目設定のそれぞれのボタン表示を行い、これらボタン操作の状況から設定項目の継続或いは完了を判定する。上記のボタン表示の際には、既に選択設定済みの項目についてのボタンは反転表示、表示削除等の手法により非選択のボタンと区別するようにされている。そして、例えば上記のボタン表示の画面に完了ボタンを表示するようにし、設定項目に対応するボタン操作があれば設定を継続すると判定してその選定項目についての既述した設定処理を実行し、完了ボタンが操作されれば設定が完了したとして、本ルーチンを終了する。
【0084】
一般両替カード顧客以外の他の顧客についての設定に際して上記の処理を繰り返す場合、設定無用なものについては該当する処理を省くことができる。例えば、非カード顧客は、無料両替の適用がないので、第2優遇両替カード顧客は、無料両替の上限回数が制限がないので、これら顧客については、無料両替の上限回数の設定は不要である。よって、この場合には、無料両替の上限回数設定を省くことができる。また、既述したように、他店舗両替カード顧客と他行両替カード顧客は、優遇度合いの順位で云えば一般両替カード顧客と同列であり、図5に示すように手数料料金も差がないことから、これら顧客についての設定を省くことができる。なお、図5では、無料両替の上限回数が一律に3回とされているが、顧客ごとのステップS520での上限回数設定により、各顧客ごとの上限回数を異なるようにすることもできる。また、両替内容を区分するランク区分値(両替枚数)は、図5では顧客ごとに一律であるが、これについても顧客ごとのステップS560でのランク区分値設定により、顧客によって、両替内容を区分する両替枚数を変更するようにすることもできる。
【0085】
図9〜図12を用いて説明した手数料設定手順は、手数料徴収装置200の側の手数料表示設定入力部300を用いて手数料徴収装置200の徴収制御部230で行うよう説明したが、両替装置本体112の制御部150が表示機器122に手数料表示設定入力部300に類する画面表示・設定操作待機等を行うようにして、両替装置本体112の側で行うこともできる。
【0086】
以上説明したように、本実施例の現金両替装置100によれば、両替を所望する顧客から両替手数料を徴収して両替を行うに当たり、顧客が用いるカードを読み取って顧客が属する顧客区分を識別する(ステップS130)。その一方、両替手数料については、これを、図5に示すように、顧客を複数階層に区分したそれぞれの顧客区分と、両替内容を4ランクに区分したそれぞれのランク1〜4とに対応付けた両替手数料体系として手数料記憶部164に記憶するようにした。そして、カード読み取りを経た顧客識別と取引時間(ステップS110)と顧客指示による両替内容とに基づいて、記憶済み両替手数料体系から徴収すべき両替手数料を決定する(ステップS330)。
【0087】
こうして決定された両替手数料を顧客から徴収するのであるが、この両替手数料決定に用いる種々の項目、具体的には、無料両替の上限回数、両替内容を区分する境界であるランク区分値(両替枚数)および各両替内容ごとの両替手数料を、一覧表示しつつ(ステップS521等)、係員による設定操作を経て更新記憶するようにした(ステップS522〜523等)。このため、こうした設定以後においては、設定済みの項目が現金両替装置100ごとに適用され、この設定後の両替手数料の徴収を行う。従って、本実施例の現金両替装置100によれば、徴収する両替手数料を定める上で不可欠な両替内容を区分するランク区分値や両替手数料を個々の現金両替装置100で独自に設定できることから、両替取扱に際しての手数料徴収の柔軟な運用やユーザーへのサービス向上に資することができる。例えば、商業地域と飲食街では、両替を必要とする額や両替金種、時間帯、使用頻度等が種々異なるが、本装置の設置地域の特性に応じた手数料設定とその徴収ができるようになる。より具体的には、期間限定のキャンペーンとして両替手数料を低額に設定したりすることもできる。
【0088】
しかも、本実施例では、顧客の優先順位を考慮した手数料料金を設定することで、顧客に対するサービスの多様化・差別化を図ることができるばかりか、例えば、時間外料金の柔軟な設定等により収益確保の上からも好ましい。
【0089】
また、上記した両替内容を区分するランク区分値や両替手数料の設定を顧客が属する顧客区分に応じて行うので、より一層のサービスの多様化・差別化を図ることできる。
【0090】
また、顧客識別を経て決定した両替手数料を、両替行為に先だって装置前面の表示機器122に表示するので(図7参照)、両替に必要な両替手数料を予め顧客に知らしめることができるで、ユーザーフレンドリーとなる。加えて、両替行為の実施状況に基づいて、例えば、無料両替の有効回数なども算出・表示するので(ステップS140〜200/図7参照)、より使いやすい。
【0091】
また、本実施例では、両替手数料の徴収を、両替装置本体112とは別個の手数料徴収装置200で行うようにし、この手数料徴収装置200を両替装置本体112に後付装着できるものとした。よって、両替機能を実行する装置本体を備えた既存の現金両替装置に手数料徴収装置200を装着するという改造で、上記した利点を有する現金両替装置100にでき、既存装置の有効利用を図ることができる。
【0092】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、上記の実施例では、手数料徴収装置200を両替装置本体112とは別体として構成したが、手数料徴収装置200を両替装置本体112に組み込んだ現金両替装置100とすることもできる。
【0093】
また、硬貨にて両替手数料を徴収する場合について説明したが、両替カードにプリペイド機能や口座引き落とし機能を持たせたりして、手数料の自動徴収を行うよう、構成することもできる。
【0094】
更に、手数料徴収装置200の構成をより簡略化することもできる。図16は手数料徴収装置200の他の形態を採用した際の現金両替装置100の内部構成を概略的に示す説明図である。以下に説明する形態の手数料徴収装置200は、両替上限等の設定に関与する機能を総て現金両替装置100の側に集約し、両替手数料としての硬貨徴収に特化した構成を有する。
【0095】
この場合の現金両替装置100は、本体前面構成は図1に示した構成とした上で、図16に示すように、背面パネル130を開けた装置内部に、手数料表示設定入力部300と、図4に示した硬貨処理部170や紙幣処理部172、カード処理部168、硬貨処理部170下方の包装硬貨出金部171などのハード的機器とを備える。この硬貨処理部170は、既述した手数料徴収装置200における硬貨処理部244の機能も果たす。これにより、手数料徴収装置200は、両替手数料の金額表示を行う金額表示処理部246や、硬貨種別判定機能を備えた硬貨処理部244を有することになる。また、手数料徴収装置200の手数料表示設定入力部300が有していた手数料設定処理部234にあっても、両替装置本体112の制御部150にてその機能が実現される。
【0096】
つまり、手数料表示設定入力部300を用いた上記の各設定操作は、現金両替装置100の装置本体側で総て実行可能となる。この場合、現金両替装置100を前面開き仕様とし、装置本体前面から手数料表示設定入力部300にて項目設定ができるようにすることもできる。
【0097】
硬貨徴収に特化した手数料徴収装置200は、次のような構成となり、下記機能を果たすことになる。手数料徴収装置200は、その上面における構成において図3に示した構成と変わるものではなく、両替手数料の金額を手数料表示部212に表示する点でも同様である。そして、手数料表示設定入力部300や手数料設定処理部234を有しない手数料徴収装置200は、徴収ボックス203に、顧客検知センサ204と硬貨返却口206と硬貨回収部209とを備え、硬貨処理部244では、投入された硬貨の金種判定と投入金額計算を行う。
【0098】
ここで、硬貨徴収に特化した手数料徴収装置200が行う処理について説明する。この手数料徴収装置200にあっても、顧客操作部210は、手数料表示部212に両替手数料の金額を表示し、既述したような投入硬貨金額を差し引いた残金表示は行わない。受付金種表示部214は、手数料表示部212に表示された金額(両替手数料)を賄うことができる金種の硬貨部を表示させる。例えば、手数料表示部212に200円と表示されていれば、受付金種表示部214は、100円、50円、10円、5円、1円の硬貨部位を点灯表示する。手数料徴収装置200は、この点灯させた硬貨以外の硬貨を受け付けず返却する。具体的には、500円硬貨が投入されると、この500円硬貨を硬貨返却口206から返却する。また、200円の両替手数料である場合、硬貨種別の点灯に従って100円硬貨と50円硬貨が一枚ずつ投入されたとすると、手数料徴収装置200は、投入硬貨の真偽判別、投入金種判定、投入金額計算、残高計算を行い、残高の50円を賄うことができる金種の硬貨部を表示させる。つまり、手数料徴収装置200は、残高を賄うことができない金額の硬貨部位を点灯しないようにし、残高を超える額の硬貨、この場合は100円硬貨や500円硬貨が投入されると、その投入硬貨を硬貨返却口206から返却する。これにより、両替手数料や手数料残高を超える金額の硬貨を受け付けないようにできるので、釣り銭返却が不要となり、硬貨回収が容易となるばかりか、硬貨取扱に関する機器構成、処理も簡便となる。
【0099】
また、両替手数料が200円である場合、手数料徴収装置200は、100円硬貨が2枚投入されると、硬貨の真偽判別、投入金種判定、投入金額計算、残高計算を行い、投入硬貨を徴収する。手数料徴収装置200は両替手数料が投入された信号を両替装置本体112の制御部150に送信するので、両替装置本体112の側で既述した両替が実行される。100円硬貨が1枚と50円硬貨が2枚投入された場合、200円に達する額の複数種別の硬貨が投入された場合も同様である。
【0100】
なお、投入を受け付ける金種硬貨が合計で両替手数料を超えて投入されると、例えば、両替手数料が200円であるときに100円硬貨が1枚と10円硬貨が7枚投入され、その後、50円硬貨が投入されると、200円を超える分の20円は、投入10円硬貨を2枚返却することで返却される。つまり、手数料徴収装置200は、返却硬貨を用意してはおらず、投入硬貨そのものを返却する。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例における現金両替装置100の外観概略を示す斜視図である。
【図2】この現金両替装置100に装着した手数料徴収装置200の前面扉を開いた様子を示す斜視図である。
【図3】手数料徴収装置200の上面の様子を示す説明図である。
【図4】現金両替装置100の電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】顧客区分ごとの両替手数料体系の設定結果の一例を示す説明図である。
【図6】両替処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図7】一般両替カード顧客と他店舗両替カード顧客と他行両替カード顧客について営業時間内に適用される手数料表示の様子を示す説明図である。
【図8】両替処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】手数料設定の手順を示すフローチャートである。
【図10】両替上限設定における手順の詳細を示すフローチャートである。
【図11】両替内容ランク区分値設定における手順の詳細を示すフローチャートである。
【図12】両替内容ランクごとの手数料設定における手順の詳細を示すフローチャートである。
【図13】手数料設定に際して手数料表示設定入力部300に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図14】手数料表示設定入力部300に表示される両替内容ランク設定画面の一例を示す説明図である。
【図15】手数料表示設定入力部300に表示される両替内容ランクごとの両替手数料設定画面の一例を示す説明図である。
【図16】手数料徴収装置200の他の形態を採用した際の現金両替装置100の内部構成を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0102】
100…現金両替装置
112…両替装置本体
114…カード挿入口
116…硬貨取出口
118…紙幣取扱口
120…包装硬貨取出口
122…表示機器
150…制御部
152…顧客識別部
154…手数料決定部
156…手数料更新部
158…両替処理部
160…RAM
162…ROM
164…手数料記憶部
166…貨幣入出金部
168…カード処理部
170…硬貨処理部
172…紙幣処理部
174…帳票処理部
176…顧客操作部
177…表示制御部
178…係員操作部
180…音声案内処理部
182…通信処理部
200…手数料徴収装置
202…前面カバー
203…徴収ボックス
204…顧客検知センサ
206…硬貨返却口
208…操作部キーロック
209…硬貨回収部
210…顧客操作部
212…手数料表示部
214…受付金種表示部
216…硬貨投入口
218…返却ボタン
220…硬貨返却報知部
230…徴収制御部
232…手数料表示処理部
234…手数料設定処理部
244…硬貨処理部
246…金額表示処理部
248…通信処理部
300…手数料表示設定入力部
HC…管理コンピュータ
NW…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金取引を所望する顧客から取引手数料を徴収して現金取引を行う現金取扱装置であって、
前記顧客を識別する顧客識別部と、
前記顧客を複数階層に区分したそれぞれの顧客区分と前記現金取引の内容を複数階層に区分したそれぞれの取引内容区分とに対応付けた前記取引手数料と、該取引内容区分を複数階層に区分する複数の取引内容区分基準とを、記憶する手数料記憶部と、
前記取引内容区分基準と、前記顧客区分と前記取引内容区分とに対応する前記取引手数料の少なくとも一方を手数料情報として表示する表示部と、
該表示された前記手数料情報を設定する設定操作を受け付ける設定部と、
該設定部による前記手数料情報の設定があると、前記指定された前記手数料情報に優先して、前記手数料記憶部の記憶内容を前記設定された前記手数料情報に更新する更新部と、
前記顧客が前記現金取引装置を使用する際、前記顧客識別部の識別結果に基づいて前記顧客が属する前記顧客区分を定め、該定めた前記顧客区分と、前記顧客が所望する前記現金取引の内容が属する前記取引内容区分とに基づいて、前記手数料記憶部を参照して前記取引手数料を決定する手数料決定部とを備える
現金取扱装置。
【請求項2】
請求項1記載の現金取扱装置であって、
前記手数料決定部が決定した前記取引手数料を、前記顧客からの取引手数料徴収に先だって表示する手数料表示部を備える
現金取扱装置。
【請求項3】
現金取引を所望する顧客から取引手数料を徴収して現金取引を行う現金取扱装置であって、
前記顧客を識別する顧客識別部と、
前記顧客を複数階層に区分したそれぞれの顧客区分と前記現金取引の内容を複数階層に区分したそれぞれの取引内容区分とに対応付けた前記取引手数料と、該取引内容区分を複数階層に区分する複数の取引内容区分基準とを、記憶する手数料記憶部と、
前記顧客が前記現金取引装置を使用する際、前記顧客識別部の識別結果に基づいて前記顧客が属する前記顧客区分を定め、該定めた前記顧客区分と、前記顧客が所望する前記現金取引の内容が属する前記取引内容区分とに基づいて、前記手数料記憶部を参照して前記取引手数料を決定する手数料決定部と、
該決定した前記取引手数料を、前記顧客からの取引手数料徴収に先だって表示する手数料表示部とを備える
現金取扱装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれかに記載の現金取扱装置であって、
前記手数料決定部は、
前記顧客が所望する前記現金取引が属する前記取引内容区分を、前記顧客からの指示に基づいて決定する
現金取扱装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4いずれかに記載の現金取扱装置であって、
前記手数料記憶部は、取引を行う時間帯に応じて異なる前記取引手数料を記憶する
現金取扱装置。
【請求項6】
前記現金取引として両替を行う請求項1ないし請求項5いずれかに記載の現金取扱装置であって、
貨幣の投入を受ける貨幣投入部と、
該投入された貨幣を前記顧客が指定した金種の貨幣に両替し、前記取引手数料としての両替手数料を徴収すると前記両替した貨幣を払い出す両替部とを備え、
前記手数料記憶部は、前記取引手数料としての前記両替手数料と、前記現金取引区分としての両替内容区分を複数階層に区分する両替内容区分基準とを記憶し、
前記表示部は、前記両替内容区分を複数階層に区分する複数の両替内容区分基準と、前記顧客区分と前記両替内容区分とに対応する前記両替手数料の少なくとも一方を前記手数料情報として表示し、
前記設定部により前記手数料情報が設定されると、前記更新部は、前記手数料記憶部が記憶済みの前記手数料情報を更新し、
前記手数料決定部は、前記顧客区分と、前記顧客が指定した前記両替内容が属する前記両替内容区分とに基づいて、前記手数料記憶部を参照して前記両替手数料を決定する
現金取扱装置。
【請求項7】
請求項6記載の現金取扱装置であって、
前記貨幣投入部と前記両替部を有する装置本体と、
前記表示部と前記設定部とを有し、前記装置本体に装着設置される装着体とを備え、
該装着体は、
前記両替手数料を徴収するために貨幣の投入を受ける手数料貨幣投入部を前記貨幣投入部とは別に備える
現金取扱装置。
【請求項8】
請求項6記載の現金取扱装置であって、
前記貨幣投入部と前記両替部と前記表示部と前記設定部とを有する装置本体と、
該装置本体に装着設置され、前記両替手数料を徴収するために貨幣の投入を受ける手数料貨幣投入部を前記貨幣投入部とは別に有する装着体と備える
現金取扱装置。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8いずれかに記載の現金取扱装置であって、
所定の前記顧客区分に属する顧客が、所定の両替内容区分に属する両替内容で両替する所定の両替行為の単位期間当たりの実行回数の上限を設定する両替行為上限設定部を備え、
前記手数料決定部は、
前記単位期間内における前記所定の顧客による前記所定の両替行為の実行回数が前記設定した上限の実行回数を超えた以降についての前記両替行為の際に、前記所定の顧客区分と前記所定の両替内容区分とに対応する前記両替手数料に代わる両替手数料を決定する
現金取扱装置。
【請求項10】
請求項9記載の現金取扱装置であって、
前記手数料決定部が前記所定の顧客区分と前記所定の両替内容区分とに対応する前記両替手数料に代わって決定する前記両替手数料は、前記所定の両替内容区分より一階層上の両替内容区分に対応する両替手数料とされている
現金取扱装置。
【請求項11】
請求項9に記載の現金取扱装置であって、
前記設定された上限の実行回数に達するまでの両替行為の実行回数を、前記顧客からの両替手数料徴収に先だって表示する実行回数表示部を備える
現金取扱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−193716(P2007−193716A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13313(P2006−13313)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】