説明

環状オレフィン系重合体の製造方法

【課題】成形時の転写性を改良し、高温での滞留時に着色しにくく、かつ成形の容易な樹脂組成物の製造方法を提供することが本発明の課題である。
【解決手段】(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンが生成してから7日以内に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状オレフィン系重合体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスク光学系用のピックアップレンズ、コリメータレンズ、或いは小型撮像用の各種レンズ等の光学レンズは、生産性の向上、軽量化のため、従来のガラス研削レンズから、透明プラスチック射出成形レンズに置き換える検討が続けられている。
【0003】
しかしながら、プラスチックは、一般に高性能の非晶性樹脂ほど成形時の転写性が不十分の場合があり、高温での滞留時の着色など、成形の難しさが課題となっている。
【0004】
その改善のため、例えば、特開2003-311773号公報において開示されるような、成形条件面での改善、あるいは特開2003-311737号公報において開示されるような、材料の取扱の工夫などが行われているものの、十分な改良がなされれるまでには至っておらず、あらゆる場面で容易に成形できる材料が求められている。
【特許文献1】特開2003-311773号公報
【特許文献2】特開2003-311737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
成形時の転写性を改良し、高温での滞留時に着色しにくく、かつ成形の容易な樹脂組成物の製造方法を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、環状オレフィン系重合体の製造方法において、その原料である環状オレフィン類を以下の方法から選択される少なくとも一つの方法で使用することを特徴とする。
1)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンが生成してから7日以内に使用する。
2)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、安定剤の存在下で保存した後、蒸留によって安定剤を10ppm以下に低減した後使用する。
【発明の効果】
【0007】
成形時の転写性が悪かったり、高温での滞留時に着色したりしにくい、成形の容易な樹脂組成物が容易に効率よく提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明者らはこの課題を解決するため鋭意検討した結果、環状オレフィン系重合体の製造方法において、その原料である環状オレフィン類を以下の方法から選択される少なくとも一つの方法で使用することで該課題が解決可能であることを見いだし、本発明を完成した。
1)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンが生成してから7日以内に使用する。
2)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、安定剤の存在下で保存した後、蒸留によって安定剤を10ppm以下に低減した後使用する。
すなわち、本発明は一般化学式(1);
【0009】
【化1】

【0010】
(但し、式中、x, yは共重合比を示し、0/100 ≦ y/x ≦ 95/5を満たす実数であり、nは置換基Qの置換数を示し、0 ≦ n ≦ 2の整数である。また、Rは炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の2+n価の基であり、Rは水素原子、又は炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基であり、Rは炭素数2〜10の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の4価の基であり、QはCOOR(Rは水素原子、および、炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である)で表される構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である。)で表現される一種又は二種以上の構造からなる環状オレフィン系重合体の製造方法においてその原料である環状オレフィン類を以下の方法から選択される少なくとも一つの方法で使用することを特徴とする環状オレフィン系重合体の製造方法。
【0011】
1)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンが生成してから7日以内に使用する。
2)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、安定剤の存在下で保存した後、蒸留によって安定剤を10ppm以下に低減した後使用する。
【0012】
(環状オレフィン系重合体)
前記一般化学式(1)で表現される一種または二種以上の構造からなる。
前記一般式(1)、(2)中の各記号については、次のような好ましい条件を挙げることが出来、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、構造中に少なくとも1箇所の環構造を持つ基である。
[2]Rは、この基を含む構造単位の例示(n=0の場合)として、例示構造(a), (b),(c);
【0013】
【化2】

(但し、式中、Rは前述の通り)
である。
【0014】
[3]nが0である。
[4]y/xが、20/80 ≦ y/x ≦ 65/35を満たす実数である。
[5]Rは、水素原子及び/または-CHである。
[6]Qが、-COOHまたは、-COOCH基である。
さらに好ましくは、前記一般化学式(2)で表現される一種乃至二種以上の構造からなる。
最も好ましくは、前記一般式(2)中の各記号については、次のような最も好ましい条件を挙げることが出来、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、一般化学式(3);
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、pは、0乃至2の整数である。)で表される二価の基である。
さらに、好ましくは、前記一般式(2)においてpが1である二価の基である。
[2]Rは、水素原子である。この中でも、これらを組み合わせた態様として、環状オレフィン系樹脂がエチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンのランダム付加重合によって得られるポリマーであることが全ての中で最も好ましい。
【0017】
(共重合のタイプ)
また、共重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができるが、好ましくはランダムコポリマーである。
【0018】
(主鎖の一部として用いることのできるその他の構造)
また本発明で用いられるポリマーは、本発明の成形方法によって得られる製品の良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下であり、それ以上共重合させた場合、光学物性を損ない、高精度の光学部品が得られない恐れがある。また、共重合の種類は限定されないが、ランダムコポリマーが好ましい。
【0019】
(ポリマーの分子量)
本発明の光学部品に用いられるポリマーの分子量は限定されるものではないが、好ましくは135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05〜5dl/gであり、最も好ましくは0.10〜2dl/gである。
【0020】
この範囲より分子量が高い場合、成形性が悪くなり、また、この範囲より分子量が低い場合、成形物は脆くなる。
【0021】
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度はとくに限定されないが、好ましくは、50℃以上240℃以下である。さらに好ましくは、50℃以上、160℃以下である。中でも、最も好ましくは、100℃以上、150℃以下である。この範囲を外れて低い場合には、製品の使用環境が高温となる状況下で動作保証できない。この範囲を外れて高い場合溶融成形が困難となる場合がある。
【0022】
(測定方法)
公知の方法が適用できる。測定装置等は限定されるものではない。
示差走査熱量計(DSC)を用いて、熱可塑性非晶性樹脂のガラス転移温度を測定する。例えば、SEIKO電子工業(株)製DSC-20を用いて昇温速度10℃/分で測定。
【0023】
(全光線透過率・分光光線透過率)
全光線透過率・分光光線透過率はとくに限定されない。
【0024】
ただし、光学用途に用いる場合、光線の透過が必須であるので、光線透過率がある程度あることが好ましい。光線透過率は用途に応じて分光光線透過率または全光線透過率により規定される。
【0025】
全光線、或いは複数波長域での使用が想定される場合、全光線透過率が良いことが必要であり、好ましくは、85%以上さらに好ましくは、88%以上この範囲を外れて低い場合必要な光量を確保することが出来ない。測定方法公知の方法が適用できる。測定装置等は限定されるものではない。ASTM D1003に準拠して、熱可塑性 非晶性樹脂を厚み3mmのシートに成形し、ヘーズメーターを用いて、該成形シートの全光線透過率を測定する。
【0026】
特定波長域のみで利用される光学系(たとえばレーザ光学系)の場合、全光線透過率が高くなくても、該波長域での分光光線透過率が良ければ使用することが出来る。この場合、使用波長における分光光線透過率は好ましくは、85%以上さらに好ましくは、88%以上この範囲を外れて低い場合必要な光量を確保することが出来ない。測定方法公知の方法が適用できる。測定装置等は限定されるものではない。
【0027】
本発明で用いる樹脂組成物には、上述の成分に加えてさらに、本発明の光学部品の良好な特性を損なわない範囲で、公知の耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス、有機または無機の充填剤などが配合されていてもよい。
【0028】
たとえば、任意成分として配合される耐候安定剤は、耐光安定剤として例えば公知のヒンダードアミン系添加剤の他、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ニッケル系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤が挙げられる。ヒンダードアミン系耐光安定剤は、通常構造中に3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル基、ならびに2,2,6,6-テトラメチルピペリジル基または1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル基を有している化合物であって、具体的には、1-[2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]-4-〔3-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(例えば、サノール LS-2626、三共株式会社製))、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸-ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)(例えば、Tinuvin 144、日本チバガイギー株式会社製)などが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾールなどや、市販されているTinuvin 328、Tinuvin PS(共に、チバ・ガイギー社製)、やSEESORB709(2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、白石カルシウム社製)などのベンゾトリアゾール誘導体などが例示される。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4-ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-スルフォベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルフォベンゾフェノン・トリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンなどや、Uvinul 490(2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ・ベンゾフェノンと他の四置換ベンゾフェノンの混合物、GAF社製)、Permyl B-100(ベンゾフェノン化合物、Ferro社製)などが例示される。
【0029】
また、任意成分として配合される耐熱安定剤としては、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’-オキザミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができ、また、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル-4,4’-イソプロピリデンジフェノール-ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系安定剤を使用してもよい。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて配合してもよい。たとえばテトラキス[メチレン-3-(3.5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組み合わせなどを例示できる。これらの安定剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明で使用される環状オレフィン系重合体と他の樹脂成分や添加剤との混合方法は限定されるものではなく、公知の方法が適用できる。たとえば各成分を同時に混合する方法などである。
【0031】
本発明で用いられる環状オレフィンは式[I]または[II]で示される環状オレフィンであることが好ましい。
【0032】
【化4】

【0033】
【化5】

【0034】
式[I]または[II]で示される環状オレフィンについて説明する。
上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1である。なおqが1の場合には、RaおよびRbは、それぞれ独立に、下記の原子または炭化水素基であり、qが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
【0035】
〜R18ならびにRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0036】
また炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0037】
さらに上記式[I]において、R15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環の具体例を下記に示す。
【0038】
【化6】

【0039】
なお上記例示において、1または2の番号が賦された炭素原子は、式[I]においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子を示している。またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることができる。
【0040】
上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2である。またR〜R19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0041】
ハロゲン原子は、上記式[I]におけるハロゲン原子と同じ意味である。また炭化水素基としては、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール基およびアラルキル基、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。
【0042】
ここで、RおよびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R およびR13で示される基が、またはR10およびR11で示される基が互いに共同して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CHCH-) またはプロピレン基(-CHCHCH-)のうちのいずれかのアルキレン基を形成している。さらに、n=m=0のとき、R15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環として、たとえば下記のようなn=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が挙げられる。
【0043】
【化7】

【0044】
ここでqは式[II]におけるqと同じ意味である。上記のような式[I]または[II]で示される環状オレフィンを、より具体的に下記に例示する。
【0045】
【化8】

【0046】
(上記式中、1〜7の数字は炭素の位置番号を示す。)およびこのビシクロ[2.2.1 ]-2-ヘプテンに、炭化水素基が置換した誘導体。この炭化水素基としては、たとえば、5-メチル、5,6-ジメチル、1-メチル、5-エチル、5-n-ブチル、5-イソブチル、7-メチル、5-フェニル、5-メチル-5-フェニル、5-ベンジル、5-トリル、5-(エチルフェニル)、5-(イソプロピルフェニル)、5-(ビフェニル)、5-(β-ナフチル)、5-(α-ナフチル)、5-(アントラセニル)、5,6-ジフェニルなどが挙げられる。
【0047】
さらに他の誘導体として、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a- テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン誘導体などが挙げられる。
【0048】
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体。
【0049】
【化9】

【0050】
(上記式中、1〜12の数字は炭素の位置番号を示す。)およびこれに、炭化水素基が置換した誘導体。この炭化水素基としては、たとえば、8-メチル、8-エチル、8-プロピル、8-ブチル、8-イソブチル、8-ヘキシル、8-シクロヘキシル、8-ステアリル、5,10-ジメチル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、8-エチル-9-メチル、11,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、2,7-ジメチル-9-エチル、9-イソブチル-2,7-ジメチル、9,11,12-トリメチル、9-エチル-11,12-ジメチル、9-イソブチル-11,12-ジメチル、5,8,9,10-テトラメチル、8-エチリデン、8-エチリデン-9-メチル、8-エチリデン-9-エチル、8-エチリデン-9-イソプロピル、8-エチリデン-9-ブチル、8-n-プロピリデン、8-n-プロピリデン-9-メチル、8-n-プロピリデン-9-エチル、8-n-プロピリデン-9-イソプロピル、8-n-プロピリデン-9-ブチル、8-イソプロピリデン、8-イソプロピリデン-9-メチル、8-イソプロピリデン-9-エチル、8-イソプロピリデン-9-イソプロピル、8-イソプロピリデン-9-ブチル、8-クロロ、8-ブロモ、8-フルオロ、8,9-ジクロロ、8-フェニル、8-メチル-8-フェニル、8-ベンジル、8-トリル、8-(エチルフェニル)、8-(イソプロピルフェニル)、8,9-ジフェニル、8-(ビフェニル)、8-(β-ナフチル)、8-(α-ナフチル)、8-(アントラセニル)、5,6-ジフェニルなどが挙げられる。
【0051】
さらに他の誘導体として、(シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物などが挙げられる。ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13 ]-4,10-ペンタデカジエンなどのペンタシクロペンタデカジエン化合物。ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14 ]-4-ヘキサデセン、およびその誘導体。ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン、およびその誘導体。ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5- エイコセン、およびその誘導体。ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン、およびその誘導体。オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17 ]-5-ドコセン、およびその誘導体。ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセン、およびその誘導体。ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-6-ヘキサコセン、およびその誘導体などが挙げられる。
【0052】
なお一般式[I]または[II]で示される環状オレフィンの具体例を上記に示したが、これら化合物のより具体的な構造例としては、特願平5-196475号当初明細書の段落番号[0032]〜[0054]に示された環状オレフィンの構造例を挙げることができる。本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記環状オレフィンから導かれる単位を2種以上含有していてもよい。
【0053】
上記のような一般式[I]または[II]で示される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アルダー反応させることによって製造することができる。
【0054】
(環状オレフィン)
本発明で使用される環状オレフィンの種類は上記のように特に限定されないが好ましくはノルボルネンまたはテトラシクロドデセンである。
【0055】
本発明で使用される環状オレフィンは原料である環状オレフィン類を以下の方法から選択される少なくとも一つの方法で使用することを特徴とする。
1)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセン等の環状オレフィンを、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンが生成してから7日以内に使用する。
2)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセン等の環状オレフィンを、安定剤の存在下で保存した後、蒸留によって安定剤を10ppm以下に低減した後使用する。
【0056】
ここで上記1)のノルボルネンまたはテトラシクロドデセン等の環状オレフィンが生成してから7日以内に使用する場合、好ましくは生成した後、安定剤等の添加剤を加えることなく、生成後、2〜5日以内に重合反応に供給され使用される。重合反応に供給される環状オレフィン中の酸素濃度は10ppm以下、好ましくは0.1〜5ppmであると重合の安定のために好ましい。ここで生成した後、重合反応に供給されるまでの時間とはシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られる環状オレフィンが生成反応器から出てから重合反応器内に供給されるまでの平均時間を意味する。
【0057】
ここで上記2)のノルボルネンまたはテトラシクロドデセン等の環状オレフィンを、安定剤の存在下で保存した後、蒸留によって安定剤を10ppm以下に低減した後、重合反応に供給され使用される場合の詳細につき説明する。保存とは8日〜5年程度、好ましくは8日から1年程度の期間を意味する。保存中、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセン等の環状オレフィンは50℃以下、好ましくは30℃以下に保持される。保存中、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセン等の環状オレフィンは安定剤を10〜10000ppm、好ましくは50〜5000ppm含む。安定剤としては特に限定されないがハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、4−メトキシフェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、4−tert−ブチルカテコールなどのフェノール系化合物、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−N−フェニルベンゾアミン、フェノチアジンなどのアミン化合物などが好適に添加される。好ましくは4−tert−ブチルカテコールが用いられる。保存中、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセン等の環状オレフィン中の酸素濃度は10ppm以下、好ましくは0.1〜5ppmであると重合の安定のために好ましい。保存された環状オレフィンは蒸留器において、好ましくは連続的に蒸留することで、環状オレフィン中に含まれる安定剤の濃度を10ppm以下、好ましくは0.1〜8ppmに低減される。環状オレフィンの蒸留は通常100〜200℃、好ましくは120〜150℃で行われる。環状オレフィンの蒸留中、系内の酸素濃度は10ppm以下、好ましくは0.1〜5ppmであるのが好ましい。
【0058】
(環状オレフィン系重合体の製造方法)
本発明の環状オレフィン系重合体は以下の方法で製造できる。本発明の環状オレフィン系重合体がエチレン・環状オレフィンランダム共重合体(a1)の場合は、エチレンと前記の式[I]又は[II]で表される環状オレフィンとを用いて上記公報に開示された製造方法により製造することができる。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物及び有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いてエチレン・環状オレフィンランダム共重合体(a1)を製造することが好ましい。
【0059】
また、この共重合反応では固体状IVB族メタロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状IVB族メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物と、必要により配合される有機アルミニウム化合物とからなる触媒である。ここでVI族の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン又はハフニウムであり、これらの遷移金属は少なくとも1個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有している。ここで、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としてはアルキル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基又はインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロオレニル基を挙げることができる。これらの基は、アルキレン基など他の基を介して結合していてもよい。また、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位子は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等である。
【0060】
さらに有機アルミニウムオキシ化合物及び有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の製造に使用されるものを用いることができる。このような固体状IVB族メタロセン系触媒については、例えば特開昭61-221206号、同64-106号及び特開平2-173112号公報等に記載されている。
【0061】
本発明の環状オレフィン系重合体が開環重合体又は開環共重合体の場合は、例えば、上記式[I]で表される環状オレフィンを開環重合触媒の存在下に、重合又は共重合させることにより製造することができる。
【0062】
このような開環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム又は白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウム又はモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
【0063】
本発明の環状オレフィン系重合体が開環重合体又は開環共重合体の場合は開環重合体又は開環共重合体を水素添加して用いるのが一般的であるが、上記のようにして得られる開環重合体又は開環共重合体(a2)100重量部と未反応環状オレフィンモノマー(不飽和炭化水素)0.01〜10重量部を含む樹脂組成物を、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素化して得ることができる。この時、未反応環状オレフィンモノマー(不飽和炭化水素)と開環重合体又は開環共重合体が同時に水素添加されるので反応が簡便で好ましい。
【0064】
(ポリマー溶液を吸着剤で処理する方法)
樹脂組成物溶液は、水素添加のための反応器中に供給する前後で、該樹脂の製造に用いた重合触媒や酸化物などの副生物を除去するために吸着装置を通すことが好ましい。吸着装置には、活性白土、活性炭、けい藻土、パーライト、アルミナ、ニッケル、シリカ、シリカアルミナなどの吸着剤が充填される。吸着に濾過を併用することもできる。吸着剤による処理は水素添加反応器の前であっても水素添加反応器の後であっても、水素添加反応器の中に水素添加触媒と吸着剤を共存させて行っても良い。
【実施例】
【0065】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
【0066】
実施例における物性測定方法は次の通りである。
(1)ガラス転移温度(Tg)
SEIKO電子工業(株)製DSC-20を用いて窒素中10℃/min.の昇温条件で250℃まで昇温させた後、一旦サンプルを急冷し、その後に昇温速度10℃/分で測定。
(2)数平均分子量(Mn)
GPC Alliance2000(Waters社)を用い、カラム:TSKgel GMH6-HT × 2 + TSKgel GMH6-HTL×2(計30cm×4本、東ソー社)検出器:示差屈折計測定溶媒:o-ジクロロベンゼン測定流量:1mL/min測定温度:140℃試料注入量:500μL標準試料:単分散ポリスチレン×16(東ソー社)により分析した。
【0067】
[実施例1]
特開平6−9437号公報の実施例1に記載の方法で、テトラシクロドデセンを合成した。その後、テトラシクロドデセンを合成してから1日以内に以下の重合反応を行った。
【0068】
バナジウム触媒(VOCl)を用いて、シクロヘキサン溶媒中で公知の方法によりエチレン・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下TDと表記)の付加共重合体を重合した。重合終了後、反応物を、濃塩酸を加えた(50ml/L)アセトン/メタノール(体積比1/1)混合溶媒に投入してポリマーを全量析出後、攪拌後グラスフィルターで濾過、減圧乾燥し、エチレン/TD共重合体を得た。得られた共重合体の物性はTg=135℃、Mn=8万、b値=5であった。
【0069】
[実施例2]
特開平6−9437号公報の実施例1に記載の方法で、テトラシクロドデセンを合成した。その後、テトラシクロドデセンに安定剤として4−tert−ブチルカテコールを100ppmとなるように添加し、30℃で1ヶ月、保存した。この時、保存容器内の酸素濃度は4ppmであった。合成してから30日後に、蒸留によって、安定剤を1ppmまで低減させ、実施例1と同様に重合反応を行った。得られた共重合体の物性はTg=135℃、Mn=8万、b値=6であった。
【0070】
[比較例1]
実施例2において、テトラシクロドデセンに安定剤を加えないこと以外は実施例2と同様に環状オレフィンを保存後、重合反応を行った。得られた共重合体の物性はTg=135℃、Mn=8万、b値=18であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般化学式(1);
【化1】

(但し、式中、x, yは共重合比を示し、0/100 ≦ y/x ≦ 95/5を満たす実数であり、nは置換基Qの置換数を示し、0 ≦ n ≦ 2の整数である。また、Rは炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の2+n価の基であり、Rは水素原子、又は、炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基であり、Rは炭素数2〜10の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の4価の基であり、QはCOOR(Rは水素原子、および、炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である)で表される構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である。)で表現される一種又は二種以上の構造からなる環状オレフィン系重合体の製造方法において、その原料である環状オレフィン類を以下の方法から選択される少なくとも一つの方法で使用することを特徴とする環状オレフィン系重合体の製造方法。
1)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、ノルボルネンまたはテトラシクロドデセンが生成してから7日以内に使用する。
2)(a)エチレン、(b)純度が95重量%を超える高純度のシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエン、および必要により(c)ノルボルネンとを加熱反応せしめて得られるノルボルネンまたはテトラシクロドデセンを、安定剤の存在下で保存した後、蒸留によって安定剤を10ppm以下に低減した後使用する。
【請求項2】
請求項1記載の環状オレフィン系重合体が、一般化学式(2)
【化2】

(式中、Rは、炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の二価の基、Rは、水素又は炭素数1〜5の炭化水素基からなる群から選ばれる1種ないし2種以上の一価の基、xおよびyは共重合比を示し、x/yが5/95以上、95/5以下となる実数である。)で表現される環状オレフィン系共重合体であることを特徴とする、請求項1記載の環状オレフィン系重合体の製造方法。
【請求項3】
請求項1ないし2記載の方法で得られた環状オレフィン系重合体。

【公開番号】特開2008−248171(P2008−248171A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93198(P2007−93198)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】