説明

生体サンプル判別用プレート及びそれを用いた溶液充填方法

【課題】プレートに設けられた測定部の数が増加しても、緩衝剤の注入作業が増加しない生体サンプル判別用プレートを提供する。
【解決手段】生体サンプルを測定するための複数の測定部と前記複数の測定部に前記生体サンプル測定のための溶液を注入する一つの注入部とを有する回転可能な生体サンプル判別用プレートにおいて、前記複数の測定部は、前記生体サンプル判別用プレートの外周部に配置され、前記注入部は、前記生体サンプル判別用プレートの回転中心に配置され且つ前記注入部と前記測定部とを接続する接続流路が前記測定部毎に設けられた生体サンプル判別用プレート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DNAやタンパク等の生体サンプルの判別に用いる生体サンプル判別用プレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な生体サンプルを考えた場合、大きくはDNAとタンパクが存在している。そして、近年、分子生物学の急速な進展によって、様々な疾患において遺伝子の関与がかなり正確に理解されるようになり、遺伝子をターゲットにした医療に注目が集まるようになってきている。
【0003】
従来提案されている生体サンプル判別用プレート1について図7から図9を用いて説明する。図7は、従来の生体サンプル判別用プレート1の溝形成面を示した図である。この生体サンプル判別用プレート1では、測定部24のすべての緩衝剤注入口2へそれぞれ予め定めた量の緩衝剤(図示せず。)をピペットで注入する。その後、この生体サンプル判別用プレート1を軸心22を中心として、時計回りの回転方向23に4000rpmで回転させ、回転による遠心力を用いて緩衝剤5を測定部24内の流路に移動させる。
【0004】
図8は、生体サンプル判別用プレート1の測定部24の拡大図であり、流路を黒く塗りつぶした緩衝剤5が移動している状態を示す。遠心力により緩衝剤5は、流路に充填されていく。このとき、不要となった緩衝剤5は、第一オーバーフローチャンバー6に流入する。流路全体に緩衝剤5の充填が完了すれば、回転を止め、生体サンプル4をサンプル注入口3へ注入する。その後、再び、生体サンプル判別用プレート1を4000rpmで回転させる。
【0005】
図9は、生体サンプル判別用プレート1の流路を緩衝剤5とサンプル4が移動している状態を示す。図9に示すハッチング部が生体サンプル4である。回転に伴い、生体サンプル4は緩衝剤5と接触する。このとき溢れた生体サンプル4は、第二オーバーフローチャンバー7に流入するように設計されている。この後、流路の適当な位置に正負の電圧を印加して電気泳動を行うことで、サンプル4が緩衝剤5と反応しながらサンプル移動方向8へ電気泳動する。この電気泳動により、正常型DNAと変異型DNAとの分離を観測することでSNPsの判定が可能となる。(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−308447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、プレートに設けられた全ての測定部は同じ緩衝剤を使用するにも拘わらず、緩衝剤注入口は各々の測定部毎に設けられている。そのため、測定部毎に緩衝剤を注入する必要があり、測定部の数が増えるに従い緩衝剤の注入作業が増加するという課題を有していた。
【0007】
本発明は、プレートに設けられた測定部の数が増加しても、緩衝剤の注入作業が増加しない生体サンプル判別用プレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の生体サンプル判別用プレート及びそれを用いた溶液充填方法は、生体サンプルを測定するための複数の測定部と前記複数の測定部に前記生体サンプル測定のための溶液を注入する一つの注入部とを有する回転可能な生体サンプル判別用プレートにおいて、前記複数の測定部は、前記生体サンプル判別用プレートの外周部に配置され、前記注入部は、前記生体サンプル判別用プレートの回転中心に配置され且つ前記注入部と前記測定部とを接続する接続流路が前記測定部毎に設けられたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の生体サンプル判別用プレート及びそれを用いた溶液充填方法は、上記の生体サンプル判別用プレートを用いて、生体サンプル測定のための溶液を前記注入部に注入した後に前記生体サンプル判別用プレートを第一の回転数で回転させ前記定量チャンバーに前記溶液を充填するステップと、前記生体サンプル判別用プレートを前記第1の回転数より早い第2の回転数で前記測定部に前記溶液を充填するステップとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の生体サンプル判別用プレート及びそれを用いた溶液充填方法によれば、全ての測定部の緩衝剤注入部を共通にしてプレートの回転中心に配置したので、測定部の数が増えても一回の作業で緩衝剤の充填を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の生体サンプル判別用プレート及びそれを用いた溶液充填方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1から図6を用いて、本実施例における生体サンプル判別用プレート1について説明する。
【0013】
図1は、本実施例における生体サンプル判別用プレート1を示す図である。生体サンプル判別用プレート1の外形は8センチ四方の正方形であり、四個の角のうち一個の角を除いてRが設けられている。残りの1角は位置決め用の面取りがされている。生体サンプル判別用プレート1の材料は、アクリル系の樹脂を使用しており、その厚みは2mmである。その表面の片側は流路形成面であり、溝やチャンバーとなる凹部が形成されている。この流路形成面に厚さ50μmのアクリル製フィルムを接着することで密閉流路を形成する。これらの溝とチャンバーとからなる測定部24が、生体サンプル判別用プレート1の外周部に8個設けられている。この測定部24は、生体サンプル判別用プレート1の軸心22を中心とした同心円上に形成されている。本実施例では、同時に8検体のDNA判別が可能である。
【0014】
緩衝液を含んだDNAコンジュゲート(図示せず。)を注入する本発明の特徴である緩衝剤注入部13は、生体サンプル判別用プレート1の軸心22上に設けられている。緩衝液を含んだDNAコンジュゲート(図示せず。)は、測定部24で生体サンプルの測定を行うときに必要となる溶液である。緩衝剤注入部13は、この緩衝液を注入する緩衝剤注入口2と、軸心22から星型の形状をして放射状に配置された測定部24毎に対応して第一定量チャンバー31から第八定量チャンバー38を持つ。これらの定量チャンバーの先端から各測定部24へ接続流路15が設けられている。本実施例での接続流路15は、幅0.08mm、深さ0.07mm、流路断面長さは0.3mmとした。
【0015】
これらの8個のチャンバーの内、第七定量チャンバー37を例として説明する。本発明では、定量チャンバーは、緩衝剤注入部13の外周部頂点Xと内周部Y、Z点を結んだ三角形XYZ26と定義する。三角形XYZ26の面積は、接続流路15を経由して測定部24へ送る緩衝液に応じて決めれば良い。なお、測定部の空気穴21は、緩衝剤5を移動する際空気を抜くための穴である。
【0016】
また、第一定量チャンバー31に隣接する第八定量チャンバー38との間にオーバーフローチャンバー16を備えている。これらチャンバーの深さは1.5mmである。さらに、緩衝剤注入口2から注入された緩衝液が、この緩衝剤5がオーバーフローチャンバー16に流入することを防ぐために、緩衝剤注入口2からオーバーフローチャンバー16にかけて壁が設けられている。この壁は、図1に示すように緩衝剤注入部13を仕切るように、緩衝剤注入口2の縁からオーバーフローチャンバー16の縁にかけて設けられている。
【0017】
図2は図1のD−D’断面である。斜線でハッチングしている部分がアクリル製樹脂で形成されたプレート基板27であり、黒色部分がアクリル製フィルム28である。横線でハッチングしている部分は壁17の断面を示し、中央の上部が緩衝剤注入口2であり、下部の空間は緩衝剤注入部13である。壁17は、緩衝剤注入口2の周囲を半分覆っており、しかも緩衝剤注入口2からアクリル製フィルム28まで達し完全に緩衝剤注入部13を分離しているので、緩衝剤5が、壁17より右側へ流入することはない。
図3は、ピペット等で緩衝剤5を緩衝剤注入口2から注入した直後の緩衝剤注入部13内部の緩衝液の広がりを示す。この時は、ピペットによる定量誤差を考慮し、緩衝剤5が不足しないように必要量よりも多く注入する。注入された緩衝剤5は緩衝剤注入部13へ流入し、第一から第八定量チャンバー31から38へ流入しようとするが、壁17により、緩衝剤5が一気に緩衝剤注入部13に広がらずオーバーフローチャンバー16へ流入しない。なお、緩衝剤注入部13は疎水性を持たせることで、この効果を高めることが出来る。本実施例では生体サンプル判別用プレート1を構成したアクリル樹脂のプレート基板27に疎水処理を行っている。疎水処理方法は、大気圧下でプラズマを発生させて、重合により疎水性のポリマーを生成することで疎水性を持たせている。この疎水処理を行ったプレート基板27と緩衝剤5とのなす角は100°である。その他に疎水性を持たせる方法として、コーティング剤にプレート基板を浸し疎水性をもたせる方法がある。また、もともと疎水性の特性を持つ材料であるポリプロピレンや、ポリエチレンなどのポリオレフィン系の樹脂材料でプレートを作成することで疎水性を持たせることも出来る。
【0018】
図4は、緩衝剤5を注入した後、軸心22を回転中心として生体サンプル判別用プレート1を時計回りの回転方向23に第一の回転数で回転させた後の緩衝剤5の広がり方を示す。本実施例では、第一の回転数を500rpmとした。この第一の回転数500rpmで生体サンプル判別用プレート1を回転し始めた際、緩衝剤5は回転により発生した慣性力により、壁17にぶつかる。すなわち回転開始時は、壁17に近い第一から第三定量チャンバー31から33が緩衝剤5で満たされる。その後、回転が上昇し定常回転の500rpmになると、慣性力は無くなり回転による遠心力により、緩衝剤5は緩衝剤注入部13の外側に位置する第四から第八定量チャンバー34から38へ順次移動する。こうして、全ての定量チャンバー31から38が、緩衝剤5で満たされる。
【0019】
ここで、回転数により発生する遠心力と接続流路15の壁面に生じる毛細管力について説明する。回転数により発生する遠心力を(数1)に、接続流路15の壁面が疎水性の状態で発生する毛細管力を(数2)で示す。
【0020】
【数1】

【0021】
【数2】

【0022】
(数1)に示す遠心力よりも(数2)に示す毛細管力が大きければ、流路15の壁面に生じる毛細管力が回転による遠心力に打ち勝つため、接続流路15に緩衝剤5は流入しない。また、生体サンプル判別に必要な量より多い緩衝剤5は不要なので、遠心力によりオーバーフローチャンバー16に収容される。このように、オーバーフローチャンバー16を設け、必要量よりも多く緩衝剤5を注入することで、従来の構成よりもピペット等による緩衝剤の定量誤差を少なくすることが出来る。
【0023】
次に、軸心22を回転中心として第一の回転数よりも大きい第二の回転数で生体サンプル判別用プレート1を回転させると、図5に示すように、接続流路15を介して緩衝剤5が測定部24流入する。本実施例では、第二の回転数を2000rpmとした。
【0024】
ここで第一の回転数、及び第二の回転数の決定方法について説明する。毛細管の単位面積当たりに遠心力が及ぼす圧力P1は、(数1)に示した遠心力F1を毛細管の断面積Sで除した式F1/Sとして求めることができる。また、毛細管の単位面積当たりに毛細管力が及ぼす圧力P2は、(数2)で示した毛細管力F2を毛細管の断面積Sで除した式F2/Sとして表すことができる。
【0025】
このP1とP2との関係を、図6を用いて説明する。実線はP1を、破線はP2を示す。横軸は、生体サンプル判別用プレート1の回転数であり、縦軸は、単位面積当たりの圧力である。このときの件は、接続流路15の幅0.08mm、厚み0.07mmで接触角θが100°、中心から流路15と各定量チャンバー31から38の接合部までの距離rが15mmであり、緩衝剤の表面張力γが0.073N/mであり、緩衝剤の密度が998kg/m3とした。
【0026】
圧力P1は遠心力F1で求まるため、回転数が増加するに従い大きくなるが、圧力P2は毛細管力F2で求まるため、回転数は影響せず一定である。これより一定の回転数になるとP1=P2となり、その回転数を境に大きさは逆転する。図6では525rpm以下の回転数ではP1<P2となり、緩衝剤5は流路15へ流入しない。525rpm以上の回転数ではP1>P2となるため、緩衝剤5は流路15へ流入する。したがって、本実施例では第一の回転数は525rpm未満である必要がある。本実施例では、第一の回転数を500rpmとしており、525rpm未満であり条件を満たすため緩衝剤5が流路5へ流入せず、定量することが可能となる。一方、第二の回転数は2000rpmであり、525rpm以上の回転数であるため、回転させることで各定量チャンバー31から38内の緩衝剤5を流路15へ流入させることが可能となる。
【0027】
また図6を利用して、接触角θが上記の実施例100°より小さい場合について説明する。接触角θが実施例より小さい場合、圧力P2は、毛細管力F2が小さくなるためグラフ上の破線は下がるが、圧力P1は接触角θが影響しないため。従って、接触角θが小さい場合は、P1=P2となる回転数が小さくなる。同様に、上記の実施例100°より大きい場合を考えると、毛細管力F2が大きくなるため、グラフの破線は上がり、P1=P2となる回転数は大きくなる。従って、第一の回転数は、接触角θが小さいほど低くする必要があり、接触角θが大きいほど早くする必要がある。
【0028】
次に毛細管の断面積が実施例より小さい場合、圧力P2は、L/Sが大きくなるため毛細管力F2が大きくなり、グラフ上の破線は上がることになるが、圧力P1は断面積Sが影響しないため図6のグラフから変更はないため、P1=P2となる回転数が大きくなる。これと同様の方法で毛細管の断面積Sが実施例より大きい場合を考えると、L/Sが小さくなりため毛細管力F2が小さくなり、グラフ上の破線は下がることになり、P1=P2となる回転数が小さくなる。これより毛細管の断面積Sが小さい場合、第一の回転数は大きくでき、毛細管の断面積Sが大きい場合、第一の回転数は小さくする必要がある。以上より接触角θ及び、毛細管の断面積Sが異なる場合であっても、図6で示したP1=P2となる回転数が変化するだけであるため、P1=P2となる回転数より小さい回転数であれば、常にP1<P2となる緩衝剤5が流路15へ流入することを防ぎ、定量することができる。第二の回転数については、P1=P2となる回転数より大きい回転数であれば、常にP1>P2となり緩衝剤5を流路15へ流入させることが可能となる。
【0029】
以上のように本実施例においては、緩衝剤注入部13を各定量チャンバー31から38とオーバーフローチャンバー16及び壁17で構成し、緩衝剤5を注入後、第一の回転数で生体サンプル判別用プレート1を回転させることで、全ての定量チャンバー31から38とオーバーフローチャンバー16及び壁17を利用して緩衝剤5の定量を行い、第二の回転数で生体サンプル判別用プレート1を回転させることで各定量チャンバー31から38内の緩衝剤5を流路15へ流入させることができ、緩衝剤5を注入する煩雑な作業を簡単にする。
【0030】
また本実施の形態では、オーバーフローチャンバー16、壁17を設けたが、本実施の形態のように正確な定量が要求されない場合には省略することも可能である。
【0031】
また緩衝剤注入口2を回転中心に設けたが、第一及び第二の回転数で液漏れが発生しない範囲で、緩衝剤注入部13の任意の場所に設けてよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の生体サンプル判別用プレートは、遺伝子解析装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例における生体サンプル判別用プレートの溝形成面を示す図
【図2】本発明の実施例における生体サンプル判別用プレートの緩衝剤注入部の断面図
【図3】本発明の実施例における生体サンプル判別用プレートに緩衝剤を充填した図
【図4】本発明の実施例における生体サンプル判別用プレートに緩衝剤を充填し、第一の回転数にて回転中の緩衝剤の状態を示した図
【図5】本発明の実施例における生体サンプル判別用プレートに緩衝剤を充填し、第二の回転数にて回転中の緩衝剤の状態を示した図
【図6】回転数と単位面積当たりの圧力の関係を示したグラフ
【図7】従来の生体サンプル判別用プレートの溝形成面を示した図
【図8】従来の生体サンプル判別用プレートの緩衝剤を注入後、回転中の測定部を示す図
【図9】従来の生体サンプル判別用プレートの緩衝剤とサンプルが注入後、回転中の測定部を示す図
【符号の説明】
【0034】
1 生体サンプル判別用プレート
2 緩衝剤注入口
3 サンプル注入口
4 生体サンプル
5 緩衝剤
6 第一オーバーフローチャンバー
7 第二オーバーフローチャンバー
8 サンプル移動方向
13 緩衝剤注入部
15 接続流路
16 オーバーフローチャンバー
17 壁
21 空気穴
22 軸心
23 回転方向
24 測定部
25 第一の回転数初期の緩衝剤
26 三角形XYZ
27 プレート基盤
28 フィルム
31 第一定量チャンバー
32 第二定量チャンバー
33 第三定量チャンバー
34 第四定量チャンバー
35 第五定量チャンバー
36 第六定量チャンバー
37 第七定量チャンバー
38 第八定量チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体サンプルを測定するための複数の測定部と前記複数の測定部に前記生体サンプル測定のための溶液を注入する一つの注入部とを有する回転可能な生体サンプル判別用プレートにおいて、
前記複数の測定部は、前記生体サンプル判別用プレートの外周部に配置され、
前記注入部は、前記生体サンプル判別用プレートの回転中心に配置され且つ前記注入部と前記測定部とを接続する接続流路が前記測定部毎に設けられた生体サンプル判別用プレート。
【請求項2】
前記注入部は前記測定部毎に一つの定量チャンバーを持ち、前記接続流路は前記定量チャンバーと前記測定部との間を接続するように設けられている請求項1に記載の生体サンプル判別用プレート。
【請求項3】
前記注入部は、前記生体サンプル判別用プレートの回転軸の位置に前記生体サンプル測定のための溶液を注入するための注入口から構成される請求項2に記載の生体サンプル判別用プレート。
【請求項4】
前記注入部は、任意の前記定量チャンバーと前記定量チャンバーに隣接する前記定量チャンバーとの間に配置した一つのオーバーフローチャンバーから構成される請求項3に記載の生体サンプル判別用プレート。
【請求項5】
前記注入部は、前記生体サンプル測定のための溶液を注入する時に前記オーバーフローチャンバーに前記溶液が充填されないように前記注入部を仕切る壁から構成される請求項4に記載の生体サンプル判別用プレート。
【請求項6】
前記壁は、前記注入口の縁から前記オーバーフローチャンバーの縁まで繋がるように設けられている請求項5に記載の生体サンプル判別用プレート。
【請求項7】
前記注入部は、その内壁が撥水処理されている請求項1に記載の生体サンプル判別用プレート。
【請求項8】
請求項1に記載の生体サンプル判別用プレートを用いて、
生体サンプル測定のための溶液を前記注入部に注入した後に前記生体サンプル判別用プレートを第1の回転数で回転させ前記定量チャンバーに前記溶液を充填するステップと、
前記生体サンプル判別用プレートを前記第1の回転数より早い第2の回転数で前記測定部に前記溶液を充填するステップとからなる生体サンプル判別用プレートの溶液充填方法。
【請求項9】
前記第1の回転数は、前記接続流路に発生する毛細管力よりも小さい遠心力が発生する回転数である請求項8に記載の生体サンプル判別用プレートの溶液充填方法。
【請求項10】
前記第2の回転数は、前記接続流路に発生する毛細管力よりも大きい遠心力が発生する回転数である請求項8に記載の生体サンプル判別用プレートの溶液充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−97936(P2009−97936A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268552(P2007−268552)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】