説明

生体情報イメージング装置

【課題】生体内深部における光特性値分布を広範囲に得ることが可能となる生体情報イメージング装置を提供する。
【解決手段】生体情報イメージング装置であって、
生体の内部に導入され、且つ2πステラジアン以上の放射角を有する光を前記生体の内部に光照射する光放射部を有する部材と、
生体外に配置され、且つ前記光放射部を有する部材による前記生体の内部での光照射に基づいて出力される信号を検出する信号検出器と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報イメージング装置に関し、特に光音響効果を用いた生体情報イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光に比べて生体内での散乱が少ない超音波の特性を利用して、生体内の光学特性値分布を高解像度に求める光音響イメージングが提案されている(特許文献1、2、3)。
これらの方法では、光源から発生したパルス光を生体に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波を検出し、それらの信号を解析処理することにより、生体内の光学特性分布を得ることができる。
また、特許文献3では、生体内部でパルス光照射によって発生した超音波を、複数のトランスデューサーで検出することで、その生体内の光学特性値分布を得ることができるとされている。
【特許文献1】米国特許第4385634号明細書
【特許文献2】米国特許第5840023号明細書
【特許文献3】米国特許第5713356号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、光音響イメージングにおいて、光吸収により生体内の吸収体から得られる音響波の音圧は、吸収体に到達する局所的な光量に比例する。
生体に照射された光は、散乱と吸収により体内で急激に減衰するため、体内奥深くの組織で生じる音響波の音圧は光照射場所からの距離に応じて大きく減衰する。
このようなことから、特許文献1に記載されているように、生体外から光を照射し、生体外で音響波を検出する装置では、生体深部の情報を得ることが困難となる。
そこで、特許文献2では、動脈など内部器官の光音響イメージングにおいて、内視鏡に光放射点とトランスデューサーを設ける光音響イメージング装置が提示されている。これにより、生体内深部にある被検体である内部器官の近傍で光照射と音波検出を行うことで、生体深部の内部器官の光学特性分布イメージングを可能としている。
しかしながら、特許文献2で開示されている方法では、光の伝播領域が限られてしまうことから、特定の領域に存在する吸収体のみにしか、光照射できないという課題が生じる。
また、内視鏡内に設けられたトランスデューサーでは、装置の制約上、様々な方向から伝播してくる音響波をすべて検出することは困難であり、広範囲における光学特性値分布のイメージングが困難であるという課題が生じる。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑み、生体内深部における光特性値分布を広範囲に得ることが可能となる生体情報イメージング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のように構成した生体情報イメージング装置を提供するものである。
本発明の生体情報イメージング装置は、
生体の内部に導入され、且つ2πステラジアン以上の放射角を有する光を該生体の内部に光照射するための光放射部を有する部材と、
生体外に配置され、且つ前記光放射部を有する部材による前記生体の内部での光照射に基づいて出力される信号を検出する信号検出器と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記信号検出器が、前記光放射部を有する部材から光照射された光のエネルギーの一部を吸収した前記生体の内部における光吸収体から発生する弾性波を、前記信号として検出する音響波検出器であることを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記光放射部を有する部材が、光導波路を介して生体外に配置された光源と接続され、該光源からの光が該光導波路を通じて該光放射部から光照射が可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記光放射部を有する部材が、穿刺機能を有することを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記光放射部を有する部材が、穿刺針をガイドするためのガイド孔を備えていることを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記光放射部を有する部材が、生体の内部に光照射する光源と電力供給源とを備えた、生体内に配置可能な発光体によって構成されていることを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記信号検出器によって検出された信号を解析し、前記生体の光学特性値分布による情報を得る情報処理部を有することを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記生体内の光吸収体が、前記生体内における腫瘍、または血管であることを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記信号検出器が、複数の個所で信号が検知可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記光源が、パルス光を発する光源であることを特徴とする。
また、本発明の生体情報イメージング装置は、前記パルス光の波長が、400nm以上、1600nm以下の範囲であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、生体内深部における光特性値分布を広範囲に得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の構成を用いれば、つぎのようにして、生体内深部における光特性値分布を広範囲に得ることが可能となる。
まず、生体の内部において照射するステップにおいて、2πステラジアン(steradian、記号:sr)以上の照射範囲を持つ光放射部を有する部材を生体の内部に導入し、該光放射部による光を生体の内部において照射する。
ここで、「ステラジアン(steradian、記号:sr)」とは、国際単位系(SI)における立体角の単位であり、平面角のラジアンに対応するものである。
次に、信号検出器(音響波検出器)により検出するステップにおいて、上記光放射部を有する部材による光照射に基づいて出力される信号(弾性波)を、つぎのように多点で検出するようにする。
すなわち、上記信号(弾性波)を生体外に配置した複数のトランスデューサーまたはトランスデューサーをスキャンして、多点で検出するようにする。
これにより、生体内深部における広範囲の光特性値分布イメージングが可能となり、また、生体とトランスデューサーの間で適切な音響インピーダンスマッチングを行うことで、大きな音響波信号を得ることが可能となる。
さらに、生体深部にある被検体近傍で光を照射することが可能であるため、生体における吸収の強い近赤外領域以外の波長領域を用いた、生体組織の光学特性のイメージングも可能となる。
【0008】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら、更に説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1における生体情報イメージング装置について説明する。
図1に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。
図1において、1は生体、2は光放射点、3は音響波検出器、4は光吸収体、5は生体内を伝播する光、6は音響波、7は信号処理部(情報処理部)、8は画像表示装置、9は光源、10は光源と接続された光ファイバーである。
【0009】
本実施形態の生体情報イメージング装置は、腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などのため、生体内の光学特性値分布及び、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布の画像化を可能とするものである。
本実施形態の生体情報イメージング装置は、光を生体1に照射する、生体内に配置された光放射点2を備える。
また、生体内における腫瘍、血管、またはこれらに類する生体内の光吸収体4が光のエネルギーの一部を吸収して発生した音響波6を検出し電気信号に変換する音響波検出器3を、生体外に備える。
また、電気信号の解析により、光学特性値分布情報を得る信号処理部7を備える。
【0010】
光放射点2は、生体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特性の波長の光を照射する手段として用いられる。
生体外の光源9から出射した光は、例えばカテーテルと結合した光ファイバーなどの光導波路10を通じて伝播し、生体内において光放射点2から放射される。前記光導波路は、光の放射角を2πステラジアン以上に広げる媒体を先端に備えていることを特徴としており、この媒体が光放射点2となる。
このような媒体として、光散乱媒体や可動式ミラーを使用することができる。
また、光散乱媒体としては、例えば、球状のすりガラスなどが使用できる。
【0011】
光源9としては、パルス光を発生する光源を用いることができる。
パルス光は、数ナノから数百ナノ秒オーダーのものであり、波長は400nm以上、1600nm以下の範囲であることが好ましい。
光源9としてはレーザーが好ましいが、レーザーの代わりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。
レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。
発振する波長の変換可能な色素やOPO(Optical Parametric Oscillators)を用いれば、光学特性値分布の波長による違いを測定することも可能になる。
使用する光源の波長に関しては、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの領域が好ましい。
光放射点が生体内に配置されているため、上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域、さらにはテラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
【0012】
本実施形態の信号検出器は、光放射点から生体に照射された光が生体組織と作用し、変調された信号を取得できるものであれば該信号より生体内における光学物性値分布を求めることが可能であるので、いずれの種類のものを用いることも可能である。この信号検出器として、フォトマルチプライヤー、フォトダイオードなどの光検出器、音波信号を検出する音響波検出器、その他電磁波や熱などを検出する各種検出器を用いることができる。特に、音響波検出器は、従来広く用いられている超音波診断装置の音響波検出器と同種のものが利用できる点、得られた信号から画像情報への変換が容易である点から、好適に用いられる。音響波検出器は、光放射点から生体に照射された光のエネルギーの一部を吸収した生体内の光吸収体から発生する音響波(弾性波)を検出し、電気信号に変換する。
圧電現象を用いたトランスデューサー、光の共振を用いたトランスデューサー、容量の変化を用いたトランスデューサーなど音響波信号を検知できるものであれば、どのような音響波検出器を用いてもよい。
また、本実施の形態では、複数の音響波検出器を生体表面に配置させた場合を示しているが、このような配置に限らず、複数の個所で音響波が検知可能に構成されていればよい。すなわち、複数の個所で音響波を検知できれば同じ効果が得られるため、1個の音波検出器を生体表面上で走査しても良い。
なお、音響波検出器3から得られた電気信号が小さい場合は増幅器を用いて、信号強度を増幅することが好ましい。
また、音響波検出器と測定対象である生体物質との間には、音波の反射を抑えるための音響インピーダンスマッチング剤を使うことが望ましい。
【0013】
本実施形態の信号処理部7は、前記電気信号を解析し、これにより前記生体の光学特性値分布情報が得られる。
例えば、図1に示すように、信号処理部7が、音響波検出器3より得られた電気信号に基づいて、生体内の吸収体の位置や大きさ、あるいは光吸収係数あるいは光エネルギー堆積量分布などの光学特性値分布を計算する。
なお、信号処理部7は音響波の強さとその時間変化を記憶し、それを演算手段により、光学特性値分布のデータに変換できるものであればどのようなものを用いてもよい。
例えば、オシロスコープとオシロスコープに記憶されたデータを解析できるコンピューターなどが使用できる。
【0014】
なお、複数の波長の光を用いた場合は、それぞれの波長に関して、生体内の光学係数を算出し、それらの値と生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)固有の波長依存性とを比較する。
これによって、生体を構成する物質の濃度分布を画像化することも可能である。また、本発明の実施形態では信号処理により得られた画像情報を表示する画像表示装置8を備えることが望ましい。
このような実施形態に示された生体情報イメージング装置を用いることで、生体内深部の光音響イメージングが可能になる。
ところで、特許文献2では、動脈など内部器官の光音響イメージングにおいて、内視鏡に光放射点とトランスデューサーを設ける光音響イメージング装置が提示されている。この場合、生体内にトランスデューサーが配置されているため、音響インピーダンスの整合をとることが困難となり、大きな信号を得にくいという問題がある。
一方、生体の内部に導入され、且つ該生体の内部に光照射するための光放射部を有する部材と、生体外に配置された信号検出器を用いれば、信号検出器と生体との間に音響インピーダンス整合層を用いることができる。この結果、生体内に信号検出器を配置した場合に比較してより大きな信号を得ることができる。
【0015】
(実施形態2)
本発明の実施形態2における生体情報イメージング装置について説明する。
図2に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。
図2には、図1の実施形態1と同じ構成に同一の符号が付されているので、共通する部分の説明は省略する。
図2において、11は光を生体1に照射するために生体内に配置された光放射点である。
光放射点11は、生体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特性の波長の光を照射する手段として用いられる。
光放射点11は、電力供給源と光源からなる発光体を、例えばカプセルなどを用いて、体内に配置可能とされている。
また、発光体は放射角を広げる媒体を付けることが好ましい。
このような媒体として、光散乱媒体や可動式ミラーを使用することができる。
また、光散乱媒体としては、例えば、球状のすりガラスなどが使用できる。
【0016】
(実施形態3)
つぎに、本発明の実施形態3における生体内に造影剤を導入して生体情報を得るようにした生体情報イメージング装置について説明する。
本実施形態の生体情報イメージング装置は、腫瘍の診断やアルツハイマー病や頚動脈プラークなど、造影剤を用いた様々な疾患の診断のため、生体内に導入された造影剤集積場所や、濃度分布などの画像化を可能とするものである。
本実施形態における生体情報イメージング装置は、生体内に造影剤を導入して生体情報を得るようにした点以外は、実施形態1または実施形態2と基本的に同様に構成された生体情報イメージング装置が用いられる。
【0017】
生体内の光放射点は、生体内に導入された造影剤に吸収される特性の波長のパルス光を照射する。
また、生体内に集積した造影剤が光のエネルギーの一部を吸収して発生した音響波を検出し、電気信号に変換する音響波検出器を、実施形態1または実施形態2で説明したように生体外に備える。
造影剤としては典型的にインドシニアングリーン(ICG)などが用いられるが、パルス光照射により、音響波を発するものであれば、どのような物質を用いてもかまわない。
【0018】
(実施形態4)
本発明の実施形態4における生体情報イメージング装置について説明する。
図4に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。
図4において、14はカテーテル、15は穿刺針である。
本実施形態の生体情報イメージング装置は、画像化による診断の結果、腫瘍などの患部や、または患部の疑いがある部位が発見されたときに、より精密に検査するために細胞を採取したり、また患部に注射などの処置を施したりするために用いられる。
このような処置を行うためには注射針や細胞診針等の穿刺針が用いられる。本実施形態の装置によれば、得られた画像を用いて、患部を観察しながら穿刺を行うことができるため、適切な処置を施すことが可能になる。
穿刺針15の先端は光放射部付近に固定されていることが好ましい。例えば穿刺針15と光ファイバー10などの光導波路は、カテーテル14内に収められていることが好ましい。また、光放射部に近傍に穿刺針15をガイドするためのガイド孔を設けてもよい。
穿刺針15の先端を光放射部付近に固定させずに、穿刺針15と光放射部材を完全に分離させ、別々の位置から体内に挿入してもよい。
【実施例】
【0019】
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1として、生体中の腫瘍の吸収係数分布を求めるための、生体情報イメージング装置の例について、図1と図3を用いて説明する。
図3は、本実施例における挿入型光源を説明する図である。
図3において、5は生体内を伝播する光、10は光ファイバー、12は光放射点である光散乱媒体、13はファイバー内を伝播する光である。
【0020】
本実施例において、光源には、1064nmのナノ秒パルス光を発振できるQスイッチNd:YAGレーザーを用いる。
パルスの幅は約5ナノ秒であり、繰り返し速度は10Hzである。
このパルス光13を光導波路である光ファイバー10を用いて生体内に導き、ファイバーの先端に配置した球状のすりガラスで形成した光散乱媒体12により散乱させ、2πステラジアン以上の放射角で生体に照射する。
音響波検出器3としては、中心周波数2.5MHzのピエゾタイプのトランスデューサーを用い、それをスキャンすることで多点で生体内部から発せられる音響波を検知する。
電気信号に変換された音響波検出器で得られた音響波信号は、オシロスコープで記録されたのち、コンピューターに送られ、解析される。
このような装置を用いて、軟組織内に埋め込まれた腫瘍を模擬した試料で測定を行えば、従来よりも生体深部の光学特性値の分布が、広範囲に得られる。
【0021】
[実施例2]
本発明の実施例2として、生体中の腫瘍の吸収係数分布を求め、その分布画像を用い、患部を観察しながら穿刺を行ことが可能である生体情報イメージング装置の例について図4を用いて説明する。
生体中の腫瘍の吸収係数分布を求め、その分布画像を得る方法は実施例1と同様である。
本実施例では、実施例1における図3の挿入型光源は用いずに、図4の穿刺機能を有する挿入型光源を用いる。
図4は生体情報イメージング装置で使用する穿刺機能を有する挿入型光源を説明する図である。
図4において、図3に示した構成と同様の構成には同一の符号が付されており、14はカテーテル、15は穿刺針である。
【0022】
本実施例において、先端に光散乱体12を持つ光ファイバー10と穿刺針15がカテーテル14内に挿入され、カテーテル14の一端から光散乱体12を持つ光ファイバー10と穿刺針15の先が突き出ている。
体表皮からカテーテル14を挿入し、先端に光散乱体12を持つ光ファイバー10と、穿刺針15をカテーテル14内に挿入する。これにより、光放射点と穿刺針15を体内に導入する。
そして、光散乱体12から光放射を行い、腫瘍の吸収係数分布をイメージングし、観察しながら、穿刺針15の針先を腫瘍に達することが出来る。
針先が腫瘍に達すると、腫瘍部の細胞を適切に採取することが出来る。また注射などの処置を適切に施すことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態2における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図である。
【図3】本発明の実施例1における生体情報イメージング装置で使用する挿入型光源を説明する図である。
【図4】本発明の実施例2における生体情報イメージング装置で使用する穿刺機能を有する挿入型光源を説明する図である。
【符号の説明】
【0024】
1:生体
2:光放射点
3:音響波検出器
4:光吸収体
5:生体内を伝播する光
6:音響波
7:信号処理部
8:画像表示装置
9:光源
10:光ファイバー(光導波路)
11:光放射点
12:光散乱媒体
13:ファイバー内を伝播する光
14:カテーテル
15:穿刺針

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報イメージング装置であって、
生体の内部に導入され、且つ2πステラジアン以上の放射角を有する光を該生体の内部に光照射するための光放射部を有する部材と、
生体外に配置され、且つ前記光放射部を有する部材による前記生体の内部での光照射に基づいて出力される信号を検出する信号検出器と、
を有することを特徴とする生体情報イメージング装置。
【請求項2】
前記信号検出器は、前記光放射部を有する部材から光照射された光のエネルギーの一部を吸収した前記生体の内部における光吸収体から発生する弾性波を、
前記信号として検出する音響波検出器であることを特徴とする請求項1に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項3】
前記光放射部を有する部材は、光導波路を介して生体外に配置された光源と接続され、該光源からの光が該光導波路を通じて該光放射部から光照射が可能に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項4】
前記光放射部を有する部材は、穿刺機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項5】
前記光放射部を有する部材は、穿刺針をガイドするためのガイド孔を備えていることを特徴とする請求項4に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項6】
前記光放射部を有する部材は、生体の内部に光照射する光源と電力供給源とを備えた、生体内に配置可能な発光体によって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項7】
前記信号検出器によって検出された信号を解析し、前記生体の光学特性値分布による情報を得る情報処理部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項8】
前記生体内の光吸収体が、前記生体内における腫瘍、または血管であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項9】
前記信号検出器は、複数の個所で信号が検知可能に構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項10】
前記光源が、パルス光を発する光源であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項11】
前記パルス光の波長が、400nm以上、1600nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−31262(P2009−31262A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132535(P2008−132535)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】