説明

生体測定装置

【課題】日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能な生体測定装置を提供する。
【解決手段】生体測定装置Aは、制御装置200と、指紋センサ320と、制御装置200から供給される計測開始信号を検知すると、生体データを測定し、測定結果を制御装置200に返信する測定装置100と、名前データ及び指紋データと、個人パラメータとが対応付けられて記憶されている個人パラメータテーブルTBL1と、画像を表示する出力装置400と、人感センサ220とを備える。制御装置200のCPU210は、指紋データを取得すると、個人パラメータテーブルTBL1から当該指紋データに対応する個人パラメータを読み出し、この個人パラメータと測定された生体データとに基づいて健康データを推定し、この健康データに基づく画像を出力装置400に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の生体データを測定し、その生体データに基づいて、利用者の健康管理に有益な健康データを生成する生体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体脂肪率や内臓脂肪断面積など、健康状態の指標となるデータ(以下、「健康データ」という)を生成可能な生体測定装置が普及している。この種の生体測定装置には、例えば、特許文献1に記載の生体測定装置のように、体重や体脂肪率を測定し、測定結果に基づいて利用者を判別する機能を有するものがある。
【特許文献1】特開2002−345774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、健康データの計測するためには、利用者は生体測定装置の電源スイッチを操作する。また、特に、生体インピーダンスを測定する場合は、裸足で生体測定装置に乗る必要があった。すなわち、健康データを計測するためには、利用者がこれから計測を実行することを意識して行動する必要があった。
しかしながら、計測を意識して行動するのは面倒であるため、利用者は健康状態の把握が重要であることを知っていても、計測に対して消極的であるといった問題があった。さらに、家族など複数の人が一つの生体測定装置を共用する場合、個人を特定する必要があり、利用者に負荷をかけるといった問題もあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能な生体測定装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するため、本発明は、複数の利用者の健康状態を管理する制御手段を備えた生体測定装置であって、前記利用者が操作すると、個人を識別する個人データを生成する個人認証手段と、その設置箇所に前記利用者が来ると、前記利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力する生体データ測定手段と、個人の生体の特徴を示す個人パラメータを前記個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段と、画像を表示する表示手段と、前記生体が当該生体測定装置に近づいたことを検知して検知信号を生成する検知手段とを備え、前記制御手段は、前記検知信号を取得して前記生体データ測定手段を測定可能に制御し、前記個人データを取得すると、前記個人パラメータ記憶手段を参照して、当該個人データに対応する前記個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと前記生体データ測定手段によって測定された前記生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、前記健康データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする生体測定装置を提供する。
この生体測定装置では、利用者が生体データ測定手段の設置箇所に近づくと、制御手段が生体データ測定手段を測定可能に制御し、利用者が生体データ測定手段の設置箇所に来ると、生体データ測定手段がこの利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力し、利用者が個人認証手段を操作すると、個人認証手段がこの利用者を識別する個人データを生成し、この個人データに対応する個人パラメータと生体データ測定手段によって測定された生体データとに基づいて、制御手段が、健康状態の指標となる健康データを推定し、この健康データに基づく画像を表示手段に表示させる。
よって、この生体測定装置によれば、日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能である。また、この生体測定装置によれば、ある利用者が個人認証手段を操作すると、個人認証手段によって生成された個人データに対応する個人パラメータと生体データ測定手段によって測定された生体データとに基づいて健康データが推定され、この健康データに基づく画像が表示されるから、利用者は、個人認証手段の操作という簡単な操作で自己の健康状態の最新の指標を知ることができるとともに、この生体測定装置が複数の利用者に共用される場合にもプライバシーを守ることができる。
【0005】
また、本発明は、複数の利用者の健康状態を管理する制御手段を備えた生体測定装置であって、前記利用者が操作すると操作信号を出力する入力手段と、個人を識別する個人データを生成する個人認証手段と、その設置箇所に前記利用者が来ると、前記利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力する生体データ測定手段と、個人の生体の特徴を示す個人パラメータを前記個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段と、画像を表示する表示手段と、前記生体が当該生体測定装置に近づいたことを検知して検知信号を生成する検知手段とを備え、前記制御手段は、前記検知信号を取得して前記生体データ測定手段を測定可能に制御し、前記操作信号を検知すると、前記個人認証手段によって生成された個人データを取得し、前記個人パラメータ記憶手段を参照して、当該個人データに対応する前記個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと前記生体データ測定手段によって測定された前記生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、前記健康データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする生体測定装置を提供する。
この生体測定装置では、利用者が生体データ測定手段の設置箇所に近づくと、制御手段が生体データ測定手段を測定可能に制御し、利用者が生体データ測定手段の設置箇所に来ると、生体データ測定手段がこの利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力し、利用者が入力手段を操作すると、個人認証手段によって生成された個人データに対応する個人パラメータと生体データ測定手段によって測定された生体データとに基づいて、制御手段が、健康状態の指標となる健康データを推定し、この健康データに基づく画像を表示手段に表示させる。
よって、この生体測定装置によれば、日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能である。また、この生体測定装置によれば、入力手段が操作されると、個人認証手段によって生成された個人データに対応する個人パラメータと生体データ測定手段によって測定された生体データとに基づいて健康データが推定され、この健康データに基づく画像が表示されるから、利用者は、入力手段の操作という簡単な操作で自己の健康状態の最新の指標を知ることができるとともに、この生体測定装置が複数の利用者に共用される場合にもプライバシーを守ることができる。
【0006】
また、本発明は、複数の利用者の健康状態を管理する制御手段を備えた生体測定装置であって、前記利用者が操作すると操作信号を出力する入力手段と、個人を識別する個人データを生成する個人認証手段と、その設置箇所に前記利用者が来ると、前記利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力する生体データ測定手段と、個人の生体の特徴を示す個人パラメータを前記個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段と、画像を表示する表示手段と、前記生体が当該生体測定装置に近づいたことを検知して検知信号を生成する検知手段とを備え、前記制御手段は、前記検知信号を取得して前記生体データ測定手段を測定可能に制御し、前記個人認証手段によって生成された個人データを取得し、前記個人パラメータ記憶手段を参照して、当該個人データに対応する前記個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと前記生体データ測定手段によって測定された前記生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、前記操作信号を検知すると、前記健康データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする生体測定装置を提供する。
この生体測定装置では、利用者が生体データ測定手段の設置箇所に近づくと、制御手段が生体データ測定手段を測定可能に制御し、利用者が生体データ測定手段の設置箇所に来ると、生体データ測定手段がこの利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力し、個人認証手段によって生成された個人データに対応する個人パラメータと生体データ測定手段によって測定された生体データとに基づいて、制御手段が健康状態の指標となる健康データを推定し、入力手段が操作されると、制御手段が、この健康データに基づく画像を表示手段に表示させる。
よって、この生体測定装置によれば、日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能である。また、この生体測定装置によれば、個人認証手段によって生成された個人データに対応する個人パラメータと生体データ測定手段によって測定された生体データとに基づいて健康データが推定され、入力手段が操作されると、この健康データに基づく画像が表示されるから、利用者は、入力手段の操作という簡単な操作で自己の健康状態の最新の指標を知ることができるとともに、この生体測定装置が複数の利用者に共用される場合にもプライバシーを守ることができる。
【0007】
この生体測定装置において、前記個人認証手段は、前記生体データ及び前記健康データの少なくとも一方を前記個人データと対応付けて記憶する第2記憶手段と、今回の測定において測定された前記生体データ及び前記健康データの少なくとも一方と前記第2記憶手段から読み出された前記生体データ及び前記健康データの少なくとも一方とを比較して、比較結果に基づいて前記個人データを生成する個人データ生成手段とを備える、ようにしてもよい。この形態の生体測定装置によれば、指紋センサや網膜センサなどの生体認証用のセンサを用いることなく、個人を識別する個人データを生成することができる。
【0008】
上記の各生体測定装置において、前記生体データ測定手段は、校正開始信号を検知すると生体データの測定を可能とするために校正を実行し、前記制御手段は、前記検知信号を取得すると、前記校正開始信号を前記生体データ測定手段に出力して、前記生体データ測定手段を測定可能に制御する、ようにしてもよい。この形態の生体測定装置によれば、生体が当該生体測定装置に近づくと校正が行われるため、利用者の操作を複雑化することなく、測定の精度を高くすることができる。
【0009】
上記の各生体測定装置において、前記生体データは、前記利用者の体重を示すデータと生体インピーダンスを示すデータとを含み、前記生体データ測定手段は、前記利用者の体重を測定する体重計と、前記利用者の生体インピーダンスを測定するインピーダンス計とを備え、前記表示手段は、動作停止時に透明となり、鏡の前面に固定され、且つ、前記利用者が前記体重計に立った状態で画像が見える位置に配置される、ようにしてもよい。この形態の生体測定装置によれば、生体インピーダンスまたは体重に基づいて健康データが推定する場合に比較して、推定の精度を高くすることができる。また、この形態の生体測定装置には、表示手段が、非動作時には利用者の日常生活を邪魔せず、動作時には利用者に付加的な動作を要求せずに済むものとなる、という利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る生体測定装置Aの全体構成を示す。図1に示されるように、生体測定装置Aは、生体の状態を示す生体データを測定する測定装置100と、装置A全体の制御中枢として機能すると共に健康データを生成する制御装置200と、利用者が操作する入力装置300と、利用者に対して情報を知らせる出力装置400とを備える。制御装置200と、測定装置100、入力装置300および出力装置400との間のデータ伝送には、これらの構成要素を自由に配置する観点より無線通信を用いることが好ましい。
【0011】
本実施形態における「健康データ」とは、体脂肪、内臓脂肪、体水分量、筋肉量、骨量、基礎代謝量等といった健康状態の指標となるデータを含む。健康データは、身長、年齢、性別といった個人の特徴を示す個人パラメータと生体データとに基づいて、制御装置200が、所定の演算式に従って推定する。生体データとしては、利用者の体重を示すデータや、利用者の生体インピーダンスを示すデータを例示することができる。つまり、健康データは、生体データに基づいて推定されたデータである。この「推定」には、生体データをそのまま健康データとすることが含まれる。
【0012】
図2は、生体測定装置Aを組み込んだバスルームおよびこれに隣接して設けられたドッレッシングルームの概要を示す斜視図である。この例では、洗面台10の前方の床に測定装置100が埋め込まれている。つまり、測定装置100の周縁には段差が無い。また、この例において、入力装置300および出力装置400は、図3に示すように鏡20の前面に設けられている。
【0013】
入力装置300はタッチパネル310と指紋センサ320とを含む。タッチパネル310は透明であり、利用者が指で触れると、指で触れた箇所を検知して操作信号を出力するように構成されている。指紋センサ320は透明であり、利用者が人差し指の腹で触れると、指紋を検知して指紋データを出力する。
【0014】
出力装置400は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescent)パネルで構成され、非動作時には透明となり、動作時には画像を表示する機能を備える。つまり、出力装置400は、画像を表示する表示手段として機能する。なお、出力装置400が動作しないときには、利用者から出力装置400を見ると、単なる鏡20として見える。
【0015】
図4に出力装置400の表示例を示す。この図に示すように、画面の左上には、測定日時が表示され、右上には体重と体脂肪率とが表示され、その下には体重および体脂肪率の変化を示すグラフが表示される。また、タッチパネル310の領域には、複数の指示内容が表示される。利用者が「View More Details」を触れた場合には、より詳細な生体データや健康データが表示される。利用者が「View Yesterday’s Details」を触れた場合には、昨日の詳細な生体データや健康データが表示される。さらに、利用者が「Scale again」を触れた場合には、再度、計測を実行する。
【0016】
図5に測定装置100の電気的構成を示す。測定装置100は、無線通信部140と、制御プログラムが格納されたメモリ150と、利用者の体重を測定する体重計160と、利用者の生体インピーダンスを測定するインピーダンス計170と、これら各部を制御するCPU110とを備える。なお、出力装置400は、利用者が体重計160上に立った状態で画像が見える位置に配置される。
【0017】
無線通信部140は、Bluetooth(登録商標)やIrDA(Infrared Data Association;登録商標)などの無線通信手段を介して、制御装置200との間でデータを送受信することが可能である。インピーダンス計170は、電流供給部170Aと電圧検出部170Bとを備える。電流供給部170Aは利用者が測定装置100に乗ったときに、その上面部に形成された各電極1aおよび2aを介して利用者の足裏に高周波の微弱な定電流を印加し、電圧検出部170Bは各電極1bおよび2bを介して電位差を測定する。CPU110は、供給した電流値と検出された電位差とに基づいて、生体インピーダンスを算出する。
【0018】
また、CPU110は、無線通信部140を介して制御装置200から供給される準備開始信号を検知すると、体重計160及びインピーダンス計170の少なくとも一方について校正処理を実行する。校正処理ではゼロ点調整や、温度や経時変化に起因する誤差の補正が実行される。さらに、CPU110は、無線通信部140を介して制御装置200から供給される計測開始信号を検知すると、体重及び生体インピーダンスを測定し、測定結果を生体データとして制御装置200に返信する。つまり、測定装置100は、その設置箇所に利用者が来ると、この利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力する生体データ測定手段として機能する。
【0019】
図6に制御装置200の電気的構成を示す。制御装置200は、無線通信部240と、メモリ250と、人感センサ220とを備える。人感センサ220は、例えば、赤外線を発光する発光部とこれを受光する受光部とを備え、受光部から出力される信号レベルが所定範囲を超えて変化したとき、人が近づいたことを検出して検出信号をCPU210に出力する。この例では、人感センサ220を洗面台10の下部に配置したが、これをドレッシングルームの天井に配置して、生体測定装置Aが配置される部屋に利用者が入室したことを検知して検知信号を出力してもよい。要は、利用者が生体測定装置Aに近づいて計測を行う可能性がある範囲で検出できればよい。つまり、人感センサ220は、生体が生体測定装置A(より詳しくは測定装置100)に近づいたことを検知(検出)して検知信号(検出信号)を生成する検知手段として機能する。
【0020】
メモリ250は書き換え可能な不揮発性の記憶手段である。メモリ250には、個人パラメータテーブルTBL1、経過データテーブルTBL2、及び制御プログラムPRAが記憶されている。
【0021】
図7に個人パラメータテーブルTBL1の記憶内容を示す。同図に示すように、個人パラメータテーブルTBL1には、名前データ及び指紋データと、身長、年齢、及び性別を示す個人パラメータとが対応付けられて記憶されている。名前データは生体測定装置Aにおける個人の呼び名を示すものであり、例えば、「お父さん」「お母さん」「太郎」といったものである。指紋データは指紋センサ320によって生成された指紋を示すデータである。指紋データや名前データは個人を識別する個人データとして機能する。つまり、指紋センサ320は、利用者が操作すると、個人を識別する個人データを生成する個人認証手段として機能する。指紋データ及び名前データと個人パラメータとは、生体測定装置Aの導入時に利用者の入力装置300の操作に基づいて個人パラメータテーブルTBL1に記憶される。つまり、メモリ250(より詳しくは個人パラメータテーブルTBL1)は、個人の生体の特徴を示す個人パラメータを個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段として機能する。
【0022】
また、経過データテーブルTBL2には、名前データと生体データ(体重)及び健康データ(体脂肪率)とが、計測日時と共に記憶されている。したがって、名前データをキーにして経過データテーブルTBL2を検索すれば、個人の生体データ及び健康データの推移を知ることができる。
【0023】
さらに、制御プログラムPRAには、制御装置200を制御する指令が記述されており、CPU210は制御プログラムPRAに従って生体測定装置A全体を制御すると共に個人パラメータと生体データに基づいて、健康データを推定する。例えば、CPU210は、以下に示す式(1)に従って体脂肪率%Fatを健康データとして生成する。
%Fat=f1・Z・W/H−f2……(1)
但し、f1及びf2は定数であり、性別によって値が異なる。また、Zは生体インピーダンス、Hは身長、Wは体重である。Z及びWは、生体データとして測定装置100から受信する。「身長」は、個人パラメータテーブル250から読み出す。ここで、式(1)の第1項において「W/H」は体格指数BMIであり、肥満の度合いを示す。式(1)の定数f1及びf2は、DXA(Dual energy X-ray Absorptiometry)法によって得られた体脂肪率に基づいて重回帰分析を行い、導かれたものである。体脂肪率の推定方法には、DXA法と、本実施形態で採用する生体インピーダンス法がある。DXA法は波長の異なる2種類の放射線を用い、その透過量から人体の組成を求める。DXA法は、体脂肪率を高い精度で測定することができるが、装置が大規模となりごく微量であるが放射線を被爆するといった問題がある。これに対して、本実施形態で採用する生体インピーダンス法によれば、簡易且つ安全に体脂肪率%Fatを推定することができる。
【0024】
また、CPU210は、以下に示す式(2)に従って内臓脂肪断面積VFAを推定することができる。
VFA=v1・Z・W/H−v2+v3・E……(2)
但し、v1、v2及びv3は定数であり、性別によって値が異なる。Eは年齢である。「身長」及び「年齢」は内臓脂肪断面積VFAを生成するためのパラメータであり、利用者の個人データとしてユーザ端末200から供給される。
ここで、式(2)の第3項において「v3・E」とあるのは、一般に高齢になると運動不足となり内臓脂肪が増加する傾向があるからである。式(2)の定数v1〜v3は、CT(Computed Tomography)法によって得られた内臓脂肪断面積VFAに基づいて重回帰分析を行い、導かれたものである。内臓脂肪断面積の推定方法には、CT法と、本実施形態で採用する生体インピーダンス法がある。CT法は、生体のある断面に多方向から幅の狭いX線ビームを曝射し、透過したX線を検出してその断面内でのX線の吸収の度合の空間分布をコンピュータで計算し画像化するものである。CT法は。DXA法と同様に、内臓脂肪断面積を高い精度で測定することができるが、装置が大規模となりごく微量であるが放射線を被爆するといった問題がある。これに対して、本実施形態で採用する生体インピーダンス法によれば、簡易且つ安全に内臓脂肪断面積VFAを推定することができる。
【0025】
次に、制御装置200においてCPU210が実行する処理を図8に示すフローチャートを参照して説明する。まず、CPU210は、人感センサ220の出力を監視し、検出信号を受信すると(ステップS1)、準備開始信号を測定装置100に送信する(ステップS2)。準備開始信号を測定装置100のCPU110が検知すると、上述した校正処理を実行する。このため、測定の精度が高くなる。この後、CPU110は体重計160から出力される体重データを監視し、体重データの値が所定値を上回ると、利用者が測定装置100の上に立ち計測可能な状態になったとみなす。そして、CPU110は、自動的に、即ち、利用者の指示を待つことなく、体重と生体インピーダンスを測定して、測定結果を生体データとして制御装置200に送信する。上述したように測定装置100は利用者が鏡20の前に立ったときに、足が接触する床の所定位置に埋め込まれているので、利用者に計測を意識させずに生体データを取得することが可能となる。
【0026】
ステップS3の処理では、制御装置200のCPU210は、生体データを受信したか否かを判定する。生体データを受信すると、当該生体データをメモリ250のワークエリアに記憶する(ステップS4)。この後、CPU210は、指紋データを指紋センサ320から受信したか否かを判定する(ステップS5)。利用者は、自己の生体データや健康データを知りたいときだけ、人指し指の腹で指紋センサ320に触れる。換言すれば、気が向かない場合には、指紋センサ320に触れなければよい。これによって、健康状態を知りたいときだけ、処理を進めることができる。なお、CPU210は、生体データを受信してからの時間を計測し、計測時間が所定時間を経過しても指紋データを受信しない場合には、一連の処理を終了してもよい。あるいは、CPU210は、人感センサ220の検出信号が停止したことを検知して、処理を終了してもよい。
【0027】
指紋データを受信した場合、CPU210は処理をステップS6に進めて、個人認証を実行する。この場合、CPU210は、受信した指紋データと、個人パラメータテーブルTBL1に記憶されている複数の指紋データを比較して、最も近い指紋データを抽出することによって、個人を認証する。但し、指紋データの一致する程度を評価した結果、評価値が所定値より小さい場合には、エラーとして処理してもよい。この場合には、パスワードの入力を条件に、指紋データ、名前データ、及び個人パラメータの登録を実行してもよい。
【0028】
次に、CPU210は、特定された指紋データに対応する個人パラメータを個人パラメータテーブルTBL1から読み出す(ステップS7)。この後、CPU210は、個人パラータ及び生体データに基づいて、健康データを生成し(ステップS8)、これらを出力装置400に送信する(ステップS9)。この時、名前データをキーにして、経過データテーブルTBL2を検索して、過去の生体データ及び健康データを読み出して、これらを、今回、測定された生体データ及び健康データと共に出力装置400に送信してもよい。出力装置400は生体データ及び健康データを受信すると、これを画面に表示する。これによって、利用者は健康状態を知ることができる。さらに、CPU210は、今回の計測で得られた健康データ及び生体データを経過データテーブルTBL2に記憶する(ステップS10)。
【0029】
以上の説明から明らかなように、CPU210は、複数の利用者の健康状態を管理する制御手段として機能し、人感センサ220によって生成された検知信号を取得して測定装置100を測定可能に制御し、指紋センサ320によって生成された指紋データを取得すると、メモリ250(より詳しくは個人パラメータテーブルTBL1)を参照して、当該指紋データに対応する個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと測定装置100によって測定された生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、推定した健康データに基づく画像を出力装置400に表示させる。
【0030】
よって、生体測定装置Aによれば、日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能である。また、生体測定装置Aによれば、ある利用者が人差し指の腹で指紋センサ320に触れると、これによって指紋センサ320に生成された指紋データに対応する個人パラメータと測定装置100によって測定された生体データとに基づいて健康データが推定され、この健康データに基づく画像が表示されるから、利用者は、指紋センサ320に触れるだけの簡単な操作で自己の健康状態の最新の指標を知ることができるとともに、生体測定装置Aが複数の利用者に共用される場合にもプライバシーを守ることができる。
【0031】
本発明は、上述した実施形態の態様に限られず、例えば、以下に例示されるような種々の変形が可能である。
【0032】
<変形例1>
生体測定装置Aでは、利用者が人差し指の腹で指紋センサ320に触れると、その利用者の健康データに基づく画像が表示されるが、これを変形し、利用者が人差し指の腹で指紋センサ320に触れても健康データに基づく画像が表示されず、利用者がタッチパネル310に触れると、その利用者の健康データに基づく画像が表示される形態(変形例1)としてもよい。以降、変形例1に係る生体測定装置Bについて説明する。
【0033】
図9は、生体測定装置Bの全体構成を示す図である。この図に示すように、生体測定装置Bが生体測定装置Aと異なる点は、制御装置200および入力装置300に代えて制御装置500および入力装置600を有する点のみである。図10は、出力装置400および入力装置600の配置を示す図である。この図に示すように、入力装置600は、タッチパネル310と網膜センサ620とを含む。つまり、入力装置600(より詳しくはタッチパネル310)は、利用者が操作すると操作信号を出力する入力手段として機能する。
【0034】
図10から明らかなように、生体測定装置Bを組み込んだバスルームに隣接して設けられたドッレッシングルームでは、鏡20に代えてマジックミラー21が設けられている。マジックミラー21は、その前面から眺めると鏡として機能し、その裏面から眺めると素通しガラスとして機能する。タッチパネル310および出力装置400は、マジックミラー21の前面に設けられ、網膜センサ620は、マジックミラー21の裏面に設けられている。このため、利用者は、網膜センサ620を視認せずに済む。
【0035】
図11は、生体測定装置Bにおける出力装置400の表示例を示す図である。この図の中央上側には、網膜センサ620が仮想線で示されている。網膜センサ620は、マジックミラー21を使う利用者の網膜パターンを検知して網膜データを出力するものであり、図11に示すように、利用者の網膜パターンを検知し易い位置に設けられている。網膜データは個人を識別する個人データとして機能する。つまり、網膜センサ620は、個人を識別する個人データを生成する個人認証手段として機能する。
【0036】
図12に制御装置500の電気的構成を示す。制御装置500が制御装置200と異なる点は、メモリ250に代えてメモリ550を備える点のみである。メモリ550がメモリ250と異なる点は、個人パラメータテーブルTBL1および制御プログラムPRAに代えて個人パラメータテーブルTBL3および制御プログラムPRBを記憶している点のみである。個人パラメータテーブルTBL3が個人パラメータテーブルTBL1と異なる点は、指紋データに代えて網膜データを記憶している点のみである。つまり、メモリ550(より詳しくは個人パラメータテーブルTBL3)は、個人の生体の特徴を示す個人パラメータを個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段として機能する。
【0037】
制御プログラムPRBには、制御装置500を制御する指令が記述されており、制御装置500のCPU210は、制御プログラムPRBに従って生体測定装置B全体を制御すると共に個人パラメータと生体データに基づいて、健康データを推定する。この推定の内容は、生体測定装置Aにおける推定の内容と同様である。
【0038】
次に、制御装置500においてCPU210が実行する処理を図13に示すフローチャートを参照して説明する。制御装置500のCPU210は、まず、制御装置200のCPU210が実行する処理と同様の処理を行う(ステップS1〜S4)。この後、制御装置500のCPU210は、操作信号および網膜データを受信したか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、タッチパネル310から操作信号を受信するまで、タッチパネル310から操作信号を受信したか否かの判定を繰り返し、タッチパネル310から操作信号を受信すると、網膜センサ620から網膜データを受信するまで、網膜センサ620から網膜データを受信したか否かの判定を繰り返し、網膜センサ620から網膜データを受信すると、処理をステップS22に進める。
【0039】
網膜センサ620による網膜データの生成には、利用者による操作は不要である。マジックミラー21に対面するだけでよい。したがって、利用者は、自己の生体データや健康データを知りたいときだけ、マジックミラー21に対面し、タッチパネル310に触れることにより、処理を進めることができる。換言すれば、気が向かない場合には、タッチパネル310に触れないようにしたり、マジックミラー21に対面しないようにしたりすればよい。これによって、健康状態を知りたいときだけ、処理を進めることができる。なお、制御装置500のCPU210は、生体データを受信してからの時間を計測し、計測時間が所定時間を経過しても操作信号または網膜データを受信しない場合には、一連の処理を終了してもよい。あるいは、制御装置500のCPU210は、人感センサ220の検出信号が停止したことを検知して、処理を終了してもよい。
【0040】
ステップS22では、CPU210は、個人認証を実行する。この場合、CPU210は、受信した網膜データと、個人パラメータテーブルTBL3に記憶されている複数の網膜データを比較して、最も近い網膜データを抽出することによって、個人を認証する。但し、網膜データの一致する程度を評価した結果、評価値が所定値より小さい場合には、エラーとして処理してもよい。この場合には、パスワードの入力を条件に、網膜データ、名前データ、及び個人パラメータの登録を実行してもよい。次に、制御装置500のCPU210は、特定された網膜データに対応する個人パラメータを個人パラメータテーブルTBL3から読み出す(ステップS23)。以降、制御装置500のCPU210は、制御装置200のCPU210が実行する処理と同様の処理を行う(ステップS8〜S10)。
【0041】
以上の説明から明らかなように、制御装置500のCPU210は、複数の利用者の健康状態を管理する制御手段として機能し、人感センサ220によって生成された検知信号を取得して測定装置100を測定可能に制御し、タッチパネル310からの操作信号を検知すると、網膜センサ620によって生成された網膜データを取得し、メモリ550(より詳しくは個人パラメータテーブルTBL3)を参照して、当該網膜データに対応する個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと測定装置100によって測定された生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、推定した健康データに基づく画像を出力装置400に表示させる。
【0042】
よって、生体測定装置Bによれば、日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能である。また、生体測定装置Bによれば、ある利用者がマジックミラー21に対面し、タッチパネル310に触れると、網膜センサ620に生成された網膜データに対応する個人パラメータと測定装置100によって測定された生体データとに基づいて健康データが推定され、この健康データに基づく画像が表示されるから、利用者は、マジックミラー21に対面してタッチパネル310に触れるだけの簡単な操作で自己の健康状態の最新の指標を知ることができるとともに、生体測定装置Bが複数の利用者に共用される場合にもプライバシーを守ることができる。
【0043】
<変形例2>
生体測定装置Bでは、利用者の操作を契機として健康データの推定と、推定した健康データに基づいた画像の表示が行われるが、これを変形し、利用者の操作を待たずに健康データを推定し、推定した健康データに基づいた画像の表示を、利用者の操作を契機として行う形態(変形例2)としてもよい。以降、変形例2に係る生体測定装置Cについて説明する。
【0044】
図14は、生体測定装置Cの全体構成を示す図である。この図に示すように、生体測定装置Cが生体測定装置Bと異なる点は、制御装置500に代えて制御装置700を有する点のみである。
【0045】
図15に制御装置700の電気的構成を示す。制御装置700が制御装置500と異なる点は、メモリ550に代えてメモリ750を備える点のみである。メモリ750がメモリ550と異なる点は、制御プログラムPRBに代えて制御プログラムPRCを記憶している点のみである。制御プログラムPRCには、制御装置700を制御する指令が記述されており、制御装置700のCPU210は、制御プログラムPRCに従って生体測定装置C全体を制御すると共に個人パラメータと生体データに基づいて、健康データを推定する。この推定の内容は、生体測定装置Bにおける推定の内容と同様である。
【0046】
次に、制御装置700においてCPU210が実行する処理を図16に示すフローチャートを参照して説明する。制御装置700のCPU210は、まず、制御装置500のCPU210が実行する処理と同様の処理を行う(ステップS1〜S4)。この後、制御装置700のCPU210は、網膜データを受信したか否かを判定する(ステップS31)。具体的には、網膜センサ620から網膜データを受信するまで、網膜センサ620から網膜データを受信したか否かの判定を繰り返し、網膜センサ620から網膜データを受信すると、処理をステップS22に進める。
【0047】
網膜センサ620による網膜データの生成には、利用者による操作は不要である。なお、制御装置700のCPU210は、生体データを受信してからの時間を計測し、計測時間が所定時間を経過しても網膜データを受信しない場合には、一連の処理を終了してもよい。あるいは、制御装置700のCPU210は、人感センサ220の検出信号が停止したことを検知して、処理を終了してもよい。
【0048】
網膜センサ620から網膜データを受信すると、制御装置700のCPU210は、制御装置500のCPU210が実行する処理と同様の処理を行う(ステップS22、S23およびS8)。次に、制御装置700のCPU210は、操作信号を受信したか否かを判定する(ステップS32)。具体的には、タッチパネル310から操作信号を受信するまで、タッチパネル310から操作信号を受信したか否かの判定を繰り返し、タッチパネル310から操作信号を受信すると、処理をステップS9に進める。
【0049】
利用者は、自己の生体データや健康データを知りたいときだけ、タッチパネル310に触れることにより、処理を進めることができる。換言すれば、気が向かない場合には、タッチパネル310に触れないようにすればよい。これによって、健康状態を知りたいときだけ、処理を進めることができる。なお、制御装置700のCPU210は、生体データを受信してからの時間を計測し、計測時間が所定時間を経過しても操作信号または網膜データを受信しない場合には、一連の処理を終了してもよい。あるいは、制御装置700のCPU210は、人感センサ220の検出信号が停止したことを検知して、処理を終了してもよい。
【0050】
タッチパネル310から操作信号を受信すると、制御装置700のCPU210は、制御装置500のCPU210が実行する処理と同様の処理を行う(ステップS9およびS10)。
【0051】
以上の説明から明らかなように、制御装置700のCPU210は、複数の利用者の健康状態を管理する制御手段として機能し、人感センサ220によって生成された検知信号を取得して測定装置100を測定可能に制御し、網膜センサ620によって生成された網膜データを取得し、メモリ750(より詳しくは個人パラメータテーブルTBL3)を参照して、当該網膜データに対応する個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと測定装置100によって測定された生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、タッチパネル310からの操作信号を検知すると、推定した健康データに基づく画像を出力装置400に表示させる。
【0052】
よって、生体測定装置Cによれば、日常生活の中で利用者が計測を意識しなくても健康データを自律的に計測可能である。また、生体測定装置Cによれば、ある利用者が、マジックミラー21に対面すると、網膜センサ620に生成された網膜データに対応する個人パラメータと測定装置100によって測定された生体データとに基づいて健康データが推定され、タッチパネル310に触れると、推定された健康データに基づく画像が表示されるから、利用者は、マジックミラー21に対面してタッチパネル310に触れるだけの簡単な操作で自己の健康状態の最新の指標を知ることができるとともに、生体測定装置Cが複数の利用者に共用される場合にもプライバシーを守ることができる。また、生体測定装置Cによれば、利用者は、タッチパネル310に触れることにより、迅速に、自己の健康データに基づく画像を表示させることができる。
【0053】
<変形例3>
生体測定装置Cでは、個人認証に網膜センサ620を用いているが、これを変形し、網膜センサ620等の生体認証用のセンサを用いずに個人認証を行う形態(変形例3)としてもよい。以降、変形例3に係る生体測定装置Dについて説明する。
【0054】
図17は、生体測定装置Dの全体構成を示す図である。この図に示すように、生体測定装置Dが生体測定装置Cと異なる点は、制御装置700および入力装置600に代えて制御装置800および入力装置900を有する点のみである。入力装置900が入力装置600と異なる点は、網膜センサ620を備えていない点のみである。
【0055】
図18に制御装置800の電気的構成を示す。制御装置800が制御装置700と異なる点は、メモリ750に代えてメモリ850を備える点のみである。メモリ850がメモリ750と異なる点は、制御プログラムPRCに代えて制御プログラムPRDを記憶している点のみである。
【0056】
制御プログラムPRDには、制御装置800を制御する指令が記述されており、制御装置800のCPU210は、制御プログラムPRDに従って生体測定装置D全体を制御すると共に個人パラメータと生体データに基づいて、健康データを推定する。この推定の内容は、生体測定装置Cにおける推定の内容と同様である。また、制御装置800のCPU210は、制御プログラムPRDに従って、経過データテーブルTBL2を用いた個人認証を行う。この個人認証では、図16のステップS31の処理が不要となる。つまり、ステップS4の次に個人認証処理が行われることになる。
【0057】
この個人認証処理では、制御装置800のCPU210は、今回の測定において推定された健康データと、経過データテーブルTBL2から読み出した健康データとを比較し、この比較の結果に基づいて網膜データを生成することにより、個人を認証する。具体的には、例えば、今回の測定によって推定された健康データに最も近い健康データに対応付けられている網膜データを経過データテーブルTBL2から抽出する。したがって、生体測定装置Dによれば、指紋センサや網膜センサなどの生体認証用のセンサを用いることなく、網膜データを生成することができる。
【0058】
なお、生体測定装置Dを変形し、個人認証処理において、今回の測定において測定された生体データと、経過データテーブルTBL2から読み出した生体データとを比較するようにしてもよい。また、生体測定装置Dを変形し、経過データテーブルTBL2に、生体データと健康データの両方ではなく、少なくとも一方のみを記憶させるようにしてもよい。つまり、本発明には、個人認証手段が、生体データ及び健康データの少なくとも一方を個人データと対応付けて記憶する第2記憶手段と、今回の測定において測定された生体データ及び健康データの少なくとも一方と第2記憶手段から読み出された生体データ及び健康データの少なくとも一方とを比較して、比較結果に基づいて個人データを生成する個人データ生成手段とを備える態様も含まれる。
【0059】
<変形例4>
生体測定装置Aでは、利用者が人差し指の腹で触れると指紋を検知して指紋データを出力する指紋センサ320が採用されているが、これに代えて、人差し指以外の指の腹で触れると指紋を検知して指紋データを出力する指紋センサや、利用者が指の腹でなぞると指紋データを出力する指紋センサ、利用者が指の腹をかざすと指紋データを出力する指紋センサ、その他の生体認証用のセンサを採用してもよい。これと同様に、生体測定装置BおよびCでは、利用者の網膜パターンを検知して網膜データを出力する網膜センサ620が採用されているが、これに代えて、虹彩センサや、その他の生体認証用のセンサを採用してもよい。
【0060】
<変形例5>
生体測定装置A〜Cでは、測定装置、制御装置、入力装置および出力装置の全てがドレッシングルームに配置されているが、これを変形し、測定装置、制御装置、入力装置および出力装置のうち少なくとも一つがバスルームに配置される形態としてもよい。また、指紋センサや網膜センサ等の個人認証手段が配置される部屋と、タッチパネル等の入力手段が配置される部屋とが別々であってもよい。また、制御装置と、据え置き型コンピュータやノート型コンピュータ、携帯電話機等のコンピュータとの間で通信可能とし、このコンピュータに入力装置および出力装置の機能を持たせる形態としてもよい。また、制御装置のメモリを、コンピュータ読み取り可能かつ着脱可能な記録媒体としてもよい。
【0061】
<変形例6>
生体測定装置A〜Cでは、測定装置が床に埋め込まれているが、これを変形し、利用者の足を温める板状のフットドライヤーに埋め込む形態としてもよい。また、生体測定装置A〜Cでは、生体データや健康データが表示されるが、これを変形し、これらのデータのみならず、これらのデータの解説や、これらのデータに基づいたアドバイスが表示されるようにしてもよい。このアドバイスとしては、健康維持または増進のための食事や運動に関するアドバイスを例示可能である。さらに、解説やアドバイスを、制御装置がインターネット等の通信網を介して他のコンピュータと通信することによって得る形態としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係る生体測定装置Aの全体構成を示す図である。
【図2】生体測定装置Aを組み込んだバスルームおよびこれに隣接して設けられたドッレッシングルームの概要を示す斜視図である。
【図3】生体測定装置Aの入力装置300および出力装置400の配置を示す図である。
【図4】生体測定装置Aの出力装置400の表示例を示す図である。
【図5】生体測定装置Aの測定装置100の電気的構成を示す図である。
【図6】生体測定装置Aの制御装置200の電気的構成を示す図である。
【図7】生体測定装置Aの個人パラメータテーブルTBL1の記憶内容を示す図である。
【図8】制御装置200のCPU210が実行する処理を示すフローチャートである。
【図9】生体測定装置Aの変形例に係る生体測定装置Bの全体構成を示す図である。
【図10】生体測定装置Bの出力装置400および入力装置600の配置を示す図である。
【図11】生体測定装置Bの出力装置400の表示例を示す図である。
【図12】生体測定装置Bの制御装置500の電気的構成を示す図である。
【図13】制御装置500のCPU210が実行する処理を示すフローチャートである。
【図14】生体測定装置Bの変形例に係る生体測定装置Cの全体構成を示す図である。
【図15】生体測定装置Cの制御装置700の電気的構成を示す図である。
【図16】制御装置700のCPU210が実行する処理を示すフローチャートである。
【図17】生体測定装置Cの変形例に係る生体測定装置Dの全体構成を示す図である。
【図18】生体測定装置Dの制御装置800の電気的構成を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1a,1b,2a,2b…電極、10…洗面台、100…測定装置、110…CPU、140…無線通信部、150,250,550,750,850…メモリ、160…体重計、170…インピーダンス計、170A…電流供給部、170B…電圧供給部、20…鏡、200,500,700,800…制御装置、210…CPU、220…人感センサ、240…無線通信部、300,600,900…入力装置、310…タッチパネル、320…指紋センサ、400…出力装置、630…網膜センサ、A,B,C,D…生体測定装置、PRA,PRB,PRC,PRD…制御プログラム、TBL1,TBL3…個人パラメータテーブル、TBL2…経過データテーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者の健康状態を管理する制御手段を備えた生体測定装置であって、
前記利用者が操作すると、個人を識別する個人データを生成する個人認証手段と、
その設置箇所に前記利用者が来ると、前記利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力する生体データ測定手段と、
個人の生体の特徴を示す個人パラメータを前記個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段と、
画像を表示する表示手段と、
前記生体が当該生体測定装置に近づいたことを検知して検知信号を生成する検知手段とを備え、
前記制御手段は、
前記検知信号を取得して前記生体データ測定手段を測定可能に制御し、
前記個人データを取得すると、前記個人パラメータ記憶手段を参照して、当該個人データに対応する前記個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと前記生体データ測定手段によって測定された前記生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、
前記健康データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする生体測定装置。
【請求項2】
複数の利用者の健康状態を管理する制御手段を備えた生体測定装置であって、
前記利用者が操作すると操作信号を出力する入力手段と、
個人を識別する個人データを生成する個人認証手段と、
その設置箇所に前記利用者が来ると、前記利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力する生体データ測定手段と、
個人の生体の特徴を示す個人パラメータを前記個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段と、
画像を表示する表示手段と、
前記生体が当該生体測定装置に近づいたことを検知して検知信号を生成する検知手段とを備え、
前記制御手段は、
前記検知信号を取得して前記生体データ測定手段を測定可能に制御し、
前記操作信号を検知すると、前記個人認証手段によって生成された個人データを取得し、
前記個人パラメータ記憶手段を参照して、当該個人データに対応する前記個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと前記生体データ測定手段によって測定された前記生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、
前記健康データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする生体測定装置。
【請求項3】
複数の利用者の健康状態を管理する制御手段を備えた生体測定装置であって、
前記利用者が操作すると操作信号を出力する入力手段と、
個人を識別する個人データを生成する個人認証手段と、
その設置箇所に前記利用者が来ると、前記利用者の生体の状態を自動的に測定して生体データを出力する生体データ測定手段と、
個人の生体の特徴を示す個人パラメータを前記個人データと対応付けて記憶する個人パラメータ記憶手段と、
画像を表示する表示手段と、
前記生体が当該生体測定装置に近づいたことを検知して検知信号を生成する検知手段とを備え、
前記制御手段は、
前記検知信号を取得して前記生体データ測定手段を測定可能に制御し、
前記個人認証手段によって生成された個人データを取得し、
前記個人パラメータ記憶手段を参照して、当該個人データに対応する前記個人パラメータを読み出し、当該個人パラメータと前記生体データ測定手段によって測定された前記生体データとに基づいて、健康状態の指標となる健康データを推定し、
前記操作信号を検知すると、前記健康データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする生体測定装置。
【請求項4】
前記個人認証手段は、
前記生体データ及び前記健康データの少なくとも一方を前記個人データと対応付けて記憶する第2記憶手段と、
今回の測定において測定された前記生体データ及び前記健康データの少なくとも一方と前記第2記憶手段から読み出された前記生体データ及び前記健康データの少なくとも一方とを比較して、比較結果に基づいて前記個人データを生成する個人データ生成手段とを備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の生体測定装置。
【請求項5】
前記生体データ測定手段は、校正開始信号を検知すると生体データの測定を可能とするために校正を実行し、
前記制御手段は、前記検知信号を取得すると、前記校正開始信号を前記生体データ測定手段に出力して、前記生体データ測定手段を測定可能に制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の生体測定装置。
【請求項6】
前記生体データは、前記利用者の体重を示すデータと生体インピーダンスを示すデータとを含み、
前記生体データ測定手段は、
前記利用者の体重を測定する体重計と、
前記利用者の生体インピーダンスを測定するインピーダンス計とを備え、
前記表示手段は、
動作停止時に透明となり、
鏡の前面に固定され、且つ、前記利用者が前記体重計に立った状態で画像が見える位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の生体測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−279181(P2008−279181A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127964(P2007−127964)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】