説明

生体組織の血流を測定するための装置

生体組織の血流を測定するための装置は、生体組織の内部に挿入するためのカテーテルヘッド(1)を備えるカテーテル、及び、光導体が開口する光放射面(17)と、光放射面(17)に対向して配置され、光導体の長手方向軸に斜めに配向される反射面(18)とを備える中央部分(3)を有する。光導体は、放出される光線が反射面(18)上に向けられ、放出される光線が反射面(18)で偏向可能で且つ生体組織で反射可能であり、及び生体組織から反射された光が反射面(18)で反射可能で且つ光導体へと送られるように配置される。カテーテルヘッドは、挿入領域と接続領域に分けられ、挿入領域はその表面に複数の隙間(5)を有する。挿入領域は、接続領域の方向に増加する直径を有する。隙間(5)は、挿入領域に、カテーテルヘッドの表面に沿って隙間の間にウェブ(11)が接続領域の方向に延びて形成されるように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織、特に脳組織を通る血流を測定するためのカテーテル、カテーテルヘッド及び装置に関する。さらに、本発明は、脳診断法及び/又は治療のための、カテーテル、カテーテルヘッド及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織を通る血流を測定するための各種装置は、先行技術から公知である。脳の脳組織を通る血流を測定するためには、カテーテルタイプの測定装置が使用されるが、この測定装置は、カテーテルの先端に測定センサを載せている。脳組織を通る血流の測定を実施するために、このようなカテーテルプローブを頭蓋に作った開口部を通して脳組織に挿入する。このために、多くの測定方法が公知である。例えば、熱拡散、超音波法、及び指示薬と関連した近赤外線分光法である。
【0003】
例えば、特許文献1は、血流を決定するための測定装置を開示しており、この装置では、2つの八極管を、互いから離して頭の表面に置く。八極管の1つを、近赤外線波長を有する放射線を放つ放射源に接続する。脳組織で反射した放射線の一部が、第2の八極管にぶつかり、強度を評価ユニットによって決定できる。指示薬としてインドシアニングリーンを用い、780〜910nmの波長の光線を用いる。近赤外線分光測定を行うこのような方法では、血流の測定に不利な影響を与える多くの外的影響を考慮しなければならない。光線を測定される組織にダイレクトに運ぶことはできず、検査する組織に到達するには、まず皮膚を通り抜け、頭蓋冠、硬膜等を通り抜けなければならない。その結果、例えば吸収や散乱によって、測定信号が弱められたり歪められたりする。従って、頭の表面に近い組織の領域を測定することしかできない。脳の内部にある領域、例えば、脳室床に近い領域は、この方法では不十分な正確さでしか検査できない。
【0004】
特許文献2は、発光光導体及び受光光導体を備えたカテーテルを開示し、両光導体の端部が互いから所定の距離で配置されている。
【0005】
例えば、頭蓋内部の血流を測定するための他の装置は、特許文献3から公知である。脳の内部に挿入するカテーテルプローブは、レーザードップラー流量測定を実施するための測定センサを含む。632.8nmのヘリウム−ネオンレーザーの光線は、光導体を介して、プローブの延長に遠位に位置する測定領域まで、軸方向にガイドされる。入射光の一部は、周囲の組織によって吸収・反射され、一部は循環血液によって吸収・反射される。反射した光は、少なくとも1つの光ファイバーを通って、処理ユニットまでガイドされる。流動する赤血球から反射された光はドップラー偏移を受け、そこから流量を決定できる。カテーテルプローブのヘッドは丸い先端を有し、先端の直径は遠位方向に円錐形に広がる。とがっていない先端は、頭蓋にある開口部を通って、及び下部組織を通って、脳内に位置する測定領域まで押される。とがっていない先端の表面全体が脳組織を圧迫し、脳内に永久的な損傷を残してしまうほどの圧力をかける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP 1 464 276 A1
【特許文献2】EP 1 504 715
【特許文献3】US 5,579,774
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、生体組織、特に深部にある脳組織を通る血流を測定し、容易且つ安価に製造でき、測定を歪めない装置を提供することである。
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有するカテーテルによって達成される。
【0009】
本発明のさらなる目的は、生体組織、特に深部にある脳組織を通る血流を測定し、できるだけ狭い構造を有し、わずかな外傷、すなわちわずかな損傷で、脳組織への装置の挿入を可能にする装置を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項15の特徴を有するカテーテルによって達成される。
【0011】
本発明のさらなる目的は、生体組織、特に深部にある脳組織を通る血流を測定し、わずかな外傷で脳組織への測定装置の挿入を可能にする装置を提供することである。
【0012】
この目的は、請求項20の特徴を有するカテーテルヘッドによって達成される。
【0013】
本発明のさらなる目的は、生体組織、特に深部にある脳組織を通る血流を測定し、血流の信頼性の高い測定を可能にする装置を提供することである。
【0014】
この目的は、請求項31の特徴を有するカテーテルヘッドによって達成される。
【0015】
本発明のさらなる目的は、生体組織、特に深部にある脳組織を通る血流を測定し、患者とともに運搬可能な装置を提供することである。この目的は、請求項32の特徴を有する装置によって達成される。
【0016】
本発明のカテーテルの好ましい実施形態では、放出される光及び反射される光のための光導体としてただ1つの光ファイバーがあり、光検出器及び排出用の排出溝がある。
【0017】
本発明のカテーテルの好ましい実施形態では、放出される光のための光導体としてただ1つの光ファイバーがあり、反射光のためにカテーテル内の光検出器があり、排出用の排出溝がある。
【0018】
本発明によるカテーテルの別の好ましい実施形態では、上述のヘッド部分、圧力センサ及び排出用の排出溝がある。
【0019】
前記排出溝は、付加的に又は代わりに、ガイド溝として使用することができる。大部分が可撓性材料からなるカテーテルでは、ガイド溝を通して堅いワイヤを引っ張ることができ、生体組織へのカテーテルの挿入を容易にする。
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、生体組織を通る血流を測定するための装置であって、生体組織の内部に挿入するためのカテーテルヘッドを備えたカテーテル、カテーテル内部の光導体、光導体を用いて生体組織中に光線を放出するための光源、及び生体組織から反射される光線を用いて血流速度を決定するための処理ユニットを含む。本発明によると、カテーテルは、凹所、切り込み部、隙間、又はくぼみを備えた中央部分を有し、凹所等は中央部分へと内側に配向し、カテーテルの長手方向軸に対し横方向に設けられる。凹所等は、円形、長円形又は放物線形の内面を有することができ、又は、例えばくぼみの場合、複数の壁からなることもできる。本発明によると、凹所等は、光導体が開口し(muenden)、光線が出てくる面領域、及び、光導体が開口する面領域に対向して位置し、光導体の軸に対し少なくとも部分的に斜めに、及び好ましくはカテーテルの長手方向軸に対しても斜めに配向するさらなる面領域を有する。簡単のために、これら2つの面領域を、以下、光出口面又は光出口面領域、及び反射面又は反射面領域と呼ぶ。光導体は、光源から放出された光線が反射面へ向かい、反射面によって周囲の生体組織内へと偏向されるように、光出口面から出て来る。光線は、血流に特徴的な方法で、生体組織に吸収及び反射され、その結果、反射面で反射されて光導体へと連結される反射光線が形成される。反射光線は、好ましくは、反射面に焦点が合わされる。反射光線は、光導体を通って処理ユニットへと送られ、この処理ユニットにおいて、放射された光線による入力信号と比較することによってこの送られた信号から血流速度を決定することができる。
【0021】
従って、カテーテルは、生体組織を通る血流を測定するためのプローブ又はカテーテルプローブを形成する。カテーテルは、以下で説明するように、特別に設計されるカテーテルヘッドを有し、この結果、脳組織、特に深部にある脳組織上の測定に特に適する。光導体は、例えば、光ファイバー・ケーブル又は他の光導体によって形成することができ、カテーテルを通って中央部分及びその光出口面へと向かう。反射面は、それ自身、光導体からの光線を反射できるように、十分な質の、好ましくは鏡状の質の面粗さを有することができる。好ましくは、反射体、例えば、鏡は、周囲の生体組織へと光線を反射するように、斜面上に配置される。また、一方で、入射光線が集束して組織で反射し、他方で、組織で反射した光が確実に光導体に送り込まれるように、反射面領域は、曲線形であることが有利である。反射面が曲線形を有する場合、関連する面領域を有する凹所の構造では、光導体から放出される光線の出口点と対向する反射面との間の距離がわかっており、光導体が反射面の焦点上に放射光線を集めるように設けられる。放射光線は、好ましくは、45°の角度で周囲の組織へと反射される。しかしながら、反射の他の角度も考えられ、例えば30°〜60°の範囲であることも可能である。
【0022】
好ましくは、凹所は、光透過性の材料を用いて充填される又は密閉される又は塞がれる。充填材料の外面は、好ましくは、周囲領域の円周面と同一面であり、なめらかな移行部が得られる。充填材料としては、例えば、エポキシ樹脂を使用できる。凹所を充填することによって、ビーム路の空気含有物を避けることができる。
【0023】
コヒーレント光を有する光源、例えば、780〜910nmの近赤外範囲の光を放射することができるレーザー又はレーザーダイオードを使用することが好ましい。この波長範囲の光は、生体組織に侵入できる。特に、選択する測定技術に適する波長を使用することが好ましい。好ましくは、785nm、850nm及び905nmの波長を有する光が用いられ、この光は特に、酸素化及び脱酸素化ヘモグロビン、及びマーカー物質であるインドシアニングリーンによって吸収及び反射される。可変周波数のパルス光線を使用することも有利である。組織上で反射される入射光線の一部は、アナログ−デジタルコンバータを用いて、処理ユニットで、酸素化及び脱酸素化血液及びマーカー物質の存在の時間プロフィールに関係する有意信号へと変換される。
【0024】
しかしながら、広範囲の波長スペクトルにわたって光を放射する光源、例えば白色光源を使用することもできる。その場合、血流の測定に有意味な波長範囲は、スペクトロメータによって検出することができる。しかしながら、コヒーレント光源は、必要とするエネルギーがより少ないという利点がある。
【0025】
カテーテルプローブは、また、脳内の遠くにある組織領域に好適である。このため、有利には、カテーテルヘッドと中央部分の間の距離を変えることができる。例えばチューブ状の、様々な長さの(mehr oder weniger langes)接続要素を、所望の測定範囲又は脳への所望の侵入深さに応じて使用することができる。カテーテルヘッドは、例えば、とりわけ、中央部分の位置決めのための基準点として働く脳室床まで、脳内へと挿入することができる。従って、血流の測定は、生体組織の関心領域にて現位置で、直接行うことができる。
【0026】
本発明による生体組織を通る血流を測定するための装置は、また、好ましくはホルダを含み、このホルダは、頭蓋の挿入開口部を覆って頭部の表面に置かれ、所定の位置にカテーテルプローブを保持する。例えば、ホルダは、頭部の表面上に位置するための接触面、及び、この接触面から突出して、カテーテル用のガイドチューブを有する。ホルダは、測定時、脳内へ感染性物質が侵入するのを回避することができる。これは、病原体及び汚染物質に対するバリアとして働く。ガイドチューブは、好ましくは、接触面上に垂直に配置されるため、頭蓋を通って垂直にカテーテルヘッドをガイドし、続いて垂直に定位置にカテーテルヘッドを保持する。この位置において、カテーテルプローブは、その位置からそらされたり、周囲の組織にダメージを与えたりすることなしに、その軸の周りに回転することができる。プローブを回すことによって、到達可能な測定領域が大幅に拡大される。カテーテルプローブの中央部分の周り360°の領域で測定を行うことができる。
【0027】
カテーテルプローブは、また、少なくとも1つのX線マーカーを有することができ、X線測定が行われるとき、組織内でのプローブの位置及び方向を示すことができる。
【0028】
カテーテルヘッドと中央部分が金属からなる場合、これらの位置は、X線法によってモニターすることができる。しかしながら、原則として、他の生体適合性材料も考えられ、この場合、X線法によるモニタリングは、オパール添加剤によって、カテーテルで既に使用される電子部品によって、又はマーカーによって得ることができる。さらに、カテーテルには、生体組織への侵入の深さに対するスケール、及び中央部分の角度位置を示すための角度スケールを設けることができる。これらの特徴は、脳内の測定領域の精密な配置を可能とする。
【0029】
同時に、カテーテルプローブは、付加的な測定センサを備えることができる。例えば、温度測定センサ、例えばサーミスタ又は熱電対を中央部分に設けることができる。温度センサは、中央部分の外側領域、例えば溝に配置することができる。金属は優れた熱伝導係数を有するため、中央部分の周りの組織を通る血流を測定するのと同時に、組織の温度を検出することもできる。この場合、組織との接触は必要ではない。しかしながら、中央部分がプラスチックからなる場合、測定センサと組織との間の接触は確保されなければならない。測定のために必要なリード線は、カテーテルを通って処理ユニットに送ることができ、処理ユニットで、温度信号が受信され変換される。しかしながら、プローブの先端と中央部分との間のチューブ領域に、温度測定センサを配置することもできる。
【0030】
さらに、カテーテルヘッド及びカテーテルの中央部分には、カテーテルを通って周囲組織を排出することを可能にする通路又は排出溝を設けることができる。このために、例えば、カテーテルヘッドは、周囲の組織に通じ排出溝に接続される少なくとも1つの開口部を有し、流体を組織から溝を通って吸引することができる。排出開口部の近くには、一方で周囲の組織内の圧力を測定するように、他方で排出溝内の圧力を測定するように設計される少なくとも1つの圧力センサが配置される。排出溝内に閉塞やそれに続く圧力変化がある場合、処理ユニットへと信号を出力することができ、アラームを作動することができる。原則として、排出開口部を経て組織へ液体を運ぶ、すなわち液体を注入することもできる。
【0031】
本発明のさらなる態様によると、生体組織への挿入のためのカテーテルヘッドが設けられ、カテーテルヘッドは、挿入領域及びそれに隣接する接続領域に分けられる。挿入領域は、その表面に複数の隙間を含む。さらに、挿入領域は、接続領域の方向に増加する直径を有する。隙間は、接続領域の方向に延びるウェブがカテーテルヘッドの表面に沿って隙間の間に形成されるように、挿入領域に設けられる。ウェブは、挿入領域の直径の小さい領域に始まり、直径がより大きい領域で終わる。
【0032】
カテーテルヘッドの本発明による形状により、生体組織、特に脳組織への及びこれを通るカテーテルヘッドの優しくほとんど傷つけない挿入が可能となる。カテーテルヘッドの挿入時、組織は最初最前方の領域及びウェブの表面によってのみ広げられる。ウェブの間の隙間の領域では、組織にまだ圧力が加えられていない。この最初の拡張の後、カテーテルヘッドはもっと先まで挿入され、隙間にある組織領域が接続領域の円周面によって広げられる。このやり方においては、最小の直圧だけが組織にかけられる。
【0033】
カテーテルヘッドの接続領域は、好ましくは円形又は楕円形であり、均一の直径を有する。直径は、好ましくは、最大3mmである。挿入領域は、先端の最前方領域で閉じられ、例えば放物線形、円形、又は切頂円錐形である。隙間は、挿入領域から接続領域へと細長い形状で延びることができる。挿入領域の直径が増加するため、隙間の間のウェブは、カテーテルの長手方向に湾曲する。先端の平面図において、これは、隙間の数に応じて、ウェブの十字形又は星形配置となる。
【0034】
本発明の1つの実施形態では、隙間は開口部を有し、又は好ましくは開口部によって完全に形成される。隣接する表面の滑らかな移行部を提供するために、隙間又は開口部の縁又は境界は丸く又は斜めになっている。カテーテルヘッドは、内部に、カテーテルの溝とともに、近位方向に排出路を形成できる溝を有することができる。この溝は、隙間を形成する開口部に接続される。従って、周囲の組織から液体を取り除く又は周囲の組織へ液体を供給するための排出開口部として、開口部を使用することができる。排出溝を形成するために、カテーテルの、接続パイプ、好ましくは可撓性チューブ部分への固定に適した固定部分を、長手方向に接続領域に隣接できる。固定部分上の接続パイプ又はチューブ部分の直径は、実質的に接続領域の直径に対応するため、これらの構造部分の間に滑らかな移行部を与える。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明の測定装置の全体図である。
【図2】図2は、本発明のカテーテルヘッドの三次元図である。
【図3】図3は、図2のカテーテルヘッドの正面図である。
【図4】図4は、図3のカテーテルヘッドの長手方向断面を示す。
【図5】図5は、本発明の測定装置の中央部分の第1の実施形態の三次元図である。
【図6a】図6aは、第1の長手方向面に沿った、図1の測定装置の長手方向断面を示す。
【図6b】図6bは、第1の平面に垂直な第2の長手方向面に沿った、図1の測定装置の長手方向断面を示す。
【図7】図7は、本発明の測定装置の中央部分の第2の実施形態の三次元図である。
【図8】図8は、第2の実施形態による図1の測定装置の長手方向断面を示す。
【図9】図9は、本発明の中央部分の斜視図を示す。
【図10】図10は、図9の中央部分の蓋の斜視図を示す。
【図11】図11は、図9の下部の遠位端の図である。
【図12】図12は、図9の中央部分の下部の近位端の図である。
【図13】図13は、図12の下部の斜視図である。
【図14】図14は、図12の下部の上面図である。
【図15】図15は、光導体及び回路基板を備えた、図12の下部の長手方向断面図である。
【図16】図16は、本発明の測定装置の概略図である。
【図17】図17は、別の実施形態での、本発明のカテーテルヘッドの三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明による実施形態を図に示す。図から明らかな測定装置の特徴は開示の範囲に属するものと見なされるべきであり、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
以下の図では、カテーテル先端を有する端部をカテーテルプローブの遠位端、反対側の端部を近位端と指定する。
【0037】
図1は、本発明による測定装置であり、カテーテルヘッドである先端要素1、第1の接続チューブ2、中央部分3、及び第2の接続チューブ4を有する。第1及び第2の接続チューブ2,4はそれぞれ、好ましくは可撓性チューブ部分からなる。従って、以下、チューブ部分に言及するが、生体組織へのカテーテルの挿入を可能にする他のタイプの接続チューブ2,4を意味すると理解することもできる。
【0038】
先端要素1は、測定装置の遠位端に設けられる。近位端には、測定装置はプラグコネクタ(図示せず)を有するか、又は測定信号の変換及び評価のための処理ユニットへと直接ガイドされる。先端要素は複数の細長い開口部5を有し、この開口部がカテーテルヘッドの表面に隙間を形成する。開口部5は、周囲の組織における流体の排出のために設けられる。さらに、圧力センサが配置できる丸い開口部6が、二つの細長い開口部5の間に設けられる。しかしながら、圧力センサは、これら洗浄開口部5の間でなく、これらのすぐ近傍に配置することもできる。電子又は光学機械手段、例えばシリコンマイクロ膜を、圧力センサとして使用することもできる。中央部分3は、くぼみ又は隙間16を有し、これへと光導体が開口し(muenden)、これを通って、光導体を通って運ばれる光を周囲の媒体へと放出することができる。第1のチューブ部分2は、測定装置の使用の意図される特質に応じて、その長さを変えることができる。
【0039】
図2は、先端要素1の形をしたカテーテルヘッドの三次元図を示す。先端要素はプラスチック又は金属からなってよい。先端要素は、遠位挿入領域及び隣接する接続領域に分けることができる。挿入領域では、楕円形、放物線形、又は丸い先端8を有する。挿入領域は、先端8から接続領域の方向に増加する直径を有する。先端8はその中心で閉じられる。先端には、そのすぐ後ろに、1以上の細長い隙間又は開口部5が続き、これらが円周方向に互いに並んで配置される。図2に示す実施形態は4つの開口部を有し、図2ではこのうちの2つを見ることができる。細長い開口部5の間には、ウェブ11が円周領域に形成され、接続領域から先端8の先細の領域へと延び、その結果わずかに湾曲している。細長い開口部5の縁領域は丸く又は角がとられている(entgratet)ため、カテーテルヘッドの円周面から開口部5の縁領域へと緩やかな移行部を与える。ウェブのわずかな湾曲は、先端領域で、ウェブが中心のほうへ、又は互いのほうへ半径方向に寄る(zulaufen)ことを意味する。2つの隣りにある細長い開口部5の間の空間(この空間がウェブ11を形成する)は、1つの細長い開口部の幅とほぼ同じ幅である。ウェブのわずかな湾曲のために、この円周領域は、先端の方向に次第に細くなる。
【0040】
近位端では、先端要素1は固定部分9を有し、これに第1のチューブ部分2が隣接する。固定部分9は接続領域の一部であり、又は接続領域に隣接する。固定部分9はスリーブ状に形成される。チューブ状の構造を、固定部分9の周囲にかぶせて形状嵌合で配置することができる。固定部分9の円周壁には、溝10が、遠位端から挿入領域へと長手方向に切れ目なく延びる。溝10は、圧力測定要素の通路として役立つ。例えば、電子又は光学リード線が、開口部6まで溝10を通ることができ、この開口部に圧力センサを配置できる。
【0041】
細長い開口部5は、周囲組織の排出のために役立つ。排出流体は、軸方向に延びる溝12を通って運ばれ、この溝はカテーテルヘッドの挿入領域へと延びる。本発明の利点は、圧力センサを細長い開口部5の間に配置することができ、そのため、排出開口部を介して流体を放出できる周囲組織において、同じレベルで圧力測定を行うことである。
【0042】
先端及び中央部分がプラスチックからなる場合、先端は、先端の位置付けがチェックできるように、好ましくは、X線マーキングを有する。
【0043】
図3は、先端要素1の概略正面図を示す。中心に、先端8をカテーテルヘッドの最前方の曲線として見ることができる。この中心の周りに、細長い開口部5の形をした4つの隙間が配置され、平面図では、互いの間に自由空間を形成する。細長い開口部5の間の円周領域はウェブ11を形成し、ウェブは先端部8の中心から、接続領域の外周へ延び、脳組織への挿入時、先端要素1のための一種のガイド構造を形成する。ウェブ11は、図3の平面図では、十字形配置として現れる。カテーテルヘッドが組織に挿入されると、先端要素全体の直径より小さい直径を有する先端8、及びウェブ11の表面が、組織に直接押しつけられる。最初、隙間の領域、すなわち細長い開口部5の領域では、組織に圧力がかからない。組織はウェブ11によって慎重に引っ張られて(aufgespannt)広げられるため、カテーテルヘッドが組織に入り込むことができ、その際、最小の外傷をもたらす。先端要素1の挿入領域の組織がまずウェブ11によって広げられた後初めて、組織は、接続領域の直径全体を完全に越えて広げ開けられる。測定装置のカテーテルヘッドのこのような設計によって、測定装置を実質的に無傷で脳の内部領域へと挿入可能となる。
【0044】
図4は、先端要素1の長手方向軸に沿った断面図を示す。挿入領域内の先端要素1をはっきりと見ることができ、先端部8の直径はより小さく、固定部分9が隣接する接続領域まで近位方向に増加する。溝10は、圧力センサのために設けられる開口部6まで長手方向に直線的に延びる。内部では、四つの細長い開口部5にガイド溝12が隣接し、ガイド溝は排出流体を取り除くために設けられる。この図において、先端8の最前方領域は尖って示されているが、組織を最適に広げる一方で、引っ掻き又は切断による損傷がないことを保証する。先端8、又はカテーテルヘッドのウェブ11の断面は、実質的に放物線形である。
【0045】
図17は、図2に代わるものとしての先端要素1の実施形態を示す。同一の部分には、同一の参照記号を付与する。先端8は再び丸くなっている。開口部5は、図2による実施形態より互いにより近く位置し、それらは短いウェブによってのみ互いから分離される。好ましくは、ウェブは、個々の開口部の幅より数倍小さい幅を有する。排出溝12は、先端部分1の長手方向の中心軸に対しずれて(versetzt)軸方向に延びる。圧力センサ溝10、又は他の電気線用の溝は、この場合開いている。圧力センサは、好ましくは、先端8に対向して位置する開口部5の側面に配置され、又は中央部分に位置する。
【0046】
図5は、本発明による中央部分3を示す。中央部分3は、遠位固定部分13及び近位固定部分14を有する。固定部分13,14は、固定部分9と類似している。これらはスリーブ形状であり、流体の排出用の排出溝12’のための中央路を有し、これらの円周壁には、先端要素1内の圧力センサ用のリード線のための連続的な溝10を有する。中央部分3内のガイド溝又は排出溝12’は、先端要素1中の溝12に類似し、その延長部を形成する。
【0047】
中央部分3では、近位固定部分13と近位固定部分14の間に中間領域15が形成される。図5による実施形態では、中間領域15はくさび形のくぼみ16を有し、くぼみは、排出溝12’まで延びるのではなく、排出溝を閉じたままにする。くぼみ16は、その近位端部で、光導体が出てくる光出口面17にて、長手方向軸に垂直に延びる。くぼみ16は、その遠位端に反射面18を有し、この反射面は好ましくは、中央部分3の長手方向軸及び表面17に対し45°の角度で延びる。遠位固定部分14の外周及び中央部分3の近位端を通って、前記中央部分3の長手方向に溝20が延び、くぼみ16の光出口面17で終わる。従って、くぼみ16内の溝20の開口部は、斜面18に対向して位置する。溝20は、光導体をガイドするために設けられる。光導体はまた、光出口面を通り越して延び、くぼみ16に突出する。光導体からの光は、対向する反射面18にぶつかる。反射面18上に鏡又は他の種類の反射体が配置され、光導体からの光を、中央部分3の周りの周囲組織へと反射する。反射体は、反射面18上に別個の要素として取り付けられるか、又は反射面18それ自身を反射体面として構成することができる。例えば、反射面として金めっきを設けることができる。表面18又は反射体をわずかに湾曲した形にすることも可能であり、ぶつかった光線がわずかに広げられる。くぼみ16はエポキシ樹脂で充填されるため、中間領域15の表面は円筒形である。
【0048】
好ましくは、光導体として、個々の光ファイバーが適している。好ましくは、5つより多くない光ファイバーが存在する。同様に、2又は3のファイバーを使用することもできる。
【0049】
図6a及び6bはそれぞれ、本発明のカテーテルプローブの第1の実施形態の長手方向の断面図を示し、これらの長手方向の断面図は、互いに90°ずれている。図6aは、左から右へ、図1の図の先端要素1、第1のチューブ部分2、中央部分3及び第2のチューブ部分4を示す。第1のチューブ部分2は、一端を先端要素1の固定部分9に押しかぶせ、他端を中央部分3の固定部分13に押しかぶせられる。第1のチューブ部分の内部には、先端要素1と中央部分3の間に、先端要素及び中央部分のガイド溝12及び12’と相互接続する別の可撓性チューブ21がある。溝12及び12’は、チューブ21とともに、開口部5によって、カテーテルの先端の周りの組織から取り除かれることになる流体のための排出溝を形成する。チューブ部分4及び21の長さは変えることができるため、組織内の中央部分3の位置も調節でき、すなわち、異なる長さのチューブ部分を、先端要素と中央部分の間に取り付けることができる。
【0050】
中央部分3上には、光出口面17及び反射面18を有するくさび形のくぼみ16が見られる。溝20は、光出口面17へ開口する(muenden)。光出口面17はカテーテルの長手方向軸にほぼ垂直に延びるが、軸に対しある角度をなして配置することもできる。光導体は、溝20を通ってガイドされるが、光源(図示せず)まで第2のチューブ部分4を通って先へとガイドされる。
【0051】
中央部分3の円周壁の、近位側には、温度測定溝22も設けられ、前記温度測定溝22は、第2のチューブ部分4の側で始まり、大体中央部分3の中央で終わる。温度測定溝22は、周囲の組織の温度を測定する温度センサのために設けられる。温度センサは、カテーテルの外側周辺近くのこの位置に配置され、障害又は歪みなしに組織内の温度を測定することができる。温度センサから第2のチューブ部分4を通って処理ユニットまで、リード線(図示せず)が延び、処理ユニットへ温度信号を送る。
【0052】
図6bは、先端要素1の内部に、圧力センサ溝10を示し、この溝は、先端要素1の近位端から開口部6まで延びる。開口部6には圧力センサがあり、圧力センサのリード線が、溝10、及び、第1のチューブ部分2と内側チューブ21の間の空間を通って、中央部分3内の溝10’まで延びる。中央部分の近位端で、リード線は溝10’から出て来て、さらに第2のチューブ部分4を通って処理ユニットまで送られ、先端要素1の周囲の媒体又はガイド溝内の圧力に対応する信号を処理ユニットへ送る。処理ユニットは、圧力センサからの圧力信号に応じて排出溝を通る流体の排出を制御することができる。手動排出も行うことができる。
【0053】
中央部分3の溝12’は、遠位端で円錐形に広がる。この漏斗状の開口部によって、ガイドワイヤの挿入が容易になり、ガイドワイヤは、生体組織への挿入時カテーテルプローブをガイドするのに使用される。
【0054】
光導体、及び、圧力センサ及び温度センサ用のリード線は、第2のチューブ部分4の内側で自由に経路を決めることができる。しかしながら、このチューブ部分に内側チューブを設けることもでき、リード線を外側チューブと内側チューブの間の空間に通すこともできる。第2のチューブ部分4には、リード線が終わるプラグが隣接することができる。プラグは、処理ユニットに直接、又は処理ユニットにつながる他のプラグに取り付けることができる。
【0055】
生体組織、例えば脳の内部の脳組織を調べる場合には、頭蓋に開口部を作る。この開口部の上にカテーテル用のホルダを設け、挿入時及び挿入した状態で、頭部の表面にできるだけ垂直に、カテーテルを保持する。従って、ホルダは、一方で頭部の開口部を覆い、他方で、カテーテルが挿入時及び測定時に目的とするコースから誤ってそれないように保証する。このようにして、検査される領域の汚染を避け、周囲の組織への不必要な損傷を避けることができる。
【0056】
カテーテルプローブは、所望の測定位置まで、例えば脳室床に載るまで、組織を通って注意深く挿入される。カテーテルヘッドの本発明による設計は、そうすることで、脳組織に与える衝撃が最小となって、組織が不必要に損傷を受けず、測定が歪められないことを意味する。
【0057】
脳組織を通る血流を測定するために、近赤外領域の光を、溝20内の光導体を通って反射面18へと運ぶ。光源は、例えば、処理ユニット自身に設けることもできる。面18上に向けられた光線は、そこで反射され、脳組織内へ送り出される。そこで、とりわけ酸素化及び脱酸素化ヘモグロビン、及び適切な場合インドシアニングリーンで吸収及び反射される。反射光の一部は、反射面18上に再び落ち、その結果、面18での反射によって、溝20内の光導体に送り込まれる。溝は、反射光をガイドして処理ユニットへと戻し、処理ユニットにて、例えばアナログ/デジタルコンバータによって評価される。同時に、測定される組織内の温度は、溝22内の温度センサによって測定でき、プローブの先端の周囲の領域内の圧力は、圧力センサによって測定できる。必要ならば、溝12,12’を介して即座に排出を行うことができる。
【0058】
測定プローブをホルダによってガイドすることにより、プローブは、そらされたり、周囲の組織を傷つけたりせずに、測定位置で回転させることができる。プローブを回転させることによって、組織内の測定範囲を格段に広げることができる。中央部分3の周り360°にわたって広がる測定領域をカバーすることができる。先端と中央部分との間のチューブ部分は、可撓性又は剛性であってよい。
【0059】
図7は、本発明による中央部分の第2の実施形態を示す。この中央部分の構造では、排水溝12’は長手方向軸に対し偏心している。このようにして、中央部分は、より小さい直径で構成することができる。さらに、本発明による凹所は、この場合、中央部分へと湾曲又は丸い形で沈み込む隙間16’の形で設けられる。こうして形成される内面23は、近位領域に光出口面領域を有し、遠位領域に反射面領域を有し、この反射面領域は光出口面領域に対向して位置する。その機能の観点から、光出口面領域は、図1〜6に記載の実施形態での光出口面17に対応し、それに応じて反射面領域は、機能の観点から、反射面18に対応する。光伝導溝20は、光出口面領域から外へ開く。光伝導溝20内の光導体から放出される光は、対向する反射面領域にぶつかり、そこから、周囲組織内へと反射される。隙間16’の湾曲は、組織からの反射光が光導体へと集束されるように形成される。
【0060】
図8は、図7の中央部分を備える測定装置の長手方向断面を示すが、排出溝12’はこの場合中央位置に配置される。隙間16’はほとんど排出溝12’まで達するが、排出溝は閉じたままである。隙間16’の湾曲又は丸みは、溝20からの光が焦点上に直接向けられるようになっている。この実施形態における測定装置の他の要素は、図6a及び6bの要素に対応する。
【0061】
図9〜14は、好ましい実施形態での本発明の中央部分3を示す。同一の部分には、上述の実施例と同じ参照記号を付す。中央部分3はプラスチックからなり、好ましくは射出成形によって製造される。中央部分は、少なくとも2つの部分、つまり、下部31と蓋30から成る。蓋30に対する図10に見られるように、両部分は半分の管として構成される。これらはともに、中間領域15、遠位固定部分13及び近位固定部分14を備える管を形成する。隣接するチューブへの接続を可能にするために、2つの固定部分13,14の円周の周りに半径方向に延びる溝130,140が設けられる。これらの溝は、形状嵌合及び圧力嵌合のための接着溝(Klebennuten)として働く。図17に同等の溝を見ることができる。
【0062】
可撓性のチューブの代わりに、剛性のコネクタ部分が、両側又は片側にあってもよい。
【0063】
上記の実施例とは対照的に、ここでは、鏡、ファイバー端部及び任意の測定手段が配置される凹所を、蓋30によって覆うことができる。蓋30は、形状嵌合、及び/又は圧力嵌合及び/又は材料的密着嵌合を用いて下部に接続することができる。
【0064】
蓋30及び下部31は、好ましくは同じ材料から作られる。しかしながら、少なくとも蓋30は、使用される光の波長に対し透明な材料から作られなければならない。これらは、好ましくは、ポリアミド又はポリカーボネートから作られる。
【0065】
図9からわかるように、下部31及び蓋30は、ケーブル溝120を備える共通の内側排出溝12’を形成する。既に上述した排出路及び任意の測定路は、この排出溝12’を通って、カテーテルの遠位ヘッド部分まで延びる。
【0066】
図11は、排出溝12’を備える中央部分3の遠位端を示す。図12は、図9では見えない中央部分3の内側近位端を示す。光導体溝20は、排出溝12’に平行して延びるが、排出溝から間隔をあけて延びる。この場合もまた、好ましくは、光導体として光ファイバーをちょうど1つ使用することができる。しかしながら、光ファーバーが5つまで、特に2つ又は3つあってもよい。
【0067】
隙間16の下に、排出溝12’が中央部分3の全長に沿って延びる。
【0068】
図13〜15に、下部31をより詳しく示す。下部は隙間16を有する。この隙間16には、電子機器用の受け入れ領域150が存在する。近位及び遠位受け入れ面151,152は、受け入れ領域150の両端領域上に一体に形成される。これらの平らな受け入れ面151,152上に、回路基板24を固定でき、例えば接着して取り付ける又はねじ留めすることができる。
【0069】
回路基板24上に、光検出器25を固定することができる。また、温度センサ26及び/又は圧力センサ27が存在することもできる。しかしながら、これらのセンサは、別の位置に配置することもできる。既に他の実施例を参照して上述したように、圧力センサは、好ましくは、先端要素1に配置される。
【0070】
この受け入れ領域150の外側に、傾斜面180がある。この傾斜面180は、それ自身、反射面として設計することができる。しかしながら、好ましくは、鏡18用のホルダとして働く。この実施例での鏡18は平行平面鏡であるため、傾斜面180も平面として形成される。傾斜面180は、好ましくは、中央部分3の長手方向に対し45°の角度で配向される。
【0071】
光導体溝20は、下部31で延び、傾斜面180に隣接して終わる。光導体32を図15に示す。光導体は鏡18の前で終わり、光導体32から放出される光が鏡18によって偏向されて、半径方向外向きに運ばれるのがわかるであろう。
【0072】
この実施例では、組織内で反射した光は、もはや光導体を介してフィードバックされず、評価されない。その代わり、光検出器によって検出され、電気的信号が信号路を介して外部の評価ユニットへと送られる。このために必要なケーブルは、ケーブル溝120の内部を延びる。
【0073】
この中央部分3は、上述の先端要素1の1つと共に使用することができる。しかしながら、他の先端要素1と共に使用することもできる。
【0074】
図16は、総合システムを示す。カテーテル又はプローブ40は、ルアーロック41を備える排出溝の端部に設けられる。第1のライン42は、導電体、及び少なくとも1つの光導体を含み、プローブ40に遠位端で接続される。近位端の領域には、キャリブレーションユニット43を有し、この端部に第1のプラグ44が備わっている。このプラグ44により、携帯型電子装置45に接続できる。この電子装置45は、好ましくは、電位分離(Potentialtrennung)、A/Dコンバータ、プリアンプ、及びカテーテルの中央部分3に至る光導体へ光を連結するための光源を含む。
【0075】
携帯型電子装置45は、第2の、純粋な送電線46を介して評価ユニット48へとつながり、送電線には第2のプラグ47が備わっている。第3のライン49は、幹線電源ケーブルを表す。しかしながら、評価ユニット48は、もちろん、電池式であってもよい。
【0076】
この総合システムの利点は、電子装置45が比較的患者に近いということである。従って、感度の高い光学路を比較的短く形成することができる。
【0077】
上記の実施例では、好ましくは、近赤外領域の光グラスファイバーが使用される。その直径は、好ましくは、そのシースを含めて約0.6mmであり、シースなしで約0.2mmである。中央部分3の長さは、好ましくは、20〜30mm、その直径は好ましくは3mmである。鏡面は、好ましくは1×1mmである。排出溝は、好ましくは、0.9〜1.5mm、好ましくは1.0又は1.2mmの直径を有する。回路基板の幅は好ましくは1.4mmである。中央部分3の内部には、通常、9極又は10極ケーブルが使用され、プラグ44まで延びる。
【符号の説明】
【0078】
1 先端要素
2 第1のチューブ部分
3 中央部分
30 蓋
31 下部
32 光導体
4 第2のチューブ部分
5 細長い開口部
6 丸い開口部
8 先端
9 固定部分
10,10’ 圧力センサ溝
11 ウェブ
12,12’ 排出溝
120 ケーブル溝
13 固定部分、遠位
130 遠位接着性溝
14 固定部分、近位
140 近位接着溝
15 中間領域
150 電子機器用の受け入れ領域
151 近位受け入れ面
152 遠位受け入れ面
16,16’ 凹所、くぼみ、隙間
17 光出口面
18 反射面
180 傾斜面
20 光導体溝
21 内側チューブ
22 温度測定溝
23 光出口面領域及び反射面領域を備える内面
24 回路基板
25 光検出器
26 温度センサ
27 圧力センサ
40 プローブ
41 ルアーロック
42 第1のライン(光電子の)
43 キャリブレーション
44 第1のプラグ
45 携帯型電子装置
46 第2のライン(純粋に電子的な)
47 第2のプラグ
48 評価ユニット
49 第3のライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織を通る血流を測定するためのカテーテルであって、前記カテーテル内に、生体組織内へ光を放出するための発光体、及び生体組織内で反射されカテーテルへと戻される光を受け入れるための光受信器が配置されるカテーテルにおいて、
前記カテーテルが、中央部分、及び第1及び第2の接続チューブを含み、前記中央部分が、前記第1の接続チューブに固定するための遠位固定部分、及び、前記第2の接続チューブに固定するための近位固定部分を有し、及び
前記発光体及び前記光受信器が、前記中央部分に配置されることを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記中央部分が剛性である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記カテーテルが、さらに、剛性ヘッド部分を有し、前記ヘッド部分が前記第1の接続チューブに固定するための第3の固定部分を有するため、前記ヘッド部分が前記中央部分から離れて配置される、請求項1又は2に記載のカテーテル。
【請求項4】
少なくとも前記第1の接続チューブが可撓性である、請求項1〜3のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項5】
前記中央部分が金属又はプラスチック製である、請求項1〜4のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項6】
前記中央部分が凹所を有し、この中に前記発光体及び前記光受信器が配置される、請求項1〜5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項7】
前記中央部分が前記凹所を覆う蓋を有する、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記発光体が遠位端を有する光導体であり、前記遠位端が前記中央部分内に保持される、請求項1〜7のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項9】
前記中央部分に、圧力センサ及び/又は温度センサが配置される、請求項1〜8のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項10】
前記光受信器が、前記中央部分に配置される光検出器である、請求項1〜9のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項11】
前記凹所に、中に回路基板が固定される受け入れ部(Ausnehmung)があり、前記回路基板上に、少なくとも光検出器が配置される、請求項6及び10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記中央部分に、光反射面領域、特に鏡があり、前記発光体の光出口面領域に対向して位置し、前記発光体から出る光を生体組織へと偏向させる、請求項1〜11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項13】
前記中央部分が傾斜面を有し、この上に鏡が固定され、前記鏡が前記光反射面領域を形成する、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記中央部分を通って延びる排出溝を有する、請求項1〜13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項15】
特に請求項1〜14のいずれかに記載の、生体組織を通る血流を測定するカテーテルであって、前記カテーテルに、前記生体組織内に光を放出するための発光体、及び前記生体内で反射され前記カテーテルへと戻される光を受け入れるための光受信器が配置され、前記発光体が光ファイバーによって形成されるカテーテルにおいて、
最大5つの光ファイバーが発光体として存在することを特徴とするカテーテル。
【請求項16】
最大2〜3の光ファイバーが存在する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
光ファイバーがちょうど1つ存在する、請求項15又は16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記光ファイバーの少なくとも1つが、前記生体組織へと光を放出し、且つ、前記反射されて戻される光を前記光受信器から受けとってこれを検出器へと送る、請求項15〜17のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項19】
前記光ファイバーは光を放出するだけで、前記光受信器が光検出器である、請求項15〜17のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項20】
挿入領域とそれに隣接する接続領域とに分けられる、生体組織への挿入のためのカテーテルヘッドであって、前記挿入領域がその表面に複数の隙間(5)を含むカテーテルヘッドにおいて、
−前記挿入領域が、前記接続領域の方向へ増加する直径を有し、
−前記隙間(5)が前記挿入領域に、前記接続領域の方向へ延びるウェブ(11)が前記カテーテルヘッドの表面に沿って前記隙間の間に形成されるように設けられ、このウェブ(11)が、前記挿入領域の小さい直径を有する領域に始まり、より大きな直径を有する領域で終わることを特徴とするカテーテルヘッド。
【請求項21】
前記接続領域が均一の直径を有することを特徴とする、請求項20に記載のカテーテルヘッド。
【請求項22】
前記挿入領域が、放物線形の先端(8)を有することを特徴とする、請求項20又は21に記載のカテーテルヘッド。
【請求項23】
前記隙間が開口部(5)を有するか、又は前記カテーテルヘッドの内部の溝に接続される開口部(5)によって形成されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項24】
前記ウェブ(11)が、前記先端から前記接続領域まで、十字形又は星形に延びることを特徴とする、請求項20〜23のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項25】
前記隙間が、前記挿入領域から前記接続領域まで、細長い形で延びることを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項26】
前記隙間及び/又は前記開口部の縁が斜めに又は丸くされていることを特徴とする、請求項20〜25のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項27】
前記カテーテルヘッドの円周壁の内部に、外側への開口部(5)を有する通路(12)が設けられることを特徴とする、請求項20〜26のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項28】
可撓性チューブ要素への固定に適する固定部分が、前記カテーテルヘッドの長手方向に前記接続領域から延びることを特徴とする、請求項20〜28のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項29】
前記固定部分上の前記チューブ要素(2)の直径が、前記接続領域の直径にほぼ相当することを特徴とする、請求項20〜28のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項30】
前記接続領域の直径が、最大3mmであることを特徴とする、請求項20〜29のいずれかに記載のカテーテルヘッド。
【請求項31】
生体組織を通る血流を測定するための装置であって、
−生体組織の内部に挿入するためのカテーテルヘッド(1)を備えるカテーテル、
−前記カテーテル内部の光導体、
−前記光導体を用いて前記生体組織内に光線を放出するための光源、及び
−前記生体組織から反射される光線を用いて、血流速度を決定するための処理ユニットを含む装置において、
−前記カテーテルは、前記光導体が開口する(muenden)光出口面領域(17)と、前記光出口面領域(17)に対向して位置し、前記光導体の長手方向軸に対し少なくとも部分的に斜めに配向される反射面領域(18)とを有する凹所(16,16’)を備える中央部分(3)を有し、
−前記光導体は、
前記光源から放出された光線が前記反射面領域(18)に向けられ、
前記放出された光線が前記反射面領域(18)で偏向可能で、且つ前記周囲の生体組織で反射可能であり、及び
前記生体組織で反射された光線が、前記反射面領域(18)で反射可能で、且つ前記光導体へと送り込まれるように配置されることを特徴とする装置。
【請求項32】
患者の生体組織を通る血流を測定する装置であって:
−前記生体組織へ挿入するためのカテーテル、特に請求項1〜30のいずれかに記載のカテーテルであって、前記カテーテル内に、前記生体組織へ光を放出するための発光体、及び前記生体組織で反射されて前記カテーテルへと戻される光を受け入れるための光受信器が配置されるカテーテル、
−前記生体組織から反射される光を用いて、血流を決定するための処理ユニット、及び
−カテーテルと処理ユニットとの間の接続ラインを有する装置において、
前記処理ユニットが、前記発光体へ光を送るための少なくとも1つの光源、電位分離(Potentialtrennung)及びA/Dコンバータを有し、及び前記患者のために携帯可能に形成されることを特徴とする装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公表番号】特表2011−529750(P2011−529750A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521419(P2011−521419)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【国際出願番号】PCT/CH2009/000241
【国際公開番号】WO2010/015094
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(504296275)カラク アーゲー (9)
【Fターム(参考)】