説明

生体組織修復促進薬剤

【課題】皮膚の老化防止、若返り治療、美容に用いることができ、女性ホルモン投与と同等の皮膚の老化防止や若返り等の効果を発揮し、また創傷治癒を促進し、副作用が少なくて長期間安心して使用できる生体組織修復促進薬剤を提供する。
【解決手段】生体組織修復促進薬剤は、ラベンダーオイルとティーツリーオイルとを有効成分として含有することにより生体の皮膚組織及び/又は皮下組織の損傷の修復を促進する。有効成分が、エストロゲン様作用成分、抗アンドロゲン様作用成分及び/又はヒアルロン酸産生促進作用成分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老化や創傷によって損傷した皮膚組織や皮下組織等の生体組織の美容、若返り治療、創傷治癒のために機能性の外用剤等の薬剤として用いられるもので、生体組織の損傷を修復する生体組織修復促進薬剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
しみ、しわ、たるみ等の皮膚の老化は、太陽光の紫外線や近赤外線の光曝露をはじめとする様々な外的環境因子によって生じる。また、日傘等で光曝露を遮蔽したり、皮膚に塗布した日焼止めや紫外線防止剤・近赤外線防止剤で光曝露による損傷を予防したりしたとしても、女性ホルモンの減少のような内的因子によっても皮膚の老化は進行する。
【0003】
そのような女性ホルモン例えば卵胞ホルモンであるエストロゲンは、卵巣や胎盤や副腎皮質等で産生されるものであり、思春期頃から分泌が増加して二次性徴発現を促進したり性周期を調節したりするものであるが、ホルモンバランスの崩れや加齢によって、特に更年期以降に、分泌が著しく減少するものである。
【0004】
女性ホルモンが減少すると、線維芽細胞のコラーゲン産生が低下したりヒアルロン酸産生が低下したりする結果、全身の皮膚組織や皮下組織が老化したり、小じわ、大じわ、たるみが出現したり、ハリ、弾力、透明感が消失したり、創傷治癒が遅延したり、脱毛が認められたりするようになる。
【0005】
そのため、若い女性であっても、ストレス等の所為で女性ホルモンバランスが崩れて女性ホルモンが減少すると、皮膚の老化が、進行する。特に更年期以降の女性は、加齢による女性ホルモンの著しい減少により、皮膚の老化が急激に進行し、急に老け込んだように見えてしまう。
【0006】
そこで、皮膚の若返りや老化防止や美容のために、皮膚のマッサージのような対処法や、ヒアルロン酸皮下注入や女性ホルモン投与のような薬物治療法が、行われている。
【0007】
中でも女性ホルモンは、投与により皮膚の若返り等の効果が劇的に現われる反面、発癌のような副作用が現われる症例が多数ある。
【0008】
ラベンダーオイルやティーツリーオイルは、アロマセラピーに汎用される香料であるが、非特許文献1のように、少年が思春期にそれらのうちの何れか一方のオイルを希釈して含有する化粧料に曝されると、女性ホルモン自体を用いなくとも、時としてエストロゲン様作用を発現して女性化乳房を誘発するものである。
【0009】
しかも、ラベンダーオイル、ティーツリーオイルともに刺激が強く、それぞれを単独で直接塗布すると、発赤、かゆみ、乾燥を生じることがあり、外用剤、化粧品に使用する場合も非常に濃度を低くする必要があり、皮膚の若返りの効果を得ることが困難であった。
【0010】
【非特許文献1】デレーク ブイ ヘンリー(Derek V. Henley)ら、ザ ニュー イングランド ジャーナル オブ メディスン(The New England of Journal Medicine)、第356巻、2007年、p.479−485
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、皮膚の老化防止、若返り治療、美容に用いることができ、女性ホルモン投与と同等の皮膚の老化防止や若返り等の効果を発揮し、また創傷治癒を促進し、副作用が少なくて長期間安心して使用できる生体組織修復促進薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の生体組織修復促進薬剤は、ラベンダーオイルとティーツリーオイルとを有効成分として含有することにより、生体の皮膚組織、及び/又は皮下組織の損傷の修復を、促進することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項1に記載されたもので、前記有効成分が、エストロゲン様作用成分、抗アンドロゲン様作用成分、及び/又はヒアルロン酸産生促進作用成分であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項1に記載されたもので、前記エストロゲン様作用成分と前記抗アンドロゲン様作用成分とにより線維芽細胞のコラーゲン産生を促進し、前記ヒアルロン酸産生促進作用成分により全身の皮膚若しくは皮下組織の若返り、しわ若しくはたるみを改善し、前記ヒアルロン酸産生促進作用成分により全身の皮膚若しくは皮下組織の張り、弾力、肌理、沈着若しくは透明感を回復し、前記エストロゲン作用により創傷治癒を促進し、及び/又は前記抗アンドロゲン作用により脱毛部位での育毛若しくは発毛を促進することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項1に記載されたもので、外用剤であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項4に記載されたもので、前記外用剤が、化粧料、外用医薬品又は外用医薬部外品であることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項1に記載されたもので、高級アルコール誘導体、アラルキルアルコール誘導体、長鎖分岐脂肪酸誘導体、高級脂肪酸誘導体、高級脂肪酸金属石鹸類、含窒素誘導体、炭化水素誘導体、油脂類、ロウ類、ラノリン類、スフィンゴリン脂質類、リン脂質類、リン脂質誘導体、ステロール類、サポゲニン類、サポニン類、ステロールエステル類、脂質複合体類、オキシ酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル類、シリコーン類、及び/又はフッ素系油剤類を含有することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項1に記載されたもので、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘剤、ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類、ビタミン誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、引きしめ剤、収斂剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物エキス、動物エキス、微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離剤、角質溶解剤、ピーリング剤、制汗剤、清涼剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、及び/又は水を含有することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項7に記載されたもので、常水、精製水、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン水、及び/又はクラスター水であることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項7に記載されたもので、前記植物エキス、前記動物エキス又は前記微生物エキスが、植物組織若しくは動物組織からの抽出物、微生物組織からの抽出物、又は微生物産生物であることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の生体組織修復促進薬剤は、請求項1に記載されたもので、前記有効成分を0.0001〜99.9質量%含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の生体組織修復促進薬剤は、ラベンダーオイルとティーツリーオイルとが有するエストロゲン作用、抗アンドロゲン作用、ヒアルロン酸産生促進作用を利用して、皮膚組織や皮下組織等の生体組織の老化防止、若返り治療、美容に用いることができる機能性化粧品・医薬部外品として、またその生体組織の創傷の治癒を促進する医薬品として、有用である。
【0023】
この生体組織修復促進薬剤は、女性ホルモン投与と同等の生体組織の老化防止、若返り治療、美容効果を奏する。しかも、女性ホルモン自体の投与による発癌のような副作用の恐れが無い。さらに、ラベンダーオイルとティーツリーオイルとの両方を有効成分として含有させた相乗効果により、その一方のみを含有させるよりも、低濃度で充分な効果が得られるため、発赤、かゆみ、乾燥などの有害事象を生じる恐れがなく、皮膚の若返りを実現することができる。
【0024】
またラベンダーオイルもティーツリーオイルも外用剤としての皮膚刺激が強いだけでなく、その揮発性成分の臭気刺激が強過ぎ、一般にあまり好まれていない。しかし両者を併用することにより臭気刺激性を緩和でき、効能を低下させることなく、実用的な外用剤のような薬剤として、使用可能となる。
【0025】
さらに、長期間連続して用いたり大量に用いたりしても、両方のオイルを含有しているとそれぞれの濃度が低くても、充分な効果が期待できるうえ、思春期の少年の女性化乳房発現のような副作用もなく、発赤、かゆみ、乾燥などの有害事象を避けられ、刺激の強いにおいも緩和できるため、安心して使用できる
【発明を実施するための好ましい形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0027】
本発明の生体組織修復促進薬剤は、エストロゲン様作用成分と抗アンドロゲン様作用成分とヒアルロン酸産生促進作用成分とである有効成分のラベンダーオイル及びティーツリーオイルと、基質として溶剤である油状成分とを含有するものである。
【0028】
ラベンダーオイルは、植物オイルであり、例えばシソ科のラベンダー(Lavandula vera)などの花又は枝葉から水蒸気蒸留や抽出のような手法によって得られる精油である。
【0029】
ティーツリーオイルは、植物オイルであり、フトモモ科のティーツリー(Melaleuca Alternifolia)の葉から水蒸気蒸留や抽出のような手法によって得られる精油である。
【0030】
生体組織修復促進薬剤中の有効成分であるラベンダーオイル及びティーツリーオイルの配合量は、その有効成分の種類や生体組織修復促進薬剤の形状に応じて、適宜選択することができ、特に限定されないが、生体組織修復促進薬剤の全質量に対して、0.0001〜99.9質量%であることが好ましく、0.001〜50質量%であると一層好ましく、0.01〜20質量%であるとなお一層好ましい。
【0031】
生体組織修復促進薬剤中のラベンダーオイル及びティーツリーオイルの配合比は、1:100〜100:1であることが好ましい。
【0032】
生体組織修復促進薬剤の製品形態は、特に限定されないが、外用剤であることが好ましく、化粧料、外用医薬品、外用医薬部外品であると一層好ましい。
【0033】
生体組織修復促進薬剤の製品形態は、より具体的には、香水、オードトワレ、オーデコロン、シャンプー、リンス、ヘアーコンディショニング、ヘアートリートメント、ヘアスプレー、ヘアワックス、ヘアジェル、ウオーターグリース、セットローション、カラーローション、ヘアトニック、ヘアリキッド、ポマード、ヘアクリーム、ヘアブロー、枝毛コート、ヘアオイル、ヘアーカラー剤、白髪染め、ヘアマニキュア、育毛剤、洗顔料、クレンジングフォーム、洗粉、洗顔パウダー、クレンジングローション、クレンジングジェル、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングオイル、クレンジングマスク、化粧水、柔軟化粧水、収れん化粧水、洗浄用化粧水、多層式化粧水、乳液、エモリエントローション、モイスチャーローション、ミルキーローション、ナリシングローション、ナリシングミルク、サンプロテクト、サンプロテクター、紫外線(UV)ケアミルク、サンスクリーン、メーキャップローション、メーキャップクリーム、ハンドローション、ハンドクリーム、ボディーローション、ボディークリーム、エモリエントクリーム、モイスチャークリーム、栄養クリーム、ベースクリーム、プレメーキャップクリーム、サンスクリーンクリーム、サンタンクリーム、除毛クリーム、デオドラントクリーム、シェービングクリーム、石鹸、化粧石鹸、薬用石鹸、薬用石鹸、液状石鹸、ひげそり石鹸、合成石鹸、ボディーシャンプー、ボディーリンス、ボディーパウダー、パック、マスク、エッセンス、保湿エッセンス、美白エッセンス、紫外線防止エッセンス、美容液、基礎化粧料、白粉、打粉類、ファンデーション類、口紅類、リップクリーム、リップグロス、頬紅類、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、眉墨、アイブロー、ネイルエナメル、エナメルリムーバー、ネイルトリートメント、防臭化粧料、虫除けスプレー、軟膏剤、貼付剤、ローション剤、浴剤類が、挙げられる。
【0034】
生体組織修復促進薬剤を、外用剤として使用する例を示したが、前記効果を達成できる限り、別な用途で使用してもよい。例えば、この生体組織修復促進薬剤を、芳香剤、消臭剤、アロマキャンドル、インセンス、文房具、財布、バッグ、靴のような雑貨類や、下着、洋服、帽子、ストッキング、靴下のような衣類に、含ませてもよい。さらに、この生体組織修復促進薬剤を、吸入医薬品のような吸入製品や、飲料、食料に、含ませてもよい。
【0035】
生体組織修復促進薬剤の剤形は、特に限定されないが、例えば、液剤、粉末剤、顆粒剤、エアゾール剤、固形剤、ジェル剤等が挙げられる。生体組織修復促進薬剤は、製品形態や剤形に応じて、任意の基質を添加してもよい。
【0036】
基質は、例えば、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類;ベンジルアルコール等のアラルキルアルコールやその誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコ酸のような長鎖で直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸誘導体、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の長鎖で環状又は分岐鎖状の高級脂肪酸誘導体、及びそれらのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩等の金属石鹸類;アミド等の含窒素誘導体;流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素類;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類;ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボガド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類、牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類;鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類;液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、それらの酢酸エステル等のラノリン類;レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質類;ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類;リン脂質誘導体;ステロール類;サポゲニン類;サポニン類;ステロールエステル類;脂質複合体類;オキシ酸エステル類;多価アルコール脂肪酸エステル類;脂肪酸アルカノールアミド類;シリコーン類;フッ素系油剤類が、挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
【0037】
生体組織修復促進薬剤中、これらの基質で希釈したラベンダーオイルとティーツリーオイルとが、女性ホルモン類似物質として働き、女性ホルモン受容体に直接作用して、女性ホルモン投与の効果に匹敵する美容・若返り効果を発現する。
【0038】
生体組織修復促進薬剤には、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘剤、ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類、ビタミン誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、引きしめ剤、収斂剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物エキス、動物エキス、微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離剤、角質溶解剤、ピーリング剤、制汗剤、清涼剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、水が、添加されていてもよい。これらは単独で添加されてもよく、複数混合して添加されてもよい。
【0039】
水は、水道水や工業用水のような常水;イオン交換水や蒸留水のような精製水;硬水;軟水;地下水や河川水のような天然水;海洋深層水;電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン水;クラスター水が挙げられる。
【0040】
植物エキス、動物エキス、微生物エキスは、植物組織又は動物組織からの抽出物、微生物組織からの抽出物、又は微生物産生物であり、より具体的には、アイリスエキス、アシタバエキス、アスナロエキス、アスパラガスエキス、アボガドエキス、アボガド油、アマチャエキス、アーモンドエキス、アーモンド油、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、インチコウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オノニスエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、オレンジ油、オレンジ種子油、海水乾燥物、海藻エキス、カキ葉エキス、カキョクエキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カッコンエキス、カモミラエキス、油溶性カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カラスムギエキス、カルカデエキス、カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、キウイエキス、キオウエキス、キクラゲエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、キリ葉エキス、グアノシン、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、クリエキス、グレープフルーツエキス、グレープフルーツ油、グレープフルーツ種子油、クレマティスエキス、黒米エキス、黒砂糖抽出物、黒酢、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コウボクエキス、コーヒーエキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コリアンダーエキス、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サフランエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ジャトバエキス、シャクヤクエキス、ジャーマンカミツレエキス、ショウキュウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、白キクラゲエキス、ジンジャーエキス、スギナエキス、スターアニスエキス、ストロベリーエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、西河柳エキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、地衣類エキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、月見草エキス、月見草油、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、ナツメグエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ネロリエキス、ネロリ油、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ビルーベリーエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ヒノキエキス、ビフィズス菌エキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス(特にレスベラトロールをはじめとするポリフェノール類を含むことが好ましい)、ブドウ種子エキス、ブドウ種子油(特にピグノジェノールをはじめとするポリフェノール類を含むことが好ましい)、プロポリス、ブラックベリーエキス、ブラックカラントエキス、ブラックカラント油、ブルーベリーエキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ベニバナ油、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、ホホバエキス、ホホバ油、ボリジエキス、ボリジ油、ボリジ種子油、マイカイカエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユーカリ油、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラズベリーエキス、卵殻膜エキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レモン油、レモン種子油、レモンバームエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズ油、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、及びワレモコウエキスが、挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、複数混合して用いられてもよい。
【0041】
また、生体組織修復促進薬剤には、適宜、一般的に用いられる香料成分が添加されていてもよい。
【0042】
生体組織修復促進薬剤は、外用剤として用いることが好ましく、直接、皮膚に塗布、又は噴霧してもよい。石鹸やシャンプー等として用いた後、洗い流してもよく、化粧料のように暫く付したままにしてもよい。また衣服等に含浸させたり噴霧させたりして、身に着けてもよい。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を適用する生体組織修復促進薬剤を試作した例を実施例に示す。
【0044】
(実施例1)
ホホバオイル(株式会社アイリード製) 80重量部
ラベンダーオイル(ラ・ドローム・プロヴァンサル社製) 10重量部
ティーツリーオイル(ラ・ドローム・プロヴァンサル社製) 10重量部
上記原料を混合して撹拌し、生体組織修復促進薬剤である皮膚外用剤を調製した。
皮膚疾患のない18歳〜84歳の健常者の10人を被験者とし、その片側顔面と片側上肢とに、この皮膚外用剤を、30日間、毎晩1回、0.001g/cm程度塗布した。皮膚外用剤を塗布した片側と、塗布していない片側とを比較して、この皮膚外用剤の効果を評価した。
【0045】
半数の5人においては、塗布翌日から、塗布した部位の小じわ、たるみ、ハリ、弾力、透明感の回復が、本人と実験に関わらない第三者との双方により確認できた。他の半数の5人においては、塗布後7日以内に、塗布した部位の小じわ、たるみ、ハリ、弾力、透明感の回復が、本人と実験に関わらない第三者との双方により確認できた。塗布開始30日経過後でも、塗布していない側では、被験者の全例で明らかな変化、問題事象を認めず、塗布した側では、小じわ、たるみ、ハリ、弾力、透明感の回復を維持できた。
【0046】
この生体組織修復促進薬剤は、エストロゲン作用、抗アンドロゲン作用を持っていることが確かめられた。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の生体組織修復促進薬剤は、生体組織の損傷、特に皮膚組織や皮下組織の老化の修復を促進するので、美容、若返り治療、創傷の治療に用いられる。
【0048】
特に、美容や若返り治療に用いる際、エストロゲン作用、抗アンドロゲン作用により、線維芽細胞のコラーゲン産生、ヒアルロン酸産生が促進され、コラーゲン、ヒアルロン酸増加により、全身の皮膚、皮下組織の若返り、小じわ、大じわ、たるみの改善が達成でき、ハリ、弾力、透明感が回復し、さらにエストロゲン作用による創傷治癒促進作用、抗アンドロゲン作用により男性型脱毛部位が育毛したり発毛したりするので、人体組織の形態・機能の老化予防、若返りが達成され、老化を遅らせる。そのため、心身ともに豊かな生活を送ることができ、さらに老化の所為による医療費を抑制して医療経済を健全化することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベンダーオイルとティーツリーオイルとを有効成分として含有することにより、生体の皮膚組織、及び/又は皮下組織の損傷の修復を、促進することを特徴とする生体組織修復促進薬剤。
【請求項2】
前記有効成分が、エストロゲン様作用成分、抗アンドロゲン様作用成分、及び/又はヒアルロン酸産生促進作用成分であることを特徴とする請求項1に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項3】
前記エストロゲン様作用成分と前記抗アンドロゲン様作用成分とにより線維芽細胞のコラーゲン産生を促進し、前記ヒアルロン酸産生促進作用成分により全身の皮膚若しくは皮下組織の若返り、しわ若しくはたるみを改善し、前記ヒアルロン酸産生促進作用成分により全身の皮膚若しくは皮下組織の張り、弾力、肌理、沈着若しくは透明感を回復し、前記エストロゲン作用により創傷治癒を促進し、及び/又は前記抗アンドロゲン作用により脱毛部位での育毛若しくは発毛を促進することを特徴とする請求項1に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項4】
外用剤であることを特徴とする請求項1に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項5】
前記外用剤が、化粧料、外用医薬品又は外用医薬部外品であることを特徴とする請求項4に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項6】
高級アルコール誘導体、アラルキルアルコール誘導体、長鎖で直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪酸誘導体、その脂肪酸誘導体の金属石鹸類、含窒素誘導体、炭化水素類、ワックス類、油脂類、ロウ類、ラノリン類、スフィンゴリン脂質類、リン脂質類、リン脂質誘導体、ステロール類、サポゲニン類、サポニン類、ステロールエステル類、脂質複合体類、オキシ酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド類、シリコーン類、及び/又はフッ素系油剤類を含有することを特徴とする請求項1に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項7】
保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘剤、ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類、ビタミン誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、引きしめ剤、収斂剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物エキス、動物エキス、微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離剤、角質溶解剤、ピーリング剤、制汗剤、清涼剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、及び/又は水を含有することを特徴とする請求項1に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項8】
前記水が、常水、精製水、硬水、軟水、天然水、海洋深層水、電解アルカリイオン水、電解酸性イオン水、イオン水、及び/又はクラスター水であることを特徴とする請求項7に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項9】
前記植物エキス、前記動物エキス又は前記微生物エキスが、植物組織若しくは動物組織からの抽出物、微生物組織からの抽出物、又は微生物産生物であることを特徴とする請求項7に記載の生体組織修復促進薬剤。
【請求項10】
前記有効成分を0.0001〜99.9質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の生体組織修復促進薬剤。

【公開番号】特開2009−155227(P2009−155227A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332278(P2007−332278)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(507256016)
【出願人】(594001764)
【Fターム(参考)】