説明

生体認証装置、および生体認証システム

【課題】 予め接続が許可されていない情報処理装置に生体認証装置が接続された場合、生体認証装置が有する個人の生体情報を消去することによって、接続が許可されていない情報処理装置からの生体認証装置が有する個人の生体情報へのアクセスを不可能にする生体認証装置を提供すること。
【解決手段】 個人の生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、接続が許可されている情報処理装置名を記憶する接続許可装置記憶手段と、個人が入力した生体情報と、前記生体情報記憶手段に記憶された個人の生体情報とを照合する生体情報照合手段と、接続された情報処理装置名と前記接続許可装置記憶手段に記憶された情報処理装置名とを照合する接続装置照合手段の照合結果に基づき、前記生体情報記憶手段に記憶されている個人の生体情報を消去する生体情報消去手段とを有することを特徴とする生体認証装置の提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に接続される生体認証装置、及び情報処理装置と生体認証装置とが接続された生体認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置に接続される生体認証装置は、情報処理装置の不正使用、特に「なりすまし」による不正を防止するための有効な装置として広く使用されている。
【0003】
生体認証に使用される生体情報としては、指紋、虹彩、網膜、掌紋、血管模様、顔貌、声紋、DNA、等から得られる情報を基にするものが知られているが、その中でも指紋から得られる情報を基にするものが最も一般的である。
【0004】
生体情報を基にした認証の応用例としては、認証により画像形成装置の使用を許可するもの(例えば、特許文献1参照。)や、データの送受信に際し、送信側はデータと共に受信を許可する人物の生体情報を送り、受信側は生体情報読取装置(バイオメトリクスセンサ)から生体情報を入力し、生体認証が得られた場合のみデータの受け取りを可能とするもの(例えば、特許文献2参照。)等が知られている。
【0005】
生体情報は、本人固有の生体上の特徴を表す情報であることから、他人がその特徴を模倣することが難しいという強みと共に、パスワードのように本人が忘れることがなく、常に本人が保有しているという利便性も有している。
【0006】
しかしながら、本来、生体認証は、他人に盗まれる危険性が低いことから安全性は高いとされるが、もし、何らかの理由で、その生体情報が他人に漏れた場合、他人による「なりすまし」による不正行為が生まれる可能性がある。上述したような不正行為が可能となった場合には、安全性が高いという前提で構築されているシステムには想定外の大きな被害が発生する危険性がある。
【特許文献1】特開2003−195704号公報
【特許文献2】特開2004−341931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、予め接続が許可されていない情報処理装置に生体認証装置が接続された場合、生体認証装置が有する個人の生体情報を消去することによって、接続が許可されていない情報処理装置からの生体認証装置が有する個人の生体情報へのアクセスを不可能にする生体認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の項目を実現することにより達成される。
(1)個人認証に用いられる生体認証装置であって、
情報処理装置との接続、及び遮断が可能な接続手段と、
個人の生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
接続が許可されている情報処理装置名を記憶する接続許可装置記憶手段と、
個人が入力した生体情報と、前記生体情報記憶手段に記憶された個人の生体情報とを照合する生体情報照合手段と、
接続された情報処理装置名と前記接続許可装置記憶手段に記憶された情報処理装置名とを照合する接続装置照合手段と、
前記接続装置照合手段の照合結果に基づき、前記生体情報記憶手段に記憶されている個人の生体情報を消去する生体情報消去手段と、
を有することを特徴とする生体認証装置。
(2)前記接続装置照合手段は、前記生体認証装置が情報処理装置に接続されて情報処理装置名の取得が可能となった時に、直ちに照合を行うことを特徴とする(1)に記載の生体認証装置。
(3)前記接続装置照合手段は、前記生体認証装置が接続が許可されている情報処理装置に接続されているときに、前記情報処理装置から送られる生体情報入力指示情報を受ける毎に、照合を行うことを特徴とする(1)、又は(2)に記載の生体認証装置。
(4)前記接続装置照合手段は、前記生体認証装置が接続が許可されている情報処理装置に接続されているときに、予め設定された所定の周期で、照合を行うことを特徴とする(1)〜(3)に記載の生体認証装置。
(5)接続された情報処理装置から送られたデータを記憶するデータ記憶手段を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の生体認証装置。
(6)前記生体認証装置が接続が許可されている情報処理装置に新たに接続された場合、前記データ記憶手段に記憶されているデータの前記情報処理装置への転送を許可することを特徴とする(5)のいずれか1項に記載の生体認証装置。
(7)情報処理装置と、入力された生体情報と予め記憶されている生体情報とを照合して認証を行う生体認証装置とが接続された生体認証システムにおいて
前記情報処理装置は、
表示手段を備え、
接続中の情報処理装置から前記生体認証装置を遮断するときに、遮断に先立ち、前記生体認証装置から生体情報を入力することを促す表示を前記表示手段に出力し、
前記生体認証装置は、
情報処理装置との接続、及び遮断が可能な接続手段と、
個人の生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
個人が入力した生体情報と、記憶された前記個人の生体情報とを照合する生体情報照合手段と、
前記生体情報照合手段の照合結果に基づき、前記生体情報記憶手段に記憶されている個人の生体情報を消去する生体情報消去手段と、
を有し、
前記表示に対応して入力された生体情報を、前記生体情報照合手段により照合を行い、照合結果に基づき、前記生体情報消去手段は、前記生体情報記憶手段に記憶されている個人の生体情報を消去することを特徴とする生体認証システム。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、許可されていない情報処理装置に生体認証装置が接続されると、生体認証装置自身が生体認証装置のメモリに記憶している個人の生体情報を消去してしまうので、許可されていない情報処理装置により生体認証装置が記憶している個人の生体情報を読み出すことが不可能となり、個人の生体情報の漏洩が防止される。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、情報処理装置と生体認証装置との最初のデータの交換に先立って、生体認証装置により接続された情報処理装置が許可されているものであるか否かの照合がなされ、照合結果に基づいて次の処理に移行することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、情報処理装置と生体認証装置とのデータの交換が行われる毎に、予め、生体認証装置により接続された情報処理装置が許可されているものであるか否かの照合がなされる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、所定の周期で接続された情報処理装置が許可されているものであるか否かの照合がなされることによって、接続されている情報処理装置が電気的に接続状態にあるように維持しながら他の情報処理装置に入れ替える不正が防止される。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、情報処理装置から転送されたデータを生体認証装置が記憶することにより、生体認証装置をデータと共に移動させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、情報処理装置から転送され、生体認証装置が記憶したデータを、他の接続が許可された情報処理装置に転送することができる。
【0015】
請求項7に記載の発明によれば、情報処理装置に接続された生体認証装置を遮断する場合、正常な遮断操作は生体認証されたユーザのみが可能となり、生体認証に失敗したユーザが遮断操作を行った場合には、生体認証装置に記憶された生体情報を消去することにより、個人の生体情報の漏洩を防止する生体認証システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、LANに接続された情報処理装置PC1、2及び情報処理装置PR1、2及び、前記情報処理装置PC1、2及び前記情報処理装置PR1、2に接続可能な生体認証装置SRからなる生体認証システムの概念図である。
【0018】
本発明が適用される最も一般的な例は、前記情報処理装置PC1、2はパーソナルコンピュータであり、前記情報処理装置PR1、2は、プリンタである。但し、前記情報処理装置PC1、2、又は前記情報処理装置PR1、2が、スキャナー、プリンタ、ファックス等の機能を合わせ持つ通称複合機と称される画像形成装置のような情報処理装置の場合においても同様に適用されるものである。
【0019】
前記情報処理装置PC1、2、PR1、2は公知の技術手段である通信用接続手段111、112、121、122によりLANに接続され、生体認証装置SRは、接続手段1により前記情報処理装置PC1、2、PR1、2のいずれかに接続することができる。接続手段1は、USB仕様に適合するものを用いることが望ましいが、前記情報処理装置PC1、2、PR1、2と生体認証装置SRとの情報交換が可能な仕様のものを適宜に選択することができる。
【0020】
図2は、生体認証システムの制御関係を示すブロック図である。
【0021】
情報処理装置PC1は、CPU(CPU1)、メモリM1、演算ユニット(不図示)、入出力インターフェイス(不図示)、通信用インターフェイス(不図示)等からなる制御手段C1を有する一般的なパーソナルコンピュータである。
【0022】
情報処理装置PR1は、CPU(CPU2)、メモリM2、入出力インターフェイス(不図示)、通信用インターフェイス(不図示)、画像出力制御手段125等からなる制御手段C2と画像形成手段21とを有するプリンタである。画像形成のための技術は、電子写真、インクジェット、熱転写、熱昇華等の技術手段からプリンタの用途に適したものが採用される。
【0023】
生体認証装置SRは、CPU(CPU3)、メモリM3、入出力インターフェイス(不図示)、通信用インターフェイス(不図示)から成る制御手段C3と、指紋読み取り手段2等とからなる指紋認証装置である。
【0024】
本実施の形態の説明は、生体情報として最も多く使用されている指紋情報を基に行うが、既に述べたように指紋、虹彩、網膜、掌紋、血管模様、顔貌、声紋、DNA、等を生体情報としてもよい。
【0025】
また、指紋画像の取得と、指紋情報の生成方法については多くの方法が知られているが、本発明の効果はこれらの方法に依存するものではなく、適宜な方法を選択できる。
【0026】
前記生体認証装置SRは、接続手段1を介して情報処理装置PC1、情報処理装置PR1に接続される。
【0027】
なお、本図では説明をわかりやすくするために生体認証装置SRの接続対象として2つの情報処理装置PC1、PR1のみを記載しているが、接続対象となる情報処理装置の数についての制限はない。
【0028】
情報処理装置PC1、情報処理装置PR1、生体認証装置SRの各制御は、各装置のメモリM1、M2、M3に格納されている所定のプログラムが実行されることによりなされる。
【0029】
次に、生体認証システムの説明を行う。
【0030】
本生体認証システムでは、システムの利用に先立って、個人の認証に使用する生体情報である指紋情報の登録が必要になる。
【0031】
図3は、生体情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
先ず、情報処理装置PC1と生体認証装置SRとを接続手段1にて接続する(ステップS1)。次に、情報処理装置PC1の入力手段11からの指示操作によりメモリM1に格納されているプログラムである生体情報登録手段101の実行を開始させると(ステップS2)、情報処理装置PC1の表示手段12には、指紋登録をする個人名、あるいは個人コードの入力と、生体認証装置SRの指紋読み取り手段2に指示された指、例えば右手の人差し指、あるいは定められた順番で複数の指等を所定の位置に置くことを促す表示が出力される(ステップS3)。
【0033】
前記入力手段11による個人名の入力、及び前記指紋読み取り手段2による指紋画像の入力が行われると(ステップS4)、生体認証装置SRのメモリM3に格納されているプログラムである特徴点抽出手段301が呼び出され実行されて、入力された指紋画像は、その指紋の特徴点が抽出され符号化され、指紋情報を生成する(ステップS5)。
【0034】
生成された前記指紋情報は、情報処理装置PC1から送られた個人名と組み合わされて、組み合わされたデータを逐次格納するメモリM3に設けたデータファイルである生体情報記憶手段302に格納され、1つの生体情報の登録が完了する(ステップS6)。
【0035】
前記登録が完了すると、登録完了情報が生体認証装置SRから情報処理装置PC1に送られ、情報処理装置PC1の表示手段11には、次の個人名と指紋画像の入力を促す表示が出力される(ステップS7)。もし、次の登録を行う必要があれば(ステップS8:N)、ステップ4〜7の処理が繰り返され、次の登録を行う必要がなければ(ステップS8:Y)、生体情報登録手段のルーチンから出る。
【0036】
なお、本例では、情報処理装置PC1の入力手段11により個人名の入力、及び情報処理装置PC1の表示手段12による個人名と指紋画像の入力とを促す表示を行っているが、生体認証装置SRに、入力手段、表示手段、生体情報登録手段を設けて、生体認証装置SR単独で生体情報登録ができるように構成しても良い。
【0037】
図4は接続許可装置登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
先ず、情報処理装置PC1と生体認証装置SRとを接続手段1にて接続する(ステップS10)。次に、情報処理装置PC1の入力手段11からの指示操作によりメモリM1に格納されているプログラムである接続許可装置登録手段102の実行を開始させると(ステップS12)、情報処理装置PC1の表示手段12には、該生体認証装置SRに接続を許可する情報処理装置名の入力を促す表示が出力される(ステップS13)。
【0039】
前記入力手段11による情報処理装置名の入力が行われると(ステップS14)、
入力された情報処理装置名は、情報処理装置PC1から生体認証装置SRに送られ、メモリM3に設けたファイルである接続許可装置記憶手段303に、接続を許可する情報処理装置名として登録される(ステップS15)。
【0040】
前記登録が完了すると、登録完了情報が生体認証装置SRから情報処理装置PC1に送られ、情報処理装置PC1の表示手段11には、次の接続を許可する情報処理装置名の入力を促す表示が出力される(ステップS16)。もし、次の登録を行う必要があれば(ステップS17:N)、ステップ14〜16の処理が繰り返され、次の登録を行う必要がなければ(ステップS17:Y)、接続許可装置登録手段のルーチンから出る。
【0041】
なお、本例では、情報処理装置PC1の入力手段11により接続を許可する情報処理装置名の入力、及び情報処理装置PC1の表示手段12による接続を許可する情報処理装装置名の入力とを促す表示を行っているが、生体認証装置SRに、入力手段、表示手段、接続許可装置登録手段を設けて、生体認証装置SR単独で接続許可装置登録ができるように構成しても良い。
【0042】
図5は、生体情報消去処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
すでに生体情報を記憶している生体認証装置SRが、ある情報処理装置に接続された場合(ステップS20)、先ず、通常の情報処理装置間の接続で実行される接続関係の認識と必要な設定がなされる(ステップS21)、次に、生体認証装置SRは、接続された前記情報処理装置に対し情報処理装置名を送ることを要求する(ステップS22)、もし、要求に対し応答が無かった場合、あるいは、メモリM3に格納されているプログラムである接続装置照合手段304の実行により、送られてきた情報装置名が接続許可装置記憶手段に登録されたものではないとの照合結果が出された場合には(ステップS23:N)、メモリM3に格納されているプログラムである生体情報消去手段305が実行され、生体情報記憶手段に登録されている全ての生体情報を消去する(ステップS24)。このように、個人の生体情報を消去することにより、不正な手段による個人の生体情報へのアクセスを防止することができる。
【0044】
もし、送られてきた情報装置名が接続許可装置記憶手段に登録されたものであるとの照合結果が出された場合には(ステップS23:Y)、生体情報消去手段のルーチンから抜けて、生体認証システムが構成される。
【0045】
上述した図5のフローチャートを基にした説明においては、生体認証装置SRに接続された情報処理装置が予め登録されたものであるか否かの確認は、接続の開始当初に行われるが、一旦、接続が許可された情報処理装置との接続関係を維持しながら、途中で他の情報処理装置との接続を開始させる技術的な方法も考えられる。次に、このような攻撃に対する対応手段を説明する。
【0046】
図6は、接続されている情報処理装置確認処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
情報処理装置確認処理はメモリM3に格納されているプログラムである情報処理装置確認手段306の実行により行われる。
【0048】
接続されている情報処理装置から生体認証装置SRに生体認証を要求する情報が送られると(ステップS30:Y)、生体認証装置SRは前記情報処理機装置に対し情報処理装置名を送ることを要求する(ステップS33)。送られてきた情報装置名は、メモリM3に格納されているプログラムである接続装置照合手段304が実行されることにより、接続許可装置記憶手段303に登録されている情報装置名との照合が行われる(ステップS34)。
【0049】
もし、送られてきた情報装置名が接続許可装置記憶手段に登録されたものではないとの照合結果が出された場合には(ステップS35:N)、メモリM3に格納されているプログラムである生体情報消去手段305が実行され、生体情報記憶手段302に登録されている全ての生体情報が消去される(ステップS36)。
【0050】
接続されている情報処理装から生体認証の要求が送られてこない間は(ステップS30:N)、制御手段C3に設けられたタイマーTMの値Tが予め設定した値であるTTに到達したか否かが判定され(ステップS31)、もし、到達したならば(ステップS31:Y)、タイマーTMをリセットして(ステップS32)、既に説明したステップ33〜36の処理を実行する。
【0051】
上述した処理を行うことにより、生体認証装置SRは、一旦接続を許可した情報処理装置を、生体認証を行う毎に、また所定の周期で確認することができる。
【0052】
図7は、本発明の生体認証装置の応用例の流れを示すフローチャートである。
【0053】
本フローチャートは、接続を許可され、接続状態にある情報処理装置PC1が作成した所定のデータと、このデータの読み取りを許可する情報処理装置名とを生体認証装置SRが受け取り、これらを記憶し、該生体認証装置SRが他の情報処理装置に接続されたときに、前記データの読み取りが許可されている情報処理装置であると判定されたときに、記憶したデータを接続された情報処理装置に送る生体認証装置の処理の流れを示す。
【0054】
生体認証装置SRは、接続されている情報処理装置から所定のデータと前記データの読み取りを許可する情報処理装置名を受け取り、メモリM3に設けれられている接続許可装置記憶手段303とデータ記憶手段307に格納する(ステップS40、41)。
【0055】
前記生体認証装置SRが前記情報処理装置から切り離され、他の情報処理装置に再度接続されたときに、既に図5に基づき説明した手順で、接続された情報処理装置名の照合が行われ(ステップS42)、照合に失敗した場合には(ステップS42:N)、生体情報記憶手段302に記憶されていた生体情報は消去され、データ記憶手段307に記憶された前記データも消去される(ステップS44)。
【0056】
もし、照合に成功した場合には(ステップS42:Y)、接続された情報処理装置へのデータ転送を行う(ステップS43)。
【0057】
本例は、パーソナルコンピュータにて作成されたデータを生体認証装置SRで受け取り、このデータをプリンタ、又はデジタルデータを扱うことができる画像形成装置にて出力する場合に良く適合するものである。また、データに他の情報、例えば、出力する部数等を添付して、添付した情報の仕様に従って前記画像形成装置がジョブを実行するようにしても良い。
【0058】
図8は、生体認証装置を情報処理装置から遮断する制御の流れを示すフローチャートである。
【0059】
情報処理装置PC1と生体認証装置SRからなる生体認証システムにおいて、情報処理装置PC1と生体認証装置SRとの接続を遮断する場合、先ず、操作者により情報処理装置PC1の入力手段11から、プログラムである遮断処理手段103を実行させる指示が入力される(ステップS50)、前記指示が入力されると情報処理装置PC1の表示手段12には、生体認証装置SRによる生体認証を前記操作者に促す表示が出力される(ステップS51)。
【0060】
操作者による指紋入力(生体入力)がなされると(ステップS52)、指紋画像から特徴点が抽出され生体情報が作成される。前記生体情報は生体情報照合手段304により照合が行われる(ステップS53)。もし、照合に成功した場合には(ステップS53:Y)、情報処理装置PC1の表示手段12には遮断を許可する表示が出力され(ステップS57)、所定の遮断処理が実行され、生体認証装置SRを情報処理装置PC1から安全に切り離すことができる状態になる(ステップS58)。
【0061】
もし、照合に失敗した場合には(ステップS53:N)、遮断不許可の表示が情報処理装置PC1の表示手段12に出力される(ステップS54)。遮断不許可の表示に対応して、操作者が確認の入力を入力手段12から行うと、遮断処理の実行が中止される(ステップS59)。
【0062】
もし、遮断不許可の表示にもかかわらず生体認証装置SRを情報処理装置PC1から切り離した場合には(ステップS55:Y)、生体認証装置SRの生体情報消去手段が実行され、生体情報記憶手段の生体情報は消去される(ステップS56)。
【0063】
このように制御されるシステムにより、生体認証されない操作者が生体認証装置を情報処理装置から切り離して生体認証装置に記憶されている個人の生体情報を持ち出すことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】LANに接続された情報処理装置と、情報処理装置に接続された生体認証装置とからなる生体認証システムの概念図である。
【図2】生体認証システムの制御関係を示すブロック図である。
【図3】生体情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】接続許可装置登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】生体情報消去処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】接続されている情報処理装置確認処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】生体認証装置の応用例の流れを示すフローチャートである。
【図8】生体認証装置を情報処理装置から遮断する制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 接続手段
2 指紋読み取り手段
11 入力手段
12 表示手段
21 画像形成手段
111、121、121、122 通信用接続手段
PC1、2 情報処理装置
C1、C2、C3 制御手段
M1、M2、M3 メモリ
PR1、2 情報処理装置
SR 生体認証装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人認証に用いられる生体認証装置であって、
情報処理装置との接続、及び遮断が可能な接続手段と、
個人の生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
接続が許可されている情報処理装置名を記憶する接続許可装置記憶手段と、
個人が入力した生体情報と、前記生体情報記憶手段に記憶された個人の生体情報とを照合する生体情報照合手段と、
接続された情報処理装置名と前記接続許可装置記憶手段に記憶された情報処理装置名とを照合する接続装置照合手段と、
前記接続装置照合手段の照合結果に基づき、前記生体情報記憶手段に記憶されている個人の生体情報を消去する生体情報消去手段と、
を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項2】
前記接続装置照合手段は、前記生体認証装置が情報処理装置に接続されて情報処理装置名の取得が可能となった時に、直ちに照合を行うことを特徴とする請求項1に記載の生体認証装置。
【請求項3】
前記接続装置照合手段は、前記生体認証装置が接続が許可されている情報処理装置に接続されているときに、前記情報処理装置から送られる生体情報入力指示情報を受ける毎に、照合を行うことを特徴とする請求項1、又は2に記載の生体認証装置。
【請求項4】
前記接続装置照合手段は、前記生体認証装置が接続が許可されている情報処理装置に接続されているときに、予め設定された所定の周期で、照合を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体認証装置。
【請求項5】
接続された情報処理装置から送られたデータを記憶するデータ記憶手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体認証装置。
【請求項6】
前記生体認証装置が接続が許可されている情報処理装置に新たに接続された場合、前記データ記憶手段に記憶されているデータの前記情報処理装置への転送を許可することを特徴とする請求項5に記載の生体認証装置。
【請求項7】
情報処理装置と、入力された生体情報と予め記憶されている生体情報とを照合して認証を行う生体認証装置とが接続された生体認証システムにおいて
前記情報処理装置は、
表示手段を備え、
接続中の情報処理装置から前記生体認証装置を遮断するときに、遮断に先立ち、前記生体認証装置から生体情報を入力することを促す表示を前記表示手段に出力し、
前記生体認証装置は、
情報処理装置との接続、及び遮断が可能な接続手段と、
個人の生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
個人が入力した生体情報と、記憶された前記個人の生体情報とを照合する生体情報照合手段と、
前記生体情報照合手段の照合結果に基づき、前記生体情報記憶手段に記憶されている個人の生体情報を消去する生体情報消去手段と、
を有し、
前記表示に対応して入力された生体情報を、前記生体情報照合手段により照合を行い、照合結果に基づき、前記生体情報消去手段は、前記生体情報記憶手段に記憶されている個人の生体情報を消去することを特徴とする生体認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−48189(P2007−48189A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234271(P2005−234271)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】