説明

生体関連情報測定システム、そのシステムの測定装置本体および外部測定装置

【課題】ある規格のセンサの出力信号を処理する生体関連情報測定装置の表示部に、そのセンサとは異なる規格のセンサを用いて得られる生体関連情報を表示する。
【解決手段】特定の規格のセンサ1Aのコネクタ5Aは測定装置本体2Aのコネクタ6Aと嵌合可能であり、他の規格のセンサ3Aのコネクタ7Aは外部測定装置4Aのセンサ用コネクタ8Aと嵌合可能である。外部測定装置4Aの出力コネクタ9Aは測定装置本体2Aのコネクタ6Aと嵌合可能である。測定装置本体2Aは、コネクタ6Aにセンサ1Aのコネクタ5Aが嵌合されたとき、センサ1Aの出力信号に基づいて生体関連情報を求めそれを表示する。センサ3Aのコネクタ7Aが外部測定装置4Aのコネクタ8Aに嵌合されてその外部測定装置4Aのコネクタ9Aが測定装置本体2Aのコネクタ6Aに嵌合されたとき、測定装置本体2Aは、センサ3Aの出力信号に基づいて外部測定装置4Aで求めた生体関連情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体関連信号を検出するセンサと、このセンサからの信号をコネクタを介して受け取り、その信号を処理して生体関連情報を測定する生体関連情報測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記生体関連情報は、吸光物質濃度、呼吸関連情報、体温、血圧、心拍出量、経皮ガス濃度、心電、脳波、筋電、脳誘発電位、誘発筋電など生体の状態を表す生体情報と、人工心肺の体外循環血液の温度やその温度を制御する媒体の温度、麻酔ガス濃度、吸入酸素流量など生体に取り付けられている機器の情報や生体の周囲の雰囲気温度など生体に影響を与える環境情報とを含む。
【0003】
前記生体関連情報を測定する装置として、例えば動脈血の酸素飽和度を測定するパルスオキシメータがある。このような酸素飽和度測定装置は、センサと、そのセンサの出力信号を処理して酸素飽和度を算出してその結果を表示する酸素飽和度測定装置本体とから成り、それらは互いにコネクタで接続される。しかし、ある製造業者が製造したセンサと他の製造業者が製造したセンサとは一般に規格が異なるので、それらは互換して使うことはできない。また、センサの製造業者が同一でも、形式が異なるセンサの場合、規格が異なる場合があるので、これらも互換して使用できない。
【0004】
上記のような問題は、ヘモグロビン濃度測定装置、色素濃度測定装置、ビリルビン濃度測定装置、血糖値測定装置などの吸光物質濃度測定装置はもちろんのこと、広くは生体関連情報の測定装置全般が有している。
【0005】
そこで、例えば酸素飽和度の測定において、1つのセンサが、照射する光のスペクトル内容を変えることができ、複数の酸素飽和度測定装置本体に適応できるものが開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0006】
しかし、このセンサは互換性を有するように特別に構成したものであり、既存のセンサをそのまま測定に使うことはできない。
【0007】
一方、特許文献3および特許文献4には、ある規格のセンサを他の規格の測定装置に用いることが開示されている。
【0008】
しかし、これによればある特定の規格とは異なる、他の規格のセンサの出力をその規格のセンサに対応する測定装置で処理して一旦酸素飽和度を測定したあと、その酸素飽和度に基づいて、前記特定の規格のセンサの測定装置に入力されると同じ値の酸素飽和度が得られるような信号を作り、その信号を前記特定の規格の測定装置に入力するので、前記特定の規格の測定装置では再び酸素飽和度を算出することになり、誤差が累積して精度の良い測定結果を表示することができない。
【0009】
その他の生体情報として、呼吸関連情報を測定する場合、呼吸関連情報には呼吸数、吸気酸素濃度、呼気終末二酸化炭素濃度、呼吸流量、気道内圧、呼気ガス濃度などがあり、それぞれ測定に使用するセンサの種類が異なる。
【0010】
例えば、呼吸数を測定する場合、特許文献5には、複数の圧力検出素子により構成されたセンサにより動脈の圧脈波を測定し、測定された圧脈波から呼吸数を算出する構成が示されており、特許文献6には、サーミスタにより呼吸時の温度変化を感知して呼吸数を検出する構成が開示されている。
【0011】
吸気酸素濃度を測定する場合、酸素濃度に対応する電圧値あるいは電流値である電気信号を出力することができるセンサが使用され(特許文献7参照)、呼気終末二酸化炭素濃度を測定する場合は、発光部と受光部とを有するプローブが用いられる(特許文献8参照)。
【0012】
呼吸流量を測定する場合、患者の呼吸ガスを流通させる導管に差圧発生機構を設け、その差圧を圧力センサにより検出して、流量に変換し(特許文献9参照)、気道内圧を測定する場合は、半導体圧力センサを使用している(特許文献10参照)。
【0013】
呼気ガス中の炭酸ガス濃度を測定する場合、特許文献11には、発光素子と受光素子とを有するプローブが示されている。
【0014】
その他の生体情報として体温を測定する場合、一般的には、センサとしてサーミスタが用いられるが、サーモパイル(特許文献12参照)なども用いられている。
【0015】
生体情報である血圧を測定する装置として、特許文献13には耳管を封止し、前記封止した耳管に隣接する動脈の血圧変化が前記封止した耳管における空気圧変化を生成するようにしたイヤピース手段と、前記封止した耳管内の前記空気圧変化を測定する圧力検知手段とを備えた血圧監視装置が開示されており、前記圧力検出手段として圧電変換器、ストレーン・ゲージ、セラミック変換器などを使用することが記載されている。
【0016】
生体情報である心拍出量の測定には、電流の通電により自己加熱するサーミスタの、血流による熱喪失量を測定することによって得るもの(特許文献14参照)や、大動脈における血量及び胸部の流体体積の変化を見積もるために、胸部の電気的インピーダンスの変化を複数の生体電極で測定することによって得るもの(特許文献15参照)などが従来より知られている。
【0017】
生体情報である経皮ガス濃度を測定するセンサとして、皮膚を加温し発生したガスを電気化学的に検出する電極を有するセンサが従来より知られており、このようなセンサおよびそれを用いた測定は、例えば特許文献16に記載されている。
【0018】
また、生体情報として、心電、脳波(脳誘発電位を含む)、筋電(誘発筋電を含む)などの生体内で発生する電気信号があり、それらの生体情報は生体電極を用いて測定される。このような生体電極は、例えば、特許文献15、特許文献17、特許文献18に記載されている。
【0019】
環境情報としては、心臓手術で体外循環を行う場合の循環血液の温度や循環血液を加温、冷却するための媒体の温度、生体の周囲の雰囲気温度、あるいは麻酔ガス濃度などがあり、温度に関する情報の測定には、一般的にサーミスタが用いられ、麻酔ガス濃度の測定には、特許文献11に記載されている炭酸ガス濃度の測定と同様に発光素子と受光素子とを備えたプローブが用いられる。
【0020】
前述の特許文献5乃至18には、ある特定の規格とは異なる、他の規格のセンサを使用して、前記特定の規格のセンサの測定装置で生体関連情報を測定することは記載されていない。
【特許文献1】特開平10−305026号公報
【特許文献2】USP5,827,182号明細書
【特許文献3】特表2002−535026号公報
【特許文献4】USP6,658,276号明細書
【特許文献5】特許第3219325号公報
【特許文献6】特開2000−5145号公報
【特許文献7】特開平9−51950号公報
【特許文献8】特開2003−315264号公報
【特許文献9】特開2000−175886号公報
【特許文献10】特公平1−61065号公報
【特許文献11】特開2004−321721号公報
【特許文献12】特開2002−214046号公報
【特許文献13】特表平11−514898号公報
【特許文献14】特開平7−313475号公報
【特許文献15】特開2003−220045号公報
【特許文献16】特開平8−112271号公報
【特許文献17】特開2003−230544号公報
【特許文献18】特開2003−52657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
解決しようとする問題点は、特定の規格のセンサの出力信号を処理する生体関連情報測定装置に、そのセンサとは異なる規格のセンサを用いて測定を行った場合、精度の良い測定結果が、前記生体関連情報測定装置で表示できない点である。
【0022】
本発明の目的は、ある生体関連情報を測定する測定システムであって、特定の規格のセンサの出力信号を処理する測定装置本体を備え、そのセンサとは異なる規格のセンサを用いて測定を行った場合でも、その測定装置本体の表示部にその測定結果を精度良く表示できる測定システムを提供することである。
【0023】
さらに本発明の目的は、特定の規格のセンサの出力信号を処理する測定装置本体と、そのセンサとは異なる規格のセンサの出力信号を処理して表示データを出力する外部測定装置とを有するシステムにおいて、前記測定装置本体は、前記特定の規格のセンサの代わりに、前記外部測定装置が接続されたことを判断すると、前記外部測定装置からのデータを表示するシステムを提供することである。
【0024】
さらに本発明の目的は、生体関連情報が、生体情報または生体の周囲環境の情報である上記のシステムを提供することである。
【0025】
さらに本発明の目的は、生体関連情報が動脈血酸素飽和度である上記のシステムを提供することである。
【0026】
さらに本発明の目的は、上記のシステムの中の測定装置本体を提供することである。
【0027】
さらに本発明の目的は、上記のシステムの中の外部測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、第1のコネクタを有する特定の規格のセンサと、
第2のコネクタを有し前記特定の規格とは異なる他の規格のセンサと、
前記第1のコネクタと実質的に接続される第3のコネクタと、この第3のコネクタを介して与えられる前記特定の規格のセンサの出力信号を処理してデジタル値の生体関連情報を求める第1の信号処理手段と、与えられたデータを表示する表示手段とを有する測定装置本体と、
前記第2のコネクタと実質的に接続される第4のコネクタと、この第4のコネクタを介して与えられる前記他の規格のセンサの出力信号を処理してデジタル値の生体関連情報を求める第2の信号処理手段と、前記第3のコネクタと実質的に接続され前記第2の信号処理手段が求めた生体関連情報を出力するための第5のコネクタとを有する外部測定装置と、を備え、
前記第3のコネクタは第1のグループの端子と第2のグループの端子とからなる複数の端子を有し、この第3のコネクタが前記第1のコネクタと実質的に接続されたときには前記第1のグループの端子を介して前記測定装置本体と前記特定の規格のセンサは電気的に接続され、
前記第3のコネクタと前記第5のコネクタが実質的に接続されたときには前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子を介して前記測定装置本体と前記外部測定装置が電気的に接続され、
前記測定装置本体は、前記第1の信号処理手段から与えられるデータと、前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子から与えられるデータのいずれか一方を前記表示手段に表示させるため、前記表示手段に前記第1の信号処理手段を接続するか、前記表示手段に前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子を接続するかの切り替えを行う切替手段を有することを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、前記切替手段は、前記第3のコネクタの端子に与えられる信号の状態に基づいて、前記第3のコネクタに前記第5のコネクタが実質的に接続されているか否かを判別する判別部と、この判別部が前記第3のコネクタに前記第5のコネクタが実質的に接続されていないと判断したときは前記表示手段に前記第1の信号処理手段を接続し、前記判別部が前記第3のコネクタに前記第5のコネクタが実質的に接続されていると判別したときは前記表示手段に前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子を接続する切替部を有することを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、前記生体関連情報は、生体情報または生体の周囲環境の情報であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明は、前記生体関連情報は、動脈血酸素飽和度であることを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、上記の生体関連情報測定システムにおける前記測定装置本体であることを特徴とする。
【0033】
また、本発明は、上記の生体関連情報測定システムにおける前記外部測定装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、特定の規格のセンサの出力信号を処理する測定装置本体の表示部に、その規格のセンサの出力信号により測定された生体関連情報と、そのセンサとは異なる規格のセンサの出力信号を外部測定装置で処理して得た精度の良い生体関連情報とを、選択的に表示することができ、これにより既存のセンサを有効に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の生体関連情報測定システムの一例である酸素飽和度測定システムの全体構成を図1に示す。このシステムは酸素飽和度測定用の特定の規格のセンサ1と、このセンサ1の出力信号を処理して酸素飽和度を算出し、その結果を表示する酸素飽和度測定装置本体2と、センサ1とは規格が異なるセンサ3と、酸素飽和度測定装置本体2の外部に配置されセンサ3の出力信号を処理して酸素飽和度を算出する外部測定装置4とから成る。センサ1はコネクタ5(第1のコネクタ)を備えており、このコネクタ5と嵌合するコネクタ6(第3のコネクタ)を酸素飽和度測定装置本体2は備えている。センサ3はコネクタ7(第2のコネクタ)を備えており、このコネクタ7と嵌合するセンサ用コネクタ8(第4のコネクタ)を外部測定装置4は備えている。また、外部測定装置4は出力コネクタ9(第5のコネクタ)を備えている。この出力コネクタ9も酸素飽和度測定装置本体2のコネクタ6と嵌合することができる。
【0036】
図2に各部の詳細を示す。センサ1は、光を照射する発光部11と、その光を生体を介して受け取り電気信号に変換する受光部12とを有している。発光部11は波長の異なる複数の発光ダイオード(LED)を備え、その光を生体に照射する。センサ1からの信号の出力および外部からセンサ1への電力供給はコネクタ5を介して行われる。
【0037】
酸素飽和度測定装置本体2に設けられたコネクタ6は、センサ1のコネクタ5と嵌合するようになっている。図2に示したコネクタ5およびコネクタ6は模式的に示したものであって、具体的には例えばコネクタ6は図3の平面図に示すように多数のメス端子(黒丸で示す)を有する。コネクタ5は、コネクタ6のメス端子と同じ数のオス端子を備えている。これらのメス端子とオス端子はすべて嵌合するが、センサ1と酸素飽和度測定装置本体2との電気的接続は一部が使用されているだけである。例えばコネクタ6で説明すると、図3に点線で囲まれた領域の中にある端子グループ61の端子だけが使用される。一方、図3に一点鎖線で囲まれた領域の中にある端子グループ62の端子はセンサ1に対しては電気的接続はなされていない。
【0038】
次に酸素飽和度測定装置本体2を説明する。コネクタ6の端子グループ61の所定の端子を介して与えられるセンサ1の出力信号は、波形検出部15でその波形を検出される。次に、その波形はA/D変換部16でデジタル値に変換され、この値に基づいて酸素飽和度演算部17は酸素飽和度を算出する。算出された酸素飽和度は切替部20を介して表示部21に表示される。
【0039】
コネクタ6の端子グループ61の別の端子はセンサ1の発光部11のLEDを駆動するLED駆動部18に接続されている。
【0040】
コネクタ6の端子グループ62のうちの所定の端子はセンサ判別部19と切替部20に接続されている。センサ判別部19は、前記端子グループ62のうちの前記所定の端子に何らかの信号が与えられている場合にはそのことを判別して切替部20に切替え信号を送る。切替部20はこの切替え信号が与えられている場合には、その所定の端子からの信号を表示部21に送るように切り替えられる。
【0041】
電源部22は、酸素飽和度測定装置本体2内の各部に電力を供給すると共に、コネクタ6の端子グループ62の別の端子に接続されており、その端子を介して外部にも電力を供給するものである。
【0042】
センサ3は、光を照射する発光部31と、その光を生体を介して受け取り電気信号に変換する受光部32とを有している。発光部31は波長の異なる複数の発光ダイオード(LED)を備え、その光を生体に照射する。センサ3からの信号の出力および外部からセンサ3への電力供給はコネクタ7を介して行われる。
【0043】
外部測定装置4に設けられたコネクタ8は、センサ3のコネクタ7と嵌合するようになっている。図2に示したコネクタ7およびコネクタ8は模式的に示したものであって、例えば発光部31のLEDの数や配線に応じた数の端子がコネクタ7およびコネクタ8に設けられている。
【0044】
次に外部測定装置4を説明する。コネクタ8を介して与えられるセンサ3の出力信号は、波形検出部35でその波形を検出される。次に、その波形はA/D変換部36でデジタル値に変換され、この値に基づいて酸素飽和度演算部37は酸素飽和度を算出する。算出された酸素飽和度はコネクタ9の端子に与えられる。LED駆動部38はセンサ3の発光部31のLEDを駆動するものであり、その出力はコネクタ8の端子に与えられる。
【0045】
コネクタ9は、酸素飽和度測定装置本体2のコネクタ6のメス端子と同じ数のオス端子を備えており、これらのメス端子とオス端子はコネクタ9とコネクタ6を嵌合させたときに互いに結合するように配置されている。
【0046】
コネクタ9とコネクタ6が嵌合したとき、外部測定装置4の酸素飽和度演算部37の出力は酸素飽和度測定装置本体2のセンサ判別部19と切替部20に至るようになり、電源部22は外部測定装置4の各部に電力を供給するようになる。
【0047】
このように構成された酸素飽和度測定システムによれば、センサ1のコネクタ5を酸素飽和度測定装置本体2のコネクタ6に嵌合させると、酸素飽和度測定装置本体2の表示部21はセンサ1の出力信号に基づいて得られた酸素飽和度を表示する。これに対して、センサ3のコネクタ7を外部測定装置4のコネクタ8に嵌合させ、さらに外部測定装置4のコネクタ9を酸素飽和度測定装置本体2のコネクタ6に嵌合させると、酸素飽和度測定装置本体2の表示部21はセンサ3の出力信号に基づいて得られた酸素飽和度を表示する。
【0048】
上記のシステムでは、他の規格のセンサ3は1つであり、それに対応する外部測定装置4も1つであったが、他の規格のセンサ3はそれぞれ規格が異なる複数のセンサとし、外部測定装置4もそれぞれのセンサに対応する複数の外部測定装置とすれば、様々な規格のセンサを用いることができるシステムとすることができる。
【0049】
また、上記の例では、センサを判別するために、前記端子グループ62のうちの前記所定の端子の信号の有無に基づいて切替部20を制御したが、前記コネクタ6のいずれかの端子の信号に基づいて切替部20を制御するようにしても良い。さらに、センサ判別部19を設けずに手動で切替部20を切り替えるようにしても良い。
【0050】
さらに、上記の例では、センサ1のコネクタ5と酸素飽和度測定装置本体2のコネクタ6とを直接嵌合させたが、両コネクタ5、6間に中継ケーブルを接続し、コネクタ5および6を、中継ケーブルの両端のコネクタにそれぞれ嵌合させても良い。こうすることによっても、コネクタ5およびコネクタ6が実質的に接続される。同様に、コネクタ9とコネクタ6との間、およびコネクタ7とコネクタ8との間も中継ケーブルを介して接続しても良い。
【0051】
さらにまた、上記の例では、本発明を酸素飽和度測定システムに適用したが、本発明システムは、発光部と受光部を有する同様のセンサを用いて、ヘモグロビン濃度測定、色素濃度測定、ビリルビン濃度測定、血糖値測定などの吸光物質濃度測定にも同様に適用できる。
【0052】
本発明を、これらの吸光物質濃度を測定する各測定システムに適用した場合、図2に示した酸素飽和度測定装置本体2は、それぞれ対応する吸光物質濃度を測定するための測定装置本体となり、酸素飽和度演算部17、37は、それぞれの吸光物質濃度を演算する演算部となる。
【0053】
そしてこのようなシステムによれば、吸光物質濃度の測定において、特定の規格のセンサを用いても、その他の規格のセンサを用いても測定装置本体の表示部に、測定結果を正確に表示することができる。
【0054】
以上は吸光物質濃度を測定するシステムであるが、本発明は、吸光物質濃度の測定に限らず、広く生体関連情報の測定に適用できる。以下、本発明を、ある1つの生体関連情報を測定するシステムとして説明する。
【0055】
本システムの概略の構成を図4に示す。本システムは生体関連信号を検出するセンサ1Aと、このセンサ1Aの出力信号を処理して生体関連情報を測定し、その結果を表示する測定装置本体2Aと、センサ1Aとは規格が異なるセンサ3Aと、測定装置本体2Aの外部に配置されセンサ3Aの出力信号を処理して生体関連情報を測定する外部測定装置4Aとから成る。センサ1Aはコネクタ5A(第1のコネクタ)を備えており、測定装置本体2Aはこのコネクタ5Aと嵌合するコネクタ6A(第3のコネクタ)を備えている。センサ3Aはコネクタ7A(第2のコネクタ)を備えており、外部測定装置4Aはこのコネクタ7Aと嵌合するセンサ用コネクタ8A(第4のコネクタ)を備えている。また、外部測定装置4Aは出力コネクタ9A(第5のコネクタ)を備えている。この出力コネクタ9Aも測定装置本体2Aのコネクタ6Aと嵌合することができる。
【0056】
なお詳細には、コネクタ5Aはセンサ1Aのケーブル200に接続されており、コネクタ7Aはセンサ3Aのケーブル300に接続されており、コネクタ9Aは外部測定装置4Aのケーブル400に接続されており、コネクタ6Aは測定装置本体2Aのケース500に取り付けられており、コネクタ8Aは外部測定装置4Aのケース600に取り付けられている。
【0057】
図5に本システムの各部の構成を示す。センサ1Aは、特定の規格のセンサであり、測定対象の生体関連情報に関する生体関連信号を検出するものである。センサ1Aからの信号の出力および外部からセンサ1Aへの電力供給はコネクタ5Aを介して行われる。
【0058】
測定装置本体2Aに設けられたコネクタ6Aは、センサ1Aのコネクタ5Aと嵌合するようになっている。図5に示したコネクタ5Aおよびコネクタ6Aは模式的に示したものであって、具体的には例えばコネクタ6Aは図6の平面図に示すように多数のメス端子(黒丸で示す。黒丸間の点線は複数のメス端子があることを示す。)を有する。一方、コネクタ5Aは、コネクタ6Aのメス端子と同じ数のオス端子を備えている。これらのメス端子とオス端子はすべて嵌合するが、センサ1Aと測定装置本体2Aとの電気的接続はそれらの端子のうちの一部を介して行われているだけである。例えばコネクタ6Aで説明すると、図6に点線で囲まれた領域の中にある端子グループ61Aの端子だけがセンサ1Aと電気的に接続され、図6に一点鎖線で囲まれた領域の中にある端子グループ62Aの端子はセンサ1Aに対しては電気的に接続されない。
【0059】
次に測定装置本体2Aは、コネクタ6Aの端子グループ61Aの中の信号用端子を介して与えられるセンサ1Aの出力信号から、波形検出部15Aでその波形を検出する。次に、その波形をA/D変換部16Aでデジタル信号に変換し、これに基づいて信号処理部17Aで生体関連情報を求め、その生体関連情報を切替部20Aを介して表示部21Aで表示する。
【0060】
コネクタ6Aの端子グループ61Aの中のセンサ駆動用端子はセンサ1Aを駆動するセンサ駆動部18Aに接続されている。
【0061】
コネクタ6Aの端子グループ62Aの中の信号用端子はセンサ判別部19Aと切替部20Aに接続されている。センサ判別部19Aは、前記端子グループ62Aのうちの前記信号用端子に何らかの信号が与えられている間はそのことを判別して切替部20Aに切替え信号を送る。切替部20Aは、表示部21Aに対し、端子グループ62Aの前記信号用端子を接続するか、信号処理部17Aを接続するかの切り替えを行うものであり、センサ判別部19Aからその切替え信号が与えられていないときは、表示部21Aに信号処理部17Aを接続し、センサ判別部19Aから切替え信号が与えられているときは、表示部21Aに端子グループ62Aの前記信号用端子を接続する。
【0062】
電源部22Aは、測定装置本体2A内の各部に電力を供給すると共に、コネクタ6Aの端子グループ62Aの中の電力用端子に接続されており、その端子を介して外部へ電力を供給するものである。
【0063】
センサ3Aは、センサ1Aとは異なる規格のセンサであるが、センサ1Aと同じ測定対象の生体関連情報に関する生体関連信号を検出するものである。センサ3Aからの信号の出力および外部からセンサ3Aへの電力供給はコネクタ7Aを介して行われる。
【0064】
外部測定装置4Aに設けられたコネクタ8Aは、センサ3Aのコネクタ7Aと嵌合するようになっている。図5に示したコネクタ7Aおよびコネクタ8Aは模式的に示したものであって、実際には必要な数の端子がコネクタ7Aおよびコネクタ8Aに設けられている。
【0065】
次にセンサ3Aの出力信号を処理する外部測定装置4Aを説明する。コネクタ7A、8Aを介して与えられるセンサ3Aの出力信号は、波形検出部35Aでその波形を検出される。次に、その波形はA/D変換部36Aでデジタル信号に変換され、その信号に基づいて信号処理部37Aは生体関連情報を求め、これを測定装置本体2Aの表示部21Aで表示できるデータにする。このデータはコネクタ9Aのデータ用端子に与えられる。一方、センサ駆動部38Aはセンサ3Aを駆動するものであり、その出力はコネクタ8Aの電力用端子に与えられる。
【0066】
コネクタ9Aは、測定装置本体2Aのコネクタ6Aのメス端子と同じ数のオス端子を備えており、これらのメス端子とオス端子はコネクタ9Aとコネクタ6Aを嵌合させたときに互いに結合するように配置されている。コネクタ9Aは、コネクタ6Aと嵌合すると、それらのオス端子とメス端子はすべて嵌合するが、外部測定装置4Aと測定装置本体2Aとの電気的接続はそれらの端子のうちの一部を介して行われているだけである。例えばコネクタ6Aで説明すると、図6に示した端子グループ62Aの端子だけが外部測定装置4Aと電気的に接続され、コネクタ6Aの端子グループ61Aの端子は外部測定装置4Aに対しては電気的に接続されない。
【0067】
そしてコネクタ9Aとコネクタ6Aが嵌合したとき、外部測定装置4Aの信号処理部37Aの出力は測定装置本体2Aのセンサ判別部19Aと切替部20Aに至るようになり、電源部22Aは外部測定装置4Aの各部に電力を供給するようになる。
【0068】
本システムにおいては、コネクタ5A,7A,9Aがオス端子を有するいわゆるプラグであり、コネクタ6A,8Aがメス端子を有するいわゆるレセプタクルであるが、これらはその逆であっても良いし、互いに嵌合する1対のコネクタにおいて一方のコネクタがオス端子とメス端子の両方を備え、他方のコネクタもそれらの端子に対応するメス端子とオス端子の両方を備えたものであっても良い。
【0069】
このように構成された測定システムによれば、センサ1Aのコネクタ5Aを測定装置本体2Aのコネクタ6Aに嵌合させると、測定装置本体2Aの表示部21Aはセンサ1Aの出力信号に基づいて得られた生体関連情報を表示する。これに対し、コネクタ5Aをコネクタ6Aから外した状態で、そのコネクタ6Aに外部測定装置4Aのコネクタ9Aを嵌合させ、かつセンサ3Aのコネクタ7Aを外部測定装置4Aのコネクタ8Aに嵌合させた状態にすると、測定装置本体2Aの表示部21Aはセンサ3Aの出力信号に基づいて得られた生体関連情報を表示する。
【0070】
上記のシステムでは、他の規格のセンサ3Aは1つであり、それに対応する外部測定装置4Aも1つであったが、他の規格のセンサ3Aはそれぞれ規格が異なる複数のセンサとし、外部測定装置4Aもそれぞれのセンサに対応する複数の外部測定装置とすれば、様々な規格のセンサを用いることができるシステムとすることができる。
【0071】
また、上記の例では、センサを判別するために、前記端子グループ62Aのうちの前記信号用端子に与えられる信号の有無に基づいて切替部20Aを制御したが、前記コネクタ6Aのいずれかの端子に与えられる信号に基づいて切替部20Aを制御するようにしても良い。さらに、センサ判別部19Aを設けずに手動で切替部20Aを切り替えるようにしても良い。
【0072】
さらに、上記の例では、センサ1Aのコネクタ5Aと測定装置本体2Aのコネクタ6Aとを直接嵌合させたが、図7に示すように、両コネクタ5A、6A間に中継ケーブル100を設け、コネクタ5Aおよび6Aを、中継ケーブルの両端のコネクタにそれぞれ嵌合させても良い。この場合、中継ケーブルの両端のコネクタのうち、コネクタ6Aと嵌合する方のコネクタは、コネクタ5Aと同じ構造であり、コネクタ5Aと嵌合する方のコネクタは、コネクタ6Aと同じ構造である。こうすることによっても、コネクタ5Aおよびコネクタ6Aが実質的に接続される。同様に、コネクタ9Aとコネクタ6Aとの間、およびコネクタ7Aとコネクタ8Aとの間も中継ケーブルを介して接続しても良い。
【0073】
上記のシステムにおいて測定対象の生体関連情報を、呼吸関連情報、温度関連情報、血圧、心拍出量、経皮ガス濃度などの内、センサ1A、3Aに電力を供給してセンサを駆動する必要がある生体関連情報とすることができる。それぞれの生体関連情報を測定する各測定システムについて説明する。
【0074】
まず測定対象が呼吸関連情報である測定システムについて説明する。呼吸関連情報には呼吸数、吸気酸素濃度、呼気終末二酸化炭素濃度、呼吸流量、気道内圧などあり、それぞれ測定に使用するセンサの種類が異なる。各測定に使用されるセンサおよびそれを用いた測定は従来より知られている。したがって、本発明システムを、各呼吸関連情報を測定するシステムとするには、図4−図7に示したシステムにおいてセンサ1A、3Aにはそれらのセンサを用い、測定装置本体2Aおよび外部測定装置4Aはそれらのセンサの出力信号を処理するようにする。
【0075】
例えば、呼吸数を測定する場合、センサは、動脈の圧脈波から呼吸数を算出するために動脈の圧脈波を検出する複数の圧力検出素子や、呼吸時の温度変化を関知して呼吸数を算出するサーミスタが用いられる。また、吸気酸素濃度を測定する場合、酸素濃度に対応する電気信号を出力する酸素センサが用いられ、呼気終末二酸化炭素濃度を測定する場合、センサは発光部と受光部とを有するプローブが用いられる。さらに、呼吸流量を測定する場合、患者の呼吸ガスを流通させる導管に差圧発生機構を設け、その差圧に基づいて呼吸流量を測定するために、前記差圧検出用の圧力センサが用いられる。また、気道内圧を測定する場合、半導体圧力センサが用いられる。
【0076】
そして、呼吸関連情報を測定する本システムによれば、特定の規格のセンサ1Aとは異なる規格のセンサ3Aの出力信号も処理することができ、得られた呼吸関連情報を、前記特定の規格のセンサ1Aの出力信号を処理する測定装置本体2Aの表示部21Aに表示させることができる。
【0077】
次に、測定対象の生体関連情報が温度関連情報である本発明システムについて説明する。温度関連情報には体温の他、心臓手術などで体外循環を行う場合の循環血液の温度や循環血液を加温、冷却するための媒体(体外循環水)の温度などがあり、センサとしてサーミスタ、サーモパイルなどが用いられる。生体関連情報を温度関連情報とする本発明システムは、図4−図7に示したシステムにおいてセンサ1A、3Aにそのようなセンサを用い、それらのセンサの出力信号を処理するものである。
【0078】
そして、温度関連情報を測定する本システムによれば、特定の規格のセンサ1Aとは異なる規格のセンサ3Aの出力信号も処理することができ、得られた温度関連情報を、前記特定の規格のセンサ1Aの出力信号を処理する測定装置本体2Aの表示部21Aに表示させることができる。
【0079】
次に、測定対象の生体関連情報が血圧である本発明システムについて説明する。血圧を測定するセンサには、例えばストレーンゲージが用いられる。生体関連情報を血圧とする本発明システムは、図4−図7に示したシステムにおいて、センサ1A、3Aにそのようなセンサを用い、それらのセンサの出力信号を処理するものである。
【0080】
そして、血圧を測定する本システムによれば、特定の規格のセンサ1Aとは異なる規格のセンサ3Aの出力信号も処理することができ、得られた血圧を、前記特定の規格のセンサ1Aの出力信号を処理する測定装置本体2Aの表示部21Aに表示させることができる。
【0081】
次に、測定対象の生体関連情報が心拍出量である本発明システムについて説明する。心拍出量の測定には、電流の通電により自己加熱するサーミスタの、血流による熱喪失量を測定することによって得るものや、大動脈における血量及び胸部の流体体積の変化を見積もるために、胸郭の電気的インピーダンスの変化を複数の生体電極で測定することによって得るものなどが従来より知られている。生体関連情報が心拍出量である本発明システムは、図4−図7に示したシステムにおいて、センサをセンサ1A、3Aにそのようなセンサを用い、それらのセンサの出力信号を処理するものである。
【0082】
そして、心拍出量を測定する本システムによれば、特定の規格のセンサ1Aとは異なる規格のセンサ3Aの出力信号も処理することができ、得られた心拍出量を、前記特定の規格のセンサ1Aの出力信号を処理する測定装置本体2Aの表示部21Aに表示させることができる。
【0083】
次に、測定対象の生体関連情報が経皮ガス濃度である本発明システムについて説明する。経皮ガス濃度を測定するセンサには、皮膚を加温し発生したガスを電気化学的に検出する電極を有するセンサがある。生体関連情報が経皮ガス濃度である本発明システムは、図4−図7に示したシステムにおいて、そのようなセンサをセンサ1A、3Aに用い、それらの出力信号を処理するものである。
【0084】
そして、経皮ガス濃度を測定する本システムによれば、特定の規格のセンサ1Aとは異なる規格のセンサ3Aの出力信号も処理することができ、得られた経皮ガス濃度を、前記特定の規格のセンサ1Aの出力信号を処理する測定装置本体2Aの表示部21Aに表示させることができる。
【0085】
以上説明した測定システムは、いずれもセンサ1A、3Aに電力を供給してセンサを駆動する必要があったが、センサに電力を供給する必要がないシステムがある。例えば、センサが心電、脳波、筋電などの生体内で発生する電気信号を検出する生体電極の場合である。以下、このようなシステムについて説明する。本システムの概略の構成については、図4に示したシステムの概略の構成と同様であるので、その図と説明は省略する。
【0086】
図8に本発明システムの詳細な構成を示す。特定の規格のセンサ1Bは、測定対象の生体関連情報に関する生体信号を検出するものである。センサ1Bからの信号の出力はコネクタ5Bを介して行われる。
【0087】
測定装置本体2Bに設けられたコネクタ6Bは、センサ1Bのコネクタ5Bと嵌合するようになっている。図8に示したコネクタ5Bおよびコネクタ6Bは模式的に示したものであって、具体的には例えばコネクタ6Bは図9の平面図に示すように多数のメス端子(黒丸で示す。黒丸間の点線は複数のメス端子があることを示す。)を有する。一方、コネクタ5Bは、コネクタ6Bのメス端子と同じ数のオス端子を備えている。これらのメス端子とオス端子はすべて嵌合するが、センサ1Bと測定装置本体2Bとの電気的接続はそれらの端子のうちの一部を介して行われているだけである。例えばコネクタ6Bで説明すると、図9に点線で囲まれた領域の中にある端子グループ61Bの端子だけがセンサ1Bと電気的に接続され、図9に一点鎖線で囲まれた領域の中にある端子グループ62Bの端子はセンサ1Bに対しては電気的に接続されない。
【0088】
次に測定装置本体2Bは、コネクタ6Bの端子グループ61Bの中の信号用端子を介して与えられるセンサ1Bの出力信号から、信号増幅部15Bでその信号を増幅する。次に、その信号をA/D変換部16Bでデジタル信号に変換し、この信号に基づいて信号処理部17Bで生体関連情報を求め、その生体関連情報を切替部20Bを介して表示部21Bで表示する。
【0089】
コネクタ6Bの端子グループ62Bの中の信号用端子はセンサ判別部19Bと切替部20Bに接続されている。センサ判別部19Bは、前記端子グループ62Bのうちの前記信号用端子に何らかの信号が与えられている間はそのことを判別して切替部20Bに切替え信号を送る。切替部20Bは、表示部21Bに対し、端子グループ62Bの前記信号用端子を接続するか、信号処理部17Bを接続するかの切り替えを行うものであり、センサ判別部19Bからその切替え信号が与えられていないときは、表示部21Bに信号処理部17Bを接続し、センサ判別部19Bから切替え信号が与えられているときは、表示部21Bに端子グループ62Bの前記信号用端子を接続する。
【0090】
電源部22Bは、測定装置本体2B内の各部に電力を供給すると共に、コネクタ6Bの端子グループ62Bの中の電力用端子に接続されており、その端子を介して外部へ電力を供給するものである。
【0091】
センサ3Bは、センサ1Bとは異なる規格のセンサであるが、センサ1Bと同じ測定対象の生体関連情報に関する生体信号を検出するものである。センサ3Bからの信号の出力はコネクタ7Bを介して行われる。
【0092】
外部測定装置4Bに設けられたコネクタ8Bは、センサ3Bのコネクタ7Bと嵌合するようになっている。図8に示したコネクタ7Bおよびコネクタ8Bは模式的に示したものであって、実際には必要な数の端子がコネクタ7Bおよびコネクタ8Bに設けられている。
【0093】
次にセンサ3Bの出力信号を処理する外部測定装置4Bを説明する。コネクタ7B、8Bを介して与えられるセンサ3Bの出力信号は、信号増幅部35Bでその信号を増幅される。次に、その信号はA/D変換部36Bでデジタル信号に変換され、この信号に基づいて信号処理部37Bは生体関連情報を求め、これを測定装置本体2Bの表示部21Bの表示用データにする。このデータはコネクタ9Bの端子に与えられる。
【0094】
コネクタ9Bは、測定装置本体2Bのコネクタ6Bのメス端子と同じ数のオス端子を備えており、これらのメス端子とオス端子はコネクタ9Bとコネクタ6Bを嵌合させたときに互いに結合するように配置されている。コネクタ9Bは、コネクタ6Bと嵌合すると、それらのオス端子とメス端子はすべて嵌合するが、外部測定装置4Bと測定装置本体2Bとの電気的接続はそれらの端子のうちの一部を介して行われているだけである。例えばコネクタ6Bで説明すると、図9に示した端子グループ62Bの端子だけが外部測定装置4Bと電気的に接続され、コネクタ6Bの端子グループ61Bの端子は外部測定装置4Bに対しては電気的に接続されない。
【0095】
そしてコネクタ9Bとコネクタ6Bが嵌合したとき、外部測定装置4Bの信号処理部37Bの出力は測定装置本体2Bのセンサ判別部19Bと切替部20Bに至るようになり、電源部22Bは外部測定装置4Bの各部に電力を供給するようになる。
【0096】
本システムにおいては、コネクタ5B,7B,9Bがオス端子を有するいわゆるプラグであり、コネクタ6B,8Bがメス端子を有するいわゆるレセプタクルであるが、これらはその逆であっても良いし、互いに嵌合する1対のコネクタにおいて一方のコネクタがオス端子とメス端子の両方を備え、他方のコネクタもそれらの端子に対応するメス端子とオス端子の両方を備えたものであっても良い。
【0097】
このように構成された測定システムによれば、センサ1Bのコネクタ5Bを測定装置本体2Bのコネクタ6Bに嵌合させると、測定装置本体2Bの表示部21Bはセンサ1Bの出力信号に基づいて得られた生体関連情報を表示する。これに対し、コネクタ5Bをコネクタ6Bから外した状態で、そのコネクタ6Bに外部測定装置4Bのコネクタ9Bを嵌合させ、かつセンサ3Bのコネクタ7Bを外部測定装置4Bのコネクタ8Bに嵌合させた状態にすると、測定装置本体2Bの表示部21Bはセンサ3Bの出力信号に基づいて得られた生体関連情報を表示する。
【0098】
上記のシステムでは、他の規格のセンサ3Bは1つであり、それに対応する外部測定装置4Bも1つであったが、他の規格のセンサ3Bはそれぞれ規格が異なる複数のセンサとし、外部測定装置4Bもそれぞれのセンサに対応する複数の外部測定装置とすれば、様々な規格のセンサを用いることができるシステムとすることができる。
【0099】
また、上記の例では、センサを判別するために、前記端子グループ62Bのうちの前記信号用端子に与えられる信号の有無に基づいて切替部20Bを制御したが、前記コネクタ6Bのいずれかの端子に与えられる信号に基づいて切替部20Bを制御するようにしても良い。さらに、センサ判別部19Bを設けずに手動で切替部20Bを切り替えるようにしても良い。
【0100】
さらに、図4−図7に示した測定システムでも説明したように、両コネクタ5B、6B間に中継ケーブルを設け、コネクタ5Bおよび6Bを、中継ケーブルの両端のコネクタにそれぞれ嵌合させても良い。この場合、中継ケーブルの両端のコネクタのうち、コネクタ6Bと嵌合する方のコネクタは、コネクタ5Bと同じ構造であり、コネクタ5Bと嵌合する方のコネクタは、コネクタ6Bと同じ構造である。こうすることによっても、コネクタ5Bおよびコネクタ6Bが実質的に接続される。同様に、コネクタ9Bとコネクタ6Bとの間、およびコネクタ7Bとコネクタ8Bとの間も中継ケーブルを介して接続しても良い。
【0101】
本システムにおいて測定対象の生体関連情報を、心電あるいは脳波とした場合は、通常、センサ1B、3Bにそれぞれ複数の生体用電極から成るセンサを用いる。
【0102】
そして、心電あるいは脳波を測定する本システムによれば、特定の規格のセンサ1Bとは異なる規格のセンサ3Bの出力信号を処理して心電データあるいは脳波データを求めることができ、それを、前記特定の規格のセンサ1Bの出力信号を処理する測定装置本体2Bの表示部21Bに表示させることができる。
【0103】
本システムにおいて測定対象の生体関連情報を、筋電とした場合は、筋電検出用の生体電極をセンサ1B、3Bに用いる。
【0104】
そして、筋電を測定する本システムによれば、特定の規格のセンサ1Bとは異なる規格のセンサ3Bの出力信号を処理して筋電データを求めることができ、それを、前記特定の規格のセンサ1Bの出力信号を処理する測定装置本体2Bの表示部21Bに表示させることができる。
【0105】
本発明の生体関連情報測定システムは、前述した生体関連情報に限定されず、種々の生体の状態を表す生体情報と生体に影響を与える環境情報とに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の酸素飽和度測定システムの概略構成を示した図である。
【図2】図1に示した各部の詳細を示した図である。
【図3】図1および図2に示したコネクタ6を説明するための図である。
【図4】本発明の生体関連情報測定システムの概略構成を示した図である。
【図5】図4に示した各部の詳細を示した図である。
【図6】図4および図5に示したコネクタ6Aを説明するための図である。
【図7】図4および図5に示した測定システムにおいて使用する中継ケーブルを説明するための図である。
【図8】本発明の他の生体情報測定システムの詳細な構成を示した図である。
【図9】図8に示したコネクタ6Bを説明するための図である。
【符号の説明】
【0107】
1、1A、1B センサ(特定の規格のセンサ)
2、 酸素飽和度測定装置本体
2A、2B 測定装置本体
3、3A、3B センサ(他の規格のセンサ)
4、4A、4B 外部測定装置
5、6、7、8、9、5A、6A、7A、8A、9A、5B、6B、7B、8B、9B、 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコネクタを有する特定の規格のセンサと、
第2のコネクタを有し前記特定の規格とは異なる他の規格のセンサと、
前記第1のコネクタと実質的に接続される第3のコネクタと、この第3のコネクタを介して与えられる前記特定の規格のセンサの出力信号を処理してデジタル値の生体関連情報を求める第1の信号処理手段と、与えられたデータを表示する表示手段とを有する測定装置本体と、
前記第2のコネクタと実質的に接続される第4のコネクタと、この第4のコネクタを介して与えられる前記他の規格のセンサの出力信号を処理してデジタル値の生体関連情報を求める第2の信号処理手段と、前記第3のコネクタと実質的に接続され前記第2の信号処理手段が求めた生体関連情報を出力するための第5のコネクタとを有する外部測定装置と、を備え、
前記第3のコネクタは第1のグループの端子と第2のグループの端子とからなる複数の端子を有し、この第3のコネクタが前記第1のコネクタと実質的に接続されたときには前記第1のグループの端子を介して前記測定装置本体と前記特定の規格のセンサは電気的に接続され、
前記第3のコネクタと前記第5のコネクタが実質的に接続されたときには前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子を介して前記測定装置本体と前記外部測定装置が電気的に接続され、
前記測定装置本体は、前記第1の信号処理手段から与えられるデータと、前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子から与えられるデータのいずれか一方を前記表示手段に表示させるため、前記表示手段に前記第1の信号処理手段を接続するか、前記表示手段に前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子を接続するかの切り替えを行う切替手段を有することを特徴とする生体関連情報測定システム。
【請求項2】
前記切替手段は、前記第3のコネクタの端子に与えられる信号の状態に基づいて、前記第3のコネクタに前記第5のコネクタが実質的に接続されているか否かを判別する判別部と、この判別部が前記第3のコネクタに前記第5のコネクタが実質的に接続されていないと判断したときは前記表示手段に前記第1の信号処理手段を接続し、前記判別部が前記第3のコネクタに前記第5のコネクタが実質的に接続されていると判別したときは前記表示手段に前記第3のコネクタの前記第2のグループの端子を接続する切替部を有することを特徴とする請求項1に記載の生体関連情報測定システム。
【請求項3】
前記生体関連情報は、生体情報または生体の周囲環境の情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の生体関連情報測定システム。
【請求項4】
前記生体関連情報は、動脈血酸素飽和度であることを特徴とする請求項1または2に記載の生体関連情報測定システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の生体関連情報測定システムにおける前記測定装置本体。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の生体関連情報測定システムにおける前記外部測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−247375(P2006−247375A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21229(P2006−21229)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】