説明

生活異変監視システム

【課題】ペットの有無、自動的に水が使用される機器の有無などにあわせて不在設定から在室設定への自動切り替えをおこなうか否かの選択を可能にし、誤報のない生活異変監視システムを提供する。
【解決手段】集合玄関機1、居室親機5、管理室親機3、制御機2、居住者の状態を監視するため水が使用されたことを検知する水センサ9、居住者が動作したことを検知する動体検知センサ10等の生活異変監視センサとから構成され、居住者が外出するとき、帰宅したときに生活異変監視センサでの監視をおこなうか否かを設定するための在室/不在切替スイッチ6を備え、在室/不在切替スイッチ6が不在の状態において、水が使用されたこと、居住者が動作したこと等、生活異変監視センサが居住者を検出することができた場合に自動的に在室の状態に切り替える制御をおこなうか否かを設定するための在室自動切替スイッチを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活異変監視システムに係り、特に居住者が不在中に、水センサや動体検知センサが働いても、不在状態を維持して誤発報のない生活異変監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生活異変監視システムとして、居住者がでかけるときに不在設定とし、不在中は所定時間内に各種センサ(水センサ、動体検知センサ)が検知しない場合であっても生活異変として警報発報をおこなわないシステムが提案されている。このシステムにおいて、居住者が帰宅したときに不在設定を在室設定に変更忘れをすることで、監視状態を解除したままになり居住者の体調に異変が生じた場合に対処できなくなることを防止するため、不在設定されている状態で各種センサが検知した場合には在室設定に自動的に変更するようにし、確実に居住者の異変を監視できるようにしていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−109158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の生活異変監視システムは、不在中に、洗濯機やトイレが自動動作することで水センサが働いたり、人ではなく犬や猫などのペットが動くことにより動体検知センサが動作すると、自動的に在室状態となってしまう虞があった。この場合、居住者がいないにも関わらず、在室状態となり、水センサや動体検知センサが一定時間反応せず、人が動いていないと判断し、異常状態であるとして管理室親機へ通報してしまうこととなる。
本発明は、この難点を解決するためになされたもので、ペットがいる/いない、自動的に水が使用される機器がある/ないなどの居住者のライフスタイルにあわせて不在設定から在室設定への自動切り替えをおこなうか否かの選択を可能にし、誤報のない生活異変監視システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の第1の態様である生活異変監視システムは、高齢者集合住宅等のエントランスに設置され来訪者が居住者を呼び出すために操作する集合玄関機と、集合玄関機からの呼び出しを報知し、それを確認した居住者が来訪者と通話するための居室親機と、管理室に設置され居住者と通話するための管理室親機と、集合玄関機、居室親機及び管理室親機を制御する制御機と、居住者の状態を監視するため水が使用されたことを検知する水センサ、居住者が動作したことを検知する動体検知センサ等の生活異変監視センサとから構成され、居住者が外出するとき、帰宅したときに生活異変監視センサでの監視をおこなうか否かを設定するための在室/不在切替スイッチを備え、在室/不在切替スイッチが不在の状態において、水が使用されたこと、居住者が動作したこと等、生活異変監視センサが居住者を検出することができた場合に自動的に在室の状態に切り替える制御をおこなうか否かを設定するための在室自動切替スイッチを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の生活異変監視システムによれば、ペットがいる/いない、自動的に水が使用される機器がある/ないなどの居住者のライフスタイルにあわせて不在設定から在室設定への自動切り替えをおこなうか否かの選択を可能にし、誤報のない生活異変監視システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明における生活異変監視システムの構成図である。
【図2】本発明における生活異変監視システムのブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の生活異変監視システムを適用した好ましい形態の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例における生活異変監視システムのシステム構成図である。
高齢者集合住宅等のエントランスに設置され来訪者が居住者を呼び出すために操作する集合玄関機1と、集合玄関機1からの呼び出しを報知し、それを確認した居住者が来訪者と通話するための居室親機5と、管理室に設置され居住者と通話するための管理室親機3と、集合玄関機1、居室親機5及び管理室親機3を制御する制御機2とから構成され、居室親機5は住戸アダプター4を介して制御機2に接続されている。
また、住戸アダプター4には、居室親機5の他に、居住者の在室、不在の状態を切り替えて居住者の状態(容態)を監視するか否かを設定するための在室/不在切替スイッチ6、居室親機5を用いることなく管理室親機と通話するための天井マイク7、天井スピーカ8、居住者の状態(容態)を監視するための水センサ9、動体検知センサ10が接続されている。
【0009】
図2は、住戸アダプター4及び居室親機5のブロック図である。
住戸アダプター4は、制御機2と通信するための住戸アダプターIF41と、居室親機5、在室/不在切替スイッチ6、天井マイク7、天井スピーカ8、水センサ9、動体検知センサ10と通信するための住戸アダプターIF42と、居住者のライフスタイルにあわせて不在設定から在室設定への自動切り替えをおこなうか否かの選択をおこなうための在室自動切替スイッチ43と、住戸アダプター4内の各部を制御するための住戸アダプターCPU44とを有し、居室親機5は、住戸アダプター4と通信するための居室親機IF51と、集合玄関機1や管理室親機3と通話するためのハンドセット52、マイク53、スピーカ54と、居室親機5の各部を制御するための居室親機CPU55とを有している。
【0010】
このように構成されたインターホンシステムについて、以下、動作を説明する。
集合玄関機1又は管理室親機3からの呼び出しに応答するため、居室親機5のハンドセットを取り上げると、居室親機CPU55がハンドセット通話に入ったこと検出し、住戸アダプター4を介して制御機2に通知され、制御機2の制御により通話路を形成することについては従来と同様であるので詳述せず、ここでは、居住者の状態(容態)を監視する生活異変監視について詳述することとする。
居住者が住戸アダプター4の在室自動切替スイッチ43をオンさせて、不在状態において各種センサである水センサ9や動体検知センサ10が検知したとき、在室状態に自動的に切り替える設定にしていた場合についての動作は以下のとおりとなる。
【0011】
居住者は外出するにあたり、住戸アダプター4に接続された在室/不在切替スイッチ6を操作して不在に設定する。この状態は住戸アダプタIF42を介して住戸アダプターCPU44にて受信され、不在状態であることを記憶する。
この不在状態においては所定時間の間、水センサ9、動体検知センサ10が未検知状態であっても異常状態であるとは検出しない。具体的には、所定時間を計時するタイマを駆動させないことにより、異常状態を検出しないようにしたり、所定時間の間、水センサ9、動体検知センサ10が未検知状態であっても住戸アダプターCPU44を参照して、不在状態であれば異常状態としないように制御することにより実現される。
【0012】
居住者が帰宅し、住戸アダプター4に接続された在室/不在切替スイッチ6を操作して在室に設定すると、監視状態に移行し、所定時間の間、水センサ9、動体検知センサ10が未検知状態であると住戸アダプターCPU44が検出すると、天井マイク7、天井スピーカ8及び居室親機5のスピーカ54から警報を発報するよう制御するとともに、制御機2に対して異常信号を送信する。制御機2は、管理室親機3に当該異常信号を送信し、管理室親機3でも警報を報知する。
これを確認した管理人は、管理室親機3を操作して居室親機3又は天井マイク7、天井スピーカ8間で呼出、通話をおこなうこととなる。また、これに反応がない場合には、管理人が異常信号を検出した居室に赴き、居住者の状態を確認する。
また、居住者が帰宅し、住戸アダプター4に接続された在室/不在切替スイッチ6の操作を忘れて不在状態のままとしてしまった場合であっても、水を使用したり、居住者が動くことによって、水センサ9又は動体検知センサ10がこれを検知して住戸アダプター4の住戸アダプターIF42を介して住戸アダプターCPU44に通知し、不在状態から在室状態へ監視状態を変更する制御がおこなわれる。これにより、在室/不在切替スイッチ6の操作を忘れても監視状態に移行することができるので居住者の状態(容態)を監視することができる。
【0013】
次に、例えば、ペットがいる、自動的に水が使用される機器があるなどの居住者のライフスタイルにより、居住者が住戸アダプター4の在室自動切替スイッチ43をオフさせて、不在状態において各種センサである水センサ9や動体検知センサ10が検知したときであっても不在状態を維持する設定にしていた場合についての動作は以下のとおりとなる。
居住者は外出するにあたり、住戸アダプター4に接続された在室/不在切替スイッチ6を操作して不在に設定する。この状態は住戸アダプタIF42を介して住戸アダプターCPU44にて受信され、不在状態であることを記憶する。
【0014】
この不在状態においては所定時間の間、水センサ9、動体検知センサ10が未検知状態であっても異常状態であるとは検出しない。具体的には、所定時間を計時するタイマを駆動させないことにより、異常状態を検出しないようにしたり、所定時間の間、水センサ9、動体検知センサ10が未検知状態であっても住戸アダプターCPU44を参照して、不在状態であれば異常状態としないように制御することにより実現される。この点については上記実施例と同じ動作となる。
また、居住者が帰宅し、住戸アダプター4に接続された在室/不在切替スイッチ6を操作して在室に設定した場合も上記実施例と同じ動作となる。
【0015】
居住者が帰宅していない状況において、トイレの自動洗浄等で水が使用され水センサ9が検知した場合や、飼っているペットが動き動体検知センサ10が検知した場合には、この検知信号が住戸アダプター4の住戸アダプターIF42を介して住戸アダプターCPU44に通知される。ここで、住戸アダプターCPU44は、在室自動切替スイッチ43の状態を確認し、オフであることから在室状態への移行をおこなわず不在状態を維持する制御がおこなわれる。
これにより、居住者がいないにもかかわらず、監視状態に移行するような誤動作を防止することができるので誤報を防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0016】
1・・・ 集合玄関機
2・・・ 制御機
3・・・ 管理室親機
4・・・ 住戸アダプタ
43・・・ 在室自動切替スイッチ
5・・・ 居室親機
6・・・ 在室/不在切替スイッチ
7・・・ 天井マイク
8・・・ 天井スピーカ
9・・・ 水センサ
10・・・ 動体検知センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高齢者集合住宅等のエントランスに設置され来訪者が居住者を呼び出すために操作する集合玄関機と、前記集合玄関機からの呼び出しを報知し、それを確認した前記居住者が前記来訪者と通話するための居室親機と、管理室に設置され前記居住者と通話するための管理室親機と、前記集合玄関機、前記居室親機及び管理室親機を制御する制御機と、居住者の状態を監視するため水が使用されたことを検知する水センサ、居住者が動作したことを検知する動体検知センサ等の生活異変監視センサとから構成され、
居住者が外出するとき、帰宅したときに前記生活異変監視センサでの監視をおこなうか否かを設定するための在室/不在切替スイッチを備え、
前記在室/不在切替スイッチが不在の状態において、水が使用されたこと、居住者が動作したこと等、前記生活異変監視センサが居住者を検出することができた場合に自動的に在室の状態に切り替える制御をおこなうか否かを設定するための在室自動切替スイッチを備えたことを特徴とする生活異変監視システム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−175490(P2011−175490A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39489(P2010−39489)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】