生物学的物質の精製のための器具及び方法
生体分子を試料から単離する装置、方法及びキット。試料は、不溶性物質を含む、複雑な生物学的物質を含有している。この装置及びキットの一部の態様は、リザーバー及びリザーバー内に含まれた又はこれに結合されたかのいずれかの生体分子を捕獲するための手段を備える。リザーバーは、内面を有することができ、及び試料を含むように適合することができる。装置は更に、生体分子を捕獲する手段とリザーバーの内面の少なくとも一部の間に配置られたフィルター、並びにリザーバーの内面に規定された開口部を少なくとも1個備える。この方法の一部の態様は、試料の、生体分子を捕獲するために適合された固相との結合、不溶性物質の試料からの除去、及び固相からの生体分子の除去を含む。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
全般的に、生体分子を複雑な生物学的物質から単離するシステムにおいて、最初に不溶性物質が、いくつかの種類の濾過、遠心分離又は他の分離法のような公知の技術を用い、試料から除去される。不溶性物質が試料から除去された後、この試料は、関心のある生体分子及び他の可溶性物質を含有する。次に関心のある生体分子を捕獲するために使用されるいくつかの種類の固相又は他の物質を、試料の可溶性物質へ添加し、生体分子-固相複合体を形成する。再度濾過又は遠心分離のような公知の分離法を使用し、試料の他の可溶性物質から生体分子-固相複合体を単離することができる。最後に関心のある生体分子を、固相から除去し、関心のある生体分子を単離することができる。一般にこれらのシステムは、試料が任意の固相と結合される以前に、試料から任意の不溶性物質を最初に除去することが必要である。
【発明の開示】
【0002】
発明の概要
本発明の一部の態様は、生体分子を単離する方法を提供する。この方法は、生体分子及び不溶性物質を含有する試料を提供する工程;フィルターを備えるリザーバーを提供する工程であり、このリザーバーは固相を含むように適合され、この固相は生体分子を捕獲するように適合されている工程;試料をリザーバーへ添加する工程;試料を固相と結合する工程;並びに、不溶性物質をフィルターを通過させることにより、不溶性物質を試料から除去する工程であり、このフィルターは、固相がそこを通過することを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む。
【0003】
本発明の一部の態様において、生体分子を試料から単離する装置が提供される。試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この装置は、フィルターを備えるリザーバーであり、このリザーバーは固相を含むように適合され、この固相は生体分子を捕獲するように適合されている、リザーバー;不溶性物質はそこを通過することができると同時に、固相がそこを通過することは実質的に防ぐような平均孔径を有する、フィルター;を備える。
【0004】
本発明の一部の態様は、生体分子を試料から単離するためのキットを提供し、この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。このキットは、各第一のリザーバーがフィルターを備える、複数の第一のリザーバー;生体分子を捕獲するように適合された固相であり、各第一のリザーバー内に少なくとも部分的に含まれる、固相;そこを不溶性物質は通過することができるが、固相がそこを通過することは実質的に防ぐ平均孔径を有する、フィルター;を備える。
【0005】
本発明の一部の態様において、生体分子を試料から単離する装置が提供される。この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この装置は、生体分子を捕獲するように適合された、固相;内面を備えるリザーバーで、試料及び固相を含むように適合されている、リザーバー;並びに、固相と、リザーバーの内面の少なくとも一部の間に配置されたフィルターであり、固相の通過を防ぐが、不溶性物質の通過は可能なように適合されている、フィルター;を備える。
【0006】
本発明の一部の態様は、生体分子を試料から単離する方法を提供し、この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この方法は、内面を備えるリザーバーであり、このリザーバーは試料を含むように適合され、内面は生体分子を捕獲するように適合された固相を含む、リザーバーを提供する工程;試料をリザーバーへ添加し、固相に生体分子を捕獲させる工程;不溶性物質を試料から除去する工程;並びに、生体分子を固相から除去する工程を含む。
【0007】
本発明の一部の態様は、試料から生体分子を単離する装置を提供する。この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この装置は、内面を備えるリザーバーであり、内面が生体分子を捕獲するように適合された固相を含む、リザーバー;及び、リザーバーの内面に規定された開口部であり、不溶性物質がリザーバーから除去されるように適合されている開口部を備える。
【0008】
本発明の一部の態様は、生体分子を単離する方法を提供する。この方法は、生体分子及び不溶性物質を含有する試料を提供する工程;試料を固相と結合する工程であり、固相が、生体分子を捕獲するように適合されている工程;不溶性物質を試料から除去する工程;並びに、生体分子を固相から除去する工程;を含む。
【0009】
本発明の一部の態様は、生体分子を試料から単離する方法を提供し、この方法は、フィルターを備えるリザーバーであり、リザーバーが固相を備えるように適合され、固相が生体分子を捕獲するように適合されたリザーバーを提供する工程;固相を試料と結合する工程;固相を試料と結合するのと実質的に同時に、試料から生体分子を抽出する工程;生体分子を固相で捕獲する工程;並びに、捕獲されない物質をフィルターを通り通過させることにより、捕獲されない物質を試料から除去する工程であり、フィルターは、固相がそれを通ることを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む。
【0010】
本発明の一部の態様において、生体分子を試料から単離する装置が提供される。この試料は、生体分子及び不溶性物質を含む。この装置は、内面を備えるリザーバーであり、試料を少なくとも部分的に含むように適合されたリザーバー;生体分子を捕獲する手段;並びに、生体分子を捕獲する手段とリザーバーの内面の少なくとも一部の間に配置されたフィルターであり、それを通る生体分子を捕獲するための手段の通過を阻害すると同時に、不溶性物質はそれを通り通過することを可能にするように適合されたフィルター、並びにリザーバーの内面に規定された開口部であり、不溶性物質がリザーバーから除去されることを可能にするように適合された開口部:の少なくともひとつ;を備える。
本発明の他の特徴及び局面は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面を参照し、当業者には明らかになるであろう。
【0011】
本発明の任意の態様を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明において示された又は以下の図面において図示された構成要素の構造及び配置の詳細へのその適用に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、他の態様であることが可能であり、及び様々な方法で実践又は実施することが可能である。同じく、本願明細書において使用される語句及び用語は、説明が目的であり、限定とはみなされるべきではないことも理解されるべきである。「備える(including)」、「含む(comprising)」、又は「有する(having)」及び本願明細書のそれらの様々なものの使用は、以下に列記された事項及びそれらの同等物、更には追加の事項を包含することを意味する。用語「搭載された(mounted)」、「連結された(connected)」及び「結合された(coupled)」は、広範に使用され、及び直接及び間接の搭載、連結及び結合の全てを包含している。更に「連結された」及び「結合された」は、物理的又は機械的連結又は結合に限定されない。
【0012】
詳細な説明
本発明は概して、生体分子を試料から単離するための器具、方法及びキットに関する。
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「複雑な生物学的物質」は、生存している生物(すなわち、原核生物、真核生物、ウイルス、又は他の生物界(kingdom of life)に由来する生物)の中に生じる、又はそれらにより形成される、生物学的物質、又はそれらの誘導体を意味し、並びに不溶性物質を含む。例えば、「複雑な生物学的物質」は、非限定的に、細胞溶解液、血液、尿、糞便、細胞、組織、臓器、植物材料、食品原料、水、土壌の少なくとも1種及びそれらの組合せを含む。
【0013】
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「固相」は、試料及び固相の結合の結果として、関心のある生体分子を試料(例えば、複雑な生物学的物質)から捕獲するために選択される物質を意味する。
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「生体分子」は、生存している生物(すなわち、原核生物、真核生物、ウイルス、又は他の生物界に由来する生物)において生じる、又はそれらにより形成される、分子又はそれらの誘導体を意味する。例えば生体分子は、非限定的に、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む。更に生体分子は、非限定的に、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、ヒスチジン(His)タグ付きタンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む。
【0014】
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「可溶性物質」及び「不溶性物質」は、ある条件下で所定の媒体中に比較的可溶性又は不溶性の物質を意味する。「可溶性物質」は、特に所定の言及された条件下で、溶液となる、そのシステムの溶媒中に溶解することができる物質である。「不溶性物質」は、特に所定の言及された条件下で、溶液とならず、そのシステムの溶媒に溶解しない物質である。
【0015】
図1-3は、内面104を有するリザーバー102、リザーバー102内に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された固相106、固相106と内面104の少なくとも一部の間に配置されたフィルター108、フィルター108の縁の回りの適切な封止を維持するためにフィルター108の縁及び内面104の一部に隣接して配置された封止形成器具112(例えば、O型リング)、並びにリザーバー102の内面104に規定された開口部110を備える、生体分子単離装置100を図示している。
【0016】
リザーバー102は、生体分子単離装置100の複数のリザーバー102のひとつであることができ、マルチ-ウェルプレート105(図5A-5Cに図示され、以下により詳細に説明される)、ピペットチップ605(図8に図示され、以下により詳細に説明される)、キャピラリーカラム705(図9に図示され、以下により詳細に説明される)、バスケット805(図10に図示され、以下により詳細に説明される)及びそれらの組合せにより、少なくとも部分的に規定されることができる。
【0017】
図1-3に図示されたリザーバー102は、マルチ-ウェルプレート105(例えば、当該技術分野において公知の96-ウェル組織培養プレート)のウェルにより規定される。図1-3に図示されたリザーバー102は、一般に均一な断面を有する一般的円筒形である。しかしリザーバー102の断面は、必ずしも円形又は均一ではなく、上端114及び/又は下端115に向かい先細であることができることは理解されるべきである。リザーバー102は、非限定的に、半球、円錐、円錐切頭形、箱型など、及びそれらの組合せを含む、様々な他の形状を有することができる。
【0018】
図1-3に図示された固相106は、複数の粒子116を含む。しかし、わずか1個の粒子116を本発明で使用することができ、及びリザーバー102内に構造的に可能な限り多くが含まれることは注意されなければならない。特に、使用される粒子116の量は、単離されるべき関心のある生体分子122の望ましい量に応じて決めることができる。各粒子116は、一般に球形として、図1-3に図示されている。しかし任意の粒子116の形状を、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、使用することができる。加えて、各粒子116の多孔度(例えば平均細孔容積、平均孔径、総細孔容積などにより特徴付けられる)並びに表面積は、関心のある生体分子122に適するように制御することができる。例えばhisタグ付きタンパク質を単離するためにニッケルイオンを含む粒子116は、平均孔径約0.1μm(1000Å)を有することができる。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、変動するパラメータを伴う多くの様々な粒子116を、本発明で使用し、様々な生体分子を様々な試料から単離することができることを認めるであろう。
【0019】
様々な固相106を本発明で使用し、様々な生体分子を試料から単離することができる。以下により詳細に説明されるように、固相106は、望ましい生体分子を本質的に捕獲するその能力を基に選択することができるか、又は固相106は、望ましい生体分子を捕獲するように修飾することができる。結果として、関心のある特定の生体分子122を捕獲するように適合されている固相106は、生体分子122を捕獲するように本質的に適合することができるか、又はこれは生体分子122を捕獲するように修飾することができる。関心のある生体分子122を捕獲する固相106の容積は一般に、単離されるべき生体分子122の量よりも大きい。
【0020】
固相106は、以下により詳細に説明されるように、様々な物質により作製することができ、様々な溶液中に浮遊するか、又はリザーバー102内で沈降するかのいずれかであることができる。一部の態様において、固相106は、試料が固相106の全ての外面の回りを自在に移動することができるように、浮遊される。一部の態様において、固相106は、リザーバー102内で重力により沈降し、その結果試料は、リザーバー102中で沈降している固相106を流れ過ぎることができる。一部の態様において、固相106は、浮遊する粒子116及びリザーバー102内に沈降している粒子116の組合せで形成することができる。
【0021】
フィルター108は、リザーバー102の内面104の少なくとも一部と固相106の間に配置される。フィルター108は、固相106により捕獲されない試料からの物質をリザーバー102から除去すると同時に、リザーバー102内に固相106及び固相106により試料から捕獲されている生体分子122を維持することができる。結果として、フィルター108の平均孔径又はメッシュサイズは、固相106中の粒子116のサイズにより少なくとも部分的に決定される。加えてフィルター108の平均孔径又はメッシュサイズは、試料の粘度、及び試料中に存在するいずれかのデブリ(debris)のサイズにより、少なくとも部分的に決定される。すなわち、粒子116のサイズがより小さいならば、リザーバー102中の固相106の粒子116を保持するためにフィルター108により必要とされる平均孔径又はメッシュサイズはより小さくなる。しかし試料がより粘度が高いと、固相106により捕獲されない試料中の物質を通過させるために、より大きい平均孔径又はメッシュサイズが必要となる。結果として、フィルター108の平均孔径又はメッシュサイズは、(1)リザーバー102中の固相106を維持するため、及び(2)試料中の捕獲されない物質をそれを通過させるために、調節されることが必要である。捕獲されない物質は、不溶性物質、捕獲されない関心のある生体分子122、試料中に存在する他の生体分子などを含む、固相106により捕獲されない試料のいずれかの部分を含むことができる。フィルター108は、織メッシュ(例えば、ワイヤメッシュ、布メッシュ、プラスチックメッシュなど)、篩、アブレーションフィルム(例えば、レーザーアブレーションフィルム、熱アブレーションフィルムなど)、穿孔フィルム、ガラスウール、フリット、フィルターペーパーなどの少なくとも1種、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0022】
本発明の一部の態様において、図2-3に図示されたように、フィルター108は、封止形成器具112の真上に配置され、及びリザーバー102の底面113からわずかな距離に配置される。しかし一部の態様において、フィルター108及び封止形成器具112は、リザーバー102の底面113からより大きい距離に配置される。封止形成器具112は、フィルター108とリザーバー102の底面113の間に配置される必要はないことは注意されなければならない。すなわち一部の態様において、封止形成器具112は、リザーバー102のフィルター108の上に配置される。一部の態様において、封止形成器具112は、フィルター108の縁と、リザーバー102の内面104の間に挟まれる。
【0023】
一部の態様において、図2-3に図示されたように、リザーバー102は、底面113を備え、及びリザーバー102の開放上端114の断面サイズは、リザーバー102の開放下端115に規定された開口部110の断面サイズよりも大きい。しかし一部の態様において、開放上端114の断面サイズは、開放下端115の断面サイズと同じサイズであるか又はより小さいことができる。そのような態様において、リザーバー102は、底面113を備えず、並びにフィルター108及び封止形成器具112は、リザーバー102内の垂直位置に配置することができる。
【0024】
図1-3に図示された態様において、フィルター108は、平坦であり、リザーバー102の軸線A-Aに関して実質的に垂直に配置される。一部の態様において、リザーバー102は底面113を備えるかどうかにかかわらず、フィルター108は平坦ではなく、しかし代わりに隣接するリザーバーの内面104の任意の位置に嵌合するよう曲線であるか、波形であるか、又はリザーバー102内に軸線A-Aに関して90°以外の角度で配置される。フィルター108の任意の形状及び配向は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0025】
一部の態様において、生体分子単離装置100は、フィルター108を備えない。例えば一部の態様において、固相106は、1個又は複数の比較的大きい粒子116を含み、これらの粒子116は、粒子116がフィルター108を使用せずにリザーバー102内に保持されるようなサイズである。そのような態様において、1個又は複数の開口部110は、固相106がリザーバー102内に保持される一方、不溶性物質がリザーバー102を通り抜けるように、リザーバー102の内面104内に規定することができる。
【0026】
一部の態様において、生体分子単離装置100は、開口部110を備えない。すなわち一部の態様において、リザーバー102の底面113は閉鎖されている。そのような態様において、固相106により捕獲されない試料からの不溶性物質(及び任意の捕獲されない物質)は、リザーバー102の底に含むことができ、及び捕獲された生体分子122を伴う固相106は、固相106からの生体分子122を除去するために別の器具へ移すことができる。すなわち、不溶性物質が目詰まりを伴わずに固相106及び関心のある生体分子122から分離される限りは、不溶性物質は、リザーバー102から完全に除去される必要はない。
封止形成器具112は、様々なポリマー、エラストマー、複合材料などから形成することができる。封止形成器具112は、リザーバー102からの分離要素であることができるか、又は封止形成器具112は、リザーバー102と一体化して形成することができる。
【0027】
前述のように、粒子116のサイズは、本発明の生体分子単離装置100を用いて単離されるべき生体分子122に応じて少なくとも部分的に決まるであろう。一部の態様において、粒度(すなわち、一般に球形の粒子116の直径)は、約80μmよりも大きく、特に100μmよりも大きく、より特定すると約120μmよりも大きい。加えて粒度は、約240μm未満、特に220μm未満、より特定すると200μm未満である。従ってフィルター108を使用する態様において、フィルター108の平均孔径は、約200μm未満、特に約150μm未満、より特定すると約100μm未満である。加えてフィルター108の平均孔径は、リザーバー102から捕獲されない物質を適切に除去するために、約75μmよりも大きく、特に約90μm(170メッシュサイズ)よりも大きく、より特定すると約100μmよりも大きい。使用される粒子116の実際のサイズ及び使用されるフィルター108の平均孔径は、用途(例えば、使用される複雑な生物学的物質の種類、関心のある生体分子122、試料の粘度など)に応じて変動するであろう。当業者は、粒子116のサイズ及びフィルター108の平均孔径を、先に説明された関係を基にした適用に適するように容易に変更することができる。
【0028】
前述のように、フィルター108の平均孔径は、試料の粘度に応じ少なくとも部分的に決定することができる。試料の粘度は、細胞数により少なくとも部分的に決定することができる(特に試料が細胞又は細胞溶解液を含む態様において)。粘度及び細胞数は、非限定的に、細胞が増殖又はインキュベーションされる培地の種類、細胞が増殖又はインキュベーションされる培地において使用される添加剤、培地の温度(すなわち、細胞が増殖又はインキュベーションされる温度)、細胞が増殖又はインキュベーションされる時間の長さなどを含む、いくつかの要因に応じ少なくとも部分的に決定される。例えば、Terrificブロス(TB)を含む培地は、Luriaブロス(LB)を含む培地よりも、濃度(すなわち細胞数)の3倍の増加につながり、これにより粘度の上昇につながり得る。
【0029】
核酸、タンパク質及び他の巨大分子は様々な方法により破壊され(すなわち、断片化及び/又は加水分解され)、試料の粘度を低下し、及び固相106を通過する試料の流量を増加することができる。固相106を通過し及びリザーバー102から出る試料の粘度を低下し及び流量を増加するための、試料中の核酸、タンパク質及び他の巨大分子の破壊は、酵素的方法、化学的(すなわち非酵素的)方法、機械的方法の少なくともひとつ、及びそれらの組合せを使用し実現することができる。酵素的方法は、非限定的に、ヌクレアーゼ(例えばDNase及びRNase)及びプロテアーゼのような酵素の試料への添加を含むことができる。化学的方法は、非限定的に、Ce(IV)、Pr(III)、ジセリウム錯体、フェナジンジ-N-酸化物、ジエチレントリアミンとのマグネシウム(II)錯体の少なくとも1種、及びそれらの組合せの試料への添加を含むことができる。機械的方法は、非限定的に、音波処理、フレンチプレスの使用の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含むことができる。試料の粘度の低下は、試料がフィルター108を目詰まりする可能性も低下する。
【0030】
加えて、上昇した温度が試料の特性又は関心のある生体分子122と固相106の間の相互作用を著しく妨害しない限りは、より温かい培地は一般に、より低い粘度及びより高い流量につながるであろう。
更に、試料の粘度が余りにも低い(すなわち流量が従って、固相106と試料の間の十分な相互作用を可能にするには、余りにも高い)場合には、流量を低下するために、添加剤を試料に添加することができる。このような添加剤は、非限定的に、DNAと結合及びネットワークを形成することができるマカロイドクレイ;ポリエチレングリコール(PEG);ポリピニルピロリドン;フィコール;などの少なくとも1種を含むことができる。更に低下した温度が試料の特性又は関心のある生体分子122と固相106の間の相互作用を著しく妨害しない限りは、より冷えた培地は一般に、より高い粘度及びより遅い流量につながるであろう。
【0031】
本発明の一部の態様において、特定の試料及び関心のある生体分子について、ある種の粘度及び関連した流量が、関心のある生体分子122と固相106の間に適切な相互作用又は会合を実現するために必要である。すなわち一部の態様において、試料が非常に迅速に固相106を流れ過ぎ及びリザーバー102を出ることが可能であるならば、生体分子122は、固相106と相互作用するのに適切な時間を与えられず、並びに試料の残余部分から適切に単離されないであろう。特定の試料に関するある流量を実現するために、試料の粘度が増加もしくは減少されるか、又はフィルター108の平均孔径が増大もしくは減少することができる。
【0032】
加えて一部の態様において、試料は、リザーバー102よりも、異なる容器中で固相106の粒子116とインキュベーションすることができる。これは、例えば、リザーバー102を通る試料の流量が、試料と粒子116(又は以下に説明される別の固相)の間の十分な相互作用を可能にするには余りにも高いような状況において有用であることができる。固相106の粒子116は、粒子116及び試料の混合物をリザーバー102へ添加する前にある期間、試料と混合することができる。試料が粒子116とインキュベーションされる時間量は、用途に応じて変動することができる。粒子116の試料との予備混合は、試料と粒子116の間の相互作用を増強する簡便な方法を提供することができる。試料の粒子116とのインキュベーション期間に、試料及び粒子116は、相互作用を増強するために、攪拌、ボルテックス、振盪などすることができる。
【0033】
更に、試料が溶解液を含む態様において、溶解工程は、試料と固相106の粒子116との結合と実質的に同時に起こることができる。すなわち、関心のある生体分子122は、試料から抽出することができ、及び試料は、抽出工程と結合工程の間に試料を濾過、分離又は精製することなく、粒子116(又は以下に説明される別の固相)と結合することができる。一部の態様において、粒子116(又は以下に説明されたような他の固相)は、関心のある生体分子122の試料からの抽出の前に、試料と結合される。一部の態様において、試料からの関心のある生体分子122の抽出後に、粒子116は試料と結合される。一部の態様において、粒子116は、関心のある生体分子122が試料から抽出されるのと同時に、試料と結合される。
【0034】
試料の複雑な生物学的物質に応じて、様々な方法を使用し、関心のある生体分子122を試料から抽出することができる。例えば抽出は、試料中の細胞の溶解、試料中の細胞の透過度の増加(すなわち細胞膜及び/もしくは細胞壁の透過度の増加)、並びに/又は粒子116が関心のある生体分子122の捕獲を可能にするか、もしくは粒子116の関心のある生体分子122の捕獲能を増強する任意の他の方法を含むことができる。細胞の溶解は、酵素的方法、化学的(すなわち非酵素的)方法、機械的方法の少なくとも1種、及びそれらの組合せを使用し、実現することができる。酵素的溶解法は、非限定的に、リゾチーム、プロナーゼの少なくとも1種及びそれらの組合せの試料への添加を含むことができる。化学的溶解法は、非限定的に、界面活性剤、ペプチド(例えばポリミキシンB)の少なくとも1種、及びそれらの組合せの試料への添加を含むことができる。機械的溶解法は、非限定的に、音波処理、フレンチプレスの使用の少なくとも1種及びそれらの組合せを含む。
【0035】
加えて粒子116は、関心のある生体分子122の抽出及び試料の粒子116との結合と実質的に同時に、試料から関心のある生体分子122を捕獲することができる。抽出工程、結合工程及び捕獲工程は、逐次的に及び異なる容器において実行することができるが、これらの工程の「実質的に同時に」行われるとは、これらの工程が、間に濾過工程、分離工程又は精製工程を伴わずに行われることを意味することは理解されるべきである。加えて試料の粘度は、抽出工程、結合工程及び捕獲工程の1種又は複数により、実質的に同時に増加又は減少することができる(例えば、ヌクレアーゼは試料へ添加することができる)。
【0036】
図1-3に関して、関心のある生体分子122は、生体分子単離装置100を使用し、複雑な生物学的物質の任意の試料から単離することができる。関心のある生体分子122及び不溶性物質を含む試料は、試料のリザーバー102への添加、及び試料を固相106と相互作用させることにより、固相106と結合することができる。固相106は、修飾されるか、又は本質的に試料から関心のある生体分子122を捕獲するであろう。試料は更に、関心のある生体分子122ではない他の可溶性物質を含むことができる。試料中に存在する不溶性物質及び任意の他の可溶性物質(これは関心のない他の生体分子を含み得る)は、非限定的に、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離などの少なくとも1種及びそれらの組合せを含む、様々な方法により、リザーバー102から除去することができる。図1-3に図示された態様は、固相106により捕獲されない試料の任意の物質は、開口部110により除去することができるように、開口部110を備える。
【0037】
図1及び2は、フィルター108によりリザーバー102内に含まれた固相106、及び固相106の粒子116により捕獲された関心のある生体分子122のいくつかの分子を概略的に図示している。特に、生体分子122は、粒子116の外面118により捕獲されるように示されている。別の態様において、当業者に公知の方法(例えば、溶出、吸引、磨砕、攪拌など)により生体分子122が固相106から容易に除去される限りは、生体分子122は、固相106の一部により内側に捕獲されるか、又はカプセル封入され得る。
【0038】
生体分子122は、非限定的に、イオン結合、静電気相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、タンパク質-タンパク質相互作用、抗体-抗原結合、DNA-DNAハイブリッド、RNA-DNAハイブリッド、オリゴヌクレオチドハイブリッドなど、及びそれらの組合せなどの非-共有結合を含む、様々な強力な及び弱い相互作用により、固相106と相互作用することができる。
【0039】
図3は、固相106及びリザーバー102から除去された後の、生体分子122のいくつかの分子を概略的に図示している。特に図3は、第二のリザーバー120を図示している。リザーバー102同様、第二のリザーバー120は、マルチ-ウェルプレート(図5Cに図示され及び以下に説明された第二のマルチ-ウェルプレート166など)、ピペットチップ、キャピラリーカラムの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより少なくとも部分的に規定することができる。第二のリザーバー120は、生体分子122が試料、リザーバー102及び固相106から除去された後、これを受け取るために、第二のリザーバー120がリザーバー102と流体係合するように、配置される。特に第二のリザーバー120は、リザーバー102の内面104に規定された開口部110と流体係合する開放端124を備える。第二のリザーバー120は更に、第二のリザーバー120が単離された生体分子122を含むように適合された閉鎖端126を備える。
【0040】
前述のように、生体分子122は、溶離を含む、当該技術分野において公知の様々な方法により、固相106から除去することができる。すなわち生体分子122と固相106の間の相互作用又は会合を妨害するであろう溶離液は、リザーバー102へ添加し、及び前述の任意の除去技術(すなわち、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離など、及びそれらの組合せ)により除去することができる。溶離液は、リザーバー102内で固相106と予め決定された期間インキュベーションすることができる。全ての生体分子122が固相106から除去されたことを確実にするために、溶離工程、又は他の除去技術は、1回又は複数回反復することができる。加えて固相106を洗浄し、除去を増強し、及び生体分子122の固相106からの収量を増加するために、1回又は複数の洗浄工程において(すなわち、溶離液が添加される前)、洗浄液がリザーバー102へ添加される。当業者に周知であるように、反復された溶離工程を使用し、単離された生体分子の収量を増加することができる。
【0041】
図4は、本発明の別の態様の生体分子単離装置200を図示している。この生体分子単離装置200は、内面204を有するリザーバー202を備えている。図4に図示されたリザーバー202は、マルチ-ウェルプレート(図示せず)により規定される。内面204の少なくとも一部は、関心のある生体分子122を試料から捕獲するように適合された固相206を備える。固相206を含む内面204の部分は、図4に図示されたように織目加工されており、その結果固相206を含む内面204の部分は増加した表面積を有し、より多くの関心のある生体分子122が固相206と相互作用することができる。生体分子単離装置200において固相206として作用する織目加工された内面204は、本質的に試料から関心のある生体分子122を捕獲する物質で形成することができるか、又は織目加工された内面204は、関心のある生体分子122を捕獲するように帯電、コーティング又はそれ以外に修飾され得る。
【0042】
一部の態様において、固相206を含む内面204の部分は、織メッシュ、篩、アブレーションフィルム、穿刺フィルム、ガラスウール、フリット、フィルターペーパーの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより規定することができる。例えば、織メッシュは、リザーバー202の内面204の少なくとも一部、従って固相206の少なくとも一部を形成することができる。織メッシュは、本質的に試料から関心のある生体分子122を捕獲する物質で形成することができるか、又は織メッシュは、関心のある生体分子122を捕獲するために帯電されるか、コーティングされるかそれ以外に修飾されることができる。例えば固相206は、試料からhisタグ付きタンパク質を単離するために、正帯電されたニッケルイオンでコーティングされたステンレス鋼メッシュで形成することができる。固相206が織メッシュを含む態様において、メッシュの平均孔径は、試料中の生体分子122が固相206と適当な時間相互作用することができるように、メッシュを通じ試料の流量を制御するように、設定されるであろう。
【0043】
図4に図示されたような織目加工された内面204を固相206として利用する態様において、試料201は、リザーバー202へ添加し、リザーバー202内に含むことができる。試料201中の関心のある生体分子122は、リザーバー202の内面204と一体化して形成された固相206と相互作用させることができる(固相206は、本質的に内面204を形成する物質の一部であるか、又は内面204は、生体分子122を捕獲することが可能である固定された固相106を備えるために、帯電、コーティング又はそれ以外に修飾される。)。関心のある生体分子122が固相206と相互作用するのに適当な時間の経過後、試料中の不溶性物質及び任意の捕獲されない可溶性物質は、リザーバー202から除去することができる。不溶性物質、及び任意の他の捕獲されない物質は、前述の除去技術(すなわち、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離など、及びそれらの組合せ)を使用し、試料201及びリザーバー202から除去することができる。捕獲されない物質を試料201及びリザーバー202から除去するために、図4に図示したように、開口部210を、リザーバー202の内面204に規定することができる。必要な開口部201のサイズに応じ、開口部210は、試料201がリザーバー202へ添加される前又は後に、内面204で規定することができる。図4に図示された態様において、開口部210は、試料201がリザーバー202へ添加された後に、内面204で規定される。開口部210は、非限定的に、穿孔、打抜き、型押し、成形、錐もみなどの少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、様々な技術により、内面204に規定することができる。
【0044】
本発明の一部の態様において、開口部210は、生体分子単離プロセスを通じて内面204に規定することができ、開口部210を通る試料201の流れは、様々なバルブ(例えばチェックバルブ、ソレノイドバルブなど)のいずれかにより、制御することができる。別の態様において、開口部210は、機械的及び断続的に封止することができる。例えばフィルム被覆は、開口部210上に配置することができる(例えば、フィルム被覆は、その中にリザーバー202が規定されているマルチ-ウェルプレートの少なくとも一部の上に配置することができる)か、又はプラグを使用し、開口部210を閉じると同時に、試料を、固相206(例えば、マルチ-ウェルプレートに規定された1個又は複数のリザーバー204を同時に塞ぐように集成された複数のプラグを伴うシート)と相互作用させることができる。
【0045】
図5A-5Cは、本発明の生体分子単離システム150のひとつの態様及び生体分子単離システム150を使用し生体分子を試料から単離する方法を図示している。この生体分子単離システム150は、単なる例として示されており、限定が意図されるものではない。生体分子単離システム150は、真空マニホールド152、及びマルチ-ウェルプレート105、すなわち生体分子単離システム150内の第一のマルチ-ウェルプレート105を備える。第一のマルチ-ウェルプレート105は、先に説明され及び図1-3に図示されたような、複数の生体分子単離装置100を備える。従って第一のマルチ-ウェルプレート105は、複数のリザーバー102を備える。
【0046】
図5A及び5Bは、真空濾過により試料から不溶性物質及び任意の他の捕獲されない物質を除去するための分離機構(set up)を図示している。図5Aは、分離機構の分解図であり、及び図5Bは、組立図を示している。第一のマルチ-ウェルプレート105は、真空マニホールド152に隣接して嵌合し、第一のマルチ-ウェルプレート105のリザーバー102が排気されるように、真空マニホールド152中の排気バルブ158と流体係合している。
図5A及び5Bに図示された分離機構は、不溶性物質が除去された後の洗浄工程のために使用することもできる。洗浄工程の間に、特定の生体分子-固相複合体に適した洗浄液を、各リザーバー102へ添加し、真空マニホールド152を使用する真空濾過により除去することができる。特に洗浄液は、固相106と試料の間の相互作用を破壊してはならないが、捕獲されない物質(すなわち不溶性物質、可溶性物質、及び関心のない他の生体分子)の試料からの除去は増強しなければならない。
【0047】
図5Cは、生体分子と固相の間の相互作用を破壊するために、特定の生体分子-固相複合体に適した溶離液が添加され得る期間の、溶離機構の分解図を図示している。溶離液は、各リザーバー102へ添加され、溶離マニホールド162及び溶離マニホールドカラー164を使用する、真空濾過により除去される。図5Cに図示されたように、生体分子単離システム150は更に、生体分子122(及び任意の溶媒)を固相106から溶離された後に受け取るために、第一のマルチ-ウェルプレート105と流体係合して配置することができる、第二のマルチ-ウェルプレート166を備える。第二のマルチ-ウェルプレート166は、第一のマルチ-ウェルプレート105中の複数のリザーバー102との流路中に複数の第二のリザーバー120を備える。第二のリザーバー120は、前述及び図3に図示されたように、単離された生体分子122を受け取るよう配置される。当業者に周知であるように、その後生体分子122は、非限定的に、遠心分離、重力濾過、真空濾過など、及びそれらの組合せを含む、様々な公知の技術により、溶離液から単離することができる。
【0048】
図5A-5Cに図示された生体分子単離システム150は、生体分子単離装置100に関して先に説明されており、複数の生体分子単離装置100を含むように説明されている。しかし一部の態様においては、生体分子単離システム150は、図4に図示され及び先に説明されたような、複数の生体分子単離装置200を備える。加えて生体分子単離システム150は、各々、図6-10に図示され及び以下に説明されるように、複数の生体分子単離装置400、複数の生体分子単離装置500、複数の生体分子単離装置600、複数の生体分子単離装置700、及び/又は複数の生体分子単離装置800を備えることができる。一部の態様において、生体分子単離システム150は、生体分子単離装置100、生体分子単離装置200、生体分子単離装置400、生体分子単離装置500、生体分子単離装置600、生体分子単離装置700、生体分子単離装置800の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む。
【0049】
図6は、本発明の別の態様に従う、生体分子単離装置400を図示している。生体分子単離装置400は、ピペットチップ405により規定されたリザーバー402を備える。リザーバー402は、内面404を備える。内面404の少なくとも一部は、試料から関心のある生体分子122を捕獲するために適合された固相406を備える。固相406を備える内面404の一部は、図4に図示された織目加工された内面204と同様に、織目加工されることができ、その結果固相406を含む内面404の一部は増大した表面積を有する。生体分子単離装置400内の固相406として作用する内面404の一部は、試料から関心のある生体分子122を本質的に捕獲する物質で形成することができるか、又は内面404は、関心のある生体分子122を捕獲するように、帯電、コーティングもしくはそれ以外で修飾することができる。
【0050】
関心のある生体分子122を含有する試料を、当業者に公知の標準ピペッティング手法を用い、リザーバー402へ添加し、固相406と結合することができる。例えば試料は、ピペットチップ405の先端部分407に規定された開口部410へと吸込み、ピペットチップ405の内部により規定されたリザーバー402の容積の少なくとも一部を満たすことができる。その後試料を、リザーバー内で保持し、振り落とし、及び/又は振盪し、生体分子122を固相406と相互作用することができる。生体分子122が固相406と相互作用するのに十分な時間が経過した後、不溶性物質及び任意の捕獲されない物質は、標準ピペッティング手法を用い、リザーバー402から物質を駆出することにより、リザーバー402から除去することができる。その後生体分子122は、先に説明された除去技術のいずれかを用い、固相406から除去することができる。例えば試料、固相406、及びリザーバー402の少なくとも1種から捕獲されない物質の除去を増強するために、洗浄液をピペットチップ405の先端部分407に規定された開口部410へ吸込むことができる。加えて溶離液は、生体分子122と固相406の間の相互作用を破壊するために同様の様式で、ピペットチップ405へ吸込むことができる。溶離液は、標準ピペッティング手法を用い駆出することができ、及び単離された関心のある生体分子122は収集することができる。単離された関心のある生体分子122は、開口部410と流体係合して配置された第二のリザーバー(図示せず)内に収集することができる。加えて反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用いて行うことができる。
【0051】
図7は、本発明の別の態様の生体分子単離装置500を図示している。生体分子単離装置500は、キャピラリーカラム505により規定されたリザーバー502を備える。リザーバー502は、内面504を備える。内面504の少なくとも一部は、試料から関心のある生体分子122を捕獲するために適合された固相506を備える。内面504は、関心のある生体分子122を本質的に捕獲する物質で形成されることにより、固相506を含むことができるか、又は内面504は、関心のある生体分子122を捕獲するように、帯電、コーティングもしくはそれ以外で修飾することができる。
【0052】
図7に図示された態様において、内面504は、固相506によりコーティングされる。しかし一部の態様において、内面504を形成する物質は、固相506それ自身としても機能する。そのような態様において、内面504は、図4に図示された織目加工された内面204と同様に、織目加工することができ、その結果固相506を備える内面504の部分は、増大した表面積を有する。
【0053】
関心のある生体分子122を含有する試料は、リザーバー502へ添加し、当業者に公知のシステム及び技術を用い、キャピラリーカラム505を通り試料を流すことにより、固相506と結合することができる。例えば、試料は、キャピラリーカラム505の流入部分507により規定された開口部510を通り導入され、リザーバー502を通り移動し(図7において矢印で示された)及び流出部分709により規定された開口部510から出ることができる。試料は、試料中の関心のある生体分子122が固相506と相互作用することができるように予め決められた流量でリザーバー502を通り移動することができる。試料は、均一な流量でリザーバー502を通り流れることができるか、又は流量は変更することができる。例えば、試料の流量は、生体分子122と試料の間の十分な相互作用を可能にするように、低下するか又は停止することができ、この流量は、試料及びリザーバー502から捕獲されない物質の除去を増強するように増加することができる。加えてキャピラリーカラム505は、固相506を含むその全長に沿ったいくつかの区画を含むことができる。図7に図示されたように、キャピラリーカラム505は、任意の望ましい長さを有することができ、固相506は、全長の一部に存在することができるか、又は固相506は、キャピラリーカラム505の全長を通じて存在することができる。
【0054】
試料中の不溶性物質及び任意の他の捕獲されない物質は、標準キャピラリーカラムシステム及び手法を使用し、リザーバー502を通る試料の移動を継続することにより、リザーバー502から除去することができる。不溶性物質及び任意の他の捕獲されない物質がリザーバー502から除去された後、洗浄液は、試料、固相506及びリザーバー502の少なくとも1種からの捕獲されない物質の除去を増強するために、リザーバー502を通り移動することができる。洗浄液の次に、溶離液が、生体分子122と固相506の間の相互作用を破壊するために、リザーバー502を通り移動することができる。単離された関心のある生体分子122は、流出部分509により規定された開口部510との流路に配置された第二のリザーバー(示さず)において収集することができる。加えて、反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用い行うことができる。
【0055】
図8は、本発明の別の態様の生体分子単離装置600を図示し、ここで類似の符番は、類似の構成要素を表している。生体分子単離装置600が、ピペットチップ605(図6に図示され及び先に説明されたピペットチップ405に類似)により規定されるリザーバー602を備えること以外は、生体分子単離装置600は、図1-3の生体分子単離装置100を参照し先に説明された多くの同じ構成要素及び特徴を共有している。従って図1-3に図示された態様の構成要素及び特徴に対応する構成要素及び特徴は、600シリーズと同じ符番を備えている。図1-3に図示された態様の特徴及び構成要素(及びそのような特徴及び構成要素の代替)のより完全な説明のために、添付された図1-3の先の説明を参照することができる。
【0056】
図8に図示されたように、生体分子単離装置600は、内面604を有するリザーバー602、リザーバー602内に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された複数の粒子616を含む固相606、固相606と内面604の少なくとも一部の間に配置されたフィルター608、フィルター608の縁に適切に封止を維持するように、フィルター608の縁及び内面604の一部に隣接して配置られた封止形成器具612(例えばO型リング)、並びに内面604内に規定された、特にピペットチップ605の先端部分607に規定された開口部610を備える。
【0057】
フィルター608は、固相606により捕獲されていない試料由来の物質を、先端部分607でリザーバー602から除去することができると同時に、リザーバー602内に捕獲された生体分子122と共に固相606を維持することができる。フィルター608は、前述の種類のフィルター型のいずれか、及びそれらの組合せを含むことができる。
一部の態様において、生体分子単離装置600は、フィルター608を備えない。例えば一部の態様において、固相606は、比較的大きい粒子616の1個又は複数を含む。一部の態様において、粒子616は、粒子616がフィルター608を使用することなく、リザーバー602に保持されるようなサイズである。このような態様において、粒子616のサイズは、ピペットチップ605の先端部分607の幅及び先細の程度により少なくとも部分的に決定され得る。更に1個又は複数の開口部610は、不溶性物質がリザーバー602を通過すると同時に、リザーバー602内に固相606を保持するように、リザーバー602の内面604に規定することができる。
【0058】
関心のある生体分子122を含有する試料は、標準のピペッティング手法を使用し、リザーバー602へ添加し、固相606と結合することができる。例えば、ピペットチップ605の内部により規定されるリザーバー602の容積の少なくとも一部を充填するために、試料は、ピペットチップ605の先端部分607中に規定された開口部610へ吸込むことができる。その後試料を、リザーバー内で保持し、振り落とし、及び/又は振盪し、生体分子122を固相606と相互作用させることができる。生体分子122が固相606と相互作用するのに十分な時間が経過した後、試料中の不溶性物質及び任意の捕獲されない物質は、標準のピペッティング手法を用い、ピペットチップ605の先端部分607から試料を駆出することにより、リザーバー602から除去することができる。その後生体分子122は、先に説明された除去技術のいずれかを用い、固相606から除去することができる。例えば洗浄液は、リザーバー602からの捕獲されない物質の除去を増強するために、ピペットチップ605の先端部分607に規定された開口部610へ吸込むことができる。加えて溶離液は、生体分子122と固相606の間の相互作用を破壊するために同様の様式で、ピペットチップ605へ吸込むことができる。溶離液は、標準ピペッティング手法を用い駆出することができ、及び単離された関心のある生体分子122は収集することができる。単離された関心のある生体分子122は、開口部610と流体係合して配置された第二のリザーバー(図示せず)内に収集することができる。加えて反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用いて行うことができる。
【0059】
図9は、本発明の別の態様の生体分子単離装置700を図示し、ここで類似の符番は、類似の構成要素を表している。生体分子単離装置700が、キャピラリーカラム705(図7に図示され及び先に説明されたキャピラリーカラム505に類似)により規定されるリザーバー702を備えること以外は、生体分子単離装置700は、図1-3の生体分子単離装置100を参照し先に説明された多くの同じ構成要素及び特徴を共有している。従って図1-3に図示された態様の構成要素及び特徴に対応する構成要素及び特徴は、700シリーズと同じ符番を備えている。図1-3に図示された態様の特徴及び構成要素(及びそのような特徴及び構成要素の代替)のより完全な説明のために、添付された図1-3の先の説明を参照することができる。
【0060】
図9に図示されたように、生体分子単離装置700は、内面704を有するリザーバー702、リザーバー702に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された複数の粒子716を含む固相706、固相706と内面704の少なくとも一部の間に配置された2個のフィルター708、各フィルター708の縁の回りに適切に封止を維持するように各フィルター708の縁及び内面704の一部に隣接して配置られた封止形成器具712(例えばO型リング)、並びに内面704内に規定された、特にキャピラリーカラム705の流入部分707及び流出部分709により規定された2個の開口部710を備える。
【0061】
関心のある生体分子122を含有する試料は、リザーバー702へ添加され、及び当業者に公知のシステム及び技術を使用し、キャピラリーカラム705を通し試料を流すことにより、固相706と結合することができる。例えば、試料は、キャピラリーカラム705の流入部分707により規定された開口部710を通り導入され、リザーバー702を通り移動し(図9において矢印で示される)及び流出部分709により規定された開口部710の外へ出ることができる。試料は、試料中の関心のある生体分子122が固相706と相互作用することができるように予め決められた流量でリザーバー702を通り移動することができる。試料は、均一な流量でリザーバー702を通り流れることができるか、又は流量は変更することができる。例えば、試料の流量は、生体分子122と試料の間の十分な相互作用を可能にするように、低下するか又は停止することができ、この流量は、試料及びリザーバー702からいずれかの捕獲されない物質の除去を増強するように増加することができる。
【0062】
図9に図示されるように、キャピラリーカラム705は、任意の望ましい長さを有することができ、2個のフィルター708間の距離は変動することができる。加えて、キャピラリーカラム705は、固相706を含むその全長に沿ったいくつかの区画を含むことができる。結果的として、固相706は、キャピラリーカラム705の全長の一部に存在することができるか、又は固相706は、キャピラリーカラム705の全長を通じて存在することができる。
【0063】
試料中の不溶性物質及び任意の捕獲されない物質は、標準キャピラリーカラムシステム及び手法を使用し、リザーバー702を通る試料の移動を継続することにより、リザーバー702から除去することができる。不溶性物質及び任意の捕獲されない物質がリザーバー702から除去された後、洗浄液は、捕獲されない物質を試料及び固相706からより完全に除去するために、リザーバー702を通り移動することができる。洗浄液の次に、溶離液が、生体分子122と固相706の間の相互作用を破壊するために、リザーバー702を通り移動することができる。単離された関心のある生体分子122は、流出部分709により規定された開口部710との流路に配置された第二のリザーバー(示さず)において収集することができる。
【0064】
一部の態様において、生体分子単離装置700は、2個のフィルター708の一方又は両方を含まない。例えば一部の態様において、試料のリザーバー702を通る流れは、関心のある生体分子122を捕獲する位置で固相706の粒子716を維持するので、ただひとつのフィルター708が使用される。すなわち一部の態様において、図9の左側のフィルター108は省略される。加えて一部の態様において、キャピラリーカラムは、フィルター708を伴わないリザーバー702内に粒子716が保持されるように、形作られる。更に1個又は複数の開口部710は、不溶性物質がリザーバー702を通過すると同時に、リザーバー702内に固相706が保持されることを可能にするように、リザーバー702の内面704に規定することができる。加えて反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用い実行することができる。
【0065】
図10は、本発明の別の態様の生体分子単離装置800を図示しており、ここで類似の符番は、類似の構成要素を表している。生体分子単離装置800が、バスケット805により規定されるリザーバー802を備えること以外は、生体分子単離装置800は、図1-3の生体分子単離装置100を参照し先に説明された多くの同じ構成要素及び特徴を共有している。従って図1-3に図示された態様の構成要素及び特徴に対応する構成要素及び特徴は、800シリーズと同じ符番を備えている。図1-3に図示された態様の特徴及び構成要素(及びそのような特徴及び構成要素の代替)のより完全な説明のために、添付された図1-3の先の説明を参照することができる。
【0066】
図10に図示されたように、生体分子単離装置800は、内面804を有するリザーバー802、リザーバー802に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された複数の粒子816を含む固相806、並びにバスケット805のリザーバー802により少なくとも部分的に規定されたフィルター808を備える。
関心のある生体分子122を含有する試料は、リザーバー802へ添加され、バスケット805の少なくとも一部を試料を含む容器に浸漬することにより、固相806と結合することができる。バスケット805は試料へ浸漬されるので、試料は、フィルター808の孔811を通り及びリザーバー802へと流れることができ、そこで試料は、固相806と相互作用することができる。この態様において、試料及び固相806の相互作用は、リザーバー802を通る流量により左右されないが、むしろバスケット805が試料と接触され続ける時間量に少なくとも部分的に左右される。捕獲されない物質を試料、リザーバー802及び固相806の少なくとも1種から除去するために、バスケット805は、試料から引上げることができるか、又は捕獲されない物質は、デカントもしくはサイホンで吸上げることができる。
【0067】
その後バスケット805及び固相806は、バスケット805を洗浄液ですすぐもしくは噴霧することによるか、又はバスケット805を洗浄液へ浸漬し、その後バスケット805を洗浄液から取り除くことにより、洗浄することができる。同様に関心のある生体分子122は、バスケット805を溶離液ですすぐもしくは噴霧し、並びに固相806から外れたものを収集することにより、固相806から除去することができる。生体分子122は代わりに、バスケット805を溶離液へ浸漬し、その後溶離液からバスケット805を除去することにより、固相806から除去することができる。反復された溶離工程及び洗浄工程は、同様の技術を用い行うことができる。
【0068】
図10に図示されたフィルター808は、バスケット805の側面813及び底815により規定されるように示される。しかし一部の態様において、フィルター808は、バスケット805の側面813の一部及び/又は底815の一部により規定されている。一部の態様において、生体分子単離装置800は、必ずしもフィルター808を備えないが、リザーバー802内に固相806を保持しつつ、不溶性物質がリザーバー802を通過することを可能にするリザーバー802の内面804で規定された1個又は複数の開口部を備える。
図10に図示された態様は、どのように生体分子単離装置が、バスケット-規定されたリザーバー802を備えることができるかの概略例を示している。従ってバスケット805は、使用者又は自動装置が掴むことができる、ハンドル817を備える。しかし、バスケット805は、複数の試料へ浸漬することができる複数のバスケット805のひとつ(マルチ-ウェルプレート中の複数のウェル同様)であり、及びハンドル817は備えられる必要はないことは注意されなければならない。
【0069】
加えて、図10に図示されたバスケット805は、開放端819を有するが、一部の態様においてバスケット805は、全ての側面が閉鎖され、これにより試料、洗浄液、及び溶離液へ滴下、浸漬などすることができるケージを形成することは注意されなければならない。
更に図10に図示されたバスケット805は、剛性材料で形成される。しかし一部の態様において、バスケット805は、織布メッシュ、織プラスチックメッシュなど、及びそれらの組合せを含む軟質材料で形成されることは注意されなければならない。軟質バスケット805を使用する態様において、バスケット805は、開放端819を含むか、又はバスケット805は閉鎖することができる。
【0070】
図10に図示された態様において、固相806は、複数の粒子816を含む。しかし一部の態様において、フィルター808は、関心のある生体分子122を捕獲するよう適合された固形物806を含むように、帯電、コーティングもしくはそれ以外で修飾される。修飾されたフィルター808は、固相806を製造するために、粒子816の代わりに、又はこれに加えて使用することができる。
【0071】
固相106、206、406、506、606、706、806が試料の不溶性物質を、実質的に目詰まりすることなく、生体分子単離装置100、200、400、500、600、700、800を通り又はこれらから外へ流れる限りは、固相106、206、406、506、606、706、806のいずれかの様々な組合せを使用し、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、試料から生体分子122を単離することができる。
先に説明された生体分子単離装置100、200、400、500、600、700、800のいずれかにおいて、1個又は複数の固相106、206、406、506、606、706、806を使用し、1個又は複数の生体分子122を試料から単離することができる。洗浄液及び溶離液は、生体分子122を固相106、206、406、506、606、706、806から選択的に洗浄及び除去するために選択することができる。
【0072】
前述のように、生体分子122を単離するための現存するシステムは、試料が任意の固相と結合される前に、任意の不溶性物質を試料から最初に除去することが必要である。しかし本発明は、可溶性物質及び不溶性物質を含む試料が、固相へ直接添加され、固相が試料と結合された後に不溶性物質は試料から除去されることを可能にする。結果として、試料からの不溶性物質の除去は、本発明の試料と固相との結合後に生じる。加えて本発明において、固相は、先行する試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、試料と結合することができる。
【0073】
様々な生体分子122は、非限定的に、表1に列記された生体分子122を含む、複雑な生物学的物質の試料から単離することができる。従って様々な固相106を使用し、同じく表1に列記された、試料から様々な生体分子122を単離することができる。一部の態様において、固相106は、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックスなどの少なくとも1種及びそれらの組合せを含有し、これは、様々な生体分子122を本質的に捕獲することができるか、又は様々な生体分子122を捕獲するように修飾することができる。
【0074】
特に、表1に示されたように、配列-特異的核酸は、配列-特異的核酸固相を用い試料から単離することができ;hisタグ付きタンパク質は、金属-帯電された固相(例えば、先に列記された固相のひとつは、ニッケル、亜鉛、及びそれらの組合せで帯電され得る;Promega Corporation, マジソン, WIから入手可能なHISLINK(商標)精製製品、カタログ番号V8821)を用い、単離することができ;ビオチン化された生体分子は、ストレプトアビジンを含む固相を用い、単離することができ;mRNAは、固相に会合、複合又は結合されたオリゴdTを用い、試料から単離することができ;総RNAは、シリカ固相を用い、単離することができ;ゲノムDNAは、シリカ固相を用い、単離することができ(実施例2参照);プラスミドDNAは、シリカ固相又は金属-帯電された固相を用い、単離することができ;植物DNAは、シリカ固相又は金属-帯電された固相を用い、単離することができ;試料からのタンパク質分画は、陰イオン交換樹脂(例えば、交換部位としてトリメチルベンジルアンモニウム基を含む固相)を用い実現することができ;試料からのタンパク質の分画は、陽イオン交換樹脂(例えば、交換部位としてスルホン酸を含む固相)を用い実現することができ;試料からのタンパク質の分画は、サイズ排除クロマトグラフィー樹脂を用い実現することができ;グルタチオン-S-転移酵素(GST)融合タンパク質は、グルタチオン固相を用い、単離することができ;並びに、イムノアッセイ(例えば、ELISA)は、対応する抗体又は抗原を含む固相を用いて行うことができる。
【0075】
【表1】
【0076】
他の生体分子及び対応する固相を、本発明の精神及び技術から逸脱することなく使用することができる。当業者は、様々な生体親和性タグを使用し、試料から関心のある生体分子122を単離するために、固相を選択するか、又は現存する固相を修飾することができる。生体親和性タグは、非限定的に、抗体、DNAプローブ、RNAプローブ、正帯電した基、負帯電した基など、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0077】
単に例として、mRNAは、様々な方法で試料から単離することができる。一部の態様において、ビオチン化されたオリゴdTプローブは、ストレプトアビジンとの相互作用により、固相106、206、406、506、606、706、806のいずれかに、付着することができる(当業者に公知の様々な技術を使用する)。その後、試料中のmRNAのポリ(A)尾部は、固相106、206、406、506、606、706、806を通過する試料流れとして、オリゴdTプローブとハイブリダイズすることができる。
【0078】
一部の態様において、ストレプトアビジンは、固相106、206、406、506、606、706、806のいずれかに付着することができる(当業者公知の様々な技術を使用する)。加えて、ビオチン化されたオリゴdTプローブは、試料中のmRNAのポリ(A)尾部へハイブリダイズすることができる。このような態様において、試料中のビオチン化された-mRNAと、ストレプトアビジンで修飾された固相106、206、406、506、606、706、806の間のビオチン-ストレプトアビジン相互作用は、試料からmRNAを単離する。固相106、206、406、506、606、706、806がストレプトアビジンで修飾される態様において、固相106、206、406、506、606、706、806を使用し、各関心のある生体分子122について全く新規かつ異なる固相106、206、406、506、606、706、806の製造を必要とせずに、様々な生体分子122を単離することができる。しかし、先に説明された全ての方法は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく使用することができ、単離されるべき望ましい各生体分子122について同様の変更が存在する。当業者は、各関心のある生体分子122に関する生体分子単離システム(例えば先に説明され及び図5A-5Cに図示された生体分子単離システム150)及び方法をどのように変更するかを認めるであろう。
【0079】
先に説明され及び図面に図示された態様は、単に例として示されており、本発明の概念及び原理を基にした限定として意図されるものではない。従って当業者により、添付された「特許請求の範囲」に示された本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、構成要素並びにそれらの形態及び配列の様々な変更が可能であることは理解されるであろう。以下の実施例は、例証を意図するものであり、限定は意図しない。
【0080】
実施例1
Hisタグ付きタンパク質の単離:
使用する材料:
・96-ウェルプレート、プレート中の各ウェルは、O型リングにより封止されたフィルターとしての90μmワイヤメッシュと嵌合されている。各ウェルは、直径約150μm〜約200μmを有するニッケル-負荷されたシリカ粒子4mgが予備分配されている。使用したシリカ粒子は、平均孔径0.1μm(1000Å)、及びニッケルの負荷容量約0.15nmol/gシリカ粒子を有する。
・洗浄緩衝液(100mM HEPES、10mMイミダゾール)
・溶離緩衝液(100mM HEPES、500mMイミダゾール)
・10x細胞溶解緩衝液(0.5M HEPES、10% Triton X-100、0.1Mイミダゾール、6%オクチルβ-D-チオグルコピラノシド、3% Tomah)
・脱イオン水(dH20)
【0081】
細胞調製:
・hisタグ付き融合タンパク質、ルシフェラーゼを含むJM109細胞(Promega Corporation, マジソン, WIから入手した大腸菌、カタログ番号L2001)は、LB培地1mLとアンピシリン(アンピシリン10μg/mL)を使用し、96-ウェルプレートにおいて増殖した。96-ウェルプレートは、蓋をし、37℃で一晩振盪した。培養物を、600nmでの光学濃度(OD)0.4〜0.6になるまで増殖し、その後タンパク質発現を誘導した。
・IPTG誘導:IPTGを、最終濃度1mMとなるよう添加し、37℃で3時間、又は25℃で一晩インキュベーションした。細胞培養物は、6未満又はこれと等しい最終ODを有した。一般に、25℃で一晩の細胞増殖は、6未満又はこれと等しいODを実現した。結果として、ODの測定は任意である。
・誘導した培養物5mLを、15mLスクリューキャップ付き遠心チューブを用い、遠心分離によりペレット化した。培養物1mLを使用した場合、細胞は直接溶解され、遠心分離を使用しなかった。
・培地を慎重にデカントし、細胞をdH2O 0.9mL中で激しくボルテックスすることにより再浮遊させた。
・細胞溶解緩衝液0.1mLを、再浮遊した細胞へ添加し、この混合物を穏やかに旋回した。
・再浮遊させ、溶解し緩衝した細胞を、室温(すなわち約25℃)で約20分間インキュベーションし、5分毎に混合した。細胞混合物の過剰な泡立ちを防ぐように注意した。
【0082】
Hisタグ付きタンパク質の単離:
・96-ウェルプレートを、移動(transport)時に移動したシリカ粒子を沈降するために、ベンチトップで軽く叩いた。
・96-ウェルプレートの蓋を、慎重に取り外した。
・96-ウェルプレートを、真空マニホールドに配置した。
・96-ウェルプレートを、必要ならば1mL dH2O/ウェルの添加により、再水和した。
・96-ウェルプレート中の空のウェルは、以後の工程で効果的な真空を確実にするために、テープで蓋をした。
・dH2Oは、各リザーバーの底の開口部を通り排液させた。
・溶解した細胞1mLを、移送時に泡の発生を避けながら、添加した。
・細胞溶解液は、5分間かけて(例えば、流量約0.5mL/分)シリカ粒子をゆっくり流れ過ぎさせ、Hisタグ付きタンパク質とニッケル-負荷したシリカ固相の効果的結合を確実にした。
・約10インチHg(3.4N/cm2)の真空を1分間適用し、リザーバーを乾燥した。
・洗浄緩衝液1mLを、各リザーバーへ添加した。96-ウェルプレートを、真空マニホールドを使用し、1分間真空とした。
・この洗浄の順番を、3回繰り返した。
・シリカ粒子を完全に乾燥するために、最後の洗浄後、真空を、合計3分間維持した。
・96-ウェルプレートを、新たな96-ウェルマイクロタイタープレートに嵌合された溶離マニホールドへ移した。
・溶離緩衝液100μLを、各ウェルへ添加し、マイクロタイタープレートへ重力により流出させた。
・約10インチHg(3.4N/cm2)の真空を、2分間適用した。
・溶離したタンパク質は、-20℃で貯蔵した。
【0083】
実施例2
血液からのゲノムDNAの単離
材料:
・KFE8溶解緩衝液
5.3M GTC(グアニジンチオシアネート)
1% Triton(登録商標) X-100
1% CHAPS (3-[3-(コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホン酸)
0.1M EDTA((エチレンジニトリロ)四酢酸)、pH8.0
1% 抗-Foam A
・4/40洗浄液
40%イソプロパノール
4.2M塩酸グアニジン
・アルコール洗浄液、血液
25%イソプロパノール
25%エタノール
0.1M NaCl (塩化ナトリウム)
・溶離緩衝液、血液
10mM Tris (トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、pH8
0.1M EDTA ((エチレンジニトリロ)四酢酸)、pH8
・減圧用96-ウェル;O型リングにより封止されるフィルターとして90μmワイヤメッシュがレトロフィットされた、Wizard(登録商標)SV96 DNA結合プレート
・KFE8溶解緩衝液(全て試料)+100mgシリカ粒子/800μL;使用されるシリカ粒子は、直径約150μm〜約200μm及び平均孔径0.1μm(1000Å)を有した。
・イソプロパノール(IPA)
・Vac-man(登録商標)96(〜15インチHg(5.1N/cm2))
【0084】
ゲノムDNAの単離:
・溶解緩衝液/シリカ(100mg)800μLを、全血200μLへ添加した。
・96-ウェルプレートを、室温(RT;約25℃)又は68℃で10分間インキュベーションした。
−RT試料に関して、各試料は、1分間ボルテックスし、シリカ粒子を懸濁させた。
−68℃試料に関して、シリカを再懸濁するために、各試料を、インキュベーション後、短くボルテックスした。
・溶解液を、96-ウェルプレートの各ウェルへ適用した。シリカ粒子が確実に移されるよう注意した。
・各ウェルを、4/40洗浄液1mLで2回洗浄した。
・各ウェルを、アルコール洗浄液1mLで2回洗浄した。
・96-ウェルプレートを、Vac-man(登録商標)96において、3分間真空乾燥した。
・溶離緩衝液200mLを、各ウェルへ添加し、96-ウェルプレートをRTで10分間インキュベーションした。
・Vac-man(登録商標)96を使用し、約1分間真空を適用し、ゲノムDNAを収集プレートへ溶離した。
・Vac-man(登録商標)96を取り外し、溶離したゲノムDNAを、-20℃で貯蔵した。
【0085】
実施例3
BL21細胞からのhis lucタンパク質の単離
材料:
・96ウェル(ディープウェル;2mL)BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneより入手、カタログ番号0923)
・減圧用96-ウェル;o型リングにより封止されるフィルターとして90μmワイヤメッシュがレトロフィットされた、Wizard(登録商標)SV96 DNA結合プレート(「フィルタープレート」)
・DNase液、凍結乾燥したDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z358)の入った1バイアルにつき、4mL H2O等量の添加により調製
・直径約150μm〜約200μmを有する、ニッケル-負荷されたシリカ粒子。使用したシリカ粒子は、平均孔径0.1μm(1000Å)、及びニッケルの負荷容量約0.15nmol/gシリカ粒子を有する。
・溶解液:FASTBREAK(商標)細胞溶解液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V5873)
・洗浄/結合緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V851)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V852B)
【0086】
細胞の調製:
・TBブロス1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレートの各ウェルへ配置した。
・各ウェルに、IPTG発現時にhisルシフェラーゼタンパク質をコードしているプラスミドpJLC10を含む、BL21(DE3)Star(Invitrogen Corporationより入手)を播種した。
・細胞は、37℃で一晩増殖し、その後標準技術を用い誘導した。
・誘導後、溶解液100μLを、各ウェルへ添加した。
・DNase溶液20μLを各ウェルへ添加し、溶液の粘度を低下した。
【0087】
His lucタンパク質の単離:
・沈降したニッケル負荷したシリカ粒子(H2O中)90μLを、ウェル1個につき添加した。
・BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレートを、RTで30分間インキュベーションした。混合は、先端が広口のものを使用した、5分毎のピペッティングにより実現した。
・インキュベーション後、溶解液及び粒子を、一度に200μLフィルタープレートへ移し、各移送前に溶解液への粒子の混合を確実にした。
・10インチHg(3.4N/cm2)の減圧を、30秒間適用した。
・各ウェルを、洗浄/結合緩衝液5X200μLで洗浄した。
・10インチHg(3.4N/cm2)の減圧を、1分間適用した。
・フィルタープレートを、図5Cに図示されたものに類似した、溶離構成へ移した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、各ウェルへ添加した。フィルタープレートを、3分間室温(すなわち約25℃)でインキュベーションした。
・10インチHg(3.4N/cm2)の減圧を、1分間適用し、単離されたタンパク質を収集プレートへ溶離した。
・溶離機構を、取り外し、溶離したタンパク質を-20℃で貯蔵した。
【0088】
実施例4
6X Hisタグ付きタンパク質の自動精製
材料:
・25μmフリットが嵌合された96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAより入手)(「フィルタープレート」)
・洗浄緩衝液(100mM HEPES、400mM NaCl、10mMイミダゾール-HCl;pH7.5とする)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V852B)
【0089】
細胞培養調製物:
・BL-21(DE3)で発現された6X Hisホタルルシフェラーゼ。
・細胞は、Terrificブロス(TB)で一晩培養物のために増殖した。
・一晩培養物5mlを、TB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D.600 1.0〜2.0に増殖し、IPTG(最終濃度1mM)を含有した。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D.600 12.0で収穫した。
・培養物を、アリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・培養物を、新鮮なTBにより、O.D. 600 6.0、4.0、2.0、及び1.0へ希釈した。
・これらの希釈物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneより入手、カタログ番号0923)へ配置した。
【0090】
DNase調製:
・凍結乾燥したDNase(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号Z385B)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)80μL中に再懸濁し、ヌクレアーゼ非含有水1.24mLへ移した。
・この希釈物808μLを、FASTBREAK(商標)溶解試薬(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号V882)12.2mLへ添加した。
【0091】
タンパク質の単離:
・HISLINK(商標)タンパク質精製樹脂(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V8821;平均粒度約90μm)25μLを、このプロトコールにおいて固相として使用した。
・タンパク質の精製を、BioMek 2000(Beckman Coulterより入手)上で実行した:
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、この溶液をフィルター(メッシュ)を通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、200μL、600μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させた。
・粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図11は、実施例4の結果を示している。レーン1:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号V849A)。レーン2:1.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。レーン3:2.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。レーン4:4.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。レーン5:6.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。
【0092】
実施例5
6X Hisタグ付きタンパク質の自動精製
材料:
・90μmワイヤメッシュと勘合した96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAから入手)(「フィルタープレート」)
・洗浄緩衝液(100mM HEPES, 400mM NaCl, 10mMイミダゾール-HCl;pH7.5とする)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号V852B)
【0093】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)大腸菌細胞内で発現された6 Hisタグ付きMAP-キナーゼ(MAPK)。
・一晩培養物について、細胞は、LB培地において増殖した。
・一晩培養物5mlを、LB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D. 600 0.3へ増殖し、100mM IPTGで、最終濃度1mM IPTGへ誘導した。
・培養物を、37℃で増殖し、最終O.D. 600 1.14で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・この培養物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneから入手、カタログ番号0923)に播種した。
【0094】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)において発現された6X-Hisタグ付きカルモジュリン。
・一晩培養物について、細胞は、LB培地において増殖した。
・次に、一晩培養物5mlを、LB 500mL容量へ接種した。
・培養物を、O.D. 600 0.4-0.6へ増殖し、100mM IPTGで、最終濃度1mM IPTGへ誘導した。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D. 600 1.79で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・これらの希釈物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneから入手、カタログ番号0923)のウェルへ播種した。
【0095】
DNase調製:
・凍結乾燥されたDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z385A)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)275μL中で再懸濁し、その後全バイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)4.0mLに移した。
・この希釈物20μLを、各ウェルに添加し、その後精製した。
【0096】
タンパク質の単離:
・球形SiNiADAシリカ粒子90μL(Silicycle, ケベック, カナダ, カタログ番号S74050 T;粒度は約120μm〜約200μmの範囲)を、このプロトコールにおいて固相として使用した。
・タンパク質の精製は、BioMek 2000(Beckman Coulterより入手)において精製した:
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、溶解液をフィルターを通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、200μL、600μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させた。
・粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図12は、実施例5の6X-Hisタグ付きカルモジュリン実験の結果を示している。レーン1:500μL洗浄後のメッシュプレートからの溶離液。レーン2:750μL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン3:1mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン4:4mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン5:フリット(Innovative Microplatesから入手, カタログ番号F20000)と嵌合された96ウェルプレート中のタンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V849A)。
図13は、実施例5の6X-Hisタグ付きMAP-K実験の結果を図示している。レーン1:500μL洗浄後のメッシュプレートからの溶離液。レーン2:750μL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン3:1mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン4:4mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン5:500μL洗浄後のフィルターとしてのフリットからの溶離液。レーン6:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V849A)。
【0097】
実施例6
6X Hisタグ付きタンパク質の手動精製
材料:
・90μmワイヤメッシュと嵌合された96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAから入手)(「フィルタープレート」)
・MAGNEHIS(商標)洗浄緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V851B)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V852B)
【0098】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)において発現された6X Hisタグ付きホタルルシフェラーゼ。
・一晩培養物について、細胞は、Terrificブロス(TB)において増殖した。
・次に、一晩培養物5mlを、TB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D. 600 1.0-2.0へ増殖し、IPTGで誘導した(最終濃度1mM)。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D. 600 12.0で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・培養物を、新鮮なTBで、O.D. 600 2.0へ希釈した。
・これらの希釈物10mLを、15mL遠心チューブへ入れた。
【0099】
DNase調製:
・凍結乾燥されたDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z385A)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)275μL中で再懸濁し、その後全バイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)4.0mLに移した。
・この希釈物63.0μLを、各チューブに添加し、その後精製した。
【0100】
タンパク質の単離:
・FASTBREAK(商標)溶解試薬(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V882)1mLを、各チューブに添加した。
・チューブを、15分間混合した。
・溶解液1.0mLを、1.5mLチューブにアリコートとし、球形SiNiADAシリカ粒子90μL(Silicycle, ケベック, カナダ, カタログ番号S74050 T;粒度は約120μm〜約200μmの範囲)を、チューブへ添加した。
・チューブを、回転混合機上で30分間混合した。
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、溶解液をフィルターを通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、200μL、600μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させた。
・粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図14は、実施例6の結果を示している。レーン1:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V849A)。レーン2:1回溶離後のメッシュフィルターを伴うプレートからの溶離液。レーン3:2回溶離後のフィルターとしてメッシュを伴うプレートからの溶離液。
【0101】
実施例7
6X Hisタグ付きタンパク質の手動精製
材料:
・25μmフリットと嵌合された96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAから入手)(「フィルタープレート」)
・洗浄緩衝液(100mM HEPES, 400mM NaCl, 10mMイミダゾール-HCl;pH7.5とする)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V852)
【0102】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)において発現された6X Hisタグ付きホタルルシフェラーゼ。
・一晩培養物について、細胞は、Terrificブロス(TB)において増殖した。
・次に、一晩培養物5mlを、TB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D. 600 1.0-2.0へ増殖し、IPTGで誘導した(最終濃度1mM)。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D. 600 12.0で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・培養物を、新鮮なTBで、O.D. 600 4.0へ希釈した。
・希釈した培養物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(Abgeneから入手, カタログ番号0923)へ入れた。
【0103】
DNase調製:
・凍結乾燥されたDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z385A)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)275μL中で再懸濁し、その後全バイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)4.0mLに移した。
・この希釈物900μLを、FASTBREAK(商標)溶解試薬(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V882)13.0mLへ添加した。
【0104】
タンパク質の単離:
・FASTBREAK(商標)溶解試薬/DNase溶液100μLも、各ウェルに添加した。
・HISLINK(商標)タンパク質精製樹脂(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V8821;平均粒度約90μm)25μLを各ウェルへ添加した。
・その後溶液を30分間手作業で混合した。
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、溶解液をフィルターを通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、400μL、800μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V852B)200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させ、その後粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図15は、実施例7の結果を図示している。レーン1:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V849A)。レーン2:MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液を使用する溶離液。
本発明の様々な局面は、「特許請求の範囲」に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は、本発明の生体分子単離装置のひとつの態様の部分透視図であり、固相と相互作用している生体分子を示している。
【図2】図2は、線分2-2に沿った、図1の装置の部分断面図である。
【図3】図3は、図1及び2の装置の概略図であり、固相からの生体分子の除去を示している。
【図4】図4は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の概略図であり、固相により試料から捕獲された生体分子を示している。
【図5】図5A-5Cは、本発明のひとつの態様の生体分子単離システム及び方法を図示している。
【図6】図6は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の側面図である。
【図7】図7は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の断面図である。
【図8】図8は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の断面図である。
【図9】図9は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の断面図である。
【図10】図10は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の概略図である。
【図11】図11は、フィルターとして25μmフリットを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きホタルルシフェラーゼの自動化された精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図12】図12は、フィルターとして90μmメッシュを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きMAP-キナーゼ(MAPK)の自動化された精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図13】図13は、フィルターとして90μmメッシュを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きカルモジュリンの自動化された精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図14】図14は、フィルターとして90μmメッシュを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きホタルルシフェラーゼの手動の精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図15】図15は、フィルターとして25μm フリットを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きホタルルシフェラーゼの手動の精製を示す、電気泳動ゲルである。
【背景技術】
【0001】
発明の背景
全般的に、生体分子を複雑な生物学的物質から単離するシステムにおいて、最初に不溶性物質が、いくつかの種類の濾過、遠心分離又は他の分離法のような公知の技術を用い、試料から除去される。不溶性物質が試料から除去された後、この試料は、関心のある生体分子及び他の可溶性物質を含有する。次に関心のある生体分子を捕獲するために使用されるいくつかの種類の固相又は他の物質を、試料の可溶性物質へ添加し、生体分子-固相複合体を形成する。再度濾過又は遠心分離のような公知の分離法を使用し、試料の他の可溶性物質から生体分子-固相複合体を単離することができる。最後に関心のある生体分子を、固相から除去し、関心のある生体分子を単離することができる。一般にこれらのシステムは、試料が任意の固相と結合される以前に、試料から任意の不溶性物質を最初に除去することが必要である。
【発明の開示】
【0002】
発明の概要
本発明の一部の態様は、生体分子を単離する方法を提供する。この方法は、生体分子及び不溶性物質を含有する試料を提供する工程;フィルターを備えるリザーバーを提供する工程であり、このリザーバーは固相を含むように適合され、この固相は生体分子を捕獲するように適合されている工程;試料をリザーバーへ添加する工程;試料を固相と結合する工程;並びに、不溶性物質をフィルターを通過させることにより、不溶性物質を試料から除去する工程であり、このフィルターは、固相がそこを通過することを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む。
【0003】
本発明の一部の態様において、生体分子を試料から単離する装置が提供される。試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この装置は、フィルターを備えるリザーバーであり、このリザーバーは固相を含むように適合され、この固相は生体分子を捕獲するように適合されている、リザーバー;不溶性物質はそこを通過することができると同時に、固相がそこを通過することは実質的に防ぐような平均孔径を有する、フィルター;を備える。
【0004】
本発明の一部の態様は、生体分子を試料から単離するためのキットを提供し、この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。このキットは、各第一のリザーバーがフィルターを備える、複数の第一のリザーバー;生体分子を捕獲するように適合された固相であり、各第一のリザーバー内に少なくとも部分的に含まれる、固相;そこを不溶性物質は通過することができるが、固相がそこを通過することは実質的に防ぐ平均孔径を有する、フィルター;を備える。
【0005】
本発明の一部の態様において、生体分子を試料から単離する装置が提供される。この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この装置は、生体分子を捕獲するように適合された、固相;内面を備えるリザーバーで、試料及び固相を含むように適合されている、リザーバー;並びに、固相と、リザーバーの内面の少なくとも一部の間に配置されたフィルターであり、固相の通過を防ぐが、不溶性物質の通過は可能なように適合されている、フィルター;を備える。
【0006】
本発明の一部の態様は、生体分子を試料から単離する方法を提供し、この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この方法は、内面を備えるリザーバーであり、このリザーバーは試料を含むように適合され、内面は生体分子を捕獲するように適合された固相を含む、リザーバーを提供する工程;試料をリザーバーへ添加し、固相に生体分子を捕獲させる工程;不溶性物質を試料から除去する工程;並びに、生体分子を固相から除去する工程を含む。
【0007】
本発明の一部の態様は、試料から生体分子を単離する装置を提供する。この試料は、生体分子及び不溶性物質を含有する。この装置は、内面を備えるリザーバーであり、内面が生体分子を捕獲するように適合された固相を含む、リザーバー;及び、リザーバーの内面に規定された開口部であり、不溶性物質がリザーバーから除去されるように適合されている開口部を備える。
【0008】
本発明の一部の態様は、生体分子を単離する方法を提供する。この方法は、生体分子及び不溶性物質を含有する試料を提供する工程;試料を固相と結合する工程であり、固相が、生体分子を捕獲するように適合されている工程;不溶性物質を試料から除去する工程;並びに、生体分子を固相から除去する工程;を含む。
【0009】
本発明の一部の態様は、生体分子を試料から単離する方法を提供し、この方法は、フィルターを備えるリザーバーであり、リザーバーが固相を備えるように適合され、固相が生体分子を捕獲するように適合されたリザーバーを提供する工程;固相を試料と結合する工程;固相を試料と結合するのと実質的に同時に、試料から生体分子を抽出する工程;生体分子を固相で捕獲する工程;並びに、捕獲されない物質をフィルターを通り通過させることにより、捕獲されない物質を試料から除去する工程であり、フィルターは、固相がそれを通ることを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む。
【0010】
本発明の一部の態様において、生体分子を試料から単離する装置が提供される。この試料は、生体分子及び不溶性物質を含む。この装置は、内面を備えるリザーバーであり、試料を少なくとも部分的に含むように適合されたリザーバー;生体分子を捕獲する手段;並びに、生体分子を捕獲する手段とリザーバーの内面の少なくとも一部の間に配置されたフィルターであり、それを通る生体分子を捕獲するための手段の通過を阻害すると同時に、不溶性物質はそれを通り通過することを可能にするように適合されたフィルター、並びにリザーバーの内面に規定された開口部であり、不溶性物質がリザーバーから除去されることを可能にするように適合された開口部:の少なくともひとつ;を備える。
本発明の他の特徴及び局面は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面を参照し、当業者には明らかになるであろう。
【0011】
本発明の任意の態様を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明において示された又は以下の図面において図示された構成要素の構造及び配置の詳細へのその適用に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、他の態様であることが可能であり、及び様々な方法で実践又は実施することが可能である。同じく、本願明細書において使用される語句及び用語は、説明が目的であり、限定とはみなされるべきではないことも理解されるべきである。「備える(including)」、「含む(comprising)」、又は「有する(having)」及び本願明細書のそれらの様々なものの使用は、以下に列記された事項及びそれらの同等物、更には追加の事項を包含することを意味する。用語「搭載された(mounted)」、「連結された(connected)」及び「結合された(coupled)」は、広範に使用され、及び直接及び間接の搭載、連結及び結合の全てを包含している。更に「連結された」及び「結合された」は、物理的又は機械的連結又は結合に限定されない。
【0012】
詳細な説明
本発明は概して、生体分子を試料から単離するための器具、方法及びキットに関する。
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「複雑な生物学的物質」は、生存している生物(すなわち、原核生物、真核生物、ウイルス、又は他の生物界(kingdom of life)に由来する生物)の中に生じる、又はそれらにより形成される、生物学的物質、又はそれらの誘導体を意味し、並びに不溶性物質を含む。例えば、「複雑な生物学的物質」は、非限定的に、細胞溶解液、血液、尿、糞便、細胞、組織、臓器、植物材料、食品原料、水、土壌の少なくとも1種及びそれらの組合せを含む。
【0013】
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「固相」は、試料及び固相の結合の結果として、関心のある生体分子を試料(例えば、複雑な生物学的物質)から捕獲するために選択される物質を意味する。
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「生体分子」は、生存している生物(すなわち、原核生物、真核生物、ウイルス、又は他の生物界に由来する生物)において生じる、又はそれらにより形成される、分子又はそれらの誘導体を意味する。例えば生体分子は、非限定的に、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む。更に生体分子は、非限定的に、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、ヒスチジン(His)タグ付きタンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む。
【0014】
本願明細書及び添付された「特許請求の範囲」において使用される用語「可溶性物質」及び「不溶性物質」は、ある条件下で所定の媒体中に比較的可溶性又は不溶性の物質を意味する。「可溶性物質」は、特に所定の言及された条件下で、溶液となる、そのシステムの溶媒中に溶解することができる物質である。「不溶性物質」は、特に所定の言及された条件下で、溶液とならず、そのシステムの溶媒に溶解しない物質である。
【0015】
図1-3は、内面104を有するリザーバー102、リザーバー102内に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された固相106、固相106と内面104の少なくとも一部の間に配置されたフィルター108、フィルター108の縁の回りの適切な封止を維持するためにフィルター108の縁及び内面104の一部に隣接して配置された封止形成器具112(例えば、O型リング)、並びにリザーバー102の内面104に規定された開口部110を備える、生体分子単離装置100を図示している。
【0016】
リザーバー102は、生体分子単離装置100の複数のリザーバー102のひとつであることができ、マルチ-ウェルプレート105(図5A-5Cに図示され、以下により詳細に説明される)、ピペットチップ605(図8に図示され、以下により詳細に説明される)、キャピラリーカラム705(図9に図示され、以下により詳細に説明される)、バスケット805(図10に図示され、以下により詳細に説明される)及びそれらの組合せにより、少なくとも部分的に規定されることができる。
【0017】
図1-3に図示されたリザーバー102は、マルチ-ウェルプレート105(例えば、当該技術分野において公知の96-ウェル組織培養プレート)のウェルにより規定される。図1-3に図示されたリザーバー102は、一般に均一な断面を有する一般的円筒形である。しかしリザーバー102の断面は、必ずしも円形又は均一ではなく、上端114及び/又は下端115に向かい先細であることができることは理解されるべきである。リザーバー102は、非限定的に、半球、円錐、円錐切頭形、箱型など、及びそれらの組合せを含む、様々な他の形状を有することができる。
【0018】
図1-3に図示された固相106は、複数の粒子116を含む。しかし、わずか1個の粒子116を本発明で使用することができ、及びリザーバー102内に構造的に可能な限り多くが含まれることは注意されなければならない。特に、使用される粒子116の量は、単離されるべき関心のある生体分子122の望ましい量に応じて決めることができる。各粒子116は、一般に球形として、図1-3に図示されている。しかし任意の粒子116の形状を、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、使用することができる。加えて、各粒子116の多孔度(例えば平均細孔容積、平均孔径、総細孔容積などにより特徴付けられる)並びに表面積は、関心のある生体分子122に適するように制御することができる。例えばhisタグ付きタンパク質を単離するためにニッケルイオンを含む粒子116は、平均孔径約0.1μm(1000Å)を有することができる。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、変動するパラメータを伴う多くの様々な粒子116を、本発明で使用し、様々な生体分子を様々な試料から単離することができることを認めるであろう。
【0019】
様々な固相106を本発明で使用し、様々な生体分子を試料から単離することができる。以下により詳細に説明されるように、固相106は、望ましい生体分子を本質的に捕獲するその能力を基に選択することができるか、又は固相106は、望ましい生体分子を捕獲するように修飾することができる。結果として、関心のある特定の生体分子122を捕獲するように適合されている固相106は、生体分子122を捕獲するように本質的に適合することができるか、又はこれは生体分子122を捕獲するように修飾することができる。関心のある生体分子122を捕獲する固相106の容積は一般に、単離されるべき生体分子122の量よりも大きい。
【0020】
固相106は、以下により詳細に説明されるように、様々な物質により作製することができ、様々な溶液中に浮遊するか、又はリザーバー102内で沈降するかのいずれかであることができる。一部の態様において、固相106は、試料が固相106の全ての外面の回りを自在に移動することができるように、浮遊される。一部の態様において、固相106は、リザーバー102内で重力により沈降し、その結果試料は、リザーバー102中で沈降している固相106を流れ過ぎることができる。一部の態様において、固相106は、浮遊する粒子116及びリザーバー102内に沈降している粒子116の組合せで形成することができる。
【0021】
フィルター108は、リザーバー102の内面104の少なくとも一部と固相106の間に配置される。フィルター108は、固相106により捕獲されない試料からの物質をリザーバー102から除去すると同時に、リザーバー102内に固相106及び固相106により試料から捕獲されている生体分子122を維持することができる。結果として、フィルター108の平均孔径又はメッシュサイズは、固相106中の粒子116のサイズにより少なくとも部分的に決定される。加えてフィルター108の平均孔径又はメッシュサイズは、試料の粘度、及び試料中に存在するいずれかのデブリ(debris)のサイズにより、少なくとも部分的に決定される。すなわち、粒子116のサイズがより小さいならば、リザーバー102中の固相106の粒子116を保持するためにフィルター108により必要とされる平均孔径又はメッシュサイズはより小さくなる。しかし試料がより粘度が高いと、固相106により捕獲されない試料中の物質を通過させるために、より大きい平均孔径又はメッシュサイズが必要となる。結果として、フィルター108の平均孔径又はメッシュサイズは、(1)リザーバー102中の固相106を維持するため、及び(2)試料中の捕獲されない物質をそれを通過させるために、調節されることが必要である。捕獲されない物質は、不溶性物質、捕獲されない関心のある生体分子122、試料中に存在する他の生体分子などを含む、固相106により捕獲されない試料のいずれかの部分を含むことができる。フィルター108は、織メッシュ(例えば、ワイヤメッシュ、布メッシュ、プラスチックメッシュなど)、篩、アブレーションフィルム(例えば、レーザーアブレーションフィルム、熱アブレーションフィルムなど)、穿孔フィルム、ガラスウール、フリット、フィルターペーパーなどの少なくとも1種、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0022】
本発明の一部の態様において、図2-3に図示されたように、フィルター108は、封止形成器具112の真上に配置され、及びリザーバー102の底面113からわずかな距離に配置される。しかし一部の態様において、フィルター108及び封止形成器具112は、リザーバー102の底面113からより大きい距離に配置される。封止形成器具112は、フィルター108とリザーバー102の底面113の間に配置される必要はないことは注意されなければならない。すなわち一部の態様において、封止形成器具112は、リザーバー102のフィルター108の上に配置される。一部の態様において、封止形成器具112は、フィルター108の縁と、リザーバー102の内面104の間に挟まれる。
【0023】
一部の態様において、図2-3に図示されたように、リザーバー102は、底面113を備え、及びリザーバー102の開放上端114の断面サイズは、リザーバー102の開放下端115に規定された開口部110の断面サイズよりも大きい。しかし一部の態様において、開放上端114の断面サイズは、開放下端115の断面サイズと同じサイズであるか又はより小さいことができる。そのような態様において、リザーバー102は、底面113を備えず、並びにフィルター108及び封止形成器具112は、リザーバー102内の垂直位置に配置することができる。
【0024】
図1-3に図示された態様において、フィルター108は、平坦であり、リザーバー102の軸線A-Aに関して実質的に垂直に配置される。一部の態様において、リザーバー102は底面113を備えるかどうかにかかわらず、フィルター108は平坦ではなく、しかし代わりに隣接するリザーバーの内面104の任意の位置に嵌合するよう曲線であるか、波形であるか、又はリザーバー102内に軸線A-Aに関して90°以外の角度で配置される。フィルター108の任意の形状及び配向は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0025】
一部の態様において、生体分子単離装置100は、フィルター108を備えない。例えば一部の態様において、固相106は、1個又は複数の比較的大きい粒子116を含み、これらの粒子116は、粒子116がフィルター108を使用せずにリザーバー102内に保持されるようなサイズである。そのような態様において、1個又は複数の開口部110は、固相106がリザーバー102内に保持される一方、不溶性物質がリザーバー102を通り抜けるように、リザーバー102の内面104内に規定することができる。
【0026】
一部の態様において、生体分子単離装置100は、開口部110を備えない。すなわち一部の態様において、リザーバー102の底面113は閉鎖されている。そのような態様において、固相106により捕獲されない試料からの不溶性物質(及び任意の捕獲されない物質)は、リザーバー102の底に含むことができ、及び捕獲された生体分子122を伴う固相106は、固相106からの生体分子122を除去するために別の器具へ移すことができる。すなわち、不溶性物質が目詰まりを伴わずに固相106及び関心のある生体分子122から分離される限りは、不溶性物質は、リザーバー102から完全に除去される必要はない。
封止形成器具112は、様々なポリマー、エラストマー、複合材料などから形成することができる。封止形成器具112は、リザーバー102からの分離要素であることができるか、又は封止形成器具112は、リザーバー102と一体化して形成することができる。
【0027】
前述のように、粒子116のサイズは、本発明の生体分子単離装置100を用いて単離されるべき生体分子122に応じて少なくとも部分的に決まるであろう。一部の態様において、粒度(すなわち、一般に球形の粒子116の直径)は、約80μmよりも大きく、特に100μmよりも大きく、より特定すると約120μmよりも大きい。加えて粒度は、約240μm未満、特に220μm未満、より特定すると200μm未満である。従ってフィルター108を使用する態様において、フィルター108の平均孔径は、約200μm未満、特に約150μm未満、より特定すると約100μm未満である。加えてフィルター108の平均孔径は、リザーバー102から捕獲されない物質を適切に除去するために、約75μmよりも大きく、特に約90μm(170メッシュサイズ)よりも大きく、より特定すると約100μmよりも大きい。使用される粒子116の実際のサイズ及び使用されるフィルター108の平均孔径は、用途(例えば、使用される複雑な生物学的物質の種類、関心のある生体分子122、試料の粘度など)に応じて変動するであろう。当業者は、粒子116のサイズ及びフィルター108の平均孔径を、先に説明された関係を基にした適用に適するように容易に変更することができる。
【0028】
前述のように、フィルター108の平均孔径は、試料の粘度に応じ少なくとも部分的に決定することができる。試料の粘度は、細胞数により少なくとも部分的に決定することができる(特に試料が細胞又は細胞溶解液を含む態様において)。粘度及び細胞数は、非限定的に、細胞が増殖又はインキュベーションされる培地の種類、細胞が増殖又はインキュベーションされる培地において使用される添加剤、培地の温度(すなわち、細胞が増殖又はインキュベーションされる温度)、細胞が増殖又はインキュベーションされる時間の長さなどを含む、いくつかの要因に応じ少なくとも部分的に決定される。例えば、Terrificブロス(TB)を含む培地は、Luriaブロス(LB)を含む培地よりも、濃度(すなわち細胞数)の3倍の増加につながり、これにより粘度の上昇につながり得る。
【0029】
核酸、タンパク質及び他の巨大分子は様々な方法により破壊され(すなわち、断片化及び/又は加水分解され)、試料の粘度を低下し、及び固相106を通過する試料の流量を増加することができる。固相106を通過し及びリザーバー102から出る試料の粘度を低下し及び流量を増加するための、試料中の核酸、タンパク質及び他の巨大分子の破壊は、酵素的方法、化学的(すなわち非酵素的)方法、機械的方法の少なくともひとつ、及びそれらの組合せを使用し実現することができる。酵素的方法は、非限定的に、ヌクレアーゼ(例えばDNase及びRNase)及びプロテアーゼのような酵素の試料への添加を含むことができる。化学的方法は、非限定的に、Ce(IV)、Pr(III)、ジセリウム錯体、フェナジンジ-N-酸化物、ジエチレントリアミンとのマグネシウム(II)錯体の少なくとも1種、及びそれらの組合せの試料への添加を含むことができる。機械的方法は、非限定的に、音波処理、フレンチプレスの使用の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含むことができる。試料の粘度の低下は、試料がフィルター108を目詰まりする可能性も低下する。
【0030】
加えて、上昇した温度が試料の特性又は関心のある生体分子122と固相106の間の相互作用を著しく妨害しない限りは、より温かい培地は一般に、より低い粘度及びより高い流量につながるであろう。
更に、試料の粘度が余りにも低い(すなわち流量が従って、固相106と試料の間の十分な相互作用を可能にするには、余りにも高い)場合には、流量を低下するために、添加剤を試料に添加することができる。このような添加剤は、非限定的に、DNAと結合及びネットワークを形成することができるマカロイドクレイ;ポリエチレングリコール(PEG);ポリピニルピロリドン;フィコール;などの少なくとも1種を含むことができる。更に低下した温度が試料の特性又は関心のある生体分子122と固相106の間の相互作用を著しく妨害しない限りは、より冷えた培地は一般に、より高い粘度及びより遅い流量につながるであろう。
【0031】
本発明の一部の態様において、特定の試料及び関心のある生体分子について、ある種の粘度及び関連した流量が、関心のある生体分子122と固相106の間に適切な相互作用又は会合を実現するために必要である。すなわち一部の態様において、試料が非常に迅速に固相106を流れ過ぎ及びリザーバー102を出ることが可能であるならば、生体分子122は、固相106と相互作用するのに適切な時間を与えられず、並びに試料の残余部分から適切に単離されないであろう。特定の試料に関するある流量を実現するために、試料の粘度が増加もしくは減少されるか、又はフィルター108の平均孔径が増大もしくは減少することができる。
【0032】
加えて一部の態様において、試料は、リザーバー102よりも、異なる容器中で固相106の粒子116とインキュベーションすることができる。これは、例えば、リザーバー102を通る試料の流量が、試料と粒子116(又は以下に説明される別の固相)の間の十分な相互作用を可能にするには余りにも高いような状況において有用であることができる。固相106の粒子116は、粒子116及び試料の混合物をリザーバー102へ添加する前にある期間、試料と混合することができる。試料が粒子116とインキュベーションされる時間量は、用途に応じて変動することができる。粒子116の試料との予備混合は、試料と粒子116の間の相互作用を増強する簡便な方法を提供することができる。試料の粒子116とのインキュベーション期間に、試料及び粒子116は、相互作用を増強するために、攪拌、ボルテックス、振盪などすることができる。
【0033】
更に、試料が溶解液を含む態様において、溶解工程は、試料と固相106の粒子116との結合と実質的に同時に起こることができる。すなわち、関心のある生体分子122は、試料から抽出することができ、及び試料は、抽出工程と結合工程の間に試料を濾過、分離又は精製することなく、粒子116(又は以下に説明される別の固相)と結合することができる。一部の態様において、粒子116(又は以下に説明されたような他の固相)は、関心のある生体分子122の試料からの抽出の前に、試料と結合される。一部の態様において、試料からの関心のある生体分子122の抽出後に、粒子116は試料と結合される。一部の態様において、粒子116は、関心のある生体分子122が試料から抽出されるのと同時に、試料と結合される。
【0034】
試料の複雑な生物学的物質に応じて、様々な方法を使用し、関心のある生体分子122を試料から抽出することができる。例えば抽出は、試料中の細胞の溶解、試料中の細胞の透過度の増加(すなわち細胞膜及び/もしくは細胞壁の透過度の増加)、並びに/又は粒子116が関心のある生体分子122の捕獲を可能にするか、もしくは粒子116の関心のある生体分子122の捕獲能を増強する任意の他の方法を含むことができる。細胞の溶解は、酵素的方法、化学的(すなわち非酵素的)方法、機械的方法の少なくとも1種、及びそれらの組合せを使用し、実現することができる。酵素的溶解法は、非限定的に、リゾチーム、プロナーゼの少なくとも1種及びそれらの組合せの試料への添加を含むことができる。化学的溶解法は、非限定的に、界面活性剤、ペプチド(例えばポリミキシンB)の少なくとも1種、及びそれらの組合せの試料への添加を含むことができる。機械的溶解法は、非限定的に、音波処理、フレンチプレスの使用の少なくとも1種及びそれらの組合せを含む。
【0035】
加えて粒子116は、関心のある生体分子122の抽出及び試料の粒子116との結合と実質的に同時に、試料から関心のある生体分子122を捕獲することができる。抽出工程、結合工程及び捕獲工程は、逐次的に及び異なる容器において実行することができるが、これらの工程の「実質的に同時に」行われるとは、これらの工程が、間に濾過工程、分離工程又は精製工程を伴わずに行われることを意味することは理解されるべきである。加えて試料の粘度は、抽出工程、結合工程及び捕獲工程の1種又は複数により、実質的に同時に増加又は減少することができる(例えば、ヌクレアーゼは試料へ添加することができる)。
【0036】
図1-3に関して、関心のある生体分子122は、生体分子単離装置100を使用し、複雑な生物学的物質の任意の試料から単離することができる。関心のある生体分子122及び不溶性物質を含む試料は、試料のリザーバー102への添加、及び試料を固相106と相互作用させることにより、固相106と結合することができる。固相106は、修飾されるか、又は本質的に試料から関心のある生体分子122を捕獲するであろう。試料は更に、関心のある生体分子122ではない他の可溶性物質を含むことができる。試料中に存在する不溶性物質及び任意の他の可溶性物質(これは関心のない他の生体分子を含み得る)は、非限定的に、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離などの少なくとも1種及びそれらの組合せを含む、様々な方法により、リザーバー102から除去することができる。図1-3に図示された態様は、固相106により捕獲されない試料の任意の物質は、開口部110により除去することができるように、開口部110を備える。
【0037】
図1及び2は、フィルター108によりリザーバー102内に含まれた固相106、及び固相106の粒子116により捕獲された関心のある生体分子122のいくつかの分子を概略的に図示している。特に、生体分子122は、粒子116の外面118により捕獲されるように示されている。別の態様において、当業者に公知の方法(例えば、溶出、吸引、磨砕、攪拌など)により生体分子122が固相106から容易に除去される限りは、生体分子122は、固相106の一部により内側に捕獲されるか、又はカプセル封入され得る。
【0038】
生体分子122は、非限定的に、イオン結合、静電気相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、タンパク質-タンパク質相互作用、抗体-抗原結合、DNA-DNAハイブリッド、RNA-DNAハイブリッド、オリゴヌクレオチドハイブリッドなど、及びそれらの組合せなどの非-共有結合を含む、様々な強力な及び弱い相互作用により、固相106と相互作用することができる。
【0039】
図3は、固相106及びリザーバー102から除去された後の、生体分子122のいくつかの分子を概略的に図示している。特に図3は、第二のリザーバー120を図示している。リザーバー102同様、第二のリザーバー120は、マルチ-ウェルプレート(図5Cに図示され及び以下に説明された第二のマルチ-ウェルプレート166など)、ピペットチップ、キャピラリーカラムの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより少なくとも部分的に規定することができる。第二のリザーバー120は、生体分子122が試料、リザーバー102及び固相106から除去された後、これを受け取るために、第二のリザーバー120がリザーバー102と流体係合するように、配置される。特に第二のリザーバー120は、リザーバー102の内面104に規定された開口部110と流体係合する開放端124を備える。第二のリザーバー120は更に、第二のリザーバー120が単離された生体分子122を含むように適合された閉鎖端126を備える。
【0040】
前述のように、生体分子122は、溶離を含む、当該技術分野において公知の様々な方法により、固相106から除去することができる。すなわち生体分子122と固相106の間の相互作用又は会合を妨害するであろう溶離液は、リザーバー102へ添加し、及び前述の任意の除去技術(すなわち、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離など、及びそれらの組合せ)により除去することができる。溶離液は、リザーバー102内で固相106と予め決定された期間インキュベーションすることができる。全ての生体分子122が固相106から除去されたことを確実にするために、溶離工程、又は他の除去技術は、1回又は複数回反復することができる。加えて固相106を洗浄し、除去を増強し、及び生体分子122の固相106からの収量を増加するために、1回又は複数の洗浄工程において(すなわち、溶離液が添加される前)、洗浄液がリザーバー102へ添加される。当業者に周知であるように、反復された溶離工程を使用し、単離された生体分子の収量を増加することができる。
【0041】
図4は、本発明の別の態様の生体分子単離装置200を図示している。この生体分子単離装置200は、内面204を有するリザーバー202を備えている。図4に図示されたリザーバー202は、マルチ-ウェルプレート(図示せず)により規定される。内面204の少なくとも一部は、関心のある生体分子122を試料から捕獲するように適合された固相206を備える。固相206を含む内面204の部分は、図4に図示されたように織目加工されており、その結果固相206を含む内面204の部分は増加した表面積を有し、より多くの関心のある生体分子122が固相206と相互作用することができる。生体分子単離装置200において固相206として作用する織目加工された内面204は、本質的に試料から関心のある生体分子122を捕獲する物質で形成することができるか、又は織目加工された内面204は、関心のある生体分子122を捕獲するように帯電、コーティング又はそれ以外に修飾され得る。
【0042】
一部の態様において、固相206を含む内面204の部分は、織メッシュ、篩、アブレーションフィルム、穿刺フィルム、ガラスウール、フリット、フィルターペーパーの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより規定することができる。例えば、織メッシュは、リザーバー202の内面204の少なくとも一部、従って固相206の少なくとも一部を形成することができる。織メッシュは、本質的に試料から関心のある生体分子122を捕獲する物質で形成することができるか、又は織メッシュは、関心のある生体分子122を捕獲するために帯電されるか、コーティングされるかそれ以外に修飾されることができる。例えば固相206は、試料からhisタグ付きタンパク質を単離するために、正帯電されたニッケルイオンでコーティングされたステンレス鋼メッシュで形成することができる。固相206が織メッシュを含む態様において、メッシュの平均孔径は、試料中の生体分子122が固相206と適当な時間相互作用することができるように、メッシュを通じ試料の流量を制御するように、設定されるであろう。
【0043】
図4に図示されたような織目加工された内面204を固相206として利用する態様において、試料201は、リザーバー202へ添加し、リザーバー202内に含むことができる。試料201中の関心のある生体分子122は、リザーバー202の内面204と一体化して形成された固相206と相互作用させることができる(固相206は、本質的に内面204を形成する物質の一部であるか、又は内面204は、生体分子122を捕獲することが可能である固定された固相106を備えるために、帯電、コーティング又はそれ以外に修飾される。)。関心のある生体分子122が固相206と相互作用するのに適当な時間の経過後、試料中の不溶性物質及び任意の捕獲されない可溶性物質は、リザーバー202から除去することができる。不溶性物質、及び任意の他の捕獲されない物質は、前述の除去技術(すなわち、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離など、及びそれらの組合せ)を使用し、試料201及びリザーバー202から除去することができる。捕獲されない物質を試料201及びリザーバー202から除去するために、図4に図示したように、開口部210を、リザーバー202の内面204に規定することができる。必要な開口部201のサイズに応じ、開口部210は、試料201がリザーバー202へ添加される前又は後に、内面204で規定することができる。図4に図示された態様において、開口部210は、試料201がリザーバー202へ添加された後に、内面204で規定される。開口部210は、非限定的に、穿孔、打抜き、型押し、成形、錐もみなどの少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、様々な技術により、内面204に規定することができる。
【0044】
本発明の一部の態様において、開口部210は、生体分子単離プロセスを通じて内面204に規定することができ、開口部210を通る試料201の流れは、様々なバルブ(例えばチェックバルブ、ソレノイドバルブなど)のいずれかにより、制御することができる。別の態様において、開口部210は、機械的及び断続的に封止することができる。例えばフィルム被覆は、開口部210上に配置することができる(例えば、フィルム被覆は、その中にリザーバー202が規定されているマルチ-ウェルプレートの少なくとも一部の上に配置することができる)か、又はプラグを使用し、開口部210を閉じると同時に、試料を、固相206(例えば、マルチ-ウェルプレートに規定された1個又は複数のリザーバー204を同時に塞ぐように集成された複数のプラグを伴うシート)と相互作用させることができる。
【0045】
図5A-5Cは、本発明の生体分子単離システム150のひとつの態様及び生体分子単離システム150を使用し生体分子を試料から単離する方法を図示している。この生体分子単離システム150は、単なる例として示されており、限定が意図されるものではない。生体分子単離システム150は、真空マニホールド152、及びマルチ-ウェルプレート105、すなわち生体分子単離システム150内の第一のマルチ-ウェルプレート105を備える。第一のマルチ-ウェルプレート105は、先に説明され及び図1-3に図示されたような、複数の生体分子単離装置100を備える。従って第一のマルチ-ウェルプレート105は、複数のリザーバー102を備える。
【0046】
図5A及び5Bは、真空濾過により試料から不溶性物質及び任意の他の捕獲されない物質を除去するための分離機構(set up)を図示している。図5Aは、分離機構の分解図であり、及び図5Bは、組立図を示している。第一のマルチ-ウェルプレート105は、真空マニホールド152に隣接して嵌合し、第一のマルチ-ウェルプレート105のリザーバー102が排気されるように、真空マニホールド152中の排気バルブ158と流体係合している。
図5A及び5Bに図示された分離機構は、不溶性物質が除去された後の洗浄工程のために使用することもできる。洗浄工程の間に、特定の生体分子-固相複合体に適した洗浄液を、各リザーバー102へ添加し、真空マニホールド152を使用する真空濾過により除去することができる。特に洗浄液は、固相106と試料の間の相互作用を破壊してはならないが、捕獲されない物質(すなわち不溶性物質、可溶性物質、及び関心のない他の生体分子)の試料からの除去は増強しなければならない。
【0047】
図5Cは、生体分子と固相の間の相互作用を破壊するために、特定の生体分子-固相複合体に適した溶離液が添加され得る期間の、溶離機構の分解図を図示している。溶離液は、各リザーバー102へ添加され、溶離マニホールド162及び溶離マニホールドカラー164を使用する、真空濾過により除去される。図5Cに図示されたように、生体分子単離システム150は更に、生体分子122(及び任意の溶媒)を固相106から溶離された後に受け取るために、第一のマルチ-ウェルプレート105と流体係合して配置することができる、第二のマルチ-ウェルプレート166を備える。第二のマルチ-ウェルプレート166は、第一のマルチ-ウェルプレート105中の複数のリザーバー102との流路中に複数の第二のリザーバー120を備える。第二のリザーバー120は、前述及び図3に図示されたように、単離された生体分子122を受け取るよう配置される。当業者に周知であるように、その後生体分子122は、非限定的に、遠心分離、重力濾過、真空濾過など、及びそれらの組合せを含む、様々な公知の技術により、溶離液から単離することができる。
【0048】
図5A-5Cに図示された生体分子単離システム150は、生体分子単離装置100に関して先に説明されており、複数の生体分子単離装置100を含むように説明されている。しかし一部の態様においては、生体分子単離システム150は、図4に図示され及び先に説明されたような、複数の生体分子単離装置200を備える。加えて生体分子単離システム150は、各々、図6-10に図示され及び以下に説明されるように、複数の生体分子単離装置400、複数の生体分子単離装置500、複数の生体分子単離装置600、複数の生体分子単離装置700、及び/又は複数の生体分子単離装置800を備えることができる。一部の態様において、生体分子単離システム150は、生体分子単離装置100、生体分子単離装置200、生体分子単離装置400、生体分子単離装置500、生体分子単離装置600、生体分子単離装置700、生体分子単離装置800の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む。
【0049】
図6は、本発明の別の態様に従う、生体分子単離装置400を図示している。生体分子単離装置400は、ピペットチップ405により規定されたリザーバー402を備える。リザーバー402は、内面404を備える。内面404の少なくとも一部は、試料から関心のある生体分子122を捕獲するために適合された固相406を備える。固相406を備える内面404の一部は、図4に図示された織目加工された内面204と同様に、織目加工されることができ、その結果固相406を含む内面404の一部は増大した表面積を有する。生体分子単離装置400内の固相406として作用する内面404の一部は、試料から関心のある生体分子122を本質的に捕獲する物質で形成することができるか、又は内面404は、関心のある生体分子122を捕獲するように、帯電、コーティングもしくはそれ以外で修飾することができる。
【0050】
関心のある生体分子122を含有する試料を、当業者に公知の標準ピペッティング手法を用い、リザーバー402へ添加し、固相406と結合することができる。例えば試料は、ピペットチップ405の先端部分407に規定された開口部410へと吸込み、ピペットチップ405の内部により規定されたリザーバー402の容積の少なくとも一部を満たすことができる。その後試料を、リザーバー内で保持し、振り落とし、及び/又は振盪し、生体分子122を固相406と相互作用することができる。生体分子122が固相406と相互作用するのに十分な時間が経過した後、不溶性物質及び任意の捕獲されない物質は、標準ピペッティング手法を用い、リザーバー402から物質を駆出することにより、リザーバー402から除去することができる。その後生体分子122は、先に説明された除去技術のいずれかを用い、固相406から除去することができる。例えば試料、固相406、及びリザーバー402の少なくとも1種から捕獲されない物質の除去を増強するために、洗浄液をピペットチップ405の先端部分407に規定された開口部410へ吸込むことができる。加えて溶離液は、生体分子122と固相406の間の相互作用を破壊するために同様の様式で、ピペットチップ405へ吸込むことができる。溶離液は、標準ピペッティング手法を用い駆出することができ、及び単離された関心のある生体分子122は収集することができる。単離された関心のある生体分子122は、開口部410と流体係合して配置された第二のリザーバー(図示せず)内に収集することができる。加えて反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用いて行うことができる。
【0051】
図7は、本発明の別の態様の生体分子単離装置500を図示している。生体分子単離装置500は、キャピラリーカラム505により規定されたリザーバー502を備える。リザーバー502は、内面504を備える。内面504の少なくとも一部は、試料から関心のある生体分子122を捕獲するために適合された固相506を備える。内面504は、関心のある生体分子122を本質的に捕獲する物質で形成されることにより、固相506を含むことができるか、又は内面504は、関心のある生体分子122を捕獲するように、帯電、コーティングもしくはそれ以外で修飾することができる。
【0052】
図7に図示された態様において、内面504は、固相506によりコーティングされる。しかし一部の態様において、内面504を形成する物質は、固相506それ自身としても機能する。そのような態様において、内面504は、図4に図示された織目加工された内面204と同様に、織目加工することができ、その結果固相506を備える内面504の部分は、増大した表面積を有する。
【0053】
関心のある生体分子122を含有する試料は、リザーバー502へ添加し、当業者に公知のシステム及び技術を用い、キャピラリーカラム505を通り試料を流すことにより、固相506と結合することができる。例えば、試料は、キャピラリーカラム505の流入部分507により規定された開口部510を通り導入され、リザーバー502を通り移動し(図7において矢印で示された)及び流出部分709により規定された開口部510から出ることができる。試料は、試料中の関心のある生体分子122が固相506と相互作用することができるように予め決められた流量でリザーバー502を通り移動することができる。試料は、均一な流量でリザーバー502を通り流れることができるか、又は流量は変更することができる。例えば、試料の流量は、生体分子122と試料の間の十分な相互作用を可能にするように、低下するか又は停止することができ、この流量は、試料及びリザーバー502から捕獲されない物質の除去を増強するように増加することができる。加えてキャピラリーカラム505は、固相506を含むその全長に沿ったいくつかの区画を含むことができる。図7に図示されたように、キャピラリーカラム505は、任意の望ましい長さを有することができ、固相506は、全長の一部に存在することができるか、又は固相506は、キャピラリーカラム505の全長を通じて存在することができる。
【0054】
試料中の不溶性物質及び任意の他の捕獲されない物質は、標準キャピラリーカラムシステム及び手法を使用し、リザーバー502を通る試料の移動を継続することにより、リザーバー502から除去することができる。不溶性物質及び任意の他の捕獲されない物質がリザーバー502から除去された後、洗浄液は、試料、固相506及びリザーバー502の少なくとも1種からの捕獲されない物質の除去を増強するために、リザーバー502を通り移動することができる。洗浄液の次に、溶離液が、生体分子122と固相506の間の相互作用を破壊するために、リザーバー502を通り移動することができる。単離された関心のある生体分子122は、流出部分509により規定された開口部510との流路に配置された第二のリザーバー(示さず)において収集することができる。加えて、反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用い行うことができる。
【0055】
図8は、本発明の別の態様の生体分子単離装置600を図示し、ここで類似の符番は、類似の構成要素を表している。生体分子単離装置600が、ピペットチップ605(図6に図示され及び先に説明されたピペットチップ405に類似)により規定されるリザーバー602を備えること以外は、生体分子単離装置600は、図1-3の生体分子単離装置100を参照し先に説明された多くの同じ構成要素及び特徴を共有している。従って図1-3に図示された態様の構成要素及び特徴に対応する構成要素及び特徴は、600シリーズと同じ符番を備えている。図1-3に図示された態様の特徴及び構成要素(及びそのような特徴及び構成要素の代替)のより完全な説明のために、添付された図1-3の先の説明を参照することができる。
【0056】
図8に図示されたように、生体分子単離装置600は、内面604を有するリザーバー602、リザーバー602内に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された複数の粒子616を含む固相606、固相606と内面604の少なくとも一部の間に配置されたフィルター608、フィルター608の縁に適切に封止を維持するように、フィルター608の縁及び内面604の一部に隣接して配置られた封止形成器具612(例えばO型リング)、並びに内面604内に規定された、特にピペットチップ605の先端部分607に規定された開口部610を備える。
【0057】
フィルター608は、固相606により捕獲されていない試料由来の物質を、先端部分607でリザーバー602から除去することができると同時に、リザーバー602内に捕獲された生体分子122と共に固相606を維持することができる。フィルター608は、前述の種類のフィルター型のいずれか、及びそれらの組合せを含むことができる。
一部の態様において、生体分子単離装置600は、フィルター608を備えない。例えば一部の態様において、固相606は、比較的大きい粒子616の1個又は複数を含む。一部の態様において、粒子616は、粒子616がフィルター608を使用することなく、リザーバー602に保持されるようなサイズである。このような態様において、粒子616のサイズは、ピペットチップ605の先端部分607の幅及び先細の程度により少なくとも部分的に決定され得る。更に1個又は複数の開口部610は、不溶性物質がリザーバー602を通過すると同時に、リザーバー602内に固相606を保持するように、リザーバー602の内面604に規定することができる。
【0058】
関心のある生体分子122を含有する試料は、標準のピペッティング手法を使用し、リザーバー602へ添加し、固相606と結合することができる。例えば、ピペットチップ605の内部により規定されるリザーバー602の容積の少なくとも一部を充填するために、試料は、ピペットチップ605の先端部分607中に規定された開口部610へ吸込むことができる。その後試料を、リザーバー内で保持し、振り落とし、及び/又は振盪し、生体分子122を固相606と相互作用させることができる。生体分子122が固相606と相互作用するのに十分な時間が経過した後、試料中の不溶性物質及び任意の捕獲されない物質は、標準のピペッティング手法を用い、ピペットチップ605の先端部分607から試料を駆出することにより、リザーバー602から除去することができる。その後生体分子122は、先に説明された除去技術のいずれかを用い、固相606から除去することができる。例えば洗浄液は、リザーバー602からの捕獲されない物質の除去を増強するために、ピペットチップ605の先端部分607に規定された開口部610へ吸込むことができる。加えて溶離液は、生体分子122と固相606の間の相互作用を破壊するために同様の様式で、ピペットチップ605へ吸込むことができる。溶離液は、標準ピペッティング手法を用い駆出することができ、及び単離された関心のある生体分子122は収集することができる。単離された関心のある生体分子122は、開口部610と流体係合して配置された第二のリザーバー(図示せず)内に収集することができる。加えて反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用いて行うことができる。
【0059】
図9は、本発明の別の態様の生体分子単離装置700を図示し、ここで類似の符番は、類似の構成要素を表している。生体分子単離装置700が、キャピラリーカラム705(図7に図示され及び先に説明されたキャピラリーカラム505に類似)により規定されるリザーバー702を備えること以外は、生体分子単離装置700は、図1-3の生体分子単離装置100を参照し先に説明された多くの同じ構成要素及び特徴を共有している。従って図1-3に図示された態様の構成要素及び特徴に対応する構成要素及び特徴は、700シリーズと同じ符番を備えている。図1-3に図示された態様の特徴及び構成要素(及びそのような特徴及び構成要素の代替)のより完全な説明のために、添付された図1-3の先の説明を参照することができる。
【0060】
図9に図示されたように、生体分子単離装置700は、内面704を有するリザーバー702、リザーバー702に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された複数の粒子716を含む固相706、固相706と内面704の少なくとも一部の間に配置された2個のフィルター708、各フィルター708の縁の回りに適切に封止を維持するように各フィルター708の縁及び内面704の一部に隣接して配置られた封止形成器具712(例えばO型リング)、並びに内面704内に規定された、特にキャピラリーカラム705の流入部分707及び流出部分709により規定された2個の開口部710を備える。
【0061】
関心のある生体分子122を含有する試料は、リザーバー702へ添加され、及び当業者に公知のシステム及び技術を使用し、キャピラリーカラム705を通し試料を流すことにより、固相706と結合することができる。例えば、試料は、キャピラリーカラム705の流入部分707により規定された開口部710を通り導入され、リザーバー702を通り移動し(図9において矢印で示される)及び流出部分709により規定された開口部710の外へ出ることができる。試料は、試料中の関心のある生体分子122が固相706と相互作用することができるように予め決められた流量でリザーバー702を通り移動することができる。試料は、均一な流量でリザーバー702を通り流れることができるか、又は流量は変更することができる。例えば、試料の流量は、生体分子122と試料の間の十分な相互作用を可能にするように、低下するか又は停止することができ、この流量は、試料及びリザーバー702からいずれかの捕獲されない物質の除去を増強するように増加することができる。
【0062】
図9に図示されるように、キャピラリーカラム705は、任意の望ましい長さを有することができ、2個のフィルター708間の距離は変動することができる。加えて、キャピラリーカラム705は、固相706を含むその全長に沿ったいくつかの区画を含むことができる。結果的として、固相706は、キャピラリーカラム705の全長の一部に存在することができるか、又は固相706は、キャピラリーカラム705の全長を通じて存在することができる。
【0063】
試料中の不溶性物質及び任意の捕獲されない物質は、標準キャピラリーカラムシステム及び手法を使用し、リザーバー702を通る試料の移動を継続することにより、リザーバー702から除去することができる。不溶性物質及び任意の捕獲されない物質がリザーバー702から除去された後、洗浄液は、捕獲されない物質を試料及び固相706からより完全に除去するために、リザーバー702を通り移動することができる。洗浄液の次に、溶離液が、生体分子122と固相706の間の相互作用を破壊するために、リザーバー702を通り移動することができる。単離された関心のある生体分子122は、流出部分709により規定された開口部710との流路に配置された第二のリザーバー(示さず)において収集することができる。
【0064】
一部の態様において、生体分子単離装置700は、2個のフィルター708の一方又は両方を含まない。例えば一部の態様において、試料のリザーバー702を通る流れは、関心のある生体分子122を捕獲する位置で固相706の粒子716を維持するので、ただひとつのフィルター708が使用される。すなわち一部の態様において、図9の左側のフィルター108は省略される。加えて一部の態様において、キャピラリーカラムは、フィルター708を伴わないリザーバー702内に粒子716が保持されるように、形作られる。更に1個又は複数の開口部710は、不溶性物質がリザーバー702を通過すると同時に、リザーバー702内に固相706が保持されることを可能にするように、リザーバー702の内面704に規定することができる。加えて反復された溶離工程及び洗浄工程も、同様の技術を用い実行することができる。
【0065】
図10は、本発明の別の態様の生体分子単離装置800を図示しており、ここで類似の符番は、類似の構成要素を表している。生体分子単離装置800が、バスケット805により規定されるリザーバー802を備えること以外は、生体分子単離装置800は、図1-3の生体分子単離装置100を参照し先に説明された多くの同じ構成要素及び特徴を共有している。従って図1-3に図示された態様の構成要素及び特徴に対応する構成要素及び特徴は、800シリーズと同じ符番を備えている。図1-3に図示された態様の特徴及び構成要素(及びそのような特徴及び構成要素の代替)のより完全な説明のために、添付された図1-3の先の説明を参照することができる。
【0066】
図10に図示されたように、生体分子単離装置800は、内面804を有するリザーバー802、リザーバー802に含まれ及び試料から生体分子122を捕獲するように適合された複数の粒子816を含む固相806、並びにバスケット805のリザーバー802により少なくとも部分的に規定されたフィルター808を備える。
関心のある生体分子122を含有する試料は、リザーバー802へ添加され、バスケット805の少なくとも一部を試料を含む容器に浸漬することにより、固相806と結合することができる。バスケット805は試料へ浸漬されるので、試料は、フィルター808の孔811を通り及びリザーバー802へと流れることができ、そこで試料は、固相806と相互作用することができる。この態様において、試料及び固相806の相互作用は、リザーバー802を通る流量により左右されないが、むしろバスケット805が試料と接触され続ける時間量に少なくとも部分的に左右される。捕獲されない物質を試料、リザーバー802及び固相806の少なくとも1種から除去するために、バスケット805は、試料から引上げることができるか、又は捕獲されない物質は、デカントもしくはサイホンで吸上げることができる。
【0067】
その後バスケット805及び固相806は、バスケット805を洗浄液ですすぐもしくは噴霧することによるか、又はバスケット805を洗浄液へ浸漬し、その後バスケット805を洗浄液から取り除くことにより、洗浄することができる。同様に関心のある生体分子122は、バスケット805を溶離液ですすぐもしくは噴霧し、並びに固相806から外れたものを収集することにより、固相806から除去することができる。生体分子122は代わりに、バスケット805を溶離液へ浸漬し、その後溶離液からバスケット805を除去することにより、固相806から除去することができる。反復された溶離工程及び洗浄工程は、同様の技術を用い行うことができる。
【0068】
図10に図示されたフィルター808は、バスケット805の側面813及び底815により規定されるように示される。しかし一部の態様において、フィルター808は、バスケット805の側面813の一部及び/又は底815の一部により規定されている。一部の態様において、生体分子単離装置800は、必ずしもフィルター808を備えないが、リザーバー802内に固相806を保持しつつ、不溶性物質がリザーバー802を通過することを可能にするリザーバー802の内面804で規定された1個又は複数の開口部を備える。
図10に図示された態様は、どのように生体分子単離装置が、バスケット-規定されたリザーバー802を備えることができるかの概略例を示している。従ってバスケット805は、使用者又は自動装置が掴むことができる、ハンドル817を備える。しかし、バスケット805は、複数の試料へ浸漬することができる複数のバスケット805のひとつ(マルチ-ウェルプレート中の複数のウェル同様)であり、及びハンドル817は備えられる必要はないことは注意されなければならない。
【0069】
加えて、図10に図示されたバスケット805は、開放端819を有するが、一部の態様においてバスケット805は、全ての側面が閉鎖され、これにより試料、洗浄液、及び溶離液へ滴下、浸漬などすることができるケージを形成することは注意されなければならない。
更に図10に図示されたバスケット805は、剛性材料で形成される。しかし一部の態様において、バスケット805は、織布メッシュ、織プラスチックメッシュなど、及びそれらの組合せを含む軟質材料で形成されることは注意されなければならない。軟質バスケット805を使用する態様において、バスケット805は、開放端819を含むか、又はバスケット805は閉鎖することができる。
【0070】
図10に図示された態様において、固相806は、複数の粒子816を含む。しかし一部の態様において、フィルター808は、関心のある生体分子122を捕獲するよう適合された固形物806を含むように、帯電、コーティングもしくはそれ以外で修飾される。修飾されたフィルター808は、固相806を製造するために、粒子816の代わりに、又はこれに加えて使用することができる。
【0071】
固相106、206、406、506、606、706、806が試料の不溶性物質を、実質的に目詰まりすることなく、生体分子単離装置100、200、400、500、600、700、800を通り又はこれらから外へ流れる限りは、固相106、206、406、506、606、706、806のいずれかの様々な組合せを使用し、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、試料から生体分子122を単離することができる。
先に説明された生体分子単離装置100、200、400、500、600、700、800のいずれかにおいて、1個又は複数の固相106、206、406、506、606、706、806を使用し、1個又は複数の生体分子122を試料から単離することができる。洗浄液及び溶離液は、生体分子122を固相106、206、406、506、606、706、806から選択的に洗浄及び除去するために選択することができる。
【0072】
前述のように、生体分子122を単離するための現存するシステムは、試料が任意の固相と結合される前に、任意の不溶性物質を試料から最初に除去することが必要である。しかし本発明は、可溶性物質及び不溶性物質を含む試料が、固相へ直接添加され、固相が試料と結合された後に不溶性物質は試料から除去されることを可能にする。結果として、試料からの不溶性物質の除去は、本発明の試料と固相との結合後に生じる。加えて本発明において、固相は、先行する試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、試料と結合することができる。
【0073】
様々な生体分子122は、非限定的に、表1に列記された生体分子122を含む、複雑な生物学的物質の試料から単離することができる。従って様々な固相106を使用し、同じく表1に列記された、試料から様々な生体分子122を単離することができる。一部の態様において、固相106は、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックスなどの少なくとも1種及びそれらの組合せを含有し、これは、様々な生体分子122を本質的に捕獲することができるか、又は様々な生体分子122を捕獲するように修飾することができる。
【0074】
特に、表1に示されたように、配列-特異的核酸は、配列-特異的核酸固相を用い試料から単離することができ;hisタグ付きタンパク質は、金属-帯電された固相(例えば、先に列記された固相のひとつは、ニッケル、亜鉛、及びそれらの組合せで帯電され得る;Promega Corporation, マジソン, WIから入手可能なHISLINK(商標)精製製品、カタログ番号V8821)を用い、単離することができ;ビオチン化された生体分子は、ストレプトアビジンを含む固相を用い、単離することができ;mRNAは、固相に会合、複合又は結合されたオリゴdTを用い、試料から単離することができ;総RNAは、シリカ固相を用い、単離することができ;ゲノムDNAは、シリカ固相を用い、単離することができ(実施例2参照);プラスミドDNAは、シリカ固相又は金属-帯電された固相を用い、単離することができ;植物DNAは、シリカ固相又は金属-帯電された固相を用い、単離することができ;試料からのタンパク質分画は、陰イオン交換樹脂(例えば、交換部位としてトリメチルベンジルアンモニウム基を含む固相)を用い実現することができ;試料からのタンパク質の分画は、陽イオン交換樹脂(例えば、交換部位としてスルホン酸を含む固相)を用い実現することができ;試料からのタンパク質の分画は、サイズ排除クロマトグラフィー樹脂を用い実現することができ;グルタチオン-S-転移酵素(GST)融合タンパク質は、グルタチオン固相を用い、単離することができ;並びに、イムノアッセイ(例えば、ELISA)は、対応する抗体又は抗原を含む固相を用いて行うことができる。
【0075】
【表1】
【0076】
他の生体分子及び対応する固相を、本発明の精神及び技術から逸脱することなく使用することができる。当業者は、様々な生体親和性タグを使用し、試料から関心のある生体分子122を単離するために、固相を選択するか、又は現存する固相を修飾することができる。生体親和性タグは、非限定的に、抗体、DNAプローブ、RNAプローブ、正帯電した基、負帯電した基など、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0077】
単に例として、mRNAは、様々な方法で試料から単離することができる。一部の態様において、ビオチン化されたオリゴdTプローブは、ストレプトアビジンとの相互作用により、固相106、206、406、506、606、706、806のいずれかに、付着することができる(当業者に公知の様々な技術を使用する)。その後、試料中のmRNAのポリ(A)尾部は、固相106、206、406、506、606、706、806を通過する試料流れとして、オリゴdTプローブとハイブリダイズすることができる。
【0078】
一部の態様において、ストレプトアビジンは、固相106、206、406、506、606、706、806のいずれかに付着することができる(当業者公知の様々な技術を使用する)。加えて、ビオチン化されたオリゴdTプローブは、試料中のmRNAのポリ(A)尾部へハイブリダイズすることができる。このような態様において、試料中のビオチン化された-mRNAと、ストレプトアビジンで修飾された固相106、206、406、506、606、706、806の間のビオチン-ストレプトアビジン相互作用は、試料からmRNAを単離する。固相106、206、406、506、606、706、806がストレプトアビジンで修飾される態様において、固相106、206、406、506、606、706、806を使用し、各関心のある生体分子122について全く新規かつ異なる固相106、206、406、506、606、706、806の製造を必要とせずに、様々な生体分子122を単離することができる。しかし、先に説明された全ての方法は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく使用することができ、単離されるべき望ましい各生体分子122について同様の変更が存在する。当業者は、各関心のある生体分子122に関する生体分子単離システム(例えば先に説明され及び図5A-5Cに図示された生体分子単離システム150)及び方法をどのように変更するかを認めるであろう。
【0079】
先に説明され及び図面に図示された態様は、単に例として示されており、本発明の概念及び原理を基にした限定として意図されるものではない。従って当業者により、添付された「特許請求の範囲」に示された本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、構成要素並びにそれらの形態及び配列の様々な変更が可能であることは理解されるであろう。以下の実施例は、例証を意図するものであり、限定は意図しない。
【0080】
実施例1
Hisタグ付きタンパク質の単離:
使用する材料:
・96-ウェルプレート、プレート中の各ウェルは、O型リングにより封止されたフィルターとしての90μmワイヤメッシュと嵌合されている。各ウェルは、直径約150μm〜約200μmを有するニッケル-負荷されたシリカ粒子4mgが予備分配されている。使用したシリカ粒子は、平均孔径0.1μm(1000Å)、及びニッケルの負荷容量約0.15nmol/gシリカ粒子を有する。
・洗浄緩衝液(100mM HEPES、10mMイミダゾール)
・溶離緩衝液(100mM HEPES、500mMイミダゾール)
・10x細胞溶解緩衝液(0.5M HEPES、10% Triton X-100、0.1Mイミダゾール、6%オクチルβ-D-チオグルコピラノシド、3% Tomah)
・脱イオン水(dH20)
【0081】
細胞調製:
・hisタグ付き融合タンパク質、ルシフェラーゼを含むJM109細胞(Promega Corporation, マジソン, WIから入手した大腸菌、カタログ番号L2001)は、LB培地1mLとアンピシリン(アンピシリン10μg/mL)を使用し、96-ウェルプレートにおいて増殖した。96-ウェルプレートは、蓋をし、37℃で一晩振盪した。培養物を、600nmでの光学濃度(OD)0.4〜0.6になるまで増殖し、その後タンパク質発現を誘導した。
・IPTG誘導:IPTGを、最終濃度1mMとなるよう添加し、37℃で3時間、又は25℃で一晩インキュベーションした。細胞培養物は、6未満又はこれと等しい最終ODを有した。一般に、25℃で一晩の細胞増殖は、6未満又はこれと等しいODを実現した。結果として、ODの測定は任意である。
・誘導した培養物5mLを、15mLスクリューキャップ付き遠心チューブを用い、遠心分離によりペレット化した。培養物1mLを使用した場合、細胞は直接溶解され、遠心分離を使用しなかった。
・培地を慎重にデカントし、細胞をdH2O 0.9mL中で激しくボルテックスすることにより再浮遊させた。
・細胞溶解緩衝液0.1mLを、再浮遊した細胞へ添加し、この混合物を穏やかに旋回した。
・再浮遊させ、溶解し緩衝した細胞を、室温(すなわち約25℃)で約20分間インキュベーションし、5分毎に混合した。細胞混合物の過剰な泡立ちを防ぐように注意した。
【0082】
Hisタグ付きタンパク質の単離:
・96-ウェルプレートを、移動(transport)時に移動したシリカ粒子を沈降するために、ベンチトップで軽く叩いた。
・96-ウェルプレートの蓋を、慎重に取り外した。
・96-ウェルプレートを、真空マニホールドに配置した。
・96-ウェルプレートを、必要ならば1mL dH2O/ウェルの添加により、再水和した。
・96-ウェルプレート中の空のウェルは、以後の工程で効果的な真空を確実にするために、テープで蓋をした。
・dH2Oは、各リザーバーの底の開口部を通り排液させた。
・溶解した細胞1mLを、移送時に泡の発生を避けながら、添加した。
・細胞溶解液は、5分間かけて(例えば、流量約0.5mL/分)シリカ粒子をゆっくり流れ過ぎさせ、Hisタグ付きタンパク質とニッケル-負荷したシリカ固相の効果的結合を確実にした。
・約10インチHg(3.4N/cm2)の真空を1分間適用し、リザーバーを乾燥した。
・洗浄緩衝液1mLを、各リザーバーへ添加した。96-ウェルプレートを、真空マニホールドを使用し、1分間真空とした。
・この洗浄の順番を、3回繰り返した。
・シリカ粒子を完全に乾燥するために、最後の洗浄後、真空を、合計3分間維持した。
・96-ウェルプレートを、新たな96-ウェルマイクロタイタープレートに嵌合された溶離マニホールドへ移した。
・溶離緩衝液100μLを、各ウェルへ添加し、マイクロタイタープレートへ重力により流出させた。
・約10インチHg(3.4N/cm2)の真空を、2分間適用した。
・溶離したタンパク質は、-20℃で貯蔵した。
【0083】
実施例2
血液からのゲノムDNAの単離
材料:
・KFE8溶解緩衝液
5.3M GTC(グアニジンチオシアネート)
1% Triton(登録商標) X-100
1% CHAPS (3-[3-(コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホン酸)
0.1M EDTA((エチレンジニトリロ)四酢酸)、pH8.0
1% 抗-Foam A
・4/40洗浄液
40%イソプロパノール
4.2M塩酸グアニジン
・アルコール洗浄液、血液
25%イソプロパノール
25%エタノール
0.1M NaCl (塩化ナトリウム)
・溶離緩衝液、血液
10mM Tris (トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、pH8
0.1M EDTA ((エチレンジニトリロ)四酢酸)、pH8
・減圧用96-ウェル;O型リングにより封止されるフィルターとして90μmワイヤメッシュがレトロフィットされた、Wizard(登録商標)SV96 DNA結合プレート
・KFE8溶解緩衝液(全て試料)+100mgシリカ粒子/800μL;使用されるシリカ粒子は、直径約150μm〜約200μm及び平均孔径0.1μm(1000Å)を有した。
・イソプロパノール(IPA)
・Vac-man(登録商標)96(〜15インチHg(5.1N/cm2))
【0084】
ゲノムDNAの単離:
・溶解緩衝液/シリカ(100mg)800μLを、全血200μLへ添加した。
・96-ウェルプレートを、室温(RT;約25℃)又は68℃で10分間インキュベーションした。
−RT試料に関して、各試料は、1分間ボルテックスし、シリカ粒子を懸濁させた。
−68℃試料に関して、シリカを再懸濁するために、各試料を、インキュベーション後、短くボルテックスした。
・溶解液を、96-ウェルプレートの各ウェルへ適用した。シリカ粒子が確実に移されるよう注意した。
・各ウェルを、4/40洗浄液1mLで2回洗浄した。
・各ウェルを、アルコール洗浄液1mLで2回洗浄した。
・96-ウェルプレートを、Vac-man(登録商標)96において、3分間真空乾燥した。
・溶離緩衝液200mLを、各ウェルへ添加し、96-ウェルプレートをRTで10分間インキュベーションした。
・Vac-man(登録商標)96を使用し、約1分間真空を適用し、ゲノムDNAを収集プレートへ溶離した。
・Vac-man(登録商標)96を取り外し、溶離したゲノムDNAを、-20℃で貯蔵した。
【0085】
実施例3
BL21細胞からのhis lucタンパク質の単離
材料:
・96ウェル(ディープウェル;2mL)BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneより入手、カタログ番号0923)
・減圧用96-ウェル;o型リングにより封止されるフィルターとして90μmワイヤメッシュがレトロフィットされた、Wizard(登録商標)SV96 DNA結合プレート(「フィルタープレート」)
・DNase液、凍結乾燥したDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z358)の入った1バイアルにつき、4mL H2O等量の添加により調製
・直径約150μm〜約200μmを有する、ニッケル-負荷されたシリカ粒子。使用したシリカ粒子は、平均孔径0.1μm(1000Å)、及びニッケルの負荷容量約0.15nmol/gシリカ粒子を有する。
・溶解液:FASTBREAK(商標)細胞溶解液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V5873)
・洗浄/結合緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V851)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V852B)
【0086】
細胞の調製:
・TBブロス1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレートの各ウェルへ配置した。
・各ウェルに、IPTG発現時にhisルシフェラーゼタンパク質をコードしているプラスミドpJLC10を含む、BL21(DE3)Star(Invitrogen Corporationより入手)を播種した。
・細胞は、37℃で一晩増殖し、その後標準技術を用い誘導した。
・誘導後、溶解液100μLを、各ウェルへ添加した。
・DNase溶液20μLを各ウェルへ添加し、溶液の粘度を低下した。
【0087】
His lucタンパク質の単離:
・沈降したニッケル負荷したシリカ粒子(H2O中)90μLを、ウェル1個につき添加した。
・BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレートを、RTで30分間インキュベーションした。混合は、先端が広口のものを使用した、5分毎のピペッティングにより実現した。
・インキュベーション後、溶解液及び粒子を、一度に200μLフィルタープレートへ移し、各移送前に溶解液への粒子の混合を確実にした。
・10インチHg(3.4N/cm2)の減圧を、30秒間適用した。
・各ウェルを、洗浄/結合緩衝液5X200μLで洗浄した。
・10インチHg(3.4N/cm2)の減圧を、1分間適用した。
・フィルタープレートを、図5Cに図示されたものに類似した、溶離構成へ移した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、各ウェルへ添加した。フィルタープレートを、3分間室温(すなわち約25℃)でインキュベーションした。
・10インチHg(3.4N/cm2)の減圧を、1分間適用し、単離されたタンパク質を収集プレートへ溶離した。
・溶離機構を、取り外し、溶離したタンパク質を-20℃で貯蔵した。
【0088】
実施例4
6X Hisタグ付きタンパク質の自動精製
材料:
・25μmフリットが嵌合された96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAより入手)(「フィルタープレート」)
・洗浄緩衝液(100mM HEPES、400mM NaCl、10mMイミダゾール-HCl;pH7.5とする)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V852B)
【0089】
細胞培養調製物:
・BL-21(DE3)で発現された6X Hisホタルルシフェラーゼ。
・細胞は、Terrificブロス(TB)で一晩培養物のために増殖した。
・一晩培養物5mlを、TB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D.600 1.0〜2.0に増殖し、IPTG(最終濃度1mM)を含有した。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D.600 12.0で収穫した。
・培養物を、アリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・培養物を、新鮮なTBにより、O.D. 600 6.0、4.0、2.0、及び1.0へ希釈した。
・これらの希釈物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneより入手、カタログ番号0923)へ配置した。
【0090】
DNase調製:
・凍結乾燥したDNase(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号Z385B)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)80μL中に再懸濁し、ヌクレアーゼ非含有水1.24mLへ移した。
・この希釈物808μLを、FASTBREAK(商標)溶解試薬(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号V882)12.2mLへ添加した。
【0091】
タンパク質の単離:
・HISLINK(商標)タンパク質精製樹脂(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号V8821;平均粒度約90μm)25μLを、このプロトコールにおいて固相として使用した。
・タンパク質の精製を、BioMek 2000(Beckman Coulterより入手)上で実行した:
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、この溶液をフィルター(メッシュ)を通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、200μL、600μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させた。
・粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図11は、実施例4の結果を示している。レーン1:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号V849A)。レーン2:1.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。レーン3:2.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。レーン4:4.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。レーン5:6.0 O.D. 600 培養物からの溶離液。
【0092】
実施例5
6X Hisタグ付きタンパク質の自動精製
材料:
・90μmワイヤメッシュと勘合した96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAから入手)(「フィルタープレート」)
・洗浄緩衝液(100mM HEPES, 400mM NaCl, 10mMイミダゾール-HCl;pH7.5とする)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号V852B)
【0093】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)大腸菌細胞内で発現された6 Hisタグ付きMAP-キナーゼ(MAPK)。
・一晩培養物について、細胞は、LB培地において増殖した。
・一晩培養物5mlを、LB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D. 600 0.3へ増殖し、100mM IPTGで、最終濃度1mM IPTGへ誘導した。
・培養物を、37℃で増殖し、最終O.D. 600 1.14で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・この培養物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneから入手、カタログ番号0923)に播種した。
【0094】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)において発現された6X-Hisタグ付きカルモジュリン。
・一晩培養物について、細胞は、LB培地において増殖した。
・次に、一晩培養物5mlを、LB 500mL容量へ接種した。
・培養物を、O.D. 600 0.4-0.6へ増殖し、100mM IPTGで、最終濃度1mM IPTGへ誘導した。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D. 600 1.79で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・これらの希釈物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(ABgeneから入手、カタログ番号0923)のウェルへ播種した。
【0095】
DNase調製:
・凍結乾燥されたDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z385A)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)275μL中で再懸濁し、その後全バイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)4.0mLに移した。
・この希釈物20μLを、各ウェルに添加し、その後精製した。
【0096】
タンパク質の単離:
・球形SiNiADAシリカ粒子90μL(Silicycle, ケベック, カナダ, カタログ番号S74050 T;粒度は約120μm〜約200μmの範囲)を、このプロトコールにおいて固相として使用した。
・タンパク質の精製は、BioMek 2000(Beckman Coulterより入手)において精製した:
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、溶解液をフィルターを通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、200μL、600μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させた。
・粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図12は、実施例5の6X-Hisタグ付きカルモジュリン実験の結果を示している。レーン1:500μL洗浄後のメッシュプレートからの溶離液。レーン2:750μL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン3:1mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン4:4mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン5:フリット(Innovative Microplatesから入手, カタログ番号F20000)と嵌合された96ウェルプレート中のタンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V849A)。
図13は、実施例5の6X-Hisタグ付きMAP-K実験の結果を図示している。レーン1:500μL洗浄後のメッシュプレートからの溶離液。レーン2:750μL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン3:1mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン4:4mL洗浄後のメッシュ挿入されたプレートからの溶離液。レーン5:500μL洗浄後のフィルターとしてのフリットからの溶離液。レーン6:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V849A)。
【0097】
実施例6
6X Hisタグ付きタンパク質の手動精製
材料:
・90μmワイヤメッシュと嵌合された96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAから入手)(「フィルタープレート」)
・MAGNEHIS(商標)洗浄緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V851B)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V852B)
【0098】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)において発現された6X Hisタグ付きホタルルシフェラーゼ。
・一晩培養物について、細胞は、Terrificブロス(TB)において増殖した。
・次に、一晩培養物5mlを、TB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D. 600 1.0-2.0へ増殖し、IPTGで誘導した(最終濃度1mM)。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D. 600 12.0で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・培養物を、新鮮なTBで、O.D. 600 2.0へ希釈した。
・これらの希釈物10mLを、15mL遠心チューブへ入れた。
【0099】
DNase調製:
・凍結乾燥されたDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z385A)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)275μL中で再懸濁し、その後全バイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)4.0mLに移した。
・この希釈物63.0μLを、各チューブに添加し、その後精製した。
【0100】
タンパク質の単離:
・FASTBREAK(商標)溶解試薬(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V882)1mLを、各チューブに添加した。
・チューブを、15分間混合した。
・溶解液1.0mLを、1.5mLチューブにアリコートとし、球形SiNiADAシリカ粒子90μL(Silicycle, ケベック, カナダ, カタログ番号S74050 T;粒度は約120μm〜約200μmの範囲)を、チューブへ添加した。
・チューブを、回転混合機上で30分間混合した。
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、溶解液をフィルターを通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、200μL、600μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させた。
・粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図14は、実施例6の結果を示している。レーン1:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V849A)。レーン2:1回溶離後のメッシュフィルターを伴うプレートからの溶離液。レーン3:2回溶離後のフィルターとしてメッシュを伴うプレートからの溶離液。
【0101】
実施例7
6X Hisタグ付きタンパク質の手動精製
材料:
・25μmフリットと嵌合された96ウェルプレート(Orachem, フィラデルフィア, PAから入手)(「フィルタープレート」)
・洗浄緩衝液(100mM HEPES, 400mM NaCl, 10mMイミダゾール-HCl;pH7.5とする)
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V852)
【0102】
細胞培養物調製:
・BL-21(DE3)において発現された6X Hisタグ付きホタルルシフェラーゼ。
・一晩培養物について、細胞は、Terrificブロス(TB)において増殖した。
・次に、一晩培養物5mlを、TB 500mLへ接種した。
・培養物を、O.D. 600 1.0-2.0へ増殖し、IPTGで誘導した(最終濃度1mM)。
・培養物を、25℃で一晩増殖し、最終O.D. 600 12.0で収穫した。
・培養物をアリコートとし、-20℃で貯蔵し、使用時に解凍した。
・培養物を、新鮮なTBで、O.D. 600 4.0へ希釈した。
・希釈した培養物1mLを、BIO BLOCK(商標)96-ウェルプレート(Abgeneから入手, カタログ番号0923)へ入れた。
【0103】
DNase調製:
・凍結乾燥されたDNase(Promega Corporation, マジソン, WIより入手、カタログ番号Z385A)の1個のバイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)275μL中で再懸濁し、その後全バイアルを、ヌクレアーゼ非含有水(Promega Corporation, マジソン, WIから入手、カタログ番号P119C)4.0mLに移した。
・この希釈物900μLを、FASTBREAK(商標)溶解試薬(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V882)13.0mLへ添加した。
【0104】
タンパク質の単離:
・FASTBREAK(商標)溶解試薬/DNase溶液100μLも、各ウェルに添加した。
・HISLINK(商標)タンパク質精製樹脂(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V8821;平均粒度約90μm)25μLを各ウェルへ添加した。
・その後溶液を30分間手作業で混合した。
・溶解液及び粒子を、フィルタープレートへ移した。
・プレートを、10秒間吸引し、溶解液をフィルターを通過させた。
・洗浄緩衝液を、増分200μLで添加し、総量1mLとし、400μL、800μL及び1mL適用後、吸引した。
・MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液(Promega Corporation, マジソン, WIから入手, カタログ番号V852B)200μLを、粒子へ適用し、3分間反応させ、その後粒子を1分間吸引し、溶離物を収集した。
図15は、実施例7の結果を図示している。レーン1:タンパク質マーカー(Promega Corporation, マジソン, WIより入手, カタログ番号V849A)。レーン2:MAGNEHIS(商標)溶離緩衝液を使用する溶離液。
本発明の様々な局面は、「特許請求の範囲」に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は、本発明の生体分子単離装置のひとつの態様の部分透視図であり、固相と相互作用している生体分子を示している。
【図2】図2は、線分2-2に沿った、図1の装置の部分断面図である。
【図3】図3は、図1及び2の装置の概略図であり、固相からの生体分子の除去を示している。
【図4】図4は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の概略図であり、固相により試料から捕獲された生体分子を示している。
【図5】図5A-5Cは、本発明のひとつの態様の生体分子単離システム及び方法を図示している。
【図6】図6は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の側面図である。
【図7】図7は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の断面図である。
【図8】図8は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の断面図である。
【図9】図9は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の断面図である。
【図10】図10は、本発明の生体分子単離装置の別の態様の概略図である。
【図11】図11は、フィルターとして25μmフリットを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きホタルルシフェラーゼの自動化された精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図12】図12は、フィルターとして90μmメッシュを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きMAP-キナーゼ(MAPK)の自動化された精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図13】図13は、フィルターとして90μmメッシュを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きカルモジュリンの自動化された精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図14】図14は、フィルターとして90μmメッシュを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きホタルルシフェラーゼの手動の精製を示す、電気泳動ゲルである。
【図15】図15は、フィルターとして25μm フリットを使用する、BL-21(DE3)からの6Xヒスチジン-タグ付きホタルルシフェラーゼの手動の精製を示す、電気泳動ゲルである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体分子を単離する方法であり:
生体分子及び不溶性物質を含有する試料を提供する工程;
フィルターを備えるリザーバーを提供し、該リザーバーは固相を含むように適合され、該固相は生体分子を捕獲するように適合されている工程;
試料をリザーバーへ添加する工程;
試料を固相と結合する工程;並びに
不溶性物質をフィルターを通過させることにより、不溶性物質を試料から除去する工程であり、該フィルターは、固相がそこを通過することを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む、方法。
【請求項2】
フィルターを備えるリザーバーが、バスケットにより規定され、試料のリザーバーへの添加が、試料中にバスケットの少なくとも一部を浸漬することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
フィルターを備えるリザーバーが、バスケットにより規定され、試料と固相との結合が、試料中にバスケットの少なくとも一部を浸漬することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
フィルターを備えるリザーバーが、バスケットにより規定され、不溶性物質をフィルターを通過させることにより、試料から不溶性物質を除去することが、試料の外にバスケットの少なくとも一部を引上げることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
リザーバーへの試料の添加が、試料と固相との結合と実質的に同時である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
試料と固相との結合が、試料のリザーバーへの添加以前に生じる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
試料のリザーバーへの添加が、試料を、マルチ-ウェルプレート、ピペットチップ、キャピラリーカラム、バスケットの少なくとも1種及びそれらの組合せへ添加することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
不溶性物質の除去が、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離、ピペッティングの少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
試料が更に、他の可溶性物質を含み、不溶性物質の試料からの除去が、他の可溶性物質を試料から除去することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
固相が、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックス、配列-特異的核酸、金属、ストレプトアビジン、オリゴdT、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、グルタチオン、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
試料が、細胞溶解液、血液、尿、糞便、細胞、組織、臓器、植物材料、食料原料、水、土壌の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
生体分子が、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
生体分子が、配列-特異的核酸、hisタグ付きタンパク質、ビオチン化された生体分子、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
試料と固相との結合が、先行する試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、試料を固相と結合することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
固相から生体分子を除去する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
試料が、DNA及びRNAを含み、方法が、試料中のDNA及びRNAの少なくとも1種を断片化することを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
試料の粘度を低下すること及び試料の粘度を増加することの少なくともひとつを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
試料から生体分子を単離する装置であって、前記試料が、生体分子及び不溶性物質を含有し、前記装置が:
フィルターを備えるリザーバーであって、該リザーバーは固相を含むように適合され、該固相は生体分子を捕獲するように適合されている、リザーバー;
不溶性物質を通過させると同時に、固相が通過することを実質的に防ぐ、平均孔径を有するフィルター;を備える、装置。
【請求項19】
リザーバーが、内面を備え、及び
フィルターが、固相と、リザーバーの内面の少なくとも一部との間に配置されている、請求項18記載の装置。
【請求項20】
リザーバーの内面に規定された開口部を更に備え、該開口部が、フィルターを通過した物質がリザーバーを出ることができるように配置されている、請求項19記載の装置。
【請求項21】
開放端を含む第二のリザーバーを更に備え、該開放端が、リザーバーの内面に規定された開口部と流体係合し、前記第二のリザーバーが、単離された生体分子を含むように適合されている、請求項20記載の装置。
【請求項22】
生体分子が固相から除去される時、リザーバーから生体分子を受け取るように配置された第二のリザーバーを更に備える、請求項18記載の装置。
【請求項23】
フィルターを備えるリザーバーが、マルチ-ウェルプレート、キャピラリーカラム、ピペットチップ、バスケットの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより少なくとも部分的に規定される、請求項18記載の装置。
【請求項24】
固相が、少なくとも1種の粒子を含む、請求項18記載の装置。
【請求項25】
固相が、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックス、配列-特異的核酸、金属、ストレプトアビジン、オリゴdT、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、グルタチオン、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項18記載の装置。
【請求項26】
生体分子が、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項18記載の装置。
【請求項27】
生体分子が、配列-特異的核酸、hisタグ付きタンパク質、ビオチン化された生体分子、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項18記載の装置。
【請求項28】
生体分子を試料から単離する装置であって、試料が生体分子及び不溶性物質を含有し、装置が:
生体分子を捕獲するように適合された固相;
内面を備えるリザーバーであって、試料及び固相を含むように適合されているリザーバー;並びに
固相とリザーバーの内面の少なくとも一部との間に配置されたフィルターであって、固相の通過を阻害すると同時に、不溶性物質の通過を可能にするように適合されたフィルター;を備える、装置。
【請求項29】
リザーバーの内面に規定された開口部を更に備え、該開口部は、フィルターを通過した物質が、リザーバーを出ることができるように配置されている、請求項28記載の装置。
【請求項30】
開放端を含む第二のリザーバーを更に備え、該開放端が、リザーバーの内面に規定された開口部と流体係合し、第二のリザーバーが、単離された生体分子を含むように適合されている、請求項29記載の装置。
【請求項31】
固相及びフィルターが、一体化して形成されている、請求項28記載の装置。
【請求項32】
リザーバーが、マルチ-ウェルプレート、キャピラリーカラム、ピペットチップの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより少なくとも部分的に規定される、請求項28記載の装置。
【請求項33】
固相が、少なくとも1種の粒子を含む、請求項28記載の装置。
【請求項34】
固相が、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックス、配列-特異的核酸、金属、ストレプトアビジン、オリゴdT、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、グルタチオン、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項28記載の装置。
【請求項35】
生体分子が、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項28記載の装置。
【請求項36】
生体分子が、配列-特異的核酸、hisタグ付きタンパク質、ビオチン化された生体分子、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項28記載の装置。
【請求項37】
生体分子を試料から単離する方法であり、該方法が:
フィルターを備えるリザーバーを提供する工程であって、該リザーバーが固相を含むように適合され、該固相が生体分子を捕獲するように適合されている工程;
試料を固相と結合する工程;
試料と固相との結合と実質的に同時に、試料から生体分子を抽出する工程;
生体分子を固相で捕獲する工程;並びに
捕獲されない物質をフィルターを通過させることにより、捕獲されない物質を試料から除去する工程であって、該フィルターが、固相がそこを通過することを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む、方法。
【請求項38】
生体分子の試料からの抽出が、試料中の細胞を溶解する工程を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
試料と固相との結合が、リザーバーの外側で生じる、請求項37記載の方法。
【請求項40】
試料と固相との結合、試料からの生体分子の抽出、及び生体分子の捕獲の少なくともひとつが、リザーバーの外側で生じる、請求項37記載の方法。
【請求項41】
試料のリザーバーへの添加を更に含む、請求項37記載の方法。
【請求項42】
固相と試料との結合と実質的に同時に起こる生体分子の試料からの抽出が:
固相と試料との結合と生体分子の抽出との間に、試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、試料から生体分子を抽出した後に、固相を試料と結合する工程;並びに
生体分子の抽出と、固相と試料との結合との間に、試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、固相と試料との結合後の、試料から生体分子を抽出する工程;の少なくともひとつを含む、請求項37記載の方法。
【請求項43】
試料の粘度を増加する工程、及び試料の粘度を低下する工程、の少なくともひとつを更に含む、請求項37記載の方法。
【請求項44】
試料の粘度の低下が、酵素的方法、化学的方法、機械的方法の少なくとも1種、及びそれらの組合せにより、試料中の核酸を破壊することを含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
生体分子を試料から単離する装置であって、試料が、生体分子及び不溶性物質を含み、装置が:
内面を備えるリザーバーであって、試料を少なくとも部分的に含むように適合されているリザーバー;
生体分子を捕獲する手段;並びに
以下の少なくとも一方:
生体分子の捕獲手段とリザーバーの内面の少なくとも一部の間に配置されたフィルターであり、その中を生体分子を捕獲する手段が通過することを阻害すると同時に、その中の不溶性物質の通過を可能にするように適合されたフィルター;及び
リザーバーの内面に規定された開口部であり、不溶性物質がリザーバーから除去されるように適合された開口部;
を備える、装置。
【請求項1】
生体分子を単離する方法であり:
生体分子及び不溶性物質を含有する試料を提供する工程;
フィルターを備えるリザーバーを提供し、該リザーバーは固相を含むように適合され、該固相は生体分子を捕獲するように適合されている工程;
試料をリザーバーへ添加する工程;
試料を固相と結合する工程;並びに
不溶性物質をフィルターを通過させることにより、不溶性物質を試料から除去する工程であり、該フィルターは、固相がそこを通過することを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む、方法。
【請求項2】
フィルターを備えるリザーバーが、バスケットにより規定され、試料のリザーバーへの添加が、試料中にバスケットの少なくとも一部を浸漬することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
フィルターを備えるリザーバーが、バスケットにより規定され、試料と固相との結合が、試料中にバスケットの少なくとも一部を浸漬することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
フィルターを備えるリザーバーが、バスケットにより規定され、不溶性物質をフィルターを通過させることにより、試料から不溶性物質を除去することが、試料の外にバスケットの少なくとも一部を引上げることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
リザーバーへの試料の添加が、試料と固相との結合と実質的に同時である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
試料と固相との結合が、試料のリザーバーへの添加以前に生じる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
試料のリザーバーへの添加が、試料を、マルチ-ウェルプレート、ピペットチップ、キャピラリーカラム、バスケットの少なくとも1種及びそれらの組合せへ添加することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
不溶性物質の除去が、デカント、真空濾過、重力濾過、遠心分離、ピペッティングの少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
試料が更に、他の可溶性物質を含み、不溶性物質の試料からの除去が、他の可溶性物質を試料から除去することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
固相が、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックス、配列-特異的核酸、金属、ストレプトアビジン、オリゴdT、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、グルタチオン、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
試料が、細胞溶解液、血液、尿、糞便、細胞、組織、臓器、植物材料、食料原料、水、土壌の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
生体分子が、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
生体分子が、配列-特異的核酸、hisタグ付きタンパク質、ビオチン化された生体分子、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
試料と固相との結合が、先行する試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、試料を固相と結合することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
固相から生体分子を除去する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
試料が、DNA及びRNAを含み、方法が、試料中のDNA及びRNAの少なくとも1種を断片化することを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
試料の粘度を低下すること及び試料の粘度を増加することの少なくともひとつを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
試料から生体分子を単離する装置であって、前記試料が、生体分子及び不溶性物質を含有し、前記装置が:
フィルターを備えるリザーバーであって、該リザーバーは固相を含むように適合され、該固相は生体分子を捕獲するように適合されている、リザーバー;
不溶性物質を通過させると同時に、固相が通過することを実質的に防ぐ、平均孔径を有するフィルター;を備える、装置。
【請求項19】
リザーバーが、内面を備え、及び
フィルターが、固相と、リザーバーの内面の少なくとも一部との間に配置されている、請求項18記載の装置。
【請求項20】
リザーバーの内面に規定された開口部を更に備え、該開口部が、フィルターを通過した物質がリザーバーを出ることができるように配置されている、請求項19記載の装置。
【請求項21】
開放端を含む第二のリザーバーを更に備え、該開放端が、リザーバーの内面に規定された開口部と流体係合し、前記第二のリザーバーが、単離された生体分子を含むように適合されている、請求項20記載の装置。
【請求項22】
生体分子が固相から除去される時、リザーバーから生体分子を受け取るように配置された第二のリザーバーを更に備える、請求項18記載の装置。
【請求項23】
フィルターを備えるリザーバーが、マルチ-ウェルプレート、キャピラリーカラム、ピペットチップ、バスケットの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより少なくとも部分的に規定される、請求項18記載の装置。
【請求項24】
固相が、少なくとも1種の粒子を含む、請求項18記載の装置。
【請求項25】
固相が、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックス、配列-特異的核酸、金属、ストレプトアビジン、オリゴdT、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、グルタチオン、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項18記載の装置。
【請求項26】
生体分子が、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項18記載の装置。
【請求項27】
生体分子が、配列-特異的核酸、hisタグ付きタンパク質、ビオチン化された生体分子、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項18記載の装置。
【請求項28】
生体分子を試料から単離する装置であって、試料が生体分子及び不溶性物質を含有し、装置が:
生体分子を捕獲するように適合された固相;
内面を備えるリザーバーであって、試料及び固相を含むように適合されているリザーバー;並びに
固相とリザーバーの内面の少なくとも一部との間に配置されたフィルターであって、固相の通過を阻害すると同時に、不溶性物質の通過を可能にするように適合されたフィルター;を備える、装置。
【請求項29】
リザーバーの内面に規定された開口部を更に備え、該開口部は、フィルターを通過した物質が、リザーバーを出ることができるように配置されている、請求項28記載の装置。
【請求項30】
開放端を含む第二のリザーバーを更に備え、該開放端が、リザーバーの内面に規定された開口部と流体係合し、第二のリザーバーが、単離された生体分子を含むように適合されている、請求項29記載の装置。
【請求項31】
固相及びフィルターが、一体化して形成されている、請求項28記載の装置。
【請求項32】
リザーバーが、マルチ-ウェルプレート、キャピラリーカラム、ピペットチップの少なくとも1種、及びそれらの組合せにより少なくとも部分的に規定される、請求項28記載の装置。
【請求項33】
固相が、少なくとも1種の粒子を含む、請求項28記載の装置。
【請求項34】
固相が、シリカ、アガロース、セファロース、アクリルアミド、ラテックス、配列-特異的核酸、金属、ストレプトアビジン、オリゴdT、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、グルタチオン、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項28記載の装置。
【請求項35】
生体分子が、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖質、多糖の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項28記載の装置。
【請求項36】
生体分子が、配列-特異的核酸、hisタグ付きタンパク質、ビオチン化された生体分子、mRNA、総RNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、植物DNA、GST融合タンパク質、抗体、抗原の少なくとも1種、及びそれらの組合せを含む、請求項28記載の装置。
【請求項37】
生体分子を試料から単離する方法であり、該方法が:
フィルターを備えるリザーバーを提供する工程であって、該リザーバーが固相を含むように適合され、該固相が生体分子を捕獲するように適合されている工程;
試料を固相と結合する工程;
試料と固相との結合と実質的に同時に、試料から生体分子を抽出する工程;
生体分子を固相で捕獲する工程;並びに
捕獲されない物質をフィルターを通過させることにより、捕獲されない物質を試料から除去する工程であって、該フィルターが、固相がそこを通過することを実質的に防ぐのに十分に小さい平均孔径を有する工程;を含む、方法。
【請求項38】
生体分子の試料からの抽出が、試料中の細胞を溶解する工程を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
試料と固相との結合が、リザーバーの外側で生じる、請求項37記載の方法。
【請求項40】
試料と固相との結合、試料からの生体分子の抽出、及び生体分子の捕獲の少なくともひとつが、リザーバーの外側で生じる、請求項37記載の方法。
【請求項41】
試料のリザーバーへの添加を更に含む、請求項37記載の方法。
【請求項42】
固相と試料との結合と実質的に同時に起こる生体分子の試料からの抽出が:
固相と試料との結合と生体分子の抽出との間に、試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、試料から生体分子を抽出した後に、固相を試料と結合する工程;並びに
生体分子の抽出と、固相と試料との結合との間に、試料の濾過、分離又は精製のいずれも伴わずに、固相と試料との結合後の、試料から生体分子を抽出する工程;の少なくともひとつを含む、請求項37記載の方法。
【請求項43】
試料の粘度を増加する工程、及び試料の粘度を低下する工程、の少なくともひとつを更に含む、請求項37記載の方法。
【請求項44】
試料の粘度の低下が、酵素的方法、化学的方法、機械的方法の少なくとも1種、及びそれらの組合せにより、試料中の核酸を破壊することを含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
生体分子を試料から単離する装置であって、試料が、生体分子及び不溶性物質を含み、装置が:
内面を備えるリザーバーであって、試料を少なくとも部分的に含むように適合されているリザーバー;
生体分子を捕獲する手段;並びに
以下の少なくとも一方:
生体分子の捕獲手段とリザーバーの内面の少なくとも一部の間に配置されたフィルターであり、その中を生体分子を捕獲する手段が通過することを阻害すると同時に、その中の不溶性物質の通過を可能にするように適合されたフィルター;及び
リザーバーの内面に規定された開口部であり、不溶性物質がリザーバーから除去されるように適合された開口部;
を備える、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−519986(P2008−519986A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541339(P2007−541339)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/040878
【国際公開番号】WO2006/053187
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(593089149)プロメガ コーポレイション (57)
【氏名又は名称原語表記】Promega Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/040878
【国際公開番号】WO2006/053187
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(593089149)プロメガ コーポレイション (57)
【氏名又は名称原語表記】Promega Corporation
【Fターム(参考)】
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