説明

生物接触ろ過装置及び地下水浄化システム

【課題】塩素の使用量が少なく、建設費及び運転管理費を低減可能な地下水浄化システムを実現する。
【解決手段】前処理を行うための生物接触ろ過装置と、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜等からなる高度処理装置とを組合せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物接触ろ過装置及び地下水浄化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下水は、溶存酸素濃度が低く強い還元性を有しているとともに、岩石鉱物及び地質に起因して、アンモニア、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを高濃度に含むという水質的特徴を有している。
【0003】
また浅層部の地下水は、(i)深層部に比べ還元性は弱いものの、その還元性のために粘土から多量のマンガンが溶出しマンガン濃度が高くなる、(ii)アンモニア態肥料の施肥に起因して、アンモニアが土壌中の硝化細菌により硝酸イオンに酸化されて高濃度な硝酸イオンが蓄積するといった地下水汚染が広がっている。
【0004】
さらに、地下水には、生物として取込める有機物が極めて少ない。
【0005】
こうした水質的特徴は、河川水、池・湖水、ダム水等の表流水には見られない地下水特有の特徴である。
【0006】
かかる水質的特徴を有する地下水を原水として使用する地下水浄化システムとしては、前段で原水水質に合わせて塩素酸化を行って固液分離し、後段で膜処理を行うシステムが主流である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−313137号公報(2005年11月10日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前段で塩素酸化を行って固液分離し、後段で膜処理を行う上記従来の技術では、塩素使用量が増えることにより塩素含有副生成分と塩素酸が発生するという問題がある。また、高価な膜処理の負荷が高く、建設費及び運転管理費が高額となることも問題となっている。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、塩素の使用量が少なく、建設費及び運転管理費を低減可能な地下水浄化システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る生物接触ろ過装置は、上記課題を解決するために、ろ材が充填されているとともに、当該ろ材に微生物が担持されている生物接触ろ過装置であって、当該ろ材の平均粒子径は1mm以上4mm以下であることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、地下水に含有されている、アンモニア、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを好適に除去することができるとともに、被処理水のろ過流速を大きくすることが可能となり、洗浄間隔も長くすることが可能となる。
【0012】
本発明に係る地下水浄化システムは、上記課題を解決するために、前処理を行うための上記生物接触ろ過装置と、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜等からなる高度処理装置とを組合せたことを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、前段で、生物処理によりアンモニアの一部、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを除去して、高度処理装置への負荷を低減することができるので、塩素の使用量が少なく、建設費及び運転管理費を低減可能な地下水浄化システムを実現することができる。
【0014】
本発明に係る地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置として、原水としての地下水を通水して、鉄を除去する無酸素性生物接触ろ過装置と、当該無酸素性生物接触ろ過装置による生物処理で得られる生産水を通水してマンガン、及び、アンモニアの一部を除去する好気性生物接触ろ過装置とを備えていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、鉄、マンガン、及びアンモニアの3元素を効率よく除去することができる。
【0016】
本発明に係る地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置を2系統以上備えていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、生物接触ろ過装置による処理に異常が起きた場合に生物接触ろ過装置を切替えて、連続して安定した水質を確保することができる。
【0018】
本発明に係る地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置の出口に上記生物接触ろ過装置の除去能力の低下を検知する水質センサーを備えるとともに、当該水質センサーにより上記生物接触ろ過装置の除去能力の低下を検知した場合に、上記生物接触ろ過装置による処理で得られる生産水を原水槽に循環させるようになっていてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、水温が低下した状態で浄化システムを稼動させること等によって生産水の品質が一時的に低下することを防止することができる。
【0020】
本発明に係る地下水浄化システムは、各処理装置の出口に水質センサー及び/又は差圧計を備え、当該水質センサー及び/又は差圧計により各処理装置の終了タイミングを検知して次工程に移行するようになっていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、各処理装置での処理を無駄がないように制御することができ、ランニングコストを抑制することが可能となる。
【0022】
本発明に係る地下水浄化システムは、イオン交換速度が異なるイオン交換樹脂がそれぞれ充填されている2塔のイオン交換塔を備え、前段に備えられたイオン交換塔のイオン交換樹脂のイオン交換速度は、後段に備えられたイオン交換塔のイオン交換樹脂のイオン交換速度よりも遅いように構成されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、前段でイオン交換されやすい(即ち捕捉されやすい)イオンを除去し、後段では、前段で除去されなかったアンモニア等のイオン交換されにくい(即ち捕捉されにくい)イオンも除去することができる。その結果、地下水浄化システムのトータルコストを低減させることが可能となる。
【0024】
本発明に係る地下水浄化システムは、イオン交換塔の出口付近に採水管を備えるとともに、当該採水管より採水した水に塩素化合物を添加して、当該水に含まれるアンモニアにより消費された塩素の量を算出するために、残留塩素濃度を測定するための残留塩素計を備えていてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、アンモニア濃度を測定するよりも高感度にアンモニアを検出することができるとともに、生産水中のアンモニアによる塩素消費量と、イオン交換塔の出口付近の水中のアンモニアによる塩素消費量との相関関係から、アンモニアがイオン交換塔から漏出し始める直前にイオン交換処理を停止させることが可能となる。
【0026】
本発明に係る地下水浄化システムは、上記好気性生物接触ろ過装置による処理で得られる生産水を上記無酸素性生物接触ろ過装置に送水するようになっていてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、上記好気性生物接触ろ過装置による処理で生成する亜硝酸及び硝酸を、上記無酸素性生物接触ろ過装置で硝酸呼吸させることにより、窒素ガスとすることができる。
【0028】
本発明に係る地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置による生物処理と、イオン交換塔によるイオン交換処理との間で、アンモニア濃度と、亜硝酸及び硝酸の濃度とを制御するようになっていてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、アンモニアの含有量が多い地下水の浄化においても、亜硝酸と硝酸との発生及び塩素酸の発生を低減することができる。
【0030】
本発明に係る地下水浄化システムは、原水としての地下水の一部を直接イオン交換塔に送水してイオン交換処理するようになっていてもよい。
【0031】
上記の構成によれば、アンモニアの含有量が多い地下水の浄化においても、亜硝酸と硝酸との発生及び塩素酸の発生を低減することができる。
【0032】
本発明に係る地下水浄化システムは、地下空気に含まれている炭酸ガスを取り込んで地下水に添加するようになっていてもよい。
【0033】
上記の構成によれば、被処理水を酸性にするための炭酸ガスを購入する必要がなくなるため、コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る生物接触ろ過装置は、以上のように、ろ材が充填されているとともに、当該ろ材に微生物が担持されている生物接触ろ過装置であって、当該ろ材の平均粒子径は1mm以上4mm以下である構成を備えているので、地下水に含有されている、アンモニア、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを好適に除去することができる。また、被処理水のろ過流速を大きくすることが可能となるとともに、洗浄間隔も長くすることが可能となるという効果を奏する。
【0035】
本発明に係る地下水浄化システムは、以上のように、前処理を行うための上記生物接触ろ過装置と、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜等からなる高度処理装置とを組合せた構成を備えているので、前段で、生物処理によりアンモニアの一部、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを除去して、高度処理装置への負荷を低減することができる。それゆえ、塩素の使用量が少なく、建設費及び運転管理費を低減可能な地下水浄化システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る地下水浄化システムを示す系統図である。
【図2】ろ過装置に充填されたろ材の状態を示す図であり、左図は粒径0.6mmの急速ろ過砂を用いた従来のろ材の状態を示す図であり、右図は本発明に係る生物接触ろ過装置におけるろ材の状態を示す図である。
【図3】本発明に係る地下水浄化システムにおける生物接触ろ過装置の一実施形態を示す図である。
【図4】本発明に係る地下水浄化システムにおける生物接触ろ過装置の一実施形態を示す図である。
【図5】本発明に係る地下水浄化システムにおける生物接触ろ過装置の一実施形態を示す図である。
【図6】本発明に係る地下水浄化システムにおけるイオン交換塔の一実施形態を示す図である。
【図7】本発明に係る地下水浄化システムにおける生物接触ろ過装置の一実施形態を示す図である。
【図8】本発明に係る地下水浄化システムの一実施形態を示す図である。
【図9】本発明に係る地下水浄化システムの一実施形態を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る地下水浄化システムを示す系統図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る地下水浄化システムを示す系統図である。
【図12】本発明に係る地下水浄化システムの一実施形態において、イオン交換塔の出口付近の水に含まれるアンモニアにより消費される塩素の量を算出するために、残留塩素濃度を測定するための残留塩素計を備えている構成を示す図である。
【図13】本発明に係る地下水浄化システムの一実施形態において、イオン交換塔の生産水中のアンモニア濃度とイオン交換塔の出口付近の水のアンモニア濃度との相関関係、及び、イオン交換塔の生産水中のアンモニアによる塩素消費量と、イオン交換塔の出口付近の水のアンモニアによる塩素消費量との相関関係を示すグラフである。
【図14】本発明に係る地下水浄化システムの一実施形態において、地下空気に含まれている炭酸ガスを取り込んで地下水に添加する構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
上記課題に鑑み鋭意検討した結果、本発明者らは、前段で地下水を塩素酸化するのではなく、前処理に安価な生物処理を使用し、後処理に高価な高度処理装置を使用するシステムを用いることにより、上記問題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、前処理として安価な生物処理を使用しておよその処理を行い負荷低減を行った後に、後処理で高度処理装置により水道水の水質基準を満たす地下水浄化システムを用いることにより上記課題を解決する。また、当該地下水浄化システムにおいて、生物処理に用いられる生物接触ろ過装置も、本発明者らが新たに開発したものであり本発明に含まれる。
【0038】
以下、本発明に係る生物接触ろ過装置及び地下水浄化システムの一実施形態について図1ないし図14に基づいて説明する。
(I)生物接触ろ過装置
本発明に係る生物接触ろ過装置は、ろ材が筒状の塔に充填されているとともに、当該ろ材に微生物が担持されている生物接触ろ過装置であって、当該ろ材の平均粒子径は1mm以上4mm以下である。
【0039】
ここで、生物接触ろ過装置とは、ろ材が充填されているとともに、当該ろ材に微生物が担持されているろ過装置であって、当該微生物による生物処理を利用するとともに、ろ過作用により、処理対象である地下水を処理可能となっている。
【0040】
上記生物接触ろ過装置は、上記ろ材に、地下水に含有されている、アンモニア、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを除去(酸化)可能な微生物が担持されている。かかる生物接触ろ過装置は、充填された上記ろ材に地下水を、好ましくは下降流で通過させて、当該ろ材に上記微生物を担持させることによって得ることができる。
【0041】
上記のようにして担持される微生物には、例えば、鉄酸化細菌、マンガン酸化細菌、硝化細菌、脱窒菌、3価ヒ素酸化菌等が含まれる。
【0042】
本発明にかかる生物接触ろ過装置では、上記ろ材に担持された微生物が、体表面に分泌する金属酸化酵素または多糖類により、原水としての地下水中の溶解性の鉄、溶解性のマンガン等の金属、溶解性のヒ素、アンモニア等を酸化し、連続的かつ持続的に高速ろ過機能を保持することを可能とする。
【0043】
すなわち、図2の右図に示すように、ろ材6に担持された上記微生物が体表面に分泌する金属酸化酵素または多糖類が原水中の溶解性金属を酸化し、酸化により生成する、水酸化物等を含む錯鉄、錯マンガン等は、微生物と一体化した謬質水酸化物層7を形成する。かかる謬質水酸化物層7は著しく透水性に優れ、優れたろ過助剤としても機能する。なお、図2の左図は、後述する粒径0.6mmの急速ろ過砂を用いた従来のろ材5が充填されている状態を示す。
【0044】
さらに、上記謬質水酸化物層は優れたろ過助剤として機能すると同時に、粘性物質であるため、物理吸着により被処理水を浄化する機能も有する。
【0045】
本発明において、上記ろ材の材質としては特に限定されるものではないが、例えば、多孔性のゼオライト等を好適に用いることができる。中でも、経済性の観点から、上記ろ材は、自然鉱石由来のものであることがより好ましい。上記ろ材が多孔性であることにより多孔の内部にも微生物が担持されるため微生物が担持されやすい。
【0046】
ここで、上記ろ材の平均粒子径は1mm以上4mm以下であることが好ましく、かかる範囲内で原水水質に合わせて平均粒子径を調整することがより好ましい。本発明において、ろ材の粒子径とは、生物が担持されていない状態での粒子径をいう。また、粒度分布の60%の値をろ材の平均粒子径をいう。
【0047】
ろ材の平均粒子径が1mm以上4mm以下であることによって、被処理水のろ過流速を大きくすることが可能となるとともに、洗浄間隔も長くすることが可能となる。すなわち、ろ材の平均粒子径が1mm以上であることにより、きょう雑物がろ材の表層部に堆積して起こる差圧上昇を低減することができる。これにより被処理水のろ過流速を大きくすることができる。また、ろ材の平均粒子径が4mm以下であることにより、空隙率が上がるためろ過流速を大きくすることができるとともに、空隙率が大きくなりすぎないので、被処理水が素通りしないで微生物と十分に接触することができる。
【0048】
本発明の生物接触ろ過装置による被処理水の処理は、本発明の生物接触ろ過装置に、被処理水を通水することにより行う。被処理水を流す方向は特に限定されるものではないが下降流で流すことがより好ましい。このときのろ過流速は、200m/日〜600m/日であり、この範囲内で原水水質に合わせて調整することが好ましい。ろ過流速が200m/日以上であることにより、効率よく地下水の浄化処理を行うことができ、小さな施設で生産水が増える。また、ろ過流速が600m/日以下であることにより、地下水に含有されている、アンモニア、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを好適に除去することができ、後に続く高度処理における負荷を低減することができる。それゆえ、運転管理費が低い地下水浄化システムを実現することができる。なお、ここでろ過速度とは、塔断面の単位面積当たりのろ過量、すなわち、ろ過量(m/日)を生物接触ろ過装置の塔の断面積(m)で割った値をいう。
【0049】
また、洗浄間隔は1日〜7日である。なお、洗浄とは、生物接触ろ過装置が目詰まりしたときに、被処理水を流す方向と逆方向に洗浄液を通水して、過剰に形成された謬質水酸化物層をろ材から洗い流すことをいう。
【0050】
ここで、洗浄液、洗浄方法は特に限定されるものではなく、本技術分野で通常用いられる洗浄液、洗浄方法を適宜選択すればよい。
【0051】
なお、本発明にかかる生物接触ろ過装置は、重力式であってもよいが、圧力式であることがより好ましい。
【0052】
下向流ろ過における急速ろ過砂の粒径を、日本水道協会規格(JWWA規格)は粒径0.6mmと規定し、より細かい粒径の方がろ過効果が高く、同時にろ過抵抗の上昇があるとしている。このろ過理論は、凝集剤を用いて一次粒子を沈殿した後の、沈殿施設において沈降しなかった微細な二次粒子を急速ろ過する理論を前提にしている。これに対して、本発明では、ろ材の平均粒子径が1mm以上4mm以下とする。
【0053】
本発明にかかる生物接触ろ過装置は、ろ材が充填された筒状の塔に、被処理水を供給するための配管と、生物接触ろ過装置からの生産水の出口としての配管とが備えられ、さらに洗浄液を供給するための配管と、洗浄排液の出口としての配管とが備えられている。
【0054】
本発明にかかる生物接触ろ過装置を用い、期待水質が得られる最大のろ過流速を選択することにより、小規模な施設で多量の地下水を処理することが可能となる。
【0055】
また、本発明にかかる生物接触ろ過装置は酸素及び/又は結合酸素を送気可能となっていてもよい。なお、ここで酸素及び/又は結合酸素を送気する方法は特に限定されるものではなく、上向流であっても下向流であってもよい。
(II)地下水浄化システム
本発明にかかる地下水浄化システムは、前処理を行うための上記生物接触ろ過装置と、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜等からなる高度処理装置とを組合せた地下水浄化システムである。
【0056】
以下に本発明にかかる地下水浄化システムの一実施形態について、図1に基づいて説明する。
【0057】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、原水としての地下水を通水して生物処理を行う生物接触ろ過装置1と、生物接触ろ過装置1による生物処理で得られる生産水を通水して色度処理を行う活性炭塔2と、活性炭塔2による処理で得られる生産水を通水して殺菌を行う紫外線殺菌塔3と、紫外線殺菌塔3による処理で得られる生産水を通水してイオン交換処理を行うイオン交換塔4とを備えている。
【0058】
生物接触ろ過装置1では、原水としての地下水を通水して、アンモニアの一部、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを除去することができる。なお、生物接触ろ過装置1については上記(I)で説明したとおりであるのでここでは説明を省略する。
【0059】
活性炭塔2は筒状の塔に活性炭が充填されているものであればよい。生物接触ろ過装置1からの生産水をこの活性炭塔2に通水することにより、水道水の水質基準を満たすように色度処理を行う。
【0060】
紫外線殺菌塔3では、活性炭塔2からの生産水を通水して殺菌処理を行う。これにより、被処理水中の微生物を除去して、イオン交換塔4内のイオン交換樹脂に微生物が担持されることを防ぐことができる。紫外線殺菌塔3は、紫外線ランプにより、通水された被処理水に紫外線が照射されるようになっていればよい。例えば、紫外線殺菌塔3は、紫外線を通しやすい石英管に収納された紫外線ランプが備えられている構成であってもよい。
【0061】
イオン交換塔4では、生物接触ろ過装置1で低濃度としたイオン、特に好ましくはアンモニウムイオンを除去する。このように、本発明にかかる地下水浄化システムでは、生物接触ろ過装置1により、アンモニアの一部、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンが原水から除去されるため、高度で高価なイオン交換塔4を縮小化することが可能となり、建設費及び運転管理費を低減することができる。
【0062】
また、塩素酸化を利用しないことから塩素含有副生成分や塩素酸の問題がないとともに、薬品使用量を低減させる事が可能となる。さらに、塩素含有副生成分や塩素酸が発生しないために、それを浄化する装置が不要になる。
【0063】
イオン交換塔4としては、少なくとも、陽イオン交換樹脂が充填された陽イオン交換塔、または、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混床からなる混床式イオン交換塔が用いられる。また、これらは、必要に応じて陰イオン交換樹脂が充填された陰イオン交換塔と組み合わせて用いてもよい。
【0064】
上記陽イオン交換樹脂は、例えばアンモニウムイオン等の、イオン交換されにくい(即ち捕捉されにくい)イオンを捕捉することができる陽イオン交換樹脂であれば特に限定されるものではない。かかる陽イオン交換樹脂としては、例えば、スルホン酸型の強酸性陽イオン交換樹脂を好適に用いることができる。かかる強酸性陽イオン交換樹脂の一例としては、例えば、ダイヤイオン(登録商標)PK208、PK212、PK216、PK218、PK220、PK228等のスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂を挙げることができる。
【0065】
上記陽イオン交換樹脂としては、また、粒子状の有機高分子基材を核としてイオン交換基を含むモノマーがグラフト結合されている陽イオン交換樹脂も好適に用いることができる。上記有機高分子基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ナイロン−6、ナイロン−6,6、及び、ナイロン−12からなる群より選択される少なくとも1種類の高分子化合物からなることが好ましい。また、上記イオン交換基も、特に限定されるものではないが、強酸性イオン交換基であることがより好ましく、例えばスルホン酸基を挙げることができる。
【0066】
なお、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、後処理の高度処理装置として、イオン交換塔4を備えているが、高度処理装置としては、イオン交換塔に代えて、MF(Micro Filtration)膜、UF(Ultra Filtration)膜、RO(Reverse Osmosis)膜等の高分子化成品膜を用いてもよい。
【0067】
本発明では、前処理として安価な生物処理を使用しておよその処理を行い負荷低減を行った後に、後処理で、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜等を使用して高度処理を行うことにより、前段で、アンモニアの一部、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを除去して、高度処理装置への負荷を低減することができるものである。高度処理装置への負荷を低減することができれば、生物処理による上記物質の除去の程度は特に限定されるものではないが、生物処理後の鉄イオン濃度は0.1mg/L以下であることが好ましく、0.05mg/L以下であることがより好ましい。また、生物処理後のマンガンイオン濃度は0.01mg/L以下であることが好ましく、0.005mg/L以下であることがより好ましい。また、生物処理後のヒ素イオン濃度は0.005mg/L以下であることが好ましい。
【0068】
また、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、水道水の水質基準を満たすために、図10に示すように、高度処理装置による処理の後に、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物を添加する塩素注入装置33が備えられていてもよい。高度処理装置による処理の後に、塩素注入を行うことにより、塩素使用量を減らすことができ、塩素含有副生成分と塩素酸が発生するという問題を解決することができる。すなわち、かかる地下水浄化システムは、原水としての地下水を通水して生物処理を行う生物接触ろ過装置29と、生物接触ろ過装置29による生物処理で得られる生産水を通水して色度処理を行う活性炭塔30と、活性炭塔30による処理で得られる生産水を通水して殺菌を行う紫外線殺菌塔31と、紫外線殺菌塔31による処理で得られる生産水を通水して高度処理を行う、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜等からなる高度処理装置32と、塩素注入装置33とを備えている。
【0069】
また、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、図11に示すように、高度処理装置による処理の後に、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物を添加する塩素注入装置が備えられているとともに、生物接触ろ過装置と紫外線殺菌塔との間に備えられている上記活性炭塔の代わりに、塩素の存在下で色度除去能力を有する色度除去剤を充填した色度処理塔39を塩素注入装置の後に備えているものであってもよい。原水の水質によっては、色度濃度が高濃度である場合がある。かかる場合、上記図10に示す地下水浄化システムでは活性炭の寿命が短くなる場合がある。例えば、塩素の存在下で色度除去能力を有する色度除去剤を充填した色度処理塔39を用いれば、色度の除去能力を長く維持することが可能となる。かかる色度除去剤としては、塩素の存在下で色度除去能力を有するものであればよいが、例えば、ニューカラーカッター・ライト(商品名、日本原料株式会社製)等の二酸化マンガンろ過剤等を挙げることができる。
【0070】
すなわち、塩素の存在下で色度除去能力を有する色度処理塔39を備えた地下水浄化システムは、原水としての地下水を通水して生物処理を行う生物接触ろ過装置35と、生物接触ろ過装置35による生物処理で得られる生産水を通水して殺菌を行う紫外線殺菌塔36と、紫外線殺菌塔36による処理で得られる生産水を通水して高度処理を行う、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜等からなる高度処理装置37と、高度処理装置37からの生産水に塩素注入を行う塩素注入装置38と、塩素の存在下で色度除去能力を有する色度処理塔39とを備えている。かかる地下水浄化システムでは、色度処理は塩素注入装置38で注入される塩素化合物による塩素酸化により行われる。なお、図10中の34及び図11中の40は、生産水を貯蔵するための処理水槽である。
【0071】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置1に代えて、図3に示すように、無酸素性生物接触ろ過装置8と、その後段に好気性生物接触ろ過装置9とを直列に接続したものであってもよい。より具体的には、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、原水としての地下水を通水して、主として鉄を除去する無酸素性生物接触ろ過装置8と、無酸素性生物接触ろ過装置8による生物処理で得られる生産水を通水して、主としてマンガン、その他の金属、ヒ素、及び、アンモニアの一部を除去する好気性生物接触ろ過装置9とを備えていてもよい。
【0072】
上記生物接触ろ過装置1は、地下水に含有されている、アンモニア、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを除去することができる。しかしながら、ろ過流速を大きくすると鉄の除去率が向上するが、マンガン及びアンモニア等の除去率が低下し、ろ過流速を小さくするとマンガン及びアンモニア等の除去率が向上するが、鉄の除去率が低下する傾向がある。そのため、鉄、マンガン、及びアンモニアの3元素が同時に最も多く除去できるろ過流速を選択する方法が用いられるが、上記3元素を同時にすべて除去することは困難である。
【0073】
ろ過流速によって、鉄と、マンガン及びアンモニア等とで除去率が異なるのは、溶存酸素が少ない場合に鉄の除去率が高く、溶存酸素が多い場合にマンガン及びアンモニア等の除去率が高いことに起因する。そのため、上記生物接触ろ過装置1に代えて、主として鉄を除去する無酸素性生物接触ろ過装置8と、無酸素性生物接触ろ過装置8からの生産水を通水して少なくともマンガン及びアンモニアの一部を除去する好気性生物接触ろ過装置9とを用いることにより、上記3元素をより効率よく除去することができる。
【0074】
上記無酸素性生物接触ろ過装置8は、酸素を添加せず、二酸化炭素等の結合酸素を送気して、溶存酸素濃度が小さい揚水後の地下水を通水することにより鉄を除去する生物接触ろ過装置である。ここで、上記結合酸素を送気する方法は特に限定されるものではなく、上向流であっても、下向流であってもよい。
【0075】
また、上記無酸素性生物接触ろ過装置8におけるろ過流速は、200m/日〜600m/日であり、原水の水質に応じて適宜調整すればよい。
【0076】
なお、上記無酸素性生物接触ろ過装置8の構成は、上記(I)で説明した生物接触ろ過装置1と同じである。
【0077】
以上のような構成により無酸素性生物接触ろ過装置8では、マンガン及びアンモニア等の除去率は低く、主として鉄をマンガン、及び、アンモニア等の他の元素と分けて選択的に除去することができる。
【0078】
上記無酸素性生物接触ろ過装置8の後段にはマンガン、その他の金属、ヒ素、及び、アンモニアの一部を除去する好気性生物接触ろ過装置9が備えられる。上記好気性生物接触ろ過装置9は、酸素を送気して、無酸素性生物接触ろ過装置8で処理された後の生産水を通水することにより少なくともマンガン、及び、アンモニアの一部を除去する生物接触ろ過装置である。なお、好気性生物接触ろ過装置9における溶存酸素の濃度は6〜10mg/L程度に維持することが好ましい。また、好気性生物接触ろ過装置9におけるろ過流速は、200m/日〜600m/日であり、原水の水質に応じて適宜調整すればよい。なお、ここで、酸素を送気する方法は特に限定されるものではなく、上向流であっても、下向流であってもよい。
【0079】
なお、上記好気性生物接触ろ過装置9の構成は、上記(I)で説明した生物接触ろ過装置1と同じである。
【0080】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置1に代えて、図4に示すように、上記生物接触ろ過装置を2系統以上備えていてもよい。これにより、生物接触ろ過装置による処理に異常が起きた場合に、生物接触ろ過装置を、異常が起きていない系統が使用されるように切替えて、連続して安定した水質を確保することができる。かかる構成では、生物接触ろ過装置の出口側に水質センサー12が設置されており、当該水質センサー12で、例えば生物接触ろ過装置10または11による処理に異常が起きた場合の水質の異常を検知することができる。そして、異常の検知に基づき、生物接触ろ過装置を、異常が起きていない系統が使用されるように切替えるようになっている。
【0081】
地下水の生物処理は、負荷変動が少ないため、表流水における生物処理と比較して事故、トラブル、能力低下などが少なく安定している。しかし、生物接触ろ過装置による処理に異常が起きる場合があるため、かかる構成とすることが好ましい。
【0082】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置1の出口に上記生物接触ろ過装置1の除去能力の低下を検知する水質センサーを備えるとともに、当該水質センサーにより上記生物接触ろ過装置1の除去能力の低下を検知した場合に、上記生物接触ろ過装置1による処理で得られる生産水を原水槽に循環させるようになっていてもよい。
【0083】
かかる構成は、例えば水温低下時の生物処理方法として有効である。例えば寒冷地または寒冷時期において、夜間断続運転による水温低下が生じた場合に、新たな地下水に入替わるまでは水温低下による除去能力低下障害が発生する場合がある。かかる場合には、上記構成により、生物接触ろ過装置1の出口に備えた水質センサーで、上記生物接触ろ過装置1の除去能力の低下を検知して、生物処理適正温度帯から外れる水温低下が生じていると判定することができる。そして、かかる判定に基づき、生物接触ろ過装置1からの生産水を原水槽に戻して、生物処理が正常化するまで循環させる。これにより、水温が低下した状態で浄化システムを稼動させることによる生産水の品質の一時的な低下を防止することができる。
【0084】
また、かかる地下水浄化システムは、図5に示すように、生物接触ろ過装置15の前段、すなわち、一次側に水温センサー14を備えているとともに、生物接触ろ過装置15の出口に上記生物接触ろ過装置15の除去能力の低下を検知する水質センサー18を備えていてもよい。水温センサー14で水温を測定して、水温が生物処理に影響を与える水温まで低下した場合は、生物接触ろ過装置15の出口に備えられたバルブ16を閉める。バルブ16の一次側には生物接触ろ過装置15からの生産水を原水槽13に循環させるための循環流路が分岐しており、水質センサー18は循環流路に設けられている。バルブ16を閉め、上記循環流路のバルブ17を開いて、当該循環流路に生物接触ろ過装置15からの生産水を流し、水質センサー18で水質を測定する。当該水質センサー18により上記生物接触ろ過装置15の除去能力の低下を検知した場合には、上記生物接触ろ過装置15からの生産水を原水槽13に循環させる。当該水質センサー18により上記生物接触ろ過装置15の除去能力が回復し、水質が安定したことを検知した場合には、バルブ16を開けるとともにバルブ17を閉める。
【0085】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、各処理装置の出口に水質センサー及び/又は差圧計を備え、当該水質センサー及び/又は差圧計により各処理装置の終了タイミングを検知して洗浄工程等の次工程に移行するようになっていてもよい。
【0086】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、原水としての地下水を通水して、生物処理を行う生物接触ろ過装置1と、生物接触ろ過装置1による生物処理で得られる生産水を通水して色度処理を行う活性炭塔2と、活性炭塔2による処理で得られる生産水を通水して殺菌を行う紫外線殺菌塔3と、紫外線殺菌塔3による処理で得られる生産水を通水してイオン交換処理を行うイオン交換塔4とを備え、各処理装置での処理開始後一定時間経過後に、洗浄工程等の次工程に移行するシステムであるため、余裕を持った時間設定を行う必要があり、その結果、ランニングコストが高価な装置となる。
【0087】
各処理装置の出口に水質センサー及び/又は差圧計を備え、当該水質センサー及び/又は差圧計により各処理装置の処理終了タイミングを検知して洗浄工程等の次工程に移行することにより、各処理装置での処理を無駄がないように制御することができ、ランニングコストを抑制することが可能となる。
【0088】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、上記イオン交換塔4に代えて、図6に示すように、イオン交換速度が異なるイオン交換樹脂がそれぞれ充填されている2塔のイオン交換塔を備え、前段に備えられたイオン交換塔のイオン交換樹脂のイオン交換速度は、後段に備えられたイオン交換塔のイオン交換樹脂のイオン交換速度よりも遅い構成を備えていてもよい。すなわち、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、上記イオン交換塔4に代えて、図6に示すように、前段に備えられたイオン交換速度が遅いイオン交換塔19と、後段に備えられたイオン交換速度が速いイオン交換塔21とを備えていてもよい。
【0089】
ここで、前段に備えられたイオン交換塔19は、イオン交換樹脂として、安価ではあるがイオン交換速度が遅いイオン交換樹脂を用いるものである。通常イオン交換樹脂は、イオンの種類によって、イオン交換され易い即ち捕捉され易いイオンと、イオン交換されにくい即ち捕捉されにくいイオンとがある。イオン交換され易い即ち捕捉され易いイオンとしては、例えば、カルシウムイオン等を挙げることができ、イオン交換されにくい即ち捕捉されにくいイオンとしてはアンモニウムイオン等を挙げることができる。本明細書において、イオン交換速度が遅いイオン交換樹脂とは、例えばアンモニウムイオン等のイオン交換されにくい即ち漏出し易いイオンが漏出し易いようなイオン交換樹脂をいう。これに対して、後段に備えられたイオン交換塔21は、イオン交換樹脂として、イオン交換速度が速いが高価なイオン交換樹脂を用いるものである。本明細書において、イオン交換速度が速いイオン交換樹脂とは、例えばアンモニウムイオン等のイオン交換されにくい即ち漏出し易いイオンが漏出しにくいイオン交換樹脂をいう。かかるイオン交換樹脂によれば、例えばアンモニウムイオン等のイオン交換されにくいイオンを捕捉することができる。
【0090】
イオン交換速度が速いイオン交換樹脂としては、例えば、上記イオン交換塔4に関して例示したイオン交換樹脂を好適に用いることができる。また、イオン交換速度が遅いイオン交換樹脂としては、従来から用いられているイオン交換樹脂を適宜選択して用いればよい。
【0091】
一種類のイオン交換塔4を用いる地下水浄化システムでは、イオン交換されにくい(即ち捕捉されにくい)アンモニウムイオンを含む水を処理する場合に、アンモニウムイオンを処理するために、イオン交換速度が速い高価なイオン交換樹脂を使用する必要がある。
【0092】
これに対して、図6に示す、前段に備えられたイオン交換速度が遅いイオン交換塔19と、後段に備えられたイオン交換速度が速いイオン交換塔21とを備えることにより、前段でイオン交換されやすいイオンを除去し、後段では、前段で除去されなかったアンモニウムイオン等のイオン交換されにくいイオンを除去することができる。すなわち、イオン交換塔19に通水することにより、イオン交換塔19で大まかにイオン交換を行った後に、イオン交換塔21に通水することにより、全てのイオンをイオン交換することができる。その結果、地下水浄化システムのトータルコストを低減させることが可能となる。
【0093】
また、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、上記イオン交換塔4に代えて、図6に示すように、前段に備えられたイオン交換速度が遅いイオン交換塔19と、後段に備えられたイオン交換速度が速いイオン交換塔21とを備えているとともに、イオン交換塔19の出口に、カルシウムイオン等のイオン交換されやすいイオンを検出するためのイオン電極20が備えられていてもよい。
【0094】
上記イオン電極20は、イオン交換速度が遅いイオン交換塔19で除去可能なイオンに感応してイオン濃度に応じた電位を示す電極であればよい。イオン交換樹脂の吸着帯の先端がイオン交換塔19の出口に達すると、イオン交換塔19で除去されていたイオンが漏出し始めるので、上記イオン電極20によりかかるイオンが検出された時点で、イオン交換処理を終了して、次工程、すなわち、洗浄工程に移行する。洗浄工程ではイオン交換樹脂の再生および水洗を行う。
【0095】
イオン交換処理の洗浄工程への移行タイミングとして、所定の時間到達後に洗浄工程に移行する場合は、負荷変動等を考慮して余裕率を持った時間を設定する必要があるため、充填されたイオン交換樹脂を全て使用する前に洗浄工程に移行することとなり、不経済である。
【0096】
これに対して、本実施形態にかかるイオン交換塔19の出口に上記イオン電極20が備えられている地下水浄化システムでは、イオン電極20にてイオン交換塔19で除去されていたイオン交換されやすいイオンの漏出を検出した時点で、イオン交換塔19による処理で得られる生産水には当該イオン交換されやすいイオンが含まれている。しかし、かかる生産水は、続いてイオン交換塔21でイオン交換処理されるので、漏出したイオンは問題とならない。そして、イオン交換塔19に充填されているイオン交換樹脂は、すべて使用された後に洗浄工程に移行することが可能となる。
【0097】
本実施形態にかかる地下水浄化システムは、イオン交換塔の出口付近に採水管を備えるとともに、当該採水管より採水した水に塩素化合物を添加して、当該水に含まれるアンモニアにより消費された塩素の量を算出するために、残留塩素濃度を測定するための残留塩素計を備えていてもよい。
【0098】
図1においては、図示しない上記採水管及び残留塩素計は、イオン交換塔4の出口付近に備えられる。また、上記イオン交換塔4に代えて、前段に備えられたイオン交換速度が遅いイオン交換塔19と、後段に備えられたイオン交換速度が速いイオン交換塔21とを備えている構成では、残留塩素計22は、上記イオン交換塔21の出口付近に備えられる。
【0099】
残留塩素計を備えている上記構成を図12に模式的に示す。当該構成では、イオン交換塔41の出口付近の水中に含まれるアンモニアにより消費される塩素の量を求めるために、イオン交換塔41の出口付近から採水するための採水管が備えられている。当該採水管から採水した水に、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物を添加した後、残留塩素計42を用いて残留塩素濃度を測定し、アンモニアによる塩素消費量を求める。
【0100】
すなわち、本構成では、アンモニアが塩素で酸化される性質を利用して、イオン交換塔の出口付近から採取した水に次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物を添加して、水中のアンモニアと反応させる。その後、残留塩素濃度を測定し、アンモニアによる塩素消費量を求める。
【0101】
イオン交換樹脂の吸着帯の先端がイオン交換塔41の出口に達すると、イオン交換塔41でそれまで除去されていたアンモニウムイオンが漏出し始める。それゆえ、上記イオン交換塔41の出口に達する前の出口付近の水を採水してアンモニア濃度を測定することにより、生産水中のアンモニア濃度と当該出口付近の水のアンモニア濃度との相関関係から、アンモニアが漏出し始める前にイオン交換処理を停止させることができる。
【0102】
ここで、アンモニアが漏出し始める前にイオン交換処理を停止させるタイミングは、より具体的には以下のように決定することができる。図13上側の「アンモニア溶出グラフ」は、生産水中のアンモニア濃度とイオン交換塔の出口付近の水のアンモニア濃度との相関関係を示すグラフである。ここで、グラフ中、破線は当該出口付近の水のアンモニア濃度の経時的変化を、実線は生産水中のアンモニア濃度の経時的変化を示す。また、グラフ中二点鎖線は、生産水中にアンモニアが漏出し始める時点を示す。かかるグラフに示される相関関係から、生産水中にアンモニアが漏出し始める時点における、出口付近の水のアンモニア濃度が求められる。それゆえ、出口付近の水のアンモニア濃度がかかるアンモニア濃度となった時点でイオン交換処理を停止させることにより、アンモニアが漏出し始める直前にイオン交換処理を停止させることができる。
【0103】
アンモニア濃度の測定を行うためには、アンモニアを直接測定する事も可能ではあるが、アンモニアを実施設の環境で高い精度で測定する計測機器はないため、低濃度のアンモニア濃度を測定することは困難である。これに対して、残留塩素計で塩素濃度を測定してアンモニアによる塩素消費量を求める方法を用いることにより、低濃度のアンモニアを高感度で検出することができる。すなわち、アンモニアを酸化させるためにはアンモニア濃度に対して例えば、次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合は、次亜塩素酸ナトリウム濃度を7〜15倍程度必要とするという特徴を利用して、低濃度なアンモニアを高感度に検出することが可能となる。
【0104】
図13下側の「塩素消費グラフ」は、生産水中のアンモニアによる塩素消費量と、イオン交換塔の出口付近の水のアンモニアによる塩素消費量との相関関係を示すグラフである。ここで、グラフ中、破線は当該出口付近の水のアンモニアによる塩素消費量の経時的変化を、実線は生産水中のアンモニアによる塩素消費量の経時的変化を示す。また、グラフ中二点鎖線は、生産水中にアンモニアが漏出し始める時点を示す。図13の両グラフから、アンモニアによる塩素消費量を求めることにより、アンモニア濃度を測定するよりも高感度にアンモニアを検出することができることが判る。
【0105】
かかるグラフに示される相関関係から、生産水中にアンモニアが漏出し始める時点における、出口付近の水のアンモニアとの反応による塩素消費量が求められる。それゆえ、出口付近の水のアンモニアとの反応による塩素消費量がかかる塩素消費量となった時点でイオン交換処理を停止させることにより、アンモニアが漏出し始める直前にイオン交換処理を停止させることができる。
【0106】
上記生物接触ろ過装置1に代えて、図3に示すように、無酸素性生物接触ろ過装置8と、好気性生物接触ろ過装置9とを備えている地下水浄化システムでは、図7に示すように、好気性生物接触ろ過装置24による処理で得られる生産水を無酸素性生物接触ろ過装置23に送水するようになっていてもよい。
【0107】
生物接触ろ過装置でアンモニアを酸化させて除去する場合は、亜硝酸及び硝酸が発生する。この亜硝酸及び硝酸は、10mg/L以上の濃度になると、水道水の水質基準を満足できなくなる。
【0108】
この亜硝酸及び硝酸は、上記無酸素性生物接触ろ過装置で硝酸呼吸させることにより、窒素ガスとすることができる。そこで、上記好気性生物接触ろ過装置24による処理で得られる生産水を上記無酸素性生物接触ろ過装置23に送水することにより、無酸素性生物接触ろ過装置23で硝酸呼吸を促し脱窒反応を起こし、無酸素性生物接触ろ過装置23から窒素を大気放流して、無酸素性生物接触ろ過装置23から生産水を得ることができる。
【0109】
また、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、上記生物接触ろ過装置1による生物処理と、イオン交換塔4によるイオン交換処理との間で、アンモニア濃度と、亜硝酸及び硝酸の濃度とを制御するようになっていてもよい。
【0110】
上記生物接触ろ過装置1による生物処理は、アンモニアを亜硝酸及び硝酸に酸化させる機能を有し、イオン交換塔4によるイオン交換処理は、アンモニウムイオンをイオン交換により除去する機能を有する。ここで、前処理としての生物処理で発生した亜硝酸及び硝酸は後処理としてのイオン交換処理では除去出来ない。
【0111】
そのため、アンモニア濃度が高い地下水を、本実施形態にかかる地下水浄化システムで処理する場合には、前段の生物処理で大量のアンモニアを処理すると亜硝酸と硝酸とが発生して水質基準を超える場合があるという問題がある。また、亜硝酸は塩素を消費するために塩素使用量が増えて塩素酸が発生する可能性が高くなるという問題もある。
【0112】
かかる問題を解決するための地下水浄化システムとして、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、図8に示すように、原水全量を生物接触ろ過装置25に通水するとともに、生物接触ろ過装置25からの生産水と、イオン交換塔26からの生産水とにおける、アンモニア濃度と、亜硝酸及び硝酸の濃度とを制御するようになっていてもよい。すなわち、原水を生物接触ろ過装置25に通水するときに、酸素の送気量及び/又はろ過流速を制御することにより、生産水中のアンモニア濃度と、亜硝酸及び硝酸の濃度とを制御する。
【0113】
かかる生産水をイオン交換塔26に通水すると、アンモニアはイオン交換され、亜硝酸と硝酸とが残るので、このイオン交換塔26からの生産水を、再度生物接触ろ過装置25に通水して亜硝酸を硝酸に完全硝化させ、生産水の窒素化合物を硝酸のみとする。このように、最初の生物接触ろ過装置25でのアンモニア濃度と、亜硝酸及び硝酸の濃度とを制御することにより、生産水の硝酸濃度を制御することが可能となる。
【0114】
すなわち、本地下水浄化システムでは、生物接触ろ過装置25による生物処理にて、生産水中のアンモニア濃度と、亜硝酸及び硝酸の濃度とを制御するようになっているとともに、後段のイオン交換塔26によるイオン交換処理で得られる生産水を、再び生物接触ろ過装置25に送水するようになっていてもよい。
【0115】
生物処理でアンモニアを酸化するにはアンモニア濃度に対して4.57倍の酸素が必要である。そのため、高濃度のアンモニアを含む地下水を浄化する場合には酸素供給量が不足する場合がある。かかる場合には、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、図9に示すように、原水としての地下水の一部を直接上記イオン交換塔4に送水してイオン交換処理するようになっていてもよい。
【0116】
これにより、原水のうち、生物処理で処理可能な量を生物接触ろ過装置27に通水し、他をイオン交換塔28に通水することで、硝酸濃度を制御することが可能となる。
【0117】
さらに、原水の水質に応じて、図8に示される構成と図9に示される構成とを組合せることにより水質基準を満たしてもよい。
【0118】
また、本実施形態にかかる地下水浄化システムは、地下空気に含まれている炭酸ガスを取り込んで地下水に添加するようになっていてもよい。
【0119】
地下水は一般的にアルカリ性であることが多い。浄化プロセスでは、地下水を酸性とする方が処理効率が向上する場合もある。地下水を酸性とするために、地下水に炭酸ガスを注入して酸性にする手法が多く使用されているが、炭酸ガスを購入して使用するのが一般的であり、ガス購入のコストが必要になる。
【0120】
そこで、地下空気に大量に含まれている炭酸ガスを取り込み、濃度調整を行った後に地下水浄化システムで使用することにより炭酸ガスを購入する必要がなくなるため、コストを低減することができる。
【0121】
地下空気に含まれている炭酸ガスを取り込んで地下水に添加する方法は特に限定されるものではないが、例えば図14に示すように、井戸内の自然地下水位より高い位置に、炭酸ガス取り込み口が配置されるように、炭酸ガス取り込み用の配管を設けることが好ましい。これにより、大気と比較して数十倍の濃度の炭酸ガスを取得することができる。
【実施例1】
【0122】
図10に示す、原水としての地下水を通水して生物処理を行う生物接触ろ過装置29と、生物接触ろ過装置29による生物処理で得られる生産水を通水して色度処理を行う活性炭塔30と、活性炭塔30による処理で得られる生産水を通水して殺菌を行う紫外線殺菌塔31と、紫外線殺菌塔31による処理で得られる生産水を通水して高度処理を行う、イオン交換樹脂による高度処理装置32と、塩素注入装置33とを備えている地下水浄化システムを用いて、地下水の処理を行った。
【0123】
生物接触ろ過装置29としては、直径15cm、高さ120cmの塔に、平均粒子径が1.4mmのゼオライト(商品名ゼオライト、日本原料株式会社製)がろ材として、70cmの充填高さで充填された圧力式下向流生物接触ろ過装置を用いた。
【0124】
この生物接触ろ過装置は、井戸に設置されたポンプから汲み上げた地下水を、下向流で15日間通水してろ材に微生物を担持させたものである。
【0125】
上記生物接触ろ過装置29に、井戸に設置されたポンプから汲み上げた地下水を供給し、ろ過流速275m/日で生物処理を行った。
【0126】
上記生物接触ろ過装置29からの生産水の鉄イオン濃度は検出限界以下、マンガンイオン濃度は検出限界以下、アンモニウムイオン濃度は3.7mg/Lであった。
【0127】
上記生物接触ろ過装置29からの生産水を、活性炭塔30に通水することにより色度処理を行った。
【0128】
次に活性炭塔30からの生産水を、紫外線殺菌塔31に通水することにより殺菌処理を行った。
【0129】
高度処理装置32としては、イオン交換塔を用い、紫外線殺菌塔31からの生産水を通水して高度処理を行った。イオン交換塔としては、直径25cm、高さ120cmの塔に、陽イオン交換樹脂が70cmの充填高さで充填されたイオン交換塔を用いた。また、陽イオン交換樹脂としてダイヤイオン(登録商標)PK228を用いた。
【0130】
上記高度処理装置32からの生産水の鉄イオン濃度は検出限界以下、マンガンイオン濃度は検出限界以下、アンモニウムイオン濃度は検出限界以下であった。
【0131】
その後高度処理装置32からの生産水に、水道水の水質基準を満たすべく、塩素注入装置33により、次亜塩素酸ナトリウムを添加した。
【0132】
上記地下水浄化システムを用いることにより、1mの生産水に対して、必要な次亜塩素酸ナトリウムの添加量は、2gであった。これにより、前段で塩素酸化を行う従来の地下水浄化システムと比べて、次亜塩素酸ナトリウムの使用量を1/10以下に低減することができた。
【0133】
また、前段で塩素酸化を行って固液分離し、後段で高度処理を行う場合と比較して、イニシャルコスト、ランニングコスト共に約30%の低減ができた。
【0134】
さらに、前段で塩素酸化を行って固液分離し、後段で高度処理を行う場合と比較して、構成部品が少ないためにスペースを低減することができ、全体としての設置スペースが、約1/2となった。かかる効果は、特に都市部で地下水浄化システムを採用する場合には、設置スペースを低減でき非常に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明に係る生物接触ろ過装置及び地下水浄化システムは、前段で、生物処理によりアンモニアの一部、ヒ素、鉄、マンガン及びその他の金属イオンを除去して、高度処理装置への負荷を低減することができる。それゆえ、塩素の使用量が少なく、建設費及び運転管理費を低減可能な地下水浄化システムを実現することができるという特性を有していることから、地下水を原水として使用する小規模水道、簡易水道等に使用することができ非常に有用である。
【符号の説明】
【0136】
1 生物接触ろ過装置
2 活性炭塔
3 紫外線殺菌塔
4 イオン交換塔
5 ろ材
6 ろ材
7 謬質水酸化物層
8 無酸素性生物接触ろ過装置
9 好気性生物接触ろ過装置
10 生物接触ろ過装置
11 生物接触ろ過装置
12 水質センサー
13 原水槽
14 水温センサー
15 生物接触ろ過装置
16 バルブ
17 バルブ
18 水質センサー
19 イオン交換塔
20 イオン電極
21 イオン交換塔
22 残留塩素計
23 無酸素性生物接触ろ過装置
24 好気性生物接触ろ過装置
25 生物接触ろ過装置
26 イオン交換塔
27 生物接触ろ過装置
28 イオン交換塔
29 生物接触ろ過装置
30 活性炭塔
31 紫外線殺菌塔
32 高度処理装置
33 塩素注入装置
34 処理水槽
35 生物接触ろ過装置
36 紫外線殺菌塔
37 高度処理装置
38 塩素注入装置
39 色度処理塔
40 処理水槽
41 イオン交換塔
42 残留塩素計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ材が充填されているとともに、当該ろ材に微生物が担持されている生物接触ろ過装置であって、当該ろ材の平均粒子径は1mm以上4mm以下であることを特徴とする生物接触ろ過装置。
【請求項2】
前処理を行うための請求項1に記載の生物接触ろ過装置と、イオン交換樹脂又は高分子化成品膜からなる高度処理装置とを組合せたことを特徴とする地下水浄化システム。
【請求項3】
上記生物接触ろ過装置として、原水としての地下水を通水して、鉄を除去する無酸素性生物接触ろ過装置と、無酸素性生物接触ろ過装置による生物処理で得られる生産水を通水してマンガン、及び、アンモニアの一部を除去する好気性生物接触ろ過装置とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の地下水浄化システム。
【請求項4】
上記生物接触ろ過装置を2系統以上備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の地下水浄化システム。
【請求項5】
上記生物接触ろ過装置の出口に上記生物接触ろ過装置の除去能力の低下を検知する水質センサーを備えるとともに、当該水質センサーにより上記生物接触ろ過装置の除去能力の低下を検知した場合に、上記生物接触ろ過装置による処理で得られる生産水を原水槽に循環させるようになっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。
【請求項6】
各処理装置の出口に水質センサー及び/又は差圧計を備え、当該水質センサー及び/又は差圧計により各処理装置の終了タイミングを検知して次工程に移行するようになっていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。
【請求項7】
上記高度処理装置として、イオン交換速度が異なるイオン交換樹脂がそれぞれ充填されている2塔のイオン交換塔を備え、前段に備えられたイオン交換塔のイオン交換樹脂のイオン交換速度は、後段に備えられたイオン交換塔のイオン交換樹脂のイオン交換速度よりも遅いことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。
【請求項8】
イオン交換塔の出口付近に採水管を備えるとともに、当該採水管より採水した水に塩素化合物を添加して、当該水に含まれるアンモニアにより消費された塩素の量を算出するために、残留塩素濃度を測定するための残留塩素計を備えていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。
【請求項9】
上記好気性生物接触ろ過装置による処理で得られる生産水を上記無酸素性生物接触ろ過装置に送水するようになっていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。
【請求項10】
上記生物接触ろ過装置による生物処理と、イオン交換塔によるイオン交換処理との間で、アンモニア濃度と、亜硝酸及び硝酸の濃度とを制御するようになっていることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。
【請求項11】
原水としての地下水の一部を直接イオン交換塔に送水してイオン交換処理するようになっていることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。
【請求項12】
地下空気に含まれている炭酸ガスを取り込んで地下水に添加するようになっていることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載の地下水浄化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−104496(P2011−104496A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261011(P2009−261011)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000003942)日新電機株式会社 (328)
【出願人】(509317416)株式会社水処理技術開発センター (1)
【Fターム(参考)】