説明

産業プロセスにおけるインパルス配管の診断法

産業プロセスにおけるインパルス配管路(112)の動作状態の診断が行なわれる。振動源(144)は配管を通して振動信号を伝送し、振動信号受信器(146)は振動信号を受け取る。故障または切迫した故障などのインパルス配管路(112)の動作状態は、受信した振動信号に基づいて診断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス装置に関する。より詳細には、本発明は、プロセス配管によってプロセス流体に連結されたプロセス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス変数を測定するために種々のタイプのプロセス装置が使用され、これらは、プロセス配管によってプロセス流体に連結される。例えば、流体流量計は、産業プロセス制御環境において使用され、流体流量を計測して流量指示計およびプロセス制御装置に関連する出力を与える。翼車形流量計は、管内の不連続部近傍における圧力低下を計測することによって管内の流体流量を計測する。この不連続部(第1要素)は、オリフィス、ノズル、ベンチュリ、ピトー管、渦発生用バー(voltex shedding bar)、ターゲットまたは管の単純な屈曲部とすることができる。不連続部周辺の流れは、圧力低下と乱流の増大との双方をもたらす。圧力低下は、管の外側に配置され、管内の流体にインパルス管路またはインパルス通路によって接続された圧力伝送器(第2要素)によって検知される。これらの接続は、インパルス配管とも呼ばれる。測定の信頼性は、正確な較正の維持に依っている。インパルス管路は、時間がたつと詰まることがあり、それは、較正に悪影響を及ぼす。
【0003】
インパルス管路の分解および検査は、管路の詰まりを検証して直すために用いられる1つの方法である。詰まりを検出するための別の既知の方法は、圧力伝送器からの計測信号に定期的に「チェックパルス」を加えるものである。このチェックパルスにより、伝送器に接続された制御システムが流れを攪乱する。圧力伝送器が流れの攪乱を正確に検知しないと、管路の詰まりを示す警報信号が生成される。詰まりを検出するための別の既知の方法は、静圧と差圧の双方を検知するものである。静圧および差圧の振動の間の相関が不十分な場合、管路の詰まりを示す警報信号が生成される。管路の詰まりを検出するためのさらに別の既知の方法は、静圧を検知してそれらを高域フィルタおよび低域フィルタに通すものである。これらフィルタから得られる雑音信号を閾値と比較し、雑音の分散が閾値よりも小さい場合、管路が閉塞していることを示す警報信号をトリガすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの既知の方法は、静圧センサの設置、流量計の分解、または診断用の外部制御システムの使用を必要としている。これらの方法では、複雑性が増し、信頼性が低下することになる。そのため、予測性が高くて反動性が低い保守を与え、コスト削減または信頼性向上を図ることができる改善された診断技術が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
産業プロセスにおけるインパルス配管路の動作を診断するための装置および方法を提供する。振動源は、振動信号を受け取るように構成された受信器に配管を通して振動信号を伝送する。配管の動作状態は、受信した振動信号に基づいて診断される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、プロセスパイプ104に連結されたプロセス伝送器102を備えるプロセス制御または監視システム100の部分図である。プロセスパイプ104は、プロセス流体を搬送するいかなるタイプの容器でもよく、例えば貯蔵容器を含む。プロセスパイプ104は、プロセス流体を搬送するものであり、伝送器102は、圧力などプロセス流体のプロセス変数を計測して出力を与えるように構成されている。出力の一例は、ハート(HART)(登録商標)プロトコル、フィールドバス(Fieldbus)、プロフィバス(Profibus)その他の標準化された通信プロトコルに従って動作する二線式プロセス制御ループ106である。
【0007】
伝送器102は、プロセス接続部110を介してプロセス流体と接続している。このプロセス接続部には、プロセス流体とセンサ、例えば圧力センサ114との間に延びるインパルス配管112が設けられる。インパルス配管112は、プロセス流体を搬送する直接流体接続とすることができ、ある実施形態では、センサ114に連結する充填流体をプロセス流体から隔離するため必要であれば隔離ダイヤフラムを備えることもできる。
【0008】
動作中、インパルス配管112は、詰まる可能性がある。この詰まりは部分的詰まり、あるいは全面的詰まりのいずれかである。発明の背景で述べたように、インパルス配管112のそのような詰まりを診断して検証するため、さまざまな技術が用いられている。部分的詰まりは、インパルス配管が完全に閉塞しているわけではないので検証が特に困難であり、センサ114は、正確でないデータを送出し続ける可能性がある。
【0009】
本発明は、プロセスインパルス配管112の詰まりを検証する技術を提供するものである。図1に示す実施形態では、プロセス伝送器102は、センサ114に連結された測定回路120を備えている。入出力回路122は、プロセス制御ループ106と連結しており、センサ114の出力に関連する測定回路120に出力を供給する。例えば、この出力は、プロセス流体の圧力、プロセス流体の流量、プロセス流体のレベルまたはその他のプロセス変数に関するものである。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、伝送器100は、メモリ141を有する診断回路140を備えている。診断回路140は、変換器142と連結している。変換器142は、例えばプロセス接続部110との連結または他の接続によってプロセスインパルス配管112に物理的に接続されている。変換器142は、単一の変換器とするか、または信号源144と信号受信器146とにより形成される2つの別々の変換器とすることもできる。ある実施形態では、変換器146は、送信および受信の双方の機能を提供する単一の要素である。この送信および受信は連続動作であっても多重化されたものでもよい。
【0011】
ある実施形態では、信号源144は、インパルス配管路112内に振動信号を送る振動信号源である。これらの振動のスペクトル内容は、要求される通りに選択可能である。例えば、このスペクトル内容は、選択された上限よりも低い周波数を有する相対的に一定振幅の実質的にランダムなノイズとすることができる。反射信号に基づく診断法では、より高周波の音響周波数範囲が有利である。高周波であるほど指向性が高まるので、部分的に詰まった管路に沿って堆積箇所からより容易に反射がなされる。詰まりの箇所は、低域フィルタとなるので、この低域フィルタの特性によって低周波信号が詰まりの箇所で反射されず、伝達される。また、短いバースト音響信号は、高周波を用いてより容易に発生させることができ、これは、反射を行なう界面の位置を判定することを可能にする。これはウェットレグ(wet leg)およびドライレグ(dry leg)のレベル高診断において特に重要である。このタイプのバーストモード信号には40kHzまでの周波数が有用である。バーストモード信号によれば、バースト間の異常なノイズパターンに関するプロセスノイズスペクトルを聴取することができる。バーストノイズ周波数は、プロセスノイズによりマスクされないことが重要である。最適な実施形態においては、伝達された質問信号の正確な周波数は、計測されたバックグラウンドノイズスペクトルに対する最大信号対雑音比に関して変えられる。
【0012】
本発明の診断法は、環境雑音に左右されず、信号源144を利用して振動ノイズを発生させるものである。受信器146は、インパルス管路112から振動ノイズを受け取って診断回路140に信号を供給するように構成されている。雑音源144は、ランダムノイズに一定のプロファイルあるいは必要に応じて調整されたプロファイルを与えるので、診断回路140は、受信した信号の変動を検証して、変動の原因がインパルス配管112の詰まりの変化によるものか、あるいは信号源144により与えられた振動信号の変化によるものかを特定することができる。変換器146は、独立した構成要素としてプロセスマニホールドに連結するか、あるいは伝送器102の本体内に収容することができる。伝送器および受信器は、任意の構成のものを用いることができる。変換要素の1つのタイプは、高温での設置に好適な圧電素子である。しかしながら、電気機械式等を含むいかなる技術でも利用できる。効率を上げるため、圧電素子は、音響エネルギーが進行する所望の方向でマニホルードに効率的に連結し、他の方向では連結しないようにできる。この構成では、所望の方向に適用されるノイズ信号および感度が増大する。
【0013】
図2は、一実施形態による、プロセス連結部110近傍の圧力伝送器102の分解斜視図である。しかしながら、連結部110は、いかなるタイプの連結部あるいはフランジの構成とすることもできる。図2では、プロセス連結部110は、差圧伝送器をプロセスパイプ104に接続するために使用される3バルブマニホールドフランジとして図示されている。フランジ110は、締切弁110Aおよび110Bと均圧弁110Cとを備えている。差圧測定を利用して、例えば、流量または製産物レベルを計測することができる。プロセス伝送器102は、計測モジュール160に接続されたセンサモジュール162を備えている。センサモジュール162は、一連のプロセスインパルス配管路を介してプロセス流体と連結する差圧センサを備える。一般的に、隔離ダイヤフラム(図示せず)は、プロセス連結部110の面170に取り付けられる伝送器102の面内に収納される。プロセス連結部110を通って延びるインパルス配管112の部分が図2に示されている。
【0014】
ある実施形態によれば、変換器142は、プロセス連結部110の側部に連結され、配線172、プラグ174およびレセプタクル176を介して伝送器102の(図1に示す)診断回路140に接続される。好ましくは、プラグ174およびレセプタクル176は、本質的安全要件に適合するとともに環境に対する気密シールを提供するように構成される。図2においては、2つの変換器142が示され、これらは、プロセス連結部110を介して2つのインパルス接続部112の詰まりを診断するために使用される。絶対圧またはゲージ圧の測定など他の用途の場合、1つのインパルス管路のために1つだけの変換器が必要とされることが認識される。
【0015】
図3Aは、変換器142を側部に取り付けたプロセス連結部110の平面図である。プロセス連結部110は、インパルス配管112を閉塞するように構成された締切弁110Aおよび110Bを備えている。変換器142は、孔182を貫通してインパルス配管112内まで延びている。
【0016】
図3Bは、図3Aに示すプロセス連結部110の側断面図であり、図3Cは、図3Bに示す断面の拡大切取り図である。図3Cに示すように、インパルス配管112は、多数の構成要素で形成されている。インパルス配管112は、図1に示すプロセスパイプ104に連結するプロセス接続配管190を含んでいる。配管190は、取付金具192によってプロセス連結部110に接続されている。本体110内の主キャビティ192は、配管190、変換器142の先端部194および弁110Bを受容するように構成されている。弁110Bは、必要に応じて変換器接続部196からキャビティ192を密封するように構成されている。
【0017】
図3Cに示すように、振動信号200は、プロセスインパルス配管112を介して変換器142により伝達、受容される。図3Cの実施形態では、変換器142の先端部194は、伝送器102から離れる方向に振動信号200を向けるように傾斜をつけて構成されている。変換器142は、伝送器102に連結されるものとして図示されているが、伝送器102からの電力を必要としない変換器142への独立した接続を含む他の構成を用いることもできる。
【0018】
動作中、図1に示す診断回路140は、変換器146の動作を制御する。ある実施形態では、振動信号200のスペクトル内容は、診断回路140により制御される。診断回路140は、例えば受信器146に受信された信号をデジタル化するアナログデジタル変換器を備えてもよい。ある実施形態では、アナログ回路を使用することもできる。受信した信号に対する高速フーリエ変換(FFT)の実行を含む、高度のデジタル処理技術を用いることも可能である。
【0019】
詰まり、あるいは部分的詰まりの管路状態は、受信した振動信号に基づいて検出可能である。例えば、音響雑音の広スペクトルバーストを含む信号、または掃引信号が雑音源144を介してインパルス配管112に印加される。このノイズバーストは、プロセス接続部110内に指向的に結合可能であり、それによりインパルス配管路112内をプロセス流体に沿って伝播するようになっている。管路112内に詰まり、部分的に満たされたウェットレグまたはドライレグ、その他の条件による完全または部分的な界面が存在する場合、音響エネルギーの一部分が変換器142の受信器146まで反射される。変換器はこの受け取った音響エネルギーを、診断回路140に与える電気信号に変換する。他方、障害による故障状態が存在しない場合、反射される信号は取付金具、屈曲、および管路112内の通常の障害によるもののみとなろう。これらの反射は固定された発生源によるものである。このようにして、規格状態におけるプロセスインパルス管路112の音響プロファイルを診断回路140のメモリ141に記憶させることができる。動作中、実際の反射信号を記憶されたプロファイルと比較することが可能である。記憶されたプロファイルと受信された反射信号との違いは、プロセス管路112の故障または切迫した故障を特定するため診断回路140により用いられる。印加される音響信号は既知のものなので、本発明は管路の詰まりを検証するための環境雑音の変動に関して従来技術よりも影響を受けにくい。
【0020】
ある実施形態では、本発明はプロセス連結部のウェットレグまたはドライレグにおける故障状態の検出に用いられる。ウェットレグは、典型的にはレベル計測用途で用いられ、このレベル計測用途は、プロセス流体で意図的に満たされ続けるインパルス管路によって伝送器の低圧入力に接続されたタンクまたは他の容器に対する頭部接続部における差圧に基づいている。しかし、ウェットレグが流体で部分的にのみ満たされている場合、保守が必要となり、性能が低下することがある。最悪のケースのシナリオは、ウェットレグの充填レベルが時間とともに変化することである。これは不正確な計測につながるものである。ドライレグ装置は、インパルス管路がプロセス流体から意図的に隔離され続けること、すなわち、管路が乾燥していることを除けば同様のものである。ドライレグにおいて流体が蓄積すると伝送器の計測値に明らかなドリフトが生じる。本発明では、ウェットまたはドライのインパルス管路における流体レベルを検知することにより、レベルがいつ不適正であるかを検出して応答的に診断出力を行なうことができる。
【0021】
インパルス管路が詰まると、その障害は、低域フィルタとして作用しやすい。伝送器信号の高周波は減衰し、部分的に変換器142まで反射される。診断回路140は、管路の詰まりを示す可能性のある反射信号のスペクトル内容の変化を特定することができる。例えば、所定レベルの減衰が生じた場合、入出力回路122によりプロセス制御ループ106を通じて早期警戒警報を遠隔地に送ることもできる。
【0022】
信号源144からの反射信号の検出に加えて、環境プロセスノイズの検出のために受信器146を用いることもできる。これはポンプの故障、キャビテーションなどプロセス状態の診断に利用することができる。また他の診断技術と組み合わせて、プロセスにおけるその他の状態の診断に利用することもできる。
【0023】
本発明の振動に基づく診断法は、プロセス伝送器102における隔離流体の損失を検証するために用いることもできる。上記のように、センサ114からプロセス流体を隔離する隔離ダイヤフラムが一般に使用されている。隔離流体は、隔離ダイヤフラムをセンサ114に連結しており、それによりプロセス圧力の変動が隔離ダイヤフラムおよび隔離流体油を介してプロセスセンサに伝わるようになっている。しかし、隔離流体が漏出した場合には、センサの計測値に誤りが生じ、センサは最終的に機能しなくなるであろう。油、隔離装置、センサは、オーディオ信号に対する低域フィルタを形成する。伝送器において充填流体油が失われると、それに連れてこの低域フィルタの特性が変化する。隔離充填流体が失われるに連れて、低域フィルタのコーナ周波数(すなわち信号が3dB低減する周波数)が低くなる。本発明の変換器142は、この低域フィルタの変動を検証して充填流体の損失状態を診断するために使用することができる。診断回路140は反射信号を既知のプロファイルと比較して、充填流体の損失を判定する。
【0024】
診断回路140は、自己診断を行なうこともできる。例えば、プロセスインパルス配管112内のある障害および構成によって、反射パルスの一定ないし既定の時間遅延および振幅が与えられる。この時間遅延および振幅を経時的に計測することによって、診断回路140は、変換器142の劣化ないし故障を検証することができる。
【0025】
本発明の診断法は、単一の変換器を用いるかまたは複数の変換器によって実施することが可能である。診断回路および変換器は、伝送器の電子回路に組み込むか、または独立した装置の一部分とすることもできる。変換器は、他のマニホールドによる構成を含むいかなるタイプのプロセスインパルス配管とも連結可能である。伝送器のさまざまなタイプには、圧力、温度、pH、流量、レベル、その他が含まれる。診断回路140は、装置内の他の回路、例えばマイクロプロセッサ、メモリ、増幅器、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器等と構成要素を共有することができる。診断回路は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはその組み合わせとして実現可能である。
【0026】
本発明は、好適な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における変更が可能であることは当業者の認識するところであろう。例えば、振動信号は、任意の適切な周波数またはスペクトル内容のものとすることができる。信号は連続的に、バーストまたはパルスとして、またはランプ信号など他の波形によって印加可能である。診断回路は、受け取った振動信号を基準と比較し、信号のトレンドまたは急激な変化を識別することができる。さらに、診断回路は、例えば振動源がオフであるとき、背景雑音をモニタして、モニタされた環境雑音を記憶されたノイズスペクトルまたはシグネチャと比較することが可能である。この比較により、プロセス機器の異常または切迫した故障を知らせることができる。ある実施形態では、振動信号の周波数またはスペクトル内容が必要に応じて調整される。例えば、このスペクトル内容は、所望の信号対雑音比を実現するように調整可能である。本発明の診断回路は、レベル計測装置の充填された毛細管レグ(capillary leg)を形成するタイプのインパルス配管における故障モードなどの変動を診断するように構成可能である。このような構成では、伝送器はレベル計測値を出力する。故障の例としては、油の損失、プロセス隔離装置の破壊または欠損、毛細管レグチューブのねじれまたは破損がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のプロセスインパルス配管診断法を具備するプロセス装置を示す簡略化されたブロック図である。
【図2】伝送器およびプロセス連結部の分解斜視図である。
【図3A】図2に示すプロセス連結部の平面図である。
【図3B】図2に示すプロセス連結部の側断面図である。
【図3C】図2に示すプロセス連結部の切取り断面図である。
【符号の説明】
【0028】
100……プロセス制御または監視システム、 102……プロセス伝送器、 104……プロセスパイプ、 106……二線式プロセス制御ループ、 110……プロセス接続部、 112……インパルス配管、 114……センサ、 120……測定回路、 122……入出力回路、 140……診断回路、 141……メモリ、 142……変換器、 144……信号源、 146……信号受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業プロセスにおけるインパルス配管路の動作状態を診断するための装置であって、
前記インパルス配管路を介して振動信号を伝送するように構成された振動信号源と、
前記インパルス配管路からの前記振動信号を受信するように構成された振動信号受信器と、
前記受信した振動信号に基づき前記インパルス配管の動作状態を診断するように構成された診断回路とを備えた装置。
【請求項2】
前記診断回路は、さらに、背景雑音をモニタするように構成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記診断回路は、モニタされた背景雑音を記憶された基準ノイズシグネチャと比較し、プロセス機器の故障または切迫した故障を検証することを特徴とする請求項1の装置。
【請求項4】
前記振動信号の周波数は、信号対雑音比を変化させるように調整されることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項5】
前記診断回路は、レベル計測装置の充填された毛細管レグを形成するインパルス配管における変動を診断するように構成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項6】
前記診断回路は、受信した振動信号のスペクトルプロファイルを格納するメモリを備えることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項7】
前記診断回路は、前記受信した振動信号を基準と比較することを包含することを特徴とする請求項1の装置。
【請求項8】
前記振動信号源および信号受信器は、変換器によって形成されることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項9】
前記振動信号は、ノイズ信号を含むことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項10】
前記振動信号は、約20Hzよりも低い周波数を有することを特徴とする請求項1の装置。
【請求項11】
前記振動信号源および振動信号受信器は、プロセス連結部に連結されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項12】
前記インパルス配管路は、圧力センサをプロセス流体に連結することを特徴とする請求項1の装置。
【請求項13】
前記振動信号源は、前記伝送された振動信号を前記インパルス配管路の長さに沿って方向付けるように構成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項14】
前記振動信号源および振動信号受信器は、フランジの開口内に挿入および配置されていることを特徴とする請求項11の装置。
【請求項15】
請求項1の前記装置を備える伝送器。
【請求項16】
前記伝送器が流圧またはレベル伝送器を備えることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項17】
前記伝送器は、伝送器ハウジングを備え、前記振動信号源および振動信号受信器は、前記伝送器ハウジングの開口を介して前記伝送器内の前記診断回路に連結していることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項18】
前記伝送器は、二線式プロセス制御ループに連結するように構成されるとともに、前記プロセス制御ループから受ける電力のみにより駆動されるように構成されていることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項19】
前記診断回路は、前記インパルス配管路の詰まりまたは充填流体の損失を診断するように構成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項20】
前記診断回路は、レベル計測装置のウェットレグを形成するインパルス配管路における変動を診断するように構成されていることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項21】
前記診断回路は、前記受信した振動信号に基づいて自己診断を行なうことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項22】
産業プロセスにおけるインパルス配管の動作状態を診断する方法であって、
前記インパルス配管に沿って振動信号を送ることと、
前記インパルス配管路から前記振動信号を受信することと、
前記受信した振動信号に基づき前記インパルス配管の動作状態を診断することとを含む方法。
【請求項23】
前記診断は、受信した振動信号のスペクトルプロファイルの取得を含むことを特徴とする請求項22の方法。
【請求項24】
前記診断は、前記受信した振動信号と基準との比較を含むことを特徴とする請求項22の方法。
【請求項25】
前記振動信号は、ノイズ信号を含むことを特徴とする請求項22の方法。
【請求項26】
前記振動信号は、約20Hzよりも低い周波数を有することを特徴とする請求項22の方法。
【請求項27】
前記振動信号をプロセス連結部に連結することを含む請求項22の方法。
【請求項28】
前記インパルス配管は、圧力センサをプロセス流体に連結することを特徴とする請求項22の方法。
【請求項29】
請求項22の前記方法を実施する伝送器。
【請求項30】
前記インパルス配管における充填流体の損失を診断することを含む請求項22の方法。
【請求項31】
レベル計測装置のウェットレグまたはドライレグを形成するインパルス配管における変動を診断することを含む請求項22の方法。
【請求項32】
前記受信した振動信号に基づいて自己診断を行なうことを含む請求項22の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate


【公表番号】特表2007−516445(P2007−516445A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547086(P2006−547086)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041490
【国際公開番号】WO2005/066590
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(597115727)ローズマウント インコーポレイテッド (240)
【Fターム(参考)】