説明

画像データ記憶システム、原稿読取装置及び画像形成装置

【課題】自動原稿送り装置でジャムが発生し、それにより損傷して自動原稿送り装置を使用できない原稿が発生した場合に、ユーザーの手間を少なくして、残りの原稿を読み取る。
【解決手段】画像データ記憶システムは画像形成装置1aとサーバー装置10aを備える。画像形成装置1aは、第1の読取モード(ADFモード)で複数枚の原稿の読み取り中にジャムが検知された場合、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を、第1の読取受付部513で受け付ける。第1の読取指示が受け付けられて、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りが続行された後、第2の読取モード(フラットベッドモード)で複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を、第2の読取受付部515が受け付ける。第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取り中にジャムが発生した場合、最後にジャムが発生した原稿を第2の読取モードで読み取りをさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動原稿送り装置によって複数枚の原稿が原稿読取装置へ搬送され、原稿読取装置によって読み取られて生成された複数枚の原稿の画像データを、画像データ記憶装置に記憶させる画像データ記憶システム、並びにこれと関連する原稿読取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿読取装置であるスキャナーによって原稿を読み取って、その原稿の画像データを記憶装置に記憶することにより、原稿を電子化して保存することができる。自動原稿送り装置(ADF: Auto Document Feeder)は、複数枚の原稿を一枚ずつ連続してスキャナーの原稿読取箇所に自動的に送る装置である。読み取る原稿の枚数が多い場合、自動原稿送り装置を利用すれば便利である。
【0003】
しかし、自動原稿送り装置ではジャムが発生する(原稿が詰まる)ことがある。ジャムに対処するために、例えば、複数枚の原稿の読み取り中に自動原稿送り装置でジャムが発生し、自動原稿送り装置の使用ができなくなった場合、読み取りに失敗した原稿の枚数を表示し、その原稿を原稿台にセットしてフラットベッド方式で読み取りを続行できるようにした画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−274949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動原稿送り装置でジャムが発生すると、ジャムにより損傷が酷い原稿(例えば、破れた原稿)については、自動原稿送り装置を使用することができない。この場合、残りの原稿をフラットベッド方式で読み取りを続行できるようにすれば、残りの原稿の枚数が多いと、ユーザーの手間が大きくなる。
【0006】
本発明は、自動原稿送り装置でジャムが発生し、それにより損傷して自動原稿送り装置を使用できない原稿が発生した場合に、ユーザーの手間を少なくして、残りの原稿を読み取ることができる画像データ記憶システム、並びにこれと関連する原稿読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の一の局面に係る画像データ記憶システムは、原稿読取装置及び画像データ記憶装置を備える画像データ記憶システムであって、前記原稿読取装置は、自動原稿送り部と、原稿台と、原稿読取部と、前記自動原稿送り部によって搬送されてきた原稿を読み取って画像データを生成する第1の読取モード及び、前記原稿台にセットされた原稿を読み取って画像データを生成する第2の読取モードを前記原稿読取部に実行させる読取制御部と、前記原稿読取部によって生成された画像データを、前記画像データ記憶装置へ送信する送信部と、前記自動原稿送り部にセットされた複数枚の原稿を、前記自動原稿送り部によって前記原稿読取部へ搬送中に、前記自動原稿送り部でジャムが発生したかを検知するジャム検知部と、前記ジャム検知部によってジャムが検知された場合、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を受け付ける第1の読取受付部と、前記原稿読取部によって前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りが続行された後、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を受け付ける第2の読取受付部と、を備え、前記読取制御部は、前記第1の読取指示が前記第1の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させ、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させ、前記画像データ記憶装置は、前記送信部から送信されてきた画像データを受信する受信部と、前記受信部によって受信された、前記複数枚の原稿が前記原稿読取部によって読み取られて生成された複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、を備える。
【0008】
本発明の一の局面に係る画像データ記憶システムでは、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取り中にジャムが検知された場合、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を、第1の読取受付部で受け付ける。第1の読取指示が受け付けられて、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りが続行された後、第2の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を、第2の読取受付部が受け付ける。
【0009】
従って、本発明の一の局面に係る画像データ記憶システムによれば、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取り中に自動原稿送り部でジャムが発生した場合、ジャムが発生した原稿より後の残りの原稿を第1の読取モードで読み取りを続行させ、第1の読取モードでの読み取り終了後、ジャムが発生した原稿を第2の読取モードで読み取りをさせることができる。よって、自動原稿送り部でジャムが発生し、それにより損傷して自動原稿送り部を使用できない原稿が発生した場合、第1の読取モードで読み取れる原稿については先に読み取りを実行し、ジャムにより損傷して自動原稿送り部を使用できない原稿については、最後にまとめて第2の読取モードで読み取りを実行することができる。
【0010】
以上のように本発明によれば、自動原稿送り装置(自動原稿送り部)でジャムが発生し、それにより損傷して自動原稿送り装置(自動原稿送り部)を使用できない原稿が発生した場合に、ユーザーの手間を少なくして、残りの原稿を読み取ることができる。
【0011】
上記構成において、前記原稿読取装置は、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられることにより、前記原稿読取部で読み取られた原稿の画像データにジャム情報を付加するジャム情報付加部を備え、前記送信部は、前記ジャム情報が付加された画像データを前記画像データ記憶装置へ送信し、前記画像データ記憶装置は、表示部と、前記ジャム情報が付加された画像データを特定する画像を、前記表示部に表示させる表示制御部と、前記表示部に前記画像が表示された状態で、前記ジャム情報が付加された画像データに割り当てられたページの順番を変更する操作を受け付ける変更受付部と、前記変更受付部で受け付けられた順番になるように、前記ジャム情報が付加された画像データを含む前記複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して前記画像データ記憶部に記憶させる記憶制御部と、を備える。
【0012】
上述したように本発明の一の局面に係る画像データ記憶システムによれば、複数枚の原稿の読み取りでジャムが発生した場合、ジャムが発生した原稿より後の残りの原稿を第1の読取モードで読み取りを続行させ、最後にジャムが発生した原稿を第2の読取モードで読み取りをさせる。このため、ジャムが発生した場合、ジャムが発生した原稿の画像データに割り当てられるページは、ジャムが発生しない原稿の画像データに割り当てられるページより後の順番にされて画像データ記憶部に記憶されることになる。よって、複数枚の原稿の順番とそれらの画像の順番が異なる状態となる。
【0013】
上記構成によれば、ジャム情報が付加された画像データを特定する画像を表示部に表示させて、その画像データに割り当てられたページの順番を変更する操作を受け付けている。そして、受け付けられた順番になるように、複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して、画像データ記憶部に記憶させている。従って、ジャムが発生した原稿をまとめて最後に第2の読取モードで読み取りをしても、複数枚の原稿の順番とそれらの画像の順番が同じになるように、複数の画像データに割り当てられたページの順番を手動で編集することができる。
【0014】
ジャム情報が付加された画像データを特定する画像とは、例えば、その画像データにより生成される画像のプレビュー画像がある(すなわち、ジャムが発生し、第2の読取モードで読み取られた原稿のプレビュー画像)。また、ジャム情報が付加された画像データを特定する画像として、文字画像でもよい。例えば、ジャムが2回発生した場合、「1回目のジャムが発生したことを示すメッセージ」及び「2回目のジャムが発生したことを示すメッセージ」を表示する。ユーザーは1回目のジャムが発生した原稿及び2回目のジャムが発生した原稿を認識しているので、それらの文字画像だけでも、ユーザーは、ジャム情報が付加された画像データに割り当てられたページの順番を変更する操作をすることができる。
【0015】
上記構成において、前記原稿読取装置は、前記第1の読取指示が前記第1の読取受付部で受け付けられて、前記原稿読取部によって最初に読み取られた原稿の画像データである第1の画像データ及び、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられて、前記原稿読取部によって読み取られた原稿の画像データである第2の画像データのそれぞれに、両者を対応づけるジャム情報を付加するジャム情報付加部を備え、前記画像データ記憶装置は、前記第2の画像データに割り当てられたページの順番が、前記第1の画像データに割り当てられたページの順番より一つ前の順番になるように、前記ジャム情報が付加された画像データを含む前記複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して前記画像データ記憶部に記憶させる記憶制御部を備える。
【0016】
この構成によれば、ジャムが発生した後に第1の読取モードで最初に読み取られた原稿の画像データ(すなわち第1の画像データ)及び、ジャムが発生し第1の読取モード後に第2の読取モードで読み取られた原稿の画像データ(すなわち第2の画像データ)のそれぞれに、両者を対応づけるジャム情報を付加する。そして、第2の画像データに割り当てられたページの順番が、第1の画像データに割り当てられたページの順番より一つ前の順番になるように、複数の画像データに割り当てられたページの順番を編集して画像データ記憶部に記憶させている。
【0017】
従って、ジャムが発生した原稿をまとめて最後に第2の読取モードで読み取りをしても、複数枚の原稿の順番とそれらの画像の順番が同じになるように、複数の画像データに割り当てられたページの順番を自動で編集することができる。
【0018】
上記構成において、前記第2の読取受付部は、前記第2の読取モードで読み取らせる原稿の枚数の入力を受け付け、前記読取制御部は、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられると、前記入力された枚数の原稿の読み取りを、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで続行させる。
【0019】
原稿が重送されて1回のジャムで2枚以上の原稿が詰まった場合、ジャム検知部はジャムを検知できるだけで、ジャムした枚数を検知することができない。原稿読取部に第2の読取モードで1回だけ原稿を読み取らせる制御をするのか、2回以上原稿を読み取らせる制御をするのか、読取制御部に認識させる必要がある。この構成によれば、第2の読取モードで読み取らせる原稿の枚数を入力させている。このため、原稿読取部が第2の読取モードで読み取るべき原稿の枚数を、読取制御部に認識させることができる。従って、1回のジャムで2枚以上の原稿がジャムしても、第2の読取モードにおいて、それらの原稿を読み取ることができる。
【0020】
上記構成において、前記原稿読取装置の前記送信部と前記画像データ記憶装置の前記受信部は、ネットワークを通して通信をする。ネットワークとしては、例えば、LANやインターネットである。
【0021】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上述した画像データ記憶システムと、画像データにより画像を形成し、形成された画像を用紙に印刷する装置本体と、前記原稿読取部と前記装置本体を制御して、前記原稿読取部で読み取られた原稿の画像データにより画像を形成して用紙に印刷させるコピーモード及び、前記原稿読取部と前記画像データ記憶装置を制御して、前記原稿読取部で読み取られた複数枚の原稿の画像データを、前記画像データ記憶装置に記憶させるスキャナーモードを実行するモード制御部と、を備える。
【0022】
本発明の他の局面に係る画像形成装置によれば、本発明の一局面に係る画像データ記憶システムを備えるので、上述した本発明の一の局面に係る画像データ記憶システムと同様の作用効果が生じる。
【0023】
本発明のさらに他の局面に係る原稿読取装置は、自動原稿送り部と、原稿台と、原稿読取部と、前記自動原稿送り部によって搬送されてきた原稿を読み取って画像データを生成する第1の読取モード及び、前記原稿台にセットされた原稿を読み取って画像データを生成する第2の読取モードを前記原稿読取部に実行させる読取制御部と、前記原稿読取部によって生成された画像データを、画像データ記憶装置へ送信する送信部と、前記自動原稿送り部にセットされた複数枚の原稿を、前記自動原稿送り部によって前記原稿読取部へ搬送中に、前記自動原稿送り部でジャムが発生したかを検知するジャム検知部と、前記ジャム検知部によってジャムが検知された場合、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を受け付ける第1の読取受付部と、前記原稿読取部によって前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りが続行された後、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を受け付ける第2の読取受付部と、を備え、前記読取制御部は、前記第1の読取指示が前記第1の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させ、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる。
【0024】
本発明のさらに他の局面に係る原稿読取装置によれば、上述した本発明の一の局面に係る画像データ記憶システムと同様の作用効果が生じる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、自動原稿送り装置でジャムが発生し、それにより損傷して自動原稿送り装置を使用できない原稿が発生した場合に、ユーザーの手間を少なくして、残りの原稿を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1〜第3実施形態に係る画像データ記憶システムに備えられる画像形成装置の内部構造の概略を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るサーバー装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る画像データ記憶システムの動作を説明するフローチャートの前半である。
【図5】同フローチャートの後半である。
【図6】原稿給送部でジャムが発生しなかった場合に、画像データ記憶部に記憶された8ページの画像データの一例を示す図である。
【図7】原稿給送部でジャムが発生した場合に、画像データ記憶部に記憶された8ページの画像データの一例を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態に係るサーバー装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態に係る画像データ記憶システムの動作を説明するフローチャートの前半である。
【図11】同フローチャートの後半である。
【図12】プレビュー画像の一例を示す図である。
【図13】第2実施形態において、画像データ記憶部に記憶されている複数の画像データのそれぞれに割り当てられているページの順番を編集する第1工程を示す図である。
【図14】同第2工程を示す図である。
【図15】同第3工程を示す図である。
【図16】第3実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図17】第3実施形態に係るサーバー装置の構成を示すブロック図である。
【図18】第3実施形態に係る画像データ記憶システムの動作を説明するフローチャートの前半である。
【図19】同フローチャートの後半である。
【図20】第3実施形態において、画像データ記憶部に記憶されている複数の画像データのそれぞれに割り当てられているページの順番を編集する第1工程を示す図である。
【図21】同第2工程を示す図である。
【図22】同第3工程を示す図である。
【図23】同第4工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて本発明の第1〜第3実施形態を詳細に説明する。図1は、第1〜第3実施形態に係る画像データ記憶システムに備えられる画像形成装置の内部構造の概略を示す図である。第1実施形態に係る画像データ記憶システムに備えられる画像形成装置1a、第2実施形態に係る画像データ記憶システムに備えられる画像形成装置1b、及び第3実施形態に係る画像データ記憶システムに備えられる画像形成装置1cは、共通の内部構造を有する。
【0028】
画像形成装置1a,1b,1cは、例えば、コピー、プリンター、スキャナー及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像形成装置1a,1b,1cはスキャナー機能の場合に、原稿読取装置となる。画像形成装置1a,1b,1cは装置本体100、装置本体100の上に配置された原稿読取部200、原稿読取部200の上に配置された原稿給送部300、及び装置本体100の上部前面に配置された操作部400を備える。
【0029】
原稿給紙部300は自動原稿送り装置として機能し、原稿を送る方向の上流側から順に配置された原稿トレイ305、ピックアップローラー307、用紙分離機構309、レジストローラー311、搬送ドラム313、排紙ローラー315及び排紙トレイ317等を備える。原稿トレイ305には読み取りの対象とされる原稿が載置される。
【0030】
ピックアップローラー307は原稿トレイ305の上方に昇降可能に配置されている。ピックアップローラー307の近傍には用紙分離機構309が設けられている。用紙分離機構309は駆動ローラー309a、従動ローラー309b、無端ベルト309c及び分離ローラー309dを備える。駆動ローラー309aは従動ローラー309bよりも下流側に位置している。駆動ローラー309aと従動ローラー309bには無端ベルト309cが掛け渡されており、これらのローラーは給紙ローラーとして機能する。駆動ローラー309aと従動ローラー309bの下方には無端ベルト309cを押圧するように分離ローラー309dが配置されている。
【0031】
ピックアップローラー307及び駆動ローラー309aは、原稿トレイ305に載置された原稿を原稿トレイ305から送り出す方向に回転する。これに対して、分離ローラー309dは原稿トレイ305に載置された原稿を原稿トレイ305へ戻す方向に回転する。これらによって、ピックアップローラー307により一枚ずつ取り込まれた原稿が複数枚重ねて搬送されるのを防止している。
【0032】
用紙分離機構309の近傍にはレジストローラー311が配置されている。レジストローラー311は原稿を挟むように配置された駆動ローラー311aと従動ローラー311bから構成される。用紙分離機構309から搬送されてきた原稿は、レジストローラー311により正しい角度に補正されて、搬送ドラム313へ送られる。原稿は搬送ドラム313によって原稿読取スリット233の上を通過させられた後、排紙ローラー315によって排紙トレイ317へ排出される。原稿読取スリット233は後で説明する原稿読取部200に備えられる。
【0033】
原稿給紙部300はさらに、切換ガイド319、反転ローラー321及び反転搬送路323により構成される原稿反転機構を備える。原稿反転機構は原稿の両面を自動で読み取る際に使用される。両面読み取り時、切換ガイド319は下側に切り換えられおり、原稿読取部200で表面が読み取られた原稿は、排紙ローラー315及び反転ローラー321によって反転搬送路323へ搬送される。その後、切換ガイド319が上側に切り換えられ、反転ローラー321が逆回転することにより、原稿が搬送ドラム313へ再び送られる。そして原稿読取部200で原稿の裏面が読み取られ、原稿は排紙ローラー315によって排紙トレイ317に排紙される。
【0034】
原稿読取部200は原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成する。原稿読取部200はプラテンガラス231、原稿読取スリット233、光源235、第1ミラー237、第2ミラー239、第3ミラー241、第1キャリッジ243、第2キャリッジ245、結像レンズ247及びCCD(Charge Coupled Device)249を備える。
【0035】
プラテンガラス231及び原稿読取スリット233は、原稿読取部200の上面に位置している。プラテンガラス231はフラットベッド読取モードで利用され、プラテンガラス231の上に原稿を載置し、原稿が読み取られる。原稿読取スリット233は搬送ドラム313の下方に位置している。原稿読取スリット233はADF読取モードで利用され、搬送ドラム313によって搬送された原稿は、原稿読取スリット233と搬送ドラム313の間を通過する際に読み取られる。
【0036】
光源235及び第1ミラー237は第1キャリッジ243によって保持されている。第2ミラー239及び第3ミラー241は第2キャリッジ245によって保持されている。光源235から照射されて原稿で反射された光は、第1ミラー237、第2ミラー239、第3ミラー241及び結像レンズ247により、CCD249に導かれる。
【0037】
フラットベッド読取モードではプラテンガラス231上に原稿を載置し、キャリッジ(第1キャリッジ243及び第2キャリッジ245)をプラテンガラス231の長手方向(副走査方向Y)に移動させながらCCD249により原稿を読み取る。これに対してADF読取モードでは、キャリッジ(第1キャリッジ243及び第2キャリッジ245)を原稿読取スリット233と対向する位置に移動させて、原稿給紙部300から送られてきた原稿を、原稿読取スリット233を通してCCD249により読み取る。これによりCCD249から出力された電気信号を、原稿読取部200に設けられた画像エンジン(不図示)により所定の処理をして画像データとして出力する。
【0038】
装置本体100は用紙貯留部101、画像形成部103及び定着部105を備える。用紙貯留部101は装置本体100の最下部に配置されており、用紙の束を貯留することができる複数の給紙カセット107を備える。給紙カセット107に貯留された用紙の束において、最上位の用紙がピックアップローラー109の駆動により、用紙搬送路111へ向けて送出される。用紙は用紙搬送路111を通って、画像形成部103へ搬送される。
【0039】
画像形成部103は搬送されてきた用紙に画像データを基にしてトナー画像を形成する。画像形成部103は感光体ドラム113、除電部115、帯電部117、露光部119、現像部121Bk,121Y,121M,121C、転写ドラム123及び転写ローラー125を備える。
【0040】
除電部115は感光体ドラム113の周面から残留電荷を除去する装置である。帯電部117は除電後の感光体ドラム113の周面を帯電させる装置である。露光部119は画像データ(原稿読取部200のCCD249から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)に対応して変調された光を生成し、一様に帯電された感光体ドラム113の周面に照射することにより、感光体ドラム113の周面に静電潜像を形成する装置である。
【0041】
現像部121Bk,121Y,121M,121Cは、静電潜像が形成されている感光体ドラム113の周面に、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー画像を形成させる装置である。各色の現像部を区別する必要がなければ、現像部121と記載する。ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色に対するトナーは、図略のトナー供給容器又はトナーカートリッジから供給される。
【0042】
転写ドラム123の周面で、感光体ドラム113に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わされる。転写ローラー125は転写ドラム123の周面のトナー画像を、用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写させるローラーである。
【0043】
トナー画像が転写された用紙は、定着部105に送られる。定着部105において、トナー画像と用紙に熱と圧力が加えられて、トナー画像を用紙に定着させる。これにより、用紙への画像の印刷が完了する。用紙はスタックトレイ127又は排紙トレイ129に排紙される。
【0044】
操作部400は操作キー部401と表示部403を備える。表示部403はタッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは画面を見ながらソフトキーを操作することによって、コピー等の機能の実行に必要な設定等をする。
【0045】
操作キー部401はハードキーからなる操作キーを備えており、具体的にはスタートキー407、テンキー409及び機能切換キー405等を備える。スタートキー407はコピー、ファクシミリ送信等の動作を開始させるキーである。テンキー409はコピー部数、ファクシミリ番号等の数字を入力するキーである。
【0046】
機能切換キー405はコピーキー、送信キー、及びスキャナーキー等を備えており、コピー機能、送信機能、スキャナー機能等を相互に切り換えるキーである。コピーキーを操作すれば、コピーの初期画面が表示部403に表示される。送信キーを操作すれば、ファクシミリ送信及びメール送信の初期画面が表示部403に表示される。スキャナーキーを操作すれば、スキャナーの初期画面が表示部403に表示される。
【0047】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る画像データ記憶システムは、画像形成装置1aと、これとLANにより接続されたサーバー装置10a(画像データ記憶装置の一例)と、を備える。図2は画像形成装置1aの構成を示すブロック図である。図3はサーバー装置10aの構成を示すブロック図である。まず、図2に示す画像形成装置1aの構成を説明する。
【0048】
画像形成装置1aは装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作部400、制御部500及び通信部600がバスによって相互に接続された構成を有する。
【0049】
制御部500はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは画像形成装置1aを動作させるために必要な制御を、装置本体100等の画像形成装置1aの上記構成要素に対して実行する。ROMは画像形成装置1aの動作の制御に必要なソフトウェアを記憶している。RAMはソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。
【0050】
制御部500はモード制御部501、表示制御部503、読取制御部505、ジャム検知部507、ジャム情報記憶部511、第1の読取受付部513、及び第2の読取受付部515の機能を有する。これらの機能は制御部500に備えられる上記CPU、ROM及びRAM等により実現される。
【0051】
モード制御部501はコピーモード及びスキャナーモードを実行する。コピーモードにおいて、モード制御部501は原稿読取部200と装置本体100を制御し(原稿給送部300を使用する場合はさらに原稿給送部300を制御し)、原稿読取部200で読み取られた原稿の画像データにより画像を形成して用紙に印刷させる。スキャナーモードにおいて、モード制御部501は原稿読取部200を制御し(原稿給送部300を使用する場合はさらに原稿給送部300を制御し)、原稿読取部200で読み取られた原稿の画像データをサーバー装置10aへ送信して、サーバー装置10aに記憶させる。
【0052】
表示制御部503は、画像形成装置1aにおいて各種操作に使用される操作画面(例えば、コピー機能の実行に必要な設定画面)を表示部403に表示させる。
【0053】
読取制御部505は第1の読取モード及び第2の読取モードを原稿読取部200に実行させる。第1の読取モードとは、原稿給送部300によって搬送されてきた原稿を読み取って画像データを生成するモードをいう。第2の読取モードとは、原稿台231にセットされた原稿を読み取って画像データを生成するモードをいう。
【0054】
ジャム検知部507は、原稿給送部300の原稿トレイ305にセットされた複数枚の原稿を、順番に原稿給送部300によって原稿読取部200へ搬送中に、原稿給送部300でジャムが発生したかを検知する。
【0055】
ジャム検知部507は複数のセンサー509を備える。これらのセンサー509は、原稿給送部300内の原稿搬送路に沿って間隔を有して設置されている。ジャム検知部507は複数のセンサー509のそれぞれについて、原稿を検知している時間を測定し、所定時間継続して原稿を検知しているセンサー509があれば、そのセンサー509が配置されている箇所でジャムが発生していると判断する。
【0056】
センサー509としては、原稿を検知可能な種々のセンサーを用いることができ、例えば直接原稿を突き当てて検知を行うアーム型センサーや、発光部より原稿に光を射出し、原稿表面からの反射光を受光部で検知する反射型センサー等が用いられる。
【0057】
ジャム検知部507はジャムを検知した場合、ジャム情報をジャム情報記憶部511に記憶させる。ジャム情報とは、複数枚の原稿の読み取りにおいて、ジャムが発生した場合、何回目のジャムであるか特定できる情報である。例えば、1回目のジャムのジャム情報は「J1」であり、2回目のジャムのジャム情報は「J2」であり、3回目のジャムのジャム情報は「J3」である。
【0058】
従って、複数枚の原稿の読み取りにおいて、ジャムの発生回数が1回であれば、ジャム情報記憶部511にはジャム「J1」が記憶され、ジャムの発生回数が2回であれば、ジャム情報記憶部511にはジャム「J1」、「J2」が記憶され、ジャムの発生回数が3回であれば、ジャム情報記憶部511にはジャム「J1」、「J2」、「J3」が記憶される。
【0059】
第1の読取受付部513は、ジャム検知部507によってジャムが検知された場合、原稿読取部200によって第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を受け付ける。
【0060】
第2の読取受付部515は、原稿読取部200によって第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りが続行された後、原稿読取部200によって第2の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を受け付ける。また、第2の読取受付部515は、第2の読取モードで読み取らせる原稿の枚数の入力を受け付ける。
【0061】
読取制御部505は、第1の読取指示が第1の読取受付部513で受け付けられると、原稿読取部200に第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させ、第2の読取指示が第2の読取受付部515で受け付けられると、原稿読取部200に第2の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる。また、読取制御部505は、第2の読取指示が第2の読取受付部515で受け付けられると、入力された枚数の原稿の読み取りを、原稿読取部200に第2の読取モードで続行させる。
【0062】
通信部600は電話回線601を用いてファクシミリ通信する部分とLAN603を用いてネットワーク通信する部分とにより構成される。通信部600は送信部605を備える。送信部605は原稿読取部200によって生成された画像データを、サーバー装置10aへ送信する。送信部605の機能は、主に、ネットワーク通信する部分(ネットワークI/F部)により実現される。
【0063】
装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300及び操作部400に関しては既に説明したので、説明を省略する。
【0064】
次に、図3に示すサーバー装置10aの構成について説明する。サーバー装置10aは制御部20、通信部30及び操作部40がバスによって相互に接続された構成を有する。サーバー装置10aは画像データを記憶するサーバーである。すなわち、サーバー装置10aは、クライアント装置(例えば画像形成装置1a)からLAN603を介して送信されてきた画像データを記憶し、クライアント装置からLAN603を介して画像データを読み出すアクセスがあれば、そのクライアント装置に画像データを送信する機能を有する。
【0065】
通信部30はLAN603を用いてネットワーク通信をするインターフェイスである。通信部30は受信部31の機能を有する。受信部31は送信部605(図2)から送信されてきた画像データを受信する。
【0066】
操作部40は操作キー部41及び表示部43を備える。表示部43はタッチパネル機能を有しており、ソフトキーを含む画面が表示される。ユーザーは画面を見ながらソフトキーや操作キー部41を操作することによって、次に説明する画像データ記憶部21aに記憶されている画像データの編集、消去等の命令を入力する。
【0067】
制御部20は画像データ記憶部21a、記憶制御部23a及び表示制御部25aの機能を有する。これらの機能は制御部20に備えられるCPU、ROM及びRAM等により実現される。
【0068】
画像データ記憶部21aは、受信部31によって受信された複数の画像データを記憶する。複数の画像データとは、複数枚の原稿が原稿読取部200によって読み取られて生成されたものである。
【0069】
記憶制御部23aは、画像データ記憶部21aに画像データを書き込む制御、画像データ記憶部21aに記憶されている画像データを読み出す制御、画像データ記憶部21aに記憶されている画像データを消去する制御をする。
【0070】
表示制御部25aは、サーバー装置10aにおいて各種操作に使用される操作画面(例えば、画像データの消去や編集に必要な設定画面)を表示部41に表示させる。
【0071】
次に、第1実施形態に係る画像データ記憶システムの動作を説明する。図4及び図5はこれを説明するフローチャートである。8枚の原稿の片面を読み取って8ページの画像データを生成する場合を例に説明する。
【0072】
ユーザーは、図1に示す操作部400の機能切換キー405を操作して、スキャナー機能を選択する。スキャナー機能は、原稿読取部200で読み取られた原稿の画像データが、LAN603を経由してサーバー装置10aに送られて、サーバー装置10aに記憶させる機能である。
【0073】
ユーザーは図1に示す原稿トレイ305に8枚の原稿をセットし、スタートキー407を操作する。これにより、原稿給送部300は、原稿トレイ305にセットされた8枚の原稿のうち、一番上の原稿を原稿読取部200へ搬送する(ステップS1)。すなわち、ピックアップローラー307は、原稿トレイ305にセットされた8枚の原稿のうち、一番上の原稿をピックアップして、原稿給送部300内へ送り出す。
【0074】
ジャム検知部507は原稿給送部300内を搬送されている原稿について、ジャムが発生したか検知する(ステップS2)。ジャム検知部507がジャムを検知しない場合(ステップS2でNo)、原稿は原稿読取スリット233に搬送され、原稿読取部200が原稿を読み取って、ページ情報が付加された画像データを生成する(ステップS3)。ページ情報とは、その画像データに割り当てられたページである。すなわち、ページ情報とは、その画像データにより生成される画像が、第何ページの画像であるかを示す情報である。例えば、1番目に読み取られた原稿の画像データには、ページ情報「1」が付加される。この画像データにより生成される画像は、第1ページの画像となる。言い換えれば、ページ情報は、第1の読取モードと第2の読取モードを通して、複数枚の原稿の読み取り順に付けられたページの情報である。
【0075】
送信部605はステップS3で生成された画像データをサーバー装置10aに送信する(ステップS4)。読取制御部505が、原稿トレイ305に原稿がセットされていると判断した場合(ステップS5でYes)、ステップS1に戻る。
【0076】
一方、ジャム検知部507が、原稿給送部300内を搬送されている原稿についてジャムが発生したと検知した場合(ステップS2でYes)、ジャム情報を生成して、ジャム情報記憶部511に記憶させる(ステップS6)。ここでは、1回目のジャムが発生したことを示す情報(例えば「J1」)がジャム情報となる。
【0077】
ジャム検知部507はジャムが解消されたか判断する(ステップS7)。ユーザーが原稿給送部300内に詰まった原稿を取り除かない場合、ジャム検知部507はジャムが解消されたと判断しない(ステップS7でNo)。この場合、ステップS7の処理を繰り返す。
【0078】
ユーザーが原稿給送部300内に詰まった原稿を取り除くと、ジャム検知部507はジャムが解消されたと判断して(ステップS7でYes)、表示制御部503は、「ADFで原稿の読み取りを続行する場合、スタートキーを操作して下さい」の文字を、表示部403に表示させる。ADFでの原稿の読み取りとは、第1の読取モードで原稿を読み取ることを意味する。
【0079】
第1の読取受付部513は、ユーザーがスタートキー407を操作したか判断、言い換えれば、第1の読取指示を受け付けたか判断する(ステップS8)。
【0080】
第1の読取受付部513が、第1の読取指示を受け付けたと判断しない場合(ステップS8でNo)、ステップS8の処理を繰り返す。
【0081】
第1の読取受付部513が、第1の読取指示を受け付けたと判断した場合(ステップS8でYes)、ステップS1へ戻る。これにより、ジャムが発生した原稿より後の原稿について、第1の読取モードで読み取りが続行される。
【0082】
読取制御部505が、原稿トレイ305に原稿がセットされていると判断しない場合(ステップS5でNo)、読取制御部505はジャム情報記憶部511にジャム情報が記憶されているか判断する(ステップS9)。
【0083】
読取制御部505が、ジャム情報記憶部511にジャム情報が記憶されていると判断しない(ステップ9でNo)、すなわち、8枚の原稿の読み取りでジャムが発生しなかった場合、通信部600は、全ての原稿の読み取り処理が終了したこと示す終了信号(例えば、All Get Complete信号)を、LAN603を用いてサーバー装置10aに送信する(ステップS10)。
【0084】
読取制御部505が、ジャム情報記憶部511にジャム情報が記憶されていると判断した場合(ステップS9でYes)、ステップS11へ進む。ジャムの発生回数が例えば2回であり、1回目のジャムが3枚目の原稿であり、2回目のジャムは5枚目と6枚目の原稿とする。ジャム情報記憶部511には、1回目のジャム発生を示すジャム情報「J1」と、2回目のジャム発生を示すジャム情報「J2」が記憶されている。3枚目、5枚目及び6枚目の原稿はジャムにより損傷が酷く、第1の読取モードで読み取りができない状態とする。
【0085】
表示制御部503は、「1回目のジャム発生により、読み取られなかった原稿の枚数を入力して、順番に原稿台にセットして、スタートキーを操作することを繰り返して下さい」の文字を、表示部403に表示させる。これは第2の読取モードで原稿の読み取りを続行することを意味する。原稿の枚数を入力させるのは、ジャム検知部507は1回のジャムで詰まった原稿の枚数について検知できないからである。1回目のジャムで読み取れなかった原稿は3枚目の原稿であり、1枚の原稿なので、テンキー409を操作して、原稿の枚数「1」を入力する(ステップS11)。ユーザーは3枚目の原稿を原稿台231にセットする。
【0086】
第2の読取受付部515は、ユーザーがスタートキー407を操作したか判断、言い換えれば、第2の読取指示を受け付けたか判断する(ステップS12)。
【0087】
第2の読取受付部515が、第2の読取指示を受け付けたと判断しない場合(ステップS12でNo)、ステップS12の処理を繰り返す。
【0088】
第2の読取受付部515が、第2の読取指示を受け付けたと判断した場合(ステップS12でYes)、原稿読取部200が原稿台231にセットされた原稿を読み取り、ページ情報が付加された画像データを生成する(ステップS13)。送信部605はステップS13で生成された画像データをサーバー装置10aに送信する(ステップS14)。
【0089】
読取制御部505はステップS11で入力した枚数の読み取りが終了したか判断する(ステップS15)。ここでは、入力した枚数が「1」なので、読取制御部505は入力した枚数の読み取りが終了したと判断し(ステップS15でYes)、ジャム情報記憶部511からジャム情報「J1」を消去して、ステップS9に戻る。
【0090】
ジャム情報記憶部511には2回目のジャム情報「J2」が記憶されているので、読取制御部505はジャム情報記憶部511にジャム情報が記憶されていると判断する(ステップS9でYes)。
【0091】
表示制御部503は、「2回目のジャム発生により、読み取られなかった原稿の枚数を入力して、順番に原稿台にセットして、スタートキーを操作することを繰り返して下さい」の文字を、表示部403に表示させる。2回目のジャム発生により、読み取られなかった原稿の枚数は2枚(5枚目と6枚目の原稿)なので、ユーザーはテンキー409を操作して、原稿の枚数「2」を入力する(ステップS11)。
【0092】
ユーザーは原稿台231に5枚目の原稿をセットしてスタートキー407を操作する。第2の読取受付部515は、ユーザーがスタートキー407を操作したか判断、言い換えれば、第2の読取指示を受け付けたか判断する(ステップS12)。
【0093】
第2の読取受付部515が、第2の読取指示を受け付けると(ステップS12でYes)、原稿読取部200は原稿台231にセットされた原稿を読み取って、ページ情報が付加された画像データを生成する(ステップS13)。
【0094】
送信部605はステップS13で生成された画像データをサーバー装置10aに送信し(ステップS14)、読取制御部505はステップS11で入力した枚数の読み取りが終了したか判断する(ステップS15)。ここでは、入力した枚数が「2」なので、読取制御部505は入力した枚数の読み取りが終了したと判断せず(ステップS15でNo)、ステップS12に戻る。そして、ユーザーは次の原稿(ここでは6枚目の原稿)を原稿台231にセットして、スタートキー407を操作する。
【0095】
原稿台231にセットされた次の原稿が、原稿読取部200により読み取れて、ページ情報が付加された画像データが生成される(ステップS13)。送信部605はステップS13で生成された画像データをサーバー装置10aに送信する(ステップS14)。読取制御部505はステップS11で入力した枚数の読み取りが終了したか判断する(ステップS15)。入力した枚数が「2」なので、読取制御部505は入力した枚数の読み取りが終了したと判断し(ステップS15でYes)、ジャム情報記憶部511からジャム情報「J2」を消去して、ステップS9に戻る。
【0096】
ジャム情報記憶部511にはジャム情報が記憶されていないので、読取制御部505が、ジャム情報記憶部511にジャム情報が記憶されていると判断しない(ステップ9でNo)、そしてステップS10へ進む。
【0097】
ステップS4及びステップS14において、サーバー装置10aに送信された画像データは、送信されてきた順番に画像データ記憶部21a(図3)に記憶される。これについて説明する。
【0098】
サーバー装置10aは待機状態である(ステップS21)。記憶制御部23aは、画像形成装置1aの送信部605から送信されてきた画像データを、受信部31が受信したかを判断する(ステップS22)。
【0099】
記憶制御部23aが、送信部605から送信されてきた画像データを、受信部31が受信したと判断しない場合(ステップS22でNo)、ステップS21に戻る。記憶制御部23aが、送信部605から送信されてきた画像データを、受信部31が受信したと判断した場合(ステップS22でYes)、記憶制御部23aは、受信部31で受信された画像データを画像データ記憶部21aに記憶させる(ステップS23)。
【0100】
記憶制御部23aは、全ての原稿の読み取り処理が終了したこと示す終了信号を、受信部31が受信したかを判断する(ステップS24)。記憶制御部23aが、その終了信号を受信部31が受信したと判断しない場合(ステップS24でNo)、ステップS22に戻る。記憶制御部23aが、その終了信号を受信部31が受信したと判断した場合(ステップS24でYes)、8枚の原稿を読み取って生成された8ページの画像データが、画像データ記憶部21aに記憶される処理が終了する。
【0101】
図6は、原稿給送部300でジャムが発生しなかった場合に、画像データ記憶部21aに記憶された8ページの画像データI1〜I8の一例を示す図である。各画像データI1〜I8には、ページ情報Pが付加されている。
【0102】
ジャムが発生しなかったので、8枚の原稿の順番と8ページの画像の順番が一致している。すなわち、第1ページの画像データが1枚目の原稿の画像データI1、第2ページの画像データが2枚目の原稿の画像データI2、第3ページの画像データが3枚目の原稿の画像データI3、第4ページの画像データが4枚目の原稿の画像データI4、第5ページの画像データが5枚目の原稿の画像データI5、第6ページの画像データが6枚目の原稿の画像データI6、第7ページの画像データが7枚目の原稿の画像データI7、第8ページの画像データが8枚目の原稿の画像データI8とされている。
【0103】
図7は、原稿給送部300でジャムが2回発生した場合に、画像データ記憶部21aに記憶された8ページの画像データI1〜I8の一例を示す図である。第1ページの画像データが1枚目の原稿の画像データI1、第2ページの画像データが2枚目の原稿の画像データI2、第3ページの画像データが4枚目の原稿の画像データI4、第4ページの画像データが7枚目の原稿の画像データI7、第5ページの画像データが8枚目の原稿の画像データI8、第6ページの画像データが3枚目の原稿の画像データI3、第7ページの画像データが5枚目の原稿の画像データI5、第8ページの画像データが6枚目の原稿の画像データI6とされている。
【0104】
第1実施形態の主な効果を説明する。第1実施形態に係る画像データ記憶システムでは、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取り中にジャムが検知された場合(ステップS2でYes)、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を、第1の読取受付部513で受け付ける(ステップS8)。第1の読取指示が受け付けられて、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取りが続行された後、第2の読取モードで複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を、第2の読取受付部515が受け付ける(ステップS12)。
【0105】
従って、第1実施形態に係る画像データ記憶システムによれば、第1の読取モードで複数枚の原稿の読み取り中に原稿給送部300でジャムが発生した場合、ジャムが発生した原稿より後の残りの原稿を第1の読取モードで読み取りを続行させ、最後にジャムが発生した原稿を第2の読取モードで読み取りをさせることができる。よって、原稿給送部300でジャムが発生し、それにより損傷して原稿給送部300を使用できない原稿が発生した場合、第1の読取モードで読み取れる原稿については先に読み取りを実行し、ジャムにより損傷して原稿給送部300を使用できない原稿については、最後にまとめて第2の読取モードで読み取りを実行することができる。
【0106】
以上のように第1実施形態によれば、原稿給送部300でジャムが発生し、それにより損傷して原稿給送部300を使用できない原稿が発生した場合に、ユーザーの手間を少なくして、残りの原稿を読み取ることができる。
【0107】
また、第1実施形態に係る画像データ記憶システムによれば、次の効果を有する。原稿が重送されて1回のジャムで2枚以上の原稿が詰まった場合、ジャム検知部507はジャムを検知できるだけで、ジャムした枚数を検知することができない。原稿読取部200に第2の読取モードで1回だけ原稿を読み取らせる制御をするのか、2回以上原稿を読み取らせる制御をするのか、読取制御部505に認識させる必要がある。
【0108】
第1実施形態によれば、第2の読取モードで読み取らせる原稿の枚数を入力させている(ステップS11)。このため、原稿読取部200が第2の読取モードで読み取るべき原稿の枚数を、読取制御部505に認識させることができる。従って、1回のジャムで2枚以上の原稿がジャムしても、第2の読取モードにおいて、それらの原稿を読み取ることができる。
【0109】
第1実施形態では画像データ記憶システムについて説明した。画像形成装置1aにサーバー装置10aを組み込んだ態様についても、上述した第1実施形態の主な効果を有する。この態様では、スキャナーモードにおいて、図2に示すモード制御部501は原稿読取部200、原稿給送部300及びサーバー装置10aを制御し、原稿読取部200で読み取られた複数枚の原稿の画像データを、サーバー装置10aに記憶させる。
【0110】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る画像データ記憶システムについて、第1実施形態に係る画像データ記憶システムと異なる点を主に説明し、同じ点については説明を省略する。図7に示すように、第1実施形態ではジャムが発生した場合、画像データ記憶部21aに記憶される複数の画像データにおいて、ジャムが発生した原稿の画像データに割り当てられているページの順番は、ジャムが発生しない原稿の画像データに割り当てられているページの順番より後の順番にされている。従って、第1ページから第8ページの画像の順番が、8枚の原稿の順番と異なる状態になる。第2実施形態では、複数のページの画像の順番が、複数枚の原稿の順番と同じになるように、複数の画像データのそれぞれに割り当てられているページの順番を手動で編集できるようにしている。
【0111】
第2実施形態に係る画像データ記憶システムは、画像形成装置1bと、これとLANにより接続されたサーバー装置10b(画像データ記憶装置の一例)と、を備える。図8は画像形成装置1bの構成を示すブロック図である。図9はサーバー装置10bの構成を示すブロック図である。まず、図8に示す画像形成装置1bの構成を説明する。
【0112】
画像形成装置1bは、図2に示す画像形成装置1aに、ジャム情報付加部517bを追加した構成を有する。制御部500がジャム情報付加部517bの機能を有する。ジャム情報付加部517bは、第2の読取指示が第2の読取受付部515で受け付けられて、原稿読取部200によって読み取られた原稿の画像データにジャム情報を付加する。送信部605は、ジャム情報が付加された画像データをサーバー装置10bへ送信する。
【0113】
図9に示すようにサーバー装置10bの制御部20は、画像データ記憶部21b、記憶制御部23b、表示制御部25b、画像生成部27及び変更受付部29の機能を有する。これらの機能は制御部20に備えられるCPU、ROM及びRAM等により実現される。
【0114】
画像データ記憶部21bの機能は、画像データ記憶部21aの機能と同様である。
【0115】
表示制御部25bは表示制御部25aの機能に加えて、ジャム情報が付加された画像データにより生成される画像のプレビュー画像(ジャム情報が付加された画像データを特定する画像の一例)を、表示部43に表示させる機能を有する。ジャム情報が付加された画像データにより生成される画像のプレビュー画像は、画像生成部27により生成される。
【0116】
変更受付部29は、表示部43にプレビュー画像が表示された状態で、ジャム情報が付加された画像データに割り当てられたページの順番を変更する操作を受け付ける。
【0117】
記憶制御部23bは、記憶制御部23aの機能に加えて、変更受付部29で受け付けられた順番になるように、ジャム情報が付加された画像データを含む複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して画像データ記憶部21bに記憶させる。
【0118】
次に、第2実施形態に係る画像データ記憶システムの動作を説明する。図10及び図11はこれを説明するフローチャートである。図13〜図15は第2実施形態において、画像データ記憶部21bに記憶されている複数の画像データI1〜I8のそれぞれに割り当てられているページの順番を編集する工程を示す図である。
【0119】
第2実施形態では、ステップS13の処理の後に、ステップS13−1の処理が追加される。詳細に説明すると、ジャム情報付加部517bはジャム情報記憶部511からジャム情報を読み出して、ステップS13で生成された画像データに付加する(ステップS13−1)。
【0120】
ここでは、3枚目の原稿の画像データI3にジャム情報「J1」が付加され、5枚目及び6枚目の原稿の画像データI5,I6にジャム情報「J2」が付加される。送信部605は、ジャム情報が付加された画像データを、サーバー装置10bへ送信する(ステップS14)。図13に示すように、画像データ記憶部21bには、第1ページの画像データが1枚目の原稿の画像データI1、第2ページの画像データが2枚目の原稿の画像データI2、第3ページの画像データが4枚目の原稿の画像データI4、第4ページの画像データが7枚目の原稿の画像データI7、第5ページの画像データが8枚目の原稿の画像データI8、第6ページの画像データが3枚目の原稿の画像データI3、第7ページの画像データが5枚目の原稿の画像データI5、第8ページの画像データが6枚目の原稿の画像データI6が記憶されている。
【0121】
さらに、第2実施形態では、ステップS24の処理の後に、記憶制御部23bは画像データ記憶部21bに記憶されている8ページの画像データI1〜I8中にジャム情報が付加された画像データがあるか判断する(ステップS25)。記憶制御部23bが、8ページの画像データI1〜I8中にジャム情報が付加された画像データがあると判断しない場合(ステップS25でNo)、すなわちジャムが発生していない場合、8枚の原稿を読み取って生成された8ページの画像データI1〜I8が、画像データ記憶部21bに記憶される処理が終了する。
【0122】
記憶制御部23bが、8ページの画像データI1〜I8中にジャム情報が付加された画像データがあると判断した場合(ステップS25でYes)、すなわちジャムが発生した場合、8ページの画像データI1〜I8のそれぞれに割り当てられたページの順番を手動で編集する工程へ移る。
【0123】
記憶制御部23bは画像データ記憶部21bに記憶されている8ページの画像データI1〜I8を読み出す(これはジャム情報が付加されている画像データI3,I5,I6を読み出していることになる)。画像生成部27は読み出された画像データI1〜I8のプレビュー画像を生成する。表示制御部25bは生成されたプレビュー画像を表示部43に表示させる(ステップS26)。
【0124】
これにより、図12に示すように、プレビュー画像G1〜G8が表示部43に表示される。画像データI1のプレビュー画像G1は1枚目の原稿を示し、画像データI2のプレビュー画像G2は2枚目の原稿を示し、画像データI3のプレビュー画像G3は3枚目の原稿を示し、画像データI4のプレビュー画像G4は4枚目の原稿を示し、画像データI5のプレビュー画像G5は5枚目の原稿を示し、画像データI6のプレビュー画像G6は6枚目の原稿を示し、画像データI7のプレビュー画像G7は7枚目の原稿を示し、画像データI8のプレビュー画像G8は8枚目の原稿を示している。
【0125】
ユーザーは、画像G3をタッチし、画像G2と画像G4の間にドラッグする。次に、画像G5をタッチし、画像G4と画像G7の間にドラッグする。最後に、画像G6をタッチし、画像G5と画像G7の間にドラッグする。これらの操作を図式化したのが、図14である。
【0126】
ユーザーが登録キー45を操作して順番変更を確定させると、それが変更受付部29で受け付けられる(ステップS27)。これにより、記憶制御部23bは画像データI1〜I8のそれぞれに割り当てられているページを編集する(ステップS28)。具体的に説明すると、記憶制御部23bは図15に示すように、ジャム情報「J1」,「J2」が付加されている画像データからジャム情報を削除し、確定された順番に各画像データのページ情報を変更して、画像データ記憶部21bに記憶させる。
【0127】
これにより、8ページの画像の順番が、複数枚の原稿の順番と同じとなる。すなわち、図15に示すように、1枚目の原稿が第1ページの画像となり、2枚目の原稿が第2ページの画像となり、3枚目の原稿が第3ページの画像となり、4枚目の原稿が第4ページの画像となり、5枚目の原稿が第5ページの画像となり、6枚目の原稿が第6ページの画像となり、7枚目の原稿が第7ページの画像となり、8枚目の原稿が第8ページの画像となる。
【0128】
第2実施形態は、上述した第1実施形態の効果に加えて、次の効果を有する。
【0129】
上述したように第1実施形態に係る画像データ記憶システムによれば、複数枚の原稿の読み取りでジャムが発生した場合、ジャムが発生した原稿より後の残りの原稿を第1の読取モードで読み取りを続行させ、最後にジャムが発生した原稿を第2の読取モードで読み取りをさせる。このため、図7に示すように、ジャムが発生した場合、ジャムが発生した原稿の画像データに割り当てられるページは、ジャムが発生しない原稿の画像データに割り当てられるページより後の順番にされて画像データ記憶部21a(図3)に記憶されることになる。よって、複数枚の原稿の順番とそれらの画像の順番が異なる状態となる。
【0130】
第2実施形態によれば、ジャム情報が付加された画像データのプレビュー画像を表示部43に表示させて(ステップS26)、その画像データに割り当てられたページの順番を変更する操作を受け付けている(ステップS27)。そして、受け付けられた順番になるように、複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して、画像データ記憶部に記憶させている(ステップS28)。
【0131】
従って、ジャムが発生した原稿をまとめて最後に第2の読取モードで読み取りをしても、複数枚の原稿の順番とそれらの画像の順番が同じになるように、複数の画像データに割り当てられたページの順番を手動で編集することができる。
【0132】
第2実施形態では画像データ記憶システムについて説明した。画像形成装置1bにサーバー装置10bを組み込んだ態様についても、上述した第2実施形態の効果を有する。この態様では、スキャナーモードにおいて、図8に示すモード制御部501は原稿読取部200、原稿給送部300及びサーバー装置10bを制御し、原稿読取部200で読み取られた複数枚の原稿の画像データを、サーバー装置10bに記憶させる。
【0133】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る画像データ記憶システムについて、第1及び第2実施形態に係る画像データ記憶システムと異なる点を主に説明し、同じ点については説明を省略する。図13〜図15に示すように、第2実施形態では、複数のページの画像の順番が、複数枚の原稿の順番と同じになるように、複数の画像データのそれぞれに割り当てられているページの順番を手動で編集できるようにしている。これに対して、第3実施形態では、複数のページの画像の順番が、複数枚の原稿の順番と同じになるように、複数の画像データのそれぞれに割り当てられているページの順番を自動で編集できるようにしている。
【0134】
第3実施形態に係る画像データ記憶システムは、画像形成装置1cと、これとLANにより接続されたサーバー装置10cと、を備える。図16は画像形成装置1cの構成を示すブロック図である。図17はサーバー装置10c(画像データ記憶装置の一例)の構成を示すブロック図である。まず、図16に示す画像形成装置1cの構成を説明する。
【0135】
画像形成装置1cは、図2に示す画像形成装置1aに、ジャム情報付加部517cを追加した構成を有する。制御部500がジャム情報付加部517cの機能を有する。ジャム情報付加部517cは、第1の画像データ及び第2の画像データのそれぞれに、両者を対応づけるジャム情報を付加する。第1の画像データとは、第1の読取指示が第1の読取受付部513で受け付けられて、原稿読取部200によって最初に読み取られた原稿の画像データである。第2の画像データとは、第2の読取指示が第2の読取受付部515で受け付けられて、原稿読取部200によって読み取られた原稿の画像データである。
【0136】
図17に示すようにサーバー装置10cの制御部20は、画像データ記憶部21c、記憶制御部23c及び表示制御部25cの機能を有する。これらの機能は制御部20に備えられるCPU、ROM及びRAM等により実現される。
【0137】
画像データ記憶部21cの機能は、画像データ記憶部21aの機能と同様である。表示制御部25cの機能は、表示制御部25aの機能と同様である。
【0138】
記憶制御部23cは、記憶制御部23aの機能に加えて、第2の画像データに割り当てられたページの順番が、第1の画像データに割り当てられたページの順番より一つ前の順番になるように、ジャム情報が付加された画像データを含む複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して画像データ記憶部21cに記憶させる機能を有する。
【0139】
次に、第3実施形態に係る画像データ記憶システムの動作を説明する。図18及び図19はこれを説明するフローチャートである。図20〜図23は第3実施形態において、画像データ記憶部21cに記憶されている複数の画像データI1〜I8のそれぞれに割り当てられているページの順番を編集する工程を示す図である。第3実施形態では、ステップS3の処理の後、ステップS3−1,S3−2の処理が追加される。詳細に説明すると、読取制御部505は、ステップS3で生成された画像データが、第1の読取指示が第1の読取受付部513で受け付けられて(ステップS8でYes)、原稿読取部200によって最初に読み取られた原稿の画像データ(第1の画像データ)であるか判断する(ステップS3−1)。言い換えれば、直近の第1の読取指示が受け付けられ後、最初に第1の読取モードで読み取られた原稿であるか判断する。第3実施形態では、4枚目の原稿の画像データI4と7枚目の原稿の画像データI7が、第1の画像データに該当する。
【0140】
読取制御部505が、ステップS3で生成された画像データが、第1の画像データであると判断しない場合(ステップS3−1でNo)、ステップS4へ進む。
【0141】
読取制御部505が、ステップS3で生成された画像データが、第1の画像データであると判断した場合(ステップS3−1でYes)、ジャム情報付加部517cは第1の画像データにジャム情報を付加する(ステップS3−2)。4枚目の原稿の画像データI4にはジャム情報「J1」が付加され、7枚目の原稿の画像データI7にはジャム情報「J2」が付加される。送信部605はジャム情報が付加された画像データをサーバー装置10cへ送信する(ステップS4)。
【0142】
また、第3実施形態では、ステップS13の処理の後に、ステップS13−1の処理が追加される。この処理については第2実施形態で説明したので省略する。
【0143】
さらに、第3実施形態では、ステップS24の処理の後、第2実施形態と同様に、記憶制御部23cは画像データ記憶部21cに記憶されている8ページの画像データの中にジャム情報が付加された画像データがあるか判断する(ステップS25)。記憶制御部23cが、8ページの画像データの中にジャム情報が付加された画像データがあると判断しない場合(ステップS25でNo)、すなわちジャムが発生していない場合、8枚の原稿を読み取って生成された8ページの画像データが、画像データ記憶部21cに記憶される処理が終了する。
【0144】
記憶制御部23cが、8ページの画像データの中にジャム情報が付加された画像データがあると判断した場合(ステップS25でYes)、すなわちジャムが発生した場合、記憶制御部23cが8ページの画像データの順番を編集する(ステップS30)。これについて説明する。
【0145】
図20に示すように、画像データ記憶部21cには、編集前の8ページの画像データI1〜I8が記憶されている。
【0146】
3枚目の原稿の画像データI3は、1回目のジャム発生により、原稿読取部200により読み取られなかった原稿の画像データである。5枚目の原稿の画像データI5及び6枚目の原稿の画像データI6は、2回目のジャム発生により、原稿読取部200により読み取られなかった原稿の画像データである。いずれの画像データも、第2の読取指示が第2の読取受付部515で受け付けられて、原稿読取部200によって読み取られた原稿の画像データ(第2の画像データ)である。
【0147】
4枚目の原稿の画像データI4は、1回目のジャム発生後に原稿読取部200によって最初に読み取られた原稿の画像データである。7枚目の原稿の画像データI7は、2回目のジャム発生後に原稿読取部200によって最初に読み取られた原稿の画像データである。いずれの画像データも、第1の読取指示が第1の読取受付部513で受け付けられて、原稿読取部200によって最初に読み取られた原稿の画像データ(第1の画像データ)である。
【0148】
3枚目の原稿の画像データI3及び4枚目の原稿の画像データI4には、ジャム情報「J1」が付加されている。5枚目の原稿の画像データI5、6枚目の原稿の画像データI6及び7枚目の原稿の画像データI7には、ジャム情報「J2」が付加されている。ジャム情報「J1」は、3枚目の原稿の画像データI3と4枚目の原稿の画像データI4を対応付けている。ジャム情報「J2」は、5,6枚目の原稿の画像データI5,I6と7枚目の原稿の画像データI7を対応付けている。
【0149】
3枚目の原稿の画像データI3にはジャム情報「J1」が付加されているので、図21に示すように、ジャム情報「J1」が付加されている画像データである4枚目の原稿の画像データI4の一つ前の順番にされる。
【0150】
5枚目及び6枚目の原稿の画像データI5,I6にはジャム情報「J2」が付加されているので、図22に示すように、ジャム情報「J2」が付加されている画像データである7枚目の原稿の画像データI7の一つ前の順番にされる。
【0151】
最後に、図23に示すように、ジャム情報「J1」,「J2」が付加されている画像データからジャム情報を削除し、ページ情報Pを8ページの画像データI1〜I8が並び替えた後の順番に変更して、画像データ記憶部21cに記憶させる。
【0152】
これにより、8ページの画像の順番が、複数枚の原稿の順番と同じとなる。すなわち、図23に示すように、1枚目の原稿が第1ページの画像となり、2枚目の原稿が第2ページの画像となり、3枚目の原稿が第3ページの画像となり、4枚目の原稿が第4ページの画像となり、5枚目の原稿が第5ページの画像となり、6枚目の原稿が第6ページの画像となり、7枚目の原稿が第7ページの画像となり、8枚目の原稿が第8ページの画像となる。
【0153】
第3実施形態は、上述した第1実施形態の効果に加えて、次の効果を有する。第3実施形態によれば、ジャムが発生した後に第1の読取モードで最初に読み取られた原稿の画像データ(すなわち第1の画像データ)及び、ジャムが発生して最後に第2の読取モードで読み取られた原稿の画像データ(すなわち第2の画像データ)のそれぞれに、両者を対応づけるジャム情報を付加する(ステップS3−2、ステップS13−1)。そして、図20〜図23に示すように、第2の画像データに割り当てられたページの順番が、第1の画像データに割り当てられたページの順番より一つ前の順番になるように、複数の画像データに割り当てられたページの順番を編集して画像データ記憶部に記憶させている(ステップS30)。
【0154】
従って、ジャムが発生した原稿をまとめて最後に第2の読取モードで読み取りをしても、複数枚の原稿の順番とそれらの画像の順番が同じになるように、複数の画像データに割り当てられたページの順番を自動で編集することができる。
【0155】
第3実施形態では画像データ記憶システムについて説明した。画像形成装置1cにサーバー装置10cを組み込んだ態様についても、上述した第3実施形態の効果を有する。この態様では、スキャナーモードにおいて、図16に示すモード制御部501は原稿読取部200、原稿給送部300及びサーバー装置10cを制御し、原稿読取部200で読み取られた複数枚の原稿の画像データを、サーバー装置10cに記憶させる。
【符号の説明】
【0156】
1a,1b,1c 画像形成装置(原稿読取装置の一例)
10a,10b,10c サーバー装置(画像データ記憶装置の一例)
300 原稿給送部(自動原稿送り装置の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取装置及び画像データ記憶装置を備える画像データ記憶システムであって、
前記原稿読取装置は、
自動原稿送り部と、
原稿台と、
原稿読取部と、
前記自動原稿送り部によって搬送されてきた原稿を読み取って画像データを生成する第1の読取モード及び、前記原稿台にセットされた原稿を読み取って画像データを生成する第2の読取モードを前記原稿読取部に実行させる読取制御部と、
前記原稿読取部によって生成された画像データを、前記画像データ記憶装置へ送信する送信部と、
前記自動原稿送り部にセットされた複数枚の原稿を、前記自動原稿送り部によって前記原稿読取部へ搬送中に、前記自動原稿送り部でジャムが発生したかを検知するジャム検知部と、
前記ジャム検知部によってジャムが検知された場合、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を受け付ける第1の読取受付部と、
前記原稿読取部によって前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りが続行された後、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を受け付ける第2の読取受付部と、を備え、
前記読取制御部は、前記第1の読取指示が前記第1の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させ、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させ、
前記画像データ記憶装置は、
前記送信部から送信されてきた画像データを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された、前記複数枚の原稿が前記原稿読取部によって読み取られて生成された複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、を備える画像データ記憶システム。
【請求項2】
前記原稿読取装置は、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられることにより、前記原稿読取部で読み取られた原稿の画像データにジャム情報を付加するジャム情報付加部を備え、
前記送信部は、前記ジャム情報が付加された画像データを前記画像データ記憶装置へ送信し、
前記画像データ記憶装置は、
表示部と、
前記ジャム情報が付加された画像データを特定する画像を、前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に前記画像が表示された状態で、前記ジャム情報が付加された画像データに割り当てられたページの順番を変更する操作を受け付ける変更受付部と、
前記変更受付部で受け付けられた順番になるように、前記ジャム情報が付加された画像データを含む前記複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して前記画像データ記憶部に記憶させる記憶制御部と、を備える請求項1に記載の画像データ記憶システム。
【請求項3】
前記原稿読取装置は、前記第1の読取指示が前記第1の読取受付部で受け付けられて、前記原稿読取部によって最初に読み取られた原稿の画像データである第1の画像データ及び、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられて、前記原稿読取部によって読み取られた原稿の画像データである第2の画像データのそれぞれに、両者を対応づけるジャム情報を付加するジャム情報付加部を備え、
前記画像データ記憶装置は、前記第2の画像データに割り当てられたページの順番が、前記第1の画像データに割り当てられたページの順番より一つ前の順番になるように、前記ジャム情報が付加された画像データを含む前記複数の画像データのそれぞれに割り当てられたページの順番を編集して前記画像データ記憶部に記憶させる記憶制御部を備える請求項1に記載の画像データ記憶システム。
【請求項4】
前記第2の読取受付部は、前記第2の読取モードで読み取らせる原稿の枚数の入力を受け付け、
前記読取制御部は、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられると、前記入力された枚数の原稿の読み取りを、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで続行させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像データ記憶システム。
【請求項5】
前記原稿読取装置の前記送信部と前記画像データ記憶装置の前記受信部は、ネットワークを通して通信をする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像データ記憶システム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像データ記憶システムと、
画像データにより画像を形成し、形成された画像を用紙に印刷する装置本体と、
前記原稿読取部と前記装置本体を制御して、前記原稿読取部で読み取られた原稿の画像データにより画像を形成して用紙に印刷させるコピーモード及び、前記原稿読取部と前記画像データ記憶装置を制御して、前記原稿読取部で読み取られた複数枚の原稿の画像データを、前記画像データ記憶装置に記憶させるスキャナーモードを実行するモード制御部と、を備える画像形成装置。
【請求項7】
自動原稿送り部と、
原稿台と、
原稿読取部と、
前記自動原稿送り部によって搬送されてきた原稿を読み取って画像データを生成する第1の読取モード及び、前記原稿台にセットされた原稿を読み取って画像データを生成する第2の読取モードを前記原稿読取部に実行させる読取制御部と、
前記原稿読取部によって生成された画像データを、画像データ記憶装置へ送信する送信部と、
前記自動原稿送り部にセットされた複数枚の原稿を、前記自動原稿送り部によって前記原稿読取部へ搬送中に、前記自動原稿送り部でジャムが発生したかを検知するジャム検知部と、
前記ジャム検知部によってジャムが検知された場合、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第1の読取指示を受け付ける第1の読取受付部と、
前記原稿読取部によって前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りが続行された後、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる第2の読取指示を受け付ける第2の読取受付部と、を備え、
前記読取制御部は、前記第1の読取指示が前記第1の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第1の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させ、前記第2の読取指示が前記第2の読取受付部で受け付けられると、前記原稿読取部に前記第2の読取モードで前記複数枚の原稿の読み取りを続行させる原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−249081(P2012−249081A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119222(P2011−119222)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】