説明

画像処理システム、サーバ装置、クライアント装置、プログラム及び情報記録媒体

【課題】複数の要素画像の合成画像の圧縮ファイルを保有しているサーバ装置より、クライアント装置側で必要な要素画像の必要な符号のみを受信して所望の解像度、画質などで合成画像を表示させる。
【解決手段】サーバ装置100は、符号アクセス情報作成部102で、合成画像圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を作成してクライアント装置200へ送信する。クライアント装置200は、その符号アクセス情報の内容をディスプレイ装置207に画面表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の要素画像から合成される画像の圧縮ファイルを保有するサーバ装置と、このサーバ装置より圧縮ファイル内の符号データを受信し復号することにより合成画像を表示するクライアント装置とからなる画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
後述の実施形態においては、JPEG2000の符号データを扱うので、JPEG2000の符号データについて簡単に説明する。
【0003】
JPEG2000は、2001年に国際標準(IS 15444−1)になった画像圧縮伸長方式である。JPEG2000の符号データ(コードストリーム)はパケットの集合からなる。パケットは符号状態でアクセス可能な符号の最小単位である。各パケットはコンポーネント、解像度レベル、プレシンクト(”位置”)、レイヤ(”画質”)という4つの属性を持つ。そして、パケットを解像度の属性の順に並べることにより解像度プログレッシブな符号データを形成することができ、また、パケットをレイヤの属性の順に並べることにより画質プログレッシブな符号データを形成することができる。このように、どの属性の順にパケットを並べるかをプログレッションオーダと呼び、JPEG2000では5通りのプログレッションオーダが規定されている。JPEG2000では、画像をタイルと呼ばれる矩形領域に分割し、タイル単位で符号化を実行することができる。2以上のタイルに分割された場合には、符号データは、各タイルに対応した2以上の部分(タイルパート)から構成される。各タイルパートは上に述べたようなパケットの配列であるタイルデータと、タイルパートヘッダとから構成される。
【0004】
上に述べたようなJPEG2000の符号データから、符号状態で、例えば特定の解像度レベルの符号、特定のレイヤの符号、特定のコンポーネントの符号、特定のタイルの符号などを取り出したり、そのような部分符号のみを含む新たな符号データを編集したり、さらには2以上の部分符号を結合した符号データを編集したりすることが可能である。
【0005】
このようなJPEG2000の符号データの特徴を積極的に利用する技術としてJPIP(JPEG2000 Interactive Protocol)がある。JPIPは、サーバ・クライアントシステムにおいて、サーバにあるJPEG2000の符号データから、クライアントが必要とする部分符号だけを受信するためのプロトコルであり、現在標準化の途上にある。JPIPでは、クライアント側に、受信済みの部分符号のキャッシュを持ち、必要な部分符号のうちキャッシュにないもののみをサーバから受信することが可能である。このようなJPIPのキャッシュモデルや、キャッシュにある部分符号と新たに受信した部分符号とを結合する等の技術に関する先行技術文献として例えば特許文献1がある。
【0006】
また、写真のような自然画像と文字画像などの混在文書の符号化方式としてMRC(Mixed Raster Content)と呼ばれる手法がある。MRCでは、1ページの文書は文字の色情報(前景)、文字領域情報(マスク)、画像情報(背景)といった3レイヤに分けられ、レイヤ毎に符号化が行われる。このMRCに関する先行技術文献としては例えば特許文献2がある。
【0007】
また、このようなMRCモデルの前景、マスク、背景の符号化にJPEG2000を利用可能としたJPM(JPEG2000 Multi Layer)が2003年10月に国際標準(IS 15444−6)になっている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−23630号公報
【特許文献2】特許第3275807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、複数の要素画像から合成される画像(合成画像)の圧縮ファイルを処理の対象とするものであり、より詳しくは、合成画像を構成する各要素画像がJPEG2000の符号データのような、符号状態でアクセス可能な部分符号の集合からなる符号データとして用意されている場合を想定している。
【0010】
なお、要素画像は前記MRCや前記JPMのレイヤに位置づけされるものではなく、あくまで独立した画像である。ただし、各要素画像は合成時に透明化(もしくは不透明化)処理されるものであっても構わない。
【0011】
本発明の目的は、そのような合成画像圧縮ファイルを保有しているサーバ装置より、クライアント装置側で必要な要素画像の必要な符号のみを受信して所望の解像度、画質などで合成画像を表示させることができる新規な画像処理システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを保有するサーバ装置と、
前記サーバ装置より前記圧縮ファイル内の符号データを受信して復号することにより合成画像を表示するクライアント装置とからなる画像処理システムであって、
前記サーバ装置は、前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を作成する手段を有し、該符号アクセス情報を前記クライアント装置へ送信し、
前記クライアント装置は、前記サーバ装置より受信した前記符号アクセス情報を記憶する手段と、該手段に記憶されている前記符号アクセス情報の内容を表示する手段と、ユーザからの指示に従って特定の要素画像の要素画像符号識別情報と該要素画像の符号データの特定の部分符号の指定を含む送信要求を生成する手段とを有し、該生成する手段により生成された前記送信要求を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、前記クライアント装置より受信した前記送信要求に含まれる要素画像符号識別情報に従って要素画像の符号データを読み込み、該符号データから、該送信要求中で指定された部分符号のみを含む符号データを編集する手段を有し、該編集する手段により編集された符号データを前記クライアント装置へ送信することを特徴とする画像処理システムである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像処理システムであって、前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号は解像度レベルの属性を持ち、前記部分符号識別情報に解像度レベルに関する情報が含まれることを特徴とする画像処理システムである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る画像処理システムであって、前記解像度レベルに関する情報は解像度レベル数を示すものであることを特徴とする画像処理システムである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の発明に係る画像処理システムであって、前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号はレイヤの属性を持ち、前記部分符号識別情報にレイヤに関する情報が含まれることを特徴とする画像処理システムである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係る画像処理システムであって、前記レイヤに関する情報はレイヤ分割数を示すものであることを特徴とする画像処理システムである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1の発明に係る画像処理システムであって、前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号はコンポーネントの属性を持ち、前記部分符号識別情報にコンポーネントに関する情報が含まれることを特徴とする画像処理システムである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項6の発明に係る画像処理システムであって、前記コンポーネントに関する情報はコンポーネント数を示すものであることを特徴とする画像処理システムである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1の発明に係る画像処理システムであって、前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号は画像の分割領域であるタイルの属性を持ち、前記部分符号識別情報にタイルに関する情報が含まれることを特徴とする画像処理システムである。
【0020】
請求項9の発明は、請求項8の発明に係る画像処理システムであって、前記タイルに関する情報はタイル分割数を示すものであることを特徴とする画像処理システムである。
【0021】
請求項10の発明は、
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを記憶する手段、
前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を作成し、該符号アクセス情報をクライアント装置へ送信する手段、
前記クライアント装置より送信要求を受信し、該送信要求に含まれる要素画像符号識別情報に従って要素画像の符号データを読み込み、該符号データから、該送信要求中で指定された部分符号のみを含む符号データを編集し、該編集した符号データを前記クライアント装置へ送信する手段、
を有することを特徴とするサーバ装置である。
【0022】
請求項11の発明は、
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを保有するサーバ装置より、前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を受信して記憶する手段、
前記記憶する手段に記憶されている前記符号アクセス情報の内容を表示する手段、
ユーザからの指示に従って特定の要素画像の要素画像符号識別情報と該要素画像の符号データの特定の部分符号の指定を含む送信要求を生成し、該送信要求を前記サーバ装置へ送信する手段、
を有することを特徴とするクライアント装置である。
【0023】
請求項12の発明は、
サーバ装置として動作させるためのコンピュータを、
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを記憶する手段、
前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を作成し、該符号アクセス情報をクライアント装置へ送信する手段、
前記クライアント装置より送信要求を受信し、該送信要求に含まれる要素画像符号識別情報に従って要素画像の符号データを読み込み、該符号データから、該送信要求中で指定された部分符号のみを含む符号データを編集し、該編集した符号データを前記クライアント装置へ送信する手段として機能させるプログラムである。
【0024】
請求項13の発明は、
クライアント装置として動作させるためのコンピュータを、
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを保有するサーバ装置より、前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を受信して記憶する手段、
前記記憶する手段に記憶されている前記符号アクセス情報の内容を表示する手段、
ユーザからの指示に従って特定の要素画像の要素画像符号識別情報と該要素画像の符号データの特定の部分符号の指定を含む送信要求を生成し、該送信要求を前記サーバ装置へ送信する手段として機能させるプログラムである。
【0025】
請求項14の発明は、請求項12又は13の発明に係るプログラムが記録されたことを特徴とする、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体である。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明によれば、クライアント装置側でサーバ装置より受信した圧縮ファイルに関する符号アクセス情報の内容を表示するため、クライアント装置のユーザは、圧縮ファイル内の符号を全く受信しない時点であっても一部の符号を受信した後であっても、圧縮ファイルにどのような要素画像の符号データが含まれているか、各符号データのどのような部分符号をアクセス可能であるか等を容易に確認することができるため、必要な要素画像の符号データの必要な部分符号の送信要求を指示することにより、そのような送信要求をサーバ装置へ送信してサーバ装置より必要な符号のみを受信することができる。このように必要な符号のみを受信することができるため、圧縮ファイル内の全ての符号を受信する場合に比べ、サーバ装置からクライアント装置への転送データ量を削減することができる。また、例えば各要素画像の符号データの一部の符号を受信して合成画像を再生した後に、ある要素画像について、より多くの符号を追加受信し、その要素画像をより鮮明に表示させるようなことも容易に可能となる。
【0027】
請求項2,3の発明によれば、サーバ装置より受信する符号を解像度レベルの属性により指定することが可能であるため、例えば、各要素画像について低解像度レベルの符号のみを受信して合成画像を低解像度で表示させた後、テキスト画像である要素画像については、より高い解像度レベルまでの符号を受信することにより、その要素画像に含まれる文字の判読性を高めるようなことが可能となる。
【0028】
請求項4,5の発明によれば、サーバ装置より受信する符号をレイヤの属性により指定することが可能であるため、例えば、各要素画像について上位レイヤの符号のみを受信して合成画像を低画質で表示させた後、必要に応じて、より下位のレイヤまでの符号を受信することにより、合成画像の表示画質を上げるようなことが可能となる。
【0029】
請求項6,7の発明によれば、サーバ装置より受信する符号をコンポーネントの属性により指定することが可能であるため、例えば、各要素画像について、輝度コンポーネントの符号のみを受信して合成画像をモノクロ表示させた後、必要に応じて、色差コンポーネントの符号を受信して合成画像をカラー表示させるようなことが可能となる。
【0030】
請求項8,9の発明によれば、サーバ装置より受信する符号をタイル単位で指定することが可能であるため、例えば、各要素画像について、一部タイルの符号のみを受信して合成画像の一部領域のみ表示させた後、必要に応じて他のタイルの符号を受信することにより合成画像全体又は合成画像のより広い範囲を表示させるようなことが可能となる。
【0031】
請求項10の発明によれば、請求項1の発明に係る画像処理システムのためのサーバ装置を提供することができる。請求項11の発明によれば、請求項1の発明に係る画像処理システムのためのクライアント装置を提供することができる。
【0032】
請求項12,13,14の発明によれば、コンピュータを利用し、請求項10の発明に係るサーバ装置、請求項11の発明に係るクライアント装置、又は、請求項1に係る画像処理システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理システムのブロック図である。この画像処理システムは、合成画像圧縮ファイルを保有するサーバ装置100と、このサーバ装置100より合成画像圧縮ファイルの符号を取得し、その復号と画像表示を行うクライアント装置200とからなるサーバ・クライアントシステムである。
【0034】
サーバ装置100は、記憶部101、符号アクセス情報作成部102、符号編集部103、通信部104を含む。
【0035】
通信部104は、転送路151(例えば、LAN、イントラネット、インターネットなどのネットワークの回線)を通じてクライアント装置200との間で通信を行う手段である。
【0036】
記憶部101は、合成画像圧縮ファイルを記憶するための手段である。合成画像圧縮ファイルは、合成画像の複数の要素画像のJPEG2000符号データを内容とするものである(具体例は後述)。
【0037】
符号アクセス情報作成部102は、合成画像圧縮ファイルに関する符号アクセス情報(後述)を作成し、その符号アクセス情報を通信部104を介しクライアント装置200へ送信する手段である。
【0038】
符号編集部103は、通信部104を介しクライアント装置200より受信された送信要求に応じて送信すべき符号データを編集し、編集した符号データを通信部104を介しクライアント装置200へ送信する手段である。
【0039】
図2に、合成画像300と、その要素画像(A,B,C,D)301,302,303,304の例を示す。この合成画像300に関する合成画像圧縮ファイルは、要素画像(A)301のJPEG2000符号データ、要素画像(B)302のJPEG2000符号データ、要素画像(C)303のJPEG2000符号データ、要素画像(D)304のJPEG2000符号データと、それら要素画像の合成位置情報等を含むヘッダデータが所定のフォーマットで格納されている。ただし、要素画像の符号データの実体がファイルの外部に存在し、その実体へのポインタ情報のみがファイルに記述されるような形であっても構わない。
【0040】
要素画像のJPEG2000符号データの例を模式的に図3に示す。本例の符号データは、タイル分割数=1で,1つまりタイリングを行わずに符号化されたもので、符号開始マーカ(SOC)で始まり、メインヘッダ(MH)が続き、その後にタイル開始マーカ(SOT)から始まる1つのタイルパートが続き、末尾の符号終了マーカ(EOC)で終わる構造である。タイルパートは、SOTで始まり、タイルパートヘッダ(TH)が続き、その後にデータ開始マーカ(SOD)、タイルデータ(パケット列)が続く構造である。タイルデータ中のパケットの配列順はプログレッションオーダによる。例えばJPEG2000規定のRLCP又はRPCLプログレッションオーダの符号データでは、タイルデータ中に低い解像度レベルから高い解像度レベルへとパケットが配列され、解像度プログレッシブな符号データとなる。図3に示す符号データは、そのような解像度プログレッシブな符号データの例である。また、例えばJPEG2000規定のLRCPプログレッションオーダの符号データでは、タイルデータ中に上位のレイヤから下位のレイヤへとパケットが配列され、画質プログレッシブな符号データとなる。なお、タイル分割数が2以上の符号データでは、メインヘッダの後に複数のタイルパートが連続する構造となる。
【0041】
図4に符号アクセス情報の一例を示す。ここに示す符号アクセス情報はテーブル構造であり、各エントリーに1の要素画像に関する情報が含まれる。この要素画像に関する情報は、当該要素画像の符号データを特定するための「要素画像符号識別情報」、当該要素画像の符号データの符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための情報である「部分符号識別情報」、当該要素画像の出力位置を示す「画像出力位置情報」からなる。
【0042】
上記「要素画像符号識別情報」は、符号編集部103が要素画像の符号データをアクセスすることが可能となる情報であればどのようなものでもよいが、一例を挙げれば要素画像の符号データ(実体)の記憶アドレスである。
【0043】
「部分符号識別情報」は、例えば、符号データの解像度レベル数やタイル分割数などが記述される。例えば解像度レベル0〜n−1までの解像度プログレッシブな符号データならば、解像度レベル数nが記述される。解像度レベル数が記述されているならば、後述するように、クライアント装置側で例えば解像度レベル1までの部分符号を受信したい場合に、送信要求中で解像度レベル1を指定することにより、符号編集部103で指定された要素画像の符号データより解像度レベル0,1の符号(パケット群)のみを含む新たな符号データを容易に編集することが可能となる。また、要素画像の符号データがタイル分割されている場合、タイル分割数が記述されているならば、クライアント装置側で一部タイルの部分符号を受信したい場合に、送信要求中で例えばタイル番号を指定することにより、符号編集部103で指定された要素画像の符号データより指定されたタイル番号に対応したタイルパートのみ含む新たな符号データを容易に編集することが可能となる。なお、「部分符号識別情報」には、解像度レベル数、タイル分割数のほかに、レイヤ分割数、コンポーネント数などを記述することも可能である。レイヤ分割数が分かれば、クライアント装置側で特定のレイヤまでの部分符号の送信を要求することが可能になる。また、コンポーネント数が分かれば、クライアント装置側で例えばカラー要素画像の輝度(Y)コンポーネントの符号のみの送信を要求するといったことが可能となる。
【0044】
なお、解像度レベル数に代えて各解像度レベルを記述することも可能であるが、解像度レベル数を記述するのが情報量の削減の面で有利である。同様に、タイル分割数に代えて個々のタイル番号を記述することも、レイヤ分割数に代えて個々のレイヤ番号を記述することも、コンポーネント数に代えて個々のコンポーネント名を記述することも可能であるが、タイル分割数、レイヤ分割数、コンポーネント数を記述するのが情報量削減の面で有利である。
【0045】
「画像出力位置情報」は、例えば、図5に示すように、ディスプレイ画面又はその画面上の表示ウィンドウ305の左上コーナーを原点(0,0)として、要素画像306の左上コーナーの座標(x,y)を記述するものである。
【0046】
再び図1を参照する。クライアント装置200は、通信部208、符号アクセス情報記憶部203、符号記憶部204、復号処理部205、表示処理部206、ディスプレイ装置207、送信要求指示部202及び送信要求生成部201を含む。
【0047】
通信部208は転送路151を通じてサーバ装置100と通信するための手段である。すなわち、通信部208は転送路151及びサーバ装置100側の通信部104とともに、クライアント装置200の各部201,203,204とサーバ装置100の各部102,103との間の情報転送のため手段を構成している。
【0048】
符号アクセス情報記憶部203は、受信部208により受信された符号アクセス情報を記憶する手段である。
【0049】
送信要求生成手段201は、合成画像の要素画像の符号データ又はその部分符号の送信要求を作成する手段である。送信要求指示手段202は、送信要求生成手段201に対し、どのような送信要求を生成すべきかユーザが指示するための手段である。
【0050】
符号記憶部204は、受信部208により受信された符号データを記憶する手段である。復号処理部205は、符号記憶部204に記憶された符号データの復号処理を行い、復号画像データを表示処理部206へ出力する手段である。復号処理部205は、符号アクセス情報中の「画像出力位置情報」を基に復号画像の出力位置の制御も行う。
【0051】
表示処理部206は、復号処理部205より入力された復号画像データや、符号アクセス記憶部203に記憶されている符号アクセス情報の内容などをディスプレイ装置207の画面を表示させる手段である。
【0052】
次に、当該画像処理システムの動作を説明する。図6及び図7は動作説明のためのフローチャートである。
【0053】
図6を参照する。サーバ装置100において、例えば新しい合成画像圧縮ファイルが記憶部101に格納された時に、符号アクセス情報作成部102は、その合成画像圧縮ファイルに関する符号アクセス情報を作成する(step1)。そして、符号アクセス情報作成部102は、作成した符号アクセス情報を通信部104を介しクライアント装置200へ送信する(step2)。
【0054】
クライアント装置200において、サーバ装置100より送信された符号アクセス情報を通信部208で受信し、それを符号アクセス情報記憶部203に記憶する(step3)。そして、表示処理部206により、その符号アクセス情報の内容をディスプレイ装置207の画面に表示させる(step4)。
【0055】
次に図7を参照する。クライアント装置200において、ユーザは、ディスプレイ画面に表示された合成画像圧縮ファイルに関する符号アクセス情報の内容を見て、その合成画像又はその1以上の要素画像を表示させたい場合には、その表示のための符号の送信要求の発行を送信要求指示部202によって指示することができる(step11)。
【0056】
この際、符号の送信を希望する1又は2以上の要素画像の「要素画像符号識別情報」を指定することができる。また、「部分符号識別情報」から例えば解像度レベル数が分かるため、サムネイル表示のための符号の送信を希望するのであれば低い解像度レベル(0や1など)を指定することができる。これ以外にもレイヤ数、コンポーネントの指定、さらにはタイルの指定などが可能である。
【0057】
送信要求生成部201は、与えられた送信要求指示に応じた送信要求を作成し、その送信要求を通信部208を介しサーバ装置100へ送信する(step12)。サーバ装置100においては、この送信要求を通信部104により受信し(step15)、符号編集部103で、この送信要求に従った符号データを編集し(step16)、その符号データを通信部104を介してクライアント装置200へ送信する(step17)。クライアント装置200において、この符号データを通信部208で受信して符号記憶部204に記憶し(step13)、この符号データを復号処理部205で復号し、復号画像データを表示処理部206で画面表示する(step14)。この際、復号処理部206は、符号アクセス情報中の「画像出力位置情報」を基に復号画像の出力位置を制御するが、これについては後にさらに説明する。
【0058】
ユーザは、必要に応じて、送信要求指示部202より、さらなる送信要求を指示することができる(step11)。この指示があった場合にも前述のような送信要求の生成・送信、その送信要求に応じた符号データの編集、送信・受信、その復号・表示の動作が繰り返されることなる。
【0059】
ここで、図2に示した合成画像300を例にして、より具体的に動作を説明する。
【0060】
例えば、ユーザが合成画像300のサムネイル表示のための送信要求を指示したとする。この場合、送信要求指示部202より、全ての要素画像A〜Dの「要素画像符号識別情報」と、例えば解像度レベル0が送信要求生成部201に指定される。したがって、送信要求生成部201は、全要素画像の「要素画像符号識別情報」及び解像度レベル0を含む送信要求を生成し、それをサーバ装置100へ送信する。
【0061】
この送信要求を受信したサーバ装置100の符号編集部103は、送信要求中の「要素画像符号識別情報」に従って合成画像300の各要素画像A〜Dの符号データを読み込み、送信要求中で指定された解像度レベル0の部分符号からなる新たな符号データを編集する。すなわち、各要素画像の符号データが図3に示すような1タイルの符号データであるとすると、タイルパートのタイルデータ中の解像度レベル0の符号を残し、解像度レベル1以上の符号を破棄した(タイルパートヘッダ及びメインヘッダに必要な修正が施される)図8に示すような新たな符号データを作成し、それをクライアント装置200へ送信する。
【0062】
この編集された各要素画像の符号データはクライアント装置200で受信され、復号処理部205により復号される。復号された各要素画像データは、表示処理部206の処理により1つの合成画像に合成されてディスプレイ装置207の画面に表示されるが、その際の各要素画像の合成位置つまり出力位置は復号処理部205によって符号アクセス情報中の「画像出力位置情報」に従って制御される。復号処理部205は、受信された符号データがいずれの要素画像のものであるかを、例えば符号データのメインヘッダの記述から認識し、その要素画像に対応した「画像出力位置情報」を符号アクセス情報記憶部203より読み出し、それを基に当該符号データの復号画像の出力位置を制御することができる。かくして、合成画像300のサムネイル画像が表示されることになる。
【0063】
このサムネイル画像を見たユーザが、例えばテキスト画像である要素画像Cをより鮮明に表示させたいと希望する場合、送信要求指示部202により、要素画像Cの「要素画像符号識別情報」と例えば解像度レベル2を指定した送信要求を指示することができる。そうすると、この「要素画像符号識別情報」及び解像度レベル2を指定した送信要求を送信要求生成部201が生成してサーバ装置100へ送信する。この送信要求を受信したサーバ装置100の符号編集部103は、送信要求で指定された「要素画像符号識別情報」に従って要素画像Cの符号データを読み込み、タイルパートのタイルデータ中の解像度レベル2以下の符号を残し、解像度レベル3以上の符号を破棄した図9に示すような新たな符号データを作成し、それをクライアント装置200へ送信する。この要素画像Cの符号データはクライアント装置200の復号処理部205で復号され、復号された要素画像Cの画像データは表示処理部206により他の要素画像の復号画像データと合成された形で画面表示される。この際、要素画像C以外の要素画像の画像データも、解像度レベル2に相当するサイズに拡大される。
【0064】
要素画像の符号化データが2以上のタイルに分割されている場合、要素画像の一部のタイルを指定した送信要求を発行させることもできる。図10に例示するように要素画像が水平方向、垂直方向に同じ分割数でタイル分割され、図示のようにラスター順にタイル番号が付けられるとすると、符号アクセス情報中の「部分符号識別情報」にタイル分割数が記述されているならば、要素画像中の各タイルの位置及び番号を判別できる。水平方向と垂直方向のタイル分割数が異なる場合には、各方向のタイル分割数を「部分符号識別情報」に記述することにより、要素画像中の各タイルの位置及び番号を判別可能である。ユーザがタイルの位置及び番号を容易に判別することができるように、表示処理部206において、「部分符号識別情報」中のタイル分割数に基づいて、要素画像のタイルとタイル番号の関係をディスプレイ装置207の画面に表示すると好ましいであろう。
【0065】
ユーザは、ある要素画像の1又は2以上のタイルの符号のみ受信したい場合、送信要求指示部202で、要素画像の「要素画像符号識別情報」と「タイル番号」を指定した送信要求の発行を指示する。この際、解像度レベルなども指定可能であることは当然である。この指示に応じて、送信要求生成部201は、指定された「要素画像符号識別情報」、「タイル番号」などを含む送信要求を生成してサーバ装置100へ送信する。この送信要求を受信したサーバ装置100の符号編集部103は、「要素画像符号識別情報」に従って該当した要素画像の符号データを読み込み、その指定されたタイルに対応したタイルパートのみを含む符号データを生成する。解像度レベルが指定されている場合には、指定された解像度レベルより上のレベルの符号は破棄する。生成された符号データはクライアント装置200へ送信され、復号処理部205によって復号され、表示処理部206によって画面表示されることになる。なお、部分符号アクセス情報の「画像出力位置情報」は要素画像の左上コーナーの位置であるため、復号処理部205はタイル画像の出力位置をタイルの位置に応じて修正する。復号処理部204は、符号データのメインヘッダの記述からタイルのサイズ及びタイルの番号が知ることができるため、そのような位置の修正が可能である。
【0066】
以上、解像度レベル、タイルに関して部分符号を受信し表示する例を示したが、レイヤ分割された符号データの最上位レイヤからあるレイヤまでの符号などを受信して表示することも可能である。また、複数コンポーネントからなる符号データの特定コンポーネントの符号のみを受信し表示することも可能である。その特定コンポーネントの特定の解像度レベルや特定のレイヤの部分符号を受信して表示するようなことも可能である。
【0067】
ここまでに述べたような、合成画像を構成する複数の要素画像のうちの「必要な要素画像」の「必要な部分符号」を受信し、復号・表示をすることができるのは、クライアント装置200が合成画像圧縮ファイルに関する上記の如き符号アクセス情報をサーバ装置100より予め受信し記憶しているからである。クライアント装置側でそのような符号アクセス情報を持たない場合、そのような必要な要素画像の必要な部分符号を受信するようなことはできない。
【0068】
このように、本発明に係る画像処理システムでは、クライアント装置200において、サーバ装置100より合成画像圧縮ファイルの必要な符号のみを受信することにより、サーバ装置100からの転送データ量を削減することができ、しかも、必要に応じて一部の要素画像を高い画質で表示させようなことが可能になる。
【0069】
なお、クライアント装置200から要素画像の符号データの例えば解像度レベル2までの符号の送信を要求し、その後、同じ要素画像の解像度レベル5までの符号の送信を要求したい場合に、送信要求生成部201で、前回要求した符号(符号記憶部204に保存されている)との差分、つまり解像度3〜5を指定した送信要求を発行することも可能である。この場合、クライアント装置200の復号処理部205は、前回受信した解像度レベル2までの符号と今回受信した解像度レベル3〜5の符号とを結合してから復号処理を行うことになる。このように差分データを受信するならば、サーバ装置100からクライアント装置200への転送データ量を一層削減することができる。
【0070】
以上に説明したサーバ装置100やクライアント装置200は、例えば図11に示すようなCPU400、メモリ401、ディスプレイ装置402、ハードディスク装置403、キーボードやポインティングデバイスなどのユーザ入力デバイス404、ネットワークインターフェース405などをバス406で接続した一般的な構成のコンピュータを利用し、プログラムによって実現することができる。すなわち、サーバ装置100の各部102〜104としてコンピュータを機能させるプログラムを例えばハードディスク装置403にインストールし、これを必要時にメモリ401にロードすることによって、コンピュータをサーバ装置100として動作させることができる。同様に、クライアント装置200の各部201〜208としてコンピュータを機能させるプログラムをハードディスク装置403にインストールしておき、これを必要時にメモリ401にロードすることにより、コンピュータをクライアント装置200として動作させることができる。このようなプログラム、及び、同プログラムが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子など、コンピュータが読み取り可能な情報記録(記憶)媒体も本発明に含まれる。
【0071】
なお、以上の説明においては合成画像の要素画像の符号データはJPEG2000の符号データであった。しかし、要素画像の符号データは、符号状態でアクセス可能な部分符号の集合から構成されるものであるならば、JPEG2000の符号データに限定されるものではないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に一実施形態に係る画像処理システムのブロック図である。
【図2】合成画像とその要素画像の例を示す図である。
【図3】JPEG2000の符号データの例を示す図である。
【図4】符号アクセス情報の説明図である。
【図5】画像出力位置情報の説明図である。
【図6】動作説明のための簡略化したフローチャートである。
【図7】動作説明のための簡略化したフローチャートである。
【図8】解像度レベル0の符号のみを含む符号データを示す図である。
【図9】解像度レベル0〜3の符号のみを含む符号データを示す図である。
【図10】タイル分割とタイル番号の説明図である。
【図11】本発明に係るサーバ装置又はクライアント装置をプログラムにより実現するために利用されるコンピュータの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0073】
100 サーバ装置
101 記憶部
102 符号アクセス情報作成部
103 符号編集部
104 通信部
151 転送路
200 クライアント装置
201 送信要求生成部
202 送信要求指示部
203 符号アクセス情報記憶部
204 符号記憶部
205 復号処理部
206 表示処理部
207 ディスプレイ装置
300 合成画像
301 要素画像(A)
302 要素画像(B)
303 要素画像(C)
304 要素画像(D)
400 CPU
401 メモリ
402 ディスプレイ装置
403 ハードディスク装置
404 ユーザ入力デバイス
405 ネットワークインターフェース
406 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを保有するサーバ装置と、
前記サーバ装置より前記圧縮ファイル内の符号データを受信して復号することにより合成画像を表示するクライアント装置とからなる画像処理システムであって、
前記サーバ装置は、前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を作成する手段を有し、該符号アクセス情報を前記クライアント装置へ送信し、
前記クライアント装置は、前記サーバ装置より受信した前記符号アクセス情報を記憶する手段と、該手段に記憶されている前記符号アクセス情報の内容を表示する手段と、ユーザからの指示に従って特定の要素画像の要素画像符号識別情報と該要素画像の符号データの特定の部分符号の指定を含む送信要求を生成する手段とを有し、該生成する手段により生成された前記送信要求を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、前記クライアント装置より受信した前記送信要求に含まれる要素画像符号識別情報に従って要素画像の符号データを読み込み、該符号データから、該送信要求中で指定された部分符号のみを含む符号データを編集する手段を有し、該編集する手段により編集された符号データを前記クライアント装置へ送信することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号は解像度レベルの属性を持ち、前記部分符号識別情報に解像度レベルに関する情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記解像度レベルに関する情報は解像度レベル数を示すものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号はレイヤの属性を持ち、前記部分符号識別情報にレイヤに関する情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記レイヤに関する情報はレイヤ分割数を示すものであることを特徴とする請求項4記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号はコンポーネントの属性を持ち、前記部分符号識別情報にコンポーネントに関する情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記コンポーネントに関する情報はコンポーネント数を示すものであることを特徴とする請求項6記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記圧縮ファイル内の要素画像の符号データを構成する部分符号は画像の分割領域であるタイルの属性を持ち、前記部分符号識別情報にタイルに関する情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記タイルに関する情報はタイル分割数を示すものであることを特徴とする請求項8記載の画像処理システム。
【請求項10】
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを記憶する手段、
前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を作成し、該符号アクセス情報をクライアント装置へ送信する手段、
前記クライアント装置より送信要求を受信し、該送信要求に含まれる要素画像符号識別情報に従って要素画像の符号データを読み込み、該符号データから、該送信要求中で指定された部分符号のみを含む符号データを編集し、該編集した符号データを前記クライアント装置へ送信する手段、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを保有するサーバ装置より、前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を受信して記憶する手段、
前記記憶する手段に記憶されている前記符号アクセス情報の内容を表示する手段、
ユーザからの指示に従って特定の要素画像の要素画像符号識別情報と該要素画像の符号データの特定の部分符号の指定を含む送信要求を生成し、該送信要求を前記サーバ装置へ送信する手段、
を有することを特徴とするクライアント装置。
【請求項12】
サーバ装置として動作させるためのコンピュータを、
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを記憶する手段、
前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を作成し、該符号アクセス情報をクライアント装置へ送信する手段、
前記クライアント装置より送信要求を受信し、該送信要求に含まれる要素画像符号識別情報に従って要素画像の符号データを読み込み、該符号データから、該送信要求中で指定された部分符号のみを含む符号データを編集し、該編集した符号データを前記クライアント装置へ送信する手段として機能させるプログラム。
【請求項13】
クライアント装置として動作させるためのコンピュータを、
1の合成画像として合成される複数の要素画像の符号データを格納した圧縮ファイルを保有するサーバ装置より、前記圧縮ファイル内の各要素画像の符号データをアクセスするための要素画像符号識別情報、該各要素画像の符号データ中の符号状態でアクセス可能な部分符号を識別するための部分符号識別情報、及び、該各要素画像の出力位置を示す画像出力位置情報を含む、符号アクセス情報を受信して記憶する手段、
前記記憶する手段に記憶されている前記符号アクセス情報の内容を表示する手段、
ユーザからの指示に従って特定の要素画像の要素画像符号識別情報と該要素画像の符号データの特定の部分符号の指定を含む送信要求を生成し、該送信要求を前記サーバ装置へ送信する手段として機能させるプログラム。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のプログラムが記録されたことを特徴とする、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−53608(P2007−53608A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237495(P2005−237495)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】