説明

画像処理システム、画像保管装置及び医用画像診断装置

【課題】4Dデータを適切に連続再生することができる画像処理システム、画像保管装置及び医用画像診断装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の画像処理システムは、画像保管装置と再生制御装置とを備える。前記画像保管装置は、経時的に収集された一連のボリュームデータ群である4次元データを、該4次元データの再生を制御する制御情報とともに保管する。前記再生制御装置は、前記一連のボリュームデータ群を前記制御情報とともに前記画像保管装置から取得し、取得した一連のボリュームデータ群を前記制御情報に従って連続再生する。前記制御情報は、経時的に収集された一連のボリュームデータ群に属するボリュームデータであることを識別する識別情報、及び、一連のボリュームデータ群のうち連続再生の基準として用いられるボリュームデータについては基準ボリュームデータであることを識別する識別情報を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像処理システム、画像保管装置及び医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、X線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置等の医用画像診断装置として、4次元の医用画像データを収集可能なものがある。4次元の医用画像データ(以下、4Dデータ)とは、経時的に収集された3次元の医用画像データ(以下、ボリュームデータ)群のことである。かかる4Dデータは、連続再生されることにより対象物の動きを描出する。例えば、血管内を流れる血液の動きや、心拍に伴う心臓の動き、呼吸に伴う肺の動きなどを描出する。
【0003】
ここで、医用画像診断装置によって収集された4Dデータは、医用画像診断装置が備える計算機システムによって連続再生されたり、あるいは一旦画像保管装置に保管された後に他のワークステーションや端末装置によって連続再生されたりする。もっとも、例えば画像保管装置に保管された場合、どのボリュームデータが、経時的に収集された一連のボリュームデータ群であるかを特定する術がない。このため、従来は、操作者が、あらゆるボリュームデータ群の中から、経時的に収集された一連のボリュームデータ群を手動で特定し、特定したボリュームデータ群を4Dデータとして設定することで、ワークステーションや端末装置における連続再生を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−102125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、4Dデータを適切に連続再生することができる画像処理システム、画像保管装置及び医用画像診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の画像処理システムは、画像保管装置と再生制御装置とを備える。前記画像保管装置は、経時的に収集された一連のボリュームデータ群である4次元データを、該4次元データの再生を制御する制御情報とともに保管する。前記再生制御装置は、前記一連のボリュームデータ群を前記制御情報とともに前記画像保管装置から取得し、取得した一連のボリュームデータ群を前記制御情報に従って連続再生する。前記制御情報は、経時的に収集された一連のボリュームデータ群に属するボリュームデータであることを識別する識別情報、及び、一連のボリュームデータ群のうち連続再生の基準として用いられるボリュームデータについては基準ボリュームデータであることを識別する識別情報を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る画像処理システムの構成例を説明するための図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係るDICOMデータ構造を説明するための図である。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る立体表示モニタを説明するための図である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係るボリュームレンダリング処理の一例を説明するための図である。
【図5】図5は、第1の実施形態に係る画質の変更を説明するための図である。
【図6】図6は、第1の実施形態に係るボリュームデータ群の連続再生を説明するための図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置の構成例を示す図である。
【図8】図8は、第1の実施形態に係る制御部の構成例を示す図である。
【図9】図9は、第1の実施形態に係る一連のボリュームデータ群を説明するための図である。
【図10】図10は、第1の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータを説明するための図である。
【図11】図11は、第1の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータの他の例を説明するための図である。
【図12】図12は、第2の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータを説明するための図である。
【図13】図13は、第3の実施形態に係るボリュームデータ群の連続再生を説明するための図である。
【図14】図14は、第3の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータを説明するための図である。
【図15】図15は、第3の実施形態の変形例に係るボリュームデータ群の連続再生を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、画像処理システム、画像保管装置及び医用画像診断装置の実施形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る画像処理システムの構成例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る画像処理システム1の構成例を説明するための図である。
【0010】
図1に示すように、第1の実施形態に係る画像処理システム1は、医用画像診断装置110と、画像保管装置120と、ワークステーション130と、端末装置140とを備える。図1に示すように、各装置は、例えば病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)2により、直接的又は間接的に相互に通信可能な状態となっている。例えば、画像処理システム1にPACS(Picture Archiving and Communication System)が導入されている場合、各装置は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、医用画像データ等を相互に送受信する。
【0011】
ここで、第1の実施形態において、医用画像診断装置110は、自装置にて収集した4Dデータ(経時的に収集した一連のボリュームデータ群)をDICOM規格に則って画像保管装置120に送信する際、この4Dデータの再生を制御する制御情報を、DICOM規格の付帯情報として各ボリュームデータに付帯させる。一方、ワークステーション130や端末装置140は、画像保管装置120に保管された4Dデータを制御情報とともに取得し、この制御情報に従って一連のボリュームデータ群を連続再生する。なお、実施形態はこれに限られるものではなく、例えば、制御情報の付帯は、ワークステーション130などによって事後的に行われてもよい。まず、各装置を簡単に説明する。
【0012】
医用画像診断装置110は、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、又はこれらの装置群などである。
【0013】
また、第1の実施形態に係る医用画像診断装置110は、4Dデータを収集し、収集した4Dデータを、DICOM規格に則ったデータ構造(以下、DICOMデータ構造)で画像保管装置120に送信する。なお、第1の実施形態において、DICOMデータ構造とは、医用画像データ自体に付帯情報が付帯された構造のことである。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係るDICOMデータ構造を説明するための図である。図2に示すように、付帯情報は、データ要素の集合体であり、各データ要素は、タグ、データ型(Value Representation)、データ長、及びデータを含む。
【0015】
タグは、以下に例示するように、グループ番号とデータ要素番号との組合せである。グループ番号はデータ要素の種類を識別し、データ要素番号は、同一グループ内でデータ要素を識別する。また、データ型は、データ要素のデータ型を識別し、データ長は、データの長さを示し、データは、タグに対応するデータそのものである。なお、以下に例示するタグは、DICOM規格に定められた標準タグであるが、DICOM規格においては、標準タグ以外に、製造業者独自のプライベートタグを使用することができる。
(0008,0020) 検査日付
(0008,0030) 検査時刻
(0008,0060) モダリティID
(0010,0010) 患者
(0010,0020) 患者ID
(0028,0010) 画素の行数
(0028,0011) 画素の列数
【0016】
画像保管装置120は、医用画像データを保管するデータベースである。第1の実施形態に係る画像保管装置120は、医用画像診断装置110から送信されたDICOMデータ構造の4Dデータを記憶部に格納し、これを保管する。
【0017】
ワークステーション130及び端末装置140は、画像保管装置120に保管された医用画像データを画像保管装置120から取得し、取得した医用画像データを表示部に表示する画像処理装置(再生制御装置ともいう)である。第1の実施形態に係るワークステーション130及び端末装置140は、画像保管装置120に保管されたDICOMデータ構造の4Dデータを取得し、各ボリュームデータに対してボリュームレンダリング処理を行いながら、ボリュームデータ群を連続再生する。この結果、観察者である医師や検査技師は、対象物の動きを観察することができる。
【0018】
なお、例えばワークステーション130は、医用画像データに対して高度な画像処理を行う装置として位置付けられる場合がある。また、例えば端末装置140は、病院内に勤務する医師や検査技師により操作されるPC(Personal Computer)やタブレット式PC、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話などであり、病院内に勤務する医師や検査技師に医用画像を閲覧させるための装置としての位置付けられる場合がある。
【0019】
また、実施形態は図1に示した構成例に限られるものではない。例えば、大容量の医用画像データを保管することが可能なワークステーション130を用いることで、図1に示す画像保管装置120とワークステーション130とが統合される場合であってもよい。すなわち、第1の実施形態は、ワークステーション130にDICOMデータ構造の4Dデータを記憶させる場合であってもよい。
【0020】
(4Dデータの再生制御)
さて、続いて、制御情報の付帯について説明する前に、まず、第1の実施形態において想定する4Dデータの再生制御について説明する。
【0021】
第1の実施形態に係るワークステーション130及び端末装置140は、立体視可能に画像を表示する立体表示モニタを有し、4Dデータを立体視可能に連続再生する。具体的には、ワークステーション130及び端末装置140は、4Dデータに含まれる各ボリュームデータに対してボリュームレンダリング処理を行い、各ボリュームデータから、立体表示モニタに表示するための視差画像群を生成する。そして、ワークステーション130及び端末装置140は、各ボリュームデータから生成された視差画像群を時系列に並べ、連続して立体表示モニタに表示する。
【0022】
まず、ワークステーション130や端末装置140が有する立体表示モニタを説明する。立体表示モニタは、視差画像群を表示することで立体視可能に画像を表示するモニタである。具体的には、第1の実施形態に係る立体表示モニタは、レンチキュラーレンズなどの光線制御子を用いることで、観察者が裸眼にて立体視することができるように、画像を表示する。第1の実施形態に係る立体表示モニタは、両眼視差による立体視を可能とし、また、観察者の視点移動に合わせて観察される画像も変化する運動視差による立体視も可能とする。なお、実施形態はこれに限られるものではなく、シャッター方式の立体表示モニタや偏光方式の立体表示モニタなどでもよい。
【0023】
図3は、第1の実施形態に係る立体表示モニタを説明するための図である。図3に示す立体表示モニタには、液晶パネルなどの平面状の表示面200の前面に、光線制御子が配置される。例えば、図3に示す立体表示モニタには、光線制御子として、光学開口が垂直方向に延びる垂直レンチキュラーシート201が表示面200の前面に貼り付けられている。なお、図3に示す一例では、垂直レンチキュラーシート201の凸部が前面となるように貼り付けられているが、垂直レンチキュラーシート201の凸部が表示面200に対向するように貼り付けられる場合であっても良い。
【0024】
表示面200には、図3に示すように、縦横比が3:1であり、縦方向にサブ画素である赤(R)、緑(G)、青(B)の3つが配置された画素202がマトリクス状に配置される。図3に示す立体表示モニタは、9つの画像により構成される9視差画像を、所定フォーマット(例えば格子状)に配置した中間画像に変換したうえで、表示面200に出力する。すなわち、図3に示す立体表示モニタは、9視差画像にて同一位置にある9つの画素それぞれを、9列の画素202に割り振って出力させる。9列の画素202は、視点位置の異なる9つの画像を同時に表示する単位画素群203となる。
【0025】
表示面200において単位画素群203として同時に出力された9視差画像は、例えば、LED(Light Emitting Diode)バックライトにより平行光として放射され、更に、垂直レンチキュラーシート201により、多方向に放射される。9視差画像の各画素の光が多方向に放射されることにより、観察者の右目及び左目に入射する光は、観察者の位置(視点の位置)に連動して変化する。すなわち、観察者の見る角度により、右目に入射する視差画像と左目に入射する視差画像とは、視差角が異なる。これにより、観察者は、例えば、図3に示す9つの位置それぞれにおいて、撮影対象を立体的に視認できる。また、観察者は、例えば、図3に示す「5」の位置において、撮影対象に対して正対した状態で立体的に視認できるとともに、図3に示す「5」以外それぞれの位置において、撮影対象の向きを変化させた状態で立体的に視認できる。なお、図3に示す立体表示モニタは、あくまでも一例である。9視差画像を表示する立体表示モニタは、図3に示すように、「RRR・・・、GGG・・・、BBB・・・」の横ストライプ液晶である場合であってもよいし、「RGBRGB・・・」の縦ストライプ液晶である場合であってもよい。また、図3に示す立体表示モニタは、図3に示すように、レンチキュラーシートが垂直となる縦レンズ方式である場合であってもよいし、レンチキュラーシートが斜めとなる斜めレンズ方式である場合であってもよい。
【0026】
次に、ワークステーション130や端末装置140において行われるボリュームレンダリング処理を説明する。ワークステーション130や端末装置140は、レンダリング条件に従って各ボリュームデータに対するボリュームレンダリング処理を行い、各ボリュームデータから視差画像群を生成する。なお、ボリュームレンダリング処理とは、レンダリング処理のうち、3次元の情報を反映した2次元画像を生成する処理のことである。また、レンダリング条件は、操作者から受け付ける場合や、初期設定される場合などが考えられる。
【0027】
図4は、第1の実施形態に係るボリュームレンダリング処理の一例を説明するための図である。例えば、ワークステーション130や端末装置140が、図4の「9視差画像生成方式(1)」に示すように、レンダリング条件として、平行投影法を受け付け、更に、基準の視点位置(5)と視差角「1度」とを受け付けたとする。かかる場合、ワークステーション130や端末装置140は、視差角が「1度」おきとなるように、視点の位置を(1)〜(9)に平行移動して、平行投影法により視差角(視線方向間の角度)が1度ずつ異なる9つの視差画像を生成する。なお、平行投影法を行う場合、ワークステーション130や端末装置140は、視線方向に沿って無限遠から平行な光線を照射する光源を設定する。
【0028】
或いは、ワークステーション130や端末装置140が、図4の「9視差画像生成方式(2)」に示すように、レンダリング条件として、透視投影法を受け付け、更に、基準の視点位置(5)と視差角「1度」とを受け付けたとする。かかる場合、ワークステーション130や端末装置140は、ボリュームデータの中心(重心)を中心に視差角が「1度」おきとなるように、視点の位置を(1)〜(9)に回転移動して、透視投影法により視差角が1度ずつ異なる9つの視差画像を生成する。なお、透視投影法を行う場合、ワークステーション130や端末装置140は、視線方向を中心に光を3次元的に放射状に照射する点光源や面光源を各視点にて設定する。また、透視投影法を行う場合、レンダリング条件によっては、視点(1)〜(9)は、平行移動される場合であってもよい。
【0029】
なお、ワークステーション130や端末装置140は、表示されるボリュームレンダリング画像の縦方向に対しては、視線方向を中心に光を2次元的に放射状に照射し、表示されるボリュームレンダリング画像の横方向に対しては、視線方向に沿って無限遠から平行な光線を照射する光源を設定することで、平行投影法と透視投影法とを併用したボリュームレンダリング処理を行ってもよい。
【0030】
このようにして生成された9つの視差画像が、視差画像群である。第1の実施形態において、9つの視差画像は、例えばワークステーション130や端末装置140により所定フォーマット(例えば格子状)に配置した中間画像に変換され、立体表示モニタに表示される。
【0031】
なお、図4の例では、レンダリング条件として、投影方法、基準の視点位置及び視差角を受け付けた場合を説明したが、レンダリング条件として、他の条件を受け付けた場合も同様に、ワークステーション130や端末装置140は、それぞれのレンダリング条件を反映しつつ、視差画像群を生成する。
【0032】
続いて、ワークステーション130や端末装置140において行われる再生制御を説明する。ワークステーション130や端末装置140は、各ボリュームデータから生成された視差画像群を時系列に並べ、連続して立体表示モニタに表示する。
【0033】
具体的には、第1の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140は、4Dデータに付帯された制御情報に従って一連のボリュームデータ群を特定するとともに、連続再生の基準として用いられるボリュームデータ(以下、基準ボリュームデータ)を特定し、特定した基準ボリュームデータと各ボリュームデータとを重畳しながら、一連のボリュームデータ群を連続再生する。ここで、第1の実施形態において、一連のボリュームデータ群は、造影剤の流れに伴って血管が徐々に描出される4Dデータである。また、基準ボリュームデータは、血管の描出度合いが最も高いボリュームデータであり、例えば、一連のボリュームデータ群のうち、画素の輝度の合計値が最大となるボリュームデータである。
【0034】
例えば、ワークステーション130や端末装置140は、まず、制御情報に従って、一連のボリュームデータ群及び基準ボリュームデータを特定する。次に、ワークステーション130や端末装置140は、特定した基準ボリュームデータから視差画像群を生成する。この視差画像群は、他のボリュームデータから生成される視差画像群と重畳される基準の視差画像群(以下、基準視差画像群)となるので、ワークステーション130や端末装置140は、この基準視差画像群の画質を変更する。
【0035】
図5は、第1の実施形態に係る画質の変更を説明するための図である。図5に示すように、例えば、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群について、不透過度、コントラスト及び明度のうち少なくとも1つを変更する。図5の(A)は、変更前の基準視差画像群であり、(B)は、変更後の基準視差画像群である。なお、図5においては、説明の便宜上、1視差画像を例示する。また、第1の実施形態においては、基準視差画像群の画質を変更する手法を説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、基準視差画像群と重畳される他の視差画像群の画質を変更してもよい。
【0036】
そして、ワークステーション130や端末装置140は、一連のボリュームデータ群に含まれる他のボリュームデータからも視差画像群を生成し、基準視差画像群と、他のボリュームデータから生成された各視差画像群とを重畳しながら、連続再生する。図6は、第1の実施形態に係るボリュームデータ群の連続再生を説明するための図である。図6に示すように、ワークステーション130や端末装置140は、レイヤ1には、画質を変更した基準視差画像群を継続して表示し続け、レイヤ2には、各視差画像群を時系列順に次々と表示する。レイヤ1とレイヤ2とは重畳されるので、図6に示すように、ワークステーション130や端末装置140は、血管の描出度合いが最も高い画像(図6においては22フレーム目)上に、ある時相の画像(図6においては6フレーム目を例示)が重畳された重畳画像を表示することになる。なお、図6においては、説明の便宜上、1視差画像を例示する。
【0037】
このように4Dデータを再生制御することで、第1の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140は、常に血管の全体像を立体的に描出した画像を表示させつつ、造影剤が流れる様子を操作者に表示することができる。
【0038】
(DICOMデータ構造の4Dデータの生成)
さて、これまで、第1の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140による4Dデータの再生制御を説明してきた。上述したように、ワークステーション130や端末装置140は、4Dデータに付帯された制御情報に従って一連のボリュームデータ群を特定するとともに、基準ボリュームデータを特定する。このような制御情報は、第1の実施形態において、医用画像診断装置110によって4Dデータに付帯される。以下、第1の実施形態に係る医用画像診断装置110を詳細に説明する。
【0039】
図7は、第1の実施形態に係る医用画像診断装置110の構成例を示す図である。第1の実施形態に係る医用画像診断装置110は、図7に示すように、架台部110aと、計算機システム部110bとを備える。架台部110aは、撮影に用いられる各部を有し、例えば、医用画像診断装置110がX線CT装置の場合、架台部110aは、X線管、検出器、回転アーム、寝台などを有する。一方、計算機システム部110bは、入力部111と、表示部112と、通信部113と、記憶部114と、制御部115とを有する。
【0040】
入力部111は、マウス、キーボード、トラックボール等であり、医用画像診断装置110に対する各種操作の入力を操作者から受け付ける。具体的には、第1の実施形態に係る入力部111は、撮影計画の入力や、撮影指示の入力などを受け付ける。
【0041】
表示部112は、液晶パネルなどであり、各種情報を表示する。具体的には、第1の実施形態に係る表示部112は、操作者から各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)などを表示する。通信部113は、NIC(Network Interface Card)などであり、他の装置との間で通信を行う。
【0042】
記憶部114は、ハードディスク、半導体メモリ素子などであり、各種情報を記憶する。具体的には、第1の実施形態に係る記憶部114は、撮影によって収集された撮影データを記憶する。また、第1の実施形態に係る記憶部114は、撮影データから生成された4Dデータや、4Dデータから生成されたDICOMデータ構造の4Dデータなどを記憶する。
【0043】
制御部115は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路であり、医用画像診断装置110の全体制御を行う。
【0044】
例えば、第1の実施形態に係る制御部115は、表示部112に対するGUIの表示を制御する。また、例えば、制御部115は、架台部110aが有する各部を制御することで行われる撮影や、画像保管装置120との間で通信部113を介して行われる4Dデータの送受信を制御する。また、例えば、制御部115は、各種データの記憶部114からの読み込みや、記憶部114への格納を制御する。
【0045】
図8は、第1の実施形態に係る制御部115の構成例を示す図である。図8に示すように、第1の実施形態に係る制御部115は、撮影データ収集部115aと、4Dデータ生成部115bと、保管用4Dデータ生成部115cとを備える。
【0046】
撮影データ収集部115aは、予め設定された撮影条件に従って架台部110aの各部を制御することにより撮影を行い、経時的に一連の撮影データ群を収集する。また、撮影データ収集部115aは、撮影により収集した一連の撮影データ群を記憶部114に格納する。例えば、医用画像診断装置110がX線CT装置の場合、撮影データ収集部115aは、予め設定された撮影条件に従って、X線管、検出器、回転アーム等を制御することにより、一連の投影データ群を収集し、収集した投影データ群を記憶部114に格納する。
【0047】
4Dデータ生成部115bは、記憶部114から一連の撮影データ群を読み出し、読み出した各撮影データに対して再構成処理を行うことで、経時的に収集された一連のボリュームデータ群を生成する。なお、4Dデータ生成部115bは、撮影データ収集部115aによって収集された撮影データ自体(例えば、投影データ自体、MR信号自体)をボリュームデータとしてもよい。また、4Dデータ生成部115bは、生成した一連のボリュームデータ群を記憶部114に格納する。
【0048】
図9は、第1の実施形態に係る一連のボリュームデータ群を説明するための図である。図9に示すように、例えば、4Dデータ生成部115bは、22時相分のボリュームデータ群を生成する。なお、図9において、例えば『vol_t1』とは、『時相1』のボリュームデータであることを示す。
【0049】
保管用4Dデータ生成部115cは、記憶部114から一連のボリュームデータ群を読み出し、読み出した一連のボリュームデータ群から保管用の4Dデータを生成する。具体的には、保管用4Dデータ生成部115cは、読み出したボリュームデータ群を加工し、各ボリュームデータにDICOM規格の付帯情報を付帯させることで、DICOMデータ構造の4Dデータを生成する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、各ボリュームデータに付帯させる付帯情報に、4Dデータの再生を制御する制御情報を記述する。
【0050】
図10は、第1の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータを説明するための図である。なお、図10は、DICOMデータ構造の4Dデータを概念的に示す。
【0051】
図10に示すように、DICOMデータ構造の4Dデータは、付帯情報と医用画像データとの組合せの一群である。保管用4Dデータ生成部115cは、図10に示すように、付帯情報のプライベートタグに、この付帯情報が付帯された医用画像データが、『4D01』で識別される4Dデータに属する医用画像データであって、例えば『時相1』の医用画像データであることを識別する識別情報(図10において『4D01_t1』)を記述する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、図10に示すように、連続再生の基準として用いられる基準ボリュームデータ(図10において『時相22』)については、基準ボリュームデータであることを識別する識別情報(図10において『基準ボリュームデータ』)を記述する。
【0052】
ここで、保管用4Dデータ生成部115cは、どのボリュームデータを基準ボリュームデータとするかという選択を、例えば、操作者から受け付けてもよいし、あるいは、各ボリュームデータから画素値の合計値を算出し、画素値の合計値が最大となるボリュームデータを、基準ボリュームデータとして選択してもよい。そして、保管用4Dデータ生成部115cは、生成したDICOMデータ構造の4Dデータを、通信部113を介して画像保管装置130に送る。
【0053】
かかるDICOMデータ構造の4Dデータが、ワークステーション130や端末装置140によって画像保管装置130から取得された場合、ワークステーション130や端末装置140は、各医用画像データに付帯された付帯情報を参照し、プライベートタグに『4D01』と記述されたボリュームデータ群を、経時的に収集された一連のボリュームデータ群であると特定し、同じくプライベートタグに記述された時相の識別情報に従って、これらを時系列に並べる。
【0054】
また、ワークステーション130や端末装置140は、プライベートタグに『基準ボリュームデータ』と記述されたボリュームデータを基準ボリュームデータとして特定する。そして、ワークステーション130や端末装置140は、上述したように、基準ボリュームデータから基準視差画像群を生成し、再生制御の際には、この基準視差画像群に、他のボリュームデータから生成された各視差画像群が重畳されるように制御する。
【0055】
また、図11は、第1の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータの他の例を説明するための図である。なお、図11は、DICOMデータ構造の4Dデータを概念的に示す。
【0056】
保管用4Dデータ生成部115cは、図11に示すように、付帯情報のプライベートタグに、この付帯情報が付帯された医用画像データが、『4D02』で識別される4Dデータに属する医用画像データであって、例えば『時相1』の医用画像データであることを識別する識別情報(図10において『4D02_t1』)を記述する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、図11に示すように、付帯情報のプライベートタグに、連続再生の基準として用いられる基準ボリュームデータ(図11において『時相16』)については、基準ボリュームデータであることを示す識別情報(図11において『基準ボリュームデータ』)を記述する。
【0057】
かかるDICOMデータ構造の4Dデータが、ワークステーション130や端末装置140によって画像保管装置130から取得された場合、ワークステーション130や端末装置140は、各医用画像データに付帯された付帯情報を参照し、プライベートタグに『4D02』と記述されたボリュームデータ群を、経時的に収集された一連のボリュームデータ群であると特定し、同じくプライベートタグに記述された時相の識別情報に従って、これらを時系列に並べる。
【0058】
また、ワークステーション130や端末装置140は、プライベートタグに『基準ボリュームデータ』と記述されたボリュームデータを基準ボリュームデータとして特定する。そして、ワークステーション130や端末装置140は、この基準ボリュームデータよりも時系列的に前に位置付けられる各ボリュームデータについては、例えば赤色で表示するように再生を制御する。また、ワークステーション130や端末装置140は、基準ボリュームデータよりも時系列的に後に位置づけられる各ボリュームデータについては、例えば基準ボリュームデータとの差分を計算し、差分部分については青色で表示し、その他の部分については赤色で表示するように、再生を制御する。例えば、このように4Dデータを再生制御することで、第1の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140は、動脈(赤色で表示)と静脈(青色で表示)とを容易に区別することできる画像を、操作者に表示することができる。
【0059】
(第1の実施形態の効果)
上述してきたように、第1の実施形態によれば、4Dデータの再生を制御する制御情報が一連のボリュームデータ群に付帯される。具体的には、第1の実施形態によれば、付帯情報のプライベートタグに、経時的に収集された一連のボリュームデータ群であることを識別する識別情報が記述され、この結果、ワークステーション130や端末装置140は、このプライベートタグに従って一連のボリュームデータ群を特定し、特定した一連のボリュームデータ群を連続再生することができる。また、第1の実施形態によれば、付帯情報のプライベートタグに、連続再生の基準となる基準ボリュームデータを識別する識別情報が記述され、この結果、ワークステーション130や端末装置140は、このプライベートタグに従って基準ボリュームデータを特定し、この基準ボリュームデータを基準とした連続再生を行うことができる。このようなことから、第1の実施形態によれば、4Dデータを適切に連続再生することができる。
【0060】
なお、第1の実施形態において、プライベートタグに記述されると説明した情報のうち、標準タグに記述される情報によって代替できる場合には、標準タグに記述された情報を用いてもよい。例えば、プライベートタグに記述する時相の識別情報の替わりに、標準タグの時刻情報を流用することができる場合には、標準タグの時刻情報を用いてもよい。結局、標準タグであるとプライベートタグであるとに関係なく、付帯情報が、経時的に収集された一連のボリュームデータ群に属するボリュームデータであることを識別する識別情報、及び、基準ボリュームデータであることを識別する識別情報を含むものであればよい。
【0061】
また、第1の実施形態においては、ワークステーション130や端末装置140が立体表示モニタを有し、4Dデータを立体視可能に連続再生する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、4Dデータを、通常のモニタに、ボリュームレンダリング処理が施された2次元画像として表示してもよい。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態においては、造影剤の流れに伴って血管が徐々に描出される4Dデータを例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。そこで、第2の実施形態は、心拍に伴う心臓の動きや呼吸に伴う肺の動きなどが描出される4Dデータを例に挙げて説明する。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明する4Dデータは一例に過ぎない。
【0063】
まず、第2の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140において行われる再生制御を説明する。第2の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140は、まず、制御情報に従って、一連のボリュームデータ群及び基準ボリュームデータを特定する。ここで、第2の実施形態に係る基準ボリュームデータには、連続再生を開始する基準ボリュームデータと、連続再生を終了する基準ボリュームデータとがある。
【0064】
次に、ワークステーション130や端末装置140は、連続再生を開始する基準ボリュームデータから連続再生を開始し、連続再生を終了する基準ボリュームデータで連続再生を終了し、再び、連続再生を開始する基準ボリュームデータから連続再生を開始することで、連続再生を繰り返すように再生を制御する。
【0065】
例えば、4Dデータに描出される対象物が心臓である場合、例えば1心拍分のボリュームデータ群が繰り返し連続再生される。また、例えば、4Dデータに描出される対象物が肺である場合、例えば1呼吸分のボリュームデータ群が繰り返し連続再生される。
【0066】
図12は、第2の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータを説明するための図である。なお、図12は、DICOMデータ構造の4Dデータを概念的に示す。
【0067】
図12に示すように、DICOMデータ構造の4Dデータは、付帯情報と医用画像データとの組合せの一群である。第2の実施形態に係る保管用4Dデータ生成部115cは、図12に示すように、付帯情報のプライベートタグに、この付帯情報が付帯された医用画像データが、『4D03』で識別される4Dデータに属する医用画像データであって、例えば『時相1』の医用画像データであることを識別する識別情報(図10において『4D03_t1』)を記述する。
【0068】
また、保管用4Dデータ生成部115cは、図12に示すように、連続再生を開始する基準ボリュームデータ(図12において『時相1』)については、連続再生を開始する基準ボリュームデータであることを識別する識別情報(図12において『開始(基準ボリュームデータ)』)を記述する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、図12に示すように、連続再生を終了する基準ボリュームデータ(図12において『時相30』)については、連続再生を終了する基準ボリュームデータであることを識別する識別情報(図12において『終了(基準ボリュームデータ)』)を記述する。
【0069】
ここで、4Dデータに描出される対象物が心臓である場合、例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、1心拍分のボリュームデータ群のうち、例えばQRS波のR波に相当するボリュームデータをECG(Electrocardiogram)に基づいて特定し、連続再生を開始する基準ボリュームデータとして、このボリュームデータのプライベートタグに『開始(基準ボリュームデータ)』を記述する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、保管用4Dデータ生成部115cは、この『開始(基準ボリュームデータ)』の基準ボリュームデータよりも時間軸上後で収集されたボリュームデータであって同じくR波に相当するボリュームデータを特定し、連続再生を終了する基準ボリュームデータであるとして、このボリュームデータのプライベートタグに『終了(基準ボリュームデータ)』を記述する。
【0070】
また、4Dデータに描出される対象物が肺である場合、例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、1呼吸分のボリュームデータ群のうち、例えば最大吸気に相当するボリュームデータを既存の画像解析処理により特定し、連続再生を開始する基準ボリュームデータであるとして、このボリュームデータのプライベートタグに『開始(基準ボリュームデータ)』を記述する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、一連のボリュームデータ群のうち、例えば最大呼気に相当するボリュームデータを既存の画像解析処理により特定し、連続再生を終了する基準ボリュームデータであるとして、このボリュームデータのプライベートタグに『終了(基準ボリュームデータ)』を記述する。
【0071】
なお、上述した例は一例に過ぎない。保管用4Dデータ生成部115cが、どのボリュームデータを『開始(基準ボリュームデータ)』とし、どのボリュームデータを『終了(基準ボリュームデータ)』とするかは、運用の形態に応じて任意に変更することが可能である。また、『開始(基準ボリュームデータ)』や『終了(基準ボリュームデータ)』に相当するボリュームデータを特定する手法も、運用の形態に応じて任意に変更することが可能である。
【0072】
かかるDICOMデータ構造の4Dデータが、ワークステーション130や端末装置140によって画像保管装置130から取得された場合、ワークステーション130や端末装置140は、各医用画像データに付帯された付帯情報を参照し、プライベートタグに『4D03』と記述されたボリュームデータ群を、経時的に収集された一連のボリュームデータ群であると特定し、同じくプライベートタグに記述された時相の識別情報に従って、これらを時系列に並べる。
【0073】
また、ワークステーション130や端末装置140は、プライベートタグに『開始(基準ボリュームデータ)』及び『終了(基準ボリュームデータ)』と記述されたボリュームデータを基準ボリュームデータとして特定する。そして、ワークステーション130や端末装置140は、上述したように、連続再生を開始する基準ボリュームデータから連続再生を開始し、連続再生を終了する基準ボリュームデータで連続再生を終了し、再び、連続再生を開始する基準ボリュームデータから連続再生を開始することで、連続再生を繰り返すように再生を制御する。
【0074】
(第3の実施形態)
さて、第1の実施形態においては、血管の描出度合いが最も高い1つのボリュームデータを基準ボリュームデータとして選択する例を説明した。しかしながら、実施形態はこれに限られるものではない。複数のボリュームデータを基準ボリュームデータとして選択し、各ボリュームデータから生成された各画像同士の合成画像を重畳表示に用いてもよい。以下、複数の基準ボリュームデータから生成された合成画像を重畳表示に用いる例を説明する。
【0075】
第1の実施形態において、一連のボリュームデータ群は、造影剤の流れに伴って血管が徐々に描出される4Dデータであった。ここで、血管の描出度合いが最も高い画像(第1の実施形態において、画素値の合計値が最大となるボリュームデータ)が血管全体の構造を描出しているとは限らない。すなわち、心臓から拍出された血液は、通常、動脈→毛細血管網→静脈の順に流れるので、動脈の描出度合いが最も高い画像と、静脈の描出度合いが最も高い画像とは、異なる画像になると考えられる。
【0076】
例えば、図6に示す例の場合、動脈の描出度合いが最も高い画像は16フレーム目であり、静脈の描出度合いが最も高い画像は22フレーム目である。そこで、第3の実施形態においては、動脈の描出度合いが最も高い画像と静脈の描出度合いが最も高い画像との合成画像を重畳表示に用いることとする。
【0077】
すなわち、第3の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140は、4Dデータの再生にあたり、動脈の描出度合いが最も高い画像と、静脈の描出度合いが最も高い画像とを基準ボリュームデータとして特定し、特定した各基準ボリュームデータから生成された各画像同士の合成画像を生成する。この合成画像は、動脈の描出度合いが最も高い画像と、静脈の描出度合いが最も高い画像とが足し合わされたものとなるので、撮影領域内における血管全体の構造を描出するものとなる。
【0078】
図13は、第3の実施形態に係るボリュームデータ群の連続再生を説明するための図である。例えば、第3の実施形態に係るワークステーション130や端末装置140は、4Dデータに付帯された制御情報に従って、一連のボリュームデータ群、及び、2つの基準ボリュームデータを特定する。例えば、ワークステーション130や端末装置140は、図13に示すように、2つの基準ボリュームデータとして、16フレーム目のボリュームデータと22フレーム目のボリュームデータとを特定する。
【0079】
次に、ワークステーション130や端末装置140は、特定した各基準ボリュームデータから各視差画像群を生成し、同一の視点位置に対応する視差画像同士を合成することで、合成画像としての基準視差画像群を生成する。また、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群について、不透過度、コントラスト及び明度のうち少なくとも1つを変更する。なお、画質の変更は、合成画像を生成する前に行ってもよい。
【0080】
そして、ワークステーション130や端末装置140は、図13に示すように、レイヤ1には、基準視差画像群を継続して表示し続け、レイヤ2には、他のボリュームデータから生成された視差画像群を時系列順に次々と表示する。このように、ワークステーション130や端末装置140は、動脈及び静脈の双方が描出された画像上で、ある時相の画像を時系列順に次々と重畳しながら連続再生することができる。
【0081】
このような再生制御は、第1の実施形態と同様、4Dデータに付帯された制御情報に従って行われる。また、このような制御情報は、第1の実施形態と同様、医用画像診断装置110によって4Dデータに付帯される。
【0082】
図14は、第3の実施形態に係るDICOMデータ構造の4Dデータを説明するための図である。第3の実施形態に係る保管用4Dデータ生成部115cは、図14に示すように、付帯情報のプライベートタグに、この付帯情報が付帯された医用画像データが、『4D04』で識別される4Dデータに属する医用画像データであって、例えば『時相1』の医用画像データであることを識別する識別情報(図14において『4D04_t1』)を記述する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、図14に示すように、連続再生の基準として用いられる基準ボリュームデータ(図14において『時相16』及び『時相22』)については、基準ボリュームデータであることを識別する識別情報(図14において『基準ボリュームデータ』)を記述する。
【0083】
ここで、保管用4Dデータ生成部115cは、どのボリュームデータを基準ボリュームデータとするかという選択を、例えば、操作者から受け付けてもよい。この場合、保管用4Dデータ生成部115cは、例えば、一連のボリュームデータ群を表示部112にサムネイル(thumbnail)表示し、操作者からの選択を受け付ければよい。
【0084】
また、例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、動脈の描出度合いが最も高い画像が収集されるであろう時間(造影開始からの経過時間、例えば、x秒後)と、静脈の描出度合いが最も高い画像が収集されるであろう時間(例えば、y秒後)とを予め記憶し、これらの時間に収集されたボリュームデータを基準ボリュームデータとして選択してもよい。なお、これらの時間は、例えば、経験値や実験値に基づいて決定された時間が操作者によって入力されればよい。
【0085】
また、例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、画像解析によって基準ボリュームデータを選択してもよい。例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、各ボリュームデータを画像解析することで、血液の流れが動脈から静脈へと切り替わるポイントとなる部位(例えば、脳梁)が描出され始めるフレームを特定する。そして、保管用4Dデータ生成部115cは、例えば、特定したフレームのひとつ前のフレームとして時系列上位置付けられるボリュームデータを、動脈の描出度合いが最も高い画像の基準ボリュームデータとして選択する。また、保管用4Dデータ生成部115cは、第1の実施形態と同様、各ボリュームデータから画素値の合計値を算出し、算出した合計値が最大となるボリュームデータを、静脈の描出度合いが最も高い画像の基準ボリュームデータとして選択する。
【0086】
さて、これまで第1の実施形態や第3の実施形態においては、被検体の頭部が描出されたボリュームデータ群を例に挙げて説明してきたが、実施形態はこれに限られるものではなく、他の部位にも同様に適用することができる。そこで、以下では、第3の実施形態の変形例として、被検体の腹部が描出されたボリュームデータ群を例に挙げて説明する。
【0087】
図15は、第3の実施形態の変形例に係るボリュームデータ群の連続再生を説明するための図である。心臓から拍出された血液は、通常、動脈→毛細血管網→静脈の順に流れるが、動脈→毛細血管網→門脈→毛細血管網→静脈の順に流れる場合がある。なお、以下において、門脈とは、消化管を流れた血液が肝臓に注ぎ込む部分の血管の意味で用いる。
【0088】
そこで、第3の実施形態の変形例に係るワークステーション130や端末装置140は、4Dデータの再生にあたり、動脈の描出度合いが最も高い画像と、門脈の描出度合いが最も高い画像とを基準ボリュームデータとして特定し、特定した各基準ボリュームデータから生成された各画像同士の合成画像を生成する。この合成画像は、動脈の描出度合いが最も高い画像と、門脈の描出度合いが最も高い画像とが足し合わされたものとなるので、撮影領域内における血管全体の構造を描出するものとなる。
【0089】
例えば、第3の実施形態の変形例に係るワークステーション130や端末装置140は、4Dデータに付帯された制御情報に従って、一連のボリュームデータ群、及び、2つの基準ボリュームデータを特定する。例えば、ワークステーション130や端末装置140は、図15に示すように、一連のボリュームデータの中から2つの基準ボリュームデータを特定する。
【0090】
次に、ワークステーション130や端末装置140は、特定した各基準ボリュームデータから各視差画像群を生成し、同一の視点位置に対応する視差画像同士を合成することで、合成画像としての基準視差画像群を生成する。なお、腹部の場合、呼吸動による影響を受けることが考えられるので、合成画像を生成する際には、位置合わせを行うことが望ましい。位置合わせは、公知の技術によって実現可能である。例えば、ワークステーション130や端末装置140は、呼吸動の影響を受けにくい部位(例えば、骨)を比較の対象として2つの画像の相関度合いを算出することで、両画像の位置合わせを行えばよい。また、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群について、不透過度、コントラスト及び明度のうち少なくとも1つを変更する。なお、画質の変更は、合成画像を生成する前に行ってもよい。
【0091】
そして、ワークステーション130や端末装置140は、図15に示すように、レイヤ1には、基準視差画像群を継続して表示し続け、レイヤ2には、他のボリュームデータから生成された各視差画像群を時系列順に次々と表示する。このように、ワークステーション130や端末装置140は、動脈及び門脈の双方が描出された画像上で、ある時相の画像を時系列順に次々と重畳しながら連続再生することができる。
【0092】
なお、このような再生制御が4Dデータに付帯された制御情報に従って行われる点や、このような制御情報が医用画像診断装置110によって4Dデータに付帯される点は、上述した頭部の場合と同様である。すなわち、保管用4Dデータ生成部115cは、どのボリュームデータを基準ボリュームデータとするかという選択を、例えば、操作者から受け付けてもよい。また、例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、動脈の描出度合いが最も高い画像が収集されるであろう時間(造影開始からの経過時間、例えば、20秒後)と、門脈の描出度合いが最も高い画像が収集されるであろう時間(例えば、50秒後)とを予め記憶し、これらの時間に収集されたボリュームデータを基準ボリュームデータとして選択してもよい。なお、これらの時間は、例えば、経験値や実験値に基づいて決定された時間が操作者によって入力されればよい。また、例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、画像解析によって基準ボリュームデータを選択してもよい。
【0093】
なお、第3の実施形態及び第3の実施形態の変形例においては、複数の基準ボリュームデータが2つの例を説明したが、これに限られるものではなく、3つ以上でもよい。例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、操作者によって選択された3つ以上のボリュームデータを基準ボリュームデータとして選択してもよい。この場合、ワークステーション130や端末装置140は、3つ基準ボリュームデータそれぞれから視差画像群を生成し、同一の視点位置に対応する3つの視差画像同士を合成することで、合成画像としての基準視差画像群を生成する。
【0094】
また、第3の実施形態において、操作者から基準ボリュームデータの選択を受け付けてもよいと説明したが、これに限られるものではなく、例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、基準ボリュームデータの選択を修正する意味で、操作者からの指示を受け付けてもよい。
【0095】
例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、時間や画像解析に基づいて自動的に選択された基準ボリュームデータを一度表示部112に表示する。すると、例えば、操作者は、目視により基準ボリュームデータを確認し、承認する場合には『承認』ボタンを押下し、選択し直す場合には『再選択』ボタンを押下する。保管用4Dデータ生成部115cは、『再選択』ボタンが押下された場合には、再び、一連のボリュームデータ群を表示部112にサムネイル表示し、操作者からの選択を受け付ければよい。また、この場合、保管用4Dデータ生成部115cは、サムネイル表示上で、自動で選択された基準ボリュームデータを明示してもよい。あるいは、保管用4Dデータ生成部115cは、自動で選択された基準ボリュームデータと時系列上一定範囲内のボリュームデータのみをサムネイル表示してもよい。操作者は、自動的に選択された基準ボリュームデータを参考にすることができる。
【0096】
なお、基準ボリュームデータの選択を修正する意味で、操作者からの指示を受け付けてもよい点は、他の実施形態においても同様である。
【0097】
(その他の実施形態)
上述の実施形態においては、ワークステーション130や端末装置140が立体表示モニタを有し、4Dデータを立体視可能に連続再生する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。ワークステーション130や端末装置140は、4Dデータを、通常のモニタに、ボリュームレンダリング処理が施された2次元画像として表示してもよい。
【0098】
また、上述の実施形態においては、ワークステーション130や端末装置140が4Dデータを連続再生する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、ある医用画像診断装置110にて収集され、DICOM構造の4Dデータとして画像保管装置120に保管された4Dデータを、他の医用画像診断装置110が制御情報とともに取得し、この制御情報に従って連続再生してもよい。
【0099】
また、上述の実施形態においては、ワークステーション130や端末装置140は、画像保管装置120から4Dデータ及び制御情報を取得した。しかしながら、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、ワークステーション130や端末装置140は、医用画像診断装置110の記憶部から直接4Dデータ及び制御情報を取得してもよい。
【0100】
また、上述の実施形態においては、各ボリュームデータにDICOM規格の付帯情報を付帯させることで、4Dデータに制御情報を付帯させる手法を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。DICOM規格以外の形式の場合も、同様に適用することができる。
【0101】
また、上述の実施形態においては、基準視差画像群の画質を変更して他の視差画像群と重畳する手法を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、基準視差画像群の画質の変更に替えて、あるいは画質の変更に加えて、基準視差画像群や他の視差画像群に描出される対象物の表示態様を調整してもよい。
【0102】
例えば、第1の実施形態において、基準視差画像群は、血管の描出度合いが最も高い画像である。そこで、例えば、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群に描出される血管の色と、他の視差画像群に描出される血管の色とを操作者が識別し易いように、基準視差画像群や他の視差画像群に描出される血管の色を、互いに異なる色になるように調整してもよい。例えば、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群に描出される血管の色を『白』に調整する。この場合、血管の全体像は『白』に描出され、造影剤が流れる様子(すなわち、血液が流れる様子)は例えば『赤』で描出される。ワークステーション130や端末装置140は、あたかもストローの中を血液が流れていくような動画像を操作者に提供することができる。
【0103】
また、例えば、ワークステーション130や端末装置140は、血管の色の濃度を調整してもよい。例えば、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群に描出される血管の色の濃度を薄く調整し、他の視差画像群に描出される血管の色の濃度を濃く調整する。この場合、血管の全体像は薄く描出され、造影剤が流れる様子は濃く描出される。
【0104】
また、例えば、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群を画像解析することでワイヤーフレーム(wire frame)状の血管の全体像を生成し、このワイヤーフレーム状に描出された基準視差画像群に、他の視差画像群を重畳してもよい。例えば、ワークステーション130や端末装置140は、基準視差画像群のボリュームデータをCT値の閾値処理などにより画像解析し、ボリュームデータから血管を抽出する。次に、ワークステーション130や端末装置140は、抽出した血管の中心点を結ぶ線を「芯線」として更に抽出し、この「芯線」を血管の全体像として描出する。この場合、血管の全体像は「芯線」のみのワイヤーフレーム状に描出され、血液は、その周囲を流れるように描出される。
【0105】
なお、上述した表示態様の調整についても、4Dデータの付帯情報に記述することができる。例えば、保管用4Dデータ生成部115cは、各ボリュームデータに付帯情報を付帯させる場合に、4Dデータの再生を制御する制御情報のひとつとして、基準視差画像群や他の視差画像群における対象物の「色」や「色の濃度」の指定、あるいは、ワイヤーフレーム状で表示する指示などを記述してもよい。すると、ワークステーション130や端末装置140は、付帯情報を参照して、これらの指定や指示に従って、4Dデータの再生を制御する。
【0106】
なお、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0107】
また、上述の実施形態で説明した画像処理方法は、あらかじめ用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0108】
以上述べた少なくとも一つの実施形態の画像処理システム及び画像保管装置によれば、4Dデータを適切に連続再生することができる。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0110】
110 医用画像診断装置
115 制御部
115a 撮影データ収集部
115b 4Dデータ生成部
115c 保管用4Dデータ生成部
120 画像保管装置
130 ワークステーション
140 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経時的に収集された一連のボリュームデータ群である4次元データを、該4次元データの再生を制御する制御情報とともに保管する画像保管装置と、
前記一連のボリュームデータ群を前記制御情報とともに前記画像保管装置から取得し、取得した一連のボリュームデータ群を前記制御情報に従って連続再生する再生制御装置とを備え、
前記制御情報は、経時的に収集された一連のボリュームデータ群に属するボリュームデータであることを識別する識別情報、及び、一連のボリュームデータ群のうち連続再生の基準として用いられるボリュームデータについては基準ボリュームデータであることを識別する識別情報を含むことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記制御情報は、前記4次元データに付帯された付帯情報の標準タグ及びプライベートタグのうち少なくとも一方に記述されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記制御情報は、前記一連のボリュームデータ群のうち対象物の描出度合いが最も高いボリュームデータを前記基準ボリュームデータとして識別する識別情報を含み、
前記再生制御装置は、前記制御情報に従って対象物の描出度合いが最も高いボリュームデータを特定し、特定したボリュームデータと前記一連のボリュームデータ群に含まれる各ボリュームデータとを重畳しながら前記一連のボリュームデータ群を連続再生することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記制御情報は、連続再生を開始するボリュームデータを前記基準ボリュームデータとして識別する識別情報、及び、連続再生を終了するボリュームデータを前記基準ボリュームデータとして識別する識別情報のうち、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記制御情報は、前記一連のボリュームデータ群のうち、動脈の描出度合いが最も高いボリュームデータ及び静脈の描出度合いが最も高いボリュームデータを、前記基準ボリュームデータとして識別する識別情報を含み、
前記再生制御装置は、前記制御情報に従って、動脈の描出度合いが最も高いボリュームデータ及び静脈の描出度合いが最も高いボリュームデータを特定し、特定したボリュームデータ同士の合成と、前記一連のボリュームデータ群に含まれる各ボリュームデータとを重畳しながら前記一連のボリュームデータ群を連続再生することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記制御情報は、前記一連のボリュームデータ群のうち、動脈の描出度合いが最も高いボリュームデータ及び門脈の描出度合いが最も高いボリュームデータを、前記基準ボリュームデータとして識別する識別情報を含み、
前記再生制御装置は、前記制御情報に従って、動脈の描出度合いが最も高いボリュームデータ及び門脈の描出度合いが最も高いボリュームデータを特定し、特定したボリュームデータ同士の合成と、前記一連のボリュームデータ群に含まれる各ボリュームデータとを重畳しながら前記一連のボリュームデータ群を連続再生することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項7】
経時的に収集された一連のボリュームデータ群である4次元データを、該4次元データの再生を制御する制御情報とともに保管する画像保管装置と、
前記一連のボリュームデータ群を前記制御情報とともに前記画像保管装置から取得し、取得した一連のボリュームデータ群を前記制御情報に従って連続再生する医用画像診断装置とを備え、
前記制御情報は、経時的に収集された一連のボリュームデータ群に属するボリュームデータであることを識別する識別情報、及び、一連のボリュームデータ群のうち連続再生の基準として用いられるボリュームデータについては基準ボリュームデータであることを識別する識別情報を含むことを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
経時的に収集された一連のボリュームデータ群である4次元データを、該4次元データの再生を制御する制御情報とともに保管し、
前記制御情報は、経時的に収集された一連のボリュームデータ群に属するボリュームデータであることを識別する識別情報、及び、一連のボリュームデータ群のうち連続再生の基準として用いられるボリュームデータについては基準ボリュームデータであることを識別する識別情報を含むことを特徴とする画像保管装置。
【請求項9】
経時的な一連のボリュームデータ群である4次元データを収集する収集部と、
前記一連のボリュームデータ群の中から、連続再生の基準として用いられるボリュームデータを特定し、前記一連のボリュームデータ群に属する各ボリュームデータに対しては、前記一連のボリュームデータ群に属するボリュームデータであることを識別する識別情報を、前記4次元データの再生を制御する制御情報として付帯させ、前記特定したボリュームデータに対しては、基準ボリュームデータであることを識別する識別情報を前記制御情報として更に付帯させることで、再生に用いられる4次元データを生成する生成部と
を備えたことを特徴とする医用画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−39353(P2013−39353A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134006(P2012−134006)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】