説明

画像処理システムおよび画像処理方法

【課題】コストの増加を抑えつつ、画像処理装置を電源オフの待機状態から適切なタイミングで電源オンすること。
【解決手段】画像処理装置300と、画像処理装置300に対し画像処理の指示を送信する情報処理装置100と、画像処理装置300に電力を供給する電力供給装置200とを備えた画像処理システム1であって、情報処理装置100は、実行指示を受け付けた場合に、画像処理装置300への電力供給の開始を指示する開始指示を電力供給装置200に送信し、画像処理装置300との通信が可能となった場合に、実行指示と、処理の実行に必要な実行情報とを第1画像処理装置に送信する通信部101を有し、電力供給装置200は、開始指示を受信した場合に、画像処理装置300への電力供給を開始する電力制御部202を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システムおよび画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電源タップのような電力供給装置とホスト装置が複数の機器を管理するシステムが知られている。このようなシステムにおいて、電力供給装置は、各機器に電力を供給するとともに、例えば各機器の消費電力を測定し、測定結果をネットワークを介してホスト装置に送信し、ホスト装置は、測定結果を管理する。さらに、電力供給装置は、ホスト装置からの指示にしたがい各機器への電力供給のオンオフを制御する。
【0003】
ところで、画像処理装置においては、画像処理が行われていないときに装置の一部への電力供給を停止する待機状態を有するものが知られている。これにより、消費電力の低減を図ることができる。さらに、ネットワークを介してユーザ端末等の情報処理装置に接続され、情報処理装置におけるユーザからの入力に従い動作する画像処理装置においては、待機状態においてもネットワークを有効にし、情報処理装置から印刷ジョブ等の指示を受信可能とするものが知られている。
【0004】
画像処理装置における消費電力を低減する技術としては、特許文献1には、複写機と管理装置とがネットワークを介して接続されたシステムにおいて、複写機が使用されていないときに、管理装置が複写機の電源をオフする方法が開示されている。
【0005】
また、複数の機器への電力供給をPoE(Power over Ethernet(登録商標))により管理する技術も知られている。例えば特許文献2には、情報処理装置から画像処理装置に印刷ジョブを送信し、画像処理装置において印刷ジョブに従い画像を印刷するシステムにおいて、消費電力を下げるべく、画像処理装置の待機時には、ネットワーク部分の電源をオフさせ、情報処理装置から印刷ジョブを送信する際にHUB等からPoEによりネットワーク部分の電源をオンする技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ネットワークを介して情報処理装置と接続される画像処理装置では、上述のように、情報処理装置を介して印刷ジョブを受け付けるためには、待機状態においてもネットワークを有効にしておく必要がある。このため、画像処理装置の電源を完全にオフにすることができない。したがって、待機状態においても電力を消費してしまうという問題があった。このような問題は、上述のPoEを利用することにより解消することができる。しかしながら、PoEの導入は、大幅なコストアップになるという問題がある。
【0007】
また、特許文献1には、複写機の電源をオフする構成が開示されているが、特許文献1の構成においては、複写機の電源をオンすることができず、ユーザが所望のタイミングで印刷を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コストの増加を抑えつつ、画像処理装置を電源オフの待機状態から適切なタイミングで電源オンすることができる画像処理システムおよび画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1画像処理装置と、前記第1画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に対し画像処理の指示を送信する情報処理装置と、前記情報処理装置と前記ネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に電力を供給する電力供給装置とを備えた画像処理システムであって、前記情報処理装置は、前記第1画像処理装置に対する所定の処理の実行指示を受け付ける実行指示受付部と、前記実行指示を受け付けた場合に、前記第1画像処理装置への電力供給の開始を指示する第1開始指示を前記電力供給装置に送信する第1送信部と、前記第1画像処理装置と通信可能か否かを監視する第1通信監視部と、前記第1画像処理装置との通信が可能となった場合に、前記実行指示と、前記処理の実行に必要な実行情報とを前記第1画像処理装置に送信する第2送信部とを有し、前記電力供給装置は、前記情報処理装置から、前記第1開始指示を受信する第1受信部と、前記第1開始指示を受信した場合に、前記第1画像処理装置への電力供給を開始する電力制御部とを有し、前記第1画像処理装置は、前記電力供給装置から電力が供給されると、当該第1画像処理装置の各部への電力供給を開始する第1電力供給部と、前記第1電力供給部による前記各部への電力供給が開始された場合に、前記情報処理装置から前記実行指示と前記実行情報とを受信する第2受信部と、前記実行情報に基づいて、前記実行指示に従い前記処理を実行する第1処理部とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記画像処理装置に対し画像処理の指示を送信する情報処理装置と、前記画像処理装置および前記情報処理装置と前記ネットワークを介して接続され、前記画像処理装置に電力を供給する電力供給装置とを備えた画像処理システムであって、前記情報処理装置は、前記画像処理装置に対する所定の処理の実行指示を受け付ける実行指示受付部と、前記実行指示を受け付けた場合に、前記画像処理装置への電力供給の開始を指示する開始指示と、前記実行指示と、前記処理の実行に必要な実行情報とを前記電力供給装置に送信する第1送信部とを有し、前記電力供給装置は、前記情報処理装置から、前記開始指示と、前記実行指示と、前記実行情報とを受信する第1受信部と、前記開始指示を受信した場合に、前記画像処理装置への電力供給を開始する電力制御部と、前記画像処理装置と通信が可能か否かを監視する通信監視部と、前記画像処理装置との通信が可能となった場合に、前記実行指示と、前記実行情報とを前記画像処理装置に送信する第2送信部とを有し、前記画像処理装置は、前記電力供給装置から電力が供給されると、当該画像処理装置の各部への電力供給を開始する電力供給部と、前記電力供給部による前記各部への電力供給が開始された場合に、前記電力供給装置から前記実行指示と前記実行情報とを受信する第2受信部と、前記実行情報に基づいて、前記実行指示に従い前記処理を実行する処理部とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、第1画像処理装置と、前記第1画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に対し画像処理の指示を送信する情報処理装置と、前記情報処理装置と前記ネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に電力を供給する電力供給装置とを備えた画像処理システムで実行される画像処理方法であって、前記情報処理装置が、前記第1画像処理装置に対する所定の処理の実行指示を受け付けるステップと、前記情報処理装置が、前記実行指示を受け付けた場合に、前記第1画像処理装置への電力供給の開始を指示する第1開始指示を前記電力供給装置に送信するステップと、前記情報処理装置が、前記第1画像処理装置と通信可能か否かを監視するステップと、前記情報処理装置が、前記第1画像処理装置との通信が可能となった場合に、前記実行指示と、前記処理の実行に必要な実行情報とを前記第1画像処理装置に送信するステップと、前記電力供給装置が、前記情報処理装置から、前記第1開始指示を受信するステップと、前記電力供給装置が、前記第1開始指示を受信した場合に、前記第1画像処理装置への電力供給を開始するステップと、前記第1画像処理装置が、前記電力供給装置から電力が供給されると、当該第1画像処理装置の各部への電力供給を開始するステップと、前記第1画像処理装置が、前記各部への電力供給が開始された場合に、前記情報処理装置から前記実行指示と前記実行情報とを受信するステップと、前記第1画像処理装置が、前記実行情報に基づいて、前記実行指示に従い前記処理を実行するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電力供給装置は、情報処理装置から実行指示を受け付けると、画像処理装置への電力供給を開始するので、画像処理装置は、電力供給が開始された後に実行指示を受信し、実行指示に従い処理を実行することができる。このように、画像処理装置の電源オンのためのユーザによる操作を不要とし、適切なタイミングで画像処理装置の電源をオンすることができる。すなわち、画像処理装置の電源オフの待機状態から、適切なタイミングで電源をオンすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、情報処理装置においてユーザから実行指示が入力された場合の画像処理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図3】図3は、画像処理装置において電源オフ要因が発生した場合の画像処理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図4】図4は、第1の変更例にかかる画像処理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図5】図5は、第2の実施の形態にかかる画像処理システムの全体構成を示す図である。
【図6】図6は、情報処理装置においてユーザから実行指示が入力された場合の画像処理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、第3の実施の形態にかかる画像処理システムの全体構成を示す図である。
【図8】図8は、情報処理装置においてユーザから実行指示が入力された場合の画像処理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、第4の実施の形態にかかる画像処理システムの全体構成を示す図である。
【図10】図10は、第1画像処理装置において電源オフ要因が発生した場合の画像処理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図11】図11は、情報処理装置において電源オフ要因が発生した場合の、画像処理システムの処理を示すシーケンス図である。
【図12】図12は、第5の実施の形態の画像処理システムのネットワーク構成図である。
【図13】図13は、第5の実施の形態において電力供給装置に接続された画像処理装置を検知する処理のシーケンス図である。
【図14】図14は、第5の実施の形態における画像処理システムにおいて、各画像処理装置と各電源供給装置とをPLC電力線で接続した構成を示す図である。
【図15】図15は、第1〜5の実施の形態にかかる画像処理装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理システムおよび画像処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理システム1の全体構成を示す図である。画像処理システム1は、情報処理装置100と、電力供給装置200と、画像処理装置300とを備えている。情報処理装置100と、電力供給装置200と、画像処理装置300はネットワーク400を介して接続している。
【0016】
情報処理装置100は、ユーザから画像処理装置300に対する印刷指示等の指示を受け付ける。画像処理装置300は、情報処理装置100においてユーザから入力された印刷指示等の指示に従い画像にかかる処理を行う。電力供給装置200は、画像処理装置300と電力線で接続されており、電力線を介して画像処理装置300への電力供給を行う。電力供給装置200は、情報処理装置100または画像処理装置300からの指示に従い、画像処理装置300への電力供給のオンオフを制御する。電力供給装置200は、例えば、分電盤や電源タップ等であってもよい。電力供給装置200は、複数の機器に電力を供給することができるが、本実施の形態においては、画像処理装置300にのみ電力を供給する例について説明する。
【0017】
情報処理装置100は、通信部101と、通信監視部102と、受付部103と、実行指示処理部104と、電力処理部105とを有している。通信部101は、ネットワーク400を介して電力供給装置200および画像処理装置300と通信する。
【0018】
通信監視部102は、画像処理装置300との通信が確立したか否かを監視する。すなわち、通信監視部102は、ネットワーク400を介して画像処理装置300と通信を行うことができるか否かを監視する。画像処理装置300は、電力供給装置200により電力線を介して電源のオンオフが制御されており、通信部101は、画像処理装置300の電源オフの状態においては画像処理装置300と通信を行うことができない。そこで、通信監視部102は、通信部101が正常に画像処理装置300と通信を行うべく、画像処理装置300との通信が確立したか否かを監視する。
【0019】
受付部103は、ユーザから各種情報の入力を受け付ける。受付部103は、例えば、画像処理装置300における所定の処理の実行を指示する実行指示の入力を受け付ける。実行指示としては、画像処理装置300における所定の画像データに対する印刷指示や、画像処理装置300においてスキャンされたスキャンデータを情報処理装置100において閲覧すべくスキャンデータの送信を指示する送信指示などがある。受付部103はまた、画像処理装置300の電源オンオフの指示を受け付ける。受付部103は、実行指示受付部および電源オフ指示受付部として機能する。
【0020】
実行指示処理部104は、例えばプリンタドライバであり、受付部103が受け付けた実行指示に従い、画像処理装置300に実行指示を送信するための処理を行う。例えば、画像データと画像データに対する印刷指示に基づいて、印刷ジョブを作成し、印刷ジョブを画像処理装置300に送信することを通信部101に指示する。
【0021】
電力処理部105は、画像処理装置300の電源オンオフにかかる処理を行う。具体的には、電力処理部105は、画像処理装置300への電力供給開始を指示する開始指示を電力供給装置200に送信することを通信部101に指示する。電力処理部105はまた、画像処理装置300への電力供給停止を指示する停止指示を電力供給装置200に送信することを通信部101に指示する。
【0022】
本実施の形態では、電力供給装置200に電力線で接続された画像処理装置300、すなわち、どの電力供給装置200にどの画像処理装置300が接続されているかという接続関係を、予めシステム管理者等が把握しておき、その画像処理装置300を識別するための識別情報としてのIDを、接続された電力供給装置200のIDと対応付けて、情報処理装置100の記憶部(不図示)に保存(設定)しておく。
【0023】
これにより、情報処理装置100は、印刷ジョブを画像処理装置300に送信する際には、記憶部を参照して、画像処理装置300のIDに対応するIDの電力供給装置200に電源オンの指令を送信すればよい。
【0024】
なお、電力供給装置200に接続される画像処理装置300が変更された場合には、システム管理者等は、変更後の画像処理装置300のIDを、電力供給装置200のIDに対応付けて記憶部に保存する。
【0025】
電力供給装置200は、通信部201と、電力制御部202と、電力測定部203とを有している。通信部201は、ネットワーク400を介して情報処理装置100および画像処理装置300と通信を行う。電力制御部202は、情報処理装置100または画像処理装置300からの指示に従い、画像処理装置300への電力供給のオンオフを制御する。
【0026】
電力測定部203は、画像処理装置300に供給する電力を測定する。電力測定部203により測定された測定結果は、通信部201により情報処理装置100または画像処理装置300に送信される。ユーザは、情報処理装置100等において、測定結果の閲覧や分析を行うことができる。
【0027】
画像処理装置300は、通信部301と、電源302と、タイマー304と、受付部305と、画像処理部306と、電源オフ準備部307とを有している。通信部301は、ネットワーク400を介して情報処理装置100および電力供給装置200と通信を行う。電源302は、電力供給装置200からの電力を画像処理装置300の各部に供給する。すなわち、電源302は、電力供給部として機能する。
【0028】
タイマー304は、時間を計測する。受付部305は、ユーザから実行指示の入力を受け付ける。受付部305はまた、ユーザから電源302のオンオフの指示の入力を受け付ける。受付部305はまた、タイマー304から所定のタイミングで電源302のオンオフの指示を受け付ける。受付部305は、電源オフ指示受付部として機能する。なお、タイマー304からの電源302のオンオフ指示により、画像処理装置300は、予め設定されたタイムスケジュールで電源302をオンオフすることができる。
【0029】
画像処理部306は、受付部305が受け付けた実行指示や、通信部301を介して情報処理装置100から受信した印刷ジョブに従い、画像処理を行う。電源オフ準備部307は、受付部305が電源オフの指示を受け付けた場合や、通信部301を介して電源オフの指示を受信した場合に、安全に電源オフを行うための電源オフ準備処理を行う。電源オフ準備処理としては、実行中の所定のタスクの終了、所定のデータの保存などがある。
【0030】
図2は、情報処理装置100においてユーザから印刷処理にかかる実行指示が入力された場合の画像処理システム1の各装置の処理を示すシーケンス図である。なお、実行指示が入力された時点においては、画像処理装置300の電源302はオフの状態にあるものとする。
【0031】
情報処理装置100において、受付部103がユーザから印刷処理にかかる実行指示を受け付けると、実行指示処理部104は、実行指示にかかる処理を行う(ステップS100)。具体的には、印刷処理の対象となる画像データと、実行指示に基づいて、印刷ジョブを生成する。
【0032】
さらに、電力処理部105は、通信部101を介して、実行指示に示される処理を担当する装置である画像処理装置300への電力供給の開始を指示する開始指示を電力供給装置200に送信する(ステップS101)。開始指示の送信後、通信監視部102は、画像処理装置300との通信が確立したか否か、すなわち画像処理装置300と通信可能か否かを監視する。
【0033】
一方、電力供給装置200においては、通信部201が情報処理装置100から開始指示を受信すると、電力制御部202は、電力線を介して、画像処理装置300への電力供給を開始する(ステップS110)。
【0034】
画像処理装置300においては、電力供給が開始されると、電源302がオンになり、電源302から画像処理装置300の各部に電力が供給される(ステップS120)。電源302がオンになると、通信部301は、画像処理装置100をネットワーク400に接続するための処理を行う(ステップS121)。
【0035】
情報処理装置100においては、予め設定されたタイムアウトの判断基準となる規定時間が経過する前に(ステップS102,No)、通信監視部102が、画像処理装置300と通信が確立したことを検出した場合、すなわち、画像処理装置300との通信が可能となった場合には(ステップS103,Yes)、通信部101は、実行指示処理部104により生成された印刷ジョブをネットワーク400を介して画像処理装置300に送信する(ステップS104)。一方、ステップS103において、画像処理装置300との通信が確立していない場合には(ステップS103,No)、ステップS102に戻る。
【0036】
なお、ステップS102において、情報処理装置100の通信監視部102は、画像処理装置300との通信が可能であると判断する前に、規定時間が経過すると(ステップS102,Yes)、図示せぬ表示部等のユーザインターフェースを介してユーザにエラーを通知する(ステップS105)。
【0037】
画像処理装置300においては、通信部301は、情報処理装置100から印刷ジョブを受信すると、画像処理部306は、印刷ジョブに従い画像処理を行う(ステップS122)。すなわち、画像処理部306は、画像を印刷する。以上で、画像処理システム1の処理が完了する。
【0038】
このように、本実施の形態にかかる画像処理システム1においては、情報処理装置100において、ユーザから画像処理装置300における所定の処理にかかる実行指示が入力されると、電力供給装置200による制御により、画像処理装置300の電源302が自動的にオンになり、電源302がオンになった後に、情報処理装置100から自動的に印刷ジョブが送信される。すなわち、画像処理装置300を待機状態にし、ネットワーク接続を含む画像処理装置300の一部への電力供給を維持していなくとも、画像処理装置300において、情報処理装置100においてユーザから入力された実行指示に従い処理を開始することができる。したがって、画像処理装置300の待機状態を維持するための電力消費をなくすことができ、省エネ化を図ることができる。
【0039】
さらに、ユーザは、画像処理装置300の電源302がオンであるかオフであるかを気にすることなく、情報処理装置100において所望の実行指示を入力すればよく、電源302のオンオフにかかわらず簡単な操作で画像処理装置300の実行指示に応じた処理を実行させることができる。また、PoEの導入も不要であることから、低コストで画像処理装置300を自動的にオンする構成を実現することができる。
【0040】
図3は、画像処理装置300において電源302をオフする電源オフ要因が発生した場合の画像処理システム1の各装置の処理を示すシーケンス図である。電源オフ要因としては、受付部305がユーザによる電源オフ指示の入力を受け付けた場合や、タイマー304が予め設定された電源オフの時刻を計測し、受付部305がタイマー304から電源オフ指示を受け付けた場合、通信部301が情報処理装置100から電源オフ指示を受信した場合などがある。
【0041】
図3に示すように、画像処理装置300において電源オフ要因が発生すると(ステップS200)、電源オフ準備部307は、安全に電源をオフするための処理である電源オフ準備処理を行う(ステップS201)。
【0042】
ここで、電源オフ準備処理は、急な電源オフに起因する記憶媒体の故障やデータ破損を防止するための処理である。電源オフ準備処理としては、例えば、HDDに対してStopコマンドの発行を行って、ディスクの回転を停止させる処理や、フラッシュメモリに対して書き込み停止コマンドを発行して、書き込みを停止させる処理等が該当する。ただし、電源オフ準備処理としては、これらの処理に限定されるものではない。
【0043】
このように、電源オフの前に電源オフ準備処理を行うことにより、画像処理装置300が備える、後述の不揮発性メモリやHDDの故障や、データの破損を防ぐことができる。なお、画像処理装置300が故障等の可能性のあるデバイスを備えていない場合には、電源オフ準備処理は行わなくてもよい。
【0044】
画像処理装置300の電源オフ準備部307による電源オフ準備処理が完了すると、通信部301は、電源オフ準備処理が完了した旨の準備処理完了通知を、ネットワーク400を介して電力供給装置200へ送信する(ステップS202)。電力供給装置200においては、通信部201が準備処理完了通知を受信すると、電力制御部202は、画像処理装置300への電力線を介した電力供給を停止する(ステップS210)。以上で、電源オフ処理が完了する。
【0045】
このように、本実施の形態にかかる画像処理システム1においては、画像処理装置300はリレーなどの電源遮断手段を備えなくとも、電力供給装置200の制御により画像処理装置300の電源302をオフすることができる。したがって、低コストで自動的に画像処理装置300の電源302をオフする構成を実現することができる。さらに、図3を参照しつつ説明した処理により、画像処理装置300の電源を完全にオフした場合であっても、図2を参照しつつ説明した処理により、情報処理装置100においてユーザから実行指示が入力された場合には、電力供給装置200は、自動的に再び画像処理装置300の電源302をオンすることができる。
【0046】
図4は、第1の変更例にかかる画像処理システム1の処理を示すシーケンス図である。本例においては、ステップS102において規定時間が経過しても画像処理装置300との通信が確立しない場合に、画像処理装置300の電源302を一旦オフし、再び電源302をオンし、再度画像処理装置300との通信の確立を待つ。
【0047】
具体的には、ステップS102において、規定時間が経過した場合には(ステップS102,Yes)、通信監視部102は、通信部101を介して、電力供給装置200に対し、画像処理装置300への電力供給の停止指示を送信する(ステップS130)。このとき、電力供給装置200において、通信部201は停止指示を受信し、電力制御部202は、画像処理装置300への電力供給を停止する。
【0048】
情報処理装置100においては、ステップS131において、ステップS101における開始指示の送信とステップS130における停止指示の送信の処理を予め設定された規定回数行っていない場合には(ステップS131,No)、再びステップS101に戻り、電力処理部105は、通信部101を介して再び電力供給装置200に開始指示を送信する(ステップS101)。そして、ステップS103へ進み、再び通信監視部102は画像処理装置300と通信が確立するか否かを監視する。一方、ステップS131において、停止指示の送信の処理を規定回数行った場合には(ステップS131,Yes)、通信監視部102は、エラーを通知する(ステップS132)。なお、画像処理システム1のこれ以外の処理は、図2を参照しつつ説明した処理と同様である。
【0049】
以上のように、情報処理装置100は、ステップS102において規定時間が経過しても画像処理装置300との通信が確立しない場合に、画像処理装置300の電源302を一旦オフし、再び電源302をオンし、再度画像処理装置300との通信の確立を待つので、電力供給装置200から画像処理装置300に電力が供給され、電源302がオンされたときに、画像処理装置300が正常に動作しない場合であっても、一旦電源302をオフし再度電源302をオンすることにより、正常に動作させることができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態にかかる画像処理システム2の全体構成を示す図である。情報処理装置110、電力供給装置210、画像処理装置300のそれぞれがネットワーク400を介して接続されている点、電力供給装置210と画像処理装置300とが電力線で接続されている点については、第1の実施の形態と同様である。
【0051】
第2の実施の形態にかかる画像処理システム2においては、情報処理装置110は、通信監視部102を有さず、電力供給装置210は、通信監視部204を有している。
【0052】
情報処理装置110の実行指示処理部104は、受付部103が受け付けた実行指示に従い作成した印刷ジョブを電力供給装置210に送信することを通信部101に指示する。電力供給装置210の通信監視部204は、画像処理装置300との通信が確立したか否かを監視する。なお、これ以外の情報処理装置110、電力供給装置210および画像処理装置300の機能構成は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置100、電力供給装置200および画像処理装置300の機能構成と同様である。
【0053】
図6は、情報処理装置110においてユーザから印刷処理にかかる実行指示が入力された場合の画像処理システム2の各装置の処理を示すシーケンス図である。情報処理装置110において、受付部103がユーザから印刷処理にかかる実行指示を受け付けると、実行指示処理部104は、実行指示にかかる処理を行い、印刷ジョブを生成する(ステップS100)。次に、通信部101は、実行指示処理部104から送信を指示された印刷ジョブと、電力処理部105から送信を指示された開始指示とを電力供給装置210に送信する(ステップS106)。
【0054】
このように、本実施の形態においては、情報処理装置110は、開始指示とともに、画像処理装置300において実行指示に応じた処理を実行するために必要なすべての情報である実行情報と実行指示とを含む印刷ジョブを画像処理装置300ではなく電力供給装置210に送信する。これにより、情報処理装置110は、画像処理装置300との通信が確立するまで待つことなく、実行指示にかかる処理をステップS106により終了することができる。
【0055】
電力供給装置210においては、通信部201が情報処理装置110から開始指示と、印刷ジョブを受信すると、電力制御部202は、電力線を介して、画像処理装置300への電力供給を開始する(ステップS110)。さらに、通信監視部204は、画像処理装置300とのネットワーク400を介した通信が確立したか否かを監視する。そして、通信監視部204は、規定時間経過前に(ステップS140,No)、画像処理装置300との通信が確立したことを検出した場合、すなわち画像処理装置300とのネットワーク400を介した通信が可能となった場合には(ステップS141,Yes)、通信部201は、情報処理装置110から受信した印刷ジョブを、ネットワーク400を介して画像処理装置300に送信する(ステップS142)。なお、これ以外の処理は、図2を参照しつつ説明した第1実施の形態における画像処理システム1の処理と同様である。
【0056】
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施の形態にかかる画像処理システム3の全体構成を示す図である。第3の実施の形態にかかる画像処理システム3は、第1画像処理装置320aと第2画像処理装置320bの2つの画像処理装置を備えている。電力供給装置220は、電力線で画像処理装置320a,320bのそれぞれに接続されており、各電力線を介して画像処理装置320a,320bへの電力供給を制御する。また、情報処理装置120、電力供給装置220、画像処理装置320a,320bのそれぞれはネットワーク400を介して接続されている。
【0057】
本実施の形態においては、情報処理装置120において受付部103が受け付けた実行指示に対する処理は、第1画像処理装置320aまたは第2画像処理装置320bにおいて実行される。また、情報処理装置120の通信監視部102は、画像処理装置320a,320bがネットワーク400に接続されているか否かを監視する。電力処理部105は、画像処理装置320a,320bの電源オンオフにかかる処理を行う。
【0058】
電力供給装置220の電力制御部202は、電力線を介して画像処理装置320a,320bへの電力供給のオンオフを制御する。電力測定部203は、画像処理装置320a,320bに供給する電力を測定し、測定結果を情報処理装置120又は画像処理装置320a,320bに送信する。
【0059】
なお、これ以外の情報処理装置120および電力供給装置220の機能構成は、それぞれ第1の実施の形態にかかる情報処理装置100および電力供給装置200の機能構成と同様である。また、画像処理装置320a,320bの機能構成は、いずれも第1の実施の形態にかかる画像処理装置300の機能構成と同様である。
【0060】
図8は、情報処理装置120においてユーザから実行指示が入力された場合の画像処理システム3の処理を示すシーケンス図である。なお、実行指示が入力された時点において、画像処理装置320a,320bは、電源オフの状態にあるものとする。
【0061】
なお、図8においては、第1の実施の形態において、図2を参照しつつ説明したステップS102において、情報処理装置100が画像処理装置300との通信の確立を検出する前に、規定時間が経過した場合(ステップS102,Yes)の処理を示している。すなわち、図2におけるステップS102において、規定時間が経過した場合(ステップS102,Yes)に、図8のステップS150に進む。なお、図2における画像処理装置300による処理は、本実施の形態の画像処理システム3においては、第1画像処理装置320aにおいて行われ、図2における画像処理装置300との通信は、本実施の形態の画像処理システム3においては第2画像処理装置320bとの通信とする。
【0062】
ステップS102において、規定時間が経過すると(ステップS102,Yes)、電力処理部105は、通信部101を介して電力供給装置220に第1画像処理装置320aへの電力供給の停止指示を送信する(ステップS150)。さらに、電力処理部105は、通信部101を介して電力供給装置220に第2画像処理装置320bへの電力供給の開始指示を送信する(ステップS151)。
【0063】
電力供給装置220は、通信部201が情報処理装置120から第1画像処理装置320aに対する停止指示と、第2画像処理装置320bに対する開始指示を受信すると、電力制御部202は、第1画像処理装置320aへの電力供給を停止し(ステップS160)、さらに、電力線を介して第2画像処理装置320bへの電力供給を開始する(ステップS161)。
【0064】
これにより、第1画像処理装置320aは電源オフされる。一方、第2画像処理装置320bは、電力供給が開始されると、電源302がオンになり、第2画像処理装置320bの各部に電力が供給される(ステップS170)。電源オンになると、通信部301は、ネットワーク400への接続のための処理を行う(ステップS171)。
【0065】
情報処理装置120においては、図2のステップS102からステップS105における第1画像処理装置320aに対する処理と同様の処理を第2画像処理装置320bに対して行う。すなわち、情報処理装置120の通信監視部102が、規定時間が経過する前に(ステップS152,No)、第2画像処理装置320bとの通信の確立を検出すると(ステップS153,Yes)、通信部101は、実行指示処理部104により生成された印刷ジョブをネットワーク400を介して第2画像処理装置320bに送信する(ステップS154)。
【0066】
なお、ステップS152において、情報処理装置120の通信監視部102は、第2画像処理装置320bとの通信の確立を検出する前に規定時間が経過すると(ステップS152,Yes)、図示せぬ表示部等のユーザインターフェースを介してユーザにエラーを通知する(ステップS155)。
【0067】
第2画像処理装置320bにおいては、通信部301は、情報処理装置120から印刷ジョブを受信すると、画像処理部306は、印刷ジョブに従い画像処理を行う(ステップS172)。すなわち、画像処理部306は、画像を印刷する。以上で、画像処理システム3における処理が完了する。
【0068】
第3の実施の形態にかかる画像処理システム3においては、このように、第1画像処理装置320aとの通信が確立しない場合には、情報処理装置120と電力供給装置220の協働により、ネットワーク400に接続された第1画像処理装置320a以外の画像処理装置である第2画像処理装置320bの電源302をオンにし、情報処理装置120と第2画像処理装置320bの間の通信を確立し、第2画像処理装置320bにおいて処理を実行させることができる。
【0069】
これにより、何らかの理由で、情報処理装置120と第1画像処理装置320aとの通信が確立しない場合であっても、情報処理装置120は、第2画像処理装置320bとの通信を確立し、第2画像処理装置320bにおいて、ユーザの所望の処理を実行することができる。
【0070】
(第4の実施の形態)
図9は、第4の実施の形態にかかる画像処理システム4の全体構成を示す図である。画像処理システム4は、情報処理装置130と、第1電力供給装置230aと、第2電力供給装置230bと、第3電力供給装置230cと、第1画像処理装置330aと、第2画像処理装置330bと、第3画像処理装置330cと、ゲートウェイ500とを備えている。なお、画像処理システム4が備える画像処理装置および電力供給装置の台数は実施の形態に限定されるものではない。
【0071】
画像処理システム4においては、画像処理装置330a〜330cと、情報処理装置130は、ネットワーク410を介して接続している。電力供給装置230a〜230cは、無線通信網600に接続している。ネットワーク410と無線通信網600はゲートウェイ500を介して接続している。無線通信網600は、例えばZigBee(登録商標)であってもよい。また、他の例としては、電力供給装置230a〜230cは、無線通信網600でなく、ゲートウェイ500に接続された有線の通信網に接続されてもよい。
【0072】
また、電力供給装置230a〜230cのそれぞれは、画像処理装置330a〜330cのそれぞれと電力線で接続されており、電力供給装置230a〜230cのそれぞれが各電力線を介して、画像処理装置330a〜330cのそれぞれに電力供給を行う。なお、図9では、第1電力供給装置230aが電力線を介して、画像処理装置330a〜330cのそれぞれに電力供給を行うことを示しているが、第2電力供給装置230b、第3電力供給装置230cについても同様である。
【0073】
本実施の形態においては、情報処理装置130は、ゲートウェイ500を介して電力供給装置230a〜230cと通信を行うが、画像処理装置330a〜330cは、ネットワーク410を介する通信のみを行い、電力供給装置230a〜230cとの直接の通信は行わない。これにより、ゲートウェイ500の制御は、情報処理装置130のみが行えればよく、画像処理装置330a〜330cの処理が複雑になるのを避けることができる。
【0074】
情報処理装置130の通信部101は、ネットワーク410を介して画像処理装置330a〜330cと通信する。情報処理装置130の通信部101はまた、ネットワーク410および無線通信網600を介して電力供給装置230a〜230cと通信する。情報処理装置130のこれ以外の機能構成は、図1を参照しつつ説明した第1の実施の形態にかかる情報処理装置100の機能構成と同様である。
【0075】
電力供給装置230a〜230cの機能構成は、いずれも図1を参照しつつ説明した第1の実施の形態にかかる電力供給装置200の機能構成と同様である。また、画像処理装置330a〜330cの機能構成は、いずれも図1を参照しつつ説明した第1の実施の形態にかかる画像処理装置300の機能構成と同様である。なお、本実施の形態においては、第1電力供給装置230aが画像処理装置330a〜330cへの電力供給を制御し、画像処理装置330a〜330cに供給する電力の測定等の処理を行うこととする。
【0076】
画像処理システム4においても、他の実施の形態において説明したのと同様に、情報処理装置130においてユーザから実行指示が入力されると、画像処理装置330a〜330cのうち所定の画像処理装置の電源302がオンされ、ユーザの所望の指示が実行される。さらに、画像処理システム4においても、画像処理装置330a〜330cのうち電源オンの状態の画像処理装置を適切なタイミングで電源オフすることができる。
【0077】
図10は、第1画像処理装置330aにおいて電源オフ要因が発生した場合の画像処理システム4の各装置の処理を示すシーケンス図である。第1画像処理装置330aにおいて電源オフ要因が発生すると(ステップS300)、第1画像処理装置330aの電源オフ準備部307は、電源オフ準備処理を行う(ステップS301)。次に、第1画像処理装置330aの電源オフ準備部307は、通信部301を介して、情報処理装置130に電源オフ準備処理が完了した旨の準備処理完了通知を送信する(ステップS302)。
【0078】
情報処理装置130の通信部101が準備処理完了通知を受信すると、電力処理部105は、通信部101を介して第1電力供給装置230aに対し第1画像処理装置330aへの電力供給の停止指示を送信する(ステップS303)。
【0079】
第1電力供給装置230aの通信部201が、情報処理装置130から第1画像処理装置330aの停止指示を受信すると、電力制御部202は、第1画像処理装置330aへの電力線を介した電力供給を停止する(ステップS310)。以上で、画像処理システム4における処理が完了する。
【0080】
このように、本実施の形態にかかる画像処理システム4においては、第1画像処理装置330aにおいて電源オフ要因が発生した場合には、第1画像処理装置330aは同一のネットワーク410に接続された情報処理装置130を介して、第1電力供給装置230aに第1画像処理装置330aへの電力供給を停止させることができる。このように、第1画像処理装置330aと第1電力供給装置230aとが直接通信を行えない場合であっても、情報処理装置130を介して、第1画像処理装置330aを電源オフすることができる。
【0081】
なお、図10においては、第1画像処理装置330aにおいて電源オフ要因が発生した場合について説明したが、他の画像処理装置330b,330cにおいて電源オフ要因が発生した場合も同様である。
【0082】
図11は、情報処理装置130において第1画像処理装置330aの電源オフ要因が発生した場合の、画像処理システム4の各装置の処理を示すシーケンス図である。なお、情報処理装置130における第1画像処理装置330aの電源オフ要因とは、受付部103がユーザから入力された第1画像処理装置330aの電源オフ指示を受け付けた場合や、情報処理装置130の図示せぬタイマーが電源オフのタイミングを検出し、受付部103がタイマーから電源オフ指示を受け付けた場合などがある。
【0083】
図11に示すように、情報処理装置130において電源オフ要因が発生すると(ステップS320)、情報処理装置130の電力処理部105は、通信部101を介して第1画像処理装置330aに対し、電源オフ準備処理を行うことを指示する電源オフ準備処理指示を送信する(ステップS321)。
【0084】
第1画像処理装置330aの通信部301が電源オフ準備処理指示を受信すると、電源オフ準備部307は、電源オフ準備処理を行う(ステップS322)。そして、電源オフ準備部307は、電源オフ準備処理が完了すると、通信部301を介して、電源オフ準備処理が完了したことを示す準備処理完了通知を情報処理装置130に送信する(ステップS323)。
【0085】
情報処理装置130においては、通信部101が準備処理完了通知を受信すると、電力処理部105は、通信部101を介して、第1電力供給装置230aに対し、第1画像処理装置330aへの電力供給の停止指示を送信する(ステップS324)。
【0086】
第1電力供給装置230aにおいては、通信部201が第1画像処理装置330aの停止指示を受信すると、電力制御部202は、第1画像処理装置330aへの電力線を介した電力供給を停止する(ステップS330)。以上で、画像処理システム4における処理が完了する。
【0087】
このように、情報処理装置130において電源オフ要因が発生した場合には、第1画像処理装置330aにおいて電源オフ準備処理を実行させた後に、第1画像処理装置330aの電源302をオフするので、電源オフの対象となる画像処理装置に対し電源オフ前にユーザが所定の操作を行うことなく、自動的に安全に画像処理装置の電源をオフすることができる。
【0088】
なお、図11においては、情報処理装置130において、第1画像処理装置330aに対する電源オフ要因が発生した場合について説明したが、情報処理装置130において、他の画像処理装置330b,330cに対する電源オフ要因が発生した場合の処理は、図11において説明した処理と同様である。
【0089】
また、本実施の形態において、画像処理装置330a〜330cで印刷しようとして正常に起動しなかった場合には、一度、画像処理装置330a〜330cを電源オフした後電源オンにしてから、再度、情報処理装置130から画像処理装置330a〜330cに印刷ジョブを送信するように構成したり、他の画像処理装置330a〜330cを電源オンにして、当該画像処理装置で印刷を実行するように構成してもよい。このように他の画像処理装置330a〜330cで印刷を実行した場合には、その旨をユーザに通知することが好ましい。
【0090】
(第5の実施の形態)
第1〜4の実施の形態では、電力供給装置と画像処理装置とが、ネットワークで接続されて、かつ電力供給のための電力線で接続されていたが、この第5の実施の形態では、電力供給装置と画像処理装置とが、情報の搬送とともに電力供給が可能な電力通信線で接続されている。
【0091】
図12は、第5の実施の形態の画像処理システムのネットワーク構成図である。本実施の形態の画像処理システムは、図12に示すように、画像処理装置350と、電力供給装置250と、情報処理装置100とが、ネットワーク400で接続されている。また、本実施の形態では、画像処理装置350と電力供給装置250とが、省電力な通信手段として、情報の搬送とともに電力供給が可能な電力通信線である、PLC(Power Line Communication)の電力線で接続されている。
【0092】
ここで、PLCは、電力線を通信回線として利用する技術であり、具体的には、電力線を流れる電気信号に情報信号を重ねて流し、双方向通信を行う方式である。PLCの電力線700を、以下、単にPLC電力線700という。
【0093】
本実施の形態では、PLCアダプタが電力供給装置250と画像処理装置350のそれぞれに設けられており、各PLCアダプタ間をPLC電力線700を接続することより、電力供給装置250と画像処理装置350とがPLC電力線700で接続される。
【0094】
本実施の形態の電力供給装置250の電力制御部202は、PLC電力線700を介して画像処理装置350に電力供給を行う。また、電力供給装置250の通信部201と、画像処理装置350の通信部301は、PLC電力線700を介して双方向に各種の情報を通信可能となっている。
【0095】
電力供給装置250、画像処理装置350のこれ以外の機能的構成は、第1の実施の形態と同様である。また、情報処理装置100の機能的構成も第1の実施の形態と同様である。
【0096】
本実施の形態では、電力供給装置250と画像処理装置350とがPLC電力線700で接続されているので、情報処理装置100は、どの電力供給装置250にどの画像処理装置350が接続されているかを、システム管理者の手動によらずに検知することが可能である。
【0097】
図13は、第5の実施の形態において電力供給装置250に接続された画像処理装置350を検知する処理のシーケンス図である。電力供給装置250の電力制御部202から、PLC電力線700を介して画像処理装置350に電力供給が行われると(ステップS401)、画像処理装置350の通信部301は、自己の識別情報であるIDを、PLC電力線700を介して電力供給装置250に送信する(ステップS402)。
【0098】
電力供給装置250は、通信部201は、画像処理装置350から、IDを、PLC電力線700を介して受信する。そして、通信部201は、受信した画像処理装置350のIDと電力供給装置250のIDとを含む、画像処理装置350の接続通知を、ネットワーク400を介して情報処理装置100に送信する(ステップS403)。
【0099】
情報処理装置100では、通信部101が、ネットワーク400を介して、画像処理装置350の接続通知を電力供給装置250から受信する。そして、通信部101は、受信した接続通知に含まれる画像処理装置350のIDと、電力供給装置250のIDとを、記憶部(不図示)に対応付けて記憶する(ステップS404)。
【0100】
このように本実施の形態では、電力供給装置250と画像処理装置350とを、省電力な通信手段としてのPLC電力線700で接続しているので、第1〜4の実施の形態と同様の効果を奏する他、どの電力供給装置250がどの画像処理装置350に接続されているかという接続関係を情報処理装置100が自動的に検知することができ、このような接続関係を予めシステム管理者等が設定しておく必要がなくなり、作業の効率化を図ることができる。
【0101】
また、本実施の形態では、画像処理装置350において、電源オンの要因が発生した場合に、画像処理装置350の通信部301は、電源オンの指令をPLC電力線700を介して直接、電力供給装置250に送信する。電力供給装置250では、通信部201が電源オンの指令を、PLC電力線700を介して画像処理装置350から受信すると、電力制御部202は、ステップS401のように、PLC電力線700を介して画像処理装置350に電力供給を行うようになっている。
【0102】
次に、第1〜4の実施の形態における各処理を第5の実施の形態で行った際に、PLC電力線700が使用される場合について説明する。
【0103】
図2、4、6のステップS110、図8のステップS161の電力供給開始、図3のステップS210、図8のステップS160、図11のステップS330の電力供給停止については、PLC電力線700を介して行われる。
【0104】
図3のステップS202の画像処理装置350から電力供給装置250への準備処理完了通知の送信、図6のステップS142の電力供給装置250から画像処理装置350への印刷ジョブの送信については、PLC電力線700を介して行われる。
【0105】
また、図9に示した第4の実施の形態における画像処理システムの全体構成と同様の構成において、各画像処理装置と各電源供給装置とをPLC電力線700で接続するように構成することもできる。
【0106】
図14は、第5の実施の形態における画像処理システムにおいて、各画像処理装置と各電源供給装置とをPLC電力線700で接続した構成を示す図である。
【0107】
この場合において、第1画像処理装置350aにおいて電源オフ要因が発生した場合には、第1画像処理装置350aで電源オフ準備処理を実行した後、第1画像処理装置350aの通信部301は、準備処理完了通知を、PLC電力線700を介して、直接、第1電力供給装置250aに送信する。これにより、第1電力供給装置250aは、第1画像処理装置350aが電源オフ準備処理完了の状態であることを、情報処理装置130を介さずに知ることができ、第1電力供給装置250aの電力制御部202は、第1画像処理装置350aに対する電力供給を停止することができる。
【0108】
このため、第1電力供給装置250aが第1画像処理装置350aへの電力供給を停止するために、図10に示したように、第1画像処理装置350aが電源オフ準備処理完了通知を、情報処理装置130へネットワーク410を介して送信し、情報処理装置130が第1電力供給装置250aへ停止指示を送信するような、情報処理装置130を介した処理を実行する必要はなくなる。
【0109】
特に、PLC電力線700を用いない第4の実施の形態の場合には、このような第1画像処理装置350a、第1電力供給装置250a、情報処理装置130の間の通信処理の実行のための通信処理プログラムが必要となるが、このような三者間の通信処理プログラムは、上述した電源オフの準備処理完了通知しか用いられないため、ソフトウェア開発効率の低下となる。
【0110】
しかし、本実施の形態では、PLC電力線700を用いて、第1画像処理装置350aが、電源オフ準備処理完了通知を、直接、第1電力供給装置250aに送信することで、情報処理装置130の介在を不要とし、その結果、殆ど使用されることのない、第1画像処理装置350a、第1電力供給装置250a、情報処理装置130の間の通信処理プログラムが不要となるため、ソフトウェア効率を向上させることが可能となる。
【0111】
第1〜5の実施の形態では、ネットワーク400,410を用いていたが、これに代えて他の通信手段を用いるように構成することができる。例えば、ネットワーク400に代えて無線LANを用いるように構成してもよい。
【0112】
また、第5の実施の形態では、電力供給装置250と画像処理装置350とをPLC電力線700により接続していたが、これに限定されるものではない。例えば、電力供給装置250と画像処理装置350とを、赤外線通信、RF無線通信、その他の近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)によって接続するように構成してもよい。ただし、この場合には、別途、電力供給を行うための電力線でも電力供給装置250と画像処理装置350とを接続する必要がある。
【0113】
図15は、第1〜5の実施の形態にかかる画像処理装置300,320(320a,320b,320c),350(350a,350b,350c)のハードウェア構成を示すブロック図である。本図においては、画像処理装置が複合機である場合のハードウェア構成を説明する。
【0114】
印刷装置7および画像読取装置8を備える画像処理装置300,320,350は、画像処理装置300,320,350における画像処理全般の制御を行う画像処理制御ユニット10を有する。この画像処理制御ユニット10には、印刷装置7を制御する印刷制御ユニット11と、画像読取装置8を制御する画像読取制御ユニット12と、が接続されている。
【0115】
印刷制御ユニット11は、画像処理制御ユニット10の制御に従って印刷装置7に対して画像データを含む印刷指示を出力し、印刷装置7に転写紙などの媒体(一般的に普及している普通紙、カラー紙、ハガキ、OHPシートなどの記録媒体、以下、単に、用紙と記述する)に画像を形成して出力させる。印刷装置7はフルカラーの印刷が可能である。その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、さまざまな方式を用いることができる。なお、上記実施の形態では電子写真方式の印刷装置を例にとって説明する。
【0116】
画像読取制御ユニット12は、画像処理制御ユニット10の制御により画像読取装置8を駆動し、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラーおよびレンズにより受光素子(たとえば、CCD(Charge Coupled Device))に集光して読み取り、A(アナログ)/D(デジタル)変換してRGB各8bitのデジタル画像データを生成する。
【0117】
このような画像処理制御ユニット10は、メインプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)13と、各処理におけるデータを一時的に格納しておくメモリデバイス(たとえば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等)14と、制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)15と、システムログ/システム設定/ログ情報等を記録しておく電源OFF時にもデータの保持が可能なNVRAM(Non−Volatile RAM)16と、をバス接続したマイクロコンピュータシステムで構成されている。
【0118】
また、画像処理制御ユニット10には、多量の画像データの蓄積やジョブ履歴等の蓄積や画像読取装置8から読み込んだR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の画像データをC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のデジタル画像データに変換し、印刷装置7による作像に供すべく、画像データを格納するHDD2(Hard Disk Drive)が接続される。装置内部に設けられた集線装置であるHUB19を介して画像処理装置300,320,350をLAN(Local Area Network)に接続するためのLAN制御部18、FAX(ファクシミリ)制御を行うFAX制御ユニット20が接続されている。このFAX制御ユニット20は、公衆電話網に通じる構内交換器(PBX)22に接続されており、画像処理装置300,320,350、遠隔のファクシミリと交信することができる。
【0119】
また、画像処理制御ユニット10には、表示制御ユニット23および操作入力制御ユニット24が接続されている。表示制御ユニット23は、画像処理制御ユニット10の制御信号にしたがって操作パネルPに対して画像表示の制御を行う。
【0120】
操作入力制御ユニット24は、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、画像処理制御ユニット10の制御信号によって入力する。操作パネルPは、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)である表示装置40と、操作入力装置41とで構成されている。
【0121】
操作入力装置41は、表示装置40の表面に積層された超音波弾性波方式等のタッチパネルと、複数のキーを有するキーボードとで構成されている。キーボードには、画像読み取りの開始を宣言するためのスタートキー、数値入力を行うためのテンキー、読み取った画像データの送信先を設定する読取条件設定キー、クリアキー等が設けられている。すなわち、表示制御ユニット23は、画像表示制御信号を表示装置40に出力し、画像表示制御信号に応じた所定事項を表示装置40に表示させる。
【0122】
一方、操作入力制御ユニット24は、操作入力装置41におけるオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を受信する。HDD2には、種々の情報が保存される。
【0123】
なお、上記実施の形態では、画像処理装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明したが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置であればいずれにも適用することができる。
【0124】
また、第1〜5の実施の形態にかかる情報処理装置および電力供給装置は、いずれもCPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0125】
本実施形態の情報処理装置、電力供給装置および画像処理装置で実行される各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0126】
また、本実施形態の情報処理装置、電力供給装置および画像処理装置で実行される各プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、それぞれネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置、電力供給装置および画像処理装置で実行される各プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置、電力供給装置および画像処理装置で実行される各プログラムを、それぞれROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0127】
本実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部、通信監視部、受付部、実行指示処理部、電力処理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部、通信監視部、受付部、実行指示処理部、電力処理部が主記憶装置上に生成されるようになっている。電力供給装置および画像処理装置で実行されるプログラムも同様であり、それぞれ上述の各部を含むモジュール構成となっている。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
1〜4 画像処理システム
100 情報処理装置
101 通信部
102 通信監視部
103 受付部
104 実行指示処理部
105 電力処理部
200,250 電力供給装置
201 通信部
202 電力制御部
203 電力測定部
300,350 画像処理装置
301 通信部
302 電源
304 タイマー
305 受付部
306 画像処理部
307 電源オフ準備部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0130】
【特許文献1】特開2002−247249号公報
【特許文献2】特開2009−81723号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像処理装置と、
前記第1画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に対し画像処理の指示を送信する情報処理装置と、
前記情報処理装置と前記ネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に電力を供給する電力供給装置と
を備えた画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第1画像処理装置に対する所定の処理の実行指示を受け付ける実行指示受付部と、
前記実行指示を受け付けた場合に、前記第1画像処理装置への電力供給の開始を指示する第1開始指示を前記電力供給装置に送信する第1送信部と、
前記第1画像処理装置と通信可能か否かを監視する第1通信監視部と、
前記第1画像処理装置との通信が可能となった場合に、前記実行指示と、前記処理の実行に必要な実行情報とを前記第1画像処理装置に送信する第2送信部と
を有し、
前記電力供給装置は、
前記情報処理装置から、前記第1開始指示を受信する第1受信部と、
前記第1開始指示を受信した場合に、前記第1画像処理装置への電力供給を開始する電力制御部と
を有し、
前記第1画像処理装置は、
前記電力供給装置から電力が供給されると、当該第1画像処理装置の各部への電力供給を開始する第1電力供給部と、
前記第1電力供給部による前記各部への電力供給が開始された場合に、前記情報処理装置から前記実行指示と前記実行情報とを受信する第2受信部と、
前記実行情報に基づいて、前記実行指示に従い前記処理を実行する第1処理部と
を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置の前記第1送信部は、前記第1送信部が前記第1開始指示を送信してから予め定められた規定時間経過後に前記第1画像処理装置との通信が可能とならない場合には、前記第1画像処理装置への電力供給を停止した後に再度開始することを指示する再開始指示を前記電力供給装置に送信し、
前記電力供給装置の前記第1受信部は、前記再開始指示をさらに受信し、
前記電力供給装置の電力制御部は、前記第1受信部が前記再開始指示を受信した場合に、前記第1画像処理装置への電力供給を停止した後に、再度開始することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理システムは、前記情報処理装置と前記ネットワークを介して接続され、前記第1電力供給部から電力を供給される第2画像処理装置をさらに備え、
前記第2画像処理装置は、
前記電力供給装置から電力が供給されると、当該画像処理装置の各部への電力供給を開始する第2電力供給部と、
前記第2電力供給部による前記各部への電力供給が開始された場合に、前記情報処理装置から前記実行指示と前記実行情報とを受信する第3受信部と、
前記実行情報に基づいて、前記実行指示に従い前記処理を実行する第2処理部と
を有し、
前記情報処理装置の前記第1送信部は、前記第1送信部が前記第1開始指示を送信してから予め定められた規定時間経過後に前記第1画像処理装置との通信が可能とならない場合には、前記第2画像処理装置への電力供給の開始を指示する第2開始指示を前記電力供給装置に送信し、
前記情報処理装置の前記第1通信監視部は、前記第2画像処理装置と通信可能か否かを監視し、
前記情報処理装置は、前記第2画像処理装置との通信が可能となった場合に、前記実行指示と、前記実行情報とを前記第2画像処理装置に送信する第3送信部をさらに有し、
前記電力供給装置の前記第1受信部は、前記情報処理装置から前記第2開始指示をさらに受信し、
前記電力供給装置の前記電力制御部は、前記第2開始指示を受信した場合に、前記第2画像処理装置への電力供給を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記第1画像処理装置は、
前記各部への電力供給停止を指示する電源オフ指示を受け付ける電源オフ指示受付部と、
前記電源オフ指示を受け付けた場合に、前記電源オフ指示を前記情報処理装置に送信する第4送信部と
をさらに有し、
前記情報処理装置は、
前記電源オフ指示を受信する第4受信部をさらに有し、
前記情報処理装置の前記第1送信部は、前記電源オフ指示を受信すると、前記第1画像処理装置への電力供給の停止を指示する停止指示を前記電力供給装置に送信し、
前記電力供給装置の前記電力制御部は、前記第1受信部が前記停止指示を受信すると、前記第1画像処理装置への電力供給を停止することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記第1画像処理装置における前記各部への電力供給停止を指示する電源オフ指示を受け付ける電源オフ指示受付部をさらに有し、
前記情報処理装置の前記第1送信部は、前記電源オフ指示を受け付けた場合に、前記第1画像処理装置への電力供給の停止を指示する停止指示を前記電力供給装置に送信し、
前記電力供給装置の前記電力制御部は、前記第1受信部が前記停止指示を受信すると、前記第1画像処理装置への電力供給を停止することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記第1画像処理装置は、
前記各部への電力供給停止を指示する電源オフ指示を受け付ける電源オフ指示受付部と、
前記電源オフ指示を受け付けた場合に、当該第1画像処理装置への電力供給の停止を指示する停止指示を前記電力供給装置に送信する第5送信部と
をさらに有し、
前記電力供給装置は、
前記第1画像処理装置から前記停止指示を受信する第5受信部をさらに有し、
前記電力供給装置の前記電力制御部は、前記停止指示を受信した場合に、前記第1画像処理装置への電力供給を停止することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に、前記ネットワークを介して接続されるとともに、電力供給が可能な電力線で接続されており、
前記電力供給装置と前記第1画像処理装置とは、情報の送受信を、前記ネットワークを介して行い、
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に対して、前記電力線を介して電力供給を行うこと、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に、情報の搬送と電力供給の双方が可能な電力通信線で接続されており、
前記電力供給装置と前記第1画像処理装置とは、情報の送受信を、前記電力通信線を介して行い、
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に対して、前記電力通信線を介して電力供給を行うこと、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記第1画像処理装置は、
前記電力供給装置から、前記電力通信線を介して電力供給を受けた場合に、前記第1画像処理装置を識別するための識別情報を、前記電力通信線を介して前記電力供給装置に送信する第6送信部をさらに備え、
前記電力供給装置は、
前記第1画像処理装置から、前記識別情報を、前記電力通信線を介して受信する第6受信部と、
前記識別情報を受信した場合に、受信した前記識別情報を、前記ネットワークを介して前記情報処理装置に送信する第7送信部と、をさらに備え、
前記情報処理装置は、
記憶部と、
前記電力供給装置から、前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報を前記記憶部に保存する第7受信部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記第1画像処理装置の前記第6送信部は、前記第1画像処理装置が電源オンの要因が発生した場合に、前記電力供給装置に、前記電力通信線を介して、電源オンの指令を送信し、
前記電力供給装置の前記第6受信部は、前記第1画像処理装置から前記電源オンの指令を、前記電力通信線を介して受信し、
前記電力供給装置の前記電力制御部は、前記電源オンの指令を受信した場合に、前記第1画像処理装置に対して、前記電力通信線を介して電力供給を開始すること、
を特徴とする請求項8または9に記載の画像処理システム。
【請求項11】
画像処理装置と、
前記画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記画像処理装置に対し画像処理の指示を送信する情報処理装置と、
前記画像処理装置および前記情報処理装置と前記ネットワークを介して接続され、前記画像処理装置に電力を供給する電力供給装置と
を備えた画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像処理装置に対する所定の処理の実行指示を受け付ける実行指示受付部と、
前記実行指示を受け付けた場合に、前記画像処理装置への電力供給の開始を指示する開始指示と、前記実行指示と、前記処理の実行に必要な実行情報とを前記電力供給装置に送信する第1送信部と
を有し、
前記電力供給装置は、
前記情報処理装置から、前記開始指示と、前記実行指示と、前記実行情報とを受信する第1受信部と、
前記開始指示を受信した場合に、前記画像処理装置への電力供給を開始する電力制御部と、
前記画像処理装置と通信が可能か否かを監視する通信監視部と、
前記画像処理装置との通信が可能となった場合に、前記実行指示と、前記実行情報とを前記画像処理装置に送信する第2送信部と
を有し、
前記画像処理装置は、
前記電力供給装置から電力が供給されると、当該画像処理装置の各部への電力供給を開始する電力供給部と、
前記電力供給部による前記各部への電力供給が開始された場合に、前記電力供給装置から前記実行指示と前記実行情報とを受信する第2受信部と、
前記実行情報に基づいて、前記実行指示に従い前記処理を実行する処理部と
を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に、前記ネットワークを介して接続されるとともに、電力供給が可能な電力線で接続されており、
前記電力供給装置と前記第1画像処理装置とは、情報の送受信を、前記ネットワークを介して行い、
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に対して、前記電力線を介して電力供給を行うこと、
を特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に、情報の搬送と電力供給の双方が可能な電力通信線で接続されており、
前記電力供給装置と前記第1画像処理装置とは、情報の送受信を、前記電力通信線を介して行い、
前記電力供給装置は、前記第1画像処理装置に対して、前記電力通信線を介して電力供給を行うこと、
を特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
【請求項14】
前記第1画像処理装置は、
前記電力供給装置から、前記電力通信線を介して電力供給を受けた場合に、前記第1画像処理装置を識別するための識別情報を、前記電力通信線を介して前記電力供給装置に送信する第6送信部をさらに備え、
前記電力供給装置は、
前記第1画像処理装置から、前記識別情報を、前記電力通信線を介して受信する第6受信部と、
前記識別情報を受信した場合に、受信した前記識別情報を、前記ネットワークを介して前記情報処理装置に送信する第7送信部と、をさらに備え、
前記情報処理装置は、
記憶部と、
前記電力供給装置から、前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報を前記記憶部に保存する第7受信部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の画像処理システム。
【請求項15】
前記第1画像処理装置の前記第6送信部は、前記第1画像処理装置が電源オンの要因が発生した場合に、前記電力供給装置に、前記電力通信線を介して、電源オンの指令を送信し、
前記電力供給装置の前記第6受信部は、前記第1画像処理装置から前記電源オンの指令を、前記電力通信線を介して受信し、
前記電力供給装置の前記電力制御部は、前記電源オンの指令を受信した場合に、前記第1画像処理装置に対して、前記電力通信線を介して電力供給を開始すること、
を特徴とする請求項13または14に記載の画像処理システム。
【請求項16】
第1画像処理装置と、前記第1画像処理装置とネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に対し画像処理の指示を送信する情報処理装置と、前記情報処理装置と前記ネットワークを介して接続され、前記第1画像処理装置に電力を供給する電力供給装置とを備えた画像処理システムで実行される画像処理方法であって、
前記情報処理装置が、前記第1画像処理装置に対する所定の処理の実行指示を受け付けるステップと、
前記情報処理装置が、前記実行指示を受け付けた場合に、前記第1画像処理装置への電力供給の開始を指示する第1開始指示を前記電力供給装置に送信するステップと、
前記情報処理装置が、前記第1画像処理装置と通信可能か否かを監視するステップと、
前記情報処理装置が、前記第1画像処理装置との通信が可能となった場合に、前記実行指示と、前記処理の実行に必要な実行情報とを前記第1画像処理装置に送信するステップと、
前記電力供給装置が、前記情報処理装置から、前記第1開始指示を受信するステップと、
前記電力供給装置が、前記第1開始指示を受信した場合に、前記第1画像処理装置への電力供給を開始するステップと、
前記第1画像処理装置が、前記電力供給装置から電力が供給されると、当該第1画像処理装置の各部への電力供給を開始するステップと、
前記第1画像処理装置が、前記各部への電力供給が開始された場合に、前記情報処理装置から前記実行指示と前記実行情報とを受信するステップと、
前記第1画像処理装置が、前記実行情報に基づいて、前記実行指示に従い前記処理を実行するステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−77295(P2013−77295A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−187892(P2012−187892)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】