説明

画像処理システムおよび画像形成装置

【課題】複数の装置で一連の複数処理を実行する場合の電力消費低減を図ることが可能な画像処理システムおよび画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は指示書の受け付けを行うと(S101)、翻訳サーバに送信する(S102)。翻訳サーバは受信すると処理時間を予測して画像形成装置に通知する(S103〜S105)。画像形成装置は節電状態に移行させる(S106〜S107)。翻訳サーバは、文字認識処理、翻訳処理、画像レイアウト処理を行い(S108〜S110)、翻訳画像として画像形成装置に送信する(S111)。処理完了時間が到来すると(S112でYes)、画像形成装置は節電状態から復帰させる処理を行い(S113)、翻訳サーバから翻訳画像を受信し(S114)、翻訳画像についての印刷を行う(S115)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システムおよび画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、少なくとも一台のデジタル複写機およびホストコンピュータと、これら両者に相互通信を行わせて情報を両者間で転送する転送装置とを備えた画像形成システムが開示されている。すなわち、使用者により画像処理についての指令が入力部に入力されると、デジタル複写機の制御部は、原稿の画像情報をホストコンピュータに出力する。ホストコンピュータは、入力された画像情報に画像処理を施し、この処理済の画像情報を転送装置を通じてデジタル複写機に出力する。デジタル複写機の制御部は、処理済の画像情報を画像記録部に供給し、画像記録部はその画像情報に基づいて可視像を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−238215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、画像形成装置を含んで構成されている処理システムの各々の装置が一連の複数処理を実行する場合にも、電力消費の低減を図りたいという要望がある。
【0005】
本発明は、複数の装置で一連の複数処理を実行する場合の電力消費低減を図ることが可能な画像処理システムおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、外部との通信が可能な処理装置と、処理実行指示を受け付けると共に前記処理装置と通信可能に構成され、当該処理実行指示に対応する処理を当該処理装置と連携して実行する画像形成装置と、前記画像形成装置により受け付けられる前記処理実行指示を前記処理装置に送信した後に当該処理実行指示に対応する当該処理装置による処理の終了を待つ当該画像形成装置の装置本体を、電力消費がより少ない状態である省電力状態に移行させるための移行指示を出力する移行指示出力手段と、を含む画像処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記処理装置による前記処理実行指示に対応する処理が終了するまでの処理時間を予測する予測手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記予測手段により予測される前記処理時間を取得すると当該処理時間を基に前記装置本体を省電力状態にするか否かを判断する判断手段をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記処理装置は、前記予測手段により予測される前記処理時間が経過する前に、前記移行指示出力手段により出力される前記移行指示によって前記省電力状態にある前記装置本体を当該省電力状態から復帰させる復帰指示を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記処理装置は、前記処理実行指示に対応する処理が行われている場合に当該処理が終了する前に、前記移行指示出力手段により出力される前記移行指示によって前記省電力状態にある前記装置本体を当該省電力状態から復帰させる復帰指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記処理装置は、前記移行指示出力手段を備え、前記処理装置は、前記処理実行指示に対応する処理を実行する期間である処理実行期間以外の期間であるときに、前記画像形成装置への前記移行指示の出力を前記移行指示出力手段に行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システムである。
【0007】
請求項7に記載の発明は、画像を形成する画像形成手段と、処理装置と通信するための通信手段と、前記処理装置による処理の実行を含む処理実行指示を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられる前記処理実行指示を前記処理装置に送信した後に当該処理実行指示に対応する処理の終了を待っているときに装置本体を、電力消費がより少ない状態である省電力状態に移行させる移行手段と、を含む画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記受付手段により受け付けられる前記処理実行指示に対応する前記処理装置の処理が終了するまでの処理時間の情報を取得すると、当該処理時間の情報を基に前記装置本体を省電力状態にするか否かを判断する判断手段をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記受付手段により受け付けられる前記処理実行指示に対応する前記処理装置の処理が終了するまでの処理時間の情報を取得すると、当該処理時間が経過するまでの間、前記装置本体を省電力状態にすることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べて、複数の装置で一連の複数処理を実行する場合の電力消費低減を図ることが可能になる。
請求項2によれば、本発明を採用しない場合に比べて、処理の受け渡しを円滑に行えるように装置本体を省電力状態から復帰させることが可能になる。
請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べて、予測した処理時間が短いときに省電力状態に移行することを防止することが可能になる。
請求項4によれば、本発明を採用しない場合に比べて、画像形成装置の電力消費をさらに低減することが可能になる。
請求項5によれば、本発明を採用しない場合に比べて、画像形成装置の電力消費をさらに低減することが可能になる。
請求項6によれば、本発明を採用しない場合に比べて、画像形成装置の電力消費をさらに低減することが可能になる。
請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べて、複数の装置で一連の複数処理を実行する場合の電力消費低減を図ることが可能になる。
請求項8によれば、本発明を採用しない場合に比べて、処理時間が短いときに省電力状態に移行することを防止することが可能になる。
請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べて、処理装置による処理完了後に画像形成装置が速やかに処理を実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態の画像形成装置を用いて構成した画像処理システムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】指示書の一例を説明する概念図である。
【図4】第1の実施の形態に係る自動翻訳システムに用いられる翻訳サーバの構成を説明するブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る自動翻訳についての処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る自動翻訳についての処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態に係るファクシミリ確認送信システムに用いられるファクシミリ送信管理サーバの構成を説明するブロック図である。
【図8】第3の実施の形態に係るファクシミリ確認送信についての処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成装置10を用いて構成した画像処理システムPSの構成の一例を示す図である。
同図に示す画像処理システムPSは、指示書60(図3参照)を利用して翻訳を行う自動翻訳機能と、指示書60(図3参照)を利用してファクシミリ送信の確認を行うファクシミリ確認送信機能と、を併有している。
なお、ファクシミリ送信は、後述するように、画像形成装置10が有するファクシミリ機能により実行される。
【0011】
まず、画像処理システムPSでの自動翻訳機能について具体的に説明する。図1に示すように、この画像処理システムPSは、電力が供給されて画像を形成する画像形成装置10と、翻訳処理の依頼を受け付けると翻訳文書を作成して送信する処理装置の一例としての翻訳サーバ20と、電力を消費して演算処理等を行い、翻訳文書を受信する端末装置30と、が通信網NWに互いに接続されることにより構成されている。
このように、画像処理システムPSは、指示書60(図3参照)を利用して翻訳サーバ20にてスキャン画像を文字認識処理(OCR:Optical Character Recognition)、翻訳処理、レイアウト処理を実施し、画像形成装置10による翻訳文書の印刷ないし端末装置30への転送を行うように構成されている。
【0012】
次に、画像処理システムPSでのファクシミリ確認送信機能について具体的に説明する。図1に示すように、この画像処理システムPSは、画像形成装置10によるファクシミリ送信を管理する処理装置の一例としてのファクシミリ送信管理サーバ40と、電力を消費して演算処理等を行い、ファクシミリ送信管理サーバ40に対し、画像形成装置10によるファクシミリ送信を承認する端末装置50と、が通信網NWに互いに接続されることにより構成されている。
このように、画像処理システムPSは、指示書60(図3参照)を利用して画像形成装置10によるファクシミリ文書の画像読み取りと、ファクシミリ送信管理サーバ40によるファクシミリ送信宛先の確認と、端末装置50による承認と、画像形成装置10によるファクシミリ送信という一連の処理を行うように構成されている。
【0013】
画像処理システムPSは、指示書60(図3参照)の利用により、通信網NWに接続された各機器に文書データに施すべき複数の処理を連携して処理させることが可能な画像形成装置10を含んで構成している。そして、画像形成装置10の中核的な役割によって、画像処理システムPSは、種々のサービスの一例としての自動翻訳機能およびファクシミリ確認送信機能を提供することが可能である。
なお、本実施の形態では、後述するように、画像形成装置10を含んで構成されている画像処理システムPSの各々の装置が互いに連携して複数の処理を実行する場合に、システム全体として処理実行中であっても画像形成装置10の通電状態を制御することで、画像形成装置10の電力消費低減を図っている。
【0014】
ここで、画像形成装置10は、媒体に画像を印刷し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置10は、プリンタ機能やコピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、通信機能等の基本機能を備えたものである。
なお、画像形成装置10における画像形成方式としては、例えば、電子写真方式を用いるとよいが、その他の方式を用いてもよい。
【0015】
端末装置30,50は、他の機器との間でデータの送受信を行う機器であり、例えば、ソフトウェアを実行して演算等を行うコンピュータ本体、ディスプレイ等の表示装置、コンピュータ本体に対して入力を行うための入力装置等により構成される。この端末装置30,50としては、例えば、パーソナルコンピュータやその他のコンピュータが用いられる。
【0016】
通信網NWとしては、例えばイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))によるLAN(Local Area Network)で構成することができる。更に説明すると、この通信網NWを介して、画像形成装置10は、翻訳サーバ20、端末装置30,50およびファクシミリ送信管理サーバ40との間でデータを相互に送受信することができる。
なお、画像形成装置10と翻訳サーバ20、端末装置30,50およびファクシミリ送信管理サーバ40との間で通信網NWを介してデータ転送を行う際に、送信元と送信先との間でデータ通信を確立するためのネゴシエーション(negotiation)を行う。このネゴシエーションという用語は、ハードウェアデバイス同士が通信(通信条件)に関する情報交換を行うものともいうことができる。
【0017】
図2は、画像形成装置10の構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、本実施の形態での画像形成装置10は、取得された画像を処理して用紙に印刷する画像形成手段の一例としての印刷装置11と、予め定められた画像を表示する表示画面やユーザが操作する操作パネル等を有するUI装置12と、を備えている。
また、画像形成装置10は、処理すべき画像を読み取るスキャナ等で構成される画像読取装置13と、画像情報を通信回線例えば電話網を利用して送信ないし受信するファクシミリ送受信装置14と、を備えている。
【0018】
また、図2に示すように、画像形成装置10は、装置本体すなわち印刷装置11、UI装置12、画像読取装置13およびファクシミリ送受信装置14で行われる各種の処理を制御する移行手段の一例としての装置制御部15と、通信網NWを介する外部とのデータ通信を制御する通信手段の一例としての通信制御部16と、を備えている。
【0019】
装置制御部15についてさらに説明する。装置制御部15は、装置本体の動作状態に関するモード(動作モード)を制御する。この動作モードの例としては、画像形成装置10の電源が投入された時のウォームアップモードと、発生したジョブを実行するランモードと、ジョブの発生に備えて待機するスタンバイモード、スタンバイモードが予め定められた時間継続されると消費電力を低減するために移行するローパワーモード(低電力モード)と、ローパワーモードが予め定められた時間継続されると更に消費電力を低減するために移行するスリープモード(CPU−OFFモード)と、がある。なお、ランモード及びスタンバイモードを、通常の動作状態で動作するモードとしての通常モードということができ、また、ローパワーモード及びスリープモードを省電力モード(省電力状態、節電モード、節電状態)ということができる。通常モードの消費電力よりも省電力モードの消費電力の方が低く、また、省電力モードの中では、ローパワーモードの消費電力よりもスリープモードの消費電力(スリープ電力)の方が低い。すなわち、これらのモードのうちスリープモードの消費電力が最も低い。なお、ここにいう省電力モードとしては、例えば、電源(副電源)オフ状態すなわち、外部から電源オンにできるような電源オフ状態(ソフトウェアによるスイッチ制御が可能な状態)を含むものである。
装置制御部15は、省電力状態への移行および省電力状態からの復帰について制御する省電力制御手段の一例である。
【0020】
ここで、装置制御部15および通信制御部16の構成例について付言する。これらの装置制御部15および通信制御部16として、予め定められた動作制御プログラム(ファームウェア)に従ってデジタル演算処理を実行する図示しないCPU(Central Processing Unit)と、CPUの作業用メモリ等として機能すると共にCPUにより実行される処理プログラムや処理プログラムにて用いられる設定値等のデータが格納される図示しないメモリと、で構成することが考えられる。このメモリは、例えばフラッシュメモリ、EEPROMなどで構成することができる。
また、他の構成例としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)による電源制御用の集積回路も考えられる。このように構成することで、画像形成装置10が備えるCPUやメモリ等を使用することなく、回路単体で動作することができるようになる。
【0021】
また、図2に示すように、画像形成装置10は、指示書60(図3参照)の内容を解釈して解釈結果を装置制御部15又は通信制御部16に送る指示書解釈部17と、指示書60(図3参照)を実行する際に必要な情報ないしデータを格納する格納部18と、を備えている。また、画像形成装置10は、時間を計時することで、予め定められた時間が経過したことないし予め定められた時刻が到来したことを検知する計時部19を備えている。
指示書解釈部17は、受付手段の一例としてのUI装置12ないし通信制御部16を介して取得した指示書60(図3参照)の内容を解析する。この指示書60(図3参照)は、通信網NWに接続されている画像形成装置10等の各装置が連携して一連の処理(例えば、自動翻訳やファクシミリ送信)を行うための処理実行指示の一例としての制御情報を示すものであり、その詳細は後述する。
【0022】
また、格納部18は、指示書60(図3参照)を実行する際に必要な情報を格納する。この格納部18は、不揮発性メモリ(NVM(Non Volatile Memory))であり、データの書き換えと電源を切った後のデータ保持が可能である。格納部18としては、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などを用いることができる。
また、計時部19は、予め定められた時間の経過ないし予め定められた時刻の到来を検知すると、それを装置制御部15に通知する通知手段の一例である。付言すると、装置制御部15は、装置本体を省電力状態に移行する際に予め定められた時刻が到来したときに通知することを計時部19に指示して省電力状態に移行する制御を行う。また、装置制御部15は、計時部19から予め定められた時刻が到来したことの通知を受けると装置本体を省電力状態から復帰させる制御を行う。
【0023】
図3は、指示書60の一例を説明する概念図である。
同図に示す指示書60は、自身が提供するサービスの内容を表すI/F情報61と、サービス間の連携を記述する要素であるフロー(Flow)62と、を含んで構成されている。なお、複数のサービスの連携処理自体も1つのサービスとみなされるので、指示書60は、I/F情報61に加えて、フロー62を追加した構成になっている。この指示書60は、XML形式で構成されたものである。
指示書60のI/F情報61は、「サービス種類(Service Class)」、「サービス名(Service Name)」および「サービスアイコン(Service Icon)」を備えている。また、I/F情報61は、「サービス情報ロケーション(Service Information)」、「入力(Input)」、「出力(Output)」、「パラメータ制限ルール(Parameter Restriction Rules)」、「サービスロケーション(Service Location)」および「メソッド名(Method Name)」を備えている。また、I/F情報61は、「起動方法(Invocation Scheme)」および「黙示要素(Implicit Elements)」を備えている。
【0024】
「サービス種類」は、サービス処理装置が提供するサービスの種類(処理内容)である。なお、この「サービス種類」は、予め定義されているものが使用され、例えば、スキャン、プリント、レポジトリ、フロー等が該当する。
「サービス名」は、サービス処理装置が提供するサービスの名前である。
「サービスアイコン」は、クライアント端末としての例えば画像形成装置10のUI装置12に表示するアイコンの位置情報である。
【0025】
「サービス情報ロケーション」は、不図示の指示書生成サーバがI/F情報61を取得するために用いるURLである。
「入力」はサービスへの入力であり、また、「出力」はサービスからの出力である。
「パラメータ制限ルール」は、「入力」に適用される制限ルールである。「サービスロケーション」は、サービスを実際に使用するときの位置情報である。「メソッド名」は、サービス処理の提供手法や、サービスを指し示す名称が記述されている。
【0026】
「起動方法」は、サービス処理を呼び出し起動する方法である。なお、「起動方法」としては、例えばメッセージ交換のプロトコルであるSOAP(Simple Object Access Protocol)等を用いることができる。
「黙示要素」は、出力として明示的に後段の処理に渡されるデータでないが、後段の処理で参照可能なデータである。
【0027】
指示書60のフロー62は、サービス間の連携を記述する要素である。フロー62は、「起動(Invoke)」、「制御構造」や「論理演算」、条件判断をするための「if」等の要素、サービス間の連携を調整するためのXML構造の操作指示、さらに処理対象の文書を特定するための情報を含んでいる。
「起動」は、サービス処理装置の特定のメソッドを表し、サービスの呼び出しを実行する。「起動」の要素として、パラメータの位置情報を示す「マップ」と、呼び出すメソッド名としての「メソッド」を有する。制御構造や論理演算等を示す「if」、「and」、「eq」、「gt」は、連携処理時に条件分岐を行ったり、サービス間で受け渡されるパラメータの調整を実施したりする。
【0028】
このように、指示書60は、サービスの連携処理の制御に関するすべての情報を「フロー」の要素に記述している。これにより、指示書60によって表される連携処理自体も1つのサービスとみなされる。なお、指示書60は、図3に示す構成に限定されるものではなく、各サービスを連携させることができれば良い。
【0029】
〔第1の実施の形態〕
次に、画像処理システムPSでの連携処理の一例として、第1の実施の形態に係る自動翻訳システムについて説明する。
図4は、第1の実施の形態に係る自動翻訳システムに用いられる翻訳サーバ20の構成を説明するブロック図である。
同図に示すように、本実施の形態での翻訳サーバ20は、ある言語で表現された文章の内容を他の言語になおす翻訳装置21と、翻訳が指示された画像を光学的に読み取って文字を特定して文字データを得る処理を行う文字認識処理部22と、翻訳装置21により翻訳された内容を基に翻訳画像を作成する処理を行う画像レイアウト処理部23と、を備えている。すなわち、翻訳サーバ20は、文字認識処理部22により文字データを取得し、翻訳装置21により翻訳結果を取得し、画像レイアウト処理部23により翻訳画像を取得する。
【0030】
また、翻訳サーバ20は、翻訳が指示された画像について、翻訳装置21、文字認識処理部22および画像レイアウト処理部23による処理が完了するまでの時間を予測する予測手段の一例としての処理時間予測部24aを備えている。処理時間予測部24aは、翻訳が指示された画像データから、処理時間を予測する。処理時間予測部24aは、予測した処理時間をサーバ制御部25に通知する。
また、翻訳サーバ20は、処理時間予測部24aにより予測された処理時間の情報を取得し、この処理時間の情報を基に画像形成装置10を節電状態に移行させるか否かを判断する判断手段の一例としての節電状態移行判断部24bを備えている。節電状態移行判断部24bは、処理時間が予め定められた閾値(例えば1分)を超えるか否かで節電状態に移行させるか否かを判断することが考えられる。
節電状態移行判断部24bは、画像形成装置10により受け付けられる指示書60の内容を翻訳サーバ20に送信した後に翻訳サーバ20による処理の終了を待つ画像形成装置10を節電状態に移行させるための移行指示を出力するものである。
なお、本実施の形態では、翻訳サーバ20が節電状態移行判断部24bを備える構成例を採用しているが、画像形成装置10が節電状態移行判断部を備えると共に翻訳サーバ20が節電状態移行判断部24bを備えていない構成例を採用することも考えられる。
【0031】
翻訳サーバ20は、翻訳装置21、文字認識処理部22および画像レイアウト処理部23で行われる各種の処理を制御するサーバ制御部25を備えている。また、翻訳サーバ20は、画像形成装置10の通信制御部16に対応する通信制御部26と、画像形成装置10の指示書解釈部17に対応する指示書解釈部27と、を備えている。また、翻訳サーバ20は、画像形成装置10の格納部18に対応する格納部28と、画像形成装置10の計時部19に対応する計時部29と、を備えている。
計時部29は、予め定められた時間の経過ないし予め定められた時刻の到来を検知すると、それをサーバ制御部25に通知する通知手段の一例である。
【0032】
図5は、第1の実施の形態に係る自動翻訳についての処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートの例では、画像形成装置10のUI装置12ないし通信制御部16は、指示書60による翻訳方法の選択、画像読取パラメータ(スキャンパラメータ)の入力、および翻訳処理後のサービス指定の入力があると、画像読取装置13によって指示書60の画像読み取りを開始する。なお、翻訳方法の選択としては、全翻訳対応またはルビ対応の選択であり、また、翻訳処理後サービス指定の入力としては、画像形成装置10でのプリントまたは画像形成装置10から転送する転送先(例えば端末装置30)のいずれかが入力される。
こうして、画像形成装置10は、指示書60の受け付けを行い(ステップ101)、その後に、画像形成装置10の通信制御部16は、画像読取装置13による読み取り画像を、選択入力の内容が反映された指示書60と共に翻訳サーバ20に送信する(ステップ102)。このようにして、画像形成装置10は、翻訳サーバ20に対して翻訳処理の依頼と画像転送を行う。
なお、画像形成装置10は、翻訳サーバ20への翻訳処理の依頼を行った後(外部に処理を渡した後)には、未だ自動翻訳の実行指示が終了していない状態であるものの、翻訳サーバ20からの翻訳画像を受信するまでの間、自動翻訳について行うべき処理はない。したがって、画像形成装置10は、後述するように、自動翻訳について行うべき処理が発生するまでの間、節電状態へ移行することで装置本体の消費電力を低減することが可能である。
【0033】
翻訳サーバ20では、通信制御部26が画像形成装置10からのデータ送信を受信すると(ステップ103)、指示書解釈部27が指示書60の内容を解釈する。指示書解釈部27は、指示書60の内容が翻訳指示であると判断すると、サーバ制御部25にそれを通知する。
【0034】
ここで、サーバ制御部25は、受信したデータの送付と共に処理時間予測部24aに処理時間の予測を指示する。処理時間予測部24aは、そのデータを基にして、依頼のあった画像の翻訳画像を画像形成装置10に送信するまでの処理時間を予測する(ステップ104)。処理時間予測部24aは、予測した処理時間(予測結果)の情報を節電状態移行判断部24bに送る。
そして、節電状態移行判断部24bは、予測した処理時間の情報を基に、画像形成装置10を節電状態に移行させるか否かを判断する。より具体的に説明すると、節電状態移行判断部24bは、予測した処理時間が予め定められた値(閾値)よりも大きい場合には節電状態に移行させると判断し、それ以外の場合には節電状態に移行させないと判断する。
【0035】
節電状態移行判断部24bが節電状態に移行させると判断すると、処理時間予測部24aにより予測された処理時間の情報をサーバ制御部25に送る。そして、サーバ制御部25は、通信制御部26を介して、画像形成装置10に処理時間を通知する(ステップ105)。
なお、節電状態移行判断部24bが節電状態に移行させないと判断すると、通信制御部26を介する画像形成装置10への処理時間の通知(ステップ105参照)を行うことなく、ステップ108に進む。したがって、この場合には、画像形成装置10は、後述する節電状態への移行(ステップ107参照)を行わず、また、後述する処理時間時刻の到来の判断(ステップ112参照)や、後述する節電状態からの復帰(ステップ113参照)を行わない。
【0036】
画像形成装置10の通信制御部16は、翻訳サーバ20から処理時間の通知を受けると、装置制御部15は、対象となる指示書ジョブを、節電移行禁止条件となる実行中ジョブリストから除外する処理を行う。これにより、画像形成装置10は、ジョブ処理中であっても装置本体が節電移行可能になる。
そして、装置制御部15は、通知された翻訳サーバ20から処理時間を用いて、翻訳サーバ20での処理完了時刻を算出する(ステップ106)。装置制御部15は、算出した処理完了時刻の情報を計時部19に送った後に、装置本体を節電状態に移行させる処理を行う(ステップ107)。
【0037】
その一方で、翻訳サーバ20では、文字認識処理部22が、画像形成装置10から翻訳の指示のあった画像について文字認識処理を行う(ステップ108)。そして、翻訳装置21は、文字認識処理された内容について翻訳処理を行い(ステップ109)、画像レイアウト処理部23は、翻訳処理された内容について画像レイアウト処理を行う(ステップ110)。
サーバ制御部25は、画像レイアウト処理された内容を、翻訳画像として通信制御部26を介して画像形成装置10に送信する(ステップ111)。
【0038】
装置本体が節電状態に移行している画像形成装置10では、計時部19は、処理完了時間が到来したか否かを判定し(ステップ112)、到来したと判定すると(ステップ112でYes)、装置制御部15に通知する。
装置制御部15は、計時部19から処理完了時間が到来したとの通知を受けると、装置本体を節電状態から復帰させる処理を行う(ステップ113)。そして、画像形成装置10は、節電状態から復帰した後に、翻訳サーバ20から翻訳画像を受信する(ステップ114)。画像形成装置10の通信制御部16が翻訳画像を受信すると、装置制御部15は、印刷装置11に翻訳画像についての印刷を行う(ステップ115)。
なお、本実施の形態では、翻訳画像が画像形成装置10により印刷されているが、翻訳画像が画像形成装置10により端末装置30(図1参照)に転送される制御も考えられる。
【0039】
本実施の形態では、上述したように、画像形成装置10は、自動翻訳の指示を翻訳サーバ20に渡して翻訳サーバ20からの翻訳結果の受信を待っている状態で、節電状態に移行し、消費電力の低減を図っている。
そして、画像形成装置10の計時部19は、予め定められた処理完了時刻の到来について監視し、到来したと判定すると、装置制御部15は、画像形成装置10の装置本体を節電状態から復帰させている。こうして、画像形成装置10は、翻訳サーバ20から翻訳画像が送信される前に節電状態から復帰しておくことで、翻訳画像の速やかな受信に対応し、その後の処理を迅速に行っている。
【0040】
〔第2の実施の形態〕
図6は、第2の実施の形態に係る自動翻訳についての処理手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの例では、第1の実施の形態の場合(図5参照)と共通する処理を行っている。すなわち、図6に示すフローチャートのステップ201〜204、206〜209、212〜215の各々は、図5のステップ101〜104、107〜111、113〜115に相当する。したがって、これらのステップの処理内容については説明を省略することがある。以下、図6に示すステップ205,210,211について主に説明する。
【0041】
翻訳サーバ20にて、処理時間予測部24aが処理時間を予測した後には(ステップ204)、処理時間予測部24aは、予測した処理時間(予測結果)の情報を節電状態移行判断部24bに送る。そして、節電状態移行判断部24bは、予測した処理時間の情報を基に、画像形成装置10を節電状態に移行させるか否かを判断する。その判断の仕方は、上述した第1の実施の形態の場合と同じものを採用することができる。そして、節電状態移行判断部24bが画像形成装置10を節電状態に移行させると判断すると、サーバ制御部25は、通信制御部26を介して画像形成装置10に節電状態への移行を指示する(ステップ205)。
付言すると、翻訳サーバ20は、画像形成装置10に対して、対象となるジョブのステイタスを「待ち状態」に遷移させ、節電状態への移行指示を行う。なお、画像形成装置10が他のジョブを実行しているときには、画像形成装置10では節電予約として取り扱われる。
【0042】
また、翻訳サーバ20にて、サーバ制御部25は、文字認識処理、翻訳処理および画像レイアウト処理について、翻訳が指示された内容の処理済み割合を監視している。すなわち、サーバ制御部25は、処理の95%程度の処理を完了したか否かを判断する(ステップ210)。そして、処理の95%程度の処理を完了したと判断すると(ステップ210でYes)、サーバ制御部25は、通信制御部26を介して画像形成装置10に節電状態からの復帰の指示すなわち節電解除指示を行う(ステップ211)。このように、本実施の形態では、指示書60の内容に対応する処理が翻訳サーバ20にて行われている場合にその処理が終了する前に、画像形成装置10を節電状態から復帰させる復帰指示を行っている。
なお、ステップ210での判断を行う際に、予測した処理時間の情報を用いることが考えられる。すなわち、予測した処理時間を計時部29に計時させ、処理時間になったらステップ210の判断を行うようにする制御も考えられる。
このように、本実施の形態では、画像形成装置10を節電状態から復帰させる条件を、画像形成装置10ではなく、翻訳サーバ20にて判定している。
【0043】
〔第3の実施の形態〕
次に、画像処理システムPSでの連携処理の一例として、第3の実施の形態に係るファクシミリ確認送信システムについて説明する。
図7は、第3の実施の形態に係るファクシミリ確認送信システムに用いられるファクシミリ送信管理サーバ40の構成を説明するブロック図である。
同図に示すように、本実施の形態でのファクシミリ送信管理サーバ40は、サーバ全体を制御するサーバ制御部45を備えている。また、ファクシミリ送信管理サーバ40は、翻訳サーバ20の節電状態移行判断部24bに対応する移行指示出力手段の一例としての節電状態移行判断部44bを備えている。
また、ファクシミリ送信管理サーバ40は、画像形成装置10の通信制御部16に対応する通信制御部46と、画像形成装置10の指示書解釈部17に対応する指示書解釈部47と、を備えている。また、ファクシミリ送信管理サーバ40は、画像形成装置10の格納部18に対応する格納部48と、画像形成装置10の計時部19に対応する計時部49と、を備えている。
【0044】
図8は、第3の実施の形態に係るファクシミリ確認送信についての処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートの例では、画像形成装置10のUI装置12ないし通信制御部16は、指示書60によるファクシミリ送信画面により宛先入力、必要パラメータ入力を行って、画像読取装置13によって指示書60の画像読み取りを開始する。こうして、画像形成装置10は、指示書60の受け付けを行い(ステップ301)、その後に、画像形成装置10の通信制御部16は、画像読取装置13による読み取り画像を、宛先情報などを含む指示書60と共にファクシミリ送信管理サーバ40に送信する(ステップ302)。
【0045】
ファクシミリ送信管理サーバ40では、通信制御部46が画像形成装置10からのデータ送信を受信すると(ステップ303)、指示書解釈部47が指示書60の内容を解釈する。指示書解釈部47は、指示書60の内容がファクシミリ送信指示であると判断すると、サーバ制御部45にそれを通知する。
サーバ制御部45は、画像形成装置10から送信された画像および宛先等の情報を,格納部48に格納する。これによって、ファクシミリ送信管理サーバ40での登録が行われる(ステップ304)。その後に、サーバ制御部45は、登録された内容のファクシミリ送信についての承認を、通信制御部46を介して端末装置50に依頼する(ステップ305)。
【0046】
端末装置50は、ファクシミリ送信について承認する権限を有する承認者が使用するものであり、ファクシミリ送信管理サーバ40からの承認依頼があれば、その承認依頼を受け付ける(ステップ306)。付言すると、端末装置50は、登録された内容のファクシミリ送信に関する情報が不図示の表示装置に表示する。承認者は、その表示内容を確認し、不図示の入力装置を用いてファクシミリ送信の承認を行う。このような処理手順によって、送信先が誤っている等のファクシミリ誤送信を防止している。
しかしながら、承認者が離席しているときには、端末装置50による承認作業が行われない。端末装置50は、承認が速やかに行われない情報である承認者離席情報(承認者不在情報)を取得すると、その承認者離席情報をファクシミリ送信管理サーバ40に送信する(ステップ307)。
なお、承認者が端末装置50の不図示の入力装置を用いて離席することを知らせる操作を行うことによって、端末装置50が承認者離席情報を事前に取得する例が考えられる。他の例も考えられる。すなわち、端末装置50は、承認依頼を受け付けたときに(ステップ306参照)、承認者による端末装置50の使用状況を示す情報を取得し、その情報に基づいて、承認者が端末装置50をしばらく操作していないことが判明したときに承認者が離席していると判定し、承認者離席情報を取得する例である。
【0047】
ファクシミリ送信管理サーバ40の通信制御部46が、端末装置50により送信された承認者離席情報(ステップ307参照)を受信すると、節電状態移行判断部44bは、画像形成装置10を節電状態に移行させると判断し、通信制御部46を介して画像形成装置10に対する節電状態移行の指示を行う(ステップ308)。より具体的には、ファクシミリ送信管理サーバ40は、画像形成装置10に対してジョブのステイタスを「待ち状態」に遷移させる指示を行う。
画像形成装置10は、ファクシミリ送信管理サーバ40からの節電状態移行の指示(ステップ308参照)を通信制御部16を介して受け付けると、装置制御部15は、節電状態に移行する制御を行う(ステップ309)。これにより、ファクシミリ送信管理サーバ40からのファクシミリ送信許可が通知されるまでの間、画像形成装置10の消費電力が低減される。
【0048】
その後、承認者が不図示の入力装置を操作する等によって承認者着席情報を取得すると(ステップ310)、端末装置50は、不図示の表示装置に承認依頼内容を表示する(ステップ311)。ここにいう承認依頼内容としては、ファクシミリ送信する画像および宛先を示す情報等である。承認者は、そのような承認依頼内容を確認し、ファクシミリ送信を許可するという承認の操作を行う。
そして、端末装置50は、承認者によるファクシミリ送信の許可を受け付けると(ステップ312)、その許可をファクシミリ送信管理サーバ40に送信する(ステップ313)。
ファクシミリ送信管理サーバ40は、通信制御部46を介してファクシミリ送信の許可を受けると、サーバ制御部45は、通信制御部46を介して画像形成装置10に対する節電状態からの復帰指示を行い(ステップ314)、その後に、通信制御部46を介して画像形成装置10にファクシミリ送信許可の通知を行う(ステップ315)。
【0049】
ここで、本実施の形態での承認者離席情報および承認者着席情報は、承認者による承認が行われる時間帯としての承認処理期間が予め定められている場合には、承認処理期間外であることを示す情報を承認者離席情報として扱うことができ、承認処理期間内であることを示す情報を承認者着席情報として扱うことができる。
また、ここにいう承認者着席情報を、承認対応可能情報ということができる。
【0050】
そのような承認処理期間が予め定められているときには、他の種々の処理手順が考えられる。その一例を説明すると、次のとおりである。すなわち、ファクシミリ送信管理サーバ40は承認処理期間の情報を予め取得し、格納部48に格納しておく。そして、ファクシミリ送信管理サーバ40のサーバ制御部45が登録(ステップ304参照)を行った後に、節電状態移行判断部44bは、格納部48に格納されている承認処理期間の情報を読み出し、承認処理期間内であるかどうかを判定する。
節電状態移行判断部44bは、承認処理期間内であると判定すると、端末装置50に承認依頼を行う(ステップ305参照)。
また、節電状態移行判断部44bは、承認処理期間外(承認処理期間以外の期間)であると判定すると、節電状態に移行すると判断して、画像形成装置10に対して節電状態移行の指示を行う(ステップ308参照)。付言すると、節電状態移行判断部44bが承認処理期間外であると判定すると、ファクシミリ送信管理サーバ40は、承認処理期間内になるまで端末装置50への承認依頼(ステップ305参照)を待つことになる。すなわち、ファクシミリ送信管理サーバ40は、承認処理期間内になると、端末装置50への承認依頼(ステップ305参照)を行うと共に、画像形成装置10への節電状態からの復帰の指示(ステップ314参照)を行う。
【0051】
図8に戻って説明を続ける。
画像形成装置10は、ファクシミリ送信管理サーバ40からの節電状態からの復帰指示を通信制御部16を介して受け付けると、装置制御部15は、節電状態から復帰させる制御を行う(ステップ316)。これにより、画像形成装置10は、その後の処理を速やかに実行することが可能になる。
そして、画像形成装置10の装置制御部15は、ファクシミリ送信管理サーバ40からのファクシミリ送信許可の通知を通信制御部16を介して受領すると(ステップ317)、ファクシミリ送受信装置14にファクシミリ送信を指示する。これにより、ファクシミリ送受信装置14は、ファクシミリ送信を実行する(ステップ318)。
【符号の説明】
【0052】
10…画像形成装置、15…装置制御部、17,27,47…指示書解釈部、19,29,49…計時部、20…翻訳サーバ、24a…処理時間予測部、24b,44b…節電状態移行判断部、25,45…サーバ制御部、30,50…端末装置、40…ファクシミリ送信管理サーバ、60…指示書、NW…通信網、PS…画像処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部との通信が可能な処理装置と、
処理実行指示を受け付けると共に前記処理装置と通信可能に構成され、当該処理実行指示に対応する処理を当該処理装置と連携して実行する画像形成装置と、
前記画像形成装置により受け付けられる前記処理実行指示を前記処理装置に送信した後に当該処理実行指示に対応する当該処理装置による処理の終了を待つ当該画像形成装置の装置本体を、電力消費がより少ない状態である省電力状態に移行させるための移行指示を出力する移行指示出力手段と、
を含む画像処理システム。
【請求項2】
前記処理装置による前記処理実行指示に対応する処理が終了するまでの処理時間を予測する予測手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記予測手段により予測される前記処理時間を取得すると当該処理時間を基に前記装置本体を省電力状態にするか否かを判断する判断手段をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記処理装置は、前記予測手段により予測される前記処理時間が経過する前に、前記移行指示出力手段により出力される前記移行指示によって前記省電力状態にある前記装置本体を当該省電力状態から復帰させる復帰指示を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記処理装置は、前記処理実行指示に対応する処理が行われている場合に当該処理が終了する前に、前記移行指示出力手段により出力される前記移行指示によって前記省電力状態にある前記装置本体を当該省電力状態から復帰させる復帰指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記処理装置は、前記移行指示出力手段を備え、
前記処理装置は、前記処理実行指示に対応する処理を実行する期間である処理実行期間以外の期間であるときに、前記画像形成装置への前記移行指示の出力を前記移行指示出力手段に行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項7】
画像を形成する画像形成手段と、
処理装置と通信するための通信手段と、
前記処理装置による処理の実行を含む処理実行指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられる前記処理実行指示を前記処理装置に送信した後に当該処理実行指示に対応する処理の終了を待っているときに装置本体を、電力消費がより少ない状態である省電力状態に移行させる移行手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項8】
前記受付手段により受け付けられる前記処理実行指示に対応する前記処理装置の処理が終了するまでの処理時間の情報を取得すると、当該処理時間の情報を基に前記装置本体を省電力状態にするか否かを判断する判断手段をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記受付手段により受け付けられる前記処理実行指示に対応する前記処理装置の処理が終了するまでの処理時間の情報を取得すると、当該処理時間が経過するまでの間、前記装置本体を省電力状態にすることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−267116(P2010−267116A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118575(P2009−118575)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】