説明

画像処理システム及びプログラム

【課題】利用者が指定しなくても、原稿画像に含まれる複数の選択肢画像の各々に対応する選択肢領域を設定できるようにすること。
【解決手段】基準アンケート画像取得部(21)は、複数の選択肢画像を含む基準アンケート画像を取得する。アンケート画像取得部(23)は、上記複数の選択肢画像と、追記画像と、を含む複数のアンケート画像を取得する。追記領域特定部(25)は、アンケート画像ごとに、当該アンケート画像と基準アンケート画像との比較結果に基づいて、追記画像を含む追記領域を特定する。選択肢領域設定部(27)は、アンケート画像ごとに特定された追記領域の座標情報に基づいて、各選択肢画像に対応する選択肢領域を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記、特許文献1には、マークシート形式のアンケートを集計する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−256610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、利用者が指定しなくても、原稿画像に含まれる複数の選択肢画像の各々に対応する選択肢領域を設定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、複数の選択肢画像を含む基準原稿画像を取得する基準原稿画像取得手段と、前記複数の選択肢画像と、前記複数の選択肢画像に対応する追記画像と、を含む複数種の原稿画像を取得する原稿画像取得手段と、前記原稿画像ごとに、当該原稿画像と前記基準原稿画像との比較結果に基づいて、前記追記画像を含む追記領域を特定する追記領域特定手段と、前記追記領域特定手段が前記原稿画像ごとに特定した追記領域の座標情報に基づいて、前記複数の選択肢画像の各々に対応する選択肢領域を設定する設定手段と、を含む画像処理システムである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記設定手段により設定された選択肢領域ごとに、当該選択肢領域と予め定められた位置関係を有する追記領域の数を計数する計数手段、をさらに含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記基準原稿画像取得手段は、前記複数の原稿画像の平均画像を生成することによって、前記平均画像を前記基準原稿画像として取得することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するための請求項4の発明は、複数の選択肢画像を含む基準原稿画像を取得する基準原稿画像取得手段、前記複数の選択肢画像と、前記複数の選択肢画像に対応する追記画像と、を含む複数種の原稿画像を取得する原稿画像取得手段、前記原稿画像ごとに、当該原稿画像と前記基準原稿画像との比較結果に基づいて、前記追記画像を含む追記領域を特定する追記領域特定手段、前記追記領域特定手段が前記原稿画像ごとに特定した追記領域の座標情報に基づいて、前記複数の選択肢画像の各々に対応する選択肢領域を設定する設定手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、請求項4の発明によれば、利用者が指定しなくても、原稿画像に含まれる複数の選択肢画像の各々に対応する選択肢領域を設定できるようになる。
【0010】
請求項2の発明によれば、利用者が各選択肢領域を指定しておかなくても、各選択肢が選択された回数を計数することができるようになる。
【0011】
請求項3の発明によれば、複数の原稿画像から基準原稿画像を生成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る画像処理システムの構成の例を示す図である。
【図2】配布予定のアンケート用紙を例示する図である。
【図3】画像処理システムで実現される機能群を例示する機能ブロック図である。
【図4】基準アンケート画像を例示する図である。
【図5A】アンケート画像を例示する図である。
【図5B】アンケート画像を例示する図である。
【図6】選択肢領域について説明するための図である。
【図7A】アンケート画像と基準アンケート画像との差分画像の二値画像の例を示す図である。
【図7B】アンケート画像と基準アンケート画像との差分画像の二値画像の例を示す図である。
【図7C】アンケート画像と基準アンケート画像との差分画像の二値画像の例を示す図である。
【図8】候補領域の設定方法を説明するための図である。
【図9】ハードディスクに記憶される情報を例示する図である。
【図10】選択肢領域ごとの計数結果を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
[画像処理システム]
図1は、本発明に係る画像処理システム1の構成の例を示す図である。本実施形態の場合、画像処理システム1は、制御部4と、主記憶6と、ハードディスク8と、操作入力部10と、画像読取部12と、を備える画像処理装置2として実現される。
【0015】
[画像処理装置]
制御部4は、例えばマイクロプロセッサであり、主記憶6に記憶されるプログラムに従って情報処理を実行する。
【0016】
主記憶6は、例えばRAMである。主記憶6には上記プログラムが格納される。このプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD(登録商標)−ROM、磁気テープ、ハードディスク、MO、MD、ICカード等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体から読み出されて主記憶6に格納されてもよいし、インターネットなどの通信ネットワーク等の通信網から供給されて主記憶6に格納されてもよい。
【0017】
また、主記憶6には情報処理の過程で必要となる各種データも格納される。
【0018】
ハードディスク8は、補助記憶装置として用いられる記憶媒体であり、各種情報が格納される。ハードディスク8の記憶内容については後述する。
【0019】
操作入力部10は、ユーザが操作入力を行うためのインタフェースであり、ユーザの操作内容を示す信号を制御部4に出力する。
【0020】
画像読取部12は、例えば、自動原稿送り装置を備えたスキャナである。画像読取部12は、自動原稿送り装置から搬送される原稿の表面をスキャンし、原稿の表面の像を示す画像を、制御部4に出力する。なお、本実施形態の場合、アンケート用紙(後述する図2参照)が原稿として用いられる。
【0021】
なお、画像処理装置2は、制御部4から出力される情報を表示するディスプレイ(不図示)、及び画像処理装置2をネットワークに接続するためのネットワークインタフェース(不図示)なども備えている。
【0022】
[画像処理装置の利用形態]
この画像処理装置2は、セミナーを開催する開催者によりアンケート集計のために用いられる。開催者は、セミナーを開催する前に、当該セミナーの出席者に配布する予定のアンケート用紙の画像を登録する。具体的には、開催者は、登録指示操作を行って、配布予定のアンケート用紙を画像処理装置2にスキャンさせる。その結果として、配布予定のアンケート用紙の画像が基準アンケート画像としてハードディスク8に格納される。
【0023】
図2は、配布予定のアンケート用紙を例示する図である。同図に示すように、アンケート用紙には、複数の設問パート14が設けられている。具体的には、アンケート用紙には、設問パート14A,14B,14C,14Dが設けられている。
【0024】
設問パート14Aには、セミナーの受講日に関する設問が記載されている。また、設問パート14Aには、セミナー受講日に関する選択肢が記載されている。「9」及び「10」のそれぞれが選択肢に相当する。出席者は、自身のセミナー受講日を示す選択肢を選択する。具体的には、出席者は、自身のセミナー受講日を示す選択肢の付近に選択マークを記入する。
【0025】
設問パート14Bには、出席者の性別に関する設問が記載されている。また、設問パート14Bには、出席者の性別に関する選択肢が記載されている。「男」及び「女」のそれぞれが選択肢に相当する。出席者は、自身の性別を示す選択肢を選択する。具体的には、出席者は、自身の性別を示す選択肢の付近に選択マークを記入する。
【0026】
設問パート14Cには、セミナーの受講目的に関する設問が記載されている。また、設問パート14Cには、セミナーの受講目的に関する選択肢が記載されている。各チェックボックス16が選択肢に相当する。上から一番目のチェックボックス16は、「目的1」を選択するためのチェックボックスであり、上から二番目のチェックボックス16は、「目的2」を選択するためのチェックボックスであり、上から三番目のチェックボックス16は、「その他」を選択するためのチェックボックスである。出席者は、自身の受講目的に対応するチェックボックス16を選択する。具体的には、出席者は、自身の受講目的に対応するチェックボックス16の付近に選択マークを記入する。
【0027】
設問パート14Dには、セミナーの満足度に関する設問が記載されている。また、設問パート14Dには、セミナーの満足度に関する選択肢が記載されている。「大変満足」、「満足」、及び「不満」のそれぞれが選択肢に相当する。出席者は、自身の満足度を示す選択肢を選択する。具体的には、出席者は、自身の満足度を示す選択肢の付近に選択マークを記入する。
【0028】
図2に示すアンケート用紙は、セミナーの開催時にセミナーの出席者に配布される。各出席者は、アンケート用紙に記入を行う。
【0029】
セミナーの終了後、開催者は、アンケート用紙を回収する。そして、開催者は、アンケート集計のための作業を行う。すなわち、開催者は、集計指示操作を行って、記入済みのアンケート用紙の各々を画像処理装置2にスキャンさせる。画像処理装置2では、画像読取部12によって読み取られた各アンケート用紙の画像に基づいて制御部4によりアンケート集計に関する処理が行われ、集計結果がディスプレイに出力される。
【0030】
[機能ブロック]
図3は、画像処理システム1で実現される機能群を例示する機能ブロック図である。図3に示す機能群は、制御部4が上記プログラムに従って動作することによって実現される。
【0031】
[基準アンケート画像取得部]
基準アンケート画像取得部21は、複数の選択肢画像を含む基準アンケート画像を取得する。本実施形態の場合、基準アンケート画像取得部21は、ハードディスク8から基準アンケート画像を読み出して取得する。
【0032】
図4は、基準アンケート画像を例示する図である。同図に示すように、設問パート14Aには、複数の選択肢画像18Aが含まれる。具体的には、設問パート14Aには、選択肢「9」を表す選択肢画像18Aと、選択肢「10」を表す選択肢画像18Aと、が含まれる。
【0033】
また、設問パート14Bには、複数の選択肢画像18Bが含まれる。具体的には、設問パート14Bには、選択肢「男」を表す選択肢画像18Bと、選択肢「女」を表す選択肢画像18Bと、が含まれる。
【0034】
また、設問パート14Cには、複数の選択肢画像18Cが含まれる。具体的には、設問パート14Cには、上から一番目のチェックボックス16を表す選択肢画像18Cと、上から二番目のチェックボックス16を表す選択肢画像18Cと、上から三番目のチェックボックス16を表す選択肢画像18Cと、が含まれる。
【0035】
また、設問パート14Dには、複数の選択肢画像18Dが含まれる。具体的には、設問パート14Dには、選択肢「大変満足」を表す選択肢画像18Dと、選択肢「満足」を表す選択肢画像18Dと、選択肢「不満」を表す選択肢画像18Dと、が含まれる。
【0036】
なお、基準アンケート画像には、X座標軸と、Y座標軸と、が設定されている。X座標値と、Y座標値と、により位置が特定される。
【0037】
以下、選択肢画像18A,18B,18C,18Dを総称して、「選択肢画像18」と記載する場合がある。
【0038】
[アンケート画像取得部]
アンケート画像取得部23は、複数の選択肢画像と、当該複数の選択肢画像に対応する追記画像と、を含む複数種のアンケート画像を取得する。本実施形態の場合、アンケート画像取得部23は、画像読取部12から、記入済みのアンケート用紙の各々の画像を取得する。記入済みのアンケート用紙の画像の一つ一つが、アンケート画像に相当する。
【0039】
図5A及び図5Bのぞれぞれは、アンケート画像取得部23によって取得されたアンケート画像を例示する図である。例えば、図5Aは、出席者Aから回収されたアンケート用紙の画像であり、図5Bは、出席者Bから回収されたアンケート用紙の画像である。アンケート画像にも、X座標軸と、Y座標軸と、が設定されており、X座標値と、Y座標値と、により位置が特定されるようになっている。
【0040】
図5A及び図5Bに示すように、設問パート14Aには、複数の選択肢画像18Aが含まれる。また、設問パート14Aには、選択マークを表す追記画像20Aも含まれる。図5Aでは、選択肢「9」を表す選択肢画像18A付近に追記画像20Aが位置し、図5Bでは、選択肢「10」を表す選択肢画像18A付近に追記画像20Aが位置している。
【0041】
また、設問パート14Bには、複数の選択肢画像18Bが含まれる。また、設問パート14Bには、選択マークを表す追記画像20Bも含まれる。図5Aでは、選択肢「女」を表す選択肢画像18B付近に追記画像20Bが位置し、図5Bでは、選択肢「男」を表す選択肢画像18B付近に追記画像20Bが位置している。
【0042】
また、設問パート14Cには、複数の選択肢画像18Cが含まれる。また、設問パート14Cには、選択マークを表す追記画像20Cも含まれる。図5Aでは、上から三番目のチェックボックス16を表す選択肢画像18C付近に追記画像20Cが位置し、図5Bでは、上から二番目のチェックボックス16を表す選択肢画像18C付近に追記画像20Cが位置している。
【0043】
また、設問パート14Dには、複数の選択肢画像18Dが含まれる。また、設問パート14Dには、選択マークを表す追記画像20Dも含まれる。図5Aでは、選択肢「大変満足」を表す選択肢画像18D付近に追記画像20Dが位置し、図5Bでは、選択肢「満足」を表す選択肢画像18D付近に追記画像20Dが位置している。
【0044】
以下、追記画像20A,20B,20C,20Dを総称して、「追記画像20」と記載する場合がある。
【0045】
こうして取得された、基準アンケート画像と複数のアンケート画像と、に基づき、追記領域特定部25及び選択肢領域設定部27のそれぞれの機能によって、複数の選択肢画像18Aの各々に対応する選択肢領域が設定される。より詳しくは、各選択肢領域の座標範囲が設定される。
【0046】
また、複数の選択肢画像18Bの各々に対応する選択肢領域も設定される。また、複数の選択肢画像18Cの各々に対応する選択肢領域も設定される。また、複数の選択肢画像18Dの各々に対応する選択肢領域も設定される。
【0047】
図6は、選択肢領域について説明するための図である。点線で囲まれる選択肢領域30Aの各々は、一の選択肢画像18A(図4、図5A、及び図5B参照)に対応している。具体的には、左側の選択肢領域30Aは、選択肢「9」を表す選択肢画像18Aに対応し、右側の選択肢領域30Aは、選択肢「10」を表す選択肢画像18Aに対応している。
【0048】
なお、同図では、左側の選択肢領域30AのX軸方向の座標範囲は、「X1」以上「X2」以下であり、Y軸方向の座標範囲は、「Y1」以上「Y2」以下となっている。一方、右側の選択肢領域30AのX軸方向の座標範囲は、「X5」以上「X6」以下であり、Y軸方向の座標範囲は、「Y1」以上「Y2」以下となっている。
【0049】
また、点線で囲まれる選択肢領域30Bの各々は、一の選択肢画像18B(図4、図5A、及び図5B参照)に対応している。具体的には、左側の選択肢領域30Bは、選択肢「男」を表す選択肢画像18Bに対応し、右側の選択肢領域30Bは、選択肢「女」を表す選択肢画像18Bに対応している。
【0050】
また、点線で囲まれる選択肢領域30Cの各々は、一の選択肢画像18C(図4、図5A、及び図5B参照)に対応している。具体的には、上から一番目の選択肢領域30Cは、上から一番目の選択肢画像18Cに対応し、上から二番目の選択肢領域30Cは、上から二番目の選択肢画像18Cに対応し、上から三番目の選択肢領域30Cは、上から三番目の選択肢画像18Cに対応している。
【0051】
また、点線で囲まれる選択肢領域30Dの各々は、一の選択肢画像18D(図4、図5A、及び図5B参照)に対応している。具体的には、左から一番目の選択肢領域30Dは、選択肢「大変満足」を表す選択肢画像18Dに対応し、左から二番目の選択肢領域30Dは、選択肢「満足」を表す選択肢画像18Dに対応し、左から三番目の選択肢領域30Dは、選択肢「不満」を表す選択肢画像18Dに対応している。
【0052】
以下、選択肢領域30A,30B,30C,30Dを総称して、「選択肢領域30」と記載する場合がある。
【0053】
以下、追記領域特定部25の機能について説明した後、選択肢領域設定部27の機能について説明する。
【0054】
[追記領域特定部]
追記領域特定部25は、アンケート画像ごとに、当該アンケート画像と基準アンケート画像と、の比較結果に基づいて、追記画像20Aを含む追記領域を特定する。また、追記領域特定部25は、アンケート画像ごとに、追記画像20Bを含む追記領域も特定する。また、追記領域特定部25は、アンケート画像ごとに、追記画像20Cを含む追記領域も特定する。また、追記領域特定部25は、アンケート画像ごとに、追記画像20Dを含む追記領域も特定する。つまり、追記領域特定部25は、アンケート画像ごとに、追記画像20Aを含む追記領域、追記画像20Bを含む追記領域、追記画像20Cを含む追記領域、及び追記画像20Dを含む追記領域、からなる4つの追記領域を特定する。
【0055】
具体的には、比較部25Aが、アンケート画像ごとに、当該アンケート画像と基準アンケート画像とを比較する。すなわち、比較部25Aは、アンケート画像ごとに、当該アンケート画像と基準アンケート画像と、の差分画像を生成する。本実施形態の場合、比較部25Aは、最初のアンケート画像から順番に、基準アンケート画像との差分画像を生成する。
【0056】
そして、特定部25Bが、差分画像が生成されるごとに、当該差分画像に基づいて、追記領域を特定し、当該追記領域の座標範囲をハードディスク8に記憶する。ここでは、追記画像20に外接する矩形形状の領域が追記領域として特定される。
【0057】
図7Aは、第1のアンケート画像と基準アンケート画像との差分画像の二値画像の例を示し、図7Bは、第2のアンケート画像と基準アンケート画像との差分画像の二値画像の例を示し、図7Cは、第3のアンケート画像と基準アンケート画像との差分画像の二値画像の例を示す。ここでは、設問パート14Aを含む部分が示されている。
【0058】
特定部25Bは、二値画像を解析することによって有意な画素の画素塊40を特定し、特定した画素塊に外接する矩形領域を追記領域42として特定する。点線で示される領域が追記領域42を示している。より詳しくは、点線で示される領域は、追記画像20A(図5A及び図5B参照)を含む追記領域42を示している。図7Aでは、X軸方向の座標範囲が「X1」以上「X3」以下であり、且つ、Y軸方向の座標範囲が「Y1」以上「Y2」以下である領域が追記領域42として特定されている。図7Bでは、X軸方向の座標範囲が「X4」以上「X2」以下であり、且つ、Y軸方向の座標範囲が「Y1」以上「Y2」以下である領域が追記領域42として特定されている。図7Cでは、X軸方向の座標範囲が「X5」以上「X6」以下であり、且つ、Y軸方向の座標範囲が「Y1」以上「Y2」以下である領域が追記領域42として特定されている。
【0059】
[選択肢領域設定部]
こうして、アンケート画像ごとに追記領域42が特定されると、選択肢領域設定部27が、アンケート画像ごとに特定された追記領域42の座標範囲に基づいて、各選択肢画像18Aに対応する上記選択肢領域30Aを設定する。また、選択肢領域設定部27は、各選択肢画像18Bに対応する上記選択肢領域30Bを設定する。また、選択肢領域設定部27は、各選択肢画像18Cに対応する上記選択肢領域30Cを設定する。また、選択肢領域設定部27は、各選択肢画像18Dに対応する上記選択肢領域30Dを設定する。
【0060】
以下、選択肢領域設定部27の機能について詳細に説明する。
【0061】
すなわち、選択肢領域設定部27は、まず、各選択肢領域30の候補となる候補領域の座標範囲を設定する。具体的には、選択肢領域設定部27は、各追記領域42をグループ分けする。その結果、一の追記領域42からなる単独グループと、複数の追記領域42からなる共同グループと、が生成される。なお、選択肢領域設定部27は、共同グループに含まれる追記領域42が当該共同グループに含まれる他のいずれかの追記領域42と少なくとも一部が抵触するように、グループ分けを行う。
【0062】
そして、選択肢領域設定部27は、グループ分けの結果に基づいて、各選択肢領域30の候補領域を設定する。こうして、選択肢領域設定部27は、一のグループから一の候補領域を設定する。すなわち、選択肢領域設定部27は、一の単独グループに含まれる追記領域42自身を一の候補領域として設定する。また、選択肢領域設定部27は、一の共同グループに含まれる追記領域42が統合された領域を一の候補領域として設定する。
【0063】
図8は、候補領域の設定方法を説明するための図である。ここでは、図7A〜図7Cの各々で示される追記領域42が特定された場合を例に取り上げる。この場合、図8の上の図で示されるように、図7Aで示される追記領域42と、図7Bで示される追記領域42と、からなる共同グループが生成される。また、図7Cで示される追記領域42のみからなる単独グループが生成される。
【0064】
そして、図8の下の図で示されるように、共同グループから一の候補領域60が設定され、単独グループから一の候補領域60が設定される。具体的には、図7Cで示される追記領域42自身が一の候補領域60(右側の候補領域60)として設定される。また、図7Aで示される追記領域42と、図7Bで示される追記領域42と、が統合された領域が一の候補領域60(左側の候補領域60)として設定される。
【0065】
なお、図8に示すように、左側の候補領域60は、X軸方向の座標範囲が「X1」以上「X2」以下であり、且つ、Y軸方向の座標範囲が「Y1」以上「Y2」以下となっている。
【0066】
こうして各候補領域60を設定すると、選択肢領域設定部27は、各候補領域60に基づいて、各選択肢領域30を設定する。また、選択肢領域設定部27は、各選択肢領域30の座標範囲をハードディスク8に記憶する。
【0067】
例えば、選択肢領域設定部27は、ハードディスク8から、予め記憶されている記号列リストを読み出す。記号列リストには、少なくとも一つの記号又は文字からなる記号列が複数格納されている。ここでは、記号列リストには、記号列「9」と、記号列「10」と、記号列「男」と、記号列「女」と、記号列「□」と、記号列「大変満足」と、記号列「満足」と、記号列「不満」と、が格納されている。
【0068】
そして、選択肢領域設定部27は、OCR処理、パターンマッチング処理、又は投影処理を行いながら、候補領域60の一つ一つをいずれかの記号列の画像(言い換えれば、当該いずれかの記号列を表す選択肢画像18)が含まれるように拡大し、拡大した候補領域60の一つ一つを選択肢領域30として設定する。また、各選択肢領域30の座標範囲をハードディスク8に記憶する。
【0069】
なお、記号列「9」の画像を含む選択肢領域30と、記号列「10」の画像を含む選択肢領域30と、がそれぞれ、選択肢領域30A(図6参照)となる。また、記号列「男」の画像を含む選択肢領域30と、記号列「女」の画像を含む選択肢領域30と、がそれぞれ、選択肢領域30B(図6参照)となる。また、記号列「□」の画像を含む3つの選択肢領域30が、それぞれ、選択肢領域30C(図6参照)となる。また、記号列「大変満足」の画像を含む選択肢領域30と、記号列「満足」の画像を含む選択肢領域30と、記号列「不満」の画像を含む選択肢領域30と、がそれぞれ、選択肢領域30D(図6参照)となる。
【0070】
なお、選択肢領域設定部27は、選択肢領域30の座標範囲に関連づけて、当該選択肢領域30に含まれる記号列を当該選択肢領域30の領域名(識別情報)としてハードディスク8に記憶することも行う。図9に、選択肢領域設定部27により、ハードディスク8に記憶される情報を例示した。
【0071】
[集計部]
こうして選択肢領域設定部27が各選択肢領域30を設定したら、集計部29は、選択肢領域30Aごとに、当該選択肢領域30Aと予め定められた位置関係を有する追記領域42の数を計数する。また、集計部29は、選択肢領域30Bごとに、当該選択肢領域30Bと予め定められた位置関係を有する追記領域42の数を計数する。集計部29は、選択肢領域30Cごとに、当該選択肢領域30Cと予め定められた位置関係を有する追記領域42の数を計数する。集計部29は、選択肢領域30Dごとに、当該選択肢領域30Dと予め定められた位置関係を有する追記領域42の数を計数する。
【0072】
つまり、集計部29は、図9に示す情報を参照しながら、選択肢領域30ごとに、当該選択肢領域30と予め定められた位置関係を有する追記領域42の数を計数する。具体的には、集計部29は、選択肢領域30ごとに、当該選択肢領域30に少なくとも一部が含まれる追記領域42の数を計数する。
【0073】
集計部29による選択肢領域30ごとの計数結果は、アンケート集計の結果としてディスプレイに表示されることとなる。なお、図10に、選択肢領域30ごとの計数結果を例示した。
【0074】
なお、本発明の実施形態は上記実施形態だけに限らない。
【0075】
例えば、基準アンケート画像取得部21は、アンケート画像取得部23によって取得された複数のアンケート画像の平均画像を生成することによって、当該平均画像を基準アンケート画像として取得してもよい。
【0076】
また、例えば、選択肢領域設定部27は、候補領域60を拡大せずにそのまま選択肢領域30として設定してもよい。この場合、例えば、選択肢領域設定部27は、OCR処理を行うことによって選択肢領域30に含まれる画像から記号列を読み出し、読み出した記号列を当該選択肢領域30の領域名(識別情報)としてハードディスク8に記憶するようにすればよい。
【0077】
また、例えば、画像読取部12は、画像処理装置2の外部に設けられていてもよい。この場合、画像処理システム1は、画像読取部12と、画像処理装置2と、で構成される。
【0078】
また、例えば、基準アンケート画像と、アンケート画像と、はそれぞれ異なる画像読取手段によって読み取られた画像であってよい。
【符号の説明】
【0079】
1 画像処理システム、2 画像処理装置、4 制御部、6 主記憶、8 ハードディスク、10 操作入力部、12 画像読取部、14,14A,14B,14C,14D 設問パート、16 チェックボックス、18,18A,18B,18C,18D 選択肢画像、20,20A,20B,20C,20D 追記画像、21 基準アンケート画像取得部、23 アンケート画像取得部、25 追記領域特定部、25A 比較部、25B 特定部、27 選択肢領域設定部、29 集計部、30,30A,30B,30C,30D 選択肢領域、40 画素塊、42 追記領域、60 候補領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択肢画像を含む基準原稿画像を取得する基準原稿画像取得手段と、
前記複数の選択肢画像と、前記複数の選択肢画像に対応する追記画像と、を含む複数種の原稿画像を取得する原稿画像取得手段と、
前記原稿画像ごとに、当該原稿画像と前記基準原稿画像との比較結果に基づいて、前記追記画像を含む追記領域を特定する追記領域特定手段と、
前記追記領域特定手段が前記原稿画像ごとに特定した追記領域の座標情報に基づいて、前記複数の選択肢画像の各々に対応する選択肢領域を設定する設定手段と、
を含む画像処理システム。
【請求項2】
前記設定手段により設定された選択肢領域ごとに、当該選択肢領域と予め定められた位置関係を有する追記領域の数を計数する計数手段、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記基準原稿画像取得手段は、
前記複数の原稿画像の平均画像を生成することによって、前記平均画像を前記基準原稿画像として取得すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
複数の選択肢画像を含む基準原稿画像を取得する基準原稿画像取得手段、
前記複数の選択肢画像と、前記複数の選択肢画像に対応する追記画像と、を含む複数種の原稿画像を取得する原稿画像取得手段、
前記原稿画像ごとに、当該原稿画像と前記基準原稿画像との比較結果に基づいて、前記追記画像を含む追記領域を特定する追記領域特定手段、
前記追記領域特定手段が前記原稿画像ごとに特定した追記領域の座標情報に基づいて、前記複数の選択肢画像の各々に対応する選択肢領域を設定する設定手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−43263(P2012−43263A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185033(P2010−185033)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】