説明

画像処理システム及び方法

【課題】本発明は、離れた場所に存在するオリジナル画像、オリジナル画像を現像した処理画像、及び現像条件の対応を容易に取ることができ、且つ処理画像からオリジナル画像の再現像を容易に行うことが可能な画像処理システムを提供する。
【解決手段】PC側では、JPEG画像からRAW画像を特定するための情報とレシピを特定するための情報を取得し、これらをサーバ側に送信する。サーバ側では、RAW現像リスト800からRAW画像を検索し、検索されたRAW画像からレシピを取得してPC側に送信する。PC側では、サーバ側から受信した現像条件を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RAW画像等のオリジナル画像を現像した処理画像を作成する画像処理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラが普及し、RAW画像を現像したり、画像を編集するなどの画像処理を行う機会が増えてきている。そのため、画像の現像や編集などの処理が容易に行われるようになり、その方法に工夫が図られている。
【0003】
例えば、編集用画像と元画像を用意し、処理の履歴である編集履歴を記録して、編集によって作成された画像が手元にある状態で編集をやり直したり、編集履歴から一部を省いて編集し直したりすることが可能な技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特登録3514446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、2系統の画像及び編集履歴との対応の取り方について具体的に言及されていない。従って、例えば、元画像(オリジナル画像)、編集済み画像、及び編集履歴が離れた場所にある場合では、画像の編集をどのように行うのか示されていない。
【0006】
本発明は、離れた場所に存在するオリジナル画像、オリジナル画像を現像した処理画像、及び現像条件の対応を容易に取ることができ、処理画像からオリジナル画像の再現像を容易に行うことが可能となる画像処理システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理システムは、オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムにおいて、前記画像管理装置は、前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報および前記現像条件を特定するための第2の情報を取得する付加情報取得手段と、前記取得された第1の情報および第2の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信手段とを備え、前記画像処理装置は、前記第1の情報と前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報とが対応付けられたリスト情報を保存するリスト保存手段と、前記画像管理装置から受信した前記第1の情報と前記保存手段に保存されたリスト情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索手段と、前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索手段により検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得手段と、前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信手段とを備え、前記画像管理装置は、前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示手段をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項7記載の画像処理システムは、オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムにおいて、前記画像管理装置は、前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報、前記現像条件を特定するための第2の情報、および前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報を取得する付加情報取得手段と、前記取得された第2の情報および第3の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信手段とを備え、前記画像処理装置は、前記画像管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索手段と、前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索手段により検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得手段と、前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信手段とを備え、前記画像管理装置は、前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示手段をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項12記載の画像処理方法は、オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムの画像処理方法において、前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報および前記現像条件を特定するための第2の情報を取得する付加情報取得工程と、前記取得された第1の情報および第2の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信工程と、前記第1の情報と前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報とが対応付けられたリスト情報を保存するリスト保存工程と、前記画像管理装置から受信した前記第1の情報と前記保存されたリスト情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索工程と、前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索工程にて検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得工程と、前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信工程と、前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示工程とを備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項13記載の画像処理方法は、オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムの画像処理方法において、前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報、前記現像条件を特定するための第2の情報、および前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報を取得する付加情報取得工程と、前記取得された第2の情報および第3の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信工程と、前記画像管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索工程と、前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索工程にて検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得工程と、前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信工程と、前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示工程とを備えることを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像管理装置は、処理画像に付加された情報からオリジナル画像を特定するための第1の情報及び現像条件を特定するための第2の情報を取得し、第1の情報及び第2の情報を画像処理装置に送信する。画像処理装置は、画像管理装置から受信した第1の情報と保存手段に保存されたリスト情報に基づいてオリジナル画像を検索し、画像管理装置から受信した第2の情報に基づいて、オリジナル画像から現像条件を取得して画像管理装置に送信する。画像管理装置は、画像処理装置から受信した現像条件を表示する。これにより、離れた場所に存在するオリジナル画像、オリジナル画像を現像した処理画像、及び現像条件の対応を容易に取ることができる。
【0012】
また、本発明によれば、画像管理装置は、表示された現像条件に対する設定変更を受け付けて、変更された現像条件を画像処理装置に送信する。画像処理装置は、画像管理装置から受信した現像条件に基づいて、検索されたオリジナル画像を現像して処理画像を作成する。そして、現像されたオリジナル画像に現像条件を記録し、作成された処理画像に、第1の情報及び第2の情報を付加する。これにより、利用者に利用されるPC側に存在する処理画像に基づいて、サーバ側に存在するオリジナル画像の再現像を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムの概略構成例を示す図である。
【図2】図1のPC及びサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図3】RAW画像ファイルの構成例を示す図である。
【図4】RAW画像の現像の設定をするときにPCの表示部に表示される現像設定画面の一例を示す図である。
【図5】図1の画像処理システムにおけるRAW画像の現像処理の流れを示すチャート図である。
【図6】図5に対応するPC側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図5に対応するサーバ側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】RAW画像のリストを使用して作成されたhtmlファイルの一例を示す図である。
【図9】RAW画像を選択するときにPCの表示部に表示されるRAW画像選択画面の一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態におけるRAW現像リストの一例を示す図である。
【図11】第1の実施形態におけるJPEG画像に基づくRAW画像の再現像処理の流れを示すチャート図である。
【図12】図11に対応するPC側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図11に対応するサーバ側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14a】レシピの値を使用して作成されたhtmlファイルの一例を示す図である(その1)。
【図14b】レシピの値を使用して作成されたhtmlファイルの一例を示す図である(その2)。
【図15】本発明の第2の実施形態におけるRAW現像リストの一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態におけるJPEG画像に基づくRAW画像の再現像処理の流れを示すチャート図である。
【図17】図16に対応するPC側の処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】図16に対応するサーバ側の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムの概略構成例を示す図である。
【0016】
図1において、本画像処理システムは、画像管理装置として利用者に直接利用されるPC101と、画像処理装置としての複数のサーバ102,103とで構成され、これらがネットワークを介して互いに接続されている。PC101とサーバ102,103とは相互に通信可能である。
【0017】
PC101にはJPEG画像(処理画像)104が保存され、サーバ102にはRAW画像(オリジナル画像)105が保存されているものとする。JPEG画像104は、RAW画像105を現像して作成されたものである。サーバ103には、RAW画像を現像するRAW現像アプリ106がインストールされている。なお、RAW画像105とRAW現像アプリ106は、同じサーバ内に保存されていてもよい。
【0018】
図2は、図1のPC101及びサーバ102,103の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態では、PC101とサーバ102,103とは、基本的なハードウェア構成が同一であり、代表してPC101のハードウェア構成について説明する。
【0019】
図2において、PC101は、例えば、パーソナルコンピュータで構成され、演算部201、一次記憶部202、読み出し専用記憶部203、表示部204、操作部205、及びI/F部206を備える。
【0020】
演算部201は、装置全体の動作制御を行う中央演算装置(CPU)である。一次記憶部202は、画像データや演算部201による演算結果、読み出し専用記憶部203からロードされた各種プログラムや設定情報等を一時的に記憶するメモリ(RAM)である。本実施の形態では、一次記憶部202には、後述するRAW現像リストが記録される(リスト保存手段)。
【0021】
読み出し専用記憶部203は、演算部201が実行する制御プログラムや各種プログラムを記憶する読み出し専用メモリ(ROM)である。表示部204は、後述の現像設定画面を表示する。利用者は、表示部204に表示された現像設定画面を見ながら、現像の設定を決めることができる。操作部205は、キーボード、マウス等から構成されており、画像の現像時のデータの入力等を行う際に使用される。I/F部206は、外部の装置(例えば、サーバ102,103等)との通信を行うためのインターフェースである。なお、図2では、一般的なコンピュータの構成例を示したものであり、図示の構成に限定されるものではなく、構成要素の種類や数は任意である。
【0022】
次に、JPEG画像104に付加されるデータについて説明する。
【0023】
本実施の形態では、RAW画像を現像して作成されたJPEG画像には、RAW画像を特定するための情報、現像レシピ(レシピ)を特定するための情報、RAW画像を現像する際に使用されたアプリ(RAW現像アプリ)の所在を示す情報の3つが付加される。
【0024】
JPEG画像には、例えば、JFIFフォーマットやExifフォーマットのものがある。JPEG画像に付加される上記3つの情報は、JFIFフォーマットの場合には属性情報として付加され、Exifフォーマットの場合には属性情報または付加情報として付加されるようにしてもよい。なお、JPEG画像に付加する方法については、これらに限定されるものではない。
【0025】
RAW画像を特定するための情報(第1の情報)は、例えば、RAW画像を一意に特定するIDである。レシピを特定するための情報(第2の情報)は、例えば、レシピを一意に特定するIDである。RAW画像を現像する際に使用されたアプリの所在を示す情報(第4の情報)は、例えば、RAW現像アプリのURLやパスである。ここでレシピとは、現像をするための設定についての情報のことである。レシピとして記録される現像の設定には、ホワイトバランス、コントラスト、シャープネス等がある。RAW画像ファイルには、複数のレシピを記録することができる。
【0026】
次に、RAW画像ファイルの構成について説明する。
【0027】
図3は、RAW画像ファイルの構成例を示す図である。
【0028】
RAW画像ファイルは、図3に示すように、複数のレシピ(現像レシピ)を持つことができる。レシピ1_302、レシピ2_303、レシピ3_304、・・・、レシピn_305は、RAWデータ(RAW画像データ)306が現像される際に設定されたレシピであって、RAW画像ファイルの先頭の領域から記録されたものである。レシピ1_302〜レシピn_305の先頭には、固有の数値(ID)が割り振られていて、このIDによりレシピを特定することができる。ヘッダ情報301には、撮影日時、画像ファイルのサイズなどが含まれる。
【0029】
なお、RAW画像ファイルは、RAW画像を現像したときの設定とRAW画像データとの対応が取れるのであれば、図3に示す構成に限定されるものではない。
【0030】
図4は、RAW画像の現像の設定をするときにPC101の表示部204に表示される現像設定画面の一例を示す図である。この現像設定画面は、受付手段として、RAW現像アプリ106が演算部201により実行されることで表示部204に表示される画面である。
【0031】
利用者はコンボボックス402で現像のレシピIDを選択すると、選択されたレシピIDに対応する各現像パラメータが現像設定画面400に表示される。そして、この設定で現像して得られる画像のプレビュー画像がエリア401に表示される(プレビュー画像表示手段)。エリア401で表示される画像の形式は、JPEG、GIF、ビットマップなど画像であれば形式は問わない。現像パラメータは、例えば、デジタル露出補正、ホワイトバランス、色温度、色効果、コントラスト、シャープネス、色の濃さ、色空間等である。
【0032】
利用者はPC101上で現像設定画面400を利用して現像パラメータを変更することができる。現像の設定を変えているときに「元に戻す」ボタン404を押すと、コンボボックス402に設定されているレシピについて、RAW画像に設定されているレシピのIDと一致する現像の設定に戻されて、現像設定画面400に表示される。現像の設定を変更していてが元の設定に戻したくなったが元の設定が分からなくなったときに、「元に戻す」ボタン404(第1の操作手段)を押すと現像の設定を元に戻せる。
【0033】
「コピー」ボタン405(第2の操作手段)を押すと、現像設定画面400がもう一つ表示される。2つ画面が表示されるので、現像の設定を変える前(第1のプレビュー画像)と変えた後のプレビュー画像(第2のプレビュー画像)を比較することができる。自分が設定した設定で現像する場合は、「保存」ボタン406を押すと表示されている設定で現像される。そして、現像した設定(現像条件)がレシピとして、RAW画像ファイルのレシピが記録されている領域の末尾に追加される。
【0034】
次に、PC101からネットワークを介してサーバ102内のRAW画像105にアクセスし、RAW画像105を初めて現像してJPEG画像104を作成するRAW画像の現像処理について図5〜図10を参照して説明する。
【0035】
図5は、図1の画像処理システムにおけるRAW画像の現像処理の流れを示すチャート図である。図6は、図5に対応するPC側の処理の流れを示すフローチャートである。図7は、図5に対応するサーバ側の処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
PC101には、JPEGビューアとブラウザソフトがインストールされているものとする。JPEGビューアは、JPEG画像を表示するためのソフトである。JPEGビューアには、JPEG画像からRAW画像に関する情報、レシピを特定するための情報、RAW現像アプリの所在を示す情報を取得する機能があり、RAW現像アプリの所在を示す情報からRAW現像アプリを探す機能もある。
【0037】
ブラウザソフトは、図4に示す現像設定画面等を表示部204に表示する機能を有する。なお、PC側では、CPUにより実行されるJPEGビューアとブラウザソフトが協働することで処理動作が行われるが、これに限定されず、一体となったソフトウェアで処理が実行されてもよい。
【0038】
第1の実施形態では、JPEG画像とRAW画像は、同一の場所に保存されておらず、ネットワーク上で離れた場所に保存されているものとする。一方、RAW現像アプリ106とRAW現像リストは同じサーバ内の同じフォルダにあるものとする。RAW現像リストの一例を図10に示す。
【0039】
図10において、RAW現像リスト800(リスト情報)は、RAW画像を特定するための情報と該RAW画像の所在を示す情報とが対応付けられたリストである。RAW現像リスト800は、RAW画像を特定するための情報であるID801と、該IDに対応する、RAW画像の所在を示す情報(第3の情報)であるRAW画像のパス(あるいはRAW画像へのURL)802とで構成される。
【0040】
図示例では、ID「AAAA」に対してパス「C:¥IMG_0001.raw」が対応し、ID「BBBB」に対してパス「C:¥IMG_0002.raw」が対応している。また、ID「BBBC」には、パス「C:¥Great¥Teacher¥MR¥Mizumo¥IMG_0002.raw」が対応している。さらに、ID「CAAA」には、URL「http://www.gtmizunosama.com/IMG_0002.raw」が対応している。
【0041】
本実施形態では、例えば、RAW画像105を特定するための情報であるIDが「AAAA」、RAW画像105の所在を示す情報であるパスが「C:¥IMG_0001.raw」とする。また、RAW現像アプリ106は、例えば、ドメイン名「www.gtmizuno.com」のサーバ103内のルートディレクトリにファイル名「rit.aspx」として存在するものとする。また、利用者は、RAW現像アプリ106の所在については既知であるものとする。
【0042】
ステップS501では、PC101は、JPEGビューアによりネットワーク上のサーバ103にアクセスしてRAW現像アプリ106を検索する。本実施の形態では、アクセス対象となるサーバ103のドメイン名「www.gtmizuno.com」に基づいてアクセスが行われる。そして、検索するRAW現像アプリ106は、ドメイン名「www.gtmizuno.com」のサーバ103内のルートディレクトリにあるファイル名「rit.aspx」のファイルである。なお、JPEGビューアがネットワーク上の複数のサーバにアクセスしてRAW現像アプリを検索するように構成してもよい。
【0043】
ステップS502では、PC101は、JPEGビューアによりRAW現像アプリ106を起動させる。ここでは、JPEGビューアのブラウザにより「rit.aspx」を起動させることで、RAW現像アプリ106を起動させる。
【0044】
ステップS503では、起動したRAW現像アプリ106は、ドメイン名「www.gtmizuno.com」のサーバ103内を検索し、存在するRAW画像のリストをhtmlファイルとして作成する。このときに作成されるhtmlファイルの一例を図8に示す。
【0045】
ステップS504では、RAW現像アプリ106は、ステップS503で作成したhtmlファイルをPC101にファイル送信する。
【0046】
ステップS505では、PC101は、サーバから受信したhtmlファイルに基づき、ブラウザソフトにより、図9に示すRAW画像選択画面700を表示部204に表示させる。RAW画像選択画面700では、RAW画像のリストとして、コンボボックス701にRAW画像のIDとRAW画像ファイル名が表示される。なお、RAW画像の表示方法についてはコンボボックス以外のフォームを使用してもよい。
【0047】
ステップS506では、PC101は、ブラウザソフトにより、RAW画像選択画面700上でRAW画像105の選択を受け付ける。ここでは、利用者は、RAW画像選択画面700上のコンボボックス701から現像したいRAW画像を選択して、「OK」ボタン702を押せばよい。なお、「Cancel」ボタン703が押されると、RAW画像を現像する必要がないため、本処理を終了する。
【0048】
ステップS507では、PC101は、ブラウザソフトにより、RAW画像選択画面700で選択されたRAW画像についての情報(例えば、RAW画像のID等)をサーバ103に送信する。
【0049】
ステップS508では、RAW現像アプリ106は、PC101から受信したRAW画像の情報に基づき、デフォルトの現像設定をPC101に送信する。ここでは、RAW現像アプリ106は、図14a、図14bに示すようなhtmlファイルを作成し、作成したhtmlファイルをPC101に送信する。
【0050】
ステップS509では、PC101は、ブラウザソフトにより、図4に示す現像設定画面400を表示部204に表示させる(現像条件表示手段)。このとき、現像設定画面400上のエリア401に表示されるプレビュー画像は、RAW現像アプリ106により作成されたものであり、ファイル名を「temp.jpg」とする。
【0051】
ステップS510では、PC101は、ブラウザソフトにより、現像設定画面400上で現像の設定を受け付ける。ここでは、利用者は、現像設定画面400を見ながら現像の設定を行う。ステップS511では、PC101は、現像設定画面400上で設定された現像パラメータをRAW現像アプリ106に送信する。
【0052】
ステップS512では、RAW現像アプリ106は、PC101から受信した現像パラメータに基づいてRAW画像105を現像してJPEG画像104を作成する。ステップS513では、RAW現像アプリ106は、現像で使用したレシピをRAW画像105に記録する(現像条件記録手段)。
【0053】
ステップS514では、RAW現像アプリ106は、図10に示すようなRAW現像リスト800に、現像したRAW画像を特定するための情報と、RAW画像のパス(所在情報)を書き込む。図示例では、RAW画像を特定するための情報であるID「AAAA」がRAW現像リスト800に書き込まれる。また、RAW画像105の所在情報としてパス「C:¥IMG_0001.raw」がRAW現像リスト800に書き込まれる。
【0054】
ステップS515では、RAW現像アプリ106は、RAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報、RAW現像アプリ106の所在を示す情報(所在情報)をJPEG画像に付加する(付加情報)。例えば、RAW画像105を特定するための情報であるID「AAAA」とレシピを特定するための情報であるID「0001」がJPEG画像104に付加される。さらに、RAW現像アプリ106の所在情報であるURL「http://www.gtmizuno.com/rit.aspx」がJPEG画像104に付加される。
【0055】
JPEG画像104にRAW画像105を特定するための情報とレシピを特定するための情報が付加されたときの形態の一例としては、例えば、「AAAA_0001」が挙げられる。なお、本実施形態では、RAW画像105を特定するための情報であるIDとレシピを特定するための情報であるIDとが連結されているが、これに限定されるものではない。
【0056】
ステップS516では、RAW現像アプリ106は、現像によって作成されたJPEG画像104をPC101に送信する。
【0057】
なお、上記処理において、ステップS513とステップS514の順序は逆であってもよい。
【0058】
次に、PC101に保存されたJPEG画像104に基づき、PC101からネットワークを介してサーバ103内のRAW現像アプリ106にアクセスして、現像の設定を変えて現像し直す現像処理について図11〜図13を参照して説明する。
【0059】
図11は、JPEG画像に基づくRAW画像の再現像処理の流れを示すチャート図である。図12は、図11に対応するPC側の処理の流れを示すフローチャートである。図13は、図11に対応するサーバ側の処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
以下に説明する動作処理では、RAW画像105を特定するための情報であるIDが「AAAA」とする。RAW現像アプリ106は、ドメイン名「www.gtmizuno.com」のサーバ103内のルートディレクトリにファイル名「rit.aspx」として存在するものとする。RAW画像105には、すでに2つのレシピが記録されているものとする。RAW現像アプリ106とRAW現像リスト800は同じサーバ内のフォルダにあるものとする。また、利用者は、RAW現像アプリ106の所在については既知であるものとする。なお、PC側では、CPUにより実行されるJPEGビューアとブラウザソフトが協働することで処理動作が行われるが、これに限定されず、一体となったソフトウェアで処理が実行されてもよい。
【0061】
ステップS901では、PC101は、JPEGビューアにより、JPEG画像104からRAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報及びRAW現像アプリ106の所在を示す情報を取得する(付加情報取得手段)。本実施形態では、RAW画像を特定するための情報であるID「AAAA」、RAW現像アプリ106の所在を示す情報であるURL「http://www.gtmizuno.com/rit.aspx」がJPEGビューアで取得される。また、本実施形態では、レシピを特定するための情報であるID「0001」がJPEGビューアで取得されるものとする。
【0062】
ステップS902では、PC101は、JPEGビューアにより、ステップS901で取得したRAW現像アプリ106へのパスを使ってRAW現像アプリ106を検索する。本実施形態では、取得したRAW現像アプリ106へのパスに基づき、PC101は、プロトコル「http」でドメイン名「www.gtmizuno.com」のサーバ103と接続する。そして、該サーバ103内のルートディレクトリから「rit.aspx」を検索する。
【0063】
ステップS903では、PC101は、JPEGビューアによりRAW現像アプリ106を起動させる。ここでは、JPEGビューアのブラウザにより「rit.aspx」を起動させることで、RAW現像アプリ106を起動させる。ステップS904では、起動したRAW現像アプリ106は、起動した旨をPC101のJPEGビューアに通知する。
【0064】
ステップS905では、PC101は、サーバ103からの起動通知に応じて、JPEGビューアにより、RAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報をRAW現像アプリ106に送信する(付加情報送信手段)。
【0065】
ステップS906では、RAW現像アプリ106は、図8に示すRAW現像リスト800を参照し、PC101から受信したRAW画像を特定するための情報に対応するRAW画像105のパスを取得する。本実施形態では、RAW画像105を特定するための情報がID「AAAA」である。そこで、RAW現像アプリ106は、RAW現像リスト800を参照し、RAW画像105を特定するためのID「AAAA」に対応するRAW画像105の所在を示すパス「C:¥IMG_0001.raw」を取得する。
【0066】
ステップS907では、RAW現像アプリ106は、ステップS906で取得したRAW画像のパス「C:¥IMG_0001.raw」に基づいてRAW画像105を検索する(画像検索手段)。ステップS908では、RAW現像アプリ106は、検索したRAW画像105のレシピにアクセスする。本実施形態では、RAW現像アプリ106が、ステップS905でレシピを特定するための情報としてID「0003」を受信していたので、RAW画像105のRAW画像ファイルにおけるID「0001」のレシピにアクセスする。
【0067】
ステップS909では、RAW現像アプリ106はレシピを取得する(現像条件取得手段)。本実施形態では、RAW現像アプリ106は、ステップS905でレシピを特定するための情報としてID「0001」を取得したので、ID「0001」のレシピを取得する。
【0068】
ステップS910では、RAW現像アプリ106は、ステップS909で取得したレシピをhtml形式でPC101に送信する(現像条件送信手段)。ここでは、RAW現像アプリ106は、ステップS909で取得したレシピの値を使用して、図14a及び図14bに示すhtmlファイルを作成し、作成したhtmlファイルをPC101にファイル送信する。
【0069】
ステップS911では、PC101は、サーバから受信したhtmlファイルに基づき、ブラウザソフトにより、図4に示す現像設定画面400を表示部204に表示させる(現像条件表示手段)。このとき、現像設定画面400上のエリア401に表示されるプレビュー画像は、RAW現像アプリ106により作成されたものであり、ファイル名を「temp.jpg」とする。
【0070】
ステップS912では、PC101は、ブラウザソフトにより、現像設定画面400上で現像の設定の変更を受け付ける。ここでは、利用者は、現像設定画面400を見ながら現像の設定を変更する。ステップS913では、PC101は、ブラウザソフトにより、現像設定画面400上で設定変更された現像パラメータをRAW現像アプリ106に送信する。
【0071】
ステップS914では、RAW現像アプリ106は、ステップS906と同様に、RAW現像リスト800を参照し、RAW画像105のパスを取得する。ステップS915では、ステップS907と同様にしてRAW画像105を検索し、該RAW画像105を取得する。
【0072】
ステップS916では、RAW現像アプリ106は、ステップS915で取得したRAW画像105を、ステップS913でPC101から送信された現像パラメータに基づいて現像する。
【0073】
ステップS917では、RAW現像アプリ106は、ステップS916で現像したRAW画像のレシピをRAW画像105に記録する(現像条件記録手段)。つまり、図3に示すレシピ1_302〜レシピn_305のレシピを記録する部分において、レシピが記録されていない先頭の部分に新たなレシピを記録する。
【0074】
ステップS918では、RAW現像アプリ106は、レシピを特定するための情報を取得する。取得するレシピを特定するための情報は、ステップS917でRAW画像105のRAW画像ファイルに追加記録されたレシピのIDである。つまり、RAW画像105には、すでに2つのレシピ(ID「0001」と「0002」)が記録されているので、RAW画像105に追加記録されたレシピは3番目となり、取得したレシピを特定するための情報はID「0003」となる。
【0075】
ステップS919では、RAW現像アプリ106は、RAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報、およびRAW現像アプリの所在を示す情報を、現像によって作成されたJPEG画像104に付加する。
【0076】
本実施形態では、RAW画像を特定するための情報であるID「AAAA」と、レシピを特定するための情報であるID「0003」がJPEG画像104に付加される。さらに、RAW現像アプリの所在を示す情報であるURL「http://www.gtmizuno.com/rit.aspx」がJPEG画像104に付加される。
【0077】
ステップS920では、RAW現像アプリ106は、現像によって作成され、ステップS919で上記情報が記録されたJPEG画像104をPC101に送信する。
【0078】
以上で説明したように、本実施形態によれば、離れた場所に存在するオリジナル画像、オリジナル画像を現像した処理画像、及び現像条件の対応を容易に取ることができ、且つ処理画像に基づくオリジナル画像の再現像を容易に行うことができる。
【0079】
また、PC内のJPEG画像に基づいてサーバ内のRAW現像アプリを検索し、該RAW現像アプリを介してRAW画像を検索して、該RAW画像を以前の設定とは異なる設定で現像することが可能となる。また、現像によって作成されたJPEG画像をレタッチする場合よりも、画質の良いJPEG画像が得られる。
【0080】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施の形態では、図1及び図2に示す構成が上記第1の実施形態と同じであり、第1の実施の形態と同様の部分については、同一の符号を用いてその説明を省略する。以下に、上記第1の実施の形態と異なる点のみを説明する。
【0081】
PC101に保存されたJPEG画像104に基づき、PC101からネットワークを介してサーバ102内のRAW画像105にアクセスして、現像の設定を変えて現像し直す現像処理について図15〜図18を参照して説明する。
【0082】
図15は、本発明の第2の実施形態におけるRAW現像リストの一例を示す図である。図16は、第2の実施形態におけるJPEG画像に基づくRAW画像の再現像処理の流れを示すチャート図である。図17は、図16に対応するPC側の処理の流れを示すフローチャートである。図18は、図16に対応するサーバ側の処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
本第2の実施形態では、RAW画像を現像することにより作成されたJPEG画像には、RAW画像を特定するための情報(第1の情報)、レシピを特定するための情報(第2の情報)、RAW画像の所在を示す情報(第3の情報)の3つが付加される。
【0084】
また、JPEG画像とRAW画像は、同一の場所に保存されておらず、ネットワーク上で離れた場所に保存されているものとする。一方、RAW画像105とRAW現像リストは同じサーバ内の同じフォルダにあるものとする。RAW画像リストの一例を図15に示す。
【0085】
図15において、RAW現像リスト1100(リスト情報)は、RAW画像を特定するための情報とRAW現像アプリの所在を示す情報とが対応付けられたリストである。RAW現像リスト1100は、RAW画像を特定するための情報であるID1101と、RAW現像アプリの所在を示す情報(第4の情報)であるRAW現像アプリ106へのパス(あるいはRAW現像アプリ106へのURL)1102とで構成される。
【0086】
図示例では、ID「AAAA」に対してパス「C:¥rit.aspx」が対応し、ID「BBBB」に対してパス「C:¥rit.aspx」が対応している。また、ID「BBBC」には、パス「C:¥Great¥Teacher¥MR¥Mizumo¥rit.aspx」が対応している。
【0087】
本実施形態では、RAW画像105を特定するための情報であるIDが「AAAA」とする。そして、RAW画像105は、例えば、ドメイン名「www.gtmizuno.com」のサーバ102内のルートディレクトリにファイル名「IMG_0010.raw」として保存されているものとする。RAW画像105には、すでに2つのレシピが記録されているものとする。RAW現像リスト1100のファイル名は既知であり、「list.txt」とする。また、利用者は、RAW現像アプリ106の所在については既知でないものとする。なお、PC側では、CPUにより実行されるJPEGビューアとブラウザソフトが協働することで処理動作が行われるが、これに限定されず、一体となったソフトウェアで処理が実行されてもよい。
【0088】
ステップS1201では、PC101は、JPEGビューアにより、JPEG画像104からRAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報およびRAW画像105の所在を示す情報を取得する(付加情報取得手段)。本実施形態では、RAW画像を特定するための情報であるID「AAAA」、RAW画像の所在を示す情報であるパス「http://www.gtmizuno/IMG_0010.raw」がJPEGビューアで取得される。また、本実施形態では、レシピを特定するための情報としてID「0001」がJPEGビューアで取得されるものとする。
【0089】
ステップS1202では、PC101は、JPEGビューアにより、ステップS1201で取得したRAW画像の所在を示す情報からRAW画像105を検索する(画像検索手段)。本実施形態では、取得したRAW画像の所在を示す情報から、PC101は、プロトコル「http」でドメイン名「www.gtmizuno.com」のサーバ102と接続する。そして、該サーバ102内のルートディレクトリから「IMG_0010.raw」を検索する。
【0090】
ステップS1203では、PC101は、JPEGビューアによりRAW画像105にアクセスできたことを確認する。ステップS1204では、PC101は、JPEGビューアによりRAW現像リスト1100にアクセスする。本実施形態では、RAW現像リスト1100は、RAW画像105と同じフォルダにあり、ファイル名が「list.txt」なので、RAW画像105と同じフォルダ内のファイル「list.txt」を探すと、RAW現像リスト1100にアクセスできる。
【0091】
ステップS1205では、PC101は、JPEGビューアによりRAW現像アプリ106へのパスを取得する(第2の取得手段)。本実施形態では、例えば、RAW画像105を特定するための情報であるIDが「AAAA」である。そこで、JPEGビューアは、図11に示すRAW現像リスト1100を参照し、ID「AAAA」に対応するRAW現像アプリ106のパス「C:¥rit.aspx」を取得する。
【0092】
ステップS1206では、PC101は、JPEGビューアにより、ステップS1205で取得したRAW現像アプリ106へのパスを使ってRAW現像アプリ106を検索する。
【0093】
ステップS1207では、PC101は、JPEGビューアによりRAW現像アプリ106を起動させる。ここでは、JPEGビューアのブラウザにより「rit.aspx」を起動させることで、RAW現像アプリ106を起動させる。ステップS1208では、起動したRAW現像アプリ106は、起動した旨をPC101のJPEGビューアに通知する。
【0094】
ステップS1209では、PC101は、サーバ103からの起動通知に応じて、JPEGビューアにより、レシピを特定するための情報、RAW画像の所在を示す情報をサーバ側のRAW現像アプリ106に送信する(付加情報送信手段)。本実施形態では、例えば、レシピを特定するための情報であるIDは「0001」とする。
【0095】
ステップS1210では、RAW現像アプリ106は、RAW画像105を検索する(画像検索手段)。この検索には、ステップS1209で取得したRAW画像105の所在を示す情報が使用される。ステップS1211では、RAW現像アプリ106は、検索したRAW画像105のレシピにアクセスする。本実施形態では、RAW現像アプリ106が、ステップS1209でレシピを特定するための情報としてID「0001」を受信していたので、RAW画像105のRAW画像ファイルにおけるID「0001」のレシピにアクセスする。
【0096】
ステップS1212では、RAW現像アプリ106はレシピを取得する。本実施形態では、RAW現像アプリ106は、ステップS1209でレシピを特定するための情報としてID「0001」を取得したので、ID「0001」のレシピを取得する。
【0097】
ステップS1213では、RAW現像アプリ106は、ステップS1212で取得したレシピをhtml形式でPC101に送信する(現像条件送信手段)。ここでは、RAW現像アプリ106は、ステップS1209で取得したレシピの値を使用して、図14a及び図14bに示すhtmlファイルを作成し、作成したhtmlファイルをPC101に送信する。
【0098】
ステップS1214では、PC101は、サーバから受信したhtmlファイルに基づき、ブラウザソフトにより、図4に示す現像設定画面400を表示部204に表示させる(現像条件表示手段)。このとき、現像設定画面400上のエリア401に表示されるプレビュー画像は、RAW現像アプリ106で作成されたものであり、ファイル名を「temp.jpg」とする。
【0099】
ステップS1215では、PC101は、ブラウザソフトにより、現像設定画面400上で現像の設定の変更を受け付ける。ここでは、利用者は、現像設定画面400を見ながら現像の設定を変更する。
【0100】
ステップS1216では、ブラウザソフトは、現像の設定の変更をJPEGビューアに通知する。
【0101】
ステップS1217では、JPEGビューアは、RAW画像の所在を示す情報をブラウザソフトに通知する。
【0102】
ステップS1218では、PC101は、ブラウザソフトにより、現像設定画面400上で設定変更された現像パラメータ、RAW画像の所在を示す情報をRAW現像アプリ106に送信する。
【0103】
ステップS1219では、RAW現像アプリ106は、PC101から受信したRAW画像の所在を示す情報に基づきRAW画像105を検索し、該RAW画像105を取得する。
【0104】
ステップS1220では、RAW現像アプリ106は、ステップS1219で取得したRAW画像105を、ステップS1218でPC101から送信された現像パラメータに基づいて現像する。
【0105】
ステップS1221では、RAW現像アプリ106は、ステップS1220で現像したRAW画像のレシピをRAW画像105に記録する(現像条件記録手段)。つまり、図3に示すレシピ1_302〜レシピn_305のレシピを記録する部分において、レシピが記録されていない先頭の部分に新たなレシピを記録する。
【0106】
ステップS1222では、RAW現像アプリ106は、レシピを特定するための情報を取得する。取得するレシピを特定するための情報は、ステップS1217でRAW画像105のRAW画像ファイルに追加記録されたレシピのIDである。つまり、RAW画像105には、すでに2つのレシピ(ID「0001」と「0002」)が記録されているので、RAW画像105に追加記録されたレシピは3番目となり、取得したレシピを特定するための情報はID「0003」となる。
【0107】
ステップS1223では、RAW現像アプリ106は、RAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報、およびRAW画像アプリの所在を示す情報を、現像によって作成されたJPEG画像104に付加する。本実施形態では、RAW画像を特定するための情報であるID「AAAA」とレシピを特定するための情報であるID「0003」がJPEG画像104に付加される。さらに、RAW画像の所在を示す情報であるURL「http://www.gtmizuno.com/IMG_0010.raw」がJPEG画像104に付加される。
【0108】
ステップS1224では、RAW現像アプリ106は、現像によって作成され、ステップS1223で上記情報が記録されたJPEG画像104をPC101に送信する。
【0109】
以上で説明したように、本実施形態によれば、離れた場所に存在するオリジナル画像、オリジナル画像を現像した処理画像、及び現像条件の対応を容易に取ることができ、且つ処理画像に基づくオリジナル画像の再現像を容易に行うことができる。
【0110】
また、PC内のJPEG画像に基づいてサーバ内のRAW画像にアクセスし、RAW現像リストに基づいて検索されたRAW現像アプリにより該RAW画像を以前の設定とは違った設定で現像することが可能となる。また、現像によって作成されたJPEG画像をレタッチする場合よりも、画質の良いJPEG画像が得られる。
【0111】
上記第1及び第2の実施形態では、JPEG画像104とRAW画像105がネットワークで隔てられて存在する場合について説明したが、JPEG画像104とRAW画像105が同じPC101内にあってもよい。JPEG画像104とRAW画像105が同じPC101にある場合、JPEG画像104に付加されるRAW画像の所在を示す情報は、RAW画像105へのURLではなくRAW画像105へのパスとなる。
【0112】
また、上記第1及び第2の実施形態では、現像によって作成されたJPEG画像からRAW画像を現像し直す再現像方法について説明したが、編集後のJPEG画像から編集前のJPEG画像を編集し直す方法にも適用できる。また、動画像から切り出した静止画から切り出す元となる動画像を切り出し直す例にも適用できる。
【0113】
また、上記第1及び第2の実施形態において、サーバに保存されていたRAW画像が削除された場合、削除されたRAW画像のIDに対応するデータがRAW現像リストから自動的に削除されるものとする。そして、削除されたRAW画像にアクセスする場合には、表示部204にRAW画像が削除された旨のメッセージを表示するようにしてもよい。
【0114】
さらに、上記第1及び第2の実施形態において、サーバ上のRAW画像が移動された場合、移動されたRAW画像のIDに対応するRAW画像リスト上のデータが自動的に更新されるものとする。そして、移動されたRAW画像にアクセスする場合には、表示部204にRAW画像が移動された旨のメッセージを表示するようにしてもよい。
【0115】
上記第1の実施形態における図5〜図6に示す一連の処理では、JPEG画像に、RAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報、及び現像アプリの所在を示す情報を付加している。これを上記第2の実施形態に適用して、JPEG画像に、RAW画像を特定するための情報、レシピを特定するための情報、及びRAW画像の所在を示す情報を付加するようにしてもよい。
【0116】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0117】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0118】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0119】
更に、前述した実施形態の機能が実現可能な構成としては次の場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【0120】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現する場合も含まれる。この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、またはインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【符号の説明】
【0121】
101 PC
102,102 サーバ
104 JPEG画像
105 RAW画像
106 RAW現像アプリ
201 演算部
202 一次記憶部
203 読み出し専用記憶部
204 表示部
205 操作部
206 I/F部
800,1100 RAW現像リスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムにおいて、
前記画像管理装置は、
前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報および前記現像条件を特定するための第2の情報を取得する付加情報取得手段と、
前記取得された第1の情報および第2の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信手段とを備え、
前記画像処理装置は、
前記第1の情報と前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報とが対応付けられたリスト情報を保存するリスト保存手段と、
前記画像管理装置から受信した前記第1の情報と前記保存手段に保存されたリスト情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索手段と、
前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索手段により検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得手段と、
前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信手段とを備え、
前記画像管理装置は、前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示手段をさらに備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記画像管理装置は、前記現像条件表示手段に表示された現像条件に対する設定変更を受け付けて、変更された現像条件を前記画像処理装置に送信する受付手段をさらに備え、
前記画像処理装置は、前記画像管理装置から受信した現像条件に基づいて、前記画像検索手段により検索されたオリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する現像手段と、
前記現像手段により現像されたオリジナル画像に、前記受信した現像条件を記録する現像条件記録手段と、
前記現像手段により作成された処理画像に、前記第1の情報および前記第2の情報を付加する付加手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記付加情報取得手段は、前記処理画像に付加された情報から前記現像手段の所在を示す第4の情報をさらに取得し、
前記画像管理装置は、前記付加情報取得手段により取得した前記第4の情報に基づいて前記現像手段を検索して起動させる起動手段をさらに備え、
前記付加手段は、前記現像手段により作成された処理画像に、さらに前記第4の情報を付加することを特徴とする請求項2記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記現像条件送信手段は、前記現像条件取得手段により取得された現像条件をhtml形式のファイルで前記画像管理装置に送信し、
前記現像条件表示手段は、前記画像処理装置から受信したhtml形式のファイルに基づいてブラウザにより表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画像管理装置は、
前記現像条件に応じて現像されたプレビュー画像を表示するプレビュー画像表示手段と、
前記設定変更を受け付けた現像条件を元の現像条件に戻す第1の操作手段と、
元の現像条件に応じて現像された第1のプレビュー画像と設定変更された現像条件に応じて現像された第2のプレビュー画像を前記プレビュー画像手段に表示させる第2の操作手段とをさらに備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記画像管理装置は、前記画像処理装置に存在する前記オリジナル画像からオリジナル画像の選択を受け付ける画像選択手段をさらに備え、
前記現像条件表示手段は、前記選択された前記オリジナル画像のデフォルトの現像条件を前記画像処理装置から受信して表示し、
前記受付手段は、前記現像条件表示手段に表示された現像条件に対する設定変更を受け付けて、変更された現像条件を前記画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置では、
前記現像手段は、前記選択されたオリジナル画像を前記画像管理装置から受信した現像条件に基づいて現像して前記処理画像を作成し、
前記現像条件記録手段は、前記オリジナル画像に現像条件を記録し、
前記付加手段は、前記処理画像に前記第1の情報および前記第2の情報を付加することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムにおいて、
前記画像管理装置は、
前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報、前記現像条件を特定するための第2の情報、および前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報を取得する付加情報取得手段と、
前記取得された第2の情報および第3の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信手段とを備え、
前記画像処理装置は、
前記画像管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索手段と、
前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索手段により検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得手段と、
前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信手段とを備え、
前記画像管理装置は、前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示手段をさらに備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
前記画像管理装置は、
前記現像条件表示手段に表示された現像条件に対する設定変更を受け付けて、変更された現像条件を前記画像処理装置に送信する受付手段をさらに備え、
前記画像処理装置は、
前記画像管理装置から受信した現像条件に基づいて、前記画像検索手段により検索されたオリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する現像手段と、
前記現像手段により現像されたオリジナル画像に、前記受信した現像条件を記録する現像条件記録手段と、
前記現像手段により作成された処理画像に、前記第1の情報、前記第2の情報、および前記第3の情報を付加する付加手段とを備えることを特徴とすることを特徴とする請求項7記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、
前記第1の情報と前記現像手段の所在を示す第4の情報とが対応付けられたリスト情報を保存する保存手段をさらに備え、
前記画像管理装置は、前記保存手段に保存された前記リスト情報にアクセスし、前記付加情報取得手段により取得した前記第1の情報に基づいて前記第4の情報を取得し、前記取得した第4の情報に基づいて前記現像手段を検索して起動させることを特徴とする請求項8記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記現像条件送信手段は、前記現像条件取得手段により取得された現像条件をhtml形式のファイルで前記画像管理装置に送信し、
前記現像条件表示手段は、前記画像処理装置から受信したhtml形式のファイルに基づいてブラウザにより表示することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記画像管理装置は、
前記現像条件に応じて現像されたプレビュー画像を表示するプレビュー画像表示手段と、
前記設定変更を受け付けた現像条件を元の現像条件に戻す第1の操作手段と、
元の現像条件に応じて現像された第1のプレビュー画像と設定変更された現像条件に応じて現像された第2のプレビュー画像を前記プレビュー画像手段に表示させる第2の操作手段とをさらに備えることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項12】
オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムの画像処理方法において、
前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報および前記現像条件を特定するための第2の情報を取得する付加情報取得工程と、
前記取得された第1の情報および第2の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信工程と、
前記第1の情報と前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報とが対応付けられたリスト情報を保存するリスト保存工程と、
前記画像管理装置から受信した前記第1の情報と前記保存されたリスト情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索工程と、
前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索工程にて検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得工程と、
前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信工程と、
前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示工程とを備えることを特徴とすることを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
オリジナル画像を任意の現像条件で現像して作成された処理画像を保存する画像管理装置と、前記現像条件に基づいて前記オリジナル画像を現像して前記処理画像を作成する画像処理装置とがネットワークを介して通信可能に接続された画像処理システムの画像処理方法において、
前記処理画像に付加された情報から前記オリジナル画像を特定するための第1の情報、前記現像条件を特定するための第2の情報、および前記オリジナル画像の所在を示す第3の情報を取得する付加情報取得工程と、
前記取得された第2の情報および第3の情報を前記画像処理装置に送信する付加情報送信工程と、
前記画像管理装置から受信した前記第3の情報に基づいて前記オリジナル画像を検索する画像検索工程と、
前記画像管理装置から受信した前記第2の情報に基づいて、前記画像検索工程にて検索されたオリジナル画像から現像条件を取得する現像条件取得工程と、
前記取得された現像条件を前記画像管理装置に送信する現像条件送信工程と、
前記画像処理装置から受信した現像条件を表示する現像条件表示工程とを備えることを特徴とすることを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−213056(P2010−213056A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57792(P2009−57792)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】