説明

画像処理制御装置

【課題】伝送データ量を削減し、伝送時間を短縮できるとともに画像制御ブロックにおける画像データを記録するための記憶容量を削減する画像処理制御装置を提供する。
【解決手段】二次元画像データの取り込み手段と、取り込み手段からのデータより有効データの形状情報を抽出する第一の位置情報抽出手段と、前記形状情報から、画像ずらし情報を検出するずらし検出手段と、前記ずらし量に従って読み取り手段からデータを読み出し、重ね合わせる合成手段とを備えた画像処理ブロックと、画像処理ブロックから出力されたデータから有効データの形状情報を抽出する第二の位置情報抽出手段と、前記位置情報をもとに必要なデータを抽出するデータ抽出手段とを備えた画像制御ブロックで、合成手段によりデータを重ね合わせて送出することにより、伝送データ量を削減し、伝送時間を短縮できるとともに画像データを記録するための記憶容量も削減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理制御装置に関するものである。より詳細には、画像処理ブロックにおいて取得及び処理した画像を、その画像制御ブロックへ伝送する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、遺伝子発現を調べるために、半導体ナノクリスタルを用いた遺伝子発現解析手法が提案されている。半導体ナノクリスタルは、組成とサイズによって特定の波長の光を発光する性質を持つ。この性質を利用して、プラスチックの球体に発光波長の異なる複数の半導体ナノクリスタルを異なる比率で付着させ、固有の発光スペクトルを持たせてコード化したビーズを作成する。そして、励起光を照射されたビーズからの発光スペクトルを測定することでデコードを行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図14は、ビーズをデコードする従来の画像処理制御装置を示すブロック図である。100は画像処理ブロック、120は画像制御ブロックである。111は、二次元画像の取り込み手段である。その中で、101はビーズを撮影した二次元画像データを得るための画像取得手段、102は、101で得られた二次元画像データを、記憶手段A103に書き込むための書き込み手段A、104は、記憶手段A103に書き込まれた二次元画像データを読み出すための読み出し手段Aである。106は、読み出し手段A104で読み出した二次元画像データを画像制御ブロック120に送出するためのインターフェースAである。121は、画像処理ブロック100のインターフェースA106から二次元画像データを受け取るインターフェースブロックBである。131は、格納手段である。その中で、122は、インターフェースブロックB121で受け取られた二次元画像データを、記憶手段B123に書き込むための書き込み手段B、124は、記憶手段B123に書き込まれた二次元画像データを読み出すための読み出し手段Bである。125は、ビーズの位置を検出する位置情報抽出手段Bである。そして126はビーズの発光スペクトルを抽出するデータ抽出手段である。
【0004】
正確にビーズの発光スペクトルを測定するためには、ビーズ間の距離が十分に離れていなければならない(以下、この様なビーズを独立ビーズと称す。)。そこで、位置情報抽出手段B125によって独立ビーズの位置を検出し、データ抽出手段126においてデコードするビーズの特定を行っている。
【0005】
図2は画像取得手段101が出力する二次元画像データの一例である。二次元画像データの中には複数種類にコード化されたビーズが多数存在する。図3において●が独立ビーズである。図3に示すように二次元画像データの全領域に比して独立ビーズの割合は小さい。しかしながら、従来の画像処理ブロックは二次元画像データの全領域のデータ(以下、全画像データと称す。)を画像制御ブロックに伝送しているため、余分なデータ伝送が発生し、高速化の妨げとなっている。
【0006】
これに対して、取得した全画像データから特定の領域のみの画像データを抽出することで、画像データ伝送時間を短縮させる画像処理ブロックが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特表2002−544488号公報
【特許文献2】特開2002−033890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2の画像処理ブロックでは、予め必要な画像データの範囲がわかっているものに対しては、指定された領域のみの画像情報を伝送する方法は有効であるが、撮影された二次元画像データ毎にビーズの分布が異なる遺伝子発現解析においては、予め伝送する領域を指定することはできず、画像データ伝送時間の短縮や画像データを記録するための記憶容量を削減することが容易でないという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、画像処理ブロックが取得した二次元画像データを画像制御ブロックへ伝送する際に伝送データ量を削減することで、伝送時間が短縮できるとともに、画像データを記録するための記憶容量を削減することが可能な画像処理制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の画像処理制御装置は、二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する第一の位置情報抽出手段と、前記第一の位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像のずらし情報を検出するずらし検出手段と、前記ずらし情報に従って、前記読み取り手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから有効データの合成後位置情報を抽出する第二の位置情報抽出手段と、前記第二の位置情報抽出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
さらに画像処理制御装置において、二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記画像制御ブロックから受け取ったずらし情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段と前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データと前記合成手段から出力された前記合成された画像データのいずれかを選択して出力するセレクト手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックから出力された、前記二次元画像データあるいは前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記格納手段に記憶したデータから有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報からずらし情報を検出して前記画像処理ブロックに出力し、前記ずらし情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力するずらし検出手段と、前記セレクタによって前記合成された画像データが選択された場合には、前記ずらし検出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
さらに画像処理制御装置において、二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像のずらし情報を検出して出力し、前記ずらし情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力するずらし検出手段と、前記ずらし情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データ重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記画像処理ブロックが出力する前記合成後位置情報に基づいて前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
さらに画像処理制御装置において、二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する第一の位置情報抽出手段と、前記第一の位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像の折り返し情報を検出する折り返し検出手段と、前記折り返し情報に従って、前記読み取り手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから有効データの合成後位置情報を抽出する第二の位置情報抽出手段と、前記第二の位置情報抽出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
さらに画像処理制御装置において、二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記画像制御ブロックから受け取った折り返し情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段と前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データと前記合成手段から出力された前記合成された画像データのいずれかを選択して出力するセレクト手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックから出力された、前記二次元画像データあるいは前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記格納手段に記憶したデータから有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から折り返し情報を検出して前記画像処理ブロックに出力し、前記折り返し情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力する折り返し検出手段と、前記セレクタによって合成された画像データが選択された場合には、前記折り返し検出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
さらに画像処理制御装置において、二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像の折り返し情報を検出して出力し、前記折り返+し情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力する折り返し検出手段と、前記折り返し情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データ重ね合わせて前記合成された画像データを出力する出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記画像処理ブロックが出力する前記合成後位置情報に基づいて前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
さらに画像処理制御装置において、前記取り込み手段は、撮影対象から発する光を特定の通過帯域を持つバンドパスフィルタを通してCCDカメラにて撮影し、各画素が多値の輝度値で表される前記二次元画像データを取得する画像取得手段と、前記二次元画像データを一時的に記憶しておくメモリとを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
さらに画像処理制御装置において、前記ずらし検出手段は、前記二次元データの第一の任意ポイントを分割するポイントとして前記二次元データを二つに分割し、分割した二つの二次元データを第二の任意ポイントで重ね合わせ、重ね合わせ後のデータにおいて前記位置情報抽出手段で抽出した有効データの位置が他の画像データと重なっていないかを検出し、重ね合わせ後のデータで有効データが最大となる第一の任意ポイントと第二の任意ポイントを検出することを特徴とするものである。
【0017】
さらに画像処理制御装置において、前記折り返し検出手段は、前記二次元データの任意ポイントを折り返しポイントとして前記二次元データを二つに分割し、前記任意のポイントで二次元データを折り返して重ね合わせ、重ね合わせ後のデータにおいて前記位置情報抽出手段で抽出した有効データの位置が他の画像データと重なっていないかを検出し、重ね合わせ後のデータで有効データが最大となる任意ポイントを検出することを特徴とするものである。
【0018】
さらに画像処理制御装置において、前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向で分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とするものである。
【0019】
さらに画像処理制御装置において、前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データをY軸方向で分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とするものである。
【0020】
さらに画像処理制御装置において、前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向、Y軸方向両方で分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とするものである。
【0021】
さらに画像処理制御装置において、前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データの一つ以上の特定の領域のみに対して分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とするものである。
【0022】
さらに画像処理制御装置において、前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データを複数回分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とするものである。
【0023】
さらに画像処理制御装置において、前記ずらし検出手段は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、分割するポイントと重ねるポイントを変更できることを特徴とするものである。
【0024】
さらに画像処理制御装置において、前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向で折り返しポイントを検出することを特徴とするものである。
【0025】
さらに画像処理制御装置において、前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データをY軸方向で折り返しポイントを検出することを特徴とするものである。
【0026】
さらに画像処理制御装置において、前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向、Y軸方向両方で折り返しポイントを検出することを特徴とするものである。
【0027】
さらに画像処理制御装置において、前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データの一つ以上の特定の領域のみに対して折り返しポイントを検出することを特徴とするものである。
【0028】
さらに画像処理制御装置において、前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データを複数回折り返しポイントを検出することを特徴とするものである。
【0029】
さらに画像処理制御装置において、前記折り返し検出手段は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、折り返しポイントを変更できることを特徴とするものである。
【0030】
さらに画像処理制御装置において、前記合成手段は、一定レベル以下の前記二次元画像データを、ゼロレベルデータとして扱うことを特徴とするものである。
【0031】
さらに画像処理制御装置において、前記合成手段は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、設定レベル以下の前記二次元画像データを、ゼロレベルデータとして扱うことを特徴とするものである。
【0032】
さらに画像処理制御装置において、前記第一の位置情報抽出手段は、前記二次元画像データの二値化処理ブロックを備え、二次元平面上で前記二次元画像データの二値化結果が一定のレベル以上の値と判断されたポイントの集合体の面積、縦横比、距離を検出する位置検出ブロックを備え、前記二次元画像データから有効データの位置情報を抽出し、前記第二の位置情報抽出手段は前記合成された画像データの二値化処理ブロックを備え、二次元平面上で前記合成された画像データの二値化結果が一定のレベル以上の値と判断されたポイントの集合体の面積、縦横比、距離を検出する位置検出ブロックを備え前記合成された画像データから有効データの合成後位置情報を抽出することを特徴とするものである。
【0033】
さらに画像処理制御装置において、前記位置情報抽出手段は前記二次元画像データの二値化処理ブロックを備え、二次元平面上で前記二次元画像データの二値化結果が一定のレベル以上の値と判断されたポイントの集合体の面積、縦横比、距離を検出する位置検出ブロックを備え、前記二次元画像データから有効データの位置情報を抽出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0034】
本発明の画像処理制御装置によれば、画像処理ブロックが取得した全画像データから画像制御ブロックに画像データを伝送する場合に伝送データ量を削減し、伝送時間を短縮できるとともに前記画像制御ブロックにおける画像データを記録するための記憶容量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明の画像処理制御装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【実施例1】
【0036】
図1は、本発明の実施例1における画像処理制御装置のブロック構成図を示すものである。また、図2、図3、図4、図5は、本発明の実施例1におけるずらし検出手段A108の処理イメージ図を示すものである。図6は、画像取得手段101の一例として用いる蛍光顕微鏡の構成を示す図である。図1において、本発明の実施例1における画像処理制御装置は、画像処理ブロック100と画像制御ブロック120で構成される。
【0037】
画像処理ブロック100は、二次元画像の取り込み手段111、ビーズの位置を検出する位置情報抽出手段A107、位置情報抽出手段A107で得られた位置情報をもとに、最適なずらし情報を検出するずらし検出手段A108、読み出し手段A104で読み出した二次元画像データをずらし検出手段A108で得られたずらし情報をもとに合成する合成手段105、合成手段105より出力された合成された画像データを、画像制御ブロック120に送出するためのインターフェースA106で構成される。二次元画像の取り込み手段111は、ビーズを撮影した二次元画像データを得るための画像取得手段101、得られた二次元画像データを、記憶手段A103に書き込むための書き込み手段A102、記憶手段A103に書き込まれた二次元画像データを読み出すための読み出し手段A104で構成される。画像処理ブロック100と画像制御ブロック120とは、汎用のインターフェース(図示せず)、例えば、SCSIやEthernet(富士ゼロツクス株式会社の登録商標)などによって接続されている。
【0038】
画像制御ブロック120は、画像処理ブロック100のインターフェースA106から二次元画像データを受け取るインターフェースB121、合成された画像データを記憶する格納手段131、ビーズの位置を検出する位置情報抽出手段B125、ビーズの発光スペクトルを抽出するデータ抽出手段126で構成される。格納手段131は、インターフェースB121で受け取られた合成された画像データを、記憶手段B123に書き込むための書き込み手段B122、記憶手段B123に書き込まれた合成された画像データを読み出すための読み出し手段B124で構成される。
【0039】
まず、画像取得手段101について図6を用いて詳細に説明する。図6において、602は、観察対象(図示せず。半導体ナノ粒子が結合したmRNAやタンパク質とビーズを結合させたもの)を注入するウエル、601は、複数のウエル602から構成されたウエルプレート、603は、ウエルプレート601を2次元平面XY方向に移動させるウエルプレート駆動手段である。604は、画像取得手段101をコントロールするCPU、605は、対物レンズ、612は、対物レンズ605をZ軸方向に移動させるZ軸駆動手段である。607は、所定の波長未満の光を反射し、所定の波長以上の光を通過するダイクロイックミラーである。606は、観察対象物を透過させる為のLED、613は、観察対象物を励起させる為の励起光源である。608は、所定の波長域のみを通過する光学フィルタ、614は、複数の光学フィルタ608を装着することができるフィルターホイール、615は、フィルターホイールを回転させるフィルターホイール駆動手段である。609は、光を集光するための結像レンズ、610は、結像レンズ609で集光された光を二次元画像データに変換して出力するCCDカメラ、611は、CCDカメラ610を制御するCCDカメラ制御手段である。
【0040】
CPU604は、ウエルプレート駆動手段603を制御して、観察対象が注入されたウエル602が対物レンズ605の真上に位置するように、ウエルプレート601を移動させるとともに、光学フィルタ608が実装されていない箇所が、対物レンズ605の真上に位置するように、フィルターホイール駆動手段615を制御してフィルターホイール614を回転させる。
【0041】
次にCPU604は、LED606を点灯し、ウエル602にLED光を照射する。LED光は、ウエル602内の観察対象の透過光となり、対物レンズ605により拡大され、ダイクロイックミラー607及びフィルターホイール614の光学フィルタ608未実装部分を通過し、さらに、結像レンズ609によって集光されて、CCDカメラ610に到達する。このように、透過画像撮影時には、光学フィルタ608は使用しないものとする。CPU604は、CCDカメラ制御手段611に指令を与え、CCDカメラ610によって観察対象の透過画像を撮影する。CPU604の自動焦点調整プログラム(図示せず)は、前記透過画像から画像のコントラスト値を計算し、このコントラスト値が最大になる位置を見つけ出すことによって、対物レンズ605の焦点を合わせる。CPU604の自動焦点調整プログラムは、対物レンズ605を、2次元平面XYと垂直となる方向(Z軸方向)へ、Z軸駆動手段612によって移動させながら、前記コントラスト値が最大となる対物レンズ605の位置を見つけ出す。CPU604は、対物レンズ605の焦点が合った状態で撮影した観察対象の透過画像を、BFI(Bright Field Image)として、書き込み手段A102へ出力する。書き込み手段A102は、記憶手段A103に透過画像を書き込む。
【0042】
次に、CPU604は、光学フィルタ608が実装されている箇所が、対物レンズ605の真上に位置するように、フィルターホイール駆動手段615を制御してフィルターホイール614を回転させるとともに、LED606を消灯し、励起光源613から励起光を照射する。励起光は、青色レーザー光のような短波長の光であり、ダイクロイックミラー607に当たると、ダイクロイックミラー607が所定の波長以下の光を反射するという性質によって、対物レンズ605の方向へ反射する。対物レンズ605はダイクロイックミラー607からの光をウエル602内の観察対象に集光させる。ウエル602内の観察対象に付着した半導体ナノ粒子は、対物レンズ605から照射された光によって、ダイクロイックミラー607を通過できる所定の波長以上の光を発光する。観察対象に付着した半導体ナノ粒子が発光した光は、前記観察対象の透過光と同様に、対物レンズ605、ダイクロイックミラー607、さらに、光学フィルタ608を通過し、結像レンズ609によって集光されて、CCDカメラ610に到達する。このとき、光学フィルタ608は、特定の波長域のみを通過させる性質を持つため、観察対象に付着した半導体ナノ粒子が発光した光の特定の波長域のみが、CCDカメラ610に到達する。この状態で、CPU604は、CCDカメラ制御手段611に指令を与え、CCDカメラ610によって観察対象に付着した半導体ナノ粒子が発光した光のうち、光学フィルタ608を通過した特定の波長域のみの光の二次元画像データ(以下、フィルタ通過画像と称す)を書き込み手段A102へ出力する。
【0043】
光学フィルタ608は、通過波長域の異なるものが複数あり、フィルターホイール614に取り付けられている。フィルターホイール614は、フィルターホイール駆動手段615によって回転し、光学フィルタ608を切り替えることができる。CPU604は、光学フィルタ608を切り替えながら、上記の方法によって観察対象に付着した半導体ナノ粒子が発光した光の種々の波長域の画像を撮影し、同様の処理を繰り返す。
【0044】
次に、図1に示す画像処理制御装置の動作について、図2ないし図5を用いて説明する。
図2は、BFIのイメージ図である。本実施例では、二次元画像データの領域を例えばX方向に48の領域に分割、Y方向に32の領域に分割し、(X1、Y1)から(X48、Y32)の領域を用いて説明する。
【0045】
位置情報抽出手段A107は、読み出し手段A104を通して記憶手段A103よりBFIを読み出し、特定の閾値で二値化処理を実施した後、ビーズのデコード結果が周辺のビーズの影響を受けないように、一定の距離以上離れていないビーズ(201)の除外や、ビーズの重なりやゴミによる誤検出を防ぐために、一定の大きさ(たとえば観察対象物の面積で判断)の範囲に入っていない観察対象物(202)や一定の形(たとえば観察対象物の縦横比で判断)の範囲に入っていない観察対象物(203)の除外を行い、最終的に計測を行う独立観察対象物(独立ビーズ)の位置を抽出する。例えば、位置情報抽出手段A107は取り込み手段111から出力される二次元画像データの各画素毎に”0”もしくは”1”の二値化を行なう二値化処理ブロック(図示せず)と、二値化処理ブロックで”1”と判断された画素の一固まりの集合体の面積、縦横比及び集合体同士の距離を検出する位置検出ブロック(図示せず)を備え、上記のように独立ビーズの位置を検出するものである。ここで、二値化処理ブロックは、予め定められる、あるいはレジスタ等によって外部から変更可能なしきい値と各画素の輝度値とを比較し、輝度値がしきい値よりも大きければ”1”、小さければ”0”と判定するものである。
【0046】
図3は、図2に示すBFIから独立ビーズを検出した結果を示すイメージ図である。黒く塗りつぶしたビーズ(●)が独立ビーズである。ずらし検出手段A108は、位置情報抽出手段A107で得られた独立ビーズの位置情報をもとに、最適なずらし情報を検出する。本実施例においては、Y軸方向に全領域に対して1回分割するポイントと重ねるポイントを検出する方法について説明する。図3に示す独立ビーズの位置を示すイメージ図において、二次元空間のY軸方向に32箇所の分割が可能なポイントがある場合、ずらし検出手段A108は、まず分割するポイントをY1とY2の間としてY1をY2に重ね、重ね合わせた領域に位置情報抽出手段A107で得られた独立ビーズの位置が存在する場合は、その独立ビーズの位置に重ね合わせたことによって他の観察対象物が存在するかどうかを検出し、存在しない場合は、重ね合わせ後の有効な独立ビーズとし、有効な独立ビーズの数が何個存在して、送出するデータの総数がいくらかを算出する。尚、ずらし検出手段A108において、重ね合わせたデータをもとに位置情報抽出手段A107と同じ処理をすることにより重ね合わせ後の有効な独立ビーズを検出することも可能である。
【0047】
同様に、Y1をY3に重ねた場合、Y1をY4に重ねた場合と順次繰り返し、Y32まで終了すると、分割するポイントをY2とY3の間に変更して、(Y1−Y2)を(Y2−Y3)に重ねた場合(Y2にはY1のみのデータが、Y3にはY2とY3のデータが重なった状態)、(Y1−Y2)を(Y3−Y4)に重ねた場合(Y3にはY1とY3のデータが重なった状態、Y4にはY2とY4のデータが重なった状態)、(Y1−Y2)を(Y4−Y5)に重ねた場合と順次繰り返し、(Y1−Y2)を(Y32−Y33)に重ねる(Y32にはY1とY32のデータが重なった状態、Y33はY2のデータのみが存在する)まで終了すると、分割ポイントをY3とY4の間に変更する。同様に、分割ポイントをY31とY32の間まで繰り返す。
【0048】
最終的に重ね合わせ後の独立ビーズの数が、図3の独立ビーズの数と同じで、画像制御ブロックに送出するデータの総数が一番少ないポイントを最適なずらし情報とする。また別の判断基準として、重ね合わせ後の独立ビーズ数と画像制御ブロックに送出するデータの総数のバランスを考慮して、最適なずらし情報とすることも可能である。
【0049】
また本実施例では、ずらし可能なすべての状態で独立ビーズの数と画像制御ブロックに送出するデータの総数とを算出しているが、算出途中で最適と判断される場合は、算出を中断することも可能である。
【0050】
尚、本実施例の分割ポイントと重ねるポイントを算出する方法は一例であり、別の方法で分割ポイントと重ねるポイントを算出しても、本発明の効果が同様に得られることは明白である。
【0051】
また、ずらし検出手段A108は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、該レジスタの値により、分割するポイントと重ねるポイントを所定の場所に固定することも可能である。これにより、たとえば同じウエル602の再測定を実施する場合に前回測定した分割するポイントと重ねるポイントを設定することにより、ずらし検出の時間を短縮することが可能となる。
【0052】
本実施例では、分割ポイントをY17とY18の間、(Y1−Y17)を(Y14−Y30)に重ねたときに、独立ビーズの数が図3と同じで、(Y1−Y13)のデータを画像制御ブロック120に送出する必要がなくなるため、データの総数を38%削減することが可能である。図4に分割ポイントと重ねるポイントの図を、図5に分割ポイントを重ねるポイントに重ねたときのイメージ図を示す。図5に示す(Y14−Y32)のデータが、画像制御ブロック120に送出するデータとなる。ここで図4、および図5に示す斜線204は実際に撮影される画像ではなく、重ねのイメージが分かり易いように付け加えたものである。
【0053】
合成手段105は、ずらし検出手段A108で得られた分割ポイントと重ねるポイントをもとに、読み出し手段A104から順次データを読み出しながら、インターフェースA106を介して画像制御装置120に合成された画像データを送出する。
【0054】
まず(X1、Y1)から(X48、Y1)までの領域は、重ねるデータが存在しないためそのままインターフェースA106に送出する。同様に(X1、Y2)から(X48、Y4)までを送出する。
【0055】
次にY5は、Y18と重ねるポイントである。まず(X1、Y5)と重ねるポイントの(X1、Y18)のデータ読み出し、それぞれのデータを加算した結果を(X1、Y5)のデータとして送出する。同様にX2からX48の領域まで、Y5とY18のデータを読み出し、加算結果を送出する。以降Y6からY17までの領域についても同様に、Y19からY30までのデータを加算して送出する。
【0056】
Y18からY30に関しては、すでに加算されて送出済であるため、Y17のデータに続いて(X1、Y31)から(X48、Y31)のデータを(X1、Y18)から(X48、Y18)のデータとしてそのまま送出する。同様に(X1、Y32)から(X48、Y32)のデータを(X1、Y19)から(X48、Y19)のデータとして送出する。
【0057】
従って実際にインターフェースA106が受け取るデータは(X1、Y1)から(X48、Y19)までのデータとなり、送出データ総数を削減できる。
【0058】
尚、本実施例では、合成手段としてデータをそのまま加算しているが、それぞれの個別のデータ値が特定のレベル以下(外部から設定可能)のデータに対しては、ゼロと判断して加算しないように合成することも可能である。そうすることにより、ビーズの存在しない場所のデータをゼロにすることが可能となり、独立ビーズの存在する場所での合成したデータのS/Nを改善することが可能である。
【0059】
画像制御ブロック120は、インターフェースB121を通して、(X1、Y1)から(X48、Y19)の合成された画像データを受け取る。受け取った合成された画像データは、書き込み手段B122を通して、記憶手段B123に書き込まれる。読み出し手段B124は、記憶手段B123に書き込まれた合成された画像データを読み出し、位置情報抽出手段B125に入力する。位置情報抽出手段B125は、位置情報抽出手段A107と同じ処理を行い、受け取った合成された画像データから独立ビーズの位置を抽出する。
【0060】
そして、BFIに対する処理が終了した後に、フィルタ通過画像を処理する際は、BFIの二次元画像データとビーズ位置は同じであるため、新たな位置情報抽出をする必要は無く、BFI処理の際に決定した分割ポイントと重ねるポイントを用いて、読み出し手段A104で読み出したフィルタ通過画像を合成手段105で重ね合わせ、インターフェースA106を通して画像制御ブロック120に送出する。画像制御装置120においても、新たな位置情報抽出の必要はなく、書き込み手段B122を通して記憶手段B123に書き込まれた合成されたフィルタ通過画像は、読み出し手段B124は通してデータ抽出手段126に送られ、位置情報抽出手段B125で得られた位置情報をもとに、独立ビーズの位置の情報を抽出する。ここで、位置情報抽出手段B125は位置情報抽出手段A107と同じ構成、及び動作を行なって独立ビーズの位置情報を抽出する。位置情報抽出手段B125が位置情報抽出手段A107と異なるのは、二次元画像データに対して独立ビーズの位置情報を抽出するのではなく、画像処理ブロック100で合成された画像データから独立ビーズの位置情報を抽出する点である。
【0061】
以上の動作を繰り返すことにより、同じ位置の独立ビーズの種々の波長域の画像データより、該独立ビーズの発光スペクトルを算出することができ、その算出結果よりコード化された独立ビーズのデコードを行うことができる。
【0062】
以上のように本発明の実施例1においては、ビーズの位置を検出する位置情報抽出手段A107、位置情報抽出手段A107で得られた位置情報をもとに、最適なずらし情報を検出するずらし検出手段A108、読み出し手段A104で読み出したデジタル画像データをずらし検出手段A108で得られたずらし量をもとに合成する合成手段105を備えることにより画像制御ブロック120に送出する一枚目の画像(BFI)からすべてのフィルタ通過画像の伝送データ量を削減し、伝送時間を短縮できるとともに画像制御ブロック120における画像データを記録するための記憶手段B124容量も大幅に削減することが可能となる。
【0063】
尚、本実施例では、全領域を対象にY方向に一回分割して重ねる方法を説明したが、たとえば全領域に含まれるビーズの数が少ないウエル602に対しては、複数回分割して重ねることにより、更に画像制御ブロック120への伝送データ量を減らすことも可能である。また、たとえば特定の領域にビーズが密集して存在しているウエル602に対しては、ビーズが密集していない特定の領域のみに対して、分割重ね合わせを行うことにより、効率の良い伝送データ量の削減も可能である。さらに、分割の方向をX軸に対して実行しても、X軸方向とY軸方向両方に実行しても、本発明の同様の効果が得られることは明白である。
【実施例2】
【0064】
図7は、本発明の実施例2における画像処理制御装置のブロック構成図を示すものである。図7において、実施例1の構成と異なるところは画像処理ブロック100の位置情報抽出手段A107とずらし検出手段A108を削除し、読み出し手段A104と合成手段105の出力を選択するセレクト手段709を設けた点と、画像制御ブロック120にずらし検出手段B727を設けた点であり、実施例1と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
まずBFIを処理する場合は、セレクト手段709は読み出し手段A104の出力信号を選択するように設定され、記憶手段A103より読み出し手段A104を通して読み出されたBFIは、合成手段105を通すことなくセレクト手段709に入力され、インターフェースA106を介して画像制御ブロック120に送出される。
【0066】
画像制御ブロック120は、インターフェースB121を通して、BFIを受け取る。受け取ったBFIは、書き込み手段B122を通して、記憶手段B123に書き込まれる。読み出し手段B124は、記憶手段B123に書き込まれたBFIを読み出し、位置情報抽出手段B125にBFIを入力する。位置情報抽出手段B125は、受け取ったBFIから、特定の閾値で二値化処理を実施した後、ビーズのデコード結果が周辺のビーズの影響を受けないように、一定の距離以上離れていないビーズの除外や、ビーズの重なりやゴミによる誤検出を防ぐために、一定の大きさ(たとえば観察対象物の面積で判断)の範囲に入っていない観察対象物や一定の形(たとえば観察対象物の縦横比で判断)の範囲に入っていない観察対象物の除外を行い、最終的に計測を行う独立観察対象物(独立ビーズ)の位置を抽出する。上述の処理は、実施例1で説明した独立ビーズの位置抽出と同様にして行う。この時、位置情報検出手段B125は実施例1と同じ構成及び動作するものであり、二次元画像データから独立ビーズの位置情報を検出する。ここで、フィルタ通過画像を処理する際には、位置情報検出手段B125はBFIで検出した独立ビーズの位置情報を用いる。あるいは、フィルタ通過画像毎に独立ビーズの位置を検出しても良い。その際にはフィルタによって各ビーズの輝度値が異なるため、しきい値を輝度値にあわせて変更する必要がある。
【0067】
ずらし検出手段B727は、位置情報抽出手段B125で得られた独立ビーズの位置情報をもとに、最適なずらし情報を検出し、分割ポイントと重ねるポイントをインターフェースB121を介して画像処理ブロック100に送出するとともに、ずらし情報によって画像を重ね合わせることにより変更される有効な独立ビーズの位置情報を、データ抽出手段125に送出する。ここで、ずらし検出手段B727が行う処理は実施例1において説明したずらし検出手段A108と同じ処理に加えて、重ね合わせ後の有効な独立ビーズの位置情報出力することである。実施例1と異なるのは、ずらし検出手段B727に入力される位置情報が位置情報抽出手段B125から与えられる点である。そしてインターフェースA106は、受け取った分割ポイントと重ねるポイントを合成手段105に伝える。
【0068】
次にフィルタ通過画像を処理する際について説明する。この時、セレクト手段709は合成手段105が出力する合成された画像データを選択するように設定される。記憶手段A103より読み出し手段A104を通して読み出されたフィルタ通過画像は、BFIの二次元画像データとビーズ位置は同じであるため、画像制御ブロック120より受け取った、位置情報抽出手段B125及びずらし検出手段B727によって得られた分割ポイントと重ねるポイントで合成手段105を動作させる。
【0069】
合成手段105は、ずらし検出手段B727で得られた分割ポイントと重ねるポイントをもとに、読み出し手段A104から順次データを読み出しながら、セレクト手段709、インターフェースA106を介して画像制御ブロック120に合成された画像データを送出する。
【0070】
画像制御ブロック120は、インターフェースB121を通して、合成された画像データを受け取る。受け取った合成された画像データは、書き込み手段B122を通して、記憶手段B123に書き込まれる。読み出し手段B124は、記憶手段B123に書き込まれた合成された画像データを読み出し、データ抽出手段126にデータを送出する。データ抽出手段126は、ずらし検出手段B727から得られた、BFI処理時に決定された重ね合わせ後の有効な独立ビーズの位置情報をもとに、合成された画像データにおける独立ビーズの位置の特定波長域の画像データ情報を抽出する。
【0071】
以上のように本発明の実施例2においては、画像処理ブロック100からビーズの位置を検出する位置情報抽出手段Aと最適なずらし情報を検出するずらし検出手段Aを取り除き、画像制御ブロック120にずらし検出手段B727を備えることにより画像制御ブロック120に送出するBFI以外の画像(フィルタ通過画像)の伝送データ量を削減し、伝送時間を短縮できるとともに画像制御ブロック120におけるフィルタ通過画像を記録するための記憶手段B124容量も大幅に削減することが可能となるとともに、画像処理ブロック100において位置情報抽出手段Aとずらし検出手段Aが不要となり、回路規模の削減も可能となる。
【実施例3】
【0072】
図8は、本発明の実施例3における画像処理制御装置のブロック構成図を示すものである。図8において、実施例1の構成と異なるところは、画像制御ブロック120の位置情報抽出手段B125を削除した点であり、実施例1と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
ずらし検出手段A108は、BFIに対する処理で、分割ポイントと重ねるポイントを合成手段105に送出するとともに、重ね合わせ後の有効な独立ビーズの位置情報をインターフェースA106を介して画像制御ブロック120に送出することが実施例1と異なる点である。ここで、ずらし検出手段A108が行う処理は実施例2において説明したずらし検出手段B727と同じである。
【0074】
画像制御装置120は、インターフェースB121を介して、重ね合わせ後の有効な独立ビーズの位置情報を受け取り、データ抽出手段126に送出する。データ抽出手段126は、受け取った重ね合わせ後の有効な独立ビーズの位置情報をもとに、合成されたフィルタ通過画像における独立ビーズの位置の特定波長域の画像データ情報を抽出する。
【0075】
この時、位置情報抽出手段A107は実施例1と同じ構成及び動作するものであり、二次元画像データから独立ビーズの位置情報を検出する。ここで、フィルタ通過画像を処理する際には、位置情報検出手段A107はBFIで検出した独立ビーズの位置情報を用いる。あるいは、フィルタ通過画像毎に独立ビーズの位置を検出しても良い。その際にはフィルタによって各ビーズの輝度値が異なるため、しきい値を輝度値にあわせて変更する必要がある。
【0076】
以上のように本発明の実施例3においては、画像制御ブロック120から位置情報抽出手段を取り除き、ビーズの位置を検出する位置情報抽出手段A107、位置情報抽出手段A107で得られた位置情報をもとに、最適なずらし情報を検出するずらし検出手段A108、読み出し手段A104で読み出したデジタル画像データをずらし検出手段A108で得られたずらし情報をもとに合成する合成手段105を備えることにより画像制御ブロック120に送出する一枚目の画像(BFI)からすべてのフィルタ通過画像の伝送データ量を削減し、伝送時間を短縮できるとともに画像制御ブロック120における画像データを記録するための記憶手段B124容量も大幅に削減することが可能となるとともに、画像制御ブロック120において位置情報抽出手段が不要となり、回路規模の削減も可能となる。
【実施例4】
【0077】
図9は本発明の実施例4の画像処理制御装置を表すブロック図である。図9において、実施例1の構成と異なるところはずらし検出手段A108の代わりに折り返し検出手段109を設けた点であり、実施例1と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。図10、図11、図12、図13は、本発明の実施例4における折り返し検出手段109の処理イメージ図を示すものである。
【0078】
図10は、BFIのイメージ図である。本実施例では、二次元画像データの領域を例えばX方向に48の領域に分割、Y方向に32の領域に分割し、(X1、Y1)から(X48、Y32)の領域を用いて説明する。位置情報抽出手段A107は、読み出し手段A104を通して記憶手段A103よりBFIを読み出し、特定の閾値で二値化処理を実施した後、ビーズのデコード結果が周辺のビーズの影響を受けないように、一定の距離以上離れていないビーズの除外や、ビーズの重なりやゴミによる誤検出を防ぐために、一定の大きさ(たとえば観察対象物の面積で判断)の範囲に入っていない観察対象物や一定の形(たとえば観察対象物の縦横比で判断)の範囲に入っていない観察対象物の除外を行い、最終的に計測を行う独立観察対象物(独立ビーズ)の位置を抽出する。上述の処理及び位置情報抽出手段A107の構成は、実施例1で説明したものと同じである。
【0079】
図11は、図10に示すBFIから独立ビーズを検出した結果を示すイメージ図である。黒く塗りつぶしたビーズ(●)が独立ビーズである。
【0080】
折り返し検出手段109は、位置情報抽出手段B125で得られた独立ビーズの位置情報をもとに、最適な折り返しポイントを検出する。本実施例においては、X軸方向に全領域に対して1回折り返すポイントを検出する方法について説明する。
【0081】
図11に示す独立ビーズの位置を示すイメージ図において、二次元空間のX軸方向に47箇所の折り返し可能なポイントがある場合、まずX1とX2の間で折り返し、重ね合わせた領域に位置情報抽出手段B125で得られた独立ビーズの位置が存在する場合は、その独立ビーズの位置に重ね合わせたことによって他の観察対象物が存在するかどうかを検出し、存在しない場合は、重ね合わせ後の有効な独立ビーズとし、有効な独立ビーズの数が何個存在して、送出するデータの総数がいくらかを算出する。尚、折り返し検出手段109において、重ね合わせたデータをもとに位置情報抽出手段B125と同じ処理をすることにより重ね合わせ後の有効な独立ビーズを検出することも可能である。同様に、X2とX3の間で折り返した場合、X3とX4の間で折り返した場合と順次X46とX47の間まで繰り返す。
【0082】
最終的に折り返した後の独立ビーズの数が、図11の独立ビーズの数と同じで、データの総数が一番少ないポイントを最適な折り返し情報とする。また別の判断基準として、折り返し後の独立ビーズ数と送出するデータの総数のバランスを考慮して、最適な折り返し情報とすることも可能である。
【0083】
また本実施例では、折り返し可能なすべての状態で独立ビーズの数とデータの総数とを算出しているが、算出途中で最適と判断される場合は、算出を中断することも可能である。
【0084】
尚、本実施例の折り返すポイントを算出する方法は一例であり、別の方法で折り返しポイントを算出しても、本発明の効果が同様に得られることは明白である。
【0085】
また、折り返し検出手段109は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、該レジスタの値により、折り返しポイントを所定の場所に固定することも可能である。これにより、同じウエル602の再測定を実施する場合に前回測定した折り返しポイントを設定することにより、折り返しポイント検出の時間を短縮することが可能となる。
【0086】
本実施例では、折り返しポイントをX35とX36の間にしたときに、独立ビーズの数が図11と同じで、X36以降のデータを画像制御装置に送出す必要がなくなるため、データの総数を27%(X36からX48までのデータ割合)削減することが可能である。図12に折り返しポイントのイメージ図を示す。図13に折り返しポイントで折り返したときのイメージ図を示す。図13に示す(X1−X35)のデータが、画像制御ブロック120に送出するデータとなる。ここで図12、および図13に示す斜線204は実際に撮影される画像ではなく、重ねのイメージが分かり易いように付け加えたものである。
【0087】
合成手段105は、折り返し検出手段109で得られた折り返しポイントをもとに、読み出し手段A104から順次データを読み出しながら、インターフェースA106を介して画像制御ブロック120に合成された画像データを送出する。まず(X1、Y1)から(X22、Y1)までの領域は、重ねるデータが存在しないためそのままインターフェースA106に送出する。次にX23は、X35とX36の間で折り返したときのX48が重なるポイントであるため、(X23、Y1)と(X48、Y1)のデータ読み出し、加算結果を(X23、Y1)のデータとしてインターフェースA106に送出する。同様にX24からX35の領域についても、X47からX36までのデータを加算してインターフェースA106に送出する。X36からX48に関しては、送出するデータが存在しないため、送出しないことで、送出データ総数を削減できる。Y2以降も同様に、(X1、Y2)から(X22、Y2)までは、そのままインターフェースA106に送出し、X23からX35の領域についても、X48からX36までのデータを加算して、インターフェースA106に送出する。以降Y32まで、同様に繰り返す。
【0088】
画像制御ブロック120は、インターフェースB121を通して、(X1、Y1)から(X35、Y32)の合成された画像データを受け取る。受け取った合成された画像データは、書き込み手段B122を通して、記憶手段B123に書き込まれる。読み出し手段B124は、記憶手段B123に書き込まれた合成された画像データを読み出し、位置情報抽出手段B125に入力する。位置情報抽出手段B125は、位置情報抽出手段A107と同じ処理を行い、受け取った合成された画像データから独立ビーズの位置を抽出する。
【0089】
そして、BFIに対する処理が終了した後に、フィルタ通過画像を処理する際は、BFIの二次元画像データとビーズ位置は同じであるため、新たな位置情報抽出をする必要は無く、BFI処理の際に決定した折り返しポイントを用いて、読み出し手段A104で読み出したフィルタ通過画像を合成手段105で重ね合わせ、インターフェースA106を通して画像制御ブロック120に送出する。
【0090】
画像制御装置120においても、新たな位置情報抽出の必要はなく、書き込み手段B122を通して記憶手段B123に書き込まれた合成されたフィルタ通過画像は、読み出し手段B124を通してデータ抽出手段126に送られ、位置情報抽出手段B125で得られた位置情報をもとに、独立ビーズの位置の情報を抽出する。上述の処理及び位置情報抽出手段B125の構成は、実施例1で説明したものと同じである。
【0091】
同じ位置の独立ビーズの種々の波長域の画像データより、該独立ビーズの発光スペクトルを算出することができ、その算出結果よりコード化された独立ビーズのデコードを行うことができる。
【0092】
以上のように本発明の実施例4においては、ビーズの位置を検出する位置情報抽出手段A107、位置情報抽出手段A107で得られた位置情報をもとに、最適な折り返し情報を検出する折り返し検出手段109、読み出し手段A104で読み出したデジタル画像データを折り返し検出手段109で得られた折り返し量をもとに合成する合成手段105を備えることにより、画像制御ブロック120に送出する一枚目の画像(BFI)からすべてのフィルタ通過画像の伝送データ量を削減し、伝送時間を短縮できるとともに画像制御ブロック120における画像データを記録するための記憶手段B124容量も大幅に削減することが可能となる。
【0093】
尚、本実施例では、全領域を対象にX方向に一回折り返す方法を説明したが、たとえば全領域に含まれるビーズの数が少ないウエル602に対しては、複数回折り返して重ねることにより、更に画像制御ブロック120への伝送データ量を減らすことも可能である。また、たとえば特定の領域にビーズが密集して存在しているウエル602に対しては、ビーズが密集していない特定の領域のみに対して、折り返して重ねることを行うことにより、効率の良い伝送データ量の削減も可能である。さらに、折り返す方向をY軸に対して実行しても、X軸方向とY軸方向両方に実行しても、本発明の同様の効果が得られることは明白である。
【0094】
尚、本実施例4においては実施例1におけるずらし検出手段A108の代わりに折り返し検出手段109を用いるように説明を行ったが、実施例2におけるずらし検出手段B727の代わりに本実施例の折り返し検出手段109を用いるようにしても、実施例3におけるずらし検出手段A108の代わりに本実施例の折り返し検出手段109を用いるようにしても、同様の効果が得られることは明白である。
【0095】
尚、本実施例1ないし4においては、合成手段としてデータをそのまま加算しているが、それぞれの個別のデータ値が予め定められた特定のレベル以下のデータに対しては、ゼロと判断して加算しないように合成することも可能である。そうすることにより、ビーズの存在しない場所のデータをゼロにすることが可能となり、独立ビーズの存在する場所での合成したデータのS/Nを改善することが可能である。また、外部から書き換え可能なレジスタを備え、該レジスタ値を変更することで前記特定のレベルを変えるようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明にかかる画像処理制御装置は、撮影した画像の伝送データ量を削減することが出来るため、撮影したデジタル画像データから観察対象を測定する遺伝子発現解析装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施例1における画像処理装置と画像制御装置のブロック構成図
【図2】本発明の実施例1におけるBFIのイメージ図
【図3】本発明の実施例1における独立ビーズの位置を示すイメージ図
【図4】本発明の実施例1における分割ポイントと重ねるポイントのイメージ図
【図5】本発明の実施例1における分割ポイントを重ねるポイントに重ねたときのイメージ図
【図6】本発明の実施例1、2、3、4における蛍光顕微鏡を用いた遺伝子発現解析装置とその画像制御装置の構成図
【図7】本発明の実施例2における画像処理装置と画像制御装置のブロック構成図
【図8】本発明の実施例3における画像処理装置と画像制御装置のブロック構成図
【図9】本発明の実施例4における画像処理装置と画像制御装置のブロック構成図
【図10】本発明の実施例4におけるBFIのイメージ図
【図11】本発明の実施例4における独立ビーズの位置を示すイメージ図
【図12】本発明の実施例4における折り曲げるポイントのイメージ図
【図13】本発明の実施例4における折り曲げるポイントで折り曲げたときのイメージ図
【図14】従来の画像処理制御装置を示すブロック図
【符号の説明】
【0098】
100 画像処理装置
101 画像取得手段
102 書き込み手段A
103 記憶手段A
104 読み出し手段A
105 合成手段
106 インターフェースA
107 位置情報抽出手段A
108 ずらし検出手段A
109 折り返し検出手段
111 取り込み手段
120 画像制御装置
121 インターフェースB
122 書き込み手段B
123 記憶手段B
124 読み出し手段B
125 位置情報抽出手段B
126 データ抽出手段
131 格納手段
201 一定の距離以上離れていないビーズ
202 一定の大きさの範囲に入っていない観察対象物
203 一定の形の範囲に入っていない観察対象物
204 重ね合わせイメージを分かり易くするための斜線
601 ウエルプレート
602 ウエル
603 ウエルプレート駆動手段
604 CPU
605 対物レンズ
606 LED
607 ダイクロイックミラー
608 光学フィルタ
609 結像レンズ
610 CCDカメラ
611 CCDカメラ制御手段
612 Z軸駆動手段
613 励起光源
614 フィルターホイール
615 フィルターホイール駆動手段
709 セレクト手段
727 ずらし検出手段B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する第一の位置情報抽出手段と、前記第一の位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像のずらし情報を検出するずらし検出手段と、前記ずらし情報に従って、前記読み取り手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから有効データの合成後位置情報を抽出する第二の位置情報抽出手段と、前記第二の位置情報抽出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項2】
二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記画像制御ブロックから受け取ったずらし情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段と前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データと前記合成手段から出力された前記合成された画像データのいずれかを選択して出力するセレクト手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックから出力された、前記二次元画像データあるいは前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記格納手段に記憶したデータから有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報からずらし情報を検出して前記画像処理ブロックに出力し、前記ずらし情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力するずらし検出手段と、前記セレクタによって前記合成された画像データが選択された場合には、前記ずらし検出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項3】
二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像のずらし情報を検出して出力し、前記ずらし情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力するずらし検出手段と、前記ずらし情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データ重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記画像処理ブロックが出力する前記合成後位置情報に基づいて前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項4】
二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する第一の位置情報抽出手段と、前記第一の位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像の折り返し情報を検出する折り返し検出手段と、前記折り返し情報に従って、前記読み取り手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから有効データの合成後位置情報を抽出する第二の位置情報抽出手段と、前記第二の位置情報抽出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項5】
二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記画像制御ブロックから受け取った折り返し情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データを重ね合わせて前記合成された画像データを出力する合成手段と前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データと前記合成手段から出力された前記合成された画像データのいずれかを選択して出力するセレクト手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックから出力された、前記二次元画像データあるいは前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記格納手段に記憶したデータから有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記セレクタによって前記二次元画像データが選択された場合には、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から折り返し情報を検出して前記画像処理ブロックに出力し、前記折り返し情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力する折り返し検出手段と、前記セレクタによって合成された画像データが選択された場合には、前記折り返し検出手段で抽出した前記合成後位置情報をもとに前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項6】
二次元画像データを取り込み、合成して出力する画像処理ブロックと、合成された画像データが入力され、前記合成された画像データから有効データ情報を抽出する画像制御ブロックとから構成される画像処理制御装置であって、前記画像処理ブロックは、前記二次元画像データを取り込む取り込み手段と、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データより有効データの位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、前記位置情報抽出手段で抽出した前記位置情報から、前記二次元画像の折り返し情報を検出して出力し、前記折り返+し情報によって画像を重ね合わせることにより変更される前記有効データの合成後位置情報を抽出して出力する折り返し検出手段と、前記折り返し情報に従って、前記取り込み手段から出力された前記二次元画像データ重ね合わせて前記合成された画像データを出力する出力する合成手段とを備え、前記画像制御ブロックは、前記画像処理ブロックが出力する前記合成された画像データを記憶する格納手段と、前記画像処理ブロックが出力する前記合成後位置情報に基づいて前記格納手段に記憶された前記合成された画像データから前記有効データ情報を抽出するデータ抽出手段とを備えたことを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項7】
前記取り込み手段は、撮影対象から発する光を特定の通過帯域を持つバンドパスフィルタを通してCCDカメラにて撮影し、各画素が多値の輝度値で表される前記二次元画像データを取得する画像取得手段と、前記二次元画像データを一時的に記憶しておくメモリとを備えたことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項8】
前記ずらし検出手段は、前記二次元データの第一の任意ポイントを分割するポイントとして前記二次元データを二つに分割し、分割した二つの二次元データを第二の任意ポイントで重ね合わせ、重ね合わせ後のデータにおいて前記位置情報抽出手段で抽出した有効データの位置が他の画像データと重なっていないかを検出し、重ね合わせ後のデータで有効データが最大となる第一の任意ポイントと第二の任意ポイントを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項9】
前記折り返し検出手段は、前記二次元データの任意ポイントを折り返しポイントとして前記二次元データを二つに分割し、前記任意のポイントで二次元データを折り返して重ね合わせ、重ね合わせ後のデータにおいて前記位置情報抽出手段で抽出した有効データの位置が他の画像データと重なっていないかを検出し、重ね合わせ後のデータで有効データが最大となる任意ポイントを検出することを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項10】
前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向で分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3または請求項8のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項11】
前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データをY軸方向で分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3または請求項8のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項12】
前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向、Y軸方向両方で分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3または請求項8のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項13】
前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データの一つ以上の特定の領域のみに対して分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3または請求項8のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項14】
前記ずらし検出手段は、前記二次元画像データを複数回分割するポイントと重ねるポイントを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3または請求項8のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項15】
前記ずらし検出手段は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、分割するポイントと重ねるポイントを変更できることを特徴とする請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項16】
前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向で折り返しポイントを検出することを特徴とする請求項4ないし請求項6または請求項9のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項17】
前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データをY軸方向で折り返しポイントを検出することを特徴とする請求項4ないし請求項6または請求項9のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項18】
前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データをX軸方向、Y軸方向両方で折り返しポイントを検出することを特徴とする請求項4ないし請求項6または請求項9のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項19】
前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データの一つ以上の特定の領域のみに対して折り返しポイントを検出することを特徴とする請求項4ないし請求項6または請求項9のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項20】
前記折り返し検出手段は、前記二次元画像データを複数回折り返しポイントを検出することを特徴とする請求項16ないし請求項19のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項21】
前記折り返し検出手段は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、折り返しポイントを変更できることを特徴とする請求項16ないし請求項19のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項22】
前記合成手段は、一定レベル以下の前記二次元画像データを、ゼロレベルデータとして扱うことを特徴とする請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項23】
前記合成手段は、外部から書き換え可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、設定レベル以下の前記二次元画像データを、ゼロレベルデータとして扱うことを特徴とする請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の画像処理制御装置。
【請求項24】
前記第一の位置情報抽出手段は、前記二次元画像データの二値化処理ブロックを備え、二次元平面上で前記二次元画像データの二値化結果が一定のレベル以上の値と判断されたポイントの集合体の面積、縦横比、距離を検出する位置検出ブロックを備え、前記二次元画像データから有効データの位置情報を抽出し、前記第二の位置情報抽出手段は前記合成された画像データの二値化処理ブロックを備え、二次元平面上で前記合成された画像データの二値化結果が一定のレベル以上の値と判断されたポイントの集合体の面積、縦横比、距離を検出する位置検出ブロックを備え前記合成された画像データから有効データの合成後位置情報を抽出することを特徴とする請求項1あるいは請求項4に記載の画像処理制御装置。
【請求項25】
前記位置情報抽出手段は前記二次元画像データの二値化処理ブロックを備え、二次元平面上で前記二次元画像データの二値化結果が一定のレベル以上の値と判断されたポイントの集合体の面積、縦横比、距離を検出する位置検出ブロックを備え、前記二次元画像データから有効データの位置情報を抽出することを特徴とする請求項2あるいは請求項3あるいは請求項5あるいは請求項6に記載の画像処理制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−38731(P2006−38731A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221349(P2004−221349)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】