説明

画像処理方法および画像処理装置

【課題】撮影した管理対象設備の画像の定義及び保存・管理を飛躍的に容易にする。
【解決手段】管理対象設備の管理情報がコード化されている情報タグ200及び情報タグが張り付けられた管理対象設備100を撮影する撮影手段10と、情報タグの画像を情報データに変換すると共に、管理対象設備100の画像を画像データに変換する画像処理ユニット20と、変換された情報データを解読するタグ情報解読処理ユニット30と、変換された画像データをファイル化し、ファイル化された画像ファイルに解読された管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する画像ファイル定義処理ユニット40と、画像ファイル定義処理ユニット40により作成された画像ファイルを記憶する画像データ記憶ユニット50と、記憶された画像ファイルを出力する出力I/Fユニット60を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管理対象設備の保守管理を円滑に行わせるための仕組みを提供するものであり、具体的には、管理対象設備の状況を画像ファイルとして保存・管理する業務を支援する画像処理方法および画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、写真画像を保存する際に、その写真が何のどの部分のどのタイミングの撮影であるかなどの情報を明確にするため、画像情報に情報コードを追加させる画像処理装置についての発明がなされている。
例えば、特許文献1(特開2002−109465号公報)には、「情報コードを撮影する二次元画像撮影手段を備えた情報コード撮影装置において、二次元画像撮影手段により撮影した画像を写真として処理する写真処理手段と、二次元画像撮影手段により撮影した情報コードの画像と、当該情報コードに関係する物体であって二次元画像撮影手段により撮影した物体の写真画像とを関連付けてRAMまたはEEPROM等に記憶する記憶手段を備えた情報コード撮影装置」が示されている。
【0003】
そして、例えば、組立を行う物体(管理対象設備である機器)に情報コード(二次元バーコード)を貼り付けて、物体(機器)と一緒に撮影し、情報コードの画像と物体(機器)を「関連付けて記憶する」ことで、製造組立工程における組立不良の状況を把握することができるようになる、との記載がある。
また、物体の画像撮影手段と、撮影した情報コードを解読する解読手段と、解読した情報コードを表示する表示手段とを備えていることも記載されている。
また、ワークへの部品の組み付け不良が発生すると、その組み付け不良を発生した行程の作業者は、手持式リーダを持って情報コード撮影モードで治具に付されたラベルのQRコード(組立工場名、組立ライン名、ワークの製品名、製品番号をコード化したもの)と行程に付されたラベルのQRコード(組立工場名、組立ライン名、行程名をコード化したもの)を撮影すると共に、それらQRコードに関連する物体であるワークを写真撮影モードで撮影し、撮影されたこれらQRコードおよびワークのデジタル画像データを、互いに関連付けてRAMまたはEEPROMに記憶させることが記載されている。
【特許文献1】特開2002−109465号公報(図1、段落0006〜段落0009、段落0017〜段落0020)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像処理装置は以上のように構成されており、情報コードの画像と物体の画像を撮影した日付により関連付けて記憶しているように思えるが、情報コードの画像と物体の画像をどのようにして具体的に関連付けているのかの具体的な方法が示されていない。
更に、二次元バーコードで記述された情報の画像と物体(機器)の画像とを明確に関連付けながら処理しなければならず、個別に保存された情報の画像ファイルと物体(機器)の画像ファイルを関連付けて表示させるためには専用のシステム機器やソフトウェアが必要になり、実用的でないなどの問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、保存管理する画像ファイルに付加情報(即ち、撮影した画像を定義あるいは説明するための情報)を直接書き込むことができ、しかも情報付加後は特に専用の処理ソフトウェアや機器を必要とはせず、撮影した画像の定義および保存管理が容易にできる画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理方法は、撮影した画像を画像ファイルとして電子媒体に保存処理をする際に、撮影した画像を定義あるいは説明するための情報を上記画像ファイルに書き込むことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明に係る画像処理装置は、管理対象設備の管理情報がコード化されている情報タグおよび上記情報タグが張り付けられている管理対象設備を撮影する撮影手段と、上記撮影手段により撮影された上記情報タグの画像を電気信号の情報データに変換するとともに、上記撮影手段により撮影された管理対象設備の画像を電気信号の画像データに変換する画像データ変換処理手段と、上記画像データ変換処理手段により変換された上記情報データを解読するタグ情報解読処理手段と、上記画像データ変換処理手段により変換された上記画像データをファイル化し、ファイル化された画像ファイルに上記タグ情報解読処理手段が解読した管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する画像ファイル定義処理手段と、上記画像ファイル定義処理手段により作成された上記管理情報が付加された画像ファイルを記憶する画像データ記憶手段と、上記画像データ記憶手段に記憶された上記管理情報が付加された画像ファイルを上記管理対象設備のデータベース管理システムに出力する出力手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像処理方法によれば、保存管理する画像ファイルに付加情報(撮影した画像を定義あるいは説明するための情報)を直接書込ことが可能となり、管理対象設備の保守管理(例えば、管理情報が付加された管理対象設備の画像ファイルの保存、画像ファイルの検索、ディレクトリ管理など)が容易に行える画像処理方法を提供できる。
【0009】
また、本発明の画像処理装置によれば、保存管理する管理対象設備の画像ファイルに、管理情報(撮影した管理対象設備の画像を定義あるいは説明するための情報)を直接書込ことが可能となり、管理対象設備の保守管理(例えば、管理情報が付加された管理対象設備の画像ファイルの保存、画像ファイルの検索、ディレクトリ管理など)が容易に行える画像処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態について説明する。
なお、各図間において、同一符合は、同一あるいは相当のものであることを表す。
実施の形態1.
図1は、管理対象設備の正面図である。
図において、100は管理対象設備であり、図では、管理対象設備が電源分電盤である場合の例を示している。
図に示すように、管理対象設備100である電源分電盤には、設備情報コード(例えば、二次元バーコードであるQRコードなど)が記載(記述)されている情報タグ200が貼り付けられている。
【0011】
図2は、QRコードで定義されている情報タグ200を拡大して示したものであり、図に示すように、QRコード200には、例えば、「タイトル:○○(株)△△室制御機器」、「サブジエクト:電源分電盤」、「分類:一次機器」、「コメント:20A×10基」、「シーケンス番号:00452685×31」、「所有者:施設課山田太郎」、「購入先:××電機(株)」などの設備機器情報が二次元的にコード化されて記載(表示)されている。
この設備機器情報(即ち、管理対象設備の管理情報)コードであるQRコードは、当該電源分電盤の設備設置情報文字列を変換した情報コードであり、QRコードに記載されている内容は設備管理に必要な情報である。
【0012】
図3は、本発明の実施の形態1に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図において、10は、管理対象設備(例えば、電源分電盤)100の管理情報(設備機器情報)がQRコード化されている情報タグ200、および情報タグ200が貼り付けられている管理対象設備100を撮影する受光部(撮影手段)である。
また、20は、撮影手段(受光部10)により撮影された情報タグ200の光学画像データを電気信号の情報データに変換すると共に、撮影手段(受光部10)により撮影された管理対象設備の光学画像データを電気信号の画像データに変換する画像処理ユニット(画像データ変換処理手段)、30は、画像処理ユニット20(画像データ変換処理手段)により変換された情報データ(即ち、QRコード化された情報)を解読するタグ情報解読処理ユニット(タグ情報解読処理手段)である。
【0013】
また、40は、画像処理ユニット20(画像データ変換処理手段)により変換された画像データをファイル化し、ファイル化された画像ファイルにタグ情報解読処理ユニット30(タグ情報解読処理手段)が解読した管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する画像ファイル定義処理ユニット(画像ファイル定義処理手段)、50は、
画像ファイル定義処理ユニット40(画像ファイル定義処理手段)により作成された管理情報が付加された画像ファイルを記憶する画像データ記憶ユニット(画像データ記憶手段)、60は、画像データ記憶ユニット50(画像データ記憶手段)に記憶された管理情報が付加された画像ファイルを管理対象設備のデータベース管理システム(図示なし)に出力する出力手段である出力I/Fユニットである。
また、70は、画像処理ユニット20、タグ情報解読処理ユニット30、画像ファイル定義処理ユニット40、画像データ記憶ユニット50、出力I/Fユニットなどの各ユニットを操作・処理する際に必要なヒューマンインターフェース処理ユニットである
【0014】
次に、本実施の形態による画像処理装置の操作方法および動作について説明する。
管理対象設備100(例えば電源分電盤)には、当該設備がどのようなものであるかを定義した設備管理情報(以下、単に「管理情報」とも略す)がQRコード化された情報タグ200が貼り付けられている。
まず、この情報タグ200をカメラ(撮影手段)で撮影する。
情報タグ200の画像は、撮影手段であるカメラの受光部10を経由して画像処理ユニット20(画像データ変換処理手段)に入り、光学画像から電気信号の情報データに変換される。
画像処理ユニット20により変換された情報データは、タグ情報解読処理ユニット30にて解読処理され、元の設備情報文字列に変換される。
例えば、図2に示したような、「タイトル:○○(株)△△室制御機器」、「サブジエクト:電源分電盤」、「分類:一次機器」、「コメント:20A×10基」、「シーケンス番号:00452685×31」、「所有者:施設課山田太郎」、「購入先:××電機(株)」などの設備情報文字列に変換される。
【0015】
引き続いて、情報タグ200が貼り付けられている管理対象設備100をカメラ(撮影手段)で撮影する。管理対象設備100の画像は、カメラの受光部10を経由して画像処理ユニット20(画像データ変換処理手段)に入り、光学画像から電気信号の画像データに変換される。そして、変換された画像データは、画像ファイル定義処理ユニット40(画像ファイル定義処理手段)により定義されてファイル化される。
更に、画像ファイル定義処理ユニット40は、画像処理ユニット20によりファイル化された画像ファイルにタグ情報解読処理ユニット30が解読した管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイル(即ち、定義された画像ファイル)を作成する。
そして、この「管理情報が付加された画像ファイル」は、画像データ記憶ユニット50に保存(記憶)される。
【0016】
こうして、設備管理情報が画像ファイルに埋め込まれた(書き込まれた)状態で、画像ファイルは画像データ記憶ユニット50に保存される。
画像データ記憶ユニット50に保存された画像ファイルは、出力I/Fユニット60を経由して、別途用意されたデータベースシステム(図示なし)に転送することで、容易に設備管理台帳などを作成することができるようになる。
なお、ヒューマンインターフェース処理ユニット70は、画像処理ユニット20、タグ情報解読処理ユニット30、画像ファイル定義処理ユニット40、画像データ記憶ユニット50、出力I/Fユニットなどの各ユニットを操作・処理する際に利用される。
【0017】
図4は、本実施の形態による画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
ソフトウェア処理の概要については既に説明済みであるが、図4に基づいて改めて説明しておく。
図に示すように、本実施の形態による画像処理装置においては、まず、設備情報(管理対象設備の管理情報)として入力したタグ情報(即ち、QRコード化された情報)をタグ情報解読処理ユニット30内で情報コードの定義内容を文字化する。(ステップS101)
次に、画像ファイル定義処理ユニット40にて、続けて撮影された設備写真(管理対象設備の画像)のファイル情報コードの定義内容を追記する。例えば、撮影された設備写真の画像ファイルのプロパティ部に情報コードの定義内容を追記する(ステップS102)
【0018】
そして、画像ファイルに(例えば、画像ファイルのプロパティ部に)設備情報を追記した後に、このファイルを正規設備管理ファイルとして画像データ記憶ユニット50に記録する。(ステップS103)
画像データ記憶ユニット50に記録された画像ファイル(正規設備管理ファイル)は、出力I/Fユニット60を経由してデータベースシステム(図示なし)に出力し、以降は検索やディレクトリ管理によりプロパティ部に記述した設備情報をアクセス処理させる。(ステップS104)
【0019】
以上説明したように、本実施の形態による画像処理装置は、管理対象設備の管理情報がコード化されている情報タグ200および情報タグ200が張り付けられている管理対象設備を撮影する撮影手段(受光部10)と、撮影手段により撮影された情報タグ200の画像を電気信号の情報データに変換するとともに、撮影手段により撮影された管理対象設備の画像を電気信号の画像データに変換する画像データ変換処理手段(画像処理ユニット20)と、画像データ変換処理手段により変換された情報データを解読するタグ情報解読処理手段(タグ情報解読処理ユニット30)と、画像データ変換処理手段により変換された画像データをファイル化し、ファイル化された画像ファイルにタグ情報解読処理手段が解読した管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する画像ファイル定義処理手段(画像ファイル定義処理ユニット40)と、画像ファイル定義処理手段により作成された「管理情報が付加された画像ファイル」を記憶する画像データ記憶手段(画像データ記憶ユニット50)と、画像データ記憶手段に記憶された管理情報が付加された画像ファイルを管理対象設備のデータベース管理システムに出力する出力手段(出力I/Fユニット60)を備えている。
【0020】
このように、本実施の形態による画像処理装置によれば、管理対象設備100を撮影して画像ファイルを作成する際に、管理情報(撮影した管理対象設備の画像を定義あるいは説明するための情報)もこの画像ファイルに直接書き込むので、撮影された設備画像の定義および保存が容易に行える。
更に、書き込まれた管理情報を利用することにより、管理対象設備のデータベース管理システムに保存された画像ファイルの検索やディレクトリ管理などを容易に行うことも可能となり、撮影した管理対象設備の保守管理を容易に行える。
なお、ここでは静止画像について例にとって説明しているが、動画像に対しても全く同じ効用を与えるため、特に静止画像に限定されるものではない。
【0021】
実施の形態2.
本実施の形態による画像処理装置の構成は、図3(実施の形態1)に示したものと基本的には同じであるので、説明は省略する。
前述の実施の形態1では、情報コードの定義ファイルとして「プロパティ」という概念を示したが、その具体的な実現策として、図5に示すようなWindows(登録商標)のファイル管理機能である「プロパティ」を利用する形態を採用することができる。
即ち、図5に示すように、読み取った設備情報コード(即ち、管理対象設備の管理情報)のすべてを、例えばJPEG形式の画像ファイルとして登録する。
通常、JPEGファイルとして登録した場合には、単にファイル作成日時が自動登録されるだけで、作成者情報などの詳細情報はブランクとなる。
【0022】
これに対し、本発明の実施形態2においては、JPEGファイルのプロパティ部に対して、連続して撮影された設備情報コードより解読した定義情報をJPEGファイルのプロパティ部に埋め込む(書き込む)処理を行う。
以後、設備情報コードはデータベースへの登録の必要がなく、プロパティ部に設備情報が埋め込まれた設備画像ファイルをデータベース登録しさえすればよい。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態によれば、タグ情報解読処理ユニット30(タグ情報解読処理手段)が解読した管理情報(撮影した画像を定義あるいは説明するための情報)は、画像ファイルのプロパティ部に書き込まれるので、撮影された設備画像の定義および保存が容易に行え、更に、書き込まれた管理情報を利用することにより、保存された画像ファイルの検索やディレクトリ管理などを容易に行うことも可能となり、撮影した管理対象設備の保守管理を容易に行える。
【0024】
実施の形態3.
本実施の形態による画像処理装置の構成は、図3(実施の形態1)に示したものと基本的には同じであるので、説明は省略する。
また、操作方法も、基本的には実施の形態1の場合と同じである。
前述の実施の形態2では、情報コードの定義ファイルとしてWindows(登録商標)のファイル管理機能である「プロパティ」を利用する形態の場合について説明したが、他にデジタルカメラの画像標準管理形式であるEXIF(Exchangeable Image File Format)形式で撮影した画像をファイル化して保存する際に、EXIF情報定義部に直接QRコードなどで定義された設備管理情報を埋め込むことで実現することもできる。
【0025】
図6は、本実施の形態による画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
図に示すように、本実施の形態による画像処理装置においては、まず、設備情報(管理対象設備の管理情報)として入力したタグ情報をタグ情報解読処理ユニット30内で情報コードの定義内容を文字化する。(ステップS201)
次に、続けて撮影された設備写真(管理対象設備の画像))をEXIF形式でファイル化すると共に、情報コードの定義内容をEXIF形式で追記する。(ステップS202)
そして、画像ファイルのEXIF形式に設備情報を追記した後に、このファイルを正規設備管理ファイルとしてデータベースに保管する。(ステップS203)
保管された画像ファイル(正規設備管理ファイル)は、検索やディレクトリ管理でEXIF形式に記述した設備情報をアクセスする。(ステップS204)
【0026】
このように、本実施の形態による画像処理装置においては、画像ファイル定義処理ユニット40(画像ファイル定義処理手段)は、画像処理ユニット20(画像データ変換処理手段)により変換された画像データをEXIF(Exchangeable Image File Format )形式でファイル化し、ファイル化された画像ファイルの情報定義部にタグ情報解読処理ユニット30(タグ情報解読処理手段)が解読した管理情報をEXIF形式で書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する。
従って、管理対象設備の画像ファイルをEXIF形式で処理して、直接EXIF情報として当該管理設備画像ファイルに対して定義・説明を行うことができるようになるため、
EXIF形式で撮影された設備画像の定義および保存が容易に行え、更に、書き込まれた管理情報を利用することにより、保存された画像ファイルの検索やディレクトリ管理などを容易に行うことも可能となり、管理対象設備の保守管理を容易に行うことができる。
【0027】
実施の形態4.
図7は、実施の形態4に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図において、31はQRコード解読処理ユニット(QRコード解読処理手段)であり、QRコード解読処理ユニット31は、図3におけるタグ情報解読処理ユニット30に代わるものである。その他の構成は、図3と同じである。
本実施の形態による画像処理装置は、管理対象設備100の管理情報がコード化されている情報タグ200が二次元バーコードであるQRコードにより定義されていることを特徴とする。
【0028】
撮影手段(カメラ)である受光部10は、管理対象設備100の管理情報がQRコード化されている情報タグ200および情報タグ200が張り付けられている管理対象設備100を撮影する。
画像処理ユニット20(画像データ変換処理手段)は、撮影手段により撮影された情報タグ(QRコード化されている情報タグ)の画像を電気信号の情報データに変換するとともに、撮影手段により撮影された管理対象設備100の画像を電気信号の画像データに変換する。
QRコード解読処理ユニット31(QRコード解読処理手段)は、画像処理ユニット20(画像データ変換処理手段)により変換された情報データを解読して、元の設備情報文字列として変換される。
【0029】
画像ファイル定義処理ユニット40(画像ファイル定義処理手段)は、画像データ変換処理手段である画像処理ユニット20により変換された画像データを定義してファイル化し、ファイル化された画像ファイルのプロパティ部にQRコード解読処理ユニット31が解読した管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する。
画像データ記憶ユニット50(画像データ記憶手段)は、画像ファイル定義処理ユニット40により作成された「管理情報が付加された画像ファイル」を記憶する。
出力I/Fユニット70(出力手段)は、画像データ記憶ユニット50に記憶されている「管理情報が付加された画像ファイル」を管理対象設備100のデータベース管理システム(図示せず)に出力する。
【0030】
なお、QRコード解読処理ユニット31によって解読され、元の設備情報文字列として変換された管理情報は、前述の実施の形態のように、JPEG形式の画像ファイルのプロパティ部に書き込んでもよい。あるいは、実施の形態3のように、画像ファイル定義処理ユニット40は、画像処理ユニット20により変換された画像データをEXIF形式でファイル化し、画像データ記憶ユニット50は、画像ファイル定義処理ユニット40によりEXIF形式でファイル化された画像ファイルにQRコード解読処理ユニット31が解読した管理情報をEXIF形式で書き込み、「管理情報が付加された画像ファイル」として記憶(保存)してもよい。
【0031】
図8は、本実施の形態による画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
図に示すように、本実施の形態による画像処理装置では、まず、管理対象設備100に貼り付けられたQRコードの入力を促すメッセージ(即ち、QRコードの撮影を促すメッセージ)を表示する。(ステップS301)
撮影されたQRコードは、QRコード解読処理ユニット31により、定義内容を文字化する。(ステップS302)
続いて撮影された管理対象設備写真データを、画像ファイル定義処理ユニット40により先に文字情報化した情報(即ち、文字化された管理情報)を画像ファイルのプロパティ部に追記する。(ステップS303)
【0032】
設備情報(管理情報)をプロパティ部に追記した画像ファイルを正規設備管理ファイルとして画像データ記憶ユニット50内に保管する。
保管された画像ファイルを外部から取り出す際には、出力I/Fユニット60を介してデータベースシステム(図示なし)に転送する。(ステップS304)
そして、データベース上では検索やディレクトリ管理によってプロパティ部に記述した設備情報をアクセスする。(ステップS305)
【0033】
以上説明したように、本実施の形態による画像処理装置おいては、管理対象設備100の管理情報がコード化されている情報タグ200は、二次元バーコード(QRコード)で記述されており、汎用的に用いられるQRコードを用いて容易に管理対象設備の管理台帳などを作成することができる。
即ち、QRコード化された管理対象設備の管理情報を解読して、解読された管理情報を管理対象設備の画像ファイルのプロパティ部に直接書き込むようにしているので、撮影された設備画像の定義および保存が容易に行え、更に、書き込まれた管理情報を利用することにより、保存された画像ファイルの検索やディレクトリ管理などを容易に行うことも可能となり、管理対象設備の保守管理を容易に行うことができる。
【0034】
実施の形態5.
図9は、実施の形態5に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
前述の実施の形態1〜4では、管理対象設備の管理情報は二次元バーコードであるQRコードでコード化されていることを前提として説明しているが、本実施の形態においては、管理対象設備100に貼り付けられている情報タグ200として、管理対象設備の管理情報がコード化されて書き込まれた無線ICタグを用いていることを特徴とする。
図において、21は、画像処理ユニット(画像データ変換処理手段)であって、本実施の形態における画像処理ユニット21は、撮影手段(カメラ)で撮影された管理対象設備の画像を電気信号の画像データに変換する。
【0035】
また、80は、RFID( RadioFrequency Identification )受信部であり、このRFID受信部80から管理対象設備100に貼り付けられている無線ICタグに電波を発射することにより、「無線ICタグに書き込まれている設備情報(即ち、管理対象設備のコード化されている管理情報)」を読み込むことができる。
32は、無線ICタグ情報解読処理ユニット(無線ICタグ情報解読処理手段)であり、無線ICタグ情報解読処理ユニット32は、RFID受信部80が無線で受信した「無線ICタグに書き込まれている情報(無線ICタグ情報)」を解読して、設備情報文字列に変換する。
【0036】
画像ファイル定義処理ユニット40(画像ファイル定義処理手段)は、画像処理ユニット21(画像データ変換処理手段)により変換された画像データをファイル化し、ファイル化された画像ファイルに無線ICタグ情報処理ユニット32(無線ICタグ情報処理手段)が解読した管理情報を画像ファイルのプロパティ部に書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する。
画像データ記憶ユニット50(画像データ記憶手段)は、画像ファイル定義処理ユニット40(画像ファイル定義処理手段)により作成された「管理情報が付加された画像ファイル」を記憶する。
【0037】
このようにして、設備管理情報が画像ファイルに埋め込まれた(書き込まれた)状態で、画像データ記憶ユニット50に保存される。
保存された画像ファイルは、出力手段である出力I/Fユニット60を経由して、別途用意されたデータベースシステムに転送することが可能であり、容易に設備管理台帳などを作成することができるようになる。
また、無線ICタグから取得した管理対象設備の管理情報を解読して、解読された管理情報を管理対象設備の画像ファイルのプロパティ部に直接書き込むようにしているので、取得した画像ファイルの検索やディレクトリ管理を容易に実施することができる。
【0038】
なお、無線ICタグ情報処理ユニット32によって解読され、元の設備情報文字列として変換された管理情報は、前述の実施の形態2のように、JPEG形式の画像ファイルのプロパティ部に書き込んでもよい。
あるいは、実施の形態3のように、画像ファイル定義処理ユニット40は、画像処理ユニット20により変換された画像データをEXIF(Exchangeable Image File Format )形式で定義してファイル化し、画像データ記憶ユニット50は、画像ファイル定義処理ユニット40によりEXIF形式でファイル化された画像ファイルに無線ICタグ情報処理ユニット32が解読した管理情報をEXIF形式で書き込み、「管理情報が付加された画像ファイル」として記憶(保存)してもよい。
【0039】
図10は、本実施の形態による画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
図に示すように、本実施の形態による画像処理装置では、まず、管理対象設備100に貼り付けられた無線ICタグからの情報入力を促すメッセージ(即ち、RFID受信部から無線ICタグに電波発射して、管理対象設備のコード化されている管理情報を無線ICタグから受信することを促すメッセージ)を表示する。(ステップS401)
次に、受信された無線ICタグ情報(無線ICタグに書き込まれている情報)は、無線ICタグ情報解読処理ユニット32内で定義内容を文字化する。(ステップS402)
続いて撮影された管理対象設備写真データを、画像ファイル定義処理ユニット40内で、先に文字情報化した情報(即ち、文字化された管理情報)を画像ファイルのプロパティ部に追記する。(ステップS403)
【0040】
設備情報(管理情報)をプロパティ部に追記した画像ファイルを正規設備管理ファイルとして画像データ記憶ユニット50内に保管する。保管された画像ファイルを外部から取り出す際には、出力I/Fユニット60を介してデータベースシステム(図示なし)に転送する。(ステップS404)
そして、データベース上では検索やディレクトリ管理によってプロパティ部に記述した設備情報をアクセスする。(ステップS405)
【0041】
以上説明したように、本実施の形態による画像処理装置おいては、情報タグ200は、管理対象設備の管理情報がコード化されて書き込まれた無線ICタグであり、無線ICタグ情報解読処理ユニット32(無線ICタグ情報解読処理手段)は、無線ICタグから受信した管理対象設備の管理情報コードを解読し、撮影手段は、無線ICタグが張り付けられている管理対象設備100を撮影し、画像処理ユニット21(画像データ変換処理手段)は、撮影手段により撮影された管理対象設備100の画像を電気信号の画像データに変換する。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態による画像処理装置おいては、管理対象設備100の管理情報がコード化されている情報タグ200は、管理情報がコード化されて書き込まれた無線ICタグであり、無線によって無線ICタグから読み込んだ管理対象設備の管理情報を解読して、解読された管理情報を管理対象設備の画像ファイルのプロパティ部に直接書き込むようにしているので、撮影された設備画像の定義および保存が容易に行え、更に、書き込まれた管理情報を利用することにより、保存された画像ファイルの検索やディレクトリ管理などが可能となり、管理対象設備の保守管理を容易に行うことができる。
【0043】
なお、上述の本実施の形態では、解読された管理情報(即ち、文字化された管理情報)は、画像ファイル定義処理ユニット40により画像ファイルのプロパティ部に書き込まれる場合について説明しているが、実施の形態2のようにJPEGなどの標準ファイル形式のプロパティとして、あるいは実施の形態3のようにEXIF形式でのEXIF情報として書き込んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明は、撮影した管理対象設備の画像の定義および管理対象設備の保守管理を容易行うことができる画像処理方法あるいは画像処理装置の実現に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】管理対象設備の正面図である。
【図2】QRコードで定義されている情報タグを拡大して示した図である。
【図3】実施の形態1に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である
【図4】実施の形態1に係わる画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】Windows(登録商標)のプロパティ部の一例を示す図である。
【図6】実施の形態3に係わる画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施の形態4に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態4に係わる画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施の形態5に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態5に係わる画像処理装置におけるソフトウェア処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
10 受光部(撮影手段)
20、21 画像処理ユニット(画像データ変換処理手段)
30 タグ情報解読処理ユニット(タグ情報解読処理手段)
31 QRコード解読処理ユニット(QRコード解読処理手段)
32 無線ICタグ情報解読処理ユニット(無線ICタグ情報解読処理手段)
40 画像ファイル定義処理ユニット(画像ファイル定義処理手段)
50 画像データ記憶ユニット(画像データ記憶手段)
60 出力I/Fユニット(出力手段)
100 管理対象設備
200 情報タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影した画像を画像ファイルとして電子媒体に保存処理をする際に、撮影した画像を定義あるいは説明するための情報を上記画像ファイルに書き込むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
上記画像を定義あるいは説明するための情報を上記画像ファイルのプロパティ部に書き込むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
上記画像ファイルはEXIF形式であり、撮影した画像を定義あるいは説明するための情報を上記EXIF形式の画像ファイルの情報定義部に書き込むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項4】
上記画像を定義あるいは説明するための情報は、二次元バーコードで記述されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項5】
上記画像を定義あるいは説明するための情報は、無線ICタグに書き込まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項6】
管理対象設備の管理情報がコード化されている情報タグおよび上記情報タグが張り付けられている管理対象設備を撮影する撮影手段と、
上記撮影手段により撮影された上記情報タグの画像を電気信号の情報データに変換するとともに、上記撮影手段により撮影された管理対象設備の画像を電気信号の画像データに変換する画像データ変換処理手段と、
上記画像データ変換処理手段により変換された上記情報データを解読するタグ情報解読処理手段と、
上記画像データ変換処理手段により変換された上記画像データをファイル化し、ファイル化された画像ファイルに上記タグ情報解読処理手段が解読した管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成する画像ファイル定義処理手段と、
上記画像ファイル定義処理手段により作成された上記管理情報が付加された画像ファイルを記憶する画像データ記憶手段と、
上記画像データ記憶手段に記憶された上記管理情報が付加された画像ファイルを上記管理対象設備のデータベース管理システムに出力する出力手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
上記タグ情報解読処理手段が解読した管理情報は、上記画像ファイルのプロパティ部に書き込まれていることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
上記画像ファイル定義処理手段は、上記画像データ変換処理手段により変換された画像データをEXIF形式でファイル化し、ファイル化された画像ファイルの情報定義部に上記タグ情報解読処理手段が解読した管理情報を書き込み、管理情報が付加された画像ファイルを作成することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
管理対象設備の管理情報がコード化されている上記情報タグは、二次元バーコードで記述されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
上記情報タグは、管理対象設備の管理情報がコード化されて書き込まれた無線ICタグであり、
上記タグ情報解読処理手段は、上記無線ICタグから受信した管理対象設備の管理情報コードを解読することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−18238(P2007−18238A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198830(P2005−198830)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】