画像処理方法及び装置
【課題】 画像データからベクトル化して再編集可能にさせるシステムかつセキュリティーレベルを設定できるシステムでセキュリティー状態の変更に応じてセキュリティーレベルを適切に変更できるようにする。
【解決手段】 画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像にセキュリティーレベルを付加して出力する手段と、付加したセキュリティーレベルの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際にセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有する。
【解決手段】 画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像にセキュリティーレベルを付加して出力する手段と、付加したセキュリティーレベルの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際にセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文書データを画像情報として処理する画像処理装置に関するものであり、より詳しくは画像情報を効果的に隠蔽し、文書データのセキュリティー性を向上させる方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機能が拡張された記録装置、MFP(マルチファンクション複合機)を用い、画像記憶装置に文字や画像のオリジナルデータファイルを格納しておき、オリジナルデータファイルを印刷して紙文書に記録する際に、入力された画像データをベクトルデータに変換することで編集可能な状態にし、再編集してプリントアウトすることが可能と装置がある。
【0003】
しかし、容易に編集可能になることでデータの改ざんが容易になるだけでなく、著作権保護の問題等もあるため、データごとにセキュリティーレベルを設定する必要がある。このセキュリティーレベルを設定する方法としては、たとえば、画像に対して人間が知覚できないように透かし等の情報を埋め込むことが考えられている。この電子透かしの技術としては、特許文献1といった画像データをウェーブレット変換し周波数空間での冗長性を利用してデータを埋め込むなどの方法が知られている。
【特許文献1】特開2000-106624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セキュリティー情報を埋め込み忘れたり、適切なセキュリティーレベルを判断できない、あるいは誤って低レベルのセキュリティーレベルに設定してしまうような問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明では、ユーザ認識手段によりユーザーレベルを取得するユーザーレベル取得手段と、画像情報を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により得られた画像の像域情報に応じてブロックに分割するブロックセレクション手段と、前記ブロックセレクションされた画像に埋め込まれた情報から画像のポインタ情報及びセキュリティーレベルを検出する情報検出手段と、前記ポインタ情報からサーバ内の画像を検索、取得する画像検索、取得手段と、前記画像検索、取得手段によりに画像が取得できない場合、もしくは前記ポインタ情報が得られない場合は、画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像にセキュリティーレベルを付加して出力する手段と、付加したセキュリティーレベルの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際にセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有することを特徴とする画像処理装置を提供することを目的としている。
【発明の効果】
【0006】
画像データからベクトル化して再編集可能にさせるシステムかつセキュリティーレベルを設定できるシステムでセキュリティー状態の変更に応じてセキュリティーレベルを適切に変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[第1実施形態]
次に本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
[画像処理システム]
図1において、本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を実施する画像処理システムは、エリア1とエリア2とをインターネット104で接続した環境において使用される。
【0009】
エリア1内に構築されたLAN107には、記録装置としてのMFP(マルチファンクション複合機)100、MFP100を制御するマネージメントP C101、クライアントPC(外部記憶手段)102、文書管理サーバ106、文書管理サーバ106のためのデータベース105が接続されている。
【0010】
エリア2内にはLAN108が構築され、LAN108には文書管理サーバ106、および文書管理サーバ106のためのデータベース105が接続されている。
【0011】
LAN107、108にはプロキシサーバ103が接続され、LAN107、108はプロキシサーバ103を介してインターネットに接続される。
【0012】
MFP100は原稿から読み取った入力画像に対する画像処理の一部を担当し、処理結果としての画像データはLAN109を通じてマネージメントPC101に入力される。マネージメントPC101は、画像記憶手段、画像処理手段、表示手段、入力手段等を含む通常のコンピュータであり、機能的にはこれら構成要素の一部がMFP100と一体化して、画像処理システムの構成要素となっている。なお、本実施形態では、マネージメントPCにおいて、下記に記載の検索処理などが実行されるものとするが、マネージメントPCで行われる処理をMFPで実行するようにしても構わない。
【0013】
さらにMFP100は、LAN109によってマネージメントPC101に直接接続されている。
【0014】
[MFP]
図2において、MFP100は、図示しないオートドキュメントフィーダ(ADF)を有する画像読み取り部110を備え、画像読み取り部110は束状の或いは1枚の原稿の画像を光源で照射し、反射画像をレンズで固体撮像素子上に結像する。固体撮像素子は所定解像度(例えば600dpi)および所定濃度レベル(例えば8ビット)の画像読み取り信号を生成し、画像読み取り信号からラスターデータよりなる画像データが構成される。
【0015】
MFP100は、記憶装置111および記録装置112を有し、通常の複写機能を実行する際には、イメージデータをデータ処理装置115によって画像処理して記録信号に変換する。複数枚複写の場合には、1頁分の記録信号を一旦記憶装置111に記憶保持した後、記録装置112に順次出力して、記録紙上に記録画像を形成する。
【0016】
MFP100は、LAN107との接続のためのネットワークIF114を有し、クライアントPC102が出力したイメージデータを、記録装置112によって記録し得る。クライアントPC102から出力されたイメージデータはLAN107からネットワークIF114を経てデータ処理装置115で記録可能な記録信号に変換された後、MFP100において、記録紙上に記録画像として記録される。
【0017】
MFP100は、MFP100に設けられたキー操作部(入力装置113)、あるいはマネージメントPC101の入力装置(キーボード、ポインティングデバイス等)を通じて操作される。これらの操作のために、データ処理装置115 は内部の制御部(図示せず。)によって所定の制御を実行する。
【0018】
また、入力装置113にユーザ認識装置118が接続され、ユーザ識別を行っている。
【0019】
ユーザ認識装置は、ICカード、ID入力手段、指紋や虹彩識別といった生態認証手段であり使用するユーザを特定する装置である。
【0020】
また、MFP側にはユーザ毎にセキュリティーレベルが設定、記憶されており、ユーザ認識装置によるユーザの特定だけでなく、ユーザごとのセキュリティーレベルを取得することができるものである。
【0021】
このセキュリティーレベルは、ICカード内に記憶されるものでも良い。
【0022】
MFP100は表示装置116を有し、操作入力の状態と処理すべきイメージデータとを、表示装置116によって表示し得る。
【0023】
記憶装置111はネットワークIF117を介して、マネージメントPC10 1から直接制御し得る。LAN109は、MFP100とマネージメントPC1 01との間のデータの授受、制御信号授受に用いられる。
【0024】
[画像処理方法の全体の流れ]
本発明に係る画像処理方法の第1実施形態は図3の各ステップにより実行される。
【0025】
ステップS301:ユーザ認識装置118からユーザの識別を行う。識別は、IDカード、暗証番号もしくは指紋等の生態認証により個人が特定される。
【0026】
登録されていないID、暗証番号、指紋等が一致しない場合は、表示装置116に個人の認証が出来ない旨が表示される。
【0027】
また、個人の認証が行われるとMFPもしくはネットワーク上のデータベースに予め登録してある、ユーザのセキュリティーレベルが取得される。
【0028】
例えば、このユーザのセキュリティーレベルは、以下のように画像のセキュリティーレベルと合わせて以下のように5段階に区別される。
【0029】
レベル5:全ての画像のプリント、編集が可能
レベル4:レベル4以下の画像のプリント、編集可能が可能
レベル3:レベル3以下の画像のプリント、編集可能が可能
レベル2:レベル2以下の画像のプリント、編集可能が可能
レベル1:セキュリティーレベルのついた全ての画像のプリント、編集が不可
ステップS302:ユーザ認証が終了すると、MFP100の画像読み取り部110を動作させて、1枚の原稿をラスター状に走査し、所定解像度および所定濃度レベルの、画像読み取り信号を取得する。画像読み取り信号はデータ処理部115によって前処理され、入力画像の1頁分のイメージデータとして、記憶装置111に保存される。次にステップS303に進む。
【0030】
ステップS303(ブロックセレクション(領域分割)ステップ):マネージメントPC101によって、記憶装置111に格納されたイメージデータの領域を、文字あるいは線画を含む文字・線画領域と、ハーフトーンの写真領域、不定形の画像領域その他に分ける。さらに文字・線画領域について、主に文字を含む文字領域と、主に表、図形等を含む線画領域とを分離し、線画領域は表領域と図形領域に分離する。なお、本実施形態では連結画素を検知し、該連結画素の外接矩形領域の形状・サイズ・画素密度等を用いて、属性毎の領域に分割するものとするが、その他の領域分割手法を用いても構わない。
【0031】
文字領域については、文字段落ごとの纏まった塊をブロックとして矩形ブロック(文字領域矩形ブロック)にセグメント化し、線画領域では、表、図形等の個々のオブジェクト(表領域矩形ブロック、線画領域矩形ブロック)ごとに矩形ブロックにセグメント化する。
【0032】
ハーフトーンで表現される写真領域は、画像領域矩形ブロック、背景領域矩形ブロック等のオブジェクトごとに、矩形ブロックにセグメント化する。
【0033】
これらの矩形ブロックの情報を「領域分割情報」という。
【0034】
ステップS304:ブロックセレクションステップで得られた領域分割情報と入力画像とを合成して、MFP100の表示装置116における操作画面上に表示する。
【0035】
表示装置116に表示される操作画面の一例を図4に示す。
【0036】
操作画面には、左半部に入力画像そのものが画像41として表示され、右半部に矩形ブロックにより領域分割情報を示す画像42が表示される。
【0037】
画像42では、入力画像を簡略表示するとともに、各矩形ブロックを矩形で示す。
【0038】
矩形ブロックの概念の理解を容易にするため、各矩形ブロックには、その属性を示す、TEXT、PICTURE、LINE、TABLEの表示が付されているが、実際には属性情報は表示されず、分割された矩形領域が枠線として表示される。
【0039】
TEXT、PICTURE、LINE、TABLEは文字領域矩形ブロック、図面領域矩形ブロック、線図形領域矩形ブロック、表領域矩形ブロックの属性表示であり、写真領域矩形ブロックを示すPHOTO、その他の属性表示が用いられる。
【0040】
なお、図4では入力画像と領域分割情報を左右に並べて表示しているが、これらを重ねて入力画像上に分割された矩形ブロックを表示する等、多様な表示形態が可能である。
【0041】
ステップS305:ステップS304で指定された領域分割情報のイメージデータを切り出し、切り出されたイメージデータに対して以下の処理を行う。
【0042】
ステップS306:領域内の画像もしくは、画像全体にオリジナルデータファイルのポインタ情報及び画像のセキュリティー情報が埋め込まれているか否かの判定を行うための情報検出処理を行う。
【0043】
原稿画像中に記録された画像情報としては、2次元バーコード、文字列、可視できない情報として電子透かしを検出し、これらの情報を解読して入力画像のオリジナルデータファイルが格納されている記憶装置内のポインタ情報および画像のセキュリティーレベルを検出する。
【0044】
ステップS307(ポインタ情報抽出ステップ):ステップS306におけるポインタ情報を検出し、その情報をOCR、OMR、もしくは電子透かしの情報から、オリジナルの画像記憶されたポインタ情報を抽出する。ポインタ情報としは、画像名称、画像が保存されているサーバ、サーバのIPアドレス等である。
【0045】
ステップS308(セキュリティー情報抽出ステップ):ステップS306における画像情報検出処理により、画像ごとのセキュリティーレベルを抽出する。
【0046】
セキュリティーレベルは、プリント時に設定されていた画像のセキュリティーレベル情報もしくは、未登録の画像についてはプリント時にユーザが設定したセキュリティーレベル情報である。
【0047】
ステップS309:領域分割された画像毎にポインタ情報が取得されたか否か判断する。ポインタ情報が取得された画像は、オリジナルデータファイルに直接アクセスすべくステップS314に分岐する。
【0048】
オリジナルデータファイルは、電子ファイルの形態で、図1のクライアントPC102のハードディスク内、文書管理サーバ106内のデータベース105内、MFP100に設けられた記憶装置111等に格納されており、ステップS308で得られたアドレス情報(ポインタ情報)に従ってこれらの記憶装置内を検索する。
【0049】
ステップS310(ベクトル化ステップ):ポインタ情報が抽出されなかった場合、ベクトル化処理により各領域のイメージデータをベクトルデータに変換する。
【0050】
ベクトル化の方法は、以下(a)〜(f)等が存在する。
【0051】
(a)特定領域が文字領域のとき、さらにOCRによる文字画像のコード変換を行ったり、あるいは文字のサイズ、スタイル、字体を認識し、原稿を走査して得られた文字に可視的に忠実なフォントデータに変換する。
【0052】
(b)特定領域が文字領域であり、かつOCRによる認識が不可能であったとき、文字の輪郭を追跡し、輪郭情報(アウトライン)を線分のつながりとして表現する形式に変換する。
【0053】
(c)特定領域が図形領域のとき、図形オブジェクトの輪郭を追跡し、輪郭情報を線分のつながりとして表現する形式に変換する。
【0054】
(d)b、cの線分形式のアウトライン情報をベジエ関数などでフィッティングして、関数情報に変換する。
【0055】
(e)cの図形オブジェクトの輪郭情報から、図形の形状を認識し、円、矩形、多角形、等の図形定義情報に変換する。
【0056】
(f)特定領域が図形領域であって、特定領域の表形式のオブジェクトの場合、罫線や枠線を認識し、所定のフォーマットの帳票フォーマット情報に変換する。
【0057】
以上の方法以外に、イメージデータをコード情報、図形情報、関数情報等のコマンド定義形の情報に置きかえる種々のベクトル化処理が考えられる。
【0058】
ステップS311:ベクトル化処理されたデータは、再利用可能なデータとしてサーバに保存されるがその場合、画像の重要度に応じて5段階のセキュリティーレベルを設定することができる。特にセキュリティーレベルの設定がされない場合は、最低のセキュリティーレベル1が設定される。
【0059】
ステップS312:セキュリティーレベルが設定されたベクトル化データは、再利用可能なデータとしてサーバへ保存される。この保存されたサーバのポインタ及びセキュリティーレベルは、画像のプリント時に画像情報として画像に埋め込まれることとなる。
【0060】
ステップS314:ステップS307でポインタ情報が取得されたときは、そのポインタ情報に基づいてオリジナルデータファイルを取得する。
【0061】
ステップS315:オリジナルデータファイルにアクセス可能な場合は、サーバに画像とともに保存されているその画像の最新のセキュリティーレベルを取得する。セキュリティーレベルは、状況に応じ刻々と変化するものであり、以前のプリント時に用紙に埋め込まれたセキュリティーレベルとは異なる可能性があるため、常に最新のセキュリティーレベルを取得することが必要である。
【0062】
画像のセキュリティーレベルは、画像登録者であればいつでも変更することが可能である。データベース内の画像データは、画像とともに登録者のID情報が記録されており、登録者は入力装置113から自分が登録した画像の一覧を日付、ファイル名、画像容量等の情報から検索可能で、検索したファイルの中からセキュリティーレベルを変更したい画像を指定し、レベルの変更を行うことが可能である。
【0063】
次に図3の主要なステップについて詳細に説明する。
【0064】
[ブロックセレクションステップ]
ステップS303(ブロックセレクションステップ)においては、図4右半部の画像42に示すように、入力画像を属性ごとに矩形ブロックに分割する。前述のように、矩形ブロックの属性としては、文字(TEXT)/図面(PICTURE )/線画(Line)/表(Table)/写真(PHOTO)等がある。
【0065】
ブロックセレクションステップにおいては、まず入力画像を白黒に2値化し、黒画素輪郭で囲まれる画素塊を抽出する。
【0066】
さらに、このように抽出された黒画素塊の大きさを評価し、大きさが所定値以上の黒画素塊の内部にある白画素塊に対する輪郭追跡を行う。白画素塊に対する大きさ評価、内部黒画素塊の追跡というように、内部の画素塊が所定値以上である限り、再帰的に内部画素塊の抽出、輪郭追跡を行う。
【0067】
画素塊の大きさは、例えば画素塊の面積によって評価される。
【0068】
このようにして得られた画素塊に外接する矩形ブロックを生成し、矩形ブロックの大きさ、形状に基づき属性を判定する。
【0069】
例えば、縦横比が1に近く、大きさが一定の範囲の矩形ブロックは文字領域矩形ブロックの可能性がある文字相当ブロックとし、近接する文字相当ブロックが規則正しく整列しているときに、これら文字相当ブロックを纏めた新たな矩形ブロックを生成し、新たな矩形ブロックを文字領域矩形ブロックとする。
【0070】
また扁平な画素塊を線画領域矩形ブロック、一定大きさ以上でかつ四角形の白画素塊を整列よく内包する黒画素塊を表領域矩形ブロック、不定形の画素塊が散在している領域を写真領域矩形ブロック、それ以外の不定形の画素塊を写真領域矩形ブロックとする。
【0071】
ブロックセレクションステップでは、このようにして生成された矩形ブロックのそれぞれについて、図5に示す、属性等のブロック情報および入力ファイル情報を生成する。
【0072】
図5において、ブロック情報には各ブロックの属性、位置の座標X、座標Y、幅W、高さH、OCR情報が含まれる。属性は1〜5の数値で与えられ、1は文字領域矩形ブロック、2は図面領域矩形ブロック、3は表領域矩形ブロック、4 は線画領域矩形ブロック、5は写真領域矩形ブロックを示す。座標X、座標Yは入力画像における各矩形ブロックの始点のX、Y座標(左上角の座標)である。幅W、高さHは矩形ブロックのX座標方向の幅、Y座標方向の高さである。OCR情報は入力画像におけるポインタ情報の有無を示す。
【0073】
さらに入力ファイル情報として矩形ブロックの個数を示すブロック総数Nが含まれる。
【0074】
これらの矩形ブロックごとのブロック情報は、特定領域でのベクトル化に利用される。またブロック情報によって、特定領域とその他の領域を合成する際の相対位置関係を特定でき、入力画像のレイアウトを損なわずにベクトル化領域とラスターデータ領域を合成することが可能となる。
【0075】
[2次元バーコードを用いたポインタ情報、セキュリティー情報抽出ステップ]
ステップS307(ポインタ情報抽出ステップ)及びステップS308(セキュリティー情報抽出ステップ)は、図6の各ステップによって実行される。
【0076】
図7は、ポインタ情報抽出ステップの処理対象となる原稿310を示し、原稿310はデータ処理装置115内のページメモリ(図示せず。)に格納される。原稿310には、文字領域矩形ブロック312、313、図面領域矩形ブロック314、2次元バーコード(QRコード)のシンボル311が記録されている。
【0077】
ステップS701:まず、記憶装置111のページメモリに格納された原稿310の入力画像をCPU(図示せず。)で走査し、ブロックセレクションステップの処理結果から、2次元バーコードシンボル311の位置を検出する。
【0078】
QRコードシンボルは、4隅のうちの3隅に、特定の位置検出要素パターンが設けられ、位置検出要素パターンを検出することにより、QRコードシンボルを検出し得る。
【0079】
ステップS702:次に、位置検出パターンに隣接する形式情報を復元し、シンボルに適用されている誤り訂正レベルおよびマスクパターンを得る。
【0080】
ステップS703:次にシンボルの型番(モデル)を決定する。
【0081】
ステップS704:ステップS702の形式情報から得られたマスクパターンを使って、QRコードのシンボルの符号化領域ビットパターンをXOR演算し、QRコードのシンボルのマスク処理を解除する。
【0082】
ステップS705:ステップS703で得られたモデルに基づいて配置規則を取得し、この配置規則に基づいて、シンボルキャラクタを読取り、メッセージのデータ及び誤り訂正コード語を復元する。
【0083】
ステップS706:復元されたメッセージについて、誤り訂正コード語に基づいて、誤りがあるかどうかの検出を行う。誤りが検出されたときは、訂正のためにステップS707に分岐する。
【0084】
ステップS707:復元されたメッセージを訂正する。
【0085】
ステップS708:誤り訂正されたデータより、モード指示子および文字数指示子に基づいて、データコード語をセグメントに分割し、データコード語を復元する。
【0086】
ステップS709:検出された仕様モードに基づいてデータコード文字を復号し、結果を出力する。
【0087】
2次元バーコードに組み込まれたデータは、図9で示すような、画像の識別名称、原稿内の画像の位置情報、セキュリティーレベル、画像のポインタとしてIPアドレス、サーバ名及びディレクトリ名、URL等で構成される。
【0088】
本実施形態ではポインタ情報を2次元バーコードの形で付与した原稿310について説明したが、種々のポインタ情報の記録形態を採用し得る。
【0089】
例えば、所定のルールに従った文字列によってポインタ情報を直接文字列で記録し、ブロックセレクションステップによって文字列の矩形ブロックを検出してもよい。検出された文字列を認識することによりポインタ情報を取得し得る。
【0090】
あるいは文字領域矩形ブロック312や文字領域矩形ブロック313において、隣接文字列の間隔に視認し難い程度の変調を加え、該文字列間隔変調の情報によってポインタ情報を表現し得る。このような透かし情報は、後述する文字認識処理を行う際に各文字の間隔を検出することによって検出でき、ポインタ情報を取得し得る。また電子透かしとしてポインタ情報を付加する事も可能である。
【0091】
以上のようなポインタ情報抽出に関しても、本実施形態のようにベクトル化すべき特定領域を指定することにより、迅速かつ確実にポインタ情報を取得し得る。すなわち、バーコード、電子透かし等が埋め込まれている矩形ブロックをユーザが指定することで、効率のよいポインタ情報抽出を行うことが可能である。
【0092】
[ポインタ情報による電子ファイル検索]
図3のステップS314における、ポインタ情報による電子ファイル検索は以下のように実行される。
【0093】
まずポインタ情報に含まれるアドレスに基づいて、ファイルサーバを特定し、ファイルサーバに対して、アドレスを転送する。ファイルサーバには、クライアントPC102、データベース105を内蔵する文書管理サーバ106、記憶装置111を内蔵するMFP100の全てが含まれる。アドレスは、URLや、サーバ名およびファイル名よりなるパス情報である。
【0094】
アドレスを受信したファイルサーバは、このアドレスに基づいてオリジナルデータファイルを検索する。このファイル検索によってオリジナルデータファイルを抽出できたときは、ファイルのアドレスをMFP100に通知し、ユーザがオリジナルデータファイルの取得を希望するときはオリジナルデータファイルをMFP100に転送する。一方、ファイルサーバにおいてファイルを抽出できなかったときはその旨をMFP100に通知する。
【0095】
[ベクトル化ステップ]
ステップS310(ベクトル化ステップ)は図8の各ステップによって実行される。ベクトル化ステップは、ステップS309において特定領域中にポインタ情報が抽出されなかった場合に、当該特定領域内のイメージデータをベクトル化する処理である。
【0096】
ステップS901:特定領域が文字領域矩形ブロックであるか否か判断し、文字領域矩形ブロックであればステップS902以下のステップに進み、パターンマッチングの一手法を用いて認識を行い、対応する文字コードを得る。特定領域が文字領域矩形ブロックでないときは、ステップS912に移行する。
【0097】
ステップS902:特定領域に対し横書き、縦書きの判定(組み方向判定)をおこなうために、特定領域内で画素値に対する水平・垂直の射影を取る。
【0098】
ステップS903:ステップS902の射影の分散を評価する。水平射影の分散が大きい場合は横書き、垂直射影の分散が大きい場合は縦書きと判断する。
【0099】
ステップS904:ステップS903の評価結果に基づき、組み方向を判定し、行の切り出しを行い、その後文字を切り出して文字画像を得る。
【0100】
文字列および文字への分解は、横書きならば水平方向の射影を利用して行を切り出し、切り出された行に対する垂直方向の射影から、文字を切り出す。縦書きの文字領域に対しては、水平と垂直について逆の処理を行う。行、文字切り出しに際して、文字のサイズも検出し得る。
【0101】
ステップS905:ステップS904で切り出された各文字について、文字画像から得られる特徴を数十次元の数値列に変換した観測特徴ベクトルを生成する。特徴ベクトルの抽出には種々の公知手法があり、例えば、文字をメッシュ状に分割し、各メッシュ内の文字線を方向別に線素としてカウントしたメッシュ数次元ベクトルを特徴ベクトルとする方法がある。
【0102】
ステップS906:ステップS905で得られた観測特徴ベクトルと、あらかじめ字種ごとに求められている辞書特徴ベクトルとを比較し、観測特徴ベクトルと辞書特徴ベクトルとの距離を算出する。
【0103】
ステップS907:ステップS906で算出された距離を評価し、最も距離の近い字種を認識結果とする。
【0104】
ステップS908:ステップS907における距離評価において、最短距離が所定値よりも大きいか否か、類似度を判断する。類似度が所定値以上の場合は、辞書特徴ベクトルにおいて、形状が類似する他の文字に誤認識している可能性が高い。そこで類似度が所定値以上の場合は、ステップS907の認識結果を採用せず、ステップS911の処置に進む。類似度が所定値より低い(小さい)ときは、ステップS907の認識結果を採用し、ステップ909に進む。
【0105】
ステップS909(フォント認識ステップ):文字認識の際に用いる、字種数ぶんの辞書特徴ベクトルを、文字形状種すなわちフォント種に対して複数用意しておき、パターンマッチングの際に、文字コードとともにフォント種を出力することで、文字フォントを認識し得る。
【0106】
ステップS910:文字認識およびフォント認識よって得られた文字コードおよびフォント情報を用いて、各々あらかじめ用意されたアウトラインデータを用いて、各文字をベクトルデータに変換する。なお、入力画像がカラーの場合は、カラー画像から各文字の色を抽出してベクトルデータとともに記録する。
【0107】
ステップS911:文字を一般的な線画と同様に扱い、該文字をアウトライン化する。すなわち誤認識を起こす可能性の高い文字については、可視的にイメージデータに忠実なアウトラインのベクトルデータを生成する。
【0108】
ステップS912:特定領域が文字領域矩形ブロックでないときは、画像の輪郭に基づいてベクトル化の処理を実行する。
【0109】
以上の処理により、文字領域矩形ブロックに属するイメージ情報をほぼ形状、大きさ、色が忠実なベクトルデータに変換出来る。
【0110】
[文字領域以外の領域のベクトル化]
ステップS912の文字領域矩形ブロック以外の領域、すなわち図面領域矩形ブロック、線画領域矩形ブロック、表領域矩形ブロック等と判断されたときは、特定領域内で抽出された黒画素塊の輪郭をベクトルデータに変換する。
【0111】
文字領域以外の領域のベクトル化においては、まず線画等を直線および/または曲線の組み合わせとして表現するために、曲線を複数の区間(画素列)に区切る「角」を検出する。角とは曲率が極大となる点であり、図10の曲線上の画素Piが角か否かの判断は以下のように行う。
【0112】
すなわち、Piを起点とし、曲線に沿ってPiから両方向に所定画素(k個とする。)づつ離れた画素Pi−k、Pi+kを線分Lで結ぶ。画素Pi−k、P i+k間の距離をd1、線分Lと画素Piとの距離をd2、曲線の画素Pi−k 、Pi+k間の弧の長さをAとするとき、d2が極大となるとき、あるいは比( d1/A)が閾値以下となるときに画素Piを角と判断する。
【0113】
角によって分割された画素列を、直線あるいは曲線で近似する。直線への近似は最小二乗法等により実行し、曲線への近似は3次スプライン関数などを用いる。画素列を分割する角の画素は近似直線あるいは近似直線における、始端または
終端となる。
【0114】
さらにベクトル化された輪郭内に白画素塊の内輪郭が存在するか否かを判断し、内輪郭が存在するときはその輪郭をベクトル化し、内輪郭の内輪郭というように、再帰的に反転画素の内輪郭をベクトル化する。
【0115】
以上のように、輪郭の区分線近似を用いれば、任意形状の図形のアウトラインをベクトル化することができる。元原稿がカラーの場合は、カラー画像から図形の色を抽出してベクトルデータとともに記録する。
【0116】
図11に示すように、ある注目区間で外輪郭PRjと、内輪郭PRj+1あるいは別の外輪郭が近接している場合、2個あるいは複数の輪郭線をひとまとめにし、太さを持った線として表現することができる。例えば、輪郭Pj+1の各画素Piから輪郭PRj上で最短距離となる画素Qiまでの距離PiQiを算出し、PQiのばらつきがわずかである場合には、注目区間を画素Pi、Qiの中点Miの点列に沿った直線または曲線で近似し得る。近似直線、近似曲線の太さは、例えば距離PiQiの平均値とする。
【0117】
線や線の集合体である表罫線は、太さを持つ線の集合とすることにより、効率よくベクトル表現することができる。
【0118】
輪郭まとめの処理の後、全体の処理を終了する。
【0119】
なお写真領域矩形ブロックについては、ベクトル化せず、イメージデータのままとする。
【0120】
[図形認識]
以上の線図形等のアウトラインをベクトル化した後、ベクトル化された区分線を図形オブジェクトごとにグループ化する。
【0121】
図12の各ステップは、ベクトルデータを図形オブジェクトごとにグループ化する処理を示す。
【0122】
ステップS1401:まず各ベクトルデータの始点、終点を算出する。
【0123】
ステップS1402(図形要素検出):ステップS1401で求められた始点、終点情報を用いて、図形要素を検出する。図形要素とは、区分線が構成している閉図形であり、検出に際しては、始点、終端となっている共通の角の画素においてベクトルを連結する。すなわち、閉形状を構成する各ベクトルはその両端にそれぞれ連結するベクトルを有しているという原理を応用する。
【0124】
ステップS1403:次に図形要素内に存在する他の図形要素、もしくは区分線をグループ化し、一つの図形オブジェクトとする。また、図形要素内に他の図形要素、区分線が存在しない場合は図形要素を図形オブジェクトとする。
【0125】
[図形要素の検出]
ステップS1402(図形要素検出)の処理は、図13の各ステップによって実行される。
【0126】
ステップS1501:まず、ベクトルデータより両端に連結していない不要なベクトルを除去し、閉図形を構成するベクトルを抽出する。
【0127】
ステップS1502:次に閉図形を構成するベクトルについて、いずれかのベクトルの端点(始点または終点)を開始点とし、一定方向、例えば時計回りに、順にベクトルを探索する。すなわち、他端点において他のベクトルの端点を探索し、所定距離内の最近接端点を連結ベクトルの端点とする。閉図形を構成するベクトルを1まわりして開始点に戻ったとき、通過したベクトルを全て一つの図形要素を構成する閉図形としてグループ化する。また、閉図形内部にある閉図形構成ベクトルも全てグループ化する。さらにまだグループ化されていないベクトルの始点を開始点とし、同様の処理を繰り返す。
【0128】
ステップS1503:最後に、ステップS1501で除去された不要ベクトルのうち、ステップS1502で閉図形としてグループ化されたベクトルに端点が近接しているベクトルを検出し、一つの図形要素としてグループ化する。
【0129】
以上の処理によって図形ブロックを、再利用可能な個別の図形オブジェクトとして扱う事が可能になる。
【0130】
[画像の編集、出力処理の流れ]
画像を編集、出力処理の流れについて図14を使って説明する。
原稿画像内のそれぞれの画像について図形オブジェクトとして扱うことが可能になり、さらに画像ごとのセキュリティーレベルが確定された画像は、表示装置116に再表示される。
【0131】
図15(a)は、再表示されたときの画像を示す。
ステップS1401(画像再表示):画像310は、セキュリティーレベル1の文字オブジェクト312、セキュリティーレベル2の文字オブジェクト313、セキュリティーレベル5の画像オブジェクト314からなる。
【0132】
ユーザ識別手段によるユーザのセキュリティーレベルが4の場合、このユーザは、オブジェクト312及び313は、ユーザーレベルより低いセキュリティーレベルのオブジェクトであるため、拡大、縮小、移動、変更等の編集処理が可能であるが、オブジェクト314は、ユーザのセキュリティーレベルより高いセキュリティーレベルのオブジェクトであるため、網掛け表示になり編集不可能であることを示す。
【0133】
ステップS1402(画像編集設定):画像を編集する場合は、オブジェクトを表示装置上で画像を指定し、入力装置113より編集設定を行う。
【0134】
画像を指定する方法としては、画面上のタッチパネルを使用する方法や、ポインティングデバイス等を使用する方法がある。
【0135】
ステップS1403(編集処理判断):編集オブジェクトが指定されると、指定されたオブジェクトのセキュリティーレベルとユーザのセキュリティーレベルから編集が可能であるかどうかの判断が行われる。
【0136】
例えば、オブジェクト312が編集対象として選択された場合は、オブジェクトのセキュリティーレベルよりユーザのセキュリティーレベルが高いため、編集可能と判断される。
【0137】
ステップS1404(画像編集処理):編集可能と判断されると入力装置113より編集処理が行われる。
【0138】
図16の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
【0139】
ステップS1601では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0140】
次にステップS1602では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0141】
図17はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0142】
次にステップS1603で出力用のセキュリティーレベルを設定する。出力用のセキュリティーレベルは登録時のセキュリティーレベル以上にあげて設定することは可能であるが、下げることはできない。
【0143】
たとえば、登録時のセキュリティーレベルが3であれば、出力時にユーザは、レベル3以上にしか設定できない。
【0144】
次にステップS1604で、過去の出力時のセキュリティーレベルの中で、登録時のセキュリティーレベルよりもあげている回数が閾値(たとえば3回)よりも多く、かつS1603で出力用に設定したレベルが過去の出力時のレベルの最も高いレベルよりも低い場合に、「このオブジェクトのセキュリティーレベルは**(S1603で設定のセキュリティーレベル:たとえば2)ですが、よろしいですか?」
という警告をユーザに出す
たとえば図17の履歴によると12/9の時点でそれ以前に設定した出力用のレベルが登録時のレベル1より高いレベルを付加した回数が3回より多く(12/6で4回)、以前設定されたレベルで最も高いレベルが3であるので、ユーザがレベル2を設定しようとすると
「このオブジェクトのセキュリティーレベルは2ですが、よろしいですか?」という警告をユーザに出す。
【0145】
ユーザはそれによってこのオブジェクトのセキュリティーレベルに関して注意してレベル設定を行えるようになる。図17の例では12/9に設定したレベルは最終的にレベル3になっている。
【0146】
次にステップS1605で、決定したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0147】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0148】
ステップS1405(プリント指示):編集処理により出力レイアウトが決定後、入力装置113よりプリント指示を行う。
【0149】
ステップS1406(プリント処理判断):プリント処理が指示されると、オブジェクトのセキュリティーレベルとユーザのセキュリティーレベルによりプリント可/不可の判断処理が行われる。
【0150】
ステップS1407(プリント処理):プリントするオブジェクトが決定すると、プリントのため各オブジェクトのベクトルデータは、プリントのためのデータ変換処理がされ記録装置112に送られ、紙などの記録媒体に印字され出力される。
【0151】
[第2実施形態]
第1実施形態では、原稿の画像情報として2次元バーコード、電子すかしにより、それぞれ画像のポインタ情報及び画像のセキュリティーレベルが設定されている構成となっているが、
たとえば、図18のような、各画像の位置情報、登録時のセキュリティーレベル情報、出力時のセキュリティーレベルの履歴情報、画像のポインタ情報といったデータをフォームデータという形でサーバ内に登録しておき、画像情報としてフォームが登録されているサーバのポインタ、フォームの名称等を画像に記録しておき、スキャン時に画像情報を読み取り、サーバからその画像のフォームデータを取得することで、それぞれの画像の座標情報、ポインタ情報、セキュリティーレベルを取得する方法がある。
【0152】
[第3実施形態]
第3の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0153】
図19の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
ステップS1901では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0154】
次にステップS1902では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0155】
図20はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0156】
次にステップS1903で、出力用のセキュリティーレベルを設定する。出力用のセキュリティーレベルは登録時のセキュリティーレベル以上にあげて設定することは可能であるが、下げることはできない。
【0157】
たとえば、登録時のセキュリティーレベルが3であれば、出力時にユーザは、レベル3以上にしか設定できない。
【0158】
次にステップS1904で、決定したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0159】
次にステップS1905で、出力時に登録時のセキュリティーレベルよりも高いレベルを付加された回数が閾値(たとえば3回)を超えた場合は、オブジェクト登録者に「セキュリティーレベルの見直し」を(たとえばメールで)促す。
【0160】
たとえば図20の履歴によると2004/12/7の時点で登録時のレベル1より高いレベルを付加した回数が4回になって閾値の3回を越えている。
【0161】
「word040211オブジェクトの登録時のセキュリティーレベルは1ですが、ユーザによってより高いレベルが4回設定されました。登録されたオブジェクトのセキュリティーレベルを上げなくてよいか検討をしてください」という警告をオブジェクト登録者にメールで出す。登録者はそれによってこのオブジェクトのセキュリティーレベルに関して再度検討が行えるようになる。
【0162】
図20の例では、その後12/14に登録者によってレベルが3に変更されている。
【0163】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0164】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0165】
[第4実施形態]
第4の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0166】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
【0167】
ステップS2101では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0168】
次にステップS2102では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0169】
図22はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0170】
次にステップS2103で、登録時のセキュリティーレベルよりも高いセキュリティーレベルが閾値(たとえば3回)回数より多く出力時に設定されている場合は、強制的に登録時に設定されているセキュリティーレベルを高いセキュリティーレベルに変更する
たとえば図22の例では、2004/12/7に4回目になり、強制的にセキュリティーレベルがレベル3(高いレベルは2と3の両方あるので高い方のレベル3となる)になる。
【0171】
次にステップS2104で、変更したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0172】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0173】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0174】
[第5実施形態]
第5の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0175】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。その中で図23は図21の処理フローの中のステップS2103に代わる第5の実施例のステップS2103である。
【0176】
以下図21、図23に従って説明する。
【0177】
ステップS2101では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0178】
次にステップS2102では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0179】
図22はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0180】
次に図23のステップS2103で、登録時のセキュリティーレベルよりも高いセキュリティーレベルが閾値(たとえば3回)回数より多く出力時に設定されている場合、かつ登録者がその場合に登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない設定にした場合に、強制的に登録時に設定されているセキュリティーレベルを高いセキュリティーレベルに変更する
たとえば図22の例では、2004/12/7に4回目になっている。従って登録者が「登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない」という設定にしている場合は、強制的に登録時に設定したセキュリティーレベルがレベル3(高いレベルは2と3の両方あるので高い方のレベル3となる)になる。「登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない」という設定にしていない場合は、変更されず、たとえば登録者に「word040211オブジェクトの登録時のセキュリティーレベルは1ですが、ユーザによってより高いレベルが4回設定されました。登録されたオブジェクトのセキュリティーレベルを上げなくてよいか検討をしてください」という警告をオブジェクト登録者にメールで出す。
【0181】
図22の例では、「登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない」という設定にしており、強制的に登録時に設定したセキュリティーレベルがレベル3に変更される。
【0182】
次にステップS2104で、変更したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0183】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0184】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0185】
[第6実施形態]
第6の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0186】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。その中で図24は図21の処理フローの中のステップS2103に代わる第6の実施例のステップS2103である。
【0187】
以下図21、図24に従って説明する。
【0188】
第6の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0189】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
ステップS2101では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0190】
次にステップS2102では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0191】
図25はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0192】
次に図24のステップS2103で、出力時に登録時のセキュリティーレベルよりも高いセキュリティーレベルが第一の閾値(たとえば2回)回数より多く設定されている場合は、登録者に「ユーザにより高いレベルが**回(たとえば3回)設定されましたのでご確認ください」という警告を出し、第二の閾値(たとえば5回)を超えた場合には強制的に登録時に設定されているセキュリティーレベルを高いセキュリティーレベルに変更する。
【0193】
たとえば図25の例では、2004/12/5に3回目になっているので第一の閾値(2回)を超え、登録者に「オブジェクトword040211に関してユーザにより高いレベルが3回設定されましたのでご確認ください」という警告を出す。しかしながら登録者はレベルの変更をしていない。その後12/11に6回目になっているので第二の閾値(5回)を超え、強制的に登録時のセキュリティーレベルをレベル3(高いレベルは2と3の両方あるので高い方のレベル3となる)に変更する。
【0194】
次にステップS2104で、変更したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0195】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0196】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を実施する画像処理システムを示すブロック図である。
【図2】図1におけるMFPを示すブロック図である。
【図3】本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を示すフローチャ−トである。
【図4】図3の画像処理方法により処理される原稿と処理結果の画像を示す図である。
【図5】ブロックセレクション処理で得られるブロック情報および入力ファイル情報を示す表である。
【図6】画像からポインタ情報およびセキュリティー情報を抽出する処理を示すフローチャートである。
【図7】ポインタ情報を含む原稿の画像を示す図である。
【図8】図3の文字領域のベクトル化の処理を示すフローチャートである。
【図9】画像情報により解析された画像情報の例を示す図である。
【図10】ベクトル化の処理における角抽出の処理を示す図である。
【図11】ベクトル化の処理における輪郭線まとめの処理を示す図である。
【図12】図3のベクトル化で生成されたベクトルデータのグループ化の処理を示すフローチャートである。
【図13】図12の処理でグループ化されたベクトルデータに対する図形要素検出の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る画像の編集、出力処理方法を示すフローチャ−トである。
【図15】オブジェクト処理及びオブジェクトのセキュリティーレベル確定後の原稿画像の表示を示す図である。
【図16】第1の実施例の図14のステップS1404の編集処理を示すフローチャートである。
【図17】第1の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図18】第2の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図19】第3の実施例の図14のステップS1404の編集処理を示すフローチャートである。
【図20】第3の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図21】第4の実施例の図14のステップS1404の編集処理を示すフローチャートである。
【図22】第4、第5の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図23】第5の実施例の図21のステップS2103の処理部分を示すフローチャートである。
【図24】第6の実施例の図21のステップS2103の処理部分を示すフローチャートである。
【図25】第6の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は文書データを画像情報として処理する画像処理装置に関するものであり、より詳しくは画像情報を効果的に隠蔽し、文書データのセキュリティー性を向上させる方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機能が拡張された記録装置、MFP(マルチファンクション複合機)を用い、画像記憶装置に文字や画像のオリジナルデータファイルを格納しておき、オリジナルデータファイルを印刷して紙文書に記録する際に、入力された画像データをベクトルデータに変換することで編集可能な状態にし、再編集してプリントアウトすることが可能と装置がある。
【0003】
しかし、容易に編集可能になることでデータの改ざんが容易になるだけでなく、著作権保護の問題等もあるため、データごとにセキュリティーレベルを設定する必要がある。このセキュリティーレベルを設定する方法としては、たとえば、画像に対して人間が知覚できないように透かし等の情報を埋め込むことが考えられている。この電子透かしの技術としては、特許文献1といった画像データをウェーブレット変換し周波数空間での冗長性を利用してデータを埋め込むなどの方法が知られている。
【特許文献1】特開2000-106624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セキュリティー情報を埋め込み忘れたり、適切なセキュリティーレベルを判断できない、あるいは誤って低レベルのセキュリティーレベルに設定してしまうような問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明では、ユーザ認識手段によりユーザーレベルを取得するユーザーレベル取得手段と、画像情報を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により得られた画像の像域情報に応じてブロックに分割するブロックセレクション手段と、前記ブロックセレクションされた画像に埋め込まれた情報から画像のポインタ情報及びセキュリティーレベルを検出する情報検出手段と、前記ポインタ情報からサーバ内の画像を検索、取得する画像検索、取得手段と、前記画像検索、取得手段によりに画像が取得できない場合、もしくは前記ポインタ情報が得られない場合は、画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像にセキュリティーレベルを付加して出力する手段と、付加したセキュリティーレベルの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際にセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有することを特徴とする画像処理装置を提供することを目的としている。
【発明の効果】
【0006】
画像データからベクトル化して再編集可能にさせるシステムかつセキュリティーレベルを設定できるシステムでセキュリティー状態の変更に応じてセキュリティーレベルを適切に変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[第1実施形態]
次に本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
[画像処理システム]
図1において、本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を実施する画像処理システムは、エリア1とエリア2とをインターネット104で接続した環境において使用される。
【0009】
エリア1内に構築されたLAN107には、記録装置としてのMFP(マルチファンクション複合機)100、MFP100を制御するマネージメントP C101、クライアントPC(外部記憶手段)102、文書管理サーバ106、文書管理サーバ106のためのデータベース105が接続されている。
【0010】
エリア2内にはLAN108が構築され、LAN108には文書管理サーバ106、および文書管理サーバ106のためのデータベース105が接続されている。
【0011】
LAN107、108にはプロキシサーバ103が接続され、LAN107、108はプロキシサーバ103を介してインターネットに接続される。
【0012】
MFP100は原稿から読み取った入力画像に対する画像処理の一部を担当し、処理結果としての画像データはLAN109を通じてマネージメントPC101に入力される。マネージメントPC101は、画像記憶手段、画像処理手段、表示手段、入力手段等を含む通常のコンピュータであり、機能的にはこれら構成要素の一部がMFP100と一体化して、画像処理システムの構成要素となっている。なお、本実施形態では、マネージメントPCにおいて、下記に記載の検索処理などが実行されるものとするが、マネージメントPCで行われる処理をMFPで実行するようにしても構わない。
【0013】
さらにMFP100は、LAN109によってマネージメントPC101に直接接続されている。
【0014】
[MFP]
図2において、MFP100は、図示しないオートドキュメントフィーダ(ADF)を有する画像読み取り部110を備え、画像読み取り部110は束状の或いは1枚の原稿の画像を光源で照射し、反射画像をレンズで固体撮像素子上に結像する。固体撮像素子は所定解像度(例えば600dpi)および所定濃度レベル(例えば8ビット)の画像読み取り信号を生成し、画像読み取り信号からラスターデータよりなる画像データが構成される。
【0015】
MFP100は、記憶装置111および記録装置112を有し、通常の複写機能を実行する際には、イメージデータをデータ処理装置115によって画像処理して記録信号に変換する。複数枚複写の場合には、1頁分の記録信号を一旦記憶装置111に記憶保持した後、記録装置112に順次出力して、記録紙上に記録画像を形成する。
【0016】
MFP100は、LAN107との接続のためのネットワークIF114を有し、クライアントPC102が出力したイメージデータを、記録装置112によって記録し得る。クライアントPC102から出力されたイメージデータはLAN107からネットワークIF114を経てデータ処理装置115で記録可能な記録信号に変換された後、MFP100において、記録紙上に記録画像として記録される。
【0017】
MFP100は、MFP100に設けられたキー操作部(入力装置113)、あるいはマネージメントPC101の入力装置(キーボード、ポインティングデバイス等)を通じて操作される。これらの操作のために、データ処理装置115 は内部の制御部(図示せず。)によって所定の制御を実行する。
【0018】
また、入力装置113にユーザ認識装置118が接続され、ユーザ識別を行っている。
【0019】
ユーザ認識装置は、ICカード、ID入力手段、指紋や虹彩識別といった生態認証手段であり使用するユーザを特定する装置である。
【0020】
また、MFP側にはユーザ毎にセキュリティーレベルが設定、記憶されており、ユーザ認識装置によるユーザの特定だけでなく、ユーザごとのセキュリティーレベルを取得することができるものである。
【0021】
このセキュリティーレベルは、ICカード内に記憶されるものでも良い。
【0022】
MFP100は表示装置116を有し、操作入力の状態と処理すべきイメージデータとを、表示装置116によって表示し得る。
【0023】
記憶装置111はネットワークIF117を介して、マネージメントPC10 1から直接制御し得る。LAN109は、MFP100とマネージメントPC1 01との間のデータの授受、制御信号授受に用いられる。
【0024】
[画像処理方法の全体の流れ]
本発明に係る画像処理方法の第1実施形態は図3の各ステップにより実行される。
【0025】
ステップS301:ユーザ認識装置118からユーザの識別を行う。識別は、IDカード、暗証番号もしくは指紋等の生態認証により個人が特定される。
【0026】
登録されていないID、暗証番号、指紋等が一致しない場合は、表示装置116に個人の認証が出来ない旨が表示される。
【0027】
また、個人の認証が行われるとMFPもしくはネットワーク上のデータベースに予め登録してある、ユーザのセキュリティーレベルが取得される。
【0028】
例えば、このユーザのセキュリティーレベルは、以下のように画像のセキュリティーレベルと合わせて以下のように5段階に区別される。
【0029】
レベル5:全ての画像のプリント、編集が可能
レベル4:レベル4以下の画像のプリント、編集可能が可能
レベル3:レベル3以下の画像のプリント、編集可能が可能
レベル2:レベル2以下の画像のプリント、編集可能が可能
レベル1:セキュリティーレベルのついた全ての画像のプリント、編集が不可
ステップS302:ユーザ認証が終了すると、MFP100の画像読み取り部110を動作させて、1枚の原稿をラスター状に走査し、所定解像度および所定濃度レベルの、画像読み取り信号を取得する。画像読み取り信号はデータ処理部115によって前処理され、入力画像の1頁分のイメージデータとして、記憶装置111に保存される。次にステップS303に進む。
【0030】
ステップS303(ブロックセレクション(領域分割)ステップ):マネージメントPC101によって、記憶装置111に格納されたイメージデータの領域を、文字あるいは線画を含む文字・線画領域と、ハーフトーンの写真領域、不定形の画像領域その他に分ける。さらに文字・線画領域について、主に文字を含む文字領域と、主に表、図形等を含む線画領域とを分離し、線画領域は表領域と図形領域に分離する。なお、本実施形態では連結画素を検知し、該連結画素の外接矩形領域の形状・サイズ・画素密度等を用いて、属性毎の領域に分割するものとするが、その他の領域分割手法を用いても構わない。
【0031】
文字領域については、文字段落ごとの纏まった塊をブロックとして矩形ブロック(文字領域矩形ブロック)にセグメント化し、線画領域では、表、図形等の個々のオブジェクト(表領域矩形ブロック、線画領域矩形ブロック)ごとに矩形ブロックにセグメント化する。
【0032】
ハーフトーンで表現される写真領域は、画像領域矩形ブロック、背景領域矩形ブロック等のオブジェクトごとに、矩形ブロックにセグメント化する。
【0033】
これらの矩形ブロックの情報を「領域分割情報」という。
【0034】
ステップS304:ブロックセレクションステップで得られた領域分割情報と入力画像とを合成して、MFP100の表示装置116における操作画面上に表示する。
【0035】
表示装置116に表示される操作画面の一例を図4に示す。
【0036】
操作画面には、左半部に入力画像そのものが画像41として表示され、右半部に矩形ブロックにより領域分割情報を示す画像42が表示される。
【0037】
画像42では、入力画像を簡略表示するとともに、各矩形ブロックを矩形で示す。
【0038】
矩形ブロックの概念の理解を容易にするため、各矩形ブロックには、その属性を示す、TEXT、PICTURE、LINE、TABLEの表示が付されているが、実際には属性情報は表示されず、分割された矩形領域が枠線として表示される。
【0039】
TEXT、PICTURE、LINE、TABLEは文字領域矩形ブロック、図面領域矩形ブロック、線図形領域矩形ブロック、表領域矩形ブロックの属性表示であり、写真領域矩形ブロックを示すPHOTO、その他の属性表示が用いられる。
【0040】
なお、図4では入力画像と領域分割情報を左右に並べて表示しているが、これらを重ねて入力画像上に分割された矩形ブロックを表示する等、多様な表示形態が可能である。
【0041】
ステップS305:ステップS304で指定された領域分割情報のイメージデータを切り出し、切り出されたイメージデータに対して以下の処理を行う。
【0042】
ステップS306:領域内の画像もしくは、画像全体にオリジナルデータファイルのポインタ情報及び画像のセキュリティー情報が埋め込まれているか否かの判定を行うための情報検出処理を行う。
【0043】
原稿画像中に記録された画像情報としては、2次元バーコード、文字列、可視できない情報として電子透かしを検出し、これらの情報を解読して入力画像のオリジナルデータファイルが格納されている記憶装置内のポインタ情報および画像のセキュリティーレベルを検出する。
【0044】
ステップS307(ポインタ情報抽出ステップ):ステップS306におけるポインタ情報を検出し、その情報をOCR、OMR、もしくは電子透かしの情報から、オリジナルの画像記憶されたポインタ情報を抽出する。ポインタ情報としは、画像名称、画像が保存されているサーバ、サーバのIPアドレス等である。
【0045】
ステップS308(セキュリティー情報抽出ステップ):ステップS306における画像情報検出処理により、画像ごとのセキュリティーレベルを抽出する。
【0046】
セキュリティーレベルは、プリント時に設定されていた画像のセキュリティーレベル情報もしくは、未登録の画像についてはプリント時にユーザが設定したセキュリティーレベル情報である。
【0047】
ステップS309:領域分割された画像毎にポインタ情報が取得されたか否か判断する。ポインタ情報が取得された画像は、オリジナルデータファイルに直接アクセスすべくステップS314に分岐する。
【0048】
オリジナルデータファイルは、電子ファイルの形態で、図1のクライアントPC102のハードディスク内、文書管理サーバ106内のデータベース105内、MFP100に設けられた記憶装置111等に格納されており、ステップS308で得られたアドレス情報(ポインタ情報)に従ってこれらの記憶装置内を検索する。
【0049】
ステップS310(ベクトル化ステップ):ポインタ情報が抽出されなかった場合、ベクトル化処理により各領域のイメージデータをベクトルデータに変換する。
【0050】
ベクトル化の方法は、以下(a)〜(f)等が存在する。
【0051】
(a)特定領域が文字領域のとき、さらにOCRによる文字画像のコード変換を行ったり、あるいは文字のサイズ、スタイル、字体を認識し、原稿を走査して得られた文字に可視的に忠実なフォントデータに変換する。
【0052】
(b)特定領域が文字領域であり、かつOCRによる認識が不可能であったとき、文字の輪郭を追跡し、輪郭情報(アウトライン)を線分のつながりとして表現する形式に変換する。
【0053】
(c)特定領域が図形領域のとき、図形オブジェクトの輪郭を追跡し、輪郭情報を線分のつながりとして表現する形式に変換する。
【0054】
(d)b、cの線分形式のアウトライン情報をベジエ関数などでフィッティングして、関数情報に変換する。
【0055】
(e)cの図形オブジェクトの輪郭情報から、図形の形状を認識し、円、矩形、多角形、等の図形定義情報に変換する。
【0056】
(f)特定領域が図形領域であって、特定領域の表形式のオブジェクトの場合、罫線や枠線を認識し、所定のフォーマットの帳票フォーマット情報に変換する。
【0057】
以上の方法以外に、イメージデータをコード情報、図形情報、関数情報等のコマンド定義形の情報に置きかえる種々のベクトル化処理が考えられる。
【0058】
ステップS311:ベクトル化処理されたデータは、再利用可能なデータとしてサーバに保存されるがその場合、画像の重要度に応じて5段階のセキュリティーレベルを設定することができる。特にセキュリティーレベルの設定がされない場合は、最低のセキュリティーレベル1が設定される。
【0059】
ステップS312:セキュリティーレベルが設定されたベクトル化データは、再利用可能なデータとしてサーバへ保存される。この保存されたサーバのポインタ及びセキュリティーレベルは、画像のプリント時に画像情報として画像に埋め込まれることとなる。
【0060】
ステップS314:ステップS307でポインタ情報が取得されたときは、そのポインタ情報に基づいてオリジナルデータファイルを取得する。
【0061】
ステップS315:オリジナルデータファイルにアクセス可能な場合は、サーバに画像とともに保存されているその画像の最新のセキュリティーレベルを取得する。セキュリティーレベルは、状況に応じ刻々と変化するものであり、以前のプリント時に用紙に埋め込まれたセキュリティーレベルとは異なる可能性があるため、常に最新のセキュリティーレベルを取得することが必要である。
【0062】
画像のセキュリティーレベルは、画像登録者であればいつでも変更することが可能である。データベース内の画像データは、画像とともに登録者のID情報が記録されており、登録者は入力装置113から自分が登録した画像の一覧を日付、ファイル名、画像容量等の情報から検索可能で、検索したファイルの中からセキュリティーレベルを変更したい画像を指定し、レベルの変更を行うことが可能である。
【0063】
次に図3の主要なステップについて詳細に説明する。
【0064】
[ブロックセレクションステップ]
ステップS303(ブロックセレクションステップ)においては、図4右半部の画像42に示すように、入力画像を属性ごとに矩形ブロックに分割する。前述のように、矩形ブロックの属性としては、文字(TEXT)/図面(PICTURE )/線画(Line)/表(Table)/写真(PHOTO)等がある。
【0065】
ブロックセレクションステップにおいては、まず入力画像を白黒に2値化し、黒画素輪郭で囲まれる画素塊を抽出する。
【0066】
さらに、このように抽出された黒画素塊の大きさを評価し、大きさが所定値以上の黒画素塊の内部にある白画素塊に対する輪郭追跡を行う。白画素塊に対する大きさ評価、内部黒画素塊の追跡というように、内部の画素塊が所定値以上である限り、再帰的に内部画素塊の抽出、輪郭追跡を行う。
【0067】
画素塊の大きさは、例えば画素塊の面積によって評価される。
【0068】
このようにして得られた画素塊に外接する矩形ブロックを生成し、矩形ブロックの大きさ、形状に基づき属性を判定する。
【0069】
例えば、縦横比が1に近く、大きさが一定の範囲の矩形ブロックは文字領域矩形ブロックの可能性がある文字相当ブロックとし、近接する文字相当ブロックが規則正しく整列しているときに、これら文字相当ブロックを纏めた新たな矩形ブロックを生成し、新たな矩形ブロックを文字領域矩形ブロックとする。
【0070】
また扁平な画素塊を線画領域矩形ブロック、一定大きさ以上でかつ四角形の白画素塊を整列よく内包する黒画素塊を表領域矩形ブロック、不定形の画素塊が散在している領域を写真領域矩形ブロック、それ以外の不定形の画素塊を写真領域矩形ブロックとする。
【0071】
ブロックセレクションステップでは、このようにして生成された矩形ブロックのそれぞれについて、図5に示す、属性等のブロック情報および入力ファイル情報を生成する。
【0072】
図5において、ブロック情報には各ブロックの属性、位置の座標X、座標Y、幅W、高さH、OCR情報が含まれる。属性は1〜5の数値で与えられ、1は文字領域矩形ブロック、2は図面領域矩形ブロック、3は表領域矩形ブロック、4 は線画領域矩形ブロック、5は写真領域矩形ブロックを示す。座標X、座標Yは入力画像における各矩形ブロックの始点のX、Y座標(左上角の座標)である。幅W、高さHは矩形ブロックのX座標方向の幅、Y座標方向の高さである。OCR情報は入力画像におけるポインタ情報の有無を示す。
【0073】
さらに入力ファイル情報として矩形ブロックの個数を示すブロック総数Nが含まれる。
【0074】
これらの矩形ブロックごとのブロック情報は、特定領域でのベクトル化に利用される。またブロック情報によって、特定領域とその他の領域を合成する際の相対位置関係を特定でき、入力画像のレイアウトを損なわずにベクトル化領域とラスターデータ領域を合成することが可能となる。
【0075】
[2次元バーコードを用いたポインタ情報、セキュリティー情報抽出ステップ]
ステップS307(ポインタ情報抽出ステップ)及びステップS308(セキュリティー情報抽出ステップ)は、図6の各ステップによって実行される。
【0076】
図7は、ポインタ情報抽出ステップの処理対象となる原稿310を示し、原稿310はデータ処理装置115内のページメモリ(図示せず。)に格納される。原稿310には、文字領域矩形ブロック312、313、図面領域矩形ブロック314、2次元バーコード(QRコード)のシンボル311が記録されている。
【0077】
ステップS701:まず、記憶装置111のページメモリに格納された原稿310の入力画像をCPU(図示せず。)で走査し、ブロックセレクションステップの処理結果から、2次元バーコードシンボル311の位置を検出する。
【0078】
QRコードシンボルは、4隅のうちの3隅に、特定の位置検出要素パターンが設けられ、位置検出要素パターンを検出することにより、QRコードシンボルを検出し得る。
【0079】
ステップS702:次に、位置検出パターンに隣接する形式情報を復元し、シンボルに適用されている誤り訂正レベルおよびマスクパターンを得る。
【0080】
ステップS703:次にシンボルの型番(モデル)を決定する。
【0081】
ステップS704:ステップS702の形式情報から得られたマスクパターンを使って、QRコードのシンボルの符号化領域ビットパターンをXOR演算し、QRコードのシンボルのマスク処理を解除する。
【0082】
ステップS705:ステップS703で得られたモデルに基づいて配置規則を取得し、この配置規則に基づいて、シンボルキャラクタを読取り、メッセージのデータ及び誤り訂正コード語を復元する。
【0083】
ステップS706:復元されたメッセージについて、誤り訂正コード語に基づいて、誤りがあるかどうかの検出を行う。誤りが検出されたときは、訂正のためにステップS707に分岐する。
【0084】
ステップS707:復元されたメッセージを訂正する。
【0085】
ステップS708:誤り訂正されたデータより、モード指示子および文字数指示子に基づいて、データコード語をセグメントに分割し、データコード語を復元する。
【0086】
ステップS709:検出された仕様モードに基づいてデータコード文字を復号し、結果を出力する。
【0087】
2次元バーコードに組み込まれたデータは、図9で示すような、画像の識別名称、原稿内の画像の位置情報、セキュリティーレベル、画像のポインタとしてIPアドレス、サーバ名及びディレクトリ名、URL等で構成される。
【0088】
本実施形態ではポインタ情報を2次元バーコードの形で付与した原稿310について説明したが、種々のポインタ情報の記録形態を採用し得る。
【0089】
例えば、所定のルールに従った文字列によってポインタ情報を直接文字列で記録し、ブロックセレクションステップによって文字列の矩形ブロックを検出してもよい。検出された文字列を認識することによりポインタ情報を取得し得る。
【0090】
あるいは文字領域矩形ブロック312や文字領域矩形ブロック313において、隣接文字列の間隔に視認し難い程度の変調を加え、該文字列間隔変調の情報によってポインタ情報を表現し得る。このような透かし情報は、後述する文字認識処理を行う際に各文字の間隔を検出することによって検出でき、ポインタ情報を取得し得る。また電子透かしとしてポインタ情報を付加する事も可能である。
【0091】
以上のようなポインタ情報抽出に関しても、本実施形態のようにベクトル化すべき特定領域を指定することにより、迅速かつ確実にポインタ情報を取得し得る。すなわち、バーコード、電子透かし等が埋め込まれている矩形ブロックをユーザが指定することで、効率のよいポインタ情報抽出を行うことが可能である。
【0092】
[ポインタ情報による電子ファイル検索]
図3のステップS314における、ポインタ情報による電子ファイル検索は以下のように実行される。
【0093】
まずポインタ情報に含まれるアドレスに基づいて、ファイルサーバを特定し、ファイルサーバに対して、アドレスを転送する。ファイルサーバには、クライアントPC102、データベース105を内蔵する文書管理サーバ106、記憶装置111を内蔵するMFP100の全てが含まれる。アドレスは、URLや、サーバ名およびファイル名よりなるパス情報である。
【0094】
アドレスを受信したファイルサーバは、このアドレスに基づいてオリジナルデータファイルを検索する。このファイル検索によってオリジナルデータファイルを抽出できたときは、ファイルのアドレスをMFP100に通知し、ユーザがオリジナルデータファイルの取得を希望するときはオリジナルデータファイルをMFP100に転送する。一方、ファイルサーバにおいてファイルを抽出できなかったときはその旨をMFP100に通知する。
【0095】
[ベクトル化ステップ]
ステップS310(ベクトル化ステップ)は図8の各ステップによって実行される。ベクトル化ステップは、ステップS309において特定領域中にポインタ情報が抽出されなかった場合に、当該特定領域内のイメージデータをベクトル化する処理である。
【0096】
ステップS901:特定領域が文字領域矩形ブロックであるか否か判断し、文字領域矩形ブロックであればステップS902以下のステップに進み、パターンマッチングの一手法を用いて認識を行い、対応する文字コードを得る。特定領域が文字領域矩形ブロックでないときは、ステップS912に移行する。
【0097】
ステップS902:特定領域に対し横書き、縦書きの判定(組み方向判定)をおこなうために、特定領域内で画素値に対する水平・垂直の射影を取る。
【0098】
ステップS903:ステップS902の射影の分散を評価する。水平射影の分散が大きい場合は横書き、垂直射影の分散が大きい場合は縦書きと判断する。
【0099】
ステップS904:ステップS903の評価結果に基づき、組み方向を判定し、行の切り出しを行い、その後文字を切り出して文字画像を得る。
【0100】
文字列および文字への分解は、横書きならば水平方向の射影を利用して行を切り出し、切り出された行に対する垂直方向の射影から、文字を切り出す。縦書きの文字領域に対しては、水平と垂直について逆の処理を行う。行、文字切り出しに際して、文字のサイズも検出し得る。
【0101】
ステップS905:ステップS904で切り出された各文字について、文字画像から得られる特徴を数十次元の数値列に変換した観測特徴ベクトルを生成する。特徴ベクトルの抽出には種々の公知手法があり、例えば、文字をメッシュ状に分割し、各メッシュ内の文字線を方向別に線素としてカウントしたメッシュ数次元ベクトルを特徴ベクトルとする方法がある。
【0102】
ステップS906:ステップS905で得られた観測特徴ベクトルと、あらかじめ字種ごとに求められている辞書特徴ベクトルとを比較し、観測特徴ベクトルと辞書特徴ベクトルとの距離を算出する。
【0103】
ステップS907:ステップS906で算出された距離を評価し、最も距離の近い字種を認識結果とする。
【0104】
ステップS908:ステップS907における距離評価において、最短距離が所定値よりも大きいか否か、類似度を判断する。類似度が所定値以上の場合は、辞書特徴ベクトルにおいて、形状が類似する他の文字に誤認識している可能性が高い。そこで類似度が所定値以上の場合は、ステップS907の認識結果を採用せず、ステップS911の処置に進む。類似度が所定値より低い(小さい)ときは、ステップS907の認識結果を採用し、ステップ909に進む。
【0105】
ステップS909(フォント認識ステップ):文字認識の際に用いる、字種数ぶんの辞書特徴ベクトルを、文字形状種すなわちフォント種に対して複数用意しておき、パターンマッチングの際に、文字コードとともにフォント種を出力することで、文字フォントを認識し得る。
【0106】
ステップS910:文字認識およびフォント認識よって得られた文字コードおよびフォント情報を用いて、各々あらかじめ用意されたアウトラインデータを用いて、各文字をベクトルデータに変換する。なお、入力画像がカラーの場合は、カラー画像から各文字の色を抽出してベクトルデータとともに記録する。
【0107】
ステップS911:文字を一般的な線画と同様に扱い、該文字をアウトライン化する。すなわち誤認識を起こす可能性の高い文字については、可視的にイメージデータに忠実なアウトラインのベクトルデータを生成する。
【0108】
ステップS912:特定領域が文字領域矩形ブロックでないときは、画像の輪郭に基づいてベクトル化の処理を実行する。
【0109】
以上の処理により、文字領域矩形ブロックに属するイメージ情報をほぼ形状、大きさ、色が忠実なベクトルデータに変換出来る。
【0110】
[文字領域以外の領域のベクトル化]
ステップS912の文字領域矩形ブロック以外の領域、すなわち図面領域矩形ブロック、線画領域矩形ブロック、表領域矩形ブロック等と判断されたときは、特定領域内で抽出された黒画素塊の輪郭をベクトルデータに変換する。
【0111】
文字領域以外の領域のベクトル化においては、まず線画等を直線および/または曲線の組み合わせとして表現するために、曲線を複数の区間(画素列)に区切る「角」を検出する。角とは曲率が極大となる点であり、図10の曲線上の画素Piが角か否かの判断は以下のように行う。
【0112】
すなわち、Piを起点とし、曲線に沿ってPiから両方向に所定画素(k個とする。)づつ離れた画素Pi−k、Pi+kを線分Lで結ぶ。画素Pi−k、P i+k間の距離をd1、線分Lと画素Piとの距離をd2、曲線の画素Pi−k 、Pi+k間の弧の長さをAとするとき、d2が極大となるとき、あるいは比( d1/A)が閾値以下となるときに画素Piを角と判断する。
【0113】
角によって分割された画素列を、直線あるいは曲線で近似する。直線への近似は最小二乗法等により実行し、曲線への近似は3次スプライン関数などを用いる。画素列を分割する角の画素は近似直線あるいは近似直線における、始端または
終端となる。
【0114】
さらにベクトル化された輪郭内に白画素塊の内輪郭が存在するか否かを判断し、内輪郭が存在するときはその輪郭をベクトル化し、内輪郭の内輪郭というように、再帰的に反転画素の内輪郭をベクトル化する。
【0115】
以上のように、輪郭の区分線近似を用いれば、任意形状の図形のアウトラインをベクトル化することができる。元原稿がカラーの場合は、カラー画像から図形の色を抽出してベクトルデータとともに記録する。
【0116】
図11に示すように、ある注目区間で外輪郭PRjと、内輪郭PRj+1あるいは別の外輪郭が近接している場合、2個あるいは複数の輪郭線をひとまとめにし、太さを持った線として表現することができる。例えば、輪郭Pj+1の各画素Piから輪郭PRj上で最短距離となる画素Qiまでの距離PiQiを算出し、PQiのばらつきがわずかである場合には、注目区間を画素Pi、Qiの中点Miの点列に沿った直線または曲線で近似し得る。近似直線、近似曲線の太さは、例えば距離PiQiの平均値とする。
【0117】
線や線の集合体である表罫線は、太さを持つ線の集合とすることにより、効率よくベクトル表現することができる。
【0118】
輪郭まとめの処理の後、全体の処理を終了する。
【0119】
なお写真領域矩形ブロックについては、ベクトル化せず、イメージデータのままとする。
【0120】
[図形認識]
以上の線図形等のアウトラインをベクトル化した後、ベクトル化された区分線を図形オブジェクトごとにグループ化する。
【0121】
図12の各ステップは、ベクトルデータを図形オブジェクトごとにグループ化する処理を示す。
【0122】
ステップS1401:まず各ベクトルデータの始点、終点を算出する。
【0123】
ステップS1402(図形要素検出):ステップS1401で求められた始点、終点情報を用いて、図形要素を検出する。図形要素とは、区分線が構成している閉図形であり、検出に際しては、始点、終端となっている共通の角の画素においてベクトルを連結する。すなわち、閉形状を構成する各ベクトルはその両端にそれぞれ連結するベクトルを有しているという原理を応用する。
【0124】
ステップS1403:次に図形要素内に存在する他の図形要素、もしくは区分線をグループ化し、一つの図形オブジェクトとする。また、図形要素内に他の図形要素、区分線が存在しない場合は図形要素を図形オブジェクトとする。
【0125】
[図形要素の検出]
ステップS1402(図形要素検出)の処理は、図13の各ステップによって実行される。
【0126】
ステップS1501:まず、ベクトルデータより両端に連結していない不要なベクトルを除去し、閉図形を構成するベクトルを抽出する。
【0127】
ステップS1502:次に閉図形を構成するベクトルについて、いずれかのベクトルの端点(始点または終点)を開始点とし、一定方向、例えば時計回りに、順にベクトルを探索する。すなわち、他端点において他のベクトルの端点を探索し、所定距離内の最近接端点を連結ベクトルの端点とする。閉図形を構成するベクトルを1まわりして開始点に戻ったとき、通過したベクトルを全て一つの図形要素を構成する閉図形としてグループ化する。また、閉図形内部にある閉図形構成ベクトルも全てグループ化する。さらにまだグループ化されていないベクトルの始点を開始点とし、同様の処理を繰り返す。
【0128】
ステップS1503:最後に、ステップS1501で除去された不要ベクトルのうち、ステップS1502で閉図形としてグループ化されたベクトルに端点が近接しているベクトルを検出し、一つの図形要素としてグループ化する。
【0129】
以上の処理によって図形ブロックを、再利用可能な個別の図形オブジェクトとして扱う事が可能になる。
【0130】
[画像の編集、出力処理の流れ]
画像を編集、出力処理の流れについて図14を使って説明する。
原稿画像内のそれぞれの画像について図形オブジェクトとして扱うことが可能になり、さらに画像ごとのセキュリティーレベルが確定された画像は、表示装置116に再表示される。
【0131】
図15(a)は、再表示されたときの画像を示す。
ステップS1401(画像再表示):画像310は、セキュリティーレベル1の文字オブジェクト312、セキュリティーレベル2の文字オブジェクト313、セキュリティーレベル5の画像オブジェクト314からなる。
【0132】
ユーザ識別手段によるユーザのセキュリティーレベルが4の場合、このユーザは、オブジェクト312及び313は、ユーザーレベルより低いセキュリティーレベルのオブジェクトであるため、拡大、縮小、移動、変更等の編集処理が可能であるが、オブジェクト314は、ユーザのセキュリティーレベルより高いセキュリティーレベルのオブジェクトであるため、網掛け表示になり編集不可能であることを示す。
【0133】
ステップS1402(画像編集設定):画像を編集する場合は、オブジェクトを表示装置上で画像を指定し、入力装置113より編集設定を行う。
【0134】
画像を指定する方法としては、画面上のタッチパネルを使用する方法や、ポインティングデバイス等を使用する方法がある。
【0135】
ステップS1403(編集処理判断):編集オブジェクトが指定されると、指定されたオブジェクトのセキュリティーレベルとユーザのセキュリティーレベルから編集が可能であるかどうかの判断が行われる。
【0136】
例えば、オブジェクト312が編集対象として選択された場合は、オブジェクトのセキュリティーレベルよりユーザのセキュリティーレベルが高いため、編集可能と判断される。
【0137】
ステップS1404(画像編集処理):編集可能と判断されると入力装置113より編集処理が行われる。
【0138】
図16の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
【0139】
ステップS1601では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0140】
次にステップS1602では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0141】
図17はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0142】
次にステップS1603で出力用のセキュリティーレベルを設定する。出力用のセキュリティーレベルは登録時のセキュリティーレベル以上にあげて設定することは可能であるが、下げることはできない。
【0143】
たとえば、登録時のセキュリティーレベルが3であれば、出力時にユーザは、レベル3以上にしか設定できない。
【0144】
次にステップS1604で、過去の出力時のセキュリティーレベルの中で、登録時のセキュリティーレベルよりもあげている回数が閾値(たとえば3回)よりも多く、かつS1603で出力用に設定したレベルが過去の出力時のレベルの最も高いレベルよりも低い場合に、「このオブジェクトのセキュリティーレベルは**(S1603で設定のセキュリティーレベル:たとえば2)ですが、よろしいですか?」
という警告をユーザに出す
たとえば図17の履歴によると12/9の時点でそれ以前に設定した出力用のレベルが登録時のレベル1より高いレベルを付加した回数が3回より多く(12/6で4回)、以前設定されたレベルで最も高いレベルが3であるので、ユーザがレベル2を設定しようとすると
「このオブジェクトのセキュリティーレベルは2ですが、よろしいですか?」という警告をユーザに出す。
【0145】
ユーザはそれによってこのオブジェクトのセキュリティーレベルに関して注意してレベル設定を行えるようになる。図17の例では12/9に設定したレベルは最終的にレベル3になっている。
【0146】
次にステップS1605で、決定したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0147】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0148】
ステップS1405(プリント指示):編集処理により出力レイアウトが決定後、入力装置113よりプリント指示を行う。
【0149】
ステップS1406(プリント処理判断):プリント処理が指示されると、オブジェクトのセキュリティーレベルとユーザのセキュリティーレベルによりプリント可/不可の判断処理が行われる。
【0150】
ステップS1407(プリント処理):プリントするオブジェクトが決定すると、プリントのため各オブジェクトのベクトルデータは、プリントのためのデータ変換処理がされ記録装置112に送られ、紙などの記録媒体に印字され出力される。
【0151】
[第2実施形態]
第1実施形態では、原稿の画像情報として2次元バーコード、電子すかしにより、それぞれ画像のポインタ情報及び画像のセキュリティーレベルが設定されている構成となっているが、
たとえば、図18のような、各画像の位置情報、登録時のセキュリティーレベル情報、出力時のセキュリティーレベルの履歴情報、画像のポインタ情報といったデータをフォームデータという形でサーバ内に登録しておき、画像情報としてフォームが登録されているサーバのポインタ、フォームの名称等を画像に記録しておき、スキャン時に画像情報を読み取り、サーバからその画像のフォームデータを取得することで、それぞれの画像の座標情報、ポインタ情報、セキュリティーレベルを取得する方法がある。
【0152】
[第3実施形態]
第3の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0153】
図19の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
ステップS1901では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0154】
次にステップS1902では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0155】
図20はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0156】
次にステップS1903で、出力用のセキュリティーレベルを設定する。出力用のセキュリティーレベルは登録時のセキュリティーレベル以上にあげて設定することは可能であるが、下げることはできない。
【0157】
たとえば、登録時のセキュリティーレベルが3であれば、出力時にユーザは、レベル3以上にしか設定できない。
【0158】
次にステップS1904で、決定したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0159】
次にステップS1905で、出力時に登録時のセキュリティーレベルよりも高いレベルを付加された回数が閾値(たとえば3回)を超えた場合は、オブジェクト登録者に「セキュリティーレベルの見直し」を(たとえばメールで)促す。
【0160】
たとえば図20の履歴によると2004/12/7の時点で登録時のレベル1より高いレベルを付加した回数が4回になって閾値の3回を越えている。
【0161】
「word040211オブジェクトの登録時のセキュリティーレベルは1ですが、ユーザによってより高いレベルが4回設定されました。登録されたオブジェクトのセキュリティーレベルを上げなくてよいか検討をしてください」という警告をオブジェクト登録者にメールで出す。登録者はそれによってこのオブジェクトのセキュリティーレベルに関して再度検討が行えるようになる。
【0162】
図20の例では、その後12/14に登録者によってレベルが3に変更されている。
【0163】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0164】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0165】
[第4実施形態]
第4の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0166】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
【0167】
ステップS2101では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0168】
次にステップS2102では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0169】
図22はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0170】
次にステップS2103で、登録時のセキュリティーレベルよりも高いセキュリティーレベルが閾値(たとえば3回)回数より多く出力時に設定されている場合は、強制的に登録時に設定されているセキュリティーレベルを高いセキュリティーレベルに変更する
たとえば図22の例では、2004/12/7に4回目になり、強制的にセキュリティーレベルがレベル3(高いレベルは2と3の両方あるので高い方のレベル3となる)になる。
【0171】
次にステップS2104で、変更したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0172】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0173】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0174】
[第5実施形態]
第5の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0175】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。その中で図23は図21の処理フローの中のステップS2103に代わる第5の実施例のステップS2103である。
【0176】
以下図21、図23に従って説明する。
【0177】
ステップS2101では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0178】
次にステップS2102では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0179】
図22はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0180】
次に図23のステップS2103で、登録時のセキュリティーレベルよりも高いセキュリティーレベルが閾値(たとえば3回)回数より多く出力時に設定されている場合、かつ登録者がその場合に登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない設定にした場合に、強制的に登録時に設定されているセキュリティーレベルを高いセキュリティーレベルに変更する
たとえば図22の例では、2004/12/7に4回目になっている。従って登録者が「登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない」という設定にしている場合は、強制的に登録時に設定したセキュリティーレベルがレベル3(高いレベルは2と3の両方あるので高い方のレベル3となる)になる。「登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない」という設定にしていない場合は、変更されず、たとえば登録者に「word040211オブジェクトの登録時のセキュリティーレベルは1ですが、ユーザによってより高いレベルが4回設定されました。登録されたオブジェクトのセキュリティーレベルを上げなくてよいか検討をしてください」という警告をオブジェクト登録者にメールで出す。
【0181】
図22の例では、「登録したオブジェクトのレベルを自動的に変更してかまわない」という設定にしており、強制的に登録時に設定したセキュリティーレベルがレベル3に変更される。
【0182】
次にステップS2104で、変更したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0183】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0184】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0185】
[第6実施形態]
第6の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0186】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。その中で図24は図21の処理フローの中のステップS2103に代わる第6の実施例のステップS2103である。
【0187】
以下図21、図24に従って説明する。
【0188】
第6の実施形態のステップS1404(画像編集処理)に関して説明する。
【0189】
図21の処理フローはステップS1404の処理を詳細に説明したものである。
ステップS2101では、編集可能なオブジェクトの編集を行う。オブジェクト312の編集を例にすると、図15(b)のように、文字列を変倍指定により大きくし、アンダーラインを付加し、日付を追加するといったことが可能である。オブジェクト312のオブジェクト名をword040211とする。
【0190】
次にステップS2102では、オブジェクトのセキュリティーレベル履歴を取得する。
【0191】
図25はセキュリティーレベル履歴の例である。オブジェクトword040211に関して登録時にレベル1が付加され、その後ユーザによってレベル1や2や3が出力時に付加されたことがわかる。
【0192】
次に図24のステップS2103で、出力時に登録時のセキュリティーレベルよりも高いセキュリティーレベルが第一の閾値(たとえば2回)回数より多く設定されている場合は、登録者に「ユーザにより高いレベルが**回(たとえば3回)設定されましたのでご確認ください」という警告を出し、第二の閾値(たとえば5回)を超えた場合には強制的に登録時に設定されているセキュリティーレベルを高いセキュリティーレベルに変更する。
【0193】
たとえば図25の例では、2004/12/5に3回目になっているので第一の閾値(2回)を超え、登録者に「オブジェクトword040211に関してユーザにより高いレベルが3回設定されましたのでご確認ください」という警告を出す。しかしながら登録者はレベルの変更をしていない。その後12/11に6回目になっているので第二の閾値(5回)を超え、強制的に登録時のセキュリティーレベルをレベル3(高いレベルは2と3の両方あるので高い方のレベル3となる)に変更する。
【0194】
次にステップS2104で、変更したセキュリティーレベルをオブジェクトのセキュリティーレベル履歴に記録する。
【0195】
これらの処理によってステップS1404の処理を終了し、ステップS1405に進む。
【0196】
これらの処理によって第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を実施する画像処理システムを示すブロック図である。
【図2】図1におけるMFPを示すブロック図である。
【図3】本発明に係る画像処理方法の第1実施形態を示すフローチャ−トである。
【図4】図3の画像処理方法により処理される原稿と処理結果の画像を示す図である。
【図5】ブロックセレクション処理で得られるブロック情報および入力ファイル情報を示す表である。
【図6】画像からポインタ情報およびセキュリティー情報を抽出する処理を示すフローチャートである。
【図7】ポインタ情報を含む原稿の画像を示す図である。
【図8】図3の文字領域のベクトル化の処理を示すフローチャートである。
【図9】画像情報により解析された画像情報の例を示す図である。
【図10】ベクトル化の処理における角抽出の処理を示す図である。
【図11】ベクトル化の処理における輪郭線まとめの処理を示す図である。
【図12】図3のベクトル化で生成されたベクトルデータのグループ化の処理を示すフローチャートである。
【図13】図12の処理でグループ化されたベクトルデータに対する図形要素検出の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る画像の編集、出力処理方法を示すフローチャ−トである。
【図15】オブジェクト処理及びオブジェクトのセキュリティーレベル確定後の原稿画像の表示を示す図である。
【図16】第1の実施例の図14のステップS1404の編集処理を示すフローチャートである。
【図17】第1の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図18】第2の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図19】第3の実施例の図14のステップS1404の編集処理を示すフローチャートである。
【図20】第3の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図21】第4の実施例の図14のステップS1404の編集処理を示すフローチャートである。
【図22】第4、第5の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【図23】第5の実施例の図21のステップS2103の処理部分を示すフローチャートである。
【図24】第6の実施例の図21のステップS2103の処理部分を示すフローチャートである。
【図25】第6の実施例のセキュリティーレベルの履歴を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ認識手段によりユーザーレベルを取得するユーザーレベル取得手段と、画像情報を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により得られた画像の像域情報に応じてブロックに分割するブロックセレクション手段と、前記ブロックセレクションされた画像に埋め込まれた情報から画像のポインタ情報及びセキュリティーレベルを検出する情報検出手段と、前記ポインタ情報からサーバ内の画像を検索、取得する画像検索、取得手段と、前記画像検索、取得手段によりに画像が取得できない場合、もしくは前記ポインタ情報が得られない場合は、画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像にセキュリティーレベルを付加して出力する手段と、付加したセキュリティーレベルの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際にセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
ユーザ認識手段によりユーザーレベルを取得するユーザーレベル取得手段と、画像情報を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により得られた画像の像域情報に応じてブロックに分割するブロックセレクション手段と、前記画像内に埋め込まれた情報から画像のフォーマット情報格納先を示す情報を取得し、サーバ内からフォーマット情報を取得する手段と、前記フォーマット情報内に記載された画像のポインタ情報及びセキュリティー情報を取得し、サーバ内の画像を検索、取得する画像取得手段と、前記画像取得手段によりに画像が取得できない場合は、画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像データの画像フォーマットをサーバに保存し、その保存先を示す情報を画像に付加して出力する手段と、付加した画像フォーマットの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際に画像フォーマットのセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
画像に埋めこまれた情報は、文字列、バーコード情報、電子すかし情報、地紋情報であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像処理装置。
【請求項4】
画像ポインタ情報は、画像識別情報、サーバ名、IPアドレス、URLであることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項5】
フォーマット情報は、画像のポインタ情報、画像のセキュリティーレベルであることを特徴とする請求項2の画像形成装置。
【請求項6】
フォーマット情報に記載された画像ポインタ情報は、画像識別情報、サーバ名、IPアドレス、URL であることを特徴とする請求項5の画像形成装置。
【請求項7】
ユーザ認識手段は、IDカード、生態認証手段、ID番号であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザーレベルは、ユーザに応じて複数のレベルが予め設定されており、画像のセキュリティーレベルに応じて、プリント可能/不可、編集可能/不可、ベクトル化可能/不可が設定されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項9】
セキュリティー警告手段は、出力時に設定するセキュリティーレベルが、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高く付加された回数が、閾値を越えており、かつ新規ユーザが前記閾値回数を越えた高いセキュリティーレベルよりも低いセキュリティーレベルを設定しようとした場合に警告することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項10】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が閾値を越える場合に登録者に警告することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項11】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が閾値を越える場合に強制的に登録時に設定されたセキュリティーレベルを高いレベルに設定することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項12】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が閾値を越える場合に強制的に登録時に設定されたセキュリティーレベルを高いレベルに変更するか否かを切り替える手段を有し、その切り替え手段に基づいて登録時に設定されたセキュリティーレベルの変更をすることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項13】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が第一の閾値を越える場合に登録者に警告を与え、第二の閾値を越える場合に強制的に登録時に設定されたセキュリティーレベルを高いレベルに変更することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項1】
ユーザ認識手段によりユーザーレベルを取得するユーザーレベル取得手段と、画像情報を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により得られた画像の像域情報に応じてブロックに分割するブロックセレクション手段と、前記ブロックセレクションされた画像に埋め込まれた情報から画像のポインタ情報及びセキュリティーレベルを検出する情報検出手段と、前記ポインタ情報からサーバ内の画像を検索、取得する画像検索、取得手段と、前記画像検索、取得手段によりに画像が取得できない場合、もしくは前記ポインタ情報が得られない場合は、画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像にセキュリティーレベルを付加して出力する手段と、付加したセキュリティーレベルの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際にセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
ユーザ認識手段によりユーザーレベルを取得するユーザーレベル取得手段と、画像情報を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により得られた画像の像域情報に応じてブロックに分割するブロックセレクション手段と、前記画像内に埋め込まれた情報から画像のフォーマット情報格納先を示す情報を取得し、サーバ内からフォーマット情報を取得する手段と、前記フォーマット情報内に記載された画像のポインタ情報及びセキュリティー情報を取得し、サーバ内の画像を検索、取得する画像取得手段と、前記画像取得手段によりに画像が取得できない場合は、画像をベクトル処理化するベクトル化手段と、画像にセキュリティーレベルを付加してサーバに登録する画像登録手段と、前記情報検出手段により得られたセキュリティーレベルと前記ユーザーレベル取得手段により得られるユーザーレベルにより、画像が編集可能であるかもしくは、プリント可能であるかを判断する手段と、編集された画像データの画像フォーマットをサーバに保存し、その保存先を示す情報を画像に付加して出力する手段と、付加した画像フォーマットの履歴を記録する手段と、サーバに登録された画像を使用する際に画像フォーマットのセキュリティーレベル履歴に応じて警告を出すセキュリティー警告手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
画像に埋めこまれた情報は、文字列、バーコード情報、電子すかし情報、地紋情報であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像処理装置。
【請求項4】
画像ポインタ情報は、画像識別情報、サーバ名、IPアドレス、URLであることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項5】
フォーマット情報は、画像のポインタ情報、画像のセキュリティーレベルであることを特徴とする請求項2の画像形成装置。
【請求項6】
フォーマット情報に記載された画像ポインタ情報は、画像識別情報、サーバ名、IPアドレス、URL であることを特徴とする請求項5の画像形成装置。
【請求項7】
ユーザ認識手段は、IDカード、生態認証手段、ID番号であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザーレベルは、ユーザに応じて複数のレベルが予め設定されており、画像のセキュリティーレベルに応じて、プリント可能/不可、編集可能/不可、ベクトル化可能/不可が設定されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項9】
セキュリティー警告手段は、出力時に設定するセキュリティーレベルが、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高く付加された回数が、閾値を越えており、かつ新規ユーザが前記閾値回数を越えた高いセキュリティーレベルよりも低いセキュリティーレベルを設定しようとした場合に警告することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項10】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が閾値を越える場合に登録者に警告することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項11】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が閾値を越える場合に強制的に登録時に設定されたセキュリティーレベルを高いレベルに設定することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項12】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が閾値を越える場合に強制的に登録時に設定されたセキュリティーレベルを高いレベルに変更するか否かを切り替える手段を有し、その切り替え手段に基づいて登録時に設定されたセキュリティーレベルの変更をすることを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【請求項13】
セキュリティー警告手段は、登録時に設定されたセキュリティーレベルよりも高いレベルが出力時に付加された回数が第一の閾値を越える場合に登録者に警告を与え、第二の閾値を越える場合に強制的に登録時に設定されたセキュリティーレベルを高いレベルに変更することを特徴とする請求項1もしくは請求項2の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2008−28716(P2008−28716A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199364(P2006−199364)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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