説明

画像処理装置、その制御方法およびプログラム

【課題】ユーザの作業効率を低下させることなく、省電力化を行うことができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】プリンタ10の制御部20(CPU21)は、ネットワークI/F27が受信した起動されているPC80からのARPパケットの数に基づいて、所定期間の、PC80の起動台数の推移を検出する。そして、制御部20は、検出されたPC80の起動台数の推移に基づいて、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する。制御部20は、決定された通常モード切り換え時刻に通常モードへの切り換えを行い、決定された省電力モード切り換え時刻に省電力モードへの切り換えを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末装置と通信可能に接続される画像処理装置、その制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスにおいては、例えばコピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などの複数の機能を有する複合機、コピー機、プリンタ、ファクシミリ装置などの各種の機器が配置されている。これらの機器は、LAN(ローカルネットワーク)を介して、当該機器を利用する複数のパーソナルコンピュータ(以下、PCという)と接続されることが多い。
【0003】
このような機器の多くは、消費電力量を少なくするために、電力供給状態を省電力状態にする省電力モードを有する。この省電力モードは、通常、機器が動作中でない場合に、当該機器の一時的に動作停止可能な部分に対して電力の供給を停止し、再度動作可能な状態に復帰するために動作を停止することができない部分に対しては電力の供給を行うモードである。即ち、省電力モードは、消費電力量を零にするものではなく、機器に対する電力供給状態を消費電力量が少ない省電力状態にするものである。この省電力モードは、操作部からの情報の入力、PCからのデータの処理要求(例えば印刷要求)などのイベントの入力に応答して解除されて、機器の電力供給状態を動作可能な状態にする通常モードが開始される。
【0004】
このような省電力モードを有する複合機において、さらに無駄な電力消費を防止するために、各機能をそれぞれ実現するための複数の処理手段に対して、独立して、電力供給を制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。具体的には、各処理手段に対して、それぞれ個別に、所定時間または曜日、月日、時間などの時刻が、ユーザの操作により設定される。そして、処理手段毎に、動作の終了から設定された所定時間が経過した場合、または時刻が設定された時刻になると、電力供給が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−146103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オフィスにおいて、一般的には、PCの電源は、帰宅時に社員によりオフされ、翌朝の出社時にオンされる。これに対し、省電力モードを有する複合機に対しては、帰宅時に社員により複合機の電源がオフされることはない。これは、複合機が、所定条件が成立すると、省電力モードを開始するからである。よって、翌日の朝においても、複合機の電力供給状態は、省電力モードにより省電力状態に保持されていることになる。
【0007】
ここで、例えば、翌日の朝、社員がPCから複合機に印刷要求を送信した時点において、複合機は、省電力状態にあるとする。この場合、複合機は、上記PCからの印刷データの入力に応答して、省電力モードを解除し、通常モードを開始する。この際、電力供給状態が省電力状態から待機状態になるまでには、時間が掛り、社員は、複合機による印刷開始を待たされることになる。即ち、複合機の省電力化により、社員の作業効率が低下される場合がある。
【0008】
本発明の目的は、ユーザの作業効率を低下させることなく、省電力化を行うことができる画像処理装置、その制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するため、複数の端末装置と通信可能に接続される画像処理装置であって、前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置からそれぞれ配信される特定信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した特定信号に基づいて、所定期間の、前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置の数の推移を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記起動されている端末装置の数の推移に基づいて、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する決定手段と、電力供給状態を省電力状態にする省電力モードと電力供給状態を動作可能な待機状態にする通常モードとを切り換えて電力供給を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記決定された通常モード切り換え時刻に前記通常モードへの切り換えを行い、前記決定された省電力モード切り換え時刻に前記省電力モードへの切り換えを行うことを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、画像処理装置の制御方法およびプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザの作業効率を低下させることなく、省電力化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は省電力モード移行時間の設定画面例を示す図である。(b)は省電力モードの内容(「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」)の設定画面例を示す図である。
【図3】(a)は5時から12時までの時間帯におけるプリンタ10が受信したARPパケットの数の推移例(PC80の起動台数の推移例)を示す図である。(b)は14時から21時までの時間帯におけるプリンタ10が受信したARPパケットの数の推移例(PC80の起動台数の推移例)を示す図である。
【図4】(a)は図3(a)の7時30分〜9時20分の時間帯において10分毎にプリンタ10が受信したARPパケットの数およびその増減数を示す図である。(b)は図3(b)の17時50分〜18時の時間帯において10分毎にプリンタ10が受信したARPパケットの数およびその増減数を示す図である。
【図5】は通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードと通常モードの切り換え制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】11時30分〜13時30分の時間帯における10分毎のプリンタ10が受信したARPパケットの数およびその増減数を示す図である。
【図8】イベントの入力または省電力モードへの切り換え条件の成立に応じて通常モードへの切り換えまたは省電力モードへの切り換えを行う制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、画像処理装置として、図1に示すプリンタ10を説明する。
【0015】
プリンタ10は、図1に示すように、制御部20、不揮発性メモリ26、ネットワークI/F(インタフェース)27、エンジンI/F28、操作部23および電力供給部31を備える。
【0016】
制御部20は、CPU21、ROM24、RAM25および時計部30を含み、CPU21は、ROM24に格納されているプログラムに従い、プリンタ10の全体制御、各種の個別処理などを行う。RAM25は、CPU21の作業領域を提供するとともに、プリンタエンジン29に出力される画像データを一時的に蓄積する。
【0017】
時計部30は、カレンダ機能を有し、曜日に対応付けて時刻(年:月:日:時:分:秒)を計時する。また、時計部30は、セットされた時間を計時するタイマを内蔵し、当該タイマを単独で動作させることができる。
【0018】
ここで、時計部30には、後述する通常モード切り換え時刻および省電力切り換え時刻などの複数の時刻が更新可能にセットされる。そして、時計部30は、セットされた時刻が到来すると、当該時刻を報知する報知信号をCPU21に出力する。また、時計部30は、タイマがセットされた時間の計時を終了すると、タイマによる計時が終了したことを報知するタイマ終了信号をCPU21に出力する。
【0019】
不揮発性メモリ26は、画像データを格納するためのメモリであって、ハードディスク、フラッシュROMなどから構成される。
【0020】
ネットワークI/F27は、LAN(ローカルエリアネットワーク)70を介して、LAN70に接続される複数の端末装置例えば複数のPC80とプリンタ10を通信可能に接続するためのインタフェースである。
【0021】
エンジンI/F28は、プリンタエンジン29との通信を行うためのインタフェースである。プリンタエンジン29は、エンジンI/F28を介して入力されたビデオ信号に基づいて印刷を行う。ここで、プリンタエンジン29は、電子写真方式によりカラー画像を形成するカラーレーザプリンタエンジンからなる。また、これに代えて、インクジェット方式、昇華方式、銀塩方式などの他の方式のプリンタエンジンを用いることも可能である。
【0022】
操作部23は、ユーザにより操作されるハードキーよびソフトキーを含むキー群(図示せず)および表示パネル22を有する。操作部23は、ユーザによるキー操作に応じた、プリンタ10に対する動作指示、設定指示などを示す情報を入力し、当該入力された情報は、CPU21に送られる。表示パネル22は、プリンタ10の状態、設定された内容などを表示する。
【0023】
電力供給部31は、制御部20、不揮発性メモリ26、ネットワークI/F(インタフェース)27、エンジンI/F28、表示パネル22、プリンタエンジン29の各ブロックに対して、それぞれ対応する電力を供給する。ここで、電力供給部31による、制御部20、不揮発性メモリ26、ネットワークI/F27、エンジンI/F28、表示パネル22、プリンタエンジン29の各ブロックに対する電力供給は、制御部20により制御される。
【0024】
制御部20は、省電力モードと通常モードを切り換えて、電力供給部31による各ブロックに対する電力供給を制御する。電力供給部31は、時計部30に対しては、常時、対応する電力を供給する。
【0025】
省電力モードは、後述するイベントの入力を待つ状態において省電力モードへの切り換え条件が成立すると、実行されるモードであって、電力供給部31による電力供給状態を電力消費量が少ない省電力状態(スリープ状態)にするモードである。省電力モードが実行されると、一時的に動作停止可能なブロックに対して電力供給部31からの電力供給が停止され、再度動作可能な状態に復帰するために動作を停止することができないブロックに対しては、電力供給部31からの電力供給が行われる。
【0026】
通常モードは、電力供給部31による電力供給状態を、即座に動作開始可能な待機状態(スタンバイ状態)にするモードである。この通常モードが実行されると、電力供給部31から、上述した各ブロックに対して、それぞれ対応する電力供給が行われる。
【0027】
省電力モードに対しては、その内容を規定する「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」のうちのいずれか1つを、ユーザが選択して設定することができる。この設定を行うためのユーザによる操作については、後述する。
【0028】
ここで、「使わない」は、省電力モードを実行しないようにする設定である。この「使わない」が設定されている場合、常時、通常モードが実行され、電力供給部31による電力供給状態が待機状態に保持されることになる。
【0029】
また、「パネルオフ」は、表示パネル22の消灯を行うようにする設定である。この「パネルオフ」が設定された場合、省電力効果は低い。しかし、通常モードへの切り換えの際には、表示パネル22のみに電力供給を行えばよいので、電力供給状態を即座に待機状態にすることができる。よって、PC80のユーザは、印刷が開始されるまで、長い時間、待たされることはない。
【0030】
また、「使う」は、プリンタエンジン29に対する電力供給を遮断するようにする設定である。この「使う」が設定された場合、省電力効果は高い。しかし、プリンタエンジン29に電力を供給してプリンタエンジン29を動作可能な状態にするまでには、長い時間を要する。即ち、電力供給状態が待機状態になるまでに長い時間が掛かる。よって、PC80のユーザは、印刷が開始されるまでに、長い時間、待たされることになる。
【0031】
また、「ディープスリープ」は、制御部20の一部、表示パネル22、不揮発メモリ26、エンジンI/F28、プリンタエンジン29のそれぞれに対する電力供給を遮断するようにする設定である。この「ディープスリープ」が設定されている場合、最も高い省電力効果を発揮するが、電力供給状態が待機状態になるまでの時間が、「使う」の設定の場合より、さらに長くなる。
【0032】
省電力モードの実行中(電力供給状態が省電力状態にある場合)において、イベントが入力されると、制御部20は、電力供給状態を待機状態にするために、通常モードへの切り換えを行う。そして、制御部20は、入力されたイベントを処理するための動作を開始するように制御する。ここで、イベントとしては、ユーザによるキー操作に応じた情報の入力、ネットワークI/F27によるPC80からの印刷要求の受信などがある。
【0033】
また、通常モードの実行中(電力供給状態が待機状態にある場合)において、省電力モードへの切り換え条件が成立すると、制御部20は、電力供給状態を待機状態から省電力状態にするために、省電力モードへの切り換えを行う。上記省電力モードへの切り換え条件とは、通常モードの実行中において、入力されたイベントに対する処理が終了してから、設定された省電力モード移行時間が経過するまでの間に、次のイベントの入力がないという条件である。省電力モード移行時間は、予め決められている複数の時間の中からユーザにより選択されて設定された時間である。この省電力モード移行時間を設定するためのユーザによる操作については、後述する。
【0034】
次に、省電力モード移行時間を設定するためのユーザによる操作および省電力モードの内容(「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」)を設定するためのユーザによる操作について図2を参照しながら説明する。図2(a)は省電力モード移行時間の設定画面例を示す図である。図2(b)は省電力モードの内容(「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」)の設定画面例を示す図である。
【0035】
ユーザが省電力モード移行時間を設定する際には、ユーザが対応する操作を行うことにより、図2(a)に示すような設定画面が表示パネル22に表示される。この設定画面には、スリープモード移行時間として設定可能な、「1分」、「5分」、「10分」、「15分」などの複数の時間が表示される。そして、ユーザは、対応するキーの操作により、複数の時間の中から所望の1つの時間を選択し、当該選択した時間をスリープモード移行時間として設定する。
【0036】
省電力モードの内容(「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」)を設定する際には、ユーザが対応する操作を行うことにより、図2(b)に示すような設定画面が表示パネル22に表示される。この設定画面には、「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」のそれぞれが表示される。そして、ユーザは、対応するキーの操作により、「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」のうちのいずれか1つを選択して設定する。
【0037】
ここで、省電力モード移行時間および省電力モードの内容としては、後述する、通常モード切り換え時刻に基づいた通常モードへの切り換え後に適用されるものと、省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードへの切り換え後に適用されるものがある。通常モード切り換え時刻に基づいた通常モードへの切り換え後と省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードへの切り換え後にそれぞれ適用される省電力モード移行時間および省電力モードの内容が、それぞれ上述したユーザ操作により、個別に設定される。
【0038】
通常モード切り換え時刻に基づいた通常モードへの切り換え後に適用される省電力モード移行時間としては、通常モードが長時間に亘り保持されるように、例えば3時間などの長い時間に設定されることが好ましい。また、省電力モードの内容としては、省電力モードから通常モードへの切り換えが短時間で完了するように、「使わない」または「パネルオフ」が設定されることが好ましい。
【0039】
また、省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードへの切り換え後に適用される省電力モード移行時間としては、省電力モードへの切り換え条件が成立し易いように、例えば1分、3分などの短い時間が設定されることが好ましい。また、省電力モードの内容としては、省電力効果が高い、「使う」または「ディープスリープ」が設定されることが好ましい。
【0040】
このようにして個別に設定された省電力モード移行時間および省電力モードの内容(「使わない」、「パネルオフ」、「使う」、「ディープスリープ」のうちのいずれか1つ)は、不揮発性メモリ26に記憶される。
【0041】
LAN70に接続されている各PC80のユーザは、所望の画像データなどを印刷する場合、印刷に使用するプリンタとして、プリンタ10を選択することが可能である。ここで、各PC80は、それぞれのユーザにより起動またはシャットダウンされる。通常、各PC80は、ユーザの出社時に起動され、帰宅時にシャットダウンされることになるが、各PC80がそれぞれ起動される時刻、およびシャットダウンされる時刻は、PC80毎に異なる。
【0042】
ここで、起動されているPC80の台数(以下、PC80の起動台数という)が多い時間帯においては、PC80によるプリンタ10の利用頻度(稼働率)が高い傾向がある。よって、この時間帯においては、プリンタ10における電力供給状態は、PC80からの印刷要求に応答して即座に印刷を開始することができるように、省電力状態ではなく、待機状態にあることが望ましい。
【0043】
これに対し、起動されているPC80の台数が少ない時間帯においては、PC80によるプリンタ10の利用頻度(稼働率)が低い傾向がある。よって、この時間帯においては、プリンタ10における電力供給状態は、電力消費量を少なくするために、省電力状態にあることが望ましい。
【0044】
そこで、本実施の形態は、所定期間の、起動されているPC80の台数(以下、PC80の起動台数という)の推移を検出し、当該検出した推移に基づいて、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する。ここで、通常モード切り換え時刻は、通常モードへの切り換えを行う時刻であり、省電力モード切り換え時刻は、省電力モードへの切り換えを行う時刻である。
【0045】
この通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する切り換え時刻決定処理について図3〜図5を参照しながら説明する。図3(a)は5時から12時までの時間帯におけるプリンタ10が受信したARPパケットの数の推移例(PC80の起動台数の推移例)を示す図である。図3(b)は14時から21時までの時間帯におけるプリンタ10が受信したARPパケットの数の推移例(PC80の起動台数の推移例)を示す図である。図4(a)は図3(a)の7時30分〜9時20分の時間帯において10分間当たりのプリンタ10が受信したARPパケットの数およびその増減数を示す図である。図4(b)は図3(b)の17時50分〜18時の時間帯において10分当たりのプリンタ10が受信したARPパケットの数およびその増減数を示す図である。図5は切り換え時刻決定処理の手順を示すフローチャートである。図5のフローチャートに示す手順は、CPU21により、ROM22に格納されているプログラムに従って、実行されるものである。
【0046】
各PC80は、それぞれ、LAN70を介して、起動時およびスリープ状態からスタンバイ状態への復帰時に、PC80を特定可能な特定信号として、特定プロトコルパケットを配信する。また、特定プロトコルパケットは、各PC80の起動中においても、定期的に配信される。特定プロトコルパケットとしては、ARP(Address Resolution Protocol)パケットがある。また、ARPパケットに代えて、SNMP(Simple Network Management Protocol)パケット、WSD(Web Services on Devices)Probeパケットを用いることができる。本実施の形態においては、PC80からARPパケットが配信されるものとする。
【0047】
プリンタ10は、各PC80からそれぞれ配信されたARPパケットを受信し、当該受信したARPパケットの数をカウントする。このARPパケットの数をカウントすることは、起動されているPC80の台数(以下、PC80の起動台数という)をカウントすることである。
【0048】
例えばオフィスにおいては、図3(a)示すように、社員が出社する時間帯(8時〜9時の時間帯)から、PC80の起動台数が急激に増加し、プリンタ10が受信するARPパケットの数が増加する傾向がある。そして、PC80の起動台数は、一定の台数(LAN70に接続されるPCの最大数)に向けて収束し、これに伴いプリンタ10が受信するARPパケットの数も一定値に向けて収束する。
【0049】
ここで、図4(a)に示すように、プリンタ10が受信するARPパケットの数としては、10分間当たりのプリンタ10が受信したARPパケットの数が、所定期間に亘り、検出される。これにより、所定期間のPC80の起動台数の推移が検出されることになる。そして、1つの10分間当たりの受信したARPパケットの数とその前の10分間当たりの受信したARPパケットの数の差で表される増加数が算出され、当該増加数が最大になる時間帯が求められる。本例において、社員が出社する時間帯を含む前後の時間帯において、上記受信したARPパケットの数の増加数即ちPC80の起動台数の増加数が最大になる時間帯は、8時20分から8時30分までの時間帯である。よって、この場合、8時20分から8時30分までの時間帯の直前の時刻例えば8時20分が通常モード切り換え時刻として求められる。
【0050】
これに対し、図3(b)に示すように、社員が帰社する時間帯(17時30分〜18時30分の時間帯)においては、PC80の起動台数が急激に減少し、プリンタ10が受信するARPパケットの数が減少する傾向がある。この場合、図4(b)に示すように、社員が帰社する時間帯を含む前後の時間帯において、10分間当たりのプリンタ10が受信したARPパケットの数の減少数が最大になる時間帯は、17時50分から18時までの時間帯である。即ち、17時50分から18時までの時間帯において、PCの起動台数の減少数が最大になる。この減少数は、1つの10分間当たりの受信したARPパケットの数とその前の10分間当たりの受信したARPパケットの数の差で表されるものである。よって、この場合、17時50分から18時までの10分間の時間帯の直後の時刻である18時が省電力モード切り換え時刻として求められる。
【0051】
PC80の起動台数の推移は、予め決められた日数の期間中、1日毎に検出される。例えば月曜日から金曜日までの5日間、1日毎(曜日毎)にPC80の起動台数の推移が検出され、1日毎に検出されたPC80の起動台数の推移に基づいて、1日毎の通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻が求められる。そして、1日毎の通常モード切り換え時刻が平均されて、最終的に使用する通常モード切り換え時刻が決定される。また、1日毎の省電力モード切り換え時刻が平均されて、最終的に使用する省電力モード切り換え時刻が決定される。決定された通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻は、時計部30にセットされる。
【0052】
また、最終的に使用する通常モード切り換え時刻と省電力モード切り換え時刻は、それぞれ、1日毎に求められた通常モード切り換え時刻と省電力モード切り換え時刻のうちの最も早い時刻または最も遅い時刻とすることもできる。
【0053】
この通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する処理(以下、切り換え時刻決定処理という)は、図5に示すフローチャートに従って、CPU21により実行される。
【0054】
CPU21は、図5に示すように、まず、時計部30からの報知信号に基づいて、開始時刻が到来したか否かを判定する(ステップS101)。この開始時刻としては、例えば20XX年10月1日(月曜日)の0時が、ユーザにより操作部23を介して設定されているとする。
【0055】
上記ステップS101において開始時刻が到来したと判定された場合、CPU21は、受信したARPパケットの数を示すカウント値Nを0に初期化する(ステップS102)。そして、CPU21は、ネットワークI/F27がARPパケットを受信したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、ARPパケットを受信したと判定された場合、CPU21は、上記カウント値Nをインクリメントする(ステップS104)。
【0056】
次いで、CPU21は、時計部30を参照し、上記カウント値Nの初期化から所定時間tp(ここでは10分とする)が経過したか否かを判定する(ステップS105)。ここで、上記所定時間tpが経過していないと判定された場合、CPU21は、上記ステップS103に戻る。
【0057】
上記ステップS103においてARPパケットを受信していないと判定された場合、CPU21は、上記ステップS104をスキップして、ステップS105に進む。
【0058】
上記ステップS105において上記所定時間tpが経過したと判定された場合、CPU21は、上記カウント値Nを所定時間tpの時間帯に対応付けてRAM25に保持する(ステップS106)。例えばカウント値Nが、20XX年10月1日(月曜日)の0時〜0時10分の時間帯に対応付けて保持される。そして、CPU21は、時計部30からの報知信号に基づいて、終了時刻が到来したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、終了時刻としては、例えば20XX年10月5日(金曜日)の24時)が、ユーザにより操作部23を介して設定されているとする。
【0059】
上記ステップS107において上記終了時刻が到来していないと判定された場合、CPU21は、上記ステップS102に戻る。
【0060】
これに対し、上記ステップS107において上記終了時刻が到来したと判定された場合、CPU21は、RAM25に保持されている各時間帯のカウント値に基づいて、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する(ステップS108)。この決定においては、上述したように、まず、1日毎に得られた(月曜日から金曜日までの5日間)各時間帯のカウント値に基づいて、1日毎の通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻がそれぞれ求められる。そして、1日毎の通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻に基づいて、最終的に使用される(月曜日から金曜日までの5日間に対して共通に使用される)通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻が決定される。
【0061】
次いで、CPU21は、上記決定された通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を時計部30にセットする(ステップS109)。この際、時計部30に既にセットされている、初期値または前回決定された通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻は、今回決定された通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻に更新される。そして、CPU21は、本処理を終了する。
【0062】
このようにして月曜日から金曜日までの5日間に対して決定された通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻は、翌週以降(各週の月曜日から金曜日までの5日間)に適用される。切り換え時刻決定処理により決定された通常モード切り換え時刻および省電力状モード切り換え時刻が適用される適用期間は、ユーザにより操作部23を介して予め設定された期間であり、例えば4週間と設定される。
【0063】
次回の切り換え時刻決定処理の開始時刻および終了時刻は、上記適用期間に基づいて、CPU21により、決定される。例えば適用期間が4週間であるとすると、4週間目の月曜日の0時が、次回の通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する処理の開始時刻として決定される。そして、4週目の金曜日の24時が終了時刻として決定される。そして、時計部30にセットされている通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻は、次回の通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻に更新される。この場合、4週間に1度、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻が更新されることになる。
【0064】
通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻が決定されると、制御部20は、時刻が決定された通常モード切り換え時刻になると、通常モードへの切り換えを行い、省電力モード切り換え時刻になると、省電力モードへの切り換えを行う。これにより、PCの起動台数が多い時間帯即ちPC80からの印刷要求が多い時間帯においては、プリンタ10は、待機状態にあるので、PC80からの印刷要求に応答して即座に印刷を開始することができる。また、PC80の起動台数が少ない時間帯即ちPC80からの印刷要求が少ない時間帯においては、プリンタ10は、省電力状態にあるので、電力消費量を少なくすることができる。
【0065】
上記通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードと通常モードの切り換え制御について図6を参照しながら説明する。図6は通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードと通常モードの切り換え制御の手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す手順は、ROM24に格納されているプログラムに従って、CPU21により、実行される。
【0066】
CPU21は、図6に示すように、時計部30からの報知信号に基づいて、通常モード切り換え時刻(月曜日〜金曜日:時:分)が到来したか否かを判定する(ステップS201)。
【0067】
上記ステップS201において上記通常モード切り換え時刻が到来したと判定された場合、CPU21は、省電力モードの実行中か否か(現在の電力供給状態が省電力状態にあるか否か)を判定する(ステップS202)。
【0068】
上記ステップS202において省電力モードの実行中であると判定された場合、CPU21は、通常モードへの切り換えを行う(ステップS203)。そして、CPU21は、省電力モード移行時間および省電力モードの内容を設定する(ステップS204)。ここでは、通常モード切り換え時刻に基づいた通常モードへの切り換え後に適用される省電力モード移行時間および省電力モードの内容が不揮発メモリ26から読み出される。そして、読みだされた省電力モード移行時間は、時計部30のタイマにセットされ、省電力モードの内容は、RAM25に保持される。
【0069】
次いで、CPU21は、プリンタ10内の環境温度および環境湿度の変化に基づいて、キャリブレーションを実行する必要があるか否かを判定する(ステップS205)。このキャリブレーションは、印刷時の色を正確かつ安定して再現させるための処理と、C,Y,M,Kの各色の印字ずれを補正する処理を含む処理である。
【0070】
上記ステップS206においてキャリブレーションの実行が必要であると判定された場合、CPU21は、キャリブレーションを実行し(ステップS206)、上記ステップS201に戻る。上記ステップS205においてキャリブレーションの実行が必要でないと判定された場合、CPU21は、上記ステップS206をスキップして、上記ステップS201に戻る。
【0071】
上記ステップS202において省電力モードの実行中でないと判定された場合は、通常のモードが実行され、現在の電力供給状態が待機状態にある。この場合、CPU21は、上記ステップS203をスキップして、上記ステップS204に進む。
【0072】
上記ステップS201において上記通常モード切り換え時刻が到来していないと判定された場合、CPU21は、時計部30からの報知信号に基づいて、省電力モード切り換え時刻(月曜日〜金曜日:時:分)が到来したか否かを判定する(ステップS207)。
【0073】
上記ステップS207において省電力モード切り換え時刻が到来したと判定された場合、CPU21は、通常モードの実行中であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、通常モードの実行中であると判定された場合、CPU21は、省電力モードへの切り換えを行う(ステップS209)。そして、CPU21は、省電力モード移行時間および省電力モードの内容を設定する(ステップS210)。ここでは、上述したように、省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードへの切り換え後に適用される省電力モード移行時間および省電力モードの内容が、不揮発性メモリ26から読み出される。そして、読みだされた省電力モード移行時間は、時計部30のタイマにセットされ、省電力モードの内容は、RAM25に書き込まれる。次いで、CPU21は、上記ステップS201に戻る。
【0074】
上記ステップS207において現在の状態が通常モード状態でない即ち省電力モード状態にあると判定された場合、CPU21は、上記ステップS209をスキップして、上記ステップS210に進む。
【0075】
上記ステップS207において上記省電力状モード切り換え時刻が到来していないと判定された場合、CPU21は、上記ステップS201に戻る。
【0076】
このように、PC80の起動台数が増加する時間帯になる前に、プリンタ10を、PC80からの印刷要求に応答して動作可能な待機状態にすることができる。また、PC80の起動台数が減少する時間帯になると、プリンタ10を、電力消費量が少ない省電力状態にすることができる。その結果、ユーザの作業効率を低下させることなく、省電力化を行うことができる。
【0077】
また、PC80の起動台数が増加する時間帯になる前に、キャリブレーションが必要に応じて実行される。これにより、印刷開始時にキャリブレーションを実行する必要がなく、PC80からの印刷要求に応答して印刷を開始するまでのユーザの待ち時間をさらに短くすることができる。ここで、プリンタエンジン29がモノクロプリンタエンジンである場合、上記キャリブレーションの実行の有無を判定する必要はない。
【0078】
また、通常モード切り換え時刻に基づいた通常モードへの切り換え後には、通常モードから省電力モードへの切り換え条件が成立し難いように、長い省電力モード移行時間が設定される。よって、通常モードから省電力モードへの切り換えまたはその逆の切り換えが頻繁に繰り返されることはない。また。省電力モードの内容として、「使わない」または「パネルオフ」が設定されるので、省電力モードへの切り換えが行われたとしても、通常モードへの復帰が短時間で完了する。その結果、通常モードから省電力モードへの切り換えまたはその逆の切り換えに起因するPC80のユーザの作業効率の低下を未然に防止することができる。
【0079】
また、省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードへの切り換え後には、通常モードから省電力モードへの切り換え条件が成立し易いように、短い省電力モード移行時間が設定される。よって、通常モードへの切り換えが行われたとしても、短い時間の経過後に省電力モードへの切り換えが行われる。また、省電力モードの内容として、省電力効果が高い「使う」または「ディープスリープ」が設定されるので、省電力モード切り換え時刻の以降の時間帯においては、高い省電力効果が得られる。
【0080】
また、本実施の形態は、社員の出社時間帯また帰社時間帯に合わせて、PC80の起動台数が急激に増加しまた急激に減少することを前提として、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定するようにしている。
【0081】
しかし、昼休みの前後の時間帯においても、PC80の起動台数の増減がある。よって、昼休みの時間帯において、省電力モードへの切り換えを行い、再び通常モードへの切り換えを行うようにすることも可能である。
【0082】
この例について図7を参照しながら説明する。図7は11時30分〜13時30分の時間帯における10分当たりのプリンタ10が受信したARPパケットの数およびその増減数を示す図である。
【0083】
例えば図7に示すように、昼休みの開始時間の前後の時間帯(11時30分〜12時20分)においては、各PC80がスリープ状態になり、プリンタ10が受信したARPパケットの数が次第に減少する。即ち、PC80の起動台数が減少する。これに対し、昼休みの終了時間の前後の時間帯(12時40分〜13時20分)においては、各PC80がスリープ状態から復帰し、プリンタ10が受信したARPパケットの数が再び増加する。即ち、PC80の起動台数が増加する。
【0084】
そこで、昼休みの前後の時間帯においてプリンタ10が受信したARPパケットの数の増減数(PC80の起動台数の増減数)に基づいて、当該時間帯における省電力モード切り換え時刻および通常モード切り換え時刻を決定するようにしてもよい。
【0085】
図7に示す例の場合、12時20分が昼休みの時間帯における省電力モード切り換え時刻として決定される。また、12時50分が昼休みの時間帯における通常モード切り換え時刻として決定される。これにより、さらになる省電力化を図ることができる。
【0086】
制御部20は、イベントが入力されると、または省電力モードへの切り換え条件が成立すると、通常モードへの切り換えまたは省電力モードへの切り換えを行う。この制御について図8を参照しながら説明する。図8はイベントの入力または省電力モードへの切り換え条件の成立に応じて通常モードへの切り換えまたは省電力モードへの切り換えを行う制御の手順を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す手順は、ROM24に格納されているプログラムに従って、CPU21により、実行される。
【0087】
CPU21は、図8に示すように、イベントが入力されたか否かを判定する(ステップS301)。ここで、上記イベントが入力されると、CPU21は、省電力モードを実行中であるか否かを判定する(ステップS302)。省電力モードを実行中であれば、CPU21は、通常モードへの切り換えを行う(ステップS303)。
【0088】
次いで、CPU21は、上記イベントを処理するように対応するブロックの動作を制御する(ステップS304)。例えば、上記イベントがPC80からの印刷要求の受信であれば、CPU21は、受信した印刷要求とともに受信した画像データの印刷を行うように、プリンタエンジン29を制御する。そして、CPU21は、上記イベントに対する処理の終了を待つ(ステップS305)。上記イベントに対する処理が終了すると、CPU21は、時計部30のタイマを起動する(ステップS306)。このタイマには、既に通常モード切り換え時刻に基づいた通常モードへの切り換え後または省電力モード切り換え時刻に基づいた省電力モードへの切り換え後の省電力モード移行時間がセットされている。そして、CPU201は、上記ステップS301に戻る。
【0089】
上記ステップS301においてイベントの入力がないと判定された場合、CPU21は、省電力モードへの切り換え条件が成立したか否かを判定する(ステップS307)。ここでは、時計部30から、タイマがセットされた時間の計時が終了したことを報知するタイマ終了信号が出力された場合に、省電力モードへの切り換え条件が成立したと判定される。ここで、省電力モードへの切り換え条件が成立していないと判定された場合、CPU21は、上記ステップ301に戻る。
【0090】
上記ステップS307において省電力モードへの切り換え条件が成立したと判定された場合、CPU21は、省電力モードへの切り換えを行う(ステップS308)。次いで、CPU21は、時計部30のタイマを停止させる(ステップS309)。そして、CPU21は、上記ステップS301に戻る。
【0091】
本実施の形態においては、画像処理装置として、プリンタ10を説明したが、プリンタ10に限定されることはない。例えば、コピー機、ファクシミリ装置、またはプリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能など、複数の機能を有する複合機などでもよい。
【0092】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0093】
10 プリンタ
20 制御部
21 CPU
22 表示パネル
23 操作部
24 ROM
29 プリンタエンジン
30 時計部
31 電力供給部
70 LAN
80 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と通信可能に接続される画像処理装置であって、
前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置からそれぞれ配信される特定信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した特定信号に基づいて、所定期間の、前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置の数の推移を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記起動されている端末装置の数の推移に基づいて、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する決定手段と、
電力供給状態を省電力状態にする省電力モードと電力供給状態を動作可能な待機状態にする通常モードとを切り換えて電力供給を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記決定された通常モード切り換え時刻に前記通常モードへの切り換えを行い、前記決定された省電力モード切り換え時刻に前記省電力モードへの切り換えを行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記所定期間の、前記受信手段が受信した特定信号の数の推移を、前記起動されている端末装置の数の推移として、検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記決定された通常モード切り換え時刻に前記通常モードへの切り換えを行った後に、前記省電力モードへの切り換え条件および前記省電力モードの内容とを設定し、前記決定された省電力モード切り換え時刻に前記省電力モードへの切り換えを行った後に、前記省電力モードへの切り換え条件および前記省電力モードの内容とを設定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記省電力モードの実行中において、イベントが入力されると、前記通常モードへの切り換えを行い、前記通常モードの実行中において、前記設定された切り換え条件が成立すると、前記省電力モードへの切り換えを行うことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の端末装置と通信可能に接続され、電力供給状態を省電力状態にする省電力モードと電力供給状態を動作可能な待機状態にする通常モードとを切り換えて電力供給を制御する画像処理装置の制御方法であって、
前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置からそれぞれ配信される特定信号を受信する受信工程と、
前記受信した特定信号に基づいて、所定期間の、前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置の数の推移を検出する検出工程と、
前記検出された前記起動されている端末装置の数の推移に基づいて、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定する決定工程と、
前記決定された通常モード切り換え時刻に前記通常モードへの切り換えを行い、前記決定された省電力モード切り換え時刻に前記省電力モードへの切り換えを行う制御工程と
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記検出工程では、前記所定期間の、前記受信した特定信号の数の推移を、前記起動されている端末装置の数の推移として、検出することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記制御工程では、前記決定された通常モード切り換え時刻に前記通常モードへの切り換えを行うと、前記省電力モードへの切り換え条件および前記省電力モードの内容とを設定し、
前記決定された省電力モード切り換え時刻に前記省電力モードへの切り換えを行うと、前記省電力モードへの切り換え条件よび前記省電力モードの内容とを設定することを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記制御工程では、前記省電力モードの実行中において、所定のイベントが入力されると、前記通常モードへの切り換えを行い、前記通常モードの実行中において、前記設定された切り換え条件が成立すると、前記省電力モードへの切り換えを行うことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
複数の端末装置と通信可能に接続され、電力供給状態を省電力状態にする省電力モードと電力供給状態を動作可能な待機状態にする通常モードとを切り換えて実行する画像処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置のそれぞれから受信した特定信号に基づいて、所定期間の、前記複数の端末装置のうちの起動されている端末装置の数の推移を検出するステップと、
前記検出された前記起動されている端末装置の数の推移に基づいて、通常モード切り換え時刻および省電力モード切り換え時刻を決定するステップと、
前記決定された通常モード切り換え時刻に前記通常モードへの切り換えを行い、前記決定された省電力モード切り換え時刻に前記省電力モードへの切り換えを行うステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−114675(P2011−114675A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270305(P2009−270305)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】