説明

画像処理装置、それを備えた画像表示装置及び撮像装置、画像処理方法、並びに画像処理プログラム

【課題】関心物体のフレームアウトを防ぐようにユーザを誘導する画像を作成する。
【解決手段】画像処理装置110は、画像データDを入力する。関心物体検出部112は、画像データDが表す画像における、関心物体の位置を特定する。フレームアウト確度判定部114は、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、表示部126に表示させる画像の画像範囲から、関心物体がフレームアウトする確度と、フレームアウトする方向を算出する。変更値決定部116は、フレームアウト確度判定部114が算出したフレームアウトする確度及び方向に基づいて、画像データDが表す画像中の変更を施す領域である処理領域と、処理領域に施す変更とを決定する。表示画像処理部118は、変更値決定部116が決定した処理領域と処理領域に施す変更とに基づいて、画像データDが表す画像の処理領域に変更処理を施し、変更画像データD´を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、それを備えた画像表示装置及び撮像装置、画像処理方法、並びに画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばデジタルカメラを用いて関心物体を撮像する場合、この関心物体が撮像範囲内に収まっていなければ、当然ながら関心物体を撮像することができない。そこで、撮像範囲内に関心物体が位置するようにユーザを誘導する表示を行う技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、次のような技術を採用したカメラが開示されている。すなわち、この技術では、カメラは、撮像しようとする被写体に当該カメラが向けられたときに得られる画像の輝度分布に基づいて、関心物体の輪郭の一部を抽出し、当該輪郭の位置と所定の適正範囲とを対比して、構図の良否を判断する。構図が不良であると判断された場合、カメラは、警告を出力し、適正な構図にするために当該カメラを上下左右どちらの方向に向けたらよいかを示す表示を画像表示装置とは別に設けた表示器に表示させる。
【0004】
また、例えば特許文献2には、次のような技術を採用した撮影装置が開示されている。すなわち、この技術では、撮像装置は、広角画像とその一部を拡大した撮像範囲を示す画像とを並べて表示する。この装置は、関心物体の位置を検出して、上記の拡大画像内に関心物体が収まるように、ユーザに当該撮影装置を向けるべき方向を報知する。
【0005】
また、例えば特許文献3には、次のような技術を採用した撮像装置が開示されている。すなわち、この技術では、撮像装置は、表示手段の画面に撮影中の動画像を表示している。この装置は、関心物体の動きを追跡し、表示手段の画面の範囲から追跡している関心物体が外れた場合、当該画面外に移動した関心物体がいる方向を案内する例えば矢印模様のガイドを、前記動画像に重ね合わせて前記表示手段に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4029174号公報
【特許文献2】特開2008−278480号公報
【特許文献3】特開2007−129480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1においては、カメラを上下左右どちらの方向に向けたらよいかを示す表示器が、現在撮影している画像を表示する画像表示装置の外側に設けられている。また、特許文献2においては、広角画像と拡大画像とが並べて表示されている。したがって、特許文献1及び2の技術において、ユーザは、現在の撮影画像を表示する表示画面のみならず、その周辺にも注意を向ける必要がある。
【0008】
また、特許文献3においては、撮像中の動画像を表示する表示手段の画面上に、画面外に移動した関心物体がいる方向を案内する矢印模様を表示している。このように特許文献3では、観察している画面上に撮像している画像以外の矢印という画像を表示しているため、表示が煩雑になる。また、関心物体がフレームアウトした後のことは考慮されているが、関心物体がフレームアウトすることは考慮されていない。
【0009】
そこで本発明は、表示を煩雑にすることなく、取得した画像に基づいて、所定の範囲内に関心物体が位置するようにユーザを誘導するような表示画像を作成する画像処理装置、それを備えた画像表示装置及び撮像装置、画像処理方法、並びに画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を果たすため、本発明の画像処理装置の一態様は、画像信号が入力され、該画像信号に基づく画像から表示装置の表示領域に応じた画像範囲を有する表示画像を生成する画像処理装置であって、前記画像信号に基づく画像における関心物体の位置である関心位置を算出する関心位置算出部と、前記関心位置と前記画像範囲とに基づいて、前記関心位置が前記画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度を算出するフレームアウト確度算出部と、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定する改変変数決定部と、決定した前記処理変数に基づいて前記画像信号に基づく画像に前記改変処理を施して前記表示画像の信号を生成する画像変更部と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、前記目的を果たすため、本発明の画像処理装置を備えた画像表示装置の一態様は、上記の画像処理装置と、上記の画像処理装置が生成した画像を表示する前記表示装置と、を具備することを特徴とする。
【0012】
また、前記目的を果たすため、本発明の画像処理装置を備えた撮像装置の一態様は、上記の画像処理装置と、撮像を実施して上記の画像処理装置に入力する画像信号を生成する撮像部と、を具備することを特徴とする。
【0013】
また、前記目的を果たすため、本発明の画像処理方法の一態様は、入力された画像信号に基づく画像から、表示装置の表示領域に応じた画像範囲を有する表示画像を生成する画像処理方法であって、前記画像信号に基づく画像における関心物体の位置である関心位置を算出することと、前記関心位置と前記画像範囲とに基づいて、前記関心位置が前記画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度を算出することと、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定することと、決定した前記処理変数に基づいて前記画像信号に基づく画像に前記改変処理を施して前記表示画像の信号を生成することと、を具備することを特徴とする。
【0014】
また、前記目的を果たすため、本発明の画像処理プログラムの一態様は、入力された画像信号に基づく画像から、表示装置の表示領域に応じた画像範囲を有する表示画像を生成する画像処理プログラムであって、前記画像信号に基づく画像における関心物体の位置である関心位置を算出する関心位置算出ステップと、前記関心位置と前記画像範囲とに基づいて、前記関心位置が前記画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度を算出するフレームアウト確度算出ステップと、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定する改変変数決定ステップと、決定した前記処理変数に基づいて前記画像信号に基づく画像に前記改変処理を施して前記表示画像の信号を生成する画像変更ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、関心物体が画像範囲から外れる確度に基づいて、画像に処理を施すので、取得した画像に基づいて、所定の範囲内に関心物体が位置するようにユーザを誘導するような表示画像を作成する画像処理装置、それを備えた画像表示装置及び撮像装置、画像処理方法、並びに画像処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としてのデジタルカメラの構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置による変更処理後の画像例を示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置による変更処理後の画像例を示す図であり、関心物体の位置により画像に施す変更処理が異なることを説明する為の図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、関心物体が中央にある場合、画像に変更処理を施さないことを説明する為の図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例であり、関心物体の逸脱が大きい状態に対応する表示状態を示す図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例であり、図6の表示例に対して、関心物体が更に逸脱している状況における変更処理後の画像例を示す図。
【図8】本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例を示す図。
【図9】本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像の別の例を示す図。
【図10】本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像の更に別の例を示す図。
【図11】本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像の別の例を示す図。
【図12】本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例であり、関心物体の状態に対応した変更処理を示す図。
【図13】本発明の第1の実施形態の第3の変形例に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図14】本発明の第1の実施形態の第3の変形例に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例を示す図。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としてのデジタルカメラの構成例を示すブロック図。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、関心物体が中央付近にある場合、画像にエフェクトが付加されないことを説明する為の図。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置により作成される別の状況におけるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図20】本発明の第2の実施形態の第1の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図21】本発明の第2の実施形態の第2の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図22】本発明の第2の実施形態の第2の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像の別の例を示す図。
【図23】本発明の第2の実施形態の第3の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図24】本発明の第2の実施形態の第3の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像の別の例を示す図。
【図25】本発明の第2の実施形態の第3の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像の更に別の例を示す図。
【図26】本発明の第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図。
【図27】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としてのデジタルカメラの構成例を示すブロック図。
【図28】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図29】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置による変形処理前後の画像例を示す図。
【図30】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置により作成される変形処理後の画像例を示す図であり、関心物体の位置により画像に施す変形処理が異なることを説明する為の図。
【図31】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置により作成される別の状況における変形処理後の画像例を示す図。
【図32】本発明の第3の実施形態の第1の変形例に係る画像処理装置による変形処理前後の画像例を示す図。
【図33】本発明の第3の実施形態の第2の変形例に係る画像処理装置により作成される変形処理後の画像例を示す図。
【図34】本発明の第1の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図。
【図35】本発明の第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図。
【図36】本発明の第1の実施形態と第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図。
【図37】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図38】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例を示す図。
【図39】本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図40】本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図41】本発明の第5の実施形態の第1の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図42】本発明の第5の実施形態の第2の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図43】本発明の第5の実施形態の第2の変形例に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像の別の例を示す図。
【図44】本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図45】本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置により作成される変形処理後の画像例を示す図。
【図46】本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図47】本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例を示す図。
【図48】本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像の別の例を示す図。
【図49】本発明の第8の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図50】本発明の第8の実施形態に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像例を示す図。
【図51】本発明の第9の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図52】本発明の第9の実施形態に係る画像処理装置により作成される変形処理後の画像例を示す図。
【図53】本発明の第10の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図54】本発明の第10の実施形態に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像の例を示す図。
【図55】本発明の第11の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図56】本発明の第11の実施形態に係る画像処理装置により作成されるエフェクト付加後の画像の例を示す図。
【図57】本発明の第10の実施形態と第11の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図。
【図58】本発明の第12の実施形態に係る画像処理装置の処理例を示すフローチャート。
【図59】本発明の第12の実施形態に係る画像処理装置により作成される変形処理後の画像の例を示す図。
【図60】本発明の第10の実施形態と第12の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、変更領域を黒色に塗り潰す変更処理も施した例を示す図。
【図61】本発明の第10の実施形態と第12の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、変更領域の輝度を変化させる変更処理も施した例を示す図。
【図62】本発明の第10の実施形態と第12の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、変更領域の輝度を変化させる変更処理も施した例を示す図。
【図63】本発明の第10の実施形態と第12の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、変更領域の解像度を変化させる変更処理も施した例を示す図。
【図64】本発明の第10の実施形態と第12の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、変更領域の先鋭度を変化させる変更処理も施した例を示す図。
【図65】本発明の第10の実施形態と第12の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図であり、変更領域のコントラストを変化させる変更処理も施した例を示す図。
【図66】本発明の第11の実施形態と第12の実施形態とを組み合わせた場合に、画像処理装置により作成される画像例を示す図。
【図67】本発明の第13の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としてのデジタルカメラの構成例を示すブロック図。
【図68】本発明の第13の実施形態に係るデジタルカメラの別の構成例を示すブロック図。
【図69】本発明の第13の実施形態に係るデジタルカメラの更に別の構成例を示すブロック図。
【図70】本発明の第14の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としてのデジタルカメラの構成例を示すブロック図。
【図71】本発明の第14の実施形態に係るメインコントローラの処理例を示すフローチャート。
【図72】本発明の第14の実施形態に係る画像処理装置により作成される変更処理後の画像例を示す図。
【図73】本発明の第14の実施形態の変形例に係るメインコントローラの処理例を示すフローチャート。
【図74】本発明の第15の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としての内視鏡の構成例を示すブロック図。
【図75】本発明の第15の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としての内視鏡の別の構成例を示すブロック図。
【図76】本発明の第15の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としての内視鏡の更に別の構成例を示すブロック図。
【図77】本発明の第16の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としての顕微鏡の構成例を示すブロック図。
【図78】本発明の第16の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としての顕微鏡の別の構成例を示すブロック図。
【図79】本発明の第16の実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としての顕微鏡の更に別の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明に係る画像処理装置をデジタルカメラに適用したものである。
本実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置としてのデジタルカメラの構成を図1に示す。この図に示すように本デジタルカメラは、本実施形態に係る画像処理装置110を備える。画像処理装置110は、関心物体検出部112と、フレームアウト確度判定部114と、変更値決定部116と、表示画像処理部118とを有する。また、本デジタルカメラは、撮像部122と、画像信号生成部124と、表示部126と、メインコントローラ128とを備える。なお、特に図示はしていないが、一般的なデジタルカメラと同様の操作部及び記録部等を備えることは勿論である。
【0018】
撮像部122は、図示しないレンズ等によって結像された被写体像を光電変換によって電気信号に変換し、この電気信号をデジタル変換してRawデータを作成する。撮像部122は、作成したRawデータを画像信号生成部124に出力する。画像信号生成部124は、撮像部122が作成したRawデータに対して、フルカラー化、色バランス調整、階調調整、ノイズ除去、エッジ強調、増幅等の処理を施し、画像信号(画像データD)を生成する。
【0019】
画像処理装置110には、画像信号生成部124が生成した画像データDが入力される。画像処理装置110内の関心物体検出部112は、画像データDが表す画像における、関心物体の位置を特定する。ここで、関心物体検出部112は、例えば、公知のテンプレートマッチングの技術を用いて関心物体の位置を特定すること、例えば、顔や人物を認識し、関心物体である顔や人物の位置を特定することができる。また、画像中で輪郭を抽出し、その動きベクトルを求めることで、関心物体の位置を追尾することができる。関心物体検出部112は、特定した関心物体の位置を、フレームアウト確度判定部114に出力する。
【0020】
フレームアウト確度判定部114には、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置が入力される。フレームアウト確度判定部114は、関心物体検出部112から入力された関心物体の位置の情報に基づいて、例えば、撮像部122が撮像する撮像範囲内であり、表示部126が表示する画像の領域である画像範囲から、関心物体がフレームアウトする確度と、フレームアウトする方向を算出する。フレームアウト確度判定部114は、算出した関心物体がフレームアウトする確度及び方向を、変更値決定部116に出力する。
【0021】
変更値決定部116には、フレームアウト確度判定部114から、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度及び方向が入力される。変更値決定部116は、フレームアウト確度判定部114から入力された関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度及び方向に基づいて、表示画像中の変更を施す領域である処理領域と、処理領域に施す変更とを決定する。変更値決定部116は、決定した処理領域と処理領域に施す変更とを、表示画像処理部118に出力する。
【0022】
表示画像処理部118には、変更値決定部116から入力された処理領域と処理領域に施す変更とが入力される。また、表示画像処理部118には、画像信号生成部124から、画像データDが入力される。表示画像処理部118は、処理領域に変更処理を施し、変更画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、変更画像データD´を、表示部126に出力する。
【0023】
表示部126は、表示画像処理部118から出力された変更画像データD´に基づくビデオ信号に従って、ライブビュー表示用の画像を表示する。表示部126は、その他操作に係る表示等の各種の画像も表示する。メインコントローラ128は、本デジタルカメラの各部と接続しており、各部の制御を行う。
【0024】
このように、例えば関心物体検出部112は、関心位置算出部として機能し、例えばフレームアウト確度判定部114は、フレームアウト確度算出部として機能し、例えば変更値決定部116は、改変変数決定部及び変更処理決定部として機能し、例えば表示画像処理部118は、画像変更部として機能する。また、例えば撮像部122及び画像信号生成部124は、撮像を実施して画像処理装置に入力する画像信号を生成する撮像部として機能し、例えば表示部126は、画像処理装置が生成した表示画像を表示する表示装置として機能する。また、例えば画像データDは画像信号として機能し、変更画像データD´は表示画像として機能する。
【0025】
次に本実施形態の動作を図面を参照して説明する。まず、本実施形態の動作の概略を説明する。本実施形態では、関心物体を人物とする。画像における当該人物の重心を、関心物体の位置とする。この関心物体の位置に基づいて、本画像処理装置110は、表示部126に表示させる画像範囲から関心物体がフレームアウトする可能性を判定する。画像処理装置110は、関心物体がフレームアウトする可能性の判定を、画像範囲の中心と関心物体の位置との距離に基づいて行う。すなわち、本実施形態では、画像処理装置110は、関心物体の重心が画像範囲の中心から離れる程、フレームアウトする確度が高いと判定する。また、本実施形態では、画像処理装置110は、画像範囲の中心から関心物体の重心へ向かう方向に、関心物体がフレームアウトする可能性があると判断する。関心物体である人物が、フレームアウトする確度が高いと判定された場合、画像処理装置110は、表示画像に変更処理を施す。本実施形態では、変更処理として、画像範囲の中心に対して関心物体の位置と対称な位置の近辺を、黒色に塗り潰す変更処理を行う。
【0026】
次に各動作について詳細に説明する。まず、撮像部122は、図示しないレンズ等によって結像された被写体像を光電変換によって電気信号に変換し、この電気信号をデジタル変換してRawデータを作成する。撮像部122は、作成したRawデータを、画像信号生成部124に出力する。画像信号生成部124は、撮像部122から入力されたRawデータに対して、フルカラー化、色バランス調整、階調調整、ノイズ除去、エッジ強調、増幅等の処理を施し、画像信号(画像データD)を生成する。画像信号生成部124は、生成した画像データDを、画像処理装置110に出力する。
【0027】
画像処理装置110の処理を、図2に示すフローチャートを参照して説明する。関心物体検出部112は、ステップS101において、画像信号生成部124が作成した画像データDが入力され、当該画像データDが表す画像における、注目する被写体である関心物体の位置を特定する。本実施形態では、関心物体は人物であるので、関心物体検出部112は、公知のテンプレートマッチングの手法を用いて、人物を認識する。関心物体検出部112は、画像中における当該人物の重心を、関心物体の位置として特定する。関心物体検出部112は、特定した関心物体の位置を、フレームアウト確度判定部114に出力する。
【0028】
フレームアウト確度判定部114は、ステップS102において関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、画像データDが表す画像における、表示部126が表示する画像の領域である画像範囲の中心と関心物体の重心との距離を算出する。
【0029】
フレームアウト確度判定部114は、ステップS103において、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下であるか否かを判定する。画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下である場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトしないと判定し、その判定結果を変更値決定部116に出力する。ステップS104において、変更値決定部116は、その判定結果に従って、入力された画像データDに変更処理を施さない決定をする。この決定を受けて、表示画像処理部118は、画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0030】
一方、ステップS103において、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離、及び関心物体の位置を、変更値決定部116に出力する。変更値決定部116は、ステップS105において、表示画像を黒色に塗り潰す領域である処理領域を決定する。ここで、処理領域は、表示画像の中心に対して、関心物体の位置と対称な位置と関連付けられた領域とする。また、処理領域の面積は、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が離れている程大きくする。変更値決定部116は、決定した処理領域と、変更処理が黒色に塗り潰すことであることとを、表示画像処理部118に出力する。このように、例えば画像範囲の中心と関心物体の重心との距離は、関心物体が画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度として機能する。
【0031】
表示画像処理部118は、ステップS106において、入力された画像データDに対して、表示画像中の変更値決定部116が算出した処理領域内を黒色に塗り潰すように、画像に変更処理を施す。表示画像処理部118は、変更処理後の画像のデータである変更画像データD´を、表示部126に出力する。
表示部126は、表示画像処理部118から入力された変更画像データD´に基づいて、変更処理後の画像を表示する。
【0032】
変更処理後の画像例を図3に示す。図3に示す画像では、関心物体OIである人物は、表示領域DAの左端に偏っている。関心物体OIと、表示領域DA、すなわち画像範囲の中心との距離は、所定の値より大きい。このとき、画像範囲の中心に対して関心物体OIと対称な位置である、表示領域DAの右側に、関心物体OIと表示画像の中心との距離に応じた処理領域PRが設定され、処理領域PRが黒色に塗り潰される変更が施されている。この処理領域PRは、前記のとおり、画像範囲の中心と関心物体OIの重心との距離が離れている程大きく設定される。したがって、関心物体OIが、図3の場合よりも画像範囲の中心に近い場合は、例えば図4に示すように、処理領域PRは狭くなる。
【0033】
例えば、ユーザが当該デジタルカメラを、関心物体OIが表示画面の中心となるように向けなおすと、関心物体OIと表示画像の中心との距離は、所定の値以下となる。その結果、表示画像処理部118は、ステップS104において、入力された画像データに変更処理を施さずに、表示部126に出力する。このとき、表示部126には、例えば図5に示すような、黒色に塗り潰された部分がない画像が表示される。
【0034】
ユーザが本デジタルカメラを構えて表示部126を観察しながら、フレーミングを確認している状況を考える。上記のように本実施形態によれば、例えば人物など、関心物体が表示領域の端に偏ると、表示部126には、表示領域の関心物体と反対側が黒色に変更された画像が表示される。このような黒色に変更される部分を有する画像を観察しているユーザは、黒色に変更されている部分をなくすように、関心物体側に本デジタルカメラをパンする。その結果、表示部126に表示されている画像は、変更処理が加えられていない状態になる。
【0035】
このように、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。この際、表示部126に表示される撮像画像に変更処理を施した表示画像によって、当該デジタルカメラを向ける向きが示されるので、ユーザは、表示部126以外に視点を向ける必要は無い。また、表示部126に表示される画像が煩雑になることもない。すなわち、ユーザは、表示部を注視しながら撮影が出来る。なお、ここで表示される表示画像は、関心物体がフレームアウトするか否かを予測した結果を示している。したがって、本実施形態によれば、関心物体がフレームアウトすることが未然に防がれる。
【0036】
なお、本実施形態の説明では、関心物体の全体が表示画像範囲内にある状態を説明したが、例えば図6に示すように、関心物体OIが表示領域DAの内側になくてもよい。すなわち、関心物体検出部112が表示部126に表示する画像範囲の外部まで関心物体の位置を特定することができる場合、本画像処理装置110は、表示画像範囲外の関心物体の位置に応じて同様の処理を行うことができる。表示部126に表示させる領域よりも、撮像部122で取得する画像の範囲の方が広い場合などが、この場合に該当する。すなわち、関心物体の全体が表示画像範囲内になくとも、関心物体の全体が撮像部122で取得する画像の範囲に収まっている場合、関心物体検出部112は、前記と同様に、関心物体の位置を特定することができる。また、関心物体検出部112が、画像データDに関心物体の一部が含まれていれば、関心物体を追尾し、その位置を特定できる場合などが、この場合に該当する。また、上記のように、関心物体が画像範囲外に出た場合に、図7に示すように、処理領域PRの形状によって、関心物体OIの位置を指示するようにしてもよい。
【0037】
また、本実施形態の説明では、関心物体検出部112には、画像信号生成部124によって処理された画像信号(画像データD)が入力される構成として説明したが、撮像部122から出力されたRawデータをそのまま画像信号として関心物体検出部112が入力されてもよい。この場合、関心物体検出部112は、当該Rawデータに基づいて関心物体の位置を特定するように構成されてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、画像範囲と関心物体の位置との位置関係を求める基準として、画像範囲の中心を利用しているが、中心に限らず、その他の部分を基準としてもよい。例えば、画像範囲の中心を含む四角形を規定し、当該四角形の各辺を基準として、対象物体との距離を算出してもよい。また、画像範囲の中心を含む円を規定し、当該円の円周を基準として、対象物体との距離を算出してもよい。また、対象物体の位置を対象物体の重心の位置としたが、これに限らない。例えば、対象物体が人物であるときは、顔の位置を対象物体の位置としたり、画像における人物の縁を対象物の位置としたり、その他どのような基準を位置として設けてもよい。また、関心物体は、人物に限らず動物、乗り物等その他のものでも勿論よい。また、本実施形態の説明では、関心物体検出部112が関心物体を検出する方法として、テンプレートマッチングを例に挙げたが、画像中から関心物体を抽出できる方法ならば、どの様な方法でもよい。
【0039】
また、本実施形態では、処理領域の塗り潰しの色は、黒色としたが、白色やその他の色でもよいことは勿論である。また、ステップS103の判定において用いる所定の値を0として、変更処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。
【0040】
[第1の実施形態の第1の変形例]
本発明の第1の実施形態の第1の変形例について説明する。ここで本変形例の説明では、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第1の実施形態においては、図3に示すように、ステップS106において表示画像処理部118が加える画像の変更は、変更値決定部116が算出した処理領域内を黒色に塗り潰す変更である。これに対して本変形例では、処理領域内にその他の変更を施す。
【0041】
例えば、本変形例の一例としては、図8に示すように、表示画像における処理領域PRの輝度を所定量低下させる。また、本変形例の別の一例としては、図9に示すように、処理領域PRの解像度を所定量低下させる。解像度を低下させるためには、例えば、隣り合う4個の画素値を平均してその値を当該4画素の画素値に割当てる等すればよい。また、本変形例の別の一例としては、図10に示すように、処理領域PRの鮮鋭度を所定量低下させる。先鋭度を低下させるためには、例えば、ローパスフィルタの強さを変更するぼかし処理等を行えばよい。また、本変形例の別の一例としては、図11に示すように、処理領域PRのコントラストを所定量低下させる。コントラストを低下させるためには、例えば高輝度信号と低輝度信号との差を減少させればよい。また、本変形例の別の一例としては、彩度を所定量低下させ、グレーに近づけた表示にする。また、本変形例の別の一例としては、色相を所定量変化させる。
【0042】
上記の通り、表示画像に施す変更の種類としては、輝度の低下、解像度の低下、鮮鋭度の低下、コントラストの低下、彩度の低下、色相の変化など、様々な可能性がある。用いる変更の種類は、予め決めておいてもよいし、例えばユーザから入力された変更の種類を用いるように構成してもよい。また、所定の判定基準に基づいて、変更の種類を変更値決定部116が決定するように構成してもよい。
【0043】
本変形例では、ステップS105において、変更値決定部116は、第1の実施形態の場合と同様に、処理領域を算出する。変更値決定部116は、算出した処理領域を、表示画像処理部118に出力する。また、変更値決定部116は、第1の実施形態においては変更処理が黒色に塗り潰すことであることを出力するが、これに代えて、変更の種類と、例えば予め決められている輝度の低下量などの変更量とを、表示画像処理部118に出力する。ステップS106において、表示画像処理部118は、変更値決定部116から入力された処理領域、変更の種類及び変更量に基づいて、表示画像に変更処理を施す。例えば、ステップS106において、表示画像処理部118は、処理領域内の輝度を変更量だけ低下させる処理を実施する。ステップS105における変更値決定部116による処理、及びステップS106における表示画像処理部118による処理以外の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0044】
本変形例によっても、関心物体が画像範囲の中心から遠ざかると、表示領域の画像が変更される。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながらフレーミングを確認しているユーザは、画像が変更されている部分をなくすように、関心物体が表示領域の中心に来る方向に、画像処理装置110を有する本デジタルカメラをパンする。その結果、表示部126に表示されている画像は、変更処理が加えられていない状態になる。以上のとおり、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。
【0045】
なお、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、色相などは、画像に施す変更処理の一例であって、これ以外でもよい。また、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度は、低下させずに、上昇させてもよい。また、処理領域内の輝度等の変更は、均一でなくともよい。例えば、場所によって変更度合いが異なる、グラデーション状の変更を画像に施してもよい。
【0046】
更に、変化の種類は、上記の1種類に限らず、2種以上の組み合わせてもよい。すなわち、例えば処理領域内の輝度を低下させつつ解像度も低下させてもよい。このように、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度及び色相等のうち、任意の2つ以上を、同時に変化させることもできる。
【0047】
[第1の実施形態の第2の変形例]
本発明の第1の実施形態の第2の変形例について説明する。ここで本変形例の説明では、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第1の実施形態において、変更値決定部116は、ステップS105における表示画像を黒色に塗り潰す処理領域を決定するに際して、処理領域を、表示画像の中心に対して、関心物体と対称な位置と関連付けられた領域として決定している。これに対して本変形例では、処理領域を、関心物体からの距離が一定となるように決定する。
【0048】
本変形例では、変更値決定部116は、例えば図12に示すように、関心物体OIである人物の重心から処理領域PRの縁までの距離が、所定の距離dis_1で一定となるように、処理領域を決定する。ステップS105における変更値決定部116の処理領域の決定の動作以外の動作は、第1の実施形態のそれと同様である。
本変形例によっても、第1の実施形態及びその第1の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、本変形例と、第1の実施形態の第1の変形例を組み合わせることもできる。すなわち、本変形例のように、ステップS105において、フレームアウト確度判定部114が関心物体からの距離に基づいて決定した処理領域において、第1の変形例と同様に、輝度を低下又は上昇させたり、解像度を低下又は上昇させたり、先鋭度を低下又は上昇させたり、コントラストを低下又は上昇させたり、彩度を低下又は上昇させたり、色相を変化させたりしてもよいし、それらを組み合わせてもよい。
【0050】
[第1の実施形態の第3の変形例]
本発明の第1の実施形態の第3の変形例について説明する。ここで本変形例の説明では、第1の実施形態の第1の変形例との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第1の実施形態の第1の変形例においては、変更値決定部116は、ステップS105において、画像範囲の中心に対する関心物体の位置に応じて、処理領域を算出している。表示画像処理部118は、ステップS106において、処理領域内の輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、又は色相を、変更値決定部116が決定した所定量だけ変更している。これに対して本実施形態では、変更値決定部116は、処理領域の面積は一定とし、処理領域内の輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、又は色相の変更量を、画像範囲の中心に対する関心物体の位置に応じて、変化させる。
【0051】
ここでは、処理領域内の輝度を変化させる場合を例に挙げて説明する。本変形例において、画像処理装置110の動作は、図13に示すフローチャートのようになる。ここで、ステップS201からステップS204の処理は、図2を参照して説明した第1の実施形態及びその第1の変形例におけるステップS101からステップS104の処理とそれぞれ同じである。
【0052】
本変形例では、ステップS203で、所定値以下でないと判定した場合、変更値決定部116は、ステップS205において、画像範囲の中心に対する関心物体の位置に応じて、輝度低下量を算出する。例えば本変形例では、画像範囲の中心から関心物体の重心までの距離が遠い程、輝度低下量を大きくする。変更値決定部116は、算出した輝度低下量を、表示画像処理部118に出力する。処理領域は、表示画像の中心に対して、関心物体の位置と対称な位置と関連付けられた領域とし、その面積は、所定の値とする。変更値決定部116は、決定した処理領域も、表示画像処理部118に出力する。
【0053】
表示画像処理部118は、ステップS206において、画像データDが表す画像における、変更値決定部116から入力された処理領域に対して、変更値決定部116から入力された輝度低下量だけ、輝度を低下させる処理を行う。表示画像処理部118は、処理領域の輝度を低下させた変更画像データD´を表示部126に出力する。
【0054】
上記の動作により、例えば、表示部126には、図14に示す様な画像が表示される。すなわち、関心物体OIが、表示領域DAの中心に近い程、図14(a)に示すように、処理領域PRの輝度の低下は小さい。一方、関心物体OIが、表示領域の中心から遠く離れる程、図14(b)に示すように、処理領域PRの輝度は大きく低下し、暗く表示される。
【0055】
本変形例の説明では、処理領域の輝度を低下させる例を示したが、輝度を上昇させてもよい。また同様に、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、又は色相を変更させてもよい。また、それらを組み合わせてもよい。
【0056】
本変形例によっても、関心物体が表示領域の中心から遠ざかると、処理領域の画像が変更され、例えばその画像の輝度が低下する。その結果、本デジタルカメラを構えて表示部126を観察しながらフレーミングを確認しているユーザは、画像の変更が弱くなるように、関心物体が表示領域の中心に来る方向に本デジタルカメラをパンする。関心物体が表示領域の中心に近づけば、表示部126に表示されている画像は、変更処理が加えられていない状態になる。以上のとおり、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。
【0057】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラには、その構成を図15に示すように、変更値決定部116の代わりに、エフェクト決定部115が設けられている。その他の構成は、第1の実施形態の場合と同様である。このエフェクト決定部115は、例えば改変変数決定部である加工決定部として機能し、関心被写体の位置に関連する領域に施す画像の加工、すなわち、画像に付加するエフェクトに関する情報を決定する。
【0058】
以下、第1の実施形態と異なる構成について説明する。フレームアウト確度判定部114には、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置が入力される。フレームアウト確度判定部114は、関心物体検出部112から入力された関心物体の位置の情報に基づいて、例えば、撮像部122が撮像する撮像範囲内であり、表示部126が表示する画像の領域である画像範囲から、関心物体がフレームアウトする確度を算出する。フレームアウト確度判定部114は、算出した関心物体がフレームアウトする確度を、エフェクト決定部115に出力する。
【0059】
エフェクト決定部115には、フレームアウト確度判定部114から、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度が入力される。エフェクト決定部115は、フレームアウト確度判定部114から入力された関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度に基づいて、ユーザに関心物体が画像範囲からフレームアウトする可能性があることを認識させるための画像の加工、すなわち、画像に付加するエフェクトを決定する。エフェクト決定部115は、決定したエフェクトの情報を、表示画像処理部118に出力する。
【0060】
表示画像処理部118には、エフェクト決定部115から、決定されたエフェクトの情報が入力される。また、表示画像処理部118には、画像信号生成部124から、画像データDが入力される。表示画像処理部118は、画像データDに基づく画像に前記エフェクトを付加し、変更画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、変更画像データD´を、表示部126に出力する。
【0061】
このように、例えばエフェクト決定部115は、画像信号に基づく画像における関心物体の代表点の周囲に変更領域を設定し、該変更領域に対して行う画像の加工を決定する加工決定部として機能する。また、例えばエフェクト決定部115は、画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定する改変変数決定部として機能する。
【0062】
本実施形態の動作の概略を説明する。本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、例として関心物体を人物とし、画像における関心物体である人物の重心を、関心物体の位置とする。この関心物体の位置に基づいて、画像処理装置110は、表示部126に表示させる画像範囲から関心物体がフレームアウトする可能性を判定する。画像処理装置110は、関心物体がフレームアウトする可能性の判定を、画像範囲の中心と関心物体の位置との距離に基づいて行う。画像範囲の中心と関心物体の位置との距離が大きく、関心物体である人物が、フレームアウトする確度が高いと判定された場合、画像処理装置110は、表示画像にエフェクトを付加する。本実施形態では、例として、エフェクトは、関心物体の重心座標を中心として関心物体を囲む楕円線とする。より具体的には、当該画像において、前記楕円線に相当する画素の輝度や彩度を変更したり、前記楕円線に相当する画素を所定の色に変換したりして、変更画像データD´を作成する。また予め用意された前記楕円線に相当するテンプレート画像を、その中心が関心物体の重心座標と一致するように重畳してもよい。
【0063】
各動作について詳細に説明する。第1の実施形態の場合と同様に、撮像部122は、被写体像を光電変換によって電気信号に変換し、この電気信号をデジタル変換してRawデータを作成し、そのデータを画像信号生成部124に出力する。画像信号生成部124は、撮像部122から入力されたRawデータより、画像信号(画像データD)を生成し、その画像データDを画像処理装置110に出力する。
【0064】
画像処理装置110の処理を、図16に示すフローチャートを参照して説明する。ここでステップS301乃至ステップS303の処理は、図2を参照して説明した第1の実施形態におけるステップS101乃至ステップS103とそれぞれ同様である。
【0065】
ステップS303において、フレームアウト確度判定部114が画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下であると判定した場合、ステップS304において、エフェクト決定部115は、その判定結果に従って、入力された画像データDにエフェクトを付加しない決定をする。この決定を受けて、表示画像処理部118は、画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0066】
ステップS303において、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その旨をエフェクト決定部115に出力する。エフェクト決定部115は、その判定結果を受けて、ステップS305において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。ここで、エフェクトは、関心物体の重心座標を中心として関心物体を囲む楕円線とする。エフェクト決定部115は、エフェクトを付加することと、付加するエフェクトである楕円線の情報とを、表示画像処理部118に出力する。このように、例えば画像範囲の中心と関心物体の重心との距離は、関心物体が画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度として機能する。
【0067】
表示画像処理部118は、ステップS306において、入力された画像データDに対して、エフェクト決定部115から入力された情報に基づいて、エフェクトを付加して、変更画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、作成した変更画像データD´を、表示部126に出力する。
表示部126は、表示画像処理部118から入力された変更画像データD´に基づいて、エフェクトを付加した画像を表示する。
【0068】
エフェクトを付加した画像例を図17に示す。図17に示す画像では、関心物体OIである人物は、表示部126の表示領域DAの左端に偏っている。関心物体OIの重心と表示領域DA、すなわち画像範囲の中心との距離は、所定の値より大きい。このとき、関心物体OIの重心座標を中心として関心物体OIを囲む楕円線であるエフェクトEFが付加される。図17に示す例では、エフェクトEFは、3本の黒い楕円線であり、その真中の線は、他の線よりも太くなっている。すなわち、ステップS305において、エフェクト決定部115は、上記の様な楕円線に相当する画素を変更領域として特定し、その画素を黒くするという情報を、表示画像処理部118に出力する。楕円線は黒色と前記したが、他の色でも勿論よいし、画像データDの情報を一部残した状態で変更する、いわゆる半透明状の効果を表示するようにしても勿論よい。このように、エフェクト決定部115は、楕円線に相当する画素、すなわち画像における変更領域を設定し、この変更領域に対して行う、例えば黒色に変更する等の加工を決定する。
【0069】
例えば、ユーザが当該デジタルカメラを、関心物体OIが表示領域DAの中心に位置するように向けなおすと、関心物体OIの重心と表示領域DAの中心との距離は、所定の値以下となる。その結果、表示画像処理部118は、ステップS304において、入力された画像データにエフェクトを付加せずに、画像データを表示部126に出力する。このとき、表示部126の表示領域DAには、例えば図18に示すような、エフェクトが付加されていない画像が表示される。
【0070】
ユーザが本デジタルカメラを構えて表示部126を観察しながら、フレーミングを確認している状況を考える。上記のように本実施形態によれば、例えば人物など、関心物体が表示領域の端に偏ると、表示部126には、関心物体の周囲に楕円が表示される。このような関心物体が楕円によって強調された画像を観察しているユーザは、関心物体側に本デジタルカメラをパンすることができる。その結果、表示部126に表示されている画像は、楕円が表示されていない状態になる。
【0071】
このように、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。この際、表示部126に表示される撮像画像にエフェクトが付加された表示画像によって、関心物体がフレームアウトする可能性があることを示されるので、ユーザは、表示部126以外に視点を向ける必要はない。例えば、様々な被写体が画像範囲内に存在し、ユーザが関心物体に注意を払いにくい場合などでは、関心物体が画像範囲の端に位置すると関心物体がエフェクトによって強調され、ユーザの注意が関心物体に向くという効果もある。なお、ここで表示される表示画像は、関心物体がフレームアウトするか否かを予測した結果を示している。したがって、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体がフレームアウトすることを未然に防ぐことができる。
【0072】
第1の実施形態において図6及び図7を参照して説明した状況と同様に、関心物体OIの一部しか表示領域DA、すなわち画像範囲の範囲内にない状態でも、本実施形態に係る画像処理装置110が機能するように構成されてもよい。この状態では、例えば図19に示すように、エフェクトEFは、その一部のみが表示領域DAに表示される。関心物体検出部112が画像範囲の外部まで関心物体の位置を特定することができる場合、本画像処理装置110は、画像範囲外の関心物体の位置に応じて同様の処理を行うことができる。また、第1の実施形態の場合と同様に、撮像部122から出力されたRawデータがそのまま画像信号として関心物体検出部112に入力され、関心物体検出部112は、当該Rawデータに基づいて関心物体の位置を特定するように構成されてもよい。また、本実施形態では、画像範囲と関心物体の位置との位置関係を求める基準として、画像範囲の中心を利用しているが、中心に限らず、その他の部分を基準としてもよい。また、本実施形態では、フレームアウトする確度については、所定値以下か否か、すなわち、2値化しているが、閾値を2つ以上設けて、3つ以上の条件分けによって、それぞれの場合に、異なるエフェクトを加えるように構成してもよい。
【0073】
[第2の実施形態の第1の変形例]
本発明の第2の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第2の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第2の実施形態においては、関心物体の重心と、画像範囲の中心との距離に基づいてエフェクトが付加されている。これに対して本変形例では、関心物体の重心と画像範囲の中心との距離に加えて、画像範囲の中心に対する関心物体の重心の方向に基づいてエフェクトが付加される。例えば、本変形例の一例として、図20に示すように、エフェクトEFである楕円の長軸は、関心物体OIの重心と画像範囲(表示領域DA)の中心とを結ぶ線と一致する。
【0074】
上記のようにエフェクトである楕円の長軸を、関心物体の重心と画像範囲の中心とを結ぶ線と一致させるため、本変形例では、以下のように処理が行われる。ステップS303の判定において、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下でない場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトするという判定結果をエフェクト決定部115に出力する。フレームアウト確度判定部114は、さらに、関心物体の位置をエフェクト決定部115に出力する。
【0075】
エフェクト決定部115は、ステップS305において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。また、エフェクト決定部115は、エフェクトである楕円を次のように決定する。エフェクトの楕円の長軸を、関心物体と画像範囲の中心とを結ぶ線と一致させる。ステップS305においてエフェクト決定部115は、このように決定したエフェクトに関する情報を、表示画像処理部118に出力する。
【0076】
表示画像処理部118は、ステップS306において、入力された画像データDに対して、エフェクト決定部115から入力された情報に基づいて、その長軸が関心物体の重心と画像範囲の中心とを結ぶ線と一致させた楕円のエフェクトを付加する。表示画像処理部118は、エフェクトを付加した画像のデータである変更画像データD´を、表示部126に出力する。その他の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0077】
本変形例によっても、関心物体が表示領域DAの端に偏ると、表示部126には、関心物体OIの周囲に楕円がエフェクトEFとして表示される。また、この楕円は、画像範囲の中心を指し示している。したがって、関心物体がこのような楕円によって強調された画像を観察しているユーザは、関心物体が画像範囲の中心に対してどの方向にずれているかを認識することができる。その結果、ユーザは、関心物体が画像範囲の中心に移動するように本デジタルカメラをパンすることができる。このように、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。
【0078】
[第2の実施形態の第2の変形例]
本発明の第2の実施形態の第2の変形例について説明する。ここでは、第2の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第2の実施形態において、表示画像に付加するエフェクトは、楕円である。これに対して本変形例では、関心物体の形状に応じた線のエフェクトを付加する。例えば、本変形例の一例としては、図21に示すように、関心物体OIの周囲に、関心物体OIの輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線をエフェクトEFとして表示させる。
【0079】
上記のような線のエフェクトを表示させるため、関心物体検出部112は、図15に示すように、輪郭抽出部1122を有する。この輪郭抽出部1122は、画像データDが表す画像における関心物体の輪郭を抽出する。関心物体検出部112は、検出した関心物体の位置、又は輪郭抽出部1122で抽出した輪郭の時系列変化に基づいて、フレーム間でのその輪郭の動きベクトルを求めることで、関心物体の位置を追尾することができるように構成されてもよい。このように、例えば輪郭抽出部1122は、関心物体の輪郭を抽出する輪郭抽出部として機能する。
【0080】
本変形例では、画像処理装置110は、以下のように処理を行う。ステップS301において、関心物体検出部112は、画像データDが表す画像における、関心物体の位置を特定する。さらに、関心物体検出部112内の輪郭抽出部1122は、公知のエッジ抽出に係る技術を用いてその関心物体の輪郭を抽出する。関心物体検出部112は、特定した関心物体の位置と輪郭とを、フレームアウト確度判定部114に出力する。
【0081】
ステップS303において、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトするという判定結果をエフェクト決定部115に出力する。さらに、フレームアウト確度判定部114は、関心物体の輪郭の情報を、エフェクト決定部115に出力する。エフェクト決定部115は、ステップS305において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。ここで、エフェクトは、関心物体の周囲に位置する、複数の関心物体の輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線とする。エフェクト決定部115は、エフェクトを付加することと、付加するエフェクトである複数の線の情報とを、表示画像処理部118に出力する。
【0082】
表示画像処理部118は、ステップS306において、入力された画像データDに対して、エフェクト決定部115から入力されたエフェクトを付加する。表示画像処理部118は、エフェクトを付加した画像のデータである変更画像データD´を、表示部126に出力する。その他の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0083】
本変形例によっても、関心物体が表示領域の端に偏ると、表示部126には、関心物体の周囲に、その輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線が表示される。したがって、関心物体がこのように強調された画像を観察しているユーザは、関心物体が画像範囲の中心に移動するように本デジタルカメラをパンすることができる。本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。
【0084】
なお、関心物体の周囲に表示される関心物体の輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線であるエフェクトは、時間的に変化するものでもよい。図22に、関心物体OIの周囲のエフェクトEFが周期的に強弱を変化させる場合の例を模式的に示す。このようなエフェクトの時間的に変化は、本変形例に限らず、楕円やその他の形状等のエフェクトでも同様に用いることができる。このようにエフェクトを時間的に変化させると、関心物体の位置がより強調され、ユーザの注意がより向きやすいという効果がある。
【0085】
[第2の実施形態の第3の変形例]
本発明の第2の実施形態の第3の変形例について説明する。ここでは、第2の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第2の実施形態においては、表示画像に付加するエフェクトは、関心物体の位置が画像範囲の中心から所定値以上離れているときは、関心物体の位置に関わらず同一である。これに対して本変形例では、関心物体の位置と画像範囲の中心との距離に応じて、エフェクトの楕円の面積が変化する。本変形例によって表示される画像の例を、図23に示す。図23(a)に示すように、関心物体OIの位置が比較的画像範囲(表示領域DA)の中心に近いときは、エフェクトEFの楕円の面積は比較的小さく設定され、図23(b)に示すように、関心物体OIの位置が比較的画像範囲の中心から遠いときは、エフェクトEFの楕円の面積は、比較的大きく設定される。言い換えると、エフェクトEFである楕円によって囲まれる部分の面積が、図23(a)では小さく、図23(b)では大きい。
【0086】
上記のような関心物体の位置と画像範囲の中心との距離に応じて面積が変化するエフェクトを表示させるため、本変形例では、以下のように処理する。ステップS303において、関心物体の重心と画像範囲の中心との距離が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトするという判定結果と、関心物体の重心と画像範囲の中心との距離とをエフェクト決定部115に出力する。
【0087】
エフェクト決定部115は、ステップS305において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。ここで、エフェクトは、関心物体の重心座標を中心として関心物体を囲む楕円線とする。その楕円によって囲まれる部分の面積は、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が大きい程、大きい。エフェクト決定部115は、エフェクトを付加することと、付加するエフェクトである楕円線の情報とを、表示画像処理部118に出力する。
【0088】
表示画像処理部118は、ステップS306において、入力された画像データDに対して、エフェクト決定部115から入力されたエフェクトを付加する。表示画像処理部118は、エフェクトを付加した画像のデータである変更画像データD´を、表示部126に出力する。その他の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0089】
本変形例によっても、関心物体が表示領域の端に偏ると、表示部126には、関心物体の周囲に楕円が表示される。このような関心物体が楕円によって強調された画像を観察しているユーザは、関心物体が画像範囲の中心に移動するように本デジタルカメラをパンすることができる。ここで、この楕円によって囲まれる部分の面積は、画像範囲の中心から関心物体の重心までの距離を示している。画像範囲の中心から関心物体の重心までの距離が大きい程、関心物体がフレームアウトする確率は大きい。したがって、楕円によって囲まれる部分の面積によって、画像範囲の中心から関心物体の重心がどれほど離れているか、すなわち関心物体がフレームアウトする確率がどれほど高いかを、ユーザは直感的に知ることが出来る。このように、本変形例によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。なお、楕円の大きさは、距離に応じて線形に変化させてもよいし、所定距離毎に段階的に変化させてもよいし、連続的かつ非線形に変化させてもよい。
【0090】
また、関心物体の位置と画像範囲の中心との距離に応じて、エフェクトの楕円によって囲まれる部分の面積を変化させるのではなく、エフェクトのパターンを変化させてもよい。例えば、エフェクトの線の太さや種類を変えてもよい。エフェクトの線の太さと種類を変化させる例を図24に示す。この例では、図24(a)に示すように、関心物体OIの位置が比較的画像範囲の中心に近いときは、エフェクトEFの楕円の線を比較的細く、図24(b)に示すように、関心物体OIの位置が比較的画像範囲の中心から遠いときは、エフェクトEFの楕円の線を比較的太い。言い換えると、楕円線に相当する画素、すなわち、画像を変更させる変更領域の面積が、図24(a)では小さく、図24(b)では大きい。
【0091】
また、楕円線の太さや種類等を変化させるのではなく、線の色や濃さを変化させてもよい。すなわち、エフェクト決定部115は、例えば所定の楕円線に相当する画素を決定し、その画素について、関心物体の位置が比較的画像範囲の中心に近いときは、例えば薄い色とする加工を行うことを決定し、関心物体の位置が比較的画像範囲の中心から遠いときは、濃い色とする加工を行うことを決定する。言い換えると、エフェクト決定部115は、関心物体の位置と画像範囲の中心との距離に応じて、加工の程度を変化させる。また、関心物体の位置と画像範囲の中心との距離に応じて、線の太さと線の色や濃さとが共に変更されてもよい。上記のような線の太さや種類と色や濃さをまとめて、以降線のパターンと称する。
【0092】
また、図25に一例を示すように、関心物体OIの位置と画像範囲の中心との距離に応じて、エフェクトEFの楕円によって囲まれる部分の面積と線のパターンとの両者を変化させてもよい。図25(a)に示すように、関心物体OIの位置が比較的画像範囲の中心に近いときは、エフェクトEFの楕円によって囲まれる部分の面積は比較的小さく、かつ線の太さ及び種類は比較的細い。図25(b)に示すように、関心物体OIの位置が比較的画像範囲の中心から遠いときは、エフェクトEFの楕円によって囲まれる部分の面積は比較的大きく、かつ線の太さ及び種類は比較的太い。このようにエフェクトEFが設定されることで、関心物体OIが画像範囲の中心近くに位置しておりパンする必要が少ないときには、エフェクトの効果が小さくなるので、関心物体OIが見やすく、ユーザはシャッタチャンスに集中することができる。
【0093】
なお、ステップS303の判定において用いる所定の値を0として、変更処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。すなわち、閾値を設けずに、画像範囲の中心と関心物体の位置との距離に応じて、エフェクトによって囲まれる部分の面積や線のパターンを変化させるようにしてもよい。
【0094】
本変形例は、前記した第1の変形例と組み合わせされ得る。すなわち、画像範囲に対する関心物体の位置を示しつつ、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離を示すエフェクトが表示されるようにしてもよい。また、本変形例は、前記した第2の変形例と組み合わされ得る。すなわち、関心物体の輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線によって囲まれる部分の面積やその線の太さなどのパターンが変化させられるようにしてもよい。
【0095】
また、本実施形態とその各種変形例は、第1の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第1の実施形態のように、画像の一部に変更処理が施され、かつエフェクトを付加され得る。その場合、第1の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態に係るエフェクト決定部115が、変更値決定部116及びエフェクト決定部115の両方の機能を有し、表示画像処理部118が第1の実施形態に係る画像の変更と、第2の実施形態に係るエフェクトの付加とを、画像データDに施す。その結果、例えば、図26に示すような画像が作成される。
【0096】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラには、図27に示すように、第1の実施形態における変更値決定部116の代わりに、変形パラメータ決定部117が設けられている。その他の構成は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0097】
以下、第1の実施形態と異なる構成について説明する。フレームアウト確度判定部114には、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置が入力される。フレームアウト確度判定部114は、関心物体検出部112から入力された関心物体の位置の情報に基づいて、例えば、撮像部122が撮像する撮像範囲内であり、表示部126が表示する画像の領域である画像範囲から、関心物体がフレームアウトする確度と、フレームアウトする方向を算出する。フレームアウト確度判定部114は、算出した関心物体がフレームアウトする確度及び方向、並びに関心物体の位置を、変形パラメータ決定部117に出力する。
【0098】
変形パラメータ決定部117には、フレームアウト確度判定部114から、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度及び方向、並びに関心物体の位置が入力される。変形パラメータ決定部117は、フレームアウト確度判定部114から入力された関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度及び方向、並びに関心物体の位置に基づいて、表示画像に施す変形の変形パラメータを決定する。変形パラメータ決定部117は、決定した変形パラメータを、表示画像処理部118に出力する。
【0099】
表示画像処理部118には、変形パラメータ決定部117から変形パラメータが入力される。また、表示画像処理部118には、画像信号生成部124から、画像データDが入力される。表示画像処理部118は、画像データDに変形処理を施し、変形画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、変形画像データD´を、表示部126に出力する。
【0100】
このように、例えば変形パラメータ決定部117は、フレームアウト確度に基づいて、画像信号に基づく画像を幾何変換するための変形パラメータを決定する変形パラメータ決定部として機能する。また、変形パラメータ決定部117は、フレームアウト確度に基づいて、画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定する改変変数決定部として機能する。
【0101】
本実施形態の動作を説明する。本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、例として関心物体を人物とし、画像における関心物体である人物の重心を、関心物体の位置とする。この関心物体の位置に基づいて、画像処理装置110は、表示部126に表示させる画像範囲から関心物体がフレームアウトする可能性を判定する。画像処理装置110は、関心物体がフレームアウトする可能性の判定を、画像範囲の中心と関心物体の位置との距離に基づいて行う。すなわち、本実施形態では、画像処理装置110は、関心物体の重心が画像範囲の中心から離れる程、フレームアウトする確度が高いと判定する。関心物体である人物が、フレームアウトする確度が高いと判定された場合、画像処理装置110は、表示画像に変形処理を施す。本実施形態では、変形処理として、長方形である表示画像の輪郭のうち、関心物体から最も近い辺と対向する辺を短くして、表示画像を台形に歪ませる幾何変換、すなわち変形処理を行う。
【0102】
各動作について、図面を参照して詳細に説明する。第1の実施形態の場合と同様に、撮像部122は、被写体像を光電変換によって電気信号に変換し、この電気信号をデジタル変換してRawデータを作成し、そのデータを画像信号生成部124に出力する。画像信号生成部124は、撮像部122から入力されたRawデータより、画像信号(画像データD)を生成し、その画像データDを、画像処理装置110に出力する。
【0103】
画像処理装置110の処理を、図28に示すフローチャートを参照して説明する。ここでステップS401乃至ステップS403の処理は、図2を参照して説明した第1の実施形態におけるステップS101乃至ステップS103の処理とそれぞれ同様である。
【0104】
ステップS403において、フレームアウト確度判定部114が画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下であると判定した場合、ステップS404において、変形パラメータ決定部117は、その判定結果に従って、入力された画像データDに変形処理を施さない決定をする。この決定を受けて、表示画像処理部118は、画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0105】
ステップS403において、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その旨を変形パラメータ決定部117に出力する。また、フレームアウト確度判定部114は、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離、及び関心物体の位置を、変形パラメータ決定部117に出力する。変形パラメータ決定部117は、その判定結果を受けて、ステップS405において、表示画像に施す変形処理の変形パラメータを決定する。変形パラメータ決定部117は、決定した変形パラメータを、表示画像処理部118に出力する。本実施形態では、表示画像処理部118は、長方形である表示画像を、台形に変形する変形処理を実施する。ここで、表示画像は、その輪郭のうち関心物体から最も近い辺と対向する辺を短くするような幾何変換、すなわち変形が施される。また、短くなる辺の長さは、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が離れている程短くなるように設定される。すなわち、ステップS405において、変形パラメータ決定部117は、変形パラメータとして、短くする辺は上下左右の4辺のうち何れの辺であるかと、短くする辺の短縮させる割合とを決定し、その決定結果を、表示画像処理部118に出力する。このように、例えば画像範囲の中心と関心物体の重心との距離は、関心物体が画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度として機能する。
【0106】
表示画像処理部118は、ステップS406において、入力された画像データDに対して、表示画像中の変形パラメータ決定部117が決定した変形パラメータに基づいて、画像を幾何変換する変形処理を施す。すなわち、表示画像処理部118は、長方形である画像データDに基づく画像に対して、変形パラメータ決定部117が決定した短くする辺を、変形パラメータ決定部117が決定した短縮割合だけ短くして、画像全体を台形に歪ませるように変形させる。この台形の外側は、画像情報が含まれない領域とし、例えば黒色や白色にする。このようにして表示画像処理部118は、その画像を表す変形画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、作成した変形画像データD´を、表示部126に出力する。
表示部126は、表示画像処理部118から入力された変形画像データD´に基づいて、変形処理後の画像を表示する。
【0107】
ここで、変形処理前後の画像例を図29に示す。図29(a)は、変形処理前の画像データDに基づく画像を示す。この図において、関心物体OIである人物は、表示領域DAの左端に偏っており、関心物体OIと表示領域DA、すなわち画像範囲の中心との距離は、所定の値より大きい。このとき、表示画像処理部118は、変形パラメータ決定部117の決定に基づいて、変形処理を行う。ここで、変形パラメータ決定部117は、関心物体から最も近い辺である画像の左側の辺と対向する辺である右側の辺を短縮させる決定をしている。また、変形パラメータ決定部117は、関心物体OIと画像範囲の中心との距離に基づいて、短縮させる右側の辺の短縮割合を決定している。すなわち、表示画像処理部118は、図29(a)の画像の右側の辺を短縮割合だけ縮めるように画像全体を歪ませて、画像の縁FRを台形とする幾何変換を行い、図29(b)に示すような画像を作成する。このようにして、表示画像処理部118は、変形画像データD´を作成する。すなわち、画像処理装置110は、入力された画像データDに基づく画像の縁の形状を台形に変化させている。なお、図29(a)及び(b)において、画像を縦横にそれぞれ3分割する線は、画像の変形をわかりやすく示すための線であり、画像処理装置110に係る画像に含まれるものではない。以下の例でも同様である。
【0108】
変形パラメータ決定部117が決定する短縮割合は、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が離れている程大きく、すなわち、その辺を短くする。したがって、関心物体OIが、画像範囲の中心に近い程、表示画像の歪みは小さくなる。例えば、図30(a)に示すように、関心物体OIが画像範囲の左側に偏っているとき、画像の縁FRの形状は、平行な2辺(左の辺と右の辺)の長さが大きく異なる状態となる。この状態から、ユーザが当該デジタルカメラを、関心物体OIが表示画面の中心となるように向けなおす。その結果、関心物体OIが図30(a)の状態よりも画像範囲の中心に近寄ると、図30(b)に示すように、画像の縁FRの平行な2辺の長さの差は、図30(a)の場合よりも小さくなる。更に、関心物体OIが表示画面の中心となるようにすると、図30(c)に示すように、表示画像には、変形処理が行われていない状態となる。
【0109】
ユーザが本デジタルカメラを構えて表示部126を観察しながら、フレーミングを確認している状況を考える。上記のように本実施形態によれば、例えば人物など、関心物体が表示領域の端に偏ると、表示部126には、台形に歪んだ画像が表示される。このような歪んだ画像を観察しているユーザは、画像の歪みをなくすように、関心物体側に本デジタルカメラをパンする。その結果、表示部126に表示されている画像は、変形処理が加えられていない状態になる。このように、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。この際、表示部126に表示される画像によって、すなわち、撮像画像に変形処理が施された表示画像によって、当該デジタルカメラを向けるべき方向が示されるので、ユーザは、表示部126以外に視点を向ける必要は無い。また、表示部126に表示される画像が煩雑になることもない。すなわち、ユーザは、表示部を注視しながら撮影が出来る。なお、ここで表示される表示画像は、関心物体がフレームアウトするか否かを予測した結果を示している。したがって、本実施形態によれば、関心物体がフレームアウトすることを未然に防ぐことができる。
【0110】
本実施形態の説明では、関心物体から最も近い辺と対向する辺を短くするように画像が台形に変形させられるとして説明したが、関心物体から最も近い辺が短くなるように画像が台形に変形させられてもよい。また、台形にする変形に限らず、例えば上下の辺のうち関心物体から遠い方の辺を短くし、同時に左右の辺のうち関心物体から遠い方の辺を短くする等の変形処理が施されるようにしてもよい。
【0111】
第1の実施形態において図6及び図7を参照して説明した状況と同様に、関心物体OIの一部しか表示領域DA、すなわち画像範囲の範囲内にない状態でもよい。例えば図31に示すように、関心物体検出部112が表示部126に表示する画像範囲の外部まで関心物体の位置を特定することができる場合、画像処理装置110は、表示画像範囲外の関心物体OIの位置に応じて同様の処理を行うことができる。
【0112】
また、第1及び第2の実施形態の場合と同様に、撮像部122から出力されたRawデータがそのまま画像信号として関心物体検出部112に入力され、関心物体検出部112は、当該Rawデータに基づいて関心物体の位置を特定するように構成されてもよい。また、本実施形態では、画像範囲と関心物体の位置との位置関係を求める基準として、画像範囲の中心を利用しているが、中心に限らず、その他の部分を基準としてもよい。また、関心物体は、人物に限らず動物、乗り物等その他のものでも勿論よい。また、本実施形態の説明では、関心物体検出部112が関心物体を検出する方法として、テンプレートマッチングを例に挙げたが、画像中から関心物体を抽出できる方法ならば、どの様な方法でもよい。また、本実施形態では、フレームアウトする確度については、所定値以下か否か、すなわち、2値化しているが、閾値を2つ以上設けて、3つ以上の条件分けによって、それぞれの場合に、異なる変形処理を施すように構成してもよい。また、ステップS403の判定において用いる所定の値を0として、変形処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。
【0113】
[第3の実施形態の第1の変形例]
本発明の第3の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第3の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。図29(b)に示すように、ステップS406において、表示画像処理部118が施す画像の変形は、第3の実施形態においては、変形パラメータ決定部117が決定した変形パラメータに基づいて、表示画像の輪郭のうち、関心物体から最も近い辺と対向する辺を短くして、表示画像を台形に変形させる変形処理である。これに対して本変形例では、表示画像の縁は変形させられず、表示画像を伸縮させて歪ませられる。
【0114】
例えば、本変形例では、表示画像の輪郭のうち、関心物体から最も近い辺の垂線方向について、当該関心物体から最も近い辺からの距離に応じて画像を伸縮させる。ここで、本変形例では、関心物体から最も近い辺に近い程、当該辺の垂線方向に画像を収縮させられ、当該辺から遠い程、当該辺の垂線方向に画像を伸張させられる。例えば、図32(a)に示すような画像において、関心物体OIが表示領域DAの左側に偏っている場合を考える。このとき、関心物体OIから最も近い辺は、この図32(a)における左側の辺である。したがって、本画像処理装置は、左側の辺の垂線方向、すなわち左右方向に、画像の左側程画像を収縮させ、右側程画像を伸張させ、図32(b)のような画像を作成する。このように、画像処理装置110は、入力された画像データDに基づく画像を伸縮させており、当該画像の一部を収縮させ他の部分を伸張させている。
【0115】
この例のような変形に限らず、関心物体から最も近い辺に近い程、当該辺の垂線方向に画像を伸張させ、関心物体から最も近い辺から遠い程、当該辺の垂線方向に画像を収縮させてもよい。また、左右方向又は上下方向に画像を伸縮させるに限らず、左右方向にも上下方向にも同時に画像を収縮させるように変形させてもよい。また、関心物体から最も近い辺からの距離に応じて伸縮させずに、例えば、関心物体から最も近い辺から所定の距離の領域のみ画像を伸縮させてもよい。また、関心物体と関心物体から最も近い辺との距離に応じて、前記の伸縮の割合を変化させるようにしてもよい。
【0116】
例えば図32(b)のような画像を表示部126に表示させるために、本変形例では、ステップS405において、変形パラメータ決定部117は、フレームアウト確度判定部114から入力された、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離、及び関心物体の位置に基づいて、画像を伸縮させる領域と、伸縮させる向き及び割合とを含む変形パラメータを決定する。変形パラメータ決定部117は、その決定した結果を、表示画像処理部118に出力する。
【0117】
表示画像処理部118は、ステップS406において、入力された画像データDに対して、表示画像中の変形パラメータ決定部117が決定した変形パラメータに基づいて、画像に変形処理を施す。すなわち、表示画像処理部118は、画像データDに基づく画像における画像を伸縮させる領域毎に、変形パラメータ決定部117が決定した伸縮させる向き及び割合に応じて画像を伸縮させる。このようにして、表示画像処理部118は、その画像を表す変形画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、作成した変形画像データD´を、表示部126に出力する。その他の動作は、第3の実施形態と同様である。
【0118】
本変形例によっても、関心物体が画像範囲の中心から遠ざかると、表示領域の画像が変形する。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながらフレーミングを確認しているユーザは、画像の変形がなくなるように、関心物体が表示領域の中心に来る方向に、画像処理装置110を有する本デジタルカメラをパンする。その結果、表示部126に表示されている画像は、変形処理が施されていない状態になる。以上のとおり、本変形例によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。
【0119】
[第3の実施形態の第2の変形例]
本発明の第3の実施形態の第2の変形例について説明する。本変形例では、第1の実施形態の場合の画像の変形と、その第1の変形例の場合の画像の変形とを組み合わせた画像の変形を行う。すなわち、本変形例においては、関心物体から最も近い辺と対向する辺を短くして、表示画像の輪郭を台形に変形させるとともに、関心物体から最も近い辺の垂線方向について、当該関心物体に最も近い辺からの距離に応じて伸縮させる。すなわち、画像処理装置110は、例えば、図33に示すような画像を作成する。
【0120】
本変形例においては、第3の実施形態及びその第1の変形例と同様に、ステップS405において、変形パラメータ決定部117は、表示画像の輪郭を変形させるためのパラメータ、すなわち、輪郭のうち、短くする辺は上下左右の4辺のうち何れの辺であるかと、短くする辺の短縮させる割合とを決定する。更に、変形パラメータ決定部117は、画像を伸縮させるためのパラメータ、すなわち、画像を伸縮させる領域と、伸縮させる向き及び割合とを決定する。表示画像処理部118は、ステップS406において、入力された画像データDに対して、表示画像中の変形パラメータ決定部117が決定した変形パラメータに基づいて、画像に変形処理を施し、変形画像データD´を作成する。その他の動作は、第3の実施形態と同様である。また、表示画像の変形に関しては、射影変形の様に線形変換で定義できる様に変形させても良い。
本変形例によっても、第3の実施形態及びその第1の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0121】
本実施形態とその各種変形例は、第1の実施形態及び/又は第2の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第1の実施形態のように、画像の一部に変更処理が施され、かつ変形処理が施され得る。その場合、第1の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態における変形パラメータ決定部117が、変更値決定部116及び変形パラメータ決定部117の両方の機能を有し、表示画像処理部118が第1の実施形態に係る画像の変更と、本実施形態に係る変形処理とを、画像データDに施す。その結果、例えば、図34に示すような画像が作成される。同様に本実施形態と第2の実施形態と組み合わせて、エフェクト決定部115又は変形パラメータ決定部117が、エフェクト決定部115と変形パラメータ決定部117との両方の機能を有するように構成され得る。すなわち、画像に変形処理が施されるとともにエフェクトが付加され、図35に示すような画像が作成されるように、画像処理装置110が構成されてもよい。また、第1の実施形態に係る変更処理と、第2の実施形態に係るエフェクトの付加と、本実施形態に係る変形処理とを組み合わせてもよい。すなわち、エフェクト決定部115と変更値決定部116と変形パラメータ決定部117との機能を有し、例えば図36に示すような画像を作成するように、画像処理装置110が構成されてもよい。
【0122】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第1の実施形態と同様に、図1に示す構成を有する。本実施形態に係る変更値決定部116は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第1の実施形態と同様に、画像データDに施す変更処理の各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、変更値決定部116の決定に基づいて、画像データDに変更処理を施す。
【0123】
第1の実施形態では、フレームアウト確度判定部114は、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離を算出し、当該距離を基準として、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度を決定している。これに対して本実施形態では、フレームアウト確度判定部114は、画像データDが表す画像を基準とした関心物体の位置の時間変化、すなわち画像中における関心物体の相対的な移動速度を算出し、関心物体位置の時間変化(相対移動速度V)が大きい程、フレームアウトする確度が高いと判定する。また、本実施形態では、関心物体の移動方向が、関心物体がフレームアウトする可能性がある方向とする。
【0124】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図37に示す。この図に示すように、第1の実施形態のステップS101と同様に、関心物体検出部112には、ステップS501において、画像信号生成部124が作成した画像データDが入力される。関心物体検出部112は、当該画像データDが表す画像中における、注目する被写体である関心物体の位置を特定する。関心物体検出部112は、特定した関心物体の位置を、フレームアウト確度判定部114に出力する。
【0125】
フレームアウト確度判定部114は、ステップS502において、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、画像における関心物体の位置の時間変化、すなわち関心物体の相対的な移動速度(以下、単に移動速度と記載する)を算出する。そのために、フレームアウト確度判定部114は、前回の画像データにおける関心物体の位置を記憶するメモリを備えるか、メインコントローラ128が前回の画像データにおける関心物体の位置の情報を保持していて、フレームアウト確度判定部114に与えるような構成とする必要がある。
【0126】
フレームアウト確度判定部114は、ステップS503において、関心物体の移動速度が所定の値以下であるか否かを判定する。関心物体の移動速度が所定の値以下である場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトしないと判定し、その判定結果を変更値決定部116に出力する。第1の実施形態のステップS104と同様に、ステップS504において、変更値決定部116は、入力された画像データDに変更処理を施さない決定をする。表示画像処理部118は、変更を施していない画像データDを、変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0127】
一方、ステップS503において、関心物体の位置の時間変化が所定の値以下でないと判定した場合、変更値決定部116は、ステップS505において、表示画像を黒色に塗り潰す処理領域を決定する。ここで、処理領域は、表示画像の中心に対して、関心物体の移動方向と反対側と関連付けられた領域とする。例えば、関心物体が左方向に移動している場合は、表示画像の右側を処理領域とし、関心物体が右方向に移動している場合は、表示画像の左側を処理領域とする。同様に、関心物体が上方向に移動している場合は、表示画像の下側を処理領域とし、同様に関心物体が斜めに方向に移動している場合も、表示画像の中心に対して関心物体の移動方向と反対側を処理領域とする。処理領域の面積は、関心物体の移動速度が大きい程、大きくする。変更値決定部116は、決定した処理領域を、表示画像処理部118に出力する。また、変更値決定部116は、変更処理が黒色に塗り潰すことであることを表示画像処理部118に出力する。このように、例えば関心物体の位置の時間変化は、関心物体が画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度として機能する。
【0128】
第1の実施形態のステップS106と同様に、表示画像処理部118は、ステップS506において、入力された画像データに対して、変更値決定部116が算出した表示画像中の処理領域内を黒色に塗り潰すように、画像に変更処理を施し、変更処理後の画像のデータである変更画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、変更画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第1の実施形態のそれと同様である。
【0129】
本実施形態によれば、表示部126には、例えば図38のような画像が表示される。すなわち、関心物体OIが左方向に移動している場合、表示領域の右側が、処理領域PRに設定され、黒色に塗り潰されている。なお、図38において、実線で描かれた関心物体OIである人物と、破線で描かれた人物との距離の大きさが、速度の大きさを表すものとする。以下についても同じである。関心物体OIの移動速度が比較的遅い場合、図38(a)に示すように、処理領域PRの面積は、比較的小さい。それに対して、関心物体OIの移動速度が比較的速い場合、図38(b)に示すように、処理領域PRの面積は、比較的大きい。
【0130】
本実施形態によっても、関心物体が移動している場合、その速度に応じて、処理領域の画像が変更される。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながら、フレーミングを確認しているユーザは、画像の変更が弱くなるように、関心物体の移動を追うように本デジタルカメラをパンする。表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなれば、表示部126に表示されている画像は、変更処理が施されていない状態になる。以上のとおり、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、移動する関心物体を追うように、ユーザを誘導することができる。なお、本デジタルカメラに表示される表示画像は、関心物体がフレームアウトするか否かを予測した結果を示している。したがって、本実施形態によれば、関心物体がフレームアウトすることを未然に防ぐことができる。
【0131】
また、第1の実施形態の第1の変形例と同様に、画像処理装置110は、処理領域を黒色ではなく他の色に塗り潰すように構成され得るし、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相のうち1つ又は複数の組み合わせを変更するように構成され得る。また、第1の実施形態の第2の変形例と同様に、処理領域は、表示画像の中心に対して、関心物体の移動方向と反対側と関連付けられた領域とせずに、関心物体からの距離と関連付けてもよい。例えば、関心物体の移動速度が速い場合は、関心物体から処理領域の縁までの距離を短くし、関心物体の移動速度が遅い場合は、関心物体から処理領域の縁までの距離を長くするなどしてもよい。
【0132】
また、第1の実施形態の第3の変形例と同様に、関心物体の移動速度に応じて、処理領域の輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更量が変化させられるようにしてもよい。この場合、ステップS505において、変更値決定部116は、処理領域を算出するのではなく、代わりに関心物体の移動速度に基づいて、処理領域に施す変更の変更量を算出する。ステップS506において、表示画像処理部118は、変更値決定部116が算出した変更量だけ、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相のうち1つ又は複数の組み合わせについて変更する。また、ステップS503の判定において用いる所定の値を0として、変更処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。
上記の何れの場合においても、第1の実施形態の各変形例の場合と同様の効果が得られる。
【0133】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態について説明する。ここでは、第2及び第4の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第2の実施形態と同様に、図15に示す構成を有する。本実施形態に係るエフェクト決定部115は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第2の実施形態と同様に、画像データDに付加するエフェクトの各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、エフェクト決定部115の決定に基づいて、画像データDにエフェクトを付加する。
【0134】
本実施形態においてフレームアウト確度判定部114は、第4の実施形態と同様に、画像データDが表す画像範囲における、関心物体の位置の時間変化、すなわち画像範囲における関心物体の相対的な移動速度を算出し、関心物体の位置の時間変化が大きい程、フレームアウトする確度が高いと判定する。
【0135】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図39に示す。この図に示すように、本実施形態に係るステップS601乃至ステップS603の処理は、第4の実施形態のステップS501乃至ステップS503と、それぞれ同様である。ただし、第4の実施形態における変更値決定部116は、本実施形態では、エフェクト決定部115と読み替えるものとする。
【0136】
ステップS603において、フレームアウト確度判定部114が画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下であると判定した場合、ステップS604において、エフェクト決定部115は、その判定結果に従って、入力された画像データDにエフェクトを付加しない決定をする。この決定を受けて、表示画像処理部118は、画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0137】
ステップS603において、関心物体の位置の時間変化が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その判定結果をエフェクト決定部115に出力する。エフェクト決定部115は、その判定結果に従って、ステップS605において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。ここで、エフェクトは、関心物体の重心座標を中心として関心物体を囲む楕円線とする。エフェクト決定部115は、エフェクトを付加することと、付加するエフェクトである楕円線の情報とを、表示画像処理部118に出力する。このように、例えば関心物体の位置の時間変化は、関心物体が画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度として機能する。
【0138】
第2の実施形態のステップS306と同様に、表示画像処理部118は、ステップS606において、入力された画像データに対して、エフェクト決定部115から入力されたエフェクトを付加し、変更画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、変更画像データD´を、表示部126に出力する。表示部126は、表示画像処理部118から入力された変更画像データD´に基づいて、エフェクトを付加した画像を表示する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第2の実施形態のそれと同様である。
【0139】
本実施形態によれば、表示部126には、例えば図40のような画像が表示される。すなわち、関心物体OIである人物が所定の速度より速く移動していると、図40(a)に示すように関心物体OIの周囲にエフェクトEFである楕円が表示される。一方、関心物体OIの移動速度が所定値以下である場合、図40(b)に示すように、エフェクトEFは表示されない。なお、図中の白抜き矢印は、関心物体OIが移動していることを示すために付したものであり、表示される画像を構成するものではない。また、この白抜き矢印の太さは移動速度の大きさを表すものとし、矢印が太い程移動速度が大きいものとする。以降の図においても同じとする。このエフェクトの表示の有無により、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確率が高くなったことを撮影者は直感的に知ることが出来る。例えば、様々な被写体が画像範囲内に存在し、ユーザが関心物体の動きに注意を払いにくい場合などでは、関心物体が移動するとエフェクトによって強調された関心物体に、ユーザの注意が向くという効果もある。
【0140】
本実施形態によっても、関心物体が移動している場合、その速度に応じて、表示画像にエフェクトが付加される。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながら、フレーミングを確認しているユーザは、エフェクトがなくなるように、関心物体の移動を追う方向に本デジタルカメラをパンすることができる。表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなれば、表示部126に表示されている画像は、変更処理が施されていない状態になる。以上のとおり、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、すなわち、移動する関心物体を追うように、ユーザを誘導することができる。なお、本デジタルカメラに表示される表示画像は、関心物体がフレームアウトするか否かを予測した結果を示している。したがって、本実施形態によれば、関心物体がフレームアウトすることを未然に防ぐことができる。
【0141】
なお、本実施形態の説明では、表示画像に付加するエフェクトは楕円であるとしたが、第2の実施形態の第2の変形例と同様に、関心物体の周囲に関心物体の輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線を表示させる等、関心物体の形状に応じた線のエフェクトでもよい。この場合、ステップS601において、関心物体検出部112は、画像データDが表す画像における、関心物体の位置を特定するとともに、関心物体検出部112内の輪郭抽出部1122は、その関心物体の輪郭を抽出する。関心物体検出部112は、特定した関心物体の位置と輪郭とを、フレームアウト確度判定部114に出力する。また、ステップS603の判定において、関心物体の移動速度が所定の値以下でない場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その判定結果と、関心物体の輪郭の情報とを、エフェクト決定部115に出力する。エフェクト決定部115は、ステップS605において、関心物体の周囲の関心物体の輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線とするエフェクトを表示画像に付加することを決定する。
【0142】
[第5の実施形態の第1の変形例]
本発明の第5の実施形態の第1の変形例について説明する。ここでは、第5の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第5の実施形態においては、表示画像に付加するエフェクトは、関心物体の移動速度が所定値より大きければ、その大小に関わらず、同一である。これに対して本変形例では、関心物体の移動速度に応じて、エフェクトが変更される。
【0143】
このような関心物体の移動速度に応じて、エフェクトを変更したときの、表示画像の例を図41に示す。例えば、図41(a)に示す場合よりも関心物体OIの移動速度が小さいとき、図41(b)に示すようにエフェクトEFである楕円によって囲まれる部分の面積を小さくする。或いは、例えば、図41(a)に示す場合よりも関心物体OIの移動速度が小さいとき、図41(c)に示すように、エフェクトEFである楕円のパターンを変化させ、例えば線を細くするなどエフェクトの面積を変化させる、及び/又は、線の色を薄くするなどエフェクトの加工の程度を変化させる。また、関心物体の移動速度に応じて、エフェクトの楕円によって囲まれる部分の面積と線のパターンとの両者を変化させてもよい。
【0144】
上記のような関心物体の移動速度に応じて異なるエフェクトを表示させるため、本変形例では、以下のように処理する。ステップS603において、関心物体の移動速度が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その判定結果と、関心物体の移動速度とをエフェクト決定部115に出力する。
【0145】
エフェクト決定部115は、ステップS605において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。ここで、エフェクトは、関心物体の移動速度に応じた面積やパターンとする。エフェクト決定部115は、エフェクトを付加することと、付加するエフェクトである楕円線の情報とを、表示画像処理部118に出力する。
【0146】
表示画像処理部118は、ステップS606において、入力された画像データDに対して、エフェクト決定部115から入力されたエフェクトを付加する。表示画像処理部118は、エフェクトを付加した画像のデータである変更画像データD´を、表示部126に出力する。その他の処理は、第2の実施形態の処理と同様である。
【0147】
本変形例によっても、関心物体が移動している場合、その速度に応じて、表示画像にエフェクトが付加される。ここで、この楕円の面積やパターンは、関心物体の移動速度を示している。楕円によって囲まれる部分の面積や楕円線のパターンによって、関心物体の移動速度、すなわち関心物体がフレームアウトする確率がどれほど高いかを、ユーザは直感的に知ることが出来る。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながら、フレーミングを確認しているユーザは、エフェクトが弱くなるように、関心物体の移動を追う方向に本デジタルカメラをパンすることができる。表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなれば、表示部126に表示されている画像は、変更処理が施されていない状態になる。以上のとおり、本変形例によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、移動する関心物体を追うように、ユーザを誘導することができる。
【0148】
なお、ステップS603の判定において用いる所定の値を0として、変更処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。すなわち、閾値を設けずに、関心物体の移動速度に応じて、エフェクトの面積を変化させるようにしてもよい。
【0149】
[第5の実施形態の第2の変形例]
本発明の第5の実施形態の第2の変形例について説明する。ここで変形例の説明では、第5の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第5の実施形態においては、関心物体の移動速度に応じたエフェクトが付加されており、移動方向は考慮されていない。本変形例では、関心物体の移動方向を示すエフェクトが付加される。本変形例の一例としては、図42に示すように、エフェクトEFを、関心物体OIの重心位置に対して関心物体OIの移動方向と反対側、すなわち関心物体OIの移動方向についての後方の面積が大きい楕円とする。
【0150】
上記のようにエフェクトである楕円の形状を、関心物体の移動方向によって変化させるため、本変形例では、以下のように処理を行う。ステップS603において、関心物体の移動速度が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その判定結果と共に、関心物体の移動方向をエフェクト決定部115に出力する。エフェクト決定部115は、ステップS605において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。また、ステップS605においてエフェクト決定部115は、関心物体の移動方向に応じて、付加するエフェクトの形状を決定し、その情報を表示画像処理部118に出力する。表示画像処理部118は、ステップS606において、入力された画像データDに対して、エフェクト決定部115から入力されたエフェクトの情報に基づいて、エフェクトを付加する。表示画像処理部118は、エフェクトを付加した画像のデータである変更画像データD´を、表示部126に出力する。その他の処理は、第2の実施形態の処理と同様である。
【0151】
本変形例によっても、関心物体が移動している場合、その速度に応じて、表示画像にエフェクトが付加される。ここで、付加されるエフェクトの形状によってユーザは、関心物体の移動方向を認識できる。これによりユーザは直感的に被写体の速度・移動方向の状態を知ることができ、デジタルカメラを被写体方向へ自然と向けることができる。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながら、フレーミングを確認しているユーザは、エフェクトによって関心物体の移動方向を認識しながら、エフェクトが弱くなるように、すなわち、関心物体の移動を追う方向に本デジタルカメラをパンすることができる。表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなれば、表示部126に表示されている画像は、変更処理が施されていない状態になる。以上のとおり、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、移動する関心物体を追うように、ユーザを誘導することができる。
【0152】
また、本変形例は、前記第5の実施形態の第1の変形例と組み合わせることもできる。例えば、図43に示すように、関心物体OIの移動速度に応じてエフェクトEFによって囲まれる部分の面積を変化させ、かつ移動方向に応じてエフェクトEFの形状を変化させてもよい。この場合、第5の実施形態の第1の変形例と第2の変形例との動作を組み合わせるようにすればよい。すなわち、ステップS603において、関心物体の移動速度が所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その判定結果と、関心物体の移動速度と、関心物体の移動方向とをエフェクト決定部115に出力する。エフェクト決定部115は、ステップS605において、表示画像にエフェクトを付加することを決定する。ここで、エフェクトは、関心物体の移動速度に応じた面積やパターンとし、かつ移動方向に応じた形状とする。エフェクト決定部115は、エフェクトを付加することと、付加するエフェクトである楕円線の情報とを、表示画像処理部118に出力する。このように、第1の変形例と第2の変形例とを組み合わせれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体の移動速度と移動方向とを認識できるエフェクトを付加した表示を行うことができる。
なお、第6の実施形態及びその何れの変形例においても、エフェクトは、時間的に変化するものとしてもよい。
【0153】
また、本実施形態とその各種変形例は、第4の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第4の実施形態のように、画像の一部に変更処理が施され、かつ本実施形態のようにエフェクトが付加されるようにしてもよい。その場合、第4の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態におけるエフェクト決定部115が、エフェクト決定部115と変更値決定部116との両方の機能を有し、表示画像処理部118が第4の実施形態に係る画像の変更と、第5の実施形態に係るエフェクトの付加とを、画像データDに施す。その結果、例えば、上述の図26に示すような画像が作成される。
【0154】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態について説明する。ここでは、第3及び第4の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第3の実施形態と同様に、図27に示す構成を有する。本実施形態に係る変形パラメータ決定部117は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第3の実施形態と同様に、画像データDに施す変形処理の各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、変形パラメータ決定部117の決定に基づいて、画像データDに変形処理を施す。
【0155】
本実施形態においてフレームアウト確度判定部114は、第4の実施形態と同様に、画像データDが表す画像範囲における、関心物体の位置の時間変化、すなわち画像範囲における関心物体の相対的な移動速度を算出し、関心物体の位置の時間変化が大きい程、フレームアウトする確度が高いと判定する。また、本実施形態では、関心物体の移動方向が、関心物体がフレームアウトする可能性がある方向とする。
【0156】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図44に示す。この図に示すように、本実施形態に係るステップS701乃至ステップS703の処理は、第4の実施形態のステップS501乃至ステップS503の処理と、それぞれ同様である。ただし、第4の実施形態における変更値決定部116は、本実施形態では、変形パラメータ決定部117と読み替えるものとする。
【0157】
ステップS703において、フレームアウト確度判定部114が画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下であると判定した場合、ステップS704において、変形パラメータ決定部117は、その判定結果に従って、入力された画像データDに変形処理を施さない決定をする。この決定を受けて、表示画像処理部118は、画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0158】
ステップS703において、関心物体の位置の時間変化が所定の値以下でないと判定した場合、変形パラメータ決定部117は、ステップS705において、表示画像に施す変形処理の変形パラメータを決定する。本実施形態では、第3の実施形態の場合と同様に、変形処理として、長方形である表示画像の輪郭のうち、関心物体が移動している方向の後方側の辺を短くして、表示画像を台形に変形させる処理が行われる。また、短くする辺の長さは、関心物体の移動速度が速い程短くされる。すなわち、変形パラメータ決定部117は、変形パラメータとして、短くする辺は、上下左右の4辺のうち何れの辺であるかと、短くする辺の短縮させる割合とを決定し、その決定結果を、表示画像処理部118に出力する。このように、例えば関心物体の位置の時間変化は、関心物体が画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度として機能する。
【0159】
第3の実施形態のステップS406と同様に、表示画像処理部118は、ステップS706において、入力された画像データDに対して、表示画像中の変形パラメータ決定部117が決定した変形パラメータに基づいて、画像に変形処理を施す。すなわち、表示画像処理部118は、長方形である画像データDに基づく画像に対して、変形パラメータ決定部117が決定した短くする辺を、変形パラメータ決定部117が決定した短縮割合だけ短くして、画像全体を台形に歪ませるように変形させる。このようにして表示画像処理部118は、その画像を表す変形画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、作成した変形画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第1の実施形態のそれと同様である。
【0160】
本実施形態によれば、表示部126には、例えば図45のような画像が表示される。すなわち、関心物体OIが左方向に移動している場合、その後方に相当する右側の辺を短くし、画像の縁FRが台形になるように画像全体が歪められた画像が表示される。ここで、関心物体OIの移動速度が比較的速い場合、図45(a)に示すように、画像の縁FRの形状は、平行な2辺の長さが大きく異なる状態となる。それに対して、関心物体OIの移動速度が比較的遅い場合、図45(b)に示すように、画像の縁FRの平行な2辺の長さの差は、図45(a)の場合よりも小さくなる。
【0161】
本実施形態によっても、関心物体が移動している場合、その速度に応じて、画像の輪郭が変形される。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながら、フレーミングを確認しているユーザは、画像の変形、すなわち画像の伸縮に伴う歪みが小さくなるように、関心物体の移動を追うように本デジタルカメラをパンする。表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなれば、表示部126に表示されている画像は、変形処理が施されていない状態になる。以上のとおり、本実施形態によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、移動する関心物体を追うように、ユーザを誘導することができる。なお、本デジタルカメラに表示される表示画像は、関心物体がフレームアウトするか否かを予測した結果を示している。したがって、本実施形態によれば、関心物体がフレームアウトすることが未然に防がれる。
【0162】
また、本実施形態においても、関心物体の移動速度に応じて、第3の実施形態の第1の変形例と同様に、前記した図32(b)のように画像が所定の方向に伸縮され得る。また、関心物体の移動速度に応じて、第3の実施形態の第2の変形例と同様に、前記した図33のように画像の輪郭が変形させられつつ、画像が所定の方向に伸縮させられてもよい。何れの場合においても、第3の実施形態の各変形例の場合と同様の効果が得られる。
【0163】
また、本実施形態とその各種変形例は、第4の実施形態及び/又は第5の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第4の実施形態のように、画像の一部に変更処理が施され、かつ本実施形態のように変形処理が施されるようにしてもよい。その場合、第4の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態における変形パラメータ決定部117が、変更値決定部116と変形パラメータ決定部117との両方の機能を有し、表示画像処理部118が第4の実施形態に係る画像の変更と、本実施形態に係る変形処理とを、画像データDに施す。その結果、例えば、前記した図34に示すような画像が作成される。同様に本実施形態と第5の実施形態と組み合わせて、画像に変形処理を施すとともにエフェクトを付加するようにし、前記した図35に示すような画像が作成されるように、画像処理装置110が構成され得る。また、第4の実施形態に係る変更処理と、第5の実施形態に係るエフェクトの付加と、本実施形態に係る変形処理とを組み合わせて、例えば前記した図36に示すような画像を作成するように、画像処理装置110が構成されてもよい。
【0164】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態について説明する。ここでは、第1及び第4の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第1の実施形態と同様に、図1に示す構成を有する。本実施形態に係る変更値決定部116は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第1の実施形態と同様に、画像データDに施す変更処理の各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、変更値決定部116の決定に基づいて、画像データDに変更処理を施す。
【0165】
第1の実施形態では、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離を基準として、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度が決定されている。また、第4の実施形態では、表示画像を基準とした関心物体の相対的な移動速度を基準として、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度が決定されている。これに対して、本実施形態では、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離、及び表示画像を基準とした関心物体の相対的な移動速度の両者を含むパラメータを基準として、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度を決定する。
【0166】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図46に示す。この図に示すように、第1の実施形態のステップS101と同様に、関心物体検出部112には、ステップS801において、画像信号生成部124が作成した画像データDが入力される。関心物体検出部112は、当該画像データDが表す画像における、関心物体の位置を特定し、特定した関心物体の位置を、フレームアウト確度判定部114に出力する。
【0167】
フレームアウト確度判定部114は、ステップS802において、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、画像における画像範囲の中心と関心物体の重心との距離Lを算出する。また、フレームアウト確度判定部114は、ステップS803において、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、画像における関心物体の位置の時間変化、すなわち関心物体の相対的な移動速度V(以下、単に移動速度Vと記載する)を算出する。
フレームアウト確度判定部114は、ステップS804において、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wを算出した距離Lと移動速度Vとの積、W=L×Vとして算出する。
【0168】
フレームアウト確度判定部114は、ステップS805において、フレームアウトする確度Wが所定の値以下であるか否かを判定する。フレームアウトする確度Wが所定の値以下である場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトしないと判定し、その判定結果を変更値決定部116に出力する。第1の実施形態のステップS104と同様に、ステップS806において、変更値決定部116は、入力された画像データDに変更処理を施さない決定をする。表示画像処理部118は、変更を施していない画像データDを変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0169】
一方、ステップS805において、フレームアウトする確度Wが所定の値以下でないと判定した場合、変更値決定部116は、ステップS807において、表示画像に変更を施す処理領域の、変更に係るパラメータを設定する。ここでは、例として、表示画像において、画像範囲の中心に対して関心物体の位置と対称な位置に係る処理領域の輝度を低下させる場合を例に挙げて説明する。ここでは、フレームアウトする確度Wが大きい程、表示画像の輝度を低下させる処理領域の面積を大きくするものとする。この場合、変更値決定部116は、ステップS807において、表示画像の輝度を低下させる処理領域を決定する。変更値決定部116は、決定した処理領域を、表示画像処理部118に出力する。また、変更値決定部116は、変更の種類と変更量とを、すなわち例えば、変更の種類としての輝度を低下させることと輝度の低下量である所定量とを、表示画像処理部118に出力する。
【0170】
表示画像処理部118は、ステップS808において、入力された画像データに対して、変更処理を施す。例えば、変更値決定部116が決定した処理領域の輝度を低下させる。この例では、画像範囲の端側の輝度が特に低く画像範囲の中心側の輝度が比較的高い、グラデーション状に処理領域の輝度を低下させる場合を示す。変更処理後の変更画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第1の実施形態のそれと同様である。
【0171】
本実施形態によれば、表示部126には、例えば図47のような画像が表示される。すなわち、表示画像中で、画像範囲の中心と関心物体との距離Lが大きく、関心物体の移動速度Vが大きいときは、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wは、大きくなるので、表示画像中で輝度を低下させる処理領域は広くなっている。また、距離Lが小さく、移動速度Vが小さいときは、確度Wは小さくなるので、輝度を低下させる処理領域は狭くなっている。距離Lが小さく、移動速度Vが大きいときは、確度Wは中程度となるので、輝度を低下させる処理領域は中程度となっている。また、距離Lが大きく、移動速度Vが小さいときも、確度Wは中程度となるので、輝度を低下させる処理領域は中程度となっている。
【0172】
本実施形態によれば、関心物体の位置に係る値と移動速度に係る値との積に応じて処理領域の画像が変更される。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながら、フレーミングを確認しているユーザは、画像の変更が弱くなるように、関心物体が表示領域の中心に来る方向に、かつ表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなる方向に、本デジタルカメラをパンするように誘導される。関心物体の位置に係る値と移動速度に係る値との積を、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度としているため、関心物体の位置のみによって、又は関心物体の移動速度のみによって関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度を評価する場合に比べて、当該確度をより正確に評価することができる。
【0173】
なお、前記説明では、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wを、距離Lと移動速度Vとの単純な積(W=L×V)として算出するとしたが、それ以外にもL,Vを引数とした演算で確度Wが距離L及び移動速度Vと正の相関を有する関数であれば、どのような形でも構わない。例えばW=A×L×V(A,T,Sは、それぞれ定数)や、L,Vの多項式等とすることができる。
【0174】
また、ステップS805の判定において用いる所定の値を0として、変更処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。
また、前記の説明では、表示画像に施す処理を、輝度の変更とし、フレームアウトする確度Wに応じて変更する値を処理領域の面積として説明したが、表示画像に施す処理を、黒色の塗り潰し、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更、及びそれらの組み合わせでもよいし、フレームアウトする確度Wに応じて変更する値を、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更量としてもよい。
【0175】
例として、確度Wに応じて輝度の変更量を変化させる場合の表示画像例を、図48に示す。この図では、表示画像中で、画像範囲の中心と関心物体との距離Lが大きく、関心物体の移動速度Vが大きいときは、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wは、大きくなるので、表示画像中の処理領域の輝度の低下量は大きくなっている。また、距離Lが小さく、移動速度Vが小さいときは、確度Wは小さくなるので、処理領域の輝度の低下量は小さくなっている。距離Lが小さく、移動速度Vが大きいとき、及び、距離Lが大きく、移動速度Vが小さいときは、確度Wは中程度となるので、処理領域の輝度の低下量は中程度となっている。
【0176】
[第8の実施形態]
本発明の第8の実施形態について説明する。ここでは、第2及び第7の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第2の実施形態と同様に、図15に示す構成を有する。本実施形態に係るエフェクト決定部115は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第2の実施形態と同様に、画像データDに付加するエフェクトの各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、エフェクト決定部115の決定に基づいて、画像データDにエフェクトを付加する。
【0177】
本実施形態においてフレームアウト確度判定部114は、第7の実施形態と同様に、画像データDが表す画像範囲における、関心物体の重心と画像範囲の中心との距離、及び関心物体の移動速度の両者を含むパラメータを基準として、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度を決定する。
【0178】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図49に示す。この図に示すように、本実施形態に係るステップS901乃至ステップS905の処理は、第7の実施形態のステップS801乃至ステップS805と、それぞれ同様である。ただし、第7の実施形態における変更値決定部116は、本実施形態では、エフェクト決定部115と読み替えるものとする。
【0179】
ステップS905において、フレームアウト確度判定部114が画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下であると判定した場合、ステップS906において、エフェクト決定部115は、その判定結果に従って、入力された画像データDにエフェクトを付加しない決定をする。この決定を受けて、表示画像処理部118は、画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0180】
ステップS905において、フレームアウトする確度Wが所定の値以下でないと判定した場合、フレームアウト確度判定部114は、フレームアウトすると判定し、その判定結果をエフェクト決定部115に出力する。エフェクト決定部115は、その判定結果に従って、ステップS907において、表示画像に付加するエフェクトを決定する。ここでは、関心物体の重心を中心とした楕円を表示するものとし、その線のパターンをフレームアウトする確度Wに応じて変化させるものとする。エフェクト決定部115は、決定したエフェクトを、表示画像処理部118に出力する。
【0181】
表示画像処理部118は、ステップS908において、入力された画像データに対して、エフェクトを付加する。エフェクトを付加した変更画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第2の実施形態のそれと同様である。
【0182】
本実施形態によれば、表示部126には、例えば図50のような画像が表示される。すなわち、表示画像中で、画像範囲の中心と関心物体OIとの距離Lが大きく、関心物体OIの移動速度Vが大きいときは、関心物体OIが画像範囲からフレームアウトする確度Wは、大きくなるので、表示画像中において、エフェクトEFである楕円は太い線で表示されている。また、距離Lが小さく、移動速度Vが小さいときは、確度Wは小さくなるので、エフェクトEFである楕円は細い線で表示されている。距離Lが小さく、移動速度Vが大きいときは、確度Wは中程度となるので、エフェクトEFである楕円の線は中程度となっている。また、距離Lが大きく、移動速度Vが小さいときも、確度Wは中程度となるので、エフェクトEFである楕円の線は中程度となっている。
【0183】
本実施形態によれば、関心物体の位置に係る値と移動速度に係る値との積に応じて画像に表示されるエフェクトが変化する。本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながらフレーミングを確認しているユーザは、エフェクトが弱くなるように、関心物体が表示領域の中心に来る方向に、かつ表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなる方向に、本デジタルカメラをパンするように誘導される。関心物体の位置に係る値と移動速度に係る値との積を、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度としているため、画像処理装置110は、関心物体の位置のみによって、又は関心物体の移動速度のみによって関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度を評価する場合に比べて、当該確度をより正確に評価することができる。
【0184】
なお、第7の実施形態と同様に、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wは、L,Vを引数とした演算で確度Wが距離L及び移動速度Vと正の相関を有する関数であれば、どのような形でも構わない。また、ステップS905の判定において用いる所定の値を0として、変更処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。
【0185】
また、確度Wに応じて、エフェクトである楕円の線の色や濃さ等のパターンを変化させるように構成されてもよいし、エフェクトである楕円によって囲まれる部分の面積を変化させるように構成されてもよい。また、エフェクトは、楕円に限らず、関心物体の輪郭線と平行な線及び/又は輪郭線に沿った線としてもよいし、その他の形状としてもよい。また、時間と共に変化するようにしてもよい。
【0186】
また、本実施形態とその各種変形例は、第7の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第7の実施形態のように画像の一部に変更処理が施され、かつエフェクトが付加されるようにしてもよい。その場合、第7の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態におけるエフェクト決定部115が、エフェクト決定部115と変更値決定部116との両方の機能を有し、表示画像処理部118が第7の実施形態に係る画像の変更と、第8の実施形態に係るエフェクトの付加とを、画像データDに施す。その結果、例えば、上述の図26に示すように、エフェクトEFが付加され、処理領域PRに変更処理が施された画像が作成される。
【0187】
[第9の実施形態]
本発明の第9の実施形態について説明する。ここでは、第3及び第7の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第3の実施形態と同様に、図27に示す構成を有する。本実施形態に係る変形パラメータ決定部117は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第3の実施形態と同様に、画像データDに施す変形処理の各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、変形パラメータ決定部117の決定に基づいて、画像データDに変形処理を施す。
【0188】
本実施形態においてフレームアウト確度判定部114は、第7の実施形態と同様に、画像データDが表す画像範囲における、関心物体の重心と画像範囲の中心との距離、及び関心物体の移動速度の両者を含むパラメータを基準として、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度を決定する。
【0189】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図51に示す。この図に示すように、本実施形態に係るステップS1001乃至ステップS1005の処理は、第7の実施形態のステップS801乃至ステップS805の処理と、それぞれ同様である。ただし、第7の実施形態における変更値決定部116は、本実施形態では、変形パラメータ決定部117と読み替えるものとする。
【0190】
ステップS1005において、フレームアウト確度判定部114が画像範囲の中心と関心物体の重心との距離が所定の値以下であると判定した場合、ステップS1006において、変形パラメータ決定部117は、その判定結果に従って、入力された画像データDに変形処理を施さない決定をする。この決定を受けて、表示画像処理部118は、画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像データDである変更画像データD´に基づく画像を表示する。
【0191】
ステップS1005の判定において、フレームアウトする確度Wが所定の値以下でないと判定した場合、変形パラメータ決定部117は、ステップS1007において、表示画像に施す変形に係る変形パラメータを設定する。ここでは、第3の実施形態の場合と同様に、変形処理として、長方形である表示画像の輪郭のうち、関心物体から最も近い辺と対向する辺を短くして、表示画像全体を台形に変形させる処理が行われる。また、短くする辺の長さは、フレームアウトする確度Wが大きい程短くする。すなわち、変形パラメータ決定部117は、変形パラメータとして、短くする辺は、上下左右の4辺のうち何れの辺であるかと、短くする辺の短縮させる割合を決定する。変形パラメータ決定部117は、決定した変形パラメータを、表示画像処理部118に出力する。
【0192】
表示画像処理部118は、ステップS1008において、入力された画像データに対して、変形処理を施す。表示画像処理部118は、変形処理後の変形画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第3の実施形態のそれと同様である。
【0193】
本実施形態によれば、表示部126には、例えば図52のような画像が表示される。すなわち、表示画像中で、画像範囲の中心と関心物体との距離Lが大きく、関心物体の移動速度Vが大きいときは、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wは、大きくなるので、画像の歪みは大きくなっている。また、距離Lが小さく、移動速度Vが小さいときは、確度Wは小さくなるので、画像の歪みは小さくなっている。距離Lが小さく、移動速度Vが大きいときは、確度Wは中程度となるので、画像の歪みは中程度となっている。また、距離Lが大きく、移動速度Vが小さいときも、確度Wは中程度となるので、画像の歪みは中程度となっている。
【0194】
本実施形態によれば、関心物体の位置に係る値と移動速度に係る値との積に応じて画像が変形される。その結果、本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながらフレーミングを確認しているユーザは、画像の変形が弱くなるように、関心物体が表示領域の中心に来る方向に、かつ表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなる方向に、本デジタルカメラをパンするように誘導される。関心物体の位置に係る値と移動速度に係る値との積を、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度としているため、画像処理装置110は、関心物体の位置のみによって、又は関心物体の移動速度のみによって関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度を評価する場合に比べて、当該確度をより正確に評価することができる。
【0195】
なお、第7の実施形態と同様に、関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wは、L,Vを引数とした演算で確度Wが距離L及び移動速度Vと正の相関を有する関数であれば、どのような形でも構わない。また、ステップS1005の判定において用いる所定の値を0として、変更処理を施すか施さないかの判定に閾値を設けない構成としてもよい。
【0196】
また、前記の説明では、表示画像に施す変形を、第3の実施形態の場合と同様に、長方形である表示画像の輪郭のうち、関心物体から最も近い辺と対向する辺が短くされ、表示画像全体が台形に変形させられることとした。これに限らず、関心物体の移動方向の後側に相当する辺が短くされ、表示画像が台形に変形させられてもよい。また、第3の実施形態の第1の変形例と同様に、関心物体の位置に応じて画像が所定の方向に伸縮させられてもよいし、移動方向に応じて画像が所定の方向に伸縮させられてもよい。また、関心物体の位置又は移動方向に応じて、第3の実施形態の第2の変形例と同様に、画像の輪郭が変形させられつつ、画像が所定の方向に伸縮させられてもよい。
【0197】
また、本実施形態とその各種変形例は、第7の実施形態及び/又は第8の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第7の実施形態のように、画像の一部に変更処理が施され、かつ本実施形態のように変形処理が施されるようにしてもよい。その場合、第7の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態における変形パラメータ決定部117が、変更値決定部116と変形パラメータ決定部117との両方の機能を有し、表示画像処理部118が第7の実施形態に係る画像の変更と、本実施形態に係る変形処理とを、画像データDに施す。その結果、例えば、前記した図34に示すような画像が作成される。同様に本実施形態と第8の実施形態と組み合わせて、画像に変形処理を施すとともにエフェクトを付加するようにし、前記した図35に示すような画像が作成されるように、画像処理装置110が構成されてもよい。また、第7の実施形態に係る変更処理と、第8の実施形態に係るエフェクトの付加と、第9の実施形態に係る変形処理とを組み合わせて、例えば前記した図36に示すような画像を作成するように、画像処理装置110が構成されてもよい。
【0198】
[第10の実施形態]
本発明の第10の実施形態について説明する。ここでは、第7の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第7の実施形態では、画像範囲の中心と関心物体の重心との距離L、及び表示画像を基準とした関心物体の相対的な移動速度Vの両者のパラメータを包含する1つのパラメータである関心物体が画像範囲からフレームアウトする確度Wが、画像範囲に画像の変更処理を施すころで表されている。これに対して本実施形態では、距離Lに対して第1のパラメータを割当て、相対的な移動速度Vに対して第2のパラメータを割当てる。
【0199】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図53に示す。この図に示すように、第7の実施形態のステップS801と同様に、関心物体検出部112には、ステップS1101において、画像信号生成部124が作成した画像データDが入力される。関心物体検出部112は、当該画像データDが表す画像における関心物体の位置を特定し、特定した関心物体の位置を、フレームアウト確度判定部114に出力する。
【0200】
フレームアウト確度判定部114は、ステップS1102において、第7の実施形態のステップS802と同様に、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、画像における画像範囲の中心と関心物体の重心との距離Lを算出する。また、フレームアウト確度判定部114は、ステップS1103において、第7の実施形態のステップS803と同様に、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、画像における関心物体の位置の時間変化V、すなわち関心物体の相対的な移動速度V(以下、単に移動速度Vと記載する)を算出する。
【0201】
変更値決定部116は、ステップS1104において、算出した距離Lに基づいて、表示画像の処理領域に施す変更に係る第1のパラメータを設定する。また、変更値決定部116は、ステップS1105において、算出した移動速度Vに基づいて、表示画像の処理領域に施す変更に係る第2のパラメータを設定する。変更値決定部116は、設定した第1のパラメータ及び第2のパラメータを、表示画像処理部118に出力する。
【0202】
表示画像処理部118は、ステップS1106において、入力された画像データDに対して、第1のパラメータ及び第2のパラメータに基づいた変更処理を施す。表示画像処理部118は、変更処理後の変更画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第7の実施形態のそれと同様である。
【0203】
ここでは、例として、表示画像に施す変更は、表示画像の輝度であるとし、距離Lに応じて変化させる第1のパラメータは、輝度を低下させる処理領域の面積であり、移動速度Vに応じて変化させる第2のパラメータは、低下させる輝度の変更量であるとする。この場合、ステップS1104では、距離Lが大きくなる程処理領域の面積を大きくするように、処理領域の面積を設定する。また、ステップS1105では、移動速度Vが大きくなる程、変更する輝度の低下量を大きくする。その結果、例えば図54のような表示画像が作成される。すなわち、距離Lが比較的大きいとき、処理領域の面積は比較的大きく、距離Lが比較的小さいとき、処理領域の面積は比較的小さい。また、移動速度Vが比較的大きいとき、変更量は比較的大きく(暗く)、移動速度Vが比較的小さいとき、変更量は比較的小さく(明るく)なる。
【0204】
本実施形態によれば、表示画像に、距離Lに基づく変更と、移動速度Vに基づく変更とが施されているので、ユーザは、表示画像を観察することで、距離Lに関する情報と、移動速度Vに関する情報とを同時に知覚することができる。
【0205】
前記の例では、第1のパラメータに係る変更と第2のパラメータに係る変更とは、共に表示画像の輝度の変更として説明したが、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の何れの変更でもよい。また、第1のパラメータに係る変更と第2のパラメータに係る変更とは、同じ種類の変更でなく、黒色の塗り潰し、並びに輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更のうちから選択することができる。その場合、第1のパラメータ及び第2のパラメータは、それぞれ処理領域の面積と変更量との何れを用いてもよい。
【0206】
例えば、第1のパラメータに係る変更が、黒色の塗り潰し、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更であって、第2のパラメータに係る変更が、黒色への変更、輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更のうち、第1のパラメータに係る変更を除くものであるときに、第1のパラメータと第2のパラメータの組み合わせは、次の何れでもよい。すなわち、第1のパラメータが処理領域の面積であり、第2のパラメータが処理領域の面積であってもよい。また、第1のパラメータが処理領域の面積であり、第2のパラメータが変更量であってもよい。また、第1のパラメータが変更量であり、第2のパラメータが処理領域の面積であってもよい。また、第1のパラメータが変更量であり、第2のパラメータが変更量であってもよい。一例として、第1のパラメータに係る変更を輝度、第1のパラメータを処理領域の面積、第2のパラメータに係る変更を解像度、第2のパラメータを解像度の低下量とすることができる。すなわち、距離Lに応じて面積が変化する処理領域の輝度が所定量低下さられ、所定の処理領域の解像度が移動速度Vに応じた変更量だけ低下させられることができる。他の組み合わせについても同様である。
【0207】
ただし、黒色の塗り潰しを施すと、その部分の画像情報が失われるので、その部分に変更を施してもユーザは認識できない。したがって、黒色に塗り潰す処理領域が広い場合には、他のパラメータと組み合わせても、ユーザがもう一方の変更を認識できないおそれがある。また、例えば解像度と先鋭度の違いは、ユーザが識別しにくいので、第1のパラメータと第2のパラメータとに、それぞれ解像度と先鋭度とを用いるのは避けることが望ましい。このように、上記の変更のパラメータは、組み合わせによって、表示画像上で、ユーザの認識のしやすさに違いが現れる。このため、ユーザが認識しやすい変更のパラメータの組み合わせとすることが望ましい。例えば、輝度と先鋭度、彩度と先鋭度、輝度と解像度、彩度と解像度、コントラストと解像度、彩度とコントラストなど、ユーザが認識しやすい組み合わせを用いることが望ましい。
【0208】
[第11の実施形態]
本発明の第11の実施形態について説明する。ここでは、第2及び第10の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第2の実施形態と同様に、図15に示す構成を有する。本実施形態に係るエフェクト決定部115は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第2の実施形態と同様に、画像データDに付加するエフェクトの各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、エフェクト決定部115の決定に基づいて、画像データDにエフェクトを付加する。
【0209】
本実施形態においてフレームアウト確度判定部114は、第10の実施形態と同様に、画像データDが表す画像範囲における、関心物体の重心と画像範囲の中心との距離Lに対して第1のパラメータを割当て、関心物体の移動速度Vに対して第2のパラメータを割当てる。
【0210】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図55に示す。この図に示すように、本実施形態に係るステップS1201乃至ステップS1203の処理は、第10の実施形態のステップS1101乃至ステップS1103の処理と、それぞれ同様である。ただし、第10の実施形態における変更値決定部116は、本実施形態では、エフェクト決定部115と読み替えるものとする。
【0211】
エフェクト決定部115は、ステップS1204において、算出した距離Lに基づいて、表示画像の処理領域に施す変更に係る第1のパラメータを設定する。また、エフェクト決定部115は、ステップS1205において、算出した移動速度Vに基づいて、表示画像の処理領域に施す変更に係る第2のパラメータを設定する。エフェクト決定部115は、設定した第1のパラメータ及び第2のパラメータ、すなわち、エフェクトに係る情報を、表示画像処理部118に出力する。このように、例えば関心物体の重心と画像範囲の中心との距離Lと、関心物体の移動速度Vとは、関心位置が画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度として機能する。
【0212】
表示画像処理部118は、ステップS1206において、入力された画像データに対して、第1のパラメータ及び第2のパラメータを含むエフェクトに係る情報に基づいて表示画像にエフェクトを付加し、変更画像データD´を作成する。表示画像処理部118は、変更処理後の変更画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第2の実施形態のそれと同様である。
【0213】
ここでは、例として、エフェクトは、楕円であるとし、距離Lに応じて変化させる第1のパラメータは、楕円の線の太さであり、移動速度Vに応じて変化させる第2のパラメータは、楕円によって囲まれる部分の面積であるとする。この場合、ステップS1204では、距離Lが大きくなる程楕円の線が太くなるように設定される。また、ステップS1205では、移動速度Vが大きくなる程、楕円によって囲まれる部分の面積が大きくなるように設定される。その結果、例えば図56のような表示画像が作成される。すなわち、距離Lが比較的大きいとき、エフェクトEFの楕円の線は比較的太く、距離Lが比較的小さいとき、楕円の線は比較的細くなる。また、移動速度Vが比較的大きいとき、楕円によって囲まれる部分の面積は比較的大きく、移動速度Vが比較的小さいとき、楕円によって囲まれる部分の面積は比較的小さくなる。
【0214】
本実施形態によれば、関心物体の位置に係る値と移動速度に係る値とに応じて画像に表示されるエフェクトが変化する。本デジタルカメラを構えて、表示部126を観察しながら、フレーミングを確認しているユーザは、エフェクトが弱くなるように、関心物体が表示領域の中心に来る方向に、かつ表示画像に対する関心物体の相対的移動が小さくなる方向に、本デジタルカメラをパンするように誘導される。ここで、表示画像に表示されるエフェクトが、距離Lに基づくパラメータと、移動速度Vに基づくパラメータとが異なるので、ユーザは、表示画像を観察することで、距離Lに関する情報と、移動速度Vに関する情報とを同時に知覚することができる。
第1のパラメータ及び第2のパラメータはどのようなものでもよい。また、エフェクトは楕円に限らずどのような形状でもよい。
【0215】
また、本実施形態とその各種変形例は、第10の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第10の実施形態のように画像の一部に変更処理を施し、かつエフェクトを付加するようにしてもよい。その場合、第10の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態におけるエフェクト決定部115が、エフェクト決定部115と変更値決定部116との両方の機能を有し、表示画像処理部118が第1の実施形態に係る画像の変更と、第2の実施形態に係るエフェクトの付加とを、画像データDに施す。
【0216】
例えば、表示画像に施す変更は、表示画像の輝度であるとし、距離Lに応じて変化させる第1のパラメータは、輝度を低下させる処理領域の面積であるものとする。また、エフェクトは楕円であるとし、移動速度Vに応じて変化させる第2のパラメータは、楕円によって囲まれる部分の面積であるとする。この場合、ステップS1204では、距離Lが大きくなる程処理領域の面積を大きくするように、処理領域の面積が設定される。また、ステップS1205では、移動速度Vが大きくなる程、楕円によって囲まれる部分の面積が大きくなるように設定される。その結果、例えば図57のような表示画像が作成される。すなわち、距離Lが比較的大きいとき、処理領域の面積は比較的大きく、距離Lが比較的小さいとき、処理領域の面積は比較的小さい。また、移動速度Vが比較的大きいとき、楕円によって囲まれる部分の面積は比較的大きく、移動速度Vが比較的小さいとき、楕円によって囲まれる部分の面積は比較的小さくなる。
【0217】
[第12の実施形態]
本発明の第12の実施形態について説明する。ここでは、第3及び第10の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、第3の実施形態と同様に、図27に示す構成を有する。本実施形態に係る変形パラメータ決定部117は、フレームアウト確度判定部114が求めるフレームアウト確度に基づいて、第3の実施形態と同様に、画像データDに施す変形処理の各種パラメータを決定する。表示画像処理部118は、変形パラメータ決定部117の決定に基づいて、画像データDに変形処理を施す。
【0218】
本実施形態においてフレームアウト確度判定部114は、第10の実施形態と同様に、画像データDが表す画像範囲における、関心物体の重心と画像範囲の中心との距離Lに対して第1のパラメータを割当て、関心物体の移動速度Vに対して第2のパラメータを割当てる。
【0219】
本実施形態に係る画像処理装置110の動作を説明するためのフローチャートを図58に示す。この図に示すように、本実施形態に係るステップS1301乃至ステップS1303の処理は、第10の実施形態のステップS1101乃至ステップS1103の処理と、それぞれ同様である。ただし、第10の実施形態における変更値決定部116は、本実施形態では、変形パラメータ決定部117と読み替えるものとする。
【0220】
変形パラメータ決定部117は、ステップS1304において、算出した距離Lに基づいて、表示画像の処理領域に施す変形に係る第1のパラメータを設定する。また、変形パラメータ決定部117は、ステップS1305において、算出した移動速度Vに基づいて、表示画像の処理領域に施す変形に係る第2のパラメータを設定する。変形パラメータ決定部117は、設定した第1のパラメータ及び第2のパラメータを、表示画像処理部118に出力する。
【0221】
表示画像処理部118は、ステップS1306において、入力された画像データに対して、第1のパラメータ及び第2のパラメータに基づいた変形処理を施す。表示画像処理部118は、変形処理後の変形画像データD´を、表示部126に出力する。本実施形態に係るデジタルカメラのその他の構成及び動作は、第3の実施形態のそれと同様である。
【0222】
ここでは、例として、表示画像に施す変形は、画像の輪郭を台形に変化させる変形と、画像を所定の方向へ伸縮させる変形とする。距離Lに応じて変化させる第1のパラメータは、表示画像の輪郭のうち関心物体から最も近い辺の垂線方向に画像を伸縮させる伸縮率とその方向であり、移動速度Vに応じて変化させる第2の変形パラメータは、表示画像の輪郭のうち関心物体から最も近い辺と対向する辺とその辺を短く割合であるとする。この場合、ステップS1304では、距離Lが大きくなる程、画像の伸縮率が大きくされ、画像の歪みが大きくされる。また、ステップS1305では、移動速度Vが大きくなる程、画像の輪郭の一辺が短くされ、画像の輪郭の歪みが大きくされる。
【0223】
その結果、例えば図59のような表示画像が作成される。すなわち、距離Lが比較的大きいとき、画像の伸縮率は比較的大きく、距離Lが比較的小さいとき、画像の伸縮率は比較的小さい。また、移動速度Vが比較的大きいとき、輪郭の変形量は比較的大きく、移動速度Vが比較的小さいとき、輪郭の変形量は比較的小さくなる。
【0224】
本実施形態によれば、表示画像に、距離Lに基づく変形と、移動速度Vに基づく変形とが施されているので、ユーザは、表示画像を観察することで、距離Lに関する情報と、移動速度Vに関する情報とを同時に知覚することができる。
【0225】
前記の例では、第1のパラメータに係る変形は、表示画像における画像の伸縮率であり、第2のパラメータに係る変形は、表示画像の輪郭のうち関心物体から最も近い辺と対向する辺を短く割合であるとして説明したが、第1のパラメータと第2のパラメータとは、逆に対応付けてもよい。
【0226】
また、本実施形態は、第10の実施形態及び/又は第11の実施形態と組み合わせて用いられ得る。すなわち、第10の実施形態のように、画像の一部に変更処理が施され、かつ本実施形態のように変形処理が施されるようにしてもよい。その場合、第10の実施形態における変更値決定部116又は本実施形態における変形パラメータ決定部117が、変更値決定部116と変形パラメータ決定部117との両方の機能を有し、表示画像処理部118が第7の実施形態に係る画像の変更と、本実施形態に係る変形処理とを、画像データDに施す。
【0227】
第1のパラメータに係るものを前記したような画像の変形とする。そして、第1のパラメータの値を、画像の輪郭を台形に変化させる変形における、表示画像の輪郭のうち関心物体から最も近い辺と対向する辺と、その辺を短く割合に係る値とする。このとき第2のパラメータを以下のような画像に施す変更処理が考えられる。
【0228】
例えば、図60に示すように、変更処理として、画像範囲の中心に対して関心物体の位置と対称な位置に係る部分を処理領域PRとして特定し、その処理領域PRを、黒色に塗り潰す変更処理が考えられる。この際、移動速度Vの大きさに応じて、変更処理、すなわち黒色に塗りつぶす処理を施す処理領域PRの面積を変化させる。
【0229】
また、例えば、図61に示すように、変更処理として、画像範囲の中心に対して関心物体の位置と対称な位置に係る部分を処理領域PRとして特定し、その処理領域PRの輝度を所定量低下させる変更処理が考えられる。この際、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRの面積を変化させる。また、図62に示すように、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRにおける低下させる輝度の程度を変更するようにしてもよい。
【0230】
また、例えば、図63に示すように、処理領域PRの解像度を所定量低下させる変更処理が考えられる。この際、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRの面積を変化させる。また、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRにおける低下させる解像度の程度を変更するようにしてもよい。
【0231】
また、例えば、図64に示すように、処理領域PRの鮮鋭度を所定量低下させる変更処理が考えられる。この際、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRの面積を変化させる。また、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRにおける低下させる先鋭度の程度を変更するようにしてもよい。
【0232】
また、例えば、図65に示すように、処理領域PRのコントラストを所定量低下させる変更処理が考えられる。この際、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRの面積を変化させる。また、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRにおける低下させるコントラストの程度を変更するようにしてもよい。
【0233】
また、例えば、処理領域PRの彩度を所定量低下させグレーに近づけた表示にする変更処理が考えられる。この際、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRの面積を変化させる。また、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRにおける低下させる彩度の程度を変更するようにしてもよい。
【0234】
また、例えば、処理領域PRの色相を所定量変化させる変更処理が考えられる。この際、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRの面積を変化させる。また、移動速度Vの大きさに応じて、処理領域PRにおける変化させる色相の程度を変更するようにしてもよい。
【0235】
また、黒色の塗り潰し、並びに輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更のうち複数のものを組み合わせてもよい。また、前記の場合のそれぞれについて、第1のパラメータによる変形に、例えば図32(b)を参照して説明したような、関心物体の位置に応じて画像を所定の方向に伸縮させることを割当ててもよい。また、第1のパラメータに、黒色の塗り潰し、並びに輝度、解像度、先鋭度、コントラスト、彩度、及び色相の変更のうち少なくとも何れか1つの画像の変更を割当て、第2のパラメータに、画像の輪郭を台形に変化させる変形、又は画像を所定の方向に伸縮させることといった画像の変形を割当ててもよい。
【0236】
また、本実施形態と第11の実施形態と組み合わせて用いてもよい。すなわち、本実施形態のように画像に変形処理を施し、かつ第11の実施形態のようにエフェクトを付加するようにしてもよい。例えば、第1のパラメータを前記したような画像の変形とし、画像の輪郭を台形に変化させる変形における、表示画像の輪郭のうち関心物体から最も近い辺と対向する辺と、その辺を短く割合とする。また、エフェクトは楕円であるとし、移動速度Vに応じて変化させる第2のパラメータは、楕円によって囲まれる部分の面積であるとする。
【0237】
この場合、例えば図66のような表示画像が作成される。すなわち、距離Lが比較的大きいとき、変形の割合は比較的大きく、距離Lが比較的小さいとき、変形の割合は比較的小さい。また、移動速度Vが比較的大きいとき、エフェクトEFである楕円によって囲まれる部分の面積は比較的大きく、移動速度Vが比較的小さいとき、楕円によって囲まれる部分の面積は比較的小さくなる。
【0238】
また、エフェクトの付加について、第2のパラメータによってエフェクトEFの楕円の線の太さを変化させるようにしてもよい。また、第1のパラメータによる変形に、関心物体の位置に応じて画像を所定の方向に伸縮させることを割当ててもよい。また、第1のパラメータに、エフェクトの付加を割当て、第2のパラメータに、画像の変形を割当ててもよい。
【0239】
何れの場合も、表示画像に、距離Lに基づく変形又は変更と、移動速度Vに基づく変形又は変更とが施されているので、ユーザは、表示画像を観察することで、距離Lに関する情報と、移動速度Vに関する情報とを同時に知覚することができる。
【0240】
なお、第4乃至第12の実施形態の場合も、第1の実施形態の場合と同様に、関心物体は画像範囲内になくてもよく、関心物体検出部112が、画像範囲の外部でも関心物体の位置を特定することができる場合、画像範囲外の関心物体の位置の時間変化に応じて同様の処理を行うことができる。また、上記のように、関心物体が画像範囲外にある場合に、画像処理によって、関心物体の位置を指示するようにしてもよい。また、関心物体検出部112には、撮像部122から出力されたRawデータがそのまま入力され、Rawデータに基づいて関心物体の位置が特定されるように構成されてもよい。また、画像範囲と関心物体の位置との位置関係を求める基準として、画像範囲の中心を利用するに限らず、その他の部分を基準としてもよい。また、対象物体の位置は、対象物体の重心に限らず、例えば対象物体が人物であるときは、顔にしたり、画像における人物の縁にしたりでき、その他どのような基準を設けてもよい。また、関心物体は、人物に限らずその他のものでも勿論よい。また、関心物体検出部112が関心物体を検出する方法は、どの様な方法でもよい。
【0241】
[第13の実施形態]
本発明の第13の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第1の実施形態では、関心物体検出部112は、画像信号生成部から、画像データDが入力され、画像データDが表す画像に基づいて、関心物体の位置を特定している。これに対して、本実施形態では、関心物体の位置を特定するために、追尾センサを別途備えている。
【0242】
本実施形態に係るデジタルカメラの構成の概略を、図67に示す。この図に示すように、本デジタルカメラが第1の実施形態に係るデジタルカメラと異なる点は、追尾センサ130を有している点である。追尾センサ130は、例えば撮像部122と異なる追尾用撮像部を有するカメラでもよい。追尾センサ130がカメラである場合、基本的な構成は、第1の実施形態と同様であり、関心物体検出部112は、追尾用撮像部を有するカメラから画像データが入力され、第1の実施形態と同様に当該画像データが表す画像に基づいて、関心物体の位置を特定する。
【0243】
この場合、本デジタルカメラの撮像部122と、追尾センサ130として機能する追尾用撮像部とは、異なる画角の画像を取得するように構成することができる。例えば、追尾センサ130として機能する追尾用撮像部の撮像範囲を、撮像部122の撮像範囲よりも広くすることで、撮像部122の撮像範囲外の関心物体も、追尾センサ130として機能する追尾用撮像部で撮影することができる。その結果、関心物体検出部112は、撮像部122の画角外の関心物体の位置も特定することができる。
【0244】
また、追尾センサ130は、関心物体に電波源を配置し、当該電波源からの電波を検出する受信装置でもよい。この場合、関心物体検出部112は、追尾センサ130として機能する受信装置から、電波源から放射され電波の受信信号を取得する。関心物体検出部112は、受信信号に基づいて、画像範囲に対する電波源の位置を特定する。
【0245】
また、追尾センサ130は、関心物体に配置した赤外線源から放射される赤外線を検出する赤外線センサでもよいし、関心物体の温度を感知する温度センサでもよいし、その他、関心物体からの信号を感知できる各種センサでもよい。
【0246】
これら電波、赤外線、温度等の関心物体からの信号を感知するセンサを追尾センサ130として用いれば、撮像部122の焦点距離・画角と無関係に、関心物体の位置を取得することができる。また、これらセンサを追尾センサ130として用いれば、画像上で関心物体の特徴点を抽出しにくい場合など、画像に基づいて関心物体の位置を特定することが困難な場合にも、関心物体の位置を特定することができる。
【0247】
本実施形態では、関心物体検出部112は、追尾センサ130から入力された情報に基づいて、画像範囲に対する関心物体の位置を特定し、それをフレームアウト確度判定部114に出力する。本実施形態では、関心物体検出部112が関心物体の位置を特定するにあたって追尾センサ130が取得した情報を用いる点以外は、第1、第4、第7、及び第10の実施形態の構成及び動作と同様である。
【0248】
本実施形態によっても、本デジタルカメラは、表示部126に画像処理装置110による処理後の表示画像を表示することで、当該表示画像を観察しながらフレーミングを調整しているユーザに対して、関心物体が撮影範囲の適度な位置に収まるようにフレーミングすることを誘導することができる。画像に施す変更は、第1、第4、第7、及び第10の実施形態及びその変形例で説明した何れの変更を用いてもよい。
【0249】
なお、本実施形態では、関心物体が表示画像範囲内になくてもよい。すなわち、追尾センサ130を、表示部126に表示する画像範囲の外部まで関心物体の位置を特定できるように構成すれば、本画像処理装置110は、表示画像範囲外の関心物体についても、その位置に応じて同様の処理を行うことができる。このため、追尾センサ130として、例えば前記のように、表示画像範囲よりも広い範囲を撮像できる追尾用撮像部を用いることができる。また、追尾センサ130として、例えば表示画像範囲よりも広い範囲からの信号を受信できる、電波受信装置、赤外線センサ、温度センサ、その他の各種センサ等を用いることができる。また、上記のように、関心物体が画像範囲外に出た場合に、図7に示したように、処理領域の形状によって、関心物体の位置を指示するようにしてもよい。
【0250】
また、本実施形態は、第2、第5、第8、及び第11の実施形態及びその変形例に適用してもよい。この場合、本デジタルカメラの構成の概略は、図68のようになる。すなわち、本デジタルカメラは、追尾センサ130を備え、関心物体検出部112は、この追尾センサ130から入力された情報に基づいて、関心物体の位置を特定する。その他については、第2、第5、第8、及び第11の実施形態及びその変形例と同様である。
【0251】
また、本実施形態は、第3、第6、第9、及び第12の実施形態及びその変形例に適用してもよい。この場合、本デジタルカメラの構成の概略は、図69のようになる。すなわち、本デジタルカメラは、追尾センサ130を備え、関心物体検出部112は、この追尾センサ130から入力された情報に基づいて、関心物体の位置を特定する。その他については、第3、第6、第9、及び第12の実施形態及びその変形例と同様である。
【0252】
また、前記した第1乃至第12の実施形態の場合と同様に、各実施形態に係る変更値決定部116、エフェクト決定部115、及び変形パラメータ決定部117を互いに組み合わせてもよい。
【0253】
[第14の実施形態]
本発明の第14の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態に係るデジタルカメラは、ズーム光学系を有する。本実施形態に係るデジタルカメラは、ズームイン/アウトの動作に連動して画像処理装置110を動作させる。
【0254】
本実施形態に係るデジタルカメラの構成の概略を、図70に示す。この図に示すように、本デジタルカメラは、撮像部122内にズーム光学系142を有する。また、本デジタルカメラは、メインコントローラ128に接続するズームスイッチ144を有する。ズーム光学系142は、例えばデジタルカメラに用いられる一般的なズーム光学系である。このズーム光学系142の動作は、メインコントローラ128によって制御される。すなわち、ズーム光学系142は、メインコントローラ128の制御の下、その焦点距離をワイド側及びテレ側に変化させる。
【0255】
ズームスイッチ144は、ズーム光学系142の動作に係るユーザの指示が入力される入力部として機能する。ズームスイッチ144は、例えばズーム光学系142のワイド側への動作とテレ側への動作とをそれぞれ入力するための2つのボタンスイッチである。また、ズームスイッチ144は、スライダや、表示部126上に設けられたタッチパネルでもよい。
【0256】
ズームスイッチ144は、ユーザから入力されたズーム光学系の焦点距離の変化に係る指示を、メインコントローラ128に出力する。メインコントローラ128は、ズームスイッチ144から入力されたユーザの指示に基づいて、ズーム光学系142の動作を制御する。すなわち、メインコントローラ128は、ズーム光学系142の焦点距離を変化させる。
【0257】
本実施形態では、メインコントローラ128は、ズームスイッチ144からの入力に応じて画像処理装置110の動作の開始及び終了を制御する。本実施形態におけるメインコントローラ128の動作を図71に示すフローチャートを参照して説明する。
【0258】
ステップS1401においてメインコントローラ128は、ズーム動作が開始したか否かを判定する。ステップS1401においてズーム動作が開始していると判定されたら、処理はステップS1402に移される。
【0259】
ステップS1402においてメインコントローラ128は、画像処理装置110を機能させて、入力された画像データDに基づく画像に変更処理を施した変更画像データD´を作成させる。ここで、画像処理装置110による変更画像データD´の作成は、第1の実施形態の説明において図2を参照して説明したとおりである。すなわち簡単に説明すると、画像処理装置110は、関心物体の位置を特定し、表示領域の中心と関心物体の中心との位置関係に応じて処理領域を決定し、処理領域内を変更するように画像に変更処理を施し、処理後の変更画像データD´を表示部126に出力する。その結果、表示部126は、画像処理装置110の表示画像処理部118から入力された変更画像データD´に基づいて、変更処理後の画像を表示する。
【0260】
ステップS1403においてメインコントローラ128は、ズーム動作が停止されたか否かを判定する。ステップS1404においてズーム動作が停止されたと判定されたら、処理はステップS1401に戻される。一方、ステップS1403においてズーム動作が停止されていないと判定されたら、処理はステップS1402に戻され、メインコントローラ128は、画像処理装置110に変更画像の作成を繰り返させる。
【0261】
ステップS1401においてズーム動作が開始されていないと判定されたら、処理はステップS1404に移される。ステップS1404においてメインコントローラ128は、画像処理装置110に変更処理を施させない。すなわち、メインコントローラ128は、画像処理装置110の表示画像処理部118に、入力された画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力させる。その結果、表示部126は、画像処理装置110の表示画像処理部118から入力された変更処理を施していない画像データDに基づく画像をそのまま変更画像データD´に基づく画像として表示する。
【0262】
ステップS1405においてメインコントローラ128は、処理が終了か否かを判定する。ステップS1405において、処理が終了でないと判定されたら、処理はステップS1401に戻される。一方、ステップS1405において、処理が終了と判定されたら、処理は終了される。
【0263】
以上のように動作する本実施形態では、ズームイン/アウトしていないときは、変更処理が行われない。一方、ズームイン/アウトしているときは、第1の実施形態と同様に変更処理が行われる。ズームインの際には例えば図72のような画像が表示される。図72の上図に示すように、広角で取得した画像においては、関心物体OIの中心と表示領域DAの中心との距離は短い。これに対して、図72の中図及び左下図のようにズームインするに従って、関心物体OIの中心と表示領域DAの中心とは徐々に離れていく。
【0264】
関心物体OIの中心と表示領域DAの中心とが離れると、図72の左下図のように、画像処理装置110によって、表示領域DAの中心に対して関心物体OIと対称な位置に処理領域PRが設定され、処理領域PRが黒色に塗り潰される画像処理が行われる。ここで、ユーザが本デジタルカメラを左にパンすると、関心物体OIが表示領域DAの中心付近に位置する。その結果、図72の右下図のように、黒色に塗り潰された部分がない画像が表示される。このように、例えばメインコントローラ128は、撮像部がズーム機能を発揮し始めたか否かを判定し、ズーム機能を発揮し始めたら画像処理装置に改変処理を実行させるように構成された制御部として機能する。
【0265】
本実施形態によっても、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、関心物体が常に表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。ズームイン/アウトするときは、画角が変化するので関心物体が表示領域から外れやすい。特に、ズームインするときは、その画角が狭くなるので、関心物体が表示領域から外れやすい。したがって、本実施形態のようにズームイン/アウトするときに画像処理装置110を機能させることは、関心物体が常に表示領域内に収まるようにユーザを誘導することにとって効果的である。
【0266】
なお、本実施形態では、ズームイン/アウトするときに画像処理装置110を機能させ、それ以外のときは、画像処理装置110を機能させていない。これは、メインコントローラ128や画像処理装置110としての演算装置の処理量を考慮したためである。一般にズームイン/アウトするときは、撮影が行われない場合が多い。このときは、演算装置の処理に余裕がある。一方で、ズームイン/アウトするときは、関心物体が表示領域内から外れやすい。そこで本実施形態では、演算装置は、ズームイン/アウトするときに変更処理が行われるよう構成されている。演算装置の処理量に余裕がある場合、ズームイン/アウトするときに限らず画像処理装置110を機能させるように本デジタルカメラを構成してもよい。
【0267】
本実施形態では、ステップS1402において第1の実施形態と同様の処理を行うものとして説明したが、これに限らない。画像処理装置110を第2乃至第12の実施形態と同様に構成すれば、メインコントローラ128は、ステップS1402において画像処理装置110に第2乃至第12の実施形態のような画像処理をさせることができる。
【0268】
また、第13の実施形態のように本デジタルカメラが追尾センサ130を有していれば、ステップS1402において、画像処理装置110に第13の実施形態と同様の画像処理を行わせることができる。
【0269】
また、本実施形態では、撮像部122がズーム光学系を有しているものとしたが、光学系を利用したズームに限らず、いわゆるデジタルズームを用いても同様に機能し同様の効果を得ることができる。
【0270】
[第14の実施形態の変形例]
第14の実施形態の変形例について第14の実施形態と異なる部分を説明する。本変形例では、ズームスイッチ144にさらに表示リセットスイッチが設けられている。本変形例によるメインコントローラ128の動作を図73に示すフローチャートを参照して説明する。
【0271】
ステップS1501においてメインコントローラ128は、ズーム動作が開始したか否かを判定する。ステップS1501においてズーム動作が開始していると判定されたら、処理はステップS1502に移される。
【0272】
ステップS1502においてメインコントローラ128は、画像処理装置110を動作させて、画像処理装置110に変更画像を作成させる。その結果、表示部126は、画像処理装置110の表示画像処理部118から入力された変更処理後の変更画像データD´に基づいて、変更処理後の画像を表示する。
【0273】
ステップS1503においてメインコントローラ128は、表示リセットスイッチが押されたか否かを判定する。ステップS1504において表示リセットスイッチが押されたと判定されたら、処理はステップS1501に戻される。一方、ステップS1503において表示リセットスイッチが押されていないと判定されたら、処理はステップS1502に戻され、画像処理装置110による変更画像の作成を繰り返させる。
【0274】
ステップS1501においてズーム動作が開始されていないと判定されたら、処理はステップS1504に移される。ステップS1504においてメインコントローラ128は、画像処理装置110に変更処理を施させない。すなわち、メインコントローラ128は、画像処理装置110の表示画像処理部118に、入力された画像データDをそのまま変更画像データD´として表示部126に出力させる。その結果、表示部126は、画像処理装置110の表示画像処理部118から入力された変更処理を施していない画像データDに基づく画像をそのまま変更画像データD´に基づく画像として表示する。
【0275】
ステップS1505においてメインコントローラ128は、処理が終了か否かを判定する。ステップS1505において、処理が終了でないと判定されたら、処理はステップS1501に戻される。一方、ステップS1505において、処理が終了と判定されたら、処理は終了される。
【0276】
本変形例によれば、ズームイン/アウトが開始されたら表示リセットスイッチが押されるまで画像処理装置110が機能させられる。すなわち、ズームイン/アウトが停止した後も、表示リセットスイッチが押されるまで画像処理装置110が機能させられる。その結果、例えばズームインした際に関心物体が表示領域の端に移動し、その後ズームイン動作が停止されても、表示部126には、図72の左下図のように変更処理が施された画像が表示される。本変形例によれば、画像処理装置110を有するデジタルカメラは、例えばズームインした後まで関心物体が表示領域内に収まるように、ユーザを誘導することができる。
【0277】
[第15の実施形態]
本発明の第15の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第1乃至第13の実施形態は、画像処理装置110をデジタルカメラに適用した場合を説明をしたが、本発明に係る画像処理装置は、デジタルカメラに限らず、関心物体を含む画像を扱う様々なものに用いることができる。
【0278】
例えば、第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を、図74示すように、撮像装置としての内視鏡に適用することができる。図74に示す内視鏡は、被検体の体内に挿入する挿入部232を有する。挿入部232について、被検体の体内に挿入する側を先端側と被検体の体外側を基端側と称することにする。挿入部232の先端側の端部付近には、撮像部222が配置されている。挿入部232の先端付近の、撮像部222が配置されている部分より基端側は、操作部234を用いた操作によって、自在に屈曲するように構成されている。本内視鏡は、撮像部222の撮像範囲を照らすため、光源部236を有する。撮像部222は、画像信号生成部224と接続している。画像信号生成部224は、第1の実施形態と同様の、関心物体検出部112、フレームアウト確度判定部114、変更値決定部116、及び表示画像処理部118を有する画像処理装置110に接続している。画像処理装置110内の表示画像処理部118は、表示部226に接続している。
【0279】
撮像部222は、内視鏡画像として、図示しないレンズ等によって結像された被写体像を光電変換によって電気信号に変換し、この電気信号をRawデータに変換して、画像信号生成部224に出力する。すなわち、内視鏡撮影を行う。画像信号生成部224は、第1の実施形態における画像信号生成部124と同様に、撮像部222から入力されたRawデータに基づいて、各種処理を施し、画像信号(画像データ)を作成する。画像信号生成部224は、画像データを、画像処理装置110内の関心物体検出部112及び表示画像処理部118に出力する。
【0280】
画像処理装置110は、第1の実施形態等と同様に動作する。すなわち、簡単に説明すると、関心物体検出部112は、画像信号生成部224から入力された画像データが表す画像における、関心物体の位置を特定する。関心物体検出部112は、特定した関心物体の位置を、フレームアウト確度判定部114に出力する。フレームアウト確度判定部114は、関心物体検出部112が特定した関心物体の位置に基づいて、表示部126に表示させる画像の画像範囲から、関心物体がフレームアウトする確度と、フレームアウトする方向を算出する。フレームアウト確度判定部114は、算出した関心物体がフレームアウトする確度及び方向を、変更値決定部116に出力する。変更値決定部116は、フレームアウト確度判定部114から入力された関心物体が表示範囲からフレームアウトする確度及び方向に基づいて、表示画像に施す変更処理の変更領域、変更の種類、変更の程度等の変更処理のパラメータを決定する。変更値決定部116は、決定した変更処理のパラメータを表示画像処理部118に出力する。表示画像処理部118は、画像信号生成部224から入力された画像データDに対して、変更値決定部116から入力された変更処理のパラメータに基づいて、変更処理を施す。表示画像処理部118は、変更処理を施した変更画像データを、表示部226に出力する。表示部226は、表示画像処理部118から出力された変更画像データに基づいて画像を表示する。
【0281】
この際、例えば撮像部222は180度の撮像画角を有しており、関心物体検出部112は、180度の画角を利用して関心物体の位置を特定し、一方で、表示画像処理部118が作成する表示画像の画角は、60度として、細部を拡大した画像を表示部226に表示させるように構成してもよい。
【0282】
本実施形態においても、第1、第4、第7、及び第10の実施形態及びその変形例と同様に、変更値決定部116は、関心物体の表示画像における位置や、移動速度に基づいて、様々な表示画像の変更処理のパラメータを設定することができる。また、表示画像処理部118は、変更値決定部116が決定した設定に基づいて、表示画像に前記第1、第4、第7、及び第10の実施形態及びその変形例と同様に、各種変更を施すことができる。
【0283】
本実施形態によれば、本内視鏡の操作者は、表示部226に表示される表示画像を確認しながら、関心物体を追尾するように、挿入部232を出し入れしたり、操作部234を用いて挿入部232の先端を屈曲させたりして、本内視鏡を操作することができる。
【0284】
また、本実施形態の内視鏡に、第2、第5、第8、及び第11の実施形態及びその変形例に係る画像処理装置110を適用してもよい。第2、第5、第8、及び第11の実施形態に係る画像処理装置110を、内視鏡に適用すると、例えば図75にその概略を示すような構成になる。この内視鏡は、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた内視鏡において、画像処理装置110が、第2、第5、第8、及び第11の実施形態及びその変形例について説明したように動作する。その他については、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた内視鏡と同様である。その結果、上記と同様の効果が得られる。
【0285】
また、本実施形態の内視鏡に、第3、第6、第9、及び第12の実施形態及びその変形例に係る画像処理装置110を適用してもよい。第3、第6、第9、及び第12の実施形態に係る画像処理装置110を、内視鏡に適用すると、例えば図76にその概略を示すような構成になる。この内視鏡は、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた内視鏡において、画像処理装置110が、第3、第6、第9、及び第12の実施形態及びその変形例について説明したように動作する。その他については、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた内視鏡と同様である。その結果、上記と同様の効果が得られる。
【0286】
また、前記した第1乃至第12の実施形態の場合と同様に、各実施形態に係る変更値決定部116、エフェクト決定部115、及び変形パラメータ決定部117を互いに組み合わせて、内視鏡を構成してもよい。
【0287】
[第16の実施形態]
第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を、図77に示すように、撮像装置としての顕微鏡に適用することができる。図77に示す顕微鏡鏡は、移動ステージ332上に設置したサンプルを観察する顕微鏡である。本顕微鏡は、サンプルを照らすための光源336と、移動ステージ332を移動させるために用いるステージ位置操作部334とを有する。観察者は、接眼レンズ338を介して、顕微鏡による拡大像を肉眼によって観察することができる。
【0288】
また、本顕微鏡は、撮像部322を有しており、顕微鏡拡大画像を光電変換して電気信号を生成し、当該電気信号をRawデータに変換して画像信号生成部324に出力する。画像信号生成部324は、第1の実施形態における画像信号生成部124と同様に、画像信号(画像データ)を作成し、本顕微鏡に接続された画像処理装置110に出力する。画像処理装置110は、前記内視鏡の場合と同様に、第1の実施形態と同様に動作する。その結果、表示部326には、関心物体の、画像範囲からフレームアウトする確度に応じた変更処理を施された、変更画像が表示される。
【0289】
本実施形態においても、前記第1、第4、第7、及び第10の実施形態及びその変形例と同様に、変更値決定部116は、関心物体の表示画像における位置や、移動速度に基づいて、様々な表示画像の変更処理のパラメータを設定することができる。また、表示画像処理部118は、変更値決定部116が決定した設定に基づいて、表示画像に前記第1、第4、第7、及び第10の実施形態及びその変形例と同様に、各種変更を施すことができる。
【0290】
本実施形態によれば、本顕微鏡の操作者は、表示部326に表示される表示画像を確認しながら、関心物体を追尾するように、ステージ位置操作部334を用いて移動ステージ332の位置を操作することができる。
【0291】
また、本実施形態の顕微鏡に、第2、第5、第8、及び第11の実施形態及びその変形例に係る画像処理装置110を適用してもよい。第2、第5、第8、及び第11の実施形態に係る画像処理装置110を、顕微鏡に適用すると、例えば図78にその概略を示すような構成になる。この顕微鏡は、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた顕微鏡において、画像処理装置110が、第2、第5、第8、及び第11の実施形態及びその変形例について説明したように動作する。その他については、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた顕微鏡と同様である。その結果、上記と同様の効果が得られる。
【0292】
また、本実施形態の顕微鏡に、第3、第6、第9、及び第12の実施形態及びその変形例に係る画像処理装置110を適用してもよい。第3、第6、第9、及び第12の実施形態に係る画像処理装置110を、顕微鏡に適用すると、例えば図79にその概略を示すような構成になる。この顕微鏡は、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた顕微鏡において、画像処理装置110が、第3、第6、第9、及び第12の実施形態及びその変形例について説明したように動作する。その他については、上述の第1、第4、第7、及び第10の実施形態に係る画像処理装置110を用いた顕微鏡と同様である。その結果、上記と同様の効果が得られる。
【0293】
また、前記した第1乃至第12の実施形態の場合と同様に、各実施形態に係る変更値決定部116、エフェクト決定部115、及び変形パラメータ決定部117を互いに組み合わせて、顕微鏡を構成してもよい。
【0294】
また、各実施形態の画像処理装置110は、内視鏡や顕微鏡等の撮像装置に限らず、種々のAV機器やテレビゲーム等に応用することもできる。また、画像処理装置110の機能をコンピュータプログラムとし、各フローチャートを参照して説明した動作をコンピュータに実行させてもよい。このコンピュータプログラムを例えば持続性記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータは、この記録媒体から記録されたプログラムを読み取り、このプログラムに応じた処理を実行することができる。
【符号の説明】
【0295】
110…画像処理装置、112…関心物体検出部、114…フレームアウト確度判定部、115…エフェクト決定部、116…変更値決定部、117…変形パラメータ決定部、118…表示画像処理部、122…撮像部、124…画像信号生成部、126…表示部、128…メインコントローラ、130…追尾センサ、142…ズーム光学系、144…ズームスイッチ、222…撮像部、224…画像信号生成部、226…表示部、232…挿入部、234…操作部、236…光源部、322…撮像部、324…画像信号生成部、326…表示部、332…移動ステージ、334…ステージ位置操作部、336…光源、338…接眼レンズ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号が入力され、該画像信号に基づく画像から表示装置の表示領域に応じた画像範囲を有する表示画像を生成する画像処理装置であって、
前記画像信号に基づく画像における関心物体の位置である関心位置を算出する関心位置算出部と、
前記関心位置と前記画像範囲とに基づいて、前記関心位置が前記画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度を算出するフレームアウト確度算出部と、
前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定する改変変数決定部と、
決定した前記処理変数に基づいて前記画像信号に基づく画像に前記改変処理を施して前記表示画像の信号を生成する画像変更部と、
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記改変変数決定部は、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に変更処理を施す領域である変更領域と、該変更処理の変更の程度とを決定する変更処理決定部を含み、
前記画像変更部は、前記決定した変更の程度の前記変更処理を、前記画像信号に基づく画像の前記決定した変更領域に施す、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変更領域は、前記画像範囲の中心に関して前記関心位置と対向する位置に係る表示画像領域であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記変更領域は、前記関心位置から所定量離れた位置に係る表示画像領域であることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記変更処理決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記変更領域の面積を変化させることを特徴とする請求項2乃至4のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記変更処理の種類は、画像の塗り潰し、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更、のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記変更処理の種類は、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更、のうち少なくとも一つであり、
前記変更処理決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記変更の程度としての前記増減の量又は変更の量を変化させる、
ことを特徴とする請求項2乃至4のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記改変変数決定部は、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像における前記関心物体の代表点の周囲に変更領域を設定し、該変更領域に対して行う画像の加工を決定する加工決定部を含み、
前記画像変更部は、前記画像信号に基づく画像の前記変更領域に対して前記加工を施す、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記関心位置算出部は、前記関心物体の輪郭を抽出する輪郭抽出部を含み、
前記加工決定部は、前記輪郭に基づいて前記変更領域を決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記加工決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記変更領域の面積及び/又は前記加工の程度を変化させることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記加工決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記画像信号に基づく画像における前記変更領域によって囲まれる部分の面積を変化させることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記変更領域及び/又は前記加工は、時間経過と共に変化することを特徴とする請求項8乃至11のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記改変変数決定部は、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像を幾何変換するための変形パラメータを決定する変形パラメータ決定部を含み、
前記画像変更部は、前記変形パラメータに基づいて、前記画像信号に基づく画像に前記幾何変換を含む変形処理を施す、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記幾何変換は、前記画像範囲内の画像の縁の形状を変化させることを含む変換であることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記幾何変換は、前記画像範囲内の画像の縁の一部を短縮させて変形させるものであり、
前記変形パラメータ決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記縁の一部を短縮させる割合を決定する、
ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記幾何変換は、前記画像範囲内の画像の一部を収縮させ他の部分を伸張させることを含む変換であること特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記変形パラメータ決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記収縮及び前記伸長させる割合を決定することを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記フレームアウト確度算出部は、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係に応じて、前記フレームアウト確度を算出することを特徴とする請求項1乃至17のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記フレームアウト確度算出部は、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化に応じて、前記フレームアウト確度を算出することを特徴とする請求項1乃至17のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記フレームアウト確度算出部は、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とに応じて、前記フレームアウト確度を算出することを特徴とする請求項1乃至17のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記変更処理決定部は、
前記画像信号に基づく画像に第1の変更処理を施す領域である第1の変更領域であって、前記第1のフレームアウト確度に応じて面積が異なる該第1の変更領域を、該第1のフレームアウト確度に基づいて決定し、
前記画像信号に基づく画像に第2の変更処理を施す領域である第2の変更領域であって、前記第2のフレームアウト確度に応じて面積が異なる該第2の変更領域を、該第2のフレームアウト確度に基づいて決定し、
画像の塗り潰し、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更のうち少なくとも一つである前記第1の変更処理の変更の程度を決定し、
画像の塗り潰し、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更のうち少なくとも一つである前記第2の変更処理の変更の程度を決定し、
前記画像変更部は、
前記決定した変更の程度の前記第1の変更処理を前記決定した第1の変更領域に施し、
前記決定した変更の程度の前記第2の変更処理を前記決定した第2の変更領域に施す、
ことを特徴とする請求項2乃至4のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項22】
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記変更処理決定部は、
解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更のうち少なくとも一つである第1の変更処理の、前記第1のフレームアウト確度に応じて異なる変更の程度を、該第1のフレームアウト確度に基づいて決定し、
解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更のうち少なくとも一つである第2の変更処理の、前記第2のフレームアウト確度に応じて異なる変更の程度を、該第2のフレームアウト確度に基づいて決定し、
前記画像信号に基づく画像に前記第1の変更処理を施す第1の変更領域を決定し、
前記画像信号に基づく画像に前記第2の変更処理を施す第2の変更領域を決定し、
前記画像変更部は、
前記決定した変更の程度の前記第1の変更処理を前記決定した第1の変更領域に施し、
前記決定した変更の程度の前記第2の変更処理を前記決定した第2の変更領域に施す、
ことを特徴とする請求項2乃至4のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項23】
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち一方に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち他方に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記変更処理決定部は、
前記画像信号に基づく画像に第1の変更処理を施す領域である第1の変更領域であって、前記第1のフレームアウト確度と前記第2のフレームアウト確度とのうち一方に応じて面積が異なる該第1の変更領域を、該第1のフレームアウト確度と第2のフレームアウト確度とのうち前記一方に基づいて決定し、
画像の塗り潰し、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更のうち少なくとも一つである前記第1の変更処理の変更の程度を決定し、
解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更のうち少なくとも一つである第2の変更処理の、前記第1のフレームアウト確度と前記第2のフレームアウト確度とのうち他方に応じて異なる変更の程度を、該第1のフレームアウト確度と第2のフレームアウト確度とのうち前記他方に基づいて決定し、
前記画像信号に基づく画像に前記第2の変更処理を施す領域である第2の変更領域を決定し、
前記画像変更部は、
前記決定した変更の程度の前記第1の変更処理を前記決定した第1の変更領域に施し、
前記決定した変更の程度の前記第2の変更処理を前記決定した第2の変更領域に施す、
ことを特徴とする請求項2乃至4のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項24】
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち一方に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち他方に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記加工決定部は、
前記第1のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像における前記代表点の周囲に第1の変更領域を設定し、該第1の変更領域に対して行う第1の加工を決定し、
前記第2のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像における前記代表点の周囲に第2の変更領域を設定し、該第2の変更領域に対して行う第2の加工を決定し、
前記画像変更部は、
前記画像信号に基づく画像の前記第1の変更領域に対して前記第1の加工を施し、
前記画像信号に基づく画像の前記第2の変更領域に対して前記第2の加工を施す、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項25】
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち一方に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち他方に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記加工決定部は、
前記第1のフレームアウト確度に応じて、前記変更領域の面積及び/又は前記加工の程度を変化するように、かつ前記第2のフレームアウト確度に応じて、前記変更領域によって囲まれる部分の面積を変化させるように、前記変更領域を決定し、
前記第1のフレームアウト確度及び前記第2のフレームアウト確度に基づいて、前記変更領域に対して行う加工を決定し、
前記画像変更部は、
前記画像信号に基づく画像の前記変更領域に対して前記加工を施す、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項26】
前記フレームアウト確度算出部は、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係に応じて、前記フレームアウト確度を算出し、
前記加工決定部は、前記変更領域として、前記関心位置と前記画像範囲との前記位置関係を示す領域を設定する、
ことを特徴とする請求項8乃至12のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項27】
前記フレームアウト確度算出部は、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化に応じて、前記フレームアウト確度を算出し、
前記加工決定部は、前記変更領域として、前記関心位置と前記画像範囲との前記位置関係の変化の向きを示す領域を設定する、
ことを特徴とする請求項8乃至12のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項28】
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち一方に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち他方に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記変形パラメータ決定部は、
前記第1のフレームアウト確度に応じた方向及び割合で、前記画像信号に基づく画像の縁の形状を変化させることを含む幾何変換のための第1のパラメータを決定し、
前記第2のフレームアウト確度に応じた方向及び割合で、前記画像信号に基づく画像の一部を収縮させ他の部分を伸張させることを含む幾何変換のための第2のパラメータを決定し、
前記画像変更部は、前記第1の変形パラメータ及び第2の変形パラメータに基づいて、前記画像信号に基づく画像に前記幾何変換を含む変形処理を施す、
ことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項29】
前記改変変数決定部は、変更処理決定部と、加工決定部とを含み、
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち一方に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち他方に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記変更処理決定部は、前記第1のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像において第1の変更領域と、該第1の変更領域に対して行う変更処理とを決定し、
前記加工決定部は、前記第2のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像における前記関心物体の代表点の周囲の第2の変更領域と、該第2の変更領域に対して行う画像の加工とを決定し、
前記画像変更部は、前記画像信号に基づく画像の前記第1の変更領域に前記変更処理を施すとともに、前記画像信号に基づく画像の前記第2の変更領域に対して前記加工を行い、前記表示画像の信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項30】
前記変更処理決定部は、前記第1のフレームアウト確度に応じて、前記第1の変更領域の面積を変化させ、前記変更処理の種類は、画像の塗り潰し、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更、のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項29に記載の画像処理装置。
【請求項31】
前記変更処理の種類は、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更、のうち少なくとも一つであり、
前記変更処理決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記変更の程度である、前記増減の量又は前記変更の量を変化させる、
ことを特徴とする請求項29に記載の画像処理装置。
【請求項32】
前記加工決定部は、前記第2のフレームアウト確度に応じて、前記第2の変更領域の面積及び/又は前記加工の程度を変化させることを特徴とする請求項29乃至31のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項33】
前記加工決定部は、前記第2のフレームアウト確度に応じて、前記画像信号に基づく画像における前記変更領域によって囲まれる部分の面積を変化させることを特徴とする請求項29乃至31のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項34】
前記改変変数決定部は、変更処理決定部と、変形パラメータ決定部とを含み、
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち一方に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち他方に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記変更処理決定部は、前記第1のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像において第1の変更領域と、該第1の変更領域に対して行う変更処理とを決定し、
前記変形パラメータ決定部は、前記第2のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像を幾何変換するための情報を表す変形パラメータを決定し、
前記画像変更部は、前記画像信号に基づく画像の前記第1の変更領域に前記変更処理を施すとともに、前記画像信号に基づく画像に前記変形パラメータに基づいて前記変形処理を施し、前記表示画像の信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項35】
前記変更処理決定部は、前記第1のフレームアウト確度に応じて、前記第1の変更領域の面積を変化させ、前記変更処理の種類は、画像の塗り潰し、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更、のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項36】
前記変更処理の種類は、解像度の増減、鮮鋭度の増減、コントラストの増減、輝度の増減、採度の増減、及び色相の変更、のうち少なくとも一つであり、
前記変更処理決定部は、前記フレームアウト確度に応じて、前記変更の程度である、前記増減の量又は変更の量を変化させる、
ことを特徴とする請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項37】
前記幾何変換は、前記画像範囲内の画像の縁の一部を短縮させて、該縁の形状を変化させることを含み、
前記変形パラメータ決定部は、前記第2のフレームアウト確度に応じて、前記縁の一部を短縮させる割合を決定する、
ことを特徴とする請求項34乃至36のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項38】
前記幾何変換は、前記画像範囲内の画像の一部を収縮させ他の部分を伸張させることを含み、
前記変形パラメータ決定部は、前記第2のフレームアウト確度に応じて、前記収縮及び前記伸長させる割合を決定する、
ことを特徴とする請求項34乃至36のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項39】
前記改変変数決定部は、加工決定部と、変形パラメータ決定部とを含み、
前記フレームアウト確度算出部は、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち一方に応じて、第1のフレームアウト確度を算出し、
前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係と、前記画像範囲に対する前記関心位置の位置関係の変化とのうち他方に応じて、第2のフレームアウト確度を算出し、
前記加工決定部は、前記第1のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像における前記関心物体の代表点の周囲に変更領域と、該変更領域に対して行う画像の加工とを決定し、
前記変形パラメータ決定部は、前記第2のフレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像を幾何変換するための情報を表す変形パラメータを決定し、
前記画像変更部は、前記画像信号に基づく画像の前記変更領域に対して前記加工を行うとともに、前記画像信号に基づく画像に前記変形パラメータに基づいて前記変形処理を施し、前記表示画像の信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項40】
前記加工決定部は、前記第1のフレームアウト確度に応じて、前記変更領域の面積及び/又は前記加工の程度を変化させることを特徴とする請求項39に記載の画像処理装置。
【請求項41】
前記加工決定部は、前記第1のフレームアウト確度に応じて、前記画像信号に基づく画像における前記変更領域によって囲まれる部分の面積を変化させることを特徴とする請求項39に記載の画像処理装置。
【請求項42】
前記幾何変換は、前記画像範囲内の画像の縁の一部を短縮させて、該縁の形状を変化させることを含み、
前記変形パラメータ決定部は、前記第2のフレームアウト確度に応じて、前記縁の一部を短縮させる割合を決定する、
ことを特徴とする請求項39乃至41のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項43】
前記幾何変換は、前記画像範囲内の画像の一部を収縮させ他の部分を伸張させることを含み、
前記変形パラメータ決定部は、前記第2のフレームアウト確度に応じて、前記収縮及び前記伸長させる割合を決定する、
ことを特徴とする請求項39乃至41のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項44】
請求項1乃至43のうち何れか1項に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置が生成した前記表示画像を表示する前記表示装置と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項45】
請求項1乃至43のうち何れか1項に記載の画像処理装置と、
撮像を実施して前記画像処理装置に入力する前記画像信号を生成する撮像部と、
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項46】
請求項1乃至43のうち何れか1項に記載の画像処理装置と、
撮像を実施して前記画像処理装置に入力する前記画像信号を生成する撮像部と、
前記画像処理装置が生成した前記表示画像を表示する前記表示装置と、
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項47】
前記撮像部は、ズーム機能を有することを特徴とする請求項45又は46に記載の撮像装置。
【請求項48】
前記撮像部がズーム機能を発揮し始めたか否かを判定し、前記ズーム機能を発揮し始めたら前記画像処理装置に前記改変処理を実行させるように構成された制御部をさらに具備することを特徴とする請求項47に記載の撮像装置。
【請求項49】
入力された画像信号に基づく画像から、表示装置の表示領域に応じた画像範囲を有する表示画像を生成する画像処理方法であって、
前記画像信号に基づく画像における関心物体の位置である関心位置を算出することと、
前記関心位置と前記画像範囲とに基づいて、前記関心位置が前記画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度を算出することと、
前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定することと、
決定した前記処理変数に基づいて前記画像信号に基づく画像に前記改変処理を施して前記表示画像の信号を生成することと、
を具備することを特徴とする画像処理方法。
【請求項50】
前記処理変数は、前記画像信号に基づく画像に変更処理を施す領域である変更領域と該変更処理の変更の程度とを含み、
前記改変処理は、前記決定した変更の程度の前記変更処理を前記画像信号に基づく画像の前記決定した変更領域に施す処理を含む、
ことを特徴とする請求項49に記載の画像処理方法。
【請求項51】
前記処理変数は、前記画像信号に基づく画像における前記関心物体の代表点の周囲の変更領域と、該変更領域に対して行う画像の加工とを含み、
前記改変処理は、前記画像信号に基づく画像の前記変更領域に対して前記加工を施す処理を含む、
ことを特徴とする請求項49に記載の画像処理方法。
【請求項52】
前記処理変数は、前記画像信号に基づく画像を幾何変換するための変形パラメータを含み、
前記改変処理は、前記変形パラメータに基づいて前記画像信号に基づく画像に変形処理を施す処理を含む、
ことを特徴とする請求項49に記載の画像処理方法。
【請求項53】
入力された画像信号に基づく画像から、表示装置の表示領域に応じた画像範囲を有する表示画像を生成する画像処理プログラムであって、
前記画像信号に基づく画像における関心物体の位置である関心位置を算出する関心位置算出ステップと、
前記関心位置と前記画像範囲とに基づいて、前記関心位置が前記画像範囲から外れる確度を表すフレームアウト確度を算出するフレームアウト確度算出ステップと、
前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に施す改変処理の処理変数を決定する改変変数決定ステップと、
決定した前記処理変数に基づいて前記画像信号に基づく画像に前記改変処理を施して前記表示画像の信号を生成する画像変更ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項54】
前記改変変数決定ステップは、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に変更処理を施す領域である変更領域と該変更処理の変更の程度とを決定する変更処理決定ステップを含み、
前記画像変更ステップは、前記決定した変更の程度の前記変更処理を前記画像信号に基づく画像の前記決定した変更領域に施して前記表示画像の信号を生成する画像変更ステップを含む、
ことを特徴とする請求項53に記載の画像処理プログラム。
【請求項55】
前記改変変数決定ステップは、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像における前記関心物体の代表点の周囲に変更領域を設定し、該変更領域に対して行う画像の加工を決定する加工決定ステップを含み、
前記画像変更ステップは、前記画像信号に基づく画像の前記変更領域に対して前記加工を施して前記表示画像の信号を生成する画像変更ステップを含む、
ことを特徴とする請求項53に記載の画像処理プログラム。
【請求項56】
前記改変変数決定ステップは、前記フレームアウト確度に基づいて、前記画像信号に基づく画像に施す変形の情報を表す変形パラメータを決定する変形パラメータ決定ステップを含み、
前記画像変更ステップは、前記変形パラメータに基づいて前記画像信号に基づく画像に変形処理を施して前記表示画像の信号を生成する画像変更ステップを含む、
ことを特徴とする請求項53に記載の画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【公開番号】特開2012−170046(P2012−170046A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231886(P2011−231886)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】