画像処理装置、撮像装置並びに画像処理方法
【課題】画像の彩度を失うことなく階調別に色補正を行うことが可能な画像処理装置、該画像処理装置を備える撮像装置並びに画像処理方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像処理装置は、YCbCr画像データについて、1画素ずつ(S11)、階調判定を行い(S12)、所定階調に対応して所定の色補正値を有する色補正テーブルから前記階調判定で得られた階調に対応する色補正値を算出し(S13)、該色補正値に従って色差信号Cb、Crを補正する(S14)階調別色補正機能を有する。
【解決手段】本発明に係る画像処理装置は、YCbCr画像データについて、1画素ずつ(S11)、階調判定を行い(S12)、所定階調に対応して所定の色補正値を有する色補正テーブルから前記階調判定で得られた階調に対応する色補正値を算出し(S13)、該色補正値に従って色差信号Cb、Crを補正する(S14)階調別色補正機能を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力される画像データについて階調別に色補正を行う画像処理装置、該画像処理装置を備え電子画像を撮像・再生するカメラ等の撮像装置並びにカメラ等で撮影した画像を処理する画像処理アルゴリズムからなる画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、固体撮像素子では高画素化が進み、それに伴い固体撮像素子を駆動する駆動パルスの高速化が進んでいる。その結果、画素の微細化に伴う隣接画素からの光の回り込みや、電荷転送不良により、隣の画素の信号量が漏れ込んでくる混色が発生する場合がある。
【0003】
また、CCDでは特殊な電荷転送を行うものも登場しており、画像の黒レベルが不安定となり特定の階調で着色が発生する場合がある。
【0004】
従来方式では、このような階調により着色が発生した場合には、階調によって(例えば、低輝度、高輝度など)色を抑圧する方式が用いられているが、色を抑圧することにより彩度を失い白黒画像となってしまう問題があった。
【0005】
なお、特許文献1では、色補正量決定部の決定結果と輝度信号Yのレベルに応じて色相、彩度を補正する技術が提案されているが、輝度信号Yのレベル(階調)に対して色補正量を決定する方法については記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、画像の彩度を失うことなく階調別に色補正を行うことが可能な画像処理装置、該画像処理装置を備える撮像装置並びに画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データが入力される画像入力部と、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを記憶する色補正テーブル記憶部と、前記色補正テーブル記憶部に記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択部と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定部と、前記色補正テーブル選択部で選択された色補正テーブルから前記階調判定部で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出部と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
〔2〕 前記色補正テーブルは、複数階調それぞれに対応して色補正値が設定されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔3〕 前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲に対応した全階調それぞれに色補正値を有するものであることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔4〕 前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲において幾つかの階調で設定される色補正値を色補正代表点として持つものであり、前記色補正値算出部は、該色補正テーブルの色補正代表点間を線形補間して色補正値Aを算出することを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔5〕 前記色補正テーブルは、色差信号Cb、Crそれぞれに対応して別に設けられた色補正テーブルのペアからなり、該ペアの色補正テーブルそれぞれにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定又は異なる設定とされていることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔6〕 前記画像データについて補色方向に色補正するときに、前記色補正テーブル選択部は、所定階調と色補正値との関係が同じ設定とされた前記ペアの色補正テーブルを選択することを特徴とする前記〔5〕に記載の画像処理装置。
〔7〕 前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする撮像装置。
〔8〕 記憶部を有する演算装置に入力される輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データについて階調別に色補正する画像処理方法であって、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを前記記憶部に記憶させる色補正テーブル記憶工程と、前記色補正テーブル記憶工程で記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択工程と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定工程と、前記色補正テーブル選択工程で選択された色補正テーブルから前記階調判定工程で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出工程と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正工程と、を備えることを特徴とする画像処理方法。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像データの輝度信号Yに対して階調判定部で判定を行い階調判定部の結果に応じた色補正値を用いて色信号Cb、Crを補正することにより、各階調毎に適切な色補正を行うことができる。また、特定階調で着色が発生する場合には特定階調のみに色補正が行え、効果的な階調別の色補正を行うことができる。更に、従来の色抑圧方式では抑圧レベルによっては色味を失い白黒の画像になってしまうという問題があったが、本発明では色味を失うことなく補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る撮像装置に一態様であるデジタルカメラの外観図である。
【図2】図1のデジタルカメラの制御系のブロック図である。
【図3】基本的な画像処理に関するフローチャートである。
【図4】ガンマ補正曲線と出力装置の入出力特性の関係を示す図である。
【図5】色補正処理の説明図である。
【図6】エッジ強調処理の説明図である。
【図7】本発明に係る画像処理装置における画像処理に関するフローチャートである。
【図8】階調別色補正ブロックにおける画像処理に関するフローチャートである。
【図9】所定階調に対応して所定の色補正値が設定された色補正テーブルの説明図である。
【図10】Cb、Cr信号の色補正テーブル設定例(1)を示す図である。
【図11】Cb、Cr信号の色補正テーブル設定例(2)を示す図である。
【図12】Cb、Cr信号の色補正テーブル設定例(3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る画像処理装置、撮像装置並びに画像処理方法について説明する。
ここでは、本発明についてデジタルカメラの実施形態を用いて説明を行うがこれに限定されず、カメラ機能を持つ電子機器、あるいは、画像を処理する画像処理IC、画像処理ソフトなど画像処理全般に適用することが可能である。
【0011】
図1は、本発明に係る撮像装置に一態様であるデジタルカメラの外観図であり、図2は、同デジタルカメラの制御系のブロック図である。
図1に示すように、デジタルカメラは、カメラ上面には、サブLCD(1)と、レリーズボタン(2)と、撮影/再生切り換えダイヤル(4)とを有する。サブLCD(1)は、例えば、撮影可能枚数など表示するための表示部である。また、カメラ正面には、ストロボ発光部(3)と、測距ユニット(5)と、リモコン受光部(6)と、鏡胴ユニット(7)と、光学ファインダー(正面)(11a)とを有する。メモリカードスロットル(121)は、メモリカード(130)を挿入するスロットルであり、カメラ側面に設けてある。更に、カメラ裏面には、AFLED(オートフォーカスLED)(8)と、ストロボLED(9)と、LCDモニタ(10)と、光学ファインダー(裏面)(11b)と、ズームボタン(12)と、電源スイッチ(13)と、操作部(14)とを有する。
【0012】
図1,図2に基づいてデジタルカメラの動作を説明する。
図1,図2において、ストロボ発光部(3),ストロボ回路(114)は、自然光などの光が足りない場合に光量を補う装置である。暗い場所や被写体が暗い場合の撮影においては、後述するデジタルスチルカメラプロセッサ(104)からストロボ回路(114)にストロボ発光信号を送信し、ストロボ回路(114)は、ストロボ発光部(3)を発光させ被写体を明るくする。
【0013】
測距ユニット(5)は、カメラと被写体との距離を測る装置である。現在、デジタルカメラでは、撮像素子(CCD)に形成された像のコントラストを検出し、最もコントラストの高い位置にレンズを移動させてフォーカスを合わせるCCD−AF方式が用いられている。しかし、CCD−AF方式は、レンズを少しずつ動かしコントラストを探していくためフォーカス動作が遅いという問題があった。そこで、測距ユニット(5)を用いて被写体との距離情報を常に取得し、距離情報からレンズを一気に移動してフォーカス動作を高速化している。温度センサ(不図示)は環境温度を測定する装置で、カメラ内外の温度を測定し、温度が異常に上昇している場合にはカメラの電源を落としたり、温度センサのデータを参照してカメラの制御内容を変更したりする。
【0014】
鏡胴ユニット(7)は、被写体の光学画像を取り込むズームレンズ(7−1a)、ズーム駆動モータ(7−1b)からなるズーム光学系(7−1)、フォーカスレンズ(7−2a)、フォーカス駆動モータ(7−2b)からなるフォーカス光学系(7−2)、絞り(7−3a)、絞りモータ(7−3b)からなる絞りユニット(7−3)、メカシャッタ(7−4a)、メカシャッタモータ(7−4b)からなるメカシャッタユニット(7−4)、各モータを駆動するモータドライバ(7−5)を有する。そして、モータドライバ(7−5)は、リモコン受光部(6)入力や操作部Keyユニット(SW1〜SW13)の操作入力に基づく、後述するカメラプロセッサ(104)内にあるCPUブロック(104−3)からの駆動指令により駆動制御される。
【0015】
ROM(108)には、CPUブロック(104−3)にて解読可能なコードで記述された、制御プログラムや制御するためのパラメータが格納されている。このデジタルカメラの電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPUブロック(104−3)はそのプログラムに従って装置各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を、一時的に、RAM(107)、及び後述するカメラプロセッサ(104)内にあるLocal SRAM(104−4)に保存する。ROM(108)に書き換え可能なフラッシュROMを使用することで、制御プログラムや制御するためのパラメータを変更することが可能となり、機能のVerUpが容易に行える。
【0016】
CCD(101)は、光学画像を光電変換するための固体撮像素子であり、F/E(フロントエンド)−IC(102)は、画像ノイズ除去用相関二重サンプリングを行うCDS(102−1)、利得調整を行うAGC(102−2)、ディジタル信号変換を行うA/D(102−3)、CCD1信号処理ブロック(104−1)より、垂直同期信号(以下、VDと記す。)、水平同期信号(以下、HDと記す。)を供給され、CPUブロック(104−3)によって制御されるCCD(101)、及びF/E−IC(102)の駆動タイミング信号を発生するTG(102−4)を有する。
【0017】
デジタルスチルカメラプロセッサ(104)は、CCD(101)よりF/E―IC(102)の出力データにホワイトバランス設定やガンマ設定を行い、又、前述したように、VD信号、HD信号を供給するCCD1信号処理ブロック(104−1)、フィルタリング処理により、輝度データ・色差データへの変換を行うCCD2信号処理ブロック(104−2)、前述した装置各部の動作を制御するCPUブロック(104−3)、前述した制御に必要なデータ等を、一時的に、保存するLocal SRAM(104−4)、パソコンなどの外部機器とUSB通信を行うUSBブロック(104−5)、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うシリアルブロック(104−6)、JPEG圧縮・伸張を行うJPEG CODECブロック(104−7)、画像データのサイズを補間処理により拡大/縮小するRESIZEブロック(104−8)、画像データを液晶モニタやTVなどの外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換するTV信号表示ブロック(104−9)、撮影された画像データを記録するメモリカードの制御を行うメモリカードコントローラブロック(104−10)を有する。
【0018】
SDRAM(103)は、前述したカメラプロセッサ(104)で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、CCD(101)から、F/E−IC(102)を経由して取りこんで、CCD1信号処理ブロック(104−1)でホワイトバランス設定、ガンマ設定が行われた状態の「RAW−RGB画像データ」やCCD2信号処理ブロック(104−2)で輝度データ・色差データ変換が行われた状態の「YCbCr画像データ」、JPEG CODECブロック(104−7)で、JPEG圧縮された「JPEG画像データ」などである。
【0019】
メモリカードスロットル(121)は、着脱可能なメモリカードを装着するためのスロットルである。内蔵メモリ(120)は、前述したメモリカードスロットル(121)にメモリカードが装着されていない場合でも、撮影した画像データを記憶できるようにするためのメモリである。
【0020】
LCDドライバ(117)は、後述するLCDモニタ(10)に駆動するドライブ回路であり、TV信号表示ブロック(104−9)から出力されたビデオ信号を、LCDモニタ(10)に表示するための信号に変換する機能も有している。
【0021】
LCDモニタ(10)は、撮影前に被写体の状態を監視する、撮影した画像を確認する、メモリカードや前述した内蔵メモリ(120)に記録した画像データを表示する、などを行うためのモニタである。
【0022】
ビデオAMP(118)は、TV信号表示ブロック(104−9)から出力されたビデオ信号を、75Ωインピーダンス変換するためのアンプであり、ビデオジャック(119)は、TVなどの外部表示機器と接続するためのジャックである。
【0023】
USBコネクタ(122)は、パソコンなどの外部機器とUSB接続を行う為のコネクタである。シリアルドライバ回路(123−1)は、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うために、前述したシリアルブロック(104−6)の出力信号を電圧変換するための回路であり、RS−232Cコネクタ(123−2)は、パソコンなどの外部機器とシリアル接続を行う為のコネクタである。
【0024】
SUB−CPU(109)は、ROM・RAMをワンチップに内蔵したCPUであり、操作Keyユニット(SW1〜13)やリモコン受光部(6)の出力信号をユーザの操作情報として、前述したCPUブロック(104−3)に出力したり、前述したCPUブロック(104−3)より出力されるカメラの状態を、後述するサブLCD(1)、AF LED(8)、ストロボLED(9),ブザー(113)の制御信号に変換して、出力する。
【0025】
サブLCD(1)は、例えば、撮影可能枚数など表示するための表示部であり、LCDドライバ(111)は、前述したSUB−CPU(109)の出力信号より、前述したサブLCD(1)を駆動するためのドライブ回路である。
【0026】
AF LED(8)は、撮影時の合焦状態を表示するためのLEDであり、ストロボLED(9)は、ストロボ充電状態を表すためのLEDである。尚、このAF LED(8)とストロボLED(9)を、メモリカードアクセス中などの別の表示用途に使用しても良い。
【0027】
操作Keyユニット(SW1〜13)は、ユーザが操作するKey回路であり、リモコン受光部(6)は、ユーザが操作したリモコン送信機の信号の受信部である。
【0028】
音声記録ユニット(115)は、ユーザが音声信号を入力するマイク(115−3)、入力された音声信号を増幅するマイクAMP(115−2)、増幅された音声信号を記録する音声記録回路(115―3)からなる。また、音声再生ユニット(116)は、記録された音声信号をスピーカーから出力できる信号に変換する音声再生回路(116−1)、変換された音声信号を増幅し、スピーカーを駆動するためのオーディオAMP(116−2)、音声信号を出力するスピーカー(116−3)からなる。
【0029】
上述のように構成されたデジタルカメラにおいて、本発明の構成について説明する。
まず、デジタルカメラの基本的な画像処理について説明する。
【0030】
<基本的画像処理>
図3に、基本的な画像処理手順のフローチャートを示す。
図3に示す画像処理は、図2のCCD1信号処理ブロック(104−1)及びCCD2信号処理ブロック(104−2)内に含まれる。なお、CCD(101)から出力される信号を1画素毎にサンプリングしA/D変換したものを画像処理されていない段階であるため一般的にRAWデータと呼び、画像処理部に入力するデータはこのRAWデータである。
【0031】
(S1:ホワイトバランス(WB)処理)
被写体からの光量を蓄積するCCD(101)のフォトダイオード上には1画素1画素にRED、GREEN、BLUEのいずれか1色のカラーフィルタが貼付されているが、フィルタの色によって透過する光量が変わってくるためフォトダイオードに蓄積される電荷量が異なっている。最も感度が高いのはGREENで、REDとBLUEはGREENと比較すると感度が低く約半分程度である。ホワイトバランス(WB)処理では、これらの感度差を補い、撮影画像の中の白色を白く見せるために、RとBにゲインを掛ける処理を行う。また、物の色は光源色(例えば、太陽光、蛍光灯など)によって変わってくるため、光源が変わっても白色を白く見せるようにRとBのゲインを変更し、制御する機能を有している。
【0032】
(S2:ガンマ(γ)補正処理)
図4(a)は、γ補正の曲線の一例を示すものである。横軸に入力信号、縦軸に出力信号を示しており、非線形な入出力変換を行う。一般的にLCDやCRTなどの出力装置では、図4(b)に示すように入力に対して出力は非線形な特性で出力される。このような非線形な出力の場合、明るさに階調性がなく、また画像が暗くなるため人は正しく画像を見ることができない。そこで、出力装置の特性を考慮して、出力が線形性を保つように予め入力信号に処理を行うのがガンマ補正処理である。
【0033】
(S3:補間処理)
CCD(101)ではベイヤ配列と呼ばれる配列で、1画素にRED、GREEN、BLUEのいずれか1色のカラーフィルタが貼付されており、RAWデータは1画素に1色の情報しかない。しかし、RAWデータから画像として見るためには、1画素にRED、GREEN、BLUEの3色の情報が必要であり、足りない2色を補うために周辺の画素から補間する補間処理を行う。
【0034】
(S4:YCbCr変換処理)
RAWデータの段階では、RED、GREEN、BLUEの3色によるRGBデータ形式であるが、YCbCr変換では輝度信号Yと色差信号CbCrのYCbCrデータ形式に変換を行う。デジタルカメラ等で一般的に用いられるファイル形式のJPEG画像では、YCbCrデータから画像が作成されるため、RGBデータをYCbCrデータに変換する。変換式は、以下の通りである。
Y = 0.299×R+0.587×G+0.114×B
Cb = −0.299×R−0.587×G+0.886×B
Cr = 0.701×R−0.587×G−0.114×B
【0035】
(S5:色補正処理)
色補正では、彩度設定、色相設定、部分的な色相変更設定、色抑圧設定などある。
図5はCbCr色空間を示すものである。ここで、彩度設定は色の濃さを決定するパラメータ設定であり、例えば、第2象限でREDの色に対して原点からREDのドットまでのベクトルの長さが長い程色の濃さは濃くなる。次に色相設定では、色合いを決定するパラメータである。例えば、図5の第3象限でGREENの色に対してベクトルの長さが同じであってもベクトルの向きが異なると色合いは変わってくる。部分的な色相変更設定では、図5の第4象限に示すように部分的な色領域を回転させる設定である。彩度が強いと色が濃くなる一方で色ノイズが強くなる傾向にある。そこで色抑圧設定では、例えば輝度信号に対してしきい値を設け、しきい値よりも低い又は高い領域に対して彩度を抑えることにより色ノイズを抑える制御を行う。
【0036】
(S6:エッジ強調処理)
エッジ強調処理とは、図6に示すように画像の輝度(Y)信号からエッジ部分を抽出するエッジ抽出フィルタ部と、エッジ抽出フィルタにより抽出されたエッジに対してゲインを掛けるゲイン乗算部と、エッジ抽出と並行して画像のノイズを除去するローパスフィルタ(LPF)部と、ゲイン乗算後のエッジ抽出データとLPF処理後の画像データを加算する加算部からなる。エッジの強弱は、ゲイン乗算部のゲインによって決まり、ゲインが大きい場合にはエッジが強くなり、ゲインが小さい場合にはエッジが弱くなる。また、エッジ抽出フィルタのフィルタ係数によってもエッジの検出方向やエッジの抽出量が変わるため重要なパラメータである。LPFのフィルタ係数では、画像を平滑化させて画像のノイズを減らしているが、LPFを強く掛けるとノイズは少なくなるが、一方で平滑化により細かな部分が潰れてしまい解像度が失われる傾向にある。
【0037】
(その他の処理)
画像処理には、その他に保存する画像サイズに変更するリサイズ処理、情報量を圧縮するJPEG圧縮処理などがある。
【0038】
つぎに、本発明の根幹部分である画像処理フローを説明する。
図7は、本発明の画像処理手順を示すフローチャートである。前述の図3の一般的な画像処理のフローチャートに対して、ステップS5の色補正の後にステップS5Aとして階調別色補正ブロック(機能)が追加されている点が異なっている。なお、この階調別色補正ブロックはステップS4のYCbCr変換の後であればどのタイミングで行ってもよい。例えば、ステップS5の色補正の前でもよいし、ステップS6のエッジ強調処理の後でもよい。なお、図1、図2に示すデジタルカメラにおいて、図7の画像処理を行う部分を画像処理装置と捉えることができる。
【0039】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、YCbCrデータについて所定画素数分ずつ、例えば1画素ずつ輝度信号Yから色補正値を算出し、色差信号Cb、Crを補正していく階調別色補正機能を有する。詳しくは、本発明に係る画像処理装置は、輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データが入力される画像入力部と、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを記憶する色補正テーブル記憶部と、前記色補正テーブル記憶部に記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択部と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定部と、前記色補正テーブル選択部で選択された色補正テーブルから前記階調判定部で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出部と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正部と、を備えることを特徴とするものである。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【0040】
この発明内容の詳細について図8を用いて説明する。
図8は、階調別色補正ブロックの処理内容を示すフローチャートである。
(S11:1画素分のY,Cb,Cr信号取得(画像入力部))
階調別色補正ブロックではまず始めに、画像開始位置の1画素分のY、Cb、Cr信号を取得する。なお、図7で階調別色補正ブロック(S5A)への入力時には、YCbCrブロック(S4)で画像データがRGB形式からYCbCrに変換されてYCbCr形式になっている。
【0041】
(S12:階調判定(階調判定部))
次に取得した1画素分のY、Cb、Cr信号のY信号(輝度信号)からどの階調にあるかを判定する。通常、Y信号は8ビットであり0から255の間の値をとる。階調判定は輝度信号が0から255のどの値であるかを判定する。
【0042】
(S13:色補正テーブル参照(色補正テーブル選択部、色補正値算出部))
次に、色補正テーブル参照である。ここで、色補正テーブルの概要について説明する。
図9は、色補正テーブルをグラフに表したものである。横軸を輝度信号Y、縦軸を色補正値Aにとり、(Cb又はCr信号について)所定階調に対応して所定の色補正値が設定されている。例えば、色補正テーブルは、複数階調それぞれに対応して色補正値が設定されている。また、色補正値Aはプラスまたはマイナスの設定可能な小数とする。
【0043】
図9(a)は、輝度信号Yの1LSB(最下位ビット)に1つずつ色補正値Aを設定しており、色補正テーブルは、輝度信号Yが取りうる0から255の整数値に対応した256個の色補正値となる。すなわち、画像データで取りうる輝度範囲に対応した全階調それぞれに色補正値を有する。これにより、階調ごとに細かく色補正を行うことができる。
【0044】
一方、図9(b)は、輝度信号Yに対しドットで示した色補正代表点を設定し、色補正代表点間は線形補間した例である。例えば、色補正テーブルとしては、画像データで取りうる輝度範囲において幾つかの階調で設定される色補正値を色補正代表点として持ち、後述する色補正値算出において、該色補正テーブルの色補正代表点間を線形補間して色補正値Aを算出する。これにより、色補正テーブルを記憶保持するROM(108)(色補正テーブル記憶部)のメモリ容量を減らすことができるとともに、補正値設定の作業負担を軽減することができる。図9(b)の場合には、16個の色補正代表点を設定で済むため、色補正テーブルは16個のデータとなり、図9(a)の場合に比べて1/16のデータ量となる。なお、色補正代表点の設定は、輝度信号Yと色補正値Aの組み合わせで任意に変更できるようにするとよい。
【0045】
また、色補正テーブルは、Cb信号とCr信号それぞれに対応して個別に持つようにし、Cb信号とCr信号の色補正テーブルを同じ設定にしてもよいし、それぞれ異なる設定値としてもよい。すなわち、前記色補正テーブルは、色差信号Cb、Crそれぞれに対応して別に設けられた色補正テーブルのペアからなり、該ペアの色補正テーブルそれぞれにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定又は異なる設定とされていることとしてもよい。このように色補正テーブルをCb信号とCr信号とで個別に設定できることにより、階調別の色補正に自由度が生まれ様々な補正方法が可能となる。
【0046】
このような色補正テーブルを1又は複数予め設定して用意し、図2に示すROM(108)(色補正テーブル記憶部)に格納しておき、SDRAM(103)或いはLocal SRAM(104−4)に適宜読み出して使用する(色補正テーブル選択部)。このときの色補正テーブルの選択は、ユーザが色補正テーブルの候補から手動で選択できるようにしてもよいし、撮影モードに対応して自動的に選択されたり、撮影シーン(例えば高輝度階調の色補正)に応じて自動的に選択されたりするようにしてもよい。
【0047】
以上のような色補正テーブルを用いて、階調判定で判定した輝度信号Yに対応する色補正値Aを選択された色補正テーブルから算出する(色補正値算出部)。
【0048】
(S14:Cb,Cr補正(色信号補正部))
次に、算出した色補正値Aから色差信号Cb、Crに対して色補正を行う。補正にあたっては、以下の式(1),(2)を用いて色信号Cb’、Cr’を算出し、色差信号Cb,Crに代えて輝度信号Yと補正後の色差信号Cb’、Cr’とする。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【0049】
(S15)
以上の処理が画像データの全画素について行われるまで繰り返して実行され、色補正後の画像データを得て終了する。
【0050】
以下に、階調別色補正ブロックによる補正効果について、3つの例を用いて説明する。
(補正効果例1)
図10は、低輝度部で緑色に着色した場合のCb、Cr信号の色補正テーブル設定例である。ここでは、Cb信号とCr信号の色補正テーブルにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定としている。
輝度信号Yが小さい領域で色補正値をプラス方向に設定することで、階調別色補正ブロックの処理により低輝度部の色を緑色から緑色の補色であるマゼンタ色側にシフトすることができ、低輝度部での緑色着色を緩和することができる。また、Cb、Cr信号の色補正テーブルを同じにすることで原点方向に向けてマゼンタ側にシフトさせており、色相が変化することがないため階調別色補正による色変化の違和感は少ない。
【0051】
(補正効果例2)
図11は、高輝度部でマゼンタ色に着色した場合のCb、Cr信号の色補正テーブル設定例である。ここでは、Cb信号とCr信号の色補正テーブルにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定としている。
輝度信号Yが大きい領域で色補正値をマイナス方向に設定することで、階調別色補正ブロックの処理により高輝度部の色をマゼンタ色からマゼンタ色の補色である緑側にシフトすることができ、高輝度部でのマゼンタ色着色を緩和することができる。また、Cb、Cr信号の色補正テーブルを同じにすることで原点方向に向けて緑側にシフトさせており、色相が変化することがないため階調別色補正による色変化の違和感は少ない。
【0052】
(補正効果例3)
図12は、Cr信号は補正せず、Cb信号のみ補正するときの色補正テーブル設定例である。Cr信号の色補正テーブルで色補正値を全階調において0にすることで、Cr信号に対しては色補正がされない。一方、Cb信号の方は、中間輝度よりやや高めの輝度信号領域で色補正値をマイナス方向に設定することで、中間輝度よりやや高めの階調で青色の補色である黄色側にシフトすることができ、状況により一部階調で青色に着色した場合には着色を緩和することができる。
【0053】
本実施例では、3つの色補正テーブル例を示したが、色補正テーブル設定例はこれ以外にも如何様にも設定可能であり、階調毎のホワイトバランス変更のような使い方も可能である。また、本発明は静止画像に限定されず、スルー画像や動画像においても実施可能である。例えばLCDモニタ(10)にスルー画像を出力するときに、LCDモニタ(10)のバックライトの色味でスルー画像が青白かったり、黄ばんでしまったりするような場合の補正に使用することができる。
【0054】
なお、本発明は、前述した画像処理装置において実行される画像処理工程(階調別色補正ブロック)をPCなどの演算装置において実行される画像処理方法として捉えることができる。
すなわち、本発明に係る画像処理方法は、記憶部を有する演算装置に入力される輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データについて階調別に色補正する画像処理方法であって、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを前記記憶部に記憶させる色補正テーブル記憶工程と、前記色補正テーブル記憶工程で記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択工程と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定工程と、前記色補正テーブル選択工程で選択された色補正テーブルから前記階調判定工程で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出工程と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正工程と、を備えることを特徴とするものである。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
また、本発明は、本発明の画像処理方法を演算装置で順次実行するように制御することとしたプログラムにも適用可能である。
【0055】
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
1 サブLCD
2 レリーズボタン
3 ストロボ発光部
4 撮影/再生切り換えダイヤル
5 測距ユニット
6 リモコン受光部
7 鏡胴ユニット
7−1 ズーム光学系
7−1a ズームレンズ
7−1b ズーム駆動モータ
7−2 フォーカス光学系
7−2a フォーカスレンズ
7−2b フォーカス駆動モータ
7−3 絞りユニット
7−3a 絞り
7−3b 絞りモータ
7−4 メカシャッタユニット
7−4a メカシャッタ
7−4b メカシャッタモータ
7−5 モータドライバ
8 AF LED(オートフォーカスLED)
9 ストロボLED
10 LCDモニタ
11a,11b 光学ファインダー
12 ズームボタン
13 電源スイッチ
14 操作部
101 CCD
102 F/E−IC
102−1 CDS
102−2 AGC
102−3 A/D
102−4 TG
103 SDRAM
104 デジタルスチルカメラプロセッサ
104−1 CCD1信号処理ブロック
104−2 CCD2信号処理ブロック
104−3 CPUブロック
104−4 Local SRAM
104−5 USBブロック
104−6 シリアルブロック
104−7 JPEG CODECブロック
104−8 RESIZEブロック
104−9 TV信号表示ブロック
104−10 メモリカードコントローラブロック
107 RAM
108 ROM
109 SUB−CPU
111 LCDドライバ
113 ブザー
114 ストロボ回路
115−1 音声記録回路
115−2 マイクAMP
115−3 マイク
116−1 音声再生回路
116−2 オーディオAMP
116−3 スピーカー
117 LCDドライバ
118 ビデオAMP
119 ビデオジャック
120 内蔵メモリ
121 メモリカードスロットル
122 USBコネクタ
123−1 シリアルドライバ回路
123−2 RS−232Cコネクタ
130 メモリカード
SW1〜SW13 keyユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2006−148607号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力される画像データについて階調別に色補正を行う画像処理装置、該画像処理装置を備え電子画像を撮像・再生するカメラ等の撮像装置並びにカメラ等で撮影した画像を処理する画像処理アルゴリズムからなる画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、固体撮像素子では高画素化が進み、それに伴い固体撮像素子を駆動する駆動パルスの高速化が進んでいる。その結果、画素の微細化に伴う隣接画素からの光の回り込みや、電荷転送不良により、隣の画素の信号量が漏れ込んでくる混色が発生する場合がある。
【0003】
また、CCDでは特殊な電荷転送を行うものも登場しており、画像の黒レベルが不安定となり特定の階調で着色が発生する場合がある。
【0004】
従来方式では、このような階調により着色が発生した場合には、階調によって(例えば、低輝度、高輝度など)色を抑圧する方式が用いられているが、色を抑圧することにより彩度を失い白黒画像となってしまう問題があった。
【0005】
なお、特許文献1では、色補正量決定部の決定結果と輝度信号Yのレベルに応じて色相、彩度を補正する技術が提案されているが、輝度信号Yのレベル(階調)に対して色補正量を決定する方法については記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、画像の彩度を失うことなく階調別に色補正を行うことが可能な画像処理装置、該画像処理装置を備える撮像装置並びに画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データが入力される画像入力部と、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを記憶する色補正テーブル記憶部と、前記色補正テーブル記憶部に記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択部と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定部と、前記色補正テーブル選択部で選択された色補正テーブルから前記階調判定部で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出部と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
〔2〕 前記色補正テーブルは、複数階調それぞれに対応して色補正値が設定されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔3〕 前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲に対応した全階調それぞれに色補正値を有するものであることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔4〕 前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲において幾つかの階調で設定される色補正値を色補正代表点として持つものであり、前記色補正値算出部は、該色補正テーブルの色補正代表点間を線形補間して色補正値Aを算出することを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔5〕 前記色補正テーブルは、色差信号Cb、Crそれぞれに対応して別に設けられた色補正テーブルのペアからなり、該ペアの色補正テーブルそれぞれにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定又は異なる設定とされていることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像処理装置。
〔6〕 前記画像データについて補色方向に色補正するときに、前記色補正テーブル選択部は、所定階調と色補正値との関係が同じ設定とされた前記ペアの色補正テーブルを選択することを特徴とする前記〔5〕に記載の画像処理装置。
〔7〕 前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする撮像装置。
〔8〕 記憶部を有する演算装置に入力される輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データについて階調別に色補正する画像処理方法であって、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを前記記憶部に記憶させる色補正テーブル記憶工程と、前記色補正テーブル記憶工程で記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択工程と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定工程と、前記色補正テーブル選択工程で選択された色補正テーブルから前記階調判定工程で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出工程と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正工程と、を備えることを特徴とする画像処理方法。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像データの輝度信号Yに対して階調判定部で判定を行い階調判定部の結果に応じた色補正値を用いて色信号Cb、Crを補正することにより、各階調毎に適切な色補正を行うことができる。また、特定階調で着色が発生する場合には特定階調のみに色補正が行え、効果的な階調別の色補正を行うことができる。更に、従来の色抑圧方式では抑圧レベルによっては色味を失い白黒の画像になってしまうという問題があったが、本発明では色味を失うことなく補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る撮像装置に一態様であるデジタルカメラの外観図である。
【図2】図1のデジタルカメラの制御系のブロック図である。
【図3】基本的な画像処理に関するフローチャートである。
【図4】ガンマ補正曲線と出力装置の入出力特性の関係を示す図である。
【図5】色補正処理の説明図である。
【図6】エッジ強調処理の説明図である。
【図7】本発明に係る画像処理装置における画像処理に関するフローチャートである。
【図8】階調別色補正ブロックにおける画像処理に関するフローチャートである。
【図9】所定階調に対応して所定の色補正値が設定された色補正テーブルの説明図である。
【図10】Cb、Cr信号の色補正テーブル設定例(1)を示す図である。
【図11】Cb、Cr信号の色補正テーブル設定例(2)を示す図である。
【図12】Cb、Cr信号の色補正テーブル設定例(3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る画像処理装置、撮像装置並びに画像処理方法について説明する。
ここでは、本発明についてデジタルカメラの実施形態を用いて説明を行うがこれに限定されず、カメラ機能を持つ電子機器、あるいは、画像を処理する画像処理IC、画像処理ソフトなど画像処理全般に適用することが可能である。
【0011】
図1は、本発明に係る撮像装置に一態様であるデジタルカメラの外観図であり、図2は、同デジタルカメラの制御系のブロック図である。
図1に示すように、デジタルカメラは、カメラ上面には、サブLCD(1)と、レリーズボタン(2)と、撮影/再生切り換えダイヤル(4)とを有する。サブLCD(1)は、例えば、撮影可能枚数など表示するための表示部である。また、カメラ正面には、ストロボ発光部(3)と、測距ユニット(5)と、リモコン受光部(6)と、鏡胴ユニット(7)と、光学ファインダー(正面)(11a)とを有する。メモリカードスロットル(121)は、メモリカード(130)を挿入するスロットルであり、カメラ側面に設けてある。更に、カメラ裏面には、AFLED(オートフォーカスLED)(8)と、ストロボLED(9)と、LCDモニタ(10)と、光学ファインダー(裏面)(11b)と、ズームボタン(12)と、電源スイッチ(13)と、操作部(14)とを有する。
【0012】
図1,図2に基づいてデジタルカメラの動作を説明する。
図1,図2において、ストロボ発光部(3),ストロボ回路(114)は、自然光などの光が足りない場合に光量を補う装置である。暗い場所や被写体が暗い場合の撮影においては、後述するデジタルスチルカメラプロセッサ(104)からストロボ回路(114)にストロボ発光信号を送信し、ストロボ回路(114)は、ストロボ発光部(3)を発光させ被写体を明るくする。
【0013】
測距ユニット(5)は、カメラと被写体との距離を測る装置である。現在、デジタルカメラでは、撮像素子(CCD)に形成された像のコントラストを検出し、最もコントラストの高い位置にレンズを移動させてフォーカスを合わせるCCD−AF方式が用いられている。しかし、CCD−AF方式は、レンズを少しずつ動かしコントラストを探していくためフォーカス動作が遅いという問題があった。そこで、測距ユニット(5)を用いて被写体との距離情報を常に取得し、距離情報からレンズを一気に移動してフォーカス動作を高速化している。温度センサ(不図示)は環境温度を測定する装置で、カメラ内外の温度を測定し、温度が異常に上昇している場合にはカメラの電源を落としたり、温度センサのデータを参照してカメラの制御内容を変更したりする。
【0014】
鏡胴ユニット(7)は、被写体の光学画像を取り込むズームレンズ(7−1a)、ズーム駆動モータ(7−1b)からなるズーム光学系(7−1)、フォーカスレンズ(7−2a)、フォーカス駆動モータ(7−2b)からなるフォーカス光学系(7−2)、絞り(7−3a)、絞りモータ(7−3b)からなる絞りユニット(7−3)、メカシャッタ(7−4a)、メカシャッタモータ(7−4b)からなるメカシャッタユニット(7−4)、各モータを駆動するモータドライバ(7−5)を有する。そして、モータドライバ(7−5)は、リモコン受光部(6)入力や操作部Keyユニット(SW1〜SW13)の操作入力に基づく、後述するカメラプロセッサ(104)内にあるCPUブロック(104−3)からの駆動指令により駆動制御される。
【0015】
ROM(108)には、CPUブロック(104−3)にて解読可能なコードで記述された、制御プログラムや制御するためのパラメータが格納されている。このデジタルカメラの電源がオン状態になると、前記プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPUブロック(104−3)はそのプログラムに従って装置各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を、一時的に、RAM(107)、及び後述するカメラプロセッサ(104)内にあるLocal SRAM(104−4)に保存する。ROM(108)に書き換え可能なフラッシュROMを使用することで、制御プログラムや制御するためのパラメータを変更することが可能となり、機能のVerUpが容易に行える。
【0016】
CCD(101)は、光学画像を光電変換するための固体撮像素子であり、F/E(フロントエンド)−IC(102)は、画像ノイズ除去用相関二重サンプリングを行うCDS(102−1)、利得調整を行うAGC(102−2)、ディジタル信号変換を行うA/D(102−3)、CCD1信号処理ブロック(104−1)より、垂直同期信号(以下、VDと記す。)、水平同期信号(以下、HDと記す。)を供給され、CPUブロック(104−3)によって制御されるCCD(101)、及びF/E−IC(102)の駆動タイミング信号を発生するTG(102−4)を有する。
【0017】
デジタルスチルカメラプロセッサ(104)は、CCD(101)よりF/E―IC(102)の出力データにホワイトバランス設定やガンマ設定を行い、又、前述したように、VD信号、HD信号を供給するCCD1信号処理ブロック(104−1)、フィルタリング処理により、輝度データ・色差データへの変換を行うCCD2信号処理ブロック(104−2)、前述した装置各部の動作を制御するCPUブロック(104−3)、前述した制御に必要なデータ等を、一時的に、保存するLocal SRAM(104−4)、パソコンなどの外部機器とUSB通信を行うUSBブロック(104−5)、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うシリアルブロック(104−6)、JPEG圧縮・伸張を行うJPEG CODECブロック(104−7)、画像データのサイズを補間処理により拡大/縮小するRESIZEブロック(104−8)、画像データを液晶モニタやTVなどの外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換するTV信号表示ブロック(104−9)、撮影された画像データを記録するメモリカードの制御を行うメモリカードコントローラブロック(104−10)を有する。
【0018】
SDRAM(103)は、前述したカメラプロセッサ(104)で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、CCD(101)から、F/E−IC(102)を経由して取りこんで、CCD1信号処理ブロック(104−1)でホワイトバランス設定、ガンマ設定が行われた状態の「RAW−RGB画像データ」やCCD2信号処理ブロック(104−2)で輝度データ・色差データ変換が行われた状態の「YCbCr画像データ」、JPEG CODECブロック(104−7)で、JPEG圧縮された「JPEG画像データ」などである。
【0019】
メモリカードスロットル(121)は、着脱可能なメモリカードを装着するためのスロットルである。内蔵メモリ(120)は、前述したメモリカードスロットル(121)にメモリカードが装着されていない場合でも、撮影した画像データを記憶できるようにするためのメモリである。
【0020】
LCDドライバ(117)は、後述するLCDモニタ(10)に駆動するドライブ回路であり、TV信号表示ブロック(104−9)から出力されたビデオ信号を、LCDモニタ(10)に表示するための信号に変換する機能も有している。
【0021】
LCDモニタ(10)は、撮影前に被写体の状態を監視する、撮影した画像を確認する、メモリカードや前述した内蔵メモリ(120)に記録した画像データを表示する、などを行うためのモニタである。
【0022】
ビデオAMP(118)は、TV信号表示ブロック(104−9)から出力されたビデオ信号を、75Ωインピーダンス変換するためのアンプであり、ビデオジャック(119)は、TVなどの外部表示機器と接続するためのジャックである。
【0023】
USBコネクタ(122)は、パソコンなどの外部機器とUSB接続を行う為のコネクタである。シリアルドライバ回路(123−1)は、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うために、前述したシリアルブロック(104−6)の出力信号を電圧変換するための回路であり、RS−232Cコネクタ(123−2)は、パソコンなどの外部機器とシリアル接続を行う為のコネクタである。
【0024】
SUB−CPU(109)は、ROM・RAMをワンチップに内蔵したCPUであり、操作Keyユニット(SW1〜13)やリモコン受光部(6)の出力信号をユーザの操作情報として、前述したCPUブロック(104−3)に出力したり、前述したCPUブロック(104−3)より出力されるカメラの状態を、後述するサブLCD(1)、AF LED(8)、ストロボLED(9),ブザー(113)の制御信号に変換して、出力する。
【0025】
サブLCD(1)は、例えば、撮影可能枚数など表示するための表示部であり、LCDドライバ(111)は、前述したSUB−CPU(109)の出力信号より、前述したサブLCD(1)を駆動するためのドライブ回路である。
【0026】
AF LED(8)は、撮影時の合焦状態を表示するためのLEDであり、ストロボLED(9)は、ストロボ充電状態を表すためのLEDである。尚、このAF LED(8)とストロボLED(9)を、メモリカードアクセス中などの別の表示用途に使用しても良い。
【0027】
操作Keyユニット(SW1〜13)は、ユーザが操作するKey回路であり、リモコン受光部(6)は、ユーザが操作したリモコン送信機の信号の受信部である。
【0028】
音声記録ユニット(115)は、ユーザが音声信号を入力するマイク(115−3)、入力された音声信号を増幅するマイクAMP(115−2)、増幅された音声信号を記録する音声記録回路(115―3)からなる。また、音声再生ユニット(116)は、記録された音声信号をスピーカーから出力できる信号に変換する音声再生回路(116−1)、変換された音声信号を増幅し、スピーカーを駆動するためのオーディオAMP(116−2)、音声信号を出力するスピーカー(116−3)からなる。
【0029】
上述のように構成されたデジタルカメラにおいて、本発明の構成について説明する。
まず、デジタルカメラの基本的な画像処理について説明する。
【0030】
<基本的画像処理>
図3に、基本的な画像処理手順のフローチャートを示す。
図3に示す画像処理は、図2のCCD1信号処理ブロック(104−1)及びCCD2信号処理ブロック(104−2)内に含まれる。なお、CCD(101)から出力される信号を1画素毎にサンプリングしA/D変換したものを画像処理されていない段階であるため一般的にRAWデータと呼び、画像処理部に入力するデータはこのRAWデータである。
【0031】
(S1:ホワイトバランス(WB)処理)
被写体からの光量を蓄積するCCD(101)のフォトダイオード上には1画素1画素にRED、GREEN、BLUEのいずれか1色のカラーフィルタが貼付されているが、フィルタの色によって透過する光量が変わってくるためフォトダイオードに蓄積される電荷量が異なっている。最も感度が高いのはGREENで、REDとBLUEはGREENと比較すると感度が低く約半分程度である。ホワイトバランス(WB)処理では、これらの感度差を補い、撮影画像の中の白色を白く見せるために、RとBにゲインを掛ける処理を行う。また、物の色は光源色(例えば、太陽光、蛍光灯など)によって変わってくるため、光源が変わっても白色を白く見せるようにRとBのゲインを変更し、制御する機能を有している。
【0032】
(S2:ガンマ(γ)補正処理)
図4(a)は、γ補正の曲線の一例を示すものである。横軸に入力信号、縦軸に出力信号を示しており、非線形な入出力変換を行う。一般的にLCDやCRTなどの出力装置では、図4(b)に示すように入力に対して出力は非線形な特性で出力される。このような非線形な出力の場合、明るさに階調性がなく、また画像が暗くなるため人は正しく画像を見ることができない。そこで、出力装置の特性を考慮して、出力が線形性を保つように予め入力信号に処理を行うのがガンマ補正処理である。
【0033】
(S3:補間処理)
CCD(101)ではベイヤ配列と呼ばれる配列で、1画素にRED、GREEN、BLUEのいずれか1色のカラーフィルタが貼付されており、RAWデータは1画素に1色の情報しかない。しかし、RAWデータから画像として見るためには、1画素にRED、GREEN、BLUEの3色の情報が必要であり、足りない2色を補うために周辺の画素から補間する補間処理を行う。
【0034】
(S4:YCbCr変換処理)
RAWデータの段階では、RED、GREEN、BLUEの3色によるRGBデータ形式であるが、YCbCr変換では輝度信号Yと色差信号CbCrのYCbCrデータ形式に変換を行う。デジタルカメラ等で一般的に用いられるファイル形式のJPEG画像では、YCbCrデータから画像が作成されるため、RGBデータをYCbCrデータに変換する。変換式は、以下の通りである。
Y = 0.299×R+0.587×G+0.114×B
Cb = −0.299×R−0.587×G+0.886×B
Cr = 0.701×R−0.587×G−0.114×B
【0035】
(S5:色補正処理)
色補正では、彩度設定、色相設定、部分的な色相変更設定、色抑圧設定などある。
図5はCbCr色空間を示すものである。ここで、彩度設定は色の濃さを決定するパラメータ設定であり、例えば、第2象限でREDの色に対して原点からREDのドットまでのベクトルの長さが長い程色の濃さは濃くなる。次に色相設定では、色合いを決定するパラメータである。例えば、図5の第3象限でGREENの色に対してベクトルの長さが同じであってもベクトルの向きが異なると色合いは変わってくる。部分的な色相変更設定では、図5の第4象限に示すように部分的な色領域を回転させる設定である。彩度が強いと色が濃くなる一方で色ノイズが強くなる傾向にある。そこで色抑圧設定では、例えば輝度信号に対してしきい値を設け、しきい値よりも低い又は高い領域に対して彩度を抑えることにより色ノイズを抑える制御を行う。
【0036】
(S6:エッジ強調処理)
エッジ強調処理とは、図6に示すように画像の輝度(Y)信号からエッジ部分を抽出するエッジ抽出フィルタ部と、エッジ抽出フィルタにより抽出されたエッジに対してゲインを掛けるゲイン乗算部と、エッジ抽出と並行して画像のノイズを除去するローパスフィルタ(LPF)部と、ゲイン乗算後のエッジ抽出データとLPF処理後の画像データを加算する加算部からなる。エッジの強弱は、ゲイン乗算部のゲインによって決まり、ゲインが大きい場合にはエッジが強くなり、ゲインが小さい場合にはエッジが弱くなる。また、エッジ抽出フィルタのフィルタ係数によってもエッジの検出方向やエッジの抽出量が変わるため重要なパラメータである。LPFのフィルタ係数では、画像を平滑化させて画像のノイズを減らしているが、LPFを強く掛けるとノイズは少なくなるが、一方で平滑化により細かな部分が潰れてしまい解像度が失われる傾向にある。
【0037】
(その他の処理)
画像処理には、その他に保存する画像サイズに変更するリサイズ処理、情報量を圧縮するJPEG圧縮処理などがある。
【0038】
つぎに、本発明の根幹部分である画像処理フローを説明する。
図7は、本発明の画像処理手順を示すフローチャートである。前述の図3の一般的な画像処理のフローチャートに対して、ステップS5の色補正の後にステップS5Aとして階調別色補正ブロック(機能)が追加されている点が異なっている。なお、この階調別色補正ブロックはステップS4のYCbCr変換の後であればどのタイミングで行ってもよい。例えば、ステップS5の色補正の前でもよいし、ステップS6のエッジ強調処理の後でもよい。なお、図1、図2に示すデジタルカメラにおいて、図7の画像処理を行う部分を画像処理装置と捉えることができる。
【0039】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、YCbCrデータについて所定画素数分ずつ、例えば1画素ずつ輝度信号Yから色補正値を算出し、色差信号Cb、Crを補正していく階調別色補正機能を有する。詳しくは、本発明に係る画像処理装置は、輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データが入力される画像入力部と、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを記憶する色補正テーブル記憶部と、前記色補正テーブル記憶部に記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択部と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定部と、前記色補正テーブル選択部で選択された色補正テーブルから前記階調判定部で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出部と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正部と、を備えることを特徴とするものである。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【0040】
この発明内容の詳細について図8を用いて説明する。
図8は、階調別色補正ブロックの処理内容を示すフローチャートである。
(S11:1画素分のY,Cb,Cr信号取得(画像入力部))
階調別色補正ブロックではまず始めに、画像開始位置の1画素分のY、Cb、Cr信号を取得する。なお、図7で階調別色補正ブロック(S5A)への入力時には、YCbCrブロック(S4)で画像データがRGB形式からYCbCrに変換されてYCbCr形式になっている。
【0041】
(S12:階調判定(階調判定部))
次に取得した1画素分のY、Cb、Cr信号のY信号(輝度信号)からどの階調にあるかを判定する。通常、Y信号は8ビットであり0から255の間の値をとる。階調判定は輝度信号が0から255のどの値であるかを判定する。
【0042】
(S13:色補正テーブル参照(色補正テーブル選択部、色補正値算出部))
次に、色補正テーブル参照である。ここで、色補正テーブルの概要について説明する。
図9は、色補正テーブルをグラフに表したものである。横軸を輝度信号Y、縦軸を色補正値Aにとり、(Cb又はCr信号について)所定階調に対応して所定の色補正値が設定されている。例えば、色補正テーブルは、複数階調それぞれに対応して色補正値が設定されている。また、色補正値Aはプラスまたはマイナスの設定可能な小数とする。
【0043】
図9(a)は、輝度信号Yの1LSB(最下位ビット)に1つずつ色補正値Aを設定しており、色補正テーブルは、輝度信号Yが取りうる0から255の整数値に対応した256個の色補正値となる。すなわち、画像データで取りうる輝度範囲に対応した全階調それぞれに色補正値を有する。これにより、階調ごとに細かく色補正を行うことができる。
【0044】
一方、図9(b)は、輝度信号Yに対しドットで示した色補正代表点を設定し、色補正代表点間は線形補間した例である。例えば、色補正テーブルとしては、画像データで取りうる輝度範囲において幾つかの階調で設定される色補正値を色補正代表点として持ち、後述する色補正値算出において、該色補正テーブルの色補正代表点間を線形補間して色補正値Aを算出する。これにより、色補正テーブルを記憶保持するROM(108)(色補正テーブル記憶部)のメモリ容量を減らすことができるとともに、補正値設定の作業負担を軽減することができる。図9(b)の場合には、16個の色補正代表点を設定で済むため、色補正テーブルは16個のデータとなり、図9(a)の場合に比べて1/16のデータ量となる。なお、色補正代表点の設定は、輝度信号Yと色補正値Aの組み合わせで任意に変更できるようにするとよい。
【0045】
また、色補正テーブルは、Cb信号とCr信号それぞれに対応して個別に持つようにし、Cb信号とCr信号の色補正テーブルを同じ設定にしてもよいし、それぞれ異なる設定値としてもよい。すなわち、前記色補正テーブルは、色差信号Cb、Crそれぞれに対応して別に設けられた色補正テーブルのペアからなり、該ペアの色補正テーブルそれぞれにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定又は異なる設定とされていることとしてもよい。このように色補正テーブルをCb信号とCr信号とで個別に設定できることにより、階調別の色補正に自由度が生まれ様々な補正方法が可能となる。
【0046】
このような色補正テーブルを1又は複数予め設定して用意し、図2に示すROM(108)(色補正テーブル記憶部)に格納しておき、SDRAM(103)或いはLocal SRAM(104−4)に適宜読み出して使用する(色補正テーブル選択部)。このときの色補正テーブルの選択は、ユーザが色補正テーブルの候補から手動で選択できるようにしてもよいし、撮影モードに対応して自動的に選択されたり、撮影シーン(例えば高輝度階調の色補正)に応じて自動的に選択されたりするようにしてもよい。
【0047】
以上のような色補正テーブルを用いて、階調判定で判定した輝度信号Yに対応する色補正値Aを選択された色補正テーブルから算出する(色補正値算出部)。
【0048】
(S14:Cb,Cr補正(色信号補正部))
次に、算出した色補正値Aから色差信号Cb、Crに対して色補正を行う。補正にあたっては、以下の式(1),(2)を用いて色信号Cb’、Cr’を算出し、色差信号Cb,Crに代えて輝度信号Yと補正後の色差信号Cb’、Cr’とする。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【0049】
(S15)
以上の処理が画像データの全画素について行われるまで繰り返して実行され、色補正後の画像データを得て終了する。
【0050】
以下に、階調別色補正ブロックによる補正効果について、3つの例を用いて説明する。
(補正効果例1)
図10は、低輝度部で緑色に着色した場合のCb、Cr信号の色補正テーブル設定例である。ここでは、Cb信号とCr信号の色補正テーブルにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定としている。
輝度信号Yが小さい領域で色補正値をプラス方向に設定することで、階調別色補正ブロックの処理により低輝度部の色を緑色から緑色の補色であるマゼンタ色側にシフトすることができ、低輝度部での緑色着色を緩和することができる。また、Cb、Cr信号の色補正テーブルを同じにすることで原点方向に向けてマゼンタ側にシフトさせており、色相が変化することがないため階調別色補正による色変化の違和感は少ない。
【0051】
(補正効果例2)
図11は、高輝度部でマゼンタ色に着色した場合のCb、Cr信号の色補正テーブル設定例である。ここでは、Cb信号とCr信号の色補正テーブルにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定としている。
輝度信号Yが大きい領域で色補正値をマイナス方向に設定することで、階調別色補正ブロックの処理により高輝度部の色をマゼンタ色からマゼンタ色の補色である緑側にシフトすることができ、高輝度部でのマゼンタ色着色を緩和することができる。また、Cb、Cr信号の色補正テーブルを同じにすることで原点方向に向けて緑側にシフトさせており、色相が変化することがないため階調別色補正による色変化の違和感は少ない。
【0052】
(補正効果例3)
図12は、Cr信号は補正せず、Cb信号のみ補正するときの色補正テーブル設定例である。Cr信号の色補正テーブルで色補正値を全階調において0にすることで、Cr信号に対しては色補正がされない。一方、Cb信号の方は、中間輝度よりやや高めの輝度信号領域で色補正値をマイナス方向に設定することで、中間輝度よりやや高めの階調で青色の補色である黄色側にシフトすることができ、状況により一部階調で青色に着色した場合には着色を緩和することができる。
【0053】
本実施例では、3つの色補正テーブル例を示したが、色補正テーブル設定例はこれ以外にも如何様にも設定可能であり、階調毎のホワイトバランス変更のような使い方も可能である。また、本発明は静止画像に限定されず、スルー画像や動画像においても実施可能である。例えばLCDモニタ(10)にスルー画像を出力するときに、LCDモニタ(10)のバックライトの色味でスルー画像が青白かったり、黄ばんでしまったりするような場合の補正に使用することができる。
【0054】
なお、本発明は、前述した画像処理装置において実行される画像処理工程(階調別色補正ブロック)をPCなどの演算装置において実行される画像処理方法として捉えることができる。
すなわち、本発明に係る画像処理方法は、記憶部を有する演算装置に入力される輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データについて階調別に色補正する画像処理方法であって、所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを前記記憶部に記憶させる色補正テーブル記憶工程と、前記色補正テーブル記憶工程で記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択工程と、入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定工程と、前記色補正テーブル選択工程で選択された色補正テーブルから前記階調判定工程で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出工程と、入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正工程と、を備えることを特徴とするものである。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
また、本発明は、本発明の画像処理方法を演算装置で順次実行するように制御することとしたプログラムにも適用可能である。
【0055】
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
1 サブLCD
2 レリーズボタン
3 ストロボ発光部
4 撮影/再生切り換えダイヤル
5 測距ユニット
6 リモコン受光部
7 鏡胴ユニット
7−1 ズーム光学系
7−1a ズームレンズ
7−1b ズーム駆動モータ
7−2 フォーカス光学系
7−2a フォーカスレンズ
7−2b フォーカス駆動モータ
7−3 絞りユニット
7−3a 絞り
7−3b 絞りモータ
7−4 メカシャッタユニット
7−4a メカシャッタ
7−4b メカシャッタモータ
7−5 モータドライバ
8 AF LED(オートフォーカスLED)
9 ストロボLED
10 LCDモニタ
11a,11b 光学ファインダー
12 ズームボタン
13 電源スイッチ
14 操作部
101 CCD
102 F/E−IC
102−1 CDS
102−2 AGC
102−3 A/D
102−4 TG
103 SDRAM
104 デジタルスチルカメラプロセッサ
104−1 CCD1信号処理ブロック
104−2 CCD2信号処理ブロック
104−3 CPUブロック
104−4 Local SRAM
104−5 USBブロック
104−6 シリアルブロック
104−7 JPEG CODECブロック
104−8 RESIZEブロック
104−9 TV信号表示ブロック
104−10 メモリカードコントローラブロック
107 RAM
108 ROM
109 SUB−CPU
111 LCDドライバ
113 ブザー
114 ストロボ回路
115−1 音声記録回路
115−2 マイクAMP
115−3 マイク
116−1 音声再生回路
116−2 オーディオAMP
116−3 スピーカー
117 LCDドライバ
118 ビデオAMP
119 ビデオジャック
120 内蔵メモリ
121 メモリカードスロットル
122 USBコネクタ
123−1 シリアルドライバ回路
123−2 RS−232Cコネクタ
130 メモリカード
SW1〜SW13 keyユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2006−148607号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データが入力される画像入力部と、
所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを記憶する色補正テーブル記憶部と、
前記色補正テーブル記憶部に記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択部と、
入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定部と、
前記色補正テーブル選択部で選択された色補正テーブルから前記階調判定部で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出部と、
入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【請求項2】
前記色補正テーブルは、複数階調それぞれに対応して色補正値が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲に対応した全階調それぞれに色補正値を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲において幾つかの階調で設定される色補正値を色補正代表点として持つものであり、
前記色補正値算出部は、該色補正テーブルの色補正代表点間を線形補間して色補正値Aを算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記色補正テーブルは、色差信号Cb、Crそれぞれに対応して別に設けられた色補正テーブルのペアからなり、該ペアの色補正テーブルそれぞれにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定又は異なる設定とされていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像データについて補色方向に色補正するときに、前記色補正テーブル選択部は、所定階調と色補正値との関係が同じ設定とされた前記ペアの色補正テーブルを選択することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
記憶部を有する演算装置に入力される輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データについて階調別に色補正する画像処理方法であって、
所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを前記記憶部に記憶させる色補正テーブル記憶工程と、
前記色補正テーブル記憶工程で記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択工程と、
入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定工程と、
前記色補正テーブル選択工程で選択された色補正テーブルから前記階調判定工程で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出工程と、
入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正工程と、
を備えることを特徴とする画像処理方法。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【請求項1】
輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データが入力される画像入力部と、
所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを記憶する色補正テーブル記憶部と、
前記色補正テーブル記憶部に記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択部と、
入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定部と、
前記色補正テーブル選択部で選択された色補正テーブルから前記階調判定部で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出部と、
入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【請求項2】
前記色補正テーブルは、複数階調それぞれに対応して色補正値が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲に対応した全階調それぞれに色補正値を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記色補正テーブルは、前記画像データで取りうる輝度範囲において幾つかの階調で設定される色補正値を色補正代表点として持つものであり、
前記色補正値算出部は、該色補正テーブルの色補正代表点間を線形補間して色補正値Aを算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記色補正テーブルは、色差信号Cb、Crそれぞれに対応して別に設けられた色補正テーブルのペアからなり、該ペアの色補正テーブルそれぞれにおける所定階調と色補正値との関係を同じ設定又は異なる設定とされていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像データについて補色方向に色補正するときに、前記色補正テーブル選択部は、所定階調と色補正値との関係が同じ設定とされた前記ペアの色補正テーブルを選択することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
記憶部を有する演算装置に入力される輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crからなる画像データについて階調別に色補正する画像処理方法であって、
所定階調に対応して所定の色補正値を有する1または複数の色補正テーブルを前記記憶部に記憶させる色補正テーブル記憶工程と、
前記色補正テーブル記憶工程で記憶された1または複数の色補正テーブルから所定の色補正テーブルを選択する色補正テーブル選択工程と、
入力画像データの所定画素数ごとに輝度信号Yから階調を判定する階調判定工程と、
前記色補正テーブル選択工程で選択された色補正テーブルから前記階調判定工程で判定された階調に対応する色補正値Aを入力画像データの所定画素数ごとに算出する色補正値算出工程と、
入力画像データの所定画素数ごとに、算出された色補正値A及び色差信号Cb、Crを用いて、下記の式(1),(2)により色信号Cb’、Cr’を算出し、輝度信号Yと色差信号Cb’、Cr’からなる色補正後の画像データとする色信号補正工程と、
を備えることを特徴とする画像処理方法。
Cb’=(1+A)×Cb ・・・(1)
Cr’=(1+A)×Cr ・・・(2)
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−187050(P2010−187050A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28053(P2009−28053)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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