説明

画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び電子装置

【課題】消費電力を抑えつつ、肌領域を精度良く検出する。
【解決手段】光源群23は、それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有し、光源群24は、それぞれ異なる指向特性で第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有し、LED制御部22は、被写体までの距離に応じて、光源群23及び24それぞれの照射部の光出力を制御し、撮像部26は、第1の波長の光が被写体に照射されているときに被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、第2の波長の光が被写体に照射されているときに被写体を撮像して得られる第2の画像を生成し、画像処理部28は、第1の画像と第2の画像との差分と、差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、肌領域を検出する。本発明は、例えば、人の手の動き等を検出する検出装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び電子装置に関し、特に、撮影した画像に基づいて、例えば人の手等の肌が露出している部分を検出できるようにした画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体(例えば、人物)を撮像して得られる撮像画像上から、顔や手などのように肌が露出している領域(以下、肌領域という)を検出する肌検出技術が存在する(例えば、特許文献1乃至3を参照)。
【0003】
この肌検出技術では、波長λ1の光を出力するLED(light emitting diode)によって照射された状態の被写体を撮像した第1の画像と、波長λ1とは異なる波長λ2の光を出力するLEDによって照射された状態の被写体を撮像した第2の画像とを取得する。そして、第1の画像と第2の画像との輝度値の差分が所定の閾値よりも大きな領域を肌領域として検出する。
【0004】
なお、波長λ1,λ2は、人間の肌の反射特性に依存して決定される。すなわち、人の肌に照射したときの反射率が異なり、かつ、人の肌以外(例えば、髪の毛、衣服など)に照射したときの反射率がほぼ等しいものに決定されている。具体的には、例えば、波長λ1は870nm、波長λ2は950nmとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−47067号公報
【特許文献2】特開平06−123700号公報
【特許文献3】特開平05−329163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
肌検出技術では、例えば、被写体までの距離が0.05[m]である場合において、被写体が存在する範囲を照射する指向特性の各LEDを用いるときには、被写体までの距離が5[m]である場合において、被写体が存在する範囲の他、被写体が存在せず、照射が不要な範囲に対しても、光を照射することとなる。
【0007】
このため、肌検出技術では、照射が不要な範囲に対しても、肌検出に必要な光出力で光を照射するため、照射光量が増大してしまい、各LEDの消費電力が大きくなってしまう。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、消費電力を抑えつつ、肌領域を精度良く検出できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面の画像処理装置は、画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する画像処理装置であって、それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御する照射制御手段と、前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成する撮像生成手段と、前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出する検出手段とを含む画像処理装置である。
【0010】
前記照射制御手段では、前記被写体までの距離が所定の距離未満である場合、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部のうち、指向特性の高い照射部の光出力が小さくなるとともに、指向特性の低い照射部の光出力が大きくなるように制御し、前記被写体までの距離が前記所定の距離以上である場合、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部のうち、指向特性の高い照射部の光出力が大きくなるとともに、指向特性の低い照射部の光出力が小さくなるように制御するようにすることができる。
【0011】
前記撮像生成手段により撮像される撮像領域内には、前記被写体までの距離に応じて、肌領域を検出するために必要な光出力で照射するための検出対象領域が予め決められており、前記被写体までの距離が、前記検出対象領域の水平方向の半幅、又は前記検出対象領域の垂直方向の半幅の少なくとも1つと、前記撮像生成手段の半画角とに基づいて決められる前記所定の距離以上であるか否かを判定する判定手段をさらに設けることができる。
【0012】
前記被写体までの距離を算出する距離算出手段をさらに設けることができ、前記照射制御手段では、算出された前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御することができる。
【0013】
前記第1及び第2の発光手段では、半値半角が前記撮像生成手段の半画角以上である照射部、又は半値半角が前記撮像生成手段の半画角以下である照射部の少なくとも1つを有するようにすることができる。
【0014】
前記第1の波長λ1、前記第2の波長λ2は次式の関係を満たす
630[nm]≦λ1≦1000[nm]
900[nm]≦λ2≦1100[nm]
ようにすることができる。
【0015】
本発明の第1の側面の画像処理方法は、画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する画像処理装置の画像処理方法であって、前記画像処理装置は、それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、照射制御手段と、撮像生成手段と、検出手段とを含み、前記第1の発光手段が、前記第1の波長の光を前記被写体に照射し、前記第2の発光手段が、前記第2の波長の光を前記被写体に照射し、前記照射制御手段が、前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御し、前記撮像生成手段が、前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成し、前記検出手段が、前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出するステップを含む画像処理方法である。
【0016】
本発明の第1の側面のプログラムは、画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する画像処理装置であって、それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成する撮像生成手段とを含む画像処理装置のコンピュータを、前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御する照射制御手段と、前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出する検出手段として機能させるためのプログラムである。
【0017】
本発明の第1の側面によれば、前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力が制御され、前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域が検出される。
【0018】
本発明の第2の側面の電子装置は、画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する電子装置であって、それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御する照射制御手段と、前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成する撮像生成手段と、前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出する検出手段と、検出された前記肌領域に基づいて、所定の処理を実行する実行手段とを含む電子装置である。
【0019】
本発明の第2の側面によれば、前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力が制御され、前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像が生成されるとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像が生成され、前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域が検出され、検出された前記肌領域に基づいて、所定の処理が実行される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光源による消費電力を抑えつつ、肌領域を精度良く検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した検出装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】人間の肌に対する分光反射特性の一例を示す図である。
【図3】撮像部の撮像範囲を説明するための図である。
【図4】指向特性の一例を示す図である。
【図5】近距離における照度分布の一例を示す図である。
【図6】遠距離における照度分布の一例を示す図である。
【図7】検出装置が行なう肌検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための形態(以下、本実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1. 本実施の形態(被写体までの距離に応じて指向特性の異なるLEDを用いる場合の例)
2. 変形例
【0023】
<1.本実施の形態>
[検出装置1の構成例]
図1は、本実施の形態である検出装置1の構成例を示している。この検出装置1は、例えば、それぞれ異なる指向特性を有する複数のLEDのうち、検出対象物41までの距離(以下、被写体距離という)に応じたLEDを点灯させ、効率的に光を照射するようにして、撮像した画像から検出対象物41としての人の肌領域(例えば、顔、手など)を精度良く検出できるようにしたものである。
【0024】
検出装置1は、コントローラ21、LED制御部22、光源群23、光源群24、光学フィルタ25、撮像部26、撮像制御部27、画像処理部28、及び距離算出部29により構成される。
【0025】
コントローラ21は、例えば、撮像部26の撮像により得られる第1及び第2の画像(後述する)上の被写体の輝度値が、飽和レベルの1/5以上であるという条件(肌領域を検出可能な条件)を満たすように、検出装置1の各部の動作を統括して制御する。
【0026】
すなわち、例えば、被写体までの距離が遠くなる程に、第1及び第2の画像の輝度値が減少する。第1及び第2の画像上の被写体の輝度値は、その値が小さくなりすぎるとノイズに埋もれてしまい、肌領域の検出ができなくなってしまう。また、第1及び第2の画像上の被写体の輝度値は、その値が大きくなりすぎて飽和(白とび)してしまっても、肌領域の検出ができなくなってしまう。
【0027】
そこで、コントローラ21は、肌領域を検出可能な条件として、第1及び第2の画像上の被写体の輝度値は、飽和レベルの1/5以上であるという条件を満たすように、被写体距離に応じて、検出装置1の各部の動作を制御するようにしている。なお、この条件は、本発明者が各撮像素子に対して実測した結果に基づく経験則から求められたものである。
【0028】
LED制御部22は、コントローラ21からの制御に従い、光源群23及び24の点灯タイミング、消灯タイミング、光出力レベルを制御する。
【0029】
光源群23は、砲弾型の各LEDにより構成される副光源群23−1、及び出射面が平坦な各LEDにより構成される副光源群23−2により構成される。光源群24は、砲弾型の各LEDにより構成される副光源群24−1、及び出射面が平坦な各LEDにより構成される副光源群24−2から構成される。なお、砲弾型のLEDは、出射面が平坦なLEDよりも指向特性が高くなっている。
【0030】
光源群23は、LED制御部22からの制御に従い、発光スペクトルのピーク波長がλ1である光(以下、波長λ1の光という)を発光する。すなわち、例えば、光源群23は、被写体距離が遠距離である程、指向特性が高い副光源群23−1の光出力が大きくなるように発光し、被写体距離が近距離である程、指向特性が低い副光源群23−2の光出力が大きくなるように発光する。
【0031】
光源群24は、LED制御部22の制御に従い、発光スペクトルのピーク波長がλ2である光(以下、波長λ2の光という)を発光する。すなわち、例えば、光源群24は、被写体距離が遠距離である程、指向特性が高い副光源群24−1の光出力が大きくなるように発光し、被写体距離が近距離である程、指向特性が低い副光源群24−2の光出力が大きくなるように発光する。
【0032】
なお、波長λ1,λ2の具体的な値については、図2を参照して後述する。
【0033】
光学フィルタ25は、撮像部26に入射する光を制限するよう撮像部26の前面に設けられており、例えば、その分光特性として波長λ1よりも短波長側の光及び波長λ2よりも長波長側の光を吸収し、波長λ1以上であって波長λ2以下の光を透過するようになされている。
【0034】
撮像部26は、集光レンズと、CCD、CMOSなどの撮像素子とを内蔵しており、撮像制御部27からの制御に従い、光学フィルタ25を透過してきた光(被写体からの反射光)を受光して画像を生成する。光源群23が発光しているときに生成される画像を第1の画像とし、光源群24が発光しているときに生成される画像を第2の画像とする。
【0035】
撮像部26は、生成した第1及び第2の画像を、撮像制御部27に供給する。
【0036】
撮像制御部27は、コントローラ21からの制御に従い、撮像部26の撮像タイミング、撮像時間(露光時間)、輝度値増幅のゲインなどを制御する。また、撮像制御部27は、撮像部26から供給される第1及び第2の画像を画像処理部28に出力する。
【0037】
画像処理部28は、撮像制御部27からの第1及び第2の画像の、対応する画素の輝度値Y1,Y2の差分である反射率差検出信号S=Y1−Y2を算出し、反射率差検出信号Sを所定の閾値と比較することにより2値化する。
【0038】
そして、画像処理部28は、その2値化により得られる2値化肌画像上の全領域のうち、2値の一方の領域(対応する反射率差検出信号Sが所定の閾値以上となっている領域)を肌領域として検出する。また、画像処理部28は、2値化肌画像を距離算出部29に供給する。
【0039】
なお、画像処理部28は、算出した反射率差検出信号Sを、例えば、輝度値Y1又はY2のいずれかで除算(正規化)した上で、2値化を行うようにしてもよい。
【0040】
距離算出部29は、被写体距離が近い程、被写体の肌領域の大きさ(例えば、肌領域の面積や幅等)が大きくなることを利用して、画像処理部28からの2値化肌画像上の肌領域の大きさに基づいて、被写体距離を算出し、コントローラ21に供給する。
【0041】
これにより、コントローラ21は、距離算出部29からの被写体距離に基づき、例えば、LED制御部22を制御して、光源群23を構成する副光源群23−1及び副光源群23−2それぞれの光出力、並びに光源群24を構成する副光源群24−1及び副光源群24−2それぞれの光出力を制御させる。
【0042】
なお、距離算出部29は、画像処理部28からの2値化肌画像上の肌領域の大きさに基づいて、被写体距離を算出するようにしたが、被写体距離を算出できれば、どのような算出方法により算出するようにしてもよい。
【0043】
具体的には、例えば、距離算出部29は、画像処理部28からの2値化肌画像に代えて、検出対象物41にレーザを照射して被写体距離を測定するレーザレンジファインダや、異なる視差が設けられた2台のカメラを用いて被写体距離を測定するステレオカメラ等を用いて、被写体距離を測定するようにしてもよい。
【0044】
[肌に対する分光反射特性]
次に、図2は、人間の肌に対する分光反射特性を示している。
【0045】
なお、この分光反射特性は、人間の肌の色の違い(人種の違い)や状態(日焼け等)等に拘らず、一般性があるものである。
【0046】
図2において、横軸は、人間の肌に照射される照射光の波長を示しており、縦軸は、人間の肌に照射された照射光の反射率を示している。
【0047】
これは、人間の肌について特有のものであり、人間の肌以外の物体(例えば、頭髪や衣服等)では、630乃至1100[nm]付近において、反射率の変化は緩やかとなっていることが多い。
【0048】
なお、波長λ1及びλ2の組合せは、人間の肌に対する反射率の差が比較的大きくなる組合せであって、人間の肌以外の部分に対する反射率の差が比較的小さくなる組合せである。
【0049】
具体的には、例えば、上述した分光反射特性において、波長λ1及びλ2の組合せとして、波長λ1が630[nm]以上であって1000[nm]以下であり、波長λ2が900[nm]以上であって1100[nm]以下であり、且つ、波長λ1が波長λ2よりも短い波長(波長λ1<波長λ2)(より好適には、波長λ1+40[nm]<波長λ2)となる組合せが採用される。
【0050】
[撮像部26の撮像範囲]
次に、図3を参照して、撮像部26の撮像範囲について説明する。図3は、撮像部26の上面図を示している。
【0051】
図3において、撮像部26の画角θを挟む2本の撮像範囲境界線L1及びL2により形成される三角形状の範囲は、撮像部26の撮像範囲を示している。
【0052】
図3において、撮像部26の光軸と一致するZ軸は、撮像部26(光源群23及び24)から被写体(検出対象物41)までの被写体距離zを示している。なお、本実施の形態では、撮像部26と、光源群23及び24とは、近接した状態で設置されているものとする。
【0053】
光源群23及び24は、予め決められた検出対象領域に対して、肌領域を検出可能な強度の光出力で光を照射する必要がある。
【0054】
具体的には、例えば、被写体距離zが0≦z≦a[m]である近距離において、検出対象物41は、被写体距離zにおける撮像領域(第1及び第2の画像に対応する領域)の多くを占めることとなる。したがって、被写体距離zが近距離である場合、被写体距離zにおける撮像領域を検出対象領域とし、その検出対象領域に対して、肌領域を検出可能な強度の光出力で光を照射する必要がある。
【0055】
これに対して、被写体距離zがa<z≦b[m]である遠距離において、検出対象物41は、主に、被写体距離zにおける撮像領域のうちの所定の領域(例えば、中央の領域)を占めることとなる。したがって、被写体距離zが遠距離である場合、被写体距離zにおける撮像領域のうちの所定の領域を含む領域を、検出対象領域とし、その検出対象領域に対して、肌領域を検出可能な強度の光出力で光を照射すればよい。
【0056】
なお、検出対象領域は、検出対象物41が移動すると想定される領域であって、予め実験等により決められているものとする。具体的には、例えば、検出対象領域は、横幅と縦幅とがそれぞれ、同一の幅(例えば、幅2×w)である領域をいう。また、距離aは、検出対象領域の半幅wと、撮像部26の画角θの半画角θ/2とにより決定される。具体的には、例えば、距離aは、撮像部26から、距離w/tan(θ/2)の1倍から2倍程度の距離とされる。
【0057】
本実施の形態では、図3に示されるように、距離w/tan(θ/2)の1倍を距離a(=w/tan(θ/2))としている。
【0058】
なお、検出対象領域の横幅と縦幅とが、それぞれ異なる幅jとkである場合、横幅j又は縦幅kの一方についての半幅wと、撮像部26についての半画角θ/2とに基づいて、距離w/tan(θ/2)が算出されることになる。
【0059】
また、検出対象領域の横幅と縦幅とが、それぞれ異なる幅jとkである場合、横幅jと縦幅kとの平均を求め、その結果得られる平均幅の半幅と、撮像部26についての半画角θ/2とに基づいて、距離w/tan(θ/2)を算出するようにしてもよい。
【0060】
[副光源群の指向特性について]
図4は、副光源群23−1及び24−1と、副光源群23−2及び24−2との指向特性を示している。
【0061】
図4において、横軸は、半画角θ/2を示しており、縦軸は、光の強度(相対値)を示している。なお、横軸の半画角θ/2において、正の値で表される角度は、撮像部26の光軸(図3のZ軸)と撮像範囲境界線L1との角度θ/2を示しており、負の値で表される角度は、撮像部26の光軸と撮像範囲境界線L2との角度を示している。
【0062】
副光源群23−1及び24−1それぞれを構成するLEDは、図4に示されるグラフ1のような高い指向特性を有している。具体的には、例えば、LEDの半値半角が、撮像部26の半画角θ/2以下となるような指向特性を有する。
【0063】
また、副光源群23−2及び24−2それぞれを構成するLEDは、図4に示されるグラフ2のような低い指向特性を有している。具体的には、例えば、LEDの半値半角が、撮像部26の半画角θ/2以上となるような指向特性を有する。
【0064】
なお、半値半角とは、LEDから照射される光の強度のうち、ピーク強度(を表す値)の半値で照射されている光の照射方向と、LEDの中心を通る方向との成す角度をいう。
【0065】
図4に示されるように、副光源群23−1及び24−1は、副光源群23−2及び24−2よりも高い指向特性を有する。
【0066】
このため、副光源群23−1及び24−1は、被写体距離zが遠距離である場合に、副光源群23−2及び24−2を用いるときと比較して、消費電力を抑制した状態で、検出対象領域に対して、肌領域を検出可能な強度の光出力で光を照射することが可能となる。
【0067】
また、図4に示されるように、副光源群23−2及び24−2は、副光源群23−1及び24−1よりも低い指向特性を有する。
【0068】
このため、副光源群23−2及び24−2は、被写体距離zが近距離である場合に、副光源群23−1及び24−1を用いるときと比較して、消費電力を抑制した状態で、検出対象領域に対して、肌領域を検出可能な強度の光出力で光を照射することが可能となる。
【0069】
次に、図5及び図6を参照して、副光源群23−1と、副光源群23−2との照度分布について説明する。なお、副光源群24−1と、副光源群24−2との照度分布は、副光源群23−1と、副光源群23−2との照度分布と同様となるため、その説明は以下省略する。
【0070】
[近距離における照度分布]
図5は、被写体距離zが近距離である場合、すなわち、例えば、被写体距離z=0.3[m]である場合の照度分布の一例を示している。
【0071】
図5において、横軸は、被写体距離zにおける撮像領域(検出対象領域)上の水平方向の位置を示しており、縦軸は、照度(相対値)を示している。なお、横軸において、撮像領域の中央の位置を0[m]としている。また、図5において、撮像部26の画角θは90度であるものとする。
【0072】
さらに、図5において、グラフ1は、副光源23−1における照度分布を示している。グラフ2は、副光源23−2における照度分布を示している。なお、副光源23−1と副光源23−2とのそれぞれの光出力(照射光における強度の積算値)は等しいものとしている。これらのことは、後述する図6についても同様である。
【0073】
なお、被写体距離z=0.3[m]における撮像領域(検出対象領域)において、撮像範囲境界線L1の位置は0.3[m]であり、撮像範囲境界線L2の位置は-0.3[m]である。
【0074】
図5のグラフ2において、±0.3[m]付近の位置における照度は、0[m]付近の位置における照度の約1/3程度であり、照射時間や露光時間等を調整することで、撮像部26の撮像により得られる第1及び第2の画像における各輝度値すべてを、飽和レベルの1/5以上の範囲内に収めることができる。
【0075】
これに対して、図5のグラフ1において、±0.3[m]付近の位置における照度は、0[m]付近の位置における照度と比較して非常に小さいものとなっており、撮像部26の撮像により得られる第1及び第2の画像における各輝度値すべてを、飽和レベルの1/5以上の範囲内に収めることはできない。
【0076】
したがって、被写体距離z=0.3[m]である場合には、図5のグラフ2に示されるような指向特性が低い副光源群23−2を用いることが望ましい。
【0077】
なお、副光源群23−1と副光源群22−2とは、同一の消費電力を消費して、同一の光出力で光を照射するものとなっている。また、図5では、±0.3[m]付近の位置における照度において、グラフ2は、グラフ1よりも高い照度を得ることができるようになっている。
【0078】
このため、消費電力の低減という観点からも、グラフ2に示されるような指向特性が低い副光源群23−2を用いることが望ましい。
【0079】
[遠距離における照度分布]
図6は、被写体距離zが遠距離である場合、すなわち、例えば、被写体距離z=3[m]である場合の照度分布の一例を示している。
【0080】
なお、被写体距離z=3[m]における撮像領域において、撮像範囲境界線L1の位置は3[m]であり、撮像範囲境界線L2の位置は-3[m]である。また、検出対象領域境界線T1の位置は1[m]であり、撮像範囲境界線T2の位置は-1[m]である。
【0081】
図6のグラフ1において、±1[m]付近の位置における照度は、0[m]付近の位置における照度と比較して約半分となっており、露光時間等を調整することで、輝度値を飽和レベルの1/5以上の範囲内に収めることができる。
【0082】
これに対して、図6のグラフ2における照度は、全体的に小さなものとなっており、肌領域を精度良く検出することができない。
【0083】
したがって、被写体距離z=3[m]である場合には、図6のグラフ1に示されるような指向特性が高い副光源群23−1を用いることが望ましい。
【0084】
なお、上述したように、副光源群23−1と副光源群22−2とは、同一の消費電力を消費して、同一の光出力で光を照射するものとなっている。また、図6では、±1[m]付近の位置における照度において、グラフ1は、グラフ2よりも高い照度を得ることができるようになっている。
【0085】
このため、消費電力の低減という観点からも、グラフ1に示されるような指向特性が低い副光源群23−1を用いることが望ましい。
【0086】
このため、例えば、検出装置1は、被写体距離zが近距離である程に、指向特性が低い副光源群23−2及び24−2の光出力を大きくするとともに、指向特性が高い副光源群23−1及び24−1の光出力を小さくするようにする。また、検出装置1は、被写体距離zが遠距離である程に、指向特性が低い副光源群23−2及び24−2の光出力を小さくするとともに、指向特性が高い副光源群23−1及び24−1の光出力を大きくするようにする。
【0087】
なお、検出装置1は、近距離において、グラフ2に示されるような指向特性が低い副光源群23−2及び24−2のみを用いるようにし、遠距離において、グラフ1に示されるような指向特性が高い副光源群23−1及び24−1のみを用いるようにして、肌領域を検出するようにしてもよい。
【0088】
[検出装置1の動作説明]
次に、図7のフローチャートを参照して、検出装置1が行う肌検出処理を説明する。
【0089】
ステップS1において、距離算出部29は、被写体距離zを算出し、コントローラ21に供給する。コントローラ21は、例えば、距離算出部29からの被写体距離zに基づいて、被写体距離zが距離a以下の近距離であるのか、被写体距離zが距離aよりも長い遠距離であるのかを判定し、その判定結果に基づいて、肌検出に用いるLEDを決定する。
【0090】
すなわち、例えば、コントローラ21は、被写体距離zが近距離である場合、光源群23を構成する副光源群23−1及び23−2のうち、指向特性の低い副光源群23−2を、光源群24を構成する副光源群24−1及び24−2のうち、指向特性の低い副光源群24−2をそれぞれ決定する。
【0091】
また、例えば、コントローラ21は、被写体距離zが遠距離である場合、光源群23を構成する副光源群23−1及び23−2のうち、指向特性の高い副光源群23−1を、光源群24を構成する副光源群24−1及び24−2のうち、指向特性の高い副光源群24−1をそれぞれ決定する。
【0092】
いまの場合、コントローラ21は、副光源群23−1及び24−1を決定したものとして、ステップS2以降の処理を説明する。
【0093】
なお、距離算出部29は、例えば、前回の肌検出処理において算出された2値化肌画像に基づいて、被写体距離zを算出して、コントローラ21に供給するものとする。
【0094】
ステップS2において、副光源群23−1は、LED制御部22からの制御に従い、波長λ1の光を被写体に照射する。ステップS3において、撮像部26は、撮像制御部27からの制御に従い、入射される被写体からの反射光を光電変換することにより第1の画像を生成し、撮像制御部27に供給する。
【0095】
ステップS4において、副光源群23−1は、LED制御部22からの制御に従い、消灯する。また、副光源群24−1は、LED制御部22からの制御に従い、波長λ2の光を被写体に照射する。ステップS5において、撮像部26は、撮像制御部27からの制御に従い、入射される被写体からの反射光を光電変換することにより第2の画像を生成し、撮像制御部27に供給する。
【0096】
そして、副光源群24−1は、LED制御部22からの制御に従い消灯する。撮像制御部27は、撮像部26からの第1及び第2の画像を、画像処理部28に供給する。
【0097】
ステップS6において、画像処理部28は、撮像制御部27からの第1及び第2の画像の、対応する画素の輝度値Y1,Y2の差分である反射率差検出信号S=Y1−Y2を算出する。なお、輝度値Y1は、第1の画像を構成する画素の輝度値であり、輝度値Y2は、第2の画像を構成する画素の輝度値であるとする。
【0098】
ステップS7において、画像処理部28は、反射率差検出信号Sを所定の閾値と比較することにより2値化し、その2値化により得られる2値化肌画像上の全領域のうち、2値の一方の領域を肌領域として検出する。また、画像処理部28は、2値化肌画像を距離算出部29に供給する。
【0099】
ステップS8において、画像処理部28は、生成した2値化肌画像を構成する各画素のうち、一方の領域を肌領域として検出する。以上で、肌検出処理は終了される。
【0100】
以上説明した肌検出処理によれば、被写体距離zに応じて決定された副光源群23−1及び24−1(又は副光源群23−2及び24−2)により光を照射するようにして得られる第1及び第2の画像を用いて、肌領域を検出するようにしたので、被写体距離zに拘らず、単一の指向特性を有する複数のLEDを用いる場合と比較して、照射による消費電力を少なくすることが可能となる。
【0101】
なお、LEDの光出力には制限があるため、単一の指向特性を有するLEDを用いる場合には、LEDの光出力の制限に応じて、肌領域を検出可能な距離が制限されることとなる。
【0102】
この点について、肌検出処理では、被写体距離zに応じて、より少ない消費電力で光を照射する指向特性を有する適切な副光源群を用いるようにしているので、単一の指向特性を有する複数のLEDを用いる場合と比較して、より遠い距離に存在する検出対象物41を検出することが可能となる。
【0103】
<2.変形例>
本実施の形態では、副光源群23−1及び24−1を、砲弾型のLEDにより構成し、副光源群23−2及び24−2を、出射面が平坦なLEDにより構成するようにして、それぞれ異なる指向特性を有するようにしたが、その他、例えば、レンズやミラー、偏光板等の光学部品を用いて、異なる指向特性を有するようにさせてもよい。
【0104】
また、本実施の形態では、光源群23として、2つの副光源群23−1及び23−2を採用することとしたが、3つ以上の、それぞれ異なる指向特性(それぞれ異なる半値半角)を有する副光源群を採用するようにしてもよい。具体的には、例えば、光源群23として、半値半角が半画角θ/2以上である副光源群、又は半値半角が半画角θ/2以下である副光源群の少なくとも1つを含む複数の副光源群を採用できる。このことは、光源群24についても同様である。
【0105】
本実施の形態である検出装置1は、例えば、テレビジョン受像機などの任意の電子装置に内蔵させることができる。その電子装置においては、検出された肌領域(例えば被写体の手など)の動きに応じ、所定の処理を実行するようにすることができる。
【0106】
次に、上述した一連の処理は、専用のハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、いわゆる組み込み型のコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0107】
[コンピュータの構成例]
図8は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータの構成例を示している。
【0108】
CPU(central processing unit)61は、ROM(read only memory)62、または記憶部68に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(random access memory)63には、CPU61が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU61、ROM62、およびRAM63は、バス64により相互に接続されている。
【0109】
CPU61にはまた、バス64を介して入出力インタフェース65が接続されている。入出力インタフェース65には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部66、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部67が接続されている。CPU61は、入力部66から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU61は、処理の結果を出力部67に出力する。
【0110】
入出力インタフェース65に接続されている記憶部68は、例えばハードディスクからなり、CPU61が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部69は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0111】
また、通信部69を介してプログラムを取得し、記憶部68に記憶してもよい。
【0112】
入出力インタフェース65に接続されているドライブ70は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア71が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部68に転送され、記憶される。
【0113】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを記録する記録媒体は、図8に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(compact disc-read only memory),DVD(digital versatile disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(mini-disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア71、または、プログラムが一時的もしくは永続的に記録されるROM62や、記憶部68を構成するハードディスクなどにより構成される。記録媒体へのプログラムの記録は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部69を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0114】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0115】
また、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 検出装置, 21 コントローラ, 22 LED制御部, 23 光源群, 23−1,23−2 副光源群, 24 光源群, 24−1,24−2 副光源群, 25 光学フィルタ, 26 撮像部, 27 撮像制御部, 28 画像処理部, 29 距離算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する画像処理装置において、
それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、
それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、
前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御する照射制御手段と、
前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成する撮像生成手段と、
前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出する検出手段と
を含む画像処理装置。
【請求項2】
前記照射制御手段は、
前記被写体までの距離が所定の距離未満である場合、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部のうち、指向特性の高い照射部の光出力が小さくなるとともに、指向特性の低い照射部の光出力が大きくなるように制御し、
前記被写体までの距離が前記所定の距離以上である場合、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部のうち、指向特性の高い照射部の光出力が大きくなるとともに、指向特性の低い照射部の光出力が小さくなるように制御する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記撮像生成手段により撮像される撮像領域内には、前記被写体までの距離に応じて、肌領域を検出するために必要な光出力で照射するための検出対象領域が予め決められており、
前記被写体までの距離が、前記検出対象領域の水平方向の半幅、又は前記検出対象領域の垂直方向の半幅の少なくとも1つと、前記撮像生成手段の半画角とに基づいて決められる前記所定の距離以上であるか否かを判定する判定手段をさらに含む
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記被写体までの距離を算出する距離算出手段をさらに含み、
前記照射制御手段は、算出された前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の発光手段は、半値半角が前記撮像生成手段の半画角以上である照射部、又は半値半角が前記撮像生成手段の半画角以下である照射部の少なくとも1つを有する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1の波長λ1、前記第2の波長λ2は次式の関係を満たす
630[nm]≦λ1≦1000[nm]
900[nm]≦λ2≦1100[nm]
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する画像処理装置の画像処理方法において、
前記画像処理装置は、
それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、
それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、
照射制御手段と、
撮像生成手段と、
検出手段と
を含み、
前記第1の発光手段が、前記第1の波長の光を前記被写体に照射し、
前記第2の発光手段が、前記第2の波長の光を前記被写体に照射し、
前記照射制御手段が、前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御し、
前記撮像生成手段が、前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成し、
前記検出手段が、前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項8】
画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する画像処理装置において、
それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、
それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、
前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成する撮像生成手段と
を含む画像処理装置のコンピュータを、
前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御する照射制御手段と、
前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出する検出手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項9】
画像上から人間の肌を表す肌領域を検出する電子装置において、
それぞれ異なる指向特性で第1の波長の光を被写体に照射する複数の照射部を有する第1の発光手段と、
それぞれ異なる指向特性で前記第1の波長よりも長波長である第2の波長の光を前記被写体に照射する複数の照射部を有する第2の発光手段と、
前記被写体までの距離に応じて、前記第1及び第2の発光手段それぞれの照射部の光出力を制御する照射制御手段と、
前記第1の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第1の画像を生成するとともに、前記第2の波長の光が前記被写体に照射されているときに前記被写体を撮像して得られる第2の画像を生成する撮像生成手段と、
前記第1の画像と前記第2の画像との差分と、前記差分と比較される閾値との比較結果に基づいて、前記肌領域を検出する検出手段と、
検出された前記肌領域に基づいて、所定の処理を実行する実行手段と
を含む電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−147(P2012−147A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135306(P2010−135306)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】