説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、入力画像データに対して効率的に画像処理を行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】複合装置1は、画像処理を伴う画像データの入力要求数と該画像入力要求の画像データに対して実行要求している画像処理特性を含む画像入力要求情報を管理し、第1画像処理制御部10が、該画像入力要求情報に基づいて所定順序に該画像入力要求を受け付けるとともに、該画像データに対して実行する画像処理段階を決定して、受け付けた画像データに対して必要な画像処理を決定した該画像処理段階まで画像処理部13a〜13nに行わせてハードディスク14aに保管し、第2画像処理制御部11が、ハードディスク14aに保管されている画像処理未完了の画像データを読み出して該画像データに対して未完了の画像処理を画像処理部13a〜13nで実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、入力画像データに対して効率的に画像処理を行う複写装置、複合装置、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複写装置、複合装置、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置においては、入力画像データ、例えば、スキャナ部で読み取られた画像データ、外部記憶部(例えば、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード等)から読み取られた画像データに対して各種画像処理を施して、一旦RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の一時保管メモリに保管し、該一時保管メモリに保管した画像データを再度必要な画像処理を施して、プリンタ部に送って記録出力に供したり、ネットワークを介してコンピュータ等に転送したり、ファクシミリ送信に供する等の各種出力処理を行う(特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の画像処理装置は、例えば、図24に示す複合装置1000のようにブロック構成されており、複合装置1000は、画像データバス1001に、画像入力部1002、画像処理部1003、画像出力部1004、メモリ1005、ハードディスク(HDD)1006及び外部I/F制御部1007等が接続されている。外部I/F制御部1007には、NIC(Network Interface Card)1008、FAX部1009及び操作部1010等が接続されており、また、複合装置1000は、図25に示すように、CPU(Central Processing Unit )1011、制御メモリ1012、メモリ制御部1013及びメモリ媒体部1014等を備えていて、制御バス1015によって各部が接続されている。なお、図25において、メモリ媒体部1014は、図24のメモリ1005及びハードディスク1006を総称したものであり、制御メモリ1012は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の制御プログラムや必要なシステムデータを格納する。複合装置1000は、CPU1011が、制御メモリ1012に格納されているプログラムに基づいて複合装置1000の各部を制御して、複合装置1000の各動作を実行する。すなわち、複合装置1000は、原稿を主走査及び副走査して原稿の画像を読み取るスキャナ部等の画像入力部1002から入力される画像データを一時メモリ1005に保管して、画像データの処理タイミング等に合わせて、該メモリ1005から複合装置1000内部の動作周波数、内部画像フォーマットで読み出して、画像処理部1003で、操作部1010で設定操作された画質や出力先の特性に応じた画質等に画像処理を施して、ハードディスク1006に保管する。また、複合装置1000は、NIC1008に接続されているネットワークを介してコンピュータ等の外部装置から受信した画像データやFAX部1009で受信したファクシミリ画像データをメモリ1005を介して画像処理部1003で画像処理した後、ハードディスク1006に保管する。
【0004】
そして、複合装置1000は、所定のタイミングに、ハードディスク1006に保管されている画像データを読み出して、画像処理部1003で必要な画像処理を施して、画像出力部1004で印刷出力したり、NIC1008に接続されているコンピュータ等の外部装置に送信したり、FAX部1009からファクシミリ送信に供する等の画像出力処理を行う。
【0005】
そして、画像処理部1003としては、例えば、図26に示すように、シェーディング補正部1003a、入力γ補正部1003b、フィルタ部1003c、色補正部1003d、出力γ補正部1003e及び階調処理部1003f等を備えている。シェーディング補正部1003aは、画像入力部1002の光源の光量ムラ及びCCDの受光感度のバラツキを補正して、CCDの出力を一定に補正し、また、白、黒の補正を行って、白を読み取ったときに基準となる白、黒を読み取ったときに基準となる黒になるように補正する。入力γ補正部1003bは、画像入力部1002で読み取られた反射率リニアなRGB画像信号を、濃度リニアなRGB画像信号に変換する。具体的には、入力γ補正部1003bは、画像入力部1002で読み取ったRGB入力データを3色分の変換テーブルにより適切なRGBデータに補正する。フィルタ部1003cは、原稿画像の持つ網点等の周期と画像入力部1002のサンプリング周期の周期的なずれから発生するモアレ等の除去の平滑化フィルタ処理、画像の文字部と写真部を判定して、文字部のみをシャープ化する強調フィルタ処理(MTF補正)等を行う。色補正部1003dは、画像入力部1002によってRGBデータで読み取られた画像を、例えば、プリンタ等の画像出力部1004の色材であるY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブラック)のトナー濃度に変換したり、画像出力部1004がRGBディスプレイであると、そのRGBディスプレイの表示色特性に合わせてRGBデータを変換する。出力γ補正部100eは、入力γ補正部1003bと同様の構成を有し、YCMKの色材を使用するプリンタ等の画像出力部1004に出力する場合、YCMKの4色分のテーブルを用いて、該画像出力部1004の画像濃度特性に合わせて出力画像のグレーまたはカラーバランスを補正する。階調処理部1003fは、画像の階調性を保持するための処理、ディザマトリクスによる2値ディザ処理や多値ディザ処理等を行う。
【0006】
すなわち、従来の複合装置1000等の画像処理装置は、画像データをハードディスク1006等の画像記憶部(メモリ)に保管した後、画像記憶部から適宜読み出して画像処理部で画像処理を施すことで、画像特性に応じた画像処理を共通に取り扱って、処理制御の簡素化とスピードアップが図られている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−48113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術にあっては、画像入力部から入力される画像データをメモリ媒体を利用して必要な画像処理を画像処理部で適宜施して出力に供することができるが、近年、コピー、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ(FAX)等の複数のアプリケーション機能に対応する画像処理を利用するデータ量、データ種別が加速度的に増加しおり、これらのアプリケーションを統合的にかつ同時処理する要求が高くなっている。このような要求に対応するために、例えば、上記複合装置1000の場合、図27に示すように、画像入力調停部1020と複数の画像処理部1003a〜1003dを設け、画像入力調停部1020に複数の画像入力部1002a〜1002dを接続する。そして、複数の画像入力部1002a〜1002dからの画像入力を画像入力調停部1020で調停して、メモリ1005に一旦保管した後、複数の画像処理部1003a〜1003で順次画像処理を行うことで、画像入力及び画像処理の効率化を図ることが行われている。
【0009】
ところが、このようなメモリアクセスと画像処理を繰り返し行うような画像処理装置においては、大量の画像データを入力する場合、メモリに蓄積した画像データへのアクセスが頻繁に発生し、制御が複雑になるとともに、画像データをメモリから読み出して画像処理部で画像処理を行っている間は、画像入力部からの画像入力を行うことができず、効率が悪いという問題がある。さらに、さらなる生産性が求められ、複数の画像入力部を搭載して複数の画像データの読み込みを行う画像処理装置では、処理効率がさらに悪化して、生産効率がさらに低下するという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、画像データの入力と画像処理を効率的に行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、所定の画像処理を伴う画像データの入力要求数と該画像入力要求の画像データに対して実行要求している画像処理特性を含む画像入力要求情報を管理し、該画像入力要求情報に基づいて所定順序に該画像入力要求を受け付けるとともに、該画像データに対して実行する画像処理段階を決定して、受け付けた画像データに対して、複数の画像処理手段を独立して制御して、決定した該画像処理段階までの画像処理を行って画像データ保管手段に保管し、該画像データ保管手段に保管されている画像データのうち画像処理が途中で中断された画像処理未完了の画像データを読み出して、複数の画像処理手段を独立して制御して、該画像データに対して該画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を実行することを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、前記画像データ保管手段に保管された前記画像データに関する前記画像処理特性に応じた画像処理のうち画像処理の完了した段階を示す画像処理完了段階情報を該画像処理特性とともに該画像データに関連付けて画像処理関連情報記憶手段に記憶し、該画像データ保管手段に保管されている画像処理未完了の画像データに対して、該画像処理関連情報記憶手段に該画像データに対応して記憶されている該画像処理関連情報及び前記画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を実行することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の画像入力要求が発生した場合にも、画像データの入力と画像処理を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0015】
図1〜図23は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した複合装置1のブロック構成図である。
【0016】
図1において、複合装置1は、複数の画像入力部2a〜2n、画像入力調停部3、画像入力稼働率検知部4、画像出力部5、外部I/F制御部6、NIC7、FAX部8、操作部9、第1画像処理制御部10、第2画像処理制御部11、入力特性情報メモリ12、複数の画像処理部13a〜13n及びハードディスク(HDD)14a、14b等を備えており、上記画像入力調停部3、画像入力稼働率検知部4、画像出力部5、外部I/F制御部6、第1画像処理制御部10及び第2画像処理制御部11は、バス15に接続されている。
【0017】
NIC7には、ネットワーク16が接続されており、ネットワーク16には、例えば、図2に示すように、コンピュータ、スキャナ装置、他の複合装置等の外部の画像入力部17a〜17nが接続されている。NIC7は、ネットワーク16に接続されている機器、特に、画像入力部17a〜17eとの間の通信を行い、該画像入力部17a〜17nから画像データを受け取る。なお、図2では、画像入力部17a、17bとして、画像データを作成・編集したりCD、DVD、SDカード等から画像データを読み込むコンピュータが、画像入力部17cとして、原稿を主走査及び副走査して原稿の画像データを読み取るスキャナ装置が、画像入力部17d、17mとして、複合装置が、ネットワーク16に接続されている状態を示している。これらの画像入力部2a〜2nは、読み取った画像データや編集・作成した画像データを、ネットワーク16を介して複合装置1に送信する。なお、ネットワーク16に接続されるのは、画像入力部17a〜17eに限るものではなく、画像出力部も接続されていてもよい。
【0018】
画像入力部2a〜2nは、スキャナ部、CD−ROM、DVD、SDカード等の記憶メディアを読み取る記憶メディア読み取り部等であり、スキャナ部としては、例えば、図3に示すようなスキャナ部2sが用いられる。スキャナ部2sは、ADF(Auto Document Feeder)20、コンタクトガラス21、光学走査ユニット22、CCD(Charge Coupled Device )ユニット23及び画像出力I/F24等を備えており、ADF21は、その原稿台上にセットされた原稿Gを、1枚ずつコンタクトガラス21の光学走査ユニット22による読み取り位置を通過させた後、ADF21の排紙台上に排出する。CCDユニット23は、キセノンランプ等の光源25及びミラー26等を搭載して、主走査方向(図3の左右方向)に移動可能に配設されており、ADF21によってコンタクトガラス21上の読み取り位置を搬送される原稿Gに光源25から読み取り光を照射して、原稿Gで反射された読み取り光をミラー26によってCCDユニット23に反射する。CCDユニット23は、レンズ27、CCD28及びスキャナ画像処理部29等を備えており、光学走査ユニット22からの読み取り光をレンズ27でCCD28に集光する。CCD28は、入射される読み取り光を光電変換して、デジタル画像データ(例えば、8ビットのデジタル画像データ)に変換した後、スキャナ画像処理部29に出力する。スキャナ画像処理部29は、CCD28の個体差による画像データのバラツキ補正等の各種画像処理を行って、画像出力I/F24を介して画像入力調停部3に出力する。
【0019】
画像入力調停部3は、複数の画像入力部2a〜2nからの画像送信のプロトコルに基づいて、複数の画像データ転送の調停を行い、画像入力部2a〜2nからの画像入力要求を画像入力稼働率検知部4に出力し、また、画像入力部2a〜2nから画像データを受け取って、第1画像処理制御部10に渡す。
【0020】
FAX部8には、公衆電話回線等の回線が接続されており、FAX部8は、外部I/F制御部6を介して受け取った画像データを回線に接続されているファクシミリ装置等にファクシミリ送信し、また、回線を介してファクシミリ受信した画像データを外部I/F制御部6に渡す。FAX部8は、画像入力部(画像入力手段)として機能して、ファクシミリ受信要求を、外部I/F制御部6を介して画像入力要求として画像入力稼働率検知部4に出力し、ファクシミリ受信した画像データを、バス15を介して第1画像処理制御部10に渡す。
【0021】
操作部9は、複合装置1に動作させる各種命令の入力される操作キー等が設けられており、また、CD、DVD、SDカード等の記憶媒体を読み取る記憶媒体読み取り部を備えている。操作部9は、キー操作に応じて記憶媒体読み取り部で読み取った画像データの入力要求を、外部I/F制御部6を介して画像入力要求として画像入力稼働率検知部4に出力し、該記憶媒体読み取り部の読み取った画像データを、バス15を介して第1画像処理制御部10に渡す。上記画像入力部2a〜2n、画像入力部17a〜17n、FAX部8及び操作部9は、全体として画像入力手段として機能している。
【0022】
画像入力稼働率検知部4には、画像入力調停部3を介して画像入力部2a〜2nからの画像入力要求が入り、また、画像I/F制御部6を介して画像入力部17a〜17n、FAX部8からの画像入力要求が入り、さらに、操作部9が備えているCD、DVD、SDカード等の媒体からの画像データ入力要求が入る。画像入力稼働率検知部4は、画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9からの画像入力要求の有無及び同時に発生している画像入力要求を検知して、どれくらいの画像入力要求が発生しているのかを示す稼働率(画像入力要求量)を算出して第1画像処理制御部10及び第2画像処理制御部11に出力する。この稼働率とは、複数の画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9のうち、同時にいくつの画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9から画像入力要求があるのか、または、単位時間内にどれだけの画像入力要求が発生したか等によって算出される画像入力要求量である。画像入力画像率検知部4は、画像バス15とは独立して配置されており、随時現在の画像入力の稼動率を正確に算出可能な構成となっている。
【0023】
画像出力部5は、ハードディスク14a、14bに蓄積されている画像データを用紙に印刷出力するプリンタ部や表示出力するディスプレイ部であり、プリンタ部としては、例えば、図4に示すようなプリンタ部30が用いられる。図4において、プリンタ部30は、電子写真方式のプリンタ部であり、ビデオI/F31、プリンタ画像処理部32、レーザユニット33、感光体ドラム34、1次帯電器35、現像器36、転写器37、クリーニング部38、除電部39、搬送ベルト40、定着器41、給紙ユニット42及び用紙搬送部43等を備えている。プリンタ部30は、ビデオI/F31から入力される画像データに対して、プリンタ画像処理部32でプロッタ部30の特性に応じた画像処理を施して、レーザユニット33に送り、レーザユニット33で、該画像データに基づいて変調したレーザビーム(LB)を、図4において時計方向に回転駆動される感光体ドラム35に照射して感光体ドラム35に静電潜像を形成する。プリンタ部30は、静電潜像の形成された感光体ドラム35の静電潜像にその帯電量に応じて現像器36からトナーを付着させて現像し、トナー画像を形成する。プリンタ部30は、給紙ユニット42に収納されている転写用紙を1枚ずつ給紙ユニット42から用紙搬送部43に送り出し、用紙搬送部43によって感光体ドラム35と転写器37の間に搬送する。プリンタ部30は、感光体ドラム35と転写器37との間に搬送されてきた転写用紙に、感光体ドラム35上のトナー画像を転写器37によって転写する。プリンタ部30は、カラー画像を印刷出力するときには、YCMK(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)の各色のうち、最初の色のトナー画像の転写を行うと、転写用紙を転写器37に沿って回転させて再度感光体ドラム34との間に送って、次の色のトナー画像を重ね合わせて転写する動作を全ての色について行い、カラートナー画像の転写用紙への転写を完了すると、搬送ベルト40によってトナー画像の転写された転写用紙を定着器41に搬送する。定着器41は、トナー画像の転写された転写用紙を搬送しつつ加熱・加圧して、トナー画像を転写用紙に定着させ、定着の完了した転写用紙を排紙トレイ44上に排出する。
【0024】
外部I/F制御部6には、NIC7、FAX部8及び操作部9等が接続されており、これらの各部7〜9との通信を行って、データの送受信を行うとともに、上記画像入力部17a〜17n、FAX部8及び操作部9からの画像入力要求を画像入力稼働率検知部4に出力する。
【0025】
画像処理部13a〜13nは、それぞれ第1画像処理制御部10及び第2画像処理制御部11によって独立して動作制御され、画像データに対して独立してそれぞれ各種画像処理を施して、動作指示された第1画像処理制御部10または第2画像処理制御部11に出力する。画像処理部13a〜13nは、例えば、図5に示すように、入力補正処理部13a、密度変換処理部13b、画像認識処理部13c、画像回転処理部13d、出力補正処理部13e及び圧縮伸張処理部13f等であり、入力補正処理部13aは、画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9から入力された画像データをそれぞれの入力画像データの特性に応じて入力画像の色特性、階調特性の歪を補正して、複合装置1の処理可能な画像データに変換する。密度変換処理部13bは、操作部9からの指定及びFAX部8や送信先の機器の出力条件に応じて画像データの密度を変換し、画像認識処理部13cは、入力画像の文字部、写真部等の検知を行って、文字部には文字の先鋭性を向上させるための処理、写真部には写真の階調性を向上させる処理を行ったり、読み込んだ画像が有価証券等であると、その検知を行って不正なコピーを防止するための画像認識処理を行う。画像回転処理部13dは、読み込んだ画像が、例えば、A4縦のような縦長の画像であって、出力要求元がA4横のような横長の出力を要求している場合等に、画像を90度回転させる等のように、画像の回転を行い、出力補正処理部13eは、出力装置(例えば、画像出力部5)の特性に応じて画像データの色特性、階調特性を変換し、圧縮伸張処理部13fは、例えば、ハードディスク14a、14bに格納する場合の格納効率を向上させるために、画像データを圧縮処理したり、逆に、圧縮された画像データを元の画像データに戻す伸張処理を行う。
【0026】
再び、図1に戻って、入力特性情報メモリ12は、画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8、操作部9から入力される画像データの画像特性(例えば、入力機器のガンマ特性等)、操作者が操作部9から指定した各種画像処理内容(例えば、拡大/縮小の画像処理指定、回転の画像処理指定等)が保管され、第1画像処理制御部10及び第2画像処理制御部11によって読み取られて、各画像処理部13a〜13nが処理を行う場合の画像変換情報、画像加工情報として使用される。
【0027】
すなわち、第1画像処理制御部10は、後述するように、画像入力要求の稼働率に基づいて画像処理段階を決定して、決定した該画像処理段階で、入力画像データに対する画像処理部13a〜13nでの画像処理を途中中断して一旦ハードディスク14aに保管し、第2画像処理制御部11が、該中断されて画像処理が未完了の画像データをハードディスク14aから読み出して画像処理部13a〜13nに続きの画像処理を実行させるが、この続きの画像処理を行うためには、第1画像処理制御部10によって、該画像データに対して処理すべき情報として入力されている画像入力特性(画像入力要求情報:画像変換情報、画像加工情報)と前回どこまでの画像処理を画像処理部13a〜13nに実施させたのかを示す画像処理中断情報(画像処理完了段階情報)を、該画像データに関連させて記憶しておく必要がある。そこで、入力特性情報メモリ12は、第1画像処理制御部10の制御下で、途中中断した画像データのジョブファイルに、処理中断情報を関連付けて付帯情報としてファイルヘッダに書き込む。例えば、図6に示すように、画像処理ジョブの画像ファイルは、ヘッダ部とデータ部(本体部)で構成され、ヘッダ部にファイル名(ジョブ名)、画像入力特性情報(画像変換情報、画像加工情報)及び画像処理中断情報を格納して、さらにその後にファイルのデータ部(本体部)の格納されているハードディスク14aのアドレスを格納する。このアドレスから本体である画像データの格納位置を特定して、その画像処理ジョブが画像処理を途中中断した画像処理ジョブであるか、途中中断した画像処理ジョブであると、どこで画像処理を中断したのかを画像データに関連付けられたヘッダ情報から知ることができる。そこで、この画像処理ジョブのジョブファイルを画像処理中断ジョブファイルテーブルとして、入力特性情報メモリ12に記憶し、画像処理ジョブの入力要求(画像入力要求)が少なくなった時点で、再度、画像処理の再開を実施する場合に、迅速に実行すべき画像処理ジョブを選定して、再画像処理の開始位置が決定できるようにする。なお、画像処理ジョブは、途中中断されても、ページの途中で処理が中断されるのではなく、画像処理部13a〜13nで実行を開始した画像処理については、全てのページに対して該画像処理が完了し、実行すべき画像処理であるが稼働率から実行を中止した画像処理については、いずれのページの画像データに対しても画像処理を実行されていない状態となる。
【0028】
ハードディスク14a、14bは、第1画像処理制御部10及び第2画像処理制御部11によって画像データの書き込み及び読み出しが行われ、それぞれ独立してアクセスされて画像データの書き込み及び読み出しが行われる。
【0029】
第1画像処理制御部10は、入力特性情報メモリ12、複数の画像処理部13a〜13n及びハードディスク14a、14bに全二重で送受信可能に接続されており、入力特性情報メモリ12から画像変換情報、画像加工情報を読み出して、該画像変換情報、画像加工情報に基づいて、バス15から入力される画像データに対する各画像処理部13a〜13nでの画像処理を制御する。第1画像処理制御部10は、各画像処理部13a〜13nからそれぞれの画像処理部13a〜13nで画像処理済みの画像データを受け取って、決定した画像処理手順に応じた次の画像処理部13a〜13nまたはハードディスク14aに画像データを転送する。
【0030】
第2画像処理制御部11は、入力特性情報メモリ12、複数の画像処理部13a〜13n及びハードディスク14a、14bに全二重で送受信可能に接続されており、入力特性情報メモリ12から画像変換情報、画像加工情報を読み出して、該画像変換情報、画像加工情報に基づいて、ハードディスク14aから読み出した画像データに対する各画像処理部13a〜13nでの画像処理を制御する。第2画像処理制御部11は、各画像処理部13a〜13nからそれぞれの画像処理部13a〜13nで画像処理済みの画像データを受け取って、決定した画像処理手順に応じた次の画像処理部13a〜13nまたはハードディスク14bに画像データを転送する。
【0031】
なお、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理制御方法を実行する画像処理制御プログラムを読み込んでROMやハードディスク等に導入することで、後述する画像入力要求を効率的に処理する画像処理制御方法を実行する画像処理装置として構築されている。この画像処理制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0032】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、多数の画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9からの画像入力要求の稼働率に基づいて画像入力要求の許可・不許可と複数の画像処理部13a〜13nでの画像処理の実行を適切に制御する。なお、以下の説明では、ハードディスク14aに、1画像処理ジョブ分のバッファ領域が設けられていて、1つの画像処理ジョブのみをハードディスク14aの該バッファ領域にバッファリングするものとして説明するが、ハードディスク14aに1つのジョブ分以上のバッファ領域を設けて、1つ以上の画像処理ジョブの画像データをハードディスク14aの該バッファ領域にバッファリングしてもよい。
【0033】
すなわち、複合装置1は、多数の画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9から画像データの入力要求を受け付け、複合装置1に設けられている画像入力部2a〜2nについては、画像入力調停部3でその画像入力要求を調停するとともに、該画像入力要求を画像入力稼働率検知部4に出力し、また、その他の画像入力部17a〜17n、FAX部8及び操作部9については、画像入力要求を外部I/F制御部6を介して画像入力稼動率検知部4に出力する。
【0034】
画像入力稼働率検知部4は、画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9からの画像入力要求の有無及び同時に発生している画像入力要求を検知して、どれくらいの画像入力要求が発生しているのかを示す稼働率を算出して第1画像処理制御部10及び第2画像処理制御部11に出力する。
【0035】
第1画像処理制御部10は、図7に示すような稼働率対応画像処理実行テーブルを内部不揮発性メモリに格納している。図7において、入力待ちジョブ数は、画像入力稼働率検知部4の検知した入力待ち状態にある画像入力要求の画像処理ジョブの数であり、画像入力は、該入力待ちジョブの画像データの入力を実行するか否かを示していて、停止は画像処理ジョブの入力停止、実行J1は、入力待ちジョブのうち先頭に位置する画像処理ジョブの入力実行、バッファリングJ2は、入力待ちジョブのうち2番目に位置する画像処理ジョブのHDD14aへのバッファリングの実行をそれぞれ示している。また、画像処理GS1〜GS4は、画像処理部13a〜13dにおける画像処理を示しており、停止は、該画像処理部13a〜13dでの画像処理の停止、実行は、該画像処理部13a〜13dにおける画像処理の実行を示している。そして、第1画像処理制御部10は、画像入力稼働率検知部4からの稼働率に基づいて該稼働率対応画像処理実行テーブルを参照して、入力待ちジョブの画像処理の実行計画(画像処理実行計画)を決定して、該画像処理実行計画に基づいて画像処理ジョブの画像処理を実行する。
【0036】
また、第2画像処理制御部11は、図8に示すような稼働率対応再画像処理実行テーブルを内部不揮発性メモリに格納している。図8において、入力待ちジョブ数は、画像入力稼働率検知部4の検知した入力待ち状態にある画像入力要求の画像処理ジョブの数であり、画像入力は、該入力待ちジョブの画像データの入力を実行するか否かを示していて、停止は画像処理ジョブの入力停止、バッファリングJ1は、入力待ちジョブのうち先頭に位置する画像処理ジョブのHDD14aへのバッファリングの実行をそれぞれ示している。また、画像処理GS1〜GS4は、画像処理部13a〜13dにおける画像処理を示しており、停止は、該画像処理部13a〜13dでの画像処理の停止、実行は、該画像処理部13a〜13dにおけるHDD14aに途中停止された画像処理ジョブに対する画像処理の実行を示している。そして、第2画像処理制御部11は、画像入力稼働率検知部4からの稼働率に基づいて該稼働率対応再画像処理実行テーブルを参照して、入力待ちジョブ及び途中中断の画像処理ジョブの画像処理の実行計画(画像処理実行計画)を決定して、該画像処理実行計画に基づいて画像処理ジョブの画像処理を実行する。
【0037】
まず、画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9から入力要求のある画像データに対する画像処理について、図9から図13に基づいて説明する。複合装置1は、画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9から画像データの入力要求があると、その画像入力要求の稼働率を画像入力稼働率検知部4で算出して、第1画像処理制御部10及び第2画像処理制御部11に出力する。第1画像処理制御部10は、画像入力稼働率検知部4からの稼働率に基づいて、図7に示した稼働率対応画像処理実行テーブルを参照して、画像処理実行計画を決定し、該決定した画像処理実行計画に応じて入力待ちジョブの画像処理を実行する。
【0038】
すなわち、図7において、入力待ちジョブがないときには、実行すべき画像処理ジョブが存在しないため、画像処理ジョブの入力処理、画像処理部13a〜13nでの画像処理の実行を行わない。入力待ちジョブ数が「1」のときには、図7に示したように、該入力待ちジョブを取り込んで、全ての画像処理GS1〜GS4の処理を実行する設定となっているため、図9にその画像データの流れを太実線矢印で示すように、該入力待ちの画像処理ジョブの画像データを第1画像処理制御部10に取り込んで、各画像処理部13a〜13nで順次必要な画像処理を実行し、画像処理済みの画像データを14aに格納する。なお、以下の説明では、全ての画像処理部13a〜13dにおける画像処理を行うものとして、説明するが、実際の画像ジョブにおいては、必要としない画像処理もあり、この場合、必要としない画像処理に対応する画像処理部13a〜13dへの画像データの送り込みを行わないで、次の処理に移行する。
【0039】
また、入力待ちジョブ数が「2」のときには、図7に示したように、先頭の入力待ちジョブを取り込んで、全ての画像処理GS1〜GS4の処理を実行する設定(実行J1)となっているとともに、2番目の入力待ちジョブをハードディスク14aに画像処理を行うことなく保管するバッファリング設定(バッファリングJ2)となっているため、図9に示したように、該入力待ちの先頭に位置する画像処理ジョブJ1の画像データを第1画像処理制御部10に取り込んで、各画像処理部13a〜13nで順次必要な画像処理を実行し、画像処理済みの画像データを14aに格納するとともに、2番目の画像処理ジョブJ2をハードディスク14aにバッファリングする。
【0040】
また、入力待ちジョブ数が「3」のときには、図7に示したように、先頭の入力待ちジョブを取り込んで、最終の位置に位置する画像処理GS4以外の他の画像処理GS1〜GS3の処理を実行する設定(実行J1)となっているとともに、2番目の入力待ちジョブをハードディスク14aに画像処理を行うことなく保管するバッファリング設定(バッファリングJ2)となっているため、図10に示すように、該入力待ちの先頭の画像処理ジョブJ1の画像データを第1画像処理制御部10に取り込んで、画像処理部13a〜13cで順次必要な画像処理を実行して、画像処理部13dでの画像処理を中断して画像処理済みの画像データを14aに格納するとともに、2番目の画像処理ジョブJ2をハードディスク14aにバッファリングする。
【0041】
さらに、入力待ちジョブ数が「4」のときには、図7に示したように、先頭の入力待ちジョブを取り込んで、画像処理GS3と画像処理GS4以外の他の画像処理GS1と画像処理GS2の処理を実行する設定(実行J1)となっているとともに、2番目の入力待ちジョブをハードディスク14aに画像処理を行うことなく保管するバッファリング設定(バッファリングJ2)となっているため、図11に示すように、該入力待ちの先頭の画像処理ジョブJ1の画像データを第1画像処理制御部10に取り込んで、画像処理部13aと画像処理部13bで順次必要な画像処理を実行して、画像処理部13c及び画像処理部13dでの画像処理を中断して画像処理済みの画像データを14aに格納するとともに、2番目の画像処理ジョブJ2をハードディスク14aにバッファリングする。
【0042】
また、入力待ちジョブ数が「5」のときには、図7に示したように、先頭の入力待ちジョブを取り込んで、先頭の画像処理GS1のみを実行する設定(実行J1)となっているとともに、2番目の入力待ちジョブをハードディスク14aに画像処理を行うことなく保管するバッファリング設定(バッファリングJ2)となっているため、図12に示すように、該入力待ちの先頭に位置する画像処理ジョブJ1の画像データを第1画像処理制御部10に取り込んで、画像処理部13aで必要な画像処理を実行して、画像処理部13bから画像処理部13dでの画像処理を中断して画像処理済みの画像データを14aに格納するとともに、2番目の画像処理ジョブJ2をハードディスク14aにバッファリングする。
【0043】
そして、入力待ちジョブ数が「6」のときには、図7に示したように、全ての画像処理GS1から画像処理GS4の実行を停止する設定(実行J1)となっているとともに、入力待ちジョブをハードディスク14aに画像処理を行うことなく保管するバッファリング設定(バッファリングJ1)となっているため、図13に示すように、該入力待ちの先頭の画像処理ジョブJ1の画像データをハードディスク14aにバッファリングする。
【0044】
次に、上述のようにして画像処理を一切行うことなくハードディスク14aにバッファリングした画像データ(画像処理ジョブ)に対する画像処理の実行について説明する。複合装置1は、画像入力要求の稼働率(入力待ちジョブ数)に基づいて画像処理を中断してハードディスク14aに格納すると、第2画像処理制御部11が、画像入力要求の稼働率(入力待ちジョブ数)に基づいて、図8に示した稼働率対応再画像処理実行テーブルを参照して、ハードディスク14aにバッファリングされている画像データ(以下、適宜、バッファデータという。)に対する再画像処理実行計画を決定して、該再画像処理実行計画に応じて入力待ちジョブの画像処理を実行する。
【0045】
すなわち、図8において、第2画像処理制御部11は、入力待ちジョブがないときには、画像処理部13a〜13dが空いているため、ハードディスク14aにバッファリングされている画像処理ジョブの画像データを先頭の画像処理部13aに送って、図9と同様に、先頭の画像処理部13aから最終の画像処理部13dまでの全ての画像処理部13a〜13dで順次画像処理GS1〜GS4の画像処理を実行させて、画像処理後の画像データをハードディスク14bに格納する。入力待ちジョブ数が「1」のときには、図8に示したように、該入力待ちジョブJ1をハードディスク14aにバッファリングするとともに、ハードディスク14aにバッファリングされているバッファデータに対して、全ての画像処理GS1〜GS4の処理を実行する設定となっているため、図9と同様に、該入力待ちの画像処理ジョブの画像データをハードディスク14aにバッファリングするとともに、ハードディスク14aに既にバッファリングされているバッファデータを第2画像処理制御部11に取り込んで、各画像処理部13a〜13nで順次必要な画像処理を実行し、画像処理済みの画像データをハードディスク14bに格納する。
【0046】
また、入力待ちジョブ数が「2」のときには、図8に示したように、先頭の入力待ちジョブをハードディスク14aにバッファリングする設定となっているとともに、最後の画像処理GS4以外の画像処理GS1〜GS3を実行する設定(バッファデータ実行)となっているため、図10に示したように、該入力待ちの先頭に位置する画像処理ジョブJ1の画像データをハードディスク14aにバッファリングする(バッファリングJ1)とともに、ハードディスク14aに既にバッファリングされているバッファデータを第2画像処理制御部11に取り込んで、先頭の画像処理部13aから3つ目の画像処理部13cまで順次必要な画像処理を実行し、画像処理済みの画像データをハードディスク14bに格納する。
【0047】
さらに、入力待ちジョブ数が「3」のときには、図8に示したように、先頭の入力待ちジョブをハードディスク14aにバッファリングする設定(バッファリングJ1)となっているとともに、先頭の画像処GS1及び次の画像処理GS2のみを実行する設定となっているため、図11と同様に、該入力待ちの先頭に位置する画像処理ジョブJ1の画像データをハードディスク14aにバッファリングするとともに、ハードディスク14aに既にバッファリングされているバッファデータを第2画像処理制御部11に取り込んで、先頭の画像処理部13a及び次の画像処理部13bによって順次必要な画像処理を実行させ、画像処理済みの画像データをハードディスク14bに格納する。
【0048】
また、入力待ちジョブ数が「4」のときには、図8に示したように、先頭の入力待ちジョブをハードディスク14aにバッファリングする設定(バッファリングJ1)となっているとともに、先頭の画像処GS1のみを実行する設定となっているため、図12と同様に、該入力待ちの先頭に位置する画像処理ジョブJ1の画像データをハードディスク14aにバッファリングするとともに、ハードディスク14aに既にバッファリングされているバッファデータを第2画像処理制御部11に取り込んで、先頭の画像処理部13aによって必要な画像処理を実行させ、画像処理済みの画像データをハードディスク14bに格納する。
【0049】
また、入力待ちジョブ数が「5」のときには、図8に示したように、先頭の入力待ちジョブをハードディスク14aにバッファリングする設定(バッファリングJ1)のみとなっているため、図13と同様に、該入力待ちの先頭の画像処理ジョブJ1の画像データをハードディスク14aにバッファリングする処理のみを行い、ハードディスク14aに既にバッファリングされているバッファデータに対する画像処理については、処理を実行しない。
【0050】
次に、上記画像処理部13a〜13nでの画像処理を途中で中断してハードディスク14aに保管した途中中断画像処理ジョブの再画像処理について説明する。複合装置1は、画像入力要求の稼働率(入力待ちジョブ数)に基づいて画像処理を中断してハードディスク14aに格納すると、第2画像処理制御部11が、画像入力要求の稼働率(入力待ちジョブ数)に基づく図8に示した稼働率対応再画像処理実行テーブルの参照結果及び入力特性情報メモリ12の画像入力特性情報(画像変換情報、画像加工情報)と画像処理中断情報に基づいて、ハードディスク14aにバッファリングされている画像データ(以下、適宜、画像処理未完了画像データという。)に対する再画像処理実行計画を決定して、該再画像処理実行計画に応じて入力待ちジョブの画像処理を実行する。この画像入力特性情報及び画像処理中断情報は、上述のように、画像処理を途中中断した画像処理ジョブであるか否か、途中中断した画像処理ジョブであれば、どの段階で中断したかを示す情報である。
【0051】
すなわち、複合装置1は、画像入力要求が頻繁に発生すると、上述のように、画像処理を途中の段階で中断してハードディスク14aに格納するが、図10に示したように、画像処理部13a〜13cでの画像処理を完了して、画像処理部13dでの画像処理を未処理の状態でハードディスク14aに画像データ(画像処理未完了画像データ)を格納した画像処理ジョブに対しては、図14に示すように、第2画像処理制御部11が、ハードディスク14aから画像処理未完了画像データを読み出して画像処理部13dで画像処理した後、ハードディスク14bに格納する。
【0052】
また、複合装置1は、画像処理部13a及び画像処理部13bでの画像処理が完了し、画像処理部13c及び画像処理部13dでの画像処理が未処理の状態でハードディスク14aに画像データ(画像処理未完了画像データ)を格納した画像処理ジョブに対しては、図15に示すように、第2画像処理制御部11が、ハードディスク14aから画像処理未完了画像データを読み出して、画像処理部13cで画像処理させ、次に、画像処理部13dで画像処理させた後、ハードディスク14bに格納する。
【0053】
また、複合装置1は、画像処理部13aでの画像処理のみが完了し、画像処理部13bから画像処理部13dでの画像処理が未処理の状態でハードディスク14aに画像データ(画像処理未完了画像データ)を格納した画像処理ジョブに対しては、図16に示すように、第2画像処理制御部11が、ハードディスク14aから画像処理未完了画像データを読み出して、画像処理部13bから画像処理部13dまで順次画像処理させた後、ハードディスク14bに格納する。
【0054】
さらに、複合装置1は、全ての画像処理部13a〜13dでの画像処理が未処理の状態でハードディスク14aに画像データ(画像処理未完了画像データ)を格納した画像処理ジョブに対しては、図17に示すように、第2画像処理制御部11が、ハードディスク14aから画像処理未完了画像データを読み出して、画像処理部13aから画像処理部13dまで順次画像処理させた後、ハードディスク14bに格納する。
【0055】
このようにして画像入力の段階で画像処理が未処理であった画像処理ジョブに対して、画像入力の要求が少なくなった(稼働率が低くなった)時点で、未処理の画像処理について再処理を実施することで、最終的な画像処理済みの画像データを得ることができる。
【0056】
なお、上記説明においては、画像処理を途中で中断した画像処理ジョブの画像データをハードディスク14aに格納した場合、画像入力の要求が少なくなった(稼働率が低くなった)時点で、該画像処理未完了画像データの再画像処理を行っているが、画像処理未完了画像データの再画像処理は、上記タイミングに限るものではない。例えば、第1画像処理制御部10による順方向の画像処理において空きの画像処理部13a〜13nが発生した場合に、該空きの画像処理部13a〜13dでの画像処理が未処理である画像データ(画像処理未完了画像データ)がハードディスク14aにあると、該順方向の画像処理と画像処理未完了画像データの再処理方向の再画像処理とを並行して実行するようにしてもよい。すなわち、例えば、図18に示すように、画像処理部13dでの画像処理が未処理の画像データ(画像処理未完了画像データ)がハードディスク14aに格納されていて、外部から入力される画像データに対する順方向の画像処理が画像処理部13a〜13cでの画像処理である場合、第1画像処理制御部10の制御下で順方向画像処理を画像処理部13a〜13cで順次行ってハードディスク14aに格納するとともに、第2画像処理制御部11の制御下で、画像処理未完了画像データに対して画像処理部13dで画像処理を行ってハードディスク14bに格納する。また、図19に示すように、画像処理部13cと画像処理部13dでの画像処理が未処理の画像データ(画像処理未完了画像データ)がハードディスク14aに格納されていて、外部入力される画像データに対する順方向の画像処理が画像処理部13a、13での画像処理である場合、第1画像処理制御部10の制御下で順方向画像処理を画像処理部13a及び画像処理部13bで順次行ってハードディスク14aに格納するとともに、第2画像処理制御部11の制御下で、画像処理未完了画像データに対して画像処理部13cと画像処理部13dで画像処理を行ってハードディスク14bに格納する。さらに、図20に示すように、画像処理部13b、画像処理部13c及び画像処理部13dでの画像処理が未処理の画像データ(画像処理未完了画像データ)がハードディスク14aに格納されていて、外部入力される画像データに対する順方向の画像処理が画像処理部13aでの画像処理である場合、第1画像処理制御部10の制御下で順方向画像処理を画像処理部13aから画像処理部13cで順次行ってハードディスク14aに格納するとともに、第2画像処理制御部11の制御下で、画像処理未完了画像データに対して画像処理部13dで画像処理を行ってハードディスク14bに格納する。
【0057】
また、図21に示すように、画像処理部13cと画像処理部13dでの画像処理が未処理の画像データ(画像処理未完了画像データ)がハードディスク14aに格納されていて、外部入力される画像データに対する順方向の画像処理が画像処理部13aでの画像処理である場合、第1画像処理制御部10の制御下で順方向画像処理を画像処理部13aで行ってハードディスク14aに格納するとともに、第2画像処理制御部11の制御下で、画像処理未完了画像データに対して画像処理部13cと画像処理部13dで画像処理を行ってハードディスク14bに格納する。さらに、図22に示すように、画像処理部13dでの画像処理が未処理の画像データ(画像処理未完了画像データ)がハードディスク14aに格納されていて、外部入力される画像データに対する順方向の画像処理が画像処理部13aでの画像処理である場合、第1画像処理制御部10の制御下で順方向画像処理を画像処理部13aで行ってハードディスク14aに格納するとともに、第2画像処理制御部11の制御下で、画像処理未完了画像データに対して画像処理部13dで画像処理を行ってハードディスク14bに格納する。
【0058】
このように、本実施例の複合装置1は、所定の画像処理を伴う画像データの入力要求数と該画像入力要求の画像データに対して実行要求している画像処理特性を含む画像入力要求情報を管理し、第1画像処理制御部10が、該画像入力要求情報に基づいて所定順序に該画像入力要求を受け付けるとともに、該画像データに対して実行する画像処理段階を決定して、受け付けた画像データに対して必要な画像処理を決定した該画像処理段階まで画像処理部13a〜13nに行わせてハードディスク14aに保管し、ハードディスク14aに保管されている画像データのうち画像処理が途中で中断された画像処理未完了の画像データを読み出して該画像データに対して該画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を画像処理部13a〜13nで実行している。
【0059】
したがって、画像入力要求量が多く画像処理部13a〜13nでの画像処理が要求される画像入力要求を適切に処理することができないときには、必要な画像処理を適宜の画像処理段階で中断して一旦ハードディスク14aに保管して、画像入力要求量に応じてハードディスク14aから画像データを読み出して未完了の画像処理を実行することで、複合装置1の全体の画像処理の処理効率を向上させることができ、操作者が画像入力に際して待たされる待ち時間を削減して、利用性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施例の複合装置1は、画像入力要求量として、稼働率を用い、稼働率に基づいて画像入力及び画像処理を制御している。
【0061】
したがって、処理対象の画像入力要求量を適切に把握することができ、複合装置1の全体の画像処理効率をより適切に向上させることができる。その結果、操作者が画像入力に際して待たされる待ち時間を削減することができ、複合装置1の利用性を向上させることができる。
【0062】
なお、上記説明では、画像入力部2a〜2n、17a〜17n、FAX部8及び操作部9からの画像入力要求の待ち数(稼働率)に応じて画像処理手順(画像処理段階)を決定しているが、画像入力要求の待ち数(画像処理ジョブ数)だけでなく、画像入力要求(画像処理ジョブ)の種類や画像入力要求(画像処理ジョブ)にかかる画像データのデータ量(ボリューム)等によって、画像処理手順を決定してもよい。
【0063】
例えば、画像入力要求(画像処理ジョブ)の種類としては、コピー出力、FAX送信、画像データのハードディスク14a、14bへの蓄積、外部コンピュータ等への画像データの送信を要求する画像入力要求等がある。画像入力要求の種類のうち、例えば、コピー出力は、原稿画像を読み込ませて出力画像をコピー用紙として取得するまで操作者としては、複合装置1の設置場所で待つのが通常であり、優先的に処理を行わせたい種類の画像入力要求である。一方、FAX送信、ハードディスク蓄積、他装置(外部コンピュータ等)への転送は、操作者としては、画像データを複合装置1に入力すると、その結果を得るまで、複合装置1の設置場所で待つ必要のない種類の画像入力要求である。
【0064】
そこで、入力要求の画像処理ジョブ毎に、例えば、図23に示すように、コピー出力を最も優先順位を高く、次いで、スキャナ入力、さらに、スキャナ出力とプリンタ出力を次の優先順位とし、FAX送信とFAX受信を最も低い優先順位として設定したジョブ優先順位テーブル(優先度情報)を第1画像処理制御部10に格納し、このジョブ優先順位テーブルを参照して、画像入力要求が同時に複数重なった場合に、処理順位(画像入力要求許可順位)を決定する。例えば、複数の画像入力要求(画像処理ジョブ)が同時に重なった場合、画像を入力してその結果を受け取る必要のあるコピー出力の画像入力の優先度を高くする。この図23に示したジョブ優先順位テーブルは、画像入力要求に対して操作者が複合装置1の前で画像入力要求(画像処理ジョブ)の処理結果を待つ画像入力要求(画像処理ジョブ)の優先順位を高くしたもので、コピー出力を最優先としている。
【0065】
このように画像入力要求(画像処理ジョブ)の優先順位を設定すると、画像入力の待ち行列に溜まっている画像入力要求数(画像処理ジョブ数)により、該画像入力要求に対して実行すべき複数の画像処理のうち、画像処理を途中で中断して画像入力時に実行する画像処理数(画像処理量)を変えて、多くの画像入力要求が滞留することを防止することができ、操作者の画像入力の待ち時間を短縮して、利用性をより一層向上させることができる。また、比較的画像入力要求量が少なく複合装置1の稼働率が低い時に途中中断した画像データに対する残りの画像処理を再実行するので、複合装置1としての全体の処理効率を向上させて、生産性を向上させるこができる。
【0066】
また、画像入力要求(画像処理ジョブ)のボリューム(画像サイズ、ページ数)によって画像入力要求(画像処理ジョブ)の優先度を決定してもよい。すなわち、ボリュームの大きい画像入力要求(画像処理ジョブ)は、ボリュームが大きい分だけ画像処理に時間を必要するため、画像入力時における画像処理量を削減(例えば、順次処理する画像処理部13a〜13nの数を削減)し、画像入力要求量が少なくなった時点で、再度、再画像処理を行うことで、操作者の画像入力時の待ち時間を短縮する。
【0067】
したがって、より一層適切に画像入力と画像処理を制御して、処理効率をより一層向上させることができ、利用性をより一層向上させることができる。
【0068】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、複数の画像入力要求を効率的に処理する複合装置、複写装置等の画像処理装置、画像処理制御方法、画像処理制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【図2】複合装置のネットワーク接続の一例を示す図。
【図3】画像入力部としてのスキャナ部の概略構成図。
【図4】画像出力部としてのプリンタ部の概略構成図。
【図5】画像処理部の一例のブロック構成図。
【図6】画像処理ジョブのヘッダ部とデータ部の構成図。
【図7】稼働率対応画像処理実行テーブルの一例を示す図。
【図8】稼働率対応再画像処理実行テーブルの一例を示す図。
【図9】入力待ちジョブ数が「1」のときの画像処理実行手順を示す図。
【図10】入力待ちジョブ数が「2」のときの画像処理実行手順を示す図。
【図11】入力待ちジョブ数が「3」のときの画像処理実行手順を示す図。
【図12】入力待ちジョブ数が「4」のときの画像処理実行手順を示す図。
【図13】入力待ちジョブ数が「5」のときの画像処理実行手順を示す図。
【図14】最後段の画像処理部で再画像処理を行う再画像処理実行手順を示す図。
【図15】後半2つの画像処理部で再画像処理を行う再画像処理実行手順を示す図。
【図16】後半3つの画像処理部で再画像処理を行う再画像処理実行手順を示す図。
【図17】全ての画像処理部で再画像処理する再画像処理実行手順を示す図。
【図18】前半3つの画像処理部での順方向画像処理と後半1つの画像処理部での再画像処理を行う画像処理説明図。
【図19】前半2つの画像処理部での順方向画像処理と後半2つの画像処理部での再画像処理を行う画像処理説明図。
【図20】前半1つの画像処理部での順方向画像処理と後半3つの画像処理部での再画像処理を行う画像処理説明図。
【図21】前半1つの画像処理部での順方向画像処理と後半2つの画像処理部での再画像処理を行う画像処理説明図。
【図22】最初の画像処理部での順方向画像処理と最後の画像処理部での再画像処理を行う画像処理説明図。
【図23】ジョブ優先順位テーブルの一例を示す図。
【図24】従来の複合装置の画像処理系における概略ブロック構成図。
【図25】従来の複合装置の制御系における概略ブロック構成図。
【図26】画像処理部のブロック構成の一例を示す図。
【図27】複数の画像処理部を備えた従来の複合装置の概略ブロック構成図。
【符号の説明】
【0071】
1 複合装置
2a〜2n、2s 画像入力部
3 画像入力調停部
4 画像入力稼働率検知部
5 画像出力部
6 外部I/F制御部
7 NIC
8 FAX部
9 操作部
10 第1画像処理制御部
11 第2画像処理制御部
12 入力特性情報メモリ
13a〜13n 画像処理部
14a、14b ハードディスク(HDD)
15 バス
16 ネットワーク
17a〜17n 画像入力部
20 ADF
21 コンタクトガラス
22 光学走査ユニット
23 CCDユニット
24 画像出力I/F
25 光源
26 ミラー
27 レンズ
28 CCD
29 スキャナ画像処理部
30 プリンタ部
31 ビデオI/F
32 プリンタ画像処理部
33 レーザユニット
34 感光体ドラム
35 1次帯電器
36 現像器
37 転写器
38 クリーニング部
39 除電部
40 搬送ベルト
41 定着器
42 給紙ユニット
43 用紙搬送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像処理を伴う画像データの入力要求を行う画像入力手段と、少なくとも該画像入力手段からの画像入力要求量と該画像入力要求の画像データに対して実行要求している画像処理特性を含む画像入力要求情報を管理する画像入力要求管理手段と、入力画像データに対して所定の画像処理を施す複数の画像処理実行手段と、複数の該画像処理実行手段を独立して制御して入力画像データに対して画像処理を実行させる入力画像処理制御手段と、画像データを保管する画像データ保管手段と、該画像データ保管手段に保管されている画像データを読み出して該画像処理実行手段を独立して制御して該画像データに対して画像処理を実行させる保管画像処理制御手段と、を備え、前記入力画像処理制御手段は、前記画像入力要求管理手段の管理する前記画像入力要求情報に基づいて所定順序に該画像入力要求を受け付けるとともに、該画像データに対して実行する画像処理段階を決定して、受け付けた画像データに対して前記画像処理実行手段に必要な画像処理を決定した該画像処理段階まで行わせて前記画像データ保管手段に保管し、前記保管画像処理制御手段は、該画像データ保管手段に保管されている画像データのうち画像処理が途中で中断された画像処理未完了の画像データを読み出して該画像データに対して該画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を該画像処理実行手段に実行させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像入力要求管理手段は、前記画像入力要求情報の画像処理特性として、前記画像入力要求の要求する画像データに対する画像処理の種別及び処理量をも管理することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記入力画像処理制御手段によって前記画像データ保管手段に保管された前記画像データに関する前記画像処理特性に応じた画像処理のうち前記画像処理実行手段によって画像処理の完了した段階を示す画像処理完了段階情報を該画像処理特性とともに該画像データに関連付けて記憶する画像処理関連情報記憶手段を備え、前記保管画像処理制御手段は、該画像データ保管手段に保管されている画像処理未完了の画像データに対して、該画像処理関連情報記憶手段に該画像データに対応して記憶されている該画像処理関連情報及び前記画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を該画像処理実行手段に実行させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、前記画像入力要求の画像処理種別と処理優先度を対応させた優先度情報を記憶する優先度情報記憶手段を備え、前記入力画像処理制御手段は、前記画像入力要求に対して、該画像入力要求の画像処理種別に基づいて該優先度情報から処理優先度を取得して、前記画像入力要求情報及び該処理優先度に基づいて該画像入力要求の画像データに対して前記画像処理実行手段で処理させる画像処理段階を決定し、該画像処理段階まで該画像処理実行手段に画像処理を実行させて前記画像データ保管手段に保管することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
所定の画像処理を伴う画像データの入力要求を行う画像入力処理ステップと、少なくとも該画像入力処理ステップからの画像入力要求量と該画像入力要求の画像データに対して実行要求している画像処理特性を含む画像入力要求情報を管理する画像入力要求管理処理ステップと、入力画像データに対して所定の画像処理を施す複数の画像処理実行処理ステップと、複数の該画像処理実行処理ステップを独立して制御して入力画像データに対して画像処理を実行させる入力画像処理制御処理ステップと、画像データ保管手段に保管されている画像データを読み出して該画像処理実行処理ステップを独立して制御して該画像データに対して画像処理を実行させる保管画像処理制御処理ステップと、を有し、前記入力画像処理制御処理ステップは、前記画像入力要求管理処理ステップの管理する前記画像入力要求情報に基づいて所定順序に該画像入力要求を受け付けるとともに、該画像データに対して実行する画像処理段階を決定して、受け付けた画像データに対して前記画像処理実行処理ステップに必要な画像処理を決定した該画像処理段階まで行わせて前記画像データ保管手段に保管し、前記保管画像処理制御処理ステップは、該画像データ保管手段に保管されている画像データのうち画像処理が途中で中断された画像処理未完了の画像データを読み出して該画像データに対して該画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を該画像処理実行処理ステップに実行させることを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記画像処理方法は、前記入力画像処理制御処理ステップによって前記画像データ保管手段に保管された前記画像データに関する前記画像処理特性に応じた画像処理のうち前記画像処理実行処理ステップによって画像処理の完了した段階を示す画像処理完了段階情報を該画像処理特性とともに該画像データに関連付けて画像処理関連情報記憶手段に記憶する画像処理関連情報記憶処理ステップを有し、前記保管画像処理制御処理ステップが、該画像データ保管手段に保管されている画像処理未完了の画像データに対して、該画像処理関連情報記憶手段に該画像データに対応して記憶されている該画像処理関連情報及び前記画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を該画像処理ステップに実行させることを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、所定の画像処理を伴う画像データの入力要求を行う画像入力処理と、少なくとも該画像入力処理からの画像入力要求量と該画像入力要求の画像データに対して実行要求している画像処理特性を含む画像入力要求情報を管理する画像入力要求管理処理と、入力画像データに対して所定の画像処理を施す複数の画像処理実行処理と、複数の該画像処理実行処理を独立して制御して入力画像データに対して画像処理を実行させる入力画像処理制御処理と、画像データを保管する画像データ保管手段に保管されている画像データを読み出して該画像処理実行処理を独立して制御して該画像データに対して画像処理を実行させる保管画像処理制御処理と、を実行させ、該入力画像処理制御処理として、前記画像入力要求管理処理の管理する前記画像入力要求情報に基づいて所定順序に該画像入力要求を受け付けるとともに、該画像データに対して実行する画像処理段階を決定して、受け付けた画像データに対して画像処理実行処理に必要な画像処理を決定した該画像処理段階まで行わせて画像データ保管手段に保管する処理を実行させ、該保管画像処理制御処理として、該画像データ保管手段に保管されている画像データのうち画像処理が途中で中断された画像処理未完了の画像データを読み出して該画像データに対して該画像入力要求情報に基づいて該未完了の画像処理を該画像処理実行処理に実行させる処理を実行させることを特徴とする画像処理制御プログラム。
【請求項8】
請求項7記載の画像処理制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−141751(P2010−141751A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317755(P2008−317755)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】