説明

画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、コンピュータプログラム及び記録媒体

【課題】原稿を読み取って得られた画像データに基づいて前記原稿の向きを判定する画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】文字認識部221は、原稿から読み取った画像データに対して文字認識処理を行ない、画像データに含まれる文字データを1文字ずつ切り出す。文字認識部221は、文字データのそれぞれが何の文字であるかを特定すると共に、特定した文字の天地方向の向きを判定する。天地判定部222は、天地方向の向き毎に、各向きに判定された文字数を計数する。原稿分類部223は、天地判定部222による計数結果に基づいて、それぞれの原稿の天地方向の向きを判定し、判定結果を示す分類制御信号を出力する。原稿シフト機構10は、分類制御信号に基づいて、カラー画像入力装置1によって読み取った原稿を分類し、分類毎に異なる排出位置に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読み取って得られた画像データに基づいて前記原稿の向きを判定する画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナで大量の原稿を読み取って電子化文書を生成する場合、又は、生成した電子化文書を用いてコピー原稿を生成する場合に、OCR(Optical Character Reader)処理を利用した方向検知処理を行ない、読み取った電子化文書の向きを判別する処理が行なわれている。また、判別した結果に基づいて、読み取った電子化文書に対して例えば回転処理を行なうことにより、電子化文書の向きを統一する処理が行なわれている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなスキャナを使用する場合、ユーザは、スキャナにセットするそれぞれの原稿の向きを考慮する必要がなく、それぞれの原稿の向きが異なる場合であっても、向きが統一された電子化文書を生成できる。また、このように向きが統一された電子化文書に基づいて複写処理を行なうことにより、複写されたコピー原稿の向きも統一させることができる。よって、ユーザは、複写された原稿の向きを揃える必要がないので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−181853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような装置は、所定の給紙トレイに載置された読み取り対象の原稿を順次スキャナ内部に取り込み、所定の搬送経路に沿って所定の排出トレイまで搬送する。すなわち、原稿は、給紙トレイ上に載置された状態と同じ状態で排出トレイに排出される。従って、上述したような装置では、読み取った電子化文書の向きは統一されるが、読み取り対象であるオリジナルの原稿の向きはそのままである。オリジナルの原稿自体の向きを揃えるためには、ユーザ自身が全原稿を確認して手作業で向きを揃える必要があり、ユーザの負担を軽減することは難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、原稿を向き毎に分類することができる画像処理装置、画像処理方法、前記画像処理装置を備える画像形成装置、前記画像処理装置を実現するためのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、複数の原稿を順次読み取って画像データを取得する読取手段を備え、該読取手段が取得した画像データに基づく画像処理を行なう画像処理装置において、前記読取手段が取得した画像データに基づいて、前記原稿のそれぞれの天地方向の向きを判定する原稿向き判定手段と、該原稿向き判定手段による判定結果に基づいて、前記読取手段が読み取った原稿を分類する分類手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、前記原稿向き判定手段は、前記読取手段が読み取った原稿中の各文字を認識する文字認識手段と、該文字認識手段が認識した各文字の天地方向の向きを判定する文字向き判定手段と、該文字向き判定手段が判定した天地方向の向き毎に、各向きに判定された文字数を計数する計数手段とを備え、該計数手段による計数結果に基づいて、前記原稿の天地方向の向きを判定するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像処理装置は、前記原稿向き判定手段は、前記計数手段が最も多く計数した向きの文字数に対して、次に多く計数した向きの文字数の比率を算出する算出手段を備え、該算出手段が算出した比率が所定値以上である場合に、最も多く計数した向きを、前記原稿の天地方向の向きと判定するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像処理装置は、前記原稿向き判定手段は、前記計数手段が計数した各向きの文字数のそれぞれが所定値未満である場合に、前記原稿の天地方向の向きが不明であると判定するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像処理装置は、前記分類手段による分類毎に、前記原稿を分類して排出する排出手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る記載の画像処理装置は、前記排出手段は、前記分類毎に前記原稿の排出位置を変位するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像処理装置は、原稿を排出する排出トレイを複数備え、前記排出手段は、前記分類毎に前記原稿を異なる排出トレイに排出するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る画像処理方法は、複数の原稿を順次読み取って画像データを取得し、取得した画像データに基づく画像処理を行なう画像処理方法において、前記原稿を読み取って取得した画像データに基づいて、前記原稿のそれぞれの天地方向の向きを判定するステップと、判定結果に基づいて、読み取った前記原稿を分類するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、前述したいずれかの画像処理装置と、該画像処理装置で処理された画像データに基づいて出力画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、複数の原稿を順次読み取って画像データを取得させ、取得した画像データに基づく画像処理を行なわせるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記原稿を読み取って取得した画像データに基づいて、前記原稿のそれぞれの天地方向の向きを判定するステップと、判定結果に基づいて、読み取った前記原稿を分類するステップとを実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る記録媒体は、前述したコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、複数の原稿を読み取って取得した画像データに基づいて、それぞれの原稿の天地方向を判定し、それぞれの原稿の天地方向に基づいて原稿を分類する。よって、読み取り対象の原稿が天地方向毎に分類される。
【0019】
本発明にあっては、読み取り対象の原稿中の各文字の天地方向を判定し、判定した天地方向毎に、各天地方向に判定された文字数を計数し、計数結果に基づいて、それぞれの原稿の天地方向を判定する。例えば、最も文字数が多い天地方向の文字数に対して、次に文字数が多い天地方向の文字数の比率を算出し、算出した比率が所定値以上である場合に、最も文字数が多い天地方向を、その原稿の天地方向と判定する。また、各天地方向の文字数のそれぞれが所定値未満である場合に、その原稿の天地方向が不明であると判定する。よって、原稿中の各文字の天地方向の比率に応じて、各原稿の天地方向が判定される。
【0020】
本発明にあっては、原稿が分類毎に分類されて排出される。例えば、分類毎に原稿の排出位置を変位する。また、分類毎に原稿を異なる排出トレイに排出する。よって、天地方向毎に分類された各原稿が分類毎に適切に排出されることにより、排出状態に基づいて、各原稿の分類がより明確となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明にあっては、読み取り対象の原稿が天地方向毎に分類され、また、各原稿が分類毎に排出されることにより、分類された原稿を容易に仕分けることができる。すなわち、読み取り対象の原稿の向きが統一されていない場合、読み取り後に、各原稿が天地方向毎に分類されるので、ユーザは、分類された原稿束毎の向きを揃えることにより、全原稿の向きを揃えることができる。よって、ユーザは、全原稿の向きを確認する必要はなく、ユーザが原稿の向きを揃える際の負担が軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る画像処理装置を備える画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】原稿方向検知処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】文字の天地方向の向きを説明するための模式図である。
【図4】天地判定部によって生成されるヒストグラムの例を示す模式図である。
【図5】カラー画像入力装置の構成を示す模式図である。
【図6】イメージセンサ部の周辺の拡大図である。
【図7】原稿シフト機構の構成を示す横断面図である。
【図8】原稿シフト機構の構成を示す横断面図である。
【図9】原稿の排出位置を示す説明図である。
【図10】画像形成装置の原稿分類処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】画像形成装置の原稿分類処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】原稿方向検知処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】排出トレイを可動させる場合の原稿シフト機構の構成を示す模式図である。
【図14】原稿シフト機構の構成を示す横断面図である。
【図15】実施の形態3のカラー画像入力装置の構成を示す模式図である。
【図16】実施の形態4のカラー画像入力装置の構成を示す模式図である。
【図17】本発明に係る画像処理装置を備える原稿読取装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施の形態1)
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る画像処理装置を備える画像形成装置100の構成を示すブロック図である。画像形成装置100(例えば、デジタルカラー複写機や複合機能、プリンタ機能、ファックスや電子メール配信機能を備えた複合機)は、カラー画像入力装置1、カラー画像処理装置2(画像処理装置)、画像形成手段としてのカラー画像出力装置3、各種操作を行なうための操作パネル4などを備える。カラー画像入力装置1で原稿を読み取ることにより得られたRGB(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号の画像データは、カラー画像処理装置2へ出力され、カラー画像処理装置2で所定の処理が行なわれ、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:黒)のデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置3へ出力される。
【0024】
カラー画像入力装置1は、例えば、CCD(Charged Coupled Device)などの光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナであり、原稿画像からの反射光像をRGBのアナログ信号として読み取り、読み取ったRGB信号をカラー画像処理装置2へ出力する。また、カラー画像出力装置3は、原稿画像の画像データを記録紙上に出力する電子写真方式やインクジェット方式などを用いた画像形成手段である。また、カラー画像出力装置3は、ディスプレイ等の表示装置であってもよい。
【0025】
カラー画像処理装置2は、後述する各処理部を備え、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などにより構成される。カラー画像処理装置2は、A/D変換部20、シェーディング補正部21、原稿方向検知処理部22、入力階調補正部23、領域分離処理部24、色補正部25、黒生成下色除去部26、空間フィルタ処理部27、出力階調補正部28、階調再現処理部29などを備える。
【0026】
A/D変換部20は、カラー画像入力装置1から入力されたRGB信号を、例えば、10ビットのデジタル信号に変換し、変換後のRGB信号をシェーディング補正部21へ出力する。
【0027】
シェーディング補正部21は、入力されたRGB信号に対して、カラー画像入力装置1の照明系、結像系、撮像系などで生じた各種の歪みを取り除く補正処理を行ない、補正後のRGB信号を原稿方向検知処理部22へ出力する。
【0028】
原稿方向検知処理部22は、入力されたRGB信号に対して、後述する原稿方向検知処理を実施し、それぞれの原稿画像の天地方向の向きを判別する。原稿方向検知処理部22は、判別結果に基づいて、カラー画像入力装置1でスキャンされた各原稿の天地方向の向きを示す分類制御信号を出力する。なお、原稿の天地方向の向きは、例えば、所定方向を基準として時計回りに0°、90°、180°、270°、判別不能のいずれかで示される。なお、原稿の向きが適切に判別されなかった場合に、判別不能を示す分類制御信号が出力される。
【0029】
また、原稿方向検知処理部22は、入力されたRGB信号をそのまま後段の入力階調補正部23へ出力する。分類制御信号は、画像形成装置100が備える各部の制御を行なう制御部101(図2参照)に送られる。制御部101は、分類制御信号に基づいて、例えば、カラー画像入力装置1の原稿シフト(オフセット)機構10(図2参照)を制御して原稿の分類を行なう。
【0030】
原稿方向検知処理部22は、領域分類処理部24の後段に設けるのではなく、シェーディング補正部21と入力階調補正部23との間に設けられる。また、原稿方向検知処理部22は、入力階調補正部23と並列に設けてもよい。この場合、カラーバランスを整える処理と、濃度信号に変換する処理はシェーディング補正部21で行なわれる。
【0031】
入力階調補正部23は、シェーディング補正部21にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号に対して、カラーバランスを整える処理を行なうとともに、濃度信号などカラー画像処理装置2で採用されている画像処理システムが扱い易い信号に変換する処理を行なう。また、入力階調補正部23は、下地濃度の除去又はコントラストなどの画質調整処理を施し、処理後のRGB信号を領域分離処理部24へ出力する。
【0032】
領域分離処理部24は、入力されたRGB信号に基づき、入力された画像中の各画素が、文字領域、網点領域、写真領域の何れであるかを分離する。領域分離処理部24は、分離結果に基づいて、各画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を黒生成下色除去部26、空間フィルタ処理部27、階調再現処理部29へ出力する。また、領域分離処理部24は、入力されたRGB信号をそのまま後段の色補正部25へ出力する。
【0033】
色補正部25は、入力されたRGB信号をCMYの色空間に変換し、カラー画像出力装置3の特性に合わせて色補正を行ない、補正後のCMY信号を黒生成下色除去部26へ出力する。具体的には、色補正部25は、色再現の忠実化のため、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行なう。
【0034】
黒生成下色除去部26は、色補正部25から入力されたCMY信号に基づいて、K(黒)信号を生成する黒生成処理、入力されたCMY信号からK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行なう。これにより、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。黒生成下色除去部26は、生成したCMYK信号を空間フィルタ処理部27へ出力する。
【0035】
黒生成下色除去部26における処理の一例を示す。例えば、スケルトンブラックによる黒生成を行なう処理の場合、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)とし、入力されるデータをC、M、Yとし、出力されるデータをC′、M′、Y′、K′とし、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理により出力されるデータ夫々は、K′=f{min(C、M、Y)}、C′=C−αK′、M′=M−αK′、Y′=Y−αK′で表される。
【0036】
空間フィルタ処理部27は、黒生成下色除去部26から入力されたCMYK信号に対して、領域識別信号に基づいたデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行なう。これにより、画像データの空間周波数特性が補正され、カラー画像出力装置3における出力画像のぼやけ、又は粒状性劣化を防止する。例えば、空間フィルタ処理部27は、領域分離処理部24において文字領域に分離された領域を、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるため、鮮鋭強調処理を施し高周波成分を強調する。また、空間フィルタ処理部27は、領域分離処理部24において網点領域に分離された領域を、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理を施す。空間フィルタ処理部27は、処理後のCMYK信号を出力階調補正部28へ出力する。
【0037】
出力階調補正部28は、空間フィルタ処理部27から入力されたCMYK信号に対して、カラー画像出力装置3の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行ない、出力階調補正処理後のCMYK信号を階調再現処理部29へ出力する。
【0038】
階調再現処理部29は、領域分離処理部24から入力された領域識別信号に基づいて、出力階調補正部28から入力されたCMYK信号に対して所定の処理を行なう。例えば、階調再現処理部29は、文字領域に分離された領域を、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるため、カラー画像出力装置3における高周波成分の再現に適するような高解像度のスクリーンによる二値化処理又は多値化処理を行なう。
【0039】
また、階調再現処理部29は、領域分離処理部24において網点領域に分離された領域を、最終的に画像を画素に分離して、それぞれの階調を再現できるように階調再現処理(中間調生成)を行なう。さらに、階調再現処理部29は、領域分離処理部24において写真領域に分離された領域を、カラー画像出力装置3における階調再現性に適するようなスクリーンによる二値化処理又は多値化処理を行なう。
【0040】
カラー画像処理装置2は、階調再現処理部29で処理された画像データ(CMYK信号)を記憶部(不図示)に一旦記憶し、画像形成をする所定のタイミングで記憶部に記憶した画像データを読み出し、読み出した画像データをカラー画像出力装置3へ出力する。これらの制御は、例えば、制御部101により行なわれる。なお、制御部101は、CPU(Central Processing Unit)などの一般的な処理制御装置である。
【0041】
図2は原稿方向検知処理部22の構成を示すブロック図である。原稿方向検知処理部22は、文字認識部221、天地判定部222、原稿分類部223、メモリ224などを備えている。なお、原稿方向検知処理部22が備える各部の動作は、制御部101によって制御される。
【0042】
文字認識部221は、例えばOCR(光学式文字読取装置)技術を用いて、入力されたRGB信号(画像データ)に対して文字認識処理を行なう。文字認識部221は、画像データに含まれる文字データを1文字ずつ切り出し、それぞれの文字データをパターン化する。文字認識部221は、それぞれパターン化した文字データが、何の文字であるかを特定すると共に、特定した文字の天地方向の向きを判定する。
【0043】
具体的には、文字認識部221は、パターン化された文字データの特徴と、文字パターンデータベース(以下、文字パターンDBという)22aに予め格納されている文字パターン情報とを比較し、パターン化された文字データが何の文字を示すデータであるかを特定する。文字パターンDB22aはメモリ224に格納されており、文字パターンDB22aには、各文字の特徴を示す文字パターン情報がデータベース化されて格納されている。
【0044】
マッチングの方法としては、それぞれパターン化した文字データの特徴を、文字パターンDB22aに格納されている文字パターン情報に順次重ね合わせ、画素毎の白黒を比較する。そして、全てが合致した場合に、このときの文字パターン情報が示す文字が、パターン化した文字データが示す文字であると判定する。
【0045】
文字認識部221は、文字パターンDB22aに格納されている文字パターン情報を、時計回りに0°、90°、180°、270°と回転させつつ、それぞれパターン化した文字データの特徴との比較を行なう。これにより、文字認識部221は、それぞれパターン化した文字データが、何の文字であるかを特定すると共に、特定した文字の天地方向の向きを特定できる。例えば、文字パターンDB22aに格納されている文字「あ」の文字パターン情報を時計回りに90°回転させた場合に、パターン化した文字データと合致した場合、この文字データは、文字「あ」を原稿の搬送方向に対して時計回りに90°回転させたデータであると特定できる。すなわち、文字認識部221は、この文字データは、文字「あ」を示すデータであり、この文字「あ」の天地方向は、原稿の搬送方向に対して時計回りに90°回転させた方向であると特定できる。
【0046】
図3は文字の天地方向の向きを説明するための模式図である。文字の天地方向の向きは、例えば、カラー画像入力装置1が原稿を読み取る際の原稿の搬送方向を基準として時計回りに0°、90°、180°、270°で示される。すなわち、図3において、上方向を原稿の搬送方向とした場合に、図3(a)で示す文字「あ」の天地方向の向きは0°であり、図3(b)で示す文字「あ」の天地方向の向きは90°であり、図3(c)で示す文字「あ」の天地方向の向きは180°であり、図3(d)で示す文字「あ」の天地方向の向きは270°である。
【0047】
画素毎の白黒が全て合致する文字パターン情報がない場合、文字認識部221は、合致する画素が最も多い文字パターン情報が示す文字が、パターン化した文字データが示す文字であると判定する。なお、合致する画素数が所定の割合に達しない場合は、文字認識部221は、当該文字の向きが判定不能であるとする。文字認識部221は、パターン化した文字データに基づいて判定した各文字の天地方向の向き(0°、90°、180°、270°、判定不能)を示す情報を天地判定部222へ出力する。
【0048】
天地判定部222は、文字認識部221から取得する各文字の天地方向の向きを示す情報に基づいて、天地方向の向き毎に、各向きに判定された文字数を計数する。天地判定部222は、天地方向の向き毎に計数した文字数を原稿分類部223へ出力する。
【0049】
図4は天地判定部222によって生成されるヒストグラムの例を示す模式図である。図4(a)の左側には、通常の原稿、具体的には、原稿内の文字の天地方向がほぼ同一である場合の原稿例を示している。このような原稿に対して、文字認識部221及び天地判定部222が上述した処理を行なった場合、図4(a)の右側に示すようなヒストグラムが生成される。
【0050】
図4(b)の左側には、原稿内に文字の天地方向が異なる領域が複数(ここでは2つ)ある場合の原稿例を示している。このような原稿に対して、文字認識部221及び天地判定部222が上述した処理を行なった場合、図4(b)の右側に示すようなヒストグラムが生成される。また、図4(c)の左側には、原稿内の文字数が少ない場合の原稿例を示している。このような原稿に対して、文字認識部221及び天地判定部222が上述した処理を行なった場合、図4(c)の右側に示すようなヒストグラムが生成される。
【0051】
原稿分類部223は、天地判定部222による計数結果に基づいて、それぞれの原稿の天地方向の向きを判別する。例えば、原稿分類部223は、天地判定部222から取得する天地方向の向き毎の文字数において、文字数が最も多い天地方向の向きを特定し、特定した向きを、原稿の天地方向の向きと判別する。これにより、例えば、図4(a)に示すような原稿では、原稿の天地方向の向きが0°であると判別できる。原稿の天地方向の向きも、文字の天地方向の向きと同様に、原稿の搬送方向を基準として時計回りに0°、90°、180°、270°で示される。
【0052】
なお、文字数が最も多い天地方向の向きを、原稿の天地方向の向きと判別する場合、図4(b)に示すように文字の天地方向が異なる領域が複数あるような原稿に対しては、原稿の天地方向の向きを誤って判別する虞がある。従って、例えば、原稿分類部223は、天地方向の向き毎の文字数に基づいて、最も多い文字数に対して、次に多い文字数の比率を算出する。そして、原稿分類部223は、算出した比率が所定値以上であれば、最も多い文字数の天地方向の向きを、原稿の天地方向の向きと判別してもよい。なお、原稿分類部223は、算出した比率が所定値未満であれば、この原稿の天地方向の向きは判別不能であるとしてもよい。これにより、例えば、図4(b)に示すように文字の天地方向が異なる領域が複数あるような原稿に対しては判別不能とすることによって、誤判別を防止できる。なお、判別不能とするか否かの基準値は、ユーザによって設定可能としてもよい。
【0053】
また、図4(c)に示すように文字数が少ない原稿に対しても、原稿の天地方向の向きを誤って判別する虞がある。従って、例えば、原稿分類部223は、天地方向の向き毎の文字数の全てが所定値(例えば20画素)未満であれば、この原稿の天地方向の向きは判別不能であるとしてもよい。これにより、例えば、図4(c)に示すように文字数が少ない原稿に対しては判別不能とすることによって、誤判別を防止できる。なお、それぞれの向きの文字数の全てが所定値以上である場合に、文字数が最も多い天地方向の向きを原稿の天地方向の向きと判別してもよい。また、それぞれの向きの文字数の全てが所定値以上である場合に、最も多い文字数に対して次に多い文字数の比率を算出し、算出した比率が所定値以上であれば、最も多い文字数の天地方向の向きを、原稿の天地方向の向きと判別してもよい。なお、判別不能とするか否かの基準文字数は、ユーザによって設定可能としてもよい。
【0054】
原稿分類部223は、判別した結果に基づいて、原稿の天地方向の向き(0°、90°、180°、270°、判別不能)を示す分類制御信号を、例えば制御部101へ出力する。なお、分類制御信号は、原稿の天地方向の向きが異なることが判別できる信号であれば、原稿の天地方向の向きを示す情報に限られない。
【0055】
なお、カラー画像入力装置1は、原稿の両面の読み取りが可能であり、両面読取モードでの読み取りを行なった場合、原稿方向検知処理部22は、原稿の両面に対して、上述した原稿方向検知処理を行なう。原稿方向検知処理部22は、同一原稿の表面及び裏面に対して同一の判別結果を得た場合、その判別結果を示す分類制御信号を出力する。また、原稿方向検知処理部22は、同一原稿の表面及び裏面に対して異なる判別結果を得た場合、その原稿の向きは判別不能として判別不能を示す分類制御信号を出力する。なお、このような構成のほかに、両面読取モードでは、例えば、原稿の表面又は裏面に対してのみ上述した原稿方向検知処理を行ない、その判別結果を原稿の向きとし、その判別結果を示す分類制御信号を出力するようにしてもよい。更に、ユーザからの設定によって、上述したいずれの構成を使用するかを設定してもよい。
【0056】
制御部101は、原稿分類部223から出力された分類制御信号に基づいて、カラー画像入力装置1によって読み取った原稿を分類し、原稿シフト機構10を制御して分類毎に排出する。原稿シフト機構10は、制御部101を介して原稿方向検知処理部22から分類制御信号を取得し、順次読み取った原稿を分類制御信号に応じて分類して排出する。原稿シフト機構10の詳細は後述する。
【0057】
以下に、本実施の形態1におけるカラー画像入力装置1の構成について説明する。図5はカラー画像入力装置1の構成を示す模式図、図6はイメージセンサ部114の周辺の拡大図である。カラー画像入力装置1は、上部筐体110で構成される原稿搬送部、下部筐体160で構成されるスキャナ部などを備える。
【0058】
上部筐体110には、原稿トレイ111に載置された原稿を1枚ずつ搬送するための呼込みローラ112、原稿上の画像を読み取るために原稿を搬送する搬送ローラ113a、113b、搬送されてきた原稿の上面を読み取るためのイメージセンサ部114などを設けている。また、上部筐体110には、原稿を排出する際に、原稿方向検知処理部22から入力される分類制御信号に基づいて、原稿の向き毎に原稿を搬送方向(排出方向)に対して排出位置をシフトさせる原稿シフト機構10、排出される原稿を検知する原稿排出センサ168などを設けている。なお、原稿シフト機構10は、上下2つに分離することができるように構成されている。
【0059】
下部筐体160には、第1コンタクトガラス161、第2コンタクトガラス162及び原稿基準板169などが設けてある。また、下部筐体160には、第1コンタクトガラス161の下面に沿って平行に往復移動する第1走査ユニット163及び第2走査ユニット164、結像レンズ165、及び光電変換素子であるCCDラインセンサ166などが設けてある。また、下部筐体160には、原稿シフト機構10、排出トレイ167などが設けてある。
【0060】
第1走査ユニット163は、原稿トレイ111から搬送される原稿、あるいは、第1コンタクトガラス161に載置された原稿に光を照射するための光源163a(例えば、ハロゲンランプなど)、光源163aから照射される光を第1コンタクトガラス161又は第2コンタクトガラス162の適宜の読取位置に集光させるためのリフレクタ163bなどを備えている。また、第1走査ユニット163は、コンタクトガラス161,162を介して原稿から反射された光を第2走査ユニット164に導くためのミラー163d、原稿からの反射光をミラー163dの適宜の位置に集光させるためのスリット163cなどを備えている。
【0061】
第1走査ユニット163のミラー163dは、コンタクトガラス161,162の下面に対して反射面を45°に設置されており、原稿からの反射光の光路を90°変更して第2走査ユニット164に導く。第2走査ユニット164は、第1走査ユニット163のミラー163dによって光路を90°変更された光の光路を更に180°変更するために、反射面が相互に直交するように配置された一対のミラー164a,164bなどを備えている。第2走査ユニット164は、第1走査ユニット163に追随して、第1走査ユニット163の移動速度の半分の速度で移動するように構成されており、第1走査ユニット163のミラー163dからの光を結像レンズ165に導く。
【0062】
結像レンズ165は、第2走査ユニット164から導かれた反射光をCCDラインセンサ166上の所定の位置に結像させる。CCDラインセンサ166は、結像された光像を光電変換してアナログの電気信号を出力する。なお、この電気信号は、カラー画像処理装置2へ送られ、カラー画像処理装置2によってデジタルの電気信号(画像データ)に変換される。すなわち、原稿(例えば、原稿の表面)から読み取ったカラー画像に基づいて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したデータがカラー画像処理装置2へ出力される。
【0063】
次に、原稿シフト機構10の詳細な構成について説明する。図7及び図8は原稿シフト機構10の構成を示す横断面図である。原稿シフト機構10は、上下に分離可能な横断面が矩形状の筐体51、52を備え、筐体51は下部筐体160に支持され、筐体52は上部筐体110に支持されている。筐体52には、オフセット部材60、回転駆動源65、駆動伝達部材70、オフセット用駆動源75、オフセット用駆動伝達部材80などを設けてある。
【0064】
オフセット部材60は、水平方向(図中、Y方向、すなわち原稿排出方向に直交する方向)に移動可能であり、筐体52の内側に配置された横断面が矩形状の筐体61、筐体61の長手方向に沿って適長離隔したオフセットローラ62、…などを備えている。オフセット部材60は、水平方向に移動することにより、原稿をオフセット排出(原稿の天地方向の向き毎に原稿を水平方向にシフトして排出)する。筐体61は、原稿を搬送方向に排出するようにオフセットローラ62、…を回転自在に支持する。オフセットローラ62、…は、原稿を排出する際に原稿をチャックして排出トレイ167に排出する。
【0065】
駆動伝達部材70は、回転駆動源65に接続された駆動ギア71、駆動ギア71の中央部に嵌合されたシャフト72、シャフト72上に配置された連結ギア73a、スライド部材74、連結ギア73aに螺合する連結ギア73bなどを備え、連結ギア73bの中央部には、棒状の支持部材63を嵌合してあり、支持部材63上には、適長離隔してオフセットローラ62、…を固定してある。これにより、回転駆動源65からの駆動力をオフセットローラ62、…に伝達する。
【0066】
シャフト72は、水平方向に回転自在に支持され、スライド部材74は、シャフト72上を摺動することができる。また、シャフト72は、スライド部材74、連結ギア73a、73bを介してオフセット部材60を原稿の排出(搬送)方向に直交する方向(水平方向)に移動させることができる。また、シャフト72は、連結ギア73a、73b、オフセット部材60の水平方向の移動範囲を規制するため、スライド部材74に設けられた軸方向に長い孔74aに係合する規制部材72aを設けている。規制部材72aが孔74aの内側に沿って移動する際に孔74aの両端部に当接することにより、連結ギア73a、73b、オフセット部材60の水平方向の移動範囲を規制する。
【0067】
回転駆動源65からの駆動力は、駆動ギア71に伝わり、駆動ギア71が回転することにより、シャフト72が回転し、シャフト72の回転に伴って、連結ギア73a、73bに回転が伝わり、連結ギア73bの回転により支持部材63が回転してオフセットローラ62が回転する。オフセットローラ62、…夫々に当接してオフセットローラ62、…の回転に従動して回転するオフセットローラ64、…が支持部材63に並行に配置された支持部材68上に配置してある。
【0068】
上部筐体110、下部筐体160夫々に配置されたオフセット用駆動源75、75夫々には、ピニオンギア81、ラックギア82から構成されるオフセット用駆動伝達部材80、80を接続してあり、ラックギア82、82には、筐体61、61を固定してある。ピニオンギア81の回転に応じて、ラックギア82を水平方向(図中、Y方向)に移動させる。これにより、ラックギア82、82は、筐体61、61を水平方向に移動させる。オフセット用駆動源75、75は、原稿方向検知処理部22から出力される分類制御信号に応じて同期して制御され、筐体61、61の水平方向に異なる位置に移動させる。これにより、オフセットローラ62、…、及びオフセットローラ64、…が同時に同じ方向にオフセット(シフト)されて原稿の排出位置が制御される。
【0069】
図8では図7の場合に比較してオフセットローラ62、…、及びオフセットローラ64、…がオフセットされている。
【0070】
図9は原稿の排出位置を示す説明図である。図では、原稿を5つの向きに分類する場合を示す。例えば、原稿の搬送方向に対して0°、90°、180°、270°、判別不能の5つの原稿向きに応じて、原稿の排出(搬送)方向に直交する方向(Y方向)に原稿の排出位置をY1、Y2、Y3、Y4、Y5の如く、例えば、1インチ程度オフセット(シフト)させる。これにより、ユーザが多数の原稿を目視で分類する作業を行なう必要がなくなり、原稿をカラー画像入力装置1で読み取らせるだけで従来に比較して容易に原稿を分類することができる。なお、原稿のオフセット量(シフト量)は、1インチに限定されるものではない。
【0071】
上述した構成のカラー画像入力装置1では、原稿を第1コンタクトガラス161上に静止させて画像を読み取る静止読取モード、原稿を搬送しつつ画像を読み取る走行読取モード、原稿を搬送しつつ原稿の両面の画像を同時に読み取る両面読取モードでの原稿の読み取りが可能に構成されている。これらのモードの選択は、画像形成装置100に設けられた操作パネル4(例えば、液晶ディスプレイによる表示部、各種の設定を行なうためのボタンなどによって構成)を介して入力される。
【0072】
静止読取モードで原稿を読み取る場合、原稿基準板169に従って第1コンタクトガラス161の適宜位置に、読取面(表面)を下にして原稿が載置される。そして、走査ユニット163,164は、それぞれ一定の速度で第1コンタクトガラス161の下面に沿って、第1コンタクトガラス161の左端(ホームポジション)から右側へ移動しながら原稿の読取面(表面)を露光する。これにより、CCDラインセンサ166は、第1コンタクトガラス161に載置された原稿の表面の画像の画像データを取得する。なお、原稿基準板169には、第1コンタクトガラス161に載置される原稿のサイズ、載置方向などを示す指標が記載されている。よって、ユーザは、この指標に従って、第1コンタクトガラス161上の適切な位置に原稿を容易に載置できる。
【0073】
走行読取モードで原稿を読み取る場合、原稿トレイ111に読取面(表面)を下にして原稿又は複数の原稿からなる原稿束が載置される。なお、走行読取モードは、原稿を搬送しつつ原稿の片面(ここでは表面)のみを読み取るモードとする。第1走査ユニット163は、図6に示すように、第2コンタクトガラス162の下側の位置に移動して停止する。そして、第1走査ユニット163は、読取位置Aにおいて、呼込みローラ112及び搬送ローラ113a、113bによって第2コンタクトガラス162上まで搬送されてきた原稿の読取面(表面)を露光する。これにより、CCDラインセンサ166は、第2コンタクトガラス162まで搬送されてき原稿の表面の画像の画像データを取得する。なお、呼込みローラ112は、原稿トレイ111に原稿束が載置された場合、原稿束の原稿を下から順に取り込む。
【0074】
両面読取モードで原稿を読み取る場合、走行読取モードと同様に、原稿トレイ111に表面を下にして原稿又は複数の原稿からなる原稿束が載置される。両面読取モードで原稿を読み取る場合、第2コンタクトガラス162まで搬送されてきた原稿の表面の画像は、走行読取モードと同様に、読取位置Aにおいて、走査ユニット163,164、結像レンズ165及びCCDラインセンサ166によって読み取られる。
【0075】
なお、第2コンタクトガラス162まで搬送されてきた原稿の裏面の画像は、読取位置Bにおいて、イメージセンサ部114によって読み取られる。イメージセンサ部114は、例えばCIS(Contact Image Sensor)であり、第2コンタクトガラス162まで搬送されてきた原稿の裏面の画像を、読取位置Bにおいて、原稿の上方から読み取る。これにより、原稿トレイ111に載置された原稿が呼込みローラ112によって取り込まれて排出トレイ167に排出されるまでの1回の搬送処理において、原稿の両面の読み取りが可能である。
【0076】
本実施の形態1の画像形成装置100では、走行読取モード又は両面読取モードでの読取処理を行なう場合に、カラー画像処理装置2が各原稿の向きを検知する。そして、カラー画像処理装置2から出力される分類制御信号に従って、原稿シフト機構10が、原稿の向き毎に各原稿を分類し、オフセット(シフト)された各排出位置に排出する。
【0077】
図10及び図11は画像形成装置100(以下、処理部という)の原稿分類処理の手順を示すフローチャートである。
【0078】
処理部は、原稿を読み取る際に、ユーザからの選択に基づいて静止読取モードが設定されているか否かを判定し(S1)、静止読取モードが設定されている場合(S1でYES)、通常の原稿読取処理、画像処理、画像出力処理などを行ない、原稿分類処理は行なわない。
【0079】
静止読取モードが設定されていない場合(S1でNO)、処理部は、両面読取モードが設定されているか否かを判定する(S2)。両面読取モードが設定されていない場合(S2でNO)、すなわち、走行読取モードが設定されている場合、処理部は、原稿の表面から読み取った画像データに基づいて、この原稿の天地方向の向きを判別する原稿方向検知処理を行なう(S3)。なお、原稿方向検知処理の詳細については図12に基づいて後述する。
【0080】
処理部は、原稿方向検知処理の結果、原稿の向き(天地方向の向き)を判別できたか否かを判断し(S4)、判別できた場合(S4でYES)、判別した結果(原稿の向き)を示す分類制御信号を出力する(S5)。判別できなかった場合(S4でNO)、処理部は、判別不能を示す分類制御信号を出力する(S6)。
【0081】
処理部は、分類制御信号に基づいて、カラー画像入力装置1で読み取った各原稿を、原稿シフト機構10によって分類処理する(S7)。処理部は、カラー画像入力装置1が読み取った全ての原稿に対して上述した処理が終了したか否かを判定し(S8)、全ての原稿に対する処理が終了していない場合(S8でNO)、ステップS1に処理を戻す。また、全ての原稿に対する処理が終了した場合(S8でYES)、処理部は、処理を終了する。
【0082】
一方、両面読取モードが設定されている場合(S2でYES)、処理部は、原稿の表面から読み取った画像データに基づいて、この原稿の表面画像における天地方向の向きを判別する原稿方向検知処理を行なう(S9)。処理部は、原稿方向検知処理の結果、原稿の表面画像の向きを判別できたか否かを判断し(S10)、判別できた場合(S10でYES)、原稿の裏面から読み取った画像データに基づいて、この原稿の裏面画像における天地方向の向きを判別する原稿方向検知処理を行なう(S11)。
【0083】
処理部は、原稿方向検知処理の結果、原稿の裏面画像の向きを判別できたか否かを判断し(S12)、判別できた場合(S12でYES)、原稿の表面画像の向きと原稿の裏面画像の向きとが同一であるか否かを判断する(S13)。原稿の表面画像の向きと原稿の裏面画像の向きとが同一である場合(S13でYES)、処理部は、判別した結果(原稿の向き)を示す分類制御信号を出力する(S14)。
【0084】
原稿の表面画像の向きを判別できなかった場合(S10でNO)、原稿の裏面画像の向きを判別できなかった場合(S12でNO)、または、原稿の表面画像の向きと原稿の裏面画像の向きとが同一でなかった場合(S13でNO)、処理部は、判別不能を示す分類制御信号を出力する(S15)。
【0085】
処理部は、分類制御信号に基づいて、カラー画像入力装置1で読み取った各原稿を、原稿シフト機構10によって分類処理する(S7)。処理部は、カラー画像入力装置1が読み取った全ての原稿に対して上述した処理が終了したか否かを判定し(S8)、全ての原稿に対する処理が終了していない場合(S8でNO)、ステップS1に処理を戻す。また、全ての原稿に対する処理が終了した場合(S8でYES)、処理部は、処理を終了する。
【0086】
上述した原稿分類処理では、両面読取モードでの読取処理の場合、原稿の表面画像の向きを先に判別したが、原稿の表面画像及び裏面画像に対して行なう原稿方向検知処理の順序は、上述した順序に限らない。
【0087】
次に、上述した原稿分類処理における原稿方向検知処理(図10,11中のステップS3,S9,S11の処理)についてフローチャートに基づいて説明する。図12は原稿方向検知処理の手順を示すフローチャートである。
【0088】
処理部は、走査ユニット163,164、結像レンズ165及びCCDラインセンサ166によって読み取られる原稿の表面画像、または、イメージセンサ部114によって読み取られる原稿の裏面画像の天地方向の向きを判別する。処理部は、原稿の表面画像又は裏面画像から読み取られた画像データに対して文字認識処理を行ない(S21)、画像データに含まれる文字データを1文字ずつ切り出してパターン化する。
【0089】
処理部は、画像データに含まれる各文字データが、何の文字であるかを特定すると共に、特定した文字の天地方向の向きを判定する(S22)。処理部は、判定した天地方向の向き毎に、各向きに判定された文字数を計数する(S23)。処理部は、天地方向の向き毎に計数した文字数に基づいて、この原稿の天地方向の向きを判別する(S24)。なお、原稿の天地方向の向きの判別方法は、例えば、文字数が最も多い天地方向の向きを原稿の天地方向の向きとしてもよいし、最も多い文字数に対して、次に多い文字数の比率が所定値以上であれば、最も多い文字数の天地方向の向きを、原稿の天地方向の向きとしてもよい。
【0090】
なお、天地方向の向き毎に計数した文字数に基づいて、この原稿の天地方向の向きを判別できなかった場合、処理部は、判別不能としておく。処理部は、図10及び図11で示した原稿分類処理に処理を戻す。
【0091】
上述の実施の形態1においては、読み取り対象の原稿の向きが統一されていない場合であっても、読み取り後に、各原稿の向き毎に異なる排出位置に排出されるので、ユーザは、それぞれの排出位置に排出された原稿束毎の向きを揃えることにより、全原稿の向きを揃えることができる。よって、ユーザは、全原稿の向きを確認する必要はなく、ユーザが原稿の向きを揃える際の負担が軽減できる。
【0092】
また、各文字の向きが混載している原稿、文字数が少ない原稿など、原稿の向きを判別し難い原稿が含まれる場合、判別し難い原稿がまとめて分類されるので、判別し難い原稿に分類された原稿に対してのみ各原稿の向きを確認すればよいので、全原稿の向きを確認するよりも簡単に分類できる。
【0093】
上述の実施の形態1においては、原稿の向きが揃えられていない複数の原稿を読み取った場合に、各原稿の向きを自動的に判別し、判別結果毎に分類して排出する構成であったが、更に、読み取った画像データに対して回転処理などを行なうことによって、読み取った画像データ(電子化文書画像)の向きも統一させてもよい。この場合、読取対象の原稿の向きを揃える作業を簡単に行なえると共に、原稿を読み取って取得した画像データの向きも統一できる。
【0094】
上述の実施の形態1においては、カラー画像入力装置1は原稿の両面を読み取る構成であったが、これに限定されるものではなく、原稿の片面のみを読み取る構成にすることもできる。
【0095】
(実施の形態2)
上述の実施の形態1では、原稿シフト機構を設ける構成を示したが、原稿シフト機構は、原稿を排出する際にオフセットする構成に限定されるものではなく、排出トレイ167を原稿の排出(搬送)方向に直交する方向に可動させるように構成してもよい。この場合、原稿シフト機構において原稿をシフトさせる必要はなく、原稿を排出(搬送)させる機構があればよい。
【0096】
図13は排出トレイを可動させる場合の原稿シフト機構300の構成を示す模式図であり、図14は原稿シフト機構300の構成を示す横断面図である。本実施の形態2の原稿シフト機構300は、カラー画像入力装置1本体に固定される支持トレイ部材301及び支持トレイ部材301の上側に配置される可動トレイ部材302などを備えている。なお、カラー画像入力装置1のその他の構成については、実施の形態1と同様であるので、同一箇所には同一符号を付し、説明を省略する。
【0097】
支持トレイ部材301の上面には、外形寸法よりやや小さい矩形状の凹部303を設けてあり、凹部303に収容される形で、金属製の二本の互いに略平行な棒状の案内シャフト304、305が適長離隔して取り付けられている。具体的には、案内シャフト304、305夫々は、支持トレイ部材301の側壁に形成された貫通孔310、311、312、313、凹部303の底面から適長離隔して立設された軸受306、307、308、309に挿通されるとともに、軸受306、307、308、309で支承されている。
【0098】
凹部303中央部には、モータ、歯車列が内蔵された減速ギアボックス(不図示)、ピニオン314などを備える駆動ユニット(不図示)を設けてあり、モータの回転は、歯車列により減速されてピニオン314に伝達される。可動トレイ部材302の上面内側には、案内シャフト304、305と平行に配置され、ピニオン314と噛合するラック315が取り付けられている。ピニオン314が回転することにより、ラック315が案内シャフト304、305の軸方向に移動する。
【0099】
また、可動トレイ部材302の側縁部には、側縁辺に沿って(原稿の搬送方向に沿って)突条部316、317が形成されてあり、各突条部316、317には、案内シャフト304、305の端部が挿入され案内シャフト304、305を支承する軸受320、321、322、323を設けてある。以上の構成により、モータを駆動してピニオン314が回転すると、ピニオン314の回転がラック315に伝達されて、可動トレイ部材302は案内シャフト304、305に案内されて支持トレイ部材301に対してシートの搬送方向に直交する方向(図中矢印方向)に移動する。なお、可動トレイ部材302を移動させる手段としては、ラック及びピニオン機構に限定されるものではなく、エンドレスベルト機構又はリニアモータなどの他の機構を用いることもできる。
【0100】
原稿の排出(搬送)方向に直交する方向に可動トレイ部材302を移動させる場合、例えば、実施の形態1と同様に、1インチ程度移動させることができる。これにより、ユーザが多数の原稿を目視で分類する作業を行なう必要がなくなり、原稿をカラー画像入力装置1で読み取らせるだけで従来に比較して容易に原稿を分類することができる。なお、原稿のオフセット量(シフト量)は、1インチに限定されるものではない。
【0101】
(実施の形態3)
上述の実施の形態1及び2では、原稿を排出する際にオフセットする構成であったが、原稿を分類する方法は、これに限定されるものではなく、排出トレイを複数設けておき、分類制御信号に応じて原稿を排出する排出トレイを切替える構成とすることもできる。
【0102】
図15は実施の形態3のカラー画像入力装置1の構成を示す模式図である。本実施の形態3のカラー画像入力装置1は、コンタクトガラス161の上部に原稿搬送部520を備える。原稿搬送部520は、原稿トレイ521、回動可能であって原稿トレイ521に積層して載置された原稿を1枚ずつ搬送するための呼込みローラ522a及び捌きローラ522b、搬送された原稿を排出トレイ527a、527b、527cまで搬送するための搬送路525、搬送路525の中途に適宜設けられたレジストローラ524a、搬送ローラ524b、及び排出ローラ524cなどを備える。
【0103】
排出ローラ524cの下流側には、原稿を排出する排出トレイを切替えるためのゲート523b、523d(可撓性又は自重により下方向に位置する)、523cが設けられ、ゲート523dとゲート523cとの間には、搬送ローラ524dを配置している。原稿を排出する場合、分類制御信号に基づいて、ゲート523b、523d、523cを駆動し、判別された原稿の向き毎に異なる排出トレイ527a、527b、527cに各原稿を排出する。
【0104】
例えば、排出トレイ527aに原稿を排出する場合、ゲート523bを上方向に駆動する。また、排出トレイ527bに原稿を排出する場合、ゲート523bを下方向に、ゲート523cを上方向に駆動する。更に、排出トレイ527cに原稿を排出する場合、ゲート523bを下方向に、ゲート523cを下方向に駆動する。なお、図15では、3つの排出トレイ527a、527b、527cを備えた構成を示しているが、排出トレイの数を増加することにより、分類数を増加することができる。例えば、5つの排出トレイを備え場合、原稿の搬送方向に対して0°、90°、180°、270°、判別不能の5つの原稿向きに応じて、各原稿をそれぞれの排出トレイに排出させることができる。
【0105】
原稿トレイ521の原稿載置面には、原稿の有無を検出する原稿センサ521aを設けている。原稿センサ521aは、原稿トレイ521に載置された原稿がすべて搬送された場合、原稿が存在しないことを示す信号を出力する。これにより、原稿の搬送がすべて終了したか否かを判定することができる。
【0106】
捌きローラ522bの下流側には、搬送路525と分離され、略180度湾曲した原稿搬送路526を設けている。原稿搬送路526の中途には、回動可能な原稿ローラ524eを設けてあり、原稿搬送路526に繋がるように排出トレイ527cが取付けられている。呼込みローラ522a、捌きローラ522b、及び原稿ローラ524eは、ローラ駆動部(不図示)により、正回転及び反転回転する。
【0107】
搬送路525と原稿搬送路526との分岐点には、ゲート駆動部(不図示)により揺動可能なゲート523aが配置され、ゲート523aが下方向に駆動されることにより、原稿トレイ521に載置された原稿は、搬送路525側に搬送される。一方、ゲート523aが上方向に駆動されることにより、一旦排出トレイ527cに排出された原稿を原稿トレイ521へ搬送することもできる。
【0108】
コンタクトガラス161の下部の構成、すなわち、下部筐体160内部の構成は、実施の形態1及び2と同様であるので、同一箇所には同一符号を付して説明は省略する。
【0109】
(実施の形態4)
実施の形態3では、カラー画像入力装置1に複数の排出トレイを内蔵する構成であったが、原稿を分類して排出する方法は、これに限定されるものではなく、他の構成であってもよい。例えば、排出トレイに代えて、複数段の排出トレイを備えたオプション機構を追加する構成であってもよい。
【0110】
図16は実施の形態4のカラー画像入力装置1の構成を示す模式図である。図に示すように、原稿を分類して排出するためのオプション機構530を設けている。オプション機構530は、排出トレイ534a、534b、534c、534d、各排出トレイに分けて原稿を排出するため原稿の搬送路を切替えるゲート533、…、排出ローラ532、…などを備えている。なお、原稿の排出は、実施の形態3と同様であるので説明は省略する。
【0111】
(実施の形態5)
図17は本発明に係る画像処理装置を備える原稿読取装置500の構成を示すブロック図である。図に示すように、原稿読取装置500は、カラー画像入力装置1、A/D変換部20、シェーディング補正部21、原稿方向検知処理部22、原稿シフト機構10などを備えている。カラー画像入力装置1、A/D変換部20、シェーディング補正部21、原稿方向検知処理部22、原稿シフト機構10は、上述の画像形成装置100の場合と同様であるので説明は省略する。なお、原稿シフト機構10の代わりに、実施の形態2で説明した原稿シフト機構300、実施の形態3で説明した原稿搬送部520、実施の形態4で説明したオプション機構530を用いてもよいことは言うまでもない。
【0112】
上述の各実施の形態で説明した画像形成装置100は、デジタルカラー複写機に限られず、コピア機能、プリンタ機能、ファクシミリ送受信機能、scan to e-mail機能等を備えるデジタルカラー複合機に適用しても良い。デジタルカラー複合機はさらに、例えば、モデムやネットワークカードよりなる通信装置を備えることもできる。この場合、例えばファクシミリの送信を行なうときは、モデムにて、相手先との送信手続きを行ない送信可能な状態が確保されると、所定の形式で圧縮された画像データ(スキャナで読み込まれた画像データ)をメモリから読み出し、圧縮形式の変更など必要な処理を施して、相手先に通信回線を介して順次送信する。
【0113】
また、ファクシミリを受信する場合、通信手続きを行ないながら相手先から送信されてくる画像データを受信してカラー画像処理装置2へ出力し、カラー画像処理装置2は受信した画像データを、不図示の圧縮/伸張処理部にて伸張処理を施す。伸張された画像データは、必要に応じて、回転処理や解像度変換処理が行なわれ、出力階調補正、階調再現処理が施され、カラー画像出力装置3より出力される。
【0114】
また、画像形成装置100を、ネットワークカード、LANケーブル等を介して、ネットワークに接続されたコンピュータ及び他のデジタル複合機等との間でデータ通信を行なうように構成してもよい。また、カラー複合機だけでなく、モノクロの画像を扱う複合機、ファクシミリ通信機能のみを有するファクシミリ通信装置単体においても本発明を適用することができる。
【0115】
上述の各実施の形態において、カラー画像入力装置1としては、例えば、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラなどが用いられる。また、ネットワークを介して外部記憶装置、サーバ装置などからカラー画像データを取得する構成を更に備えてもよい。また、カラー画像出力装置3としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの画像表示装置、処理結果を記録紙などに出力する電子写真方式又はインクジェット方式のプリンタなどが用いられる。
【0116】
上述の各実施の形態では、原稿方向検知処理部22の中にメモリ224を備える構成であるが、これに限定されるものではなく、メモリ224を原稿方向検知処理部22の外部に設ける構成であってもよい。
【0117】
本発明はコンピュータに実行させるためのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録したコンピュータでの読み取り可能な記録媒体に、原稿分類処理を行なうプログラムコードを記録することもできる。この結果、上記原稿分類処理を行なうプログラムコードを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行なわれるために図示しないメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアであってもよく、図示しない外部記憶装置としてのプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0118】
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、プログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。この場合、ダウンロード用のコンピュータプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0119】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク並びにCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であってもよい。
【0120】
また、画像形成装置100を、インターネットを含む通信ネットワークに接続可能なシステム構成とし、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のコンピュータプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【符号の説明】
【0121】
1 カラー画像入力装置
2 カラー画像処理装置
3 カラー画像出力装置
10 原稿シフト機構
22 原稿方向検知処理部
100 画像形成装置
221 文字認識部
222 天地判定部
223 原稿分類部
224 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原稿を順次読み取って画像データを取得する読取手段を備え、該読取手段が取得した画像データに基づく画像処理を行なう画像処理装置において、
前記読取手段が取得した画像データに基づいて、前記原稿のそれぞれの天地方向の向きを判定する原稿向き判定手段と、
該原稿向き判定手段による判定結果に基づいて、前記読取手段が読み取った原稿を分類する分類手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記原稿向き判定手段は、
前記読取手段が読み取った原稿中の各文字を認識する文字認識手段と、
該文字認識手段が認識した各文字の天地方向の向きを判定する文字向き判定手段と、
該文字向き判定手段が判定した天地方向の向き毎に、各向きに判定された文字数を計数する計数手段とを備え、
該計数手段による計数結果に基づいて、前記原稿の天地方向の向きを判定するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記原稿向き判定手段は、前記計数手段が最も多く計数した向きの文字数に対して、次に多く計数した向きの文字数の比率を算出する算出手段を備え、該算出手段が算出した比率が所定値以上である場合に、最も多く計数した向きを、前記原稿の天地方向の向きと判定するようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記原稿向き判定手段は、前記計数手段が計数した各向きの文字数のそれぞれが所定値未満である場合に、前記原稿の天地方向の向きが不明であると判定するようにしてあることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記分類手段による分類毎に、前記原稿を分類して排出する排出手段を備えることを特徴とする請求項1から4までのいずれかひとつに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記排出手段は、前記分類毎に前記原稿の排出位置を変位するようにしてあることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
原稿を排出する排出トレイを複数備え、
前記排出手段は、前記分類毎に前記原稿を異なる排出トレイに排出するようにしてあることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の原稿を順次読み取って画像データを取得し、取得した画像データに基づく画像処理を行なう画像処理方法において、
前記原稿を読み取って取得した画像データに基づいて、前記原稿のそれぞれの天地方向の向きを判定するステップと、
判定結果に基づいて、読み取った前記原稿を分類するステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれかひとつに記載の画像処理装置と、
該画像処理装置で処理された画像データに基づいて出力画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータに、複数の原稿を順次読み取って画像データを取得させ、取得した画像データに基づく画像処理を行なわせるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記原稿を読み取って取得した画像データに基づいて、前記原稿のそれぞれの天地方向の向きを判定するステップと、
判定結果に基づいて、読み取った前記原稿を分類するステップと
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−233109(P2010−233109A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80441(P2009−80441)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】