説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】ユーザの直感的な動作に応じて、複数の画風から任意の画風を選択して、原画像を当該画風に変換した絵画風画像を生成することにより、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができる画像処理装置、画像処理方法および該画像処理装置を機能させるための画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】画像表示装置10は、画像処理部26において、CPU21からの命令に基づいて、内部メモリ24に一時保存された原画像を、タッチパネル等の入力部33を介して入力されるユーザの直感的又は感覚的な動作(接触移動速度)に応じて、複数の画風から選択された特定の画風からなる絵画風画像に変換する画像変換処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真画像を任意の絵画風画像に変換する画像処理装置、画像処理方法および該画像処理装置を機能させるための画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やデジタルカメラ、インターネット等の普及により、各種のデジタル画像の入手が容易になり、それらの表示方法が多様化している。例えば携帯電話機やデジタルカメラのディスプレイや、パーソナルコンピュータのモニター、デジタルフォトフレームの表示部に、上記デジタル画像をそのまま表示する手法や、スライドショー形式で表示する手法が知られている。さらに、近年においては、デジタル画像として入手した写真画像を任意の絵画風や画風に変換して表示する手法も知られており、これにより、ユーザを楽しませることができる効果的で趣向を凝らしたデジタル画像の表示方法が提供されている。
【0003】
ここで、上述したような写真画像の絵画風画像への変換方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、画家の描いた絵画に見られる特徴を擬似的に再現した絵画風画像を作成する画調変換方法が知られている。この画調変換方法は、具体的には、まず、変換処理のための入力情報として、処理対象となる原画像である写真画像に加え、実際の画家が描いた絵画の画像を入力し、当該画家の画像から色彩情報と筆触情報を抽出して解析する。そして、解析した情報をもとに原画像の色彩を疑似化させ、筆触を配置することにより、当該画家の描いた絵画に見られる特徴を有する絵画風画像が生成されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−213598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された画調変換方法においては、ユーザが予め入力した画家画像の解析情報に基づいて、原画像の色彩を疑似化させ、筆触を配置することにより、画家画像に疑似させた絵画風画像が生成されるものである。しかしながら、この画調変換方法においては、疑似させたい絵画の特徴(画風)は1つしかなく、複数の画風から1つを選択して、原画像を当該選択された画風に変換した絵画風画像を生成することができるものではなかった。すなわち、絵画風画像の作成にユーザが関与することができず、ユーザは、単に完成された絵画風画像を鑑賞することができるに過ぎなかった。そのため、上述した画調変換方法においては、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができず、興趣性において不十分なものであった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、ユーザの直感的な動作に応じて、複数の画風から任意の画風を選択して、原画像を当該画風に変換した絵画風画像を生成することにより、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができる画像処理装置、画像処理方法および該画像処理装置を機能させるための画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、
原画像データを記憶する原画像記憶手段と、
ユーザの入力動作の程度に従って決定された変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択手段と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、変換画像を生成する画像変換手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理方法は、
原画像を所定の画風となるように変換して、変換画像を生成する画像処理方法において、
ユーザの入力動作の程度を規定する変数の値を決定する変数値決定処理と、
決定された前記変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択処理と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、前記変換画像を生成する画像変換処理と、
を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像処理プログラムは、
コンピュータに画像処理装置を制御させて、原画像を所定の画風となるように変換して、変換画像を生成する画像処理プログラムであって、
ユーザの入力動作の程度を規定する変数の値を決定する変数値決定処理と、
決定された前記変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択処理と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、前記変換画像を生成する画像変換処理と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの直感的な動作に応じて、複数の画風から任意の画風を選択して、原画像を当該画風に変換した絵画風画像を生成することにより、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置の第1の実施形態のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像処理方法に適用される画像変換処理を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態に係る画像変換処理に関連する操作方法および画像表示状態の一例を示す概略説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法の他の例を示す概略説明図である。
【図5】第2の実施形態に係る画像処理方法に適用される画像変換処理を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法および画像表示状態の一例を示す概略説明図である。
【図7】第3の実施形態に係る画像処理方法に適用される画像変換処理を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法の一例を示す概略説明図である。
【図9】第4の実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法および画像表示状態の他の例を示す概略説明図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る画像表示装置のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置を搭載した電子機器の構成例を示す概略図(その1)である。
【図12】本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置を搭載した電子機器の構成例を示す概略図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムについて、実施形態を示して詳しく説明する。
<第1の実施形態>
(画像処理装置/画像表示装置)
まず、本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置のハードウェア構成について説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置の第1の実施形態のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。なお、図1においては、図示の都合上、機能ブロック間の信号やデータのやりとりを表す矢印を全て示したが、実際には、これらのうちいずれかが単独で、もしくは、複数が有効となって所定の処理が実行される。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る画像表示装置10は、データ処理部(画像変換手段)20と、ユーザインタフェース部(以下、ユーザI/F部と記す)30と、を備えている。データ処理部20は、概略、中央演算処理装置(Central Processing Unit;以下、CPUと記す:変数値決定手段、画風選択手段)21と、読み出し専用メモリ(Read Only Memory;以下、ROMと記す)22と、ランダムアクセスメモリ(Random
Access Memory;以下、RAMと記す)23と、内部メモリ(原画像記憶手段)24と、表示制御部25と、画像処理部26と、を備えている。
【0015】
また、ユーザI/F部30は、概略、液晶表示パネル等からなる表示部(表示手段)31と、操作スイッチ等からなり、ユーザの指示操作を受け付ける操作部32と、タッチパネルからなり、特にユーザの直感的(又は感覚的)な動作に対応する指示操作を受け付ける入力部(位置検出手段)33と、外部機器との間での通信を制御する通信部(通信手段)34と、画像データが記憶されたメモリカード等のリムーバブル記憶媒体40に対してデータの読み書きを行うメモリインタフェース部(以下、メモリI/F部と記す)35と、を備えている。
【0016】
ROM22には、例えば、後述する画像変換処理を含む、画像の表示、再生に関する各種処理、および、表示制御部25、画像処理部26、表示部31、操作部32、入力部33、通信部34、メモリI/F部35を含む各種機能を実行するための各種プログラム(ソフトウェア)が記憶されている。CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムに従って処理を行うことにより、表示制御部25、画像処理部26、表示部31、操作部32、入力部33、通信部34、メモリI/F部35等における各種機能が実現される。特に、本実施形態においては、CPU21がROM22に記憶されている画像変換処理を実行するためのプログラムを読み出して実行することにより、画像処理部26において原画像の画像データに対して、後述する入力部33を介して入力されるユーザの直感的な動作に応じて決定される特定の画風で画像変換処理が実行される。
【0017】
RAM23には、CPU21が各種の処理を実行する上で必要なデータ等が適宜記憶される。例えば後述する画像変換処理の対象となる原画像や、当該画像変換処理により生成された絵画風画像(変換画像)の画像データは、RAM23に記憶される。内部メモリ24は、ダイナミックRAM(Dynamic Random Access Memory;以下、DRAMと記す)やROM等により構成される。DRAMは、後述する画像変換処理により生成された画像データが一時的に記憶される表示バッファを構成するとともに、CPU21の作業領域を構成する。ROMには、例えば後述する画像変換処理や、画像の表示、再生に関する各種パラメータ等が記憶される。なお、内部メモリ24には、メモリカード等のリムーバブル記憶媒体40や通信回線等を介して取り込んだ原画像や、画像処理部26により所定の画像変換処理を実行することにより生成された絵画風画像の、画像データの一時保存および読み出しを行うための表示メモリ領域も含まれている。
【0018】
表示制御部(表示制御手段)25は、内部メモリ24の表示メモリ領域に格納された画像データを読み出し、当該画像データにより表現される画像を、ユーザI/F部30の表示部31に表示させる制御を実行する。例えば、表示制御部25は、上記内部メモリ24に保存された画像データに基づいてRGB信号を生成し、当該RGB信号を表示部31に供給することにより、原画像や絵画風画像を表示部31に表示させる。
【0019】
画像処理部26は、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor;DSP)等で構成され、内部メモリ24に記憶された画像データに対して、ホワイトバランス補正処理やγ補正処理などの各種画像処理を実行する。加えて、本実施形態においては、画像処理部26は、CPU21からの命令に基づいて、内部メモリ24に一時保存された原画像を、タッチパネル等の入力部33を介して入力されるユーザの直感的又は感覚的な動作を規定する変数(接触移動速度)に応じて、複数の画風から1つの画風を選択して、当該画風からなる絵画風画像に変換する画像変換処理を実行する。
【0020】
ここで、画像処理部26において、原画像を絵画風画像に変換する画像変換処理において選択可能なように予め用意される画風としては、次のような種類の画風を適用することができる。本実施形態においては、例えば油絵調や水彩画調、パステル画調、鉛筆画調、クレヨン画調、イラスト画調、点描画調、エアブラシ画調のような、絵画のジャンルに対応する各画風を適用することができる。また、本実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば上記の油絵調をさらに画家の特徴に基づいて、ゴッホ調やモネ調、ピカソ調等の分類に対応する各画風を適用するものであってもよいし、画家の特徴に依存しない、例えば一般的な油絵調の画風の特徴に基づいて、重厚系やゴシック系、野獣派系等の分類に対応する各画風を適用するものであってもよい。このような各画風に変換するための画像変換処理のアルゴリズムに適用される各種パラメータは、例えば内部メモリ24のROMに記憶されている。
【0021】
また、操作部32は、画像表示装置10の本体に設けられた、電源ボタン、ズームキー、および、メニュー設定キー等の操作スイッチであって、ユーザによる各操作に基づいて所定の操作信号を発生してデータ処理部20のCPU21へ送出する。また、入力部33は、例えば表示部31の表示パネルのユーザ側(視野側)前面に設けられた、透過型のタッチパネルであって、表示部31に表示された原画像に対応する任意の位置を、ユーザがタッチペンや指等(以下、タッチペン等と総称する)を接触させて指示する操作に基づいて所定の操作信号を発生してデータ処理部20のCPU21へ送出する。このように、ユーザが操作部32又は入力部33を操作することにより、各種操作信号がデータ処理部20に送出されて、CPU21は、当該操作信号に応じた処理を実行する。
【0022】
特に、本実施形態においては、入力部33に適用されるタッチパネルとして、当該入力部33に対するタッチペン等の接触状態(接触又は非接触の二値)および接触位置を検出することができる、既存の位置検出型のタッチパネルや感圧型のタッチパネルが適用される。これにより、ユーザが表示部31に表示された画像を参照しながら、当該画像に対応する位置のタッチパネルにタッチペン等により接触することにより、その接触位置が検出される。この検出された接触位置に関する情報は、操作信号としてCPU21に送出される。
【0023】
また、本実施形態においては、特に画像変換処理に関連する各種の操作が可能なように、操作部32や入力部33が設定されている。例えば、ユーザにより操作部32のメニュー設定キーが操作されて画像変換モードが指定されると、当該操作信号がデータ処理部20に送られ、CPU21は、画像処理部26において後述する画像変換処理を実行する画像変換モードを設定する。なお、画像変換モードの設定は、上記の操作方法のほかに、例えば、表示部31に表示されたメニューアイコンに対応する位置の入力部33をタッチペン等で接触して選択し、さらに画像変換モードのアイコンを選択する手法によるものであってもよい。
【0024】
なお、本実施形態においては、データ処理部20への原画像の取込み方法として、メモリI/F部35により制御されるメモリカード等のリムーバブル記憶媒体40を介して取り込むものであってもよいし、通信部34により、図示を省略した通信ケーブルや無線通信、赤外線通信等を介して、例えば携帯電話機やデジタルカメラ、マルチメディア機器、ハードディスク装置等の外部機器、あるいは、インターネット上のサーバ等に保存された画像データを取り込むものであってもよい。
【0025】
また、本実施形態においては、表示制御部25により生成されたRGB信号は、表示部31に出力させるだけでなく、ユーザI/F部30の通信部34により制御される通信回線や通信ケーブル等を介して、あるいは、メモリI/F部35により制御されるリムーバブル記憶媒体40を介して、図示を省略した外部機器に出力させることもできる。これにより、例えばテレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、デジタルフォトフレーム、プロジェクタ等の外部機器においても、原画像や絵画風画像を表示することができる。
【0026】
(画像処理方法)
次に、本実施形態に係る画像表示装置における画像処理方法について説明する。
ここでは、図1に示したユーザI/F部30に設けられる入力部33が、上述したように、ユーザが表示部31に表示された画像を参照して、直感的又は感覚的にタッチペン等を接触させることにより、当該接触状態および接触位置を検出することができる位置検出型のタッチパネルから構成されている。また、CPU21は、当該位置検出型のタッチパネルからなる入力部33から送出される操作信号(接触情報および位置情報)に基づいて、当該タッチペン等の接触状況を判定するとともに、その接触移動速度に基づいて、画像処理部26において原画像に施す画像変換処理に適用する画風を決定する。
【0027】
図2は、本実施形態に係る画像処理方法に適用される画像変換処理を示すフローチャートである。また、図3は、本実施形態に係る画像変換処理に関連する操作方法および画像表示状態の一例を示す概略説明図である。なお、図3に示した画像表示状態の一例においては、図示の都合上、画像変換処理された画像(絵画風画像)部分を便宜的に太線を用いて強調して示した。
【0028】
本実施形態に係る画像処理方法は、図2のフローチャートに示すように、まず、ユーザが画像表示装置10の操作部32を操作したり、液晶表示パネル等の表示部31に表示されたアイコンを選択するように入力部33に接触指示することにより、図3(a)に示すように、メニュー画面Pmenから画像変換モードが設定される(ステップS111)。このとき、表示部31には当該画像変換処理の対象となる原画像が、予め表示されていてもよい。また、この画像変換モードにおいては、図3(b)に示すように、画像変換処理により原画像全体(全領域)を特定の画風に変換する設定と、ユーザにより指定された原画像の特定の領域(指定領域)のみを、特定の画風に変換する設定とを、任意に選択できるものであってもよい。
【0029】
次いで、図3(c)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、当該表示部31の前面(ユーザ側)に配置されたタッチパネル等の入力部33にタッチペンPEN等を接触させた状態で、直感的又は感覚的に複数回往復動作(図中、矢印ARa参照)させることにより、当該タッチペンPEN等の接触位置に関する情報が検出されて、操作信号としてCPU21に送出される(ステップS112)。CPU21は、当該操作信号に含まれる位置情報と、各位置における時間情報とに基づいて、入力部33に接触されたタッチペンPEN等の接触移動速度を算出する(ステップS113;変数値決定処理)。
【0030】
ここで、上記接触移動速度を算出する具体的な手法は、例えば、まず、タッチペンPEN等による入力部33への接触が開始(接触状態が検出)されると同時に、CPU21は時間測定を開始する。このときの入力部33におけるタッチペンPEN等の接触位置に関する情報(位置情報)は、操作信号としてCPU21に送出されて、CPU21において表示部31上の対応する画素の座標に変換されて、上記測定された時間(時間情報)と関連付けて内部メモリ24に保存される。これと同時に、表示制御部25によって、タッチペンPEN等による入力部33への接触位置が、表示部31上の当該接触位置に対応する画素に表示される。ここで、タッチペンPEN等の接触位置の検出動作および時間測定は、上記接触が開始された後、当該接触が終了する(非接触状態が検出される)までの間、常時実行されるものであってもよいし、所定の時間間隔で定期的に実行されるものであってもよい。また、タッチペンPEN等を入力部33に接触させた状態で、任意の方向にタッチペンPEN等を移動させることにより入力部33からCPU21への位置情報に変化が生じた場合には、CPU21は、当該位置情報に対応する表示部31上の座標を算出して、当該タッチペンPEN等の移動長さを計算して内部メモリ24に保存する。なお、タッチペンPEN等による入力部33への接触位置を、表示部31上の当該接触位置に対応する画素に表示を行うというような、表示制御部25による上述の制御は、上記接触が開始された後、当該接触が終了するまでの間、入力部33からCPU21への位置情報に変化が生じる度に実行される。そして、タッチペンPEN等による入力部33への接触が終了した(非接触状態が検出された)場合には、CPU21は、上記時間測定を終了し、内部メモリ24に保存されたタッチペンPEN等の移動長さ(図3(c)中の軌跡LOCに相当する)の合計と、当該測定された接触時間の合計からタッチペンPEN等の接触移動速度(=(移動長さの合計)÷(接触時間の合計))を算出して内部メモリ24に保存する。
【0031】
次いで、CPU21において、上記算出された接触移動速度が、予め設定された複数の速度範囲のいずれに含まれるかを判定して、当該接触移動速度に応じて特定の画風を設定する。例えば、特定の基準値を境界にして、その基準値以上の第1の速度範囲と、上記基準値よりも小さい第2の速度範囲の2つの速度範囲が設定されている場合、上記算出された接触移動速度が、第1および第2の速度範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS114)。そして、上記接触移動速度が、第1の速度範囲に含まれる場合には、画像変換処理に適用される第1の画風として、例えば野獣派系の油絵調が設定され(ステップS115)、一方、上記接触移動速度が、第2の速度範囲に含まれる場合には、第2の画風として、例えばパステル画調が設定される(ステップS116)。これにより、CPU21において、上記算出された接触移動速度(すなわち、ユーザの入力動作の程度;本実施形態においてはタッチペンPEN等の往復動作の速さ)に基づいて、複数の画風の中から画像変換処理に適用される1つの画風が選択され、当該画風に応じたパラメータが画像処理部26に設定される(画風選択処理)。
【0032】
次いで、画像処理部26において、上記接触移動速度に応じて設定された画風に基づいて原画像PHTを画像変換処理し、図3(d)、(e)に示すように、上記画風が適用された絵画風画像PICa又はPICbを生成する(ステップS117;画像変換処理)。生成された絵画風画像PICa又はPICbの画像データは、例えば内部メモリ24の所定の表示メモリ領域に一時保存される。ここで、この画像変換処理においては、例えば図3(b)、(c)に示したように、原画像PHTにおいて画像変換処理の対象となる特定の領域(指定領域)SPAを指定する設定においては、図3(d)に示すように、ユーザが入力部33にタッチペンPEN等を接触させた状態で往復動作させた際に指示した領域(すなわち、軌跡LOCに対応した領域や塗りつぶした領域)、又は、当該指示した領域を含む所定の範囲の領域(すなわち、軌跡LOCを基準にして所定の広がりを有する領域)に対応する原画像PHTの指定領域SPAのみが、上記画風が適用された絵画風画像PICaに変換される。
【0033】
一方、例えば図3(b)に示したように、原画像PHT全体を画像変換の対象とする設定においては、図3(e)に示すように、ユーザがタッチペンPEN等により指示した領域に関わりなく、原画像PHT全体(全領域)が、上記画風が適用された絵画風画像PICbに変換される。次いで、内部メモリ24に一時保存された絵画風画像PICa又はPICbの画像データは、表示制御部25により読み出され、所定の表示信号に変換されて表示部31に表示される(ステップS118)。
【0034】
このように、本実施形態においては、表示された原画像PHTに対する、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度(接触移動速度)に応じて、複数の画風から1つの画風を選択して、原画像PHTを当該画風に変換した絵画風画像PICa又はPICbを生成することができる。したがって、本実施形態によれば、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度に応じて、絵画風画像に適用される画風を設定するという、新たな画像変換の手法を提示することができるので、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができる。
【0035】
なお、上述した画像変換処理においては、画像変換の対象となる領域を指定する手法として、図3(c)に示したように、ユーザがタッチペンPEN等を接触させた状態で往復動作(矢印ARa)させた際の軌跡LOCからなる領域(指定領域SPA)や塗りつぶした領域、又は、当該軌跡や塗りつぶした領域を基準にして所定の広がりを有する領域を指定領域に設定して、原画像PHTをタッチペンPEN等の接触移動速度に応じた画風に変換する場合について説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、次のような領域の指定方法を適用することもできる。
【0036】
図4は、本実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法の他の例を示す概略説明図である。ここで、説明を明瞭化するため、便宜的に図中の指定領域にハッチングを施して示した。
【0037】
本実施形態に係る画像変換処理に適用可能な領域指定方法は、上述した手法のほか、図4(a)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33にタッチペンPEN等を接触させた状態で、任意の領域を閉じた線で円形状や多角形状等に枠囲み(図中、矢印ARb参照)することにより、当該枠囲みした線の軌跡LOCの内側(内部)の領域を、指定領域SPBとして設定するものであってもよい。ここで、指定領域SPBは、タッチペンPEN等による線の軌跡LOCの内側の領域のみに限定されるものではなく、例えば図4(b)に示すように、当該軌跡LOC上の連続する各点LPを中心とする所定半径rの円形領域に含まれる領域(すなわち、連続する幅2rの領域)も、指定領域SPBに設定されるものであってもよい。
【0038】
また、さらに他の領域指定方法としては、図4(c)、(d)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33にタッチペンPEN等を接触させた状態で、任意の領域に対応するように直線状や曲線状等に移動(図中、矢印ARc、ARd参照)させることにより、当該線の軌跡LOC上の連続する各点LPを中心とする所定半径rの円形領域に含まれる領域(すなわち、連続する幅2rの領域)が、指定領域SPC、SPDに設定されるものであってもよい。なお、図4(b)〜(d)に示した領域指定方法におけるタッチペンPEN等による軌跡LOC上の各点LPを中心とする円形領域を規定する半径rは、予め一定の数値に設定されているものであってもよいし、例えば図3(a)、(b)に示したようなメニュー画面において、ユーザが任意の数値に設定することができるものであってもよい。
【0039】
これらの各領域指定方法においても、当該領域指定の際にユーザが直感的又は感覚的に接触移動させたタッチペンPEN等の移動速度に応じて、複数の画風から1つの画風が選択されて、原画像PHTが、当該画風が適用された絵画風画像PICa又はPICbに変換される。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置、および、該画像表示装置における画像処理方法の第2の実施形態について説明する。ここでは、上述した第1の実施形態に示した画像表示装置の構成および画像処理方法を適宜参照しながら第2の実施形態について説明する。
【0041】
上述した第1の実施形態においては、表示部31に表示された原画像PHTを参照して、ユーザが直感的又は感覚的に接触移動させたタッチペンPEN等の移動速度に応じて、原画像PHTを特定の画風が適用された絵画風画像PICa又はPICb(以下、便宜的に絵画風画像PICと総称する)に変換する場合について説明した。第2の実施形態においては、入力部33に接触させたタッチペンPEN等の接触時間に応じて、複数の画風から1つの画風を選択して、原画像PHTを当該画風が適用された絵画風画像PICに変換することを特徴とする。
【0042】
本実施形態に係る画像表示装置においては、入力部(接触状態検出手段)33に対するタッチペン等の接触状態および接触位置が検出され、また、CPU21により入力部33にタッチペン等を接触させた際の、当該接触開始から終了までの接触時間が測定される。CPU21は、入力部33から送出される操作信号(接触情報および位置情報)に基づいて、入力部33へのタッチペン等の接触状況を判定するとともに、その接触時間に応じて、画像処理部26において原画像に施す画像変換処理に適用する画風を決定する。
【0043】
図5は、第2の実施形態に係る画像処理方法に適用される画像変換処理を示すフローチャートである。ここで、上述した第1の実施形態と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0044】
上述したような画像表示装置において、本実施形態に係る画像処理方法は、図5のフローチャートに示すように、画像変換モードに設定した後(ステップS211)、上述した第1の実施形態のように、タッチペンPEN等を入力部33に接触させた状態で線状や枠囲みのように移動させる場合とは異なり、タッチペンPEN等を入力部33の任意の同一又は略同一の位置に任意の時間、接触させ続けて、特定の点を指示する。これにより、当該タッチペンPEN等の接触位置に関する情報が検出されて、操作信号としてCPU21に送出される。このとき、CPU21は、当該操作信号に含まれる接触状態(接触又は非接触の二値)に関する情報(接触情報)に基づいて、タッチペンPEN等が入力部33に接触開始されてから終了するまでの時間(接触時間)を測定する(ステップS212;変数値決定処理)。
【0045】
次いで、CPU21において、上記測定された接触時間が、予め設定された複数の時間範囲のいずれに含まれるかを判定して、当該接触時間に応じて特定の画風を設定する。例えば特定の基準時間を境界にして、その基準時間以上の第1の時間範囲と、上記基準時間よりも短い第2の時間範囲の2つの時間範囲が設定されている場合、上記測定された接触時間が、第1および第2の時間範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS213)。そして、上記接触時間が、第1の時間範囲に含まれる場合には、画像変換処理に適用される第1の画風として、例えば野獣派系の油絵調が設定され(ステップS214)、一方、上記接触時間が、第2の時間範囲に含まれる場合には、第2の画風として、例えばパステル画調が設定される(ステップS215)。これにより、CPU21において、上記測定された接触時間(すなわち、ユーザの入力動作の程度;本実施形態においてはタッチペンPEN等の接触動作の持続時間)に基づいて、複数の画風の中から画像変換処理に適用される1つの画風が選択され、当該画風に応じたパラメータが画像処理部26に設定される(画風選択処理)。
【0046】
次いで、画像処理部26において、上記接触時間に応じて設定された画風に基づいて原画像PHTを画像変換処理することにより、上記画風が適用された絵画風画像PIC(PICa又はPICb)が生成されて(ステップS216;画像変換処理)、内部メモリ24の所定の表示メモリ領域に一時保存される。ここで、この画像変換処理において、画像変換処理の対象となる原画像PHTの領域は、後述する領域指定方法に基づいて、特定の領域(指定領域)に設定されるものであってもよいし、原画像PHTの全領域に設定されるものであってもよい。そして、内部メモリ24に一時保存された絵画風画像PICの画像データは、表示制御部25により読み出され、所定の表示信号に変換されて表示部31に表示される(ステップS217)。
【0047】
次に、本実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法および画像表示状態の一例を示す概略説明図である。ここで、説明を明瞭化するため、便宜的に図中の指定領域にハッチングを施して示した。
【0048】
上述した本実施形態に係る画像変換処理に適用可能な領域指定方法は、例えば図6(a)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33の任意の点LPにタッチペンPEN等を接触させることにより、当該点LPを中心とする所定半径rの円形領域を、指定領域SPEに設定することができる。ここで、指定領域SPEを規定する半径rは、予め一定の数値に設定されているものであってもよいし、上述した第1の実施形態と同様に、例えば図3(a)、(b)に示したようなメニュー画面において、ユーザが任意の数値に設定することができるものであってもよい。
【0049】
また、他の領域指定方法としては、図6(b)、(c)に示すように、ユーザが入力部33にタッチペンPEN等を接触させる時間に応じて、上記円形領域を規定する半径rを順次変化(増減)させて、任意の大きさの指定領域SPEを設定することができるものであってもよい。
【0050】
このように、本実施形態においては、表示された原画像PHTに対する、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度を規定する変数(接触時間の長さ)に応じて、複数の画風から1つの画風を選択して、例えば図6(d)、(e)に示すように、原画像PHTを当該画風に変換した絵画風画像PICa又はPICbを生成することができる。なお、図6(d)は、第1の実施形態における図3(d)に対応し、上述した領域指定方法により指定した、原画像PHTの特定の指定領域SPEのみを、任意の画風に変換した絵画風画像PICaを示し、図6(e)は、第1の実施形態における図3(e)に対応し、原画像PHT全体(全領域)を、任意の画風に変換した絵画風画像PICbを示す。
【0051】
したがって、本実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度に応じて、絵画風画像に適用される画風を設定するという、新たな画像変換の手法を提示することができるので、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができる。
【0052】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置、および、該画像表示装置における画像処理方法の第3の実施形態について説明する。ここでは、上述した第1および第2の実施形態に示した画像表示装置の構成および画像処理方法を適宜参照しながら第3の実施形態について説明する。
【0053】
上述した第1および第2の実施形態においては、表示部31に表示された原画像PHTを参照して、ユーザが直感的又は感覚的に接触移動させたタッチペンPEN等の移動速度や接触時間に応じて、複数の画風から1つの画風を選択して、原画像PHTを当該画風が適用された絵画風画像PICに変換する場合について説明した。第3の実施形態においては、入力部33に接触させたタッチペンPEN等の押圧力に応じて、複数の画風から1つの画風を選択して、原画像PHTを当該画風が適用された絵画風画像PICに変換することを特徴とする。
【0054】
本実施形態に係る画像表示装置においては、入力部(力検出手段)33が、少なくとも、ユーザが表示部31に表示された原画像を参照して、直感的又は感覚的にタッチペン等を接触させた際の、当該接触位置および押圧力を検出することができる、既存の感圧型のタッチパネルから構成されている。また、CPU21は、当該感圧型のタッチパネルからなる入力部33から送出される操作信号(位置情報および圧力情報)に基づいて、入力部33へのタッチペン等の接触状況を判定するとともに、その押圧力に応じて、画像処理部26において原画像に施す画像変換処理に適用する画風を決定する。
【0055】
図7は、第3の実施形態に係る画像処理方法に適用される画像変換処理を示すフローチャートである。また、図8は、本実施形態に係る画像変換処理に関連する操作方法および画像表示状態の一例を示す概略説明図である。ここで、上述した第1および第2の実施形態と同等の処理手順については、その説明を簡略化又は省略する。
【0056】
本実施形態に係る画像処理方法は、図7のフローチャートに示すように、画像変換モードに設定した後(ステップS311)、例えば図8(a)に示すように、ユーザが表示部31に表示された画像を参照して、入力部33にタッチペンPEN等を、直感的又は感覚的に任意の力で押し付けた状態(図中、矢印ARz参照)で、任意の領域を指定するように往復動作(図中、矢印ARa参照)させることにより、当該タッチペンPEN等の接触位置に関する情報(接触情報)、および、タッチペンPEN等の押圧力に関する情報(圧力情報)が検出されて、操作信号としてCPU21に送出される(ステップS312)。CPU21は、当該操作信号に含まれる位置情報と、各位置における圧力情報とを関連付けて、位置情報ごとに内部メモリ24の所定のメモリ領域に順次保存する。ここで、CPU21は、位置情報に変化がない状態で、タッチペンPEN等の押圧力が変化した場合には、当該変化後の押圧力の値が、すでに内部メモリ24に保存されている値よりも大きい場合には、当該変化後の押圧力の値を内部メモリ24の所定のメモリ領域に上書き保存する。そして、CPU21は、当該操作信号に含まれる位置情報と、各位置における圧力情報とに基づいて、タッチペンPEN等の非接触状態を検出し、内部メモリ24に保存された各押圧力の代表値(本実施形態においては、最大値、又は、平均値)を算出する(ステップS313;変数値決定処理)。
【0057】
ここで、上記押圧力の代表値を算出する具体的な手法は、例えば、まず、タッチペンPEN等による入力部33への接触が開始(接触状態が検出)されると、入力部33からタッチペンPEN等の接触位置に関する情報(位置情報)、および、押圧力に関する情報(圧力情報)が、操作信号としてCPU21に送出される。CPU21は、当該操作信号に基づいて、表示部31上の対応する画素の座標を算出して、算出された座標と、当該座標における押圧力を関連付けて内部メモリ24に保存される。ここで、タッチペンPEN等の押圧力の検出動作は、上記接触が開始された後、当該接触が終了する(非接触状態が検出される)までの間、位置情報(換言すると、算出された座標)の変化を検出するたびに実行される。また、位置情報に変化がない状態で、タッチペンPEN等の押圧力が変化した場合には、当該変化後の押圧力の値と、当該位置情報に基づいて算出された座標に関連付けて内部メモリ24にすでに保存されている値とを比較して、大きい方の押圧力の値を内部メモリ24に上書き保存する。これにより、各座標における押圧力の最大値が常に更新されて保存される。そして、タッチペンPEN等による入力部33への接触が終了した(非接触状態が検出された)場合には、CPU21は、内部メモリ24に保存された座標ごとの押圧力に基づいて、後述する画像変換処理に適用される画風を決定するための、次のような押圧力の代表値を算出して内部メモリ24に保存する。具体的には、第1の例として、入力部33にタッチペンPEN等が接触していた期間(接触期間)中に検出され、内部メモリ24に保存された全座標の押圧力のうち、最大となる押圧力の値を代表値とする。また、第2の例としては、接触期間中に検出され、保存された全座標の押圧力の平均値を代表値とする。ここで、上記全座標の押圧力の平均値は、次式で表される。
【0058】
【数1】

【0059】
次いで、CPU21において、上記保存された押圧力の代表値(全座標の押圧力の最大値、又は、全座標の押圧力の平均値)が、予め設定された複数の圧力範囲のいずれに含まれるかを判定して、当該代表値に応じて特定の画風を設定する。例えば、特定の基準値を境界にして、その基準値以上の第1の圧力範囲と、上記基準値よりも小さい第2の圧力範囲の2つの圧力範囲が設定されている場合、上記算出された代表値が、第1および第2の圧力範囲のいずれに含まれるかを判定する(ステップS314)。そして、上記代表値が、第1の圧力範囲に含まれる場合には、画像変換処理に適用される第1の画風として、例えば野獣派系の油絵調が設定され(ステップS315)、一方、上記代表値が、第2の圧力範囲に含まれる場合には、第2の画風として、例えばパステル画調が設定される(ステップS316)。これにより、CPU21において、上記押圧力の大きさ(すなわち、ユーザの入力動作の程度;本実施形態においてはタッチペンPEN等を押し付ける強さ)に基づいて、複数の画風の中から画像変換処理に適用される1つの画風が選択され、当該画風に応じたパラメータが画像処理部26に設定される(画風選択処理)。
【0060】
次いで、画像処理部26において、上記押圧力の代表値に応じて設定された画風に基づいて原画像PHTを画像変換処理することにより、上記画風が適用された絵画風画像PIC(PICa又はPICb)が生成されて(ステップS317;画像変換処理)、内部メモリ24の所定の表示メモリ領域に一時保存される。ここで、この画像変換処理において、画像変換処理の対象となる原画像PHTの領域は、後述する領域指定方法に基づいて、特定の領域(指定領域)に設定されるものであってもよいし、原画像PHTの全領域に設定されるものであってもよい(第1の実施形態に示した図3(d)、(e)参照)。そして、内部メモリ24に一時保存された絵画風画像PICの画像データは、表示制御部25により読み出され、所定の表示信号に変換されて表示部31に表示される(ステップS318)。
【0061】
次に、本実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法について説明する。
図8は、本実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法の一例を示す概略説明図である。ここで、説明を明瞭化するため、便宜的に図中の指定領域にハッチングを施して示した。
【0062】
上述した本実施形態に係る画像変換処理に適用可能な領域指定方法は、例えば図8(a)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33にタッチペンPEN等を任意の力(図中、矢印FCa参照)で押し付けた状態で、直感的又は感覚的に複数回往復動作(図中、矢印ARa参照)させることにより、当該タッチペンPEN等の軌跡LOCに対応した領域が、画像変換処理の対象となる特定の領域(指定領域)に指定される。ここで、指定領域は、上述した第1の実施形態と同様に、タッチペンPEN等により指示した領域(軌跡LOCからなる領域や塗りつぶした領域)に限定されるものではなく、当該軌跡LOCを基準にして所定の広がりを有する領域を含むものであってもよい。
【0063】
また、他の領域指定方法としては、図8(b)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33にタッチペンPEN等を任意の力(図中、矢印FCb参照)で押し付けた状態で、任意の領域を閉じた線で円形状や多角形状等に枠囲み(図中、矢印ARb参照)することにより、当該枠囲みした線の軌跡LOCの内側(内部)を、指定領域SPBとして設定するものであってもよい。また、上述した第1の実施形態と同様に、指定領域SPBは、例えば図8(c)に示すように、タッチペンPEN等による線の軌跡LOCの内側の領域に加え、当該軌跡LOC上の連続する各点LPを中心とする所定半径rの円形領域に含まれる領域(すなわち、連続する幅2rの領域)に設定されるものであってもよい。
【0064】
また、他の領域指定方法としては、図8(d)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33にタッチペンPEN等を任意の力(図中、矢印FCc参照)で押し付けた状態で、任意の領域に対応するように直線状や曲線状等に移動(図中、矢印ARc参照)させることにより、当該線の軌跡LOC上の連続する各点LPを中心とする所定半径rの円形領域に含まれる領域(すなわち、連続する幅2rの領域)が、指定領域SPCに設定されるものであってもよい。
【0065】
また、さらに他の領域指定方法としては、図8(e)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33の任意の点LPにタッチペンPEN等を任意の力(図中、矢印FCe参照)で押し付けることにより、当該点LPを中心とする所定半径rの円形領域が、指定領域SPEに設定されるものであってもよい。
【0066】
なお、図8(b)〜(e)に示した領域指定方法におけるタッチペンPEN等による軌跡LOC上の各点LPを中心とする円形領域を規定する半径rは、予め一定の数値に設定されているものであってもよいし、ユーザが任意の数値に設定することができるものであってもよい。さらに、当該半径rは、タッチペンPEN等の押圧力に応じて変化(増減)させて、例えば押圧力が大きい場合には半径rが大きく設定され、押圧力が小さい場合には半径rが小さく設定されるものであってもよい。
【0067】
このように、本実施形態においては、表示された原画像PHTに対する、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度を規定する変数(押圧力の大きさ)に応じて、複数の画風から1つの画風を選択して、原画像PHTを当該画風に変換した絵画風画像PICを生成することができる。したがって、本実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様に、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度に応じて、絵画風画像に適用される画風を設定するという、新たな画像変換の手法を提示することができるので、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができる。
【0068】
なお、上述した各実施形態においては、画像変換処理に適用される画風として、説明の都合上、便宜的に2種類の画風(第1の画風;野獣派系油絵調、第2の画風;パステル画調)を示し、ユーザによる入力動作の程度(接触移動速度、接触時間、押圧力)に応じて、いずれかの画風を選択して原画像を画像変換処理する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではないことはいうまでもない。すなわち、本発明は、ユーザによる入力動作の程度について、より多くの基準値を設けて、判定される範囲を細かく分類することにより、3種類以上の多様な画風から選択された特定の画風が適用された絵画風画像を生成するものであってもよい。
【0069】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置、および、該画像表示装置における画像処理方法の第4の実施形態について説明する。ここでは、上述した第1乃至第3の実施形態に示した画像表示装置の構成および画像処理方法を適宜参照しながら第4の実施形態について説明する。
【0070】
上述した第1乃至第3の実施形態においては、画像変換処理の対象となる指定領域として、原画像PHT中の1カ所の領域のみを指定し、当該領域を特定の画風に画像変換する場合について説明した。第4の実施形態においては、画像変換処理の対象となる指定領域として、原画像PHT中の複数の領域を順次指定し、各指定領域を特定の画風に画像変換することを特徴とする。ここで、各領域の指定方法は、上述した第1乃至第3の実施形態に示したいずれかの手法が適用される。
【0071】
図9は、第4の実施形態に係る画像変換処理に関連する領域指定方法および画像表示状態の他の例を示す概略説明図である。ここでは、説明の都合上、上述した第1の実施形態と同等の領域指定方法および画像表示状態を用いて、複数の領域を指定した場合の絵画風画像の表示状態について説明するが、第2又は第3の実施形態に示した領域指定方法を適用するものであってもよいことはいうまでもない。
【0072】
本実施形態に係る画像変換処理に適用可能な領域指定方法は、例えば図9(a)に示すように、上述した第1の実施形態と同様に、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、入力部33にタッチペンPEN等を接触させた状態で複数回往復動作(図中、矢印AR1参照)させることにより、当該タッチペンPEN等の軌跡LOC1に対応する領域が、画像変換処理を施す指定領域SP1として設定される。このとき、CPU21は、タッチペンPEN等の軌跡LOC1に関連する位置情報と、各位置における時間情報とに基づいて、指定領域SP1におけるタッチペンPEN等の接触移動速度を算出して、内部メモリ24に保存する。
【0073】
次いで、原画像PHT中に上記指定領域SP1以外にも画像変換処理を施す領域がある場合には、図9(b)に示すように、ユーザが表示部31に表示された原画像PHTを参照して、当該領域に対して、入力部33にタッチペンPEN等を接触させた状態で複数回往復動作(図中、矢印AR2参照)させることにより、当該タッチペンPEN等の軌跡LOC2に対応する領域が、画像変換処理を施す指定領域SP2として設定される。このとき、CPU21は、タッチペンPEN等の軌跡LOC2に関連する位置情報と、各位置における時間情報とに基づいて、指定領域SP2におけるタッチペンPEN等の接触移動速度を算出して、内部メモリ24に保存する。
【0074】
以下、同様の領域指定処理を繰り返して、画像変換処理を施す領域を全て設定した後、例えば表示部31に表示されたアイコンを選択することにより、領域指定動作の完了を通知する情報が操作信号としてCPU21に送出される。
【0075】
次いで、CPU21において、上記指定領域SP1、SP2ごとに、タッチペンPEN等の接触移動速度に基づいて、速度範囲を判定して画風を決定する。そして、画像処理部26において、上記画風に応じたパラメータを用いて画像変換処理を実行することにより、例えば図9(c)に示すように、原画像PHTの指定領域SP1が野獣派系の油絵調に変換され、また、原画像PHTの指定領域SP2がパステル画調に変換される。これにより、各指定領域SP1、SP2がユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度(接触移動速度)に応じた画風に変換された絵画風画像PICxが生成される。
【0076】
このように、本実施形態においては、表示された原画像PHT中の複数の指定領域に対する、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度(接触移動速度、接触時間、押圧力)に応じて、各指定領域の画風を決定して、原画像PHTを各画風に変換した絵画風画像PICxを生成することができる。したがって、本実施形態においても、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度に応じて、絵画風画像に適用される画風を設定するという、新たな画像変換の手法を提示することができるので、ユーザの画像変換に対する興味を高めることができる。
【0077】
<第5の実施形態>
次に、本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置、および、該画像表示装置における画像処理方法の第5の実施形態について説明する。ここでは、上述した第1の実施形態に示した画像表示装置の構成を適宜参照しながら第5の実施形態について説明する。
【0078】
上述した第1の実施形態においては、図1に示したように、画像表示装置10単体で、表示部31に表示された原画像PHTを特定の画風が適用された絵画風画像PICに変換するスタンドアロン型の構成について説明した。第5の実施形態においては、原画像PHTを特定の画風が適用された絵画風画像PICに変換する画像変換処理機能が、上述した画像表示装置10ではなく、当該画像表示装置10にネットワークやケーブル等を介して接続されたホストコンピュータやサーバ等に設けられ、当該ホストコンピュータ等により画像変換処理が実行されることを特徴とする。
【0079】
図10は、本発明の第5の実施形態に係る画像表示装置のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。ここで、上述した第1の実施形態(図1参照)と同等の構成については、その説明を簡略化又は省略する。
【0080】
図10に示すように、本実施形態に係る画像表示装置10は、データ処理部20と、ユーザI/F部30と、を備え、ネットワーク(通信手段)50を介して、ホストコンピュータ60やファイルサーバ70に接続された構成を有している。データ処理部20は、上述した第1の実施形態と同様に、概略、CPU21と、ROM22と、RAM23と、内部メモリ24と、表示制御部25と、画像処理部26と、を備えている。ここで、本実施形態においては、画像処理部26は、上述した第1乃至第4の実施形態に示した画像変換機能を有していない。
【0081】
また、ユーザI/F部30は、上述した第1の実施形態と同様に、概略、表示部31と、操作部32と、入力部33と、通信部34と、メモリI/F部35と、を備えている。ここで、本実施形態においては、通信部34は、ネットワーク50に接続されている。
【0082】
ホストコンピュータ60は、ネットワーク50に接続され、上述した第1乃至第4の実施形態に示した画像処理部26と同等の画像変換機能を有している。すなわち、画像表示装置10において、入力部33にユーザによる入力動作が実行されると、当該入力動作(接触移動速度、接触時間、押圧力)に関する操作信号が、表示部31に表示された原画像の画像データとともに、通信部34に接続されたネットワーク50を介してホストコンピュータ60に送信される。ホストコンピュータ60は、受信した原画像の画像データと操作信号に基づいて、上述した第1乃至第4の実施形態に示した画像変換処理を実行して、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度に応じた画風からなる絵画風画像を生成する。そして、ホストコンピュータ60は、ネットワーク50を介して、生成された絵画風画像の画像データを画像表示装置10に送信する。
【0083】
このように、本実施形態においては、画像表示装置10にネットワーク50を介して接続されたホストコンピュータ60に、画像変換機能を備えることにより、画像表示装置10の画像処理部26における処理負担を軽減することができる。したがって、例えば、ユーザによる入力動作や、原画像および絵画風画像の表示動作に係る処理速度を向上させたり、電力消費を削減することができ、画像表示装置10の性能を向上させることができる。
【0084】
なお、本実施形態において、ホストコンピュータ60において実行される画像変換処理に用いられる原画像の画像データは、画像表示装置10から操作信号とともに送信されるものに限定されない。すなわち、例えば画像表示装置10の表示部31に表示されている原画像が、ネットワーク50に接続されたファイルサーバ70に蓄積された画像データを、ブラウザ等により直接閲覧するものである場合には、ホストコンピュータ60は、当該原画像の画像データをファイルサーバ70から受信する。この場合、ホストコンピュータ60における画像変換処理により生成された絵画風画像の画像データは、例えばファイルサーバ70の所定のメモリ領域に保存されて、ネットワーク50を介して、画像表示装置10の表示部31に当該絵画風画像が表示される。
【0085】
また、本実施形態においては、画像表示装置10がネットワーク50を介してホストコンピュータ60に接続された構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像表示装置10の通信部34とホストコンピュータ60が通信ケーブルを介して直接接続されているものであってもよい。
【0086】
なお、上述した各実施形態においては、入力部33により検出されるユーザの入力動作として、タッチペン等の接触移動速度、接触時間、押圧力のいずれか一つを用いて、画像変換処理に適用する画風を決定する場合について説明したが、これらのうち、任意の複数の入力動作を用いて、画風を決定するものであってもよい。例えば、入力部33として位置検出型のタッチパネルを適用した場合には、ユーザの入力動作として、例えば接触移動速度と接触時間を用いることができる。また、入力部33として感圧型のタッチパネルを適用した場合には、ユーザの入力動作として、例えば接触移動速度と押圧力を用いることができる。これらの複数の入力動作の組み合わせによれば、画風を決定する際の判定の範囲を細かく分類することができるので、多様な画風から選択された特定の画風が適用された絵画風画像を生成することができる。
【0087】
<電子機器への適用例>
次に、上述した各実施形態に示した画像表示装置を適用した電子機器について、図面を参照して簡単に説明する。
【0088】
上述したような画像表示装置10は、例えばデジタルフォトフレームやデジタルカメラ、高機能携帯電話機(スマートフォン)、パーソナルコンピュータ等、種々の電子機器に良好に適用することができる。
【0089】
図11、図12は、本発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置を搭載した電子機器の構成例を示す概略図である。図11(a)は、デジタルフォトフレームの構成例を示す斜視図であり、図11(b)、(c)は、デジタルカメラの構成例を示す斜視図である。また、図12(a)は、高機能携帯電話機の構成例を示す斜視図であり、図12(b)は、パーソナルコンピュータの構成例を示す斜視図である。
【0090】
図11(a)において、デジタルフォトフレーム110は、概略、本体部111と、上述した各実施形態に示した、タッチパネルが一体的に構成された表示部112(上述した表示部31および入力部33に相当する)と、操作スイッチからなる操作部113(上述した操作部32に相当する)と、メモリカードスロット114(上述したメモリI/F部35に相当する)と、自立スタンド115とを備えている。これによれば、ユーザが表示部112に表示された原画像を参照して、当該表示部112に一体的に構成されたタッチパネルに対して直感的又は感覚的に入力動作を行うことにより、当該入力動作の程度に応じて原画像が特定の画風からなる絵画風画像に変換されて表示部112に表示される。
【0091】
図11(b)、(c)において、デジタルカメラ120は、概略、本体部121と、レンズ部122と、上述した各実施形態に示した、タッチパネルが一体的に構成された表示部123(上述した表示部31および入力部33に相当する)と、操作スイッチからなる操作部124(上述した操作部32に相当する)と、シャッターボタン125とを備えている。この場合においても、ユーザが表示部123に表示された原画像を参照して、当該表示部123に一体的に構成されたタッチパネルに対して直感的又は感覚的に入力動作を行うことにより、当該入力動作の程度に応じて原画像が特定の画風からなる絵画風画像に変換されて表示部123に表示される。
【0092】
また、図12(a)において、高機能携帯電話機130は、概略、本体部131と、上述した各実施形態に示した、タッチパネルが一体的に構成された表示部132(上述した表示部31および入力部33に相当する)と、操作スイッチからなる操作部133(上述した操作部32に相当する)とを備えている。この場合においても、ユーザが表示部132に表示された原画像を参照して、当該表示部132に一体的に構成されたタッチパネルに対して直感的又は感覚的に入力動作を行うことにより、当該入力動作の程度に応じて原画像が特定の画風からなる絵画風画像に変換されて表示部132に表示される。
【0093】
また、図12(b)において、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ140は、概略、本体部141と、表示部142(上述した表示部31に相当する)と、キーボード143(上述した操作部32に相当する)と、ペンタブレット144(上述した入力部33に相当する)とを備えている。これによれば、ユーザが表示部142に表示された原画像を参照して、ペンタブレット144に対して直感的又は感覚的に入力動作を行うことにより、当該入力動作の程度に応じて原画像が特定の画風からなる絵画風画像に変換されて表示部142に表示される。なお、本適用例においては、上述した表示部31に相当する表示部142と、入力部33に相当するペンタブレット144が別個の構成をなす場合について示したが、上述した各実施形態と同様に、表示部142にタッチパネルが一体的に構成されたものであってもよい。また、パーソナルコンピュータ140は、デスクトップ型に限定されるものではなく、ノート型やタブレット型であってもよい。
【0094】
したがって、上述したような種々の電子機器において、ユーザの直感的又は感覚的な入力動作の程度に応じて、絵画風画像に適用される画風が設定されるという、新たな画像変換の手法を提示することができるので、ユーザの画像変換に対する興味や、当該画像変換機能を備えた電子機器に対する興味を高めることができる。
【0095】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0096】
(付記)
請求項1に記載の発明は、
原画像データを記憶する原画像記憶手段と、
ユーザの入力動作の程度に従って決定された変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択手段と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、変換画像を生成する画像変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置である。
【0097】
請求項2に記載の発明は、
前記複数の画風は、第1の画風と第2の画風とを含み、
前記画風選択手段は、
前記変数値が所定値以上であるときに、前記第1の画風を選択し、
前記変数値が所定値よりも小さいときに、前記第2の画風を選択することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
【0098】
請求項3に記載の発明は、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の速さ、前記ユーザの入力動作の持続時間、および、前記ユーザの入力動作の強さのうちの少なくとも一つを規定するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置である。
【0099】
請求項4に記載の発明は、
被接触面を有し、前記ユーザの入力動作による前記被接触面上における接触位置を検出する検出手段としての位置検出手段をさらに備え、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の速さを規定するものであり、
前記位置検出手段により検出される、前記ユーザの入力動作による前記被接触面上における前記接触位置の変位に基づいて、前記ユーザの入力動作の前記速さが計算されることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置である。
【0100】
請求項5に記載の発明は、
被接触面を有し、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への接触状態を検出する検出手段としての接触状態検出手段をさらに備え、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の持続時間を規定するものであり、
前記接触状態検出手段により検出される、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への前記接触状態の時間変位に基づいて、前記ユーザの入力動作の前記持続時間が計算されることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置である。
【0101】
請求項6に記載の発明は、
被接触面を有し、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への押圧力を検出する検出手段としての力検出手段をさらに備え、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の強さを規定するものであり、
前記力検出手段により検出される、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への前記押圧力に基づいて、前記ユーザの入力動作の前記強さが計算されることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置である。
【0102】
請求項7に記載の発明は、
前記原画像および前記変換画像を表示する表示手段と、
前記検出手段の前記被接触面への前記ユーザの入力動作による接触位置を、前記表示手段に表示された前記原画像の対応する位置に表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0103】
請求項8に記載の発明は、
少なくとも、前記検出手段および前記表示手段は、通信手段を介して、前記画風選択手段および前記画像変換手段に接続されていることを特徴とする請求項7記載の画像処理装置である。
【0104】
請求項9に記載の発明は、
ユーザの入力動作の程度に従って変数の値を決定する変数値決定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0105】
請求項10に記載の発明は、
原画像を所定の画風となるように変換して、変換画像を生成する画像処理方法において、
ユーザの入力動作の程度を規定する変数の値を決定する変数値決定処理と、
決定された前記変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択処理と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、前記変換画像を生成する画像変換処理と、
を含むことを特徴とする画像処理方法である。
【0106】
請求項11に記載の発明は、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の速さ、前記ユーザの入力動作の持続時間、および、前記ユーザの入力動作の強さのうちの少なくとも一つを規定するものであることを特徴とする請求項10記載の画像処理方法である。
【0107】
請求項12に記載の発明は、
コンピュータに画像処理装置を制御させて、原画像を所定の画風となるように変換して、変換画像を生成する画像処理プログラムであって、
ユーザの入力動作の程度を規定する変数の値を決定する変数値決定処理と、
決定された前記変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択処理と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、前記変換画像を生成する画像変換処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【符号の説明】
【0108】
10 画像表示装置
20 データ処理部
21 CPU
24 内部メモリ
25 表示制御部
26 画像処理部
30 ユーザI/F部
31 表示部
32 操作部
33 入力部
34 通信部
50 ネットワーク
60 ホストコンピュータ
PHT 原画像
PEN タッチペン
LOC 軌跡
SPA〜SPE 指定領域
PIC、PICa、PICb 絵画風画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像データを記憶する原画像記憶手段と、
ユーザの入力動作の程度に従って決定された変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択手段と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、変換画像を生成する画像変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記複数の画風は、第1の画風と第2の画風とを含み、
前記画風選択手段は、
前記変数値が所定値以上であるときに、前記第1の画風を選択し、
前記変数値が所定値よりも小さいときに、前記第2の画風を選択することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変数は、前記ユーザの入力動作の速さ、前記ユーザの入力動作の持続時間、および、前記ユーザの入力動作の強さのうちの少なくとも一つを規定するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
被接触面を有し、前記ユーザの入力動作による前記被接触面上における接触位置を検出する検出手段としての位置検出手段をさらに備え、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の速さを規定するものであり、
前記位置検出手段により検出される、前記ユーザの入力動作による前記被接触面上における前記接触位置の変位に基づいて、前記ユーザの入力動作の前記速さが計算されることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
被接触面を有し、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への接触状態を検出する検出手段としての接触状態検出手段をさらに備え、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の持続時間を規定するものであり、
前記接触状態検出手段により検出される、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への前記接触状態の時間変位に基づいて、前記ユーザの入力動作の前記持続時間が計算されることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項6】
被接触面を有し、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への押圧力を検出する検出手段としての力検出手段をさらに備え、
前記変数は、前記ユーザの入力動作の強さを規定するものであり、
前記力検出手段により検出される、前記ユーザの入力動作による前記被接触面への前記押圧力に基づいて、前記ユーザの入力動作の前記強さが計算されることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記原画像および前記変換画像を表示する表示手段と、
前記検出手段の前記被接触面への前記ユーザの入力動作による接触位置を、前記表示手段に表示された前記原画像の対応する位置に表示する表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
少なくとも、前記検出手段および前記表示手段は、通信手段を介して、前記画風選択手段および前記画像変換手段に接続されていることを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
【請求項9】
ユーザの入力動作の程度に従って変数の値を決定する変数値決定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
原画像を所定の画風となるように変換して、変換画像を生成する画像処理方法において、
ユーザの入力動作の程度を規定する変数の値を決定する変数値決定処理と、
決定された前記変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択処理と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、前記変換画像を生成する画像変換処理と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
前記変数は、前記ユーザの入力動作の速さ、前記ユーザの入力動作の持続時間、および、前記ユーザの入力動作の強さのうちの少なくとも一つを規定するものであることを特徴とする請求項10記載の画像処理方法。
【請求項12】
コンピュータに画像処理装置を制御させて、原画像を所定の画風となるように変換して、変換画像を生成する画像処理プログラムであって、
ユーザの入力動作の程度を規定する変数の値を決定する変数値決定処理と、
決定された前記変数値に応じて、複数の画風の中から1つの画風を選択する画風選択処理と、
選択された前記1つの画風となるように前記原画像を変換して、前記変換画像を生成する画像変換処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図3】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−238086(P2012−238086A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105256(P2011−105256)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】