画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
【課題】 登録した設定情報を再利用するプログラム登録機能において、人為的に行うサプライの変更等の操作によって起きる機器状態の変化に対応して、ユーザが求める条件に適合する処理を行えるようにする。
【解決手段】 プログラム登録機能を用いジョブの処理が要求された場合に、登録時と登録プログラムの利用時の間に、処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを、登録された操作情報及びサプライ(用紙、現像材)の状態等のプログラム関連情報と機器の現状を示すプログラム関連情報の異同により確認し(S102)、不一致が確認された場合、その旨と不一致箇所を指摘した警告をユーザに行う(S104)。更に一致を可能とするための設定変更等の解決方法を示し、ユーザの意図するジョブの実行を可能にする。
【解決手段】 プログラム登録機能を用いジョブの処理が要求された場合に、登録時と登録プログラムの利用時の間に、処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを、登録された操作情報及びサプライ(用紙、現像材)の状態等のプログラム関連情報と機器の現状を示すプログラム関連情報の異同により確認し(S102)、不一致が確認された場合、その旨と不一致箇所を指摘した警告をユーザに行う(S104)。更に一致を可能とするための設定変更等の解決方法を示し、ユーザの意図するジョブの実行を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、スキャナ等の機能を複合したデジタル複合機(MFP)のような画像処理装置に関し、より詳しくは、複合機能を効率よく使用しユーザが意図する処理を適正に行え、処理を指示する操作部の入力操作を簡便に行えるようにするためのプログラム登録機能を有した画像処理装置、画像処理方法及び該画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ複写機の時代を経て、CCD(Charge Coupled Device)光電変換素子より成るラインセンサを用いた読み取り装置や、レーザー照射によるトナー書き込み装置の発展により、デジタル化された画像データにてコピーを作成するデジタル複写機が登場した。
デジタル複写機となってからは、単機能の複写機だけではなく、デジタル画像データを扱う他の装置との親和性が高まり、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等、様々な機能と複合し、複合機(MFP:Multi-Function Peripherals)と呼ばれるようになった。
また、HDD(ハードディスク)ドライブ等メモリの大容量化・低コスト化、ネットワーク等通信技術の高速化や普及、CPU(Central Processing Unit)の処理能力の向上、デジタル画像データの処理に関連する技術向上(圧縮技術等)等のMFPに関連する技術の進化に伴い、搭載される機能も多種、多様化してきている。
【0003】
複合機に搭載された多種、多様な機能を使いこなすためには、操作部で利用する機能を選択して処理を指示する際の複雑化した入力操作を効率的に行えるようにすることが必要になる。こうした課題を解決するための一つの手段として、プログラム登録機能を挙げることができる。
プログラム登録機能とは、画像入出力等の処理を要求する際に操作部を通して入力された設定情報を登録し、その後、登録した設定情報を再利用して、現在求める処理を指示し得るようにし、再利用する設定情報に示される使用アプリケーション(プログラム)を含む設定内容に従って処理を実行する機能である。この機能を用いることによって、画像入出力要求を行う際の設定に関わる操作の煩雑性を低減し、操作を簡便に、適切に行うことを可能にする。
【0004】
プログラム登録機能に類する従来技術として、下記特許文献1〜3を示すことができる。
特許文献1、2はプリンタに関するものである。プリンタに印刷要求を発行するホスト機(例えば、PC:Personal Computer)に通常搭載されるプリンタドライバは、印字濃度や印刷部数などの印刷条件をユーザ側で自由に設定変更出来る機能を有している。ユーザの使用目的やホスト機で利用するアプリケーションソフトに合致した印刷などを可能とするためである。
これらの印刷条件は、ユーザがプリンタを使用するたびに必要に応じて変更するものであるが、従来のプリンタドライバは、印刷時において印刷条件を変更しないで印刷処理を実行する場合は、初期条件(以下、「デフォルト」と呼ぶ)で印刷条件が指示される。通常、プリンタドライバのデフォルト設定は、ユーザが一般的に頻繁に使用する条件に設定されている。
【0005】
ただ、時にユーザが求める印刷条件で出力するためには、プリンタドライバのデフォルトを変更しなければならないにもかかわらず、そのままで印刷処理を実行する場合がある。そのような場合、例えば必要以上の部数を印刷したり、印刷用紙の大きさや向きが異なる印刷をしたりする等の印刷ミスの原因となる。
このような印刷ミスを防止する方法として、特許文献1には、デフォルトとユーザが求める印刷条件が異なる場合に、その旨の警告等を発することでユーザの注意を喚起し、これにより現在の印刷条件でよいのかどうかの確認をさせる印刷制御システム及びその方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、デフォルトを変更してユーザが求める条件により印刷を実行するために、ユーザが意図的に印刷条件を変更した場合であっても、警告が発せられるようにしていた先行技術の改良を図るもので、入力された印刷条件を過去に実施された印刷条件と照合し適切であるか否かを確認することで、ユーザが要求した印刷条件に対して、出来る限り適切な警告や表示を行うことで印刷条件の変更に起因する印刷ミスを減少するとともに、不必要な表示、警告等をできるだけ発しない印刷制御システムが提案されている。
また、特許文献3には、MFPにおいて、設定の履歴として、プレビュー画像とともに保存した設定情報を再利用して設定操作を行うことで、操作の利便性を高める機能を備えた画像処理装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−309924号公報
【特許文献2】特開2004−157680号公報
【特許文献3】特開2008−40690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1,2は、いずれもデフォルト設定を利用してユーザの操作を簡便にし、その際に生じる設定の誤りを少なくすることを可能にしている。
しかしながら、PCからの設定若しくは、印刷制御システムの操作画面から設定されるもので、印刷ミスの低減につながる有効な機能であるが、ユーザ等により人為的に行われる機器状態の変化、例えば、記録用紙、現像材といったサプライの変更等、に対応してユーザが求める条件に適合させることを考慮したものではない。なお、この課題については、特許文献3においても解決手段を示していない。つまり、記録用紙、現像材といったサプライの変更を例にとると、コピー機能等で用いるプロッタに対しデフォルト設定やプログラム登録機能を使用する場合において、操作画面からの設定ミスは低減出来るが、ユーザ等が行う装置のサプライに関する部分については、設定通りに制御を進めてしまうため、例えば、紙種が違っていたり、プロッタの出力状況が変わっていたりした場合、意図しない出力がされてしまう場合が発生する。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、画像入出力等の処理時に操作部を通して入力された設定情報を登録し、その後、登録した設定情報を再利用して、現在求める処理を指示し得るプログラム登録機能において、ユーザ等が人為的に行うサプライの変更等の操作によって起きる機器状態の変化に対応して、ユーザが求める条件に適合する処理を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段と、前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段と、ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段と、前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段と、前記画像入力手段、画像処理手段、画像出力手段、操作表示手段及びプログラム登録手段を含む画像処理装置の各部を制御下において、画像入出力要求に応じて画像処理装置全体を制御する制御手段を有した画像処理装置であって、前記操作表示手段は、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付けることができる手段であり、前記制御手段は、前記操作表示手段を通して、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求を受付けたときに、当該操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認し、異なっている場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じ場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させるようにしたことを特徴とする。
本発明は、画像入力手段、前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段、前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段、ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段及び前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段を備えた画像処理装置における画像処理方法であって、前記操作表示手段を通じて前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付ける処理要求受付工程と、前記処理要求受付工程で受付けた画像入出力要求の再利用する操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認するプログラム関連情報確認工程と、前記プログラム関連情報確認工程で登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じであることを確認した場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させる制御工程を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、プログラム登録機能として、画像入出力要求時の操作情報に関連付けて登録するプログラムに関する情報として、ユーザ等が人為的に行う操作によって起きる機器の状態(サプライの状態等)の変化を示す情報を加えることで、登録されている操作情報により入出力指示を出す場合において、プログラムを登録した時点と機器の状態が異なっている場合に、その旨を通知することでユーザに注意を促すことが出来、無駄な入出力を避けることが可能となる。更に、機器の状態が異なっている場合に、入出力指示と機器の状態を合わせる操作をユーザに行わせるようにすることで、ユーザの意図した通りの入出力を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法の実施形態として、複合機を例に、添付した図面を参照して説明する。
「複合機(MFP)の概要」
以下に示す本実施形態に係る複合機は、複写、ドキュメントボックス(蓄積画像を再出力に利用する機能)、ファクシミリ、プリンタ及びスキャナの各機能を複合して有する。なお、この実施形態では、カラー印刷の出力ができる装置を例にするが、モノクロ印刷の出力のみが可能な装置として実施してもよい。
【0012】
図1は、本実施形態の複合機の概略構成を示す図である。なお、同図は、複合機の画像データ処理システムの構成を中心に示すものである。
図1に示す画像データ処理システムは、画像入力を原稿画像の読取り手段或いはネットワーク等を介して外部機から所定形式のデータを受信する手段によって行い、入力された画像を印刷出力に用いるデータとして処理する。なお、外部機から入力されるデータとしては、ホストPC(Personal computer)等からのスキャンデータやプリンタドライバにより作成された印刷データ、並びにファクシミリ受信データが含まれる。
また、この画像データ処理システムでは、入力画像を記憶手段に記憶(蓄積)し、時間を移して印刷出力を行うことや蓄積データを印刷出力や外部機へのデータ出力(送信)に再利用できるようにしている。データ送信先の外部機は、PC、ファクシミリ装置、ネットワークプリンタ、複合機等であるから、それぞれの機器で処理し得る所定形式の画像もしくは所定形式の画像に変換可能なデータにして、送信される。
【0013】
図1において、スキャナ等の読取り装置1は、CCD(Charge Coupled Device)光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとこれらの駆動回路を具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿画像のRGB(R:RED,G:GREEN,B:BLUE)成分の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。なお、CCDだけでなく、CIS(Contact Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)のイメージセンサでも同様の構成をとることが可能であり、さらに読み取りのビット数も近年は拡大する傾向にあることから、10ビットや12ビットで構成してもよい。
【0014】
画像データ処理装置(1)2は、読取り装置1からのデジタル画像データに対し予め定めた特性に統一する処理を施して出力する。スキャナで原稿を読取り、入力される画像データは、スキャナの機器特性に依存しているので、この処理によって機器に依存する信号成分を抑制或いは除き、画像データを正規化する処理を行い、各種の出力に利用可能な汎用データに変換し、後述するHDD5に蓄積する。つまり、MFPが有する各種の機能を利用して多様な用途に再利用できるデータとして蓄積する。
バス制御装置3は、この画像データ処理システム内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置で、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施例では、画像データ処理装置(1)2、画像データ処理部(2)4、CPU6とはPCI(Peripheral Component Interconnect)−Expressバス、HDD5とはATA(AT Attachment)バスで接続し、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)化している。
【0015】
画像データ処理部(2)4は、画像データ処理装置(1)2で処理されたデジタル画像データ、後述する回線I/F(インターフェース)装置11や外部I/F装置12を通じて入力される画像データ及び後述するHDD5に記憶された画像データに対し、画像の調整・編集加工や、ユーザから指定される出力先に適した画像処理を施す。例えば、紙に出力する場合には、画像データ処理装置(1)2で統一化された画像データを後述するプロッタ装置9に依存する各色成分CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデータへ変換する。
HDD(Hard Disk Drive)5は、デジタル画像データ及びデジタル画像データに付帯する書誌情報等の画像の管理情報を蓄積するための大容量の記憶装置である。この実施形態では、IDE(Integrated Drive Electronics)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。大容量を有しこのようなデータを記憶する装置としては、近年容量が大きくなってきたフラッシュメモリを用いたシリコンディスクなども適用可能である。その場合、消費電力の面やアクセス速度の向上が期待できる。
【0016】
CPU(Central Processing Unit)6は、この画像データ処理システムの制御全体を司るマイクロプロセッサである。この実施形態では、近年普及してきたCPUコア単体に付加機能を追加したIntegrated CPUで、汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったバス接続機能がインテグレートされたCPUを使用する。
メモリ7は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータの記憶や、CPU6がこの画像データ処理システムの制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPU6には、高速処理を求められるため、通常起動時に後述するROM14に記憶されたブートプログラムにてシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ7に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施形態では、規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMM(Dual Inline Memory Module)を使用する。
【0017】
プロッタI/F装置8は、CPU6にインテグレートされた汎用規格I/Fから送られてくる各色成分CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデジタル画像データを受け取り、プロッタ装置9の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。ここで使用している汎用規格I/FはPCI−Expressバスである。
プロッタ装置9は、CMYKのデジタル画像データを受け取ると、画像データで駆動されるレーザーにより書込みを行い、記録媒体としての転写紙にトナーを現像材として画像を形成する電子写真プロセスによって、印刷出力をする。モノクロ出力を行う際にはKだけ受け取れば出力するように構成することも可能であるが、ここでは説明を容易にするために常にCMYKの4チャンネルを受け取るものとする。
もちろん、出力に使用するプロセスは任意に選択可能であり、近年パーソナルユースで使われることの多いインクジェットエンジンでも構わない。その場合には6色や7色といった多色インクの対応も必要に応じて構成することが出来る。
【0018】
S.B.(South Bridge)13は、PCに使用されるチップセットのひとつで、「South Bridge(サウス ブリッジ)」と呼ばれる汎用の電子デバイスである。主にPCI−ExpressとISA(Industrial Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、本実施例では後述するROM14との間をブリッジしている。
ROM(Read Only Memory)14は、CPU6がこの画像データ処理システムを制御する際に用いるプログラムを格納するメモリで、電源をOFFしても内容が消えないように不揮発性のメモリで構成している。なお、ROM14或いはHDD等の他の不揮発性の記録(記憶)媒体に格納するプログラムの中に、後述の実施形態で示すプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5の制御フロー、参照)を実行するプログラムを記録(記憶)しておくことで、CPU6が、この記録媒体に記録した制御・処理プログラムや制御データ等をメモリ7に読込み、処理の実行時にこのプログラムを駆動することによって、CPU6(コンピュータ)をこの処理の実行手段として機能させることができる。なお、プログラムを記録する媒体としては、ROM14或いはHDDに限らず、CD−ROM,MO(Magnet Optical Disk)等のディスク型を含む各種記憶媒体を用いることができる。
【0019】
操作表示装置10は、この画像データ処理システムとユーザとの間のインターフェースであり、タッチパネルを兼ねたLCD(液晶表示装置)とボタン(キー)スイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのボタンスイッチ入力を検知する。なお、ボタンスイッチを省略し、タッチパネルで全ての入力に対応する構成にすることもできる。本実施形態では、操作表示装置10は、PCI−Expressバスを介してCPU6と接続する。
回線I/F装置11は、PCI−Expressバスと電話回線を接続する装置で、この装置によりこの画像データ処理システムは電話回線を介して各種データのやり取りを行うことが可能になる。外部のファクシミリ(FAX)装置15やファクシミリ機能を持つ装置とは、このインターフェースで電話回線を介してFAX送受信を行う。
【0020】
外部I/F装置12は、PCI−Expressバスと外部装置を接続する装置で、この装置によりこの画像データ処理システムは、例えばPC6等の外部機や外部デバイスと各種制御や画像データの入出力を行う。本実施形態では、接続I/Fにイーサネット(登録商標)及びUSB(Universal Serial Bus)を使用する。即ち、この画像データ処理システムは外部I/F装置12を介してネットワークや外部デバイスとしての外部メディアに接続している。ネットワークには有線LAN(Local Area Network)と無線LANがあるが、どちらでも構成することが可能である。図1に示すPC6は、PC内にインストールされたアプリケーションソフトやドライバを介して、ユーザはこの画像データ処理システムに対して各種制御や画像データの入出力を行う。また、外部メディア17は、所謂コンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSD(Secure Digital(登録商標))カード等のメモリデバイスで、画像データを含む各種電子データを記録しており、ユーザはこの画像データ処理システムに対して画像データの入出力を行う。
【0021】
次に、上記画像データ処理システム(図1)の動作を説明する。
本実施形態の複合機では、上記のように、原稿を読取る読取り装置1からのスキャナ入力に加え、外部I/F装置12を介してPC16等の外部機や外部メディア17、といった外部デバイスからのデータ入力(以下、「外部I/F入力」という)を受け、入力された各種のデータを用いて機内で印刷出力を行うか、或いは外部I/F装置12を介してデータ出力を行う。この画像データの入力及び出力の処理過程は、複写、ファクシミリ(FAX)、スキャナ、プリンタ及びドキュメントボックスの各機能のどれを利用するか、また、機能によっては利用する機能は同じでも用いるデータの違いや出力先によって異なる。
【0022】
以下には、主な入出力処理の動作フローとして、スキャナ入力画像に係るコピー動作(スキャナ入力→プロッタ出力)と、外部I/F入力動作(外部I/F入力→プロッタ出力)を説明する。
なお、上記の2動作は、スキャナ入力又は外部I/F入力といった入力デバイスからスタートしているが、下記で説明するように、入力した画像をHDD5やメモリ7を経由して、画像出力に用いている。HDD5或いはメモリ7に保存した画像データを用いて行う出力動作は、ドキュメントボックス機能による再出力動作と変わらないので、以下の記述は、蓄積(保存)画像からスタートするドキュメントボックス機能における出力動作の説明を兼ねる。
【0023】
“コピー動作(スキャナ入力→プロッタ出力)”
ユーザは、原稿を読取り装置1にセットし、操作表示装置10を通して求める画像処理モード(入出力条件)等の設定とコピー開始を指示する入力を行う(後述する図2,3の説明参照)。操作表示装置10は、ユーザが入力した情報を機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、CPU6に通知される。
CPU6は、コピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作を以下の動作プロセスで行っていく。
【0024】
先ず、読取り装置1で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットの画像データは、画像データ処理装置(1)2で予め定めた特性に統一される。ここで行う処理は、RGB各8ビットの読取り画像データに対してγ変換、フィルタ処理、色変換、及び解像度変換を行い、それぞれの処理によって、γ特性、MTF(Modulation Transfer Function)特性、色特性(RGB標準色空間への変換)、解像度特性(所定解像度への変換)について、画像の持つ特性を統一する。つまり、読取り装置1の機器特性に依存する読取り画像データを正規化し、汎用データとして出力する。なお、読取りモード(例えば、原稿の種類に対応する読取条件)等、スキャナ入力処理に条件が指示された場合には、指示に従う条件を設定して画像処理を行う。
また、原稿の種類や画像の入力処理に関連する設定データは、画像データの再利用さらにこの実施形態においては、後述の実施形態で示すプログラム登録機能を利用する際に用いるデータとして抽出、管理される。これらの処理を経た後の画像データ等は、バス制御装置3に送られる。
【0025】
バス制御装置3は、画像データ処理装置(1)2からのRGB画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開、保存する。また、メモリ7に展開されたRGB画像データは、今回の使用だけでなく、この後の再利用に向けたユーザによる蓄積指示やFAX送信における複数の出力先への同報送信、或いは編集加工等の処理前の画像データとして、必要に応じてHDD5へも蓄積、保存される。
次にメモリ7に蓄積されたRGB画像データは、CPU6及びバス制御装置3を介して画像データ処理装置(2)4に送られる。なお、画像データ処理装置(1)2で処理されたRGB画像データに対し、バス制御装置3を介して転送する際、或いはHDD5へ蓄積する際に、必要に応じてデータ圧縮・伸張処理を行うことによって効率的にデータを扱うことも可能である。このデータ圧縮・伸張処理は、CPU6のプログラムの動作で行うことができる。
【0026】
画像データ処理装置(2)4は、受取ったRGB画像データをプロッタ装置9で出力に用いるCMYK画像データに変換し、出力する。ここでは、フィルタ処理、色変換、解像度変換、中間調処理及びγ変換によって、高い再現性の出力画像を得るためにプロッタ装置9の性能に適合したCMYK各2ビットの画像データを生成し、バス制御装置3へ出力する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置(2)4からのCMYK画像データを受け取ると、CPU6を介してこのデータをメモリ7に展開する。メモリ7に展開されたCMYK画像データは、CPU6及びプロッタI/F装置8を介してプロッタ装置9に送られる。
プロッタ装置9は、プロッタI/F装置8を介して受取ったCMYK画像データを用いて記録用紙にプリント出力し、原稿のコピーを作成する。なお、画像データ処理装置(2)4は、ユーザによって、出力条件として、変倍、編集等のモードが指示された場合には、指示に従って設定した条件で出力用画像データの処理を行う。
また、カラーモードや濃度調整等の出力画像の処理に関連する設定データは、画像データの再利用さらにこの実施形態においては、後述の実施形態で示すプログラム登録機能を利用する際に用いるデータとして抽出、管理される。
【0027】
“外部I/F入力動作(外部I/F入力→プロッタ出力)”
外部I/F入力は、外部I/F装置12によって受け入れる外部デバイスからのデータ入力で、外部デバイスの1つは、ネットワーク上のPC16等の機器である。複合機にネットワーク接続されたPC16は、外部I/F装置12を介して印刷要求コマンド (出力対象の画像データと要求する画像処理モード等の設定データ)及びプリント開始を指示するデータを入力することによって、プリント出力要求を行う。CPU6は、ネットワーク上のPC16からこれらのデータの入力を受け、プリント出力要求の制御コマンドを認識する。
他の外部デバイスとしては、メモリカード等の外部メディア(不図示)が用いられる。この場合、ユーザは、外部I/F装置12を介して画像データの記録された外部メディアを接続し、操作表示装置10を通じて要求する画像処理モード等の設定とプリント(印刷)開始を指示する入力を行う。この入力を受ける操作表示装置10は、ユーザの操作により入力した情報・データを機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。
CPU6は、プリント開始の制御コマンドに応じて、プリント動作プロセスのプログラムを実行し、プロッタ出力に必要な設定や動作を以下の動作プロセスに従って行う。
【0028】
外部PC16又は外部メディアから入力された画像データは、上記スキャナ入力におけるコピー動作と共通の出力デバイス(プロッタ装置9)に用いるので、外部I/F入力も、基本的には、共通するプロッタ装置9の出力動作に使用できるように、汎用データとして予め定めた特性に統一し、HDD5へ蓄積する処理プロセスとなる。
通常、PC16から印刷要求コマンドとして入力されたレンダリング済みRGB各8ビットの規格化された色空間に基づいたデジタル画像データ、又は外部メディアから外部I/F装置12経由で入力されたRGB各8ビットの規格化された色空間に基づいたデジタル画像データは、その規格化された色空間のままCPU6を介してメモリ7に蓄積される。規格化された色空間にはいろいろな定義があるが、一般的にはsRGBやAdobeRGBを使うことが多い。
ここで、プリント出力を要求して入力されたRGB画像データが、規格化された色空間として想定されたもの以外であれば、メモリ7に蓄積されたRGB画像データは、CPU6及びバス制御装置3を介して、画像データ処理装置(2)4に送られ、ユーザの設定した規格化された色空間に変換して再度メモリ7に蓄積する。
【0029】
次に、メモリ7に蓄積された規格化された色空間のRGB画像データは、CPU6及びバス制御装置3を介して、画像データ処理装置(2)4に送られる。
画像データ処理装置(2)4は、受け取った規格化された色空間のRGB画像データをプロッタ出力用のCMYK画像データに変換し出力する。なお、この画像データ処理装置(2)4における処理は、上記動作1(スキャナ入力→プロッタ出力動作)の出力画像に対すると同様であるから、詳細については、先の記述を参照する。
この後、画像データ処理装置(2)4からのCMYK画像データを受け取ったプロッタ装置9は、このデータを用いて転写紙にプリント出力する。なお、画像データ処理装置(2)4からのCMYK画像データを用いて行うプリント出力処理及び出力画像の処理に関連する設定データを管理する処理についても、上記したコピー動作の出力処理におけると同様であるから、詳細については、先の記述を参照する。
【0030】
“ユーザによる処理要求の操作”
ユーザは、MFPを利用する際に、要求する処理の内容を操作表示装置1の操作パネルへの入力操作によって指示する。MFPでは、複合機能として持つどの機能を利用するかを選択し、選んだ機能(アプリケーション)により実行される処理に対して設定する条件等を指示することにより、この処理要求を行う。
図2は、MFPの操作パネルの一例を示す図である。同図の操作パネル21には、MFPの複合機能(画像処理アプリケーション)を選択するアプリ選択ボタン22、タッチパネルを兼ねたLCD(液晶表示装置)パネル23、テンキー24、機能選択ボタン25、スタートボタン26、ストップボタン27などを備えている。この例では、アプリ選択ボタン22として、コピー、ドキュメントボックス、ファクス(FAX)、プリンタ、スキャナの各機能に対応するボタンが備わっている。
【0031】
アプリ選択ボタン22から一つの機能を選択する操作を行うことにより、LCDパネル23の画面には、選択したアプリケーションの入力操作画面が表示される。このときにLCDパネル23は、このアプリケーションにより実行される処理で使用する設定条件を入力する画面が表示され、タッチパネルにて操作を行うことで設定の入力が行われる。スタートボタン26は、選択した機能による動作の開始を指示し、例えば、コピー機能であれば、このボタンを押すと原稿画像の読み取り動作が開始される。ストップボタン27は稼働中の動作を中止する時に使用される。
また、機能選択ボタン25は、後述する「プログラム登録機能」や「割り込み機能」、「リセット機能」などの機能を選択するもので、このボタンを押すことにより選択された機能による処理や動作が開始される。「割り込み機能」はある操作に従って動作を行っている際に、このボタンを選択し、別の設定の入力操作を行い、この操作に従って動作が行える機能であり、「リセット機能」は操作パネルに示される設定内容を初期化する際に用いられる機能である。なお、本実施形態に関係する「プログラム登録機能」ボタンの操作によってLCDパネル23に表示される操作画面を用いる動作については、後記図4を参照して説明する。
【0032】
図3は、アプリ選択ボタンの一つが操作されたときにLCDパネルに表示される入力操作画面の一例を示す。同図は、コピー機能が選択されたときの表示画面を示したものである。
LCDパネルの表示部には、タッチパネルシートが貼られており、この場合、コピー機能の操作画面を表示すると共に、画面に表示されたボタン(タッチパネルシートの該当部分)が押されるとタッチ位置が検知され、その位置情報はコントローラに伝えられ、画面のボタン表示位置との関係でどのボタンが操作されたかをコントローラが認識できる。
図3に示すように、コピー機能に関する操作画面には、コピー機能のステータス表示がされており、同図のようにコピー機能がスタンバイされていれば、「コピーできます」の文字が表示される。ステータスが表示されている部分の下側には、画質モード(<白黒>で示す)、コピー数などが表示されている。また、ステータス表示の下部領域には、「用紙選択(トレイ選択)」、「変倍率」、「出力方法(ソート、スタックなど)」が配置され、更に詳細な設定を行うために最下部領域には応用モードタブが配置されている。このタブを押すことで階層的な表示を行い、現状の表示画面に盛り込めない設定を行うことが可能となっている。
【0033】
「プログラム登録機能」
本実施形態のMFPは、画像入出力等の処理を要求する際に操作パネルでユーザが行う指示操作を簡便にするプログラム登録機能を有する。このプログラム登録機能は、予め登録しておいた処理条件でMFPが有する複合機能から選択したアプリケーション(プログラム)を再利用できるようにする機能である。よって、登録するアプリケーションは、処理条件に係る情報を付帯する。
付帯する処理条件に係る情報は、複合機能の各アプリケーションが実行する処理に対する設定として、ユーザが操作パネルから設定条件等として指示する操作情報を含む。従って、処理を指示する時に、このプログラム登録機能を用いて、登録されたアプリケーションを特定する名称等を指定するという簡単な操作を行うだけで、付帯する操作情報に示された設定条件を一括して指示でき、登録時の設定でアプリケーションが実行できる。なお、登録するアプリケーション(プログラム)は、複合機能(コピー、ドキュメントボックス、ファクス(FAX)、プリンタ、スキャナ)の各々に用意され、選択された機能の設定に適用できるようにする。
【0034】
図4は、本実施形態のプログラム登録機能の操作画面の一例を示す図である。同図の操作画面は、操作パネル21(図2)における機能選択ボタン25の一つとして用意されたプログラム登録機能ボタンを操作することによってLCDパネル23に表示される。
図4のプログラム登録機能のステータス表示部は、コピー機能が選択されているときのプログラム登録機能の操作画面であるから「プログラム(コピー)」と表示されており、ステータス表示部の下に当該機能のメニューボタン321として「呼び出し」、「登録」、「名称変更」、「削除」の各ボタンが配置され、この中のどのボタンが選択されているかにより、それぞれの画面への切替え表示が行われる。デフォルトの状態では、「呼び出し」が選択され、図4は、この状態となっており、再利用する登録プログラムの選択入力待ちの状態にある画面が表示されている。
プログラム登録機能のメニューに示される「呼び出し」は、メニューボタン321の呼び出しボタンを押すことで行われる。即ち、一覧表示された中から再利用する登録プログラムを指定する操作を行い、次いで呼び出しボタンが押下されると、登録内容(処理条件に係る情報を付帯したアプリケーション)に応じた設定が行われ、設定を反映した操作画面に切り替わる。この状態で操作パネル21(図2)のスタートボタンを押下すれば登録内容に応じて設定された入力や出力が行われる。
【0035】
次の「登録」であるが、選択したアプリケーションにおいて処理条件等の設定を行った状態(コピー機能の場合は、図3の操作画面で設定入力を行った状態)で、プログラム機能ボタン(操作パネル21に設けた機能選択ボタン25の一つ)を押下する。このボタンの押下により切替わるプログラム登録機能の操作画面(図4)で更に登録ボタンを押下すると、登録するアプリケーション(プログラム)に付与する登録名称の入力を要求されるので、設定に応じた適当な名称を入力し、その後、この名称の下にプログラム登録の対象となる操作情報等を保存、管理する。登録名称の入力方法としては、例えば、操作画面にアルファベットやひらがなキーを表示させ、そのキーへの入力操作にて行う方法を採用することにより実施し得る。
次の「名称変更」は、登録した登録名称を変更するためのボタンである。この処理は、登録内容(処理条件に係る情報を付帯したアプリケーション)を変更せずに、管理用に付与した名称のみ変更する。名称変更ボタンが押されると、登録プログラムの管理情報を呼び出し、一覧表等の形式で表示された中から選択された対象登録プログラムの名称をユーザの指示に従い変更した後、書き戻す処理を行う。
次の「削除」は、登録したプログラムを削除するためのボタンである。削除ボタンを押した後に、削除対象とする登録プログラムを選択するユーザの指示に従い、当該登録プログラムを管理情報から削除する処理を行う。
【0036】
上記のプログラム登録機能を用いることで、操作画面(図3、参照)に示された設定条件を一括して指示することを可能にすることで、個々の設定項目をチェックしながら詳細な設定を指示する煩雑な操作を不要にし、また、実行したアプリケーション(プログラム)の設定を登録内容とすることで、適正である可能性が高い設定で登録ができる。
ただ、アプリケーションを実行した時の設定内容で登録をした場合、登録時に適正であっても、その後、機器の状態が変化した場合には、適正である保証は無い。特に、ユーザが行う記録用紙、現像材といったサプライの変更やプロッタの出力状況を変える補正(例えば自動階調補正)等の人為的に行われる操作によって起きる機器状態の変化がサポートされない現状にあっては、このような機器状態の変化が生じた場合、ユーザが求める入出力等の処理条件に適合させるには、操作画面で設定される操作情報だけでは充分ではない。
そこで、本実施形態では、登録するアプリケーションに付帯する処理条件に係る情報として、さらに操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報についても管理し、このプログラム関連情報を含めた処理条件に係る情報に基づいて処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順を加えることで、プログラム登録機能を用いるときに、機器の現状を考慮して、ユーザが求める出力条件に適合する処理を行えるようにする。なお、プログラム関連情報の具体例については、後述の実施形態で説明する。
【0037】
「プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理」
プログラム登録機能を用いて要求されたジョブを処理する際に起り得る意図しない出力(印刷ミス等)を防ぎ、ユーザの求める処理条件に適合させるようにするために、上記した機器の状態変化を確認し、ユーザが求める出力条件に適合する処理を行えるようにする手順を有するジョブの処理を以下の実施形態にて説明する。
なお、下記“実施形態1”は、この処理手順に用いる基本的な手法とのこの手法を適用したジョブの処理フローの概要を示す。また、“実施形態2”〜“実施形態6”には、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす各種の要因に対し“実施形態1”の手法を適用し、それぞれの機器の状態変化へ対処できるようにした実施形態を示す。
【0038】
“実施形態1”
プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理をユーザの意図に従い行うようにするための処理手順として、先ず、処理(出力)に影響する機器の状態の変化がプログラム登録時と現処理時の間で生じたか否かで捉える。本実施形態では、これを登録時に実行したプログラムに係る操作情報及びプログラム関連情報と現状における当該情報の異同、即ち一致しているか否かの判断結果による。
プログラム関連情報は、上記したように、登録するアプリケーションに付帯し、処理(出力)に影響する機器の状態を捉えるための情報であるが、操作情報そのものではなく、操作情報に従って実行したプログラムに関する情報であり、本実施形態では、操作画面で表示されてはいないが応用モードとして階層化されている設定内容、登録の対象となったプログラムにより実行した処理(例えば画像形成プロセス)の設定条件及び処理状況(プロセス状況)、プログラム名称、登録日などがこの情報にあたる。よって、記録用紙、現像材といったサプライに関する情報をプログラム関連情報に入れることができる。サプライに関する情報は、サプライがユーザによって変更されるということもあって、システム上は操作情報によってカバーされないので、プログラム関連情報に入れることで管理対象とすることができる。
【0039】
プログラム登録機能で用いるためにプログラム関連情報を登録する方法については、先に図2〜4を参照して説明した操作情報の登録方法と同様の手順を行うことで、操作情報の登録と同時に、当該アプリケーションを実行した際の設定内容や処理状況等の上記プログラム関連情報を登録対象の情報として抽出し、登録する。
また、登録したプログラムの呼び出し方法であるが、これも上記したと同様に、プログラム機能ボタン(操作パネル21に設けた機能選択ボタン25の一つ)を押下すると表示されるプログラム登録画面(図4)において登録プログラムを指定する操作を行い、次いで呼び出しボタンを押すことにより、登録内容の操作情報及びプログラム関連情報に応じた設定が一括して行われ、プログラムを起動できる状態になる。
【0040】
プログラム登録機能を用いて呼び出されたプログラムによるジョブの処理が要求された場合には、処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順を行うことにより、意図しない処理を防ぎ、ユーザの求める処理条件に適合させるようにするという手法を導入する。
その際に行う、機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順は、登録された操作情報及びプログラム関連情報を含む処理条件に係る情報と機器の現状を示す情報との間の異同、即ち一致しているか否かを判断する手順となる。ここで、一致しない場合には、機器の状態が登録した時点と異なることになり、登録内容とミスマッチが生じ、意図した処理結果が得られないと判断する。
この手順を行った結果、不一致が確認された場合、ユーザに不一致が生じたので求める処理が可能ではない旨と、不一致箇所を指摘した警告を行う。更に一致を可能とするための設定変更等の解決方法があれば、その解決方法を表示させ、ユーザの意図する処理を可能にする。
【0041】
ここで、上記の手法を適用したジョブの処理を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
図5の処理フローによると、まず、ユーザによってアプリ選択ボタン22が押されると、この操作を受け(デフォルトで起動しているアプリケーションを利用する場合、このボタン操作は不要である)、処理を求めるアプリケーションを起動させ、その操作画面(図3参照)を表示し、処理条件等の設定操作を可能とする。
この状態で操作パネル21に設けたプログラム機能ボタンの押下によって表示されるプログラム登録画面(図4参照)において、登録プログラムの指定操作に次いで呼び出しボタンが押されると、この操作を受け、指定された登録プログラムに係る設定内容としての操作情報及びプログラム関連情報を呼び出す(ステップS101)。
次に、呼び出された登録プログラムに係る設定内容としての操作情報及びプログラム関連情報と現時点の機器の状態を表すシステムの設定情報を取得し、これらの設定情報同士を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。
【0042】
ステップS102で設定情報に不一致が無ければ(ステップS103-NO)、登録プログラムに係る設定内容に従ってアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。ジョブの処理が終わったところで、この処理フローを終了する。
他方、ステップS102で設定情報に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて警告メッセージを表示する(ステップS104)。この警告メッセージは、不一致が生じたので求める処理が可能ではない旨を知らせ、不一致箇所を指摘する。さらに、操作画面上にて設定変更等によって不一致を解消することが可能であれば、解決方法としてこの設定変更を行うことをユーザに促すメッセージを表示する。このとき、警告メッセージに応えてユーザによって設定変更操作が行われることに対応するために、設定変更の操作を行うか否かを問い、ユーザが応答するようにしてもよい。
【0043】
次に、ステップS104の警告メッセージに応えてユーザによって設定変更操作が行われるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、設定変更操作が行われなければ(ステップS105-NO)、設定を変更することなく登録プログラムに係る設定内容に従ってアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。
他方、ユーザによって設定変更操作が行われれば(ステップS105-YES)、その操作に従い登録プログラムに係る設定に対し変更を実施し(ステップS106)、変更された設定にてアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。ジョブの処理が終わったところで、この処理フローを終了する。
なお、ステップS102で確認した不一致の箇所が設定変更を行うことが出来ない箇所であった場合には、ステップS105及びS106を省略し、ステップS107に進んでジョブ実行することを可能にする。
【0044】
上記のように、この実施形態によると、プログラム登録機能における登録プログラムに係る設定を操作情報及びプログラム関連情報を内容として管理し、プログラム登録機能の利用時に、プログラム関連情報を含めた処理条件に係る情報に基づいて処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順を加えることで、プログラムを登録した時点と現状におけるサプライ等を含む機器の状態が異なっている場合に、その旨を通知し、ユーザに注意を促すことが出来、無駄な出力を避けることが可能となる。
さらに、登録時と登録プログラム利用時の間で機器の状態が異なっている場合に、不一致を解消する操作を行わせるようにユーザを導くことで、ユーザの意図する処理を可能にする。
【0045】
“実施形態2”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける記録用紙の色味である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用の記録用紙は、多種類が用いられ、画像出力の変動へ大きく影響する要素は、用紙(以下、記録用紙を単に「用紙」という)が種類によって異なる色味を持つことである。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点と用紙の種類が違い、紙の色味が異なる場合に、プログラムの意図した画質が得られない旨を通知し、この場合でも、設定を変更することにより意図する出力が得られる場合に、その設定変更操作を行わせるようにする手順を行うことで対処する。
【0046】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、異なる色味を持つ用紙の違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られる用紙の種類を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定された用紙の種類に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0047】
図6は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。
同図に示すように、メッセージ表示部331にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示するとともに、不一致である設定内容について、プログラム登録時の用紙の設定「A4トレイ 普通紙」と現状の用紙の設定「A4トレイ 再生紙」であることをそれぞれ表示する。
また、ジョブを実行するか否かを問い、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン332及び「キャンセル」ボタン333のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。ここで、「OK」ボタン332が押されれば、現状の用紙の設定「A4トレイ 再生紙」でアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。なお、図6の操作画面を用いる例による場合、図5の処理フローにおけるステップS105及びS106を省略する。
【0048】
また、用紙の種類によるが、設定された用紙の種類に不一致が有っても、画像処理にて用紙の色味の違いに対処することが出来る範囲の違いであれば、用紙の変更を行うことなく、画像処理にて差分を吸収して意図した画像を出力させることも可能である。
図7は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。同図に示す画面は、メッセージ表示部341にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示する、という点で図6の操作画面と変わらないが、画像処理で差分を吸収する補正をすれば、色味を再現できる場合である。よって、この点を「紙種類の画像への影響を低減する設定を行った後にジョブを実行しますか?」というジョブ実行へのガイダンスメッセージで表示し、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン342及び「キャンセル」ボタン343のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。また、図7の操作画面に従って行う処理の手順は、図5のステップS104〜S107に従う。
【0049】
なお、画像処理差分を吸収する補正方法としては、色補正やγ補正などを用いることにより実施することができる。
また、用紙種類の識別については、容易に実施し得る方法としてユーザ登録で予め設定した内容をチェックする方法を採用することができるが、その他に例えば、センサーを使用して用紙の色味を測色するようなシステム構成を採用しても良い。
図7の操作画面による手順と図6の操作画面による手順の使い分けについて言及する。例えば、プログラム登録時に普通紙で登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、用紙が再生紙に変わっていた場合を考えると、この場合の用紙は地肌に多少の違いはあるが、画像処理による補正にて対処できる範囲と考えられ、図7の操作画面による手順が適する。また、プログラム登録時に普通紙で登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、用紙が色紙に変更されていた場合は、地肌の差分で吸収できるようなものではなく補正で対応できないと考えられ、このような場合は、図6の操作画面による手順が適する。
【0050】
“実施形態3”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける用紙の厚さである場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用の用紙の厚さは、普通紙以外に厚紙が用いられ、それぞれに適用するプロセス条件が異なりかつ用途の違いもあり、取り違えると、画質を変動させ、ユーザの意図しない画像出力になる。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点と用紙の厚さが違う場合に、プログラムの意図した画像出力が得られない旨を通知し、用紙交換の操作をユーザに促すようにする手順を行うことで対処する。
【0051】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、用紙の厚さの違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られる用紙の厚さを比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定された用紙の厚さに不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0052】
図8は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。
同図に示すように、メッセージ表示部351にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示するとともに、不一致である設定内容について、プログラム登録時の用紙厚さの設定「A4トレイ 普通紙」と現状の用紙厚さの設定「A4トレイ 厚紙」であることをそれぞれ表示する。
また、ジョブを実行するか否かを問い、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン352及び「キャンセル」ボタン353のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。ここで、「OK」ボタン352が押されれば、現状の用紙の設定「A4トレイ 厚紙」でアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。なお、図8の操作画面を用いる例による場合、図5の処理フローにおけるステップS105及びS106を省略する。
【0053】
なお、用紙が普通紙か厚紙であるかの判別については、容易に実施し得る方法としてユーザ登録で予め設定した内容をチェックする方法を採用することができるが、その他に自動判別機能があればそれを使用して用紙が普通紙か厚紙であるかを判別するようなシステム構成を採用しても良い。
また、想定される多くのケースは、プログラム登録時に用紙厚さを普通紙として登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、用紙厚さが厚紙に変わっていた場合であり、このケースについて考えると、用紙厚さについてはトナーを定着させる工程のプロセス条件に影響するため、厚さが変わると紙搬送速度や定着温度が変更されることがある。このような場合、印刷面の表面性、光沢などに影響が生じ、品質が低下するおそれがある。また、用紙厚さは使用用途により異なるため、ユーザの意図した出力と異なることとなる。このような場合に図8に示すような警告表示を示し、用紙交換を促すメッセージ表示を加えるようにすると良い。
【0054】
“実施形態4”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける用紙のトレイ位置である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用の用紙の種類によって、それぞれに適用するプロセス条件が異なりかつ用途の違いもあり、取り違えると、画質を変動させ、ユーザの意図しない画像出力になる。このような用紙の種類の例は、上記実施形態3の普通紙と厚紙のような用紙厚さの違い、或いは上記実施形態2の普通紙と再生紙のような用紙の色味の違いに見ることができる。
ところで、用紙の取り違えは、用紙の種類を設定するときに、直接用紙の種類を指定せずに、間接的に供給する用紙を収納するトレイを指定する方法が採用される場合に起きる。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点とで給紙される用紙を収納するトレイが違う場合に、用紙が所望の種類と異なり、プログラムの意図した画像出力が得られないおそれがあるので、トレイが異なる旨を通知し、ユーザに注意を促すようにする手順を行うことで対処する。
【0055】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、トレイ位置の違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られるトレイ位置の設定を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定されたトレイ位置に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0056】
図9は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。
同図に示すように、メッセージ表示部361にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示するとともに、不一致である設定内容について、プログラム登録時のトレイ位置の設定「A4トレイ トレイ1」と現状のトレイ位置の設定「A4トレイ トレイ3」であることをそれぞれ表示する。
また、ジョブを実行するか否かを問い、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン362及び「キャンセル」ボタン363のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。ここで、「OK」ボタン362が押されれば、現状の用紙の設定「A4トレイ トレイ3」でアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。なお、図9の操作画面を用いる例による場合、図5の処理フローにおけるステップS105及びS106を省略する。
【0057】
なお、トレイ位置については、ユーザが予め設定した内容をチェックする方法を採用することができる。
また、想定される多くのケースは、プログラム登録時にトレイ1の普通紙として登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、トレイ3に変わっていた場合であり、このケースについて考える。この場合、プログラム登録時にトレイ1はA4サイズの普通紙としていても、実際に使用する場合にトレイ1,2はA3サイズの用紙となっていて、トレイ3にA4サイズの厚紙が設定されていると、トレイ位置の設定はトレイ3が選択されてしまう。これは、出力時のトレイ位置の設定は、プログラム登録内容に関係なく、用紙サイズを優先させて指定されたサイズの用紙を収納したトレイが選択されるからである。このような場合、実施形態3で説明したように、用紙厚さが変わってしまい意図した出力が得られなくなる。このため、図9に示すような警告表示を示し、ユーザに注意を促すようにする。
【0058】
“実施形態5”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける現像材の種類である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。なお、以下では、現像材がトナーである実施形態を例示する。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用のトナーの種類は、純正品以外が用いられることがあり、純正品以外のトナーは純正品に適用するプロセス条件で用いたときに必ずしも望ましい出力が得られず、画質を変え、ユーザの意図しない画像出力になる。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点とトナーの種類が違う場合に、プログラムの意図した画像出力が得られない旨を通知し、調整により求める画質が得られる場合を考慮して、ユーザに色調整の実施を促すようにする手順を行うことで対処する。
【0059】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、トナーの種類の違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られるトナーの種類を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定されたトナーの種類に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0060】
図10は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。同図に示すように、メッセージ表示部371にプログラムの設定が不一致であるトナーの種類の設定内容について「使用しているトナーは、純正のトナーではありません」と警告メッセージを表示し、また、色調整をすれば、求める色味を再現できる場合があるので、この点を「純正のトナーを使用するか、使用されているトナー用に色を調整しますか。(調整で色を赤若しくは青方向に変更できます)」及び「ジョブを実行しますか?」というジョブ実行へのガイダンスメッセージで表示する。
また、上記のメッセージ表示とともに、メッセージ表示部371の下部に「純正トナーを入れた後に実行する」ボタン372、「色調整を行った後に実行する」ボタン373及び「ジョブをキャンセルする」ボタン374を設ける。
【0061】
ユーザは、上記警告メッセージの表示に従い、色調整を行うかどうかを確認した後に、色調整を行う必要がないと判断されれば、そのままジョブを実行すれば良い。なお、この場合、純正トナーに切り替えることが望ましいので、実行ボタン372には、純正トナーを入れるコメントが付けられている。
また、色調整を行う場合は、警告画面の中の「色調整を行った後に実行する」ボタン373を選択することで、改めて色調整を行う設定の画面に入らなくても簡易的に色調整の設定を行った後に、ジョブを実行することが出来る。
色調整の要否については、例えば、トナーカートリッジに指定されたものが使用されているか否かをチェックすれば良い。
本実施形態で設定の不一致を解消する方法を含めた警告メッセージの表示例では、不一致の解消方法として、簡易的に色味を赤から青に振れるようなノッチを用意し、色味の振れに関する微調整を行えるようにしている。但し、指定されたトナーと異なったトナーを使用している場合は、それ以外の要因が画質を左右する場合もあり得る。
【0062】
なお、図10に示した警告メッセージの表示例では、不一致の解消方法を含めた警告表示の例を示しているが、警告表示のみで、別途色調整を促すような表示にしても構わない。より具体的には、プログラム登録時に指定されていたトナーカートリッジを使用して登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、指定以外のトナーカートリッジ(例えば、リフィルトナー)が使用されていた場合が考えられる。このような場合、使用されるトナーの色材が異なるため、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのそれぞれの発色性が異なってしまう。そのため図10で例示した警告メッセージを表示を出して注意を促すことが必要になる。ただ、色材の差が小さければ上記のように色調整で対応しても良い。
このように、「純正トナーを入れた後に実行する」ボタン372、「色調整を行った後に実行する」ボタン373及び「ジョブをキャンセルする」ボタン374のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。この操作画面の指示に従って行う処理の手順は、図5のステップS104〜S107に従う。
【0063】
“実施形態6”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因が自動階調(濃度)補正の実行状況である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9によって形成される画像の画質は、経時的に生じる機器の状態変化の影響を受け、ユーザの意図しない画像出力になることが避けられない。こうした機器の状態変化によって生じる画質の劣化は、階調補正を施すことを一つの改善策としている。よって、登録プログラムの設定と現状の不一致がある場合に、登録プログラムの設定をそのまま利用し画像出力すると、意図しない画質となる場合があり、自動階調補正を施さないと、画質を保てない。
そこで、登録プログラムの設定と現状との不一致が生じた場合、自動階調補正の要否を判断し、必要であるとの判断のもとに、登録プログラムの設定によると意図した画像出力が得られない場合がある旨を通知し、ユーザに自動階調補正の実行を促すようにする手順を行うことで対処する。
【0064】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、自動階調補正の適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から階調処理の設定を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定された階調処理の設定に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0065】
図11は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。同図に示すように、メッセージ表示部381に、指示された登録プログラムの設定内容(階調処理の設定)の不一致を背景にした警告メッセージとして「最新の自動階調補正は00/00/00に行われています。指定されたプログラムを実行する場合、自動補正が実施されてから00日経過しているので、画像に影響が出る場合があります。」を表示し、また、自動階調補正をすれば、求める画質を得ることができる場合があるので、この点を「自動階調補正を行った後に、ジョブを実行しますか?」というジョブ実行へのガイダンスメッセージで表示する。
また、上記のメッセージ表示とともに、メッセージ表示部371の下部に「自動階調補正を行った後に、実行する」ボタン382、「自動階調補正を行わずに、実行する」ボタン383及び「ジョブをキャンセルする」ボタン384を設ける。
【0066】
ユーザは、上記警告メッセージの表示に従い、自動階調補正を行うかどうかを確認した後に、自動階調補正を行う必要がないと判断すれば、そのままジョブを実行すれば良い。
また、自動階調補正を行う場合は、警告画面の中の「自動階調補正を行った後に、実行する」ボタン383を選択することで、改めて自動階調補正を行う設定の画面に戻らなくても自動階調補正を行うことができ、その後にジョブを実行することができる。
自動階調補正の要否については、例えば、予め前回調整を行った日時からの日数や使用枚数をカウントするようなシステムとしてそれぞれの閾値を決めておき、その閾値を越えた時点で警告表示をするような方法をとることにより実施できる。
なお図11に示した警告メッセージの表示例では、不一致の解消方法を含めた警告表示の例を示しているが、警告表示のみで、別途自動階調補正を促すような表示にしても構わない。
上記のように、「自動階調補正を行った後に、実行する」ボタン382、「自動階調補正を行わずに、実行する」ボタン383及び「ジョブをキャンセルする」ボタン384のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。この操作画面の指示に従って行う処理の手順は、図5のステップS104〜S107に従う。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係るMFP(複合機)の概略構成を示す図である。
【図2】MFP(図1)の操作表示装置(操作パネル)の一例を示す図である。
【図3】操作パネル(図2)でコピー機能が選択されたときにLCDタッチパネルに表示される入力画面を示す図である。
【図4】操作パネル(図2)でプログラム登録の機能選択ボタンが操作されたときにLCDタッチパネルに表示される入力画面を示す図である。
【図5】機器の状態をチェックするステップを有するプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理フロー図である。
【図6】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙の種類の不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図7】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙の種類の不一致をLCDパネルに表示する画面の他の例を示す図である。
【図8】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙の厚さの不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図9】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙のトレイ位置設定の不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図10】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、使用トナーの不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図11】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、自動濃度補正の実行時期を知らせるメッセージをLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1・・読取り装置、2・・画像データ処理装置(1)、4・・画像データ処理装置(2)、5・・HDD、6・・CPU、9・・プロッタ装置、10・・操作表示装置、21・・操作パネル、22・・アプリ選択ボタン、23・・LCD(液晶表示装置)パネル、25・・機能選択ボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、スキャナ等の機能を複合したデジタル複合機(MFP)のような画像処理装置に関し、より詳しくは、複合機能を効率よく使用しユーザが意図する処理を適正に行え、処理を指示する操作部の入力操作を簡便に行えるようにするためのプログラム登録機能を有した画像処理装置、画像処理方法及び該画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ複写機の時代を経て、CCD(Charge Coupled Device)光電変換素子より成るラインセンサを用いた読み取り装置や、レーザー照射によるトナー書き込み装置の発展により、デジタル化された画像データにてコピーを作成するデジタル複写機が登場した。
デジタル複写機となってからは、単機能の複写機だけではなく、デジタル画像データを扱う他の装置との親和性が高まり、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等、様々な機能と複合し、複合機(MFP:Multi-Function Peripherals)と呼ばれるようになった。
また、HDD(ハードディスク)ドライブ等メモリの大容量化・低コスト化、ネットワーク等通信技術の高速化や普及、CPU(Central Processing Unit)の処理能力の向上、デジタル画像データの処理に関連する技術向上(圧縮技術等)等のMFPに関連する技術の進化に伴い、搭載される機能も多種、多様化してきている。
【0003】
複合機に搭載された多種、多様な機能を使いこなすためには、操作部で利用する機能を選択して処理を指示する際の複雑化した入力操作を効率的に行えるようにすることが必要になる。こうした課題を解決するための一つの手段として、プログラム登録機能を挙げることができる。
プログラム登録機能とは、画像入出力等の処理を要求する際に操作部を通して入力された設定情報を登録し、その後、登録した設定情報を再利用して、現在求める処理を指示し得るようにし、再利用する設定情報に示される使用アプリケーション(プログラム)を含む設定内容に従って処理を実行する機能である。この機能を用いることによって、画像入出力要求を行う際の設定に関わる操作の煩雑性を低減し、操作を簡便に、適切に行うことを可能にする。
【0004】
プログラム登録機能に類する従来技術として、下記特許文献1〜3を示すことができる。
特許文献1、2はプリンタに関するものである。プリンタに印刷要求を発行するホスト機(例えば、PC:Personal Computer)に通常搭載されるプリンタドライバは、印字濃度や印刷部数などの印刷条件をユーザ側で自由に設定変更出来る機能を有している。ユーザの使用目的やホスト機で利用するアプリケーションソフトに合致した印刷などを可能とするためである。
これらの印刷条件は、ユーザがプリンタを使用するたびに必要に応じて変更するものであるが、従来のプリンタドライバは、印刷時において印刷条件を変更しないで印刷処理を実行する場合は、初期条件(以下、「デフォルト」と呼ぶ)で印刷条件が指示される。通常、プリンタドライバのデフォルト設定は、ユーザが一般的に頻繁に使用する条件に設定されている。
【0005】
ただ、時にユーザが求める印刷条件で出力するためには、プリンタドライバのデフォルトを変更しなければならないにもかかわらず、そのままで印刷処理を実行する場合がある。そのような場合、例えば必要以上の部数を印刷したり、印刷用紙の大きさや向きが異なる印刷をしたりする等の印刷ミスの原因となる。
このような印刷ミスを防止する方法として、特許文献1には、デフォルトとユーザが求める印刷条件が異なる場合に、その旨の警告等を発することでユーザの注意を喚起し、これにより現在の印刷条件でよいのかどうかの確認をさせる印刷制御システム及びその方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、デフォルトを変更してユーザが求める条件により印刷を実行するために、ユーザが意図的に印刷条件を変更した場合であっても、警告が発せられるようにしていた先行技術の改良を図るもので、入力された印刷条件を過去に実施された印刷条件と照合し適切であるか否かを確認することで、ユーザが要求した印刷条件に対して、出来る限り適切な警告や表示を行うことで印刷条件の変更に起因する印刷ミスを減少するとともに、不必要な表示、警告等をできるだけ発しない印刷制御システムが提案されている。
また、特許文献3には、MFPにおいて、設定の履歴として、プレビュー画像とともに保存した設定情報を再利用して設定操作を行うことで、操作の利便性を高める機能を備えた画像処理装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−309924号公報
【特許文献2】特開2004−157680号公報
【特許文献3】特開2008−40690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1,2は、いずれもデフォルト設定を利用してユーザの操作を簡便にし、その際に生じる設定の誤りを少なくすることを可能にしている。
しかしながら、PCからの設定若しくは、印刷制御システムの操作画面から設定されるもので、印刷ミスの低減につながる有効な機能であるが、ユーザ等により人為的に行われる機器状態の変化、例えば、記録用紙、現像材といったサプライの変更等、に対応してユーザが求める条件に適合させることを考慮したものではない。なお、この課題については、特許文献3においても解決手段を示していない。つまり、記録用紙、現像材といったサプライの変更を例にとると、コピー機能等で用いるプロッタに対しデフォルト設定やプログラム登録機能を使用する場合において、操作画面からの設定ミスは低減出来るが、ユーザ等が行う装置のサプライに関する部分については、設定通りに制御を進めてしまうため、例えば、紙種が違っていたり、プロッタの出力状況が変わっていたりした場合、意図しない出力がされてしまう場合が発生する。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、画像入出力等の処理時に操作部を通して入力された設定情報を登録し、その後、登録した設定情報を再利用して、現在求める処理を指示し得るプログラム登録機能において、ユーザ等が人為的に行うサプライの変更等の操作によって起きる機器状態の変化に対応して、ユーザが求める条件に適合する処理を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段と、前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段と、ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段と、前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段と、前記画像入力手段、画像処理手段、画像出力手段、操作表示手段及びプログラム登録手段を含む画像処理装置の各部を制御下において、画像入出力要求に応じて画像処理装置全体を制御する制御手段を有した画像処理装置であって、前記操作表示手段は、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付けることができる手段であり、前記制御手段は、前記操作表示手段を通して、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求を受付けたときに、当該操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認し、異なっている場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じ場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させるようにしたことを特徴とする。
本発明は、画像入力手段、前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段、前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段、ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段及び前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段を備えた画像処理装置における画像処理方法であって、前記操作表示手段を通じて前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付ける処理要求受付工程と、前記処理要求受付工程で受付けた画像入出力要求の再利用する操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認するプログラム関連情報確認工程と、前記プログラム関連情報確認工程で登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じであることを確認した場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させる制御工程を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、プログラム登録機能として、画像入出力要求時の操作情報に関連付けて登録するプログラムに関する情報として、ユーザ等が人為的に行う操作によって起きる機器の状態(サプライの状態等)の変化を示す情報を加えることで、登録されている操作情報により入出力指示を出す場合において、プログラムを登録した時点と機器の状態が異なっている場合に、その旨を通知することでユーザに注意を促すことが出来、無駄な入出力を避けることが可能となる。更に、機器の状態が異なっている場合に、入出力指示と機器の状態を合わせる操作をユーザに行わせるようにすることで、ユーザの意図した通りの入出力を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る画像処理装置及び画像処理方法の実施形態として、複合機を例に、添付した図面を参照して説明する。
「複合機(MFP)の概要」
以下に示す本実施形態に係る複合機は、複写、ドキュメントボックス(蓄積画像を再出力に利用する機能)、ファクシミリ、プリンタ及びスキャナの各機能を複合して有する。なお、この実施形態では、カラー印刷の出力ができる装置を例にするが、モノクロ印刷の出力のみが可能な装置として実施してもよい。
【0012】
図1は、本実施形態の複合機の概略構成を示す図である。なお、同図は、複合機の画像データ処理システムの構成を中心に示すものである。
図1に示す画像データ処理システムは、画像入力を原稿画像の読取り手段或いはネットワーク等を介して外部機から所定形式のデータを受信する手段によって行い、入力された画像を印刷出力に用いるデータとして処理する。なお、外部機から入力されるデータとしては、ホストPC(Personal computer)等からのスキャンデータやプリンタドライバにより作成された印刷データ、並びにファクシミリ受信データが含まれる。
また、この画像データ処理システムでは、入力画像を記憶手段に記憶(蓄積)し、時間を移して印刷出力を行うことや蓄積データを印刷出力や外部機へのデータ出力(送信)に再利用できるようにしている。データ送信先の外部機は、PC、ファクシミリ装置、ネットワークプリンタ、複合機等であるから、それぞれの機器で処理し得る所定形式の画像もしくは所定形式の画像に変換可能なデータにして、送信される。
【0013】
図1において、スキャナ等の読取り装置1は、CCD(Charge Coupled Device)光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとこれらの駆動回路を具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿画像のRGB(R:RED,G:GREEN,B:BLUE)成分の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。なお、CCDだけでなく、CIS(Contact Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)のイメージセンサでも同様の構成をとることが可能であり、さらに読み取りのビット数も近年は拡大する傾向にあることから、10ビットや12ビットで構成してもよい。
【0014】
画像データ処理装置(1)2は、読取り装置1からのデジタル画像データに対し予め定めた特性に統一する処理を施して出力する。スキャナで原稿を読取り、入力される画像データは、スキャナの機器特性に依存しているので、この処理によって機器に依存する信号成分を抑制或いは除き、画像データを正規化する処理を行い、各種の出力に利用可能な汎用データに変換し、後述するHDD5に蓄積する。つまり、MFPが有する各種の機能を利用して多様な用途に再利用できるデータとして蓄積する。
バス制御装置3は、この画像データ処理システム内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置で、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施例では、画像データ処理装置(1)2、画像データ処理部(2)4、CPU6とはPCI(Peripheral Component Interconnect)−Expressバス、HDD5とはATA(AT Attachment)バスで接続し、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)化している。
【0015】
画像データ処理部(2)4は、画像データ処理装置(1)2で処理されたデジタル画像データ、後述する回線I/F(インターフェース)装置11や外部I/F装置12を通じて入力される画像データ及び後述するHDD5に記憶された画像データに対し、画像の調整・編集加工や、ユーザから指定される出力先に適した画像処理を施す。例えば、紙に出力する場合には、画像データ処理装置(1)2で統一化された画像データを後述するプロッタ装置9に依存する各色成分CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデータへ変換する。
HDD(Hard Disk Drive)5は、デジタル画像データ及びデジタル画像データに付帯する書誌情報等の画像の管理情報を蓄積するための大容量の記憶装置である。この実施形態では、IDE(Integrated Drive Electronics)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。大容量を有しこのようなデータを記憶する装置としては、近年容量が大きくなってきたフラッシュメモリを用いたシリコンディスクなども適用可能である。その場合、消費電力の面やアクセス速度の向上が期待できる。
【0016】
CPU(Central Processing Unit)6は、この画像データ処理システムの制御全体を司るマイクロプロセッサである。この実施形態では、近年普及してきたCPUコア単体に付加機能を追加したIntegrated CPUで、汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったバス接続機能がインテグレートされたCPUを使用する。
メモリ7は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータの記憶や、CPU6がこの画像データ処理システムの制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPU6には、高速処理を求められるため、通常起動時に後述するROM14に記憶されたブートプログラムにてシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ7に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施形態では、規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMM(Dual Inline Memory Module)を使用する。
【0017】
プロッタI/F装置8は、CPU6にインテグレートされた汎用規格I/Fから送られてくる各色成分CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデジタル画像データを受け取り、プロッタ装置9の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。ここで使用している汎用規格I/FはPCI−Expressバスである。
プロッタ装置9は、CMYKのデジタル画像データを受け取ると、画像データで駆動されるレーザーにより書込みを行い、記録媒体としての転写紙にトナーを現像材として画像を形成する電子写真プロセスによって、印刷出力をする。モノクロ出力を行う際にはKだけ受け取れば出力するように構成することも可能であるが、ここでは説明を容易にするために常にCMYKの4チャンネルを受け取るものとする。
もちろん、出力に使用するプロセスは任意に選択可能であり、近年パーソナルユースで使われることの多いインクジェットエンジンでも構わない。その場合には6色や7色といった多色インクの対応も必要に応じて構成することが出来る。
【0018】
S.B.(South Bridge)13は、PCに使用されるチップセットのひとつで、「South Bridge(サウス ブリッジ)」と呼ばれる汎用の電子デバイスである。主にPCI−ExpressとISA(Industrial Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、本実施例では後述するROM14との間をブリッジしている。
ROM(Read Only Memory)14は、CPU6がこの画像データ処理システムを制御する際に用いるプログラムを格納するメモリで、電源をOFFしても内容が消えないように不揮発性のメモリで構成している。なお、ROM14或いはHDD等の他の不揮発性の記録(記憶)媒体に格納するプログラムの中に、後述の実施形態で示すプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5の制御フロー、参照)を実行するプログラムを記録(記憶)しておくことで、CPU6が、この記録媒体に記録した制御・処理プログラムや制御データ等をメモリ7に読込み、処理の実行時にこのプログラムを駆動することによって、CPU6(コンピュータ)をこの処理の実行手段として機能させることができる。なお、プログラムを記録する媒体としては、ROM14或いはHDDに限らず、CD−ROM,MO(Magnet Optical Disk)等のディスク型を含む各種記憶媒体を用いることができる。
【0019】
操作表示装置10は、この画像データ処理システムとユーザとの間のインターフェースであり、タッチパネルを兼ねたLCD(液晶表示装置)とボタン(キー)スイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのボタンスイッチ入力を検知する。なお、ボタンスイッチを省略し、タッチパネルで全ての入力に対応する構成にすることもできる。本実施形態では、操作表示装置10は、PCI−Expressバスを介してCPU6と接続する。
回線I/F装置11は、PCI−Expressバスと電話回線を接続する装置で、この装置によりこの画像データ処理システムは電話回線を介して各種データのやり取りを行うことが可能になる。外部のファクシミリ(FAX)装置15やファクシミリ機能を持つ装置とは、このインターフェースで電話回線を介してFAX送受信を行う。
【0020】
外部I/F装置12は、PCI−Expressバスと外部装置を接続する装置で、この装置によりこの画像データ処理システムは、例えばPC6等の外部機や外部デバイスと各種制御や画像データの入出力を行う。本実施形態では、接続I/Fにイーサネット(登録商標)及びUSB(Universal Serial Bus)を使用する。即ち、この画像データ処理システムは外部I/F装置12を介してネットワークや外部デバイスとしての外部メディアに接続している。ネットワークには有線LAN(Local Area Network)と無線LANがあるが、どちらでも構成することが可能である。図1に示すPC6は、PC内にインストールされたアプリケーションソフトやドライバを介して、ユーザはこの画像データ処理システムに対して各種制御や画像データの入出力を行う。また、外部メディア17は、所謂コンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSD(Secure Digital(登録商標))カード等のメモリデバイスで、画像データを含む各種電子データを記録しており、ユーザはこの画像データ処理システムに対して画像データの入出力を行う。
【0021】
次に、上記画像データ処理システム(図1)の動作を説明する。
本実施形態の複合機では、上記のように、原稿を読取る読取り装置1からのスキャナ入力に加え、外部I/F装置12を介してPC16等の外部機や外部メディア17、といった外部デバイスからのデータ入力(以下、「外部I/F入力」という)を受け、入力された各種のデータを用いて機内で印刷出力を行うか、或いは外部I/F装置12を介してデータ出力を行う。この画像データの入力及び出力の処理過程は、複写、ファクシミリ(FAX)、スキャナ、プリンタ及びドキュメントボックスの各機能のどれを利用するか、また、機能によっては利用する機能は同じでも用いるデータの違いや出力先によって異なる。
【0022】
以下には、主な入出力処理の動作フローとして、スキャナ入力画像に係るコピー動作(スキャナ入力→プロッタ出力)と、外部I/F入力動作(外部I/F入力→プロッタ出力)を説明する。
なお、上記の2動作は、スキャナ入力又は外部I/F入力といった入力デバイスからスタートしているが、下記で説明するように、入力した画像をHDD5やメモリ7を経由して、画像出力に用いている。HDD5或いはメモリ7に保存した画像データを用いて行う出力動作は、ドキュメントボックス機能による再出力動作と変わらないので、以下の記述は、蓄積(保存)画像からスタートするドキュメントボックス機能における出力動作の説明を兼ねる。
【0023】
“コピー動作(スキャナ入力→プロッタ出力)”
ユーザは、原稿を読取り装置1にセットし、操作表示装置10を通して求める画像処理モード(入出力条件)等の設定とコピー開始を指示する入力を行う(後述する図2,3の説明参照)。操作表示装置10は、ユーザが入力した情報を機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータは、CPU6に通知される。
CPU6は、コピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作を以下の動作プロセスで行っていく。
【0024】
先ず、読取り装置1で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットの画像データは、画像データ処理装置(1)2で予め定めた特性に統一される。ここで行う処理は、RGB各8ビットの読取り画像データに対してγ変換、フィルタ処理、色変換、及び解像度変換を行い、それぞれの処理によって、γ特性、MTF(Modulation Transfer Function)特性、色特性(RGB標準色空間への変換)、解像度特性(所定解像度への変換)について、画像の持つ特性を統一する。つまり、読取り装置1の機器特性に依存する読取り画像データを正規化し、汎用データとして出力する。なお、読取りモード(例えば、原稿の種類に対応する読取条件)等、スキャナ入力処理に条件が指示された場合には、指示に従う条件を設定して画像処理を行う。
また、原稿の種類や画像の入力処理に関連する設定データは、画像データの再利用さらにこの実施形態においては、後述の実施形態で示すプログラム登録機能を利用する際に用いるデータとして抽出、管理される。これらの処理を経た後の画像データ等は、バス制御装置3に送られる。
【0025】
バス制御装置3は、画像データ処理装置(1)2からのRGB画像データを受け取ると、CPU6を介してメモリ7に展開、保存する。また、メモリ7に展開されたRGB画像データは、今回の使用だけでなく、この後の再利用に向けたユーザによる蓄積指示やFAX送信における複数の出力先への同報送信、或いは編集加工等の処理前の画像データとして、必要に応じてHDD5へも蓄積、保存される。
次にメモリ7に蓄積されたRGB画像データは、CPU6及びバス制御装置3を介して画像データ処理装置(2)4に送られる。なお、画像データ処理装置(1)2で処理されたRGB画像データに対し、バス制御装置3を介して転送する際、或いはHDD5へ蓄積する際に、必要に応じてデータ圧縮・伸張処理を行うことによって効率的にデータを扱うことも可能である。このデータ圧縮・伸張処理は、CPU6のプログラムの動作で行うことができる。
【0026】
画像データ処理装置(2)4は、受取ったRGB画像データをプロッタ装置9で出力に用いるCMYK画像データに変換し、出力する。ここでは、フィルタ処理、色変換、解像度変換、中間調処理及びγ変換によって、高い再現性の出力画像を得るためにプロッタ装置9の性能に適合したCMYK各2ビットの画像データを生成し、バス制御装置3へ出力する。
バス制御装置3は、画像データ処理装置(2)4からのCMYK画像データを受け取ると、CPU6を介してこのデータをメモリ7に展開する。メモリ7に展開されたCMYK画像データは、CPU6及びプロッタI/F装置8を介してプロッタ装置9に送られる。
プロッタ装置9は、プロッタI/F装置8を介して受取ったCMYK画像データを用いて記録用紙にプリント出力し、原稿のコピーを作成する。なお、画像データ処理装置(2)4は、ユーザによって、出力条件として、変倍、編集等のモードが指示された場合には、指示に従って設定した条件で出力用画像データの処理を行う。
また、カラーモードや濃度調整等の出力画像の処理に関連する設定データは、画像データの再利用さらにこの実施形態においては、後述の実施形態で示すプログラム登録機能を利用する際に用いるデータとして抽出、管理される。
【0027】
“外部I/F入力動作(外部I/F入力→プロッタ出力)”
外部I/F入力は、外部I/F装置12によって受け入れる外部デバイスからのデータ入力で、外部デバイスの1つは、ネットワーク上のPC16等の機器である。複合機にネットワーク接続されたPC16は、外部I/F装置12を介して印刷要求コマンド (出力対象の画像データと要求する画像処理モード等の設定データ)及びプリント開始を指示するデータを入力することによって、プリント出力要求を行う。CPU6は、ネットワーク上のPC16からこれらのデータの入力を受け、プリント出力要求の制御コマンドを認識する。
他の外部デバイスとしては、メモリカード等の外部メディア(不図示)が用いられる。この場合、ユーザは、外部I/F装置12を介して画像データの記録された外部メディアを接続し、操作表示装置10を通じて要求する画像処理モード等の設定とプリント(印刷)開始を指示する入力を行う。この入力を受ける操作表示装置10は、ユーザの操作により入力した情報・データを機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。
CPU6は、プリント開始の制御コマンドに応じて、プリント動作プロセスのプログラムを実行し、プロッタ出力に必要な設定や動作を以下の動作プロセスに従って行う。
【0028】
外部PC16又は外部メディアから入力された画像データは、上記スキャナ入力におけるコピー動作と共通の出力デバイス(プロッタ装置9)に用いるので、外部I/F入力も、基本的には、共通するプロッタ装置9の出力動作に使用できるように、汎用データとして予め定めた特性に統一し、HDD5へ蓄積する処理プロセスとなる。
通常、PC16から印刷要求コマンドとして入力されたレンダリング済みRGB各8ビットの規格化された色空間に基づいたデジタル画像データ、又は外部メディアから外部I/F装置12経由で入力されたRGB各8ビットの規格化された色空間に基づいたデジタル画像データは、その規格化された色空間のままCPU6を介してメモリ7に蓄積される。規格化された色空間にはいろいろな定義があるが、一般的にはsRGBやAdobeRGBを使うことが多い。
ここで、プリント出力を要求して入力されたRGB画像データが、規格化された色空間として想定されたもの以外であれば、メモリ7に蓄積されたRGB画像データは、CPU6及びバス制御装置3を介して、画像データ処理装置(2)4に送られ、ユーザの設定した規格化された色空間に変換して再度メモリ7に蓄積する。
【0029】
次に、メモリ7に蓄積された規格化された色空間のRGB画像データは、CPU6及びバス制御装置3を介して、画像データ処理装置(2)4に送られる。
画像データ処理装置(2)4は、受け取った規格化された色空間のRGB画像データをプロッタ出力用のCMYK画像データに変換し出力する。なお、この画像データ処理装置(2)4における処理は、上記動作1(スキャナ入力→プロッタ出力動作)の出力画像に対すると同様であるから、詳細については、先の記述を参照する。
この後、画像データ処理装置(2)4からのCMYK画像データを受け取ったプロッタ装置9は、このデータを用いて転写紙にプリント出力する。なお、画像データ処理装置(2)4からのCMYK画像データを用いて行うプリント出力処理及び出力画像の処理に関連する設定データを管理する処理についても、上記したコピー動作の出力処理におけると同様であるから、詳細については、先の記述を参照する。
【0030】
“ユーザによる処理要求の操作”
ユーザは、MFPを利用する際に、要求する処理の内容を操作表示装置1の操作パネルへの入力操作によって指示する。MFPでは、複合機能として持つどの機能を利用するかを選択し、選んだ機能(アプリケーション)により実行される処理に対して設定する条件等を指示することにより、この処理要求を行う。
図2は、MFPの操作パネルの一例を示す図である。同図の操作パネル21には、MFPの複合機能(画像処理アプリケーション)を選択するアプリ選択ボタン22、タッチパネルを兼ねたLCD(液晶表示装置)パネル23、テンキー24、機能選択ボタン25、スタートボタン26、ストップボタン27などを備えている。この例では、アプリ選択ボタン22として、コピー、ドキュメントボックス、ファクス(FAX)、プリンタ、スキャナの各機能に対応するボタンが備わっている。
【0031】
アプリ選択ボタン22から一つの機能を選択する操作を行うことにより、LCDパネル23の画面には、選択したアプリケーションの入力操作画面が表示される。このときにLCDパネル23は、このアプリケーションにより実行される処理で使用する設定条件を入力する画面が表示され、タッチパネルにて操作を行うことで設定の入力が行われる。スタートボタン26は、選択した機能による動作の開始を指示し、例えば、コピー機能であれば、このボタンを押すと原稿画像の読み取り動作が開始される。ストップボタン27は稼働中の動作を中止する時に使用される。
また、機能選択ボタン25は、後述する「プログラム登録機能」や「割り込み機能」、「リセット機能」などの機能を選択するもので、このボタンを押すことにより選択された機能による処理や動作が開始される。「割り込み機能」はある操作に従って動作を行っている際に、このボタンを選択し、別の設定の入力操作を行い、この操作に従って動作が行える機能であり、「リセット機能」は操作パネルに示される設定内容を初期化する際に用いられる機能である。なお、本実施形態に関係する「プログラム登録機能」ボタンの操作によってLCDパネル23に表示される操作画面を用いる動作については、後記図4を参照して説明する。
【0032】
図3は、アプリ選択ボタンの一つが操作されたときにLCDパネルに表示される入力操作画面の一例を示す。同図は、コピー機能が選択されたときの表示画面を示したものである。
LCDパネルの表示部には、タッチパネルシートが貼られており、この場合、コピー機能の操作画面を表示すると共に、画面に表示されたボタン(タッチパネルシートの該当部分)が押されるとタッチ位置が検知され、その位置情報はコントローラに伝えられ、画面のボタン表示位置との関係でどのボタンが操作されたかをコントローラが認識できる。
図3に示すように、コピー機能に関する操作画面には、コピー機能のステータス表示がされており、同図のようにコピー機能がスタンバイされていれば、「コピーできます」の文字が表示される。ステータスが表示されている部分の下側には、画質モード(<白黒>で示す)、コピー数などが表示されている。また、ステータス表示の下部領域には、「用紙選択(トレイ選択)」、「変倍率」、「出力方法(ソート、スタックなど)」が配置され、更に詳細な設定を行うために最下部領域には応用モードタブが配置されている。このタブを押すことで階層的な表示を行い、現状の表示画面に盛り込めない設定を行うことが可能となっている。
【0033】
「プログラム登録機能」
本実施形態のMFPは、画像入出力等の処理を要求する際に操作パネルでユーザが行う指示操作を簡便にするプログラム登録機能を有する。このプログラム登録機能は、予め登録しておいた処理条件でMFPが有する複合機能から選択したアプリケーション(プログラム)を再利用できるようにする機能である。よって、登録するアプリケーションは、処理条件に係る情報を付帯する。
付帯する処理条件に係る情報は、複合機能の各アプリケーションが実行する処理に対する設定として、ユーザが操作パネルから設定条件等として指示する操作情報を含む。従って、処理を指示する時に、このプログラム登録機能を用いて、登録されたアプリケーションを特定する名称等を指定するという簡単な操作を行うだけで、付帯する操作情報に示された設定条件を一括して指示でき、登録時の設定でアプリケーションが実行できる。なお、登録するアプリケーション(プログラム)は、複合機能(コピー、ドキュメントボックス、ファクス(FAX)、プリンタ、スキャナ)の各々に用意され、選択された機能の設定に適用できるようにする。
【0034】
図4は、本実施形態のプログラム登録機能の操作画面の一例を示す図である。同図の操作画面は、操作パネル21(図2)における機能選択ボタン25の一つとして用意されたプログラム登録機能ボタンを操作することによってLCDパネル23に表示される。
図4のプログラム登録機能のステータス表示部は、コピー機能が選択されているときのプログラム登録機能の操作画面であるから「プログラム(コピー)」と表示されており、ステータス表示部の下に当該機能のメニューボタン321として「呼び出し」、「登録」、「名称変更」、「削除」の各ボタンが配置され、この中のどのボタンが選択されているかにより、それぞれの画面への切替え表示が行われる。デフォルトの状態では、「呼び出し」が選択され、図4は、この状態となっており、再利用する登録プログラムの選択入力待ちの状態にある画面が表示されている。
プログラム登録機能のメニューに示される「呼び出し」は、メニューボタン321の呼び出しボタンを押すことで行われる。即ち、一覧表示された中から再利用する登録プログラムを指定する操作を行い、次いで呼び出しボタンが押下されると、登録内容(処理条件に係る情報を付帯したアプリケーション)に応じた設定が行われ、設定を反映した操作画面に切り替わる。この状態で操作パネル21(図2)のスタートボタンを押下すれば登録内容に応じて設定された入力や出力が行われる。
【0035】
次の「登録」であるが、選択したアプリケーションにおいて処理条件等の設定を行った状態(コピー機能の場合は、図3の操作画面で設定入力を行った状態)で、プログラム機能ボタン(操作パネル21に設けた機能選択ボタン25の一つ)を押下する。このボタンの押下により切替わるプログラム登録機能の操作画面(図4)で更に登録ボタンを押下すると、登録するアプリケーション(プログラム)に付与する登録名称の入力を要求されるので、設定に応じた適当な名称を入力し、その後、この名称の下にプログラム登録の対象となる操作情報等を保存、管理する。登録名称の入力方法としては、例えば、操作画面にアルファベットやひらがなキーを表示させ、そのキーへの入力操作にて行う方法を採用することにより実施し得る。
次の「名称変更」は、登録した登録名称を変更するためのボタンである。この処理は、登録内容(処理条件に係る情報を付帯したアプリケーション)を変更せずに、管理用に付与した名称のみ変更する。名称変更ボタンが押されると、登録プログラムの管理情報を呼び出し、一覧表等の形式で表示された中から選択された対象登録プログラムの名称をユーザの指示に従い変更した後、書き戻す処理を行う。
次の「削除」は、登録したプログラムを削除するためのボタンである。削除ボタンを押した後に、削除対象とする登録プログラムを選択するユーザの指示に従い、当該登録プログラムを管理情報から削除する処理を行う。
【0036】
上記のプログラム登録機能を用いることで、操作画面(図3、参照)に示された設定条件を一括して指示することを可能にすることで、個々の設定項目をチェックしながら詳細な設定を指示する煩雑な操作を不要にし、また、実行したアプリケーション(プログラム)の設定を登録内容とすることで、適正である可能性が高い設定で登録ができる。
ただ、アプリケーションを実行した時の設定内容で登録をした場合、登録時に適正であっても、その後、機器の状態が変化した場合には、適正である保証は無い。特に、ユーザが行う記録用紙、現像材といったサプライの変更やプロッタの出力状況を変える補正(例えば自動階調補正)等の人為的に行われる操作によって起きる機器状態の変化がサポートされない現状にあっては、このような機器状態の変化が生じた場合、ユーザが求める入出力等の処理条件に適合させるには、操作画面で設定される操作情報だけでは充分ではない。
そこで、本実施形態では、登録するアプリケーションに付帯する処理条件に係る情報として、さらに操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報についても管理し、このプログラム関連情報を含めた処理条件に係る情報に基づいて処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順を加えることで、プログラム登録機能を用いるときに、機器の現状を考慮して、ユーザが求める出力条件に適合する処理を行えるようにする。なお、プログラム関連情報の具体例については、後述の実施形態で説明する。
【0037】
「プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理」
プログラム登録機能を用いて要求されたジョブを処理する際に起り得る意図しない出力(印刷ミス等)を防ぎ、ユーザの求める処理条件に適合させるようにするために、上記した機器の状態変化を確認し、ユーザが求める出力条件に適合する処理を行えるようにする手順を有するジョブの処理を以下の実施形態にて説明する。
なお、下記“実施形態1”は、この処理手順に用いる基本的な手法とのこの手法を適用したジョブの処理フローの概要を示す。また、“実施形態2”〜“実施形態6”には、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす各種の要因に対し“実施形態1”の手法を適用し、それぞれの機器の状態変化へ対処できるようにした実施形態を示す。
【0038】
“実施形態1”
プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理をユーザの意図に従い行うようにするための処理手順として、先ず、処理(出力)に影響する機器の状態の変化がプログラム登録時と現処理時の間で生じたか否かで捉える。本実施形態では、これを登録時に実行したプログラムに係る操作情報及びプログラム関連情報と現状における当該情報の異同、即ち一致しているか否かの判断結果による。
プログラム関連情報は、上記したように、登録するアプリケーションに付帯し、処理(出力)に影響する機器の状態を捉えるための情報であるが、操作情報そのものではなく、操作情報に従って実行したプログラムに関する情報であり、本実施形態では、操作画面で表示されてはいないが応用モードとして階層化されている設定内容、登録の対象となったプログラムにより実行した処理(例えば画像形成プロセス)の設定条件及び処理状況(プロセス状況)、プログラム名称、登録日などがこの情報にあたる。よって、記録用紙、現像材といったサプライに関する情報をプログラム関連情報に入れることができる。サプライに関する情報は、サプライがユーザによって変更されるということもあって、システム上は操作情報によってカバーされないので、プログラム関連情報に入れることで管理対象とすることができる。
【0039】
プログラム登録機能で用いるためにプログラム関連情報を登録する方法については、先に図2〜4を参照して説明した操作情報の登録方法と同様の手順を行うことで、操作情報の登録と同時に、当該アプリケーションを実行した際の設定内容や処理状況等の上記プログラム関連情報を登録対象の情報として抽出し、登録する。
また、登録したプログラムの呼び出し方法であるが、これも上記したと同様に、プログラム機能ボタン(操作パネル21に設けた機能選択ボタン25の一つ)を押下すると表示されるプログラム登録画面(図4)において登録プログラムを指定する操作を行い、次いで呼び出しボタンを押すことにより、登録内容の操作情報及びプログラム関連情報に応じた設定が一括して行われ、プログラムを起動できる状態になる。
【0040】
プログラム登録機能を用いて呼び出されたプログラムによるジョブの処理が要求された場合には、処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順を行うことにより、意図しない処理を防ぎ、ユーザの求める処理条件に適合させるようにするという手法を導入する。
その際に行う、機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順は、登録された操作情報及びプログラム関連情報を含む処理条件に係る情報と機器の現状を示す情報との間の異同、即ち一致しているか否かを判断する手順となる。ここで、一致しない場合には、機器の状態が登録した時点と異なることになり、登録内容とミスマッチが生じ、意図した処理結果が得られないと判断する。
この手順を行った結果、不一致が確認された場合、ユーザに不一致が生じたので求める処理が可能ではない旨と、不一致箇所を指摘した警告を行う。更に一致を可能とするための設定変更等の解決方法があれば、その解決方法を表示させ、ユーザの意図する処理を可能にする。
【0041】
ここで、上記の手法を適用したジョブの処理を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
図5の処理フローによると、まず、ユーザによってアプリ選択ボタン22が押されると、この操作を受け(デフォルトで起動しているアプリケーションを利用する場合、このボタン操作は不要である)、処理を求めるアプリケーションを起動させ、その操作画面(図3参照)を表示し、処理条件等の設定操作を可能とする。
この状態で操作パネル21に設けたプログラム機能ボタンの押下によって表示されるプログラム登録画面(図4参照)において、登録プログラムの指定操作に次いで呼び出しボタンが押されると、この操作を受け、指定された登録プログラムに係る設定内容としての操作情報及びプログラム関連情報を呼び出す(ステップS101)。
次に、呼び出された登録プログラムに係る設定内容としての操作情報及びプログラム関連情報と現時点の機器の状態を表すシステムの設定情報を取得し、これらの設定情報同士を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。
【0042】
ステップS102で設定情報に不一致が無ければ(ステップS103-NO)、登録プログラムに係る設定内容に従ってアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。ジョブの処理が終わったところで、この処理フローを終了する。
他方、ステップS102で設定情報に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて警告メッセージを表示する(ステップS104)。この警告メッセージは、不一致が生じたので求める処理が可能ではない旨を知らせ、不一致箇所を指摘する。さらに、操作画面上にて設定変更等によって不一致を解消することが可能であれば、解決方法としてこの設定変更を行うことをユーザに促すメッセージを表示する。このとき、警告メッセージに応えてユーザによって設定変更操作が行われることに対応するために、設定変更の操作を行うか否かを問い、ユーザが応答するようにしてもよい。
【0043】
次に、ステップS104の警告メッセージに応えてユーザによって設定変更操作が行われるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、設定変更操作が行われなければ(ステップS105-NO)、設定を変更することなく登録プログラムに係る設定内容に従ってアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。
他方、ユーザによって設定変更操作が行われれば(ステップS105-YES)、その操作に従い登録プログラムに係る設定に対し変更を実施し(ステップS106)、変更された設定にてアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。ジョブの処理が終わったところで、この処理フローを終了する。
なお、ステップS102で確認した不一致の箇所が設定変更を行うことが出来ない箇所であった場合には、ステップS105及びS106を省略し、ステップS107に進んでジョブ実行することを可能にする。
【0044】
上記のように、この実施形態によると、プログラム登録機能における登録プログラムに係る設定を操作情報及びプログラム関連情報を内容として管理し、プログラム登録機能の利用時に、プログラム関連情報を含めた処理条件に係る情報に基づいて処理(出力)に影響する機器の状態変化が生じているか否かを確認する手順を加えることで、プログラムを登録した時点と現状におけるサプライ等を含む機器の状態が異なっている場合に、その旨を通知し、ユーザに注意を促すことが出来、無駄な出力を避けることが可能となる。
さらに、登録時と登録プログラム利用時の間で機器の状態が異なっている場合に、不一致を解消する操作を行わせるようにユーザを導くことで、ユーザの意図する処理を可能にする。
【0045】
“実施形態2”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける記録用紙の色味である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用の記録用紙は、多種類が用いられ、画像出力の変動へ大きく影響する要素は、用紙(以下、記録用紙を単に「用紙」という)が種類によって異なる色味を持つことである。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点と用紙の種類が違い、紙の色味が異なる場合に、プログラムの意図した画質が得られない旨を通知し、この場合でも、設定を変更することにより意図する出力が得られる場合に、その設定変更操作を行わせるようにする手順を行うことで対処する。
【0046】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、異なる色味を持つ用紙の違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られる用紙の種類を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定された用紙の種類に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0047】
図6は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。
同図に示すように、メッセージ表示部331にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示するとともに、不一致である設定内容について、プログラム登録時の用紙の設定「A4トレイ 普通紙」と現状の用紙の設定「A4トレイ 再生紙」であることをそれぞれ表示する。
また、ジョブを実行するか否かを問い、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン332及び「キャンセル」ボタン333のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。ここで、「OK」ボタン332が押されれば、現状の用紙の設定「A4トレイ 再生紙」でアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。なお、図6の操作画面を用いる例による場合、図5の処理フローにおけるステップS105及びS106を省略する。
【0048】
また、用紙の種類によるが、設定された用紙の種類に不一致が有っても、画像処理にて用紙の色味の違いに対処することが出来る範囲の違いであれば、用紙の変更を行うことなく、画像処理にて差分を吸収して意図した画像を出力させることも可能である。
図7は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。同図に示す画面は、メッセージ表示部341にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示する、という点で図6の操作画面と変わらないが、画像処理で差分を吸収する補正をすれば、色味を再現できる場合である。よって、この点を「紙種類の画像への影響を低減する設定を行った後にジョブを実行しますか?」というジョブ実行へのガイダンスメッセージで表示し、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン342及び「キャンセル」ボタン343のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。また、図7の操作画面に従って行う処理の手順は、図5のステップS104〜S107に従う。
【0049】
なお、画像処理差分を吸収する補正方法としては、色補正やγ補正などを用いることにより実施することができる。
また、用紙種類の識別については、容易に実施し得る方法としてユーザ登録で予め設定した内容をチェックする方法を採用することができるが、その他に例えば、センサーを使用して用紙の色味を測色するようなシステム構成を採用しても良い。
図7の操作画面による手順と図6の操作画面による手順の使い分けについて言及する。例えば、プログラム登録時に普通紙で登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、用紙が再生紙に変わっていた場合を考えると、この場合の用紙は地肌に多少の違いはあるが、画像処理による補正にて対処できる範囲と考えられ、図7の操作画面による手順が適する。また、プログラム登録時に普通紙で登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、用紙が色紙に変更されていた場合は、地肌の差分で吸収できるようなものではなく補正で対応できないと考えられ、このような場合は、図6の操作画面による手順が適する。
【0050】
“実施形態3”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける用紙の厚さである場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用の用紙の厚さは、普通紙以外に厚紙が用いられ、それぞれに適用するプロセス条件が異なりかつ用途の違いもあり、取り違えると、画質を変動させ、ユーザの意図しない画像出力になる。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点と用紙の厚さが違う場合に、プログラムの意図した画像出力が得られない旨を通知し、用紙交換の操作をユーザに促すようにする手順を行うことで対処する。
【0051】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、用紙の厚さの違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られる用紙の厚さを比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定された用紙の厚さに不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0052】
図8は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。
同図に示すように、メッセージ表示部351にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示するとともに、不一致である設定内容について、プログラム登録時の用紙厚さの設定「A4トレイ 普通紙」と現状の用紙厚さの設定「A4トレイ 厚紙」であることをそれぞれ表示する。
また、ジョブを実行するか否かを問い、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン352及び「キャンセル」ボタン353のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。ここで、「OK」ボタン352が押されれば、現状の用紙の設定「A4トレイ 厚紙」でアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。なお、図8の操作画面を用いる例による場合、図5の処理フローにおけるステップS105及びS106を省略する。
【0053】
なお、用紙が普通紙か厚紙であるかの判別については、容易に実施し得る方法としてユーザ登録で予め設定した内容をチェックする方法を採用することができるが、その他に自動判別機能があればそれを使用して用紙が普通紙か厚紙であるかを判別するようなシステム構成を採用しても良い。
また、想定される多くのケースは、プログラム登録時に用紙厚さを普通紙として登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、用紙厚さが厚紙に変わっていた場合であり、このケースについて考えると、用紙厚さについてはトナーを定着させる工程のプロセス条件に影響するため、厚さが変わると紙搬送速度や定着温度が変更されることがある。このような場合、印刷面の表面性、光沢などに影響が生じ、品質が低下するおそれがある。また、用紙厚さは使用用途により異なるため、ユーザの意図した出力と異なることとなる。このような場合に図8に示すような警告表示を示し、用紙交換を促すメッセージ表示を加えるようにすると良い。
【0054】
“実施形態4”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける用紙のトレイ位置である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用の用紙の種類によって、それぞれに適用するプロセス条件が異なりかつ用途の違いもあり、取り違えると、画質を変動させ、ユーザの意図しない画像出力になる。このような用紙の種類の例は、上記実施形態3の普通紙と厚紙のような用紙厚さの違い、或いは上記実施形態2の普通紙と再生紙のような用紙の色味の違いに見ることができる。
ところで、用紙の取り違えは、用紙の種類を設定するときに、直接用紙の種類を指定せずに、間接的に供給する用紙を収納するトレイを指定する方法が採用される場合に起きる。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点とで給紙される用紙を収納するトレイが違う場合に、用紙が所望の種類と異なり、プログラムの意図した画像出力が得られないおそれがあるので、トレイが異なる旨を通知し、ユーザに注意を促すようにする手順を行うことで対処する。
【0055】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、トレイ位置の違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られるトレイ位置の設定を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定されたトレイ位置に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0056】
図9は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。
同図に示すように、メッセージ表示部361にプログラムの設定が不一致であることを示す警告メッセージを表示するとともに、不一致である設定内容について、プログラム登録時のトレイ位置の設定「A4トレイ トレイ1」と現状のトレイ位置の設定「A4トレイ トレイ3」であることをそれぞれ表示する。
また、ジョブを実行するか否かを問い、同操作画面の下部に設けた「OK」ボタン362及び「キャンセル」ボタン363のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。ここで、「OK」ボタン362が押されれば、現状の用紙の設定「A4トレイ トレイ3」でアプリケーションを実行することによりジョブを処理する(ステップS107)。なお、図9の操作画面を用いる例による場合、図5の処理フローにおけるステップS105及びS106を省略する。
【0057】
なお、トレイ位置については、ユーザが予め設定した内容をチェックする方法を採用することができる。
また、想定される多くのケースは、プログラム登録時にトレイ1の普通紙として登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、トレイ3に変わっていた場合であり、このケースについて考える。この場合、プログラム登録時にトレイ1はA4サイズの普通紙としていても、実際に使用する場合にトレイ1,2はA3サイズの用紙となっていて、トレイ3にA4サイズの厚紙が設定されていると、トレイ位置の設定はトレイ3が選択されてしまう。これは、出力時のトレイ位置の設定は、プログラム登録内容に関係なく、用紙サイズを優先させて指定されたサイズの用紙を収納したトレイが選択されるからである。このような場合、実施形態3で説明したように、用紙厚さが変わってしまい意図した出力が得られなくなる。このため、図9に示すような警告表示を示し、ユーザに注意を促すようにする。
【0058】
“実施形態5”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因がサプライにおける現像材の種類である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。なお、以下では、現像材がトナーである実施形態を例示する。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9に供給される画像形成用のトナーの種類は、純正品以外が用いられることがあり、純正品以外のトナーは純正品に適用するプロセス条件で用いたときに必ずしも望ましい出力が得られず、画質を変え、ユーザの意図しない画像出力になる。
そこで本実施形態では、プログラム登録機能を用いて画像出力を指示する場合、指示時点とプログラムを登録した時点とトナーの種類が違う場合に、プログラムの意図した画像出力が得られない旨を通知し、調整により求める画質が得られる場合を考慮して、ユーザに色調整の実施を促すようにする手順を行うことで対処する。
【0059】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、トナーの種類の違いへの適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から得られるトナーの種類を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定されたトナーの種類に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0060】
図10は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。同図に示すように、メッセージ表示部371にプログラムの設定が不一致であるトナーの種類の設定内容について「使用しているトナーは、純正のトナーではありません」と警告メッセージを表示し、また、色調整をすれば、求める色味を再現できる場合があるので、この点を「純正のトナーを使用するか、使用されているトナー用に色を調整しますか。(調整で色を赤若しくは青方向に変更できます)」及び「ジョブを実行しますか?」というジョブ実行へのガイダンスメッセージで表示する。
また、上記のメッセージ表示とともに、メッセージ表示部371の下部に「純正トナーを入れた後に実行する」ボタン372、「色調整を行った後に実行する」ボタン373及び「ジョブをキャンセルする」ボタン374を設ける。
【0061】
ユーザは、上記警告メッセージの表示に従い、色調整を行うかどうかを確認した後に、色調整を行う必要がないと判断されれば、そのままジョブを実行すれば良い。なお、この場合、純正トナーに切り替えることが望ましいので、実行ボタン372には、純正トナーを入れるコメントが付けられている。
また、色調整を行う場合は、警告画面の中の「色調整を行った後に実行する」ボタン373を選択することで、改めて色調整を行う設定の画面に入らなくても簡易的に色調整の設定を行った後に、ジョブを実行することが出来る。
色調整の要否については、例えば、トナーカートリッジに指定されたものが使用されているか否かをチェックすれば良い。
本実施形態で設定の不一致を解消する方法を含めた警告メッセージの表示例では、不一致の解消方法として、簡易的に色味を赤から青に振れるようなノッチを用意し、色味の振れに関する微調整を行えるようにしている。但し、指定されたトナーと異なったトナーを使用している場合は、それ以外の要因が画質を左右する場合もあり得る。
【0062】
なお、図10に示した警告メッセージの表示例では、不一致の解消方法を含めた警告表示の例を示しているが、警告表示のみで、別途色調整を促すような表示にしても構わない。より具体的には、プログラム登録時に指定されていたトナーカートリッジを使用して登録していたが、プログラム登録内容を実際に使用する際に、指定以外のトナーカートリッジ(例えば、リフィルトナー)が使用されていた場合が考えられる。このような場合、使用されるトナーの色材が異なるため、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのそれぞれの発色性が異なってしまう。そのため図10で例示した警告メッセージを表示を出して注意を促すことが必要になる。ただ、色材の差が小さければ上記のように色調整で対応しても良い。
このように、「純正トナーを入れた後に実行する」ボタン372、「色調整を行った後に実行する」ボタン373及び「ジョブをキャンセルする」ボタン374のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。この操作画面の指示に従って行う処理の手順は、図5のステップS104〜S107に従う。
【0063】
“実施形態6”
この実施形態は、処理(出力)に影響する機器の状態変化を起こす要因が自動階調(濃度)補正の実行状況である場合に対し“実施形態1”に示した基本的な手法を適用した実施形態を示す。
本実施形態のMFPは、画像出力処理としてプロッタ装置9で画像データによる画像形成を行う。プロッタ装置9によって形成される画像の画質は、経時的に生じる機器の状態変化の影響を受け、ユーザの意図しない画像出力になることが避けられない。こうした機器の状態変化によって生じる画質の劣化は、階調補正を施すことを一つの改善策としている。よって、登録プログラムの設定と現状の不一致がある場合に、登録プログラムの設定をそのまま利用し画像出力すると、意図しない画質となる場合があり、自動階調補正を施さないと、画質を保てない。
そこで、登録プログラムの設定と現状との不一致が生じた場合、自動階調補正の要否を判断し、必要であるとの判断のもとに、登録プログラムの設定によると意図した画像出力が得られない場合がある旨を通知し、ユーザに自動階調補正の実行を促すようにする手順を行うことで対処する。
【0064】
本実施形態のプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理は、基本的に上記実施形態1の図5に示したフロー図の手順を実行する。よって、以下の説明では、本実施形態の要旨である、自動階調補正の適用に関する説明を補足し、基本手順については、先の実施形態1の説明を参照することとする。
本実施形態では、呼び出された登録プログラムに係る設定内容と現時点のシステムの設定情報から階調処理の設定を比較し、不一致の有無を確認する(ステップS102)。ここで、設定された階調処理の設定に不一致が有れば(ステップS103-YES)、ユーザに操作パネル21の操作画面を通じて、警告メッセージを表示する(ステップS104)。
【0065】
図11は、このときにLCDパネルに表示する操作画面の一例を示す図である。同図に示すように、メッセージ表示部381に、指示された登録プログラムの設定内容(階調処理の設定)の不一致を背景にした警告メッセージとして「最新の自動階調補正は00/00/00に行われています。指定されたプログラムを実行する場合、自動補正が実施されてから00日経過しているので、画像に影響が出る場合があります。」を表示し、また、自動階調補正をすれば、求める画質を得ることができる場合があるので、この点を「自動階調補正を行った後に、ジョブを実行しますか?」というジョブ実行へのガイダンスメッセージで表示する。
また、上記のメッセージ表示とともに、メッセージ表示部371の下部に「自動階調補正を行った後に、実行する」ボタン382、「自動階調補正を行わずに、実行する」ボタン383及び「ジョブをキャンセルする」ボタン384を設ける。
【0066】
ユーザは、上記警告メッセージの表示に従い、自動階調補正を行うかどうかを確認した後に、自動階調補正を行う必要がないと判断すれば、そのままジョブを実行すれば良い。
また、自動階調補正を行う場合は、警告画面の中の「自動階調補正を行った後に、実行する」ボタン383を選択することで、改めて自動階調補正を行う設定の画面に戻らなくても自動階調補正を行うことができ、その後にジョブを実行することができる。
自動階調補正の要否については、例えば、予め前回調整を行った日時からの日数や使用枚数をカウントするようなシステムとしてそれぞれの閾値を決めておき、その閾値を越えた時点で警告表示をするような方法をとることにより実施できる。
なお図11に示した警告メッセージの表示例では、不一致の解消方法を含めた警告表示の例を示しているが、警告表示のみで、別途自動階調補正を促すような表示にしても構わない。
上記のように、「自動階調補正を行った後に、実行する」ボタン382、「自動階調補正を行わずに、実行する」ボタン383及び「ジョブをキャンセルする」ボタン384のいずれかの操作により、ジョブを実行するか否かを指示できるようにする。この操作画面の指示に従って行う処理の手順は、図5のステップS104〜S107に従う。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係るMFP(複合機)の概略構成を示す図である。
【図2】MFP(図1)の操作表示装置(操作パネル)の一例を示す図である。
【図3】操作パネル(図2)でコピー機能が選択されたときにLCDタッチパネルに表示される入力画面を示す図である。
【図4】操作パネル(図2)でプログラム登録の機能選択ボタンが操作されたときにLCDタッチパネルに表示される入力画面を示す図である。
【図5】機器の状態をチェックするステップを有するプログラム登録機能を用いて行うジョブの処理フロー図である。
【図6】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙の種類の不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図7】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙の種類の不一致をLCDパネルに表示する画面の他の例を示す図である。
【図8】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙の厚さの不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図9】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、用紙のトレイ位置設定の不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図10】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、使用トナーの不一致をLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【図11】プログラム登録機能を用いて行うジョブの処理(図5)において、自動濃度補正の実行時期を知らせるメッセージをLCDパネルに表示する画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1・・読取り装置、2・・画像データ処理装置(1)、4・・画像データ処理装置(2)、5・・HDD、6・・CPU、9・・プロッタ装置、10・・操作表示装置、21・・操作パネル、22・・アプリ選択ボタン、23・・LCD(液晶表示装置)パネル、25・・機能選択ボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段と、
前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段と、
ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段と、
前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段と、
前記画像入力手段、画像処理手段、画像出力手段、操作表示手段及びプログラム登録手段を含む画像処理装置の各部を制御下において、画像入出力要求に応じて画像処理装置全体を制御する制御手段を有した画像処理装置であって、
前記操作表示手段は、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付けることができる手段であり、
前記制御手段は、前記操作表示手段を通して、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求を受付けたときに、当該操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認し、異なっている場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じ場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記制御手段は、前記プログラム関連情報がサプライの状態であり、サプライの状態が登録時と異なっている場合に、現状のサプライ状態が許容できる画質が得られる状態として予め定めたサプライ状態に該当するか否かを判断し、該当すると判断できない場合に異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせようにしたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の色味によって規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の厚さによって規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段に供給する記録用紙を収納した複数トレイから使用するトレイとして選択されたトレイによって間接的に規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される現像材の種類によって規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記制御手段は、自動階調補正の実行履歴を管理し、登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合に、前記自動階調補正の実行履歴に基づいて自動階調補正の要否を判断し、必要であるとの判断のもとに自動階調補正を行うための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
画像入力手段、前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段、前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段、ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段及び前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段を備えた画像処理装置における画像処理方法であって、
前記操作表示手段を通じて前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付ける処理要求受付工程と、
前記処理要求受付工程で受付けた画像入出力要求の再利用する操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認するプログラム関連情報確認工程と、
前記プログラム関連情報確認工程で登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じであることを確認した場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させる制御工程を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載された画像処理方法において、
前記制御工程は、前記プログラム関連情報がサプライの状態であり、サプライの状態が登録時と異なっている場合に、現状のサプライ状態が許容できる画質が得られる状態として予め定めたサプライ状態に該当するか否かを判断し、該当すると判断できない場合に異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせようにしたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の色味によって規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
請求項9に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の厚さによって規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段に供給する記録用紙を収納した複数トレイから使用するトレイとして選択されたトレイによって間接的に規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
請求項9に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される現像材の種類によって規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
請求項8に記載された画像処理方法において、
前記制御工程は、自動階調補正の実行履歴を管理し、前記プログラム関連情報確認工程で登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合に、前記自動階調補正の実行履歴に基づいて自動階調補正の要否を判断し、必要であるとの判断のもとに自動階調補正を行うための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせるようにしたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
請求項7乃至14のいずれかに記載された画像処理方法の各工程をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項1】
画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段と、
前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段と、
ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段と、
前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段と、
前記画像入力手段、画像処理手段、画像出力手段、操作表示手段及びプログラム登録手段を含む画像処理装置の各部を制御下において、画像入出力要求に応じて画像処理装置全体を制御する制御手段を有した画像処理装置であって、
前記操作表示手段は、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付けることができる手段であり、
前記制御手段は、前記操作表示手段を通して、前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求を受付けたときに、当該操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認し、異なっている場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じ場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記制御手段は、前記プログラム関連情報がサプライの状態であり、サプライの状態が登録時と異なっている場合に、現状のサプライ状態が許容できる画質が得られる状態として予め定めたサプライ状態に該当するか否かを判断し、該当すると判断できない場合に異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせようにしたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の色味によって規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の厚さによって規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段に供給する記録用紙を収納した複数トレイから使用するトレイとして選択されたトレイによって間接的に規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される現像材の種類によって規定される状態であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記制御手段は、自動階調補正の実行履歴を管理し、登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合に、前記自動階調補正の実行履歴に基づいて自動階調補正の要否を判断し、必要であるとの判断のもとに自動階調補正を行うための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせるようにしたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
画像入力手段、前記画像入力手段による入力を経て生成される画像データを出力用画像データとして処理する画像処理手段、前記出力用画像データによって画像出力を行う画像出力手段、ユーザインターフェース機能を持ち、入出力条件を伴う画像入出力要求の操作を受付ける操作表示手段及び前記操作表示手段で受付けた画像入出力要求に関する操作情報と当該操作情報に従って実行したプログラムに関するプログラム関連情報を関係付けて登録するプログラム登録手段を備えた画像処理装置における画像処理方法であって、
前記操作表示手段を通じて前記プログラム登録手段に登録された操作情報を再利用する画像入出力要求の操作を受付ける処理要求受付工程と、
前記処理要求受付工程で受付けた画像入出力要求の再利用する操作情報に関係付けて登録されたプログラム関連情報と現状のプログラム関連情報との異同を確認するプログラム関連情報確認工程と、
前記プログラム関連情報確認工程で登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合には、その旨を知らせるとともに、異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせ、同じであることを確認した場合には登録されたプログラム関連情報による画像入出力の処理を実行させる制御工程を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載された画像処理方法において、
前記制御工程は、前記プログラム関連情報がサプライの状態であり、サプライの状態が登録時と異なっている場合に、現状のサプライ状態が許容できる画質が得られる状態として予め定めたサプライ状態に該当するか否かを判断し、該当すると判断できない場合に異なるプログラム関連情報を同一にするための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせようにしたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の色味によって規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
請求項9に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される記録用紙の厚さによって規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段に供給する記録用紙を収納した複数トレイから使用するトレイとして選択されたトレイによって間接的に規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
請求項9に記載された画像処理方法において、
前記サプライの状態は、前記画像出力手段で画像形成用として供給される現像材の種類によって規定される状態であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
請求項8に記載された画像処理方法において、
前記制御工程は、自動階調補正の実行履歴を管理し、前記プログラム関連情報確認工程で登録されたプログラム関連情報が現状のプログラム関連情報と異なっていることを確認した場合に、前記自動階調補正の実行履歴に基づいて自動階調補正の要否を判断し、必要であるとの判断のもとに自動階調補正を行うための操作を促す通知を前記操作表示手段に行わせるようにしたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
請求項7乃至14のいずれかに記載された画像処理方法の各工程をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−114607(P2010−114607A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284766(P2008−284766)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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