説明

画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置

【課題】被検体の対象範囲における部分によって好ましい手法が異なる場合にも適当な3次元画像データを得る。
【解決手段】画像処理装置は、表示される画像を形成する元になる仮想3次元画像を生成する画像処理装置であって、被検体Pの撮影画像データに基づいて特定の処理方法で被検体Pの第1の3次元画像データ51を構成する第1画像再構成部と、第1構成手段とは異なる処理方法で被検体の第2の3次元画像データ52を構成する第2画像再構成部と、前記仮想3次元画像の所定の第1領域A1に第1の3次元画像データ51を当てはめるとともに第1領域A1と異なる第2領域A2に前記第2の3次元画像データ52を当てはめて第1の3次元画像データ51と第2の3次元画像データ52とを合成することにより第1領域A1及び第2領域A2を含む第3領域A3における第3の3次元画像データ53を構成する第3画像再構成部と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置に係り、例えば複数の被検体の画像から3次元画像データを構成するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、X線源と検出器を被験者のまわりに回転させて多方向から撮影した異なる撮影方向からの複数のX線撮影画像データから、3次元画像データを再構成する技術として、多種の手法が検討されている。
【0003】
このような手法としては、例えば2方向の2次元撮影画像データから3次元の画像データを再構成するCoronaryTreeと呼ばれる手法がある。このCoronaryTreeでは、簡易に立体構築ができるという利点がある。また、心臓等の動きのある被検体を対象として、心位相の一致する多方向の2次元画像から3次元再構成するECG gated VCT等の手法がある。この手法によれば心臓が動いていないとみなすことにより心臓の動きによる画像のぼけ(ぼやけ)を低減できる。さらに、心臓の動きを補正して再構成するMotion compensation VCT手法も知られている。この手法によると、動き補正された心臓部位が精度よく再構成される。
【0004】
このように、複数の手法はそれぞれ処理速度や画像の正確さ等に特徴を有し、通常被検体の部位や使用状況に応じて好ましい手法が採用される。
【特許文献1】米国特許第6501848号明細書
【特許文献2】米国特許第6047080号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記技術には以下のような問題がある。被検体の対象範囲に、複数の臓器が含まれている場合や、関心のある特定領域とその周囲の対応関係を観察したい場合等、対象範囲の部位によって好ましい手法が異なる場合がある。例えば、心臓や心臓冠状動脈等の動く臓器と、骨や大動脈等の動かない臓器の両方を対象として含む場合や、対象範囲の一部分のみに高精度の画像を得る必要がある場合等が挙げられる。このような場合には、上述のいずれの手法を用いても、被検体の良好な画像を得ることは困難である。すなわち例えば、動き補正を用いない手法によれば動いている臓器の画像がぼけてしまう。一方で、動き補正を用いた手法では動いている臓器はシャープに構成されるが、動き補正の影響により、動かない臓器の画像がぼけてしまうという問題がある。また、関心のある特定領域の詳細な画像を得るためにその周囲を含めた対象範囲の全てについて高精度の画像を構成すると、処理量の増加や処理速度の低下を招く。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体の対象範囲における部分によって好ましい手法が異なる場合にも適当な3次元画像データを得ることができる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る画像処理装置は、表示される画像を形成する元になる仮想3次元画像を生成する画像処理装置であって、被検体の撮影画像データに基づいて特定の処理方法で前記被検体の第1の3次元画像データを構成する第1構成手段と、第1構成手段とは異なる処理方法で前記被検体の第2の3次元画像データを構成する第2構成手段と、前記仮想3次元画像の所定の第1領域に前記第1の3次元画像データを当てはめるとともに前記第1領域と異なる第2領域に前記第2の3次元画像データを当てはめて前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを合成することにより前記第1領域及び第2領域を含む第3領域における第3の3次元画像データを構成する第3構成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の一形態に係る画像処理方法は、表示される画像を形成する元になる仮想3次元画像を生成する画像処理方法であって、被検体の撮影画像データに基づいて前記被検体の第1の3次元画像データを構成し、前記第1の3次元画像データとは異なる処理方法で前記被検体の第2の3次元画像データを構成し、所定の第1領域に前記第1の3次元画像データを適用するとともに前記第1領域と異なる第2領域に前記第2の3次元画像データを適用して前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを合成することにより前記第1領域及び第2領域を含む前記被検体の第3領域における第3の3次元画像データを構成することを特徴とする。
【0009】
本発明の一形態に係るX線診断装置は、表示される画像を形成する元になる仮想3次元画像を生成するX線診断装置であって、被検体に対してX線の照射と検出を行ない被検体のデータを得る撮影手段と、被検体の撮影画像データに基づいて前記被検体の第1の3次元画像データを構成する第1構成手段と、第1構成手段とは異なる処理方法で前記被検体の第2の3次元画像データを構成する第2構成手段と、所定の第1領域に前記第1の3次元画像データを適用するとともに前記第1領域と異なる第2領域に前記第2の3次元画像データを適用して前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを合成することにより前記第1領域及び第2領域を含む前記被検体の第3領域における第3の3次元画像データを構成する第3構成手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被検体の対象範囲によって好ましい手法が異なる場合にも適当な3次元画像データを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施例による画像処理装置及びX線診断装置を図1及び図2を参照して説明する。なお、ここでは、画像処理装置はX線診断装置に組み込まれるものとして説明するが、もちろん単独で構成可能である。また、画像処理装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成可能であり、またそれを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体として提供され得る。またこの実施形態においては対象となる被検体は、動く臓器としての心臓血管と動かない臓器としての骨と大動脈を含む心臓周辺部位を例にとって述べるが、もちろんこれに限定されるものではなく、心臓血管以外の臓器や、ステントなど体内に挿入するデバイスでも3次元画像処理が可能である。
【0012】
図1は本実施例に係るX線診断装置1を示している。X線診断装置1はX線撮影装置10と、X線撮影装置10で取得した撮影画像データを再構成するための画像処理装置20とを備える。
【0013】
図2に示すX線撮影装置10は、X線管11とX線検出器12とを備えている。X線管11は例えば床置き型のスタンド14に回転自在に支持されるCアーム13の一端に取り付けられ、X線検出器12はCアーム13の他端に取り付けられる。一端側には、さらに、X線管11の電極間に印加するための高電圧を発生する高電圧発生部15が設けられている。X線管11は高電圧の印加を受けてX線を発生する。
【0014】
X線検出器12は、典型的には、入射X線を直接的又は間接的に電荷に変換する複数の検出素子(画素)が2次元状に配列されてなる固体平面検出器である。X線検出器12は、寝台16上に載置された被検体Pを挟んでX線管11に対向する。Cアーム13が回転しながら撮影を繰り返すことで、3次元画像データ再構成に必要な多方向の撮影画像データ(X線投影画像データ)を取得することができる。
【0015】
Cアーム13の回転、高電圧発生部15からX線管11への高電圧の印加、及びX線検出器12の信号読み出しは制御部21により制御され、それにより撮影動作が実行され、撮影画像データが発生される。
【0016】
また、撮影画像データを表示するためのモニタ22aで構成される表示部22、被検体情報や各種コマンド信号の入力、X線照射条件や撮影条件の設定、心拍時相の選択、画像表示モードの選択、特徴点の入力等を行なう入力デバイスで構成される入力部23が設けられている。
【0017】
さらに、撮影された画像や生成された画像データや心位相のデータ等の付帯情報及び各制御に必要な各種情報を記憶するための記憶部24と、記憶部24に記憶された多方向の撮影画像データから3次元画像データを再構成するための画像再構成部25が設けられる。
【0018】
画像再構成部25は、ECG gated VCT (multiple pass)手法により第1の3次元画像データ51を再構成する第1の3次元画像データ再構成部26(第1構成手段)、Motion compensated VCT手法により第2の3次元画像データを再構成する第2の3次元画像データ再構成部27(第2構成手段)、第1の3次元画像データのデータと第2の3次元画像データのデータから第3の3次元画像データのデータを再構成する第3の3次元画像データ再構成部28(第3構成手段)を有する。第1の3次元画像データ及び第2の3次元画像データの切り出しを行う切出部39、重み付け処理をする重付部40が設けられている。
【0019】
さらに、第1の3次元画像データ再構成部26や第2の3次元画像データ再構成部27において呼吸や心拍動等に起因する多方向の撮影画像データ間での画像座標系における被検体像の位置ずれを補正するためのシステムとして、心電図解析部31、特徴点指定画像選択部32、特徴点指定支援部33、特徴点3次元座標計算部34、特徴点投影処理部35、特徴点抽出部(トラッキング部)36、位置ズレ計算部37、動き補正部38、が設けられている。上述した各部は、制御部21によって統括して制御される。
【0020】
心電図解析部6は、被検体Pに装着された心電計(不図示)で得られる心電図41から撮影画像データを撮影した時の心位相を同定する。心位相とはR波とR波の間隔における各時点を表し、通常は百分率で表す。各々の撮影画像データ42には撮影時の心位相のデータが関連付けられる。
【0021】
特徴点指定画像選択部32は、画像記憶部に記憶された多方向の撮影画像データから同じ心位相に対応する少なくとも2フレームの撮影画像データ(キー画像データ42a)を選択する。初期的条件のもとでは、例えば拡張末期に取得された5フレームの撮影画像データが、キー画像データ42aとして、選択される。
【0022】
特徴点3次元座標計算部34は、複数のキー画像データ42aについて、表示画像上において指定された複数の特徴点43aの2次元座標と、各々の撮影方向とに基づいて、幾何学的計算により特徴点43aの3次元座標(3次元位置)を計算する。特徴点投影処理部は、計算された特徴点43aの3次元座標と、キー画像以外の残りの画像データ(ノンキー画像データ)42bの撮影方向とに基づいて、ノンキー画像データ42b各々に投影される特徴点43bの2次元座標を計算する。特徴点トラッキング部は、ノンキー画像データ42b各々から特徴点43bを抽出する。位置ズレ計算部37は、特徴点投影処理部により計算された特徴点43aの2次元座標に対する、特徴点抽出部によりノンキー画像データ42bから抽出した特徴点43bの2次元座標の位置ズレをノンキー画像データ42b毎に計算する。動き補正部は、位置ズレ計算部で計算された位置ズレに従って、ノンキー画像データ42bの位置を補正する。キー画像データ42aと、位置補正されたノンキー画像データ42bとに基づいて、3次元の第2の3次元画像データ52が再構成される。
【0023】
撮影装置で得られた複数の撮影画像データ42から3次元画像データを再構成する手法の例を説明する。
【0024】
図3及び図4に示すCoronary tree(coronary 3D, coronary tree)手法は、心臓血管立体表示であり、2方向から造影された血管を撮影し、撮影データからEpipolar幾何理論を用いて立体構築を実現したものである。
【0025】
図3のフロー図に示すように、まず、2方向から被検体Pの対象範囲の撮影を行い(ST101)、二つの動画を取得し(ST102)、2フレームの画像を選択する(ST103)。得られた2フレームの投影画像上で対応点をマニュアルで指定し(ST104)、Epipolar幾何の理論により、血管を立体構築(ST105)する。
【0026】
図4を用いて説明すると、点Aに投影されるobjectは、3次元空間内では線Bのどこかに存在するが、特定できない。一方、異なる方向から撮影した投影画像をFrontal画像とすると、線Bは線Cのように投影されることから、objectは線C上のどこかに投影されていることになる。Frontal面でユーザが対応点を指定すると、そのobjectの3次元空間内の位置が定まる。すなわち、3次元位置を特定するには、lateral画像上とFrontal画像上での対応点座標を指定することが必要となる。
【0027】
このCoronary tree手法は、2次元投影画像から簡易に立体構築ができるという利点がある。なお、上記のように2方向で構成する場合は仮定される血管断面は楕円となるが、2方向からのみならず多方向画像を用いても構成可能である。多方向の場合はより次元の高い血管断面が仮定可能になる。
【0028】
VCT手法は、図5に示すように、被検体Pの周りでX線管11と検出器12を回転して撮影した複数枚(複数フレーム、複数方向)の撮影画像データ42を用いて再構成する手法である。具体的には、例えば5秒間かけて200方向から200枚の撮影画像データを撮影し、その約200枚からFeldkamp法などの再構成手法を用いて再構成処理を行い、3次元画像データを得る。この処理方法は主に静止臓器に対して用いられている。
【0029】
ECG gated VCT手法は、上記VCT手法と同様に図5に示すように被検体Pの周りにX線管11と検出器12を回転して撮影した複数枚(複数フレーム、複数方向)の撮影画像データ42のうち、図6に示す被検体の心電図41における心位相がほぼ一致するフレーム42aのみを使用して再構成する手法である。すなわち、この心位相における画像が特定の動作状態における画像となる。
【0030】
具体的には例えば、4秒間かけて200方向から200枚を撮影し、その間に心臓が3心拍したとする。1心拍のうちほぼ同じ心位相(特定の動作状態)とみなしてよいのを約2割とすると、約40枚の撮影画像データ42が選択でき、約40枚の撮影画像データ42から再構成画像を得る。
【0031】
本手法によると、CoronaryTreeより多い枚数から再構成するため、画質は向上する。一方で、略同一心位相のフレームを使っているため、若干の心臓動きボケの影響が含まれてしまい、心臓血管がぼける。さらに再構成は一部フレームが存在しない再構成(歯抜け再構成)となるため、アーチファクトが発生する。
【0032】
本実施形態で第1の3次元画像データとして用いるECG gated VCT(multiple pass)は、ECG gated VCT手法と同様に図5に示すように被検体Pの周りにX線管11と検出器12を回転させて撮影を行い、同一心位相のフレームの撮影画像データ42を用いるものであるが、ここでは図7に示すように複数回回動させて撮影を行い、それらを組みあせて、再構成することにより、歯抜け再構成の影響を低減する手法である。詳細は後述する。
【0033】
本手法で再構成される第1の3次元画像データ51は、CoronaryTreeや単純ECG gated VCTより多い枚数から再構成するため、画質は向上する。しかし略同一心位相のフレームを使っているため、若干の心臓動きボケの影響が含まれてしまい、動きを伴う心臓血管がぼける画像となる。
【0034】
本実施形態で第2の3次元画像データとして用いるMotion compensated VCT手法は、観察対象領域の動きを補正する方法である。一般に、2D画像で補正してから再構成する手法と、再構成後に3Dで動き補正する手法が知られている。詳細は後述の第2再構成処理で説明する。本手法によると、全方向画像から再構成するため画質は最も良い。一方、動き補正処理を要するため、処理時間は長い。さらに、心臓はねじれるような運動をするため、心臓のある部分ではうまく動き補正できたとしても、他の部分にはうまく補正することが困難となる。この手法で得られる第2の3次元画像データ52は、観察対象の領域は画質が良いものの、周囲の画質は劣化する画像となる。
【0035】
図8には本実施例において全体的な動作概要を示している。図8に示すように、本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置は、上述した異なる手法によって再構成された第1及び第2の3次元画像データのデータから、それぞれ所定の領域を切り出し、これらを合成して第3の3次元画像データ53を再構成する。例えば第1の3次元画像データ51は、ECG gated VCT(multiple pass)手法を採用して構成された骨と大動脈がシャープな3次元画像データである。一方、第2の3次元画像データ52は動き補正をするMotion compensated VCT手法を採用して構成された心臓部分がシャープな3次元画像データである。これらを合成することにより心臓部分と周囲の骨や大動脈が両方ともシャープな第3の3次元画像データ53を得る。
【0036】
図9及び図10には本実施形態にかかる制御部の制御に基づく画像処理装置の一連の処理手順を流れ図で示している。
【0037】
[画像収集処理]
まず、ST1(ステップ1)において、制御部の制御のもとで撮影装置が作動し、X線投影画像である撮影画像データを収集する。すなわち、図5に示すようにCアーム13が連続的に回転し、その間に撮影が繰り返される。例えば、Cアーム13は50度/秒の速度で回転される。それにより撮影方向の異なる複数の撮影画像データのデータが収集される。例えばCアーム13が4秒間に200度回転する間に200フレームの2次元の撮影画像データ42を収集する。
【0038】
収集された撮影画像データのデータに、撮影方向のデータ等の付帯情報が関連付けられて記憶部に記憶され保存される(ST2)。
【0039】
なお、ここでいう2次元の撮影画像データ42とは、収集したデータ、もしくは収集後に加工されたデータ、これらの2次元画像データが複数方向(複数枚)(複数フレーム)集まったものを含む意味で用いている。
【0040】
また、第1、第2、第3の3次元画像データ51,52,53は、表示される画像を作成する元になる仮想3次元画像として図示及び説明するとともに第1、第2、第3領域A1,A2,A3は、その仮想3次元画像における範囲として対応させて示している。
【0041】
また、撮影画像データ42、第1、第2、第3の3次元画像データ51,52,53、表示用画像データ54を元にした3次元あるいは2次元の画像について、符号にそれぞれMを追加した対応する撮影画像M42、第1画像M51,第2画像M52,第3画像M53、表示画像54として示す。
【0042】
[第1再構成処理]
第1再構成部では、記憶部に記憶された撮影画像データ42から、ECG gated−VCT手法を用いて、第3領域A3における3次元の第1の3次元画像データ51を再構成する。第1の3次元画像データ51、第2の3次元画像データ52、第3の3次元画像データ53は、上記収集した2次元の撮影画像データ42を再構成して得られるもので、3次元(x、y、z)のデータから成る画像データである。
【0043】
第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3は、収集された撮影画像データ42に関する情報や入力デバイス5の入力や各種設定等の条件に基づいて決定される。
【0044】
例えば図11に示すように、撮影画像データ42の中心C1(x,y,z)を中心を基準として決定され、アイソセンターC1を中心とした153.6x153.6x153.6mmの領域を第33次元画像データの作成対象となる第3領域A3とする。また、アイソセンターC1を中心とした51.2x51.2x51.2mmの領域を第2領域A2とし、第3領域A3から第2領域A2を除いた周辺領域を第1領域A1とする。例えば、心臓が撮影画像データ42の中心に位置し、骨などの動かない臓器は周辺に位置している、と仮定できる場合等に用いられる。
【0045】
図6に示すように、被検体の心電図41における心位相がほぼ一致するフレームを選択する(ST3)。同じ心位相では、例えば血管はほぼ同じ三次元位置にある。選択されたほぼ同位相の画像データ42aから、第1の3次元画像データ51としての三次元データを構成する(ST4)。再構成された第1の3次元画像データ51は記憶部に保存される(ST5)。
【0046】
再構成された第1の3次元画像データ51は、例えば図12に示すように、アイソセンターC1を中心とした153.6x153.6x153.6mmの領域をカバーし、256x256x256、ボクセルピッチ0.60mmの3次元画像データとする。この第1の3次元画像データには心臓血管と骨を含む全体が描出されている。この第1の3次元画像データ51では、心臓周辺の骨部分は正確に構成されているが、心臓の血管位置が動くため、血管が1点に結像されず、動きぼけが生じている。
【0047】
[第2再構成処理]
一方、第2再構成部において、ST13において記憶部に記憶された2次元投影データから、第1の3次元画像データ51とは異なるmotion compensated VCT手法によって、少なくとも第2領域A2における第2の3次元画像データが再構成される。ここでは第2領域A2と第1領域A1を含む第3領域A3に対応する全範囲について第2の3次元画像データを再構成する場合について説明する。上述したように、第2領域A2は、アイソセンターC1を中心とした51.2x51.2x51.2mmの領域である。
【0048】
図13に示すように、上記第1のデータを生成する際に撮影した拡張末期の数フレームのキー画像データ42aが入力順番に1フレームずつ表示され、操作者による入力デバイス5の指定操作に従って各キー画像上で特徴点43が指定される(ST6)。
【0049】
特徴点43としては、解剖学上(形態上)で比較的識別容易な例えば血管分岐部、狭窄部、ステントのマーカーが採用される。
【0050】
全てのキー画像データ42aについて特徴点43の指定が完了すると、特徴点3次元座標計算部9により特徴点43の3次元座標が計算される(ST7)。計算された特徴点の3次元座標と、キー画像データ42a以外の残りのノンキー画像データ42bの撮影方向とに基づいて、再投影処理により、特徴点43が投影されるノンキー画像データ42b上での特徴点43bの2次元座標が計算される(ST8)。
【0051】
続いて、複数のノンキー画像データ42bにて特徴点が抽出される(ST9)。抽出された特徴点の2次元座標を、実際上の特徴点の2次元座標と称して、上記計算の特徴点の2次元座標と区別する。抽出処理としては、画像に映っている被検体像はフレーム間でほんの少ししか移動しない状況において、特徴点として第Nフレーム目の画像において例えば31×31程度の小さな領域を設定した場合、隣接する第(N+1)フレーム目のノンキー画像において最も形態類似した領域を探すことであり、これを逐次繰りかえすことにより、最初に設定した小領域の特徴点の移動軌跡を得ることができる(トラッキング)。類似度の計算方法としては、Sum of square distance、 Sum of square distance、相互相関法、Mutual informationなどの周知の計算方法を任意に採用すればよい。
【0052】
位置ズレ計算部37では、計算の特徴点の2次元座標に対する実際上の特徴点の2次元座標の位置ズレが動き補正関数として計算される(ST10)。計算された位置ズレに従ってノンキー画像を位置補正し(ST11)、補正したノンキー画像データ42bとキー画像データ42aとに基づいて3次元画像データのデータが再構成される(ST12)。
【0053】
生成された第2の3次元画像データは、記憶部に保存される(ST13)。
【0054】
再構成された第2の3次元画像データ52は第1の3次元画像データと同じ2次元画像から異種法で生成された画像データである。例えば図14に示すように、アイソセンターC1を中心とし、51.2x51.2x51.2mmの領域をカバーし、256x256x256、ボクセルピッチ0.20mmの3次元画像データとなる。
【0055】
この処理をした場合は、図16に示すように、aをbに動かす処理がおこなわれるため、bからの逆投影とcからの逆投影が1点dに結像され、血管はシャープな3次元画像データとなる。
【0056】
一方で図16に示すように、骨などの静止臓器については、本来はiの部分に再構成されるべきものであるが、血管のための動き補正のため、eがfに移動され、fからの逆投影とgからの逆投影がhに結像されてしまう。よって本来iにあるべきものがhの場所にいわゆる虚像としてでてしまう。
【0057】
したがって、図14に示すように、第2の3次元画像データ52では、中心部分の心臓血管がシャープに描出されている一方で、周辺の骨等の部分はぼやけている。
【0058】
[第3再構成処理]
第3再構成部において、上記異なる手法で再構成された第1の3次元画像データ51と第2の3次元画像データ52とを合成し、第3の3次元画像データ53を再構成する。
【0059】
まず、重付部40において、入力部23の入力内容や設定内容等の各条件にしたがって、重み付け処理をする(ST14)。ここでは図17に示すように、第3の3次元画像データにおける割合である重み付け係数を決定し、この重み付け係数に応じて合成処理を行う。すなわち、重み付け係数が100または0でない範囲においては、第1領域A1と第2領域A2が重なっていることになる。
【0060】
ここでは、第2の3次元画像データ重み付け係数は、第2領域A2においては100%、第1領域A1においては0%とし、同様に第1の3次元画像データの重み付け係数は第1領域において100%、第2領域において0%とするため、はっきりと領域毎に画像が異なるものとなる。なお、図17においては、説明のため2次元で示している。
【0061】
切出部39において、領域と重み付けを含む各種条件に基づき、第1の3次元画像データ51と第2の3次元画像データ52の必要な領域に対応する部分を切り出す。ここでは、第3領域A3について構成された第1の3次元画像データ51から第1領域A1に対応する部分を切り出し処理する(ST15)。
【0062】
切り出した各画像を合成する(ST16)。まず、アイソセンターC1を中心とした51.2x51.2x51.2の第2領域A2に、第2の三次元画像データ52を当てはめる。ついで、全体領域(第3領域A3)から第2領域A2を除いた周囲の第1領域A1に第1の3次元画像データ51を補間して当てはめて合成する。すなわち、第1領域A1と前記第2領域A2とは互いに連続する隣り合う領域となる。
【0063】
ここで、第3の3次元画像データ53のボクセルピッチは、第1の3次元画像データ51と第2の3次元画像データ52の小さいほうに合わせることとする。例えば、第1の3次元画像データはNmm/voxelとし、第2の3次元画像データはMmm/voxelとし、N>Mとすると、第3の3次元画像データ53はMmm/voxelとする。
【0064】
以上により再構成された第3の3次元画像データ53は例えば図18に示すように、153.6x153.6x153.6mmの第3領域A3をカバーし、768x768x768、ボクセルピッチ0.20mmの3次元画像データとする。この第3の3次元画像データ53は、中心部の心臓冠動脈部分には動き補正をする手法を用い、周囲の骨部分は動き補正をしない手法による画像を用いたため双方ともはっきりと表示される。これにより、動いている臓器も動いていない臓器もシャープに表示される。
【0065】
なお、本実施形態の第1の3次元画像データと第2の3次元画像データは同じ撮影系にて撮影された画像に基づくため、両者の座標軸は等しいので、合成のためのregistration等の特別な手続きは必要としない。
【0066】
なお、このとき、立方体となる第2領域A2の境界のボクセルのアウトライン44が黒色等の濃い色で示されるようにする。
【0067】
[保存処理]
ついで第3の3次元画像データに関する情報が記憶部に保存される(ST17)。ここでは、第3の3次元画像自体は保存せず、第1の3次元画像データ53のファイル名、第1の3次元画像データ51の付帯情報ファイル名、第2の3次元画像データのファイル名、第2の3次元画像データの付帯情報ファイル名、合成方法、デフォルト表示方法、等の情報で構成される組み合わせルールのみが保存される。この手法によれば、新たな画像保存が不要なためディスクサイズを無駄にしない。また、第1の3次元画像データ51のみの表示や第2の3次元画像データ52のみ表示といった操作が可能になる。
【0068】
[表示処理]
制御部21の制御に基づき、第3の3次元画像データを記憶部から読み出し、第3の3次元画像データ53から、表示用の画像データ54を生成する(S18)。例えば、ボリュームレンダリング法やMPR(Multi−Planar−Reconstruction)法、更には、MIP(Maximum−Intensity−Projection)法を適用して表示用の3次元画像や2次元画像である表示画像M54が生成される。表示部において、この生成された表示画像M54を表示する(ST19)。
【0069】
図19に表示画像M54を示す。この表示画像M54は第3の3次元画像データ53に対応する第3画像M53としての2次元投影画像を含んでいる。
【0070】
第3画像M53の隣には複数のボタン45が表示されている。このボタン45は入力部23のインターフェイスであって、3つのボタン45に夫々「1のみ表示」「2のみ表示」「3(両方)表示」と記載されている。ユーザーがこのボタン45をクリックすることで、第1の3次元画像データ51から生成される第1画像M51、第2の3次元画像データ52から生成される第2画像M52、第3の3次元画像データ53から生成される第3画像M53とを切り替えて表示することができるようになっている。
【0071】
本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置によれば、以下のような効果が得られる。
【0072】
周辺領域については第1の3次元画像データ51を用いるとともに中心の領域については第2の3次元画像データ52を用いて合成することにより、中心部分で動作する心臓血管も、周辺部分で静止している骨も大動脈もシャープになった再構成像が得られる。
【0073】
このため、診断の際には、臓器同士の前後左右の関係がつかみやすくなり、どちらから見た画像か、どちらから見たら病変がはっきり見えるか、が直感的にわかりやすくなる。また、病変と骨(ランドマーク)の位置関係がわかるため、病変が肋骨の何番目と何番目の間にあるか、がわかりやすくなり、その後の手術をやる時の位置の目安となる。
【0074】
特に心臓血管のインターベンション治療時の画像観察において利用されると、手技時間を早くする効果を生む。
【0075】
例えば、エコー信号は骨で反射されてしまうため、心臓を狙う場合には骨と骨の間にビームを通す必要があるが、本手法の画像を見ると、肋骨と心臓血管の位置関係がわかるため、どの角度でエコーのプローブを向けたら心臓血管上の病変が描出できるかが簡単にわかり、エコーを投射する角度を決定しやすい。
【0076】
また、X線撮影する際に、縦隔と病変が重なる方向からX線を照射すると、画像で重なってしまい見にくいため、縦隔にかからない角度で撮影したい場合にも、本手法を適応すれば縦隔が3次元画像データで表現されるため、その後の撮影の撮影方法の選択が容易となる。すなわち、縦隔にかからないView Angleが直感的に容易に決定できる。
【0077】
さらに、他の装置で撮影した3次元画像データと位置あわせする際、心臓が動くために位置合わせが困難な場合にも、本手法を用いれば骨が描出されるため、骨での位置あわせが可能となる。したがって、CTやMRと骨を用いたregistrationができる。
【0078】
また、心臓血管と他の血管をバイパス手術する場合、動き補正したほうが良く見える心臓血管側の端と、補正しないほうがよい他血管側の端の両方が同時に良くみえるようになる。
【0079】
Biopsyのように体外から針を刺して手術や検査をおこなう場合、肋骨の間など針が通るパスを手術計画しやすくなり、戦略決定が容易になる。
【0080】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置について図20及び図21を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置において、切り出し処理以外は上記第1実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様であるため説明を省略する。
【0081】
本実施形態では、図20、図21に示されるように、第2の3次元画像データを構成する際に、特徴点指定(ST6)の前に、先に撮影画像データ42から第2の3次元画像データが必要な領域である第2領域の2次元画像を切り出す切出処理を行う(ST21)。すなわち、小さい領域である第2領域A2に対応する2次元画像データ42cを先に切り出してから、第2の3次元画像データ52を再構成する。以下、ST6以降は上記第1実施形態と同様である。
【0082】
一方、第1の3次元画像データ51は、上記第1実施形態と同様に第3領域A3に対応する範囲について構成する。
【0083】
第3の3次元画像データ53を再構成する際には、これら第3領域A3についての第1の3次元画像データ51から第1領域に対応する部分を切り出し処理するとともに、予め第2領域A2のみについて構成された第2の3次元画像データ52をそれぞれの領域に当てはめることにより合成処理を行う。
【0084】
本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置においても上記第1実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様の効果を得られる。さらに、第2の3次元画像データについては、小さい範囲の第2領域A2のみについて再構成を行うため、処理速度の向上及び第2の3次元画像データ52の保存領域の節約が可能となる。
【0085】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置について図22を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置において、被検体の対象以外は上記第1及び第2実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様であるため説明を省略する。
【0086】
本実施形態では、被検体の心臓部位を第3領域A3とする。また、この心臓部位の血管のうちの例えば狭窄等の病変部位や分岐部分である特定の位置を第2領域A2として第2の3次元画像データを採用し、それ以外の周囲の血管部分を第1領域A1として第1の3次元画像データを適用する。
【0087】
なお、切り出し処理については第2実施形態と同様とし、少ない範囲である第2領域についてのみ第2の3次元画像データを構成する手法を採用する。
【0088】
一方、第1及び第2の3次元画像データを構成する手法は上記第1実施形態と同様であり、第1の3次元画像データはECG gated VCT(multiple pass)手法により構成し、第2の3次元画像データはMotion compensated VCT手法により構成するものとする。
【0089】
上記手法により再構成された第1の3次元画像データ51は、図22に示すように、造影した心臓血管全体が起始部から末梢部までの全体が描出されているが、全体的にぼけた画像となっている。一方、第2の3次元画像データ52は、狭窄部位である特定の領域のみであるが描出されておりシャープな画像になっている。これらを合成して再構成された第3の3次元画像データ53は、小領域である第2領域A2に対応する一部分の血管のみ、動き補正された精巧な画像で描出され、周囲の血管については動き補正処理が行われていない画像で描出されている。
【0090】
本実施形態によれば、対象とする被検体の範囲において、例えば狭窄等の病変や分岐等、特に観察したい特定の一部分のみに精巧な画像を得たい場合等に、処理量を必要最低限に抑えることができるため、処理速度の低下を防止することができる。
【0091】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置について図23を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置において、領域の決定方法以外は第1乃至第3実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様であるため説明を省略する。
【0092】
本実施形態では、図23に示されるように、第1及び第2領域A1,A2は、ユーザーによって指定される特定点C2に基づいて決定される。なお、第3領域は、第1実施形態と同様に収集された撮影画像データ42のアイソセンターC1を中心とした所定範囲とされる。
【0093】
図24のフローに示すように、本実施形態においては、ST2の処理の後、ユーザは、入力デバイス5の操作により、例えば画面表示された撮影画像データ上の特定の位置をクリックする等により、特定点C2(ランドマーク)を指定する(ST21)。この特定点C2(x,y,z)を中心とした所定の領域が第2領域とされ、第3領域のうち第2領域を除いた範囲を第1領域A1とする。以降の処理は上記第1実施形態と同様である。
【0094】
例えば、上記第1実施形態のように心臓等の動く臓器と周囲の臓器と区別したい場合には撮影画像データにおける心臓の位置が特定点として入力され、第2実施形態のように特定の病変を観察したい場合には血管における狭窄や分岐の位置が特定点C2として選択指定されることとなる。
【0095】
本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置においても他の実施形態と同様の効果を得られる。
【0096】
さらに、被検体の種類や部位に応じた適当な領域を決定でき、例えば第2の3次元画像データを得たい心臓部位や、血管のうちの狭窄や分岐部分等の観察したい特定の部位が、撮影画像データの中心から外れている場合にも適用できる。
【0097】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置について図25を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置において、各領域に当てはめる画像の決定方法以外は上記各実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様であるため説明を省略する。
【0098】
本実施形態においては、第3の3次元画像データの第3領域A3において、各部位に当てはめる画像は、第1の3次元画像データ51と第2の3次元画像データ52のヒストグラム(不図示)を用いて、それぞれの画素輝度に応じて決定される。例えば、第2領域A2には、心臓血管のCT値に近い輝度の画像を適用し、第1領域には、骨のCT値に近い輝度の画像を適用して、合成することができる。また、この輝度が基準の値にどれだけ近いかによってその重み付けを変更してもよい。例えば第2領域A2には、心臓血管のCT値に近い輝度の画像を強調し、第1領域には、骨のCT値に近い輝度の画像を強調して合成する。
【0099】
本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置においても他の実施形態と同様の効果を得られる。さらに、本実施形態の画像決定方法によれば、ノイズ低減という効果が得られる。
【0100】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置について図26乃至図28を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置において、重み付け処理以外は第1実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様であるため説明を省略する。
【0101】
本実施形態では、重み付け係数は第2領域A2の中心C2からの半径Rに依存した関数としてあらかじめ定めた関数を用いて決定される。関数とは、2値(図26)、リニア(図27)、γ関数(図28)、シグモイド関数、LUT(look up table)、などである。
【0102】
この場合、図26乃至図28に示されるように、領域の中心からの距離に応じて重み付け係数が変わるため、第3の3次元画像データ53においては、第1の3次元画像データと第2の3次元画像データの境界がはっきりせず、除序に変化するように合成される。
【0103】
本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置においても他の実施形態と同様の効果を得られる。さらに、境界領域にて違和感なく画像がつながっているように見えるという効果が得られる。
【0104】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置について図29を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置において、領域の決定方法以外は第1実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様であるため説明を省略する。
【0105】
本実施形態では、第2領域の範囲は、図29に示されるように、第2の3次元画像データの動き補正の量(動かす距離)に応じて決定される。
【0106】
ここでは、第2の3次元画像データ構成の際にST10で算出した動き補正量の情報を元に、動き補正量が小さければ第2の3次元画像データの使用領域である第2領域A2を小さくし、動き補正量を大きければ第2の3次元画像データの使用領域である第2領域A2を広くとって第3の3次元画像データ構成(合成)の際の切り出し処理を行うこととする。
【0107】
すなわち、もし血管のための動き補正の量が小さければ、動き補正をして構成された第2の3次元画像データにおいて、虚像が生成される位置も本来の臓器位置から近いため、広い領域までも精度よく再構成できていると考えられる。一方、動き補正量が大きい場合には虚像が生成される位置が本来の臓器位置から遠くなると考えられる。
【0108】
したがって、動き補正量が小さい場合には、動き補正量が大きい場合よりも、第2の3次元画像データを適用できる範囲が広いと考えられる。一方、動き補正量が大きい場合は、小さい場合に比べて、特徴点(注目する心臓血管)近傍の極めて小領域のみについてのみ第2の3次元画像データが適用できる。
【0109】
本実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置においても上記各実施形態にかかる画像処理装置、画像処理方法及びX線診断装置と同様の効果を得られる。さらに本実施形態では動き補正量に応じた適切な範囲で領域を決定することができるため、心臓の動きの度合いを考慮することで、より適切な第3の3次元画像データを得ることができる。
【0110】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。変形例として、例えば以下の実施形態がある。
【0111】
上述した実施形態においては第3領域A3の中に第2領域は一箇所のみである場合について説明したが、これに限られるものではなく、複数箇所に別れていてもよい。例えば、図30に示すように、第3の3次元画像データ53に、第2の3次元画像データを2箇所以上用いることとしてもよい。この複数の第2領域は、例えば、第5実施形態における特定点C2の指定に加えて第2の特定点C3が指定されて決定され、あるいは、各種設定により予め決定されている。
【0112】
第3の3次元画像データ53は、第1の3次元画像データと、2箇所における第2の3次元画像データ52,55がそれぞれ第1領域A1及び2箇所の第2領域A2に当てはめられて合成される。
【0113】
したがって、表示状態において、第3の3次元画像データ53は、第3領域A3の中に第2領域A2が2箇所あり、一方に第2の3次元画像データ52、他方に別の第2の3次元画像データ55が配置されている。第3領域A3から、これら2箇所の第2領域A2を除いた領域を第1領域としている。このときの表示画像M54においては図31に示すように、2箇所の第2領域A2と、第1領域の境界のアウトライン44の色を分けて、異なる色で表示している。さらに、第3画像M53から構成された表示画像M54の隣には、2つの第2画像M52が並列して表示されている。
【0114】
さらに上記では2種類の手法で構成した第1の3次元画像データ及び第2の3次元画像データを用いて第3の3次元画像データを構成した場合について説明したが、さらに異なる手法で用いた画像を採用して3種類以上の画像から1つの画像を再構成する場合にも本発明が適用できる。
【0115】
もちろん、表示方法も上記実施形態に限られるものではない。例えば、図32、33に示すように第1、第2、第3画像M51,M52,M53、収集した撮影画像M42のいずれか2つ以上を並列して表示しても良い。例えば図32では、第3画像M53と、第2画像M52を並列している表示例を示す。また、図33では、収集した撮影画像M41と二つの第2画像M52を並列するとともに、第2領域(ここでは2箇所ある場合を示す)と第1領域の境界のアウトライン44を撮影画像M41上に表示している。
【0116】
これらの実施形態の表示の際、複数の表示用の画像データ51、52、53、54、42等の観察角度を合わせ、同一方向から観察した画像を表示するようにする。また、一方の画像を進めると(回転させると)他方の表示用の画像データも回転することとして動作を連携させる。
【0117】
第2画像M52のオリエンテーションは第3画像M53と同一としてもよい。この場合には、直感的にわかりやすいという効果が得られる。一方で、第2の3次元画像データのオリエンテーションは第3の3次元画像データと異なるものとしてもよい。この場合にはより見やすい方向から観察できるという効果が得られる。
【0118】
表示された状態で重み付け係数を任意に変更できるインターフェイス46をさらに備えてもよい。たとえば図34、図35に示すように、第2領域A2において、第1の3次元画像データと第2の3次元画像データの重み付け係数(この形態では)を変更できるボタンなどのインターフェイス46を備えている。ユーザのボタン操作により「100%」が選ばれると第2の3次元画像データの画素値で表示され、「0%」が選ばれると第1の3次元画像データの画素値で表示され、「50%」が選ばれると第1の3次元画像データの値と第2の3次元画像データの値の平均値で表示される。
【0119】
図36に示すように、第3の3次元画像データ自体を表示せず、第3領域A3に対応する第1の3次元画像データ51において、第2領域の境界のアウトライン44だけを表示するとともに、その隣に第3の3次元画像データ53と第2の3次元画像データ52を並べて表示してもよい。
【0120】
図37に示すように、境界のアウトライン44の表示を省略してもよい。例えば重み付け係数を100%と0%の間の中間の値を用いて両者の境界を曖昧にする場合等に適している。
【0121】
第2の3次元画像データと第1の3次元画像データを別ウインドに表示した場合に、第1の3次元画像データ表示に変えて、第3の3次元画像データを表示するように変更するインターフェイスを備えてもよい。
【0122】
第5実施形態における特定点C2の代わりに、入力デバイス5においてドラッグ等により、一定の範囲を入力し、この範囲を第2領域A2としてもよい。
【0123】
第2実施形態では第2領域A2のみについて、先に切り出し処理を行ったが、上記第2領域A2の切り出しに代えて、あるいはこれに加えて、第1領域A1についても同様に撮影画像データ42の段階で切り出し処理をしてから第1の3次元画像データ51を再構成することとしてもよい。
【0124】
また上述した実施形態では、動く臓器として心臓血管を動かない臓器として骨と大動脈を例にとって述べたがこれに限定されるものではない。また、被検体の心拍情報を得るためにECG信号の収集を行なったが、例えば左室容積変化曲線など他の生体情報であってもよい。
【0125】
一方、特定の動作状態として、拡張末期の画像を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば収縮末期であってもよい。
【0126】
更に、上記の実施例では、撮影系を回動させながら所定間隔でX線撮影を行なって得られた投影データの中から拡張末期に得られた投影データを選択して再構成処理したが、所定心拍時相(拡張末期)においてのみX線撮影を行なうこととしてもよい。この場合被検体に対するX線の被曝量が減少する利点を有している。
【0127】
第1の3次元画像データと第2の3次元画像データを得る再構成の手法は、一方を動き補正を用いる手法とし、他方を動き補正をしない手法としたが、これに限られるものではなく、第1の3次元画像データのいずれかが他方よりも分解能が高い画像を用いることとしてもよい。たとえば、第1の3次元画像データは8bit画像とし、第2の3次元画像データは8bit以上の画像であることを特徴とする手法を用いてもよい。この実施形態では例えば一部の領域のみ詳しく見たい等の場合に適しており、処理時間の短縮という効果を得ることができる。
【0128】
上述の実施例では表示用の画像データ54は、再構成によって得られた第3の3次元画像データを、ボリュームデータをボリュームレンダリング処理した3次元画像データや、MIP画像データあるいはMPR画像データなどの2次元画像データを生成する場合について述べたが、これらに限定されない。
【0129】
表示データ構成部29は、第3の3次元画像データ再構成部28に含まれることとしてもよい。すなわち、第1及び第2の3次元画像データを合成して第3の3次元画像データを構成する際に、領域の境界を示すライン44を付加して表示用の3次元画像データを構成することも可能である。
【0130】
なお、上記の領域決定方法に代えて、2種類の第1及び第2の3次元画像データのうち画素値の大きい方の画像を採用することもできる。
【0131】
また、保存処理に関し、上記実施形態に代えて、新しい画像として第3の3次元画像データ53を保存することとしてもよい。第3の3次元画像データにおけるボクセルピッチは均一とし、第1と第2の細かいほうにあわせる。本手法によれば、保存した画像を読み出す際に特殊な手続きが不要なため汎用性が高い。
【0132】
一方、新しい画像として第3の3次元画像データを保存する際、第3の3次元画像データ53におけるボクセルピッチは不均一とし、別途保存する付帯情報データに画素ごとのボクセルピッチを記載する。本手法によれば、ディスクサイズが節約できる。
【0133】
なお、境界の表示は、表示用処理として保存後に行ったが、これに代えて、第3の3次元画像データの再構成の際に第1領域A1と第2領域A2の境界を含めて構成してもよい。
【0134】
さらに各手順の順番や位置づけについても、上記各実施形態に限定されるものではない。
【0135】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるX線診断装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態にかかるX線撮影装置の構成を示す説明図。
【図3】coronary3D手法を説明するフロー図。
【図4】coronary3D手法の説明図。
【図5】ECG gated VCT手法の説明図。
【図6】ECG gated VCT手法の説明図。
【図7】multiple pass ECG gated VCT手法の説明図。
【図8】本発明の第1実施形態にかかる画像処理方法の全体的な動作概要を示す説明図。
【図9】同実施形態にかかる画像処理方法の手順を示すフロー図。
【図10】同実施形態にかかる画像処理方法の手順を示すフロー図。
【図11】同実施形態にかかる領域の説明図。
【図12】同実施形態にかかる第1の3次元画像データを示す説明図。
【図13】同実施形態にかかる第2の3次元画像の再構成処理の概要を示す説明図。
【図14】同実施形態にかかる第1の3次元画像データを示す説明図。
【図15】同実施形態にかかる第2の3次元画像データの再構成処理の概要を示す説明図。
【図16】同実施形態にかかる第2の3次元画像データの再構成処理の概要を示す説明図。
【図17】同実施形態にかかる第3の3次元画像データの再構成処理の概要を示す説明図。
【図18】同実施形態にかかる第3の3次元画像データを示す説明図。
【図19】同実施形態にかかる表示画像を表示したモニタの表示例を示す説明図。
【図20】本発明の第2実施形態にかかる画像処理方法の全体的な動作概要を示す説明図。
【図21】同実施形態にかかる画像処理方法の手順を示すフロー図。
【図22】本発明の第3実施形態にかかる画像処理方法を示す説明図。
【図23】本発明の第4実施形態にかかる画像処理方法を示す説明図。
【図24】同実施形態にかかる画像処理方法の手順を示すフロー図。
【図25】本発明の第5実施形態にかかる画像処理方法を示す説明図。
【図26】本発明の第6実施形態にかかる画像処理方法における重み付け処理の一例を示す説明図。
【図27】本発明の第6実施形態にかかる画像処理方法における重み付け処理の一例を示す説明図。
【図28】本発明の第6実施形態にかかる画像処理方法における重み付け処理の一例を示す説明図。
【図29】本発明の第7実施形態にかかる画像処理方法における重み付け処理の一例を示す説明図。
【図30】本発明の他の実施形態にかかる表示例を示す説明図。
【図31】本発明の他の実施形態にかかる表示例を示す説明図。
【図32】本発明の他の実施形態にかかる表示例を示す説明図。
【図33】本発明の他の実施形態にかかる表示例を示す説明図。
【図34】本発明の他の実施形態にかかる表示例を示す説明図。
【図35】同実施形態にかかる画像処理方法における重み付け処理の一例を示す説明図。
【図36】本発明の他の実施形態にかかる表示例を示す説明図。
【図37】本発明の他の実施形態にかかる表示例を示す説明図。
【符号の説明】
【0137】
1…X線診断装置、5…入力デバイス、6…心電図解析部、7…特徴点指定画像選択部、9…次元座標計算部、10…X線撮影装置、11…X線管、12…X線検出器、
20…画像処理装置、21…制御部、22a…モニタ、22…表示部、23…入力部、
24…記憶部、25…画像再構成部、26…第1の3次元画像データ再構成部、
27…第2の3次元画像データ再構成部、28…第3の3次元画像データ再構成部、
29…表示データ構成部、31…心電図解析部、39…切出部、40…重付部、
42…撮影画像データ、44…アウトライン、51…第1の3次元画像データ、
52.55…第2の3次元画像データ、53…第3の3次元画像データ、
54…表示用画像データ、P…被検体、M42…撮影画像、M51…第1画像、
M52…第2画像、M53…第3画像、M54…表示画像、A1…第1領域、
A2…第2領域、A3…第3領域、C1…アイソセンター(中心)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示される画像を形成する元になる仮想3次元画像を生成する画像処理装置であって、
被検体の撮影画像データに基づいて特定の処理方法で前記被検体の第1の3次元画像データを構成する第1構成手段と、
第1構成手段とは異なる処理方法で前記被検体の第2の3次元画像データを構成する第2構成手段と、
前記仮想3次元画像の所定の第1領域に前記第1の3次元画像データを当てはめるとともに前記第1領域と異なる第2領域に前記第2の3次元画像データを当てはめて前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを合成することにより前記第1領域及び第2領域を含む第3領域における第3の3次元画像データを構成する第3構成手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第3領域から、前記第2領域を除いた領域が前記第1領域であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第3の3次元画像データに基づき2次元または3次元の表示用の画像データを作成する表示データ構成手段と、
前記表示用の画像データを表示する表示手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の3次元画像データ及び前記第2の3次元画像データのうちの少なくとも一方は、前記被検体の複数方向からのX線撮影画像データに基づいて、coronary3D手法,coronary tree手法、VCT手法、ECG gated VCT手法、multiple pass ECG gated VCT手法、及びMotion compensated VCT手法、のうち少なくともいずれかの手法を用いて構成されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1領域及び前記第2領域のうち小さい領域を構成する前記第1または第2の3次元画像データは、少なくとも前記小さい領域に対応する被検体の撮影画像データから構成されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第3領域における前記第1領域及び前記第2領域は、第3の3次元画像データの中心位置からの距離に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第3領域における前記第1領域及び前記第2領域は、前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データの輝度に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第2の3次元画像データが被検体の動きによる位置ずれを補正する動き補正処理を伴う手法で構成され、
前記第3領域における前記第2領域は、前記動き補正処理における補正量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1領域と前記第2領域の一部が共通し、
前記第3構成手段は、前記合成の際に、前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データの境界を滑らかにするための重み付け処理をすることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記重み付け処理の度合いは、前記第1領域と前記第2領域との境界からの距離に基づいて決定されることを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記表示データまたは前記第3の三次元画像における前記第1領域と前記第2領域との間には境界表示がされることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項12】
被検体に対してX線の照射と検出を行ない前記被検体の撮影画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段を前記被検体の周囲に設定された所定の回動経路に沿って複数回回動させる移動手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。。
【請求項13】
表示される画像を形成する元になる仮想3次元画像を生成する画像処理方法であって、
被検体の撮影画像データに基づいて前記被検体の第1の3次元画像データを構成し、
前記第1の3次元画像データとは異なる処理方法で前記被検体の第2の3次元画像データを構成し、
所定の第1領域に前記第1の3次元画像データを適用するとともに前記第1領域と異なる第2領域に前記第2の3次元画像データを適用して前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを合成することにより前記第1領域及び第2領域を含む前記被検体の第3領域における第3の3次元画像データを構成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
前記第3領域から、前記第2領域を除いた領域が前記第1領域であることを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記第3の3次元画像データから2次元または3次元の表示用の画像データを作成し、
前記表示用の画像データを表示することを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記第1の3次元画像データ及び前記第2の3次元画像データのうちの少なくとも一方は、前記被検体の複数方向からのX線撮影画像データに基づいて、coronary3D手法,coronary tree手法、VCT手法、ECG gated VCT手法、multiple pass ECG gated VCT手法、及びMotion compensated VCT手法、のうち少なくともいずれかの手法を用いて構成されることを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記第1領域及び前記第2領域のうち小さい領域を構成する前記第1または第2の3次元画像データは、少なくとも前記小さい領域に対応する被検体の撮影画像データから構成されることを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。
【請求項18】
表示される画像を形成する元になる仮想3次元画像を生成するX線診断装置であって、
被検体に対してX線の照射と検出を行ない被検体のデータを得る撮影手段と、
被検体の撮影画像データに基づいて前記被検体の第1の3次元画像データを構成する第1構成手段と、
第1構成手段とは異なる処理方法で前記被検体の第2の3次元画像データを構成する第2構成手段と、
所定の第1領域に前記第1の3次元画像データを適用するとともに前記第1領域と異なる第2領域に前記第2の3次元画像データを適用して前記第1の3次元画像データと前記第2の3次元画像データとを合成することにより前記第1領域及び第2領域を含む前記被検体の第3領域における第3の3次元画像データを構成する第3構成手段と、
を備えたことを特徴とするX線診断装置。
【請求項19】
前記撮影手段を前記被検体の周囲に設定された所定の回動経路に沿って複数回回動させる移動手段をさらに備え、
前記第1構成手段において、前記撮影手段が被検体の周囲で回動しながら被検体に対してX線の照射と検出を行なうことにより得られる前記被検体の所定の動作状況における前記被検体のデータから、前記第1の3次元画像データが構成され、
前記第2構成手段において、前記所定の動作状況における被検体のデータに動き補正処理がなされて前記第2の3次元画像データが生成されることを特徴とする請求項18記載のX線診断装置。
【請求項20】
前記第3の3次元画像データに基づき2次元または3次元の表示用の画像データ)を作成する表示データ構成手段と、
前記表示用の画像データを表示する表示手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項18記載のX線診断装置。
【請求項21】
前記第1の3次元画像データ及び前記第2の3次元画像データのうちの少なくとも一方は、前記被検体の複数方向からのX線撮影画像データに基づいて、coronary3D手法,coronary tree手法、VCT手法、ECG gated VCT手法、multiple pass ECG gated VCT手法、及びMotion compensated VCT手法、のうち少なくともいずれかの手法を用いて構成されることを特徴とする請求項18記載のX線診断装置。
【請求項22】
前記第1領域及び前記第2領域のうち小さい領域を構成する前記第1または第2の3次元画像データは、少なくとも前記小さい領域に対応する被検体の撮影画像データから構成されることを特徴とする請求項18記載のX線診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2009−240723(P2009−240723A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94278(P2008−94278)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】