説明

画像処理装置、画像拡大装置、画像符号化装置、画像復号化装置、画像処理システム及びプログラム

【課題】本構成を有していない場合に比較して、低コストで、文字画像を高画質に拡大することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像処理装置は、まず、1ページの原稿又は複数ページからなる文書に複数回現れる文字を抽出する。このような複数の同一文字の位相は、互いにずれていることが多い。そこで、本発明に係る画像処理装置は、抽出された各文字の位相を算出する。各文字の位相は、例えば、文字の重心を算出し、算出された重心と標本化格子点との相対位置から算出される。さらに、本発明に係る画像処理装置は、算出した位相と、抽出された各文字画像とに基づいて、高解像度の文字画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を拡大する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像の読取時の解像度と印刷時の解像度とは異なる。例えば、1インチ当たりのドット数は、前者の場合では200〜300dpiであるのに対して、後者の場合では600〜1200dpiである。このため、文字原稿がスキャナ等により読み取られて印刷される場合、文字画像は拡大される必要がある。
【0003】
特許文献1では、文字画像の斜め線をスムージングして、文字解像度を向上させる手法が開示されている。
特許文献2では、エッジ方向に基づいて画像を拡大する手法が開示されている。
特許文献3では、画像輪郭の傾斜部のぎざぎざ要因になる段差部を判別し、ぎざぎざ要因との判定結果に基づいて画素置換(白黒反転)を行う手法が開示されている。
しかしながら、これらの手法は、画像の局所的な滑らかさを仮定して画像の拡大(解像度の変換)を行う。したがって、その仮定が正しいか否かはわからないという問題がある。
【0004】
非特許文献1では、複数の低解像度画像を入力して、一枚の高解像度画像を生成する手法が開示されている。しかしながら、低解像度画像と高解像度画像の画素位置をどのようにして合わせるかという問題(レジストレーション問題)がある。一般に、画像のレジストレーションを正確に行うことは、以下のような困難さを含む。
【0005】
まず、画像全体のレジストレーションを行う場合、演算量が非常に大きくなってしまう。次に、動きが大きすぎる場合、困難さが増大する。なお、一般には動画符号化方式における動き補償方法として、レジストレーション方式が研究されているが、この場合、動きが小さい部分のみを対象としている。さらに、入力画像フォーマットを限定していない場合のレジストレーション方法が確立していない。なお、写真などのように中間調画像であれば、差分を微分して、差分が小さくなる方向に動かすという手法を用いることができるが、文字、線画、CGなどのようにエッジが多い画像ではこのような微分法は使いづらい。ただし、入力が文字であると限定してしまえば、パターンマッチングなどの方法を用いれば良いことになる。
【0006】
特許文献4では、入力画像に対して文字領域が抽出されて文字として認識され、文字コードが出力され、この文字コードに対応する各種フォントがフォントデータベースから検索され、それらが文字領域の画像と共に文字マッチング部に入力され、この文字マッチング部では、文字領域の画素を最もよく近似するフォントの種類、文字のサイズ、文字の色が探索され、これらのデータと共に、文字部分の開始位置、文字間隔、文字コードが符号化データとして出力される手法が開示されている。
【0007】
特許文献5では、パターンマッチングによる位置検出において、誤認識を防止する手法が開示されている。
特許文献6では、互いに一部が重複している複数の画像を合成して広範囲な画像を得る際に、少ない計算量で目的に広範囲な画像を得る手法が開示されている。
特許文献7では、分割画像を合成する際に、合成すべき分割画像を人手により大まかに重ね合わせて置くだけで、マッチング精度が高く、かつ処理量の少ない画像合成装置および画像合成方法が開示されている。
しかしながら、これらの手法は、パノラマ画像などを作成するためのものであり、1画素以下の精度に対したものではない。
【0008】
【特許文献1】特開平6−225122号公報
【特許文献2】特開平6−311351号公報
【特許文献3】特開平8−310057号公報
【特許文献4】特開平10−178638号公報
【特許文献5】特開2002−190021号公報
【特許文献6】特開2004−334843号公報
【特許文献7】特開平10−108003号公報
【非特許文献1】S.C.Park, M.K.Park, and M.G.Kang, "Super-Resolution Image Reconstruction -A Technical Overview-", IEEE Signal Processing Magagine, May, 2003, pp.21-36.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、本構成を有していない場合に比較して、低コストで、画像を高画質に拡大することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の画像処理装置は、第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成手段とを有する。本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低コストで、画像を高画質に拡大することができる。具体的には、文字、図形等のボケ、曲線のでこぼこ、細線の幅及び間隔の不均一を減少させることができる。
【0011】
好適には、2値の画像を多値化する多値化手段をさらに有し、前記抽出手段は、2値の入力画像から、第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出し、前記生成手段は、前記抽出手段により抽出され、前記多値化手段により多値化された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成する。本発明によれば、入力画像が2値画像である場合、入力画像が多値画像である場合と比較して、より高画質な高解像度画像を生成することができる。
【0012】
好適には、前記多値化手段は、画像に対して低域通過フィルタを適用して多値化処理を行う。
好適には、前記多値化手段は、拡大手法を適用して各文字画像を多値化する。
【0013】
好適には、2値の画像を多値化する多値化手段をさらに有し、前記抽出手段は、前記多値化手段により多値化された画像から、第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する。
【0014】
好適には、前記抽出手段により抽出された各画像を第1の解像度より高い第2の解像度に拡大する拡大手段をさらに有し、前記生成手段は、前記抽出手段により抽出され、前記拡大手段により拡大された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する。
【0015】
好適には、複数の文字画像を含む文字群画像を記憶する文字群画像記憶手段をさらに有し、前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、前記文字群画像記憶手段に記憶されている文字群画像から抽出された文字画像であって第1の文字画像と類似する文字画像にさらに基づいて第2の解像度の文字画像を生成する。本発明によれば、類似する文字画像が入力画像に含まれていない、あるいは抽出された類似する文字画像の数が少ない場合においても、文字の解像度を上げることができる。
【0016】
好適には、複数の文字画像を含む文字群画像を記憶する文字群画像記憶手段をさらに有し、前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、第1の文字画像を、前記文字群画像記憶手段に記憶されている文字群画像から抽出された文字画像であって第1の文字画像と類似する文字画像で置き換える。
【0017】
好適には、前記抽出手段により抽出された第1の文字画像の大きさに基づいて、複数の文字画像を含む文字群画像を取得する文字群画像取得手段をさらに有し、前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、前記文字群画像取得手段により取得された文字群画像から抽出された文字画像であって第1の文字画像と類似する文字画像にさらに基づいて第2の解像度の文字画像を生成する。本発明によれば、類似する文字画像が入力画像に含まれていない、あるいは抽出された類似する文字画像の数が少ない場合においても、文字の解像度を上げることができる。
【0018】
好適には、前記文字群画像取得手段は、位相が異なる複数の文字群画像を取得する。本発明によれば、画像を、より高解像度化することができる。
【0019】
好適には、前記抽出手段により抽出された第1の文字画像の大きさに対応する文字画像を生成する対応文字画像生成手段をさらに有し、前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、前記対応文字画像生成手段により生成された文字画像にさらに基づいて第2の解像度の文字画像を生成する。
【0020】
本発明に係る第2の画像処理装置は、第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された各画像のサイズを調整するサイズ調整手段と、前記サイズ調整手段により調整された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成手段とを有する。本発明によれば、画像の出現回数が少ない場合においても、画像を高画質に拡大することができる。特に、表題など大きなポイント数の文字の解像度を上げることができるので、視覚的、心理的効果が大きい。
【0021】
本発明に係る第3の画像処理装置は、第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成手段とを有する。本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低コストで、文字画像を高画質に拡大することができる。特に、文字領域は入力された画像全体に占める割合が小さいので、動き推定領域を小さくすることができる。
【0022】
好適には、前記生成手段は、第1の解像度における各文字画像の位相に基づいて、該各文字画像の画素値から、第2の解像度における文字画像の画素値を補間する。本発明によれば、位相をずらしてスキャン・インするための装置を不要にすることができる。また、同一の文字が画像内に多く存在すればするほど、解像度を上げることができる。また、複数回のスキャンを行うことによる生産性の低下を防ぐことができる。
【0023】
本発明に係る第4の画像処理装置は、第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、文字画像のノイズを除去する除去手段と、前記除去手段によりノイズを除去された文字画像と該文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成手段とを有する。本発明によれば、より良好な画像を生成することができる。
【0024】
本発明に係る画像拡大装置は、第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成手段と、前記抽出手段に抽出された文字画像の位置に基づいて算出された第2の解像度の画像における位置に、前記生成手段により生成された第2の解像度の文字画像を配置する配置手段とを有する。
【0025】
本発明に係る画像符号化装置は、第1の部分画像と該第1の部分画像と類似する第2の部分画像とを第1の解像度で抽出する部分画像抽出手段と、前記部分画像抽出手段により抽出された各部分画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各部分画像の位相とに基づいて、第2の解像度の代表画像を生成する代表画像生成手段と、前記代表画像生成手段により生成された代表画像と、前記抽出手段により抽出された各部分画像の位相及び位置とを符号化する符号化手段とを有する。本発明によれば、画質の劣化を抑止するとともに、高い圧縮率で符号化することができる。
【0026】
本発明に係る画像復号化装置は、第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相及び位置とが符号化された符号データを復号化する復号化手段と、前記復号化手段により復号化された第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相とに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する部分画像生成手段と、前記復号化手段により復号化された位置に基づいて、前記部分画像生成手段により生成された部分画像を出力画像に配置する部分画像配置手段とを有する。本発明によれば、高い圧縮率で符号化された画像を、画質の劣化を抑止して復元することができる。
【0027】
好適には、前記部分画像生成手段により生成される部分画像の倍率と、前記部分画像配置手段により配置される位置とを制御する倍率・位置制御手段をさらに有する。本発明によれば、符号化された画像の画質を高くすることができる。
【0028】
本発明に係る画像処理システムは、第1の部分画像と該第1の部分画像と類似する第2の部分画像とを第1の解像度で抽出する部分画像抽出手段と、前記部分画像抽出手段により抽出された各部分画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各部分画像の位相とに基づいて、第2の解像度の代表画像を生成する代表画像生成手段と、前記代表画像生成手段により生成された代表画像と、前記抽出手段により抽出された各部分画像の位相及び位置とを符号化する符号化手段と、前記符号化手段により符号化された符号データを復号化する復号化手段と、前記復号化手段により復号化された代表画像と、部分画像の位相とに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する部分画像生成手段と、前記復号化手段により復号化された位置に基づいて、前記部分画像生成手段により生成された部分画像を出力画像に配置する部分画像配置手段とを有する。本発明によれば、画質の劣化を抑止するとともに、高い圧縮率で符号化及び復号化することができる。
【0029】
本発明に係る第1のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、
第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、前記抽出された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【0030】
本発明に係る第2のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、前記抽出された各画像のサイズを調整するサイズ調整ステップと、前記調整された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【0031】
本発明に係る第3のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、前記抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【0032】
本発明に係る第4のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、前記抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、文字画像のノイズを除去する除去ステップと、前記ノイズを除去された文字画像と該文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【0033】
本発明に係る第5のプログラムは、コンピュータを含む画像拡大装置において、第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、前記抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成ステップと、前記抽出された文字画像の位置に基づいて算出された第2の解像度の画像における位置に、前記生成された第2の解像度の文字画像を配置する配置ステップとを前記画像拡大装置のコンピュータに実行させる。
【0034】
本発明に係る第6のプログラムは、コンピュータを含む画像符号化装置において、第1の部分画像と該第1の部分画像と類似する第2の部分画像とを第1の解像度で抽出する部分画像抽出ステップと、前記抽出された各部分画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各部分画像の位相とに基づいて、第2の解像度の代表画像を生成する代表画像生成ステップと、前記生成された代表画像と、前記抽出手段により抽出された各部分画像の位相及び位置とを符号化する符号化ステップとを前記画像符号化装置のコンピュータに実行させる。本発明によれば、画質の劣化を抑止するとともに、高い圧縮率で符号化することができる。
【0035】
本発明に係る第7のプログラムは、コンピュータを含む画像復号化装置において、第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相及び位置とが符号化された符号データを復号化する復号化ステップと、前記復号化された第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相とに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する部分画像生成ステップと、前記復号化された位置に基づいて、前記部分画像生成手段により生成された部分画像を出力画像に配置する部分画像配置ステップとを前記画像復号化装置のコンピュータに実行させる。本発明によれば、高い圧縮率で符号化された画像を、画質の劣化を抑止して復元することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の画像処理装置によれば、本構成を有していない場合に比較して、低コストで、文字画像を高画質に拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
まず、本発明の理解を助けるために、その背景及び概略を説明する。
図1は、文字画像を拡大する際の文字画像の品質を説明する図である。
図1(A)は、スキャナ等により読み取られた文字画像を例示する。図1(B)は、図1(A)に示される文字画像が拡大されて得られる所望の文字画像である。しかしながら、読み取られた文字画像が拡大される場合、文字の大きさ又は拡大前後の解像度の関係によっては、図1(C)に示されるように、文字を構成する細線がぼけてしまうことがある。あるいは図1(D)に示されるように、滑らかな曲線がでこぼこになってしまう、又は線幅や線間隔が不均一になってしまうことがある。このような場合、文字の品質は、著しく低下する。
【0038】
具体的には、文字画像を拡大する場合、多値データ形式では、ぼけと曲線のでこぼこが問題となり、2値データ形式では、幅及び間隔の不均一並びに曲線のでこぼこが問題となる。また、最近傍補間法ではジャギーが問題となり、線形補間法ではぼけが顕著であり、標本化関数の畳み込み補間法でも曲線のでこぼこが問題となる。
【0039】
一方、微小に撮像位置のずれた複数の画像に基づいて、撮像解像度よりも高い解像度の1つの画像を構成する技術がある。このような技術を用いることにより、拡大文字の品質は向上されうる。
【0040】
図2は、撮像解像度より高い解像度の画像を生成する手法を説明する図である。
図2(A)は、原画像から取得された、画素ずらし位相1〜4の文字画像データ1〜4を示す。文字画像データ1〜4は、原画像を1/2画素単位でずらして取得されたものである。図2(B)は、図2(A)に示される文字画像データ1〜4に基づいて生成された原画像の4倍の解像度の画像を示す。
【0041】
しかしながら、このような技術を用いる場合、撮像方向を変えた複数台のカメラを用いたり、又は撮像の光学系をずらしたりすることにより、撮像位置を微小にずらす必要がある。例えば、原稿がスキャナ装置を備えた複合機により読み取られる場合、ライン・センサーのキャリッジ位置が微小に変更され、複数回のスキャンが実行される。このため、装置コストの増加及びスキャンによる生産性の低下が問題となる。
【0042】
図3は、本発明に係る画像処理装置による画像処理の概略を説明する図である。
図3(A)に示すように、本発明に係る画像処理装置は、1ページの原稿又は複数ページからなる文書に複数回現れる文字を抽出する。このような複数の同一文字は、スキャナ等により読み取られた際に、文字(例えば、文字の重心)に対して互いに異なる位相で読み取られることが多い。このため、抽出された複数の文字の位相は、互いにずれている。
【0043】
本発明に係る画像処理装置は、図3(B)に示すように、抽出された各文字の位相を算出する。各文字の位相は、例えば、文字の重心を算出し、算出された重心と標本化格子点との相対位置から算出される。さらに、本発明に係る画像処理装置は、図3(C)に示すように、算出した位相と、抽出された各文字画像とに基づいて、高解像度の文字画像を生成する。
【0044】
なお、高解像度処理の対象は、文字画像に限らず、図形など、同じ形状の部分画像であってもよい。この場合、本発明に係る画像処理装置は、入力された画像に複数回現れる部分画像を抽出し、各部分画像の位相を算出し、算出した位相と、抽出された各部分画像とに基づいて、高解像度の部分画像を生成する。
以降、説明を容易にするため、高解像度処理の対象を文字画像とした場合を例として、本発明に係る画像処理装置を説明する。
【0045】
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置2を具体的に説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る画像処理装置2及び後述する画像拡大装置3のハードウェア構成を、制御装置20を中心に示す図である。
図4に示すように、画像処理装置2等は、CPU202及びメモリ204などを含む制御装置20と、ネットワークを介して外部のコンピュータなどとデータの送信及び受信を行う通信装置22と、ハードディスクドライブなどの記憶装置24と、液晶ディスプレイなどの表示装置並びにキーボード及びポインティングデバイスを含むユーザインタフェース(UI)装置26とを有する。
【0046】
画像処理装置2等は、例えば、後述する文字画像取得プログラム4などがインストールされた汎用コンピュータであり、通信装置22、記憶装置24又は記録媒体240などを介して画像のデータを取得し、取得された画像に対して画像処理を行う。画像処理装置2は、図示しないプリンタ装置のスキャナ機能又はスキャナ装置により光学的に読み取られた画像データを取得する。
【0047】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム4の機能構成を示す図である。
図5に示すように、文字画像取得プログラム4は、文字切出し部40、類似文字抽出部42、重心算出部44及び高解像度文字画像生成部46を有する。文字画像取得プログラム4は、例えば、通信装置22を介して制御装置20に供給され、メモリ204にロードされて、制御装置20上で動作する図示しないOS上で、ハードウェアを具体的に利用して実行される。文字画像取得プログラム4は、FD、CD又はDVDなどの記録媒体240に格納されて、画像処理装置2に供給されてもよい。なお、以下の各プログラムも、同様に供給されて実行される。また、文字画像取得プログラム4の全部又は一部の機能は、画像処理装置2に設けられたASICなどにより実現されてもよい。
【0048】
文字画像取得プログラム4において、文字切出し部40は、通信装置22、記憶装置24又は記録媒体240を介して、スキャナ装置などにより読み取られた所定の解像度(第1の解像度)の入力画像を受け付け、この入力画像に含まれる文字画像を切り出して、類似文字抽出部42に対して出力する。なお、入力画像は、1ページの原稿であってもよいし、複数ページからなる原稿であってもよい。
【0049】
類似文字抽出部42は、文字切出し部40により切り出された文字画像を受け付け、互いに類似する文字画像を抽出して、重心算出部44及び高解像度文字画像生成部46に対して出力する。具体的には、類似文字抽出部42は、切り出された複数の文字画像から第1の文字画像を特定し、第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを抽出する。
【0050】
重心算出部44は、類似文字抽出部42から受け付けた文字画像それぞれの重心を算出し、算出された重心値を高解像度文字画像生成部46に対して出力する。重心算出部44は、第1の解像度における1画素より高い精度で重心を算出する。なお、重心算出部44は、算出した重心と標本化格子点との相対位置に基づいて文字画像それぞれの位相を算出し、算出された位相を高解像度文字画像生成部46に対して出力してもよい。また、重心算出部44は、例えば、文字画像の幅及び高さにより文字画像の中央を算出してもよいし、中心を算出してもよい。この場合、重心算出部44は、算出された文字画像の中央などを出力する。
【0051】
高解像度文字画像生成部46は、類似文字抽出部42により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する。具体的には、高解像度文字画像生成部46は、重心算出部44により算出された各文字画像の重心と標本化格子点との相対位置に基づいて文字画像の位相を算出し、類似文字抽出部42から受け付けた類似する文字画像と該各文字画像の位相とに基づいて文字画像を生成する。文字画像の位相が、重心算出部44により算出されて高解像度文字画像生成部46に入力された場合、高解像度文字画像生成部46は、この位相を用いてもよい。
【0052】
第2の解像度は、第1の解像度と同じであってもよい。この場合、高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像に対して、さらに解像度変換処理を施して、第1の解像度と同じ解像度である第2の解像度の文字画像を生成する。また、第2の解像度は、第1の解像度より低い解像度であってもよい。この場合もまた、高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像に対して、さらに解像度変換処理(縮小処理)を施して、第1の解像度より低い解像度である第2の解像度の文字画像を生成する。
なお、高解像度文字画像生成部46による文字画像生成処理については、後で詳述する。
【0053】
図6は、文字切出し部40による文字切出し処理及び類似文字抽出部42による類似文字抽出処理を説明する図であって、図6(A)は、入力画像を例示し、図6(B)は、文字切出し部40により入力画像から切り出された文字画像を例示し、図6(C)は、類似文字抽出部42により抽出された類似する文字画像を例示する。
図6(A)及び図6(B)に例示するように、文字切出し部40は、入力画像に含まれる複数の文字画像を切り出す。本例では、「2」及び「c」の文字画像が、それぞれ入力画像から切り出されている。
【0054】
例えば、文字切出し部40は、入力画像を2値化して、連続する黒画素の塊(例えば、8近傍で連結された黒画素)を1つの文字画像として入力画像から切り出してもよいし、文字列及び文字間隔を推定し、1つの文字領域を推定して1つの文字画像を切り出してもよい。また例えば、文字切出し部40は、外部のOCR(Optical Character Reader)などにより特定された文字画像を切り出してもよい。なお、文字切出し手法は、特に限定されない。
【0055】
図6(C)に例示するように、類似文字抽出部42は、切り出された文字画像から類似する文字画像を抽出する。本例では、文字画像「2」に類似する文字画像及び文字画像「c」に類似する文字画像が抽出されている。例えば、類似文字抽出部42は、第1の文字画像と第2の文字画像とのパターンマッチングを行うことにより、これらの文字画像が類似するか否かを判定する。この場合、類似文字抽出部42は、各々の文字画像同士のパターンマッチングを行う。
【0056】
また例えば、類似文字抽出部42は、1つの文字画像データを1つのベクトルデータとして扱い、クラスタリングを行うことにより、当該文字画像と類似する文字画像を抽出してもよい。この場合、類似文字抽出部42は、当該文字画像を表すベクトルデータと判定対象の文字画像を表すベクトルデータとの距離(例えば、ユークリッド距離)が所定値未満であるとき(即ち、2つのベクトルデータの距離が近いとき)、当該文字画像と判定対象の文字画像とが類似すると判定する。なお、類似の判定手法は、特に限定されない。
【0057】
図7は、高解像度文字画像生成部46による高解像度文字画像データの生成処理を説明する図である。
図7(A)は、第1の解像度における入力画像の標本化格子及び文字画像データの重心位置を示す。図7(A)において、矢印aで示される矩形が、入力画像の標本化格子であり、矢印bで示される破線が交差する点が、文字画像データの重心位置である。本例では、入力画像の4つの標本化格子を用いて説明する。高解像度文字画像生成部46は、まず、図7(B)に示すように、文字画像データの重心に基づいて、4つの標本化格子の位相を移動させる。
【0058】
図7(C)及び図7(D)は、第1の解像度より高い第2の解像度の標本化格子を設定する手法を説明する図である。図7(C)において、矢印cで示される丸数字は、第1の解像度における文字画像データの値を例示する。ここで、文字画像データは、丸数字が、第1の解像度における標本化格子の格子点上に表されるように示されている。図7(D)において、矢印dで示される太線は、第2の解像度のおける高解像度文字画像の標本化格子を示す。
【0059】
高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度における4つの標本化格子の位相が移動されると、図7(C)に示すように、第2の解像度における標本化格子を設定し、図7(D)に示すように、文字画像データの重心に基づいて、第2の解像度における標本化格子の位相を移動させる。
【0060】
図7(E)は、第2の解像度における文字画像データの値を算出する手法を説明する図である。図7(E)において、矢印eで示される太丸数字は、第2の解像度における文字画像データの値を例示する。ここで、第2の解像度における文字画像データは、太丸数字が、第2の解像度における標本化格子の格子点上に表されるように示されている。
【0061】
高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度における各文字画像の位相に基づいて、該各文字画像の画素値から、第2の解像度における文字画像の画素値を補間する。本例では、高解像度文字画像生成部46は、最近傍補間法を適用して、第2の解像度における文字画像の画素値を補間する。即ち、高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度における文字画像データの4つの値(本例では、丸数字「1」〜「4」)のうち、第2の解像度における標本化格子点に最も近い値を選択して、第2の解像度における文字画像データの値とする。なお、補間方法は特に限定されず、その他の手法(例えば、線形補間法など)が適用されてもよい。
【0062】
図8は、文字画像取得プログラム4による高解像度文字画像取得処理(S10)のフローチャートを示す図である。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、文字画像取得プログラム4の文字切出し部40は、第1の解像度の入力画像を受け付け、入力画像から文字画像を切り出して、類似文字抽出部42に対して出力する。
【0063】
ステップ102(S102)において、類似文字抽出部42は、文字切出し部40により切り出された文字画像から、類似する文字画像を第1の解像度で抽出する。
ステップ104(S104)において、重心算出部44は、類似文字抽出部42により抽出された各文字画像の重心を、第1の解像度における1画素より高い精度で算出する。
【0064】
ステップ106(S106)において、高解像度文字画像生成部46は、重心算出部44により算出された各文字画像の重心に基づいて、各文字画像の位相を算出し、類似文字抽出部42により抽出された類似する各文字画像と、類似する文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成する。
【0065】
ステップ108(S108)において、高解像度文字画像生成部46は、生成した第2の解像度の高解像度文字画像データを出力する。高解像度文字画像生成部46は、高解像度文字画像データを通信装置22を介して図示しない外部のコンピュータに対して送信してもよいし、記憶装置24又は記録媒体240に格納してもよい。
【0066】
次に、本発明の実施形態に係る画像拡大装置3を具体的に説明する。
画像拡大装置3は、画像拡大プログラム5がインストールされた汎用コンピュータである。
図9は、本発明の実施形態に係る画像拡大装置3の制御装置20により実行される画像拡大プログラム5の機能構成を示す図である。
図9に示すように、画像拡大プログラム5は、文字切出し部40、類似文字抽出部42、重心算出部44、高解像度文字画像生成部46、位置算出部50及び文字配置部52を有する。なお、図9に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。このように、画像拡大プログラム5は、文字画像取得プログラム4を含むものである。
【0067】
画像拡大プログラム5において、位置算出部50は、文字切出し部40により第1の解像度の入力画像から切り出された文字画像の文字位置データを受け付け、当該文字画像の位置に基づいて、当該文字位置に対応する位置であって第2の解像度の拡大画像における文字画像の位置を算出する。位置算出部50は、算出した位置を文字配置部52に対して出力する。
【0068】
文字配置部52は、第1の解像度で抽出された文字画像の位置に基づいて位置算出部50により算出された第2の解像度の拡大画像における位置と、高解像度文字画像生成部46により生成された第2の解像度の文字画像であって当該位置に対応する文字画像とを受け付け、拡大画像の当該位置に第2の解像度の当該文字画像を配置する。文字配置部52は、第1の解像度の入力画像に含まれる文字画像のそれぞれに対応する第2の解像度の文字画像を拡大画像に配置して、拡大画像データを生成する。
【0069】
図10は、画像拡大プログラム5による画像拡大処理(S20)のフローチャートを示す図である。
図10に示すように、画像拡大プログラム5は、高解像度文字画像取得処理(図8;S10)を行って、第1の解像度の文字画像のそれぞれに対応する第2の解像度の文字画像を取得する。
ステップ200(S200)において、画像拡大プログラム5の位置算出部50は、第1の解像度の入力画像に含まれる各文字画像の位置に基づいて、拡大画像における各文字画像の位置を算出する。
【0070】
ステップ202(S202)において、文字配置部52は、第1の解像度で抽出された文字画像の位置に基づいて算出された拡大画像における位置に、それぞれ対応する第2の解像度の文字画像を配置する。
ステップ204(S204)において、文字配置部52は、生成した拡大画像データを出力する。文字配置部52は、拡大画像データを通信装置22を介して送信してもよいし、記憶装置24等に格納してもよい。
【0071】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置2を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置2は、文字画像取得プログラム6がインストールされた汎用コンピュータである。文字画像取得プログラム6は、文字画像取得プログラム4(図5)にノイズ除去機能が付加された点で、文字画像取得プログラム4とは異なる。
【0072】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム6の機能構成を示す図である。
図11に示すように、文字切出し部40、類似文字抽出部42、重心算出部44、位相算出部60、代表文字抽出部62、位相代表値算出部64、ノイズ除去部66及び高解像度文字画像生成部68を有する。なお、図11に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。このように、文字画像取得プログラム6は、文字画像取得プログラム4を含むものである。
【0073】
文字画像取得プログラム6において、位相算出部60は、重心算出部44により第1の解像度における1画素より高い精度で算出された重心と標本化格子点との相対位置に基づいて文字画像それぞれの位相を算出して、代表文字抽出部62及び高解像度文字画像生成部68に対して出力する。
【0074】
代表文字抽出部62は、類似文字抽出部42により抽出された類似する複数の文字画像及び位相算出部60により算出された当該文字画像の位相を受け付け、位相の差が互いに小さい複数の文字画像を代表文字画像として抽出する。代表文字抽出部62は、位相の差が、予め設定された閾値より小さい文字画像を代表文字画像とする。代表文字抽出部62は、抽出された複数の代表文字画像を、位相代表値算出部64及びノイズ除去部66に対して出力する。
【0075】
位相代表値算出部64は、代表文字抽出部62により抽出された複数の文字画像の位相から1つの位相代表値を選択して、高解像度文字画像生成部68に対して出力する。ここで、位相代表値は、類似する文字画像毎に算出される。
【0076】
ノイズ除去部66は、類似文字抽出部42により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、文字画像のノイズを除去する。具体的には、ノイズ除去部66は、代表文字抽出部62により抽出された複数の代表文字画像に基づいて平滑化処理を行うことにより、当該文字画像に対してノイズ除去処理を行う。平滑化処理は、例えば、抽出された複数の代表文字画像において対応する位置の画素値の平均値を求めることによりなされる。ノイズ除去部66は、ノイズを除去された文字画像を、高解像度文字画像生成部68に対して出力する。
【0077】
高解像度文字画像生成部68は、ノイズ除去部66によりノイズを除去された文字画像と、位相代表値算出部64により算出された当該文字画像の位相代表値とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像であってノイズを除去された文字画像を生成する。なお、高解像度文字画像生成部68は、類似文字抽出部42により抽出されたノイズを除去されていない文字画像及び位相算出部60により算出された当該文字画像の位相にさらに基づいて第2の解像度の文字画像を生成してもよい。
【0078】
図12は、文字画像取得プログラム6によるノイズ除去処理を含む高解像度文字画像取得処理(S30)のフローチャートを示す図である。なお、図12に示された各処理のうち、図8に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図12に示すように、S100〜S104の処理で、入力画像から文字画像が抽出され、抽出された文字画像の重心が算出される。
【0079】
ステップ300(S300)において、位相算出部60は、算出された重心に基づいて、抽出された各文字画像の位相を算出する。
ステップ302(S302)において、代表文字抽出部62は、類似する文字から、位相の差が互いに小さい代表文字画像として抽出する。
【0080】
ステップ304(S304)において、ノイズ除去部66は、抽出された各文字画像と、各文字画像の位相とに基づいて、ノイズ除去処理を行って、ノイズを除去された文字画像を生成する。
ステップ306(S306)において、位相代表値算出部64は、抽出された複数の文字画像の位相から1つの位相代表値を選択する。
【0081】
ステップ308(S308)において、高解像度文字画像生成部68は、ノイズを除去された文字画像と、位相代表値算出部64により算出された該文字画像の位相代表値とに基づいて、ノイズを除去された第2の解像度の文字画像を生成する。
ステップ310(S310)において、高解像度文字画像生成部68は、生成した第2の解像度の高解像度文字画像データを出力する。
【0082】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム400の機能構成を示す図である。
図13に示すように、文字画像取得プログラム400は、図5に示された文字画像取得プログラム4に、多値化部402及び2値化部404が付加された構成を有する。なお、図13に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0083】
文字画像取得プログラム400において、多値化部402は、通信装置22、記憶装置24又は記録媒体240を介して、スキャナ装置などにより読み取られた所定の解像度(第1の解像度)の2値の入力画像を受け付け、この入力画像に多値化処理(階調数増加処理)を施して多値画像に変換し、この多値画像を文字切出し部40に対して出力する。なお、多値化処理については、後で詳述する。
【0084】
したがって、文字切出し部40は、多値化部402により多値化された画像を受け付け、この多値画像に含まれる文字画像を切出す。類似文字抽出部42は、文字切出し部40により切り出された多値の文字画像を受け付け、互いに類似する多値の文字画像を抽出する。重心算出部44は、類似文字抽出部42から受け付けた多値の文字画像それぞれの重心を算出する。高解像度文字画像生成部46は、類似文字抽出部42により抽出された多値の各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の多値の文字画像を生成する。高解像度文字画像生成部46は、このようにして生成された第2の解像度の多値の文字画像を2値化部404に対して出力する。なお、高解像度文字画像生成部46は、多値の文字画像データを記憶装置24に格納してもよいし、通信装置22を介して外部のコンピュータに対して送信してもよい。
【0085】
2値化部404は、高解像度文字画像生成部46により生成された第2の解像度の多値の文字画像を受け付け、この多値の文字画像に対して2値化処理を施して2値の文字画像に変換し、第2の解像度の2値の文字画像を生成する。2値化部404は、多値の文字画像に対して例えば閾値処理を施して2値画像に変換し、この2値の文字画像を出力する。2値化部404は、2値の文字画像データを、記憶装置24に格納してもよいし、通信装置22を介して外部のコンピュータに対して送信してもよい。
【0086】
図14は、本発明の実施形態に係る画像処理装置2により実行される多値化処理の概要を示す図である。
図14に示すように、画像処理装置2は、複数の多値化手法のいずれかを実行して、2値画像を多値画像に変換する。ここで、画像処理装置2は、予め決められた多値化手法を適用して多値化処理を行う。
【0087】
図14(A)は、画像処理装置2に入力された2値の入力画像を例示する。例えば、入力画像は、3×3画素の画像であり、黒画素は「1」で表され、白画素は「0」で表される。図14(B)〜図14(D)はそれぞれ、第1の多値化手法、第2の多値化手法、及び第3の多値化手法を示す。
【0088】
図14(B)に示すように、第1の多値化手法では、多値化部402は、「0」及び「1」の2値はそれぞれ、例えば「0」及び「255」に変換する。第2の多値化手法では、多値化部402は、拡大手法を適用して各文字画像を多値化する。ここで、多値化処理は、拡大処理の補間法と組み合わされて用いられる。よって、2値の入力画像は拡大され、各画素値は、例えば256階調のいずれかの値に変換される。第3の多値化手法では、各画素値は、多値化部402によりグレイフォント化される。例えば、多値化部402は、2値の入力画像に対して低域通過フィルタを適用して多値化処理を行う。また、例えば、多値化部402は、所定の領域に含まれる画素の画素値の平均値を算出して多値化処理を行う。
【0089】
第1の手法及び第3の手法の場合、高解像度文字画像生成部46では、図7に示される手法と同様にして、多値の高解像度文字画像データが生成される。即ち、本実施形態において、高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度における各文字画像の位相に基づいて、該各文字画像の多値の画素値から、第2の解像度における文字画像の画素値を補間する。高解像度文字画像生成部46は、補間方法として、最近傍補間法、線形補間法などを適用する。なお、第2の手法については、後で詳述する。
【0090】
図15は、文字画像取得プログラム400による高解像度文字画像取得処理(S40)のフローチャートを示す図である。なお、図15に示された各処理のうち、図8に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図15に示すように、ステップ400(S400)において、文字画像取得プログラム400の多値化部402は、第1の解像度の2値の入力画像を受け付け、この入力画像に多値化処理を施して、文字切出し部40に対して出力する。
【0091】
多値化処理後、S100〜S108の処理で、第2の解像度の多値の高解像度文字画像が生成される。
ステップ402(S402)において、2値化部404は、生成された多値の文字画像を受け付け、この文字画像に対して例えば所定の閾値処理を施して、2値の文字画像に変換し、第2の解像度の2値の高解像度文字画像データを出力する。
【0092】
次に、図16乃至図18を参照して、第4の実施形態乃至第6の実施形態に係る画像処理装置2を説明する。
図16は、本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム420の機能構成を示す図である。なお、図16に示された各構成のうち、図13に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図16に示すように、文字画像取得プログラム420は、多値化処理を文字切出し処理の後に実行する点で、図13に示される文字画像取得プログラム400と異なる。
【0093】
文字画像取得プログラム420において、多値化部422は、文字切出し部40により切り出された2値の文字画像を受け付け、この文字画像に多値化処理を施して多値の文字画像に変換し、この多値の文字画像を類似文字抽出部42に対して出力する。
【0094】
図17は、本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム440の機能構成を示す図である。なお、図17に示された各構成のうち、図13に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図17に示すように、文字画像取得プログラム440は、多値化処理を類似文字抽出処理の後に実行する点で、図13に示される文字画像取得プログラム400と異なる。
【0095】
文字画像取得プログラム440において、多値化部442は、類似文字抽出部42により抽出された互いに類似する2値の文字画像を受け付け、この文字画像に多値化処理を施して多値の文字画像に変換し、この類似する多値の文字画像を重心算出部44及び高解像度文字画像生成部46に対して出力する。
【0096】
図18は、本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム460の機能構成を示す図である。なお、図18に示された各構成のうち、図17に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図18に示すように、文字画像取得プログラム460は、類似文字抽出部42が類似する文字画像を重心算出部44及び多値化部462に対して出力し、多値化処理が高解像度文字画像生成処理の前に実行される点で、図17に示される文字画像取得プログラム400と異なる。
【0097】
文字画像取得プログラム460において、多値化部462は、類似文字抽出部42により抽出された互いに類似する2値の文字画像を受け付け、この文字画像に多値化処理を施して多値の文字画像に変換し、この類似する多値の文字画像を高解像度文字画像生成部46に対して出力する。
【0098】
図19は、図14(C)に示される第2の多値化手法が適用された場合における高解像度文字画像データの生成処理を説明する図である。なお、図19に示される各記号は、図7に示された記号と実質的に同一の内容を示す。第2の多値化手法は、例えば文字画像取得プログラム460(図18)の構成で実行される。
【0099】
図19(A)に示すように、多値化部462は、複数の文字画像データのそれぞれに対して、それぞれの位相毎に拡大処理を施す。具体的には、多値化部462は、抽出された各文字画像を第1の解像度より高い第2の解像度に拡大する拡大手段を構成する。図19(B)は、入力画像の標本化格子、及び拡大処理を施された複数(本例では4)の各文字画像の重心位置を示す。図19(B)において、それぞれの矩形は入力画像の標本化格子を示し、破線が交差する点は各文字画像の重心位置を示す。
【0100】
図19(C)に示すように、高解像度文字画像生成部46は、各文字画像の重心位置に基づいて、それぞれの標本化格子の位相を移動させる。さらに、図19(D)に示すように、高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度より高い第2の解像度における標本化格子(図中の矢印d)を設定する。その後、図19(E)に示すように、高解像度文字画像生成部46は、第2の解像度の標本化格子の周辺に位置する多値の文字画像データの値に基づいて、第2の解像度における文字画像の画素値を補間する。補間方法は、最近傍補間法、線形補間法などが適用される。
【0101】
図20は、高解像度文字画像生成部46による高解像度文字画像データの生成処理の第2の実施例を説明する図である。
図20(A)〜図20(E)に示すように、画像処理装置2は、拡大された文字画像の位相が一致するように、所定の補間手法を適用して、第1の解像度の文字画像を、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像に拡大する。以下、本実施例の手法を詳述する。
【0102】
図20(A)は、第1の解像度における入力画像の標本化格子及び文字画像の重心位置を示す。ここで、矢印aで示される矩形が、入力画像の標本化格子であり、矢印bで示される破線が交差する点が、文字画像の重心位置である。図20(B)は、第1の解像度より高い第2の解像度の標本化格子と、各文字画像の重心位置を示す。図20(A)及び図20(B)に示すように、多値化部462は、第1の解像度における各文字画像の重心に基づいて、第2の解像度の標本化格子に拡大処理を行う。ここで、高解像度文字画像生成部46は、各文字画像の位相が一致するように補間による拡大処理を行う。したがって、多値化部462は、抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、各文字画像を第1の解像度より高い第2の解像度に拡大する拡大手段を構成する。
【0103】
図20(C)は、拡大処理された各文字画像の画素値を模式的に示す図である。図20(D)は、拡大処理された各文字画像に基づいて第2の解像度の文字画像の画素値を算出する手法を示す図である。図20(C)及び図20(D)に示すように、高解像度文字画像生成部46は、拡大された各文字画像における同一位置の画素値の平均値を算出し、算出された値を当該位置の画素値とする。このようにして算出された値は、例えば図20(E)に示される位置の画素値となる。
【0104】
なお、高解像度文字画像生成部46は、第1の解像度の各文字画像を、各文字画像毎にそのまま拡大し、拡大された第2の解像度の各文字画像を該各文字画像の位相が一致するように移動させてから平均化処理を行ってもよい。また、画素値の補間手法は、特に限定されない。
【0105】
次に、入力された原稿に所定数未満の数しか含まれていない文字に対して実行される処理を説明する。
図21は、原稿に所定数未満しか含まれていない文字に対して実行される画像処理の概略を説明する図である。
図21(A)に示すように、文字は、1ページの原稿又は複数ページからなる文書に1回しか現れない場合又は予め決められた回数未満しか現れない場合がある。このような場合、画像処理装置2は、図21(B)に示すような予め準備された文字群画像又は新たに生成された文字群画像から、入力原稿から抽出された文字画像と類似する文字画像を抽出し、図21(C)及び図21(D)に示すように、抽出された各文字の位相を算出し、算出した位相と抽出された各文字画像とに基づいて高解像度の文字画像を生成する。
【0106】
文字群画像には、複数の文字画像が含まれている。このような文字群画像データは、後述するフォント描画装置により生成される。文字群画像は、文字群画像に含まれる文字のフォントパターンが、入力原稿から抽出された文字の大きさ、太さ等に基づいて決定されて、生成される。
【0107】
なお、各文字画像は、異なる画素位相で生成されてもよい。また、類似する文字画像が入力原稿又は文字群画像から抽出された時点で、文字群画像がさらに生成されてもよい。この場合、生成された文字群画像には、抽出された文字画像が、異なる画素位相で描画されている。さらに、画像処理装置2は、指定された入力画像とは異なる文書画像であってアクセス可能である他の文書画像から、類似する文字画像を抽出してもよい。例えば、画像処理装置2は、入力画像と同一のフォルダ(又はディレクトリ)に保存されている文書画像群、ユーザによりまとめて指定された文書画像群等から、類似する文字画像を抽出する。
【0108】
図22は、本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム480の機能構成を示す図である。
図22に示すように、文字画像取得プログラム480は、図5に示された文字画像取得プログラム4に、文字群画像記憶部482及び文字画像数判定部484が付加された構成を有する。なお、図22に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0109】
文字画像取得プログラム480において、文字群画像記憶部482は、複数の文字画像を含む文字群画像を記憶する。文字群画像には、例えば8000個(2000種類の常用漢字のそれぞれにつき4種類のフォント)の文字画像(フォントパターン)が含まれている。なお、文字群画像には、例えばさらに8000個(200種類の英数字記号のそれぞれにつき40種類のフォント)の文字画像が含まれてもよい。文字群画像記憶部482は、メモリ204及び記憶装置24の少なくともいずれかにより実現される。
【0110】
文字画像数判定部484は、類似文字抽出部42により抽出された互いに類似する文字画像の数が予め決められた所定数未満であるかを判定する。例えば、文字画像数判定部484は、類似する文字画像の数が0であるか否か(1未満であるか否か)を判定する。文字画像数判定部484は、類似する文字画像の数が所定数未満である場合、文字切出し部40に対して、文字群画像記憶部482に記憶されている文字群画像から類似する文字をさらに切り出す指示を出力する。
【0111】
したがって、文字切出し部40は、文字群画像記憶部482に記憶されている文字群画像を読み出し、この文字群画像に含まれる文字画像を切り出して、類似文字抽出部42に対して出力する。類似文字抽出部42は、文字切出し部40により入力画像及び文字群画像から切り出された文字画像を受け付け、これらの画像から類似する文字画像を抽出する。
【0112】
図23は、文字画像取得プログラム480による、記憶されている文字群画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S50)のフローチャートを示す図である。なお、図23に示された各処理のうち、図8に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図23に示すように、S100及びS102で、文字画像の切出し処理及び類似する文字画像の抽出処理が実行されると、ステップ500(S500)において、文字画像数判定部484は、抽出された類似する文字画像の数が所定数以下であるか否かを判定する。文字画像取得プログラム480は、類似する文字画像の数が所定数以下である場合にはS502の処理に進み、そうでない場合にはS104〜S108の処理を実行して高解像度文字画像を生成する。
【0113】
抽出された類似する文字画像の数が所定数以下である場合、ステップ502(S502)において、文字画像数判定部484は、記憶されている文字群画像から類似する文字をさらに切り出す指示を文字切出し部40に対して出力する。文字切出し部40は、文字群画像を文字群画像記憶部482から読み出し、文字群画像から文字画像を切り出して類似文字抽出部42に対して抽出する。
【0114】
ステップ504(S504)において、類似文字抽出部42は、文字切出し部40により文字群画像から切り出された文字画像から、類似する文字画像を抽出する。類似文字抽出部42は、入力画像及び文字群画像に含まれる文字画像であって類似する文字画像を重心算出部44及び高解像度文字画像生成部46に対して出力する。その後、S104〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。
【0115】
図24は、本発明の第8の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム500の機能構成を示す図である。
図24に示すように、文字画像取得プログラム500は、図5に示された文字画像取得プログラム4に、文字画像数判定部502及び文字群画像生成部504が付加された構成を有する。なお、図24に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0116】
文字画像取得プログラム500において、文字画像数判定部502は、類似文字抽出部42により抽出された互いに類似する文字画像の数が所定数未満であるか否かを判定する。文字画像数判定部502は、類似する文字画像の数が所定数未満である場合、文字群画像生成部504に対して、文字群画像を生成する指示を出力する。
【0117】
文字群画像生成部504は、文字画像数判定部502から文字群画像を生成する指示を受け付けた場合、類似文字抽出部42により抽出された文字画像の大きさを類似文字抽出部42から受け付け、この大きさに基づいて文字群画像を生成して文字切出し部40に対して出力する。このようにして、文字群画像生成部504は、複数の文字画像を含む文字群画像を取得する文字群画像取得手段を構成する。なお、文字群画像の生成処理については、後で詳述する。
【0118】
したがって、文字切出し部40は、文字群画像生成部504により生成された文字群画を受け付け、この文字群画像に含まれる文字画像を切り出して、類似文字抽出部42に対して出力する。類似文字抽出部42は、文字切出し部40により入力画像及び文字群画像から切り出された文字画像を受け付け、これらの画像から類似する文字画像を抽出する。
【0119】
図25は、文字群画像生成部504の詳細な機能構成を示す図である。
図25に示すように、文字群画像生成部504は、文字群画像制御部506、フォントコード指示部508、テキストコード指示部510及びフォントパターン描画部512を有する。文字群画像生成部504において、文字群画像制御部506は、文字画像数判定部502から出力される指示を受け付け、他の構成要素を制御する。
【0120】
フォントコード指示部508は、文字群画像に含まれる文字画像のフォントの種別を示すフォントコードをフォントパターン描画部512に対して出力する。フォントコードは、予め決められていてもよいし、文字群画像制御部506の制御により決定されてもよい。フォントコードは、例えば、明朝体、ゴシック体等である。
【0121】
テキストコード指示部510は、文字群画像に含まれる文字画像のテキストの種別を示すテキストコードをフォントパターン描画部512に対して出力する。テキストコードは、予め決められていてもよいし、文字群画像制御部506の制御により決定されてもよい。テキストコードは、例えば、数字、アルファベット、ひらがな、カタカナ、常用漢字等である。
【0122】
フォントパターン描画部512は、フォントコード指示部508により指示されるフォントコード、テキストコード指示部510により指示されるテキストコード及び類似文字抽出部42により出力される文字画像の大きさを受け付け、文字群画像制御部506の制御により、受け付けたフォントコード、テキストコード及び文字画像の大きさに基づいてフォントパターンを描画して文字群画像を生成し、この文字群画像を文字切出し部40に対して出力する。
【0123】
なお、文字群画像生成部504は、画像処理装置2とは異なるハードウェア上で動作するプログラムに含まれてもよい。この場合、当該ハードウェアは、文字群画像生成部504の機能を有するフォント描画装置として機能する。画像処理装置2は、このようなフォント描画装置との間でネットワークを介して文字群画像データの送信及び受信をすることにより、文字群画像データを取得してもよい。
【0124】
図26は、文字群画像生成部504により生成される文字群画像を例示する図である。
図26に例示するように、文字群画像には、ゴシック体及び明朝体の数字、小文字及び大文字のアルファベット、ひらがな並びに常用漢字が含まれる。
【0125】
図27は、文字画像取得プログラム500による、生成した文字群画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S60)のフローチャートを示す図である。なお、図27に示された各処理のうち、図8及び図23に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図27に示すように、S100及びS102で、文字画像の切出し処理及び類似する文字画像の抽出処理が実行されると、S500の処理で、抽出された類似する文字画像の数が所定数以下であるか否かが判定される。
【0126】
抽出された類似する文字画像の数が所定数以下である場合、ステップ600(S600)において、文字画像数判定部502は、文字群画像を生成する指示を文字群画像生成部504に対して出力する。文字群画像生成部504は、類似文字抽出部42により抽出された文字画像の大きさに基づいて文字群画像を生成して文字切出し部40に対して出力する。
【0127】
さらに、S502の処理で、文字画像が文字群画像から切出され、S504の処理で、類似する文字画像が抽出される。その後、S104〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。
【0128】
図28は、文字群画像生成部504の第1の変形例である文字群画像生成部514の詳細な機能構成を示す図である。
図28に示すように、文字群画像生成部514は、文字群画像制御部506、フォントコード指示部508、テキストコード指示部510、描画角度指示部516及びフォントパターン描画部518を有する。なお、図28に示された各構成のうち、図25に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0129】
文字群画像生成部514において、描画角度指示部516は、フォントパターンを描画する角度をフォントパターン描画部518に対して出力する。描画角度は、予め決められていてもよいし、文字群画像制御部506の制御により決定されてもよい。描画角度は、例えば、0度、90度、180度、270度等である。
【0130】
フォントパターン描画部518は、フォントコード指示部508により指示されるフォントコード、テキストコード指示部510により指示されるテキストコード、描画角度指示部516により指示される描画角度及び類似文字抽出部42により出力される文字画像の大きさを受け付け、文字群画像制御部506の制御により、受け付けたフォントコード、テキストコード、描画角度及び文字画像の大きさに基づいてフォントパターンを描画して文字群画像を生成し、この文字群画像を文字切出し部40に対して出力する。
【0131】
図29は、文字群画像生成部514により生成される文字群画像を例示する図である。
図29に例示するように、文字群画像には、描画角度を0度、90度、180度及び270度として描画されたゴシック体の小文字及び大文字のアルファベットが含まれる。
【0132】
図30は、文字群画像生成部504の第2の変形例である文字群画像生成部520の詳細な機能構成を示す図である。
図30に示すように、文字群画像生成部520は、模擬スキャンイン処理部522が文字群画像生成部504に付加された構成を有する。なお、図30に示された各構成のうち、図25に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0133】
文字群画像生成部520において、模擬スキャンイン処理部522は、入力画像データが例えばスキャナ等の読取装置により読み取られた(スキャンインされた)データである場合、フォントパターン描画部512により描画された文字群画像に対して、空間フィルタ、ノイズ重畳等のスキャンイン過程を模擬した処理(模擬スキャンイン処理)を施す。模擬スキャンイン処理部522は、模擬スキャンイン処理を施した文字群画像を文字切出し部40に対して出力する。なお、模擬スキャンイン処理部522は、文字群画像生成部514に付加されてもよい。
【0134】
図31は、本発明の第9の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム540の機能構成を示す図である。
図31に示すように、文字画像取得プログラム540は、図5に示された文字画像取得プログラム4に、文字画像数判定部502及び対応文字画像生成部542が付加された構成を有する。なお、図31に示された各構成のうち、図5及び図24に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0135】
文字画像取得プログラム540において、対応文字画像生成部542は、類似する文字画像の数が所定数未満であると文字画像数判定部502により判定された場合、類似文字抽出部42により抽出された文字画像の大きさを類似文字抽出部42から受け付け、この大きさに対応する文字画像を生成して類似文字抽出部42に対して出力する。
【0136】
図32は、文字画像取得プログラム540による、生成した文字画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S70)のフローチャートを示す図である。なお、図32に示された各処理のうち、図8及び図23に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図32に示すように、S100及びS102で、文字画像の切出し処理及び類似する文字画像の抽出処理が実行されると、S500の処理で、抽出された類似する文字画像の数が所定数以下であるか否かが判定される。
【0137】
抽出された類似する文字画像の数が所定数以下である場合、ステップ700(S700)において、文字画像数判定部502は、文字画像を生成する指示を対応文字画像生成部542に対して出力する。対応文字画像生成部542は、類似文字抽出部42により抽出された文字画像の大きさに対応する文字画像を生成して類似文字抽出部42に対して出力する。
【0138】
ステップ702(S702)において、類似文字抽出部42は、対応文字画像生成部542により生成された文字画像を受け付け、この受け付けた文字画像から、類似する文字画像をさらに抽出する。その後、S104〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。
【0139】
図33は、本発明の第10の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム560の機能構成を示す図である。
図33に示すように、文字画像取得プログラム560は、図5に示された文字画像取得プログラム4に、文字画像数判定部502、生成位相指示部562及び複数位相文字群画像生成部564が付加された構成を有する。なお、図33に示された各構成のうち、図5及び図24に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0140】
文字画像取得プログラム560において、生成位相指示部562は、生成される文字群画像の複数の位相を複数位相文字群画像生成部564に対して出力する。
複数位相文字群画像生成部564は、文字画像数判定部502から文字群画像を生成する指示を受け付けた場合、類似文字抽出部42により抽出された文字画像の大きさを類似文字抽出部42から受け付け、複数の位相を生成位相指示部562から受け付け、この大きさ及び複数の位相に基づいて、位相が異なる複数の文字群画像を生成して文字切出し部40に対して出力する。このようにして、複数位相文字群画像生成部564は、位相が異なる複数の文字群画像を取得する。
【0141】
したがって、文字切出し部40は、文字群画像生成部504により生成された位相の異なる複数の文字群画を受け付け、この文字群画像に含まれる文字画像を切り出して、類似文字抽出部42に対して出力する。類似文字抽出部42は、文字切出し部40により入力画像及び文字群画像から切り出された文字画像を受け付け、これらの画像から類似する文字画像を抽出する。
【0142】
図34は、文字画像取得プログラム560による、生成した複数の文字群画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S80)のフローチャートを示す図である。なお、図34に示された各処理のうち、図8及び図23に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図34に示すように、S100及びS102で、文字画像の切出し処理及び類似する文字画像の抽出処理が実行されると、S500の処理で、抽出された類似する文字画像の数が所定数以下であるか否かが判定される。
【0143】
抽出された類似する文字画像の数が所定数以下である場合、ステップ800(S800)において、生成位相指示部562は、複数の位相を複数位相文字群画像生成部564に対して出力する。複数位相文字群画像生成部564は、類似文字抽出部42により抽出された文字画像の大きさ及び生成位相指示部562により指示された複数の位相に基づいて位相の異なる複数の文字群画像を生成して文字切出し部40に対して出力する。
【0144】
さらに、S502の処理で、文字画像が当該位相の異なる複数の文字群画像から切り出され、S504の処理で、類似する文字画像が抽出される。その後、S104〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。
【0145】
図35は、本発明の第11の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム580の機能構成を示す図である。
図35に示すように、文字画像取得プログラム480は、図22に示された文字画像取得プログラム480に、文字画像置換部582が付加された構成を有する。なお、図35に示された各構成のうち、図5及び図22に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0146】
文字画像取得プログラム580において、文字画像置換部582は、類似する文字画像の数が所定数未満である場合、当該文字画像を、文字群画像記憶部482に記憶されている文字群画像から抽出された文字画像であって当該文字画像と類似する文字画像で置き換える。文字画像置換部582は、置換された文字画像を高解像度文字画像生成部46に対して出力する。
【0147】
図36は、文字画像取得プログラム580による、文字画像の置換処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S90)のフローチャートを示す図である。なお、図36に示された各処理のうち、図8及び図23に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図36に示すように、S100及びS102で、文字画像の切出し処理及び類似する文字画像の抽出処理が実行されると、S500の処理で、抽出された類似する文字画像の数が所定数以下であるか否かが判定される。
【0148】
抽出された類似する文字画像の数が所定数以下である場合、ステップ900(S900)において、文字画像数判定部502は、文字画像を置換する指示を文字画像置換部582に対して出力する。文字画像置換部は、文字数が所定数以下であった文字画像を、当該文字画像と類似する文字画像であって文字群画像から抽出されたもので置き換えて、高解像度文字画像生成部46に対して出力する。
【0149】
その後、S104〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。なお、本例では、文字群画像は予め生成されて記憶されているが、その都度生成されてもよい。
【0150】
次に、文字の大きさは異なるが同一である文字に対して実行される処理を説明する。
図37は、大きさが異なるが同一である文字が含まれている原稿を例示する図である。
図37に例示するように、文字画像「電」は、異なる大きさで原稿に含まれている。例えば、矢印Bで示される本文中の文字画像は、矢印Aで示される例えば表題の文字画像より小さく、矢印Cで示される例えば脚注の文字画像より大きい。ここで、矢印B,Cで示される文字画像「電」は、原稿に複数含まれている一方、矢印Aで示される文字画像「電」は、1つしか原稿に含まれていない。同様に、例えば、文字画像「機」は、本文中に2回使用されている一方、本文中より大きい文字で表題に1回使用されている。
【0151】
このように、原稿には、同じ文字であっても大きさが異なる文字が含まれていることがある。なお、文字の大きさを文字のポイント数ともいう。
【0152】
図38は、同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の概略を説明する図である。
図38(A)に示すように、文字、図形等の画像は、1ページの原稿又は複数ページからなる文書に、異なる大きさで現れる場合がある。このような場合、画像処理装置2は、図38(B)に示すように、入力された原稿画像から切り出された文字等の画像の大きさを調整し、図38(C)に示すように、大きさを調整された各文字の位相を算出し、算出した位相と、大きさを調整された各文字画像とに基づいて高解像度の文字画像を生成する。好適には、画像処理装置2は、抽出した文字の大きさを所定の大きさに揃える。
【0153】
図39は、本発明の第12の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム600の機能構成を示す図である。
図39に示すように、文字画像取得プログラム600は、図5に示された文字画像取得プログラム4に、サイズ調整部602が付加された構成を有する。なお、図39に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0154】
文字画像取得プログラム600において、サイズ調整部602は、文字切出し部40により切り出された文字画像を受け付け、文字画像の大きさを調整して、類似文字抽出部42に対して出力する。より具体的には、サイズ調整部602は、文字画像を所定の大きさに揃える。
【0155】
例えば、サイズ調整部602は、切り出された複数の文字画像のいずれかを選択し、複数の文字画像の大きさが、選択した文字画像の大きさになるように、文字画像の大きさを調整する。
図40は、切り出された文字画像の大きさを、選択した文字画像の大きさに揃えるようにして実行される画像処理の概略を示す図であって、図40(A)は、入力された原稿画像を例示し、図40(B)は、サイズを調整された文字画像を例示し、図40(C)は、生成された高解像度画像を例示する。
【0156】
図40(A)及び図40(B)に示すように、本実施形態に係る画像処理装置2は、切り出された複数の文字画像のいずれかに選択し、選択した文字画像より大きい文字画像を当該選択した文字画像の大きさに縮小し、選択した文字画像より小さい文字画像を当該選択した文字画像の大きさに拡大する。図40(C)に示すように、画像処理装置2は、選択した文字画像の大きさに揃えられた複数の文字画像に基づいて、高解像度の文字画像を生成する。例えば、画像処理装置2は、各文字画像の位相を算出し、算出した位相に基づいて各文字画像を重ね合わせ、各文字画像の平均値を算出する。この場合、画像処理装置2は、文字画像の重心及び相互相関係数が最も大きくなる位置の少なくともいずれかに基づいて、標本化される文字画像の位相を推定する。
【0157】
画像処理装置2は、選択した文字画像を、生成された文字画像で置き換えてもよい。この場合、文字画像取得プログラム600(図39)は、画像拡大プログラム5(図9)の位置算出部50及び文字配置部52と同等の機能を含む。
【0158】
なお、文字画像取得プログラム600において、サイズ調整部602は、切り出された複数の文字画像のいずれかを選択し、選択した文字画像が所定の倍率で拡大された場合の大きさを算出し、複数の文字画像の大きさが、算出した大きさで揃うように、文字画像の大きさを調整してもよい。
【0159】
図41は、文字画像取得プログラム600による、文字サイズ調整処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S1000)のフローチャートを示す図である。なお、図41に示された各処理のうち、図8に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図41に示すように、S100で、文字画像の切出し処理が実行されると、ステップ1002(S1002)において、サイズ調整部602は、切り出された文字画像のいずれかを選択し、当該文字画像とは異なる大きさの文字画像を、当該文字画像の大きさに変換する。その後、S102〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。
【0160】
図42は、同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第1の変形例の概略を説明する図である。
図42(A)に示すように、文字等の画像は、原稿画像に、異なる大きさで現れる場合がある。このような場合、画像処理装置2は、図42(B)に示すように、切り出された文字等の画像の大きさが所定の大きさに揃うように文字画像の大きさを調整し、図42(C)に示すように、大きさを揃えられた文字画像から、類似する文字画像を抽出する。
【0161】
さらに、図42(D)に示すように、画像処理装置2は、抽出された文字画像の中から、原稿画像において最も大きい文字画像を選択し、抽出された文字画像の大きさが当該最も大きい文字画像の大きさに揃うように、文字画像の大きさを調整する。図42(E)に示すように、画像処理装置2は、大きさを揃えられた複数の文字画像に基づいて、高解像度の文字画像を生成する。
【0162】
画像処理装置2は、原稿画像に含まれる文字画像を、生成された文字画像で置き換えてもよい。この場合、画像処理装置2は、原稿画像に含まれる文字画像の大きさに基づいて、生成された文字画像を縮小してから文字画像を置き換える。例えば、画像処理装置2は、原稿画像において最も大きい文字画像を、生成された文字画像で置き換え、当該最も大きい文字画像以外の文字画像を、生成された文字画像が縮小された文字画像で置き換える。
【0163】
図43は、本発明の第13の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム610の機能構成を示す図である。
図43に示すように、文字画像取得プログラム610は、図39に示された文字画像取得プログラム600に、第2のサイズ調整部612が付加された構成を有する。なお、図43に示された各構成のうち、図39に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0164】
文字画像取得プログラム610において、第2のサイズ調整部612は、類似文字抽出部42から受け付けた複数の文字画像から、元の原稿画像において最も大きい文字画像を探索する。第2のサイズ調整部612は、類似文字抽出部42により抽出された複数の文字画像が、当該最も大きい文字画像の大きさに揃うように文字画像の大きさを調整する。第2のサイズ調整部612は、大きさを揃えられた文字画像を、重心算出部44及び高解像度文字画像生成部46に対して出力する。
【0165】
画像処理装置2は、切り出された文字画像のそれぞれを、生成された文字画像で置き換えてもよい。この場合、文字画像取得プログラム610は、画像拡大プログラム5(図9)の位置算出部50及び文字配置部52と同等の機能を含む。例えば、画像処理装置2は、原稿画像において類似する文字画像のうち最も大きい文字画像を、生成した文字画像で置き換え、当該最も大きい文字画像以外の文字画像を、生成した文字画像を置換先の文字画像の大きさに基づいて縮小して生成された文字画像で書き換える。
【0166】
図44は、文字画像取得プログラム610による、2回の文字サイズ調整処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S1010)のフローチャートを示す図である。なお、図44に示された各処理のうち、図41に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0167】
図44に示すように、S100〜S102の処理で、入力画像から文字画像が切り出され、文字画像の大きさが調整され、類似する文字画像が抽出される。
ステップ1012(S1012)において、第2のサイズ調整部612は、類似する文字画像を、これらの文字画像のうち入力画像において最も大きい文字画像の大きさにそろえる。その後、S104〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。
【0168】
図45は、同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第2の変形例の概略を説明する図である。
第2の変形例は、切り出された文字画像のうち大きさがある程度近い文字画像を対象として文字画像の大きさを調整する点で、第1の変形例とは異なる。例えば、画像処理装置2は、文字画像の大きさの違いが所定値未満である場合、これらの文字画像を、大きさを調整する対象の文字画像であると判定する。
【0169】
図45(A)に示すように、文字画像が異なる大きさで原稿画像に現れる場合、画像処理装置2は、図45(B)に示すように、切り出された文字画像のうち大きさがある程度近い文字画像(破線で囲まれる文字画像)の大きさが所定の大きさに揃うように文字画像の大きさを調整し、図45(C)に示すように、大きさを揃えられた文字画像から、類似する文字画像を抽出する。
【0170】
また、図45(D)に示すように、画像処理装置2は、抽出された文字画像の大きさが所定の大きさに揃うように当該文字画像の大きさを調整し、図45(E)に示すように、大きさを揃えられた複数の文字画像に基づいて、高解像度の文字画像を生成する。さらに、図45(E)及び図45(F)に示すように、画像処理装置2は、切り出された文字画像群に、生成した文字画像を加え、図45で示される手順を再帰的に繰り返す。このようにして、画像処理装置2は、高解像度文字画像を生成する。
【0171】
図46は、同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第3の変形例の概略を説明する図である。
図46(A)に示すように、文字画像が異なる大きさで原稿画像に現れる場合、図46(B)に示すように、画像処理装置2は、切り出された文字等の画像の大きさが所定の大きさに揃うように文字画像の大きさを調整する。
【0172】
さらに、図46(C)に示すように、画像処理装置2は、元の原稿画像における文字画像の大きさに基づいて、大きさを調整された文字画像に対して重み付けを行う。ここで、図中のW1,W2及びW3は、重みを表す。画像処理装置2は、各文字画像の位相に基づいて各文字画像を重ね合わせ、算出した重みに基づいて高解像度文字画像を生成する。
【0173】
図47は、本発明の第14の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム620の機能構成を示す図である。
図47に示すように、文字画像取得プログラム620は、図39に示された文字画像取得プログラム600に重み算出部622が負荷され、高解像度文字画像生成部46が高解像度文字画像生成部624に置換された構成を有する。なお、図47に示された各構成のうち、図39に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0174】
文字画像取得プログラム620において、重み算出部622は、文字切出し部40により切り出された文字画像の大きさに基づいて、各文字画像の重みを算出する。例えば、重み算出部622は、入力された原稿画像において文字画像が大きいほど、重みを大きくする。高解像度文字画像生成部624は、重心算出部44により算出された各文字画像の重心と標本化格子点との相対位置に基づいて文字画像の位相を算出し、算出した位相に基づいて文字画像を重ね合わせ、文字画像の重み付き平均値を算出する。
【0175】
図48は、文字画像取得プログラム620による、重み付き平均値を算出する高解像度文字画像取得処理(S1020)のフローチャートを示す図である。なお、図48に示された各処理のうち、図41に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図48に示すように、S100〜S104の処理で、入力画像から文字画像が切り出され、文字画像の大きさが調整され、類似する文字画像が抽出され、抽出された文字画像の重心が算出される。
【0176】
ステップ1022(S1022)において、重み算出部622は、切り出された文字画像の大きさに基づいて重みを算出する。
ステップ1024(S1024)において、高解像度文字画像生成部624は、算出された重みに基づいて、文字画像の重み付き平均値を算出する。
その後、S108の処理で、高解像度文字画像が出力される。
【0177】
図49は、同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第4の変形例の概略を説明する図である。
図49(A)に示すように、文字画像が異なる大きさで原稿画像に現れる場合、図49(B)に示すように、画像処理装置2は、切り出された文字等の画像の大きさが所定の大きさに揃うように文字画像の大きさを調整する。ここで、画像処理装置2は、文字画像を縮小する場合、互いに位相の異なる複数の縮小画像を生成する。そして、図49(C)に示すように、画像処理装置2は、大きさを調整された複数の文字画像に基づいて、高解像度の文字画像を生成する。なお、このような画像処理は、図39に示される文字画像取得プログラム600と同等の構成を有するプログラムにより実行される。
【0178】
図50は、位相が異なる縮小画像の生成処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S1030)のフローチャートを示す図である。なお、図50に示された各処理のうち、図41に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図50に示すように、S100及びS1002の処理で、入力画像から文字画像が切り出され、文字画像の大きさが調整される。
【0179】
文字画像が縮小される場合、ステップ1032(S1032)において、文字画像が相異なる複数の位相で縮小された複数の文字画像が生成される。その後、S102〜S108の処理が実行されて、高解像度文字画像が生成される。
【0180】
次に、生成された高解像度文字画像を用いて行われる、画像の符号化処理及び復号化処理について説明する。
JBIG2テキスト領域(Text Region)では、2値の画像データから、文字、図形等の部分画像を抽出し(以降、入力部分画像ともいう) 、当該部分画像データを既に辞書に登録されている部分画像データ(以降、登録部分画像ともいう)と比較する処理が実行される。比較の結果、入力部分画像と似ている登録部分画像が見つからない場合、入力部分画像は辞書に登録される。入力部分画像と似ている登録部分画像が見つかった場合、辞書内における当該部分画像を示すインデックス及び2値の画像データにおける入力部分画像の位置に基づいて、入力部分画像が符号化される。
【0181】
同一の複数の部分画像が、スキャナ等により読み取られてJBIG2テキスト領域で符号化される場合、当該複数の部分画像について読取時の位相がずれていることがある。このような場合、符号化処理における圧縮率と、復号化された際の出力画像の画質とを考慮する必要がある。
【0182】
図51は、JBIG2テキスト領域における符号化処理及び復号化処理を説明する図であって、図51(A)は、入力画像から抽出された複数の部分画像のそれぞれを符号化する手法を示し、図51(B)は、入力画像から抽出された複数の部分画像を代表する1の部分画像を符号化する手法を示す。
図51(A)に示される手法では、複数の部分画像の位相がずれている場合、当該複数の部分画像は、異なる部分画像データとして符号化される。この場合、元の部分画像データがそのまま復号されるので、復元される出力画像では、画質の劣化がない。しかしながら、符号化処理における圧縮率は低く、符号データのデータ量は大きい。
【0183】
図51(B)に示される手法では、複数の部分画像の位相がずれている場合においても、複数の部分画像のいずれかが代表画像として符号化される。したがって、このような手法では、圧縮率が高く、符号データのデータ量は小さい。しかしながら、復号される出力画像では、部分画像のそれぞれは、位相が異なる部分画像と置き換えられるため、画質が劣化してしまう場合がある。例えば、画質の劣化は、文字列の乱れとして現れる。
【0184】
本発明の実施形態に係る画像符号化装置は、上述したようにして生成される高解像度部分画像を代表画像として符号化する。以降、部分画像の一例として、文字画像を用いて符号化処理及び復号化処理を説明する。
【0185】
図52は、本発明の実施形態に係る画像符号化装置7の制御装置20により実行される画像符号化プログラム70の機能構成を示す図である。なお、図52に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。また、画像符号化装置7は、図4に示される画像処理装置2等と同等のハードウェア構成を有する。
【0186】
図52に示すように、画像符号化プログラム70は、図5に示される画像符号化プログラム70は、文字切出し部40、類似文字抽出部42、重心算出部44、高解像度文字画像生成部46及び符号化部700を有する。画像符号化プログラム70において、高解像度文字画像生成部46により生成される高解像度文字画像を、代表画像ともいう。よって、高解像度画像生成部46は、類似文字抽出部42により抽出された各部分画像(本例では、文字画像)と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各部分画像の位相とに基づいて、第2の解像度の代表画像を生成する代表画像生成手段を構成する。
【0187】
符号化部700は、高解像度文字画像生成部46により生成された代表画像と、類似文字抽出部42により抽出された各部分画像の位相及び位置とを符号化して符号データを生成する。より具体的には、符号化部700は、文字切出し部40から入力される文字画像の入力画像における位置、重心算出部44により推定される文字画像の位相、及び類似文字抽出部42により識別子(インデックス)が付与され高解像度文字画像生成部46により生成された代表画像データを、文字切出し部40により切り出された文字画像データ毎に符号化する。
【0188】
符号化部700は、符号データを記憶装置24に格納してもよいし、後述する画像復号化装置8など外部のコンピュータに対して通信装置22を介して送信してもよい。また、符号データは、記録媒体240に格納されて、画像復号化装置8などに供給されてもよい。
【0189】
図53は、符号化部700による入力画像の符号化処理を説明する図であり、図53(A)は、入力画像を例示し、図53(B)は、入力画像に基づいて生成された代表画像辞書を例示し、図53(C)は、入力画像から切り出された部分画像に関する情報(位置及び位相)を例示する。
図53(A)及び図53(B)に例示するように、入力画像に含まれる部分画像(本例では、文字画像「A」)のそれぞれは画像符号化プログラム70により抽出され、代表画像が生成される。代表画像は代表画像辞書に登録され、代表画像にはインデックスが付与される。代表画像の形状及びインデックスは、代表画像辞書に含まれる代表画像に関する情報として、符号化部700により符号化される。
【0190】
図53(C)に例示するように、入力画像における部分画像の位置、切り出された際の位相、及び対応する代表画像のインデックスは、文字切出し部40により切り出された部分画像に関する情報として、符号化部700により符号化される。このように、符号化部700は、代表画像辞書と、入力画像から切り出された部分画像に関する情報とを符号化して符号データを生成する。
【0191】
図54は、画像符号化プログラム70による画像符号化処理(S1040)のフローチャートを示す図である。なお、図54に示された各処理のうち、図8に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図54に示すように、S100〜S106の処理で、入力画像から文字画像が切り出され、類似する文字画像が抽出され、重心(位相)が算出され、高解像度文字画像(代表画像)が生成される。
【0192】
ステップ1042(S1042)において、符号化部700は、切り出された文字画像に関する情報(位置、位相及びインデックス)を符号化する。
ステップ1044(S1044)において、符号化部700は、生成されインデックスを付与された代表画像を符号化する。具体的には、符号化部700は、代表画像辞書を符号化する。
ステップ1046(S1046)において、符号化部700は、符号データを生成して出力する。
【0193】
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像復号化装置8を説明する。
図55は、画像復号化装置8の制御装置20により実行される画像復号化プログラム80の機能構成を示す図である。
図55に示すように、画像復号化プログラム80は、復号部800、代表画像記憶部802、低解像度文字画像生成部804及び文字画像配置部806を有する。なお、以降、部分画像の一例として文字画像を用いて、画像復号化プログラム80を説明する。
【0194】
画像復号化プログラム80において、復号部800は、画像符号化装置7により生成された符号データを受け付け、符号データを復号する。より具体的には、復号部800は、符号データに基づいて、インデックスを付与された代表画像を含む代表画像辞書と、部分画像に関する情報(位置、位相、インデックス)とを復号する。復号部800は、代表画像データと代表画像に付与されたインデックスとを代表画像記憶部802に対して出力する。また、復号部800は、文字画像の位相を低解像度文字画像生成部804に対して出力し、文字画像の位置を文字画像配置部806に対して出力する。
【0195】
代表画像記憶部802は、復号された代表画像辞書を記憶する。代表画像記憶部802は、メモリ204及び記憶装置24の少なくともいずれかにより実現される。
【0196】
低解像度文字画像生成部804は、代表画像記憶部802に記憶されている代表画像と、復号された位相とに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する。具体的には、低解像度文字画像生成部804は、記憶されている代表画像を読み出し、当該代表画像を位相に基づいて縮小して第1の解像度の低解像度文字画像データを生成する。このようにして、低解像度文字画像生成部804は、部分画像生成手段を構成する。
【0197】
文字画像配置部806は、復号部800により復号された部分画像の位置に基づいて、低解像度文字画像生成部804により生成された低解像度文字画像を出力画像に配置して、出力画像データを生成するこのようにして、文字画像配置部806は、部分画像配置手段を構成する。
【0198】
図56は、画像復号化プログラム80による画像復号化処理(S1050)のフローチャートを示す図である。
図56に示すように、ステップ1052(S1052)において、画像復号化プログラム80の復号部800は、符号データを復号して、第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相及び位置とを取得する。
ステップ1054(S1054)において、復号部800は、代表画像データと、代表画像に付与されたインデックスとを代表画像記憶部802に格納して、代表画像辞書を生成する。
【0199】
ステップ1056(S1056)において、低解像度文字画像生成部804は、代表画像辞書の代表画像と、復号された部分画像の位相とに基づいて、第1の解像度の低解像度文字画像を生成する。
ステップ1058(S1058)において、文字画像配置部806は、復号化された位置に基づいて、生成された低解像度文字画像を出力画像に配置する。
【0200】
ステップ1060(S1060)において、文字画像配置部806は、全ての部分画像の出力画像への配置を終了したか否かを判定する。画像復号化プログラム80は、全ての部分画像について配置処理を終了した場合にはS1062の処理に進み、そうでない場合にはS1056の処理に戻る。
ステップ1062(S1062)において、文字画像配置部806は、出力画像データを生成して出力する。
【0201】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像復号化装置8を説明する。
図57は、画像復号化装置8の制御装置20により実行される画像復号化プログラム82の機能構成を示す図である。
図57に示すように、画像復号化プログラム80は、画像復号化プログラム80(図55)に拡大制御部820及び位置変換部824が追加され、低解像度文字画像生成部804が低解像度文字画像生成部822に置き換えられた構成を有する。
【0202】
画像復号化プログラム82において、拡大制御部820は、変倍率に基づいて、低解像度文字画像生成部822及び位置変換部824を制御する。より具体的には、拡大制御部820は、メモリ204及び記憶装置24の少なくともいずれかに予め記憶されている変倍率を読み出して、低解像度文字画像生成部822及び位置変換部824に対して出力する。変倍率制御部820は、UI装置26及び通信装置22を介して設定される変倍率を、低解像度文字画像生成部822等に対して出力してもよい。
【0203】
低解像度文字画像生成部822は、拡大制御部820から入力される変倍率にさらに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する。具体的には、低解像度文字画像生成部822は、変倍率に基づいて、低解像度文字画像データを生成する際の倍率を変更する。
【0204】
位置変換部824は、拡大制御部820から入力される変倍率に基づいて、復号部800により復号された部分画像の位置を変換し、変換後の位置を文字画像配置部806に対して出力する。このため、文字画像配置部806は、位置変換部824により変換された位置に基づいて、低解像度文字画像を出力画像に配置する。
【0205】
図58は、画像復号化プログラム82による画像復号化処理(S1070)のフローチャートを示す図である。なお、図58に示された各処理のうち、図56に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図58に示すように、S1052及びS1054で、符号データが復号され、代表画像辞書が生成される。
【0206】
ステップ1072(S1072)において、低解像度文字画像生成部822は、代表画像辞書の代表画像と、復号された部分画像の位相と、変倍率とに基づいて、第1の解像度の低解像度文字画像を生成する。
ステップ1074(S1074)において、位置変換部824は、変倍率に基づいて、部分画像の位置を変換する。
【0207】
また、S1058の処理で、文字画像配置部806は、変換された位置に基づいて、生成された低解像度文字画像を出力画像に配置する。さらに、S1060の処理で、全ての部分画像の配置処理が終了したか否かが判定され、S1062の処理で、出力画像データが生成される。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】文字画像を拡大する際の文字画像の品質を説明する図である。
【図2】撮像解像度より高い解像度の画像を生成する手法を説明する図である。
【図3】本発明に係る画像処理装置による画像処理の概略を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像処理装置2及び画像拡大装置3のハードウェア構成を、制御装置20を中心に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム4の機能構成を示す図である。
【図6】文字切出し部40による文字切出し処理及び類似文字抽出部42による類似文字抽出処理を説明する図であって、図6(A)は、入力画像を例示し、図6(B)は、文字切出し部40により入力画像から切り出された文字画像を例示し、図6(C)は、類似文字抽出部42により抽出された類似する文字画像を例示する。
【図7】高解像度文字画像生成部46による高解像度文字画像データの生成処理を説明する図である。
【図8】文字画像取得プログラム4による高解像度文字画像取得処理(S10)のフローチャートを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像拡大装置3の制御装置20により実行される画像拡大プログラム5の機能構成を示す図である。
【図10】画像拡大プログラム5による画像拡大処理(S20)のフローチャートを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム6の機能構成を示す図である。
【図12】文字画像取得プログラム6によるノイズ除去処理を含む高解像度文字画像取得処理(S30)のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム400の機能構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る画像処理装置2により実行される多値化処理の概要を示す図である。
【図15】文字画像取得プログラム400による高解像度文字画像取得処理(S40)のフローチャートを示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム420の機能構成を示す図である。
【図17】本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム440の機能構成を示す図である。
【図18】本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム460の機能構成を示す図である。
【図19】第2の多値化手法が適用された場合における高解像度文字画像生成部46による高解像度文字画像データの生成処理を説明する図である。
【図20】高解像度文字画像生成部46による高解像度文字画像データの生成処理の第2の実施例を説明する図である。
【図21】原稿に所定数未満しか含まれていない文字に対して実行される画像処理の概略を説明する図である。
【図22】本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム480の機能構成を示す図である。
【図23】文字画像取得プログラム480による、記憶されている文字群画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S50)のフローチャートを示す図である。
【図24】本発明の第8の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム500の機能構成を示す図である。
【図25】文字群画像生成部504の詳細な機能構成を示す図である。
【図26】文字群画像生成部504により生成される文字群画像を例示する図である。
【図27】文字画像取得プログラム500による、生成した文字群画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S60)のフローチャートを示す図である。
【図28】文字群画像生成部504の第1の変形例である文字群画像生成部514の詳細な機能構成を示す図である。
【図29】文字群画像生成部514により生成される文字群画像を例示する図である。
【図30】文字群画像生成部504の第2の変形例である文字群画像生成部520の詳細な機能構成を示す図である。
【図31】本発明の第9の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム540の機能構成を示す図である。
【図32】文字画像取得プログラム540による、生成した文字画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S70)のフローチャートを示す図である。
【図33】本発明の第10の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム560の機能構成を示す図である。
【図34】文字画像取得プログラム560による、生成した複数の文字群画像を用いた高解像度文字画像取得処理(S80)のフローチャートを示す図である。
【図35】本発明の第11の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム580の機能構成を示す図である。
【図36】文字画像取得プログラム580による、文字画像の置換処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S90)のフローチャートを示す図である。
【図37】大きさが異なるが同一である文字が含まれている原稿を例示する図である。
【図38】同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の概略を説明する図である。
【図39】本発明の第12の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム600の機能構成を示す図である。
【図40】切り出された文字画像の大きさを、選択した文字画像の大きさに揃えるようにして実行される画像処理の概略を示す図であって、図40(A)は、入力された原稿画像を例示し、図40(B)は、サイズを調整された文字画像を例示し、図40(C)は、生成された高解像度画像を例示する。
【図41】文字画像取得プログラム600による、文字サイズ調整処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S1000)のフローチャートを示す図である。
【図42】同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第1の変形例の概略を説明する図である。
【図43】本発明の第13の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム610の機能構成を示す図である。
【図44】文字画像取得プログラム610による、2回の文字サイズ調整処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S1010)のフローチャートを示す図である。
【図45】同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第2の変形例の概略を説明する図である。
【図46】同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第3の変形例の概略を説明する図である。
【図47】本発明の第14の実施形態に係る画像処理装置2の制御装置20により実行される文字画像取得プログラム620の機能構成を示す図である。
【図48】文字画像取得プログラム620による、重み付き平均値を算出する高解像度文字画像取得処理(S1020)のフローチャートを示す図である。
【図49】同じ文字であっても大きさが異なる文字に対して実行される画像処理の第4の変形例の概略を説明する図である。
【図50】位相が異なる縮小画像の生成処理を伴う高解像度文字画像取得処理(S1030)のフローチャートを示す図である。
【図51】JBIG2テキスト領域における符号化処理及び復号化処理を説明する図であって、図51(A)は、入力画像から抽出された複数の部分画像のそれぞれを符号化する手法を示し、図51(B)は、入力画像から抽出された複数の部分画像を代表する1の部分画像を符号化する手法を示す。
【図52】本発明の実施形態に係る画像符号化装置7の制御装置20により実行される画像符号化プログラム70の機能構成を示す図である。
【図53】符号化部700による入力画像の符号化処理を説明する図であり、図53(A)は、入力画像を例示し、図53(B)は、入力画像に基づいて生成された代表画像辞書を例示し、図53(C)は、入力画像から切り出された部分画像に関する情報(位置及び位相)を例示する。
【図54】画像符号化プログラム70による画像符号化処理(S1040)のフローチャートを示す図である。
【図55】画像復号化装置8の制御装置20により実行される画像復号化プログラム80の機能構成を示す図である。
【図56】画像復号化プログラム80による画像復号化処理(S1050)のフローチャートを示す図である。
【図57】画像復号化装置8の制御装置20により実行される画像復号化プログラム82の機能構成を示す図である。
【図58】画像復号化プログラム82による画像復号化処理(S1070)のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0209】
2 画像処理装置
3 画像拡大装置
4 文字画像取得プログラム
5 画像拡大プログラム
6 文字画像取得プログラム
7 画像符号化装置
8 画像復号化装置
20 制御装置
22 通信装置
24 記憶装置
26 UI装置
40 文字切出し部
42 類似文字抽出部
44 重心算出部
46 高解像度文字画像生成部
50 位置算出部
52 文字配置部
60 位相算出部
62 代表文字抽出部
64 位相代表値算出部
66 ノイズ除去部
68 高解像度文字画像生成部
70 画像符号化プログラム
80 画像復号化プログラム
82 画像復号化プログラム
202 CPU
204 メモリ
240 記録媒体
400 文字画像取得プログラム
402 多値化部
404 2値化部
420 文字画像取得プログラム
422 多値化部
440 文字画像取得プログラム
442 多値化部
460 文字画像取得プログラム
462 多値化部
480 文字画像取得プログラム
482 文字群画像記憶部
484 文字画像数判定部
500 文字画像取得プログラム
502 文字画像数判定部
504 文字群画像生成部
506 文字群画像制御部
508 フォントコード指示部
510 テキストコード指示部
512 フォントパターン描画部
514 文字群画像生成部
516 描画角度指示部
518 フォントパターン描画部
520 文字群画像生成部
522 模擬スキャンイン処理部
540 文字画像取得プログラム
542 対応文字画像生成部
560 文字画像取得プログラム
562 生成位相指示部
564 複数位相文字群画像生成部
580 文字画像取得プログラム
582 文字画像置換部
700 符号化部
800 復号部
802 代表画像記憶部
804 低解像度文字生成部
806 文字画像配置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
2値の画像を多値化する多値化手段をさらに有し、
前記抽出手段は、2値の入力画像から、第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出し、
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出され、前記多値化手段により多値化された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記多値化手段は、画像に対して低域通過フィルタを適用して多値化処理を行う
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記多値化手段は、拡大手法を適用して各画像を多値化する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
2値の画像を多値化する多値化手段をさらに有し、
前記抽出手段は、前記多値化手段により多値化された画像から、第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記抽出手段により抽出された各画像を第1の解像度より高い第2の解像度に拡大する拡大手段をさらに有し、
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出され、前記拡大手段により拡大された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
複数の文字画像を含む文字群画像を記憶する文字群画像記憶手段をさらに有し、
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、前記文字群画像記憶手段に記憶されている文字群画像から抽出された文字画像であって第1の文字画像と類似する文字画像にさらに基づいて第2の解像度の文字画像を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の文字画像を含む文字群画像を記憶する文字群画像記憶手段をさらに有し、
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、第1の文字画像を、前記文字群画像記憶手段に記憶されている文字群画像から抽出された文字画像であって第1の文字画像と類似する文字画像で置き換える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記抽出手段により抽出された第1の文字画像の大きさに基づいて、複数の文字画像を含む文字群画像を取得する文字群画像取得手段をさらに有し、
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、前記文字群画像取得手段により取得された文字群画像から抽出された文字画像であって第1の文字画像と類似する文字画像にさらに基づいて第2の解像度の文字画像を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記文字群画像取得手段は、位相が異なる複数の文字群画像を取得する
請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記抽出手段により抽出された第1の文字画像の大きさに対応する文字画像を生成する対応文字画像生成手段をさらに有し、
前記生成手段は、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数以上である場合、前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第2の解像度の文字画像を生成し、前記抽出手段により抽出された第2の文字画像が所定数未満である場合、前記対応文字画像生成手段により生成された文字画像にさらに基づいて第2の解像度の文字画像を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された各画像のサイズを調整するサイズ調整手段と、
前記サイズ調整手段により調整された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成手段と
を有する画像処理装置。
【請求項13】
第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成手段と
を有する画像処理装置。
【請求項14】
前記生成手段は、第1の解像度における各文字画像の位相に基づいて、該各文字画像の画素値から、第2の解像度における文字画像の画素値を補間する
請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、文字画像のノイズを除去する除去手段と、
前記除去手段によりノイズを除去された文字画像と該文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成手段と
を有する画像処理装置。
【請求項16】
第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成手段と、
前記抽出手段に抽出された文字画像の位置に基づいて算出された第2の解像度の画像における位置に、前記生成手段により生成された第2の解像度の文字画像を配置する配置手段と
を有する画像拡大装置。
【請求項17】
第1の部分画像と該第1の部分画像と類似する第2の部分画像とを第1の解像度で抽出する部分画像抽出手段と、
前記部分画像抽出手段により抽出された各部分画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各部分画像の位相とに基づいて、第2の解像度の代表画像を生成する代表画像生成手段と、
前記代表画像生成手段により生成された代表画像と、前記抽出手段により抽出された各部分画像の位相及び位置とを符号化する符号化手段と
を有する画像符号化装置。
【請求項18】
第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相及び位置とが符号化された符号データを復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化された第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相とに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する部分画像生成手段と、
前記復号化手段により復号化された位置に基づいて、前記部分画像生成手段により生成された部分画像を出力画像に配置する部分画像配置手段と
を有する画像復号化装置。
【請求項19】
前記部分画像生成手段により生成される部分画像の倍率と、前記部分画像配置手段により配置される位置とを制御する倍率・位置制御手段をさらに有する
請求項18に記載の画像復号化装置。
【請求項20】
第1の部分画像と該第1の部分画像と類似する第2の部分画像とを第1の解像度で抽出する部分画像抽出手段と、
前記部分画像抽出手段により抽出された各部分画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各部分画像の位相とに基づいて、第2の解像度の代表画像を生成する代表画像生成手段と、
前記代表画像生成手段により生成された代表画像と、前記抽出手段により抽出された各部分画像の位相及び位置とを符号化する符号化手段と、
前記符号化手段により符号化された符号データを復号化する復号化手段と、
前記復号化手段により復号化された代表画像と、部分画像の位相とに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する部分画像生成手段と、
前記復号化手段により復号化された位置に基づいて、前記部分画像生成手段により生成された部分画像を出力画像に配置する部分画像配置手段と
を有する画像処理システム。
【請求項21】
コンピュータを含む画像処理装置において、
第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、
前記抽出された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項22】
コンピュータを含む画像処理装置において、
第1の画像と該第1の画像と類似する第2の画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、
前記抽出された各画像のサイズを調整するサイズ調整ステップと、
前記調整された各画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各画像の位相とに基づいて、第2の解像度の画像を生成する生成ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項23】
コンピュータを含む画像処理装置において、
第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、
前記抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項24】
コンピュータを含む画像処理装置において、
第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、
前記抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、文字画像のノイズを除去する除去ステップと、
前記ノイズを除去された文字画像と該文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項25】
コンピュータを含む画像拡大装置において、
第1の文字画像と該第1の文字画像と類似する第2の文字画像とを第1の解像度で抽出する抽出ステップと、
前記抽出された各文字画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各文字画像の位相とに基づいて、第1の解像度より高い第2の解像度の文字画像を生成する生成ステップと、
前記抽出された文字画像の位置に基づいて算出された第2の解像度の画像における位置に、前記生成された第2の解像度の文字画像を配置する配置ステップと
を前記画像拡大装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項26】
コンピュータを含む画像符号化装置において、
第1の部分画像と該第1の部分画像と類似する第2の部分画像とを第1の解像度で抽出する部分画像抽出ステップと、
前記抽出された各部分画像と、第1の解像度における1画素より高い精度で算出された該各部分画像の位相とに基づいて、第2の解像度の代表画像を生成する代表画像生成ステップと、
前記生成された代表画像と、前記抽出手段により抽出された各部分画像の位相及び位置とを符号化する符号化ステップと
を前記画像符号化装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項27】
コンピュータを含む画像復号化装置において、
第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相及び位置とが符号化された符号データを復号化する復号化ステップと、
前記復号化された第2の解像度の代表画像と、第1の解像度の部分画像の位相とに基づいて、第1の解像度の部分画像を生成する部分画像生成ステップと、
前記復号化された位置に基づいて、前記部分画像生成手段により生成された部分画像を出力画像に配置する部分画像配置ステップと
を前記画像復号化装置のコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【公開番号】特開2008−228256(P2008−228256A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98258(P2007−98258)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】