説明

画像処理装置およびプログラム並びに画像診断装置

【課題】再構成画像において、空間分解能の低下を抑えつつ、ストリークアーチファクトを低減することができる画像処理装置を実現させる。
【解決手段】再構成画像Pの高周波成分を表す画像を生成する生成手段と、生成手段により生成された画像において、1つの画素を注目画素APとし、画素値の所定の基準値に対する大小関係が同じである画素が注目画素APを含めて直線方向D3にN個以上連続して並んでいる画素パターンCPを検出する処理を行い、この画素パターンが検出された場合に、注目画素APを、再構成画像Pにおけるストリークアーチファクトの成分stを表す画素の候補として検出する検出手段と、検出手段により検出された候補に基づいて、再構成画像Pにおけるストリークアーチファクトを低減する低減手段とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再構成画像におけるストリークアーチファクト(streak artifact)を低減する画像処理装置およびプログラム(program)並びに画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT(Computed Tomography)装置や磁気共鳴イメージング(imaging)装置などの画像診断装置により得られる再構成画像には、線状のストリークアーチファクトを生じることがある。例えば、X線CT装置の場合、装置の機械的な精度不足、適切でない撮影条件、撮影対象物の動きなどによって、ストリークアーチファクトが生じる。アーチファクトは、撮影対象物の状態を正しく現しておらず、観察者に間違った情報を与える危険性がある。そのため、このようなストリークアーチファクトは、除去もしくは低減されることが望ましい。
【0003】
従来、このようなストリークアーチファクトを低減する方法として、投影データ(data)を、フィルタ(filter)等を用いて平滑化する方法が提案されている(例えば、特許文献1,要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−323628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この方法は、投影データの平滑化による空間分解能の低下という重い副作用を伴う。そのため、一般的に、この方法は、X線低線量などにより非常に顕在なアーチファクトが生じており、これを低減するために多少の空間分解能の低下もやむを得ないと考えられるような特殊な状況下において用いられる。
【0006】
別の方法として、再構成画像においてストリークアーチファクトを検出し、これを元の再構成画像から減算等して取り除く方法が考えられる。ただし、検出精度が高くない状態でアーチファクトを低減しようとすると、ピンポイント(pin-point)での低減処理が難しくなり、やはり空間分解能の低下という副作用が生じやすい。上記のような特殊な状況下で生じるストリークアーチファクトの場合には、その顕在さから検出は可能と考えられる。しかし、例えば肋骨からのアーチファクトのような一般的な状況下で生じるストリークアーチファクトの場合には、正常な陰影との区別がつきづらく、その検出は非常に難しい。そのため、これまでのところ、再構成画像において、空間分解能の低下を抑えつつ、ストリークアーチファクトを低減することが可能な方法は提案されていない。
【0007】
このような事情により、再構成画像において、空間分解能の低下を抑えつつ、ストリークアーチファクトを低減することができる画像処理装置、およびそのためのプログラム、並びにこのような画像処理装置を備えている画像診断装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の観点の発明は、再構成画像の高周波成分を表す画像を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された画像において、1つの画素を注目画素とし、画素値の所定の基準値に対する大小関係が同じである画素が該注目画素を含めて直線方向にN個以上連続して並んでいる画素パターン(pattern)を検出する処理を行い、該画素パターンが検出された場合に、該注目画素を、前記再構成画像におけるストリークアーチファクトの成分を表す画素の候補として検出する検出手段と、前記検出手段により検出された候補に基づいて、前記再構成画像におけるストリークアーチファクトを低減する低減手段とを備えている画像処理装置を提供する。
【0009】
ここで、「所定の基準値」は、高周波成分の上に凸となる画素値の変化、および、下に凸となる画素値の変化のベースになる値とすることができる。例えば、「高周波成分を表す画像」が、高周波成分の上に凸となる画素値の変化を正で表し、下に凸となる画素値の変化を負で表す画像である場合には、「所定の基準値」を、0(零)とすることができる。なお、「高周波成分を表す画像」の画素値を全体的にシフトした場合には、「所定の基準値」も同様にシフトさせる。
【0010】
第2の観点の発明は、前記生成手段が、前記再構成画像から該再構成画像の平滑化画像を減算して、前記高周波成分を表す画像を生成する上記第1の観点の画像処理装置を提供する。
【0011】
第3の観点の発明は、前記低減手段が、前記再構成画像から、前記検出された候補である画素により構成されている画像または該画像の平滑化画像を減算することにより、前記ストリークアーチファクトを低減する上記第1の観点または第2の観点の画像処理装置を提供する。
【0012】
第4の観点の発明は、前記低減手段が、前記再構成画像から、前記検出された候補である画素により構成されている画像または該画像の平滑化画像における画素の画素値を、前記再構成画像もしくは該再構成画像の平滑化画像における該画素の対応画素の画素値に応じて重み付けして減算する上記第3の観点の画像処理装置を提供する。
【0013】
第5の観点の発明は、前記低減手段が、前記再構成画像から、前記検出された候補である画素により構成されている画像または該画像の平滑化画像を、前記再構成画像の再構成に用いられた再構成関数の種類に応じて重み付けして減算する上記第3の観点の画像処理装置を提供する。
【0014】
第6の観点の発明は、前記検出手段により検出された候補を絞り込む絞込手段をさらに備えており、前記低減手段が、絞り込まれた候補である画素に基づいて、前記アーチファクトを低減する上記第1の観点から第5の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0015】
第7の観点の発明は、前記検出手段が、複数の直線方向に対して前記画素パターンを検出する処理を行い、前記絞込手段が、前記検出手段により候補として検出された画素であって、前記画素パターンが検出された直線方向が2以上あり、これら2以上の直線方向の広がり角度が許容角度を超えている画素を候補から外す上記第6の観点の画像処理装置を提供する。
【0016】
第8の観点の発明は、前記絞込手段が、前記検出手段により候補として検出された画素であって、該画素の画素値、または、前記再構成画像もしくは該再構成画像の平滑化画像における該画素の対応画素の画素値が所定の範囲に含まれている画素を候補から外す上記第6の観点または第7の観点の画像処理装置を提供する。
【0017】
第9の観点の発明は、前記絞込手段が、前記検出手段により候補として検出された画素により構成される画像において点状に分布する画素を候補から外す上記第6の観点から第8の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0018】
第10の観点の発明は、前記絞込手段が、前記検出手段により候補として検出された画素であって、前記画素パターンが検出された直線方向がストリークアーチファクトの発生要因によって定まる所定の方向である画素を候補から外す上記第6の観点から第9の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0019】
第11の観点の発明は、前記絞込手段が、前記検出手段により候補として検出された画素により構成される画像において、画素の1つを注目候補とし、該注目候補を含む局所領域内に含まれる他の候補の画素であって、前記画素パターンが検出された直線方向が該注目候補と許容角度内で一致している画素の数が所定値以下である場合に、該注目候補を候補から外す上記第6の観点から第11の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0020】
第12の観点の発明は、コンピュータ(computer)を、上記第1の観点から第11の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置として機能させるためのプログラムを提供する。
【0021】
第13の観点の発明は、上記第1の観点から第11の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を備えている画像診断装置を提供する。
【発明の効果】
【0022】
上記観点の発明によれば、ストリークアーチファクトの成分を表す画素の候補を、そのストリークの長さ、濃淡、位置等に対して柔軟に検出し、当該画素を精度よく検出することができ、再構成画像において、空間分解能の低下を抑えつつ、ストリークアーチファクトを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】ガントリを側面から見たときの図である。
【図3】本実施形態に係るX線CT装置におけるストリークアーチファクト低減処理に関わる部分の機能ブロック(block)図である。
【図4】本実施形態に係るX線CT装置におけるストリークアーチファクト低減処理のフローチャート(flowchart)である。
【図5】ストリーク画素候補検出処理のフローチャートである。
【図6】ストリークアーチファクトを含むCT画像の一例を示す図である。
【図7】CT画像の高周波成分を表す高周波画像の一例を示す図である。
【図8】連続画素パターンの検出ライン(line)方向の一例を示す図である。
【図9】検出される連続画素パターンの例を示す図である。
【図10】ストリーク方向がばらつくストリーク画素候補を候補から外す候補絞込みの事例を示す図である。
【図11】点状のストリーク画素候補を候補から外す候補絞込みの事例を示す図である。
【図12】ストリーク方向が略同じである他の候補が周囲に少ないストリーク画素候補を候補から外す候補絞込みの事例を示す図である。
【図13】ストリーク画素候補により構成されるストリーク画像の一例を示す図である。
【図14】ストリークアーチファクトが低減されたストリーク低減画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施形態について説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
【0026】
図1に示すように、本X線CT装置は、ガントリ(gantry)2、撮影テーブル(table)4、および操作コンソール(console)6を備えている。ガントリ2は、X線管20を有している。X線管20から放射されたX線(不図示)は、アパーチャ(aperture)22により、例えば扇状のファンビーム(fan
beam)やコーンビーム(cone beam)などのX線ビームとなるように成形され、X線検出器24に照射される。
【0027】
X線検出器24は、扇状のX線ビームの広がり方向(チャネル(channel)方向という)および厚み方向(列方向という)に、2次元的に配列された複数のX線検出素子を有している。
【0028】
X線検出器24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は、X線検出器24の個々のX線検出素子による検出データを投影データとして収集する。X線管20からのX線の照射は、X線コントローラ(controller)28によって制御される。なお、X線管20とX線コントローラ28との接続関係については図示を省略している。
【0029】
X線コントローラ28がX線管20に供給する管電圧および管電流に関するデータが、データ収集部26によって収集される。なお、X線コントローラ28とデータ収集部26との接続関係については図示を省略している。
【0030】
アパーチャ22は、アパーチャコントローラ30によって制御される。なお、アパーチャ22とアパーチャコントローラ30との接続関係については図示を省略している。
【0031】
以上のX線管20からアパーチャコントローラ30までのものが、ガントリ2の回転部34に搭載されている。回転部34の回転は、回転コントローラ36によって制御される。なお、回転部34と回転コントローラ36との接続関係については図示を省略している。
【0032】
撮影テーブル4は、図示しない被検体をガントリ2のX線照射空間に搬入および搬出するようになっている。
【0033】
操作コンソール6は、中央処理装置60を有している。中央処理装置60は、例えばコンピュータ等によって構成されている。中央処理装置60には、制御インタフェース(interface)62が接続されている。制御インタフェース62には、ガントリ2と撮影テーブル4が接続されている。中央処理装置60は、制御インタフェース62を通じてガントリ2および撮影テーブル4を制御する。
【0034】
ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、アパーチャコントローラ30および回転コントローラ36が、制御インタフェース62を通じて制御される。なお、それら各部と制御インタフェース62との個別の接続については図示を省略している。
【0035】
中央処理装置60には、また、データ収集バッファ(buffer)64が接続されている。データ収集バッファ64には、ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータが、データ収集バッファ64を通じて中央処理装置60に入力される。
【0036】
中央処理装置60は、操作者による操作に応じて本スキャン(scan)のスキャン計画処理を行う。また、データ収集バッファ64を通じて収集した複数ビュー(view)の投影データを用いて画像再構成を行う。画像再構成には、例えばフィルタード・バックプロジェクション(filtered
back projection)法による3次元画像再構成処理等が用いられる。操作者は、観察部位や目的に合わせて画像再構成に用いる再構成関数(カーネル)を選択することができる。再構成関数としては、例えば、標準関数、軟部用関数、高解像度関数などが用意されている。
【0037】
中央処理装置60は、また、再構成画像であるCT画像上に生じたストリークアーチファクトを低減するために、ストリークアーチファクト低減処理を行う。なお、ストリークアーチファクトは、投影データ上のX線フォトンノイズ(photon noise)、X線検出器24の検出素子の配列ピッチ(pitch)によるチャネル方向の空間分解能、被検体内の高X線吸収体の存在等に起因して生じる。
【0038】
中央処理装置60には、また、記憶装置66が接続されている。記憶装置66は、各種のデータや再構成画像および本X線CT装置の機能を実現するためのプログラム等を記憶している。
【0039】
中央処理装置60には、また、表示装置68と入力装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、中央処理装置60から出力される再構成画像やその他の情報を表示する。入力装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等を中央処理装置60に入力する。操作者は、表示装置68および入力装置70を使用してインタラクティブ(interactive)に本X線CT装置を操作する。
【0040】
図2は、ガントリを側面から見たときの図である。図2に示すように、X線管20から放射されたX線は、アパーチャ22により扇状のX線ビーム400となるように成形され、X線検出器24に照射されるようになっている。このようなX線ビーム400の扇面に体軸を交差させて、撮影テーブル4に載置された被検体8がX線照射空間に搬入される。
【0041】
X線照射空間は、ガントリ2の筒状構造の内側空間に形成される。X線ビーム400によってスライス(slice)された被検体8の像が、X線検出器24に投影される。X線検出器24によって、被検体8を透過したX線が検出される。被検体8に照射するX線ビーム400の厚みthは、アパーチャ22のアパーチャの開度により調節される。
【0042】
X線管20、アパーチャ22およびX線検出器24は、それらの相互関係を保ったまま被検体8の体軸の周りを回転する。1スキャン(scan)当たり複数のビュー、例えば1000ビュー程度の投影データが収集される。投影データの収集は、X線検出器24−データ収集部26−データ収集バッファ64の系統によって行われる。
【0043】
データ収集バッファ64に収集された投影データに基づいて、中央処理装置60により断層像の生成すなわち画像再構成が行われる。
【0044】
なお、ここでは、図2に示すように、被検体8の体軸方向、すなわち撮影テーブル4の被検体8の搬送方向をz方向とする。また、鉛直方向をy方向、y方向およびz方向に直交する水平方向をx方向とする。
【0045】
これより、本実施形態によるストリークアーチファクト低減処理について説明する。
【0046】
図3は、本実施形態に係るX線CT装置におけるストリークアーチファクト低減処理に関わる部分の機能ブロック図である。また、図4は、本実施形態によるストリークアーチファクト低減処理のフローチャートである。
【0047】
図3に示すように、本X線CT装置は、高周波画像生成部601、ストリーク画素候補検出部602、候補絞込部603、およびストリークアーチファクト低減部604を有している。
【0048】
記憶装置66には、既に再構成されたCT画像が記憶されているものとする。
【0049】
ステップ(step)S1では、高周波画像生成部601が、図6に示すようなストリークアーチファクトを含むCT画像Pを記憶装置66から読み出して取得する。
【0050】
ステップS2では、高周波画像生成部601が、CT画像Pを平滑化してCT平滑化画像PFを生成する。
【0051】
ステップS3では、高周波画像生成部601が、CT画像PからCT平滑化画像PFを減算して、図7に示すような、CT画像Pのエッジ(edge)成分すなわち高周波成分を表す高周波画像PHを生成する。一般的に、このような高周波画像PHでは、高周波成分の上に凸となる画素値の変化、すなわちCT画像Pにおける上に凸となる画素値(CT値)の変化が、正の画素値で現れ、高周波成分の下に凸となる画素値の変化、すなわちCT画像Pにおける下に凸となる画素値(CT値)の変化が、負の画素値で現れる。したがって、高周波画像PHでは、ストリークアーチファクトの成分stが、正の画素値を持つ画素が直線状に連続して並ぶ画素パターン、および、負の画素値を持つ画素が直線状に連続して並ぶ画素パターンとして現れる(以下、これらの画素パターンを連続画素パターンという)。
【0052】
ステップS4では、ストリーク画素候補検出部602が、高周波画像PH上で、ストリークアーチファクトの成分stを表す画素の候補(以下、ストリーク画素候補という)を検出する処理(以下、ストリーク画素候補検出処理という)を行う。
【0053】
ここで、ストリーク画素候補検出処理について詳しく説明する。図5は、ストリーク画素候補検出処理のフローチャートである。
【0054】
ステップS41では、高周波画像PHにおける1つの画素PHijを注目画素APとして選択する。
【0055】
ステップS42では、所定の方向を連続画素パターンの検出ライン方向として選択する。ここでは、図8に示すように、360°を均等に分ける12方向D1〜D12を定め、これらのうち1つの方向を検出ライン方向Dkとして選択する。
【0056】
ステップS43では、注目画素APを通り、検出ライン方向Dkに延びる検出ラインLak設定する。
【0057】
ステップS44では、検出ラインLak上で、画素値の所定の基準値に対する大小関係が同じである画素が、注目画素APを含めてN個以上並んでいる連続画素パターンを検出する処理を行う。ここでは、一例として、所定の基準値を0(零)とし、画素値の正負が注目画素APと同じである画素(以下、同類画素という)が注目画素APを含めて連続してN個以上並んでいる連続画素パターンを検出する処理を行う。このような連続画素パターンが検出された場合にはステップS45に進み、検出されなかった場合にはステップS46に進む。なお、ここでは、CT画像Pおよび高周波画像PHの画像サイズとして、512×512画素のマトリクスを想定する。この場合、上記N個は、例えば5〜20個程度であり、7〜15個程度が好適である。本例では、N個=11個とする。
【0058】
図9に、検出される連続画素パターンの一例を示す。本例では、上記のように、高周波画像PHの画像サイズ(size)として、512×512画素のマトリクス(matrix)を想定している。検出ライン方向は方向D3である。検出ラインLa3上で注目画素APを中心に両側に10画素ずつ含まれる領域を連続画素確認領域Rとし、同類画素が注目画素APを含めて11個連続して並んでいるものを連続画素パターンとして検出する。(a)は、注目画素APに対して同類画素が両側にほぼ対称にある連続画素パターンCP1を示している。(b)は、注目画素APに対して同類画素が片側にある連続画素パターンCP2を示している。(c)は、注目画素APに対して同類画素が両側に非対称にある連続画素パターンCP3を示している。
【0059】
このように、注目画素APが仮にストリークアーチファクトの端に位置していたとしても、その注目画素APをストリーク画素候補として検出することができ、この検出方法は非常に柔軟性が高いことが分かる。
【0060】
ステップS45では、注目画素Aを、ストリーク画素候補に決定する。このとき、連続画素パターンが検出された検出ライン方向Dkを、このストリーク画素候補のストリーク方向と定義する。
【0061】
ステップS46では、検出ライン方向Dkとして選択されている方向は最後の方向であるか、すなわち、検出ライン方向Dkとして他に選択すべき方向がないかを判定する。最後の方向である場合には、ステップS47に進む。最後の方向でない場合には、ステップS42に戻り、別の方向を検出ライン方向に選択する。
【0062】
ステップS47では、注目画素APとして選択されている画素は最後の画素であるか、すなわち、注目画素APとして他に選択すべき画素がないかを判定する。最後の画素である場合には、ストリーク画素候補検出処理を終了する。最後の画素でない場合には、ステップS41に戻り、別の画素を注目画素に選択する。
【0063】
ステップS5では、候補絞込部603が、2以上のストリーク方向を持ち、それら2以上の方向がばらついているストリーク画素候補を候補から外す。
【0064】
ストリークアーチファクトはストリーク状の画像である。そのため、このような候補の絞込みを行えば、ストリークアーチファクトの成分、すなわちストリーク状の画像の成分を表す画素である蓋然性の低い候補を排除することができる。
【0065】
例えば、候補絞込部603は、ストリーク画素候補のうち1つの候補画素を注目候補ACとして選択する。注目候補ACのストリーク方向が2つ以上あり、かつ、これら2つ以上のストリーク方向の含まれる広がり角度θが所定の許容角度βを超えているか否かを判定する。この判定で肯定された場合には、注目候補ACはストリーク状の画像の成分を表していないものとみなし、注目候補ACを候補から外す。一方、この判定で否定された場合には、注目候補ACはストリーク状の画像の成分を表しているものとみなし、注目候補ACを候補に残す。このような処理を、注目候補を順次換えることにより、検出されたすべてのストリーク画素候補に対して行う。
【0066】
なお、許容角度βは、例えば5°〜45°程度であり、360°を均等に分ける12方向で検出処理を行うのであれば、±1方向分で30°などとすることができる。
【0067】
図10に本ステップS5による候補絞込みの事例を示す。本例では、許容角度βは30°(±1方向)である。(a)は、12の検出ライン方向D1〜D12のうち方向D3,D4をストリーク方向に持つストリーク画素候補C1を示している。この場合、ストリーク方向としての方向D3,D4が含まれる広がり角度θは15°であり、許容角度βの30°を超えないので、このストリーク画素候補C1は候補として残す。なお、この際、後に行われるさらなる候補の絞込みを容易にするため、ストリーク方向を方向D3またはD4のいずれか1つに決定しておくとよい。(b)は、方向D2,D3,D4をストリーク方向に持つストリーク画素候補C2を示している。この場合、広がり角度θは30°であり、許容角度βの30°を超えないので、このストリーク画素候補C2は候補として残す。なお、このストリーク画素候補C2のストリーク方向は、例えば真中を取って方向D3に決定する。(c)は、方向D2〜D5をストリーク方向に持つストリーク画素候補C3を示している。この場合、広がり角度θは45°であり、許容角度βの30°を超えているので、このストリーク画素候補C3は候補から外す。(d)は、方向D3,D6をストリーク方向に持つストリーク画素候補C4を示している。この場合も、広がり角度θは45°であり、許容角度βの30°を超えているので、このストリーク画素候補C4は候補から外す。
【0068】
ステップS6では、候補絞込部603が、被検体の特定の組織上に位置するストリーク画素候補を候補から外す。
【0069】
被検体の組織や物質の中には、造影血管や肋骨などのように、CT画像Pにおいてストリーク状の陰影として現れやすいものがある。そこで、このような候補の絞込みを行えば、元々ストリーク状になって現れやすい特定の組織や物質上の候補を排除し、正しく描写された組織等の陰影がストリークアーチファクトの成分として誤検出されることを防ぐことができる。
【0070】
例えば、候補絞込部603は、ストリーク画素候補のうち1つの候補画素を注目候補ACとして選択する。CT画像PもしくはCT平滑化画像PFにおける注目候補ACの対応画素の画素値、または注目候補ACの画素値が、上記特定の組織や物質を表す画素値に相当する所定の数値範囲γに含まれているか否かを判定する。この判定で肯定された場合には、注目候補ACが上記特定の組織や物質上の候補であるとみなし、注目候補ACを候補から外す。一方、この判定で否定された場合には、注目候補ACは上記特定の組織や物質上の候補ではないとみなし、注目候補ACを候補に残す。このような処理を、注目候補を順次換えることにより、ステップS5で検出されたすべてのストリーク画素候補に対して行う。
【0071】
ステップS7では、候補絞込部603が、ストリーク画素候補により構成される画像において点状に分布している、すなわち他の候補と空間的に連続的に繋がっていないストリーク画素候補を候補から外す。
【0072】
ストリークアーチファクトは直線性を有している。したがって、ストリーク画素候補が真にストリークアーチファクトの成分を表す画素であれば、通常、点状に分布することはない。そこで、このような候補の絞込みを行えば、ストリークアーチファクトの成分を表す画素である蓋然性の低い候補を排除することができる。
【0073】
例えば、候補絞込部603は、ストリーク画素候補により構成される画像において、候補画素の1つを注目候補ACとして選択する。そして、この注目候補ACを含む比較的狭い局所領域RK1を設定する。この局所領域RK1内に含まれる他のストリーク画素候補であって、ストリーク方向が注目候補ACのそれと所定の許容角度δ1以内で一致しているストリーク画素候補の数を求める。求めた候補の数が所定の閾値η1以下であるか否かを判定する。この判定で肯定された場合には、注目候補ACの近傍領域において、ストリーク方向が一致する候補同士が密集して存在しておらず、注目候補ACは点状に分布しているものとみなし、注目候補ACを候補から外す。一方、この判定で否定された場合には、注目候補ACは点状に分布しておらず、他の候補と繋がりがあるものとみなし、注目候補ACを候補に残す。このような処理を、注目候補を順次換えることにより、ステップS6で残されたすべてのストリーク画素候補に対して行う。
【0074】
なお、局所領域RK1は、例えば、CT画像Pの画像サイズが512×512画素のマトリクスである場合に、3×3画素や5×5画素の領域とすることができる。
【0075】
また、許容角度δ1は、設定される検出ライン方向の数を考慮して経験的に決めることができ、通常では0°〜45°程度である。例えば、360°を均等に分ける12方向で検出処理を行うのであれば、0°または±1方向で±15°とすることができる。また例えば、360°を均等に分ける16方向で検出処理を行うのであれば、0°または±1方向で±12.5°などとすることができる。
【0076】
また、閾値η1は局所領域RK1の大きさを考慮して経験的に決めることができる。例えば、局所領域RK1が3×3画素のマトリクスであれば、閾値η1は1〜6程度であり、2〜4程度が好適である。また例えば、局所領域RK1が5×5画素のマトリクスであれば、閾値η1は2〜14程度であり、4〜9程度が好適である。
【0077】
図11に本ステップS7による候補絞込みの事例を示す。本例では、局所領域RK1は注目候補ACを中心とする5×5画素のマトリクスである。数字の入っている画素はストリーク画素候補である。画素内の数字はストリーク方向を示しており、例えば数字「4」は方向D4を意味する。閾値η1は4である。許容角度δ1は0°、つまりストリーク方向が注目候補ACと完全に一致している候補だけを計数する。(a)は、局所領域RK1内に、ストリーク方向が注目候補ACと同じである他の候補が多く含まれている例を示している。注目候補ACのストリーク方向は方向D4である。ストリーク方向がこれと一致する他の候補の数は10個であり、閾値η1である4を超えているので、注目候補ACは候補に残す。(b)は、局所領域RK1内に、ストリーク方向が注目候補ACと同じである他の候補があまり含まれていない例を示している。注目候補ACのストリーク方向は方向D4である。ストリーク方向がこれと一致する他の候補の数は2個であり、閾値η1である4以下であるので、注目候補ACは候補から外す。
【0078】
ステップS8では、候補絞込部603が、所定の方向にストリーク方向を有しているストリーク画素候補を、候補から外す。
【0079】
ストリークアーチファクトのストリーク方向は、そのアーチファクトが発生する要因によって定まることが多い。また、そのストリーク方向は、CT画像において一定の方向ではなく、自身の画素位置に応じて変化することが多い。例えば、検出器のチャネル方向の分解能に起因するストリークアーチファクトは、CT画像の再構成中心すなわちアイソセンタ(iso-center)を中心とする円周方向に沿って現れることが多い。そのため、このような候補の絞込みを行えば、必要に応じて、特定の要因によって発生するストリークアーチファクトのみを低減対象にしたり、逆に低減対象から外したりすることができる。
【0080】
例えば、候補絞込部603は、ストリーク画素候補により構成される画像において、候補画素の1つを注目候補ACとして選択する。注目候補ACの画素位置にて、ある特定の要因によりストリークアーチファクトが発生すると仮定した場合における、そのアーチファクトのストリーク方向を求める。求めたストリーク方向と注目候補ACのストリーク方向とが一致するか否かを判定する。この判定で肯定された場合には、注目候補ACは、特定の要因により発生するストリークアーチファクトの成分を表すものとみなし、注目候補ACを候補から外す。一方、この判定で否定された場合には、注目候補ACは、特定の要因により発生するストリークアーチファクトの成分を表すものではないとみなし、注目候補ACを候補に残す。このような処理を、注目候補を順次換えることにより、ステップS7で残されたすべてのストリーク画素候補に対して行う。
【0081】
ステップS9では、候補絞込部603が、ストリーク方向が同一または類似する他の候補が周辺に少ないストリーク画素候補を、候補から外す。
【0082】
ストリークアーチファクトは、直線が縞状になって現れる。したがって、ストリークアーチファクトの成分を表す画素は、局所領域内において密集し、そのストリーク方向は略一定である。そのため、このような候補の絞込みを行えば、ストリークアーチファクトの成分を表す画素である蓋然性の低い候補を排除することができる。
【0083】
例えば、候補絞込部603は、ストリーク画素候補により構成される画像において、候補画素の1つを注目候補ACとして選択する。そして、この注目候補ACを含む比較的広い局所領域RK2を設定する。なお、この局所領域RK2は、ステップS7で説明した局所領域RK1より大きい。この局所領域RK2内に含まれる他のストリーク画素候補であって、ストリーク方向が注目候補ACのそれと所定の許容角度δ2以内で一致しているストリーク画素候補の数を求める。求めた候補の数が所定の閾値η2以下であるか否かを判定する。この判定で肯定された場合には、注目候補ACの周辺において、注目候補ACとストリーク方向が略一致する他の候補が少ないとみなし、注目候補ACを候補から外す。一方、この判定で否定された場合には、注目候補ACの周辺において、注目候補ACとストリーク方向が略一致する他の候補が多いとみなし、注目候補ACを候補に残す。このような処理を、注目候補を順次換えることにより、ステップS8で残されたすべてのストリーク画素候補に対して行う。
【0084】
なお、許容角度δ2は、設定される検出ライン方向の数を考慮して経験的に決めることができ、通常では0°〜45°程度である。例えば、360°を均等に分ける12方向で検出処理を行うのであれば、0°または±1方向で±15°とすることができる。また例えば、360°を均等に分ける16方向で検出処理を行うのであれば、0°または±1方向で±12.5°などとすることができる。また、閾値η2は局所領域RK2の大きさを考慮して経験的に決めることができる。例えば、局所領域RK2が7×7画素のマトリクスであれば、閾値η2は3〜20程度であり、6〜13程度が好適である。また例えば、局所領域RK2が9×9画素のマトリクスであれば、閾値η2は5〜26程度であり、8〜17程度が好適である。
【0085】
図12に本ステップS9による候補絞込みの事例を示す。本例では、局所領域RK2は注目候補ACを中心とする9×9画素のマトリクスである。閾値η2は8である。許容角度δは0°、つまりストリーク方向が注目候補ACと完全に一致している候補だけを計数する。画素内の数字はストリーク方向を示しており、例えば「4」は方向D4を意味する。(a)は、局所領域RK2内に、ストリーク方向が注目候補ACと同じである他の候補が多く含まれている例を示している。注目候補ACのストリーク方向は方向D4である。ストリーク方向がこれと一致する他の候補の数は29個であり、閾値η2である8を超えているので、注目候補ACは候補に残す。(b)は、局所領域RK2内に、ストリーク方向が注目候補ACと同じである他の候補があまり含まれていない例を示している。注目候補ACのストリーク方向は方向D4である。ストリーク方向がこれと一致する他の候補の数は4個であり、閾値η2である8以下であるので、注目候補ACは候補から外す。このような処理を、注目候補を順次換えることにより、ステップS8で残されたすべてのストリーク画素候補に対して行う。
【0086】
ステップS10では、候補絞込部603が、再び、点状に分布しているストリーク画素候補を候補から外す。
【0087】
ストリーク画素候補により構成される画像において点状に分布しているストリーク画素候補については、ステップS7にて一度排除している。しかし、ステップS8,S9にて、さらに候補の絞込みを行っているため、その後、点状に分布しているストリーク画素候補が発生している可能性がある。そこで、再度、点状に分布しているストリーク画素候補を排除して、候補の確度を高める。なお、本ステップS10の処理は、ステップS7の処理と同じでよい。
【0088】
ステップS11では、ストリークアーチファクト低減部604が、ステップS5〜S10を経て絞り込まれたストリーク画素候補により構成されるストリークアーチファクト画像Sを生成する。図13にストリークアーチファクト画像Sの一例を示す。
【0089】
ステップS12では、ストリークアーチファクト低減部604が、ストリークアーチファクト画像Sを平滑化してストリークアーチファクト平滑化画像SFを生成する。
【0090】
ステップS13では、ストリークアーチファクト低減部604が、CT画像Pからストリークアーチファクト平滑化画像SFを減算して、ストリークアーチファクトが低減されたストリーク低減画像P′を生成する。図14にストリーク低減画像P′の一例を示す。
【0091】
なお、このストリーク低減画像P′の生成においては、CT画像Pから、ストリークアーチファクト平滑化画像SFではなく、ストリークアーチファクト画像Sを減算してもよい。しかし、ストリークアーチファクト平滑化画像SFを減算した方が、より自然に描写されたストリーク低減画像P′が得られる。ストリーク低減画像P′の生成には、例えば次式を用いる。
【0092】
Pij′← Pij − α×SFij ・・・(数式1)
ここで、Pij′はストリーク低減画像P′における座標(i,j)の画素値、PijはCT画像Pにおける座標(i,j)の画素値、SFijはストリークアーチファクト平滑化画像おける座標(i,j)の画素値である。また、αは0<α≦1のゲインである。
【0093】
なお、ゲインαは一定値でもよいが、可変であってもよい。例えば、ゲインαを、CT画像Pを再構成する際に用いた再構成関数の種類に応じて変化させてもよい。このようにすれば、CT画像の画質(解像度の高低など)に応じて、ストリークアーチファクトの低減度と、画像の減算による高周波ノイズの発生度とのバランスを最適化することができる。また例えば、ゲインαを、CT画像Pにおける座標(i,j)の画素値Pij、または、CT平滑化画像PFにおける座標(i,j)の画素値PFijに応じて変化させてもよい。このようにすれば、CT画像Pにおける組織の種類に応じて、上記バランスを最適化することができる。特に、CT平滑化画像PFの画素値に応じて変化させる場合、CT画像Pにおけるノイズによってゲインαが大きく振られることがないので、より自然に描写されたストリーク低減画像P′を得ることができる。
【0094】
以上、上記の実施形態によれば、ストリーク画素候補を、そのストリークの長さ、方向、濃淡、位置等に対して柔軟に検出し、ストリークアーチファクトの成分を表す画素を精度よく検出することができ、CT画像において、空間分解能の低下を抑えつつ、ストリークアーチファクトを低減することができる。
【0095】
特に、上記の実施形態では、ストリーク画素候補の絞込みを種々の観点から行っているので、ストリーク画素候補がストリークアーチファクトの成分を真に表す画素であることの確度を高めることができ、ストリークアーチファクト低減時の空間分解能の低下を強力に抑えることができる。
【0096】
なお、発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加・変更等が可能である。
【0097】
例えば、ストリーク画素候補の絞込み処理の組合せや順番は、上記の実施形態に限定されず、幾つかの観点による絞込み処理を省略したり、別の観点による絞込み処理を追加したり、順番を入れ換えたりしてもよい。また、絞込み処理の具体的な内容も、上記の実施形態に限定されない。
【0098】
また、上記のストリークアーチファクト低減処理に関わる機能ブロックを有している画像処理装置、コンピュータをこのような画像処理装置として機能させるためのプログラム、このような画像処理装置を備えている他の画像診断装置もまた発明の実施形態の一例である。例えば、発明の実施形態を磁気共鳴イメージング装置とし、ストリークアーチファクト低減処理の対象をMR画像としてもよい。
【符号の説明】
【0099】
2 ガントリ
4 撮影テーブル
6 操作コンソール
8 被検体
20 X線管
22 アパーチャ
24 X線検出器
25 コリメータ板
26 データ収集部
28 X線コントローラ
30 アパーチャコントローラ
34 回転部
36 回転コントローラ
60 中央処理装置
62 制御インタフェース
64 データ収集バッファ
66 記憶装置
68 表示装置
70 入力装置
400 X線ビーム
601 高周波画像生成部
602 ストリーク画素候補検出部
603 候補絞込部
604 ストリークアーチファクト低減部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再構成画像の高周波成分を表す画像を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像において、1つの画素を注目画素とし、画素値の所定の基準値に対する大小関係が同じである画素が該注目画素を含めて直線方向にN(2以上の整数)個以上連続して並んでいる画素パターンを検出する処理を行い、該画素パターンが検出された場合に、該注目画素を、前記再構成画像におけるストリークアーチファクトの成分を表す画素の候補として検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された候補に基づいて、前記再構成画像におけるストリークアーチファクトを低減する低減手段とを備えている画像処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記再構成画像から該再構成画像の平滑化画像を減算して、前記高周波成分を表す画像を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記低減手段は、前記再構成画像から、前記検出された候補である画素により構成されている画像または該画像の平滑化画像を減算することにより、前記ストリークアーチファクトを低減する請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記低減手段は、前記再構成画像から、前記検出された候補である画素により構成されている画像または該画像の平滑化画像における画素の画素値を、前記再構成画像もしくは該再構成画像の平滑化画像における該画素の対応画素の画素値に応じて重み付けして減算する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記低減手段は、前記再構成画像から、前記検出された候補である画素により構成されている画像または該画像の平滑化画像を、前記再構成画像の再構成に用いられた再構成関数の種類に応じて重み付けして減算する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記検出手段により検出された候補を絞り込む絞込手段をさらに備えており、
前記低減手段は、絞り込まれた候補である画素に基づいて、前記アーチファクトを低減する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記検出手段は、複数の直線方向に対して前記画素パターンを検出する処理を行い、
前記絞込手段は、前記検出手段により候補として検出された画素であって、前記画素パターンが検出された直線方向が2以上あり、これら2以上の直線方向の広がり角度が許容角度を超えている画素を候補から外す請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記絞込手段は、前記検出手段により候補として検出された画素であって、該画素の画素値、または、前記再構成画像もしくは該再構成画像の平滑化画像における該画素の対応画素の画素値が所定の範囲に含まれている画素を候補から外す請求項6または請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記絞込手段は、前記検出手段により候補として検出された画素により構成される画像において点状に分布する画素を候補から外す請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記絞込手段は、前記検出手段により候補として検出された画素であって、前記画素パターンが検出された直線方向がストリークアーチファクトの発生要因によって定まる所定の方向である画素を候補から外す請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記絞込手段は、前記検出手段により候補として検出された画素により構成される画像において、画素の1つを注目候補とし、該注目候補を含む局所領域内に含まれる他の候補の画素であって、前記画素パターンが検出された直線方向が該注目候補と許容角度内で一致している画素の数が所定値以下である場合に、該注目候補を候補から外す請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置を備えている画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−45121(P2012−45121A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188956(P2010−188956)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】