画像処理装置および画像処理装置の制御方法
【課題】省電力状態から非省電力状態への不要な移行動作が頻繁に行われる事態を防止し、省電力を効率的に行えるようにする。
【解決手段】画像処理装置は、電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行うフットセンサ33および演算処理部32と、動作モードが省電力モードに設定された状態において、第1および第2の適合状態が検出された場合に、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替えるサブ制御部26とを備える。
【解決手段】画像処理装置は、電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行うフットセンサ33および演算処理部32と、動作モードが省電力モードに設定された状態において、第1および第2の適合状態が検出された場合に、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替えるサブ制御部26とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力モードを設定可能な画像処理装置および画像処理装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、ファクシミリ装置、コピー機および複合機等の画像処理装置においては、省電力化の要請がなされている。この要請に応じて、画像処理装置では、装置内の必要でない箇所への電力供給を適宜遮断して消費電力を抑制するようにした装置が提案されている。
【0003】
ここで、画像処理装置とは、画像の形成処理(印刷処理)、画像の送信処理、あるいは画像の転送処理等を行う装置である。具体的には、コピー機や複合機のように、読取った原稿の画像やメモリに記憶した電子文書を基にして用紙に画像を形成する画像形成装置、ファクシミリ装置やネットワークスキャナ等のように、読取った原稿の画像を他の端末に送信する画像送信装置、あるいは、複合機のように読取った原稿の画像をメモリやサーバー等に転送する画像転送装置である。
【0004】
省電力化された画像処理装置では、画像処理動作を行う際に、装置内の必要でない箇所への電力供給を遮断した状態(省電力状態)から、装置を使用可能な状態(非省電力状態)に復帰させる必要がある。この場合、ユーザの利便性を考慮すれば、省電力状態から非省電力状態への移行は、ユーザがキー入力等の特定の操作をすること無しに行えることが好ましい。このようなユーザの利便性を図った画像処理装置としては、従来、次のような装置が知られている。
【0005】
特許文献1に記載の画像処理装置では、画像処理装置の前に配置したフットセンサと、画像処理装置に設けた光センサとの少なくとも一方が人の存在を検知した場合に、画像処理装置を省電力状態から非省電力状態に復帰させるようになっている。
【0006】
特許文献2に記載の画像処理装置では、画像処理装置に設けた人体検知センサ、または画像処理装置の付近に設けた人体検知センサにより人が検出され場合に、画像処理装置を使うために人が接近したものとして、画像処理装置を省電力状態から非省電力状態に復帰させるようになっている。
【0007】
特許文献3に記載の画像処理装置では、画像処理装置に設けた人体検知センサにより、人体検知センサで人が検知された状態が一定時間以上維持された場合に、画像処理装置を省電力状態から非省電力状態に復帰させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−100514号公報(平成5年4月23日公開)
【特許文献2】特開2005−17938号公報(平成17年1月20日公開)
【特許文献2】特開平9−166943号公報(平成9年6月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3に記載された画像処理装置では、フットセンサ、光センサあるいは人体検知センサにより画像処理装置の付近に人が存在することを検知している。ところが、特許文献1〜3に記載された画像処理装置では、省電力状態から非省電力状態へ切り替えるための条件は、何れも画像処理装置の付近に人が存在している状態を検知することにとどまっている。このため、この種の画像処理装置が例えばコンビニエンスストアに設置された場合には、画像処理装置が置かれた付近の棚の商品を見ることが目的で顧客が接近したり、画像処理装置の付近に単に顧客が一定時間存在した状態であっても、画像処理装置の省電力モードが解除されることになる。
【0010】
このように、従来の画像処理装置では、画像処理装置の近傍に、人が頻繁に通過する通路が存在する場合や、人が頻繁に利用する何らかの物が存在する場合に、省電力状態から非省電力状態への不要な移行動作を頻繁に行い易く、省電力を効率的に行えないという問題点を有している。
【0011】
したがって、本発明は、省電力状態から非省電力状態への不要な移行動作を頻繁に行うことを防止し、省電力を効率的に行える画像処理装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置において、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知手段と、前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知手段により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の画像処理装置の制御方法は、電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置の制御方法において、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知工程と、前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知工程により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御工程とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、検知手段は(検知工程では)、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態、および第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する。制御手段は(制御工程では)、動作モードが省電力モードに設定された状態において、検知手段により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える。
【0015】
このように、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える条件として、人が画像処理装置の近傍に存在すること(第1の適合状態)に加えて、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていること(第2の適合状態)を要求する構成では、人が画像処理装置の使用を目的として画像処理装置の近傍に存在する状態を高い確率で検知することができる。
【0016】
これにより、単に、人が画像処理装置の近傍に存在する状態を検知することによって、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える場合と比較して、画像処理装置を省電力モードから非省電力モードに無駄に移行させる事態を抑制することができ、この結果、画画像処理装置の省電力を効率よく行うことができる。
【0017】
上記の画像処理装置において、前記検出手段は、フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記フットセンサの検出信号が示す圧力の分布から、前記フットセンサ上に存在する人の足の向く方向(つま先の向く方向)を検出し、その足の向く方向を人の正面の向く方向として第2の適合状態を検知する演算手段とを備えている構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、検出手段は、フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態および第2の適合状態を検知する構成であるから、第1の適合状態の検知用、および第2の適合状態の検知用として個々のセンサが不要であり、検出手段の構成すなわち画像処理装置の構成を簡素化することができる。
【0019】
上記の画像処理装置において、前記検出手段は、フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、画像処理装置の近傍に存在する人の顔を撮影する撮像手段と、前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記撮像手段から得られた人の顔の画像データに基づいて第2の適合状態を検知する演算手段とを備えている構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、第1および第2の適合状態の検知用の情報を得るための手段として、第1の適合状態の検知用のフットセンサ、および第2の適合状態の検知用の撮像手段という一般的な手段を使用するので、検出手段を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える条件として、人が画像処理装置の近傍に存在すること(第1の適合状態)に加えて、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていること(第2の適合状態)を要求しているので、人が画像処理装置の使用を目的として画像処理装置の近傍に存在する状態を高い確率で検知することができる。これにより、単に、人が画像処理装置の近傍に存在する状態を検知することによって、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える場合と比較して、画像処理装置を省電力モードから非省電力モードに無駄に移行させる事態を抑制することができ、この結果、画画像処理装置の省電力を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態の画像処理装置としての画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像形成装置におけるフットセンサの配置状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示したフットセンサを使用する高使用可能性状態の検出原理を示す説明図である。
【図4】図1に示したフットセンサを使用する高使用可能性状態の検出原理をさらに詳細に示す説明図である。
【図5】図1に示した画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)は、図5に示したS12の一定距離内の検知処理の内容を示すフローチャート、図6(b)は、図5に示したS14の人の正面の検知処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】図1に示した演算処理部による押圧パターン検出のためのサンプリング期間中における押圧パターンの遷移を示す説明図である。
【図9】図8に示したサンプング動作により得られた押圧パターンを示す説明図である。
【図10】図1に示したフットセンサを使用した高使用可能性状態の検出原理の他の例を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態における画像処理装置としての画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示した画像形成装置におけるフットセンサおよび監視用のカメラの配置状態を示す斜視図である。
【図13】図13(a)は、図11に示した演算処理部において解析されるものであって、人の顔が正面を向いている場合のパターンを示す説明図、図13(b)は人の顔が横を向いている場合のパターンを示す説明図である。
【図14】図11に示した画像形成装置における図5のS14に示した人の正面の検知処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態の画像処理装置の一例である画像形成装置11の構成を示すブロック図である。
【0025】
画像形成装置11は、ファックス、スキャナおよびプリンタの各機能を備えた複合機である。図1に示すように、画像形成装置11は、メイン制御部(制御手段)21、HDD(ハードディスクドライブ)22、画像処理部23、スキャナ部24およびプリンタ部25を備えている。
【0026】
さらに、画像形成装置11は、サブ制御部(制御手段)26、RAM27、ROM28、RAM29、電源制御部(制御手段)30、電源31、演算処理部(演算手段)32、フットセンサ(検知手段)33、ファクス部35、ネットワーク部36および操作部37を備えている。さらに、操作部37は表示パネル38と各種キー39を備えている。
【0027】
メイン制御部21には、HDD22、画像処理部23、RAM27、ROM28およびROM28が接続され、画像処理部23にはスキャナ部24およびプリンタ部25が接続されている。
【0028】
メイン制御部21は、メインCPUによって構成され、ROM28に格納されているプログラムに基づいて、画像形成装置11全体の動作を制御する。この場合、RAM27はメイン制御部21の作業領域となる。HDD22は各種データを記憶する。
【0029】
スキャナ部24は読み取り位置に配置された原稿の画像を読み取り、原稿画像の画像データを取得する。プリンタ部25は、例えば、現像剤としてトナーを使用する電子写真方式のものである。具体的には、印刷する画像データに応じた静電潜像を感光体の表面に形成し、その静電潜像をトナーにて現像し、得られたトナー像を用紙上に転写し、用紙上のトナー像を定着装置により溶融して用紙に定着させる。定着装置すなわちプリンタ部25は、電力消費の多い加熱ヒータを備えている。
【0030】
画像処理部23は、例えばスキャナ部24から得た画像データに対して、プリンタ部25での印刷に適した画像処理を行う。
【0031】
サブ制御部26には、ROM28、RAM29、電源制御部30、演算処理部32、操作部37、ファクス部35およびネットワーク部36が接続されている。電源制御部30には電源31が接続され、演算処理部32にはフットセンサ33が接続されている。
【0032】
サブ制御部26は、サブCPUによって構成され、メイン制御部21と通信する。さらに、操作部37の各種キー39からの入力、演算処理部32からの入力、およびROM28に格納されているプログラムに基づいて、表示パネル38、ファクス部35、ネットワーク部36およびの電源制御部30の動作を制御する。この場合、RAM29はサブ制御部26の作業領域となる。
【0033】
表示パネル38は、例えばタッチパネル方式の表示装置からなり、ユーザへの各種表示を行うとともに、ユーザからの各種指示入力が行われるものであり、表示部および入力部としての機能を有する。各種キー39は、表示パネル38の隣に配置されており、ユーザが各種指示入力を行うためのキーである。この各種キー39には、後述する省電力対象系への電源供給の停止等を指示するための節電キーが含まれている。
【0034】
ファクス部35はファクシミリの送受信を行う。ネットワーク部36はネットワークと接続されており、ネットワークを介して外部の装置とデータの送受信を行う。
【0035】
電源制御部30は、サブ制御部26からの指示を受けて電源31による電力供給動作を制御する。電源31は画像形成装置11の各部への電力供給を行う。
【0036】
ここで、画像形成装置11は、電力供給制御の面から、通常動作モード、待機モードおよび省電力モードを有している。通常動作モードおよび待機モードでは、画像形成装置11の各部に対して電力供給が行われる。これに対し、省電力モードでは、画像形成装置11の各部のうち、常時電源オン系に属する各部に対しては電力供給が維持される一方、省電力対象系に属する各部に対しては電力供給が停止される。また、待機モードは何らかの動作についての指示待ちの状態であり、通常動作モードは指示を受けて何らかの動作を実行しているモードである。
【0037】
画像形成装置11では、各部が省電力対象系(図1の符号40の部分)と常時電源オン系(図1の符号40以外の部分)とに分かれている。本実施の形態において、省電力対象系に属するのは、メイン制御部21、HDD22、画像処理部23、スキャナ部24、プリンタ部25および表示パネル38であり、常時電源オン系に属するのはこれら以外の各部である。
【0038】
画像形成装置11では、電源スイッチがオンされた場合に、起動時の所定の動作を行った後、待機モードとなる。その後、一定時間、使用されなければ待機モードから省電力モードへ移行する。また、各種キー39の節電キーが操作された場合にも、待機モードから省電力モードへ移行する。
【0039】
一方、待機モードあるいは省電力モードから通常動作モードへの移行は、ファクス部35により外部からファクシミリを受信して印刷を行う場合や、操作部37においてユーザからの入力操作を受けた場合に行われる。さらに、後述するように、ユーザが画像形成装置11を使用する可能性が高い状態、すなわち高使用可能性状態が検出された場合には省電力モードから待機モードへ移行する。
【0040】
演算処理部32は、フットセンサ33での検出結果を入力し、その検出結果から、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在し(第1の適合状態)、かつそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)、すなわち高使用可能性状態であるかどうかを判定する。その判定結果はサブ制御部26に伝えられる。サブ制御部26は、高使用可能性状態であることを示す入力を演算処理部32から受けると、動作モードを省電力モードから待機モードへ移行させ、待機モードであることを電源制御部30に知らせる。そこで、電源制御部30は、常時電源オン系への電力供給に加えて、省電力対象系への電力供給が行われるように電源31を制御する。
【0041】
図2は図1に示した画像形成装置11におけるフットセンサ33の配置状態を示す斜視図である。フットセンサ33は、図2に示すように、画像形成装置11の正面に沿って床面上に配置されている。
【0042】
図3は、図1に示したフットセンサ33を使用した高使用可能性状態の検出原理を示す説明図である。フットセンサ33は、フロアマット型の検出器であり、多数の圧力センサ51が並べて配置されている。圧力センサ51の配置密度は、その上に載った人の靴の裏面形状を判別できる程度となっている。なお、フットセンサ33については、例えば特開平6−823320号あるいは特開平7−55607号に開示された圧力センサを使用することができる。
【0043】
図3に示す線分Lは、画像形成装置11の正面の範囲、すなわち画像形成装置11の幅に相当する長さである。起点マークMは、線分Lの中心に位置し、フットセンサ33における検出座標の原点となっている。
【0044】
フットセンサ33は、上記のように、画像形成装置11に対するユーザの高使用可能性状態、すなわちユーザが画像形成装置11の近傍に存在することの検出(第1の検知動作)、およびそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていることの検出(第2の検知動作)に使用するものである。
【0045】
このうち、第1の検知動作は、フットセンサ33上の、時間的に連続して検出されたユーザの両足(2つのパターン)の位置から、ユーザの位置座標Yを求め(処理a1)、ユーザの位置座標Yと起点マークM(原点座標)との距離D1が、ユーザ(人)が画像形成装置11の近傍に存在すると判定できる所定の距離D0以内であるかどうかを判定するものである(処理a2)。
【0046】
一方、第2の検知動作は、フットセンサ33上ユーザの両足の各々の向く方向を検出し(処理b1)、その検出結果と上記処理a1の検出結果とから、フットセンサ33上のユーザの正面が向いている方向を想定し(処理b2)、その方向が、画像形成装置11の正面を向いていると見なし得る範囲内にある場合に、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていると判定するものである(処理b3)。
【0047】
次に、上記第1および第2の検知動作について具体的に説明する。図4は、図1に示したフットセンサ33を使用した高使用可能性状態の検出原理をさらに詳細に示す説明図である。
【0048】
まず、第1の検知動作について説明する。図4に示すように、フットセンサ33上にユーザの両足が存在する場合、フットセンサ33の圧力センサ51にて、一方の靴の形(靴の裏面の形)がパターンAとして検出され、他方の靴の形(靴の裏面の形)がパターンBとして検出される。
【0049】
フットセンサ33からパターンA,Bの検出信号を受け取った演算処理部32では、パターンAの中心点P1と、パターンBの中心点P2とを求め、これら両中心点P1,P2を結ぶ線分の中点をユーザの位置座標Yとする(処理a1)。
【0050】
次に、演算処理部32では、ユーザの位置座標Yと起点マークM(原点座標)との距離D1を求め、求めた距離D1が所定の距離D0以内であるかどうかを判定する。なお、距離D0は、この距離D0以内であれば、フットセンサ33上の人(ユーザ)が画像形成装置11の近傍に存在すると見なし得る距離である(処理a2)。
【0051】
次に、第2の検知動作について説明する。演算処理部32では、フットセンサ33からパターンA,Bの検出信号を受け取ると、パターンA,Bが示す靴の向いている方向から、パターンAのベクトルV1とパターンBのベクトルV2とを求める。この場合、パターンA,Bでは、各パターンA,Bに含まれる二つの領域のうち、面積の大きい方の領域が前(つま先側)、小さい方の領域が後ろ(踵側)となる。また、ベクトルV1,V2の大きさは同一である(処理b1)。
【0052】
次に、演算処理部32では、ベクトルV1,V2を処理a1にて求めたユーザの位置座標Yを始点として合成し、正方向ベクトルV12を求める。このベクトルV12の方向は、フットセンサ33上のユーザの正面が向いている方向となる(処理b2)。
【0053】
次に、演算処理部32は、ユーザの位置座標Yを始点とするベクトルV12の方向が所定の範囲内にあるかどうか、すなわちユーザの正面が向いている方向が画像形成装置11の正面を向いていると見なし得る範囲にあるかどうかを判定する(処理b3)。
【0054】
なお、処理b3での判定手法としては、次の第1および第2の手法がある。第1の手法は、ユーザの位置座標Yを始点とするベクトルV12の方向がユーザの位置座標Yを中心とする見込み角αの範囲内にあるかどうかを判定するものである。見込み角αは、ユーザの位置座標Yと、画像形成装置11の正面の範囲を示す線分L(図3参照)の両端とを結ぶ両直線のなす角度である。なお、ベクトルV12の方向が見込み角αの範囲内にあれば、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていると判定する。
【0055】
第2の手法は、ユーザの位置座標Yを始点とするベクトルV12の延長線が線分Lと交わるかどうかを判定するものである。なお、ベクトルV12の延長線が線分Lと交われば、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていると判定する。
【0056】
上記の構成において、本実施の形態の画像形成装置11の動作について以下に説明する。
【0057】
図5は、図1に示した画像形成装置11の動作を示すフローチャートである。図5に示すように、画像形成装置11では、電源スイッチがオンされると、所定の起動処理を行う(S1)。この起動処理では、画像形成装置11の各部に対して電源31から電力が供給される。
【0058】
起動処理が完了すると(S2)、省電力モードへの移行タイマをセットし(S3)、そのタイマをスタートさせる(S4)。その後、何らかのジョブが発生すると(S5)、省電力モードへの移行タイマをクリアし(S7)、指示されたジョブを実行する(S7)。ジョブが終了すると(S8)、S3へ戻る。
【0059】
一方、S5においてジョブが発生せず、省電力モードへの移行タイマに設定された一定時間が経過すると(S9)、省電力モードへ移行する(S11)。この省電力モードでは、電源31から省電力対象系への電力供給が停止され、電源31から常時電源オン系のみへの電力供給が行われる。
【0060】
また、S9での一定時間経過前に、操作部37の各種キー39に含まれる節電キーが操作されると(S10)、省電力モードへ移行する(S11)。さらに、S9での一定時間経過前に、S10にて節電キーが操作されなければ、S5へ戻る。
【0061】
S11において省電力モードに移行した後は、高使用可能性状態の検知処理における、画像形成装置11からの一定距離内の検知処理を行う(S12、処理a1)。
【0062】
次に、この検知処理の結果から、画像形成装置11からの一定距離内に人がいるかどうかを判定する(S13、処理a2)。なお、S13の処理は、起点マークM(原点座標)とユーザの位置座標Yとの距離D1が、人(ユーザ)が画像形成装置11の近傍に存在すると判定できる所定の距離D0以内であるかどうかを判定するものである。
【0063】
S13での判定の結果、画像形成装置11からの一定距離内に人がいれば、高使用可能性状態の検知処理における、人の正面の検知処理、すなわち、その人の正面が向いている方向の検知処理を行う(S14、処理b1,b2)。
【0064】
S14の検知処理の結果から、人の正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定し(S15、処理b3)、人の正面が画像形成装置11の正面を向いていれば、省電力モードから待機モードへの移行を開始する(S16)。その後、処理はS3へ戻る。
【0065】
一方、S13において画像形成装置11からの一定距離内に人がいることが検知されない状態、あるいはS15において人の正面が画像形成装置11の正面を向いていることが検知されない状態において、節電キーが操作されると(S17)、S16に進んで省電力モードから待機モードへの移行を開始する。また、節電キーが操作されなければS12へ戻る。
【0066】
なお、上記節電キーが操作された場合の画像形成装置11の動作は、上記のように待機モードにおいて節電キーが操作された場合には待機モードから省電力モードへ移行する一方、省電力モードにおいて節電キーが操作された場合には省電力モードから待機モードへ移行するようになっている。
【0067】
次に、図5に示したS12の一定距離内の検知処理(第1の検知動作)について説明する。図6(a)は、図5に示したS12の一定距離内の検知処理(処理a1)の内容を示すフローチャートである。
【0068】
この処理では、フットセンサ33においてオン箇所の発生の有無(オンとなった圧力センサ51の有無)を監視し(S21)、オン箇所が発生すると、オン箇所における押圧パターン(図4に示したパターンA,B)を検出する(S22)。
【0069】
次に、押圧パターンが人の靴の裏面のパターンと一致するかどうかを判定し(S23)、一致する場合には押圧パターンから人の立位置の中心点(図4に示した人の位置座標Y)を算出する(S24、処理a1)。
【0070】
なお、S23の判定では、例えば、検出した押圧パターンとあらかじめ登録されている各種靴のパターンとのパターンマッチングを行い、検出した押圧パターンが登録されている何れかの靴の裏面のパターンと一致すれば、押圧パターンは人の靴の裏面のパターンと一致すると判定する。
【0071】
次に、図3に示した起点マークM(原点座標)とユーザの位置座標Yとの距離D1を算出し(S25)、さらに押圧パターンの向き(パターンAのベクトルV1およびパターンBのベクトルV2)を算出する(S26、処理b1)。
【0072】
なお、押圧パターンの向きは、押圧パターン(靴の裏面のパターン)の形状によって検出可能である。また、押圧パターンが生じる場合には、通常、フットセンサ33上に最初は靴の踵が着地し、最後にはつま先が着地する。したがって、押圧パターンの向きは、時間経過に伴う押圧パターンの変化を調べることにより求めることもできる。
【0073】
次に、図5に示したS14の人の正面の検知処理について説明する。図6(b)は、図5に示したS14の人の正面の検知処理の内容を示すフローチャートである。
【0074】
この処理では、図6(a)のS26にて求めた二つの押圧パターンの向き(パターンAのベクトルV1およびパターンBのベクトルV2)を合成し、図6(a)のS24にて求めたユーザの位置座標Yを始点とする合成ベクトル(正方向ベクトルV12)を求める(S31、処理b2)。
【0075】
次に、図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理について説明する。図7は、図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理の内容を示すフローチャートである。図8は、図1に示した演算処理部32による押圧パターン検出のためのサンプリング期間中における押圧パターンの遷移を示す説明図である。図9は、図8に示したサンプング動作により得られた押圧パターンを示す説明図である。
【0076】
図8に示すように、人がフットセンサ33上を移動すると、靴の裏面によるフットセンサ33への押圧パターンは、時間の経過とともに遷移する。したがって、時間の経過とともに遷移する押圧パターンをサンプリングすることにより、図9に示す押圧パターンが得られる。
【0077】
図7において、押圧パターンの検出処理では、まず、サンプリングタイマをセットし(S41)、サンプリングタイマをスタートして(S42)、サンプリングを開始する(S43)。
【0078】
その後、タイマの計時が終了すると(S44)、各サンプリングによって得られた押圧パターンを合成し(S45)、押圧パターンの形状を特定する(S46)。なお、S46の処理では、合成された押圧パターンを二値化することにより、押圧パターンの形状を特定する。これにより、図9に示した押圧パターンが得られる。
【0079】
なお、以上の処理において、一つの押圧パターンのみによって、画像形成装置11からの一定距離内に人がいること検知する場合、S24において求めるのは一つの押圧パターンの中心点であり、S25において求めるのは、一つの押圧パターンの中心点と起点マークM(原点座標)との距離であり、S13の判定はこの距離が所定の距離D0以内であるかどうかを判定するものとなる。
【0080】
同様に、一つの押圧パターンのみによって、人の正面が画像形成装置11の正面を向いていることを検知する場合、S26において求めるのは一つの押圧パターンの向きであり、S15の判定は一つの押圧パターンの向きにより人の正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定するものとなる。
【0081】
次に、高使用可能性状態を検出するための他の手法について説明する。図10は、図1に示したフットセンサ33を使用した高使用可能性状態の検出原理の他の例を示す説明図である。
【0082】
まず、第1の検知動作について説明する。図10に示すように、フットセンサ33上にユーザの両足が存在する場合、フットセンサ33の圧力センサ51にて、両方の靴による押圧パターンがそれぞれ検出される。ここで、この例では、フットセンサ33上の人が例えば裏面が平坦な靴を履いている場合であっても、一つの靴について検出される押圧パターンが靴の前部と靴の後部との二つの領域に分かれるように、フットセンサ33(各圧力センサ51)の検出値を有効とする閾値が、図4に示した例の場合よりも高く設定されている。したがって、両方の靴による押圧パターンは、前部領域e1と後部領域e2とを有するパターンE、および前部領域f1と後部領域f2とを有するパターンFとなる。
【0083】
フットセンサ33からパターンE,Fの検出結果を受け取った演算処理部32では、パターンEについて、前部領域e1の中心点eP1と後部領域e2の中心点eP2とを求め、同様に、パターンFについて、前部領域f1の中心点fP1と後部領域f2の中心点fP2とを求める。そして、中心点eP2と中心点fP2とを結ぶ線分の中点をユーザの位置座標X1とする(処理a12(前記処理a1に対応))。位置座標X1は図4での位置座標Yに対応するものである。
【0084】
次に、演算処理部32では、ユーザの位置座標X1と起点マークM(原点座標)との距離D2を求め、求めた距離D2が所定の距離D0以内であるかどうかを判定する。なお、距離D0は、この距離D0以内であれば、フットセンサ33上の人(ユーザ)が画像形成装置11の近傍に存在すると見なし得る距離である(処理a22(前記処理a2に対応))。
【0085】
次に、第2の検知動作について説明する。演算処理部32では、パターンEの前部領域e1の中心点eP1とパターンFの前部領域f1の中心点fP1とを結ぶ線分の中点を位置座標X2とする。そして、位置座標X1を始点として位置座標X2を通る直線L2の方向を、フットセンサ33上のユーザの正面が向いている方向とする(処理b12,b22(前記処理b1,b2に対応))。
【0086】
次に、演算処理部32は、直線L2の方向が、ユーザの正面の向いている方向を画像形成装置11の正面を向いていると見なし得る範囲にあるかどうかを判定する(処理b32(前記処理b3に対応))。なお、処理b32での判定手法としては、処理b3での判定手法として説明した第1もしくは第2の手法を使用できる。
【0087】
また、図10に示した方式による処理の詳細は、図4に示した方式による処理の詳細を示した図5〜図9に示した処理と同様である。
【0088】
以上のように、本実施の形態では、フットセンサ33の検出信号に基づいてユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態(第1の適合状態)を検出し(第1の検知動作)、さらに、フットセンサ33の検出信号に基づいてそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)を検出している(第2の検知動作)。そして、各検出動作において上記の各状態が検出された場合に、高使用可能性状態であると判定し、画像形成装置11は、省電力モードから待機モードに移行するようになっている。したがって、単に、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態を検出することのみによって、ユーザが画像形成装置11を使用する可能性が高い状態、すなわち高使用可能性状態と判定する場合と比較して、高使用可能性状態を高い確率で検知することができる。これにより、画像形成装置11を省電力モードから待機モードに無駄に移行させる事態を抑制でき、画像形成装置11の省電力を効率よく行うことができる。
【0089】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図11は、本発明の他の実施の形態における画像処理装置としての画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0090】
図11に示すように、本実施の形態の画像形成装置61は、さらに監視用のカメラ(検知手段、撮像手段)34を備え、このカメラ34は、フットセンサ33とともに演算処理部32に接続されている。
【0091】
図12は図11に示した画像形成装置61におけるフットセンサ33およびカメラ34の配置状態を示す斜視図である。カメラ34は、図2に示すように、画像形成装置61において、画像形成装置61の本体部分の上部の側部に取り付けられ、画像形成装置11の近傍に存在する人の顔を撮影できるようになっている。
【0092】
本実施の形態では、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態(第1の適合状態)はフットセンサ33の検出信号に基づいて検出する(第1の検知動作)。一方、そのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)はカメラ34から得られる映像信号(画像信号)に基づいて検出する(第2の検知動作)。なお、本実施の形態において、カメラ34は画像形成装置11の電源オン状態において常時作動するものであっても、また、第1の検知動作によりユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態が検出されたときに作動するものであってもよい。
【0093】
第2の検知動作において、演算処理部32では、カメラ34から得られたユーザ(人)の映像データ(画像データ)を分析し、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定する。この判定において、演算処理部32では、例えば、あらかじめ登録されている人の顔の正面の画像とカメラ34から得られたユーザの顔の画像とのパターンマッチングを行う。なお、この処理において、分析する映像データ(画像データ)は、第1の検知動作において、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態が検出されたときのものである。
【0094】
この処理において、演算処理部32では、カメラ34から得られたユーザの顔の画像を図13(a)(b)に示すように、格子状に区切り、目など、顔の各部を抽出して、その顔が正面を向いているパターンかどうかを判定する。図13(a)は人の顔が正面を向いている場合のパターンを示す説明図、図13(b)は人の顔が横を向いている場合のパターンを示す説明図である。
【0095】
なお、ユーザが横を向いている場合、ユーザの顔の画像には片目しか存在しない。したがって、ユーザの正面の方向が、画像形成装置61の正面を向いていると見なし得る範囲内にあるかどうかの判定は、例えば、ユーザの顔の画像において少なくとも両目の存在を確認できること等によって行うことができる。
【0096】
上記の構成において、本実施の形態における画像形成装置11の動作を示すフローチャートは、図5に示したものと同様になる。また、図5に示したS12の一定距離内の検知処理の内容を示すフローチャートは、図6(a)に示したものと同様になり、図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理の内容示すフローチャートは、図7に示したものと同様になる。
【0097】
一方、図5のS14に示した人の正面の検知処理の内容に関しては、図14に示すものとなる。すなわち、人の正面の検知処理においては、図14に示すように、カメラ34からユーザ(人)の顔の画像を取得し(S51)、顔の画像を解析する(S52)。その後、図5に示したS15の処理において、S52での解析結果から、人の正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定する。
【0098】
以上のように、本実施の形態では、フットセンサ33の検出信号に基づいてユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態(第1の適合状態)を検出し(第1の検知動作)、カメラ34から得られた映像信号に基づいてそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)を検出している(第2の検知動作)。そして、各検出処理において上記の各状態が検出された場合に、高使用可能性状態であると判定し、画像形成装置11は、省電力モードから待機モードに移行するようになっている。したがって、実施の形態1の場合と同様、単に、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態を検出することのみによって、ユーザが画像形成装置11を使用する可能性が高い状態、すなわち高使用可能性状態と判定する場合と比較して、高使用可能性状態を高い確率で検知することができる。これにより、画像形成装置11を省電力モードから待機モードに無駄に移行させる事態を抑制でき、画像形成装置11の省電力を効率よく行うことができる。
【0099】
なお、本実施の形態では、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態を検出するセンサとしてフットセンサ33を使用しているが、これに代えて距離センサを使用してもよい。この場合、距離センサは、例えば画像形成装置61の前面に配置される。また、距離センサとしては、特開2008−107122あるいは特開2009−236657に開示されている周知のセンサを使用することができる。
【0100】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
11 画像形成装置(画像処理装置)
21 メイン制御部(制御手段)
26 サブ制御部(制御手段)
30 電源制御部(制御手段)
31 電源
32 演算処理部(演算手段)
33 フットセンサ(検知手段)
34 カメラ(検知手段、撮像手段)
51 圧力センサ
61 画像形成装置(画像処理装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力モードを設定可能な画像処理装置および画像処理装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、ファクシミリ装置、コピー機および複合機等の画像処理装置においては、省電力化の要請がなされている。この要請に応じて、画像処理装置では、装置内の必要でない箇所への電力供給を適宜遮断して消費電力を抑制するようにした装置が提案されている。
【0003】
ここで、画像処理装置とは、画像の形成処理(印刷処理)、画像の送信処理、あるいは画像の転送処理等を行う装置である。具体的には、コピー機や複合機のように、読取った原稿の画像やメモリに記憶した電子文書を基にして用紙に画像を形成する画像形成装置、ファクシミリ装置やネットワークスキャナ等のように、読取った原稿の画像を他の端末に送信する画像送信装置、あるいは、複合機のように読取った原稿の画像をメモリやサーバー等に転送する画像転送装置である。
【0004】
省電力化された画像処理装置では、画像処理動作を行う際に、装置内の必要でない箇所への電力供給を遮断した状態(省電力状態)から、装置を使用可能な状態(非省電力状態)に復帰させる必要がある。この場合、ユーザの利便性を考慮すれば、省電力状態から非省電力状態への移行は、ユーザがキー入力等の特定の操作をすること無しに行えることが好ましい。このようなユーザの利便性を図った画像処理装置としては、従来、次のような装置が知られている。
【0005】
特許文献1に記載の画像処理装置では、画像処理装置の前に配置したフットセンサと、画像処理装置に設けた光センサとの少なくとも一方が人の存在を検知した場合に、画像処理装置を省電力状態から非省電力状態に復帰させるようになっている。
【0006】
特許文献2に記載の画像処理装置では、画像処理装置に設けた人体検知センサ、または画像処理装置の付近に設けた人体検知センサにより人が検出され場合に、画像処理装置を使うために人が接近したものとして、画像処理装置を省電力状態から非省電力状態に復帰させるようになっている。
【0007】
特許文献3に記載の画像処理装置では、画像処理装置に設けた人体検知センサにより、人体検知センサで人が検知された状態が一定時間以上維持された場合に、画像処理装置を省電力状態から非省電力状態に復帰させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−100514号公報(平成5年4月23日公開)
【特許文献2】特開2005−17938号公報(平成17年1月20日公開)
【特許文献2】特開平9−166943号公報(平成9年6月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3に記載された画像処理装置では、フットセンサ、光センサあるいは人体検知センサにより画像処理装置の付近に人が存在することを検知している。ところが、特許文献1〜3に記載された画像処理装置では、省電力状態から非省電力状態へ切り替えるための条件は、何れも画像処理装置の付近に人が存在している状態を検知することにとどまっている。このため、この種の画像処理装置が例えばコンビニエンスストアに設置された場合には、画像処理装置が置かれた付近の棚の商品を見ることが目的で顧客が接近したり、画像処理装置の付近に単に顧客が一定時間存在した状態であっても、画像処理装置の省電力モードが解除されることになる。
【0010】
このように、従来の画像処理装置では、画像処理装置の近傍に、人が頻繁に通過する通路が存在する場合や、人が頻繁に利用する何らかの物が存在する場合に、省電力状態から非省電力状態への不要な移行動作を頻繁に行い易く、省電力を効率的に行えないという問題点を有している。
【0011】
したがって、本発明は、省電力状態から非省電力状態への不要な移行動作を頻繁に行うことを防止し、省電力を効率的に行える画像処理装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置において、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知手段と、前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知手段により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の画像処理装置の制御方法は、電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置の制御方法において、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知工程と、前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知工程により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御工程とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、検知手段は(検知工程では)、人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態、および第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する。制御手段は(制御工程では)、動作モードが省電力モードに設定された状態において、検知手段により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える。
【0015】
このように、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える条件として、人が画像処理装置の近傍に存在すること(第1の適合状態)に加えて、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていること(第2の適合状態)を要求する構成では、人が画像処理装置の使用を目的として画像処理装置の近傍に存在する状態を高い確率で検知することができる。
【0016】
これにより、単に、人が画像処理装置の近傍に存在する状態を検知することによって、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える場合と比較して、画像処理装置を省電力モードから非省電力モードに無駄に移行させる事態を抑制することができ、この結果、画画像処理装置の省電力を効率よく行うことができる。
【0017】
上記の画像処理装置において、前記検出手段は、フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記フットセンサの検出信号が示す圧力の分布から、前記フットセンサ上に存在する人の足の向く方向(つま先の向く方向)を検出し、その足の向く方向を人の正面の向く方向として第2の適合状態を検知する演算手段とを備えている構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、検出手段は、フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態および第2の適合状態を検知する構成であるから、第1の適合状態の検知用、および第2の適合状態の検知用として個々のセンサが不要であり、検出手段の構成すなわち画像処理装置の構成を簡素化することができる。
【0019】
上記の画像処理装置において、前記検出手段は、フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、画像処理装置の近傍に存在する人の顔を撮影する撮像手段と、前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記撮像手段から得られた人の顔の画像データに基づいて第2の適合状態を検知する演算手段とを備えている構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、第1および第2の適合状態の検知用の情報を得るための手段として、第1の適合状態の検知用のフットセンサ、および第2の適合状態の検知用の撮像手段という一般的な手段を使用するので、検出手段を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える条件として、人が画像処理装置の近傍に存在すること(第1の適合状態)に加えて、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていること(第2の適合状態)を要求しているので、人が画像処理装置の使用を目的として画像処理装置の近傍に存在する状態を高い確率で検知することができる。これにより、単に、人が画像処理装置の近傍に存在する状態を検知することによって、動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える場合と比較して、画像処理装置を省電力モードから非省電力モードに無駄に移行させる事態を抑制することができ、この結果、画画像処理装置の省電力を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態の画像処理装置としての画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像形成装置におけるフットセンサの配置状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示したフットセンサを使用する高使用可能性状態の検出原理を示す説明図である。
【図4】図1に示したフットセンサを使用する高使用可能性状態の検出原理をさらに詳細に示す説明図である。
【図5】図1に示した画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)は、図5に示したS12の一定距離内の検知処理の内容を示すフローチャート、図6(b)は、図5に示したS14の人の正面の検知処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】図1に示した演算処理部による押圧パターン検出のためのサンプリング期間中における押圧パターンの遷移を示す説明図である。
【図9】図8に示したサンプング動作により得られた押圧パターンを示す説明図である。
【図10】図1に示したフットセンサを使用した高使用可能性状態の検出原理の他の例を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態における画像処理装置としての画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示した画像形成装置におけるフットセンサおよび監視用のカメラの配置状態を示す斜視図である。
【図13】図13(a)は、図11に示した演算処理部において解析されるものであって、人の顔が正面を向いている場合のパターンを示す説明図、図13(b)は人の顔が横を向いている場合のパターンを示す説明図である。
【図14】図11に示した画像形成装置における図5のS14に示した人の正面の検知処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態の画像処理装置の一例である画像形成装置11の構成を示すブロック図である。
【0025】
画像形成装置11は、ファックス、スキャナおよびプリンタの各機能を備えた複合機である。図1に示すように、画像形成装置11は、メイン制御部(制御手段)21、HDD(ハードディスクドライブ)22、画像処理部23、スキャナ部24およびプリンタ部25を備えている。
【0026】
さらに、画像形成装置11は、サブ制御部(制御手段)26、RAM27、ROM28、RAM29、電源制御部(制御手段)30、電源31、演算処理部(演算手段)32、フットセンサ(検知手段)33、ファクス部35、ネットワーク部36および操作部37を備えている。さらに、操作部37は表示パネル38と各種キー39を備えている。
【0027】
メイン制御部21には、HDD22、画像処理部23、RAM27、ROM28およびROM28が接続され、画像処理部23にはスキャナ部24およびプリンタ部25が接続されている。
【0028】
メイン制御部21は、メインCPUによって構成され、ROM28に格納されているプログラムに基づいて、画像形成装置11全体の動作を制御する。この場合、RAM27はメイン制御部21の作業領域となる。HDD22は各種データを記憶する。
【0029】
スキャナ部24は読み取り位置に配置された原稿の画像を読み取り、原稿画像の画像データを取得する。プリンタ部25は、例えば、現像剤としてトナーを使用する電子写真方式のものである。具体的には、印刷する画像データに応じた静電潜像を感光体の表面に形成し、その静電潜像をトナーにて現像し、得られたトナー像を用紙上に転写し、用紙上のトナー像を定着装置により溶融して用紙に定着させる。定着装置すなわちプリンタ部25は、電力消費の多い加熱ヒータを備えている。
【0030】
画像処理部23は、例えばスキャナ部24から得た画像データに対して、プリンタ部25での印刷に適した画像処理を行う。
【0031】
サブ制御部26には、ROM28、RAM29、電源制御部30、演算処理部32、操作部37、ファクス部35およびネットワーク部36が接続されている。電源制御部30には電源31が接続され、演算処理部32にはフットセンサ33が接続されている。
【0032】
サブ制御部26は、サブCPUによって構成され、メイン制御部21と通信する。さらに、操作部37の各種キー39からの入力、演算処理部32からの入力、およびROM28に格納されているプログラムに基づいて、表示パネル38、ファクス部35、ネットワーク部36およびの電源制御部30の動作を制御する。この場合、RAM29はサブ制御部26の作業領域となる。
【0033】
表示パネル38は、例えばタッチパネル方式の表示装置からなり、ユーザへの各種表示を行うとともに、ユーザからの各種指示入力が行われるものであり、表示部および入力部としての機能を有する。各種キー39は、表示パネル38の隣に配置されており、ユーザが各種指示入力を行うためのキーである。この各種キー39には、後述する省電力対象系への電源供給の停止等を指示するための節電キーが含まれている。
【0034】
ファクス部35はファクシミリの送受信を行う。ネットワーク部36はネットワークと接続されており、ネットワークを介して外部の装置とデータの送受信を行う。
【0035】
電源制御部30は、サブ制御部26からの指示を受けて電源31による電力供給動作を制御する。電源31は画像形成装置11の各部への電力供給を行う。
【0036】
ここで、画像形成装置11は、電力供給制御の面から、通常動作モード、待機モードおよび省電力モードを有している。通常動作モードおよび待機モードでは、画像形成装置11の各部に対して電力供給が行われる。これに対し、省電力モードでは、画像形成装置11の各部のうち、常時電源オン系に属する各部に対しては電力供給が維持される一方、省電力対象系に属する各部に対しては電力供給が停止される。また、待機モードは何らかの動作についての指示待ちの状態であり、通常動作モードは指示を受けて何らかの動作を実行しているモードである。
【0037】
画像形成装置11では、各部が省電力対象系(図1の符号40の部分)と常時電源オン系(図1の符号40以外の部分)とに分かれている。本実施の形態において、省電力対象系に属するのは、メイン制御部21、HDD22、画像処理部23、スキャナ部24、プリンタ部25および表示パネル38であり、常時電源オン系に属するのはこれら以外の各部である。
【0038】
画像形成装置11では、電源スイッチがオンされた場合に、起動時の所定の動作を行った後、待機モードとなる。その後、一定時間、使用されなければ待機モードから省電力モードへ移行する。また、各種キー39の節電キーが操作された場合にも、待機モードから省電力モードへ移行する。
【0039】
一方、待機モードあるいは省電力モードから通常動作モードへの移行は、ファクス部35により外部からファクシミリを受信して印刷を行う場合や、操作部37においてユーザからの入力操作を受けた場合に行われる。さらに、後述するように、ユーザが画像形成装置11を使用する可能性が高い状態、すなわち高使用可能性状態が検出された場合には省電力モードから待機モードへ移行する。
【0040】
演算処理部32は、フットセンサ33での検出結果を入力し、その検出結果から、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在し(第1の適合状態)、かつそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)、すなわち高使用可能性状態であるかどうかを判定する。その判定結果はサブ制御部26に伝えられる。サブ制御部26は、高使用可能性状態であることを示す入力を演算処理部32から受けると、動作モードを省電力モードから待機モードへ移行させ、待機モードであることを電源制御部30に知らせる。そこで、電源制御部30は、常時電源オン系への電力供給に加えて、省電力対象系への電力供給が行われるように電源31を制御する。
【0041】
図2は図1に示した画像形成装置11におけるフットセンサ33の配置状態を示す斜視図である。フットセンサ33は、図2に示すように、画像形成装置11の正面に沿って床面上に配置されている。
【0042】
図3は、図1に示したフットセンサ33を使用した高使用可能性状態の検出原理を示す説明図である。フットセンサ33は、フロアマット型の検出器であり、多数の圧力センサ51が並べて配置されている。圧力センサ51の配置密度は、その上に載った人の靴の裏面形状を判別できる程度となっている。なお、フットセンサ33については、例えば特開平6−823320号あるいは特開平7−55607号に開示された圧力センサを使用することができる。
【0043】
図3に示す線分Lは、画像形成装置11の正面の範囲、すなわち画像形成装置11の幅に相当する長さである。起点マークMは、線分Lの中心に位置し、フットセンサ33における検出座標の原点となっている。
【0044】
フットセンサ33は、上記のように、画像形成装置11に対するユーザの高使用可能性状態、すなわちユーザが画像形成装置11の近傍に存在することの検出(第1の検知動作)、およびそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていることの検出(第2の検知動作)に使用するものである。
【0045】
このうち、第1の検知動作は、フットセンサ33上の、時間的に連続して検出されたユーザの両足(2つのパターン)の位置から、ユーザの位置座標Yを求め(処理a1)、ユーザの位置座標Yと起点マークM(原点座標)との距離D1が、ユーザ(人)が画像形成装置11の近傍に存在すると判定できる所定の距離D0以内であるかどうかを判定するものである(処理a2)。
【0046】
一方、第2の検知動作は、フットセンサ33上ユーザの両足の各々の向く方向を検出し(処理b1)、その検出結果と上記処理a1の検出結果とから、フットセンサ33上のユーザの正面が向いている方向を想定し(処理b2)、その方向が、画像形成装置11の正面を向いていると見なし得る範囲内にある場合に、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていると判定するものである(処理b3)。
【0047】
次に、上記第1および第2の検知動作について具体的に説明する。図4は、図1に示したフットセンサ33を使用した高使用可能性状態の検出原理をさらに詳細に示す説明図である。
【0048】
まず、第1の検知動作について説明する。図4に示すように、フットセンサ33上にユーザの両足が存在する場合、フットセンサ33の圧力センサ51にて、一方の靴の形(靴の裏面の形)がパターンAとして検出され、他方の靴の形(靴の裏面の形)がパターンBとして検出される。
【0049】
フットセンサ33からパターンA,Bの検出信号を受け取った演算処理部32では、パターンAの中心点P1と、パターンBの中心点P2とを求め、これら両中心点P1,P2を結ぶ線分の中点をユーザの位置座標Yとする(処理a1)。
【0050】
次に、演算処理部32では、ユーザの位置座標Yと起点マークM(原点座標)との距離D1を求め、求めた距離D1が所定の距離D0以内であるかどうかを判定する。なお、距離D0は、この距離D0以内であれば、フットセンサ33上の人(ユーザ)が画像形成装置11の近傍に存在すると見なし得る距離である(処理a2)。
【0051】
次に、第2の検知動作について説明する。演算処理部32では、フットセンサ33からパターンA,Bの検出信号を受け取ると、パターンA,Bが示す靴の向いている方向から、パターンAのベクトルV1とパターンBのベクトルV2とを求める。この場合、パターンA,Bでは、各パターンA,Bに含まれる二つの領域のうち、面積の大きい方の領域が前(つま先側)、小さい方の領域が後ろ(踵側)となる。また、ベクトルV1,V2の大きさは同一である(処理b1)。
【0052】
次に、演算処理部32では、ベクトルV1,V2を処理a1にて求めたユーザの位置座標Yを始点として合成し、正方向ベクトルV12を求める。このベクトルV12の方向は、フットセンサ33上のユーザの正面が向いている方向となる(処理b2)。
【0053】
次に、演算処理部32は、ユーザの位置座標Yを始点とするベクトルV12の方向が所定の範囲内にあるかどうか、すなわちユーザの正面が向いている方向が画像形成装置11の正面を向いていると見なし得る範囲にあるかどうかを判定する(処理b3)。
【0054】
なお、処理b3での判定手法としては、次の第1および第2の手法がある。第1の手法は、ユーザの位置座標Yを始点とするベクトルV12の方向がユーザの位置座標Yを中心とする見込み角αの範囲内にあるかどうかを判定するものである。見込み角αは、ユーザの位置座標Yと、画像形成装置11の正面の範囲を示す線分L(図3参照)の両端とを結ぶ両直線のなす角度である。なお、ベクトルV12の方向が見込み角αの範囲内にあれば、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていると判定する。
【0055】
第2の手法は、ユーザの位置座標Yを始点とするベクトルV12の延長線が線分Lと交わるかどうかを判定するものである。なお、ベクトルV12の延長線が線分Lと交われば、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いていると判定する。
【0056】
上記の構成において、本実施の形態の画像形成装置11の動作について以下に説明する。
【0057】
図5は、図1に示した画像形成装置11の動作を示すフローチャートである。図5に示すように、画像形成装置11では、電源スイッチがオンされると、所定の起動処理を行う(S1)。この起動処理では、画像形成装置11の各部に対して電源31から電力が供給される。
【0058】
起動処理が完了すると(S2)、省電力モードへの移行タイマをセットし(S3)、そのタイマをスタートさせる(S4)。その後、何らかのジョブが発生すると(S5)、省電力モードへの移行タイマをクリアし(S7)、指示されたジョブを実行する(S7)。ジョブが終了すると(S8)、S3へ戻る。
【0059】
一方、S5においてジョブが発生せず、省電力モードへの移行タイマに設定された一定時間が経過すると(S9)、省電力モードへ移行する(S11)。この省電力モードでは、電源31から省電力対象系への電力供給が停止され、電源31から常時電源オン系のみへの電力供給が行われる。
【0060】
また、S9での一定時間経過前に、操作部37の各種キー39に含まれる節電キーが操作されると(S10)、省電力モードへ移行する(S11)。さらに、S9での一定時間経過前に、S10にて節電キーが操作されなければ、S5へ戻る。
【0061】
S11において省電力モードに移行した後は、高使用可能性状態の検知処理における、画像形成装置11からの一定距離内の検知処理を行う(S12、処理a1)。
【0062】
次に、この検知処理の結果から、画像形成装置11からの一定距離内に人がいるかどうかを判定する(S13、処理a2)。なお、S13の処理は、起点マークM(原点座標)とユーザの位置座標Yとの距離D1が、人(ユーザ)が画像形成装置11の近傍に存在すると判定できる所定の距離D0以内であるかどうかを判定するものである。
【0063】
S13での判定の結果、画像形成装置11からの一定距離内に人がいれば、高使用可能性状態の検知処理における、人の正面の検知処理、すなわち、その人の正面が向いている方向の検知処理を行う(S14、処理b1,b2)。
【0064】
S14の検知処理の結果から、人の正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定し(S15、処理b3)、人の正面が画像形成装置11の正面を向いていれば、省電力モードから待機モードへの移行を開始する(S16)。その後、処理はS3へ戻る。
【0065】
一方、S13において画像形成装置11からの一定距離内に人がいることが検知されない状態、あるいはS15において人の正面が画像形成装置11の正面を向いていることが検知されない状態において、節電キーが操作されると(S17)、S16に進んで省電力モードから待機モードへの移行を開始する。また、節電キーが操作されなければS12へ戻る。
【0066】
なお、上記節電キーが操作された場合の画像形成装置11の動作は、上記のように待機モードにおいて節電キーが操作された場合には待機モードから省電力モードへ移行する一方、省電力モードにおいて節電キーが操作された場合には省電力モードから待機モードへ移行するようになっている。
【0067】
次に、図5に示したS12の一定距離内の検知処理(第1の検知動作)について説明する。図6(a)は、図5に示したS12の一定距離内の検知処理(処理a1)の内容を示すフローチャートである。
【0068】
この処理では、フットセンサ33においてオン箇所の発生の有無(オンとなった圧力センサ51の有無)を監視し(S21)、オン箇所が発生すると、オン箇所における押圧パターン(図4に示したパターンA,B)を検出する(S22)。
【0069】
次に、押圧パターンが人の靴の裏面のパターンと一致するかどうかを判定し(S23)、一致する場合には押圧パターンから人の立位置の中心点(図4に示した人の位置座標Y)を算出する(S24、処理a1)。
【0070】
なお、S23の判定では、例えば、検出した押圧パターンとあらかじめ登録されている各種靴のパターンとのパターンマッチングを行い、検出した押圧パターンが登録されている何れかの靴の裏面のパターンと一致すれば、押圧パターンは人の靴の裏面のパターンと一致すると判定する。
【0071】
次に、図3に示した起点マークM(原点座標)とユーザの位置座標Yとの距離D1を算出し(S25)、さらに押圧パターンの向き(パターンAのベクトルV1およびパターンBのベクトルV2)を算出する(S26、処理b1)。
【0072】
なお、押圧パターンの向きは、押圧パターン(靴の裏面のパターン)の形状によって検出可能である。また、押圧パターンが生じる場合には、通常、フットセンサ33上に最初は靴の踵が着地し、最後にはつま先が着地する。したがって、押圧パターンの向きは、時間経過に伴う押圧パターンの変化を調べることにより求めることもできる。
【0073】
次に、図5に示したS14の人の正面の検知処理について説明する。図6(b)は、図5に示したS14の人の正面の検知処理の内容を示すフローチャートである。
【0074】
この処理では、図6(a)のS26にて求めた二つの押圧パターンの向き(パターンAのベクトルV1およびパターンBのベクトルV2)を合成し、図6(a)のS24にて求めたユーザの位置座標Yを始点とする合成ベクトル(正方向ベクトルV12)を求める(S31、処理b2)。
【0075】
次に、図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理について説明する。図7は、図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理の内容を示すフローチャートである。図8は、図1に示した演算処理部32による押圧パターン検出のためのサンプリング期間中における押圧パターンの遷移を示す説明図である。図9は、図8に示したサンプング動作により得られた押圧パターンを示す説明図である。
【0076】
図8に示すように、人がフットセンサ33上を移動すると、靴の裏面によるフットセンサ33への押圧パターンは、時間の経過とともに遷移する。したがって、時間の経過とともに遷移する押圧パターンをサンプリングすることにより、図9に示す押圧パターンが得られる。
【0077】
図7において、押圧パターンの検出処理では、まず、サンプリングタイマをセットし(S41)、サンプリングタイマをスタートして(S42)、サンプリングを開始する(S43)。
【0078】
その後、タイマの計時が終了すると(S44)、各サンプリングによって得られた押圧パターンを合成し(S45)、押圧パターンの形状を特定する(S46)。なお、S46の処理では、合成された押圧パターンを二値化することにより、押圧パターンの形状を特定する。これにより、図9に示した押圧パターンが得られる。
【0079】
なお、以上の処理において、一つの押圧パターンのみによって、画像形成装置11からの一定距離内に人がいること検知する場合、S24において求めるのは一つの押圧パターンの中心点であり、S25において求めるのは、一つの押圧パターンの中心点と起点マークM(原点座標)との距離であり、S13の判定はこの距離が所定の距離D0以内であるかどうかを判定するものとなる。
【0080】
同様に、一つの押圧パターンのみによって、人の正面が画像形成装置11の正面を向いていることを検知する場合、S26において求めるのは一つの押圧パターンの向きであり、S15の判定は一つの押圧パターンの向きにより人の正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定するものとなる。
【0081】
次に、高使用可能性状態を検出するための他の手法について説明する。図10は、図1に示したフットセンサ33を使用した高使用可能性状態の検出原理の他の例を示す説明図である。
【0082】
まず、第1の検知動作について説明する。図10に示すように、フットセンサ33上にユーザの両足が存在する場合、フットセンサ33の圧力センサ51にて、両方の靴による押圧パターンがそれぞれ検出される。ここで、この例では、フットセンサ33上の人が例えば裏面が平坦な靴を履いている場合であっても、一つの靴について検出される押圧パターンが靴の前部と靴の後部との二つの領域に分かれるように、フットセンサ33(各圧力センサ51)の検出値を有効とする閾値が、図4に示した例の場合よりも高く設定されている。したがって、両方の靴による押圧パターンは、前部領域e1と後部領域e2とを有するパターンE、および前部領域f1と後部領域f2とを有するパターンFとなる。
【0083】
フットセンサ33からパターンE,Fの検出結果を受け取った演算処理部32では、パターンEについて、前部領域e1の中心点eP1と後部領域e2の中心点eP2とを求め、同様に、パターンFについて、前部領域f1の中心点fP1と後部領域f2の中心点fP2とを求める。そして、中心点eP2と中心点fP2とを結ぶ線分の中点をユーザの位置座標X1とする(処理a12(前記処理a1に対応))。位置座標X1は図4での位置座標Yに対応するものである。
【0084】
次に、演算処理部32では、ユーザの位置座標X1と起点マークM(原点座標)との距離D2を求め、求めた距離D2が所定の距離D0以内であるかどうかを判定する。なお、距離D0は、この距離D0以内であれば、フットセンサ33上の人(ユーザ)が画像形成装置11の近傍に存在すると見なし得る距離である(処理a22(前記処理a2に対応))。
【0085】
次に、第2の検知動作について説明する。演算処理部32では、パターンEの前部領域e1の中心点eP1とパターンFの前部領域f1の中心点fP1とを結ぶ線分の中点を位置座標X2とする。そして、位置座標X1を始点として位置座標X2を通る直線L2の方向を、フットセンサ33上のユーザの正面が向いている方向とする(処理b12,b22(前記処理b1,b2に対応))。
【0086】
次に、演算処理部32は、直線L2の方向が、ユーザの正面の向いている方向を画像形成装置11の正面を向いていると見なし得る範囲にあるかどうかを判定する(処理b32(前記処理b3に対応))。なお、処理b32での判定手法としては、処理b3での判定手法として説明した第1もしくは第2の手法を使用できる。
【0087】
また、図10に示した方式による処理の詳細は、図4に示した方式による処理の詳細を示した図5〜図9に示した処理と同様である。
【0088】
以上のように、本実施の形態では、フットセンサ33の検出信号に基づいてユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態(第1の適合状態)を検出し(第1の検知動作)、さらに、フットセンサ33の検出信号に基づいてそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)を検出している(第2の検知動作)。そして、各検出動作において上記の各状態が検出された場合に、高使用可能性状態であると判定し、画像形成装置11は、省電力モードから待機モードに移行するようになっている。したがって、単に、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態を検出することのみによって、ユーザが画像形成装置11を使用する可能性が高い状態、すなわち高使用可能性状態と判定する場合と比較して、高使用可能性状態を高い確率で検知することができる。これにより、画像形成装置11を省電力モードから待機モードに無駄に移行させる事態を抑制でき、画像形成装置11の省電力を効率よく行うことができる。
【0089】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図11は、本発明の他の実施の形態における画像処理装置としての画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0090】
図11に示すように、本実施の形態の画像形成装置61は、さらに監視用のカメラ(検知手段、撮像手段)34を備え、このカメラ34は、フットセンサ33とともに演算処理部32に接続されている。
【0091】
図12は図11に示した画像形成装置61におけるフットセンサ33およびカメラ34の配置状態を示す斜視図である。カメラ34は、図2に示すように、画像形成装置61において、画像形成装置61の本体部分の上部の側部に取り付けられ、画像形成装置11の近傍に存在する人の顔を撮影できるようになっている。
【0092】
本実施の形態では、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態(第1の適合状態)はフットセンサ33の検出信号に基づいて検出する(第1の検知動作)。一方、そのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)はカメラ34から得られる映像信号(画像信号)に基づいて検出する(第2の検知動作)。なお、本実施の形態において、カメラ34は画像形成装置11の電源オン状態において常時作動するものであっても、また、第1の検知動作によりユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態が検出されたときに作動するものであってもよい。
【0093】
第2の検知動作において、演算処理部32では、カメラ34から得られたユーザ(人)の映像データ(画像データ)を分析し、ユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定する。この判定において、演算処理部32では、例えば、あらかじめ登録されている人の顔の正面の画像とカメラ34から得られたユーザの顔の画像とのパターンマッチングを行う。なお、この処理において、分析する映像データ(画像データ)は、第1の検知動作において、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態が検出されたときのものである。
【0094】
この処理において、演算処理部32では、カメラ34から得られたユーザの顔の画像を図13(a)(b)に示すように、格子状に区切り、目など、顔の各部を抽出して、その顔が正面を向いているパターンかどうかを判定する。図13(a)は人の顔が正面を向いている場合のパターンを示す説明図、図13(b)は人の顔が横を向いている場合のパターンを示す説明図である。
【0095】
なお、ユーザが横を向いている場合、ユーザの顔の画像には片目しか存在しない。したがって、ユーザの正面の方向が、画像形成装置61の正面を向いていると見なし得る範囲内にあるかどうかの判定は、例えば、ユーザの顔の画像において少なくとも両目の存在を確認できること等によって行うことができる。
【0096】
上記の構成において、本実施の形態における画像形成装置11の動作を示すフローチャートは、図5に示したものと同様になる。また、図5に示したS12の一定距離内の検知処理の内容を示すフローチャートは、図6(a)に示したものと同様になり、図6(a)に示したS22の押圧パターンの検出処理の内容示すフローチャートは、図7に示したものと同様になる。
【0097】
一方、図5のS14に示した人の正面の検知処理の内容に関しては、図14に示すものとなる。すなわち、人の正面の検知処理においては、図14に示すように、カメラ34からユーザ(人)の顔の画像を取得し(S51)、顔の画像を解析する(S52)。その後、図5に示したS15の処理において、S52での解析結果から、人の正面が画像形成装置11の正面を向いているかどうかを判定する。
【0098】
以上のように、本実施の形態では、フットセンサ33の検出信号に基づいてユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態(第1の適合状態)を検出し(第1の検知動作)、カメラ34から得られた映像信号に基づいてそのユーザの正面が画像形成装置11の正面を向いている状態(第2の適合状態)を検出している(第2の検知動作)。そして、各検出処理において上記の各状態が検出された場合に、高使用可能性状態であると判定し、画像形成装置11は、省電力モードから待機モードに移行するようになっている。したがって、実施の形態1の場合と同様、単に、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態を検出することのみによって、ユーザが画像形成装置11を使用する可能性が高い状態、すなわち高使用可能性状態と判定する場合と比較して、高使用可能性状態を高い確率で検知することができる。これにより、画像形成装置11を省電力モードから待機モードに無駄に移行させる事態を抑制でき、画像形成装置11の省電力を効率よく行うことができる。
【0099】
なお、本実施の形態では、ユーザが画像形成装置11の近傍に存在する状態を検出するセンサとしてフットセンサ33を使用しているが、これに代えて距離センサを使用してもよい。この場合、距離センサは、例えば画像形成装置61の前面に配置される。また、距離センサとしては、特開2008−107122あるいは特開2009−236657に開示されている周知のセンサを使用することができる。
【0100】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
11 画像形成装置(画像処理装置)
21 メイン制御部(制御手段)
26 サブ制御部(制御手段)
30 電源制御部(制御手段)
31 電源
32 演算処理部(演算手段)
33 フットセンサ(検知手段)
34 カメラ(検知手段、撮像手段)
51 圧力センサ
61 画像形成装置(画像処理装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置において、
人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知手段と、
前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知手段により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、
前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記フットセンサの検出信号が示す圧力の分布から、前記フットセンサ上に存在する人の足の向く方向を検出し、その足の向く方向を人の正面の向く方向として第2の適合状態を検知する演算手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、
画像処理装置の近傍に存在する人の顔を撮影する撮像手段と、
前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記撮像手段から得られた人の顔の画像データに基づいて第2の適合状態を検知する演算手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置の制御方法において、
人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知工程と、
前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知工程により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御工程とを備えていることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項1】
電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置において、
人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知手段と、
前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知手段により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、
前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記フットセンサの検出信号が示す圧力の分布から、前記フットセンサ上に存在する人の足の向く方向を検出し、その足の向く方向を人の正面の向く方向として第2の適合状態を検知する演算手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
フロアマットに圧力センサを並べて配置された構成のフットセンサと、
画像処理装置の近傍に存在する人の顔を撮影する撮像手段と、
前記フットセンサの検出信号に基づいて第1の適合状態を検知する一方、前記撮像手段から得られた人の顔の画像データに基づいて第2の適合状態を検知する演算手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
電力消費量を抑制する省電力モードとこの省電力モードよりも電力消費量が多い非省電力モードとに動作モードを切り替え可能であり、画像データを処理する画像処理装置の制御方法において、
人が画像処理装置の正面の所定距離範囲内に存在する第1の適合状態を検知する第1の検知動作、および前記第1の検知動作での検知対象となった人の正面の向く方向が、その人の正面が画像処理装置の正面を向いていると見なし得る所定範囲内となっている第2の適合状態を検知する第2の検知動作を行う検知工程と、
前記動作モードが省電力モードに設定された状態において、前記検知工程により第1の適合状態および第2の適合状態が検出された場合に、前記動作モードを省電力モードから非省電力モードに切り替える制御工程とを備えていることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−104790(P2011−104790A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259247(P2009−259247)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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