画像処理装置及びその制御方法
【課題】ユーザー認証機能を有する画像処理装置において、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐ。
【解決手段】画像処理装置では、パネル制御部は、操作パネルが受け付けたユーザー操作が、ジョブ開始操作か参照・変更操作かを検知し、さらに、ユーザー認証の対象操作か否かを判別し、ユーザー認証の対象のジョブ開始操作の場合、ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御を行う。ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作の場合、認証許可モードでない時はユーザー認証を促し当該認証成功後に第一の参照・変更操作を許可すると共に認証許可モードに移行し、認証許可モード中はユーザー認証を促さずに第一の参照・変更操作を許可すると共に認証許可モードを維持し、認証許可モード終了操作に応答して認証許可モードを終了する第二の認証制御を行う。
【解決手段】画像処理装置では、パネル制御部は、操作パネルが受け付けたユーザー操作が、ジョブ開始操作か参照・変更操作かを検知し、さらに、ユーザー認証の対象操作か否かを判別し、ユーザー認証の対象のジョブ開始操作の場合、ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御を行う。ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作の場合、認証許可モードでない時はユーザー認証を促し当該認証成功後に第一の参照・変更操作を許可すると共に認証許可モードに移行し、認証許可モード中はユーザー認証を促さずに第一の参照・変更操作を許可すると共に認証許可モードを維持し、認証許可モード終了操作に応答して認証許可モードを終了する第二の認証制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り処理、画像データの印刷処理を有する複合機等の画像処理装置であって、ユーザー認証機能を備える画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の複合機は、不正アクセスによる情報漏洩を防ぐために、ユーザー認証機能を備えている。ユーザー認証機能を使用すると、印刷結果が第三者によって不正に持ち去られることや、認証されていないユーザーによる印刷処理やメール送信処理等を防ぐことができる。例えば、ユーザーが、ネットワークを介して複合機に接続されたクライアントPCから複合機に対して印刷要求した場合、複合機は即時に印刷処理を開始しない。ユーザーが、複合機の設置された場所に移動し、複合機の操作パネルでユーザー認証操作を行い、認証が成功すると、複合機は印刷出力を開始する。
【0003】
このような複合機では、操作パネルの操作開始時にユーザー認証を求め、ユーザーが、認証に成功すると、ログイン状態に移行し、ユーザー所望の操作を受け付ける。操作が終了すると、ログイン状態を終了する必要があり、ユーザーによる操作パネル上のログアウトボタンの押下や、複合機による予め設定された一定の時間経過後の自動ログアウトによって、ログイン状態を終了する。しかしながら、ログアウトボタンの押下し忘れや、自動ログアウトまでの間に第三者に不正な操作が行われることによる情報漏洩の恐れがある。
【0004】
そこで、特許文献1には、ジョブの開始時に、ユーザーが予めログアウトの予約を行い、当該ジョブの終了時に自動ログアウトを行う技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2、特許文献3には、ジョブの処理時間が指定した時間を超えるものをロングジョブと設定し、当該ジョブがロングジョブである場合には、ジョブ終了時に自動的にログアウトする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-228209号公報
【特許文献2】特開2008-263396号公報
【特許文献3】特開2008-263397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、自動ログアウトを予約するか否かをパネルに表示して、必ずユーザーに選択させる必要があるため、ユーザーの利便性を損なうという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2、特許文献3では、ロングジョブではない場合、自動的にログアウトされないため、ログアウトを忘れてしまう問題点が残る。
【0009】
そこで、本発明は、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面によれば、所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置であって、前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルと、パネル制御部とを有し、前記パネル制御部は、前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知し、さらに、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別し、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御と、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御と、を行う。
【0011】
第1の側面によれば、画像処理装置の操作パネルへの操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、選択可能な複数の操作のうち、ユーザー認証を必要とする操作毎にユーザー認証を求めることにより、ユーザー認証の範囲がパネル操作全体ではなく特定の操作に限定される。ユーザー認証の対象のジョブ開始操作については、ユーザー認証成功後、認証許可モードへ移行しないため、ログアウト操作は不要となる。ここでは、ログアウト操作とは、ユーザー認証の対象の操作をユーザー認証無しに行うことができる状態を終了する操作を示す。また、ユーザー認証機能を有する画像処理装置であっても、ユーザー認証の対象外の操作については、ユーザーは、認証なしに実行することができる。一方、第一の参照・変更操作については、ユーザー認証成功後、認証許可モードへ移行し、認証許可モード中はユーザー認証を促さず、認証許可モードは、認証許可モード終了操作に応答して自動的に終了する。そのため、第一の参照・変更操作については、一定範囲で認証許可モードを維持し、ユーザー認証を繰り返すことによる煩雑性をなくすことができる。
【0012】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記第一の参照・変更操作は複数の前記設定項目の設定画面を有する設定メニュー内における操作であって、前記認証許可モード終了操作は前記設定メニューの終了操作である。
【0013】
この態様によれば、複数の前記設定項目の設定画面を有する設定メニューにおいて、連続して複数の前記設定項目の参照・変更操作を行う場合、認証許可モード中は、ユーザー認証の対象操作であっても、ユーザー認証を省略して第一の参照・変更操作を行うことができる。また、設定メニュー終了操作時に、自動的に認証許可モードを終了するため、別途、ログアウト操作が不要となる。このため、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【0014】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記パネル制御部は、さらに、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である場合、前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第二の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行しない第三の認証制御を行う。
【0015】
この態様によれば、第二の参照・変更操作については、ユーザー認証後、認証許可モードに移行しないので、ログアウト操作は不要となる。
【0016】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記第三の認証制御は、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作であって、直前の前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作である参照操作についてユーザー認証成功後、一定期間内に続けて行われた同じ設定項目の変更操作である場合には、ユーザー認証を促さずに当該変更操作を許可する。
【0017】
この態様によれば、直前のユーザー操作が、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である参照操作であって、ユーザー認証成功後、一定期間内に続けて当該設定項目の変更操作を行う時、変更操作時にユーザー認証が必要なくなる。
【0018】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記ユーザー認証の対象とする前記ジョブ開始操作、又は前記第一若しくは第二の参照・変更操作は、管理者により選択可能にされている。
【0019】
この態様によれば、管理者がユーザー認証の必要な操作を選択できることによって、目的に合わせてユーザー認証の対象を選択することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0020】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記第二の認証制御では、さらに、認証許可モード中に、操作パネルが一定期間操作されない時にも前記認証許可モードを終了する。
【0021】
この態様によれば、一定期間操作されない時にも認証許可モードを終了することにより、第三者によって、不正に利用されることを防ぐことができる。
【0022】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記所定のジョブは、画像の読み取り処理及び画像データの印刷処理を有する。
【0023】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記設定項目は、前記画像処理装置の通信関連項目を有する。このような画像処理装置の設定項目には、画像処理装置の通信設定を行うか否かの項目やIPアドレス項目等の通信関連項目がある。
【0024】
さらに、上記発明の第2の側面によれば、所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置の制御方法であって、前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルのパネル制御工程を有し、前記パネル制御工程は、前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知すると共に、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別する操作判別工程と、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御工程と、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態における画像処理装置の内部構成を示す図である。
【図2】操作パネルを示す図である。
【図3】ユーザー操作が行われた時の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】第二の参照・変更操作が行われた時の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】ジョブ開始操作である印刷開始操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図6】ユーザー認証対象外の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図7】第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図8】認証許可モードで、第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図9】ユーザー認証対象外の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図10】第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図11】一連の第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態例を詳細に説明する。図1は、本実施の形態における画像処理装置1の構成を示すブロック図である。同図において、画像処理装置1は、操作パネル11と制御部12とユーザー認証機能のための認証設定情報26とスキャナーユニット13、ファクシミリユニット14、メールユニット15、印刷ユニット16、通信インターフェース17を備える。画像処理装置は通信インターフェース17を介してLAN2に接続されており、LAN2を経由してクライアントPC等と相互に接続可能である。
【0027】
制御部12は、操作パネル11を制御するパネル制御部21、画像処理制御部22、制御プログラム23、メモリー24、CPU25を有する。制御部12は、制御プログラム23を実行して、画像処理装置1全体を制御すると共に、画像処理装置1が備えるスキャナーユニット13、ファクシミリユニット14、メールユニット15、印刷ユニット16と協働して、スキャン、ファックス、メール、印刷等の機能を実現する。
【0028】
画像処理制御部22は、画像処理装置1に設定された原稿台(図示せず)にて、原稿を読み取り、デジタルデータである画像データを生成する。制御部12は、各ユニットと協働して、生成した画像データの紙媒体への印刷や、他のデジタル複合機への送信を行う。
【0029】
パネル制御部21は、操作パネル11のパネル表示画面(図2の35)にメニュー画面等を表示すると共に、操作パネル11からの入力情報を判別し、ユーザーの操作内容を検知する。また、パネル制御部21は、ユーザーの操作内容に応じて、操作パネル11のパネル表示画面35内の表示内容を切り替える。
【0030】
図2は、画像処理装置1の操作パネル11を表す図である。操作パネル11は、パネル表示画面35と複数の操作ボタンで構成されている。パネル表示画面35は、液晶パネルであって、画像処理装置1の現在の状態やメニュー画面が、文字や図形を用いて表示される。操作ボタンには、機能メニュー表示ボタン31、32、33、34、各種設定メニューボタン40、OKボタン36、方向キー37、戻るボタン38、リセットボタン39がある。ユーザーは、パネル表示画面35を見ながら、操作ボタンを押下し、画像処理装置1に操作に対応する指示を行う。
【0031】
機能メニュー表示ボタン31〜34は、画像処置装置1の機能の操作メニューを、パネル表示画面35に表示するためのボタンである。機能メニュー表示ボタンであるコピーボタン31、スキャンボタン32、プリントボタン33、ファックスボタン34のいずれかを押下すると、パネル制御部21は、パネル表示画面35に機能メニューを表示する。また、各種設定ボタン40を押下すると、パネル制御部21は、パネル表示画面35に各種設定メニューを表示する。各種設定メニューでは、画像処理装置1に関する設定項目の参照や変更の操作を行う。
【0032】
OKボタン36は、コピー、スキャン、プリント、ファックス機能の操作の開始や、設定項目の選択、または設定項目の値の選択を確定する時に使用する。方向キー37は、設定項目の選択の変更、または設定項目の値の選択を変更する時に使用する。戻るボタン38は、パネル表示画面の表示をひとつ前の画面に戻す時や、各種設定メニューを終了する時に使用する。リセットボタン39は、コピーなどの機能メニューにおいて、変更した設定項目の値を初期値へ戻す時に使用する。
【0033】
図1の認証設定情報26には、少なくとも、ユーザー認証の対象とするユーザー操作情報と認証のための照合情報が格納される。これらの情報は、画像処理装置1の操作パネル11から入力してもよいし、ネットワーク接続されたクライアントPCから、認証設定情報26を設定するためのドライバアプリケーション等を介して入力してもよい。
【0034】
ユーザー認証の方法として、ユーザーは、テンキー(図示せず)を利用してパスワードを認証情報として入力してもよいし、ICカードや生体認証を利用して認証情報を入力してもよい。制御部12は、認証設定情報26を参照して、受け付けたユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか検知する。当該ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であった場合、制御部12は、パネル表示画面35にユーザー認証画面を表示する。ユーザーが認証情報を入力すると、制御部12は、受け付けた認証情報が、認証設定情報26の照合情報と一致するかどうか判定する。
【0035】
上記のような画像処理装置1は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、ファクシミリ機能を備える複合機である。このような画像処理装置1は、通信インターフェース17、LAN2を介して接続されたクライアントPCからの印刷要求に応じて、画像データを紙媒体に出力するネットワークプリンタとしての印刷処理や、スキャナ機能で読み取った画像データのクライアントPCへの保存処理や、メールサーバーへの送受信処理などを行う。また、ファクシミリ送信のための手順を実行するモデム(図示せず)を有し、公衆電話回線(図示せず)を用いて画像データの送受信を行う。
【0036】
本実施の形態例における画像処理装置1のジョブには、コピー、スキャン、プリント、ファックス送受信等の処理がある。また、設定項目には、前記ジョブの設定項目と画像処理装置1の設定項目がある。例えば、ジョブの設定項目には、コピーの設定項目「用紙選択」「倍率」「両面」「濃度」等があり、画像処理装置1の設定項目には、「システム情報」や「表示言語」、「共通設定」等がある。認証設定情報26には、ユーザー認証の対象とするジョブ開始操作や第一、第二の参照・変更操作が予め定められる。
【0037】
ユーザー操作とは、ユーザーが操作パネル11で行った操作であり、ジョブ開始操作、参照・変更操作、その他の操作に分けられる。
【0038】
ジョブ開始操作とは、コピー、スキャン、プリント、ファックス等のジョブを開始する操作である。ユーザーは、実行する対象のジョブの機能メニューをパネル表示画面35に表示した状態で、OKボタン36を押下して、ジョブ開始操作を行う。
【0039】
参照・変更操作とは、前記ジョブ、及び画像処理装置1の設定項目の参照・変更を行う操作であり、第一の参照・変更操作と、第二の参照・変更操作とに分けられる。本実施の形態例では、画像処理装置1の複数の設定項目を含む設定メニューである各種設定メニューの設定項目の参照・変更操作を、第一の参照・変更操作とする。各ジョブの機能メニュー画面の設定項目の参照・変更操作を、第二の参照・変更操作とする。
【0040】
第一の参照・変更操作には、参照操作と変更操作がある。ユーザーは、例えば、各種設定メニューの「表示言語」項目を選択し、OKボタン36を押下して、「言語表示」の参照操作を行う。さらに、「表示言語」画面を表示した状態で、選択肢から言語を選択してOKボタン36を押下し、「表示言語」の変更操作を行う。
【0041】
同様に、第二の参照・変更操作にも、参照操作と変更操作がある。ユーザーは、例えば、コピーの機能メニューにおいて、ジョブの設定項目である「用紙選択」項目を選択し、OKボタン36を押下して、「用紙選択」の参照操作を行う。さらに、「用紙選択」画面を表示した状態で、選択肢から用紙を選択してOKボタン36を押下し、「用紙選択」の変更操作を行う。
【0042】
認証許可モード終了操作とは、本実施の形態例では、例えば、パネル表示画面35に各種設定メニューが表示されている状態で、戻るボタン38を押下する操作である。
【0043】
図3は、操作パネル11がユーザーによって操作された時の処理の流れを示すフローチャート図である。このフローチャートを使用して、操作パネル制御の概要を説明する。
【0044】
画像処理装置1の電源を投入すると、画像処理装置1は、ユーザー操作受け付け待ち状態になる(S301)。制御部12は、ユーザー操作を検知すると、ユーザー操作がジョブ開始操作かどうか判別する(S302)。
【0045】
検知したユーザー操作がジョブ開始操作の場合(S302のYes)、制御部12は、さらに、そのユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか判別する(S303)。ユーザー操作がユーザー認証の対象操作ではない場合、制御部12はパネル表示画面35にユーザー認証画面を表示せずにジョブを開始する(S304)。
【0046】
一方、検知したユーザー操作がジョブ開始操作であって(S303のYes)、ユーザー認証の対象操作である場合、制御部12は、パネル表示画面35にユーザー認証を促すユーザー認証画面を表示する(S305)。ユーザーがユーザー認証に成功すると(S306のYes)、制御部12はジョブを開始する。ユーザー認証に失敗した場合(S306のNo)、制御部12は、ジョブを開始せずにユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(S301)。ジョブ開始操作に対するユーザー認証は、そのユーザー開始操作のみ認証し、認証に成功しても認証許可モードには入らない。
【0047】
検知したユーザー操作が、第一の参照・変更操作であった場合(S307のYes)、制御部12は、ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか判別する(S308)。検知したユーザー操作がユーザー認証の対象操作ではない場合(S308のNo)、制御部12はユーザー認証画面を表示せずに参照・変更操作を実行する(S309)。
【0048】
一方、検知したユーザー操作が、第一の参照・変更操作であって(S307のYes)、ユーザー認証の対象操作である場合(S308のYes)、制御部12はさらに、現在、認証許可モード中であるかどうか確認する(S310)。認証許可モードではない場合(S310のNo)、制御部12はパネル表示画面35にユーザー認証画面を表示する(S311)。ユーザーがユーザー認証に成功すると(S312のYes)、制御部12は認証許可モードを開始する(S313)と共に、参照・変更操作を実行する(S314)。ユーザー認証に失敗した場合(S312のNo)、制御部12は、参照・変更操作を行わずにユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(S301)。
【0049】
そして、検知したユーザー操作が、第一の参照・変更操作であって(S307のYes)、ユーザー認証の対象操作であり(S308のYes)、認証許可モード中である場合には(S310のYes)、制御部12は、ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるにも関わらず、ユーザー認証画面を表示することなく参照・変更操作を実行する(S315)。
【0050】
検知したユーザー操作が、第二の参照・変更操作である場合(S316のYes)については、第2の実施例で説明する。
【0051】
さらに、検知したユーザー操作が、ジョブ開始操作でもなく、第一、第二の参照・変更操作でもないその他の操作である場合、制御部12は当該操作を実行する(S318)。そして、制御部12は、ユーザー操作が認証許可モード終了操作かどうか判別する(S319)。ユーザー操作が認証許可モード終了操作である場合、さらに、制御部12は、認証許可モード中であるかどうか確認する(S320)。認証許可モード中である場合(S320のYes)、制御部12は、認証許可モードを終了する(S321)。一方、ユーザー操作が認証許可モード終了操作ではない場合(S319のNo)、及び、認証許可モード中ではない場合(S320のNo)、制御部12は、ユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(S301)。
【0052】
[具体例]
以下に、ユーザー認証の対象であるジョブ開始操作に対する第一の認証制御と、ユーザー認証の対象である第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御の具体的な実施例を示す。
【0053】
ユーザー認証の対象のジョブ開始操作の例として、ユーザーが、クライアントPCから画像処理装置1に印刷を要求し、画像処理装置1にてユーザーが印刷を開始する処理を、続いて、第一の参照・変更操作として、各種設定ボタン40を押下して、画像処理装置1の設定項目の参照や変更を行う操作について、パネル表示画面35の表示と併せて説明する。
【0054】
本実施の形態例では、ユーザー認証を必要とするジョブ開始操作、及び、参照・変更操作を予め設定している。本実施の形態例では、ジョブの開始操作であるプリントの開始操作、各種設定メニュー内の設定項目である「表示言語」「共通設定」項目の参照操作・変更操作がユーザー認証の対象の操作と設定されているものとする。また、プリントの機能メニュー内の「ユーザーデータ」の参照・変更操作と、各種設定メニュー内の設定項目である「システム情報」の参照操作はユーザー認証の対象外の操作とする。
【0055】
なお、プリントの機能メニュー内の「ユーザーデータ」の参照・変更操作は、第二の参照・変更操作であるが、ユーザー認証の対象外の操作であるため、第三の認証制御に該当しない。ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作に対する第三の認証制御については、第2の実施例で後述する。
【0056】
ユーザーが、ネットワークを介して接続されたクライアントPCから、画像処理装置1に対して、画像データの印刷を要求すると、画像処理装置1は、クライアントPCから印刷要求を受け付ける。そして、ユーザーは画像処理装置1のある場所へ移動して、画像処理装置1の操作パネル11において次の操作を行う。
【0057】
図5は、ユーザー認証の対象のジョブ開始操作である印刷開始操作を行った時のパネル遷移を表す図である。まず、ユーザーは、操作パネル11のプリントボタン33を押下する。プリントボタン33が押下されると、制御部12は、パネル表示画面35に、プリントの機能メニューを表示する。図5(a)は、プリントの機能メニューを表す図である。プリントの機能メニューにおいて、方向キー37とOKボタン36で「ファイルタブ」を選択し、さらにプリント対象のユーザーデータリストを示す「ユーザーデータ」を選択すると、制御部12は、「ユーザーデータ」の参照操作を実行し、図5(b)のような「ユーザーデータ」画面をパネル表示画面35に表示する。前述した通り、「ユーザーデータ」の参照操作は、ユーザー認証の対象操作でないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示しない。
【0058】
「ユーザーデータ」画面の選択肢から方向キー37でプリント対象の「A002」選択し、OKボタン36を押下すると、「ユーザーデータ」の変更操作もまた、ユーザー認証の対象操作ではないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに「ユーザーデータ」の変更操作を実行する。変更操作後、制御部12は、図5(c)のように、パネル表示画面35にプリントの機能メニューを表示し、ユーザーデータ部分に「A002」を表示する。
【0059】
プリントの機能メニューが表示されている状態で、ユーザーが、OKボタン36を押下すると(図5(d))、それがジョブ開始操作となり、ジョブの1つであるプリントの開始操作が実行される。このプリントの開始操作は、ユーザー認証の対象の操作であるため、制御部12は、図5(e)のようなユーザー認証画面を表示する。なお、OKボタン36の押下によりジョブ開始が実行されるのでなく、OKボタン36とは別に設けられたスタートボタン(図示せず)の押下によりジョブ開始を実行するようにしてもよい。
【0060】
本実施の形態例では、ユーザー認証操作は、ユーザーがテンキー(図示せず)を使用してパスワードを入力することによって行う。ユーザーがパスワード入力して、OKボタン36を押下すると、制御部12は、認証設定情報26の照合情報を参照して、認証情報が認証情報と一致するか否か判別する。認証情報が認証情報と一致して、ユーザー認証に成功すると、制御部12は、ユーザーデータ「A002」のプリントを実行する(図5の(f))。
【0061】
このように、画像処理装置1の操作パネル11への操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、選択可能な複数の操作のうち、ユーザー認証を必要とするプリント開始操作などのジョブ開始操作毎にユーザー認証を求めることにより、ユーザー認証の範囲がパネル操作全体ではなく特定の操作に限定される。また、ユーザー認証成功後、認証許可モードへは移行しないため、認証許可モードの終了操作を示すログアウト操作は不要となる。つまり、ユーザー認証の対象は、ジョブの開始操作のみに限定される。これにより、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【0062】
次に、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御について説明する。
【0063】
図6は、ユーザー認証対象外の第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。引き続き、ユーザーが、各種設定ボタン40を押下すると、制御部12は、パネル表示画面35に、図6(b)のような「各種設定メニュー」を表示する。ユーザーが、各種設定メニューにおいて「システム情報」を選択すると、この「システム情報」の参照操作はユーザー認証の対象外の操作であるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに、図6(c)のような参照画面を表示する。
【0064】
「システム情報」画面において、ユーザーが戻るボタン38を押下すると(図6(d))、制御部12は、再び「各種設定メニュー」を表示する(図6(b))。戻るボタン38の押下は、ジョブ開始操作、第一、第二の参照変更操作でもないその他の操作(図3のS316のNo)に当たり、「システム情報」画面における戻るボタン38は許可モード終了操作ではないため、制御部12は許可モード終了操作を行わない。
【0065】
次に、図7は、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。ユーザーが、各種設定メニューにおいて「表示言語」を選択してOKボタン36を押下すると、この「表示言語」の参照操作はユーザー認証の対象の操作であるため、制御部12は図7(c)のようにユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下し、認証に成功すると、図7の(d)のように、制御部12は表示言語を参照する「表示言語」画面を表示する。ユーザー認証に成功すると共に、制御部12は、認証許可モードを開始する。
【0066】
そして、「表示言語」画面において、ユーザーが、「日本語」を選択し(図7(e))、OKボタン36を押下して変更操作を行うと(図7の(f))、制御部12は「表示言語」項目の変更操作を実行する。「表示言語」の変更操作も、参照操作と同様に、ユーザー認証の対象の操作であるが、認証許可モード中であるため、制御部12はユーザー認証画面を表示せずに、「表示言語」の変更操作を実行する。この時、制御部12は、認証許可モードを維持する。変更操作が完了すると、制御部12は、パネル表示画面35に各種設定メニューを表示する(図7の(b))。
【0067】
図8は、認証許可モードで、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。図7から続いて、ユーザーが、各種設定メニューにおいて「共通設定」を選択すると(図8(b))、この「共通設定」の参照操作は、ユーザー認証の対象の操作であるが、図7のユーザー認証により認証許可モード中であるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに、図8(c)のような「共通設定」画面を表示する。この時、制御部12は、認証許可モードを維持する。
【0068】
さらに、図8(d)のように「共通設定」画面において、「プリンタ名」を変更する。「プリンタ名」を変更してOKボタン36を押下して変更操作を行うと(図8の(e))、制御部12は「プリンタ名」項目の変更操作を行う。「プリンタ名」の変更操作もユーザー認証の対象の操作であるが、認証許可モード中であるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに「プリンタ名」の変更操作を行う。この時、制御部12は、認証許可モードを維持する。変更操作が完了すると、制御部12は、パネル表示画面35に各種設定メニューを表示する(図8の(b))。
【0069】
なお、「プリンタ名」を参照し、変更する必要がない場合、「共通設定」画面が表示された状態で戻るボタン38を押下すると、制御部12は、再び各種設定メニューを表示する(図8(b))。戻るボタン38の押下は、その他の操作(図3のS316のNo)に当たるが、「共通設定」画面における戻るボタン38は許可モード終了操作ではないため、制御部12は認証許可モードを維持する。
【0070】
そして、次に、図8(b)の各種設定メニューが表示された状態で、戻るボタン38を押下すると(図8(f))、各種設定メニュー画面における戻るボタン38は各種設定メニューの終了操作に対応する許可モード終了操作に該当するため、制御部12は、認証許可モードを終了してメイン画面を表示する(図8(a))。つまり、設定メニューの終了操作に対応して自動的に認証許可モードが終了する。
【0071】
再度、各種設定ボタンを押下すると、制御部12は、各種設定メニューを表示する。ユーザーが再び「共通設定」項目を選択すると、認証許可モード中ではないため、制御部12は、今度は、ユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下すると、認証に成功し、制御部12は認証許可モードを開始すると共に、「共通設定」画面を表示する。図7(b)の各種設定メニューが表示された状態で戻るボタン38を押下した場合も同様に認証許可モードが終了する。
【0072】
このように、画像処理装置1の操作パネル11への操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、選択可能な複数の操作のうち、ユーザー認証を必要とする「表示言語」の参照操作などの操作毎にユーザー認証を求めることにより、ユーザー認証の範囲がパネル操作全体ではなく特定の操作に限定される。
【0073】
また、ユーザー認証成功後、認証許可モードへ移行し、認証許可モード中はユーザー認証を促さず、参照・変更操作を実行する。このため、第二の認証制御は、本実施の形態例における各種設定メニューのように、ユーザー認証の対象の設定項目が多く含まれている設定メニューにおいて特に有効である。また、認証許可モードは、各種設定メニューの終了操作のような認証許可モード終了操作に応答して自動的に終了するため、別途、ログアウト操作が不要となる。これにより、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【0074】
[第1の実施例の変形例1]
上述した第1の実施の形態例では、プリント開始操作や各種設定項目メニューの「表示言語」、及び「共通設定」の参照操作、及び変更操作をユーザー認証の対象の操作としているが、ユーザー認証の対象とするジョブ開始操作や設定・参照操作を、管理者が任意に選択できるようにしてもよい。
【0075】
例えば、ジョブ開始操作であるプリント開始操作はユーザー認証の対象とするが、スキャン開始操作はユーザー認証の対象外とすることや、「表示言語」の参照・変更操作は、ユーザー認証の対象外の操作とするが、「共通設定」の参照・変更操作は、ユーザー認証の対象の操作とすることができる。
【0076】
これによると、管理者がユーザー認証の必要な操作を選択できることによって、目的に合わせてユーザー認証の対象を選択することができ、セキュリティレベルを最適化してユーザーの利便性を向上させることができる。
【0077】
また、参照・変更操作のうち、設定項目の参照操作、変更操作の両方をユーザー認証の対象操作としてもよいし、当該項目の参照操作はユーザー認証の対象外の操作とし、当該項目の変更操作のみをユーザー認証の対象操作としてもよい。
【0078】
これによると、設定項目の設定内容や選択肢は認証なしで自由に参照させる一方で、当該項目の変更操作にはユーザー認証を必要とするように設定できる。
【0079】
[第1の実施例の変形例2]
上述した実施例では、パネル表示画面で各種設定メニューを終了することで、認証許可モードが終了した。これによると、ユーザーは別途ログアウト操作を行う必要がない。しかし、さらに、認証許可モード中に、一定期間の間、操作パネル11が操作されない場合にも、認証許可モードを終了してもよい。
【0080】
例えば、認証許可モード中、最後の操作から3分間、操作パネル11が操作されない場合、制御部12は、認証許可モードを終了して、パネル表示画面35にメイン画面を表示する。これによると、認証許可モード開始後、認証許可モード終了操作を忘れた場合であっても、第三者によって不正に操作されることを防ぐことができる。
【0081】
[第2の実施例]
第2の実施例として、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作を行う第三の認証制御の実施例を以下に示す。
【0082】
図4は、検知したユーザー操作がユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である場合の第三の認証制御の流れを示すフローチャート図である。制御部12がユーザー操作を検知して、操作内容を判別するまでの処理の流れは、図3に示した第1の実施例と同様である。
【0083】
検知したユーザー操作が第二の参照・変更操作であった場合(図3のS317)、制御部12は、第二の参照・変更操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか判別する(S401)。ユーザー操作がユーザー認証の対象の操作でない場合(S401のNo)、制御部12は参照・変更操作を実行する(S402)。ユーザー操作がユーザー認証の対象の操作である場合(S401のYes)、さらに、制御部12は、当該ユーザー操作が変更操作であるかどうか判別する(S403)。
【0084】
当該ユーザー操作が変更操作である場合(S403のYes)、制御部12は、直前の操作が、一定期間以内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、ユーザー認証に成功しているかどうか、判別する(S404)。直前の操作が、一定期間以内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、ユーザー認証に成功している場合(S404のYes)、当該ユーザー操作は、同設定項目の一連の参照、変更操作のうちの変更操作であり、既に参照操作でユーザー認証済みであるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに変更操作を行う(S402)。
【0085】
一方、ユーザー操作が変更操作ではなく参照操作の場合(S403のNo)、または、直前の操作が一定期間以内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、ユーザー認証に成功している場合という条件を満たしていない場合(S404のNo)、制御部12は、ユーザー認証画面を表示する(S405)。ユーザー認証が成功すると(S406のYes)、制御部12は対応する参照・変更操作を実行する(S402)。ユーザー認証に失敗した場合(S406のNo)、制御部12は参照・変更操作を実行せずにユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(図3のS301)。
【0086】
以上の通り、第二の参照・変更操作では、同一設定項目についての参照操作と変更操作という密接な関係にある一対の操作に限り、認証許可モードを維持する。
【0087】
[具体例]
以下に、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作を行う第三の認証制御の具体的な実施例を示す。第二の変更・参照操作としてスキャンの機能メニューの設定項目である「解像度」「保存先」の設定を行った後、ジョブ開始操作であるスキャンを実行する処理の例を、パネル表示画面35の表示と併せて説明する。
【0088】
本実施の形態例では、スキャンの機能メニューの設定項目である「保存先」の参照操作、変更操作と、ジョブ開始操作であるスキャンの開始操作をユーザー認証の対象操作とする。なお、ユーザー認証の対象とする第二の参照・変更操作についても管理者が任意に選択できるようにしてもよい。これによると、管理者がユーザー認証の必要な操作を選択できることによって、目的に合わせてユーザー認証の対象を選択することができ、セキュリティレベルを最適化してユーザーの利便性を向上させることができる。
【0089】
図9は、ユーザー認証対象外の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。ユーザーが、操作パネル11のスキャンボタン32を押下すると、制御部12はパネル表示画面35に、図9の(a)のようなスキャンの機能メニューを表示する。ユーザーが、スキャンの機能メニューにおいて、方向キー37とOKボタン36で「解像度」を選択して参照しようとすると、この「解像度」の参照操作はユーザー認証の対象の操作ではないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに図9の(b)のような「解像度」画面を表示する。
【0090】
「解像度」画面の選択肢から方向キー37で「400dpi」を選択し(図9の(c))、OKボタン36を押下すると(図9(d))、「解像度」の変更操作はユーザー認証の対象の操作ではないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに「解像度」の値を300dpiから400dpiに変更する。
【0091】
図10は、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。スキャンの機能メニューにおいて(図10(a))、ユーザーが「保存先」を選択し、OKボタン36を押下して参照しようとすると、この「保存先」項目の参照操作はユーザー認証の対象操作であるため、制御部12は、図10(b)のように、ユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下し、認証に成功すると、図10の(c)のように、制御部12は「保存先」画面を表示する。第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御と異なり、第二の参照・変更操作に対する第三の認証制御では、制御部12は認証許可モードを開始しない。
【0092】
さらに、「保存先」画面において、ユーザーが「002 A002フォルダ」を選択し(図10(d))、OKボタン36を押下して「保存先」を変更しようとすると(図10(e))、この「保存先」項目の変更操作はユーザー認証の対象操作であるため、制御部12は、図10(f)のように、ユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下し、認証に成功すると、制御部12は「保存先」項目を「002 A002フォルダ」に変更設定する。「保存先」項目の参照操作時と同様に、制御部12は認証許可モードを開始、又は維持しない。
【0093】
このように、ユーザー認証の対象である第二の参照・変更操作を行う第三の認証制御では、操作毎にユーザー認証を促し、ユーザー認証に成功しても、認証許可モードに移行しない。そのため、ユーザーは、ログアウト操作を行う必要がない。連続して複数の設定項目の参照・変更操作を実行する際に有効な第二の認証制御に対して、この第三の認証制御は、本実施の形態例におけるジョブの機能メニューのように、メニュー内において、ユーザー認証の対象の設定項目が少ない場合に有効である。
【0094】
次に、スキャンを実行するために、スキャンの機能メニューが表示された状態で、ユーザーは、OKボタン36を押下する。スキャンの開始操作は、第1の実施の形態例におけるプリントの開始操作と同様にユーザー認証の対象のジョブ開始操作であるため、制御部12はユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下して、認証に成功すると、制御部12はスキャンの実行を開始する。
【0095】
[第2の実施例の変形例1]
前述した第2の実施の形態例では、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である「保存先」の参照操作と変更操作を連続して行う場合、参照、変更操作時の両方において、ユーザー認証を求めていた。
【0096】
しかし、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である設定項目の変更操作の直前の操作が、一定期間内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、且つそのユーザー認証に成功している場合は、その後の変更操作時にユーザー認証を求めないのが好ましい。つまり、同じ「保存先」の参照操作においてユーザー認証に成功して、一定期間内に続けて「保存先」の変更操作を行う場合、変更操作時には、制御部12は、ユーザー認証画面を表示しない。
【0097】
図11は、ユーザー認証の対象の一連の第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。スキャンの機能メニューにおいて(図11(a))、ユーザーが「保存先」画面を参照する処理の流れは図10で前述した実施の形態例と同様である。そして、参照操作後にユーザー認証に成功した後に、一定期間以内に続いて、「保存先」画面において(図11(c))、ユーザーが「002 A002フォルダ」を選択し(図11(d))、OKボタン36を押下すると(図11(e))、直前の操作が同設定項目の参照操作であって、ユーザー認証に成功しているため、制御部12は、例外的にユーザー認証画面を表示せずに、「002 A002フォルダ」の設定操作を行う。ただし、この設定操作後の参照・変更操作においては、新たにユーザー認証を求める。
【0098】
これによると、ユーザー認証の対象である設定項目を続けて参照・変更する場合に、ユーザーは参照操作時にユーザー認証を行えばよく、変更操作時にユーザー認証を行う必要がない。そのため、ユーザーの利便性を向上する。
【0099】
このように、上記の実施の形態では、操作パネル11の操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、ユーザー認証の対象の操作に絞って、ユーザー認証を求める。そして、ユーザー認証の対象のジョブ開始操作に対する第一の認証制御では、ジョブの開始操作に対してのみユーザー認証を求め、認証許可モードに移行しない。このため、ジョブを開始した後のログアウト操作は不要となる。
【0100】
さらに、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御では、認証成功後に、認証許可モードに移行し、認証許可モード終了操作に応答して自動的に認証許可モードを終了する。このため、第二の認証制御においても、別途、ログアウトのための操作が不要となる。また、連続して複数のユーザー認証の対象の設定項目の参照・変更操作を実行する時のユーザー認証の煩雑性を防ぐことができる。
【0101】
また、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作に対する第三の認証制御では、認証成功後に、認証許可モードに移行しない。このため、第三の認証制御においても、ログアウト操作は不要になる。また、同設定項目のユーザー認証の対象の第二の参照操作と変更操作を連続して実行する場合は、例外的に変更操作時のユーザー認証を省略することもできる。この場合は、ユーザー認証の煩雑性を防ぐことができる。
【0102】
上記のように、本実施の形態では、ユーザー認証の範囲をユーザー認証の対象の操作に絞り、ユーザー認証の対象の操作に対しては、認証成功後のログアウト操作を不要とすると共に、ユーザー認証の煩雑性を防ぐ。これにより、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0103】
1:画像処理装置、11:操作パネル、12:制御部、13:スキャナーユニット、14:ファクシミリユニット、15:メールユニット、16:印刷ユニット、17:通信I/F、21:パネル制御部、22:画像処理装置部、23:制御プログラム、24:メモリー、25:CPU、26:認証設定情報、
31:コピーボタン、32:スキャンボタン、33:プリントボタン、34:ファクシミリボタン、35:パネル表示画面、36:OKボタン、37:方向キー、38:戻るボタン、39:リセットボタン、40:各種設定画面ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り処理、画像データの印刷処理を有する複合機等の画像処理装置であって、ユーザー認証機能を備える画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の複合機は、不正アクセスによる情報漏洩を防ぐために、ユーザー認証機能を備えている。ユーザー認証機能を使用すると、印刷結果が第三者によって不正に持ち去られることや、認証されていないユーザーによる印刷処理やメール送信処理等を防ぐことができる。例えば、ユーザーが、ネットワークを介して複合機に接続されたクライアントPCから複合機に対して印刷要求した場合、複合機は即時に印刷処理を開始しない。ユーザーが、複合機の設置された場所に移動し、複合機の操作パネルでユーザー認証操作を行い、認証が成功すると、複合機は印刷出力を開始する。
【0003】
このような複合機では、操作パネルの操作開始時にユーザー認証を求め、ユーザーが、認証に成功すると、ログイン状態に移行し、ユーザー所望の操作を受け付ける。操作が終了すると、ログイン状態を終了する必要があり、ユーザーによる操作パネル上のログアウトボタンの押下や、複合機による予め設定された一定の時間経過後の自動ログアウトによって、ログイン状態を終了する。しかしながら、ログアウトボタンの押下し忘れや、自動ログアウトまでの間に第三者に不正な操作が行われることによる情報漏洩の恐れがある。
【0004】
そこで、特許文献1には、ジョブの開始時に、ユーザーが予めログアウトの予約を行い、当該ジョブの終了時に自動ログアウトを行う技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2、特許文献3には、ジョブの処理時間が指定した時間を超えるものをロングジョブと設定し、当該ジョブがロングジョブである場合には、ジョブ終了時に自動的にログアウトする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-228209号公報
【特許文献2】特開2008-263396号公報
【特許文献3】特開2008-263397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、自動ログアウトを予約するか否かをパネルに表示して、必ずユーザーに選択させる必要があるため、ユーザーの利便性を損なうという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2、特許文献3では、ロングジョブではない場合、自動的にログアウトされないため、ログアウトを忘れてしまう問題点が残る。
【0009】
そこで、本発明は、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面によれば、所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置であって、前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルと、パネル制御部とを有し、前記パネル制御部は、前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知し、さらに、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別し、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御と、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御と、を行う。
【0011】
第1の側面によれば、画像処理装置の操作パネルへの操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、選択可能な複数の操作のうち、ユーザー認証を必要とする操作毎にユーザー認証を求めることにより、ユーザー認証の範囲がパネル操作全体ではなく特定の操作に限定される。ユーザー認証の対象のジョブ開始操作については、ユーザー認証成功後、認証許可モードへ移行しないため、ログアウト操作は不要となる。ここでは、ログアウト操作とは、ユーザー認証の対象の操作をユーザー認証無しに行うことができる状態を終了する操作を示す。また、ユーザー認証機能を有する画像処理装置であっても、ユーザー認証の対象外の操作については、ユーザーは、認証なしに実行することができる。一方、第一の参照・変更操作については、ユーザー認証成功後、認証許可モードへ移行し、認証許可モード中はユーザー認証を促さず、認証許可モードは、認証許可モード終了操作に応答して自動的に終了する。そのため、第一の参照・変更操作については、一定範囲で認証許可モードを維持し、ユーザー認証を繰り返すことによる煩雑性をなくすことができる。
【0012】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記第一の参照・変更操作は複数の前記設定項目の設定画面を有する設定メニュー内における操作であって、前記認証許可モード終了操作は前記設定メニューの終了操作である。
【0013】
この態様によれば、複数の前記設定項目の設定画面を有する設定メニューにおいて、連続して複数の前記設定項目の参照・変更操作を行う場合、認証許可モード中は、ユーザー認証の対象操作であっても、ユーザー認証を省略して第一の参照・変更操作を行うことができる。また、設定メニュー終了操作時に、自動的に認証許可モードを終了するため、別途、ログアウト操作が不要となる。このため、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【0014】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記パネル制御部は、さらに、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である場合、前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第二の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行しない第三の認証制御を行う。
【0015】
この態様によれば、第二の参照・変更操作については、ユーザー認証後、認証許可モードに移行しないので、ログアウト操作は不要となる。
【0016】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記第三の認証制御は、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作であって、直前の前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作である参照操作についてユーザー認証成功後、一定期間内に続けて行われた同じ設定項目の変更操作である場合には、ユーザー認証を促さずに当該変更操作を許可する。
【0017】
この態様によれば、直前のユーザー操作が、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である参照操作であって、ユーザー認証成功後、一定期間内に続けて当該設定項目の変更操作を行う時、変更操作時にユーザー認証が必要なくなる。
【0018】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記ユーザー認証の対象とする前記ジョブ開始操作、又は前記第一若しくは第二の参照・変更操作は、管理者により選択可能にされている。
【0019】
この態様によれば、管理者がユーザー認証の必要な操作を選択できることによって、目的に合わせてユーザー認証の対象を選択することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0020】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記第二の認証制御では、さらに、認証許可モード中に、操作パネルが一定期間操作されない時にも前記認証許可モードを終了する。
【0021】
この態様によれば、一定期間操作されない時にも認証許可モードを終了することにより、第三者によって、不正に利用されることを防ぐことができる。
【0022】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記所定のジョブは、画像の読み取り処理及び画像データの印刷処理を有する。
【0023】
さらに、上記発明の好ましい様態によれば、前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記設定項目は、前記画像処理装置の通信関連項目を有する。このような画像処理装置の設定項目には、画像処理装置の通信設定を行うか否かの項目やIPアドレス項目等の通信関連項目がある。
【0024】
さらに、上記発明の第2の側面によれば、所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置の制御方法であって、前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルのパネル制御工程を有し、前記パネル制御工程は、前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知すると共に、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別する操作判別工程と、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御工程と、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施の形態における画像処理装置の内部構成を示す図である。
【図2】操作パネルを示す図である。
【図3】ユーザー操作が行われた時の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】第二の参照・変更操作が行われた時の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】ジョブ開始操作である印刷開始操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図6】ユーザー認証対象外の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図7】第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図8】認証許可モードで、第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図9】ユーザー認証対象外の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図10】第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【図11】一連の第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態例を詳細に説明する。図1は、本実施の形態における画像処理装置1の構成を示すブロック図である。同図において、画像処理装置1は、操作パネル11と制御部12とユーザー認証機能のための認証設定情報26とスキャナーユニット13、ファクシミリユニット14、メールユニット15、印刷ユニット16、通信インターフェース17を備える。画像処理装置は通信インターフェース17を介してLAN2に接続されており、LAN2を経由してクライアントPC等と相互に接続可能である。
【0027】
制御部12は、操作パネル11を制御するパネル制御部21、画像処理制御部22、制御プログラム23、メモリー24、CPU25を有する。制御部12は、制御プログラム23を実行して、画像処理装置1全体を制御すると共に、画像処理装置1が備えるスキャナーユニット13、ファクシミリユニット14、メールユニット15、印刷ユニット16と協働して、スキャン、ファックス、メール、印刷等の機能を実現する。
【0028】
画像処理制御部22は、画像処理装置1に設定された原稿台(図示せず)にて、原稿を読み取り、デジタルデータである画像データを生成する。制御部12は、各ユニットと協働して、生成した画像データの紙媒体への印刷や、他のデジタル複合機への送信を行う。
【0029】
パネル制御部21は、操作パネル11のパネル表示画面(図2の35)にメニュー画面等を表示すると共に、操作パネル11からの入力情報を判別し、ユーザーの操作内容を検知する。また、パネル制御部21は、ユーザーの操作内容に応じて、操作パネル11のパネル表示画面35内の表示内容を切り替える。
【0030】
図2は、画像処理装置1の操作パネル11を表す図である。操作パネル11は、パネル表示画面35と複数の操作ボタンで構成されている。パネル表示画面35は、液晶パネルであって、画像処理装置1の現在の状態やメニュー画面が、文字や図形を用いて表示される。操作ボタンには、機能メニュー表示ボタン31、32、33、34、各種設定メニューボタン40、OKボタン36、方向キー37、戻るボタン38、リセットボタン39がある。ユーザーは、パネル表示画面35を見ながら、操作ボタンを押下し、画像処理装置1に操作に対応する指示を行う。
【0031】
機能メニュー表示ボタン31〜34は、画像処置装置1の機能の操作メニューを、パネル表示画面35に表示するためのボタンである。機能メニュー表示ボタンであるコピーボタン31、スキャンボタン32、プリントボタン33、ファックスボタン34のいずれかを押下すると、パネル制御部21は、パネル表示画面35に機能メニューを表示する。また、各種設定ボタン40を押下すると、パネル制御部21は、パネル表示画面35に各種設定メニューを表示する。各種設定メニューでは、画像処理装置1に関する設定項目の参照や変更の操作を行う。
【0032】
OKボタン36は、コピー、スキャン、プリント、ファックス機能の操作の開始や、設定項目の選択、または設定項目の値の選択を確定する時に使用する。方向キー37は、設定項目の選択の変更、または設定項目の値の選択を変更する時に使用する。戻るボタン38は、パネル表示画面の表示をひとつ前の画面に戻す時や、各種設定メニューを終了する時に使用する。リセットボタン39は、コピーなどの機能メニューにおいて、変更した設定項目の値を初期値へ戻す時に使用する。
【0033】
図1の認証設定情報26には、少なくとも、ユーザー認証の対象とするユーザー操作情報と認証のための照合情報が格納される。これらの情報は、画像処理装置1の操作パネル11から入力してもよいし、ネットワーク接続されたクライアントPCから、認証設定情報26を設定するためのドライバアプリケーション等を介して入力してもよい。
【0034】
ユーザー認証の方法として、ユーザーは、テンキー(図示せず)を利用してパスワードを認証情報として入力してもよいし、ICカードや生体認証を利用して認証情報を入力してもよい。制御部12は、認証設定情報26を参照して、受け付けたユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか検知する。当該ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であった場合、制御部12は、パネル表示画面35にユーザー認証画面を表示する。ユーザーが認証情報を入力すると、制御部12は、受け付けた認証情報が、認証設定情報26の照合情報と一致するかどうか判定する。
【0035】
上記のような画像処理装置1は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、ファクシミリ機能を備える複合機である。このような画像処理装置1は、通信インターフェース17、LAN2を介して接続されたクライアントPCからの印刷要求に応じて、画像データを紙媒体に出力するネットワークプリンタとしての印刷処理や、スキャナ機能で読み取った画像データのクライアントPCへの保存処理や、メールサーバーへの送受信処理などを行う。また、ファクシミリ送信のための手順を実行するモデム(図示せず)を有し、公衆電話回線(図示せず)を用いて画像データの送受信を行う。
【0036】
本実施の形態例における画像処理装置1のジョブには、コピー、スキャン、プリント、ファックス送受信等の処理がある。また、設定項目には、前記ジョブの設定項目と画像処理装置1の設定項目がある。例えば、ジョブの設定項目には、コピーの設定項目「用紙選択」「倍率」「両面」「濃度」等があり、画像処理装置1の設定項目には、「システム情報」や「表示言語」、「共通設定」等がある。認証設定情報26には、ユーザー認証の対象とするジョブ開始操作や第一、第二の参照・変更操作が予め定められる。
【0037】
ユーザー操作とは、ユーザーが操作パネル11で行った操作であり、ジョブ開始操作、参照・変更操作、その他の操作に分けられる。
【0038】
ジョブ開始操作とは、コピー、スキャン、プリント、ファックス等のジョブを開始する操作である。ユーザーは、実行する対象のジョブの機能メニューをパネル表示画面35に表示した状態で、OKボタン36を押下して、ジョブ開始操作を行う。
【0039】
参照・変更操作とは、前記ジョブ、及び画像処理装置1の設定項目の参照・変更を行う操作であり、第一の参照・変更操作と、第二の参照・変更操作とに分けられる。本実施の形態例では、画像処理装置1の複数の設定項目を含む設定メニューである各種設定メニューの設定項目の参照・変更操作を、第一の参照・変更操作とする。各ジョブの機能メニュー画面の設定項目の参照・変更操作を、第二の参照・変更操作とする。
【0040】
第一の参照・変更操作には、参照操作と変更操作がある。ユーザーは、例えば、各種設定メニューの「表示言語」項目を選択し、OKボタン36を押下して、「言語表示」の参照操作を行う。さらに、「表示言語」画面を表示した状態で、選択肢から言語を選択してOKボタン36を押下し、「表示言語」の変更操作を行う。
【0041】
同様に、第二の参照・変更操作にも、参照操作と変更操作がある。ユーザーは、例えば、コピーの機能メニューにおいて、ジョブの設定項目である「用紙選択」項目を選択し、OKボタン36を押下して、「用紙選択」の参照操作を行う。さらに、「用紙選択」画面を表示した状態で、選択肢から用紙を選択してOKボタン36を押下し、「用紙選択」の変更操作を行う。
【0042】
認証許可モード終了操作とは、本実施の形態例では、例えば、パネル表示画面35に各種設定メニューが表示されている状態で、戻るボタン38を押下する操作である。
【0043】
図3は、操作パネル11がユーザーによって操作された時の処理の流れを示すフローチャート図である。このフローチャートを使用して、操作パネル制御の概要を説明する。
【0044】
画像処理装置1の電源を投入すると、画像処理装置1は、ユーザー操作受け付け待ち状態になる(S301)。制御部12は、ユーザー操作を検知すると、ユーザー操作がジョブ開始操作かどうか判別する(S302)。
【0045】
検知したユーザー操作がジョブ開始操作の場合(S302のYes)、制御部12は、さらに、そのユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか判別する(S303)。ユーザー操作がユーザー認証の対象操作ではない場合、制御部12はパネル表示画面35にユーザー認証画面を表示せずにジョブを開始する(S304)。
【0046】
一方、検知したユーザー操作がジョブ開始操作であって(S303のYes)、ユーザー認証の対象操作である場合、制御部12は、パネル表示画面35にユーザー認証を促すユーザー認証画面を表示する(S305)。ユーザーがユーザー認証に成功すると(S306のYes)、制御部12はジョブを開始する。ユーザー認証に失敗した場合(S306のNo)、制御部12は、ジョブを開始せずにユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(S301)。ジョブ開始操作に対するユーザー認証は、そのユーザー開始操作のみ認証し、認証に成功しても認証許可モードには入らない。
【0047】
検知したユーザー操作が、第一の参照・変更操作であった場合(S307のYes)、制御部12は、ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか判別する(S308)。検知したユーザー操作がユーザー認証の対象操作ではない場合(S308のNo)、制御部12はユーザー認証画面を表示せずに参照・変更操作を実行する(S309)。
【0048】
一方、検知したユーザー操作が、第一の参照・変更操作であって(S307のYes)、ユーザー認証の対象操作である場合(S308のYes)、制御部12はさらに、現在、認証許可モード中であるかどうか確認する(S310)。認証許可モードではない場合(S310のNo)、制御部12はパネル表示画面35にユーザー認証画面を表示する(S311)。ユーザーがユーザー認証に成功すると(S312のYes)、制御部12は認証許可モードを開始する(S313)と共に、参照・変更操作を実行する(S314)。ユーザー認証に失敗した場合(S312のNo)、制御部12は、参照・変更操作を行わずにユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(S301)。
【0049】
そして、検知したユーザー操作が、第一の参照・変更操作であって(S307のYes)、ユーザー認証の対象操作であり(S308のYes)、認証許可モード中である場合には(S310のYes)、制御部12は、ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるにも関わらず、ユーザー認証画面を表示することなく参照・変更操作を実行する(S315)。
【0050】
検知したユーザー操作が、第二の参照・変更操作である場合(S316のYes)については、第2の実施例で説明する。
【0051】
さらに、検知したユーザー操作が、ジョブ開始操作でもなく、第一、第二の参照・変更操作でもないその他の操作である場合、制御部12は当該操作を実行する(S318)。そして、制御部12は、ユーザー操作が認証許可モード終了操作かどうか判別する(S319)。ユーザー操作が認証許可モード終了操作である場合、さらに、制御部12は、認証許可モード中であるかどうか確認する(S320)。認証許可モード中である場合(S320のYes)、制御部12は、認証許可モードを終了する(S321)。一方、ユーザー操作が認証許可モード終了操作ではない場合(S319のNo)、及び、認証許可モード中ではない場合(S320のNo)、制御部12は、ユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(S301)。
【0052】
[具体例]
以下に、ユーザー認証の対象であるジョブ開始操作に対する第一の認証制御と、ユーザー認証の対象である第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御の具体的な実施例を示す。
【0053】
ユーザー認証の対象のジョブ開始操作の例として、ユーザーが、クライアントPCから画像処理装置1に印刷を要求し、画像処理装置1にてユーザーが印刷を開始する処理を、続いて、第一の参照・変更操作として、各種設定ボタン40を押下して、画像処理装置1の設定項目の参照や変更を行う操作について、パネル表示画面35の表示と併せて説明する。
【0054】
本実施の形態例では、ユーザー認証を必要とするジョブ開始操作、及び、参照・変更操作を予め設定している。本実施の形態例では、ジョブの開始操作であるプリントの開始操作、各種設定メニュー内の設定項目である「表示言語」「共通設定」項目の参照操作・変更操作がユーザー認証の対象の操作と設定されているものとする。また、プリントの機能メニュー内の「ユーザーデータ」の参照・変更操作と、各種設定メニュー内の設定項目である「システム情報」の参照操作はユーザー認証の対象外の操作とする。
【0055】
なお、プリントの機能メニュー内の「ユーザーデータ」の参照・変更操作は、第二の参照・変更操作であるが、ユーザー認証の対象外の操作であるため、第三の認証制御に該当しない。ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作に対する第三の認証制御については、第2の実施例で後述する。
【0056】
ユーザーが、ネットワークを介して接続されたクライアントPCから、画像処理装置1に対して、画像データの印刷を要求すると、画像処理装置1は、クライアントPCから印刷要求を受け付ける。そして、ユーザーは画像処理装置1のある場所へ移動して、画像処理装置1の操作パネル11において次の操作を行う。
【0057】
図5は、ユーザー認証の対象のジョブ開始操作である印刷開始操作を行った時のパネル遷移を表す図である。まず、ユーザーは、操作パネル11のプリントボタン33を押下する。プリントボタン33が押下されると、制御部12は、パネル表示画面35に、プリントの機能メニューを表示する。図5(a)は、プリントの機能メニューを表す図である。プリントの機能メニューにおいて、方向キー37とOKボタン36で「ファイルタブ」を選択し、さらにプリント対象のユーザーデータリストを示す「ユーザーデータ」を選択すると、制御部12は、「ユーザーデータ」の参照操作を実行し、図5(b)のような「ユーザーデータ」画面をパネル表示画面35に表示する。前述した通り、「ユーザーデータ」の参照操作は、ユーザー認証の対象操作でないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示しない。
【0058】
「ユーザーデータ」画面の選択肢から方向キー37でプリント対象の「A002」選択し、OKボタン36を押下すると、「ユーザーデータ」の変更操作もまた、ユーザー認証の対象操作ではないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに「ユーザーデータ」の変更操作を実行する。変更操作後、制御部12は、図5(c)のように、パネル表示画面35にプリントの機能メニューを表示し、ユーザーデータ部分に「A002」を表示する。
【0059】
プリントの機能メニューが表示されている状態で、ユーザーが、OKボタン36を押下すると(図5(d))、それがジョブ開始操作となり、ジョブの1つであるプリントの開始操作が実行される。このプリントの開始操作は、ユーザー認証の対象の操作であるため、制御部12は、図5(e)のようなユーザー認証画面を表示する。なお、OKボタン36の押下によりジョブ開始が実行されるのでなく、OKボタン36とは別に設けられたスタートボタン(図示せず)の押下によりジョブ開始を実行するようにしてもよい。
【0060】
本実施の形態例では、ユーザー認証操作は、ユーザーがテンキー(図示せず)を使用してパスワードを入力することによって行う。ユーザーがパスワード入力して、OKボタン36を押下すると、制御部12は、認証設定情報26の照合情報を参照して、認証情報が認証情報と一致するか否か判別する。認証情報が認証情報と一致して、ユーザー認証に成功すると、制御部12は、ユーザーデータ「A002」のプリントを実行する(図5の(f))。
【0061】
このように、画像処理装置1の操作パネル11への操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、選択可能な複数の操作のうち、ユーザー認証を必要とするプリント開始操作などのジョブ開始操作毎にユーザー認証を求めることにより、ユーザー認証の範囲がパネル操作全体ではなく特定の操作に限定される。また、ユーザー認証成功後、認証許可モードへは移行しないため、認証許可モードの終了操作を示すログアウト操作は不要となる。つまり、ユーザー認証の対象は、ジョブの開始操作のみに限定される。これにより、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【0062】
次に、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御について説明する。
【0063】
図6は、ユーザー認証対象外の第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。引き続き、ユーザーが、各種設定ボタン40を押下すると、制御部12は、パネル表示画面35に、図6(b)のような「各種設定メニュー」を表示する。ユーザーが、各種設定メニューにおいて「システム情報」を選択すると、この「システム情報」の参照操作はユーザー認証の対象外の操作であるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに、図6(c)のような参照画面を表示する。
【0064】
「システム情報」画面において、ユーザーが戻るボタン38を押下すると(図6(d))、制御部12は、再び「各種設定メニュー」を表示する(図6(b))。戻るボタン38の押下は、ジョブ開始操作、第一、第二の参照変更操作でもないその他の操作(図3のS316のNo)に当たり、「システム情報」画面における戻るボタン38は許可モード終了操作ではないため、制御部12は許可モード終了操作を行わない。
【0065】
次に、図7は、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。ユーザーが、各種設定メニューにおいて「表示言語」を選択してOKボタン36を押下すると、この「表示言語」の参照操作はユーザー認証の対象の操作であるため、制御部12は図7(c)のようにユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下し、認証に成功すると、図7の(d)のように、制御部12は表示言語を参照する「表示言語」画面を表示する。ユーザー認証に成功すると共に、制御部12は、認証許可モードを開始する。
【0066】
そして、「表示言語」画面において、ユーザーが、「日本語」を選択し(図7(e))、OKボタン36を押下して変更操作を行うと(図7の(f))、制御部12は「表示言語」項目の変更操作を実行する。「表示言語」の変更操作も、参照操作と同様に、ユーザー認証の対象の操作であるが、認証許可モード中であるため、制御部12はユーザー認証画面を表示せずに、「表示言語」の変更操作を実行する。この時、制御部12は、認証許可モードを維持する。変更操作が完了すると、制御部12は、パネル表示画面35に各種設定メニューを表示する(図7の(b))。
【0067】
図8は、認証許可モードで、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。図7から続いて、ユーザーが、各種設定メニューにおいて「共通設定」を選択すると(図8(b))、この「共通設定」の参照操作は、ユーザー認証の対象の操作であるが、図7のユーザー認証により認証許可モード中であるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに、図8(c)のような「共通設定」画面を表示する。この時、制御部12は、認証許可モードを維持する。
【0068】
さらに、図8(d)のように「共通設定」画面において、「プリンタ名」を変更する。「プリンタ名」を変更してOKボタン36を押下して変更操作を行うと(図8の(e))、制御部12は「プリンタ名」項目の変更操作を行う。「プリンタ名」の変更操作もユーザー認証の対象の操作であるが、認証許可モード中であるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに「プリンタ名」の変更操作を行う。この時、制御部12は、認証許可モードを維持する。変更操作が完了すると、制御部12は、パネル表示画面35に各種設定メニューを表示する(図8の(b))。
【0069】
なお、「プリンタ名」を参照し、変更する必要がない場合、「共通設定」画面が表示された状態で戻るボタン38を押下すると、制御部12は、再び各種設定メニューを表示する(図8(b))。戻るボタン38の押下は、その他の操作(図3のS316のNo)に当たるが、「共通設定」画面における戻るボタン38は許可モード終了操作ではないため、制御部12は認証許可モードを維持する。
【0070】
そして、次に、図8(b)の各種設定メニューが表示された状態で、戻るボタン38を押下すると(図8(f))、各種設定メニュー画面における戻るボタン38は各種設定メニューの終了操作に対応する許可モード終了操作に該当するため、制御部12は、認証許可モードを終了してメイン画面を表示する(図8(a))。つまり、設定メニューの終了操作に対応して自動的に認証許可モードが終了する。
【0071】
再度、各種設定ボタンを押下すると、制御部12は、各種設定メニューを表示する。ユーザーが再び「共通設定」項目を選択すると、認証許可モード中ではないため、制御部12は、今度は、ユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下すると、認証に成功し、制御部12は認証許可モードを開始すると共に、「共通設定」画面を表示する。図7(b)の各種設定メニューが表示された状態で戻るボタン38を押下した場合も同様に認証許可モードが終了する。
【0072】
このように、画像処理装置1の操作パネル11への操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、選択可能な複数の操作のうち、ユーザー認証を必要とする「表示言語」の参照操作などの操作毎にユーザー認証を求めることにより、ユーザー認証の範囲がパネル操作全体ではなく特定の操作に限定される。
【0073】
また、ユーザー認証成功後、認証許可モードへ移行し、認証許可モード中はユーザー認証を促さず、参照・変更操作を実行する。このため、第二の認証制御は、本実施の形態例における各種設定メニューのように、ユーザー認証の対象の設定項目が多く含まれている設定メニューにおいて特に有効である。また、認証許可モードは、各種設定メニューの終了操作のような認証許可モード終了操作に応答して自動的に終了するため、別途、ログアウト操作が不要となる。これにより、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【0074】
[第1の実施例の変形例1]
上述した第1の実施の形態例では、プリント開始操作や各種設定項目メニューの「表示言語」、及び「共通設定」の参照操作、及び変更操作をユーザー認証の対象の操作としているが、ユーザー認証の対象とするジョブ開始操作や設定・参照操作を、管理者が任意に選択できるようにしてもよい。
【0075】
例えば、ジョブ開始操作であるプリント開始操作はユーザー認証の対象とするが、スキャン開始操作はユーザー認証の対象外とすることや、「表示言語」の参照・変更操作は、ユーザー認証の対象外の操作とするが、「共通設定」の参照・変更操作は、ユーザー認証の対象の操作とすることができる。
【0076】
これによると、管理者がユーザー認証の必要な操作を選択できることによって、目的に合わせてユーザー認証の対象を選択することができ、セキュリティレベルを最適化してユーザーの利便性を向上させることができる。
【0077】
また、参照・変更操作のうち、設定項目の参照操作、変更操作の両方をユーザー認証の対象操作としてもよいし、当該項目の参照操作はユーザー認証の対象外の操作とし、当該項目の変更操作のみをユーザー認証の対象操作としてもよい。
【0078】
これによると、設定項目の設定内容や選択肢は認証なしで自由に参照させる一方で、当該項目の変更操作にはユーザー認証を必要とするように設定できる。
【0079】
[第1の実施例の変形例2]
上述した実施例では、パネル表示画面で各種設定メニューを終了することで、認証許可モードが終了した。これによると、ユーザーは別途ログアウト操作を行う必要がない。しかし、さらに、認証許可モード中に、一定期間の間、操作パネル11が操作されない場合にも、認証許可モードを終了してもよい。
【0080】
例えば、認証許可モード中、最後の操作から3分間、操作パネル11が操作されない場合、制御部12は、認証許可モードを終了して、パネル表示画面35にメイン画面を表示する。これによると、認証許可モード開始後、認証許可モード終了操作を忘れた場合であっても、第三者によって不正に操作されることを防ぐことができる。
【0081】
[第2の実施例]
第2の実施例として、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作を行う第三の認証制御の実施例を以下に示す。
【0082】
図4は、検知したユーザー操作がユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である場合の第三の認証制御の流れを示すフローチャート図である。制御部12がユーザー操作を検知して、操作内容を判別するまでの処理の流れは、図3に示した第1の実施例と同様である。
【0083】
検知したユーザー操作が第二の参照・変更操作であった場合(図3のS317)、制御部12は、第二の参照・変更操作がユーザー認証の対象操作であるかどうか判別する(S401)。ユーザー操作がユーザー認証の対象の操作でない場合(S401のNo)、制御部12は参照・変更操作を実行する(S402)。ユーザー操作がユーザー認証の対象の操作である場合(S401のYes)、さらに、制御部12は、当該ユーザー操作が変更操作であるかどうか判別する(S403)。
【0084】
当該ユーザー操作が変更操作である場合(S403のYes)、制御部12は、直前の操作が、一定期間以内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、ユーザー認証に成功しているかどうか、判別する(S404)。直前の操作が、一定期間以内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、ユーザー認証に成功している場合(S404のYes)、当該ユーザー操作は、同設定項目の一連の参照、変更操作のうちの変更操作であり、既に参照操作でユーザー認証済みであるため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに変更操作を行う(S402)。
【0085】
一方、ユーザー操作が変更操作ではなく参照操作の場合(S403のNo)、または、直前の操作が一定期間以内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、ユーザー認証に成功している場合という条件を満たしていない場合(S404のNo)、制御部12は、ユーザー認証画面を表示する(S405)。ユーザー認証が成功すると(S406のYes)、制御部12は対応する参照・変更操作を実行する(S402)。ユーザー認証に失敗した場合(S406のNo)、制御部12は参照・変更操作を実行せずにユーザー操作受け付け待ち状態に戻る(図3のS301)。
【0086】
以上の通り、第二の参照・変更操作では、同一設定項目についての参照操作と変更操作という密接な関係にある一対の操作に限り、認証許可モードを維持する。
【0087】
[具体例]
以下に、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作を行う第三の認証制御の具体的な実施例を示す。第二の変更・参照操作としてスキャンの機能メニューの設定項目である「解像度」「保存先」の設定を行った後、ジョブ開始操作であるスキャンを実行する処理の例を、パネル表示画面35の表示と併せて説明する。
【0088】
本実施の形態例では、スキャンの機能メニューの設定項目である「保存先」の参照操作、変更操作と、ジョブ開始操作であるスキャンの開始操作をユーザー認証の対象操作とする。なお、ユーザー認証の対象とする第二の参照・変更操作についても管理者が任意に選択できるようにしてもよい。これによると、管理者がユーザー認証の必要な操作を選択できることによって、目的に合わせてユーザー認証の対象を選択することができ、セキュリティレベルを最適化してユーザーの利便性を向上させることができる。
【0089】
図9は、ユーザー認証対象外の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。ユーザーが、操作パネル11のスキャンボタン32を押下すると、制御部12はパネル表示画面35に、図9の(a)のようなスキャンの機能メニューを表示する。ユーザーが、スキャンの機能メニューにおいて、方向キー37とOKボタン36で「解像度」を選択して参照しようとすると、この「解像度」の参照操作はユーザー認証の対象の操作ではないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに図9の(b)のような「解像度」画面を表示する。
【0090】
「解像度」画面の選択肢から方向キー37で「400dpi」を選択し(図9の(c))、OKボタン36を押下すると(図9(d))、「解像度」の変更操作はユーザー認証の対象の操作ではないため、制御部12は、ユーザー認証画面を表示せずに「解像度」の値を300dpiから400dpiに変更する。
【0091】
図10は、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。スキャンの機能メニューにおいて(図10(a))、ユーザーが「保存先」を選択し、OKボタン36を押下して参照しようとすると、この「保存先」項目の参照操作はユーザー認証の対象操作であるため、制御部12は、図10(b)のように、ユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下し、認証に成功すると、図10の(c)のように、制御部12は「保存先」画面を表示する。第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御と異なり、第二の参照・変更操作に対する第三の認証制御では、制御部12は認証許可モードを開始しない。
【0092】
さらに、「保存先」画面において、ユーザーが「002 A002フォルダ」を選択し(図10(d))、OKボタン36を押下して「保存先」を変更しようとすると(図10(e))、この「保存先」項目の変更操作はユーザー認証の対象操作であるため、制御部12は、図10(f)のように、ユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下し、認証に成功すると、制御部12は「保存先」項目を「002 A002フォルダ」に変更設定する。「保存先」項目の参照操作時と同様に、制御部12は認証許可モードを開始、又は維持しない。
【0093】
このように、ユーザー認証の対象である第二の参照・変更操作を行う第三の認証制御では、操作毎にユーザー認証を促し、ユーザー認証に成功しても、認証許可モードに移行しない。そのため、ユーザーは、ログアウト操作を行う必要がない。連続して複数の設定項目の参照・変更操作を実行する際に有効な第二の認証制御に対して、この第三の認証制御は、本実施の形態例におけるジョブの機能メニューのように、メニュー内において、ユーザー認証の対象の設定項目が少ない場合に有効である。
【0094】
次に、スキャンを実行するために、スキャンの機能メニューが表示された状態で、ユーザーは、OKボタン36を押下する。スキャンの開始操作は、第1の実施の形態例におけるプリントの開始操作と同様にユーザー認証の対象のジョブ開始操作であるため、制御部12はユーザー認証画面を表示する。ユーザーが適切なパスワードを入力して、OKボタン36を押下して、認証に成功すると、制御部12はスキャンの実行を開始する。
【0095】
[第2の実施例の変形例1]
前述した第2の実施の形態例では、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である「保存先」の参照操作と変更操作を連続して行う場合、参照、変更操作時の両方において、ユーザー認証を求めていた。
【0096】
しかし、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である設定項目の変更操作の直前の操作が、一定期間内に行われた同設定項目のユーザー認証の対象の参照操作であって、且つそのユーザー認証に成功している場合は、その後の変更操作時にユーザー認証を求めないのが好ましい。つまり、同じ「保存先」の参照操作においてユーザー認証に成功して、一定期間内に続けて「保存先」の変更操作を行う場合、変更操作時には、制御部12は、ユーザー認証画面を表示しない。
【0097】
図11は、ユーザー認証の対象の一連の第二の参照・変更操作を行った時のパネル遷移を表す図である。スキャンの機能メニューにおいて(図11(a))、ユーザーが「保存先」画面を参照する処理の流れは図10で前述した実施の形態例と同様である。そして、参照操作後にユーザー認証に成功した後に、一定期間以内に続いて、「保存先」画面において(図11(c))、ユーザーが「002 A002フォルダ」を選択し(図11(d))、OKボタン36を押下すると(図11(e))、直前の操作が同設定項目の参照操作であって、ユーザー認証に成功しているため、制御部12は、例外的にユーザー認証画面を表示せずに、「002 A002フォルダ」の設定操作を行う。ただし、この設定操作後の参照・変更操作においては、新たにユーザー認証を求める。
【0098】
これによると、ユーザー認証の対象である設定項目を続けて参照・変更する場合に、ユーザーは参照操作時にユーザー認証を行えばよく、変更操作時にユーザー認証を行う必要がない。そのため、ユーザーの利便性を向上する。
【0099】
このように、上記の実施の形態では、操作パネル11の操作開始時にユーザー認証を求めるのではなく、ユーザー認証の対象の操作に絞って、ユーザー認証を求める。そして、ユーザー認証の対象のジョブ開始操作に対する第一の認証制御では、ジョブの開始操作に対してのみユーザー認証を求め、認証許可モードに移行しない。このため、ジョブを開始した後のログアウト操作は不要となる。
【0100】
さらに、ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作に対する第二の認証制御では、認証成功後に、認証許可モードに移行し、認証許可モード終了操作に応答して自動的に認証許可モードを終了する。このため、第二の認証制御においても、別途、ログアウトのための操作が不要となる。また、連続して複数のユーザー認証の対象の設定項目の参照・変更操作を実行する時のユーザー認証の煩雑性を防ぐことができる。
【0101】
また、ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作に対する第三の認証制御では、認証成功後に、認証許可モードに移行しない。このため、第三の認証制御においても、ログアウト操作は不要になる。また、同設定項目のユーザー認証の対象の第二の参照操作と変更操作を連続して実行する場合は、例外的に変更操作時のユーザー認証を省略することもできる。この場合は、ユーザー認証の煩雑性を防ぐことができる。
【0102】
上記のように、本実施の形態では、ユーザー認証の範囲をユーザー認証の対象の操作に絞り、ユーザー認証の対象の操作に対しては、認証成功後のログアウト操作を不要とすると共に、ユーザー認証の煩雑性を防ぐ。これにより、ユーザーの利便性を損なわずに、ログアウトのし忘れを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0103】
1:画像処理装置、11:操作パネル、12:制御部、13:スキャナーユニット、14:ファクシミリユニット、15:メールユニット、16:印刷ユニット、17:通信I/F、21:パネル制御部、22:画像処理装置部、23:制御プログラム、24:メモリー、25:CPU、26:認証設定情報、
31:コピーボタン、32:スキャンボタン、33:プリントボタン、34:ファクシミリボタン、35:パネル表示画面、36:OKボタン、37:方向キー、38:戻るボタン、39:リセットボタン、40:各種設定画面ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置であって、前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルと、パネル制御部とを有し、
前記パネル制御部は、前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知し、さらに、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別し、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御と、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御と、
を行う画像処理装置。
【請求項2】
前記第一の参照・変更操作は複数の前記設定項目の設定画面を有する設定メニュー内における操作であって、前記認証許可モード終了操作は前記設定メニューの終了操作であることを特徴とする請求項1の画像処理装置。
【請求項3】
前記パネル制御部は、
さらに、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である場合、前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第二の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行しない第三の認証制御を行うことを特徴とする請求項2の画像処理装置。
【請求項4】
前記第三の認証制御は、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作であって、直前の前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作である参照操作についてユーザー認証成功後、一定期間内に続けて行われた同じ設定項目の変更操作である場合には、ユーザー認証を促さずに当該変更操作を許可することを特徴とする請求項3の画像処理装置。
【請求項5】
前記ユーザー認証の対象とする前記ジョブ開始操作、又は前記第一若しくは第二の参照・変更操作は、管理者により選択可能にされていることを特徴とする請求項1又は3のいずれかの画像処理装置。
【請求項6】
前記第二の認証制御では、
さらに、認証許可モード中に、操作パネルが一定期間操作されない時にも前記認証許可モードを終了することを特徴とする請求項1又は2の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記所定のジョブは、画像の読み取り処理及び画像データの印刷処理を有する請求項1の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記設定項目は、前記画像処理装置の通信関連項目を有する請求項1の画像処理装置。
【請求項9】
所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置の制御方法であって、
前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルのパネル制御工程を有し、
前記パネル制御工程は、
前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知すると共に、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別する操作判別工程と、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御工程と、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御工程と、
を有する画像処理装置の制御方法。
【請求項1】
所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置であって、前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルと、パネル制御部とを有し、
前記パネル制御部は、前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知し、さらに、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別し、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御と、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御と、
を行う画像処理装置。
【請求項2】
前記第一の参照・変更操作は複数の前記設定項目の設定画面を有する設定メニュー内における操作であって、前記認証許可モード終了操作は前記設定メニューの終了操作であることを特徴とする請求項1の画像処理装置。
【請求項3】
前記パネル制御部は、
さらに、前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第二の参照・変更操作である場合、前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第二の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行しない第三の認証制御を行うことを特徴とする請求項2の画像処理装置。
【請求項4】
前記第三の認証制御は、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作であって、直前の前記ユーザー認証の対象の前記第二の参照・変更操作である参照操作についてユーザー認証成功後、一定期間内に続けて行われた同じ設定項目の変更操作である場合には、ユーザー認証を促さずに当該変更操作を許可することを特徴とする請求項3の画像処理装置。
【請求項5】
前記ユーザー認証の対象とする前記ジョブ開始操作、又は前記第一若しくは第二の参照・変更操作は、管理者により選択可能にされていることを特徴とする請求項1又は3のいずれかの画像処理装置。
【請求項6】
前記第二の認証制御では、
さらに、認証許可モード中に、操作パネルが一定期間操作されない時にも前記認証許可モードを終了することを特徴とする請求項1又は2の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記所定のジョブは、画像の読み取り処理及び画像データの印刷処理を有する請求項1の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、画像の読み取り手段、画像印刷手段を少なくとも有し、前記設定項目は、前記画像処理装置の通信関連項目を有する請求項1の画像処理装置。
【請求項9】
所定のジョブを実行し、前記所定のジョブ及び画像処理装置の設定項目の参照、又は変更が行われる画像処理装置の制御方法であって、
前記ジョブの実行指示を行うジョブ開始操作と、設定項目の参照、又は変更を行う参照・変更操作と、を受け付ける操作パネルのパネル制御工程を有し、
前記パネル制御工程は、
前記操作パネルが受け付けたユーザー操作が、前記ジョブ開始操作か前記参照・変更操作かを検知すると共に、前記ユーザー操作がユーザー認証の対象操作であるか否かを判別する操作判別工程と、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の前記ジョブ開始操作である場合、前記ユーザー認証を促し、当該認証成功後にジョブ開始を許可すると共に、認証許可モードには移行しない第一の認証制御工程と、
前記ユーザー操作が前記ユーザー認証の対象の第一の参照・変更操作である場合、前記認証許可モードでない時は前記ユーザー認証を促し当該認証成功後に前記第一の参照・変更操作を許可すると共に前記認証許可モードに移行し、前記認証許可モード中は前記ユーザー認証を促さずに前記第一の参照・変更操作を許可し、認証許可モード終了操作に応答して前記認証許可モードを終了する第二の認証制御工程と、
を有する画像処理装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−193253(P2010−193253A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36336(P2009−36336)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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