説明

画像処理装置及びシステム

【課題】見開きで読み取った画像であっても、片側のページの表示又は印刷が可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】入出力ユニット2と連携して印刷対象の画像の指定が可能な入出力処理部11と、スキャナユニット3を介した原画像の読取りと原画像を複数の分割画像に分割することとが可能な原画像取得分割処理部12と、分割画像の分割範囲をユーザに変更可能とする画像分割範囲変更処理部13と、原画像と各分割画像との印刷用のデータを作成して印刷ユニット5に出力可能な印刷処理部14と、を備え、原画像と各分割画像を保存可能な記憶部4とアクセス可能に接続された構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の読み取り、読み取った画像の印刷等の所定の画像処理を行う画像処理装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナを介して一括で読み取り、得られた複数書類の画像データを書類単位で処理するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載のシステムでは、読み込まれた複数書類の画像データが、書類単位で対応するレイアウトに変換されてから印刷される。ここで、異なる書類の検出は、異なる書類間に事前に挟まれた仕切り用紙を介して行われる。また、画像データは書類毎等で階層的に管理され、各種設定項目も対応して階層的に設定される。
【0003】
このような構成によって、書類毎等の部分的な印刷も、画像データ全体の統一した印刷も可能となっている。また、編集機能に関しては、設定値の変更だけでなく、ページ単位や書類等の部分木単位等の移動及びコピー&ペーストが可能となっている。さらに、表示機能に関しては、印刷装置のディスプレイ上での拡大縮小表示、及び部分木単位等で縮小画像の一覧表示が可能である。
【特許文献1】特開2006−165863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像処理システムでは、所定の場合には望む拡大印刷をできないという問題を有していた。例えば、見開きでA3サイズとなる本をA4サイズからA3サイズに拡大印刷する場合、A2サイズの印刷が必要となる。A2サイズの印刷は、普及している一般のプリンタ、コピー機等では通常実現できない。そのため、このような拡大印刷を行う場合、ページ毎のスキャン等、画像の読み取りに要する労力負担は通常倍になってしまう。
【0005】
仮に特許文献1に記載の技術を用いて本を見開きで読み取ったとしても、この技術では、読み取られた画像の片側を拡大して印刷することはできない。また、ページ全体を拡大表示してディスプレイ上で見ようとしても、ディスプレイの表示領域が限られているため、見ることはできない。そして、残りのページを表示させる場合にも、画像を移動させつつ該当部分を捜す操作等の付加的な労力負担が生ずる。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、見開きで読み取った画像であっても、片側のページの表示又は印刷が可能な画像処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、外部の読取装置を介した原画像の読取りと前記原画像を複数の分割画像に分割することとが可能な原画像取得分割処理部と、前記原画像と各前記分割画像を保存可能な記憶部と、前記原画像と各前記分割画像との印刷用のデータを作成して外部の印刷装置に出力可能な印刷処理部と、印刷対象の画像の指定が可能な入出力処理部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記分割画像の分割範囲をユーザに変更可能とする画像分割範囲変更処理部を備える、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像分割範囲変更処理部が、少なくとも前記分割画像に対して印刷仕様を特定する印刷設定を設定可能となっている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記原画像取得分割処理部が、少なくとも前記分割画像に、ページ順又はその逆に表示可能にする情報を対応付けて管理する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、外部の読取装置を介した原画像の読取りと原画像を複数の分割画像に分割することとが可能な原画像取得分割処理部と、原画像と各分割画像を保存可能な記憶部と、原画像と各分割画像との印刷用のデータを作成して外部の印刷装置に出力可能な印刷処理部と、印刷対象の画像の指定が可能な入出力処理部と、を備えるため、見開きで読み取った画像であっても、片側のページの表示又は印刷が可能な画像処理装置を実現することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1の効果に加えて、分割画像の分割範囲をユーザに変更可能とする画像分割範囲変更処理部を備えるため、より適切な画像範囲に変更することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、上記請求項1又は請求項2の効果に加えて、画像分割範囲変更処理部が、少なくとも分割画像に対して印刷仕様を特定する印刷設定を設定可能となっているため、より適切な印刷仕様を設定することができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、上記請求項1乃至請求項3のいずれか一項の効果に加えて、原画像取得分割処理部が、少なくとも分割画像に、ページ順又はその逆に表示可能にする情報を対応付けて管理するため、閲覧するページ順等に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による画像処理システムの一実施例を模式的に示すブロック構成図である。画像処理システムは、図1に示すように、画像分割提供ユニット1、タッチパネル等の入出力ユニット2、スキャナユニット3、記憶ユニット4、及び、プリンタ等の印刷ユニット5を備える。
【0016】
画像分割提供ユニット1は、入出力処理部11、原画像取得分割処理部12、画像分割範囲変更処理部13、及び印刷処理部14を有する。ここで、入出力処理部11は、入出力ユニット2からの操作入力を処理し、入出力ユニット2に表示させる画像を作成して出力することが可能となっている。原画像取得分割処理部12は、スキャナユニット3を制御してスキャン画像の取得等が可能となっている。印刷処理部14は、印刷ユニット5に印刷させる画像を作成して出力可能となっている。
【0017】
なお、原画像取得分割処理部12は、原画像の一括読取りのための処理も可能である。原画像取得分割処理部12は、また、一括読取りで得られた画像データ(以下、一括読取り画像という。)の各ページ、所定の部分等を分割画像に分割可能となっている。原画像の分割技術に関しては既知であるため、その詳細については説明を省略する。
【0018】
画像分割範囲変更処理部13は、GUI(Graphical
User Interface)等のユーザインターフェイスを作成して表示し、ユーザに分割画像の分割範囲を変更可能とする。なお、画像分割提供ユニット1は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、OS(Operating System)、プログラム等を組み合わせて同様の機能を実現可能に構成されるのでもよい。
【0019】
記憶ユニット4は、分割画像への分割に関する情報が設定された画像管理テーブルT1と個々の分割画像に関する情報が設定された画像テーブルT2とを記憶する。図2は、画像管理テーブルT1と画像テーブルT2の構成の一実施例を示す説明図である。画像管理テーブルT1には、一括読取り画像と分割画像との管理情報が設定される。
【0020】
具体的には、画像管理テーブルT1には、文書ID(T11)、スキャン番号(T12)、枝番(T13)、スキャン画像ID(T14)、分割画像ID(T15)、分割開始位置(T16)及び印刷設定(T17)についてデータが設定される。ここで、文書ID(T11)には一括読取り画像を1つの文書として特定可能とする通番等の情報が設定され、スキャン番号(T12)にはスキャン順を特定可能な情報が設定される。また、同一のスキャン画像から得られた複数の分割画像は、重複した領域を含んでいてもよい。
【0021】
枝番(T13)には、一括読取り画像の構成をツリー構造で表したときの枝の番号を特定可能とする情報が設定される。これによって、複数種類の書面の読取画像データが一括読取り画像中に含まれる場合でも、書面毎に一括して管理可能となる。スキャン画像ID(T14)には、対応するスキャン画像が設定された画像テーブルT2を特定可能なIDが設定される。スキャン画像ID(T14)は、例えば、スキャン順に設定されるのでもよい。分割画像ID(T15)には、同様に、対応する分割画像が設定された画像テーブルT2を特定可能なIDが設定される。
【0022】
分割開始位置(T16)には、分割位置を特定可能な情報が設定される。例えば、A4サイズの画像をA5サイズにする2等分の場合、第2の分割画像の左上隅等が分割開始位置(T16)に設定される。ここで、第2の分割画像は、縦長のスキャン画像については下側の分割画像が該当し、横長の画像については右側の分割画像が該当し、残りが第1の分割画像である。
【0023】
これに応じて、画像の座標は、スキャン画像に対して、右方向にX軸が向き下方向にY軸が向き、画像の左上隅が原点となるように設定されている。ただし、分割開始位置(T16)は、書類に応じて左下隅、右上隅、右下隅等の位置に設定可能となっているのでもよい。この場合、分割開始位置(T16)に応じて、第1の分割画像と第2の分割画像とが入れ替え可能となっているのでもよい。
【0024】
印刷設定(T17)には、印刷仕様を特定する印刷設定が設定される。少なくとも分割画像には、印刷設定(T17)が設定可能となっている。印刷設定(T17)には、具体的には、A4、A3等の用紙サイズ、白黒/カラー印刷、倍率、片面/両面印刷等の印刷仕様を特定する情報が設定可能となっている。なお、印刷設定(T17)に、入出力ユニット2への表示の除外、印刷ユニット5への印刷の除外等が設定可能となっていてもよい。印刷設定(T17)の構成は、プリンタ、OS等に依存する。
【0025】
画像テーブルT2には、画像ID(T14、T15)等の画像を一意に識別可能な画像ID(T21)毎に、画像ヘッダ(T22)、画像データ(T23)が設定されている。もって、画像管理テーブルT1中の画像ID(T14、T15)を介して、対応する画像テーブルT2中の画像データ等が検索可能となっている。
【0026】
図3は、画像テーブルT2の画像ヘッダと画像データの構成の一例を示す説明図である。画像ヘッダ(T22)には、幅(T31)、高さ(T32)、画素値形式ID(T33)等についてデータが設定可能となっている。ここで、幅(T31)には管理する画像の幅方向の画素数が設定され、高さ(T32)には高さ方向の画素数画設定される。
【0027】
画素値形式ID(T33)には、画素値の表現形式を特定するIDが設定される。具体的には、ディスプレイ等での加法混色におけるRGB、印刷等での減法混色におけるCMY(Cyan Magenta Yellow)、その他の可視化方法、各色のレベル数等を特定可能なデータが設定される。画素値形式ID(T33)には、予めデフォルト値が設定されているのでもよい。
【0028】
RGBとCMYとの間で実質的に変換可能であるため、以下では、RGBについてレベル数が設定されるものとして説明する。因みに、画素値形式ID(T33)から画素当りの割当情報量(バイト数)が決定できるため、画像ヘッダ(T22)に基づいて、画像データ(T23)のデータサイズが算出可能となる。
【0029】
画像データ(T23)には、図3(b)に示すように、画素の座標毎に対応する画素値(P1)が、画像ヘッダ(T22)で指定された幅と高さの分だけ設定される。画素値(P1)は、図3(c)に示すように、各色に対して設定されている。
【0030】
図4は、画像作成印刷処理について説明するフローチャートである。画像作成印刷処理においては、まず、入出力処理部11が、希望の処理を選択可能にする処理指定インターフェイスを入出力ユニット2に表示する(S101)。
【0031】
図5は、ユーザインターフェイスの実施例を示す説明図であり、(a)は処理指定インターフェイスを示し、(b)は範囲入力インターフェイスを示す。処理指定インターフェイスには、図5に示すように、スキャン、保存データ、範囲変更、印刷等の選択ボタンが表示されている。ここで、スキャンと保存データは処理画像の入力方法を指定し、範囲変更は分割画像の分割範囲の変更を指定するためのものである。
【0032】
処理指定インターフェイスには、また、設定完了入力用の確認ボタン及び処理終了入力用の終了ボタンが表示されている。さらに、文書ID等の所定の情報の入力を可能とするフィールドが表示されている。このような構成によって、保存データが指定された場合、文書ID等のデータを介して記憶ユニット4に保存されている画像データが選択可能となる。ただし、上記のフィールドに代えて又は付加して、記憶ユニット4内の保存データが選択可能に表示される構成であってもよい。
【0033】
次に、入出力処理部11は、ユーザ操作に応じて、指定されたものがスキャンであるか否かを判断する(S102)。ステップS102でスキャンであると判断されたとき、原画像取得分割処理部12は、スキャン分割処理を行う(S110)。スキャン分割処理では、一括読取り、必要に応じて分割画像の作成、画像管理テーブルT1と画像テーブルT2の作成、テーブルT1、T2の記憶ユニット4への格納等の所定の処理が行われる。
【0034】
スキャン分割処理が終了したとき、入出力処理部11が、ステップS101で表示した処理指定インターフェイスを表示する(S121)。次に、入出力処理部11は、ユーザ操作に応じて、指定されたものが終了であるか否かを判断し(S122)、終了が選択されたとき、処理は終了する。ステップS122で指定されたものが終了でないと判断されたとき、処理はステップS123に跳ぶ。
【0035】
次に、入出力処理部11は、ステップS121で指定されたものが範囲変更であるか否かを判断する(S123)。ステップS123で範囲変更が指定されたと判断されたとき、画像分割範囲変更処理部13が、画像の分割範囲の変更を可能とする画像分割範囲変更処理を行う(S130)。画像分割範囲変更処理では、例えばユーザインターフェイスを介して分割画像、分割枠等が表示され分割範囲の変更が可能となり、変更された分割画像が記憶ユニット4に保存される。
【0036】
画像分割範囲変更処理が終了したとき、処理はステップS121に戻り、入出力処理部11が処理指定インターフェイスを表示して更なる処理の指定を可能とする。印刷前の画像作成及び分割範囲の変更が全て終了したとき、通常、印刷がステップS121で指定される。ただし、画像が保存されているため、終了が選択されるのでもよい。
【0037】
ステップS121で印刷が指定されたとき、印刷処理が行われ(S140)、処理は終了する。印刷処理では、まず、入出力処理部11が、ユーザインターフェイスを表示して印刷対象画像の指定を可能にする。次に、印刷処理部14が、指定された画像の印刷用データを作成して印刷ユニット5に出力し、印刷させる。
【0038】
図6は、スキャン分割処理について説明するフローチャートである。以下では、画像が画素数の多い方の辺に関して2つ折り状に分割される場合を例にとり説明する。ここで、2つ折りは標準の分割であり、分割領域の変更又は分割と変更の繰り返しによって所定の大きさの矩形画像を得ることが可能であることを指摘しておく。
【0039】
スキャン分割処理では、原画像取得分割処理部12が、まず文書ID(T11)を設定し(S111)、スキャンのカウンタkpを1に初期化する(S112)。次に、原画像取得分割処理部12が、スキャナユニット3を制御してスキャン画像を取得し、各テーブルT1、T2に対応するデータを設定して記憶ユニット4に格納する(S113)。
【0040】
ステップS113では、例えば文書ID(T11)、スキャン番号(T12)、スキャン画像ID(T14)等が画像管理テーブルT1に、スキャンして得られた画像についてのデータが画像テーブルT2に、それぞれ設定される。ここで、スキャン番号(T12)にはスキャンのカウンタkpが設定され、スキャン画像ID(T14)には例えば上記の文書ID(T11)とカウンタkpとが組み合わされたものが設定される。
【0041】
画像テーブルT2には、スキャン画像ID(T14)が画像ID(T21)に、以下のデータが画像ヘッダ(T22)に、スキャン画像が画像データ(T23)に、それぞれ設定される。画像ヘッダ(T22)には、スキャン画像の幅方向の画素数Wが幅(T31)に、高さ方向の画素数Hが高さ(T32)にそれぞれ設定される。以下、幅方向の画素数を単に幅といい、高さ方向の画素数を単に高さという。
【0042】
次に、画像管理テーブルT1の分割画像に対するデータの設定が以下のように行われる。まず、原画像取得分割処理部12が、スキャン画像の高さHが幅Wより長いか否かを判断し(S114)、長い方を決定する。既に説明したように、ここでは2つ折りが対象とされ、第2の分割画像の左上隅の画素座標が分割開始位置(T16)である。
【0043】
まず、ステップS114で縦長と判断されたとき、原画像取得分割処理部12が、縦長スキャン画像設定を行う(S115)。縦長スキャン画像設定では、分割画像の高さH2にはH/2が、幅W2にはWがそれぞれ設定される。また、分割開始位置(T16)のX座標には0が、Y座標にはH2+1がそれぞれ設定される。
【0044】
次に、ステップS114で横長と判断されたとき、原画像取得分割処理部12が、横長スキャン画像設定を行う(S116)。横長スキャン画像設定では、分割画像の高さH2にはHが、幅W2にはW/2がそれぞれ設定される。また、分割開始位置(T16)のX座標にはW2+1が、Y座標には0がそれぞれ設定される。
【0045】
次に、原画像取得分割処理部12が、各分割画像の枝番(T13)と分割画像ID(T15)を作成して各テーブルT1、T2の関連部分に設定する(S117)。ここで、第1の分割画像と第2の分割画像の枝番(T13)には、それぞれ0と1が設定される。また、分割画像ID(T15)には、例えばスキャン画像ID(T14)と枝番(T13)とを組み合わせたものが設定される。なお、残りの印刷設定(T17)には、デフォルト値が設定されているものとする。
【0046】
次に、原画像取得分割処理部12が、各分割画像ID(T15)の分割画像を作成し、それぞれを別個の画像テーブルT2に設定する(S118)。画像テーブルT2への設定は、まず分割画像ID(T15)が画像ID(T21)に設定される。画像ヘッダ(T22)と画像データ(T23)に関しては、スキャン画像の場合と同様に設定される。例えば、画素数W2は幅(T31)に、高さ方向の画素数H2は高さ(T32)にそれぞれ設定される。
【0047】
次に、原画像取得分割処理部12が、スキャナユニット3からの情報に基づいて、全てのスキャン即ち読取りが完了したか否かを判断し(S119)、完了したと判断したとき、スキャン分割処理は終了する。ステップS119で全ての読取りが完了していないと判断されたとき、原画像取得分割処理部12が、カウンタkpを1増加させ(S120)、ステップS113以降のステップでの処理を繰り返す。
【0048】
図7は、画像分割範囲変更処理について説明するフローチャートである。画像分割範囲変更処理においては、まず、画像分割範囲変更処理部13が、範囲入力インターフェイスを表示して変更範囲の入力を要求して取得し、合計ページ数Nを算出する(S131)。範囲入力インターフェイスとしては、例えば図5(b)に示すものが使用可能であり、変更の開始と終了のページが、それぞれ例えば本を開いた場合の10ページ目と18ページ目として指定される。以下、ユーザインターフェイスを介した開始と終了のページの指定に関しては、同様に行うものとする。
【0049】
次に、画像分割範囲変更処理部13が、変更の開始と終了のページをそれぞれ対応するスキャン画像ID(T14)と枝番(T13)に変換する(S132)。これによって、(T14、T13)に対応して、開始のページが(Fp、Fb)に、終了のページが(Lp、Lb)に、それぞれ変換されるものとする。
【0050】
次に、画像分割範囲変更処理部13が、スキャン画像ID(T14)のカウンタiをFpに、枝番(T13)のカウンタjをFbに、ページのカウンタnを1に、それぞれ設定する(S133)。次に、画像分割範囲変更処理部13が、対象の分割画像を分割枠と共にユーザインターフェイスに表示して変更の入力を要求し、分割範囲変更の入力に応じて分割開始位置(T16)、幅(T31)、高さ(T32)を更新し、更新された分割範囲に基づきスキャン画像から画像データを切り出し、画像データ部(T23)を更新する。ここでの分割範囲変更は例えば分割枠のドラッグなどで行えるインターフェイスを用意しておくものとする(S134)。ここで、処理対象の分割画像は、カウンタi即ちスキャン画像ID(T14)、及びカウンタj即ち枝番(T13)で指定されるものである。
【0051】
次に、画像分割範囲変更処理部13が、ユーザインターフェイスを介して印刷設定(T17)のデフォルト値を表示して変更の入力を要求し、入力に応じて印刷設定(T17)を更新する(S135)。
【0052】
次に、画像分割範囲変更処理部13が、枝番(T13)のカウンタjとページのカウンタnとを、それぞれ1増加させる(S136)。次に、画像分割範囲変更処理部13が、ページのカウンタnが合計ページ数N以下であるか否かを判断し(S137)、Nを超えていると判断したとき、画像分割範囲変更処理は終了する。ステップS137でページのカウンタnがN以下であると判断されたとき、画像分割範囲変更処理部13が、枝番(T13)のカウンタjが2以上であるか否かを判断する(S138)。
【0053】
ステップS138で枝番(T13)のカウンタjが2未満であると判断されたとき、処理はステップS134に戻り、画像分割範囲変更処理部13が、以降のステップでの処理を繰り返す。ステップS138で枝番(T13)のカウンタjが2以上であると判断されたとき、画像分割範囲変更処理部13が、スキャン画像ID(T14)のカウンタiを1増加させ、枝番(T13)のカウンタjを0に設定する(S139)。ステップS139でカウンタiとカウンタjが更新されたとき、処理はステップS134に戻り、画像分割範囲変更処理部13が、以降のステップでの処理を繰り返す。
【0054】
図8は、印刷処理について説明するフローチャートである。印刷処理においては、まず、印刷処理部14が、範囲入力インターフェイスを表示して印刷範囲の入力を要求して取得し、合計ページ数Nを算出する(S141)。次に、印刷処理部14が、ステップS132と同様に、変更の開始と終了のページをそれぞれ対応するスキャン画像ID(T14)と枝番(T13)に変換する(S142)。
【0055】
次に、印刷処理部14が、スキャン画像ID(T14)のカウンタiをFpに、枝番(T13)のカウンタjをFbに、ページのカウンタnを1に、それぞれ設定する(S143)。次に、印刷処理部14が、対象の画像の印刷用データを作成して印刷ユニット5に出力し印刷させる(S144)。ここで、印刷対象の画像は、カウンタi即ちスキャン画像ID(T14)、及びカウンタj即ち枝番(T13)で指定されるものである。
【0056】
次に、印刷処理部14が、枝番(T13)のカウンタjとページのカウンタnとを、それぞれ1増加させる(S145)。次に、印刷処理部14が、ページのカウンタnが合計ページ数N以下であるか否かを判断する(S146)。ステップS146でページのカウンタnがN以下であると判断されたとき、印刷処理部14が、枝番(T13)のカウンタjが2以上であるか否かを判断する(S147)。
【0057】
ステップS147で枝番(T13)のカウンタjが2未満であると判断されたとき、処理はステップS144に戻り、印刷処理部14が、以降のステップでの処理を繰り返す。ステップS147で枝番(T13)のカウンタjが2以上であると判断されたとき、印刷処理部14が、スキャン画像ID(T14)のカウンタiを1増加させ、枝番(T13)のカウンタjを0に設定する(S148)。ステップS148でカウンタiとカウンタjが更新されたとき、処理はステップS144に戻り、印刷処理部14が、以降のステップで処理を繰り返す。
【0058】
ステップS146でページのカウンタnがNを超えていると判断されたとき、印刷処理部14が、ユーザインターフェイスを介して、印刷済みデータを削除するか否かの入力を要求する(S149)。次に、印刷処理部14が、入力された情報に基づいて印刷済みデータを削除するか否かを判断し(S150)、削除しないと判断したとき、処理は終了する。ステップS150で削除すると判断されたとき、印刷処理部14が、対象のデータを削除して(S151)、処理は終了する。
【0059】
なお、画像分割提供ユニット1は、さらなる機能を有するように構成されるのでもよい。具体的には、記憶ユニット4に画像の保存データがない場合に、画像の取得のためにスキャンを開始するように構成されるのでもよい。また、詳細な情報が設定可能な処理指定インターフェイスが表示され、一連の処理が継続して可能となるのでもよい。さらに、その他の自動化の機能を有し、又は自動化を可能とするユーザインターフェイスが表示可能なように構成されるのでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明による画像処理システムは、事務機器、家庭用画像処理装置等として使用され、これらを製造する情報機器製造業、プログラム製造業、電子部品製造業等において利用可能であり、このような製品の有用性を増進する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による画像処理システムの一実施例を模式的に示すブロック構成図である。
【図2】画像管理テーブルT1と画像テーブルT2の構成の一実施例を示す説明図である。
【図3】画像テーブルT2の画像ヘッダと画像データの構成の一例を示す説明図である。
【図4】画像作成印刷処理について説明するフローチャートである。
【図5】ユーザインターフェイスの実施例を示す説明図であり、(a)は処理指定インターフェイスを示し、(b)は範囲入力インターフェイスを示す。
【図6】スキャン分割処理について説明するフローチャートである。
【図7】画像分割範囲変更処理について説明するフローチャートである。
【図8】印刷処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 画像分割提供ユニット
2 入出力ユニット
3 スキャナユニット
4 記憶ユニット
5 印刷ユニット
11 入出力処理部
12 原画像取得分割処理部
13 画像分割範囲変更処理部
14 印刷処理部
P1 画素値
T1 画像管理テーブル
T2 画像テーブル
T11 文書ID
T12 スキャン番号
T13 枝番
T14 スキャン画像ID
T15 分割画像ID
T16 分割開始位置
T17 印刷設定
T21 画像ID
T22 画像ヘッダ
T23 画像データ
T31 幅
T32 高さ
T33 画素値形式ID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の読取装置を介した原画像の読取りと前記原画像を複数の分割画像に分割することとが可能な原画像取得分割処理部と、
前記原画像と各前記分割画像を保存可能な記憶部と、
前記原画像と各前記分割画像との印刷用のデータを作成して外部の印刷装置に出力可能な印刷処理部と、
印刷対象の画像の指定が可能な入出力処理部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記分割画像の分割範囲をユーザに変更可能とする画像分割範囲変更処理部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像分割範囲変更処理部が、少なくとも前記分割画像に対して印刷仕様を特定する印刷設定を設定可能となっている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記原画像取得分割処理部が、少なくとも前記分割画像に、ページ順又はその逆に表示可能にする情報を対応付けて管理する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−114788(P2010−114788A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287243(P2008−287243)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】