説明

画像処理装置及び情報処理装置

【課題】装置全体の省スペース化を実現する画像処理装置及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】USB規格に基づく記録媒体及び挿入型の記録媒体を収納するための空間を形成する、第1の面Aと第2の面Bとを含む凹部を有する画像処理装置であって、前記USB規格に基づく記録媒体のUSB差込部18は、前記第1の面Aに形成され、挿入型の記録媒体の挿入型差込部は、前記第2の面Bに形成され、前記USB差込部18における差込方向は、前記挿入型差込部における差込方向と直交又は略直交となる画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能及びスキャナ機能を複合したMFP(Multi Function Peripheral)と称されるデジタル複合機が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなデジタル複合機によれば、手書き文書や紙の資料を電子化し、ネットワークで共有・活用することが可能になっている。即ち、このようなデジタル複合機は、ネットワーク上の一端末として位置づけられている。
【0004】
更に、上記デジタル複合機には、外部との情報のやり取りのためにリムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部を有しているモデルもある。近年、デジタルカメラ等の一時記憶媒体としてリムーバブルメモリメディアは多く使われており手軽さから一時保存だけでなく情報の受け渡しにもよく使われている。
【特許文献1】特開2004−356822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部を設置すると画像処理装置全体の床面積が大きくなってしまうという問題がある。特にこれを操作等に設置する場合においては、排紙の視認性を確保するため装置の正面から背面方向を小型化することが求められる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて、この問題を解消するために発明されたものであり、装置全体の省スペース化を実現する画像処理装置及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、USB規格に基づく記録媒体及び挿入型の記録媒体を収納するための空間を形成する、第1の面と第2の面とを含む凹部を有する画像処理装置であって、前記USB規格に基づく記録媒体のUSB差込部は、前記第1の面に形成され、挿入型の記録媒体の挿入型差込部は、前記第2の面に形成され、前記USB差込部における差込方向は、前記挿入型差込部における差込方向と直交又は略直交となるように構成することができる。これにより、装置全体の省スペース化を実現する画像処理装置を提供することができる。
【0008】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置では、前記第1の面と前記第2の面は、直交又は略直交するように構成することができる。これにより、当該画像処理装置において、USB規格に基づく記録媒体及び挿入型の記録媒体を収納するための空間である凹部が直交又は略直交する2つの面を有する場合に、装置全体の省スペース化を実現する画像処理装置を提供することができる。
【0009】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、ディスプレイ及び/又は操作キーを有する操作部を有し、前記凹部は、該操作部に設けられるように構成することができる。これにより、操作部において記憶媒体を用いたデータの読み書きを行うことが可能であるので、ユーザの操作性向上を実現することができる。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、前記記録媒体を保護する保護カバーを前記凹部に設けるように構成することができる。これにより、例えばデータの読み書き中に記憶媒体の抜き取りができないようにすることができる。即ち、データの安全性を確保すると共に装置全体の省スペース化を実現することができる。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、前記保護カバーをロックするためのロック機構を有するように構成することができる。これにより、データの安全性をさらに向上させることができる。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明の前記操作部は、USB差込部を可動にするための可動機構を備えているように構成することができる。これにより、挿入型の記憶媒体の挿抜時に、挿入型の記憶媒体がUSB規格に基づいた記憶媒体と干渉する可能性を防ぎ、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の前記可動機構は、前記USB差込部が前記第1の面上の水平方向を回転軸として上下方向を回動する機構であるように構成することができる。これにより、挿入型の記憶媒体の挿抜時に、挿入型の記憶媒体がUSB規格に基づいた記憶媒体と干渉する可能性を防ぎ、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、本発明の前記可動機構は、前記USB差込部が前記第1の面上の鉛直方向を回転軸として水平方向を回動する機構であるように構成することができる。これにより、挿入型の記憶媒体の挿抜時に、挿入型の記憶媒体がUSB規格に基づいた記憶媒体と干渉する可能性を防ぎ、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、前記保護カバーの開閉指示を入力する入力手段と、前記保護カバーの開閉動作を制御する第1の制御手段と、前記可動機構の動作を制御する第2の制御手段を有し、前記入力手段により前記保護カバーを開く指示が入力されると、前記第1の制御手段は前記保護カバーを開状態に制御し、前記第2の制御手段は、前記USB規格に基づく記録媒体の差込部が、前記USB規格に基づく記録媒体の挿抜を容易に行える位置にくるように制御するように構成することができる。これにより、ユーザはカバーを開く際に可動機構の動作を意識することない。そのため、ユーザ操作性をより向上させることができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、前記入力手段により前記保護カバーを閉じる指示が入力されると、前記第2の制御手段は、前記USB規格に基づく記録媒体が前記凹部に収納されるように制御し、前記第1の制御手段は前記保護カバーを閉状態に制御するように構成することができる。これにより、ユーザはカバーを閉じる際に可動機構の動作を意識することない。そのため、ユーザ操作性をより向上させることができる。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、USB規格に基づく記録媒体及び挿入型の記録媒体を収納するための空間を形成する、第1の面と第2の面とを含む凹部を有する情報処理装置であって、前記USB規格に基づく記録媒体のUSB差込部は、前記第1の面に形成され、挿入型の記録媒体の挿入型差込部は、前記第2の面に形成され、前記USB差込部における差込方向は、前記挿入型差込部における差込方向と直交又は略直交となるように構成することができる。これにより、装置全体の省スペース化を実現す情報処理装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像処理装置及び情報処理装置によれば、装置全体の省スペース化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
(装置の概要)
まず、本発明の前提として本実施形態1に係る画像処理装置の概要について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態1に係る画像処理装置の概要を示す図である。図1に示される画像処理装置は、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能及びスキャナ機能を複合したMFP装置を示している。なお、MFP装置に限らず、その他の画像処理装置及び画像形成装置であってもよいものとする。
【0019】
図1において、MFP(画像処理装置)1は、スキャナ2、原稿搬送部3、画像形成部4、給紙部5、排紙部6、操作部10等を有する。
【0020】
スキャナ2は、コンタクトガラス或いはADF(Auto Document Feeder)等の原稿搬送部3に載置された原稿を電子データとして読み取る装置である。画像形成部4は、スキャナ2により読み取られた電子データをもとに電子写真プロセスにより後述の給紙部5から搬送された転写紙に対して画像を形成する。なお、画像形成部4は、図示しない感光体ドラム、帯電チャージャ、光書き込み器、現像ユニット、転写チャージャ、定着部等により構成される。
【0021】
給紙部5は、給紙トレイに載積された転写紙を後述の画像形成部4に搬送する機構を備えた装置である。排紙部6は、画像形成部4から排出されてくるコピーを排紙する。操作部10は、ユーザがダイアログ方式で設定条件やスタートの入力操作を行うためのキー、表示器等により構成される。操作部10の詳細説明は、図2〜12を用いて後述する。
【0022】
以上の装置の構成により、画像処理装置1では、スキャナ2において原稿は電子データとして読み取られる。次に画像形成部4は、スキャナ2において読み取られた電子データをもとに、給紙部5から搬送されてきた転写紙に画像を形成する。画像が形成された転写紙、即ちコピーが施された転写紙は、排紙部6により排紙される。なお、操作部10は、ユーザが各種設定を行ったり各種情報を表示したりするためのマンマシンインタフェース部である。
【0023】
また、本実施形態1に係る画像処理装置1では、ユーザがUSBメモリ及びSDカードメモリ等の記憶媒体(リムーバブルメモリメディア)を、当該画像処理装置1の図示しないリムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部と接続することにより記憶媒体により記憶された画像等のデータに基づいて画像処理を行うことができる。
【0024】
このとき、リムーバブルメモリメディアはリムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部のコネクタに直接差して使用されるため、ユーザは物理的には自由に抜き差し可能である一方、アクセス中に抜き取るとデータ破損やOSの動作に支障をきたすということが懸念される。そのため、例えば操作部10等にリムーバブルメモリメディアを収納するための空間である凹部を設け、リムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部を操作部10と一体化することにより操作部10の小型化が実現される。
【0025】
以降、このようなリムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部が操作部10に設けられた場合の操作部10の構成例について図面を用いて説明する。なお、リムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部が設けられるのは操作部10に限らないものとする。操作部10以外のスペースであってもよい。
【0026】
(操作部10の構成概要)
次に、本実施形態1に係る画像処理装置における操作部10の構成例について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態1に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【0027】
本実施形態1に係る画像処理装置では、図2に示される操作部10において後述する操作キー13の手前方向に凹部が形成されている。凹部は、2つの面(ここでは、略鉛直な第1の面A及び第2の面B)を含んでいる空間である。凹部は、USBメモリ等のUSB規格に基づく記録媒体及びSDカードメモリ等の挿入型の記録媒体(リムーバブルメモリメディア)を収納するための空間である。このような記憶媒体の読み書きを行うための装置としてのリムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部14は、操作部10と一体化している。詳細構成については以降説明を行う。
【0028】
図2において、操作部10は、操作パネル11、アプリケーションキー12、操作キー13、リムーバブルメモリメディアリーダー/ライター部14、カバー16、カバーオープンボタン17等により構成される。
【0029】
操作パネル11は、ユーザが各種設定を行い、又、各種情報を表示するためのタッチパネルディスプレイである。アプリケーションキー12は、コピー機能、プリンタ機又はスキャナ機能等の機能を切り替えるためのキーである。操作キー13は、印刷枚数を指定するテンキー、印刷のリセットを行うためのリセットキー、印刷開始を指示するためのスタートキー等のキーである。
【0030】
リムーバブルメモリメディアリーダー/ライター部14は、SDカードメモリ及びUSBメモリ等のリムーバブルメモリメディアに記憶されたデータを読み書きするための装置である。図2においてはリムーバブルメモリメディアを差し込むための差込部についてのみ示されている。カバー16は、USBメモリ15等の記録媒体を保護する保護カバーである。カバーオープンボタン17は、カバー16の開閉等を行うためのボタンである。
【0031】
以上の装置の構成により、本実施形態1に係る操作部10では、操作キー13の手前方向に凹部が形成されている。凹部は、2つの面A及びBを含んでいる空間である。また、USBメモリ等のUSB規格に基づく記録媒体及びSDカードメモリ等の挿入型の記録媒体を収納するための空間である。
【0032】
図2に示されるように、USBメモリ15及びSDカードメモリ等のリムーバブルメディアの読み書きを行う装置であるリムーバブルメモリメディアリーダー/ライター部14を操作部10と一体化し、且つ、リムーバブルメモリメディア差込部(挿入口)を操作部10の凹部に収納している。
【0033】
これにより、操作部10自身の小型化を実現している。即ち、リムーバブルメモリメディアリーダー/ライター部14を設ける事による画像処理装置1全体の床面積の大型化を防ぎ、装置全体の小型化を実現している。また、操作パネル11及び操作キー13等を用いた各種操作と記録媒体を用いたデータの読み書きとを操作部10において行うことが可能であるので、ユーザの操作性向上を実現している。
【0034】
また、凹部において記録媒体を保護するカバー16を設けることにより、例えばリムーバブルメモリメディアリーダー/ライター部14を用いたデータの読み書き中にSDカードメモリ及びUSBメモリ15等のリムーバブルメモリメディアの抜き取りができないようにすることができる。即ち、リムーバブルメモリメディア内のデータの安全性を確保している。
【0035】
また、図2に示されるように操作部10に取り付けられているUSBメモリ差込部18は、カバー16内で横向きに設置されている。ここで横向きとは、画像処理装置1の正面から背面方向を縦方向とした場合の該縦方向に垂直な方向を示している。これにより、USBメモリ15が大きい場合でも、操作部10の凹部の空間内(カバー16内)に収まり、操作部10自体の小型化が可能となっている。なお、横向きは上記の場合に限らないものとする。横向きとは、画像処理装置1の左側面から右側面の方向を縦方向とした場合の該縦方向に垂直な方向を示していてもよい。
【0036】
更に、USBメモリ15の差込部であるUSB差込部18は、面Aに形成され、SDカードメモリ等の挿入型の記憶媒体の差込部である挿入型差込部14は、面Bに形成され、USB差込部18における差込方向は、挿入型差込部14における差込方向と直交又は略直交とすることにより、以下に掲げる効果を奏する。
【0037】
その効果とは、USBメモリ15のように、I/Fコネクタ部は規格化されているが、全体形状は規格化されていないメディアに対し、メディア形状が大型の場合であっても操作部10の凹部の空間内に収めることができ(カバー16を閉じることができ)、データの安全性を確保すると共に、画像処理装置1全体の空間の有効活用を実現していることである。
【0038】
以上で示されるように、本実施形態1に係る画像処理装置1の操作部10において、USBメモリ15等のUSB規格に基づく記録媒体とSDメモリ等の挿入型の記録媒体を収納するための空間を有効活用することにより、画像処理装置全体の省スペース化を実現している。
【0039】
なお、本実施形態1では、凹部は、2つの面A及びBを含んでいる空間であると説明した。しかしながら、USBメモリ等のUSB規格に基づく記録媒体及びSDカードメモリ等の挿入型の記録媒体(リムーバブルメモリメディア)を収納するための空間であればこの場合に限らないものとする。また、該空間が記憶媒体を収納する以外の目的をもっていてもよいものとする。
【0040】
また、本実施形態1では、凹部において第1の面A、第2の面Bは、それぞれ略鉛直な面であるように構成した。しかしながら、面Aと面Bが直交又は略直交する面であればこの場合に限らないものとする。これにより、当該画像処理装置において、USB規格に基づく記録媒体及び挿入型の記録媒体を収納するための空間である凹部が直交又は略直交する2つの面を有する場合に、装置全体の省スペース化を実現することができる。
【0041】
また、カバー16には、例えばソレノイド等を用いたロック機構が設けられているロック機構は、リムーバブルメモリメディアとのデータのアクセス中にはカバー16をロックすることにより意図しないリムーバブルメモリメディアの抜き取りを防止し、さらにデータの安全性を高めることができる。ロック機構については、公知の技術を用いてよい。
【0042】
[第2の実施形態]
次に、本実施形態2に係る画像処理装置について図3を用いて説明を行う。本実施形態2に係る画像処理装置の概要は、実施形態1に係るそれと同様であるとしてここでは説明を省略する。
【0043】
(操作部10の構成概要)
次に、本実施形態2に係る画像処理装置における操作部10の構成例について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態2に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【0044】
前述の本実施形態1に係る画像処理装置では、操作部10において2つの面A、Bを含む凹部は図2に示されるように形成されていた。ここでは、図3で示されるようにUSBメモリの挿抜方向側の壁が削除されている別の実施形態をしている。
【0045】
このような形状により、実施形態1に加えて以下に掲げる効果を奏する。その効果とは、USB差込部18が横向きであるため、USBメモリの大きさによっては挿抜時に抜き取り(差し込み)方向の壁(差込部の対面)が挿抜の妨げとなるという問題があるが、このような問題を解消し、USBメモリ挿抜時の妨げがなく、ユーザ操作性を向上させるという効果を奏する。
【0046】
本実施形態2では、USBメモリの挿抜方向側の壁が削除されているが、凹部の形状は本実施形態2及び前述の実施形態1の場合に限らない。ユーザ操作性を向上させること及び空間の有効活用等のためにその他の形状をとりうるものとする。
【0047】
[第3の実施形態]
次に、本実施形態3に係る画像処理装置について図4〜6を用いて説明を行う。前述の実施形態1及び2では、USB差込部18における差込方向と挿入型差込部14における差込方向とを直交又は略直交とすることにより、操作部10の小型化による空間の有効活用を実現した。
【0048】
この際、SDカードメモリ等の挿入型の記憶媒体の挿抜時には、挿入型の記憶媒体がUSBメモリ自身と干渉する可能性があり、USBメモリを抜かなくてはならない等の点が懸念される。ここでは、USBメモリ差込口を可動にすることにより、上記の点を解決しユーザ操作性を向上させることを目的とする実施の形態について説明を行う。なお、本実施形態3に係る画像処理装置の概要は、実施形態1に係るそれと同様であるとしてここでは説明を省略する。
【0049】
(操作部10の構成概要)
次に、本実施形態3に係る画像処理装置における操作部10の構成例について図4〜6を用いて説明する。図4は、本実施形態3に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。図5は、本実施形態3に係る画像処理装置における可動機構の例を示す図である。図6は、本実施形態3に係る画像処理装置における可動機構の動作例を示す図である。
【0050】
図4で示される操作部10の構成は、USB差込部18を除いて図2で示されるそれと同様であるので説明を省略する。ここでは、操作部10は、USB差込部18を可動にするための可動機構を備えている。これにより、図4のようにUSB差込部18は図中の矢印方向に回転駆動することが可能となっている。続いて図5を用いて可動機構の詳細例について説明を行う。
【0051】
図5は、図4における操作部10を画像処理装置1の上面から見た際の機構の例を示している。図5において、操作部10には、USB差込部18を格納するための空間が設けられている。更に、操作部10には、USB差込部18を可動にするための円形の稼働支持部101が設けられている。稼働支持部101は空洞となっており、後述のUSBメモリコネクタ102からケーブル等の導通が可能となっている。
【0052】
USBメモリコネクタ102は、USBメモリ15を差込むための差込口であり、前述の稼働支持部101により支持されるよう実装されている。
【0053】
以上で示される可動機構により、USB差込部18は、稼働支持部101により形成される稼働中心軸(図中の点線部分)を軸として回転稼働することにより可動になっている。そのため、挿入型の記憶媒体の挿抜時には、図4のようにUSB差込部18を回避させて挿入型の記憶媒体の挿抜を行い、USBメモリ15を収納する時には、図6のようにUSB差込部18を動かすことにより収納することが可能になる。
【0054】
このようにUSB差込部18を可動にすることにより、同スペースに配置されている他のリムーバブルメモリメディアの挿抜を妨げることがないようにすることができる、即ちユーザ操作性を向上させることができる。例えば、SDカードメモリ等の挿入型の記憶媒体の挿抜時には、挿入型の記憶媒体がUSBメモリ自身と干渉する可能性があり、USBメモリを抜かなくてはならない等の点を解決することができる。
【0055】
また、稼働支持部101において空洞が形成されることにより、USBコネクタから操作部10内部に実装されている図示しないコントローラ部へ電気的接続がなされることが可能である。
【0056】
なお、本実施形態3においては、図5のように操作部10にはUSB差込部18を格納するための空間が設けられていて、該空間内でUSB差込部18を可動にするための可動機構が形成されているが、この場合に限らない。面Aの外側方向、即ち凹部において上記の稼働機構が形成されてもよいものとする。
【0057】
また、本実施形態3で示されるUSB差込部18を可動にするための可動機構の適用範囲は上記の場合に限らない。該可動機構は、当該画像処理装置1の凹部でない所定の位置に設けられてもよいし、挿入型差込部14が設けられていない画像処理装置等に対して設けられてもよい。前述のいずれの場合にも、本発明に係る可動機構がUSB差込部18に対して設けられ、USB差込部18が可動になることにより、USBメモリを差し込みやすくなり従ってユーザ操作性を向上させるという効果を奏することができる。
【0058】
また、図4及び図6で示される可動機構は、当該画像処理装置1の面A上の水平方向を回転軸(図5では点線で示される稼働中心軸)として上下方向を回動する機構であるが、この場合に限らない。別の実施形態について後述の第4の実施形態において説明を行う。
【0059】
[第4の実施形態]
次に、本実施形態4に係る画像処理装置について図7、8を用いて説明を行う。本実施形態4に係る画像処理装置の概要は、実施形態1に係るそれと同様であるとしてここでは説明を省略する。前述の第3の実施形態に係る可動機構は、当該画像処理装置1の面A上の水平方向を回転軸として上下方向を回動する機構であった。ここでは、別の可動機構、即ち図7で示されるように面A上の鉛直方向を回転軸として水平方向を回動する機構であるについて説明を行う。
【0060】
(操作部10の構成概要)
次に、本実施形態4に係る画像処理装置における操作部10の構成例について図7及び8を用いて説明する。図7は、本実施形態4に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。図8は、本実施形態4に係る画像処理装置における可動機構の動作例を示す図である。
【0061】
図7において、操作部10は、USB差込部18を可動にするための可動機構を備えている。これにより、図7のようにUSB差込部18は図中の矢印方向に回転駆動することが可能となっている。なお、可動機構の構成例については前述の実施形態3と同様(図5参照)のものであるとしてここでは説明を省略する。
【0062】
以上で示される可動機構により、挿入型の記憶媒体の挿抜時には、図7のようにUSB差込部18を回避させて挿入型の記憶媒体の挿抜を行い、USBメモリ15を収納する時には、図8のようにUSB差込部18を動かすことにより収納することが可能になる。
【0063】
このようにUSB差込部18を可動にすることにより、USB差し込み部18を可動にすることにより、同スペースに配置されている他のリムーバブルメモリメディアの挿抜を妨げることがないようにユーザ操作性を向上させることができる。さらに、本実施形態4に係る可動機構を用いれば、USBメモリ15の挿抜方向が手前側であるため、ユーザ操作性をより向上させることが可能になる。なお、手前とは、本画像処理装置を操作するユーザの立つ側と言い換えてもよい。
【0064】
[第5の実施形態]
次に、本実施形態5に係る画像処理装置について図9〜図11を用いて説明を行う。なお、本実施形態5に係る画像処理装置の概要は、実施形態1に係るそれと同様であるとしてここでは説明を省略する。
【0065】
(操作部10の構成概要)
次に、本実施形態5に係る画像処理装置における操作部10の構成例について図9〜11を用いて説明する。図9は、本実施形態5に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。前述の実施形態4では、操作部10は、USB差込部18を可動にするための可動機構を備えていた。ここでは、可動機構が、カバー16の開閉に連動する例について説明を行う。これを実現するための画像処理装置1の機能構成及び動作フローについて図10、11を用いて順に説明する。
【0066】
(機能の構成)
まず、可動機構が、カバー16の開閉に連動することを実現するための機能の構成について図10を用いて説明を行う。図10は、本実施形態5に係る画像処理装置の機能ブロック図である。図10において、画像処理装置1は、入力手段210、第1の制御手段220、第2の制御手段230、全体制御手段240を有する。
【0067】
入力手段210は、カバー16の開閉指示を入力する。例えば、カバーオープンボタン17等である。第1の制御手段220は、カバー16の開閉動作を制御する。第2の制御手段230は、可動機構の動作を制御する。全体制御手段240は、前述の入力手段210、第1の制御手段220、第2の制御手段230の動作などを制御する。以上の機能の構成により、本実施形態5に係る画像処理装置1では、可動機構がカバー16の開閉に連動する。連動する動作については後述の動作例において説明する。
【0068】
(動作例)
次に、可動機構がカバー16の開閉に連動する動作例について図11を用いて説明する。図11は、本実施形態5に係る画像処理装置1の動作フローを示す図である。
【0069】
ここでは、入力手段210としてのカバーオープンボタン17がユーザ操作により押下されると、カバー16を開く際には、自動でカバー16が開き、その動作に連動してUSB差込部18は手前方向の所定の位置(ここでは、USBメモリ15の挿抜を容易に行える位置)にくるように制御される。また、カバー16を閉じる際には、USB差込部18が収納位置(USBメモリ15が凹部に収まる位置)に移動し、その動作に連動してカバー16は閉じられるように制御される。
【0070】
図11を用いてそれらの動作を説明する。まず、入力手段210は、ユーザ操作によりカバー16の開閉指示を入力する(S101)。次に、ステップS102へ移って、全体制御手段240は、入力手段210により入力されたカバー開閉指示に基づいて開指示か否かを判定する(S102)。開指示であると判定すると(S102、YES)、ステップS103へ移る。開指示でないと判定すると(S102、NO)、ステップS105へ移る。
【0071】
ステップS103へ移った場合、第1の制御手段220は、カバー16を開くよう制御する(S103)。続いてステップS104へ移って、第2の制御手段230は、可動機構を動作させ、USB差込部18がUSB15の挿抜を容易に行える位置(図7参照)にくるように制御し(S104)、処理を終了する。
【0072】
ステップS105へ移った場合、第2の制御手段230は、可動機構を動作させ、USB差込部が収納位置(図8のようにUSBメモリ15が凹部に収まる位置)に移動するように制御する(S105)。続いてステップS106へ移って、第1の制御手段220は、カバー16を閉じるよう制御し(S106)、処理を終了する。
【0073】
以上で示される動作により、本実施形態5に係る画像処理装置1では、入力手段210としてのカバーオープンボタン17がユーザ操作により押下されると、カバー16をオープンする際には、自動でカバー16がオープンし、その動作に連動してUSB差込部18は手前方向の所定の位置(ここでは、USBメモリ15の挿抜を容易に行える位置)にくるように制御される。また、カバー16をクローズする際には、USB差込部18が収納位置(USBメモリ15が凹部に収まる位置)に移動し、その動作に連動してカバー16はクローズするように制御される動作を行う。
【0074】
ここで、前述の実施形態4において示した画像処理装置1では、USB差込部18は可動ではあるが、ユーザ自身がUSBメモリ挿抜時に手動でUSB差込部18を手前方向に移動する必要があった。これに対し、本実施形態5に係る画像処理装置1では、カバー16は、必要時に自動でオープン/クローズする。即ち、USB差込部18の可動がカバー16の開閉に連動しているので、ユーザが可動を意識することないためユーザ操作性をより向上させることができる。
【0075】
なお、ユーザがUSBメモリ差込み後にUSB差込部18をカバー16内部に戻さなければカバークローズの妨げとなる。USBメモリ挿抜時はカバーオープン時に限られているので、USBメモリ挿入口の可動はカバーの動作に連動している方が望ましい。また、以上示してきたUSB差込部18と可動機構の連動動作は、前述の実施形態3に係る画像処理装置に対しても適応可能である。
【0076】
[第6の実施形態]
次に、本実施形態6に係る画像処理装置について図12を用いて説明を行う。本実施形態6に係る画像処理装置の概要は、実施形態1に係るそれと同様であるとしてここでは説明を省略する。前述の実施形態1〜5では、カバー16は、USBメモリ15等の記録媒体を保護する保護カバーとしての役割を果たしていた。しかしながら、USBメモリ15は、ストラップ等をつけて管理しされる場合がある。USBメモリ15自身にストラップが付いているとき、USBメモリ15へのデータ読み出し/書き込み処理を行う際、即ちカバーがクローズされる場合に、ストラップがカバー内に入らずカバークローズの妨げとなる。ここでは、図12に示されるようにUSBメモリ15の形状に合わせてカバー16の形状を変更可能にすることにより、更なるユーザ操作性の向上を実現する。
【0077】
(操作部10の構成概要)
本実施形態6に係る画像処理装置における操作部10の構成例について図12を用いて説明する。図12は、本実施形態6に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。図12に示されるようにカバー16には、USBメモリ15のストラップの通し穴が設けられている。これにより、USBメモリ15にストラップ等が付けられた場合においても、そのストラップを通し穴に通すことによりカバー16が正常にクローズされ、カバークローズ検知をトリガとしてUSBメモリへのデータ読み出し/書き込み処理を実施する場合でも問題なく処理が行われる。
【0078】
なお、本実施形態6は、USBメモリ15にストラップが付けられている場合について説明を行ってきたが、この場合に限らない。全体形状が規格化されていないUSBメモリのような記憶媒体は、その形状には種々のパターンが考えられる。これら種々のパターン15に応じてカバー16の形状は形成されてよい。
【0079】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、本発明の適用範囲はMFP等の画像処理装置に限らない。USBメモリ等の差込んでも記憶媒体の本体が外部に突出している突出型の記憶媒体及びSDカードメモリ等の差し込むと記憶媒体の本体が内部に挿入されてしまう挿入型の記憶媒体等のリムーバブルメモリメディアを用いた情報のやり取りのために、リムーバブルメモリメディアのリーダー/ライター部を有しているPC、家電装置、カーナビ装置、ゲーム装置等の情報処理装置に対しても本発明は適用可能である。
【0080】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施形態1に係る画像処理装置の概要を示す図である。
【図2】本実施形態1に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【図3】本実施形態2に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【図4】本実施形態3に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【図5】本実施形態3に係る画像処理装置における可動機構例を示す図である。
【図6】本実施形態3に係る画像処理装置における可動機構の動作例を示す図である。
【図7】本実施形態4に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【図8】本実施形態4に係る画像処理装置における可動機構の動作例を示す図である。
【図9】本実施形態5に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【図10】本実施形態5に係る画像処理装置の機能ブロック図の例である。
【図11】本実施形態5に係る画像処理装置の動作フロー例を示す図である。
【図12】本実施形態6に係る画像処理装置における操作部10の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 画像処理装置
10 操作部
16 カバー
18 USB差込部
210 入力手段
220 第1の制御手段
230 第2の制御手段
240 全体制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USB規格に基づく記録媒体及び挿入型の記録媒体を収納するための空間を形成する、第1の面と第2の面とを含む凹部を有する画像処理装置であって、
前記USB規格に基づく記録媒体のUSB差込部は、前記第1の面に形成され、挿入型の記録媒体の挿入型差込部は、前記第2の面に形成され、
前記USB差込部における差込方向は、前記挿入型差込部における差込方向と直交又は略直交となることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の面と前記第2の面は、直交又は略直交することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
当該画像処理装置はディスプレイ及び/又は操作キーを有する操作部を有し、
前記凹部は、該操作部に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記録媒体を保護する保護カバーを前記凹部に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記保護カバーをロックするためのロック機構を有することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記操作部は、USB差込部を可動にするための可動機構を備えていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記可動機構は、前記USB差込部が前記第1の面上の水平方向を回転軸として上下方向を回動する機構であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記可動機構は、前記USB差込部が前記第1の面上の鉛直方向を回転軸として水平方向を回動する機構であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記保護カバーの開閉指示を入力する入力手段と、前記保護カバーの開閉動作を制御する第1の制御手段と、前記可動機構の動作を制御する第2の制御手段を有し、
前記入力手段により前記保護カバーを開く指示が入力されると、前記第1の制御手段は前記保護カバーを開状態に制御し、前記第2の制御手段は、前記USB規格に基づく記録媒体の差込部が、前記USB規格に基づく記録媒体の挿抜を容易に行える位置にくるように制御することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記入力手段により前記保護カバーを閉じる指示が入力されると、前記第2の制御手段は、前記USB規格に基づく記録媒体が前記凹部に収納されるように制御し、前記第1の制御手段は前記保護カバーを閉状態に制御することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
USB規格に基づく記録媒体及び挿入型の記録媒体を収納するための空間を形成する、第1の面と第2の面とを含む凹部を有する情報処理装置であって、
前記USB規格に基づく記録媒体のUSB差込部は、前記第1の面に形成され、挿入型の記録媒体の挿入型差込部は、前記第2の面に形成され、
前記USB差込部における差込方向は、前記挿入型差込部における差込方向と直交又は略直交となることを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−167002(P2008−167002A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352519(P2006−352519)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】