説明

画像処理装置及び画像処理システム

【課題】PCとLANを介して接続される複写機において、PCに装着されているUSBメモリ内の画像ファイルをLANを介して取得してプリントするジョブを実行する際に、ユーザの操作性をより向上すること。
【解決手段】PCのユーザによるPCからのリモートログインを許可した複写機は、リモートログイン中に自己の操作パネルから操作者によるログインを受け付けると(S32)、操作者の識別情報を保持して(S33)、ジョブ選択画面を表示させる(S34)。操作者からメモリプリントが選択されると、リモートログイン中であり(S38)、操作パネルからログインした操作者がリモートログイン中のユーザである場合(S39)、PCにLANを介してアクセスし、PCのUSBメモリに格納されているファイルの情報を取得する。操作者によりファイルが選択されると、選択されたファイルをPCから取得して、取得したファイルに基づくプリントを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置とネットワーク接続され、当該端末装置からのリモートログインを受け付ける画像処理装置および画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の例としての複写機と、端末装置の例としてのパーソナルコンピュータ(PC)とがネットワーク接続され、PCのユーザがPCからネットワークを介して複写機にリモートログインして、PCから複写機を遠隔操作するリモートパネル機能を有する画像処理システムが提案されている。リモートパネル機能を用いると、リモートログイン中に、PCのディスプレイに複写機の操作パネルと略同じ操作画面が表示されるので、PCのユーザは、その操作画面からコピーやスキャン等のジョブやその実行条件、例えばコピー用紙の選択などを入力してそのジョブを複写機で実行させることができる。PC上で複写機の前で操作しているのと同じ感覚でジョブの実行を指示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−150521号公報
【特許文献2】特開2008−286978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のリモートパネル機能を用いれば、PCに接続されている記録媒体、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリに格納されている画像などのファイルに基づくプリント(以下、「メモリプリント」という。)を複写機に実行させることも可能である。このメモリプリントをPCから実行しようとすると、ユーザは、複写機にリモートログインした後、PCのディスプレイに表示される操作画面から用紙選択などを行うことになる。
【0005】
その際、自己の希望するサイズの用紙が複写機にセットされていない場合には、PCでの入力操作を一旦中断して、複写機の前まで移動し、希望する用紙を複写機にセットするといった行動をとる必要が生じる。
用紙のセットを終えるとユーザは、PCまで戻って中断していたメモリプリントの操作を継続することができるが、プリント出力後に再度、出力物を取りに複写機まで戻ってくるという動作を行うことになり、ユーザにとっては面倒である。この面倒な動作をしたくない場合には、リモート操作によるメモリプリントを諦めて、リモートとは別の方法で複写機側からの操作によりプリントを行う方法、例えば複写機が有するプルプリント機能を利用する方法をとることが可能である。
【0006】
プルプリント機能は、複写機側から公知のファイル共有プロトコル、例えばSMB(Server Message Block)を用いてPCとの間で共有している画像ファイルを取得して、取得したファイルに基づきプリントを実行する機能である。プルプリント機能が選択されると、まず複写機の操作パネルにPCへのアクセス用の画面が表示される。
ユーザは、その画面からPCのネットワークアドレス、PCにログインするときのユーザ名やパスワードなどの入力操作を行うことになる。ところが、ユーザにとっては、ネットワークアドレスなどの入力に必要な情報を事前に知らなければ操作できず、知っていても複写機の操作パネルには通常、テンキーしかなくアルファベットなどの文字入力は、液晶表示部の画面をタッチ入力画面に切り換えて行われるため、ユーザはアドレスなどの項目毎に、入力画面の切り換え操作と共に一文字ずつタッチ入力する操作を行うことになり、入力の手間が大きい。
【0007】
このような問題は、メモリプリントに限られず、例えばリモート操作でスキャンジョブを実行する場合にも同様に生じ得る。具体的には、次のような場合である。
すなわち、スキャンジョブでは、ユーザがPC側でリモートパネルからスキャンジョブを選択すると共に読取画像データの格納先としてPC上の記録媒体を指定した上で原稿の読取濃度などを入力する。その後、複写機に移動して、複写機のスキャナ部に原稿をセットした後、PCに戻ってリモートパネルからジョブをスタートさせる。これにより、複写機側で読み取られた画像データがPCに送られてPCの記録媒体に格納される。
【0008】
上記の手順の際に、例えばユーザが複写機の前まで移動したがPCとは別の場所への移動の必要が生じる場合がある。この場合、原稿セット後、PCには戻らずに複写機側でスキャンジョブを開始させて読取後の原稿を持って別の場所に向かうことが望ましい。PCに戻らずにスキャンジョブを実行する方法としては、上記のプルプリントと同様に複写機側でPCとの共有に基づき読取画像の格納先ファイルをPC上の記録媒体に指定するという操作、いわゆるScan To SMBと呼ばれる方法がある。しかしながら、この方法は上記のプルプリントと同様の入力操作が必要になるため入力の手間が生じることになる。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、端末装置に接続されている記録媒体に格納されている画像ファイルをプリントに供するなどの画像処理ジョブを実行する際に、ユーザの操作性の向上をより図ることができる画像処理装置および画像処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、記録媒体が装着されている端末装置とネットワーク接続され、前記端末装置からのリモートログインを受け付けて画像処理ジョブを実行する画像処理装置であって、前記リモートログインの際に取得された前記端末装置のネットワークアドレスと前記リモートログインを要求したユーザの識別情報を記憶する記憶手段と、操作者からのログインと画像処理ジョブの指示入力を受け付ける入力手段と、前記ログインを行った操作者の識別情報を取得する取得手段と、前記ユーザの識別情報と操作者の識別情報に基づき、前記操作者が前記端末装置からのリモートログイン中のユーザであることを判断する判断手段と、前記判断がなされた場合にその操作者による、前記入力手段からの画像処理ジョブの指示入力に基づき、前記ネットワークアドレスを用いて前記端末装置にアクセスの許可を受けて前記記録媒体に格納されている画像ファイルを取得する、または自装置が保持する画像ファイルを前記記録媒体に格納させるファイル操作手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記端末装置に対し前記記録媒体へのアクセス許可を要求する要求手段を備え、前記ファイル操作手段は、前記アクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする。
さらに、前記入力手段は、表示部を備え、前記ファイル操作手段は、前記操作者から前記記録媒体の指定を受け付けるための第1画面を前記表示部に表示させて、前記指定を受け付け、前記指定された記録媒体について前記取得または格納を実行することを特徴とする。
【0012】
また、前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が前記端末装置に装着されており、前記要求手段は、前記複数の記録媒体それぞれに対するアクセス許可を要求し、前記ファイル操作手段は、前記アクセスが許可されると、許可された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させることを特徴とする。
さらに、前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が前記端末装置に装着されており、前記ファイル操作手段は、前記第1画面の表示前に、前記複数の記録媒体のうち、1以上の記録媒体の前記操作者からの選択を受け付けるための第2画面を前記表示部に表示させ、当該選択を受け付けると、当該選択された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させ、前記要求手段は、前記選択された記録媒体のみに対してアクセス許可を要求することを特徴とする。
【0013】
また、前記ファイル操作手段は、前記アクセス許可の条件にパスワードの一致が含まれている場合には、当該パスワードを当該端末装置から取得し、前記アクセス許可を受けるに際して前記取得したパスワードを前記端末装置に送り、前記端末装置によりアクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする。
さらに、前記要求手段は、前記判断手段による判断がなされた後に、前記アクセスの許可を要求することを特徴とする。
【0014】
また、前記アクセスの許可は、前記端末装置と前記記録媒体を共有することの許可であることを特徴とする。
ここで、前記入力手段は、前記操作者からのログアウトの指示入力を受け付け、前記要求手段は、前記ログアウトの指示入力が受け付けられると、前記端末装置に対して前記共有の解除を要求することを特徴とする。
【0015】
また、前記記録媒体は、前記端末装置に着脱自在な可搬型の記録媒体であることを特徴とする。
本発明に係る画像処理システムは、記録媒体が装着されている端末装置と、前記端末装置からのリモートログインを受け付ける画像処理装置とがネットワーク接続されてなる画像処理システムであって、前記画像処理装置は、前記リモートログインの際に取得された前記端末装置のネットワークアドレスと前記リモートログインを要求したユーザの識別情報を記憶する記憶手段と、操作者からのログインと画像処理ジョブの指示入力を受け付ける入力手段と、前記ログインを行った操作者の識別情報を取得する取得手段と、前記ユーザの識別情報と操作者の識別情報に基づき、前記操作者が前記端末装置からのリモートログイン中のユーザであることを判断する判断手段と、前記判断がなされた場合にその操作者による、前記入力手段からの画像処理ジョブの指示入力に基づき、前記ネットワークアドレスを用いて前記端末装置にアクセスの許可を受けて前記記録媒体に格納されている画像ファイルを取得する、または自装置が保持する画像ファイルを前記記録媒体に格納させるファイル操作手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、前記画像処理装置は、前記端末装置に対し前記記録媒体へのアクセス許可を要求する要求手段を備え、前記ファイル操作手段は、前記アクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする。
さらに、前記入力手段は、表示部を備え、前記ファイル操作手段は、前記操作者から前記記録媒体の指定を受け付けるための第1画面を前記表示部に表示させて、前記指定を受け付け、前記指定された記録媒体について前記取得または格納を実行することを特徴とする。
【0017】
また、前記端末装置には前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が装着されており、前記要求手段は、前記複数の記録媒体それぞれに対するアクセス許可を要求し、前記ファイル操作手段は、前記アクセスが許可されると、許可された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させることを特徴とする。
さらに、前記端末装置には前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が装着されており、前記ファイル操作手段は、前記第1画面の表示前に、前記複数の記録媒体のうち、1以上の記録媒体の前記操作者からの選択を受け付けるための第2画面を前記表示部に表示させ、当該選択を受け付けると、当該選択された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させ、前記要求手段は、前記選択された記録媒体のみに対してアクセス許可を要求することを特徴とする。
【0018】
また、前記ファイル操作手段は、前記アクセス許可の条件にパスワードの一致が含まれている場合には、当該パスワードを当該端末装置から取得し、前記アクセス許可を受けるに際して前記取得したパスワードを前記端末装置に送り、前記端末装置によりアクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする。
さらに、前記要求手段は、前記判断手段による判断がなされた後に、前記アクセスの許可を要求することを特徴とする。
【0019】
また、前記アクセスの許可は、前記端末装置と前記記録媒体を共有することの許可であることを特徴とする。
ここで、前記入力手段は、前記操作者からのログアウトの指示入力を受け付け、前記要求手段は、前記ログアウトの指示入力が受け付けられると、前記端末装置に対して前記共有の解除を要求することを特徴とする。
【0020】
さらに、前記記録媒体は、前記端末装置に着脱自在な可搬型の記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
このような構成により、端末装置からのリモートログイン中のユーザが画像処理装置の前まで移動して画像処理装置の入力手段からログインした後、画像処理ジョブを指示すれば、画像処理装置が端末装置にアクセスして、画像処理ジョブがファイルの取得を示すものであれば、端末装置に装着されている記録媒体からファイルを取得するジョブが実行され、または画像処理ジョブがファイルの格納を示すものであれば、端末装置に装着されている記録媒体にファイルを格納するジョブが実行される。従って、従来のように端末装置へのアクセスのためにユーザが画像処理装置の入力手段からネットワークアドレスやユーザ名、パスワードなどを入力するといった手間が不要になり、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】端末装置と画像処理装置を含む画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】画像処理装置としてのMFPの制御部と端末装置としてのPCの制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理システムを利用するユーザの操作手順を説明するための図である。
【図4】MFPの操作パネルに表示される画面の表示例を示す図である。
【図5】PCにおいて実行される処理内容を示すフローチャートである。
【図6】MFPにおいてPCからの認証要求を受け付けたときに実行される処理内容を示すフローチャートである。
【図7】MFPに設けられているログイン情報テーブルの内容例を示す図である。
【図8】MFPにおいて操作者により操作パネルからログインの要求を受け付けたときに実行される処理内容の一部を示すフローチャートである。
【図9】MFPにおいて操作者により操作パネルからログインの要求を受け付けたときに実行される処理内容の別の一部を示すフローチャートである。
【図10】MFPにおいて操作者により操作パネルからログインの要求を受け付けたときに実行される処理内容の残りの部分を示すフローチャートである。
【図11】MFPの操作パネルに表示される一覧画面の表示例を示す図である。
【図12】MFPに設けられている共有設定テーブルの内容例を示す図である。
【図13】PCがリモートログイン中にMFPからのUSBメモリのパスの送信要求を受け付けたときにPCにおいて実行される処理内容を示すフローチャートである。
【図14】PCがリモートログイン中にMFPからUSBメモリの共有設定の要求を受け付けたときにPCにおいて実行される処理内容を示すフローチャートである。
【図15】PCがリモートログイン中にMFPからUSBメモリへのアクセス要求を受け付けたときにPC2において実行される処理内容を示すフローチャートである。
【図16】PCがリモートログイン中にMFPからUSBメモリの共有設定解除の要求を受け付けたときにPC2において実行される処理内容を示すフローチャートである。
【図17】MFPからPCに戻ったユーザがリモートログイン中にPCのログアウトを行うときにPCにおいて実行される処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る画像処理装置および画像処理システムの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<画像処理システムの構成>
図1は、画像処理装置1と端末装置2を含む画像処理システム10の構成を示す図である。同図に示すように、画像処理システム10は、画像処理装置1と端末装置2等がネットワーク、ここではLAN(Local Area Network)3を介して接続されて構成されており、互いに各種データのやりとりが可能になっている。
【0024】
画像処理装置1は、多機能デジタル複写機(以下、「MFP(Multiple Function Peripheral)」という。)であり、主な構成要素として自動原稿搬送装置11と、画像読取部12と、画像形成部13と、給送部14と、操作パネル15と、制御部16とを備える。 自動原稿搬送装置11は、セットされた原稿を画像読取部12の読取位置に搬送する。
画像読取部12は、自動原稿搬送装置11により搬送される原稿の画像を読み取る。
【0025】
画像形成部13は、公知の電子写真方式により画像形成動作(プリント)を実行する。
給送部14は、画像形成に供されるシートを収容し、画像形成時にそのシートを1枚ずつ画像形成部13に給送する。
制御部16は、自動原稿搬送装置11〜給送部14の動作を統括的に制御して、原稿の画像を読み取るスキャンジョブ、読み取って得られた画像をシート上にプリントするコピージョブ、外部の端末装置2からのリモートログインを受け付けて、端末装置2からの遠隔操作によるジョブ、例えばメモリプリントなどの各種ジョブを実行する。リモートログインが受け付けられると、端末装置2からのログアウトを受け付けるまでの間、両者間で通信が確立される。
【0026】
操作パネル15は、コピースタートボタンや枚数設定用のテンキーなどの他、表面にタッチパネルが積層されたGUI(Graphical User Interface)などによる液晶表示部が設けられており、制御部16の指示により必要な画面を表示させると共に操作者によるテンキー等の入力、タッチ入力等を受け付けて、受け付けた入力情報を制御部16に伝える。
端末装置2は、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)であり、本体部21と、ディスプレイ22と、キーボード23などを備え、既存の通信プロトコル(TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol等)によりLAN3を介してMFP1や他の端末などと接続され、データの送受信を行うようになっている。
【0027】
本体部21には、着脱自在の記録媒体の一例としてのUSBメモリ25を接続するためのインターフェースが設けられており、本体部21内の制御部24は、このインターフェースを介してUSBメモリ25内の画像ファイルを読み出したり、新たな画像ファイルを書き込んだりすることもできる。なお、各USBメモリには、予めUSBメモリであることを示す識別のための名称等が記録されており、PC2は、USBメモリが接続されるとUSBメモリであることおよびその名称等を識別することができる。
【0028】
ここで、画像ファイルとは、画像を現すために用いられるデータのファイルを意味し、従ってビットマップ展開された画像データに限られず、例えばPCにおいて文書等の作成用のアプリケーションソフトウェアにより作成されたデータなど、最終的にシート上やディスプレイ上に画像を現すために用いられるデータのファイルを含むものである。以下、単に「ファイル」という。
【0029】
PC2は、USBメモリ25が接続されている場合に、MFP1へのリモートログインによるメモリプリントをMFP1に実行させることができる。なお、USBメモリ25は、1つでも良いし、複数、接続される構成であっても良い。同図では示していないが、MFP1にもUSBメモリ25が接続可能なインターフェースが設けられており、MFP1の制御部16は、USBメモリ25内のファイルを読み出してプリントする機能や、スキャンジョブで読み取って得られた画像を格納させる機能などを有している。
【0030】
<MFPとPCの制御部の構成>
図2は、MFP1の制御部16とPC2の制御部24の構成を示すブロック図であり、主にメモリプリントに関係する部分だけを抜き出して示している。
同図に示すように、制御部16は、全体制御部101と、表示受付制御部102と、ユーザ管理部103と、共有要求部104と、ネットワーク参照部105と記憶部106などを備える。
【0031】
表示受付制御部102は、操作パネル15の液晶表示部に操作パネル15からのログインを受け付けるための画面(不図示)や後述の各種画面を表示させると共に、その画面から操作者の指示を受け付ける制御を行う。
ユーザ管理部103は、自装置(MFP1)へのログインを許可するユーザを示す許可情報、例えばユーザそれぞれの識別情報、具体的にはユーザIDとパスワードを示す情報を管理しており、ログイン要求された場合にその要求を行ったユーザにより入力されたユーザIDとパスワードが許可情報に含まれている場合にだけログインを許可する。このログインには、操作パネル15からのログインと、PC2からのリモートログインの両方が含まれる。また、操作パネル15からログインした操作者が、PC2からのリモートログイン中のユーザであることを判断する。
【0032】
共有要求部104は、PC2の制御部24の共有処理部203に、PC2に接続されているUSBメモリ25をMFP1(自装置)との間で共有することの許可を要求する。ここでは、SMBによる共有が要求される。この要求に対してPC2は、後述のようにSMB共有の許可条件となるパスワードなどをMFP1に送信するようになっている。
ネットワーク参照部105は、PC2からのパスワードに基づきPC2にアクセスし、共有されたUSBメモリ25とそのUSBメモリ25内のファイルなどをSMBにより参照、検索等を行うことができる。なお、SMBに限られず、装置間でファイル共有が可能なプロトコルを用いることができる。
【0033】
記憶部106には、後述のログイン情報テーブルなどが設けられている。
全体制御部101は、表示受付制御部102〜ネットワーク参照部105を統括して制御してメモリプリントを実行させる。
PC2の制御部24は、リモート操作部201と、USBメモリ管理部202と、共有処理部203などを備える。
【0034】
リモート操作部201は、リモートパネル機能を実行する。具体的には、リモートパネル機能を実行するための各種画面、ここでは図示していないが、例えばリモートログインをMFP1に要求するためのリモート要求画面、リモートログインされた後にユーザからのジョブ実行条件や実行指示を受け付けるためのリモート操作画面などをユーザの指示に応じて表示させると共に、各画面を介してユーザからの入力や指示などを受け付け、指示されたジョブの実行をMFP1に要求する。
【0035】
共有処理部203は、MFP1の共有要求部104からの共有の許可要求を受け付けると、一時的なパスワードを生成して、生成したパスワードと共に共有要求があった旨をUSBメモリ管理部202に知らせる。
USBメモリ管理部202は、共有処理部203からパスワードと共に共有要求を受け付けると、受け付けたパスワードを共有の許可条件として管理すると共に、そのパスワードをMFP1のユーザ管理部103に送る。
【0036】
<ユーザの操作手順>
このような構成においてあるユーザ(以下、ユーザZという。)がメモリプリントを実行しようとPC2で操作している途中で、MFP1に移動する必要が生じたためにMFP1に移動すると仮定した場合のユーザZの操作手順を、図3と図4を用いて説明する。
(1)図3に示すようにユーザZは、PC2にUSBメモリ25を挿入した後、(2)PC2においてリモートパネル機能を起動して、(3)リモート要求画面からリモートログインのための入力操作を行う。リモートログインに成功すると、リモート操作画面において、メモリプリントのための入力操作、具体的にはプリント部数や用紙サイズの選択、USBメモリ25に格納されているファイル群のうち、プリントに供すべきファイルの指定などの操作を行う。
【0037】
(4)この操作の際(リモートログイン中)にユーザZは、MFP1に希望の用紙をセットするなど、MFP1に移動する必要が生じた場合にMFP1の前まで移動する。
(5)ユーザZは、希望の用紙をMFP1にセットすると、MFP1の操作パネル15からログインする。ログインすると、操作パネル15の液晶表示部にジョブ選択画面111(図4(a))が表示される。
【0038】
(6)ユーザZは、ジョブ選択画面111のメモリプリントキー121をタッチ入力(選択)する。この選択により操作パネル15の液晶表示部の画面が切り換わり、ファイル取得先選択画面112(図4(a))が表示される。
(7)ユーザZは、ファイル取得先選択画面112のUSBメモリキー122を選択する。この選択によりUSBメモリ選択画面113(図4(a))が表示される。
【0039】
(8)ユーザZは、USBメモリ選択画面113のPC/USBメモリキー123を選択する。この選択により画面が切り換わり、ファイル選択画面114(図4(a))が表示される。ファイル選択画面114には、PC2に接続されているUSBメモリ25内のファイルの識別情報、同図ではファイル名を示すキー124がアイコン表示される。
ユーザZは、表示されているファイル群のうちから、プリントを希望するファイルを選択することができる。この選択により画面が切り換わり、メモリプリント実行画面(不図示)が表示される。このメモリプリント実行画面は、ジョブ実行条件の入力とジョブ実行を指示するための画面である。ユーザZは、例えば用紙選択やプリント部数の設定などを行った後、実行を指示することができる。
【0040】
(9)ジョブ実行指示により、MFP1において、上記(8)のファイル選択画面114で選択されたファイルがPC2のUSBメモリ25からLAN3を介して取得され、取得されたファイルに基づくメモリプリントが実行される。ユーザZは、MFP1から出力される、メモリプリントによるプリント物を入手することができる。
図4(b)は、比較例(従来に相当)を示しているが、従来ではユーザZは、ファイル取得先選択画面112でUSBメモリキー122ではなくSMBキー210を選択していた。これは、従来ではUSBメモリキー122が自装置(MFP1)に接続されているUSBメモリだけを表わすものだったため、これを選択してもUSBメモリ選択画面113ではMFP1のUSBメモリAキーだけが表示され、PC/USBメモリキー123が表示されず、PC2のUSBメモリ25を選択できる構成になっていなかったからである。
【0041】
ファイル取得先選択画面112においてユーザZによりSMBキー210が選択されると、上述のプルプリント機能によるファイル取得の処理に入る。このプルプリント機能は、PC2からのリモートログインによるメモリプリントとは別の新たな処理になる。
図4(b)のSMB情報画面211に切り換わり、ユーザZは、SMB情報画面211の入力ボックス221においてホスト名、ネットワークアドレス、ユーザ名、パスワードを入力することができる。この入力情報に基づきPC2との間でSMBプロトコルによる通信が成功すると、フォルダ選択画面212に切り換わる。フォルダ選択画面212には、PC2において共有設定されているフォルダ群がアイコン表示される。
【0042】
ユーザZは、フォルダ群の中からUSBメモリ25を示すUSBメモリキー222を選択すると、ファイル選択画面213が表示される。ファイル選択画面213は、ファイル選択画面114と略同じものである。ユーザZは、表示されているファイル群のうちから、プリントに供すべきファイル223を選択することができる。
このように比較例では、PC2からMFP1に移動したユーザZは、MFP1においてSMB共有のための入力操作を最初から実行して始めて、PC2に接続されているUSBメモリ25のファイルを選択することが可能になる。
【0043】
これに対して実施例では、画面表示されているアイコンを選択して行くだけでPC2のUSBメモリ25のファイル選択が可能になり、比較例のようにネットワークアドレス等の入力の手間が不要である。また、アイコンを選択していくという操作であり、リモートパネル機能としてPC2上で操作していたメモリプリントの操作に近いので、ユーザZにとってはPC2での操作と同じ感覚で容易に操作を行えるようになる。
【0044】
<MFPとPCの処理内容>
以下、画像処理システム10においてPC2からのリモートログインによるメモリプリントを実行する場合におけるMFP1とPC2それぞれの処理内容を具体的に説明する。
(1)PCの処理内容1
図5は、PC2において実行される処理内容を示すフローチャートである。当該処理は、制御部24において実行される。
【0045】
同図に示すように、ユーザからのログインの要求、ここではユーザ識別情報、例えばユーザ名とパスワードの入力を受け付ける(ステップS1)。具体的には、ユーザ識別情報を入力するための画面をディスプレイ22に表示させる。ユーザにより入力されたユーザ識別情報に基づきログインを受け付けるか否かを判断する(ステップS2)。
この判断は、入力されたユーザ名とパスワードが、予めPC2に記憶されている許可情報(PC2へのログインを許可するユーザそれぞれの識別情報、例えばユーザ名とパスワードを示す情報)に含まれている場合に、ログインを受け付け(ログインを許可し)、許可情報に含まれていない場合には、ログインを受け付けない(許可しない)。
【0046】
ログインを受け付けないことを判断すると(ステップS2で「NO」)、当該処理を終了する。ログインを受け付けることを判断すると(ステップS2で「YES」)、入力されたユーザ識別情報を保持する(ステップS3)。
ユーザによりUSBメモリ25がPC2に接続され(ステップS4)、ユーザによりリモートパネル機能が指示されるとリモートパネル機能を起動する(ステップS5)。ここでは、まずリモート要求画面をディスプレイ22に表示させ、リモート要求画面を介してユーザからのリモートログインの指示を受け付けると、MFP1に対してリモートログインのための認証要求を行う(ステップS6)。認証要求の際には、PC2の識別情報やステップS3にて保持されているユーザ識別情報などがMFP1に送信される。
【0047】
なお、PC2へのログインが不要な設定になっている場合には、ステップS1〜S3が実行されず、リモート要求画面においてユーザ識別情報の入力を受け付けて、入力されたユーザ識別情報が保持される。
MFP1からの認証結果を受信すると、認証結果から認証されたか否かを判断する(ステップS7)。認証されなかった場合には(ステップS7で「NO」)、当該処理を終了する。認証された場合には(ステップS7で「YES」)、リモートログイン成功と判断して(ステップS8)、ディスプレイ22にMFP1の操作パネル15と同じデザインのメニュー画面を表示させる(ステップS9)。ここでは、PC2は、MFP1からリモート操作画面表示用のデータを取得してメニュー画面(不図示)を表示させる。表示画面には、メニュー画面以外にユーザの指示による種々の画面が含まれるが、それぞれがMFP1の操作パネル15上で表示されるときの画面と基本的に同じデザインになっている。
【0048】
PC2は、各画面においてPC2のユーザによる入力を受け付けると、受け付けた入力情報をMFP1に送り、MFP1から別の画面表示の指示があるとその別の画面に切り換える。いわばリモート操作では、PC2は、MFP1の操作パネル15に対する代替の機能を実行し、MFP1は、操作パネル15に表示させるべき画面をPC2に表示させて、そのPC2の表示画面からユーザによる入力を受け付けていることになる。これによりユーザは、PC2の前に居ながらMFP1の前に居る感覚で入力操作を行うことができる。
【0049】
ユーザによりメニュー画面からジョブ選択画面への切換が指示されると、そのジョブ選択画面をディスプレイ22に表示させて、その画面からユーザによるジョブ選択を受け付ける(ステップS10)。ジョブ選択画面は、上記のMFP1の操作パネル15に表示されるジョブ選択画面111(図4)に相当する。
PC2は、ジョブ選択画面の表示指示があった旨をMFP1に送り、MFP1からジョブ選択画面表示のためのデータを取得してジョブ選択画面の表示を行う。この画面表示の方法は、次の別の画面についても同じなので、以下では説明を省略する。ここでは、メモリプリントが選択されたものとして説明する。
【0050】
メモリプリントが選択されると、ファイル取得先選択画面を表示させて、その画面からプリントすべきファイルの取得先の、ユーザによる選択を受け付ける(ステップS11)。このファイル取得先選択画面は、上記のファイル取得先選択画面112に相当する。ここでは、USBメモリが選択されたものとして説明する。
USBメモリが選択されると、USBメモリ選択画面を表示させて、その画面から取得先のUSBメモリの、ユーザからの選択を受け付ける(ステップS12)。このUSBメモリ選択画面は、上記USBメモリ選択画面113に相当する。なお、このUSBメモリ選択画面113の表示に際し、自己(PC2)に接続されているUSBメモリ25についての情報は、MFP1からのUSBメモリ選択画面113の中に、PC2のUSBメモリ25を示すウインドウ(窓)をオーバーラップするようにして(選択可能に)追加表示させて入力を受け付けるものとする。これによりUSBメモリ選択画面には、MFP1に接続されているUSBメモリ(図4のUSBメモリAキーに相当)と、PC2に接続されているUSBメモリ25を示すキー(図4のPC/USBメモリキー123に相当)が表示され、USBメモリ選択画面113と略同じデザインの画面が表示されることになる。ここでは、USBメモリ25を示すキーが選択されたものとして説明する。
【0051】
USBメモリ25を示すキーが選択されると、ファイル選択画面を表示させて、その画面からプリントすべきファイルの、ユーザによる選択を受け付ける(ステップS13)。このファイル選択画面は、上記ファイル選択画面114に相当する。PC2は、自己に接続されているUSBメモリ25に格納されているファイルの識別情報を読み出して、読み出した識別情報(ファイル名など)を表示させる。
【0052】
ユーザによりファイルが選択されると、メモリプリント実行画面を表示させて、その画面からユーザによる用紙サイズや枚数などの実行条件を受け付けると共に実行指示を受け付け、実行指示があると、受け付けた情報(実行条件及び実行指示)をMFP1に送り(ステップS14)、当該処理を終了する。MFP1では、PC2から取得した情報(選択されたジョブ、ファイル名、実行条件など)に基づき、ジョブを実行する。
【0053】
上記では、ユーザがPC2からリモートパネル機能によるメモリプリント実行のための全ての入力操作が完了した場合の例を説明したが、操作途中でMFP1に移動する場合、すなわち図3で示す(4)の移動が発生したときの処理内容については、後述する。
(2)MFPの処理内容1
図6は、MFP1においてPC2からの認証要求を受け付けたときに実行される処理内容を示すフローチャートである。当該処理は、制御部16において実行される。
【0054】
同図に示すように、外部端末(PC2)から認証要求を受け付けると(ステップS21)、認証の許否を判断する(ステップS22)。この判断は、受け付けた要求に含まれるユーザ識別情報(ここでは、ユーザIDとパスワード)が上記の許可情報に含まれているか否かにより行われる。
認証を許可できないことを判断すると(ステップS23で「NO」)、PC2に対して認証を許可できない旨を通知して(ステップS26)、当該処理を終了する。
【0055】
認証の許可を判断すると(ステップS23で「YES」)、PC2に対して認証を許可する旨とリモートログインを許可する旨を通知すると共に(ステップS24)、ログインされたことを示すログイン情報を記憶部106内のログイン情報テーブルに格納して(ステップS25)、当該処理を終了する。
図7は、ログイン情報テーブル151の内容例を示す図である。
【0056】
同図に示すように、ログイン情報テーブル151は、ログイン情報として、ログインを要求したユーザのユーザ名(ID)、ユーザのパスワード、ログインの要求元の識別情報、要求元のネットワークアドレスおよびログインを受け付けた時刻を示す情報が格納されている。ユーザ名とパスワードは、PC2からのリモートログインの要求に含まれるユーザ識別情報から取得される。ログインの要求元(外部端末)の識別情報とそのネットワークアドレスは、リモートログインによるPC2との通信時に取得される。受付時刻は、内部タイマー(不図示)から取得される。
【0057】
上記のようにログインには、操作パネル15からのものと外部端末からのリモートによるものが含まれるので、制御部16は、いずれからのものでもログインを受け付ける(許可する)毎に、そのログイン情報をログイン情報テーブル151に書き込み、ログアウトされる毎に、そのログアウトに対応するログイン情報をログイン情報テーブル151から削除する。図7は、同じユーザ名のユーザがPC(外部端末)からリモートログインしており、その後に操作パネル15からログインしている状態(両方がログイン中)の例を示している。
【0058】
(3)MFPの処理内容2
図8〜図10は、MFP1において操作者により操作パネル15からログインの要求を受け付けたときに実行される処理内容を示すフローチャートである。
図8に示すように、操作者による操作パネル15からのログインの要求、ここでは識別情報としてユーザIDとパスワードの入力を受け付ける(ステップS31)。識別情報の入力受付画面が操作パネル15に表示され、操作者からの入力が受け付けられる。
【0059】
操作者により入力された識別情報に基づきログインを受け付けるか否かを判断する(ステップS32)。ここでは、入力された識別情報(ユーザIDとパスワード)が、予めユーザ管理部103に管理(記憶)されている許可情報に含まれている場合に、ログインを受け付け、許可情報に含まれていない場合には、ログインを受け付けないとする。
ログインを受け付けないことを判断すると(ステップS32で「NO」)、当該処理を終了する。ログインを受け付けることを判断すると(ステップS32で「YES」)、入力された識別情報を保持する(ステップS33)。
【0060】
操作パネル15の液晶表示部にジョブ選択画面111(図4)を表示させる(ステップS34)。ジョブ選択画面111において操作者によりメモリプリントキー121以外のスキャンやコピーキーが押下されると、メモリプリントが選択されなかったと判断として(ステップS35で「NO」)、ステップS43に移る。ステップS43では、選択されたジョブの操作を受け付けると共に実行指示があるとその指示に基づきジョブを実行して、当該処理を終了する。
【0061】
一方、メモリプリントキー121が押下されると(ステップS35で「YES」)、操作者からのメモリプリントの指示入力を受け付けたとして、操作パネル15の液晶表示部の画面を、ファイル取得先選択画面112(図4)に切り換える(ステップS36)。
ファイル取得先選択画面112において操作者によりUSBメモリキー122が押下されたか否かを判断する(ステップS37)。USBメモリキー122以外のキーの押下を判断すると(ステップS37で「NO」)、ステップS43に移る。この場合、選択された取得先からのファイル取得等の処理が行われる。
【0062】
USBメモリキー122の押下を判断すると(ステップS37で「YES」)、リモートログイン中であるか否かを判断する(ステップS38)。この判断は、上記ログイン情報テーブル151に書き込まれているログイン情報の要求元欄を参照することにより行われる。具体的には、要求元欄に外部端末を示す情報が存在する場合にはその外部端末からのリモートログインが継続しており、逆に、外部端末を示す情報が存在しない(自装置であるMFP1だけの)場合には、リモートログイン中ではないと判断する。
【0063】
リモートログイン中ではないと判断すると(ステップS38で「NO」)、ステップS43に移る。この場合、USBメモリ選択画面113において自装置に接続されているUSBメモリだけからの選択が受け付けられて、選択されたUSBメモリによるメモリプリントが実行される。自装置に接続されているUSBメモリしか選択できないのは、この場合、後述のステップS47以降の処理が実行されないので、PC2に接続されているUSBメモリ25の情報が取得されず、よってUSBメモリ選択画面113にはPC2のUSBメモリ25を示すアイコンが表示されず、自装置(MFP1)に接続されているUSBメモリを表すアイコンだけが表示されることになるからである。
【0064】
一方、リモートログイン中と判断すると(ステップS38で「YES」)、自装置(MFP1)の操作パネル15からログインした操作者が、リモートログイン中のユーザ(リモートログインを要求したユーザ)であるか否かを判断する(ステップS39)。この判断は、ログイン情報テーブル151に書き込まれているログイン情報を参照することにより行われる。具体的には、ログイン情報のうち、要求元が自装置であるユーザに対応するユーザIDとパスワードが、要求元がPC2(外部端末)であるユーザに対応するユーザIDとパスワードと一致している場合には肯定的な判断を行い、一致していない場合には否定的な判断を行う。図7の例では、No.1とNo.2それぞれのログイン情報のパスワードが同じであれば、肯定的な判断がなされることになる。
【0065】
自装置からログインした操作者がリモートログイン中のユーザではないと判断すると(ステップS39で「NO」)、ステップS43に移る。この場合、リモートログイン中であってもログインを要求したユーザが異なるので、リモートログイン中ではない場合(ステップS38で「NO」)と同様の処理が行われる。
一方、自装置からログインした操作者がリモートログイン中のユーザであると判断すると(ステップS39で「YES」)、ステップS40に移る。ここでは、ユーザZがリモートログインを要求したユーザであり、操作パネル15からログインした操作者である場合の例を示している。以下、操作者とは、ユーザZのことであるとして説明する。
【0066】
ステップS40では、リモート要求元の外部の端末装置、ここではPC2に対し、PC2に接続されているUSBメモリのパスを要求する。この要求を受けたときのPC2の処理内容については後述するが、概略するとPC2は、自装置(PC2)に接続されているUSBメモリそれぞれのパスと名称などを示すUSBメモリ情報を要求元(ここでは、MFP1)に送信する。なお、USBメモリが接続されていない場合には未接続とされる。
【0067】
PC2からUSBメモリ情報を取得すると、取得したUSBメモリ情報を保持し(ステップS41)、保持したUSBメモリ情報を参照してUSBメモリの個数が1以上か否かを判断する(ステップS42)。個数が1以上ではない、すなわちゼロ(未接続)であると判断すると(ステップS42で「NO」)、ステップS43に移る。この場合、PC2においてファイル取得先がないことになるので、ステップS43では、メモリプリント以外のジョブの実行を受け付ける等の処理を行う。
【0068】
USBメモリの個数が1以上であることを判断すると(ステップS42で「YES」)、図9に移り、その個数が閾値以上か否かを判断する(ステップS44)。この判断を行うのは、次の理由による。すなわち、後述のようにPC2に対してUSBメモリの共有設定を要求すると共に共有されたUSBメモリを操作パネル15に画面表示して操作者からの指定を受け付けるようにしている。このためUSBメモリの数があまりに多いと、全てのUSBメモリに対する共有設定の要求や全てのUSBメモリを画面表示させるための処理に要する時間と負担が大きくなる。そこで、USBメモリの個数が閾値以上の場合には、その中から必要なものの選択を操作者から受け付けて、共有要求の対象となるべきUSBメモリを制限するためである。閾値は、予め決められていても良いし、管理者などにより別途、設定されるとしても良い。
【0069】
USBメモリの個数が閾値より少ないと判断すると(ステップS44で「NO」)、ステップS47に移る。一方、USBメモリの個数が閾値以上であると判断すると(ステップS44で「YES」)、PC2に接続されているUSBメモリの一覧を表示するUSBメモリ一覧画面115(図11)を操作パネル15に表示させて(ステップS45)、その画面115から操作者によるUSBメモリの選択を受け付ける(ステップS46)。
【0070】
USBメモリ一覧画面115に表示されるUSBメモリを示すキー131、132・・は、上記保持されているUSBメモリ情報に含まれるパスの情報に基づいて生成される。操作者は、一覧から希望するUSBメモリをタッチ入力により選択することができる。
図9に戻り、ステップS47では、PC2に接続されているUSBメモリ25(ステップS46で選択が行われた場合にはその選択されたUSBメモリ)のうち、共有設定を要求していないUSBメモリがあるか否かを判断する。初めてステップS47を実行する場合は、共有設定を未だ要求していないので、共有設定を要求していないUSBメモリがあると判断される。この判断がなされると(ステップS47で「YES」)、上記保持されているUSBメモリ情報を参照し、1以上のUSBメモリのうち、1つのUSBメモリについてそのパスをPC2に送ると共にそのUSBメモリの共有設定、ここではSMBによる共有設定を要求する(ステップS48)。
【0071】
この要求を受け付けたときにPC2において実行される処理については、後述するが、概略するとPC2は、当該要求を受け付けると、要求されたUSBメモリを共有するための条件として一時的なパスワードを設定して、設定されたパスワードと、リモートログイン中のユーザ名(そのユーザ、ここではZがPC2にログインするときに用いたユーザ名)とを共有設定としてMFP1に返信するようになっている。
【0072】
ステップS49では、PC2から送られて来る共有設定(パスワードとユーザ名)を取得して、ステップS50では、取得した共有設定とこれに対応するUSBメモリのパスとを対応付けて保持、ここでは記憶部106内の共有設定テーブルに書き込む。
図12は、共有設定テーブル152の内容例を示す図である。
同図に示すように、共有設定テーブル152には、共有設定情報として、外部端末(PC2)の識別情報と、その端末におけるUSBメモリのパスと、一時的に設定されたパスワードと、ユーザ名とが対応付けられた情報が書き込まれている。USBメモリが複数ある場合には、USBメモリ毎に1行ずつその共有設定情報が書き込まれるようになっている。従って、共有設定テーブル152を参照することにより、PC2において共有されている各USBメモリのパスやパスワードの情報を取得することができる。なお、後述のように共有が解除されると、共有が解除されたUSBメモリに対する共有設定情報が共有設定テーブル152から消去される。
【0073】
図9に戻って、ステップS50において一つのUSBメモリに対する共有設定等を保持すると、ステップS47に戻り、共有要求をしていないUSBメモリが残っているか否かを判断する。まだ、残っていると判断すると(ステップS47で「YES」)、全てのUSBメモリ(ステップS46で選択が行われた場合には、選択された全てのUSBメモリ)について、ステップS48〜S50の処理を繰り返し実行して共有設定を依頼する。例えば、PC2にUSBメモリが1つしか接続されていない場合には、ステップS47〜S50の処理が1回行われた後、ステップS51に移ることになる。
【0074】
共有要求をまだ行っていないUSBメモリがないことを判断すると(ステップS47で「NO」)、ステップS51に移る。ステップS51では、ファイル取得先の選択を操作者から受け付けるためのUSBメモリ選択画面113(図4)を操作パネル15に表示させる。USBメモリ選択画面113には、自装置(MFP1)に接続されているUSBメモリとPC2において共有設定されているUSBメモリとが表示される。
【0075】
PC2で共有設定されているUSBメモリの表示は、共有設定テーブル152に書き込まれている共有設定情報に基づき表示される。ここでは、共有設定情報のパス欄に書き込まれているPC2のパスの数だけUSBメモリが存在しているとして、パス毎にそのパスに示されるドライブ名とUSBメモリの名称をアイコン表示する。図4は、USBメモリ選択画面113にMFP1に接続されている1つのUSBメモリ(USBメモリAキー)と、PC2に接続されている1つのUSBメモリ(PC/USBメモリキー123)とがアイコン表示されている例を示している。
【0076】
図9のステップS52では、USBメモリ選択画面113から操作者によるUSBメモリの選択を受け付ける。例えば、PC/USBメモリキー123がタッチ入力された、すなわちPC2のUSBメモリ25が選択されると、選択されたUSBに格納されているファイルを示すファイル選択画面114(図4(a))を操作パネル15に表示させる(ステップS53)。このファイルの表示は、MFP1が共有設定テーブル152に書き込まれている共有設定情報(ユーザ名、パス、パスワードなど)に基づきSMBによりPC2の共有フォルダを参照することにより行われる。
【0077】
ここでは、選択されたUSBメモリに対するパスとパスワード、ユーザ名を読み出して、読み出したパスとパスワード、ユーザ名をPC2に渡す。PC2では、MFP1から取得したユーザ名がPC2においてログインを許可する対象のユーザであることを判断し、かつ取得したパスについてそのパスに係るパスワードが事前に設定した一時的なパスワードと一致したときにだけ、そのパスへのアクセスを許可する。MFP1は、PC2でアクセス許可されると、パスに示されるUSBメモリのフォルダにアクセスして、そのフォルダに格納されているファイル群を参照する。
【0078】
ファイル選択画面114から操作者によるファイルの選択を受け付ける(ステップS54)。そして、操作者によりファイルが選択、例えばファイル名を示すキー124がタッチ入力されると、選択されたファイルのプリントを実行するためのメモリプリント実行画面を操作パネル15に表示させる(ステップS55)。このメモリプリント実行画面は、図示していないがプリントの実行条件、例えばプリント枚数や部数、濃度設定、両面や2イン1などの各種機能などの実行条件の入力を操作者から受け付けるための画面である。
【0079】
図10に移ってステップS56では、操作者からメモリプリントの実行条件を受け付け、ステップS57では、操作者からメモリプリントの実行指示を受け付けるとメモリプリントを実行する。具体的には、ステップS54で選択を受け付けたファイルをPC2からLAN3を介して取得して、取得したファイルによるプリントジョブを、ステップS56で受け付けた実行条件に基づいて実行する。この意味で、制御部16は、ステップS40〜S57の処理を実行するときに、リモートログイン中の操作者による、操作パネル15からの画像処理ジョブの実行指示に基づきPC2にアクセス許可を受けてPC2からファイルを取得するファイル操作手段として機能するものといえる。
【0080】
プリント実行後に操作パネル15から操作者によるログアウトのための操作入力を受け付けると(ステップS58)、PC2において共有のままになっているUSBメモリが存在するか否かを判断する(ステップS59)。この判断は、共有設定テーブル152を参照することにより行われる。具体的には、共有設定テーブル152にPC2に対する共有設定情報が書き込まれたままの状態の場合には、肯定的な判断を行い、書き込まれていない(消去されている)場合には、否定的な判断を行う。
【0081】
共有のUSBメモリが存在することを判断すると(ステップS59で「YES」)、共有設定テーブル152を参照して、共有されている全てのUSBメモリのパスとパスに対応するパスワードとユーザ名とをPC2に送信すると共に共有の解除を要求する(ステップS60)。後述のように、PC2は、MFP1からの共有解除要求を受け付けると、要求されたUSBメモリの共有設定を解除して、解除した旨の通知をMFP1に送信する。
【0082】
MFP1は、PC2からの解除の通知を受信すると、解除された共有設定を消去、すなわち共有の解除を要求したUSBメモリに対する共有設定情報を共有設定テーブル152から消去して(ステップS62)、ステップS59に戻る。
ステップS59では、再度、共有のままになっているUSBメモリの存在の有無を判断する。共有設定テーブル152にPC2に対する共有設定情報が書き込まれていない、すなわち既に消去されている場合には、共有のUSBメモリが存在しないと判断して(ステップS59で「NO」)、ログアウトして(ステップS63)、当該処理を終了する。
【0083】
(4)PCの処理内容2
図13は、リモートログイン中にPC2がMFP1からのUSBメモリのパスの送信要求(ステップS40)を受け付けたときにPC2において実行される処理内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、MFP1からのパスの送信要求を受け付けると(ステップS71)、自装置(PC2)の全ドライブのうち、USBメモリが接続されているドライブを検出し、検出されたドライブに接続されているUSBメモリのパス(例えば、ドライブ名)とUSBメモリの名称などを読み出して、読み出した情報をUSBメモリ情報として保持する(ステップS72)。全てのUSBメモリについてUSBメモリ情報の保持が完了したか否かを判断する(ステップS73)。USBメモリが複数ある場合には、完了していないと判断して(ステップS73で「NO」)、ステップS72に戻り、別のUSBメモリについてUSBメモリ情報の保持を実行する。
【0084】
全てのUSBメモリに対してUSBメモリ情報の保持が完了するまでステップS72、S73の処理を繰り返し実行する。全てのUSBメモリについてUSBメモリ情報の保持を判断すると(ステップS73で「YES」)、保持しているUSBメモリ情報を要求元、ここではMFP1に送り(ステップS74)、当該処理を終了する。なお、USBメモリが1つも接続されていない場合には、USBメモリ情報には未接続の旨が示される。
【0085】
(5)PCの処理内容3
図14は、リモートログイン中にPC2がMFP1からのUSBメモリの共有設定の要求(ステップS48)を受け付けたときにPC2において実行される処理内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、MFP1からの共有設定の要求を受け付けると(ステップS81)、要求と共に送られてくるUSBメモリのパスに、ランダムな一時的に生成されたパスワードを付与して共有を設定する(ステップS82)。このパスワードは、共有されたパスに対応付けて保持され、上記のようにMFP1からUSBメモリのフォルダへのアクセスがあったときの許否の判断に用いられる。MFP1から複数のパスが送られた場合には、パス毎に上記と同じ共有設定を行う。
【0086】
共有設定が終了すると、ユーザ名(ユーザZがPC2にログインするときのユーザ名)と、パス毎にそのパスに一時的に設定されたパスワードとをMFP1に送信して(ステップS83)、当該処理を終了する。
(6)PCの処理内容3
図15は、リモートログイン中にPC2がMFP1からUSBメモリへのアクセス要求(ステップS51)を受け付けたときにPC2において実行される処理内容を示すフローチャートである。
【0087】
同図に示すように、MFP1からのアクセス要求を受け付けると(ステップS85)、要求と共に送られてくるユーザ名が、PC2が自己で管理しているログインを許可する対象のユーザ名と一致するか否かを判断する(ステップS86)。ここでは、ユーザZのものについて一致が判断される。
ユーザ名が一致することを判断すると(ステップS86で「YES」)、MFP1からの要求と共に送られてくるパスワードがステップS82で設定したパスワードと一致しているか否かを判断する(ステップS87)。パスワードが一致していることを判断すると(ステップS87で「YES」)、アクセスを許可して(ステップS88)、当該処理を終了する。なお、ユーザ名が一致していないことを判断すると(ステップS86で「NO」)、アクセスを許可せずに(ステップS89)、当該処理を終了する。また、パスワードが一致していないことを判断すると(ステップS87で「NO」)、アクセスを許可せずに(ステップS89)、当該処理を終了する。なお、上記では、アクセス許可の条件としてユーザ名とパスワードの一致を含むとしたが、これに限られない。例えば、ユーザ名を取得しない場合にパスワードの一致を判断する構成や、これ以外の方法を許可条件として用いる構成などをとることも可能である。
【0088】
(7)PCの処理内容4
図16は、リモートログイン中にPC2がMFP1からのUSBメモリの共有設定解除の要求(ステップS60)を受け付けたときにPC2で実行される処理内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、MFP1からの共有設定解除の要求を受け付けると(ステップS91)、要求と共に送られてくるUSBメモリのパスとパスワードとユーザ名に基づき共有を解除する(ステップS92)。具体的には、PC2は、MFP1から取得したユーザ名がPC2においてログインを許可する対象のユーザであることを判断し、かつ取得したパスについてそのパスに係るパスワードがステップS82で設定したパスワードと一致すると、そのパスに示されるUSBメモリに設定された共有を解除する。この共有の解除と共に保持されていたパスワードを消去する。共有解除の要求が複数のUSBメモリに対するものである場合には、一つずつ上記の共有解除が行われる。
【0089】
共有解除が終了するとその旨を示す共有設定解除の通知をMFP1に送信して(ステップS93)、当該処理を終了する。
(8)PCの処理内容5
図17は、リモートログイン中にMFP1からPC2に戻ったユーザがPC2のログアウトを行うときにPC2において実行される処理内容を示すフローチャートである。
【0090】
同図に示すように、PC2は、ユーザからPC2からのログアウト、またはリモートパネルのログアウトのための入力をキーボート23等から受け付けると(ステップS95)、共有設定されているUSBメモリが存在するか否かを判断する(ステップS96)。共有設定されているUSBメモリが存在することを判断すると(ステップS96で「YES」)、その共有を解除して(ステップS98)、ステップS96に戻る。
【0091】
ステップS96では、再度、共有設定されているUSBメモリの存在の有無を判断し、共有設定されているUSBメモリが存在すれば、ステップS98に移って共有解除を実行する。共有されているUSBメモリが存在しないと判断すると(ステップS96で「NO」)、全てのUSBメモリについて共有が解除されたとして、PC2からログアウト、またはリモートパネルをログアウトした後(ステップS97)、当該処理を終了する。これによりリモートログインによりMFP1との間で確立されていた通信が切断される。なお、リモートログイン時から所定時間が経過してタイムアウトになった場合には、自動的に通信が切断される場合もある。
【0092】
以上説明したように、MFP1は、リモートログイン中のユーザにより操作パネル15からログインされてメモリプリントが指示されると、リモートログイン時に取得したPC2のネットワークアドレスを用いてPC2にアクセスすることにより、PC2に接続されているUSBメモリの情報、USBメモリに格納されているファイルの情報およびそのファイルを取得するので、ユーザにとって従来のようにMFP1からPC2の共有にアクセスするためにネットワークアドレス等を入力する手間が不要になり、操作性が向上する。
【0093】
本発明は、画像処理システムに限られず、当該画像処理システムに含まれる画像処理装置、端末装置にも適用することができる。また、当該画像処理システムにおけるファイルの取得方法または後述するファイルの格納方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0094】
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記では、メモリプリントについて説明したが、例えばスキャンジョブの場合にも同様に適用される。例えば、図4(a)のジョブ選択画面111からユーザがスキャンを選択した場合には、原稿のスキャンにより得られた画像ファイルの格納方法を選択する画面が表示される。この画面は、例えばファイル取得先選択画面112と同様のデザインの画面であり、USBメモリを示すアイコンが表示される。
【0095】
ユーザによりUSBメモリが選択されると、次に格納先のUSBメモリを選択するための画面が表示される。この画面は、例えばUSBメモリ選択画面113と同様のデザインの画面であり、PC2のUSBメモリ25を示すアイコンが表示される。この表示は、上記のステップS40以降の処理と同じ処理が実行されることにより実現される。
ユーザによりPC2のUSBメモリ25が選択されると、次にファイル選択画面が表示される。この画面は、例えばファイル選択画面114と同様のデザインの画面であり、ここではスキャンにより得られたファイルを示すアイコンが表示される。ユーザは、この画面からファイルを選択することができる。
【0096】
ユーザによりファイルが選択されると、選択されたファイル(スキャン画像のファイル)がLAN3を介してPC2に送られ、PC2に接続されているUSBメモリ25に格納されることになる。このジョブをScan To USBという。
(2)上記実施の形態では、MFP1の操作パネル15からのログインとPC2からMFP1へのリモートログインにユーザIDやパスワードを用いるとしたが、ユーザ識別によりログインの許否を判断できる方法であれば、これに限られない。また、MFP1からPC2に共有設定を要求するとしたが、例えば記録媒体が元々共有されている構成もあり得ることから、例えば共有の設定状態をPC2に確認し、共有されていない場合に共有を要求するとしても良い。さらに、共有ではなく、例えばMFP1がPC2に接続されているUSBメモリへのアクセス許可を要求して、許可されるとアクセスしてUSBメモリからファイルを取得する、またはファイルをUSBメモリに格納するとしても良い。
【0097】
(3)上記実施の形態では、端末装置に装着されている記録媒体として可搬型のUSBメモリ25を用いた場合の例を説明したが、これに限られない。例えば、SDメモリーカード、スマートメディアなどとしても良い。また、例えばMFP1にハードディスクが内蔵されている場合にそのハードディスクとすることもできる。
この場合、ファイル取得先選択画面112では、USBメモリに代えて、そのハードディスクをファイル取得先として選択可能に構成し、USBメモリ選択画面113では、USBメモリに代えて、MFP1のハードディスクとPC2のハードディスクとを選択可能に構成すれば良い。PC2のハードディスクが選択された場合には、例えばPC2のハードディスク内のフォルダやファイルのうち、共有設定されているものをファイル選択画面114に表示させて、そのフォルダやファイル群の中からユーザの希望するファイルの選択を受け付ける構成をとることが可能である。
【0098】
(4)上記実施の形態では、図4においてファイル取得先選択画面112でUSBメモリが選択されると、USBメモリ選択画面113に切り換わり、USBメモリ選択画面113でPC/USBメモリキー123が押下されると、ファイル選択画面114に切り換わる構成としたが、これに限られない。例えば、MFP1にUSBメモリの接続機能がないような場合には、ファイル取得先選択画面112でUSBメモリが選択されると、外部の端末装置のものが指定されたとして、USBメモリ選択画面113を飛ばして(表示させないで)、ファイル選択画面114に切り換える構成としても良い。この構成をとる場合、上記ステップS35とS36の処理が不要になる。このようにすれば操作者の入力がさらに簡略化され、操作性のさらなる向上を図れる。
【0099】
(5)上記実施の形態では、本発明に係る画像処理装置を複写機に適用した場合の例を説明したが、これに限られない。端末装置とネットワーク接続される画像処理装置であり、端末装置に装着されている記録媒体から当該記録媒体に格納されているファイルをネットワークを介して取得して、取得したファイルに基づく画像形成を行うプリントジョブ、画像処理装置で読み取って得られたファイルを端末装置にネットワークを介して送信して、当該端末装置に装着されている記録媒体に格納するスキャンジョブなどの画像処理ジョブを少なくとも1つ実行可能な画像処理装置であれば、例えばプリンタ、スキャナ、FAX等の画像処理装置に適用できる。また、操作者からのログインと画像処理ジョブの指示入力を受け付ける入力手段として操作パネル15を用いた例を説明したが、これに限られない。操作者からの入力を受け付ける機能を有する入力手段一般に適用できる。
【0100】
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、端末装置と画像処理装置とがネットワーク接続され、端末装置から画像処理装置にリモートログインして画像処理ジョブを実行する画像処理システムおよび画像処理装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 MFP
2 端末装置
3 ネットワーク
10 画像処理システム
12 画像読取部
13 画像形成部
16、24 制御部
25 USBメモリ
102 表示受付制御部
103 ユーザ管理部
104 共有要求部
105 ネットワーク参照部
106 記憶部
112 ファイル取得先選択画面
113 USBメモリ選択画面
114 ファイル選択画面
115 USBメモリ一覧画面
151 ログイン情報テーブル
152 共有設定テーブル
201 リモート操作部
202 USBメモリ管理部
203 共有処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が装着されている端末装置とネットワーク接続され、前記端末装置からのリモートログインを受け付けて画像処理ジョブを実行する画像処理装置であって、
前記リモートログインの際に取得された前記端末装置のネットワークアドレスと前記リモートログインを要求したユーザの識別情報を記憶する記憶手段と、
操作者からのログインと画像処理ジョブの指示入力を受け付ける入力手段と、
前記ログインを行った操作者の識別情報を取得する取得手段と、
前記ユーザの識別情報と操作者の識別情報に基づき、前記操作者が前記端末装置からのリモートログイン中のユーザであることを判断する判断手段と、
前記判断がなされた場合にその操作者による、前記入力手段からの画像処理ジョブの指示入力に基づき、前記ネットワークアドレスを用いて前記端末装置にアクセスの許可を受けて前記記録媒体に格納されている画像ファイルを取得する、または自装置が保持する画像ファイルを前記記録媒体に格納させるファイル操作手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記端末装置に対し前記記録媒体へのアクセス許可を要求する要求手段を備え、
前記ファイル操作手段は、
前記アクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記入力手段は、表示部を備え、
前記ファイル操作手段は、
前記操作者から前記記録媒体の指定を受け付けるための第1画面を前記表示部に表示させて、前記指定を受け付け、
前記指定された記録媒体について前記取得または格納を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が前記端末装置に装着されており、
前記要求手段は、
前記複数の記録媒体それぞれに対するアクセス許可を要求し、
前記ファイル操作手段は、
前記アクセスが許可されると、許可された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が前記端末装置に装着されており、
前記ファイル操作手段は、
前記第1画面の表示前に、前記複数の記録媒体のうち、1以上の記録媒体の前記操作者からの選択を受け付けるための第2画面を前記表示部に表示させ、当該選択を受け付けると、当該選択された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させ、
前記要求手段は、
前記選択された記録媒体のみに対してアクセス許可を要求することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ファイル操作手段は、
前記アクセス許可の条件にパスワードの一致が含まれている場合には、当該パスワードを当該端末装置から取得し、前記アクセス許可を受けるに際して前記取得したパスワードを前記端末装置に送り、前記端末装置によりアクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記要求手段は、
前記判断手段による判断がなされた後に、前記アクセスの許可を要求することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記アクセスの許可は、前記端末装置と前記記録媒体を共有することの許可であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記入力手段は、前記操作者からのログアウトの指示入力を受け付け、
前記要求手段は、前記ログアウトの指示入力が受け付けられると、前記端末装置に対して前記共有の解除を要求することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記記録媒体は、前記端末装置に着脱自在な可搬型の記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
記録媒体が装着されている端末装置と、前記端末装置からのリモートログインを受け付ける画像処理装置とがネットワーク接続されてなる画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
前記リモートログインの際に取得された前記端末装置のネットワークアドレスと前記リモートログインを要求したユーザの識別情報を記憶する記憶手段と、
操作者からのログインと画像処理ジョブの指示入力を受け付ける入力手段と、
前記ログインを行った操作者の識別情報を取得する取得手段と、
前記ユーザの識別情報と操作者の識別情報に基づき、前記操作者が前記端末装置からのリモートログイン中のユーザであることを判断する判断手段と、
前記判断がなされた場合にその操作者による、前記入力手段からの画像処理ジョブの指示入力に基づき、前記ネットワークアドレスを用いて前記端末装置にアクセスの許可を受けて前記記録媒体に格納されている画像ファイルを取得する、または自装置が保持する画像ファイルを前記記録媒体に格納させるファイル操作手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
前記画像処理装置は、
前記端末装置に対し前記記録媒体へのアクセス許可を要求する要求手段を備え、
前記ファイル操作手段は、
前記アクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記入力手段は、表示部を備え、
前記ファイル操作手段は、
前記操作者から前記記録媒体の指定を受け付けるための第1画面を前記表示部に表示させて、前記指定を受け付け、
前記指定された記録媒体について前記取得または格納を実行することを特徴とする請求項12に記載の画像処理システム。
【請求項14】
前記端末装置には前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が装着されており、
前記要求手段は、
前記複数の記録媒体それぞれに対するアクセス許可を要求し、
前記ファイル操作手段は、
前記アクセスが許可されると、許可された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させることを特徴とする請求項13に記載の画像処理システム。
【請求項15】
前記端末装置には前記記録媒体とは別の少なくとも1つの記録媒体が装着されており、
前記ファイル操作手段は、
前記第1画面の表示前に、前記複数の記録媒体のうち、1以上の記録媒体の前記操作者からの選択を受け付けるための第2画面を前記表示部に表示させ、当該選択を受け付けると、当該選択された記録媒体それぞれの識別情報を前記第1画面に表示させ、
前記要求手段は、
前記選択された記録媒体のみに対してアクセス許可を要求することを特徴とする請求項13に記載の画像処理システム。
【請求項16】
前記ファイル操作手段は、
前記アクセス許可の条件にパスワードの一致が含まれている場合には、当該パスワードを当該端末装置から取得し、前記アクセス許可を受けるに際して前記取得したパスワードを前記端末装置に送り、前記端末装置によりアクセスが許可されると前記取得または格納を実行することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項17】
前記要求手段は、
前記判断手段による判断がなされた後に、前記アクセスの許可を要求することを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項18】
前記アクセスの許可は、前記端末装置と前記記録媒体を共有することの許可であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項19】
前記入力手段は、前記操作者からのログアウトの指示入力を受け付け、
前記要求手段は、前記ログアウトの指示入力が受け付けられると、前記端末装置に対して前記共有の解除を要求することを特徴とする請求項18に記載の画像処理システム。
【請求項20】
前記記録媒体は、前記端末装置に着脱自在な可搬型の記録媒体であることを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−212993(P2010−212993A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56918(P2009−56918)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】