説明

画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】圧縮・伸張後の文字の可読性が人の感覚に基づいて判断される画像処理装置等を提供する。
【解決手段】画像処理装置11は、取得された画像情報を複数のブロックに分割する分割部21と、分割された複数のブロックの中から文字を含む有意ブロックを選出する有意ブロック選出部22と、選出された有意ブロックを複数の圧縮率のいずれかで圧縮し圧縮データを出力する圧縮部25と、圧縮データを伸張し伸張画像を出力する伸張部26と、複数の圧縮率で画像情報全体を圧縮したときの各予想ファイルサイズを算出する予想ファイルサイズ算出部27とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関し、特に、画像に応じて圧縮率を変更する画像処理装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージスキャナ等により読み取った文書等の原稿の画像データ(原画像)を、通信ネットワークを介して外部装置に送信したり、或いは、記録装置に記録することは、従来から一般に行われている。このような場合、通信ネットワークのデータ伝送容量や記録装置の記録容量には制限があるため、送信又は記録するデータのサイズは極力小さいほうが望ましい。このため、近年では、受信装置或いは記録装置において、ある程度のデータのロスが発生することを予め許容して、出力側の装置から画像データを出力するのに先立って、出力すべき画像データの解像度を低下させたり、或いは、圧縮効率は高いが非可逆な画像圧縮処理を施したりする場合がある。
【0003】
スキャンした文書画像を非可逆の圧縮方式を用いながら保存する際に、少なくとも当該画像を再現したときに必要な情報を構成する文字列が可読な程度の圧縮率に留めておくことが必須である。このような技術として、画像から文字ブロックを抽出し、複数の圧縮率で画像変換(間引き)して文字認識を行い、その結果を用いて最小限の情報量で可読性を維持できる圧縮率を選択する従来技術が知られていた(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−167623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、画像の圧縮・伸張後の文字の可読性(画像劣化の様子)が人の感覚に基づいて判断できる画像処理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、取得された画像情報を複数のブロックに分割する分割手段と、分割手段により分割された複数のブロックの中から文字を含む有意ブロックを選出する選出手段と、選出手段により選出された有意ブロックを複数の圧縮率のいずれかで圧縮し圧縮データを出力する圧縮手段と、圧縮手段により圧縮された圧縮データを伸張し伸張画像を出力する伸張手段と、複数の圧縮率で画像情報全体を圧縮したときの各予想ファイルサイズを算出する予想ファイルサイズ算出手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
上記画像処理装置において、伸張手段により伸張された伸張画像と、予想ファイルサイズ算出手段により算出された予想ファイルサイズとを表示する表示手段を更に備えることを特徴とする。
また、上記画像処理装置において、分割手段は、取得された画像の解像度に応じて定まる画素数を大きさの基準としてブロックを分割することを特徴とする。
更に、上記画像処理装置において、ユーザによる圧縮率の選択を受け付ける圧縮率受付手段を更に備えることを特徴とする。
更にまた、上記画像処理装置において、選出手段は、分割手段により分割された複数のブロックの各ブロックについて周波数特徴を算出する周波数特徴算出手段と、周波数特徴算出手段により算出された各ブロックの周波数特徴において、ユーザによって予め設定された最小可読サイズの文字の並びに基づく文字並び周波数を用いて複数のブロックの中から有意ブロックを選定する選定手段とを含むことを特徴とする。
更にまた、上記画像処理装置において、選定手段は、周波数特徴算出手段により算出された周波数特徴において、文字並び周波数以下の周波数成分のうち文字並び周波数に近い周波数成分が最も多いブロックを有意ブロックとして選定することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータに、取得された画像情報を複数のブロックに分割する分割機能と、分割された複数のブロックの中から文字を含む有意ブロックを選出する選出機能と、選出された有意ブロックを複数の圧縮率のいずれかで圧縮し圧縮データを出力する圧縮機能と、圧縮された圧縮データを伸張し伸張画像を出力する伸張機能と、複数の圧縮率で画像情報全体を圧縮したときの各予想ファイルサイズを算出する予想ファイルサイズ算出機能とを実現させることを特徴とする。
上記画像処理プログラムにおいて、分割機能において、取得された画像の解像度に応じて定まる画素数を大きさの基準としてブロックを分割することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画像情報から選出した有意ブロックを複数の圧縮率のいずれかで圧縮し伸張した各伸張画像と、その圧縮率で画像情報全体を圧縮したときの各予想ファイルサイズとが出力できる。
請求項2にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、伸張画像と予想ファイルサイズとを表示手段上で見ることができる。
請求項3にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、ユーザは取得した画像の解像度に依存することなく、読み取り対象物の所定の範囲に対して圧縮し伸張した後の文字の可読性を表示手段上で視認することができる。
請求項4にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、表示手段に表示された伸張画像と予想ファイルサイズとを見て、ユーザは文字の可読性を確保した圧縮率を選択することができる。
請求項5にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、文字並び周波数を用いて有意ブロックが選定できる。
請求項6にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、文字並び周波数以下の周波数成分のうち文字並び周波数に近い周波数成分が最も多いブロックを有意ブロックとして選定できるため、ユーザーは煩雑な操作を行うことなく画像圧縮によって強く影響を受ける小文字領域に着目することができる。
【0010】
請求項7にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、画像情報から選出した有意ブロックを複数の圧縮率のいずれかで圧縮し伸張した各伸張画像と、その圧縮率で画像情報全体を圧縮したときの各予想ファイルサイズとが出力できる。
請求項8にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、ユーザは取得した画像の解像度に依存することなく、読み取り対象物の所定の範囲に対して圧縮し伸張した後の文字の可読性を表示手段上で視認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)を図面を用いて説明する。図1は本実施の形態にかかる画像処理システムの構成概略を示す図である。本実施の形態にかかる画像処理システム1は、画像データを取り込むスキャナ10と、画像処理装置11と、圧縮された画像データを蓄積するデータ蓄積手段としてのハードディスクユニット12と、で構成される。図1に示すように、それぞれのユニットはケーブルで接続している。
【0012】
ここで、スキャナ10は、原稿を光学式に読み取りユニットである。読み取られた画像データはディジタル信号として画像処理装置11へ出力される。画像処理装置11は、例えばパソコン等で構成され、スキャナ10から送られた画像データを、後述する画像処理方式により圧縮してハードディスクユニット12へと出力する。ハードディスクユニット12は、画像処理装置11から送られた圧縮された画像データを蓄積する。
【0013】
次に、本実施の形態にかかる画像処理装置11の機能ブロックを説明する。図2は本実施の形態にかかる画像処理装置11の機能ブロック図である。
画像処理装置11は、外部から入力された画像データを取得する取得ポートの一例としての画像取得部20と、画像取得部20から画像データを受け取り、所定の大きさの複数のブロックに分割する分割手段の一例としての分割部21とを有して構成される。ここで、画像取得部20は例えばRAMやハードディスクなどで構成される。分割部21は例えばCPU(中央処理装置)などで構成される。
また、画像処理装置11は、分割部21によって分割された複数のブロックの中から文字を含む有意ブロックを選出する選出手段の一例としての有意ブロック選出部22と、選出された有意ブロックを複数の圧縮率で圧縮し圧縮データを出力する圧縮手段の一例としての圧縮部25と、出力された圧縮データを受け取り伸張して伸張画像を出力する伸張手段の一例としての伸張部26とを有して構成される。また、有意ブロック選出部22は例えばCPUなどで構成される。圧縮部25は例えばCPUなどで構成される。伸張部26は例えばCPUなどで構成される。分割されるブロックの大きさ、及び、選出される有意ブロックについては後述する。
【0014】
有意ブロック選出部22は、分割部21によって分割された複数のブロックの各々について周波数特徴を算出する周波数特徴算出手段の一例としての周波数特徴算出部23と、算出された周波数特徴を用いて、文字並び周波数を考慮して有意ブロックを選定する選定手段の一例としての選定部24とを有して構成される。文字並び周波数はユーザが予め指定した最小可読文字サイズとしての最小可読サイズに基づいて計算されてメモリ31中に記憶されている。また、圧縮部25で用いられる複数の圧縮率も(ユーザによって)予め指定されメモリ31中に記憶されている。
【0015】
また、画像処理装置11は、画像取得部20から画像データを受け取り、メモリ31に予め記憶されている複数の異なる圧縮率の各々で画像データ全体を圧縮したときの予想ファイルサイズを圧縮率毎に算出する予想ファイルサイズ算出手段の一例としての予想ファイルサイズ算出部27を有している。そして、画像処理装置11は、先に伸張部26が出力した圧縮率毎の伸張画像と、その圧縮率に対応した予想ファイルサイズとを表示する表示手段の一例としての表示部28を有している。更に、画像処理装置11は、表示部28に表示された(画像劣化を含む)伸張画像と対応する予想ファイルサイズとを見たユーザが圧縮率を選択できるよう、圧縮率の選択を受け付ける圧縮率受付手段の一例としての選択受付部29を有して構成される。そして、画像処理装置11は、圧縮率が選択されたとき、画像取得部20から画像データを受け取り、選択された圧縮率で画像データを圧縮し圧縮データとして出力する圧縮手段の一例としての圧縮部30とを有して構成される。
【0016】
(画像処理方法)
以上の構成を有する画像処理装置11内で実行される画像処理方法についてフローチャートを用いて以下に説明する。図3は本実施の形態にかかる画像処理方法を説明するフローチャートである。図4は、文字並び周波数を取得する方法を説明するための図である。
【0017】
ユーザが最小可読文字サイズを予め指定する(ステップ101)。最小可読文字サイズが指定されたとき、画像処理装置11において文字並び周波数が算出され、メモリ31内に保持される(ステップ102)。
ここで、文字並び周波数を図4を用いて説明する。図4(a)に示すように、文章において文字のサイズが決定されるとその文章の文字間隔L及び行間隔Lもある範囲に収まることが多い(図4(b)参照)。そして、文字間隔L及び行間隔Lが定まるとそれに応じた繰返し周期も自ずと定まる。周波数は文字間隔L又は行間隔Lの繰返し周期の逆数であるから、文字間隔L及び行間隔Lが定まるとそれに応じた周波数も定まることになる。よって、ユーザが最小可読文字サイズを指定したとき、最小可読文字サイズの文字の並びによって定まる周波数を「文字並び周波数」とここでは定義する。
【0018】
図3に戻って、ステップ102と併行して、ユーザによって指定された最小可読文字サイズから最低解像度が導出される(ステップ103)。そして、導出した最低解像度に基づき、スキャン可能解像度がユーザに提示される(ステップ104)。具体的には、200,300,400,600[dpi]など予め定められた解像度のうち、ステップ103で導出された最低解像度以下の解像度を除外して提示される。最低解像度以下の解像度はスキャンしても設定された最小可読サイズの文字が可読困難だからである。
【0019】
提示された複数のスキャン可能解像度の中からユーザによってスキャン解像度が指定されたとき(ステップ105)、指定されたスキャン解像度がスキャナ10に伝えられ、原稿がスキャン(取得)される(ステップ106)。そして、読み取られた画像データが画像処理装置11に送信される。画像処理装置11では取得された画像データが画像取得部20において蓄積され、分割部21において複数のブロックに分割される(ステップ107)(分割工程)。
【0020】
ここで、画像データが複数のブロックに分割される様子を図5を用いて説明する。図5は原稿画像から有意ブロックが抽出されるまでの過程を説明するための図である。スキャナ10から送信された原稿画像(図5(a))の画像データは、分割部21において複数のブロックに分割される(図5(b))。このとき、表示部28では原稿の一定範囲をブロックとして表示するため、画像データにおいて分割される実際のブロックの大きさ(ピクセル単位)は画像が取得された解像度に応じて変動することになる。
【0021】
図3に戻って、分割されたブロックごとに画像データの周波数特徴が周波数特徴算出部23によって算出される(ステップ108)(周波数特徴算出工程)。すべてのブロックについて周波数特徴が算出されたかが判断され(ステップ109)、完了していないとき(ステップ109:N)ステップ108に戻って画像データの周波数特徴算出工程が継続される。
【0022】
これに対して、すべてのブロックについて周波数特徴算出が完了したとき(ステップ109:Y)、メモリ31に記憶された文字並び周波数を用いて有意ブロック(小サイズ文字ブロック)が選出される。より詳しく述べれば、すべてのブロックについて周波数特徴算出が完了したとき(ステップ109:Y)、文字並び周波数以下の周波数成分が抽出される(ステップ110)(抽出工程)。そして、文字並び周波数以下の周波数成分のうち文字並び周波数に近い周波数成分が多いブロック(図5(c))が有意ブロック(小サイズ文字ブロック)として選定部24によって選定される(ステップ111)(選定工程)。
【0023】
(有意ブロックの選定)
ここで、文字並び周波数以下の周波数成分の多寡に基づいて有意ブロックを選定する理由を以下に説明する。
原稿をスキャンして得られる画像データにはさまざまなノイズが含まれる。このうち、画像処理に最も影響を与えるもののひとつとしてカラー画像の網点構造が挙げられる。即ち、カラー画像はY(イエロー)/M(マゼンダ)/C(シアン)などの色成分を含み、それらが印刷物の網点構造(スクリーン線数)を構成する。ところで、この網点構造の周波数は文字並び周波数よりも常に高い値を示す。カラー画像の網点は文字の並びよりも細かい(出現周期が短い)からである。よって、文字並び周波数以下の周波数成分に着目すればこの網点構造の影響を排除できる。従って、文字並び周波数以下で比較的高い周波数成分が多いブロックは小さい文字が多いブロックと考えられ、有意ブロックとして選定される。より好ましくは、文字並び周波数以下の周波数成分のうち文字並び周波数に近い周波数成分が多いブロックほど最小可読文字サイズに近い小さい文字が多いブロックであるから、文字並び周波数に近い周波数成分が多いブロックが有意ブロックとして選定される。
【0024】
図3に戻って、選定された有意ブロックは、予め定められメモリ31に記憶された複数の圧縮率で圧縮部において圧縮された後、伸張部26において伸張され、伸張画像が出力される(ステップ112)(圧縮伸張工程)。
一方、画像取得部20から得られた画像データの全体が各圧縮率で圧縮されたときの圧縮データの予想ファイルサイズが、予想ファイルサイズ算出部27において圧縮率毎に算出される(ステップ113)(予想ファイルサイズ算出工程)。有意ブロックを各圧縮率で圧縮した前後のファイルサイズと、画像データの全体のファイルサイズとを用いて、予想ファイルサイズは算出される。
その後、各圧縮率の伸張画像とその圧縮率における予想ファイルサイズとが対応付けられて表示部28上に並べて表示される(ステップ114)(表示工程)。
【0025】
ここで、伸張画像が予想ファイルサイズと対応付けられて表示部28上に表示されたときの例を図6に示す。
図6に示されるように、ステップ111で選定された有意ブロックの画像データが、画像処理装置11の表示部28に表示される。有意ブロックの表示の下には、表示された有意ブロックと同じ圧縮率で画像データ全体を圧縮したときの予想ファイルサイズが表示される。ユーザは、圧縮及び伸張を経て劣化が生じた伸張画像を見て文字の可読性を判断し、その予想ファイルサイズを考慮して圧縮率を選択することができる。
【0026】
図3に示すフローチャートに戻って、ユーザによる圧縮率の選択を待つ(ステップ115)(圧縮率受付工程)。
そして、ユーザが選択した圧縮率を選択受付部29が受け付けたとき、画像取得部20から入手した画像データの全体が選択された圧縮率で圧縮部30において圧縮されてハードディスクユニット12に出力される(ステップ116)(圧縮工程)。
【0027】
本実施の形態によれば、複数の圧縮率で圧縮及び伸張した伸張画像が並べて表示されるので、ユーザは画像劣化を目視により確認することができる。従って、圧縮による画像劣化を比較して適切な圧縮率を設定することが可能となる。
本実施の形態によれば、圧縮の影響を最も受ける原稿中の小さな文字又は構成要素領域(有意ブロック)が選定される。よって、ユーザは原稿中の小さな文字を探して表示画面を何度もスクロールする必要もなく、確認作業の時間的負担を軽減できる。
【0028】
上記実施の形態では、スキャナ10と、画像処理装置としての画像処理装置11と、ハードディスクユニット12とを有する構成の画像処理システムとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コピー機にデータ蓄積手段が備わったいわゆる複合機と呼ばれる機器にも本発明は適用可能である。狭い表示画面を有する複合機などの機器でも有意ブロックがその狭い表示画面に適切に表示されるから、圧縮伸張後の画像劣化を確認できるからである。
また、周波数特徴算出工程(ステップ108)と抽出工程(ステップ110)と選定工程(ステップ111)とにより有意ブロックを選定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、原稿中の小さな文字が集まっているブロックをユーザが指定するようにしてもよい。ユーザが指定したブロックを実際に圧縮及び伸張して得られる伸張画像の劣化を確認しても圧縮率を選択することができるからである。
【0029】
更に、上記実施の形態では、圧縮データをハードディスクユニット12に出力して蓄積する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、圧縮データを通信ネットワークに送信するようにしてもよい。
カラー画像の影響を排除する目的で文字並び周波数以下の周波数成分に着目して有意ブロックを選定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、網点構造の周波数特徴に着目すればカラー画像の圧縮率選択にも応用可能である。更に、白黒画像の圧縮率選択にも応用可能である。
【0030】
ここで、例えば、ステップ106の処理が実行されることにより画像処理プログラムに係る発明の「取得機能」が、ステップ107の処理が実行されることにより「分割機能」が実現される。
また、ステップ108乃至ステップ111の処理が実行されることにより「選出機能」が、ステップ112の処理が実行されることにより「圧縮機能」及び「伸張機能」が、ステップ113の処理が実行されることにより「予想ファイルサイズ算出機能」がそれぞれ実現される。
【0031】
図3に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記画像処理装置として機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施の形態にかかる画像処理システムの構成概略を示す図である。
【図2】図1に示す実施の形態にかかる画像処理装置の機能ブロック図である。
【図3】図1に示す実施の形態にかかる画像処理方法を説明するフローチャートである。
【図4】図1に示す実施の形態において、文字並び周波数を取得する方法を説明するための図である。
【図5】図1に示す実施の形態において、原稿画像から有意ブロックが抽出されるまでの過程を説明するための図である。
【図6】図1に示す実施の形態において、圧縮及び伸張を経た画像が予想ファイルサイズと対応付けられて表示部上に表示されたときの例である。
【符号の説明】
【0033】
1…画像処理システム、11…画像処理装置(画像処理装置)、21…分割部(分割手段)、22…有意ブロック選出部(選出手段)、23…周波数特徴算出部(周波数特徴算出手段)、24…選定部(選定手段)、25…圧縮部(圧縮手段)、26…伸張部(伸張手段)、27…予想ファイルサイズ算出部(予想ファイルサイズ算出手段)、28…表示部(表示手段)、29…選択受付部(圧縮率受付手段)、30…圧縮部(圧縮手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得された画像情報を複数のブロックに分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記複数のブロックの中から文字を含む有意ブロックを選出する選出手段と、
前記選出手段により選出された前記有意ブロックを複数の圧縮率のいずれかで圧縮し圧縮データを出力する圧縮手段と、
前記圧縮手段により圧縮された前記圧縮データを伸張し伸張画像を出力する伸張手段と、
前記複数の圧縮率で前記画像情報全体を圧縮したときの各予想ファイルサイズを算出する予想ファイルサイズ算出手段と
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記伸張手段により伸張された前記伸張画像と、前記予想ファイルサイズ算出手段により算出された前記予想ファイルサイズとを表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記分割手段は、取得された画像の解像度に応じて定まる画素数を大きさの基準として前記ブロックを分割することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
ユーザによる前記圧縮率の選択を受け付ける圧縮率受付手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記選出手段は、
前記分割手段により分割された前記複数のブロックの各ブロックについて周波数特徴を算出する周波数特徴算出手段と、
前記周波数特徴算出手段により算出された前記各ブロックの前記周波数特徴において、
予め設定された最小可読サイズの文字の並びに基づく文字並び周波数を用いて前記複数のブロックの中から前記有意ブロックを選定する選定手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記選定手段は、前記周波数特徴算出手段により算出された前記周波数特徴において、前記文字並び周波数以下の周波数成分のうち当該文字並び周波数に近い周波数成分が最も多いブロックを前記有意ブロックとして選定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
取得された前記画像情報を複数のブロックに分割する分割機能と、
分割された前記複数のブロックの中から文字を含む有意ブロックを選出する選出機能と、
選出された前記有意ブロックを複数の圧縮率のいずれかで圧縮し圧縮データを出力する圧縮機能と、
圧縮された前記圧縮データを伸張し伸張画像を出力する伸張機能と、
前記複数の圧縮率で前記画像情報全体を圧縮したときの各予想ファイルサイズを算出する予想ファイルサイズ算出機能と
を実現させるための画像処理プログラム。
【請求項8】
前記分割機能において、取得された画像の解像度に応じて定まる画素数を大きさの基準として前記ブロックを分割することを特徴とする請求項7に記載の画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−85914(P2008−85914A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265949(P2006−265949)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】