説明

画像処理装置及び部番号付加方法及びプログラム

【課題】同一部番号の成果物が複数部できることを防止することを目的とする。
【解決手段】部数を表す部番号を付加することと、複数の同一ページを用紙の面である物理ページに配置するページ反復面付けを実行することと、を設定する設定手段と、設定手段によって設定された内容に従い、用紙の面である物理ページに複数の同一の論理ページが配置され、当該物理ページに配置される論理ページ毎に、異なる部番号を付加する部番号付加手段と、を有することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び部番号付加方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)のような複数の機能が実現可能な複合機では、コピー/プリンタ等多種多様な機能を使う事ができる。そして、MFPの機能の一つに部番印字機能がある。部番印字機能は、複数部数の原稿を印刷するときに、各原稿に部番号(シリアル番号)を印刷する機能である。例えば、MFPが、図29に示す3ページの原稿を作成した場合、部番印字機能を使って3部印刷すると、図30のような印刷結果が得られる。ここで、図29は、3ページの原稿の一例を示す図である。また、図30は、図29に示される3ページの原稿を、部番印字機能を使って3部印刷した印刷結果の一例を示す図である。図30に示されるように、例えば、1部目には「0001」、2部目には「0002」、3部目には「0003」が付加される。この機能は、例えば、機密性の高い原稿を複数部作成し、複数のメンバーに会議等で配布した文書の管理をする際に使用される。また、部番印字機能によれば、権限がないユーザが配布物を複写した際にも、誰に配布した原稿が複写されたのかを追跡する事もできる。
【0003】
一方で、MFPには、様々な印刷補助機能がある。その1つの機能として、1枚の用紙に複数ページをレイアウトし、印刷する機能がある。この機能により、印刷用紙枚数を削減することができる。また、同様な機能に、ページ反復機能がある。ページ反復機能は、1枚の用紙に同一ページを2つレイアウトして印刷するものである。例えば、図29のような3ページデータに対して、ページ反復機能を適用すると、図31のような結果が得られる。そして、この印刷結果を、図32のように断裁機等を用いて断裁することで、1度の印刷で2部生成することができる。近年は、このような断裁機等の後処理工程を用いて処理し、最終成果物を得るという印刷フローが増えてきている。ここで、図31は、図29に示される3ページの原稿を、ページ反復機能を使って印刷した印刷結果の一例を示す図である。また、図32は、図31に示される印刷結果を、断裁機等を用いて断裁した結果の一例を示す図である。
【0004】
しかしながら、部番印字機能と1枚の用紙に複数のページを印刷する機能とを組み合わせて使用する場合、論理ページに対して部番号を付加するという機能がある(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−237591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の技術は、1枚の用紙に配置された複数のページのそれぞれに同一部番号を配置している。そのため、部番印字機能とページ反復機能とを組み合わせることで得られた印刷物を後処理工程(断裁機)にて断裁した場合、図33のように同一部番号の成果物が複数部できてしまう。その結果、複数のメンバーに会議等で配布した文書を配布した際に、その管理ができなくなってしまう問題点があった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、同一部番号の成果物が複数部できることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、部数を表す部番号を付加することと、用紙の面に複数のページを配置することを設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された内容に従い、用紙の面である物理ページに複数の論理ページが配置され、当該物理ページに配置される論理ページ毎に、異なる部番号を付加する部番号付加手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、同一部番号の成果物が複数部できることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0011】
<実施形態1>
図1は、印刷システムのシステム構成の一例を示す図である。
101は、ホストPC等の外部機器を示し、任意のアプリケーション等を使用して文書データを作成し、プリンタドライバ等で印刷データを作成する。
102は、本印刷システムで用いるMFPである。
【0012】
次に、図2を用いて、本実施形態で用いるMFPについて説明する。図2は、MFPの一例を示す図である。
201は、画像処理装置の一例であるMFPの本体である。
202は、MFPの本体に装備されている給紙デッキである。
203は、MFPの本体に装備されている給紙デッキである。
204は、MFPの本体に装備されている給紙カセットである。
205は、MFPの本体に装備されている給紙カセットである。
206は、MFPの本体に装着された排紙トレイである。
207は、MFPの本体に装着された原稿を読み取るための原稿自動送り機及びスキャナである。
【0013】
次に、図3を用いて、機器の構成の説明を行う。図3は、印刷システムを構成する各機器の構成を示す図である。
301は、ホストPC全体を示し、図1のPC101と同じ物である。
302は、ホストPC内に格納されているアプリケーションで作成された文書データ等である。
303は、文書データ302から印刷データ(PDLデータ)を作成するプリンタドライバである。ここでいうPDLデータとは、PS、PCL、LIPS等のページ記述言語を指すものとする。
304は、文書データ302やプリンタドライバ303、及び文書データ302を作成するアプリケーション等を格納するハードディスクである。
305は、プリンタドライバ303が作成したPDLデータを送信するための通信インターフェイスである。
306は、MFP本体であり、図1のMFP102と同様のもので、ブロック図として示したものである。
307は、通信インターフェイス(通信I/F)であり、ホストコンピュータ301から送られてくるPDLデータ等を受け取る。
【0014】
308は、データ受信部であり、通信インターフェイス307を介したデータを格納する。
309は、PDLインタプリタであり、データ受信部308で受信したPDLデータを解析する。
310は、データ受信部308が受信したPDLデータをPDLインタプリタ309が解析し、そのPDLデータをPDLインタプリタ309が変換した中間言語を示している。
311は、レンダラーであり、中間言語データ310を解析し、イメージデータに変換する。
312は、イメージデータ格納部であり、レンダラー311の処理結果を格納する。
313は、プリンタエンジンであり、イメージデータ312をビデオ信号に変換して印刷する。
314は、原稿を読み取るスキャナである。
315は、機器の設定等の値や、イメージデータ312を格納しておく。
316は、本実施形態の各種処理に係るプログラム等に基づき処理を実行する制御部である。
【0015】
図4のフローチャートを用いて、PDLを使った本システムの全体の流れを説明する。図4は、印刷システムにおけるプリンタ処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS401において、本処理系を開始する。
ステップS402において、PC処理を行う。ここでは、ホストPC101内にあるアプリケーション(不図示)やプリンタドライバ303を用いて、印刷データの作成やPDLデータの生成等を行う。なお、PC処理の詳細については、後述する図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS403において、プリンタ処理を行う。ここでは、MFP102が用紙に印刷をする処理を行う。なお、プリンタ処理の詳細については、後述する図6のフローチャートを用いて説明する。
ステップS404において、本処理系を終了する。
【0016】
次に、図5のフローチャートを用いて、PC処理の詳細について説明する。図5の各ステップは、PCのCPUにより実行される。
ステップS501において、ホストPC101は、PC処理を開始する。
ステップS502において、ホストPC101に格納されたアプリケーション(不図示)は、文書データの作成を行う。作成する文書データには2種類存在(図29及び図31)する。まず図29について説明する。図29は文書データを各用紙に対して1ページ割り当てたデータである。これに対して図31は各用紙に同一ページを2つ割り当てる「ページ反復」処理した結果のデータである。本実施形態の場合には、このどちらかの文書データが作成されるものとする。
ステップS503において、ホストPC101のプリンタドライバ303は、ドライバ処理として、PDLデータの生成を行う。なお、ドライバ処理の詳細については、後述する図6のフローチャートを用いて説明する。
ステップS504において、ホストPC101は、本処理系を終了する。
【0017】
次に、図6のフローチャートを用いて、ドライバ処理について説明する。図6の各ステップは、PCのCPUによって実行される。
ステップS601において、プリンタドライバ303は、ドライバ処理を開始する。
ステップS602において、プリンタドライバ303は、ドライバUIを介したユーザの設定等に基づいて、印刷設定値を設定する。ドライバの設定については、図7のドライバUIの概略図を用いて説明する。図7は、ドライバUIの一例を示す図である。701は、ドライバUIの全体像である。702は、部数を設定する欄であり、ユーザは、この欄に出力したい部数を入力する。703は、指定部数シフトを入力する欄であり、ユーザは、この欄にシフトさせたい部数の単位を入力する。704は、部数印字を行う設定を行うボタンであり、ユーザは、この機能を使う場合にはONを、使わない場合にはOFFを設定する。ここで、704がONされた場合、部番号が印字される。705は、部番号(シリアル番号)の開始番号を入力する欄であり、1部目にはこの入力値が付加される。706は、「ページ反復処理」をどこで行うかを設定する。ここでは、「しない」、「処理済み」、「ホスト」、「プリンタ」の4種類が選択できるものとする。なお、ステップS502にてアプリケーションで「ページ反復処理」を実施した場合には、ユーザは、「処理済み」を選択する。一方、ドライバで「ページ反復処理」を実施する場合には、ユーザは、「ホスト」を選択する。プリンタドライバは、図7のUI(設定画面)を用いて設定された設定内容に基づく印刷物が生成されるような印刷データを生成し、プリンタへ出力する。
【0018】
ステップS603において、プリンタドライバ303は、面付け済みかどうかのチェックをする。ここで面付け済みとは、既にアプリケーションで「ページ反復処理」を施していることを示す。その場合、ステップS602の705にて、「処理済み」の設定がされていることになる。逆に、アプリケーションで「ページ反復処理」を施していない場合には、ステップS602の705にて、「ホスト」又は「プリンタ」が設定される。もし、ステップS602の705にて「処理済み」が設定された場合には、プリンタドライバ303は、面付け済みと判断し、ページ反復面付けコマンドを発行し、ステップS606に進む。逆に、ステップS602の705にて「ホスト」又は「プリンタ」が設定された場合には、プリンタドライバ303は、面付け済みではないと判断し、ステップS604に進む。
【0019】
ステップS604において、プリンタドライバ303は、PC側で面付け処理をするか否かを判断する。ステップS602の705にて「ホスト」が設定されていた場合、プリンタドライバ303は、ホスト側で面つけ処理をすると判断し、ステップS605に進む。逆にステップS602の705にて「プリンタ」が設定されていた場合、プリンタドライバ303は、プリンタ側で面つけ処理をすると判断し、ステップS606に進む。
ステップS605において、プリンタドライバ303は、「ページ反復」レイアウトの面付け処理を実行する。本実施形態では、プリンタドライバ303は、図29に示した文書データが図31のように面付けされたPDLデータを生成する。そして、プリンタドライバ303は、ページ反復面付けコマンドを発行する。
ステップS606において、プリンタドライバ303は、生成したPDLデータやステップS602で設定した情報を制御コマンドとして、MFP102に送信する。
ステップS607において、プリンタドライバ303は、本処理系を終了する。
【0020】
次に、図8のフローチャートを用いて、プリンタ処理について説明する。図8の各ステップは、プリンタの制御部316により実行される。
ステップS801において、MFP102(MFP306)は、プリンタ処理を開始する。
ステップS802において、MFP102は、通信I/F307を介して、プリンタドライバ303が送信したPDLデータを受信する。
ステップS803において、MFP102は、受信したPDLデータを、PDLインタプリタ309を用いて解析する。そして、PDLインタプリタ309は、受信したPDLデータに基づき、順次、中間言語データ310を生成する。この中間言語データとは、「ビットマップ」、「ランレングス」、「台形」、「ボックス」及び「高速境界符合化されたビットマップ」等の描画オブジェクト、背景パターン、それらをラスタメモリに描画する際の描画論理の総称を指すものとする。
【0021】
ステップS804において、MFP102は、RIP処理を行う。MFP102は、中間言語データから変換されたイメージデータと、RIP時に得られるページ数と、ドライバで設定した部数(ステップS602)と、を記憶部315に格納する。
ステップS805において、MFP102の制御部316は、面付け済みかどうかを判断する。この場合の面付け済みとは、ホスト側でページ反復の面付けが実行されていることを示す。制御部316は、PDLインタプリタ309が解析した結果に基づき、判断することができる。もし、面付け済みと判断した場合、制御部316は、ステップS809に進む。逆に面付け済みでないと判断した場合、制御部316は、ステップS808に進む。
【0022】
ステップS808において、制御部316は、「ページ反復」レイアウトに面付けする。本実施形態では、制御部316は、図31のようにレイアウト面付けする。そして、制御部316は、再び、レイアウト面付けした結果を、記憶部315に格納する。
ステップS809において、制御部316は、部番号印刷処理を行う(部番号付加)。部番号印刷処理の詳細については、後述する図9のフローチャートを用いて説明する。
ステップS810において、MFP102は、本処理系を終了する。
【0023】
次に、図9のフローチャートを用いて、部番号印刷処理について説明する。図9は、部番号印刷処理の一例を示すフローチャートであり、各ステップは制御部316によって実行される。
ステップS901において、制御部316は、部番号印刷処理を開始する。
ステップS902において、制御部316は、ステップS804で設定(又は格納)した部数(M_MAX)を記憶部315から読み出す。但し、M_MAXは正の整数値とする。
ステップS903において、制御部316は、何部目を処理中かを示す変数MをM=1に初期化する。但し、Mは正の整数値とする。
ステップS904において、制御部316は、処理中の部数Mと部数(M_MAX)とを比較する。もし、処理中の部数Mが部数M_MAX以下であるならば、制御部316は、ステップS905に進む。逆に、処理中の部数Mが部数M_MAXを超えているならば、制御部316は、ステップS909に進む。
【0024】
ステップS905において、制御部316は、現在処理中の部に付加するための部番号を決定する部番号決定処理を行う。部番号決定処理の詳細については、後述する図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップS906において、制御部316は、ステップS905にて決定した部番号を用いて、現在生成中の部に付加するための部番号フォームデータを生成する。部番号フォームデータの生成についての詳細は、後述する図11のフローチャートを用いて説明する。
ステップS907において、制御部316は、ステップS907で生成した部番号フォームデータと、ステップS804で生成したイメージデータとを合成することで、部番号ページを生成する。部番号ページ生成の詳細については、後述する図12のフローチャートを用いて説明する。
ステップS908において、制御部316は、現在生成中の部数Mをインクリメントする。
ステップS909において、制御部316は、本処理系を終了する。
【0025】
図10のフローチャートを用いて、部番号決定処理について説明する。図10は、部番号決定処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
ステップS1001において、制御部316は、部番号決定処理を開始する。
ステップS1002において、制御部316は、現在処理中の部数M(カレント)を記憶部315から読み出す。
ステップS1003において、制御部316は、付加する部番号を算出する。本実施形態では、ドライバ設定(ステップS602)にて、部数=3、印字開始番号=1、指定部数シフト=0にセットしたものとする(コピー処理の場合、後述するステップS1603のUIを介してセットされる。)。制御部316は、1部目の各用紙に対して、左側のページには0001(=印字開始番号は4桁とする)を、右側のページには0002を付加するものとする(図13)。図13は、印刷レイアウトの一例を示す図(その1)である。そして、制御部316は、用紙の面に配置される部番号を下記の式により導出する。ここで、用紙の1つの面に配置されるページの数を「a」、用紙の1つの面における位置情報を「i」(1≦i≦a)とした場合、
「用紙の面に配置される部番号=1+a(M−1)+(i−1)」
と表すことができる。
例えば、用紙の1つの面に2ページ分の論理ページを配置することが設定されている場合、左側のページにセットされるページの位置情報を1、右側のページにセットされる位置情報を2とする。さらに、左側のページに配置される部番号(変数)をX、右側に配置される部番号(変数)をYとし、記憶部315に格納する。この場合、XとYとは、上記式に当てはめると以下のようになる。
X=1+2(1−1)+(2−1)、Y=1+2(1−1)+(1−1)。その結果、1部目の用紙の面の左側には1という部番号が配置され、右側には2という部番号が配置される。なお、位置情報は配置順に基づいて決定される。上述の場合、左から右方向への配置順が指定された場合に相当する。
ステップS1004において、制御部316は、本処理系を終了する。
【0026】
図11のフローチャートを用いて、部番号フォーム生成について説明する。図11は、部番号フォーム生成処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1101において、制御部316は、部番号フォーム生成処理を開始する。
ステップS1102において、制御部316は、部番号算出(ステップS1003)で格納した変数X、Yを記憶部315から読み出す。
ステップS1103において、制御部316は、フォームデータを生成する。より具体的に説明すると、まず、制御部316は、変数Xを用いた部番号のフォームデータ(図14)を生成する。図14は、フォームデータの一例を示す図(その1)である。次に、制御部316は、変数Yを用いたフォームデータ(図15)を生成する。図15は、フォームデータの一例を示す図(その2)である。
ステップS1104において、制御部316は、ステップS1103で生成した変数Xで生成したフォームデータ(図14)と変数Yで生成したフォームデータ(図15)とを、お互いに合成し、新たなフォームデータ(図16)を生成する。そして、制御部316は、生成したフォームデータを記憶部315に格納する。ここで、図16は、フォームデータの一例を示す図(その3)である。
ステップS1105において、制御部316は、本処理系を終了する。
【0027】
図12のフローチャートを用いて、部番号ページ生成について説明する。図12は、部番号ページ生成処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1201において、制御部316は、部番号ページ生成の処理系を開始する。
ステップS1202において、制御部316は、ステップS1104で生成した武番号フォームデータ(図16)を記憶部315から読み出す。
ステップS1203において、制御部316は、記憶部315からステップS804の処理で得た総ページ数を読み出し、N_MAXとする。
ステップS1204において、制御部316は、カレントページ番号を示す変数NをN=1に初期化する。ここで、Nは正の整数値を示すものとする。
ステップS1205において、制御部316は、カレントページNが総ページ数N_MAXを超えているかどうか比較する。カレントページNが総ページ数N_MAX以下の場合、制御部316は、ステップS1206に進む。逆に、カレントページNが総ページ数N_MAXを超えている場合、制御部316は、ステップS1210に進む。
【0028】
ステップS1206において、制御部316は、記憶部315に記憶されている、ステップS804で生成したページデータの中から、カレントページNを示すデータを読み出す。
ステップS1207において、制御部316は、ステップS1202で読み出した武番号フォームデータ(図16)とステップS1206で読み出したページデータとを合成する。
ステップS1208において、制御部316は、ステップS1207で合成したデータを、プリンタエンジン313にビデオ信号で送信し、プリンタエンジン313が用紙(不図示)に印字する。
ステップS1209において、制御部316は、カレントページNをインクリメントする。
ステップS1210において、制御部316は、本処理系を終了する。
以上、上述したように本実施形態によれば、制御部316は、ページ反復面付けされたデータに対して、物理ページ内にレイアウトされた論理ページ毎に、異なる部番号を付加することができる。よって、ページ反復面つけにより、複数の同一ページの印刷データが用紙の面に配置される場合であっても、同一部番号の成果物が複数部生成されることを防止することができる。
【0029】
<実施形態2>
実施形態1では、図10の部番号決定処理において、部数(カレント)を読み出して部番号を決定していた。しかし、後処理工程(断裁機)後のフローで、図17のように断裁後の成果物を重ねあわせ、段ボール等に梱包するケースがある。図17は、部番号決定の一例を示す図(その1)である。この場合、実施形態1のように部番号を割り当てると、部番号が順番に並ばない場合がある。そこで、部番号を下記の方法で決定するようにしてもよい。
図18にて、別の方法での部番号決定処理を説明する。図18は、部番号決定処理の一例を示すフローチャート(その2)である。なお、図18の処理は、ユーザが断裁後に重ねることをプリンタドライバのUI等を用いて指定した場合に実行される。
ステップS1301において、制御部316は、部番号決定処理を開始する。
ステップS1302において、制御部316は、現在処理中の部数M(カレント)とトータル部数Kとを記憶部315から読み出す。
【0030】
ステップS1303において、制御部316は、付加する部番号を算出する。本実施形態では、ドライバ設定(ステップS602)にて、部数=6、印字開始番号=1にセットしたものとする(コピー処理の場合、後述するステップS1603のUIを介してセットされる。)。制御部316は、1部目の各用紙に対して、左側のページには部番号として0001(=印字開始番号は4桁とする)を、右側のページには0007を付加する(図19)。図19は、フォームデータの一例を示す図(その4)である。ここで、制御部316は、図17に示すように、断裁後に重ね合わせること想定し番号を付加している。つまり、断裁後に重ねた結果、部番号が0006の次に0007が並ぶ出力物を得ることができる。ここで、部番号の導出方法について説明する。用紙の1つの面に配置されるページの数を「a」、用紙の1つの面における位置情報を「i」(1≦i≦a)とした場合、「実施形態2における用紙の面に配置される部番号は、1+(M−1)+k(i−1)」と表すことができる。なお、kは部数の値が入力される(上記の例では、k=6となる)
例えば、用紙の1つの面に2ページ分の論理ページを配置することが設定されている場合、左側のページにセットされるページの位置情報を1、右側のページにセットされるページの位置情報を2とする。さらに、左側のページに配置される部番号(変数)をX、右側にセットする部番号(変数)をYとし、記憶部315に格納する。この場合、XとYは、上記の式に当てはめると以下のようになる。
X=1+(1−1)+6(1−1)、Y=1+(1−1)+6(2−1)。その結果、1部目の用紙の面の左側には1という部番号が配置され、右側には2という部番号が配置される。
ステップS1304において、制御部316は、本処理系を終了する。
本実施形態2により、断裁後に重ねる場合であっても、部番号が順番に並んだ出力物を得ることが可能となる。
【0031】
<実施形態3>
実施形態1では、図10の部番号決定処理において、部数(カレント)を読み出して決定していた。また、実施形態2ではトータル部数を考慮して(トータル部数に基づいて)、部番号決定をしていた。しかし、指定部数シフトが指定された場合、指定部数シフト単位で後処理工程(断裁)後の処理を行なうケースがある。この場合、実施形態1及び実施形態2のように部番号を割り当てると、部番号が指定部数シフト内で、ユーザの意図した順番に並ばない場合がある。そこで、部番号を下記の方法で決定するようにしてもよい。
図20にて、別の方法での部番号決定処理を説明する。図20は、部番号決定処理の一例を示すフローチャート(その3)である。
ステップS1401において、制御部316は、部番号決定処理を開始する。
ステップS1402において、制御部316は、現在処理中の部数M(カレント)と指定部数シフト部数Lとを記憶部315から読み出す。
【0032】
ステップS1403において、制御部316は、付加する部番号を算出する。本実施形態では、ドライバ設定(ステップS602)にて、部数=6、印字開始番号=1、指定部数シフト=3にセットしたものとする(コピー処理の場合、後述するステップS1603のUIを介してセットされる。)。制御部316は、1部目(指定部数シフトの1部目)の各用紙に対して、左側のページには0001(=印字開始番号は4桁とする)を、右側のページには0004を付加するものとする(図21)。図21は、フォームデータの一例を示す図(その5)である。また、制御部316は、4部目(指定部数シフトの2部目)の各用紙に対して、左側のページには0007(=印字開始番号は4桁とする)を、右側のページには0010を付加するものとする(図22)。図22は、部番号決定の一例を示す図(その2)である。これは、図23に示すように、指定部数の単位に番号を付加すること想定している。図23は、部番号決定の一例を示す図(その3)である。そして、制御部316は、1部目(指定部数シフト)の左側のページにセットする変数をX、右側にセットする変数をYとし、X=0001、Y=0004と設定し、記憶部315に格納する。この場合、XとYとは
次の式で求められる。但し、Kは指定部数シフト数とする。
X=1+2K(M−1)、Y=X+L
ステップS1004において、制御部316は、本処理系を終了する。
【0033】
<実施形態4>
上述した実施形態は、ページ反復において、1枚の用紙の面に2ページ分を面つけする処理について説明を行ったが、例えば図24に示すように1枚の用紙の面に4ページ分を面つけする場合であってもよい。一般的にMxN(M、Nは正の整数)の場合であってもよい。図24は、印刷レイアウトの一例を示す図(その2)である。
【0034】
<実施形態5>
図25のフローチャートを用いて、コピー処理における本システムの全体の流れを説明する。図25は、印刷システムにおけるコピー処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1501において、制御部316は、本処理系を開始する。
ステップS1502において、制御部316は、読み取り処理を行う。ここでは、制御部316は、スキャナ207(又はスキャナ314)を使って原稿を読み取る処理を行う。なお、読み取り処理の詳細については、後述する図26のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1503において、制御部316は、プリンタ処理を行うよう制御する。ここでプリンタ処理とは、MFP102を用いて印刷データを生成し、用紙に印刷をする処理を行う。なお、プリンタ処理の詳細については、後述する図27のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1504において、制御部316は、本処理系を終了する。
【0035】
次に、図26のフローチャートを用いて、読取処理について説明する。図26は、読取処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1601において、制御部316は、読取処理を開始する。
ステップS1602において、ユーザは、コピーする原稿を原稿自動送り機207にセットする。制御部316(又は原稿自動送り機207)は、前記原稿のセットを検知する。
ステップS1603において、ユーザは、MFP102に装備されているUIにて、コピー処理の設定を行う。コピー処理の設定については、図28のUIの概略図を用いて説明する。図28は、コピー処理の設定に係るUIの一例を示す図である。3501は、UIの全体像を示す。3502は、部数を設定する欄であり、ユーザは、この欄に出力したい部数を入力する。3503は、指定部数シフトを入力する欄であり、ユーザは、この欄にシフトさせたい部数の単位を入力する。3504は、部数印字を行う設定を行うボタンであり、ユーザが、この機能を使う場合にはONを、使わない場合にはOFFを設定する。3505は、部番号(シリアル番号)の開始番号を入力する欄であり、1部目にはこの入力値が付加される。3506は、「ページ反復処理」をするかどうか、もし「ページ反復処理」をするならば既に原稿に面付けがされているかどうかを入力する欄である。ここでは、「しない」、「ページ反復処理済み」、「ページ反復未処理」の3種類が選択できるものとする。制御部316は、UIを介して設定された設定情報を受け取る。
ステップS1604において、制御部316は、原稿を原稿自動送り機207からスキャナ314に送り、原稿を読み取る。
ステップS1605において、制御部316は、ステップS1605で読み取った原稿を記憶部315に格納する。
ステップS1606において、制御部316は、本処理系を終了する。
【0036】
次に、図27のフローチャートを用いて、プリンタ処理について説明する。図27は、プリンタ処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
ステップS1701において、制御部316は、プリンタ処理を開始する。
ステップS1702において、制御部316は、記憶部315に格納されているデータが、面付け済みかどうかを判断する。この場合の面付け済みとは、ステップS1604で読み取られる原稿に既にページ反復処理の面付けが施されていることを示す。制御部316は、ステップS1603にて設定された内容から面付け済みか否かを判断することができる。なお、前記設定(設定情報)は、記憶部315等に格納されているものとする。もし、面付け済みと判断した場合、制御部316は、ステップS1704に進む。逆に面付け済みでないと判断した場合、制御部316は、ステップS1703に進む。
【0037】
ステップS1703において、制御部316は、「ページ反復」レイアウトに面付けする。本実施形態では、制御部316は、記憶部315から図29に示す文書データを読み出し、図31のようにレイアウト面付けする。そして、再び、制御部316は、記憶部315に格納する。
ステップS1704において、制御部316は、部番号印刷処理を行う。部番号印刷処理の詳細については、上述した実施形態1の図9に示した処理と同様である。
ステップS1705において、制御部316は、本処理系を終了する。
【0038】
<その他の実施形態>
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(又は記録媒体)を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置の中央演算処理手段(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0039】
また、システム或いは装置の前記中央演算処理手段が読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、システム或いは装置上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0040】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、前記システム或いは装置に挿入された機能拡張カードや、接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0041】
本発明を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0042】
以上、上述した実施形態によれば、同じ画像同士で出力比較でき、正しい色味変動チェックを可能にすることができる。
また、上述した実施形態によれば、ページ反復処理を施したデータに対して、部数印字機能を組み合わせる場合、制御部316は、最終成果物(断裁後の結果)を想定して(最終成果物に応じて)、部番号を付加する。そのため、同一部番号の成果物が複数現れる事はなくなり、部番号での成果物の管理が可能になる。また、制御部316は、トータル部数や指定部数シフトを考慮して(トータル部数や指定部数シフトに基づき)、部番号を決定する。このことにより、成果物を梱包する作業の簡略化が図れ、ワークフローの簡略化が可能になる。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】印刷システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】MFPの一例を示す図である。
【図3】印刷システムを構成する各機器の構成を示す図である。
【図4】印刷システムにおけるプリンタ処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】PC処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】ドライバ処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】ドライバUIの一例を示す図である。
【図8】プリンタ処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図9】部番号印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】部番号決定処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図11】部番号フォーム生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】部番号ページ生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】印刷レイアウトの一例を示す図(その1)である。
【図14】フォームデータの一例を示す図(その1)である。
【図15】フォームデータの一例を示す図(その2)である。
【図16】フォームデータの一例を示す図(その3)である。
【図17】部番号決定の一例を示す図(その1)である。
【図18】部番号決定処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図19】フォームデータの一例を示す図(その4)である。
【図20】部番号決定処理の一例を示すフローチャート(その3)である。
【図21】フォームデータの一例を示す図(その5)である。
【図22】部番号決定の一例を示す図(その2)である。
【図23】部番号決定の一例を示す図(その3)である。
【図24】印刷レイアウトの一例を示す図(その2)である。
【図25】印刷システムにおけるコピー処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】読取処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】プリンタ処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図28】コピー処理の設定に係るUIの一例を示す図である。
【図29】3ページの原稿の一例を示す図である。
【図30】図29に示される3ページの原稿を、部番印字機能を使って3部印刷した印刷結果の一例を示す図である。
【図31】図29に示される3ページの原稿を、ページ反復機能を使って印刷した印刷結果の一例を示す図である。
【図32】図31に示される印刷結果を、断裁機等を用いて断裁した結果の一例を示す図である。
【図33】従来技術の問題を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
101 外部機器(ホストPC)
102 MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部数を表す部番号を付加することと、複数の同一ページを用紙の面である物理ページに配置するページ反復面付けを実行することと、を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された内容に従い、用紙の面である物理ページに複数の同一の論理ページが配置され、当該物理ページに配置される論理ページ毎に、異なる部番号を付加する部番号付加手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記部番号付加手段は、後処理工程に応じて、前記物理ページに配置される論理ページ毎に、異なる部番号を付加することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記部番号付加手段は、指定されたトータル部数に応じて、ページ反復面付けされたデータに対して、物理ページ内にレイアウトされた論理ページ毎に、異なる部番号を付加することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記部番号付加手段は、指定された部数シフトに応じて、ページ反復面付けされたデータに対して、物理ページ内にレイアウトされた論理ページ毎に、異なる部番号を付加することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置における部番号付加方法であって、
部数を表す部番号を付加することと、複数の同一ページを用紙の面である物理ページに配置するページ反復面付けを実行することと、を設定する設定ステップと、
前記設定ステップによって設定された内容に従い、用紙の面である物理ページに複数の同一の論理ページが配置され、当該物理ページに配置される論理ページ毎に、異なる部番号を付加する部番号付加ステップと、
を有することを特徴とする部番号付加方法。
【請求項6】
前記部番号付加ステップでは、後処理工程に応じて、前記物理ページに配置される論理ページ毎に、異なる部番号を付加することを特徴とする請求項5に記載の部番号付加方法。
【請求項7】
前記部番号付加ステップでは、指定されたトータル部数に応じて、ページ反復面付けされたデータに対して、物理ページ内にレイアウトされた論理ページ毎に、異なる部番号を付加することを特徴とする請求項5に記載の部番号付加方法。
【請求項8】
前記部番号付加ステップでは、指定された部数シフトに応じて、ページ反復面付けされたデータに対して、物理ページ内にレイアウトされた論理ページ毎に、異なる部番号を付加することを特徴とする請求項5に記載の部番号付加方法。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れか1項に記載の部番号付加方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate


【公開番号】特開2010−102657(P2010−102657A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275977(P2008−275977)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】