説明

画像処理装置

【課題】 従来より小型及び低コストの構成で画像信号の反転処理を行うことができ、また、反転処理による遅延時間を減少することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 画像信号は、一旦、DPM22a(第1メモリ)に書き込まれる。読み出しの際には、DPM22aのアドレスのうち、SDRAM23(第3メモリ)のバースト長に相当する下位アドレスが反転される。DPM22aから読み出された画像信号は、1ライン分の画像信号の記憶に必要なSDRAM23のメモリ領域の後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送でSDRAM23に書き込まれる。1ライン分の画像信号が書き込まれた場合、メモリ領域の先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、バースト転送で画像信号が読み出される。そして、SDRAM23から読み出された画像信号は、DPM22b(第2メモリ)に書き込まれ、所定の周波数で読み出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から画像信号を受け付けて、該画像信号に係る画像の左右が反転(以下、単に反転ということがある)した画像信号を出力する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチールカメラ及びデジタルスチールカメラなどの画像撮像装置、DVDレコーダ及びHDレコーダなどの画像記憶装置、CRTディスプレイ及び液晶ディスプレイなどの表示装置、並びに、プリンタ及びデジタル複合機などの画像形成装置等、各種電子機器にあっては、画像信号を反転する画像処理部(画像処理装置)を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図32は、従来の画像処理装置の構成を示すブロック図である。従来の画像処理装置100は、アドレスコントローラ101、DPM(デュアルポートメモリ)102a,102b、SDRAM103、ラインメモリ(LIFO)104a,104b、スイッチング部105a,105bを備える。
スイッチング部105aには外部から画像信号が入力されており、スイッチング部105aは、不図示の制御部からの指示に基づいて、入力された画像信号をラインメモリ104a,104bのいずれかのラインメモリへ出力する。ラインメモリ104a,104bは、図33に示すように、入力された画像信号D0,D1,…,D1918,D1919を蓄積し、蓄積した画像信号の順序を逆にして、つまり画像信号D1919,D1918,…,D1,D0の順にDPM102aへ出力する。つまり、アドレスをインクリメントしてラインメモリ104a,104bへ画像信号を書き込む場合には、アドレスをディクリメントしてラインメモリ104a,104bから画像信号を読み出し、アドレスをディクリメントしてラインメモリ104a,104bへ画像信号を書き込む場合には、アドレスをインクリメントしてラインメモリ104a,104bから画像信号を読み出す。
【0004】
DPM102aは、アドレスコントローラ101によってアドレス制御されており、ラインメモリ104a,104bから入力された画像信号D1919,D1918,…,D1,D0を蓄積し、SDRAM103へ書き込む。このような書込処理を、画像信号の1ライン毎にラインメモリ104a,104bに交互に行うことにより、SDRAM103に、左右反転した画像信号を書き込むことができる。一方、DPM102bは、同様にアドレスコントローラ101によってアドレス制御されており、SDRAM103に記憶されている画像信号を読み出し、読み出した順序で外部へ出力する。従来の画像処理装置100では、ラインメモリ104a,104bにて1ライン毎に画像信号の反転が行われ、SDRAM103には、左右反転した画像信号が記憶される。そして、SDRAM103から画像信号を順次読み出すことにより、左右反転された画像信号を出力することができる。
【0005】
また、左右反転前の画像信号をSDRAM103に記憶しておき、SDRAM103から画像信号を読み出した後に、左右反転する画像処理装置が知られている。つまり、図34に示すように、DPM102bが、SDRAM103に記憶されている画像信号を読み出し、読み出した画像信号を、画像の1ライン毎にラインメモリ104a,104bへ交互に出力する。ラインメモリ104a,104bは、画像信号D0,D1,…,D1918,D1919を蓄積し、蓄積した画像信号の順序を逆にして、つまり画像信号D1919,D1918,…,D1,D0の順に外部へ出力する。このように、ラインメモリ104a,104bにて1ライン毎に画像信号の反転が行われることによって左右反転された画像信号を出力することができる。なお、SDRAMの前段及び後段に、ラインメモリ104a,104bをそれぞれ備えるようにしてもよいことはもちろんである。
【特許文献1】特開昭61−88682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した画像処理装置は、画像の1ライン分の画像信号を記憶するためのラインメモリが必要であった。また、SDRAMへの画像データの書き込みと読み出しとの両方で左右反転をさせたい場合には、さらに2倍の容量を有するラインメモリが必要になる。したがって、構成の大嵩化及び高コスト化が避けられないという問題があった。ハイビジョン方式のような高精細な画像を左右反転する場合、1ラインの画素数は1920画素であるため、ラインメモリを搭載することによって、画像処理装置を構成するASICのゲート数が増加し、消費電力が増加するという問題があった。
【0007】
また、上述した画像処理装置は、1ライン分の画像信号を蓄積した後に反転処理を行うことから、1ライン分の反転処理に要する時間に相当する遅延時間が発生するという問題があった。この場合にも上述した場合と同様、1ラインの画素数が増加するに従って遅延時間が顕著になってしまう。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、第3メモリのバースト長単位で、第1メモリに書き込まれた画像信号を反転して読み出し、第3メモリのメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送にて第3メモリに書き込み、さらに、第2メモリへの書き込み及び読み出し処理を行う構成とすることにより、従来より小型及び低コストの構成であっても、第2メモリへの書き込みの際に画像信号の反転処理を行うことができ、また、反転処理による遅延時間を減少することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また本発明は、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域の先頭アドレスのコラムアドレスが0となるようにメモリ領域を設定する構成とすることにより、反転した画像信号はコラムアドレスが「0」のアドレスから順次記憶されることになり、読み出しの際、最初に指定するコラムアドレスを「0」にして、反転した画像信号を読み出すことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
また本発明は、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、第1メモリのアドレスを固定し、そのアドレスに書き込まれている信号を剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込む構成とすることにより、第3メモリのアドレスがオフセットされ、コラムアドレスが「0」のアドレスを起点に、反転した画像信号が順次第3メモリに記憶されることになり、読み出しの際、最初に指定するコラムアドレスを「0」にして、反転した画像信号を確実に読み出すことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
また本発明は、第1メモリに書き込まれた画像信号を反転せずに読み出し、第3メモリのメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、バースト転送にて第3メモリに書き込み、第3メモリのバースト長単位でロウアドレス及びコラムアドレスによって指定されるメモリ領域の後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送にて画像信号を読み出して第2メモリに書き込み、さらにバースト長単位で、第2メモリのアドレスを反転して画像信号を読み出す構成とすることにより、従来より小型及び低コストの構成であっても、第2メモリからの読み出しの際に画像信号の反転処理を行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域の後尾アドレスのコラムアドレスが最大数となるようにメモリ領域を設定する構成とすることにより、非反転の画像信号の記憶が最終のコラムアドレスで完了することになり、読み出しの際、コラムアドレスが最終のアドレスからバースト長単位でディクリメントして、反転した画像信号を読み出すことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
また本発明は、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、第1メモリのアドレスを固定し、そのアドレスに書き込まれている信号を剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込む構成とすることにより、第3メモリのアドレスがオフセットされ、非反転の画像信号の記憶が第3メモリの最終のコラムアドレスで完了することになり、読み出しの際、コラムアドレスが最終のアドレスからバースト長単位でディクリメントして画像信号を読み出すことによって、反転した画像信号を確実に読み出すことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
また本発明は、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込まれている信号を順に読み出し、第2メモリのアドレスを固定し、そのアドレスに第3メモリから読み出した信号を書き込む構成とすることにより、剰余数分の第3メモリのアドレスに、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が記憶されていたとしても、先ず第2メモリのアドレスを固定してダミー信号を読み出した後に、第2メモリのアドレスを制御して画像信号を読み出すことによって、ダミー信号を画像信号で書き換えて第2メモリに記憶することができ、反転した画像信号を確実に読み出すことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0015】
さらに本発明は、第3メモリのデータバス幅、画像信号の1画素あたりのデータ長、及び画像信号の1ライン分の画素数に応じて、第3メモリのメモリ領域を設定する構成とすることにより、水平画素数がいかなる数値であっても、画像信号の反転処理を行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る画像処理装置は、信号の書き込み及び読み出しが行われる第1メモリ及び第2メモリと、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定されるアドレスに対して所定のバースト長で信号の書き込み及び読み出しが行われる第3メモリと、前記第1メモリ、前記第2メモリ及び前記第3メモリのアドレスを制御するアドレス制御手段とを備え、外部から複数の走査ライン分の画像信号を受け付けて、該画像信号に係る画像の左右が反転した画像信号を出力する画像処理装置において、前記アドレス制御手段は、外部から受け付けた画像信号を前記第1メモリに書き込み、該第1メモリのアドレスのうちの前記バースト長に相当する下位アドレスを反転して該第1メモリから画像信号を読み出し、読み出した画像信号を、1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のうち、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該第3メモリに書き込み、1ライン分の画像信号が書き込まれた場合、画像信号が書き込まれているメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該画像信号を読み出し、読み出した画像信号を第2メモリに書き込み、書き込んだ画像信号を第2メモリから読み出すようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、外部から受け付けた画像信号が第1メモリに書き込まれる。第1メモリは、例えばデュアルポートメモリであり、一方のポートから書き込まれ、他方のポートから読み出される。読み出しの際には、第1メモリのアドレスのうち、第3メモリのバースト長に相当する下位アドレスが反転される。例えば、第3メモリのバースト長が8である場合には、第1メモリのアドレスのうちの下位3ビットのアドレスが反転される。これにより、第1メモリからは、バースト長に対応する画素単位に、左右反転した画像信号が読み出される。第1メモリから読み出された画像信号は、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送にて第3メモリに書き込まれる。これにより、第3メモリには、メモリ領域の先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、反転した画像信号が記憶される。1ライン分の画像信号が書き込まれた場合、画像信号が書き込まれているメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、バースト転送にて画像信号が読み出される。そして、第3メモリから読み出された画像信号は第2メモリに書き込まれる。第2メモリは、第1メモリと同様、デュアルポートメモリであり、一方のポートから書き込まれ、他方のポートから読み出される。また、一般に、画像信号の周波数と第3メモリの動作周波数とが異なるため、第1メモリ及び第2メモリにて、画像信号の周波数を調整するようになっている。よって、従来より小型及び低コストの構成であっても画像信号の反転処理を行うことができる。また、第1メモリに1ライン分の画像信号の蓄積が完了する前に、つまり、1ライン分の画像信号の蓄積中であっても、順次画像信号を読み出して第3メモリに書き込むことができるので、反転処理による遅延時間を減少することができる。
【0018】
本発明に係る画像処理装置は、上述した発明において、前記アドレス制御手段は、前記メモリ領域の先頭アドレスのコラムアドレスが0となるように、前記メモリ領域を設定するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域の先頭アドレスのコラムアドレスが0となるようにメモリ領域を設定することにより、反転した画像信号は、コラムアドレスが「0」のアドレスから順次記憶されるので、読み出す際に最初に指定するコラムアドレスを「0」にして、反転した画像信号を確実に読み出すことができる。第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0020】
本発明に係る画像処理装置は、上述した各発明において、前記アドレス制御手段は、前記1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、前記第3メモリに画像信号を書き込む前に、前記第1メモリのアドレスを固定し、該アドレスに書き込まれている信号を前記第3メモリの前記剰余数のアドレスに書き込むことによって、画像信号を書き込む前記第3メモリのアドレスにオフセットを設定するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、先ず、第1メモリのアドレスを固定し、固定したアドレスに書き込まれている信号を剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込む。この書き込みによって、第3メモリのアドレスがオフセットされ、第3メモリには、コラムアドレスが「0」のアドレスを起点に、反転した画像信号が順次記憶されることになるので、読み出しの際、最初に指定するコラムアドレスを「0」にして、反転した画像信号を読み出すことができる。第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0022】
本発明に係る画像処理装置は、信号の書き込み及び読み出しが行われる第1メモリ及び第2メモリと、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定されるアドレスに対して所定のバースト長で信号の書き込み及び読み出しが行われる第3メモリと、前記第1メモリ、前記第2メモリ及び前記第3メモリのアドレスを制御するアドレス制御手段とを備え、外部から複数の走査ライン分の画像信号を受け付けて、該画像信号に係る画像の左右が反転した画像信号を出力する画像処理装置において、前記アドレス制御手段は、外部から受け付けた画像信号を前記第1メモリに書き込み、該第1メモリから画像信号を読み出し、読み出した画像信号を、1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のうち、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該第3メモリに書き込み、1ライン分の画像信号が書き込まれた場合、画像信号が書き込まれているメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該画像信号を読み出し、読み出した画像信号を第2メモリに書き込み、該第2メモリのアドレスのうちの前記バースト長に相当する下位アドレスを反転して該第2メモリから画像信号を読み出すようにしてあることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、外部から受け付けた画像信号が第1メモリに書き込まれる。第1メモリは、例えばデュアルポートメモリであり、一方のポートから書き込まれ、他方のポートから読み出される。第1メモリから読み出された画像信号は、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、バースト転送にて第3メモリに書き込まれる。これにより、第3メモリには、メモリ領域の先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、非反転の画像信号が記憶される。1ライン分の画像信号が書き込まれた場合、画像信号が書き込まれているメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送にて画像信号が読み出される。これにより、バースト長単位で、反転した画像信号が読み出されることになる。そして、第3メモリから読み出された画像信号は第2メモリに書き込まれる。第2メモリは、第1メモリと同様、デュアルポートメモリであり、一方のポートから書き込まれ、他方のポートから読み出される。読み出しの際には、第2メモリのアドレスのうち、第3メモリのバースト長に相当する下位アドレスが反転される。例えば、第3メモリのバースト長が8である場合には、第2メモリのアドレスのうちの下位3ビットのアドレスが反転される。これにより、第2メモリからは、反転した画像信号が読み出される。また、一般に、画像信号の周波数と第3メモリの動作周波数とが異なるため、第1メモリ及び第2メモリにて、画像信号の周波数を調整するようになっている。よって、従来より小型及び低コストの構成であっても画像信号の反転処理を行うことができる。また、第1メモリに1ライン分の画像信号の蓄積が完了する前に、つまり、1ライン分の画像信号の蓄積中であっても、順次画像信号を読み出して第3メモリに書き込むことができるので、反転処理による遅延時間を減少することができる。
【0024】
本発明に係る画像処理装置は、上述した発明において、前記アドレス制御手段は、前記メモリ領域の後尾アドレスのコラムアドレスが最大数となるように、前記メモリ領域を設定するようにしてあることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域の後尾アドレスのコラムアドレスが最大数となるようにメモリ領域を設定することにより、コラムアドレスの最終のアドレスで、非反転の画像信号の記憶が完了するので、コラムアドレスが最終のアドレスからディクリメントして画像信号を読み出すようにすれば、反転した画像信号を確実に読み出すことができる。つまり、読み出しの最初に指定するコラムアドレスをコラムアドレスの最終のアドレスにし、バースト長単位でディクリメントして読み出す。このように、第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0026】
本発明に係る画像処理装置は、上述した各発明において、前記アドレス制御手段は、前記1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、前記第3メモリに画像信号を書き込む前に、前記第1メモリのアドレスを固定し、該アドレスに書き込まれている信号を前記第3メモリの前記剰余数のアドレスに書き込むことによって、画像信号を書き込む前記第3メモリのアドレスにオフセットを設定するようにしてあることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、先ず、第1メモリのアドレスを固定し、固定したアドレスに書き込まれている信号を剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込む。この書き込みによって、第3メモリのアドレスがオフセットされ、第3メモリには、コラムアドレスの最終のアドレスで、非反転の画像信号の記憶が完了することになるので、読み出しの際、コラムアドレスが最終のアドレスからバースト長単位でディクリメントして画像信号を読み出すことによって反転した画像信号を読み出すことができる。第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0028】
本発明に係る画像処理装置は、上述した各発明において、前記アドレス制御手段は、前記1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、前記第3メモリから画像信号を読み出す前に、前記第3メモリの前記剰余数のアドレスに書き込まれている信号を読み出し、前記第2メモリのアドレスを固定し、固定したアドレスに前記第3メモリから読み出した信号を書き込むことによって、画像信号を読み出す前記第3メモリのアドレスにオフセットを設定するようにしてあることを特徴とする。
【0029】
本発明にあっては、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、先ず、剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込まれている信号を順に読み出し、第2メモリのアドレスを固定し、固定したアドレスに第3メモリから読み出した信号を書き込む。剰余数分の第3メモリのアドレスには、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が記憶されているが、先ず第2メモリのアドレスを固定してダミー信号を読み出すことにより、第3メモリのアドレスがオフセットされる。そして、第2メモリのアドレスを制御して画像信号を読み出すことによって、ダミー信号を画像信号で書き換えて第2メモリに記憶することができ、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0030】
本発明に係る画像処理装置は、上述した各発明において、前記アドレス制御手段は、前記第3メモリのデータバス幅、前記画像信号の1画素あたりのデータ長、及び画像信号の1ライン分の画素数に応じて、前記メモリ領域を設定するようにしてあることを特徴とする。
【0031】
本発明にあっては、第3メモリのデータバス幅、画像信号の1画素あたりのデータ長、及び画像信号の1ライン分の画素数に応じて、第3メモリのメモリ領域を設定することにより、水平方向の画素数(以下、水平画素数)がいかなる数値であっても、画像信号の反転処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、第3メモリのバースト長単位で、第1メモリに書き込まれた画像信号を反転して読み出し、第3メモリのメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送にて第3メモリに書き込み、さらに、第2メモリへの書き込み及び読み出し処理を行う構成としたので、従来より小型及び低コストの構成であっても画像信号の反転処理を行うことができる。また、第1メモリに画像信号の蓄積が完了する前に、つまり、画像信号の蓄積中であっても、順次画像信号を読み出して第3メモリに書き込むことができるので、反転処理による遅延時間を減少することができる。
【0033】
本発明によれば、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域の先頭アドレスのコラムアドレスが0となるようにメモリ領域を設定する構成としたので、反転した画像信号はコラムアドレスが「0」のアドレスから順次記憶されることになり、読み出しの際、最初に指定するコラムアドレスを「0」にして、反転した画像信号を読み出すことができる。つまり、第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0034】
本発明によれば、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、第1メモリのアドレスを固定し、そのアドレスに書き込まれている信号を剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込む構成としたので、第3メモリのアドレスがオフセットされ、第3メモリには、コラムアドレスが「0」のアドレスを起点に、反転した画像信号が順次記憶されることになり、読み出しの際、最初に指定するコラムアドレスを「0」にして、反転した画像信号を読み出すことができる。したがって、第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0035】
本発明によれば、第1メモリに書き込まれた画像信号を反転せずに読み出し、第3メモリのメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、バースト転送にて第3メモリに書き込み、第3メモリのバースト長単位でロウアドレス及びコラムアドレスによって指定されるメモリ領域の後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送にて画像信号を読み出して第2メモリに書き込み、さらにバースト長単位で、第2メモリのアドレスを反転して画像信号を読み出す構成としたので、従来より小型及び低コストの構成であっても画像信号の反転処理を行うことができる。また、第1メモリに画像信号の蓄積が完了する前に、つまり、画像信号の蓄積中であっても、順次画像信号を読み出して第3メモリに書き込むことができるので、反転処理による遅延時間を減少することができる。
【0036】
本発明によれば、1ライン分の画像信号を記憶する第3メモリのメモリ領域の後尾アドレスのコラムアドレスが最大数となるようにメモリ領域を設定する構成としたので、非反転の画像信号の記憶が最終のコラムアドレスで完了することになり、読み出しの際、コラムアドレスが最終のアドレスからバースト長単位でディクリメントして、反転した画像信号を読み出すことができる。したがって、第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0037】
本発明によれば、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、第1メモリのアドレスを固定し、そのアドレスに書き込まれている画像信号を剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込む構成としたので、第3メモリのアドレスがオフセットされ、非反転の画像信号の記憶が第3メモリの最終のコラムアドレスで完了することになり、読み出しの際、コラムアドレスが最終のアドレスからバースト長単位でディクリメントして画像信号を読み出すことによって、反転した画像信号を読み出すことができる。したがって、第3メモリにオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0038】
本発明によれば、1ライン分の画像信号の記憶に必要な第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、剰余数分の第3メモリのアドレスに書き込まれている信号を順に読み出し、第2メモリのアドレスを固定し、そのアドレスに第3メモリから読み出した信号を書き込む構成としたので、剰余数分の第3メモリのアドレスに、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が記憶されていたとしても、先ず第2メモリのアドレスを固定してダミー信号を読み出した後に、第2メモリのアドレスを制御して画像信号を読み出すことによって、ダミー信号を画像信号で書き換えて第2メモリに記憶することができる。したがって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0039】
本発明によれば、第3メモリのデータバス幅、画像信号の1画素あたりのデータ長、及び画像信号の1ライン分の画素数に応じて、第3メモリのメモリ領域を設定する構成としたので、水平画素数がいかなる数値であっても、画像信号の反転処理を行うことができる等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0041】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置を搭載したデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。デジタルビデオカメラ1は、制御部10、ROM11,RAM12,レンズユニット13,撮像部14,信号処理部15,操作部16,表示部17,画像処理部20を備えている。
【0042】
デジタルビデオカメラ1は、従来と同様に、被写体を撮像した画像信号を所定形式(例えばMPEG形式)に符号化する機能、符号化した画像信号を記憶する機能、記憶している画像信号を復号化して再生する機能などを有している。また、デジタルビデオカメラ1は、画像信号を反転する機能を有しており、ROM11には、このような機能を実現するための制御プログラムが格納されており、制御部10は、ROM11に格納された制御プログラムに従って種々の機能を実行する。RAM12は、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する一時的なデータを記憶するもので、例えばDRAM、フラッシュメモリ等により構成される。
【0043】
レンズユニット13は、レンズ13a及びアイリス(絞り)13bから構成されており、図示しないモータによって、レンズ13a及びアイリス13bの状態が制御されている。レンズ13aは、ズームレンズ及びフォーカスレンズなどから構成されており、撮像部14における被写体の像の大きさ及び焦点が調整される。
【0044】
撮像部14は、CCD又はCMOSなどから構成されており、レンズユニット13を通じて入射される光を光電変換してアナログ形式の電気信号を生成し、信号処理部15へ出力する。信号処理部15は、ADC15aなどを備えており、撮像部14から出力されたアナログ形式の電気信号をADC15aにてデジタル形式に変換し、画像処理部20へ出力する。以下、変換されたデジタル形式の電気信号を画像信号という。なお、ADC15aによる変換に先だって、ノイズ抑制処理、感度を調整する増幅処理、及びCDS(Correlated Double Sampling)処理を行い、電気信号を整形するようにしてもよい。
【0045】
操作部16は、デジタルビデオカメラ1を操作するための各種のファンクションキーを備えている。本発明に特徴的なファンクションキーとしては反転処理設定キー16aであり、反転処理設定キー16aを押下されることによって、制御部10は、画像信号の反転処理を行うことを指示する指示信号を画像処理部20へ与える。
【0046】
表示部17は、液晶モニタ又はLEDモニタなどの表示デバイスで構成されており、デジタルビデオカメラ1の動作状態の表示、利用者へ操作入力を促す画面の表示、画像信号を再生して該画像信号に係る画像の表示などを行う。なお、表示部17をタッチパネル方式とすることにより、操作部16の各種のファンクションキーのうちの一部又は全部を代用することも可能である。
【0047】
画像処理部20は、本発明に係る画像処理装置であって、制御部10から与えられた指示信号に基づいて、入力された画像信号を反転させ、元の画像に対して左右が反転した画像信号に変換する機能を有する。画像処理部20は、ASICで構成されており、アドレスコントローラ21、DPM22a,22b,SDRAM23を備え、アドレスコントローラ21は、DPM22a,22b及びSDRAM23のアドレスを制御する。DPM22a,22bは本発明の第1メモリ,第2メモリ、SDRAM23は本発明の第3メモリ(フレームメモリ)に相当する。
【0048】
DPM22a,22bはデュアルポートメモリであり、一方のポートからデータを書き込むと同時に、他方のポートからデータを読み出すことができるメモリである。DPM22aは、入力された複数の走査ライン分の画像信号のうち、1ライン分の画像信号毎に、すなわち画像データD0,D1,D2,…,D1919を、アドレスコントローラ21によって指示されるアドレスに書き込むとともに、画像信号の周波数をSDRAM23の動作周波数になるように調整する。
【0049】
アドレスコントローラ21は、SDRAM23のバースト長に応じて、DPM22aに書き込まれている1ライン分の画像信号の順序を、SDRAM23のバースト長単位で反転して読み出す。以下、画像信号は、図2に示すように、輝度信号Y及びクロマ信号Cから構成されており、輝度信号Y及びクロマ信号Cは、それぞれ8ビットのデータy0,y1,…,y7、及びc0,c1,…,c7からなり、1画素当たり16ビットのデータ長であるとする。
【0050】
(実施例1)−DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が32ビットである場合−
例えば、SDRAM23のバースト長が8である場合、図3に示すように、DPM22aのアドレスの下位3ビット毎、つまり8アドレス毎に順序を反転してデータを読み出す。画像信号は1画素当たり16ビットのデータ長であるため、1つのメモリアドレスには2画素分の画像信号が書き込まれることから、画像信号D0〜D1919が入力されると、画像信号D15〜D0,D31〜D16,…,D1919〜D1904の順序で読み出される。
【0051】
SDRAM23は、コラムアドレス及びロウアドレスによって決定される複数のメモリセルを備えており、メモリバスクロックに同期してアドレスコントローラ21が指定するコラムアドレス及びロウアドレスにデータを格納する。より具体的には、アドレスコントローラ21は、SDRAM23のアドレスを制御しており、ロウアドレスストローブ信号(/RAS信号)、コラムアドレスストローブ信号(/CAS信号)、及びライトイネーブル信号(/WE信号)をSDRAM23へ出力することにより、各ストローブ信号及びイネーブル信号によって指定されるアドレスにおけるデータの書き込み及び読み出し動作を制御する。
【0052】
図4は実施例1におけるSDRAMの書き込みアドレス制御を示す図であり、図5は実施例1にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスを示すアドレスマップである。アドレスコントローラ21は、/CAS信号及び/RAS信号を制御することによって、図4に示すようなSDRAM23のアドレス(コラムアドレス,ロウアドレス)に、DPM22aから読み出した画像信号D15〜D0,D31〜D16,…,D1919〜D1904を書き込む。図4において、コラムアドレスを例えば248に設定することにより、248〜255のコラムアドレスにバースト転送で画像信号が順次書き込まれる。
【0053】
アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを「3」、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「3」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」で指定されるアドレスに、バースト転送(バースト長=8)で画像信号を順次書き込む。DPM22aから読み出される画像信号は、D15〜D0,D31〜D16,…,D1919〜D1904であり、かつ画像信号は1画素当たり16ビットのデータ長であるため、1つのアドレスには2画素分の画像信号が書き込まれることから、ロウアドレス「3」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」のアドレスには、D15〜D0,D31〜D16,…,D511〜D496の画像信号が書き込まれる。
【0054】
次いで、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「2」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「2」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」で指定されるアドレスに、D527〜D512,D543〜D528,…,D1023〜D1008の画像信号を書き込む。
【0055】
そして、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「1」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「1」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」で指定されるアドレスに、D1039〜D1024,D1055〜D1040,…,D1535〜D1520の画像信号を書き込む。
【0056】
そして、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「0」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,64」に設定することによって、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,64〜71」で指定されるアドレスに、D1551〜D1536,D1567〜D1552,…,D1919〜D1904の画像信号を書き込む。このように、画像信号を1ライン分の画像信号の記憶に必要なメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、バースト転送にてSDRAM23に書き込むことによって、SDRAM23には、図5に示すようなアドレスに画像信号D1919〜D0が書き込まれ、左右が反転した画像信号が記憶されることになる。2ライン目以降の画像信号のSDRAM23への書き込みについても同様である。
【0057】
なお、ロウアドレスを「0」に設定する場合、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定して、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,64〜71」で指定されるアドレスに、D1551〜D1536,D1567〜D1552,…,D1919〜D1904の画像信号を書き込み、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「58〜65,66〜73,…,0〜7」で指定されるアドレスに、ダミー信号を書き込むようにしてもよい。
【0058】
また、アドレスコントローラ21は、SDRAM23からの画像信号の読み出しについても制御を行っており、画像信号を読み出す場合には、図6に示すようなバースト転送(バースト長=8)での読み出しが行われる。SDRAM23には、左右が反転した画像信号D1919〜D0が記憶されていることから、通常のインクリメントモードによる読み出しを行う。なお、画像信号はコラムアドレスが「64」、ロウアドレスが「0」のアドレスから順次記憶されていることから、最初に指定するコラムアドレスを「64」、ロウアドレスを「0」にすることによって、左右が反転した画像信号D1919〜D0を読み出すことができる。つまり、1ライン分の画像信号が記憶されているメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、バースト転送にてSDRAM23から読み出す。SDRAM23から読み出された画像信号は、DPM22bへ書き込まれた後、図7に示すように、DPM22bのアドレスを「0」からインクリメントして、書き込まれた順序、すなわちD1919〜D0の順序で、かつ所定の周波数、例えば元の画像信号の周波数に調整され、表示部17へ出力される。
【0059】
(実施例2)−DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が16ビットである場合−
例えば、SDRAM23のバースト長が8である場合、実施例1と同様、図3に示すように、DPM22aのアドレスの下位3ビット毎、つまり8アドレス毎に順序を反転してデータを読み出す。ただし、画像信号は1画素当たり16ビットのデータ長であるため、本例では1つのメモリアドレスに1画素分の画像信号が書き込まれることから、画像信号D0〜D1919が入力されると、画像信号D7〜D0,D15〜D8,…,D1919〜D1912の順序で読み出される。
【0060】
図8は実施例2におけるSDRAMの書き込みアドレス制御を示す図であり、図9は実施例2にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスを示すアドレスマップである。アドレスコントローラ21は、/CAS信号及び/RAS信号を制御することによって、図8に示すようなSDRAM23のアドレスに、DPM22aから読み出した画像信号D7〜D0,D15〜D8,…,D1919〜D1912を書き込む。
【0061】
アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを「7」、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「7」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」で指定されるアドレスに、バースト転送(バースト長=8)で画像信号を順次書き込む。DPM22aから読み出される画像信号は、D7〜D0,D15〜D8,…,D1919〜D1912であり、かつ画像信号は1画素当たり16ビットのデータ長であるため、1つのメモリアドレスには1画素分の画像信号が書き込まれることから、ロウアドレス「7」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」のアドレスには、D7〜D0,D15〜D8,…,D255〜D248の画像信号を書き込む。
【0062】
同様に、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを順次ディクリメントすることによって、ロウアドレスが「6」、コラムアドレスが「248〜255,240〜247,…,0〜7」のアドレスに、D263〜D256,D271〜D264,…,D511〜D504の画像信号を書き込む(ロウアドレスが「5」,「4」,「3」,「2」,「1」の場合も同様)。
【0063】
また、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを「0」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,128」に設定することによって、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,128〜135」で指定されるアドレスに、D1799〜D1792,D1807〜D1800,…,D1919〜D1912の画像信号を書き込む。このように、画像信号を1ライン分の画像信号の記憶に必要なSDRAM23のメモリ領域の後方のアドレスから前方のアドレスにかけて、バースト転送で書き込むことによって、SDRAM23には、図9に示すようなアドレスに画像信号D1919〜D0が書き込まれ、左右が反転した画像信号が記憶されることになる。2ライン目以降の画像信号のSDRAM23への書き込みについても同様である。
【0064】
なお、ロウアドレスを「0」に設定する場合、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定して、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,128〜135」で指定されるアドレスに、D1799〜D1792,D1807〜D1800,…,D1919〜D1912の画像信号を書き込み、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「120〜127,112〜119,…,0〜7」で指定されるアドレスに、ダミー信号を書き込むようにしてもよい。
【0065】
また、アドレスコントローラ21は、SDRAM23からの画像信号の読み出しについても制御を行っており、画像信号を読み出す場合には、図10に示すようなバースト転送(バースト長=8)での読み出しが行われる。SDRAM23には、左右が反転した画像信号D1919〜D0が記憶されていることから、通常のインクリメントモードによる読み出しを行う。なお、画像信号はコラムアドレスが「128」、ロウアドレスが「0」のアドレスから順次記憶されていることから、最初に指定するコラムアドレスを「128」、ロウアドレスを「0」にする。SDRAM23から読み出された画像信号は、DPM22bへ書き込まれた後、実施例1と同様、図7に示すように、DPM22bのアドレスを「0」からインクリメントして、書き込まれた順序、すなわちD1919〜D0の順序で、かつ所定の周波数、例えば元の画像信号の周波数に調整され、表示部17へ出力される。
【0066】
上述した如く、いずれの実施例においても、SDRAM23への書き込みの際に、画像信号を左右反転して記憶しておき、その順序で画像信号を読み出すことができる。また、従来の構成において必要であったラインメモリが不要となることから、画像処理部20の構成を簡略化することができ、ASICの構成に必要なゲート数を削減することができる。これにより、画像処理部20の消費電力を削減することができる。さらに、1ライン分の画像信号を蓄積中に、順次反転処理を行うことができるので、従来と比べて反転処理による遅延時間を減少することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、図5(実施例1)又は図9(実施例2)に示すようなSDRAM23のアドレスに画像信号が書き込まれる構成の画像処理部20について説明したが、DPM22a,22b及びSDRAM23のアドレス制御について限定されるものではない。図11は実施例1におけるSDRAMの書き込みアドレス制御の他の一例を示す図であり、図12は実施例1にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。例えば、実施例1の場合には、図11に示すようなSDRAM23のアドレスに、DPM22aから読み出した画像信号D15〜D0,D31〜D16,…,D1919〜D1904を書き込み、SDRAM23への画像信号の書き込みにオフセットを持たせるようにしてもよい。
【0068】
アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを「3」、コラムアドレスを「184,176,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「3」及びコラムアドレス「184〜191,176〜183,…,0〜7」で指定されるアドレスに、バースト転送(バースト長=8)で画像信号を順次書き込む。DPM22aから読み出される画像信号は、D15〜D0,D31〜D16,…,D1919〜D1904であり、かつ画像信号は1画素当たり16ビットのデータ長であるため、1つのメモリアドレスには2画素分の画像信号が書き込まれることから、ロウアドレス「3」及びコラムアドレス「184〜191,176〜183,…,0〜7」のアドレスには、D15〜D0,D31〜D16,…,D383〜D368の画像信号が書き込まれる。
【0069】
次いで、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「2」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「2」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」で指定されるアドレスに、D399〜D384,D415〜D400,…,D895〜D880の画像信号を書き込む。
【0070】
そして、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「1」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「1」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」で指定されるアドレスに、D911〜D896,D927〜D912,…,D1407〜D1392の画像信号を書き込む。
【0071】
そして、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「0」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」で指定されるアドレスに、D1423〜D1408,D1439〜D1424,…,D1919〜D1904の画像信号を書き込む。このように、画像信号を1ライン分の画像信号の記憶に必要なSDRAM23のメモリ領域の後方のアドレスから前方のアドレスにかけて、バースト転送で書き込むことによって、SDRAM23には、図12に示すようなアドレスに画像信号D1919〜D0が書き込まれ、左右が反転した画像信号が記憶されることになる。つまり、1ライン分の画像信号を記憶するメモリ領域の先頭アドレスのコラムアドレスが0となるようにメモリ領域を設定する。SDRAM23にオフセットを設定することは、1ライン分の画像信号の記憶に必要なSDRAM23のメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合に有用である。なお、剰余数はアドレスコントローラ21によって算出される。
【0072】
また、図13に示すように、まず、DPM22aのアドレスを固定(例えば7に固定)し、そのアドレスに書き込まれている画像信号を64回読み出し(図13(a))、SDRAM23への書き込みアドレスを制御して(図13(b))、ロウアドレス「3」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,192〜199」で指定されるアドレスに書き込み、そして、ロウアドレス「3」,コラムアドレス「184」より前のアドレスに画像信号を上述と同様に書き込むようにしてもよい。このようにすれば、SDRAM23のロウアドレス「3」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,192〜199」で指定されるアドレスがオフセットとなって、SDRAM23には、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「0」のアドレスから反転した画像信号が順次記憶される。
【0073】
また、SDRAM23から画像信号を読み出す場合には、図14に示すようなバースト転送(バースト長=8)での読み出しが行われる。SDRAM23には、左右が反転した画像信号が記憶されていることから、通常のインクリメントモードによる読み出しを行う。画像信号はコラムアドレスが「0」、ロウアドレスが「0」のアドレスから順次記憶されていることから、最初に指定するコラムアドレスを「0」、ロウアドレスを「0」にする。このように、SDRAM23にオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号(図12において斜線で示す)が読み出されることはない。
【0074】
また、本実施形態では、水平画素数が1920画素である場合について説明したが、水平画素数について限定されるものではなく、SDRAMのデータバス幅A、画像信号の1画素あたりのデータ長B、及び画像信号の1ライン分の画素数Cに応じて、1ライン分の画像信号の記憶に必要なメモリ領域を設定するようにする。より具体的には、1ライン分の画像信号の記憶に必要なアドレス数(メモリセル数)Zは、Z=C/INT(A/B)である(ただし、小数点以下は切り上げ)ことから、コラムアドレスのアドレス総数がXの場合、1ライン分の画像信号の記憶に必要なロウアドレスのアドレス数Yは、Y=Z/Xである(ただし、小数点以下は切り上げ)。また、Z/Xが少数となる場合、1つのロウアドレスには、画像信号が記憶されていない未使用のアドレス(アドレス数=X×Y−Z)が生じる。
【0075】
例えば、水平画素数が1280画素である場合、DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が32ビット、画像信号の1画素当たりのデータ長が16ビットのとき、図15に示すように、1ライン分の画像信号の記憶に必要なロウアドレスのアドレス数Yは3となり、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「128」から、ロウアドレス「2」,コラムアドレス「255」にかけて、1ライン目の画像信号D1279〜D0を記憶する。一方、DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が16ビット、画像信号の1画素当たりのデータ長が16ビットのとき、図16に示すように、1ライン分の画像信号の記憶に必要なロウアドレスのアドレス数Yは5となり、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「0」から、ロウアドレス「4」,コラムアドレス「255」にかけて、1ライン目の画像信号D1279〜D0を記憶する。また、図17に示すように、DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が32ビット、画像信号の1画素当たりのデータ長が16ビットの場合には、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「0」から、ロウアドレス「2」,コラムアドレス「127」にかけて、1ライン目の画像信号D1279〜D0を記憶するようにしてもよい。なお、このようなアドレスに画像信号を記憶するためのSDRAM23の書き込みアドレス制御については、上述した制御と同様であるため、その説明を省略する。
【0076】
また、水平画素数が720画素である場合、DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が32ビット、画像信号の1画素当たりのデータ長が16ビットのとき、図18に示すように、1ライン分の画像信号の記憶に必要なロウアドレスのアドレス数Yは2となり、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「152」から、ロウアドレス「1」,コラムアドレス「255」にかけて、1ライン目の画像信号D719〜D0を記憶する。一方、DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が16ビット、画像信号の1画素当たりのデータ長が16ビットのとき、図19に示すように、1ライン分の画像信号の記憶に必要なロウアドレスのアドレス数Yは3となり、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「48」から、ロウアドレス「2」,コラムアドレス「255」にかけて、1ライン目の画像信号D719〜D0を記憶する。また、DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が32ビット、画像信号の1画素当たりのデータ長が16ビットの場合には、図20に示すように、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「0」から、ロウアドレス「1」,コラムアドレス「103」にかけて、1ライン目の画像信号D719〜D0を記憶するようにしてもよい。一方、DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が16ビット、画像信号の1画素当たりのデータ長が16ビットの場合には、図21に示すように、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「0」から、ロウアドレス「2」,コラムアドレス「207」にかけて、1ライン目の画像信号D719〜D0を記憶するようにしてもよい。なお、このようなアドレスに画像信号を記憶するためのSDRAM23の書き込みアドレス制御については、上述した制御と同様であるため、その説明を省略する。
【0077】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る画像処理装置を搭載したデジタルビデオカメラの構成は図1と略同様であり、アドレスコントローラ21によるDPM22a,22b及びSDRAM23のアドレス制御が相違する。
【0078】
(実施例3)−DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が32ビットである場合−
アドレスコントローラ21は、DPM22aに入力された画像信号D0〜D1919をアドレス0,1,…の順序で書き込み、書き込まれた順序でDPM22aから読み出す。つまり、画像信号D0〜D1919が入力されると、画像信号D0〜D1919の順序で読み出される。
【0079】
そして、アドレスコントローラ21は、/CAS信号及び/RAS信号を制御することによって、図22に示すようなSDRAM23のアドレスに、DPM22aから読み出した画像信号D0〜D1919を書き込む。SDRAM23には、図23に示すようなアドレスに画像信号が書き込まれる。つまり、SDRAM23には非反転の画像信号D0〜D1919がロウアドレス「0」,コラムアドレス「0」〜ロウアドレス「3」,コラムアドレス「191」に書き込まれる。
【0080】
アドレスコントローラ21は、SDRAM23の読み出しアドレスを制御して、画像信号の読み出しの際に画像を左右反転する。SDRAM23のバースト長が8である場合、アドレスコントローラ21は、/CAS信号及び/RAS信号を制御することによって、図24に示すように、SDRAM23の読み出しアドレスを制御して、SDRAM23から画像信号を読み出す。
【0081】
より具体的には、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを「3」、コラムアドレスを「184,176,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「3」及びコラムアドレス「184〜191,176〜183,…,0〜7」のアドレスに記憶されている画像信号を読み出す。SDRAM23のロウアドレス「3」及びコラムアドレス「184〜191,176〜183,…,0〜7」で指定されるアドレスにはD1904〜D1919,D1888〜D1903,…,D1536〜D1551の画像信号が記憶されていること(図23参照)から、D1904〜D1919,D1888〜D1903,…,D1536〜D1551の画像信号が読み出される。
【0082】
次いで、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「2」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「2」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」のアドレスに記憶されているD1520〜D1535,D1504〜D1519,…,D1024〜D1039の画像信号を読み出す。
【0083】
そして、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「1」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「1」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」のアドレスに記憶されているD1008〜D1023,D992〜D1007,…,D512〜D527の画像信号を読み出す。
【0084】
そして、ロウアドレスをディクリメント、すなわち「0」に設定するとともに、コラムアドレスを「248,240,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,0〜7」のアドレスに記憶されているD496〜511,D480〜D495,…,D0〜D15の画像信号を読み出す。2ライン目以降の画像信号のSDRAM23からの読み出しについても同様である。
【0085】
SDRAM23から読み出された画像信号は、DPM22bへ書き込まれた後、アドレスコントローラ21によって、図25に示すように、DPM22bのアドレスの下位3ビット毎、つまり8アドレス毎に順序を反転して読み出されるとともに、所定の周波数、例えば元の画像信号の周波数に調整されて表示部17へ出力される。このDPM22bへのアドレス制御によって、画像信号はD1919〜D0の順序でDPM22bから出力される。
【0086】
(実施例4)−DPM22a,22b及びSDRAM23のデータバス幅が16ビットである場合−
アドレスコントローラ21は、DPM22aに入力された画像信号D0〜D1919をアドレス0,1,…の順序で書き込み、書き込まれた順序でDPM22aから読み出す。つまり、画像信号D0〜D1919が入力されると、画像信号D0〜D1919の順序で読み出される。
【0087】
そして、アドレスコントローラ21は、/CAS信号及び/RAS信号を制御することによって、図26に示すようなSDRAM23のアドレスに、DPM22aから読み出した画像信号D0〜D1919を書き込む。SDRAM23には、図27に示すようなアドレスに画像信号が書き込まれる。つまり、SDRAM23には非反転の画像信号D0〜D1919がロウアドレス「0」,コラムアドレス「0」〜ロウアドレス「7」,コラムアドレス「127」に書き込まれる。
【0088】
アドレスコントローラ21は、SDRAM23の読み出しアドレスを制御して、画像信号の読み出しの際に画像を左右反転する。SDRAM23のバースト長が8である場合、アドレスコントローラ21は、/CAS信号及び/RAS信号を制御することによって、図28に示すように、SDRAM23の読み出しアドレスを制御して、SDRAM23から画像信号を読み出す。
【0089】
より具体的には、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを「7」、コラムアドレスを「120,112,…,0」に設定することによって、ロウアドレス「7」及びコラムアドレス「120〜127,112〜119,…,0〜7」のアドレスに記憶されている画像信号を読み出す。SDRAM23のロウアドレス「7」及びコラムアドレス「120〜127,112〜119,…,0〜7」で指定されるアドレスにはD1912〜D1919,D1904〜D1911,…,D1792〜D1799の画像信号が記憶されていること(図27参照)から、D1912〜D1919,D1904〜D1911,…,D1792〜D1799の画像信号が読み出される。
【0090】
同様に、アドレスコントローラ21は、ロウアドレスを順次ディクリメントすることによって、ロウアドレスが「6」、コラムアドレスが「248〜255,240〜247,…,0〜7」のアドレスに記憶されているD1784〜D1791,D1776〜D1783,…,D1536〜D1543の画像信号が読み出される(ロウアドレスが「5」,「4」,「3」,「2」,「1」,「0」の場合も同様)。2ライン目以降の画像信号のSDRAM23からの読み出しについても同様である。
【0091】
SDRAM23から読み出された画像信号は、DPM22bへ書き込まれた後、アドレスコントローラ21によって、実施例3と同様、図25に示すように、DPM22bのアドレスの下位3ビット毎、つまり8アドレス毎に順序を反転して読み出されるとともに、所定の周波数、例えば元の画像信号の周波数に調整されて表示部17へ出力される。このDPM22bへのアドレス制御によって、画像信号はD1919〜D0の順序でDPM22bから出力される。
【0092】
上述した如く、いずれの実施例においても、SDRAM23に非反転の画像信号を記憶しておき、読み出しの際に、画像信号を左右反転することができる。また、従来の構成において必要であったラインメモリが不要となることから、画像処理部20の構成を簡略化することができ、ASICの構成に必要なゲート数を削減することができる。これにより、画像処理部20の消費電力を削減することができる。さらに、1ライン分の画像信号を蓄積中に、順次反転処理を行うことができるので、従来と比べて反転処理による遅延時間を減少することができる。
【0093】
なお、SDRAM23のアドレス制御について限定されるものではなく、例えば、実施例3の場合には、図29に示すようなアドレスマップに、画像信号を書き込み、SDRAM23への画像信号の書き込みにオフセットを持たせるようにしてもよい。つまり、1ライン分の画像信号を記憶するメモリ領域の後尾アドレスのコラムアドレスが最大数(本例では255)となるようにメモリ領域を設定する。SDRAM23にオフセットを設定することは、1ライン分の画像信号の記憶に必要なSDRAM23のメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合に有用である。
【0094】
より具体的には、例えば、図30に示すように、まず、DPM22aのアドレスを固定(例えば0に固定)し、そのアドレスに書き込まれている画像信号を64回読み出し(図30(a))、SDRAM23への書き込みアドレスを制御して(図30(b))、ロウアドレス「0」及びコラムアドレス「0〜7,8〜15,…,56〜63」で指定されるアドレスに書き込み、そして、ロウアドレス「0」,コラムアドレス「64」より後のアドレスに画像信号を上述と同様に書き込む。このようにすれば、SDRAM23のロウアドレス「0」及びコラムアドレス「0〜7,8〜15,…,56〜63」で指定されるアドレスがオフセットとなる。
【0095】
図29においては、画像信号はコラムアドレスが「255」、ロウアドレスが「3」のアドレスからディクリメントして記憶されていることから、最初に指定するコラムアドレスを「255」(実際にはバースト転送で読み出すため「248」)、ロウアドレスを「3」にする。このように、SDRAM23にオフセットを持たせた状態で画像信号を書き込むことによって、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号(図29において斜線で示す)が読み出されることはない。
【0096】
また、1ライン分の画像信号の記憶に必要なSDRAM23のメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、図31に示すように、まず、SDRAM23の後方のアドレスから剰余数に相当するアドレスに書き込まれている信号を順に読み出し、DPM22bのアドレスを固定し、固定したアドレスにSDRAM23から読み出した信号を書き込むようにしてもよい。つまり、SDRAM23への読み出しアドレスを制御して(図31(a))、ロウアドレス「3」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,192〜199」で指定されるアドレスの信号を読み出し、DPM22bのアドレスを固定(例えば7に固定)し、そのアドレスに読み出した信号を書き込む(図31(b))。このようにすれば、SDRAM23のロウアドレス「3」及びコラムアドレス「248〜255,240〜247,…,192〜199」で指定されるアドレスには、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が記憶されている(図23参照)が、先ずDPM22bのアドレスを固定してダミー信号を読み出した後に、DPM22bのアドレスを制御して画像信号を読み出すことによって、ダミー信号を画像信号で書き換えてDPM22bに記憶することができるので、ダミー信号、すなわち画像とは関連のない無効信号が読み出されることはない。
【0097】
また、各実施の形態では、SDRAMのバースト長が8である場合について説明したが、バースト長について限定されるものではない。例えば、バースト長が4である場合、実施の形態1では、DPM22aのアドレスの下位2ビット毎、つまり4アドレス毎に順序を反転してデータを読み出し、実施の形態2では、DPM22bのアドレスの下位2ビット毎、つまり4アドレス毎に順序を反転してデータを読み出すようにすればよい。
【0098】
さらに、本発明に係る画像処理装置(画像処理部20)をデジタルビデオカメラに搭載した形態について説明したが、画像処理装置は、例えば、デジタルスチールカメラのような画像撮像装置、DVDレコーダ及びHDレコーダなどの画像記憶装置、CRTディスプレイ及び液晶ディスプレイなどの表示装置、並びに、プリンタ及びデジタル複合機などの画像形成装置等、各種電子機器に搭載することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置を搭載したデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】画像信号の構成を示す図である。
【図3】実施例1におけるDPM22aのアドレス制御を示す図である。
【図4】実施例1におけるSDRAMの書き込みアドレス制御を示す図である。
【図5】実施例1にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスを示すアドレスマップである。
【図6】実施例1におけるSDRAMの読み出しアドレス制御を示す図である。
【図7】実施例1におけるDPM22bのアドレス制御を示す図である。
【図8】実施例2におけるSDRAMの書き込みアドレス制御を示す図である。
【図9】実施例2にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスを示すアドレスマップである。
【図10】実施例2におけるSDRAMの読み出しアドレス制御を示す図である。
【図11】実施例1におけるSDRAMの書き込みアドレス制御の他の一例を示す図である。
【図12】実施例1にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図13】実施例1におけるDPM22a及びSDRAMのアドレス制御の他の一例を示す図である。
【図14】実施例1におけるDPM22bのアドレス制御の他の一例を示す図である。
【図15】SDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図16】SDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図17】SDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図18】SDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図19】SDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図20】SDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図21】SDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図22】実施例3におけるSDRAMの書き込みアドレス制御を示す図である。
【図23】実施例3にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスを示すアドレスマップである。
【図24】実施例3におけるSDRAMの読み出しアドレス制御を示す図である。
【図25】実施例3におけるDPM22bのアドレス制御を示す図である。
【図26】実施例4におけるSDRAMの書き込みアドレス制御を示す図である。
【図27】実施例4にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスを示すアドレスマップである。
【図28】実施例4におけるDPM22bのアドレス制御を示す図である。
【図29】実施例3にてSDRAMに書き込まれる画像信号のアドレスの他の一例を示すアドレスマップである。
【図30】実施例3におけるDPM22a及びSDRAMのアドレス制御の他の一例を示す図である。
【図31】実施例3におけるSDRAM及びDPM22bのアドレス制御の他の一例を示す図である。
【図32】従来の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図33】ラインメモリのアドレス制御を示す図である。
【図34】従来の画像処理装置の他の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0100】
1 デジタルビデオカメラ
10 制御部
11 ROM
12 RAM
13 レンズユニット
14 撮像部
15 信号処理部
16 操作部
16a 反転処理設定キー
17 表示部
20 画像処理部
21 アドレスコントローラ
22a,22b DPM(デュアルポートメモリ)
23 SDRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の書き込み及び読み出しが行われる第1メモリ及び第2メモリと、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定されるアドレスに対して所定のバースト長で信号の書き込み及び読み出しが行われる第3メモリと、前記第1メモリ、前記第2メモリ及び前記第3メモリのアドレスを制御するアドレス制御手段とを備え、外部から複数の走査ライン分の画像信号を受け付けて、該画像信号に係る画像の左右が反転した画像信号を出力する画像処理装置において、
前記アドレス制御手段は、
外部から受け付けた画像信号を前記第1メモリに書き込み、
該第1メモリのアドレスのうちの前記バースト長に相当する下位アドレスを反転して該第1メモリから画像信号を読み出し、
読み出した画像信号を、1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のうち、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該第3メモリに書き込み、
1ライン分の画像信号が書き込まれた場合、画像信号が書き込まれているメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該画像信号を読み出し、
読み出した画像信号を第2メモリに書き込み、
書き込んだ画像信号を第2メモリから読み出すようにしてあること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記アドレス制御手段は、
前記メモリ領域の先頭アドレスのコラムアドレスが0となるように、前記メモリ領域を設定するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記アドレス制御手段は、
前記1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、
前記第3メモリに画像信号を書き込む前に、
前記第1メモリのアドレスを固定し、該アドレスに書き込まれている信号を前記第3メモリの前記剰余数のアドレスに書き込むことによって、画像信号を書き込む前記第3メモリのアドレスにオフセットを設定するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
信号の書き込み及び読み出しが行われる第1メモリ及び第2メモリと、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定されるアドレスに対して所定のバースト長で信号の書き込み及び読み出しが行われる第3メモリと、前記第1メモリ、前記第2メモリ及び前記第3メモリのアドレスを制御するアドレス制御手段とを備え、外部から複数の走査ライン分の画像信号を受け付けて、該画像信号に係る画像の左右が反転した画像信号を出力する画像処理装置において、
前記アドレス制御手段は、
外部から受け付けた画像信号を前記第1メモリに書き込み、
該第1メモリから画像信号を読み出し、
読み出した画像信号を、1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のうち、ロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される先頭側のアドレスから後尾側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該第3メモリに書き込み、
1ライン分の画像信号が書き込まれた場合、画像信号が書き込まれているメモリ領域のロウアドレス及びコラムアドレスによって指定される後尾側のアドレスから先頭側のアドレスにかけて、前記バースト長毎に該画像信号を読み出し、
読み出した画像信号を第2メモリに書き込み、
該第2メモリのアドレスのうちの前記バースト長に相当する下位アドレスを反転して該第2メモリから画像信号を読み出すようにしてあること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記アドレス制御手段は、
前記メモリ領域の後尾アドレスのコラムアドレスが最大数となるように、前記メモリ領域を設定するようにしてあること
を特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記アドレス制御手段は、
前記1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、
前記第3メモリに画像信号を書き込む前に、
前記第1メモリのアドレスを固定し、該アドレスに書き込まれている信号を前記第3メモリの前記剰余数のアドレスに書き込むことによって、画像信号を書き込む前記第3メモリのアドレスにオフセットを設定するようにしてあること
を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記アドレス制御手段は、
前記1ライン分の画像信号の記憶に必要な前記第3メモリのメモリ領域のアドレス数を1コラムアドレスのアドレス数で除算した剰余数が0でない場合、
前記第3メモリから画像信号を読み出す前に、
前記第3メモリの前記剰余数のアドレスに書き込まれている信号を読み出し、前記第2メモリのアドレスを固定し、固定したアドレスに前記第3メモリから読み出した信号を書き込むことによって、画像信号を読み出す前記第3メモリのアドレスにオフセットを設定するようにしてあること
を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記アドレス制御手段は、
前記第3メモリのデータバス幅、前記画像信号の1画素あたりのデータ長、及び画像信号の1ライン分の画素数に応じて、前記メモリ領域を設定するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2006−25054(P2006−25054A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199784(P2004−199784)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】